JP5894824B2 - 接着シートおよびその製造方法、ならびに接着シート付き血液バッグおよびその製造方法 - Google Patents

接着シートおよびその製造方法、ならびに接着シート付き血液バッグおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、軟質塩化ビニル樹脂製物品に接着させる接着シートに関し、特に軟質塩化ビニル樹脂製血液バック等に接着させる接着シートに関する。また、本発明は、かかる接着シートが接着した接着シート付き血液バッグおよびその血液バッグの製造方法にも関する。
輸血等に用いられる血液バッグは軟質塩化ビニル樹脂を成型したバッグが多く用いられている。このバッグには、血液型など血液に関する情報が印刷されたラベルに代表されるシート状の部材を接着させることがある。以下、この血液バッグなどに接着させるシート状の部材およびこの部材を与えるシート状またはテープ状の部材を「接着シート」と総称する。
血液バッグは無菌性を担保することが求められるため、このバッグには、接着シートが接着した状態で、通常、オートクレーブ等内で高温高圧にて蒸気滅菌される処理(本明細書において、このような滅菌処理を「オートクレーブ処理」と総称する。)が施される。
上記の接着シートは一般に基材および接着剤層から構成されるところ、この接着シートはオートクレーブ処理が施されても次のような機能を有することが求められる。
(1)接着剤層の接着剤が接着シートの端部からはみ出したり流れ出したりしないこと、
(2)接着シートの基材の劣化が顕著とならないこと、
(3)血液バッグを構成する塩化ビニルに用いられる可塑剤の影響などにより、粘着剤層の塩化ビニルに対する粘着性が低下して接着シートが浮き剥がれないこと。
このような機能を有する接着シートとして、強固に軟質塩化ビニル樹脂に接着することができる、フィルム基材とポリエステル系樹脂による接着シートが提案されている(例えば、特許文献1および2)。
特開2004−231915号 国際公開第2006/101219号
特許文献1や2において提案される接着シートを被着体である血液バッグに接着させる工程は、通常、被着体における接着シートが接着すべき面(本明細書において、この面を「被着面」という。)に一旦接着シートを仮固定し、この被着面上に仮固定された接着シートと血液バッグとを、ヒートシール加工機を用いて加圧しながら加熱することにより行われる。このとき、被着面上への接着シートの仮固定が不十分である場合には、血液バッグに貼付した後ヒートシールの工程までの間に接着シートが被着面からずれてしまうことが懸念される。このような問題の発生を回避すべく接着シートの接着剤層に含有される接着剤量を増やすと、ヒートシール後のオートクレーブ処理が施されることにより、接着剤がシートの端部からはみ出したり流れ出したりするおそれがある。この接着剤のはみ出しや流れ出しが発生すると、オートクレーブ処理後の血液バッグを積み重ねて保管している間に隣接するバッグ同士が接着してしまい、これらを剥がすことが困難となり、最悪の場合にはバッグの破壊が発生してしまう。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、軟質塩化ビニル樹脂製物品を被着体とする接着シートであって、接着シートを被着面にヒートシールする前の段階において仮固定性に優れる接着シートおよびその接着シートの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる接着シートが接着した接着シート付き血液バッグおよびその接着シート付き血液バッグの製造方法を提供することも目的とする。
上記目的を達成すべく本発明者らが検討したところ、ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する感熱性接着剤層が基材上に積層された構成を備える接着シートが、上記課題を解決できるとの知見を得た。
かかる知見に基づき完成された本発明は、第1に、シート形状を有する基材および当該基材の一方の面に積層された感熱性接着剤層を備える、軟質塩化ビニル樹脂製物品への接着に用いる接着シートであって、前記感熱性接着剤層はポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有することを特徴とする接着シートを提供する(発明1)。
かかる接着シートは、ブロックイソシアネート架橋剤の脱ブロック反応を制御することによって、感熱性接着剤層におけるブロックイソシアネート架橋剤の架橋反応の進行程度を制御することができる。この反応の程度を適切に制御することによって、ヒートシール加工前において被着体に対する仮固定性に優れ、かつオートクレーブ処理後において、浮き剥がれや、シート端部からの接着剤のはみ出しや流れ出しといった不具合が観察されにくい接着シートを提供することが実現される。なお、本明細書において、こうした不具合が観察される現象を「接着不良」いう。
上記発明(発明1)において、前記接着シートは、前記軟質塩化ビニル樹脂製物品における前記接着シートが接着すべき面である被着面に前記接着シートの前記感熱性接着剤層が接触した状態でヒートシール加工およびその後にオートクレーブ処理が施されるものであって、前記オートクレーブ処理後の前記感熱性接着剤層における前記ブロックイソシアネート架橋剤とポリエステル系樹脂との架橋構造の存在密度である架橋点密度は、前記ヒートシール加工前の前記感熱性接着剤層における前記架橋点密度よりも高いことが好ましい(発明2)。ヒートシール加工前の接着シートの架橋点密度を低くすることにより、被着体に対する仮固定性に優れた接着シートとすることができ、オートクレーブ処理後の接着シートの架橋点密度を高くすることにより、オートクレーブ処理後の接着シートについて接着不良が生じる可能性を低減させることができる。
上記発明(発明2)において、前記ヒートシール加工前の前記感熱性接着剤層が、微粘着性を有することが好ましい(発明3)。微粘着性を有することにより、接着シートが被着体に対する仮固定性を安定的に有することができる。
上記発明(発明1から3)において、前記ブロックイソシアネート架橋剤が熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤であることが好ましい(発明4)。熱分解型の場合には脱ブロック温度を調節することができる。したがって、熱によって感熱性接着剤層の架橋反応の進行の程度を制御することができる。
上記発明(発明4)において、前記接着シートは、前記軟質塩化ビニル樹脂製物品における前記接着シートが接着すべき面である被着面に前記接着シートの前記感熱性接着剤層が接触した状態でヒートシール加工およびその後にオートクレーブ処理が施されるものであって、前記オートクレーブ処理により前記接着シートが加熱される温度が、前記熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度以上であることが好ましい(発明5)。そのような熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤を用いることで、ヒートシール加工前において被着体に対する仮固定性に優れ、かつオートクレーブ処理後において接着不良が生じにくい接着シートを提供することが容易に実現される。
上記発明(発明4または5)において、前記感熱性接着剤層は、ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する材料から、前記熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度以上の温度による加熱なしに形成されたものであることが好ましい(発明6)。この場合には、その内部において架橋反応が実質的に進行していない感熱性接着剤層を得ることができ、そのような感熱性接着剤層は仮固定性に特に優れる。
上記発明(発明1から6)において、前記軟質塩化軟質塩化ビニル樹脂製物品が軟質塩化ビニル樹脂製血液バックであることが好ましい(発明7)。上記発明(発明1から6)に係る接着シートを用いる、特にラベルとして用いることで、安全・衛生管理上の問題が発生する可能性が低減された接着シート付き血液バックを得ることができる。
本発明は、第2に、上記発明(発明1から7)のいずれかに係る接着シートの前記感熱性接着剤層を軟質塩化ビニル樹脂製血液バックにおける前記接着シートが接着すべき面である被着面に接触させ、その状態で前記接着シートに対してヒートシール加工を施し、前記ヒートシール加工を経た前記血液バッグに対してオートクレーブ処理を施して前記血液バッグを滅菌する、接着シート付き血液バッグの製造方法を提供する(発明8)。
上記発明(発明1から7)のいずれかに係る接着シートを用いることにより、接着シート付き血液バックの製造時に血液バッグから接着シートが脱落する問題が発生しにくい上に、安全・衛生管理上の問題が発生する可能性が低減された接着シート付き血液バックを製造することができる。
上記発明(発明8)において、前記オートクレーブ処理後の前記接着シートにおける前記感熱性接着剤層は、前記ブロックイソシアネート架橋剤と前記ポリエステル系樹脂とに基づく架橋構造を含むことが好ましい(発明9)。そのような製造方法により製造された接着シート付き血液バックは、その製造過程において問題が発生しにくく、しかも安全・衛生管理上の問題が発生しにくい。
上記発明(発明9)において、前記オートクレーブ処理後の前記感熱性接着剤層における前記ブロックイソシアネート架橋剤とポリエステル系樹脂とに基づく架橋構造の存在密度である架橋点密度は、前記ヒートシール加工前の前記感熱性接着剤層における前記架橋点密度よりも高いことが好ましい(発明10)。そのような製造方法により製造された接着シート付き血液バックは、接着シートがさらに仮固定性に優れるため、その製造時に問題が発生する可能性がさらに低減されたものとなる。
本発明は、第3に、上記発明(発明1から7)のいずれかに係る接着シートの前記感熱性接着剤層を軟質塩化ビニル樹脂製血液バックにおける接着シートが接着すべき面である被着面に接触させ、その状態で前記接着シートに対してヒートシール加工を施し、前記ヒートシール加工を経た前記血液バッグに対してオートクレーブ処理を施して前記血液バッグを滅菌する製造方法により得られる接着シート付き血液バッグを提供する(発明11)。
かかる接着シート付き血液バッグは、その製造時に血液バッグから接着シートが脱落する問題が発生しにくい上に、安全・衛生管理上の問題が発生する可能性が、従来技術に係る接着シート付き血液バッグに比べて低減されている。
上記発明(発明11)において、前記オートクレーブ処理後の前記接着シートの前記感熱性接着剤層は、前記ブロックイソシアネート架橋剤と前記ポリエステル系樹脂とに基づく架橋構造を含むことが好ましい(発明12)。そのような接着シート付き血液バックの接着シートには、接着不良が生じている可能性が低い。
本発明は、第4に、上記発明(発明4)に係る接着シートの製造方法であって、ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する材料を前記基材の一方の面に塗布して得られる塗布層を、前記熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度未満の温度にて乾燥して、前記感熱性接着剤層を形成する、接着シートの製造方法を提供する(発明13)。
かかる製造方法によれば、感熱性接着剤層の製造過程においてその内部で架橋反応が進行しにくいため、得られた接着シートは仮固定性に特に優れる。
本発明に係る接着シートにおける感熱性接着剤層は、ブロックイソシアネート架橋剤とポリエステル系樹脂とに基づく架橋構造、具体的には、ブロックイソシアネートの脱ブロック反応により生成したイソシアネート基を有する架橋剤と、ポリエステル系樹脂におけるヒドロキシ基などイソシアネート基と反応しうる官能基とが反応することにより形成される架橋構造の存在密度(本明細書においてこの密度を「架橋点密度」ともいい、架橋点密度はゼロの場合、すなわち感熱性接着剤層に架橋構造が存在しない場合を含む。)を、ヒートシール加工前とオートクレーブ処理後とで異なるようにすることができる。
このため、ヒートシール加工の前の段階においてこの架橋点密度を低くするまたは架橋構造を存在させないようにすることができる。このとき、感熱性接着剤層に適度な粘着性が付与され、被着体に対する仮固定性に優れた接着シートが得られる。その一方で、ヒートシール加工および/またはその後に行われるオートクレーブ処理によって、上記の架橋点密度を高くするまたは架橋構造が存在するようにすることができる。このとき、感熱性接着剤層の凝集力や被着体や基材に対する密着力を高めることが実現され、オートクレーブ処理後において、浮き剥がれや、シート端部からの接着剤のはみ出しや流れ出しといった不具合が観察されにくい(接着不良が生じにくい)接着シートとなる。
このように、本発明によれば、ヒートシール加工前において被着体に対する仮固定性に優れ、かつオートクレーブ処理後において接着不良が生じにくい接着シートが提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.接着シート
本実施形態に係る、軟質塩化ビニル樹脂製物品への接着に用いるための接着シート(以下、「接着シート」と略記する。)は、基材と、基材の一方の面に積層された感熱性接着剤層とを備える。この接着シートの具体的な使用例を挙げれば、軟質塩化ビニル樹脂製物品に接着するものであって、その物品に関する情報(上記の物品が血液バッグの場合には血液型など血液に関する情報)を表示するためのラベルとして好適に用いられる。
接着シートの厚さは特に限定されないが、通常は50μm以上300μm以下程度であればよい。この程度の厚さであれば、一般的な紙と同様に、印字手段、例えばインクジェットプリンターやレーザープリンターの給紙部に供給することができ、接着シートを上記のラベルとして使用する際に取り扱いやすい。
(1)基材
本実施形態に係る接着シートはシート形状を有する基材を備える。なお、本明細書において、「シート」にはテープの概念が含まれるものとする。すなわち基材の二次元的な形状は任意であり、接着シートを抜き加工することなくラベルとして使用できるような形状(通常は数cm×10cm程度)を有していてもよい。あるいは、基材が、各辺が例えば1m程度の大きさを有する矩形状を有していたり、巻取体の状態で保管されうるような長尺のテープであったりしてもよい。これらの場合には、かかる基材を備える接着シートを所望の大きさに裁断することにより、ラベルとして使用することができる。
基材を構成する材料は特に限定されず、フィルム、合成紙等の樹脂系の材料から構成されていてもよいし、紙系の材料から構成されていてもよい。
樹脂系の材料を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。基材はこれらの樹脂の一種から構成されていてもよいし、二種以上から構成されていてもよい。
基材は上記の樹脂系の材料を含有してなる一層のフィルムにより構成されていてもよいし、樹脂系の材料を含有してなるフィルムが複数層積層されて基材を構成していてもよい。また、基材がフィルムからなる場合には、そのフィルムは未延伸のものであってもよいし、縦または横などの一軸方向または二軸方向に延伸されたものであってもよい。
基材が紙系の材料から構成される場合の具体例として、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材、および上記の紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙が挙げられる。
本実施形態に係る接着シートは、ヒートシール加工やオートクレーブ処理が施されるものであるため、基材はこれらの加工・処理が施されても極端には劣化しない材料であることが好ましい。かかる観点から、基材はポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂またはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなることが好ましい。
基材は着色されていてもよいし無色透明のものでもよい。また、基材の表面には印刷、印字などが施されていてもよい。そのために、基材における感熱性接着剤層が形成される側と反対側の面(以下、「印字面」ともいう。)には、感熱記録層、熱転写、インクジェット、レーザー印字などが可能な印字受像層、印刷性向上層、インキ易接着層などが設けられてもよい。
また、基材における感熱性接着剤層が形成される側の面(以下、「接着加工面」ともいう。)には、感熱性接着剤層を構成する感熱性接着剤組成物との密着力(キーイング力)を向上させるために、プライマー処理やコロナ処理等が施されていてもよい。
基材の厚みは、特に制限ないが、通常10μm以上250μm以下であり、好ましくは25μm以上200μm以下である。
基材の破断強度は特に限定されないが、過度に低い場合には取り扱い性が著しく低下するため10N/15mm以上であることが好ましく、20N/15mm以上であることがより好ましい。なお、上記の破断強度の値は、JIS K7127:1999(ISO 527−3:1995)に準じて測定した値である。一方、基材の破断強度が過度に高い場合には、軟質塩化ビニル樹脂製物品に接着した接着シートから、基材の破断なく基材のみを剥がすことが容易となり、故意に接着シートを貼り替える等、接着シートが付された軟質塩化ビニル樹脂製物品に安全・衛生管理上の問題が発生する可能性が高まる。したがって、基材の破断強度は220N/15mm以下とすることが好ましく、200N/15mm以下とすることがより好ましい。
(2)感熱性接着剤層
本実施形態に係る接着シートは、基材の接着加工面側に感熱性接着剤層を備え、ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する。この感熱性接着剤層は感熱性接着剤組成物を用いて形成される。
(A)感熱性接着剤組成物
感熱性接着剤層を構成する感熱性接着剤組成物は、ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する。
i)ポリエステル系樹脂
ポリエステル系樹脂は、単量体としてのポリオールと多価カルボン酸とが共重合してなるエステル結合を主鎖中に有する重合体を主成分とする。
上記のポリオールの具体例として、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。一方、上記の多価カルボン酸の具体例として、マロン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、デカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロペンタンジカルボン酸などが挙げられる。これらのポリオールおよび多価カルボン酸の組み合わせは限定されず、本実施形態に係るポリエステル系樹脂を構成する重合体は、一種類の組み合わせに係る重合体であってもよいし、複数種類の組み合わせに係る重合体であってもよい。
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物に含まれるポリエステル系樹脂は、結晶性であってもよいし、非晶性であってもよい。なお、本実施形態において、樹脂が「非晶性」であるとは、通常の樹脂成型工程の条件下では、殆ど結晶化しない程、結晶性が著しく低いかあるいは結晶化速度が著しく遅い熱可塑性のポリエステル樹脂であることを意味する。
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物に含まれるポリエステル系樹脂は、結晶性である場合非晶性である場合のいずれについても、ガラス転移温度が−30℃以上70℃以下であることが好ましく、−20℃以上40℃以下であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量計を用いて測定することができる。
ポリエステル系樹脂の水酸基価は、後述する架橋剤との反応性を高める観点およびヒートシール加工前の段階における感熱性接着剤層に微粘着性(詳細は後述する。)を持たせる観点から、1mgKOH/g以上であることが好ましく、2mgKOH/g以上であることがより好ましい。ポリエステル系樹脂の水酸基価が過度に高い場合にはヒートシール加工前の段階における感熱性接着剤層が過度に粘着性を有し、作業性が低下するおそれがある。このため、この水酸基価は50mgKOH/g以下とすることが好ましく、20mgKOH/g以下とすることがより好ましく、10mgKOH/g以下とすることが特に好ましい。
ポリエステル系樹脂の分子量(重量平均分子量)は特に限定されない。ヒートシール加工前の段階で感熱性接着剤層が適度な粘着性を有して、被着体に貼付された場合における接着シートの仮固定性が適切に行われるように、当該ポリエステル系樹脂の分子量(重量平均分子量)は3000以上100,000以下であることが好ましく、5000以上20,000以下であることがさらに好ましい。
ii)ブロックイソシアネート架橋剤
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物はポリエステル系樹脂と反応して架橋構造を形成しうるブロックイソシアネート架橋剤を含有する。
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物に含まれるブロックイソシアネート架橋剤とは、ポリイソシアネート化合物における活性なイソシアネート基をフェノールなどのブロック剤とあらかじめ反応させて不活性化したものである。ブロックイソシアネート架橋剤はその状態では架橋反応を行うことができず、化学的に安定であるが、熱処理などによってイソシアネート基に結合したブロック基を解離させて活性なイソシアネート基が形成されると、架橋反応が可能な状態となる。
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物に含まれるブロックイソシアネート架橋剤を構成するポリイソシアネート化合物は特に限定されない。ポリイソシアネート化合物としては、1分子当たりイソシアネート基2個以上を有するポリイソシアネート化合物が挙げられ、例えばジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物、テトライソシアネート化合物、ペンタイソシアネート化合物、ヘキサイソシアネート化合物など種々のポリイソシアネート化合物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。本実施形態に係るブロックイソシアネート架橋剤を構成するポリイソシアネート化合物は一種類であってもよいし、複数種類であってもよい。接着剤の流れ出しを生じにくくする観点から、本実施形態に係るブロックイソシアネート架橋剤を構成するポリイソシアネート化合物はトリイソシアネート化合物を含有することが好ましい。
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物に含まれるブロックイソシアネート架橋剤に係るブロック剤は、特に限定されない。前述のフェノールのほか、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、2−ヒドロキシピリジン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、カルバゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾール等を用いてもよい。本実施形態に係るブロックイソシアネート架橋剤を構成するブロック剤は一種類であってもよいし、複数種類であってもよい。また、ブロック剤とポリイソシアネート化合物との組み合わせも特に限定されず、その組み合わせが複数あって本実施形態に係るブロックイソシアネート架橋剤が複数種類の化合物から構成されていてもよい。
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物に含まれるブロックイソシアネート架橋剤は熱分解型であることが好ましい。熱分解型である場合には、ブロック剤の種類やブロックされるポリイソシアネート化合物の種類などにより、ブロック剤の脱離反応、すなわち脱ブロック反応が顕著となる温度、(以下「脱ブロック温度」とする。)を調節することができる。この脱ブロック温度の具体的な温度は特に限定されないが、70℃以上130℃以下の範囲に設定されている場合には、その脱ブロック温度を有するブロックイソシアネート架橋剤を含む感熱性接着剤組成物から形成された感熱性接着剤層を備える接着シートは、ヒートシール加工前の段階では感熱性接着剤層における架橋点密度が低いまたは実質的にゼロである一方、ヒートシール加工および/またはその後のオートクレーブ処理において感熱性接着剤層内で架橋反応を進行させて架橋構造を形成することにより、オートクレーブ処理後の段階では感熱性接着剤層における架橋点密度をヒートシール加工前よりも高くすることができ、本実施形態に係る接着シートにおける好ましい態様を取ることが容易となる。
感熱性接着剤組成物中のブロックイソシアネート架橋剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下とすることが好ましい。オートクレーブ処理中に感熱性接着剤層内に水分が侵入して基材に対する感熱性接着剤層の密着力が低下して基材が剥離する現象の発生を抑制する観点から、ブロックイソシアネート架橋剤の含有量をポリエステル系樹脂100質量部に対して1質量部以上とすることが好ましく、3質量部以上とすることがさらに好ましい。基材剥離が発生すると、血液バッグからラベルの情報が失われるのみでなく、剥離した基材を用いて、上述のような接着シートの故意の貼り替えに用いられるおそれがある。一方、ヒートシール加工による接着シートの被着体への密着性を高める観点から、ブロックイソシアネート架橋剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましく、6.5質量部以下とすることがさらに好ましい。
なお、ブロックイソシアネート架橋剤とポリエステル系樹脂との反応を促進する観点から、本実施形態に係る感熱性接着剤組成物は架橋促進剤を含有することが好ましい。架橋促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミンなどのアミノ化合物、塩化第一スズ、ジメチル二塩化スズ、トリメチルスズヒドロキシド、ジメチルスズジラウレート、ジメチルスズジアセテート、ジメチルスズスルフィド、塩化第二鉄、鉄アセチルアセテート、ナフテン酸コバルト、硝酸ビスマス、オレイン酸鉛、三塩化アンチモンなどの金属化合物などを用いることができる。
iii)その他の成分
本実施形態に係る感熱性接着剤組成物は上記の成分に加えて、染料、顔料等の着色材料、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤などを含有してもよい。その含有量は、上記のポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤によりもたらされる効果を阻害しない限り任意であるが、組成物全体に対して10質量%を超えないこと好ましい。なお、タルク、二酸化チタン、シリカ、でんぷんなどのフィラー成分は基材と感熱性接着剤層との密着力を低下させるため、含有しないことが好ましい。フィラー成分を含有させる場合であっても、その含有量はポリエステル系樹脂100質量部に対して5質量部以下とすることが好ましい。
(B)感熱性接着剤層の構造等
本実施形態に係る接着シートが備える感熱性接着剤層の膜厚は特に限定されない。通常5μmから40μmの範囲であり、好ましくは10μm以上25μm以下である。
本実施形態に係る接着シートが、被着面(この場合の被着体として血液バッグなどの軟質塩化ビニル樹脂製物品が例示される)に接触した状態でヒートシール加工およびその後にオートクレーブ処理が施されるものである場合には、オートクレーブ処理後の感熱性接着剤層における架橋点密度は、ヒートシール加工前の感熱性接着剤層における架橋点密度よりも高いことが好ましい。
このように、ヒートシール加工前の段階では架橋点密度を低くする、または架橋点密度を事実上ゼロにする(つまり、架橋構造を有さないようにする。)ことにより、感熱性接着剤層は所定の粘着性を有するものとなって、被着体に対する仮固定性に優れた接着シートとなる。その一方で、オートクレーブ処理後の段階では、ヒートシール加工前の段階に比べて架橋点密度が高い(ヒートシール加工前の段階では架橋点密度が実質的にゼロであった場合を含む。)状態とすることにより、感熱性接着剤層の被着体や基材に対する密着力が高まり、オートクレーブ処理後の接着シートについて、接着不良が生じる可能性を低減させることができる。
なお、ヒートシール加工後オートクレーブ処理前の段階における架橋点密度は特に限定されない。ヒートシール加工によっては架橋反応が進行しなくてもよいし、ヒートシール加工によってある程度または十分に架橋反応が進行してもよい。なお、ここでいう「十分に架橋反応が進行」とは、オートクレーブ処理において架橋反応が実質的に進行しなくとも、オートクレーブ処理後の接着シートに接着不良が生じない程度まで、ヒートシール加工において架橋反応が進行することを意味する。
このような架橋点密度を制御する方法は特に限定されないが、ブロックイソシアネート架橋剤が熱分解型である場合には、ブロックイソシアネート架橋剤の脱ブロック温度をヒートシール加工および/またはオートクレーブ処理による加熱温度域内またはその温度域よりも低温に設定することによって、ヒートシール加工またはオートクレーブ処理を契機としてブロックイソシアネート架橋剤の脱ブロック反応が開始され、さらに脱ブロック反応により形成されたイソシアネート基がポリエステル系樹脂と反応する架橋反応が進行して、架橋点密度を高めることが実現される。
近年、生産性を高める観点から、ヒートシール加工における加熱温度は低くなり、加工時間も短縮される傾向にある。したがって、ブロックイソシアネート系架橋剤が熱分解型である場合には、少なくともオートクレーブ処理において脱ブロック反応が十分に進行するように、脱ブロック温度を設定することが好ましい。
ここで、ヒートシール加工前の段階における接着シートが備える感熱性接着剤層が、熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度以上の温度による加熱(例えば加熱乾燥の場合における加熱)なしに、感熱性接着剤組成物から形成されたものである場合には、その感熱性接着剤層に含有される熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤における脱ブロック反応は実質的に生じていないこととなる。したがって、接着シートはヒートシール加工前の段階では適度な粘着性を有しやすくなり、かかる接着シートは被着面に対して安定して仮固定されうるものとなる。
ここで、ヒートシール加工が行われる前の段階において感熱性接着剤層に付与されることが好ましい粘着性として、感熱性接着剤層により接着シートが接着された軟質塩化ビニル樹脂製物品について、JIS Z−0237:2000(ISO 29862から29864:2007に対応する。)に準拠して180°引き剥がし法により接着シートを剥離したときの剥離荷重が、0.1N/25mm以上2N/25mm以下となることが例示される。本実施形態において、この程度の粘着性を微粘着性ともいう。感熱性接着剤層がかかる微粘着性を有している場合には、軟質塩化ビニル樹脂製物品に対して接着シートを接触させることで接着シートを当該物品に対して仮固定することができるため、ヒートシール加工に至るまでの作業性が向上する。この程度の微粘着性を安定的に得る観点から、前述のように、感熱性接着剤層における架橋点密度や、感熱性接着剤組成物に含有されるポリエステル系樹脂の分子量(重量平均分子量)、水酸基価などを適宜調整することが好ましい。
なお、感熱性接着剤層の表面に印刷や印字を施してもよい。この場合には、基材を透明なものとすることで、ラベルとして求められる情報表示機能を実現することができる。
(C)感熱性接着剤層の形成方法
感熱性接着剤層の形成方法は任意である。一例を挙げれば次のとおりである。上記の感熱性接着剤組成物からなる、またはこれに必要に応じて希釈剤などを追加混合して適当な粘度に調整した塗工液を用意する。希釈剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン等が挙げられる。希釈剤の配合量は、要求される粘度になるように適宜選定すればよい。
この塗工液を基材の接着加工面に塗布し、乾燥による希釈剤の除去を行うことにより、塗工液からなる塗布層は感熱性接着剤層となって、感熱性接着剤層が基材上に積層された積層体が得られる。ここで、感熱性接着剤層に含有されるブロックイソシアネート系架橋剤が熱分解型である場合には、塗布層を乾燥させて希釈剤を除去するにあたり、熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度未満の温度、好ましくは脱ブロック温度よりも10℃以上低い温度にて乾燥して感熱性接着剤層を形成することが好ましい。この場合には、熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック反応が実質的に生じないため、形成された感熱性接着剤層に含まれる架橋点密度を特に低くすることが実現される。
また、この乾燥温度を制御することによって、上記の脱ブロック反応の進行の程度を制御することもできる。したがって、乾燥温度を制御することによって、得られる感熱性接着剤層の粘着性を制御することが可能となる。
なお、後述するように接着シートが剥離材をも備える場合には、剥離材の剥離面上に上記の方法によって感熱性接着剤層を形成してもよい。
(3)剥離材
接着シートはシート状の剥離材を備えていてもよい。このとき、接着シートの感熱性接着剤層側の面に剥離材の剥離面が貼合されることにより、軟質塩化ビニル樹脂製物品に接着するまでの間、接着シートの感熱性接着剤層を保護することができる。
剥離材はシート状の支持基材を備え、少なくとも片面が剥離性を有する剥離面からなる。この剥離面は、剥離性を有さない支持基材の表面上に設けられた剥離剤層であってもよいし、剥離性を有する支持基材の表面であってもよい。
剥離材の支持基材としては、例えば紙、合成紙、樹脂系フィルムなどが挙げられる。紙としては、例えばグラシン紙、ポリエチレンラミネート紙などが挙げられ、樹脂系フィルムとしては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などのフィルムなどが挙げられる。剥離剤層を構成する剥離処理剤として、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル含有樹脂などが例示される。その表面が剥離性を有する支持基材としては、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルムなどのポリオレフィン樹脂フィルム、これらのポリオレフィン樹脂フィルムを紙や他のフィルムにラミネートしたフィルムが例示される。
剥離シートの支持基材の厚みは特に制限されないが、通常は15〜300μm程度であればよい。
2.接着シートの製造方法
本実施形態に係る接着シートの製造方法は任意である。
接着シートが基材と感熱性接着剤層とからなる場合には、前述の方法により、基材と感熱性接着剤層からなる接着シートを得ることができる。
接着シートがさらに剥離材を備える場合には、上記の方法で得られた基材と感熱性接着剤層とからなる積層体の感熱性接着剤層側の面に剥離材の剥離面を貼合して、基材、感熱性接着剤層、および剥離材がこの順に積層された積層体としての接着シートを得てもよい。あるいは、剥離材の剥離面上に前述の塗工液を塗布して感熱性接着剤層が剥離材の剥離面上に設けられてなる積層体を形成し、この積層体における感熱性接着剤層側の面に基材の接着加工面を貼付して接着シートを得てもよい。
3.接着シート付血液バッグ
本実施形態に係る接着シートは、感熱性接着剤層を接着させる種々の用途に使用できるが、被着体が軟質ポリ塩化ビニル樹脂製物品である場合に特に有効であり、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製血液バックに接着後、滅菌処理しても浮き剥れを生じないことから、血液バックの表示ラベル、管理ラベルとしての利用が特に有用である。
本実施形態に係る接着シートは、軟質ポリ塩化ビニル樹脂性物品からなる被着体における接着シートが接着すべき面、すなわち、被着面が粗い場合に特に有効に機能する。この被着面の表面粗さは、1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。被着面の表面粗さの上限値は、特に制限ないが、通常20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
血液バックへの接着用接着シートは、フィルム基材の表面に血液型、採血日時などの血液情報が印刷されている。接着シートの血液バックへの接着は、通常血液バックへの血液の充填の前に行われる。
接着シートが接着した血液バッグ、すなわち接着シート付き血液バッグの製造方法は特に限定されない。一例を挙げれば次のとおりである。
本実施形態に係る接着シートを軟質塩化ビニル樹脂製血液バックの被着面に接触させ、血液バッグに接触した状態にある接着シートに対してヒートシール加工を施す。その加熱温度は、通常80℃以上160℃以下が好ましく、90℃以上150℃以下がより好ましく、100℃以上140℃以下が特に好ましい。押圧する圧力は、通常0.1MPa以上10MPa以下であり、0.1MPa以上1MPa以下が好ましい。押圧時間は、0.1秒間以上5秒間以下が好ましく、0.5秒間以上3秒間以下が特に好ましい。
なお、前述のように、ヒートシール加工において十分に架橋反応が進行しない場合においても、次に説明するオートクレーブ処理において架橋反応が適切に進行すれば、オートクレーブ処理後の接着シートについて接着不良が生じる可能性を十分に低減させることができる。
上記のヒートシール加工を経た血液バッグに対してオートクレーブ処理を施して前記血液バッグを滅菌することにより接着シート付き血液バッグは製造される。オートクレーブ処理の詳細は特に限定されない。100℃超で加圧雰囲気の環境であればよく、例えば、120℃程度で1.2気圧程度の環境とされる。この環境での処理時間も特に限定されない。通常10分間以上1時間以内であり、生産性と滅菌の程度を高めることとを両立する観点から、20分間以上40分間以内とされる場合が多い。
なお、本実施形態に係る接着シートが備える感熱性接着剤層に含有されるブロックイソシアネート架橋剤が熱分解型である場合には、オートクレーブ処理において接着シートが加熱される温度が、その熱分解型ブロックイソシアネート架橋剤の脱ブロック温度以上であることが好ましい。この場合には、オートクレーブ処理の間に熱分解型ブロックイソシアネート架橋剤からイソシアネート架橋剤が形成され、さらにこの形成されたイソシアネート架橋剤とポリエステル系樹脂との架橋反応が進行して、オートクレーブ処理後の感熱性接着剤層内の架橋点密度をヒートシール加工前の架橋点密度よりも十分に高めることができる。それゆえ、オートクレーブ処理後の接着剤のはみ出しや流れ出しを防ぐことができる。一方、ヒートシール加工前には、脱ブロック反応により得られるイソシアネート架橋剤が感熱性接着剤層内に実質的に形成されない状態とすることができる。このとき、感熱性接着剤層は特に優れた仮固定性を有することができる。その結果、ヒートシール加工前の段階にある血液バッグから接着シートが脱落する事態が生じにくくなり、接着シートの接触からヒートシール加工までの作業性が高まる。
以上説明した接着シート付き血液バッグの製造方法によれば、ヒートシール加工やオートクレーブ処理によって形成されたイソシアネート架橋剤は、その一部が接着シートの基材を構成する材料や被着体を構成する軟質塩化ビニル樹脂とも相溶することも期待される。このとき、感熱性接着剤層と基材の接着面との密着性や感熱性接着剤層と被着面との密着性が高まるため、好ましい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ガラス転移温度が−2℃の結晶性ポリエステル樹脂(日本合成化学工業社製 ポリエスターSP−185)からなるポリエステル系樹脂を100質量部(固形分)と、熱分解型ブロックイソシアネート架橋剤としてのブロックイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製 コロネート2513(登録商標、以下同じ)、脱ブロック温度:120℃)を5質量部(固形分)と、希釈剤としてのトルエンを100質量部とを混合して塗工液を得た。
一方の面(印刷面)にインキ易接着層が設けられたポリプロピレン系合成紙フィルム(ユポ・コーポレーション社製 ユポSGP80、厚さ80μm)からなる基材における、上記のインキ易接着層が設けられている側と反対側の面(接着加工面)に、上記の塗工液を塗布した。その後、塗工液からなる塗布層が設けられた基材を70℃で2分間乾燥して、厚み20μmの感熱性接着剤層と基材とからなる積層体を得た。
この積層体における感熱性接着剤層側の面に、剥離剤層としてのシリコーン樹脂層を設けたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製 SP−PET38CL、厚さ38μm)からなる剥離材の剥離面を貼合して、基材、感熱性接着剤層および剥離材がこの順で積層されてなる接着シートを得た。
得られた接着シートの基材側の面(基材における印刷面)に、血液情報を印刷した。次いで、印刷された接着シートをラベルサイズにカットし、剥離材を剥がし、軟質塩化ビニル樹脂製血液バックにおける接着シートが接着すべき面である被着面(中心線表面粗さRa:6.3μm)に、この剥離材が剥離された接着シートの感熱性接着剤層側の面を接触させた。軟質塩化ビニル樹脂製血液バックに接触した状態にある接着シートに対して、ヒートシール機(テスター産業社製 ヒートシールテスターTP−701)を用いて、ヒートシール加工(ヒートシール温度130℃、圧力0.31MPa、加圧時間2秒間)を施した。さらに、ヒートシール加工が完了して30分後に、高圧滅菌機(平山製作所社製 オート高圧滅菌機HA−24型)を用いて、ヒートシール後の血液バックにオートクレーブ処理(121℃、1.2気圧、30分間)を施して、接着シート付き血液バッグを得た。
〔実施例2〕
塗工液からなる塗布層を乾燥して感熱性接着剤層を形成する加熱温度を70℃から130℃に変更した以外は実施例1と同様にして接着シートを得て、この接着シートを実施例1と同様に血液バッグに接触させ、さらにヒートシール加工およびオートクレーブ処理を施して、接着シート付き血液バッグを得た。
〔比較例1〕
塗工液における熱分解型ブロックイソシアネート架橋剤に代えて、通常の、すなわちブロックタイプでない、イソシアネート架橋剤としての多官能性芳香族系イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製 コロネートL)を5質量部(固形分)用いた以外は実施例1と同様にして接着シートを得て、この接着シートを実施例1と同様に血液バッグに接触させ、さらにヒートシール加工およびオートクレーブ処理を施して、接着シート付き血液バッグを得た。
〔試験例1〕<仮固定性評価>
実施例または比較例における接着シートを感熱性接着剤層側の面を被着面に接触させたときの、接着シートの被着面に対する仮固着性を下記基準で評価した。評価結果を表1に示した。
A:接着シートは十分な粘着性を有し、被着面を下に向けた状態で10分間空中に放置しても接着シートの浮き剥がれ、脱落とも起こらなかった。
B:接着シートは必要な粘着性を有し、被着面を下に向けた状態で10分間空中に放置したとき、一部の箇所で浮き剥がれが見られたが、脱落は起こらなかった。
C:接着シートが有する粘着性は不十分であり、被着面を下に向けた状態で10分間空中に放置するとこれに接触する接着シートは脱落した。
〔試験例2〕<浮き剥がれ発生評価>
実施例または比較例におけるヒートシール加工後の段階およびオートクレーブ処理後の段階の接着シート付き血液バッグの接着シートを目視で観察し、接着シートの浮き剥がれの発生について下記基準で評価した。評価結果を表1に示した。
A:接着シートの浮き剥がれは観察されなかった。
B:接着シートの剥がれは観察されないが、部分的に接着が不十分な部分(浮き)が認められた。
C:接着シートの剥がれが観察された。
〔試験例3〕<引き剥がし試験後の剥離状態の評価>
実施例または比較例におけるヒートシール加工後の段階の接着シート付き血液バッグを別途用意し、180°引き剥がし法により引張り速度300mm/minで接着シートを引き剥がした。
また、実施例または比較例におけるオートクレーブ処理後の接着シート付き血液バッグについて、上記の方法と同様の方法により接着シートを引き剥がした。
それぞれの引き剥がし後の剥離状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。評価結果を表1に示した。
A:接着シートの基材が破れた。
B:接着シートの基材が感熱性接着剤層との界面で剥離した。
C:接着シートと血液バッグとの界面で剥離した、または接着シートが血液バッグから脱落して評価できなかった。
〔試験例4〕<接着剤流れ出しの評価>
実施例または比較例におけるヒートシール加工後の段階およびオートクレーブ処理後の段階の接着シート付き血液バッグの接着シートを目視で観察し、接着シート端部から接着剤が流れ出しているか否か、および接着シート端部から接着剤がはみ出しているか否かについて下記基準で評価した。評価結果を表1に示した。
A:流れ出しおよびはみ出しは観察されなかった。
B:流れ出しは観察されなかったがはみ出しは観察された。
C:流れ出しが観察された。
Figure 0005894824
表1に示されるように、本発明の条件を満たす実施例の接着シートは仮固定性に優れ、ヒートシール加工後およびオートクレーブ処理後において適切に被着体に接着していた。
本発明の接着シートは、ヒートシール加工前の段階において仮固定性に優れるうえに、ヒートシール加工およびオートクレーブ処理を経ることによって適切に被着体に接着し、オートクレーブ処理後の接着シートについて接着不良も生じにくいため、血液バッグの情報ラベルや表示ラベルとして好適に使用できる。

Claims (8)

  1. シート形状を有する基材および当該基材の一方の面に積層された感熱性接着剤層を備える、軟質塩化ビニル樹脂製物品への接着に用いる接着シートであって、
    前記感熱性接着剤層はポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有すること
    を特徴とする接着シート。
  2. 前記接着シートは、前記軟質塩化ビニル樹脂製物品における前記接着シートが接着すべき面である被着面に前記接着シートの前記感熱性接着剤層が接触した状態でヒートシール加工およびその後にオートクレーブ処理が施されるものであって、
    前記オートクレーブ処理後の前記感熱性接着剤層における前記ブロックイソシアネート架橋剤とポリエステル系樹脂との架橋構造の存在密度である架橋点密度は、前記ヒートシール加工前の前記感熱性接着剤層における前記架橋点密度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の接着シート。
  3. 前記ヒートシール加工前の前記感熱性接着剤層が、微粘着性を有する請求項2に記載の接着シート。
  4. 前記ブロックイソシアネート架橋剤が熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤である請求項1から3のいずれか一項に記載の接着シート。
  5. 前記接着シートは、前記軟質塩化ビニル樹脂製物品における前記接着シートが接着すべき面である被着面に前記接着シートの前記感熱性接着剤層が接触した状態でヒートシール加工およびその後にオートクレーブ処理が施されるものであって、前記オートクレーブ処理により前記接着シートが加熱される温度が、前記熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度以上である請求項4に記載の接着シート。
  6. 前記感熱性接着剤層は、ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する材料から、前記熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度以上の温度による加熱なしに形成されたものである請求項4または5に記載の接着シート。
  7. 前記軟質塩化軟質塩化ビニル樹脂製物品が軟質塩化ビニル樹脂製血液バックである請求項1から6のいずれか一項に記載の接着シート。
  8. 請求項4に記載される接着シートの製造方法であって、
    ポリエステル系樹脂およびブロックイソシアネート架橋剤を含有する材料を前記基材の一方の面に塗布して得られる塗布層を、前記熱分解型ブロックイソシアネート系架橋剤の脱ブロック温度未満の温度にて乾燥して、前記感熱性接着剤層を形成する、接着シートの製造方法。
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