JP5891220B2 - 航空機の緊急着陸点の決定 - Google Patents

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Description

本発明は、概して航空機の飛行に関し、具体的には航空機の着陸点を決定するためのシステムと方法に関する。
フライト中の緊急事態により空港外に着陸することは、人命及び財産を損なう場合がある。適切な緊急着陸点を決定することは、以前は未開発、開発不足、及び/又は未使用であったエリアが開発され続けてきたことにより深刻化している複雑な問題である。フライト中の緊急事態の間、パイロットは、緊急着陸点を選択するうえで、これまで所与のエリアに関する自分自身の計画、経験、視域、及び土地勘に限定されていた。
緊急事態の中で、パイロットが緊急着陸を行う必要があるという判断をし、適切な着陸点を発見又は選択し、他の航空機の緊急体制を実行し、乗客に準備させてから、選択した着陸点に航空機を操縦する時間がほとんどない場合がある。したがって、フライト中の緊急事態の管理において、航空機の乗客乗員の生命だけでなく、地上における人命及び財産を守るため、及び航空機の全壊を防ぐために、タイムリーで正確な意思決定を行うことが必要である。
上述の観点及び他の観点から、ここに本発明を開示する。
本発明の概要は、後述の詳細な説明においてさらに記載される概念の選択を、簡単に紹介するものである。本発明の概要は、特許請求される本発明の主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。
本発明の一実施形態によれば、航空機の着陸点を決定する方法は、飛行経路に対応する飛行データを受け取ることを含む。本方法は、さらに、飛行経路の近くに少なくとも一つの着陸点を特定すること、少なくとも一つの着陸点と飛行経路との間に全域木を生成すること、及びデータ記憶装置に全域木を保存することを含むことができる。幾つかの実施形態によれば、着陸点は実時間で決定される。加えて、着陸点は、航空機で、又は遠隔システムで、又は航空機と通信する装置で決定される。
別の実施形態によれば、航空機の着陸点を決定するための経路選択ツールには、航空機の飛行経路に対応する飛行データを保存するためのデータベース、及び経路選択モジュールが含まれる。経路選択モジュールは、飛行データを受け取り、飛行経路の近くに少なくとも一つの着陸点を特定し、少なくとも一つの着陸点と飛行経路との間に全域木を生成し、且つデータ記憶装置に全域木を保存する。
別の実施形態によれば、コンピュータで読込可能な記憶媒体が開示される。コンピュータで読込可能な媒体にはコンピュータで実行可能な命令が保存されており、プロセッサがそのような命令を実行すると、経路選択ツールは、飛行経路に対応する飛行データを受け取り、飛行経路の近くに少なくとも一つの着陸点を特定し、少なくとも一つの着陸点と飛行経路との間に全域木を生成し、全域木をデータ記憶装置に保存し、フライト中に航空の緊急事態を検知し、且つ緊急事態を検知すると着陸点を選択するために全域木を表示するように動作する。
本明細書に記載されるフィーチャ、機能及び利点は、本発明の種々の実施形態で独立に実現することが可能であるか、又は他の実施形態において組み合わせることができる。それら実施形態のさらに詳細な説明は、後述及び添付図面にみることができる。
例示的な一実施形態による経路選択ツールの概略的ブロック図である。 Aは、例示的な一実施形態による着陸点ディスプレイの一実施例を示し、Bは、例示的な一実施形態によるグライドプロファイルビューディスプレイの一実施例を示している。 Aは、ムービングマップディスプレイの例示的な一実施形態のスクリーンディスプレイを示しており、Bは、例示的な一実施形態によるグライドプロファイルビューディスプレイの一実施例を示している。 例示的な一実施形態による、経路選択ツールによって生成されたマップディスプレイを示している。 A及びBは、例示的な実施形態による着陸点のマップを示している。 A及びBは、例示的な実施形態による、飛行経路プランニング方法を概略的に示している。 A及びBは、例示的な実施形態による経路選択ツールをさらに詳細に示している。 例示的な一実施形態による、経路プランニングアルゴリズムの更新フェーズにおける旋回制約の適用を示している。 例示的な一実施形態による、航空機の着陸点決定のためのルーチンを示している。 例示的な実施形態による、経路選択ツールのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)により提供されるスクリーンディスプレイを示している。 例示的な実施形態による、経路選択ツールのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)により提供される別のスクリーンディスプレイを示している。 例示的な一実施形態による経路選択ツールのコンピュータアーキテクチャの説明図である。
以下の詳細な説明は、航空機の着陸点を決定するためのシステム、方法、及びコンピュータで読込可能な媒体を目的としている。本明細書に記載の概念及び技術を利用して、航空機のデッドスティック又は滑空のフットプリント内で到達可能な着陸点を特定するための、経路選択方法論と経路選択ツールとを実施できる。特定された到達可能な着陸点には、空港内の着陸点及び空港外の着陸点が含まれる。
本明細書に記載の実施形態によれば、推奨される着陸点又は好ましい着陸点の特定及び/又は選択を可能にするために、到達可能な着陸点が評価される。具体的には、着陸点の評価は、データ収集工程から開始され、この工程では、到達可能な着陸点に関する着陸点データ、及び/又は航空機の位置と性能に関する航空機データが収集される。着陸点データには、限定されないが、障害物データ、地形データ、気象データ、交通データ、人口データ、及び他のデータが含まれ、これらのデータのすべては、特定された着陸点それぞれへの安全な進入飛行経路を決定するために使用できる。航空機データには、限定されないが、全地球測位システム(GPS)データ、高度、方向、及び対気速度データ、グライドプロファイルデータ、航空機性能データ、及びその他の情報が含まれる。
幾つかの実施形態では、決定された到達可能着陸点への安全な進入飛行経路のための飛行経路全域木が生成される。飛行経路全域木は、着陸点から生成されて、飛行経路に戻る。幾つかの実施形態では、全域木は、フライト前又はフライト中に生成されるもので、計画された又は現行の飛行経路、航空機に既知の又は予想される滑空フットプリント、バンキングの可能性、及び詳細な飛行時間情報を考慮することができる。幾つかの実施形態では、全域木は、表示される全域木の各分枝、つまり着陸点までの各飛行経路について任意のカウントダウンタイマーを伴うことができ、このカウントダウンタイマーは、ユーザに対し、関連の着陸点の安全な進入オプションとして、関連する飛行経路があとどのくらい利用可能であるかに関する指標となる。
種々の実施形態によれば、データの収集、データの解析、可能な着陸点の特定、特定された各着陸点に関する全域木の生成、及び着陸点の選択は、飛行計画プロセスの間に、フライト中に、並びに/或いは、機上で又は機外において実時間で、実行される。したがって、幾つかの実施形態では、航空機の乗員は、適切な着陸点の特定、解析、及び/又は選択において、航空交通管制(ATC)、空中作戦センター(AOC)、及び/又は航空路交通管制センター(ARTCC)に関与することができる。ATC、AOC、及び/又はARTCCは、必要に応じて、非常事態に巻き込まれた航空機を監視及び/又は制御することができる。これらの利点及びフィーチャ、並びに他の利点及びフィーチャは、後述する種々の実施形態の説明により明らかとなろう。
本明細書では、有人航空機及び地上の着陸点に関して実施形態の説明を行う。有人航空機及び地上の着陸点は、本明細書に記載される実施形態の有用な実施例となるが、これらの実施形態はいかなる意味でも限定的なものではない。そうではなく、ここに提示される幾つかの概念及び技術は、無人航空機並びに他のビークルにも利用可能であり、それらには、宇宙船、回転翼機、グライダー、ボート、及び他のビークルが含まれる。さらに、ここに提示される概念及び技術を使用して、地上以外の着陸点、例えば、航空母艦の着陸甲板を特定することができる。
以下の詳細な説明では、説明、特定の実施形態、又は実施例のために、本出願の一部を形成する添付図面に言及する。
図面への言及において、これらの図面を通して、同様の参照番号は類似の要素を示す。
図1は、例示的な一実施形態による経路選択ツール100の概略的ブロック図である。経路選択ツール100は、エレクトロニックフライトバッグ(EFB)のようなコンピュータシステム、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートパッド、ノートブック、又はタブレット型コンピューティング装置のような持ち運び可能なコンピューティング装置、並びに/或いは、一又は複数のコンピューティング装置、例えば一又は複数のサーバ、及び/又はウェブベースのシステムにおいて実現できる。上述のように、経路選択ツール100の機能性及び/又はコンポーネントの一部又は全部は、航空機に搭載されるシステムによって、又は地上システムによって提供することができ、或いは提供されなくともよい。
経路選択ツール100は、本明細書に記載される機能性を提供する経路選択モジュール102を含み、そのような機能性には、限定されないが、安全な着陸点の特定、解析、及び選択が含まれる。経路選択モジュール102の機能性は、経路選択モジュールではなく、或いは経路選択モジュールに加えて、他のハードウェア及び/又はソフトウェアによって提供されてもよいことを理解されたい。このように、本明細書に記載される機能性は、経路選択モジュール102によって提供されるものとして主に記載されるが、この機能性の一部又は全部は、経路選択モジュール102ではなく、或いは経路選択モジュールに加えて、一又は複数のデバイスによって実行されてもよい。
経路選択ツール100は、さらに、一又は複数のデータベース104を含む。データベース104は、単体構造要素として説明するが、任意の数のデータベースを含むことができると理解されたい。同様に、データベース104は、経路選択ツールと関連付けられているか又は通信するメモリ又は他の記憶装置を含むことができ、経路選択ツール100が使用する様々なデータを格納することができる。図示の実施形態では、データベース104は、地形データ106、空域データ108、気象データ110、植生データ112、輸送インフラストラクチャーデータ114、人口密集地域データ116、障害物データ118、建築設備データ120、及び/又は他のデータ(図示しない)を格納する。
地形データ106は、着陸点における、並びに着陸点までの飛行経路に沿った地形を表す。本明細書においてさらに詳細に説明するように、地形データ106は、地形、例えば、山、丘、渓谷、川などを考慮して着陸点までの安全な進入経路を特定するために使用することができる。空域データ108は、着陸点までの一又は複数の飛行経路を生成するために使用可能な空域を示すことができる。
空域データ108には、例えば、軍用設備、又は航空機が上空を法的に飛行不能なその他機密領域が含まれる。
気象データ110は、着陸点における、並びに着陸点までの飛行経経路に沿った気象情報、特に気象情報の履歴、傾向などを示すデータを含むことができる。植生データ112は、着陸点における、並びに着陸点までの飛行経経路に沿った植生の場所、高さ、密度、及び他の面を示すデータを含むことができ、限定しないが、樹木、藪、蔓などを含む様々な自然の障害物、並びにそれらの不在に関連する。例えば、広い野原は安全な着陸点に見えるが、植生データ112により、この野原は果樹園であるので安全な着陸のために使用することが除外されていることが示される場合がある。
輸送インフラストラクチャーデータ114は、道路、水路、レール、空港、及び他の輸送及び輸送インフラストラクチャー情報を示す。輸送インフラストラクチャーデータ114は、例えば、最寄りの空港を特定するために使用することができる。この例は、説明的なものであり、いかなる意味でも限定的なものと解釈されるべきでない。人口密集地域データ116は、様々な場所、例えば着陸点及び/又は着陸点までの飛行経路に沿った領域に関連する人口情報を含む。人口密集地域データ116は、意思決定プロセスの間に地上の人命を考慮することができるので、着陸点を考慮するときに重要である。
障害物データ118は、着陸点における、又は着陸点周辺の、並びに着陸点までの飛行経路に沿った障害物を示すことができる。幾つかの実施形態では、障害物データには、送電線、携帯電話タワー、テレビジョン送信機タワー、無線塔、発電所、スタジアム、建造物、及び着陸点までの飛行経路を遮る可能性のある他の構造体といった人工的障害物を示すデータを含む。建築設備データ120は、着陸点における、並びに着陸点までの飛行経路に沿ったあらゆる建築設備を示すデータを含むことができる。建築設備データ120には、例えば、ガスパイプライン、送電線、高圧線、発電所などの位置、大きさ、及び高さが含まれる。
他のデータには、着陸点における、及び着陸点までの飛行経路に沿った歩行者、車両、及び航空機の交通;着陸点までの地上アクセス;医療資源からの距離;これらの組み合わせなどが含まれる。さらに、幾つかの実施形態では、他のデータは、パイロット又は他の航空機乗員によって提出された飛行計画を格納する。
飛行計画は他のエンティティーに提出される場合があり、したがってデータベース104ではなく、又はデータベース104に加えて、他の場所に格納される場合があることを理解されたい。
経路選択ツール100は、さらに、一又は複数の実時間データソース122も含むことができる。実時間データソース122には、航空機の、又は航空機と通信する様々なセンサ及びシステムによって実時間で又は準実時間で生成されたデータが含まれる。図示の実施形態では、実時間データソースには、実時間気象データ124、GPSデータ126、自機データ128、及び他のデータ130が含まれる。
実時間気象データ124は、航空機における、一又は複数の着陸点における、及び一又は複数の着陸点で終端する飛行経路に沿った気象条件を示す実時間又は準実時間データを含む。GPSデータ126は、一般的に知られているように、航空機の実時間又は準実時間位置情報を供給する。自機データ128は、機首方位、速度、高度、飛行軌道、ピッチ、ヨー、ロールなどの実時間ナビゲーションデータを含む。自機データ128は、エンジン又は他のシステムに異常が生じた場合に経路選択モジュール102が航空機の飛行軌道を決定及び/又は解析できるように、ほぼ絶え間なく更新される。自機データ128は、さらに、航空機の様々なセンサ及び/又はシステムから収集された実時時間又は準実時間データを含むことができ、対気速度、高度、飛行姿勢、フラップ及びギヤの指標、燃料のレベル及び流れ、機首方位、システムの状況、警告及びインジケータなどを示すことができ、それらの一部又は全部が本明細書に記載の着陸点の特定、解析及び/又は選択に関連していてもよく、それらのいずれもが関連していなくてもよい。他のデータ130は、例えば、着陸点における、又は着陸点近傍の、並びに着陸点までの飛行経路に沿った航空機の交通、実時間空港交通情報などを示すデータを含むことができる。
経路選択ツール100は、性能学習システム132(PLS)も含むことができる。PLS132は、PLS132の機能性を提供するソフトウェアを実行するプロセッサ(図示しない)も含むことができる。動作時、プロセッサは、航空機性能アルゴリズムを使用して、飛行運動に基づく航空機性能モデル134を生成する。幾つかの実施形態では、PLS132は、モデル生成サイクルを実行し、この間に性能モデル134が決定されて格納される。モデル生成サイクルは、一又は複数の運動の実行によって開始され、その間に、航空機に搭載された、又は航空機と通信する一又は複数のセンサからのデータを記録することができる。記録されたデータは航空機の性能モデル134を生成するために評価され、それにより、次いで、例えば特定の状況下における航空機のグライドパス、運動の間の燃料消費、運動の間の速度又は高度の変化、他の性能特徴、これらの組み合わせなどが提示可能となる。幾つかの実施形態では、性能モデル134は、継続的に又は周期的に更新される。後述でさらに詳細に説明するように、性能モデル134を使用することにより、現行の動作パラメータなどに基づく推定とは異なり、実際の航空機の性能データに基づく評価を行うことができるので、着陸点の評価精度を向上させることができる。
航空機の運航の間に、データベース104から取り出されたデータ、実時間データソース122から取り出されたデータ、及び/又は航空機の性能モデル134を経路選択ツール100が使用することにより、航空機の機内ディスプレイ136上に複数層のデータを提供することができる。機内ディスプレイ136は、例えば、EFBの表示、NAV、プライマリーフライトディスプレイ(PFD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、又は多機能ディスプレイユニット(MDU)、航空機乗員によって使用される機内ディスプレイ136といった航空機の任意の適切なディスプレイを含む。加えて、又は代わりに、データは、安全な着陸点を特定し、安全な着陸点を解析し、且つ着陸点及び着陸点までの飛行経路を選択するために、経路選択モジュール102及び/又は地上職員及びシステムに渡すことができる。幾つかの実施形態では、着陸点及び飛行経路情報は、機内ディスプレイ136又は別のディスプレイに渡すことができる。後述するように、機内ディスプレイ136又は別のディスプレイは、着陸点及び着陸点までの飛行経路をマッッピングし、ガイドプロファイルビュー、天候、障害物、望ましい飛行経路を辿るために残された時間、及び/又は他のデータを表示するムービングマップディスプレイを提供することにより、航空機乗員による決定を可能にすることができる。加えて、上述したように、データは地上職員及び/又はシステムに送信することができる。
次に図2Aを参照する。図2Aは、例示的な一実施形態に従って、経路選択ツール100のさらなる詳細を示している。図2Aは、経路選択ツール100によって生成可能な例示的な着陸点ディスプレイ200を示している。着陸点ディスプレイ200には、着陸点202及び着陸点202の周辺領域が含まれる。着陸点ディスプレイ200の大きさは、ディスプレイ200に含まれるデータ及び/又は好みに基づいて調節することができる。着陸点202は、空港の滑走路、野原、高速道路、及び/又は別の適切な空港又は空港外の敷地を含むことができる。図示の実施形態では、着陸点202は着陸ゾーングリッド204内部に示されており、このグリッドは、航空機を安全に着陸させるために地上に必要な距離を図解している。
図示の着陸点202は、航空機の安全な進入を妨げる障害物により少なくとも三辺が画定されている。具体的には、背の高い植生206(例えば樹木)が着陸点202の南側及び東側の境界となっており、南又は東からの航空機の着陸点202への進入を妨げている。加えて、建造物208及び送電線210が、西側及び北側に沿って着陸点202を画定している。これらの人工の及び自然のフィーチャにより、航空機に可能な進入経路が限定される。図は、可能な進入飛行経路212A〜Qを示す全域木を示している。図示の実施形態では、航空機が着陸点202に着陸するには、飛行経路212A〜Gを介して進入するしかなく、飛行経路212H〜Qには障害物が存在する。全域木(例えば、図2Aに示す全域木)の生成及び使用についてさらに詳細に説明する。
図2Bは、例示的な一実施形態によるグライドプロファイルビューディスプレイ220の一実施例を示している。幾つかの実施形態では、グライドプロファイルビューディスプレイ220は、経路選択ツール100によって生成されて着陸点ディスプレイ200を用いて表示され、航空機が着陸点202に成功裏且つ安全に着陸するために満たす又は超えることが必要なグライドプロファイル222を示す。グライドパス222は、経路に沿って飛行すべき高度対水平距離として描画される。グライドプロファイルビューディスプレイ220は、航空機の現在位置の表示224を含む。図2Bに示すように、航空機は現在、着陸点202に到達するために十分すぎる高度を有している。実際には、図示の実施形態では、航空機は最小高度グライドプロファイルの上方約900フィートに位置している。したがって、航空機のパイロットは、成功裏に着陸を実行するためには比較的速く降下する必要がある。この実施例は説明的なものであり、本明細書の概念を説明する目的で提供されている。
次に図3A及びBを参照する。図3は、例示的な一実施形態によるスクリーンディスプレイを示している。具体的には、図3Aは、ムービングマップディスプレイの例示的な一実施形態のスクリーンディスプレイ300を示している。スクリーンディスプレイ300は、機内ディスプレイ136、機上コンピュータシステムのコンピュータディスプレイ、地上コンピュータシステムのディスプレイ、又は別のディスプレイ上に表示することができる。スクリーンディスプレイ300は、予定外の着陸、例えば、緊急着陸をしようとする航空機の現在位置302を示している。経路選択ツール100は、二つの着陸点候補304A、304Bを特定する。加えて、経路選択ツール100は、上述の任意のデータに基づいて、着陸点304A及びBへの進入経路306A、306Bを決定する。図示の実施形態では、進入経路306Aは、好ましい着陸点304Aへの好ましい進入経路であり、進入経路306Bは、二次的着陸点304Bへの二次的進入経路である。この実施形態は例示的なものである。
進入経路306A及びBは、限定しないが、データベース304に格納されたデータを含む本明細に記載の任意のデータを考慮する。加えて、経路選択ツール100は、実時間データソース122にアクセスするように構成されており、航空機が提案された経路を安全に辿るためにそれぞれの進入経路306A、306Bを実現しなければならない残りの時間を示す表示308A、308Bを表示することができる。図3Aでは、時間表示308A、308Bは、各着陸点上の数字として表示されている。図示の実施形態では、この数字は、航空機が関連する着陸点304A、304B及び進入経路306A、306Bを実現し、そのうえで安全に着陸するまでに残された秒数に相当する。したがって、数字は、航空機が現在のコースにほぼ等価なコース上にまだいることを前提に、進入経路306A及びBが無効となる前に残された秒数を表す。図3Aでは、推奨された経路306Aはまだ85秒間利用可能であり、二次的経路306Bは62秒間利用可能であり、すなわち二次的経路の利用可能な時間は推奨された経路306Aより23秒短い。
スクリーンディスプレイ300上にさらに表示されているのは、着陸点304A、304Bにそれぞれ対応する天候の表示310A、310Bである。天候表示310A及びBは、着陸点304Aの曇り空と、着陸点304Bの晴天に対応している。このような表示は、説明的なものであり、いかなる意味でも限定的なものと解釈されるべきでない。それぞれの着陸点304A及びBにおける天候は、緊急着陸の状況において良好な視界は不可欠であることが多いため、重要な情報である。同様に、特定の気象条件(例えば、強風、乱気流、雷雨、雹など)は、航空機及び/又はパイロットのストレスを増大させ、それにより、既に機能に障害を有しているかもしれない航空機の着陸が複雑になる可能性がある。
次に図3Bを参照する。図3Bは例示的な一実施形態によるグライドプロファイルビューディスプレイ320を示している。図2Bに関して上述したように、経路選択ツール100は、ムービングマップディスプレイ300を用いてグライドプロファイルビューディスプレイ320を提供することにより、航空機又は他の乗員に可能な選択肢をよりよく理解させることができる。グライドプロファイルビューディスプレイ320は、航空機の現在位置の表示322を含む。グライドプロファイルビューディスプレイ320上には、図3Aの着陸点304A、304Bに成功裏に進入するのに必要なグライドパスの表示324A、324Bも示されている。表示324A、324B(「グライドパス」)は、それぞれ図3Aの進入経路306A、306Bに対応し、それぞれ着陸点304A、304Bに安全に到着するために必要な高度を示す。図3Bに示すように、航空機は現在、着陸点304A及びBの両方に進入するために十分な高度を有している。
グライドプロファイルビューディスプレイ320により、パイロットは、可能な着陸点304A及びB、並びに/或いは進入経路306A及びBに対する航空機の垂直(高度)平面における位置を即座に視認することができる。このように、経路選択モジュール102は、各着陸点までの進入経路の上方又は下方における航空機の垂直位置を継続的に表示することにより、パイロットが可能な着陸点306A及びBの評価を行う時間を短縮することができる。これにより、着陸点の実現可能性及び相対的メリットを一目で解析することが可能となる。
グライドプロファイルビューディスプレイ320は、能動的又は動的ディスプレイとすることができる。例えば、グライドプロファイルビューディスプレイ320は頻繁に(例えば毎秒、5秒毎、10秒毎、1分毎、5分毎といったように)更新することができる。航空機の位置及び高度を考慮すると可能な着陸点304A及びBは、航空機がその飛行経路に沿って前進するにつれてグライドプロファイルビューディスプレイ320に追加及び/又は同ディスプレイから除去することができる。このように、非常時他により着陸点が必要となった場合、パイロットは、近くの着陸点306A及びBを評価して、絶え間なく計算及び更新される現在使用可能なグライドパス324A及びBから選択することができる。幾つかの実施形態では、降下グライド324A及びBは、飛行計画訓練の間にローディングされたデータベースに基づいて更新及び/又は計算される。
航空機の現在の飛行経路は、航空機を動かして最良の進入経路306A又は306Bに位置を揃え、機首を向けることにより、最良の可能な進入経路306A及びBに結びつけることができる。図示の実施形態では、二次的な又は代替え的な経路306Bには、好ましい経路306Aよりも大きなエネルギーが必要となる。航空機がデッドスティックで滑空している場合、代替え的経路306Bをとるためには、航空機が好ましい経路306Aに沿って滑空している場合より、高い高度からスタートしなければならない。
次に図4を参照する。図4は、例示的な一実施形態に従って、経路選択ツール100のさらなる詳細を示している。図4は、例示的な一実施形態による、経路選択ツール100によって生成されたマップディスプレイ400を示している。マップディスプレイ400は、例えば空中火災、エンジン故障、クリティカルシステムの故障、医学的緊急事態、ハイジャック、又は迅速な着陸が正当化される他の何らかの状況といった非常時において選択されうる三つの可能な着陸点402A、402B、402Cを含んでいる。
マップディスプレイ400は、可能な着陸点402A〜Cへの緊急着陸を考慮するときに重要となる障害物及びフィーチャを図解している。図示のマップディスプレイ400は、ゴルフコース404A、404B、水域406A、406B、野原408A、408B、及び他の障害物410(例えば、送電線、橋、フェリー航路、建造物、タワー、居流域など)を示している。図示の実施形態では、可能な着陸点402A〜Cは空港である。一般に知られているように、空港の着陸ゾーンは、接地を行える方法及び位置に関して制限を有している。具体的には、航空機が接地後完全に停止するまでに距離Dを必要とする場合、接地地点から滑走路の終端又は別の障害物までの間に少なくとも距離Dが存在するように、航空機は、滑走路に沿った方向に機首を向けて、滑走路上の一地点に接地しなければならない。したがって、パイロット又は他の航空機乗員は、安全な着陸を可能にする姿勢で着陸点402A〜Cに到着するために、この情報を必要とする場合がある。しかしながら、典型的には、パイロット又は他の航空機乗員は、非常時にこの情報を決定する時間を持たない。加えて、この情報を決定するために必要な詳細のレベルは、典型的な航空地図からは入手できない。
図5A及びBによりこの課題を説明する。図5Aは、例示的な一実施形態による着陸点マップAを示している。着陸点マップ500Aには、接地点502が含まれる。接地点502は、半径Dを有する円504で囲まれている。半径Dは、接地から、航空機が完全に停止するまでに必要な距離に相当し、したがって航空機が安全に着陸するための接地点502から停止点までに必要な距離を表わす。このように、円504は、航空機が接地点502に着陸する場合に停止する可能性のある点を表している。図5Aに示されるように、接地点502への着陸を実行するために安全な機首方位506の数は限られている。
次に図5Bを参照する。図5Bは例示的な一実施形態による別の着陸点マップ500Bを示している。図5Bは、航空機が図示の接地点502に安全に着陸することができる、円504に沿った機首方位508に対応する二つのサブアーク506A、506Bを示している。図示のサブアーク506A及びBと円504とは例示的なものである。本明細書に記載される概念及び技術によれば、サブアーク506A及びBの方向は、例えば、飛行計画中又は緊急事態における着陸点への進入の間に、経路選択ツール100において決定及び格納される。
経路選択モジュール102は、接地点502から開始して現在位置へと遡って作業することにより、サブアーク506A及びBを決定する。着陸領域に対する制約(例えば、地形、障害物、送電線、建造物、植生など)の知識に基づいて、経路選択モジュール102は、接地点をサブアーク506A及びBに限定する。経路選択モジュール102は、既知の航空機性能モデル134及び/又はエンジン停止状態における航空機性能に関するパラメータの知識に基づいて、これらのサブアーク506A及びBを決定する。具体的には、経路選択モジュール102は、無揚力抗力係数及び誘導抗力係数に基づいて機能を実行する。これらの係数、航空機の重量、及び現在の高度により、経路選択モジュール102は、接地点502及び/又は着陸点への進入の間に航空機が飛行すべき速度を決定することができる。
加えて、経路選択モジュール102は、航空機が安全な着陸のために正確な方位に機首を向けて着陸点に到着するためにどのように旋回する必要があるかを決定する。経路選択モジュール102は、一秒間に3度の標準旋回率を使用して航空機の旋回方法を決定し、且つ航空機が、正確な方位に機首を向け、正しい速度で且つ時間制限内に着陸点に安全に到着することができることを確認するように構成されている。変動する率を含め、いかなる旋回率も使用可能であること、及び性能モデル134を使用してこれらの計算を航空機に既知の値に合わせることが可能であることを理解されたい。経路選択モジュール102は、バンク角を出力してコックピット内に表示させ、パイロットに対し、着陸点に安全に到着するための旋回方法を指示する。実際には、航空機は、最大揚力対抗力(L/D)比で進入経路に沿って飛行する。その間、経路選択モジュール102は、既知のサブアーク506A及びBに向かう正確な機首方位に負って着陸点に接近するために必要なバンク角をパイロットに供給する。バンク角は、コックピット内に表示されるので、パイロットは、理想的な飛行経路をオーバーシュート又はアンダーシュートすることなく、着陸点まで正確に飛行することができる。
ここで図6A及びBを参照し、経路選択モジュール102が採用しているロジックをさらに詳細に説明する。一部の経路選択アルゴリズムは、経路の始点に根を有する全域木を構築する。アルゴリズムが空間内のある地点までの最小コスト経路を認知すると、その地点が全域木に追加される。全域木に目的地が加えられると、アルゴリズムの適用の多くは終了する。一方、経路選択ツール100の経路選択モジュール102は、一又は複数の接地点502に根を有する全域木を構築するように構成されている。全域木は接地点502から外側へと成長する。このような全域木の一実施例は前記図2Aに示されている。全域木構築において、経路選択モジュール102は、接地点502から離れる間の高度変化を最小化する。
全域木が構築されたら、経路選択ツール100又は経路選択モジュール102は、いかなる地点からも全域木に問い合わせを行って、その位置から関連の接地点502に到達するのに必要な最小高度を知ることができる。加えて、全域木の分枝を辿ることにより、経路選択モジュール102は、着陸点への進入の間の高度低下を最小限に抑える経路を瞬時に確定する。
本明細書に記載の経路選択ツール100及び/又は経路選択モジュール102の幾つかの実施形態では、飛行経路に沿った各着陸点の全域木は、実時間で生成される、飛行計画段階で事前に計算することができる、及び/又は非常時に実時間又は準実時間でコンピューティングすることができる。全域木により、経路選択モジュール102は、始点までの最小コスト経路を決定することができる。この場合のコストは、時間、エネルギー、及び/又は燃料の関数である。
図6A及びBは、例示的な実施形態による飛行経路プランニング方法を概略的に示している。まず図6Aを参照すると、マップ600Aは、飛行経路プランニングの第1の方法を概略的に示している。マップ600Aでは、自機表示602Aが航空機の現在位置及び機首方位を示している。マップ600Aは、図示の実施形態において航空機がその上を飛行するには高すぎる地形604も示している。説明を目的として、ここでは、航空機が渓谷606に向かって旋回することが必要であると仮定する。渓谷の開始は表示608によって示されている。標準的な経路プランニングアルゴリズムを使用して、現在位置及び機首方位602Aに基づく飛行経路610Aが生成される。アルゴリズムは、基本的に、表示608により示される進入点への最小コスト経路を検索する。アルゴリズムはその地点から航空機の経路を延長することを模索する。残念ながら、表示608により示される進入点から、航空機は地形604にぶつからずに旋回を完了することはできない。
ここで図6Bを参照すると、マップ600Bは、飛行経路プランニングの第2の方法を概略的に示している。具体的には、マップ600Bは、例示的な一実施形態にしたがって経路選択モジュール102が使用する方法を概略的に示している。図6Bにおいて使用されるアルゴリズムは、表示608によって示される進入点から開始して、自機表示602Bによって示される現在位置及び機首方位に遡って作業する。このように、アルゴリズムは、渓谷606に進入するためには航空機が飛行経路610Bに沿って飛行しなければならないと決定する。具体的には、航空機は、まず左旋回612することでコストを生じさせ、次いで渓谷606と一直線上に並ぶまで、コストのかかる長距離に亘る右旋回614を行う。図6A及びBに示すこのシナリオは例示的なものであることを理解されたい。
次に図7Aを参照し、経路選択ツール100についてさらに詳細に説明する。図7Aでは、航空機700は南に向かって飛行しており、東西に延びる着陸ゾーン702に着陸しようとしている。着陸ゾーン702に接近する航空機700にとって、点Aにおける直角旋回による進入は、安全ではなく、危険及び/又は不可能である。本明細書に記載の概念及び技術によれば、経路選択モジュール102は、着陸ゾーン702から始め、航空機700に遡るように作業する。これを行う際、図示の実施形態において、経路選択モジュールは、航空機700が、点Aから始まり、飛行経路704に沿って正しい方向に着陸ゾーン702に到着するまで連続する270度の旋回を行わなければならないことを決定する。このように、航空機700は、進入の間に点Aを二度に亘って横切る。(但しこれは例示的なものである。)一般に知られているように、標準的な経路プランニングアルゴリズムは、経路を一つだけ収容するように、且つ空間内の任意の特定の点を一度だけ横切る経路を収容するように設計されている。したがって、飛行経路704は、標準的な経路プランニングアルゴリズムを使用しては生成されない。
例示的な実施形態によれば、経路選択モジュール102は、空間に角度寸法を追加する経路プランニング機能性を含む。したがって、二次元空間を検索する代わりに、アルゴリズムは三次元で動作し、このうち第3の寸法は航空機の機首方位である。図7Aに示す飛行経路704の場合、一点において異なる機首方位を有する複数の経路が存在する限り、それらは交差する。三次元の進入の機能性を、図7Bに概略的に示す。
次に図8を参照し、経路選択ツール100についてさらに詳細に説明する。図8は、経路プランニングアルゴリズムの更新フェーズにおける旋回制約の適用を示している。空間内の一点を全域木に追加するとき、アルゴリズムは経路を空間内の隣接する点まで延ばそうとしている。旋回が制約されている状況では、到達可能な隣接点は図8に示すように制限される。図8は、全域木に追加されたばかりの点802における航空機の現在位置及び機首方位800を示している。点806は、経路を延長するときにアルゴリズムが到達しようとする隣接点を表している。
旋回の制約は、いずれか特定の旋回半径に限定されない。旋回半径808Aは、旋回半径808Bと異なっていてよい。例えば、航空機が現在位置の背後の一点に到達しようとしている場合、アルゴリズムは高度低下を最小化するために異なる旋回半径を試みることができる。このアルゴリズムは、旋回1度当たりの高度低下が小さい制御された旋回を使用することができる。アルゴリズムは、旋回1度当たりの高度低下が大きな急旋回を行うこともできる。制御された旋回の距離が長いほど、短くて急な旋回より全体の高度低下が大きくなりうる。急旋回による全体の高度低下の方が小さい場合、アルゴリズムは急旋回を使用する。
コンピューティングにかかる費用は増大するものの、全域木の生成を出発前に実行することができる。様々な状況下における、様々な着陸位置に根を有する全域木のデータベースを航空機にローディングして、フライト中に使用することができる。フライト中の任意の時点において、航空機の現在位置及び機首方位をそのローカルエリアに根を有する全域木と比較する。全域木に沿った地点の高度は全域木において予め計算されるので、経路選択ツール100は、航空機を所与の着陸位置まで飛行させるには、航空機がどのような高度にいなければならないかを瞬時に認知することができる。経路選択ツールは、高度低下を最小限に抑えるためにとるべき経路も瞬時に認知する。
航空機の高度が全域木の最大高度を上回っている場合、機上コンピュータは航空機の現在位置及び機首方位を全域木と接続する必要がある。航空機位置に最も近い全域木上の点から始めて、経路選択モジュール102は、そこまで飛行する際に生じる高度低下と関連の機首方位を考慮しても依然として実現可能な第1の点を見つけるために、全域木内の点を検索する。コンピューティングでは、これには単純な空間ソートと二つの旋回の計算を伴うのみである。
ここで図9を参照し、本明細書に記載される航空機の着陸点を決定する実施形態をさらに詳細に説明する。本明細書に記載の論理演算は、(1)コンピュータによって実施される行為又はコンピュータシステムで実行されるプログラムモジュールのシーケンスとして、及び/又は(2)コンピューティングシステム内の相互接続された機械論理回路又は回路モジュールとして実施されるものと理解されたい。このような実施は、コンピューティングシステムの性能及び他の動作パラメータに応じた選択の問題である。したがって、本明細書に記載される論理工程は、工程、構造的デバイス、行為、又はモジュールと様々に呼ばれる。これらの工程、構造的デバイス、行為、及びモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、特殊用途デジタル論理、及びこれらの任意の組み合わせにおいて実施される。また、本明細書に記載される図示の工程数より多い又は少ない工程が実行されてもよいことを理解されたい。これらの工程は、並行に、又は本明細書に記載されるものとは異なる順番で実行されてもよい。
図9は、例示的な一実施形態による、航空機の着陸点決定のためのルーチン900を示している。一実施形態では、ルーチン900は、図1を参照して上述した経路選択モジュール102によって実行される。この実施形態は例示的なものであることと、ルーチン900は、航空機の別のモジュール又はアビオニクス装置のコンポーネントによって実行されても、地上のシステム、モジュール、及び/又はコンポーネントによって実行されても、並びに/或いは機上及び地上のモジュール、システム、及びコンポーネントの組み合わせによって実行されもよいこととを理解されたい。ルーチン900は、飛行データを受け取る工程902から開始される。飛行データは、計画されたフライトの経路を示す飛行計画を含むことができる。飛行経路は、空港、及び代替え的着陸点(例えば、野原、ゴルフ場、道路など)といった着陸点を特定するために、経路選択モジュール102によって解析することができる。経路選択モジュール102は、データベース104のうちの一又は複数にアクセスすることにより、予測される飛行経路に可能な代替え的着陸点を検索、認識、及び特定することができる。
ルーチン900は、工程902から工程904に進み、工程904では特定された各着陸点及び/又は代替え的着陸点の全域木を生成することができる。上述のように、全域木は、着陸点から、飛行経路に沿って空域中へと遡って生成することができる。幾つかの実施形態では、飛行経路に沿って、又は飛行経路の特定の範囲内で、各着陸点の全域木が生成される。特定の範囲は、意図される巡航高度及び/又は速度に基づいて、すなわち、緊急事態が発生した場合に航空機がとりうる予想グライドプロファイルに基づいて決定される。この実施形態は例示的なものであり、全域木を生成するべき着陸点を決定するために、他の要因を使用することもできる。
ルーチン900は、工程904から工程906に進み、工程906では生成された全域木をデータ記憶位置にローディングする。データ記憶位置は、機上でもよく、或いはATC、ARTCC、AOC、又は別の場所でもよい。何らかの時点で、航空機はフライトを開始する。ルーチン900は工程906から工程908に進み、工程908では、緊急事態に応答して、全域木データベースをデータ記憶装置から取り出す。ルーチン900は工程908から工程910に進み、工程910では、全域木を解析することにより、一又は複数の到達可能な着陸点を特定し、着陸点の情報(例えば、現在位置からの距離、着陸点における天候、着陸点までの経路を選択するのにかかる時間など)を取り出すよう指示する。ルーチン900は工程910から工程912に進み、工程912では、着陸点を示す情報及び着陸点に関する情報(例えば、現在位置からの距離、着陸点における天候、着陸点までの経路を選択するのにかかる時間など)を航空機の乗員に対して表示する。到着可能な着陸点及びそれら着陸点に関する情報を有するムービングマップディスプレイを表示することに加えて、経路選択ツール100は、例えば、現在位置と着陸点との間の気象データ、着陸点における又は着陸点周辺の交通データなどの追加的な実時間データを取得して、これらのデータを航空機の乗員に対して表示することができる。
ルーチン900は工程910から工程912に進み、工程912では、着陸点を選択し、航空機は選択された着陸点に向かう飛行を開始する。着陸点の選択において、良好な視界は成功裏且つ安全に着陸点に進入するために不可欠な要素であるので、着陸点における、着陸点周辺の、又は着陸点への経路における気象条件が考慮される。ルーチン900は、工程914に進んで終了する。
図10A及びBには、例示的な実施形態による、経路選択ツール100のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)により提供されるスクリーンディスプレイ1000A、1000Bが示されている。スクリーンディスプレイ1000A及びBは、航空機に装備されている場合はパイロットのプライマリーフライトディスプレイ(PFD)に表示することができるか、或いは必要に応じて他のディスプレイ及び/又は表示装置に表示することができる。図10Aは、例示的な一実施形態による、経路選択ツール100によって提供された三次元スクリーンディスプレー1000Aを示している。ライン1002は、着陸点に安全に進入し、接地点1004に接地するために必要な飛行経路を表している。図10Aのビューは、コックピットから見た斜視図である。図示の斜視図から、航空機が現在のところ、ライン1002によって示される安全な着陸に必要な最小高度の上方にあることが明らかである。したがって、航空機は接地点1004に到達するために十分なエネルギーを有している。
図10Bは、別の例示的な実施形態による、経路選択ツール100によって提供された別の三次元スクリーンディスプレー1000Bを示している。具体的には、図10Bは、着陸点に進入するための飛行経路1010を示している。この飛行経路は目標物1012を含む。進入の間に、パイロットはこの目標物1012を通過するように飛行機を飛ばそうとする。すべての目標物1012を通過すると、航空機は着陸点に着陸するために適切な位置に来る。このように、経路選択ツール100が提供するGUIは、パイロットに対し、緊急事態の際に航空機を着陸点へとナビゲートする案内を提供することができる。このような実施形態は、説明的なものであり、いかなる意味でも限定的なものと解釈されるべきでない。
種々の実施形態によれば、経路選択ツール100は、ATC、ARTCC、又はAOCと相互作用することにより、フライトの進行に伴って可能な着陸点に関する情報を交換し、遭難の際にATC又はAOCによる航空機の監視又は制御を可能にするか、又は可能であればこのエリア内の他の航空機の経路を変更し、進入の安全性を高める。他の実施形態によれば、経路選択ツール100は、所定のスケジュールにしたがって、又はトリガーイベント(例えば、高度の突然の変化、自動操縦機能の解除、意図された着陸点から100マイル又は他の距離内での到着、或いは他のイベント)の発生時に航空機の状態を報告するように構成される。また別の実施形態によれば、経路選択ツール100は、地上コンピュータシステム(例えば、ATC、ARTCC、又はAOCに関連付けられたシステム)の補助により、実時間で、可能な着陸点を決定する。経路選択モジュールは、現在のフライトオペレーションブレティン(FOB)メッセージングシステム、又は別のシステムを介して、情報を送信又は受信することができる。
ATC、ARTCC、及び/又はAOCは、航空機がその飛行経路上を進むにつれて、可能な緊急着陸点に関する情報をアップリンクする能力を有している。例えば、ATC、ARTCC、及び/又はAOCは、データベース104内のデータと、実時間データソース122からのデータとを使用して、航空機の着陸点を決定することができる。着陸点に関する情報は、航空機への任意の数のアップリンク手段によりアップリンクされる。ATC、ARTCC、及び/又はAOCは、緊急事態が報告されると、及び/又は権限を有する航空機の乗員から要求が発せられたとき、一定間隔で情報を一斉通信する。
別の実施形態では、航空機は、そのフライトを進めながら、ATC、ARTCC、又はAOCに可能な着陸点を一斉通信する。別の実施形態では、航空機は、緊急時にのみ、又はATC、ARTCC、又はAOCから情報を要求されたとき、一斉通信する。このように、ATC、ARTCC、又はAOCは、実時間又は準実時間で、緊急事態を宣言している航空機に選択された着陸点を特定することができる。適切な場合、他の交通の経路を変更することにより、選択された着陸点への安全な進入を確保する。航空機と、ATC、ARTCC、又はAOCは、着陸点の選択に関する連続的、自律的、且つ瞬間的な情報を有することができ、それにより経路選択ツール100の安全レベルを高めることができる。
図11は、本明細書で提示される、航空機の着陸点を決定するための本明細書に記載のソフトウェアコンポーネントを実行することができる経路選択ツール100の例示的なコンピュータアーキテクチャ1100を示している。上述のように、経路選択ツール100は、単一のコンピューティング装置又は一又は複数の処理ユニット、記憶ユニット、並びに/或いは、航空機のアビオニクス装置及び/又はATC、AOC又は他の地上コンピューティングシステムで実施される他のコンピューティング装置の組み合わせにおいて具現化される。コンピュータアーキテクチャ1100は、一又は複数の中央処理ユニット1102(「CPU」)、ランダムアクセスメモリ1114(「RAM」)及びリードオンリーメモリ1116(「ROM」)を含むシステムメモリ1108、並びにメモリをCPU1102に連結するシステムバス1104を含む。
CPU1102は、標準的なプログラマブルプロセッサであり、コンピュータアーキテクチャ1100の動作に必要な数学的及び論理的動作を実行する。CPU1102は、一つの独立した物理的状態から次の状態へと、これらの状態を区別して変更するスイッチ要素の操作により移行することにより、必要な動作を実行することができる。スイッチ要素は、一般に、二つの2進状態の一方を維持する電子回路(例えば、フリップフロップ)、及び一又は複数の他のスイッチ要素の状態の論理的な組み合わせに基づいて出力状態を供給する電子回路(例えば、ロジックゲート)を含む。これらの基本的なスイッチ要素を組み合わせて、レジスタ、加算器−減算器、数学的論理ユニット、浮動小数点ユニットなどを含むさらに複雑な論理回路を形成することができる。
コンピュータアーキテクチャ1100は、大容量記憶装置1110も含む。大容量記憶装置1110は、大容量記憶装置コントローラ(図示しない)によりCPU1102に接続され、コントローラはさらにバス1104に接続される。大容量記憶装置1110と、それに付属するコンピュータで読込可能な媒体とは、コンピュータアーキテクチャ1100の不揮発性記憶装置となる。大容量記憶装置1110は、様々なアビオニクスシステム及び制御システム、並びに特定用途向けモジュール又は他のプログラムモジュール、例えば図1を参照して上述した経路選択モジュール102及びデータベース104を格納することができる。大容量記憶装置1110は、様々なシステム及びモジュールが収集又は利用したデータも格納できる。
コンピュータアーキテクチャ1100は、大容量記憶装置の物理的状態を変化させて格納されている情報を反映させることにより、大容量記憶装置1110にプログラム及びデータを格納することができる。物理的状態の特定の変換は、本発明の異なる実装態様では、様々な要因に応じて決定される。このような要因の例には、限定されないが、大容量記憶装置1110を実施するために使用される技術、大容量記憶装置が主要記憶装置又は二次的記憶装置のいずれとして特徴づけられるかなどが含まれる。例えば、コンピュータアーキテクチャ1100は、記憶装置コントローラを介して命令を発行し、磁気ディスクドライブデバイス内部の特定の位置の磁気特性、光学記憶装置の特定の位置の反射特性又は屈折特性、或いは特定のコンデンサ、トランジスタ、又は固体状態記憶装置内の他の独立したコンポーネントの電気特性を変更することにより、大容量記憶装置1110に情報を格納する。前述の実施例は説明を容易にすることのみを目的としており、本発明の範囲と精神から逸脱せずに、物理的媒体の他の変態が可能である。コンピュータアーキテクチャ1100は、さらに、大容量記憶装置内の一又は複数の特定の位置の物理的状態又は特性を検出することにより、大容量記憶装置1100から情報を読み込むことができる。
本明細書におけるコンピュータで読込可能な媒体の説明では、ハードディイスク又はCD−ROMドライブといった大容量記憶装置に言及しているが、当業者であれば、コンピュータで読込可能な媒体は、コンピュータアーキテクチャ1100によりアクセスできる利用可能なあらゆるコンピュータ記憶媒体とすることができることを理解するであろう。例示のために、限定しないが、コンピュータで読込可能な媒体には、コンピュータで読込可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータといった情報を格納するためのいずれかの方法又は技術で実施される、揮発性及び不揮発性で、取り外し可能及び取り外し不能な媒体が含まれる。例えば、コンピュータで読込可能な媒体には、限定されないが、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は他の固定状態メモリ技術、CD−ROM、デジタルビデオディスク(「DVD」)、HD−DVD、BLU−RAY、又は他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気記憶装置、或いは、所望の情報を格納するために使用することができ、コンピュータアーキテクチャ1100がアクセスできる他の任意の媒体が含まれる。
種々の実施形態によれば、コンピュータアーキテクチャ1100は、ネットワーク1120を介してアクセス可能な航空機内の他のアビオニクス及び/又は地上システムへの論理接続を使用して、ネットワーク環境において動作できる。コンピュータアーキテクチャ1100は、バス1104に接続されたネットワークインターフェースユニット1106を介してネットワーク1120に接続することができる。ネットワークインターフェースユニット1106は、他の種類のネットワーク及び遠隔コンピュータシステムに接続するために利用することもできる。コンピュータアーキテクチャ1100は、入力を受け取って出力を航空機の端末及びディスプレイ(例えば、図1を参照して上述した機内ディスプレイ136)に供給する入出力コントローラ1122も含むことができる。入出力コントローラ1122は、他のデバイスからも入力を受け取る。これら他のデバイスには、機内ディスプレイ136に関連付けられたPFD、EFB、NAV、HUD、MDU、DSP、キーボード、マウス、電子スタイラス、又はタッチスクリーンが含まれる。同様に、入出力コントローラ1122は、他のディスプレイ、プリンタ、又は他の種類の出力装置に出力を供給できる。
上述の記載に基づいて、本明細書には、航空機の着陸点を決定するための技術が提供される。本明細書に提示された主題について、コンピュータの構造的フィーチャ、方法論的行為、及びコンピュータで読込可能な媒体の専門用語を用いて記載したが、特許請求の範囲に規定される本発明は、必ずしも本明細書に記載の特定のフィーチャ、行為、又は媒体に限定されるものではない。そうではなく、特定のフィーチャ、行為、及び媒体は、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示されているのである。
上述の主題は、説明のみを目的として提供されており、限定的なものと解釈されるべきではない。図示され説明が加えられた実施形態や適用例に正確に従わなくとも、本発明の開示の真の精神と範囲から逸脱せずに、特許請求の範囲に示される本明細書に記載の主題には様々な修正や変更を行うことができる。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
航空機の着陸点を決定するための方法(900)であって、
飛行経路に対応する飛行データを受け取ること、
飛行経路の近くに少なくとも一つの着陸点を特定すること(902)、
前記少なくとも一つの着陸点と飛行経路との間に全域木を生成すること(904)、及び
データ記憶装置に全域木を格納すること(906)
を含む方法。
(態様2)
飛行データを受け取ることが、飛行計画の間に、航空機に関連付けられた経路選択ツール(100)で飛行データを受け取ることを含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
飛行データを受け取ることが、フライト中に、航空機に関連付けられた経路選択ツール(100)で飛行データを受け取ることを含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
飛行データを受け取ることが、フライトの開始前に、航空交通管制システムに関連付けられた地上経路選択ツールで飛行データを受け取ることを含む、態様1に記載の方法。
(態様5)
航空機のフライト中に、非常事態を検出すること、
非常事態を検出すると、航空交通管制システムに対し、非常事態発生を示すデータを送信すること、及び
航空交通管制システムから全域木を受け取ること
をさらに含む、態様4に記載の方法。
(態様6)
飛行データを受け取ることが、フライト中に、航空交通管制システムに関連付けられた地上経路選択ツールで飛行データを受け取ることを含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
航空機のフライト中に非常事態を検出することをさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様8)
非常事態を検出すると、データ記憶装置から全域木を取り出すこと(908)、及び
航空機の表示システムに全域木を渡すこと
をさらに含む、態様7に記載の方法。
(態様9)
全域木を表示すること、及び
全域木に関連付けられた、表示された着陸点(202)の選択を受け取ること
をさらに含む、態様8に記載の方法。
(態様10)
全域木と共に、着陸点(202)を選択するための時間の量を示すカウントダウンタイマーを表示することをさらに含む、態様9に記載の方法。
(態様11)
着陸点(202)の実時間気象データ(124)を取得することであって、実時間気象データ(124)が着陸点(202)を選択する前に評価されることをさらに含む、態様9に記載の方法。
(態様12)
選択された着陸点(202、304A、304B)へ進入するためのグライドパス(324A、324B)の垂直プロファイルビュー(320)を表示することをさらに含む、態様9に記載の方法。
(態様13)
航空機の着陸点を決定するための経路選択ツール(100)であって、
航空機の飛行経路に対応する飛行データを格納するデータベース(104)と、
飛行データを受け取り、
飛行経路の近くに少なくとも一つの着陸点を特定し(902)、
前記少なくとも一つの着陸点と飛行経路との間に全域木を生成し(904)、且つ
データ記憶装置に全域木を格納する(906)
経路選択モジュール(102)と
を備えている経路選択ツール。
(態様14)
航空機のコンポーネントである、態様13に記載の経路選択ツール(100)。
(態様15)
高空交通管制システムのコンポーネントである、態様13に記載の経路選択ツール(100)。
(態様16)
フライトの開始前に全域木が生成される、態様13に記載の経路選択ツール(100)。
(態様17)
航空機のフライト中に非常事態が検出されると、全域木が実時間で生成される、態様13に記載の経路選択ツール(100)。
(態様18)
航空機の性能モデルを生成するための性能学習システムをさらに備えており、航空機の性能モデルが全域木の生成に使用される、態様13に記載の経路選択ツール(100)。
(態様19)
コンピュータで実行可能な命令を格納しているコンピュータで読込可能な記憶媒体であって、前記格納されている命令をプロセッサによって実行すると、経路選択ツールが、
飛行経路に対応する飛行データを受け取り、
飛行経路の近くに少なくとも一つの着陸点を特定し(902)、
前記少なくとも一つの着陸点と飛行経路との間に全域木を生成し(904)、
データ記憶装置に全域木を格納し(906)、
航空機のフライト中に、航空機における非常事態を検出し、且つ
非常事態を検出すると、着陸点を選択するための全域木を表示する、
コンピュータで読込可能な記憶媒体。
(態様20)
実行すると、経路選択ツールが、さらに、
航空機の機内での非常事態を示すデータを航空交通管制システムに送信し、
航空交通管制システムから着陸点を選択するための命令を受信する
ように動作する、コンピュータで実行可能な命令をさらに含む、態様19に記載のコンピュータで読込可能な記憶媒体。

Claims (12)

  1. 特定された航空機の着陸点(202)への安全な進入飛行経路を生成するための経路選択ツール(100)であって、該経路選択ツールは、
    該航空機の飛行経路に対応する飛行データを蓄積するデータベース(104)と、
    経路選択モジュール(102)とを備え、該経路選択モジュール(102)は、
    該特定された着陸点への全域木を生成することであって、
    該特定された着陸点への接地点(502)へ根を有する複数の可能な進入経路であって、それぞれは該接地点(502)から外側へと成長し、該接地点(502)から離れる間の高度変化を最小化する、複数の可能な進入経路を生成すること、
    該特定された着陸点に近接する障害物を特定すること、
    該複数の可能な進入経路のうち該障害物に対して障害となる障害物を有する可能性の進入経路を除去して該接地点(502)への複数の許可された進入経路を生成することによって、全域木を生成すること、
    を実行するように構成された、経路選択ツール(100)。
  2. 航空管制システムのコンポーネントを含む、請求項1に記載の前記経路選択ツール(100)。
  3. フライトの開始前に全域木が生成される、請求項1に記載の経路選択ツール(100)。
  4. 航空機のフライト中に非常事態が検出されると、全域木が実時間で生成される、請求項1に記載の経路選択ツール(100)。
  5. 航空機の性能モデルを生成するための性能学習システムをさらに備えており、航空機の性能モデルが全域木の生成に使用される、請求項1に記載の経路選択ツール(100)。
  6. 前記経路選択モジュール(102)がさらに、
    前記許可された進入経路を含む該全域木をデータ記憶装置に蓄積すること、
    与えられた位置に関する前記全域木を問いあわせること
    前記与えられた位置から前記接地点に到達するに必要な最小の高度を決定すること、及び
    前記許可された進入経路の1つに従って前記全域木の前記接地点に到達することであって 該全域木は、前記特定された少なくとも1つの着陸点への前記着地点への進入中に高度の損失を最小にする、ことを実行するように構成された、請求項1に記載の経路選択ツール(100)。
  7. 着陸点データ及び航空機データを用いて、前記特定された着陸点への全域木を生成することである、請求項1に記載の経路選択ツール(100)。
  8. コンピュータで実行可能な命令を格納しているコンピュータで読込可能な記録媒体であって、該命令によって、経路選択ツール(100)中の経路選択モジュール(102)が、
    特定された着陸点への全域木を生成することであって、
    該特定された着陸点への接地点(502)へ根を有する複数の可能な進入経路であって、それぞれは該接地点(502)から外側へと成長し、該接地点(502)から離れる間の高度変化を最小化する、複数の可能な進入経路を生成すること、
    該特定された着陸点に近接する障害物を特定すること、
    該複数の可能な進入経路のうち該障害物に対して障害となる障害物を有する可能性の進入経路を除去して該接地点(502)への複数の許可された進入経路を生成することによって、全域木を生成すること及び、
    該許可された進入経路を含む該全域木をデータ記憶装置に蓄積することを実行する、記録媒体。
  9. 前記経路選択モジュール(102)が、さらに、
    航空機のフライト中に、航空機における非常事態を検出し、且つ
    非常事態を検出すると、
    前記特定された着陸点を選択するため、前記データ記憶装置から前記許可された進入経路を含む前記全域木を取りだし、ディスプレイ(136)に表示することを実行するように構成された、
    請求項8に記載のコンピュータで読込可能な記録媒体。
  10. 前記経路選択モジュール(102)がさらに、データベース(104)から着陸点データ及び航空機データを取りだしそれらを用いて、前記特定された着陸点への全域木を生成するように構成された、請求項8に記載の記録媒体。
  11. 前記着陸点データは障害物データ、地形データ、気象データ、交通データ及び人口データを含む、請求項7に記載の経路選択ツール。
  12. 前記航空機データは、全地球測位システム(GPS)データ、高度、方向、及び対気速度データ、グライドプロファイルデータ、航空機性能データを含む、請求項7に記載の経路選択ツール。
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