以下に、本願に係る配信装置、配信方法及び配信プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、端末装置、配信方法及び配信プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.表示処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る表示処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。図1では、端末装置100によって、ウェブページW10及び広告コンテンツC10が表示される例を示す。
図1に示した端末装置100は、スマートフォン等の携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の出力部130を有する。なお、端末装置100には、タッチパネルが採用されているものとする。すなわち、端末装置100のユーザは、指や専用ペンで出力部130の表示面をタッチすることにより各種操作を行う。
ウェブページW10は、ニュース等の各種情報が掲載されるポータルサイト用のコンテンツである。ここでは、ウェブページW10の縦方向のサイズが、端末装置100の出力部130における縦方向の表示サイズよりも長いものとする。
このようなウェブページW10には、検索キーワードを入力するための入力欄や、他のウェブページへのリンク等が含まれる。図1の例の場合、ウェブページW10に表示される「新着ニュース」や、「ニュース一覧」の下に箇条書きで記載されている各ニューストピックは、他のウェブページへのリンクが張られているアンカーテキスト(anchor text)に該当する。また、ウェブページW10に表示される「オークション」、「スポーツ」、「Q&A」、「路線」は、他のウェブページへのリンクが張られているボタン又は画像に該当する。以下では、ウェブページW10の表示領域のうち、他のウェブページへのリンクが張られているアンカーテキストやボタンや画像等が表示される領域を「リンク領域」と表記する場合がある。
広告コンテンツC10は、例えば、静止画像や動画像であり、例えば自動車関連の広告主によって提供される。例えば、広告コンテンツC10は、広告主のロゴ等に該当し、広く一般に知られているものとする。すなわち、広告コンテンツC10は、広告コンテンツC10を提供した広告主を他の広告主と区別させることができる識別機能を有する。このため、一般的なユーザは、広告コンテンツC10から広告主を特定できる。
ここで、端末装置100は、ウェブページW10と広告コンテンツC10との双方をユーザが視認できるように、ウェブページW10と広告コンテンツC10とを重ねて表示する。例えば、端末装置100は、広告コンテンツC10を灰色等の一色の画素に加工し、加工後の広告コンテンツC10とウェブページW10とを重ねて表示する。このとき、端末装置100は、所定の透過度(以下、「第1透過度」とする)でウェブページW10が加工後の広告コンテンツC10を透過するように、広告コンテンツC10を表示する。なお、端末装置100は、ウェブページW10の全体を表示できないので、初期状態ではウェブページW10の先頭から表示する。
このようにして、端末装置100は、ウェブページW10の裏側に位置するような影として、広告コンテンツC10を表示する。ここで、広告コンテンツC10には、広告主によって提供される広告主ページへのリンクが張られる場合がある。しかし、図1の例の場合、端末装置100は、広告コンテンツC10をクリック不可能な状態で表示する。すなわち、端末装置100は、広告コンテンツC10を単に影として表示する。一方、端末装置100は、ウェブページW10に含まれる全てのリンク領域をクリック可能な状態で表示する。すなわち、端末装置100は、ウェブページW10のリンク領域のうち、広告コンテンツC10と重なるリンク領域であってもクリック可能な状態で表示する。
なお、上述した「クリック可能な状態」とは、広告コンテンツC10等のコンテンツが選択可能な状態を示し、クリックされた場合に他のウェブページ(広告主ページを含む)に遷移可能な状態を示す。また、「クリック不可能な状態」とは、広告コンテンツC10等のコンテンツが選択不可能な状態を示し、クリックされた場合であっても他のウェブページ(広告主ページを含む)に遷移しない状態を示す。例えば、端末装置100は、広告コンテンツC10がクリックされた場合であってもウェブページW10を表示したままとする。ただし、端末装置100は、ウェブページW10に表示されているリンク領域がクリックされた場合には、クリックされたリンク領域のリンク先にアクセスする。
そして、実施形態に係る端末装置100は、ユーザによってウェブページW10を移動させる操作であるスクロール操作が行われた場合に、広告コンテンツC10の表示態様を変動させる。例えば、端末装置100は、スクロール操作が行われていない場合における広告コンテンツC10よりも、スクロール操作が行われている場合における広告コンテンツC10の方がユーザに注目されやすい表示態様となるように、広告コンテンツC10の表示態様を表示させる。
図1では、ユーザの指F10によってスクロール操作が行われている例を示す。この場合、端末装置100は、かかるスクロール操作が行われている間、前述の第1透過度よりも低い第2透過度で広告コンテンツC10を表示する。言い換えれば、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合には、広告コンテンツC10を濃く表示する。
また、実施形態に係る端末装置100は、図1に示すように、スクロール操作に応じてウェブページW10の表示領域を変動させた場合であっても、広告コンテンツC10を固定の位置に表示する。すなわち、端末装置100は、ウェブページW10の移動と連動させずに、広告コンテンツC10を固定の位置に表示する。
この後、ユーザによってスクロール操作が行われなくなったものとする。この場合、端末装置100は、図1に示すように、広告コンテンツC10の表示態様を元の状態に戻す。具体的には、端末装置100は、前述の第1透過度で広告コンテンツC10を表示する。
すなわち、図1の例の場合、端末装置100は、スクロール操作が行われていない間は第1透過度で広告コンテンツC10を表示し、スクロール操作が行われている間は第1透過度よりも低い第2透過度で広告コンテンツC10を表示する。これにより、端末装置100は、ユーザによってウェブページW10を移動させる操作が行われている場合に限って、広告コンテンツC10を強調して表示することができる。
このように、実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている間に限って、広告コンテンツC10を強調表示することで、ウェブページW10及び広告コンテンツC10の視認性が低下することを防止できる。具体的には、スクロール操作を行っていないユーザは、ウェブページW10に掲載されている記事等を凝視している可能性がある。そこで、端末装置100は、スクロール操作が行われていない場合には、図1の例のように広告コンテンツC10を薄く表示することで、ウェブページW10を閲覧しているユーザにとってウェブページW10の視認性が低下することを防止することができる。一方、スクロール操作を行っているユーザは、移動しているウェブページW10自体を凝視している可能性は低いといえる。そこで、端末装置100は、スクロール操作が行われている間に限って、広告コンテンツC10を濃く表示することで、ウェブページW10への注目度が低いユーザに広告コンテンツC10を視認させることができる。
また、実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている間に限って、広告コンテンツC10を強調表示することで、ユーザを広告コンテンツC10に注目させることができるので、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。具体的には、上記の通り、スクロール操作を行っていないユーザは、ウェブページW10に掲載されている記事等を凝視している可能性がある。この場合、仮にウェブページW10上の広告コンテンツC10自体を表示させたとしても、広告効果の向上を図ることは困難であるとも考えられる。そこで、実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている間に限って、広告コンテンツC10を強調表示することで、ユーザを広告コンテンツC10に注目させることができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC10から想起される広告主をユーザに浸透させることができるので、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
さらに、実施形態に係る端末装置100は、広告コンテンツC10を影としてウェブページW10と重ねて表示するので、広告コンテンツC10をユーザに強く印象付けることができる。具体的には、端末装置100は、ウェブページW10と重ねて広告コンテンツC10を表示することで、ウェブページW10を閲覧しているユーザの視界に広告コンテンツC10が入る可能性を高めることができるので、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
以上のことから、実施形態に係る端末装置100は、ウェブページW10及び広告コンテンツC10の視認性が低下することを防止できるとともに、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
以下、上述した表示処理を実現する端末装置100等について説明する。なお、上記では説明を省略したが、上述したウェブページW10には、ウェブページW10及び広告コンテンツC10の表示態様を制御する制御情報が含まれる。そして、端末装置100は、制御情報に従って上述した表示処理を行う。このような制御情報については後述する。また、以下では、端末装置100の状態遷移を図示する場合、左から順に第1状態、第2状態、・・・、第N状態と表記する場合がある。
〔2.広告配信システムの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る広告配信システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る広告配信システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、広告配信システム1は、端末装置100と、広告主端末10と、広告装置20と、配信装置30とを含む。端末装置100、広告主端末10、広告装置20及び配信装置30は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す広告配信システム1には、複数台の端末装置100や、複数台の広告主端末10や、複数台の広告装置20や、複数台の配信装置30が含まれてもよい。
端末装置100は、ウェブページを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置100は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。端末装置100は、ユーザによる操作に従って、配信装置30からウェブページを取得し、取得したウェブページを表示する。また、端末装置100は、ウェブページに後述する広告取得命令が含まれる場合には、広告装置20から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツをウェブページとともに表示する。
広告主端末10は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末10は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA等である。広告主端末10は、広告主による操作に従って、広告コンテンツを広告装置20に入稿する。例えば、広告主端末10は、広告コンテンツとして、静止画像や、動画像や、テキストデータや、広告主が管理する広告主サーバによって配信される広告主ページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)などを広告装置20に入稿する。
なお、広告主は、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、広告装置20に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末10だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
広告装置20は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツを配信するサーバ装置である。例えば、広告装置20は、端末装置100からアクセスされた場合に、広告コンテンツを端末装置100に配信する。
配信装置30は、端末装置100にウェブページを配信するウェブサーバ等である。例えば、配信装置30は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを配信する。
配信装置30によって配信されるウェブページは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。そして、配信装置30によって配信されるウェブページには、ウェブページ及び広告コンテンツの表示態様を制御する制御情報が含まれる。この制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)等のスクリプト言語により、ウェブページを形成するHTMLファイル等に記述される。
また、配信装置30によって配信されるウェブページには、広告取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTMLファイル等には、広告装置20のURL等が広告取得命令として記述される。この場合、端末装置100は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、広告装置20から広告コンテンツを取得する。
なお、配信装置30から端末装置100に配信される各種データは、実際にはウェブページを形成するHTMLファイルや画像等であるが、以下では、配信装置30から端末装置100に配信される各種データを「ウェブページ」と表記する場合がある。
〔3.広告装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る広告装置20の構成について説明する。図3は、実施形態に係る広告装置20の構成例を示す図である。図3に示すように、広告装置20は、通信部21と、広告コンテンツ記憶部22と、制御部23とを有する。
通信部21は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部21は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100や広告主端末10や配信装置30との間で情報の送受信を行う。
広告コンテンツ記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、広告コンテンツ記憶部22は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツに関する各種情報を記憶する。
ここで、図4に、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部22の一例を示す。図4に示した例では、広告コンテンツ記憶部22は、「広告主ID」、「広告コンテンツ」、「入札価格」、「CTR(Click Through Rate)」といった項目を有する。
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末10を識別するための識別情報を示す。「広告コンテンツ」は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツを示す。図4では「広告コンテンツ」に「C11」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、静止画像や動画像やテキストデータやURL、又は、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
「入札価格」は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告コンテンツがウェブページに1回表示された際に広告主から広告配信者(例えば、広告装置20又は配信装置30の管理者)に支払われる単価に該当する。また、例えば、「入札価格」は、広告コンテンツがユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者に支払われる単価に該当する。
「CTR」は、広告コンテンツがクリックされた回数を広告コンテンツの表示回数によって除算した値を示す。なお、端末装置100に配信されたことがない広告コンテンツのCTRには、予め決められている固定値や、全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値や、同一の広告カテゴリ(例えば、車、旅行)に属する全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値などが記憶される。また、「CTR」には、CTRの予測モデル等から予測される予測CTRが記憶されてもよい。このような予測CTRは、例えば、広告コンテンツの種別や、広告コンテンツが表示されるウェブページの種別等によって予測される。
すなわち、図4では、広告主ID「B10」によって識別される広告主が、入札価格「100」を指定するとともに、広告コンテンツ「C11」を入稿した例を示している。また、図4では、広告コンテンツ「C11」のCTRが「0.02」である例を示している。
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部23は、入稿受付部24と、要求受付部25と、抽出部26と、配信部27と、算定部28とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部23が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
入稿受付部24は、広告主端末10から広告コンテンツの入稿を受け付ける。具体的には、入稿受付部24は、入札価格の指定とともに広告コンテンツの入稿を受け付ける。そして、入稿受付部24は、入稿元の広告主に対応する広告主IDに対応付けて、受け付けた入札価格及び広告コンテンツを広告コンテンツ記憶部22に格納する。
要求受付部25は、端末装置100から広告コンテンツの取得要求を受け付ける。例えば、要求受付部25は、広告コンテンツの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
抽出部26は、要求受付部25によって広告コンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、配信候補の広告コンテンツを広告コンテンツ記憶部22から抽出する。例えば、抽出部26は、広告コンテンツ記憶部22に記憶されている広告コンテンツのうち、入札価格又はCTRが高い広告コンテンツや、入札価格及びCTRの双方が高い広告コンテンツを優先して抽出する。
ただし、この例に限られず、抽出部26は、ウェブページに関連する広告コンテンツを抽出するコンテンツマッチングと呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。また、抽出部26は、ウェブページが検索ページである場合には、検索ページに指定された検索キーワードとマッチする広告コンテンツを抽出する検索連動型広告と呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。また、抽出部26は、ユーザの属性情報(サイコグラフィック属性、デモグラフィック属性など)とマッチする広告コンテンツを抽出するターゲティング配信と呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。
配信部27は、広告コンテンツ記憶部22に記憶されている広告コンテンツを配信する。具体的には、配信部27は、広告コンテンツの取得要求を送信した端末装置100に対して、抽出部26によって抽出された広告コンテンツを配信する。
算定部28は、広告主に広告配信料として課金する課金額や、ウェブページを制作している各種サイトを運営している情報提供者に広告表示料として支払う支払額を算定する。例えば、算定部28は、広告コンテンツ記憶部22に記憶されている入札価格と、広告コンテンツがウェブページに表示された回数とに基づいて、広告主に請求する課金額を算出する。ただし、この例に限られず、算定部28は、広告コンテンツがユーザにクリックされた回数に基づいて課金額を算出してもよい。また、例えば、算定部28は、広告コンテンツを広告装置20に配信した回数に基づいて、情報提供者に支払う支払額を算定する。
〔4.配信装置の構成〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る配信装置30の構成について説明する。図5は、実施形態に係る配信装置30の構成例を示す図である。図5に示すように、配信装置30は、通信部31と、コンテンツ記憶部32と、制御部33とを有する。
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部31は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100や広告装置20との間で情報の送受信を行う。
コンテンツ記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、コンテンツ記憶部32は、コンテンツの一例であるウェブページを記憶する。例えば、コンテンツ記憶部32は、ウェブページを形成するHTMLファイルや、ウェブページに表示される静止画像や動画像を記憶する。
コンテンツ記憶部32に記憶されるウェブページには、広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれる。また、コンテンツ記憶部32に記憶されるウェブページには、JavaScript(登録商標)やCSS等のスクリプト言語によりに記述されるプログラムである制御情報が含まれる。
ここで、ウェブページに含まれる制御情報による制御について説明する。実施形態に係る制御情報は、例えば、表示手順と、検知手順と、変動手順とを端末装置100に実行させる。表示手順は、例えば、ウェブページと広告コンテンツとを重ねて表示させる処理手順である。また、検知手順は、表示手順によって表示されているウェブページを移動させる移動操作を検知する処理手順である。なお、実施形態に係る移動操作とは、ウェブページをスクロールさせる操作に該当する。また、変動手順は、検知手順によって移動操作が検知された場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させる処理手順である。また、制御情報は、上記の処理手順の他、広告コンテンツの表示位置を決定する処理手順等を端末装置100に実行させる。
制御部33は、例えば、CPUやMPU等によって、配信装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(配信プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図5に示すように、制御部33は、受付部34と、配信部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部33の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部33が有する各処理部の接続関係は、図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
受付部34は、端末装置100からウェブページの取得要求を受け付ける。例えば、受付部34は、ウェブページの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
配信部35は、受付部34によってウェブページの取得要求が受け付けられた場合に、ウェブページ及び制御情報を端末装置100に配信する。具体的には、配信部35は、コンテンツ記憶部32から取得要求対象のウェブページを取得し、取得したウェブページを端末装置100に配信する。上記の通り、コンテンツ記憶部32に記憶されているウェブページには制御情報が含まれるので、配信部35は、ウェブページ及び制御情報を配信することとなる。
なお、上述したコンテンツ記憶部32は、制御情報を含むウェブページではなく、ウェブページと制御情報とを個別に記憶してもよい。例えば、コンテンツ記憶部32は、ウェブページを形成するHTMLファイルと、制御情報が記述されたファイルとを対応付けて記憶してもよい。この場合、配信部35は、ウェブページ及び制御情報の双方を端末装置100に配信する。
〔5.端末装置の構成〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る端末装置100の構成について説明する。図6は、実施形態に係る端末装置100の構成例を示す図である。図6に示すように、端末装置100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、制御部140とを有する。
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告装置20や配信装置30との間で情報の送受信を行う。
入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部130は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、端末装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。
制御部140は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(表示プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションプログラムに該当する。また、制御部140は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図6に示すように、制御部140は、要求部141と、受付部142と、表示制御部143とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部140の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部140が有する各処理部の接続関係は、図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
要求部141は、入力部120を介して受け付けたユーザ操作に従って、配信装置30にウェブページの取得要求を送信する。また、要求部141は、受付部142によって受け付けられたウェブページに広告取得命令が含まれる場合に、広告コンテンツの取得要求を広告装置20に送信する。
受付部142は、ウェブページと広告コンテンツとを受け付ける。具体的には、受付部142は、要求部141によって送信されたウェブページの取得要求に応答した配信装置30からウェブページを受け付ける。このとき、受付部142は、ウェブページに広告取得命令が含まれる場合には、広告コンテンツの取得要求を送信するよう要求部141に指示する。そして、受付部142は、要求部141によって送信された広告コンテンツの取得要求に応答した広告装置20から広告コンテンツを受け付ける。
表示制御部143は、受付部142によって受け付けられたウェブページに含まれる制御情報に従って、ウェブページ及び広告コンテンツを出力部130に表示制御する。かかる表示制御部143は、図6に示すように、表示部144と、検知部145と、変動部146とを有する。表示部144、検知部145及び変動部146は、例えば、CPUやMPU等によって、ウェブページに含まれる制御情報がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。すなわち、表示部144は、上述した表示手順により実現され、検知部145は、上述した検知手順により実現され、変動部146は、上述した変動手順により実現される。
表示部144は、受付部142によって受け付けられたウェブページと広告コンテンツとを重ねて出力部130に表示する。具体的には、表示部144は、予め決められている広告コンテンツの表示位置を特定する。続いて、表示部144は、例えば、広告コンテンツを灰色等の一色の画素に加工する。そして、表示部144は、ウェブページが第1透過度で加工後の広告コンテンツを透過するように、ウェブページと広告コンテンツとを重ねて表示する。すなわち、表示部144は、ウェブページの裏側に位置するような影として、広告コンテンツを表示する。
検知部145は、表示部144によって表示されているウェブページを移動させる移動操作を検知する。実施形態に係る検知部145は、移動操作の一例として、ウェブページに対するスクロール操作を検知する。
変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知された場合に、表示部144によって表示された広告コンテンツの表示態様を変動させる。具体的には、実施形態に係る変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されている間、広告コンテンツの透過度を第1透過度から第2透過度(<第1透過度)に変動させる。すなわち、変動部146は、ユーザによってスクロール操作が行われている間、広告コンテンツの表示色を濃くする。
〔6.他の表示例〕
上記では、図1に例示した表示態様を用いながら端末装置100による表示処理について説明した。具体的には、上記では、端末装置100が、スクロール操作を検知している間、広告コンテンツの表示態様を変動させる例を示した。ここで、図7及び図8を用いて、端末装置100が検知するスクロール操作について、より詳細に説明する。図7及び図8は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
〔6−1.他の表示例(1)〕
まず、図7の例について説明する。図7の第1状態に示すように、端末装置100は、図1の例と同様にウェブページW10と広告コンテンツC10とを重ねて表示する。そして、端末装置100は、図7の第2状態に示すように、スクロール操作を検知している間、広告コンテンツの表示態様を変動させる。ここまでの端末装置100による表示処理は、図1に示した例と同様である。
ここで、図7の第3状態に示すように、ユーザが、第2状態においてスクロール操作を行った指F10をウェブページW10から離さずに、ウェブページW10を選択(ここの例では、タップ)した状態を保っているものとする。この場合、端末装置100は、ウェブページW10が選択され続けている間、第2状態と同様に広告コンテンツC10の表示態様を変動させたままとする。そして、図7の第4状態に示すように、端末装置100は、スクロール操作後にウェブページW10が選択されなくなった場合には、広告コンテンツC10の表示態様を第1状態に戻す。
具体的には、端末装置100の検知部145は、ウェブページW10に対するスクロール操作を検知した場合に、かかるスクロール操作後にウェブページW10が選択されなくなったか否かを検知する。そして、検知部145は、ウェブページW10が選択されなくなったことを検知した場合に、スクロール操作が終了したと判定する。言い換えれば、検知部145は、ウェブページW10が選択(ここの例では、タップ)されてから、ウェブページW10が選択されなくなるまで(ここの例では、出力部130の表示面から指F10が離されるまで)の間をスクロール操作として検知することとなる。
また、変動部146は、図7の第2状態及び第3状態に示すように、検知部145によってスクロール操作が検知された場合には、スクロール操作が終了したことを検知部145が検知するまで、広告コンテンツC10の表示態様を変動させる。そして、変動部146は、図7の第4状態に示すように、ウェブページW10が選択されなくなったことを検知部145が検知した場合に、広告コンテンツC10の表示態様を第1状態に戻す。
このように、端末装置100は、スクロール操作後にウェブページW10が選択され続けている場合には、広告コンテンツC10を強調して表示する。これにより、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。例えば、ユーザによっては、ウェブページW10をスクロールすることで広告コンテンツC10の存在に気が付く場合がある。この場合、ユーザによっては、広告コンテンツC10を強調表示させ続けることを望む場合がある。実施形態に係る端末装置100は、ウェブページW10が選択され続けている場合には、広告コンテンツC10を強調表示するので、ユーザに広告コンテンツC10を閲覧させる機会を多く与えることができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
〔6−2.他の表示例(2)〕
続いて、図8の例について説明する。図8の第1状態は、図7の第1状態と同様である。ここで、図8の第2状態に示すように、ユーザが、フリック操作によりウェブページW10をスクロールさせたものとする。具体的には、ユーザは、ウェブページW10を選択した後に、ウェブページW10を所定方向(図8の例では上方向)にはらう操作を行ったものとする。この場合、タッチパネルが採用される一般的な端末装置100は、図8の第3状態に示すように、ウェブページW10から指F10が離れた後であっても、ウェブページW10を所定の距離だけスクロール(慣性スクロール等と呼ばれる)させる。例えば、端末装置100は、ユーザが表示面をはらった速度に応じた距離だけ自動的にスクロールさせる。
実施形態に係る端末装置100は、図8の第3状態に示すように、慣性スクロール中についても、広告コンテンツC10の表示態様を変動させたままとする。そして、端末装置100は、図8の第4状態に示すように、ウェブページW10の移動が停止した場合に、広告コンテンツC10の表示態様を第1状態に戻す。
具体的には、端末装置100の検知部145は、ウェブページW10に対するスクロール操作を検知した場合に、ウェブページW10が移動中であるか否かを検知する。そして、検知部145は、ウェブページW10が停止したことを検知した場合に、スクロール操作が終了したと判定する。言い換えれば、検知部145は、ウェブページW10が移動を開始してから、ウェブページW10が停止するまでの間をスクロール操作として検知することとなる。
また、変動部146は、図8の第2状態及び第3状態に示すように、検知部145によってスクロール操作が検知された場合には、検知部145によってウェブページW10の停止が検知されるまで、広告コンテンツC10の表示態様を変動させる。そして、変動部146は、図8の第4状態に示すように、検知部145によってウェブページW10の停止が検知された場合に、広告コンテンツC10の表示態様を第1状態に戻す。
このように、端末装置100は、ウェブページW10が移動し続けている場合には、広告コンテンツC10を強調して表示する。これにより、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。例えば、ユーザによっては、ウェブページW10をスクロールすることで広告コンテンツC10の存在に気が付く場合がある。この場合、ユーザによっては、広告コンテンツC10を強調表示させ続けることを望む場合がある。実施形態に係る端末装置100は、ユーザがウェブページW10を慣性スクロールさせている場合には、広告コンテンツC10を強調表示するので、ユーザに広告コンテンツC10を閲覧させる機会を多く与えることができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
なお、実施形態に係る端末装置100は、図7に示した表示処理と、図8に示した表示処理との双方を行ってもよい。この場合、端末装置100は、スクロール操作後にウェブページW10が選択され続けている場合には、ウェブページW10が移動中であるか否かに係らず、広告コンテンツC10の表示態様を変動させたままとする。
〔7.広告配信システムの処理フロー〕
次に、図9を用いて、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理手順を示すシーケンス図である。
図9に示すように、端末装置100は、ユーザ操作に従って、ウェブページの取得要求を配信装置30に送信する(ステップS101)。そして、配信装置30は、ウェブページの取得要求に応じて、制御情報を含むウェブページを端末装置100に配信する(ステップS102)。なお、配信装置30によって配信されるウェブページには、広告装置20のURL等である広告取得命令が含まれる。
続いて、端末装置100は、ウェブページに含まれる広告取得命令に基づいて、広告コンテンツの取得要求を広告装置20に送信する(ステップS103)。そして、広告装置20は、広告コンテンツの取得要求に応じて、広告コンテンツを端末装置100に配信する(ステップS104)。
そして、端末装置100は、ステップS102において受信したウェブページに含まれる制御情報に従って、ウェブページとステップS104において受信した広告コンテンツとを表示する表示処理を行う(ステップS105)。
〔8.端末装置の処理フロー〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る端末装置100による処理の手順について説明する。図10は、実施形態に係る端末装置100による処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、端末装置100は、ユーザからウェブページの表示操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。このとき、端末装置100は、表示操作を受け付けていない場合には(ステップS201;No)、表示操作を受け付けるまで待機する。
一方、端末装置100は、表示操作を受け付けた場合には(ステップS201;Yes)、ウェブページの取得要求を配信装置30に送信する(ステップS202)。続いて、端末装置100は、配信装置30からウェブページを受信したか否かを判定する(ステップS203)。このとき、端末装置100は、ウェブページを受信していない場合には(ステップS203;No)、ウェブページを受信するまで待機する。
一方、端末装置100は、配信装置30からウェブページを受信した場合には(ステップS203;Yes)、ウェブページに含まれる広告取得要求に従って、広告装置20に広告コンテンツの取得要求を送信する(ステップS204)。続いて、端末装置100は、広告装置20から広告コンテンツを受信したか否かを判定する(ステップS205)。このとき、端末装置100は、広告コンテンツを受信していない場合には(ステップS205;No)、広告コンテンツを受信するまで待機する。
一方、端末装置100は、広告装置20から広告コンテンツを受信した場合には(ステップS205;Yes)、ウェブページと広告コンテンツとを重ねて表示する(ステップS206)。例えば、端末装置100は、第1透過度により広告コンテンツをウェブページと重ねて表示する。
続いて、端末装置100は、ウェブページを移動させるスクロール操作が行われたか否かを判定する(ステップS207)。このとき、端末装置100は、スクロール操作が行われていない場合には(ステップS207;No)、スクロール操作が行われるまで待機する。
一方、端末装置100は、スクロール操作が行われた場合には(ステップS207;Yes)、ステップS206において表示した広告コンテンツの表示態様を変動させる(ステップS208)。例えば、端末装置100は、広告コンテンツの透過度を第1透過度から第2透過度に変動させる。
また、端末装置100は、スクロール操作が終了したか否かを判定する(ステップS209)。このとき、端末装置100は、スクロール操作が終了していない場合には(ステップS209;No)、広告コンテンツの表示態様を変動させた状態で待機する。
一方、端末装置100は、スクロール操作が終了した場合には(ステップS209;Yes)、広告コンテンツの表示態様を戻す(ステップS210)。具体的には、端末装置100は、ステップS206において表示した表示態様により広告コンテンツを表示する。この後、端末装置100は、上記ステップS207〜S210における処理手順を繰り返し行う。
〔9.変形例〕
上述した実施形態に係る広告配信システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告配信システム1の他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する端末装置100は、ウェブページに含まれる制御情報に従って、広告コンテンツの表示処理を行う。
〔9−1.関連コンテンツ〕
上述してきた端末装置100は、広告コンテンツだけでなく、広告コンテンツと関連する関連コンテンツを表示してもよい。そして、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、広告コンテンツと同様に関連コンテンツの表示態様を変動させてもよい。この点について図11を用いて説明する。
図11は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。図11に示した広告コンテンツC20は、例えば、傘を販売する企業等のロゴを示す。また、関連コンテンツC21は、広告コンテンツC20と関連するコンテンツである。例えば、関連コンテンツC21は、傘と関連する雨を示す静止画像又は動画像である。なお、図11では、一部の関連コンテンツに符号「C21」を付したが、雨を示すコンテンツは、全て関連コンテンツC21に該当する。
図11の第1状態に示した例の場合、端末装置100の表示部144は、上述してきた広告コンテンツC10と同様に、広告コンテンツC20とウェブページW10とを重ねて表示する。さらに、表示部144は、関連コンテンツC21についてもウェブページW10と重ねて表示する。例えば、表示部144は、第1透過度で広告コンテンツC20及び関連コンテンツC21を表示する。
そして、図11の第2状態に示すように、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知された場合に、広告コンテンツC20及び関連コンテンツC21の双方の表示態様を変動させる。例えば、表示部144は、広告コンテンツC20及び関連コンテンツC21の透過度を第2透過度に変動させる。
また、図11の第3状態に示すように、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されなくなった場合に、広告コンテンツC20及び関連コンテンツC21の表示態様を元の第1状態に戻す。例えば、表示部144は、広告コンテンツC20及び関連コンテンツC21の透過度を第1透過度に変動させる。
このように、端末装置100は、広告コンテンツC20だけでなく、広告コンテンツC20と関連する関連コンテンツC21についてもウェブページW10と重ねて表示してもよい。そして、端末装置100は、スクロール操作中には、広告コンテンツC20及び関連コンテンツC21の双方の表示態様を変動させてもよい。これにより、端末装置100は、関連コンテンツC21によって広告コンテンツC20を強調することができるので、広告コンテンツC20の広告効果を向上させることができる。
なお、図11に示した例において、変動部146は、スクロール操作が行われている場合であっても、関連コンテンツC21の表示態様を変動させなくてもよい。すなわち、変動部146は、図11の第2状態において、広告コンテンツC20の表示態様を変動させるものの、関連コンテンツC21の表示態様を第1状態と同様の表示態様としてもよい。
また、図11に示した例において、関連コンテンツC21は、例えば、傘を販売する企業等である広告主によって入稿されてもよいし、配信装置30や広告装置20の管理者等によって用意されてもよい。この場合、広告装置20は、広告コンテンツの特徴等を示すキーワードに対応付けて、関連コンテンツを記憶する。そして、広告装置20は、広告コンテンツC20を端末装置100に配信する際に、かかる広告コンテンツC20のキーワードに対応する関連コンテンツC21についても端末装置100に配信する。
〔9−2.広告コンテンツの切り替え〕
また、上述してきた端末装置100は、ウェブページが所定の位置までスクロールされた場合に、広告コンテンツを他の広告コンテンツに変動させてもよい。言い換えれば、端末装置100は、出力部130にウェブページの所定領域が表示される場合に、広告コンテンツを非表示とするとともに、広告コンテンツと異なる他の広告コンテンツを新たに表示してもよい。この点について、図12を用いて説明する。
図12は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。図12では、出力部130にウェブページの末端が表示される場合に、広告コンテンツが切り替わる例について説明する。図12の第1状態は、図11の第1状態と同様である。また、図12の第2状態は、図11の第2状態と同様である。
ここで、図12の第3状態に示すように、ユーザが、ウェブページW10の末端が表示されるまでスクロール操作を行ったものとする。この場合、端末装置100は、広告コンテンツC20に切り替えて、新たな広告コンテンツC22を表示する。図12の例では、広告コンテンツC22は、広告コンテンツC20に吹き出しが付加された静止画像であるものとする。また、図12の例では、端末装置100は、ウェブページW10を透過させない状態で広告コンテンツC22をウェブページW10の前面に表示するものとする。ただし、端末装置100は、ウェブページW10を透過させる表示態様で広告コンテンツC22を表示してもよい。
具体的には、検知部145は、スクロール操作によってウェブページW10が末端まで移動されたか否かを検知する。言い換えれば、検知部145は、出力部130にウェブページW10の末端が表示されているか否かを検知する。そして、変動部146は、図12の第3状態に示すように、ウェブページW10の末端が表示されていると検知部145が検知した場合に、広告コンテンツC20を非表示にするとともに、広告コンテンツC22を新たに表示する。すなわち、変動部146は、スクロール操作によってウェブページW10の末端が表示された際に、広告コンテンツC20から広告コンテンツC22に切り替えて表示する。
この後、変動部146は、ウェブページW10が選択され続けている場合(すなわち、出力部130の表示面から指F10が離れるまで)、広告コンテンツC22を表示し続ける。そして、変動部146は、ウェブページW10が選択されなくなった場合に、広告コンテンツC22から広告コンテンツC20に切り替えて表示する。ただし、変動部146は、ウェブページW10の末端が表示されている場合には、ウェブページW10が選択されているか否かにかかわらず、広告コンテンツC22を表示し続けてもよい。
また、変動部146は、図12の第3状態の後に、再度スクロール操作が行われることでウェブページW10の末端が表示されなくなった場合には、広告コンテンツC22から広告コンテンツC20に切り替えて表示する。
このように、端末装置100は、ウェブページW10が所定の位置までスクロールされた場合に、広告コンテンツC20から他の広告コンテンツC22に切り替えることで、ユーザを広告コンテンツC20及びC22に注目させることができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC20及びC22の広告効果を向上させることができる。また、図12の例の場合、端末装置100は、ウェブページW10の末端が表示された場合に、広告コンテンツC20から広告コンテンツC22に切り替えるので、ウェブページW10を最後まで閲覧するようユーザを促すことができる。
なお、上記例では、変動部146が、広告コンテンツC20を広告コンテンツC22に切り替えて表示することとした。しかし、変動部146は、図12の第3状態において、広告コンテンツC20を表示したままとし、吹き出しに対応する広告コンテンツを新たに表示してもよい。
また、図12の例において、変動部146は、端末装置100に関する端末情報と関連する広告コンテンツC22を表示してもよい。端末情報の例としては、端末装置100の現在位置、現在時間などが挙げられる。図12の例の場合、変動部146は、端末装置100の現在位置の天気を示す広告コンテンツC22を表示する。例えば、端末装置100の所在位置における天気が雨である場合には、変動部146は、図12の例のように、雨を示す広告コンテンツC22を表示する。なお、上記の通り、端末装置100に表示される広告コンテンツC22は、広告装置20によって配信される。したがって、広告装置20は、端末装置100から広告コンテンツの取得要求を受け付ける際に、端末装置100に関する端末情報(例えば、現在位置など)についても受け付ける。そして、広告装置20は、端末装置100から受け付けた端末情報に応じた広告コンテンツC22を端末装置100に配信する。
また、図12の例において、広告コンテンツC22には、広告主ページへのリンクが張られていてもよい。この場合には、変動部146は、ウェブページW10の前面に広告コンテンツC22を表示するので、広告コンテンツC22をクリック可能な状態で表示することができる。
また、図12の例の場合、広告装置20は、広告コンテンツC20、C21及びC22を端末装置100に配信する。そして、端末装置100は、制御情報に従って、広告コンテンツC20、C21及びC22の表示態様を制御する。
〔9−3.広告コンテンツの移動〕
また、上述してきた端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、ウェブページの移動とともに広告コンテンツを移動させてもよい。この点について、図13を用いて説明する。
図13は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。図13の第1状態は、図11の第1状態と同様である。そして、端末装置100は、図13の第2状態に示すように、スクロール操作が行われた場合に、ウェブページW10とともに広告コンテンツC20を移動させる。
具体的には、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されている場合に、かかるスクロール操作と連動させて広告コンテンツC20の表示位置を変動させる。このとき、変動部146は、上述してきた例と同様に、検知部145によってスクロール操作が検知されている間は広告コンテンツC20の表示態様を変動させる。例えば、変動部146は、広告コンテンツC20の透過度を第2透過度にするとともに、かかる広告コンテンツC20の表示位置を変動させる。
また、図13の第3状態に示すように、変動部146は、広告コンテンツC20を移動させた結果、広告コンテンツC20の表示位置が出力部130の上端に達した場合には、広告コンテンツC20を非表示にするとともに、広告コンテンツC23を新たに表示する。図13の例では、変動部146は、広告コンテンツC20によって示される人が天井にぶつかったことを想起させる広告コンテンツC23を新たに表示する。なお、図13の第3状態に示した端末装置100による表示処理は、図12の第3状態に示した表示処理と同様である。
この後、変動部146は、所定時間(例えば、1秒、2秒)が経過した場合に、図13の第4状態に示すように、広告コンテンツC23を非表示にするとともに、広告コンテンツC30を新たに表示する。図13の例では、変動部146は、ウェブページW10の前面に広告コンテンツC30を表示する。すなわち、変動部146は、ウェブページW10を透過させない状態で広告コンテンツC30を表示する。このとき、変動部146は、広告コンテンツC30に広告主ページへのリンクが張られている場合には、クリック可能な状態で広告コンテンツC30を表示する。
このように、端末装置100は、ウェブページW10と連動させて広告コンテンツC20を移動させることで、ユーザ操作に応じて広告コンテンツC20の表示位置を変動させることができる。この結果、端末装置100は、ユーザを広告コンテンツC20に注目させることができるので、広告コンテンツC20の広告効果を向上させることができる。また、端末装置100は、広告コンテンツC20が所定位置まで移動した場合に、広告コンテンツC20を広告コンテンツC23及びC30に切り替えることで、ユーザ操作に応じて表示対象の広告コンテンツを変動させることができる。この結果、端末装置100は、ユーザを広告コンテンツC20、C23及びC30に注目させることができるので、広告効果の向上を図ることができる。
なお、図13の例の場合、広告装置20は、広告コンテンツC20、C21、C23及びC30を端末装置100に配信する。そして、端末装置100は、制御情報に従って、広告コンテンツC20、C21、C23及びC30の表示態様を制御する。
〔9−4.アニメーション表示〕
また、上述してきた端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、広告コンテンツの表示態様を動的に変動させてもよい。すなわち、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、アニメーションのような広告コンテンツを表示してもよい。この点について、図14を用いて説明する。
図14は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。図14の第1状態に示すように、端末装置100の表示部144は、ウェブページW10と広告コンテンツC40とを重ねて表示する。例えば、表示部144は、第1透過度で広告コンテンツC40を表示する。なお、図14に示した広告コンテンツC40は、ビールグラスの静止画像であり、例えばビールを販売する企業等によって入稿される。
そして、端末装置100の変動部146は、図14の第2状態に示すように、スクロール操作が行われた場合に、広告コンテンツC40によって示されるビールグラスにビールが注がれているかのように、広告コンテンツC40の表示態様を変動させる。具体的には、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されている間、ビールグラスにビールが徐々に注がれているかのように、広告コンテンツC40の表示態様を徐々に変動させる。このとき、変動部146は、上述してきた例と同様に、検知部145によってスクロール操作が検知されている間は、広告コンテンツC40の透過度を第2透過度とする。
そして、図14の第3状態に示すように、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が所定時間以上にわたって検知された場合には、最終的には広告コンテンツC40の表示態様をビールが満杯に注がれた状態に変動させる。
この後、変動部146は、所定時間(例えば、1秒、2秒)が経過した場合に、図14の第4状態に示すように、広告コンテンツC40を非表示にするとともに、広告コンテンツC50を新たに表示する。図14の例では、変動部146は、ウェブページW10の前面に広告コンテンツC50を表示する。すなわち、変動部146は、ウェブページW10を透過させない状態で広告コンテンツC50を表示する。このとき、変動部146は、広告コンテンツC50に広告主ページへのリンクが張られている場合には、クリック可能な状態で広告コンテンツC50を表示する。
このように、端末装置100は、スクロール操作が行われている間、広告コンテンツC40の表示態様を動的に変動させることで、ユーザを広告コンテンツC40に注目させることができる。
なお、変動部146は、広告コンテンツC40の表示態様を所定の状態まで動的に変動させた後に、スクロール操作が終了した場合には、所定の状態の広告コンテンツC40の透過度を第1透過度に変動させてもよい。例えば、図14の第2状態でスクロール操作が終了した場合、変動部146は、図14の第2状態に示した広告コンテンツC40の透過度を第1透過度としてもよい。そして、この後に、検知部145によってスクロール操作が再度検知された場合には、変動部146は、広告コンテンツC40の表示態様を第2状態に示した状態から動的に変動させてもよい。すなわち、変動部146は、スクロール操作が行われている間だけ、アニメーションが進行するように広告コンテンツC40の表示態様を変動させてもよい。
〔9−5.説明用のコンテンツ〕
また、上記実施形態では、スクロール操作が行われている場合に、広告コンテンツを表示する例を示した。しかし、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、広告目的以外のコンテンツをウェブページと重ねて表示してもよい。例えば、端末装置100は、ウェブページを説明するためのコンテンツや、ウェブページを強調するためのコンテンツ等をウェブページと重ねて表示してもよい。この点について、図15を用いて説明する。
図15は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。図15の第1状態に示すように、端末装置100の表示部144は、ウェブページW10を表示する。続いて、図15の第2状態に示すように、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されている場合に、コンテンツC61〜C63をウェブページW10と重ねて表示する。
図15の例では、コンテンツC61は、ウェブページW10に含まれる入力欄を説明するためのコンテンツに該当する。また、コンテンツC62は、ウェブページW10に含まれるボタンを説明するためのコンテンツに該当する。また、コンテンツC63は、ウェブページW10に掲載されている記事を説明するためのコンテンツに該当する。
そして、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されなくなった場合には、図15の第3状態に示すように、コンテンツC61〜C63を非表示とする。すなわち、変動部146は、第1状態と同様に、ウェブページW10のみが表示される状態に戻す。
なお、図15の第1状態において、表示部144は、ウェブページW10とコンテンツC61〜C63とを重ねて表示する。ただし、表示部144は、コンテンツC61〜C63を完全に透明な状態で表示する。このため、図15の第1状態の場合、ユーザには、コンテンツC61〜C63を視認することはできない。そして、図15の第2状態において、変動部146は、コンテンツC61〜C63の透過度を下げることにより、コンテンツC61〜C63を視認可能な状態で表示する。このとき、変動部146は、図15の第2状態に示すように、コンテンツC61〜C63をウェブページW10の前面に表示してもよい。そして、図15の第3状態において、変動部146は、コンテンツC61〜C63の透過度を上げることにより、コンテンツC61〜C63を視認不可能な透明な状態で表示する。
このように、端末装置100は、スクロール操作が行われている間、ウェブページW10を説明するためのコンテンツC61〜C63を表示する。すなわち、端末装置100は、ユーザがウェブページW10を凝視していない可能性の高いスクロール操作中に、ヘルプ機能に相当するコンテンツC61〜C63を表示する。これにより、端末装置100は、ウェブページW10におけるユーザビリティを向上させることができる。また、端末装置100は、コンテンツC61〜C63を表示することで、ウェブページW10に掲載されている記事を強調することができるので、ユーザをウェブページW10に注目させることができる。
〔9−6.複数の広告枠〕
また、上記してきた端末装置100は、広告コンテンツを表示するための複数の広告枠が設けられたウェブページを表示するとともに、各広告枠に表示させる広告コンテンツを変動させてもよい。この点について、図16を用いて説明する。
図16は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。図16に示したウェブページW20は、広告コンテンツを表示するための広告表示領域R21、R22及びR23を含む。端末装置100は、このようなウェブページW20を表示する場合に、スクロール操作によって表示対象となる広告表示領域が変動するたびに、表示対象である広告表示領域に表示させる広告コンテンツを変動させる。
具体的には、図16の第1状態に示すように、端末装置100の表示部144は、最初にウェブページW20の先頭から表示する。そして、図16の第2状態に示すように、表示部144は、スクロール操作に応じて広告表示領域R21を表示したものとする。この場合、変動部146は、広告コンテンツC70を広告表示領域R21に表示する。具体的には、検知部145は、広告表示領域R21、R22及びR23が表示対象となっているか否かを検知する。なお、ここでいう表示対象の広告表示領域とは、出力部130の表示領域に表示されている広告表示領域を示す。そして、図16の第2状態の場合、変動部146は、検知部145によって広告表示領域R21が表示対象であると検知された場合に、広告表示領域R21に広告コンテンツC70を表示する。
続いて、図16の第3状態に示すように、表示部144は、スクロール操作に応じて広告表示領域R22を表示したものとする。この場合、検知部145は、広告表示領域R22が表示対象であることを検知する。そして、変動部146は、検知部145によって検知された広告表示領域R22に広告コンテンツC70を表示する。このとき、変動部146は、第2状態と異なる表示態様で広告コンテンツC70を表示する。図16の例の場合、変動部146は、第2状態においては、広告コンテンツC70に「スマホ新発売!発売日は・・・」といった文字を掲載するが、第3状態においては、広告コンテンツC70に「発売日は・・・M月D日に決定!」といった文字を掲載する。続いて、図16の第4状態に示すように、変動部146は、表示対象となった広告表示領域R23に広告コンテンツC70を表示する場合に、広告コンテンツC70の表示対象を変動させる。
このように、端末装置100は、表示対象となる広告表示領域が変動するたびに、現に表示対象である広告表示領域に表示させる広告コンテンツC70の表示態様を変動させる。これにより、端末装置100は、順次表示される広告表示領域に表示される広告コンテンツC70に物語性を持たせることができるので、ユーザを広告コンテンツC70に注目させることができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC70の広告効果を向上させることができる。
〔9−7.連続操作〕
また、上述してきた端末装置100は、所定時間内にスクロール操作が連続して行われるたびに、広告コンテンツの表示態様を順次変動させてもよい。具体的には、変動部146は、検知部145によって所定時間内にスクロール操作が連続して検知されるたびに、上述してきた広告コンテンツの透過度を徐々に低下させてもよい。言い換えれば、変動部146は、スクロール操作が連続して検知されるたびに、広告コンテンツを徐々に濃く表示してもよい。
そして、変動部146は、広告コンテンツを徐々に濃く表示し続けた後、検知部145によって連続して検知される回数が所定の回数閾値以上になった場合には、かかる広告コンテンツを他の広告コンテンツ(例えば、図13に示した広告コンテンツC30や、図14に示した広告コンテンツC50など)に切り替えてもよい。
端末装置100は、このように広告コンテンツの表示態様を変動させる場合であっても、ユーザを広告コンテンツに注目させることができるので、広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
〔9−8.変動条件〕
また、上述してきた端末装置100は、スクロール速度が所定の速度閾値よりも遅い場合には、広告コンテンツの表示態様を変動させず、スクロール速度が所定の速度閾値以上である場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させてもよい。具体的には、検知部145は、スクロール操作を検知した場合に、かかるスクロール操作の速度を検知する。または、検知部145は、スクロール操作を検知した場合に、かかるスクロール操作に応じて移動するウェブページの速度を検知する。そして、変動部146は、検知部145によって検知されたスクロール速度が速度閾値以上である場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させる。
このように、端末装置100は、スクロール速度に基づいて、広告コンテンツの表示態様を変動させることにより、ウェブページの視認性が低下することを防止することができる。具体的には、スクロール操作を行っているユーザであっても、ゆっくりとウェブページをスクロールさせている場合には、ウェブページに掲載されている記事等を凝視している可能性がある。そこで、端末装置100は、スクロール速度が速度閾値以上である場合に限って広告コンテンツの表示態様を変動させることで、ウェブページを閲覧しているユーザにとってウェブページの視認性が低下することを防止することができる。この結果、端末装置100は、ウェブページにおけるユーザビリティを向上させることができる。
〔9−9.課金額の算定〕
また、上記実施形態では、広告装置20の算定部28が、広告コンテンツの表示回数やクリック回数に基づいて、広告配信料として広告主に課金する課金額を算定する例を示した。しかし、算定部28は、他の要素も含めて広告主への課金額を算定してもよい。例えば、算定部28は、スクロール操作が行われた回数であるスクロール回数や、スクロール操作が行われている時間の長さであるスクロール時間に基づいて課金額を算定してもよい。この点について、図17を用いて説明する。
図17は、変形例に係る算定処理の一例を示す図である。図17に示すように、端末装置100は、ユーザによってスクロール操作が行われた場合に、スクロール回数又はスクロール時間を含む操作情報を配信装置30に送信する(ステップS11)。具体的には、端末装置100の検知部145は、スクロール操作を検知した場合に、ウェブページに表示される広告コンテンツ毎に、スクロール操作の回数を計数する。また、検知部145は、スクロール操作を検知した場合に、ウェブページに表示される広告コンテンツ毎に、スクロール時間を計数する。そして、端末装置100は、所定の期間(例えば、1ヶ月)毎に、広告コンテンツ毎のスクロール回数やスクロール時間を含む操作情報を配信装置30に送信する。この送信処理は、検知部145によって行われてもよいし、図6に図示しない送信部によって行われてもよい。
続いて、図17に示すように、配信装置30は、端末装置100から受信した操作情報を広告装置20に送信する(ステップS12)。そして、広告装置20の算定部28は、配信装置30から受信した操作情報に基づいて、広告主への課金額を算定する(ステップS13)。例えば、算定部28は、スクロール回数が多いほど、広告コンテンツが強調表示された回数が多いことを示すので課金額を高く算定する。また、例えば、算定部28は、スクロール時間が長いほど、広告コンテンツが強調表示された時間が長いことを示すので課金額を高く算定する。
このように、算定部28は、スクロール回数やスクロール時間を用いることで、広告効果と直結する公平な課金額を算定することができる。
また、上記例に限られず、算定部28は、「ウェブページが表示された時間の長さ」に対する「広告コンテンツが強調表示された時間の長さ」の割合である広告表示割合に基づいて、広告主への課金額を算定してもよい。具体的には、算定部28は、広告表示割合が高いほど、ユーザに広告コンテンツが閲覧された時間が長いと判定して課金額を高く算定する。この点について説明すると、ウェブページに掲載されている記事等を閲覧しているユーザが、スクロール操作を長時間にわたって行う可能性は低い。一方、上述してきた広告コンテンツの表示態様に興味を持ったユーザは、広告コンテンツを強調表示させるために、スクロール操作を長時間にわたって行う可能性が高い。このため、算定部28は、広告表示割合が高いほど課金額を高く算定することで、広告効果と直結する公平な課金額を算定することができる。
このように広告表示割合を用いる場合、端末装置100の表示部144は、表示部144によってウェブページが出力部130に表示されている時間の長さ(以下、「ページ表示時間」とする)を計測するとともに、変動部146によって広告コンテンツの表示態様が変動させられている時間の長さ(以下、「広告表示時間」とする)を計測する。このとき、表示部144は、ウェブページに表示される広告コンテンツ毎に、ページ表示時間及び広告表示時間を計測する。そして、端末装置100は、所定の期間(例えば、1ヶ月)毎に、広告コンテンツ毎のページ表示時間及び広告表示時間を含む操作情報を配信装置30に送信する。
なお、上述してきた例では、広告装置20が課金額を算定する例を示したが、配信装置30が課金額を算定してもよい。この場合、配信装置30は、図3に示した算定部28を有する。
〔9−10.表示態様〕
また、上述してきた各広告コンテンツや関連コンテンツ等の各種コンテンツの表示態様は、図示した例に限られない。例えば、上述してきた広告コンテンツ等は、スクロール操作が行われていない場合には、完全に透明な状態で表示されてもよい。また、上述してきた広告コンテンツ等は、スクロール操作が行われている場合には、ウェブページの前面に透過度なしで表示されてもよい。
〔9−11.ウェブページ〕
また、上記実施形態では、広告コンテンツや関連コンテンツ等のコンテンツと、ウェブページとが重ねて表示される例を示したが、広告コンテンツ等が重ねて表示されるのはウェブページに限られない。例えば、上述してきた広告コンテンツ等は、携帯電話ゲーム等の画面に表示されてもよい。
また、上記実施形態では、ウェブページが縦スクロールされる例を示したが、この例に限られない。例えば、端末装置100は、横スクロール可能なウェブページを表示し、かかるウェブページが横スクロールされている場合に、広告コンテンツ等の表示態様を変動させてもよい。一例を挙げて説明すると、端末装置100は、地図に関するウェブページである地図ページを表示し、地図ページを任意の方向に移動させるスクロール操作が行われている場合に、地図上の店舗や建物を説明するためのコンテンツを表示してもよい。
〔9−12.移動操作〕
また、上記実施形態では、ウェブページを移動させる移動操作として、スクロール操作を例に挙げたが、この例に限られない。例えば、ウェブページを移動させる移動操作は、ウェブページを縮小表示させる縮小操作(例えば、ピンチイン操作)や、ウェブページを拡大表示させる拡大操作(例えば、ピンチアウト操作)であってもよい。また、移動対象はウェブページでなくてもよい。例えば、上述してきた実施形態は、デスクトップ画面やアプリケーションの表示画面上で所定のコンテンツ(例えば、アイコンや画面)をドラックアンドドロップ操作やスクロール操作で移動させる移動操作にも適用することができる。
〔9−13.広告コンテンツの入稿〕
また、上記実施形態において、広告装置20の入稿受付部24は、上述してきた広告コンテンツの表示態様を広告主に選択させてもよい。具体的には、入稿受付部24は、図1、図11、図12、図13、図14、図15、図16に例示した広告コンテンツの表示態様の一部又は全ての中から、広告主が所望する表示態様を選択させてもよい。このとき、入稿受付部24は、選択された表示態様に要する広告コンテンツを広告主に入稿させる。
〔9−14.装置構成〕
また、上記実施形態では、広告配信システム1に、広告装置20と配信装置30とが含まれる例を示したが、広告装置20と配信装置30とは1個の装置として形成されてもよい。この場合、図5に示した配信装置30は、例えば、図3に示した広告コンテンツ記憶部22、入稿受付部24及び抽出部26を有する。そして、配信装置30は、端末装置100からウェブページの取得要求を受け付けた場合に、広告コンテンツ記憶部22から抽出した広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページを端末装置100に配信する。
また、上記実施形態では、広告装置20から端末装置100に広告コンテンツが配信される例を示したが、配信装置30が、広告装置20から広告コンテンツを取得してもよい。この場合、広告装置20の要求受付部25は、配信装置30から広告コンテンツの取得要求を受け付ける。また、広告装置20の配信部27は、配信装置30に広告コンテンツを配信する。また、配信装置30の配信部35は、広告装置20から取得した広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページを端末装置100に配信する。
〔9−15.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図6に示した要求部141及び受付部142は統合されてもよい。
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔9−16.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置100、広告装置20及び配信装置30は、例えば図18に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、配信装置30を例に挙げて説明する。図18は、配信装置30の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50(図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る配信装置30として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部33の機能を実現する。また、HDD1400には、コンテンツ記憶部32内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
なお、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現する。
なお、コンピュータ1000が実施形態に係る広告装置20として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部23の機能を実現する。
〔10.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る配信装置30は、配信部35を有する。配信部35は、制御情報とともにウェブページ(第1コンテンツの一例)を端末装置100に配信する。また、制御情報は、ウェブページと広告コンテンツ(第2コンテンツの一例)とを重ねて表示する表示手順と、表示手順によって表示されているウェブページを移動させるスクロール操作(移動操作の一例)を検知する検知手順と、検知手順によってスクロール操作が検知された場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させる変動手順とを端末装置100に実行させる。
これにより、実施形態に係る配信装置30は、ウェブページ及び広告コンテンツの視認性が低下することを防止できるとともに、広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
また、実施形態に係る配信装置30において、表示手順は、広告コンテンツをウェブページよりも透過性の高い半透明な状態で表示する。また、変動手順は、検知手順によってスクロール操作が検知された場合に、前述の半透明な状態よりも透過性の低い状態で広告コンテンツを表示する。
また、実施形態に係る配信装置30において、表示手順は、広告コンテンツを透明な状態で表示する。また、変動手順は、検知手順によってスクロール操作が検知された場合に、広告コンテンツをウェブページよりも透過性の高い状態で表示する。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、検知手順によってスクロール操作が検知された場合に、広告コンテンツの表示態様を動的に変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、広告コンテンツの表示態様を所定の状態まで動的に変動させた後に、検知手順によってスクロール操作が再度検知された場合に、広告コンテンツの表示態様を所定の状態から動的に変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、検知手順は、スクロール操作に応じてウェブページの所定領域が表示されたか否かを検知する。また、変動手順は、ウェブページの所定領域が表示されたことが検知された場合に、広告コンテンツを他のコンテンツに切り替える。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、他のコンテンツとして、ウェブページ又は広告コンテンツと関連性を有するコンテンツを表示する。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、検知手順によってスクロール操作が検知された場合に、広告コンテンツとして、ウェブページを強調又は説明するためのコンテンツを表示する。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、検知手順によってスクロール操作が検知された場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させるとともに、広告コンテンツと関連性を有する他のコンテンツをさらに表示する。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、検知手順によって所定時間内にスクロール操作が連続して検知されるたびに、広告コンテンツの表示態様を順次変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、配信部は、広告コンテンツを表示するための複数の表示領域を含むウェブページを配信する。また、変動手順は、スクロール操作に応じて表示対象となる表示領域が変動するたびに、表示領域に表示させる広告コンテンツの表示態様を変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、検知手順によってスクロール操作が検知されている間、広告コンテンツの表示態様を変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、検知手順は、スクロール操作後にウェブページが選択されている選択状態であるか否かを検知する。また、変動手順は、検知手順によって選択状態であると検知されている間、広告コンテンツの表示態様を変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、検知手順は、ウェブページが移動中であるか否かを検知する。また、変動手順は、検知手順によってウェブページが移動中であると検知されている間、広告コンテンツの表示態様を変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、検知手順は、ウェブページを移動させる操作の速度、又は、スクロール操作に応じて移動するウェブページの速度を検知する。また、変動手順は、検知手順によって検知された速度が所定の速度閾値以上である場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させる。
また、実施形態に係る配信装置30において、変動手順は、ウェブページにおける表示位置の変化と連動させずに、広告コンテンツを固定の位置に表示させる。
これにより、実施形態に係る配信装置30は、広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
また、実施形態に係る配信装置30は、検知手順によってスクロール操作が検知された検知回数、又は、検知手順によって検知されたウェブページの移動時間に応じて、広告コンテンツを入稿した入稿元に課金する課金額を算定する算定部をさらに有する。
これにより、実施形態に係る配信装置30は、広告効果と直結する公平な課金額を算定することができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。