JP5893193B1 - ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量でコンパクトであり着座時の安定性に優れるワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を提供する。【解決手段】杖本体主脚部1の下部に断面視略三角筒状のガイド筒6を杖本体主脚部1が内接された状態で固着し、ガイド筒6に第一副脚部4と第二副脚部5を回動自在に設け、第一副脚部4が杖本体主脚部1に対して開状態にあるとき第二副脚部5は第一副脚部4の上部に当接し且つ第一副脚部4と第二副脚部5はX字状に成るように形成され、第一副脚部4は杖本体主脚部1に対して開方向に付勢され、第二副脚部5には第一副脚部係止片12が設けられ、第一副脚部4と第二副脚部5が杖本体主脚部1に対して平行状態にあるとき第一副脚部係止片12が第一副脚部に係合し、第一副脚部4の上端部と第二副脚部5の上端部と杖本体主脚部1の握り部2より下部に着座シート部11が張設されていることを特徴とするワンタッチ開閉自在椅子兼用杖である。【選択図】図1
Description
本発明は、椅子に変えることが出来る杖に関し、ワンタッチで着座シート及び2本の第一副脚部と第二副脚部を開いて三脚の椅子にすることができるワンタッチ開閉自在椅子兼用杖に関する。
従来、椅子に変えることが出来る杖に関して、3本の等長パイプ材からなる軸材のうち2本には、一端の外周にネジ部を形成すると共に先端部に石突きを取り付け,他方端部には内ネジが形成された固着金物が設けられている、更に他の一本の軸材の端部には外周にネジ部を形成し、他方端部の先頭部には石突きが取り付けられ、軸材の略中程に3叉部材の取り付け出来る取り付け孔が設けられており、該軸材を棒状に連結組み立てて頂部に3叉部材を固定することでステッキを構成しさらに3本の軸材を3叉部材をもって組み立て、櫓状に地上に起立させ頂部に座版を固定することで簡易椅子が構成できるようにしたことを特徴とするステッキ兼用簡易組み立て椅子が提案されている(特許文献1)。
該ステッキ兼用簡易組み立て椅子は、ステッキとして使用する際は、3本の等長パイプ材を改めて連結しなおして一本に構成し直さなければならず、該組み立てには時間が掛り面倒であるという課題がある。該課題を解決する杖として、上部に握柄を備えた第1脚部材と、前記第1脚部材に連結した第2脚部材と、前記第1脚部材と前記第2脚部材とにより支持される腰掛け部材と、を備えた椅子であって、前記第1脚部材に設けられた第1連結部の球状外面に、前記第2脚部材に設けられた第2連結部が摺動自在に嵌合し連結部位を構成し、前記第1脚部材は、前記第1脚部材に沿って摺動自在に備えられたスライド部材と、前記スライド部材の下方において、前記スライド部材の摺動を抑止するストッパー構造と、を有しており、前記腰掛け部材は、第1のヒンジ構造を介して前記スライド部材と回動自在に連結し、かつ、この腰掛け部材の裏面に設けられた第2のヒンジ構造を介して前記第2脚部材の上部と回動自在に連結しており、前記第1脚部材と前記第2脚部材とが前記連結部位で交差し、前記スライド部材が前記ストッパー構造により下方への摺動が抑止された第1の状態と、前記第1脚部材と前記第2脚部材とが沿い、前記スライド部材が前記第1の状態より上方に上がっている第2の状態と、に変化することを特徴とする椅子が提案されている(特許文献2)。
該椅子は第1脚部材と第2脚部材の2本の脚部材によって腰掛け部材に腰掛けた人を支えるため、着座時の左右方向の安定性が十分とは言えない場合があると共に、杖として使用する際には腰掛け部材が重く、また邪魔になる場合がある、という課題がある。これに対して、ヒンジ軸を中心にX字状に組み合わされた2本のロッドを、ヒンジ軸を中心に畳んで重合可能とされ、2本のロッドがX字状に展開されたときには、2本のロッドのヒンジ軸より下方側を脚部とし、ヒンジ軸より上方側に座面部が配置される携帯用椅子であって、前記2本のロッドは、ヒンジ軸より上方側で一方は他方に比べて短く設定され、該一方のロッドの上端には揺動杆が揺動自在に支持され、他方のロッドのヒンジ軸より上方側の所定位置と前記揺動杆との間に柔軟性を備えたシートが前記座面部となるように張設され、前記揺動杆はシートが前記座面部を形成する位置で前記一方のロッドに対してロックされるようにロック装置を備え、前記2本のロッドが畳まれて重合されたときに、前記揺動杆も揺動されて前記ロッドと共に重合可能とされ、このときシートに隣接する位置のロッド若しくは前記揺動杆にカバー帯が固定され、該カバー帯はシートを覆うように巻回可能とされていることを特徴とする携帯用椅子が提案されている(特許文献3)。
該携帯用椅子は、特許文献2に記載の腰掛け部材の代わりにシートが用いられている点で、全体として重量が軽くなり、また2本のロッドが重合されたときにはシートは畳まれた状態になるため、コンパクトには成っても、やはり、シートに腰掛けた人を支えるロッドは2本であるため、着座時の左右方向の安定性は十分とは言い難いという課題がある。該課題を解決する椅子として、3本のロッドをヒンジ部によって揺動自在に結合して、ヒンジ部を中心に畳んで重合された状態とヒンジ部を中心に展開された状態とに転換可能とされ、ヒンジ部より下方側を脚部とし、ヒンジ部より上方側に着座部が配置されて椅子とされ、前記ヒンジ部は、3本のロッドのうち第1及び第2のロッドが第3のロッドを間に挟んで互いに重合および展開可能とされ、しかも、互いに展開された前記第1及び第2のロッドを各軸線状を通る仮想平面に対して前記第3のロッドが角度を持って展開可能とされていることを特徴とする携帯用椅子が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献4に示される携帯用椅子は、3本のロッド部がヒンジ部で重合されているため、該重合部分の摩擦抵抗が生じやすく、また該摩擦抵抗が大きくなる場合があり、スムーズに3本のロッドを展開することが難しい場合があるという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、杖として使用する際には軽量でコンパクトにまとまって、椅子として使用する際の着座シート部が邪魔になることが無く、椅子として使用するときには、軽い一回の操作でワンタッチに脚部を開いて着座シート部を着座できるように展開すると共に、着座する人の体重を3本の脚部で支えることで着座時の前後左右の安定性に優れるワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、棒状の杖本体主脚部の上部に握り部が設けられている杖であって、杖本体主脚部の下部に断面視略三角筒状のガイド筒を杖本体主脚部が内接された状態で固着し、該ガイド筒の一の面に回動自在且つ杖本体主脚部に対して開閉自在に棒状の第一副脚部を設け、該第一副脚部は杖本体主脚部に対して開方向に付勢手段により付勢され、前記ガイド筒の一の面と隣接する面に回動自在で且つ杖本体主脚部に対して開閉自在に棒状の第二副脚部を設け、第一副脚部及び第二副脚部は杖本体主脚部より短く、第一副脚部が杖本体主脚部に対して開状態にあるとき第二副脚部は開状態に成ると共に該第二副脚部は第一副脚部の上部に当接し且つ第一副脚部と第二副脚部はX字状に成るように形成され、第一副脚部と第二副脚部が閉じられたときには第一副脚部と第二副脚部と杖本体主脚部が平行状態に成ると共に第一副脚部及び第二副脚部の下端は少なくとも杖本体主脚部の下端と同じ位置又は上方位置に成るように形成され、第一副脚部と第二副脚部と杖本体主脚部とが平行状態にあるときには第一副脚部が前記付勢手段による付勢力で開状態となるのを防止する第一副脚部開放防止手段を第二副脚部の下部に設けると共に該第一副脚部開放防止手段が第一副脚部に係合し、第二副脚部には回動規制手段が設けられ、第一副脚部の上端部と第二副脚部の上端部と杖本体主脚部の握り部より下部に変形自在の着座シート部が張設されていることを特徴とするワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を提供する。
また、請求項2記載の発明は、杖本体主脚部の握り部より下部に着座シート収納部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を提供する。
また、請求項3記載の発明は、杖本体主脚部の握り部より下部であって着座シート部の上部と同位置か着座シート部より上方に補助握り部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を提供する。
また、請求項4記載の発明は、着座シート収納部の上部に補助握り部を設けたことを特徴とする請求項2記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を提供する。
本発明のワンタッチ開閉椅子兼用杖は、第一副脚部が杖本体主脚部に対して開方向に付勢手段により付勢されていて、また該第一副脚部が杖本体主脚部に対して開状態にあるときは第二副脚部が第一副脚部の上部に当接し且つ第一副脚部と第二副脚部はX字状に成るように形成されているため、第一副脚部の開方向への付勢力によって第二副脚部も開方向に下側から付勢される状態に成る。このため、杖としての使用状態(杖本体主脚部と第一副脚部と第二副脚部が平行状態にある)から、第二副脚部をわずかに開く方向に回動させるワンタッチの操作で、第二副脚部が第一副脚部の上部に当接して上記第一副脚部の付勢力が加わる状態になり、第二副脚部と第一副脚部は簡単に開の状態となる効果がある。
また、第二副脚部には回動規制手段が設けられているため、一定以上の回動が規制されて第二副脚部は該規制位置で回動が停止し、第二副脚部の回動が停止すると同時に付勢力により回動しようとしている第一副脚部の回動も停止して、該位置で杖本体主脚部と第一副脚部と第二副脚部が、いわゆる篝(かがり)火台状の形状となって床面に三脚で着座シート部が開いた状態で自立する状態となる効果がある。
この状態で杖本体主脚部を左右の足で挟むように且つ握り部を胸に接するようにして本発明であるワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を跨いで着座シート部に腰掛けて着座すれば、体重は3本の杖本体主脚部と第一副脚部と第二副脚部に支えられるため、該着座状態は極めて安定であるという効果がある。また着座姿勢は、杖本体主脚部が身体の前にあって握り部を手で持ちながら着座することが出来るため、左右の身体の揺れが生じた場合は、該握り部を持って杖本体主脚部を左右に身体の揺れに合わせて揺動させることができ、仮に身体の重心位置が上記3本の杖本体主脚部と第一副脚部と第二副脚部で構成される重心位置から外に外れた場合は、素早く立ち上がることが容易にでき、着座の安定性に加えて、着座状態から落下することも事前に防止されるという効果がある。
また、杖本体主脚部に対して第一副脚部と第二副脚部が開の状態になっている着座状態から、一本の杖の状態に戻すためには、第二主脚部の上端部を第二主脚部が杖本体主脚部と第一主脚部と平行状態に成るように回動させ、最終的に平行状態とすればよい。該操作は慣れれば容易でワンタッチの操作となる効果がある。また該平行状態とすることによって、第二副脚部の下部に設けられた第一副脚部開放防止手段が第一副脚部に作用して、第一副脚部がさらに開状態に成ることが防止され、且つ第一副脚部に係合するため、第一副脚部と第二副脚部と杖本体主脚部は一体となった平行状態で保持される効果がある。この状態では着座シート部は杖本体主脚部と第一副脚部と第二副脚部の間に折りたたまれた状態で保持され、杖として使用するにあたって該着座シートが邪魔になることが無いという効果がある。
また、本発明のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖は、本体となる杖本体主脚部以外の第一副脚部と第二副脚部は、杖本体主脚部より短く形成されていて、且つ人が腰掛ける部分はシート状の着座シート部として設けられているため、全体として極めて軽量であるという効果がある。
特に請求項1記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖は、第一副脚部と第二副脚部が杖本体主脚部の下部に固着された断面視略三角筒状のガイド筒の隣接する側面に回動自在に設けられているため、その回動がスムーズに行われるという効果がある。
また、請求項2記載の発明は、上記効果のほか、杖本体主脚部の握り部より下部に着座シート収納部が設けられているため、第一副脚部と第二副脚部を閉じて杖本体主脚部と一体として杖として使用する場合は、着座シート部を着座シート収納部に収納することができ、着座シート部をさらに杖本体主脚部と一体化することが出来、見た目にもスマートになると共に、着座シート部が汚れたり、雨で濡れることを防止することが出来る効果がある。
また、請求項3記載の発明は、請求項1に係る発明に関する効果の他、杖本体主脚部の握り部より下部であって着座シート部の上部と同位置か着座シート部より上方に補助握り部を設けているため、着座シート部に着座(杖本体主脚部を左右の足で挟むように且つ握り部を胸に接するようにして本発明であるワンタッチ開閉自在椅子兼用杖を跨いで着座シート部に腰掛けて着座)の際は、片方の手で握り部を握り、もう一方の手で該補助握り部を握ることで、本ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖の傾き等を確認し且つ着座の際の重心位置を微調整しながら、着座シート部に安定して着座し続けることが出来るという効果があり、さらには、着座の姿勢から立ち上がる際にも、同様に片手で握り部を握り、もう一方の手で補助握り部を握ることで両方の腕で杖本体主脚部を地面方向に静かに押すように力を加えることが出来、結果として立ち上がる際に必要な足の筋力を、両腕の、杖本体主脚部を地面方向に押す力で補助することに成って、足腰が弱くなっている人であっても容易に立ち上がることが出来る効果がある。
また、請求項4記載の発明は、請求項1及び請求項2に係る発明に関する効果の他、着座シート収納部の上部に補助握り部を設けているため、着座シート収納部と補助握り部を一体化させることが出来、本発明の全体的な意匠をスマートなものすることが出来る効果がある。
また、請求項3記載の発明と同様に、着座シート部に着座の際は、片方の手で握り部を握り、もう一方の手で該補助握り部を握ることで、本ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖の傾き等を確認し且つ着座の際の重心位置を微調整しながら、着座シート部に安定して着座し続けることが出来るという効果があり、さらには、着座の姿勢から立ち上がる際にも、同様に片手で握り部を握り、もう一方の手で補助握り部を握ることで両方の腕で杖本体主脚部を地面方向に静かに押すように力を加えることが出来、結果として立ち上がる際に必要な足の筋力を、両腕の、杖本体主脚部を地面方向に押す力で補助することに成って、足腰が弱くなっている人であっても容易に立ち上がることが出来る効果がある。
次に本発明を実施するための形態について図1乃至図6に基づいて詳細に説明する。
図1において、20は本発明に係るワンタッチ開閉自在椅子兼用杖であり、1は棒状の杖本体主脚部であって上部には杖として使用する際の握り部2が設けられ、下端部にはゴム状の石突3が設けられている。また杖本体主脚部1は、軽量とし且つ
第一副脚部4を矢印A方向に付勢するためのコイルバネ8を収納するため中空パイプ状に形成されている。
第一副脚部4を矢印A方向に付勢するためのコイルバネ8を収納するため中空パイプ状に形成されている。
杖本体主脚部1の下部側面部には棒状の第一副脚部4が回動自在であって且つ杖本体主脚部1に対して開閉自在に設けられているが、本実施例においては、該第一副脚部4が杖本体主脚部1に対して開状態にあるときに以下に説明する第二副脚部5と確実にX字状に成るように、また、回動がスムーズに行えるように三角筒状のガイド筒6が杖本体主脚部1の下部側周面に挿通されて固着され、前記第一副脚部4は、該ガイド筒6の側面6aに当接した状態で、杖本体主脚部1の側面部に軸4aを中心に回動自在に設けられている。
ガイド筒6は図5及び図6に示すように、断面視が正三角形状に形成されていて、ガイド筒6には杖本体主脚部1が内接されている。また第一副脚部4はガイド筒6の側面6aの周方向中央部であって且つ軸方向の中央部より下方に、軸4aによって回動自在に軸支されていて、軸4aは第一副脚部4を貫通し、ガイド筒6の側面6a及び杖本体主脚部1を貫通し、ガイド筒6の側面6aと対峙する頂点部6cにて固着されている。なお、本実施例ではガイド筒6は正三角形状に形成したが、第一副脚部4と第二副脚部5が杖本体主脚部1に対して開状態にあるとき、X字状になり、また回動がスムーズに行えるのであれば、断面視の形状は全体として略三角形状であれば他の形状であってもよいのは勿論である。
また、第一副脚部4は軸4aより上部にワイヤ7の端部が固着され、該ワイヤ7の他端は杖本体主脚部1の下部に設けられた連通孔1aを通って、杖本体主脚部1の下部の内部に固着された付勢手段であるコイルバネ8に付勢状態で固着されている。このため、第一副脚部4は該コイルバネ8の付勢力により常に矢印A方向(杖本体主脚部1に対して開方向)に付勢され、回動しようとする力が加わっている。
第一副脚部4の杖本体主脚部1への取付部(本実施例ではガイド筒6の側面6a)に対向する位置(本実施例ではガイド筒6の側面6b)には、棒状の第二副脚部5が回動自在で且つ杖本体主脚部1に対して開閉自在に設けられていて、該第二副脚部5は軸5aを中心に回動自在と成っている。
本実施例では、上記第一副脚部4と同様に第二副脚部5の回動がスムーズに行えるように三角筒状のガイド筒6を介して、該ガイド筒6の側面6bに当接した状態で杖本体主脚部1の側面部に軸5aを中心に回動自在としているが、ガイド筒6を設けることなく、第二副脚部5を直接杖本体主脚部1の下部側面部に軸5aにより回動自在に設けても良いのはもちろんである。
第二副脚部5は、図5及び図6に示すように側面6aと隣接する側面6bの周方向中央部であって且つ軸方向の中央部より上方に、軸5aによって回動自在に軸支されていて、軸5aは第二副脚部5を貫通し、ガイド筒6の側面6b及び杖本体主脚部1を貫通し、ガイド筒6の側面6bと対峙する頂点部6dにて固着されている。ここで、上記第一副脚部4がガイド筒6の側面6aの軸方向の中央部より下方に軸4aにて軸支されているのに対して、第二副脚部5はガイド筒6の側面6bの軸方向の中央部より上方に軸5aによって軸支されているのは、第一副脚部4が杖本体主脚部1に対して開状態にあるとき第二副脚部5は開状態に成ると共に該第二副脚部5は第一副脚部4の上部に当接し且つ第一副脚部4と第二副脚部5がX字状に成るようにするためである。
また、第二副脚部5は上記第一副脚部4と同等の長さではあるが杖本体主脚部1より短く形成され、第一副脚部4がコイルバネ7の付勢力により杖本体主脚部1に対して開状態にあるとき、図1に示すように第二副脚部5は第一副脚部4の上部で当接し且つ第一副脚部4と第二副脚部5はX字状に成るように形成されている。このため、第一副脚部4がコイルバネ8の付勢力により矢印A方向に回動しようとすると、第二副脚部5には矢印B方向に回動させようとする力が加わる。
また、第二副脚部5の軸5aより下部には回動規制手段であるワイヤ9の端部が固着され、該ワイヤ9の他端は杖本体主脚部1の下部1bに固着されている。このため、該ワイヤ9の長さ以上に第二副脚部5が杖本体主脚部1に対して開方法(矢印B方向)に回動することがなく、第一副脚部4も第二副脚部5によって回動が規制されている。
本実施例では、念のため第一副脚部4の軸4aより下部にワイヤ10の端部が固着され、該ワイヤ10の他端は杖本体主脚部1の下部1bに固着することで、第一副脚部4はワイヤ10の長さ以上に第一副脚部4が杖本体主脚部1に対して開方法(矢印A方向)に回動することが無いように成しているが、例え該ワイヤ10が設けられていなくても、第一副脚部4は第二副脚部5に押さえられることで所定以上に回動することが無く、第一副脚部4の回動規制手段となるワイヤ10は必須ではない。
また、杖本体主脚部1の握り部2より下部には略三角形状で変形自在の着座シート部11が固着される突起1cが設けられ、着座シート部11は、第一副脚部4の上端部と第二副脚部5の上端部と該突起1c部分の3個所に張設されてハンモック状となり、人がその上に座れるように成っている。
図1のおいては、付勢手段であるコイルバネ8によって第一副脚部4が開き、同時に該第一副脚部4に下から持ち上げられるようにして押されて第二副脚部5も開き、回動規制手段であるワイヤ9にて所定の角度まで第二副脚部5が開いた状態と成っている。この状態で人は杖本体主脚部1を左右の足(太もも)で挟むように且つ握り部2を胸に接するようにして着座シート部11上に座ることが出来る。
図2は第一副脚部4と第二副脚部5が閉じられた状態を示しているが、第一副脚部4と第二副脚部5を閉じる(第1図の状態から第2図の状態にする)際には、第二副脚部5のみを図1における矢印B方向と逆方向に回動させる。これにより第一副脚部4は第二副脚部5によって上から押されてコイルバネ8による付勢方向(矢印A方向)とは逆方向に回動し、図2の状態となる。第一副脚部4と第二副脚部5が閉じられると、該第一副脚部4と第二副脚部5は杖本体主脚部1と平行状態と成る。この状態が杖として使用する状態であるため、石突3が最も下部になるように第一副脚部4と第二副脚部5の下端は少なくとも杖本体主脚部1の下端と同じ位置又は上方位置になるように形成される。
一方、図1に示すように、第二副脚部5の下部には第一副脚部開放防止手段である第一副脚部係止片12が設けられていて、図2のように第一副脚部4と第二副脚部5が閉じられて杖本体主脚部1と平行になった際には、該第一副脚部係止片12が第1副脚部4の下部に係合して、第一副脚部4が付勢手段であるコイルバネ8の付勢力によって再び杖本体主脚部1に対して開く方向に回動することを防止している。仮に該第一副脚部係止片12が第二副脚部5の下部の設けられていないとすると、第一副脚部4と第二副脚部5が杖本体主脚部1に対して閉じられて平行状態となると、第一副脚部4は第二副脚部5によって回動を押さえられることが無くなるため、コイルバネ8の付勢力によって第一副脚部4のみが杖本体主脚部1に対して開いてしまうことになる。
第一副脚部係止片12が第一副脚部4の下部に係合することにより、第一副脚部4と第二副脚部5は杖本体主脚部1に対して閉じられた状態を保持し、また着座シート部11も折り畳まれた状態と成り、杖として使用することが出来る。
なお、第一副脚部係止片12を第一副脚部4の下部に係合させる動作は、第二副脚部5を矢印Bと逆方向に回動させる、という一の操作で行うことができ、また逆に第一副脚部係止片12を第一副脚部4の下部の係合から解除させるには、第二副脚部5を矢印B方向にわずかに回動させるという、一の操作を行えば、あとは付勢手段であるコイルバネ8の付勢力により第一副脚部4と第二副脚部5は杖本体主脚部1に対して開いて図1の状態となり、これらの操作は、ワンタッチで行うことが出来る。
図3は杖本体主脚部1の握り部2より下部に着座シート収納部31が設けられたワンタッチ開閉自在椅子兼用杖30であり、該着座シート収納部31は面ファスナー31a、31bにより開閉自在と成っていて、椅子として使用する際には、着座シート部11を着座シート収納部31より取り出して図3の状態とし、杖として使用する際には、第一副脚部4と第二副脚部5を閉じて杖本体主脚部1と平行状態とした後、着座シート部11を着座シート収納部31内に収納して面ファスナー31a、31bを閉じることで、図4の状態とする。なお、他の実施例として面ファスナー31a、31bを通常のファスナーとしても良いのはもちろんである。
杖として使用する際に着座シート11を着座シート収納部31内に収納することで、見た目にもスマートになると共に、着座シート部11の汚れや雨濡れを防止することが出来る。
また、図3及び図4において、32は略半球状の補助握り部であり、該補助握り部32は杖本体主脚部1の握り部2より下部であって着座シート部11の上部と同位置か該着座シート部11より上方に設けられる。本実施例では前記着座シート収納部31の上部に設けられていて、該補助握り部32に前記着座シート収納部31の上部が固着され、補助握り部32と着座シート収納部31は一体に形成されている。補助握り部32は本実施例においては金属で形成されているため強固であり、片手で前記握り部2を握り、もう一方の手で該補助握り部32を握ることで、本ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖30の傾き等を確認し且つ着座の際の重心位置を微調整しながら、着座シート部11に安定して着座し続けることが出来る。
また着座の姿勢から立ち上がる際にも、同様に片手で握り部2を握り、もう一方の手で補助握り部32を握ることで両方の腕で杖本体主脚部1を地面方向に静かに押すように力を加えることが出来、結果として立ち上がる際に必要な足の筋力を、両腕の、杖本体主脚部1を地面方向に押す力で補助することに成って、足腰が弱くなっている人であっても容易に立ち上がることが出来る効果がある。
なお、補助握り部32は本実施例では略半球状に形成したが、棒状の杖本体主脚部1から突出した形状であって、例えば手の親指と他の指等で杖本体主脚部1を握った際に、該親指と他の指等により杖本体主脚部1を地面(石突3)方向に効率よく力を加えることが出来るものであればどのような形状であっても良く、また金属以外のプラスチック等で形成しても良いのは勿論である。
1 杖本体主脚部
1a 連通孔
1b 下部
1c 突起
2 握り部
3 石突
4 第一副脚部
4a 軸
5 第二副脚部
5a 軸
6 ガイド筒
6a 側面
6b 側面
6c 頂点部
6d 頂点部
7 ワイヤ
8 コイルバネ
9 ワイヤ
10 ワイヤ
11 着座シート
12 第一副脚部係止片
20 ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖
30 ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖
31 着座シート収納部
31a、31b 面ファスナー
32 補助握り部
1a 連通孔
1b 下部
1c 突起
2 握り部
3 石突
4 第一副脚部
4a 軸
5 第二副脚部
5a 軸
6 ガイド筒
6a 側面
6b 側面
6c 頂点部
6d 頂点部
7 ワイヤ
8 コイルバネ
9 ワイヤ
10 ワイヤ
11 着座シート
12 第一副脚部係止片
20 ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖
30 ワンタッチ開閉自在椅子兼用杖
31 着座シート収納部
31a、31b 面ファスナー
32 補助握り部
Claims (4)
- 棒状の杖本体主脚部の上部に握り部が設けられている杖であって、杖本体主脚部の下部に断面視略三角筒状のガイド筒を杖本体主脚部が内接された状態で固着し、該ガイド筒の一の面に回動自在且つ杖本体主脚部に対して開閉自在に棒状の第一副脚部を設け、該第一副脚部は杖本体主脚部に対して開方向に付勢手段により付勢され、前記ガイド筒の一の面と隣接する面に回動自在で且つ杖本体主脚部に対して開閉自在に棒状の第二副脚部を設け、第一副脚部及び第二副脚部は杖本体主脚部より短く、第一副脚部が杖本体主脚部に対して開状態にあるとき第二副脚部は開状態に成ると共に該第二副脚部は第一副脚部の上部に当接し且つ第一副脚部と第二副脚部はX字状に成るように形成され、第一副脚部と第二副脚部が閉じられたときには第一副脚部と第二副脚部と杖本体主脚部が平行状態に成ると共に第一副脚部及び第二副脚部の下端は少なくとも杖本体主脚部の下端と同じ位置又は上方位置に成るように形成され、第一副脚部と第二副脚部と杖本体主脚部とが平行状態にあるときには第一副脚部が前記付勢手段による付勢力で開状態となるのを防止する第一副脚部開放防止手段を第二副脚部の下部に設けると共に該第一副脚部開放防止手段が第一副脚部に係合し、第二副脚部には回動規制手段が設けられ、第一副脚部の上端部と第二副脚部の上端部と杖本体主脚部の握り部より下部に変形自在の着座シート部が張設されていることを特徴とするワンタッチ開閉自在椅子兼用杖。
- 杖本体主脚部の握り部より下部に着座シート収納部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖。
- 杖本体主脚部の握り部より下部であって着座シート部の上部と同位置か着座シート部より上方に補助握り部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖。
- 着座シート収納部の上部に補助握り部を設けたことを特徴とする請求項2記載のワンタッチ開閉自在椅子兼用杖。
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