[本願発明の実施形態の説明]
(1)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部と、前記渋滞長算出部で算出した前記任意の時間帯毎の渋滞長の推移及び前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた前記任意の時間帯毎の渋滞長の統計値の推移を並べて表示しつつ、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が前記渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部とを備える。
また、本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、前記渋滞長算出部で算出した前記任意の時間帯毎の渋滞長の推移及び前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた前記任意の時間帯毎の渋滞長の統計値の推移を並べて表示しつつ、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報に対して、算出した渋滞長変化量が所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部として機能させる。
また、本発明の実施の形態に係る交通情報表示方法は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を渋滞長算出部が算出するステップと、算出された任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を変化量算出部が算出するステップと、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶部に記憶するステップと、算出された前記任意の時間帯毎の渋滞長の推移及び前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた前記任意の時間帯毎の渋滞長の統計値の推移を並べて表示しつつ、算出された渋滞長変化量が前記渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示部が表示するステップとを含む。
渋滞長算出部は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する。特定の道路網とは、交通管制地域の全地域、指定地域、県境リンク、あるいは高速道路の出入口付近のリンク等であり、例えば、交通管制地域が東京都であれば、都内全域、23区内、京葉道路などの路線(上り及び下り)、都県境のリンク群、高速道又は首都高速道路の出入口に接続するリンク群とすることができる。任意の時間帯は、例えば、1日24時間を5分毎に区切った5分間(例えば、時刻17:25から17:30までの5分間)とすることができる。渋滞長算出部は、特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する。算出した渋滞長は、任意の時間帯(例えば、時刻17:25から17:30までの5分間、すなわち時刻17:30)での現状の渋滞長を表す。
変化量算出部は、渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び任意の時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する。任意の時間帯と異なる時間帯における「異なる」とは、T分前(Tは、例えば、15)という意味である。任意の時間帯が、例えば、時刻17:25から17:30までの5分間とすると、異なる15分前の時間帯は、時刻17:10から17:15までの5分間とすることができる。すなわち、渋滞長変化量は、時刻17:30での渋滞長と、過去15分前の時刻17:15での渋滞長との変化量であり、渋滞長が減少した場合には渋滞長変化量は負値となり、渋滞長が増加した場合には渋滞長変化量は正値となる。例えば、時刻17:30での渋滞長(総渋滞長)が315kmであり、過去15分前の時刻17:15での渋滞長(総渋滞長)が310kmである場合、渋滞長変化量は5kmである。
記憶部は、道路網の任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を任意の時間帯毎に記憶する。所定期間は、渋滞長変化量の統計値を求めることができる程度の期間であればよく、例えば、過去3年間、過去2年間などである。また、所定期間を平日、土曜日及び日祝日毎に分けてもよい。例えば、所定期間を平日(1年のうち約250日)の3年間とし、時間帯を5分とすると、288(=24×60/5)に分割された5分単位の渋滞長変化量データが3年分の約750個(=3×250)収集される。
渋滞長変化量区分は、渋滞長変化量を単位距離(例えば、過去の渋滞長変化量の最大値と最小値の差分を20〜50程度の数値で除算して得られる値であり、例えば、1km、2km、3kmなどとすることができる)で複数の区分に分けたものであり、例えば、単位距離を1kmとすれば、増加分として0〜1km、1〜2km、2〜3km、…、減少分として−1〜0km、−2〜−1km、−3〜−2km、…の如く分けたものである。渋滞長変化分布情報は、例えば、各渋滞長変化量区分の渋滞長変化量データの頻度を示す頻度分布(棒グラフ)、あるいは各渋滞長変化量区分の渋滞長変化量データの累積頻度を示す累積頻度曲線又は折れ線グラフなどである。所定期間を3年間とすると、渋滞長変化分布情報は、3年分の約750個の渋滞長変化量データそれぞれが、いずれの渋滞長変化量区分にあるかの頻度分布を示す。
表示部は、渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示する。例えば、1日24時間を5分毎に区切った5分間(任意の時間帯)毎に渋滞長を算出する場合、表示部は、5分毎の渋滞長の推移を表示する。なお、表示部で渋滞長を表示する場合、1日24時間全部を表示してもよいが、特定の時間帯(例えば、午前6:00から午後8:00などのように交通量が比較的多い時間帯)だけの渋滞長の推移を表示するようにしてもよい。
また、表示部は、変化量算出部で算出した渋滞長変化量が渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する。1日24時間を5分毎に区切った5分間毎に渋滞長を算出する場合、渋滞長変化量も1日24時間を5分毎に区切った5分間毎又は5分間の整数倍毎に算出される。所定の条件は、例えば、算出した渋滞長変化量と渋滞長変化分布情報とを比較した場合に、算出した渋滞長変化量が通常の状態と異なるのか否かを把握することができる条件であればよい。例えば、早急な渋滞抑止策が必要となる程度に渋滞長変化量が増加したのか否かが判ればよい。所定の符号は、例えば、逆三角形など適宜の形状の図形や文字などを用いることができる。時間帯毎に渋滞長の推移を表示しつつ所定の条件を充足した場合には、所定の符号が表示されるので、渋滞状況の連続的な傾向を把握することができる。
(2)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、前記表示部は、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長に応じて前記符号を異なる表示態様で表示するようにしてある。
表示部は、渋滞長算出部で算出した渋滞長に応じて符号を異なる表示態様で表示する。異なる表示態様とは、例えば、所定の符号の色を変えること、あるいは所定の符号の形状又は大きさを変えることである。例えば、所定の符号の色を変える場合には、早急な渋滞抑止策が必要となるときには符号の色を赤色にし、渋滞抑止策を準備すべく注意を促すときには符号の色を黄色にし、特段渋滞抑止策を行う必要がないときには符号の色を緑色などとすることができる。これにより、交通管理者は、渋滞状況の変化を視覚的に把握することができ、渋滞抑止策を迅速かつタイムリーに行うことができる。
(3)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長データの頻度を、複数の渋滞長区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部を備え、前記渋滞長分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してあり、前記表示部は、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長が前記渋滞長分布情報のいずれの頻度領域区分にあるかに応じて前記所定の符号を異なる表示態様で表示するようにしてある。
記憶部は、道路網の任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長データの頻度を、複数の渋滞長区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長分布情報を任意の時間帯毎に記憶する。この場合も、所定期間は、渋滞長の統計値を求めることができる程度の期間であればよく、例えば、過去3年間、過去2年間などである。また、所定期間を平日、土曜日及び日祝日毎に分けてもよい。例えば、所定期間を平日(1年のうち約250日)の3年間とし、時間帯を5分とすると、288(=24×60/5)に分割された5分単位の渋滞長量データが3年分の約750個(=3×250)収集される。
渋滞長分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してある。複数の頻度領域は、例えば、累積頻度が上位5%以内の警告領域(警告ゾーン)、累積頻度が上位5%から上位15%以内の注意領域(注意ゾーン)、累積頻度が上位15%より下(15%未満)の通常領域(通常ゾーン)に区分することができる。
表示部は、渋滞長算出部で算出した渋滞長がいずれの頻度領域区分にあるかに応じて符号を異なる表示態様で表示する。例えば、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位5%以内にある場合は、所定の符号を赤色で表示する。また、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位15%以内にある場合は、所定の符号を黄色で表示する。また、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位15%未満にある場合は、所定の符号を緑色で表示する。これにより、交通管理者は、渋滞状況の変化を視覚的に把握することができ、渋滞抑止策を迅速かつタイムリーに行うことができる。
(4)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部と、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が前記渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部とを備え、前記渋滞長変化分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してあり、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が複数の時間帯で所定回数以上所定の頻度領域区分にある場合、前記所定の条件を充足すると判定する判定部を備える。
(13)本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、該渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報に対して、算出した渋滞長変化量が所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部として機能させ、前記渋滞長変化分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してあり、さらに、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が複数の時間帯で所定回数以上所定の頻度領域区分にある場合、前記所定の条件を充足すると判定する判定部として機能させる。
渋滞長変化分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してある。複数の頻度領域は、例えば、累積頻度が上位10%以内の警告領域(警告ゾーン)、累積頻度が上位10%より下(10%未満)の通常領域(通常ゾーン)に区分することができる。判定部は、変化量算出部で算出した渋滞長変化量が複数の時間帯で所定回数以上所定の頻度領域区分にある場合、所定の条件を充足すると判定する。例えば、複数の時間帯を連続する3つの時間帯とし、所定回数を2回とし、所定の頻度領域区分を累積頻度が上位10%以内の警告領域とした場合、15分間(3つの時間帯)の間に算出された3回の渋滞長変化量のうち、2回の渋滞長変化量が警告領域にあるときは、所定の条件を充足すると判定することができる。判定部を備えることにより、渋滞長変化量の一過性のゆらぎを除外することができ、渋滞長変化量が通常と異なり異常に増加しているのか否かを正確に把握することができる。
(5)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、前記渋滞長算出部で算出した前記任意の時間帯での渋滞長に基づいて前記所定回数を決定する決定部を備える。
決定部は、渋滞長算出部で算出した任意の時間帯での渋滞長に基づいて所定回数を決定する。例えば、渋滞長が長い場合には、迅速に渋滞抑止策を実施する必要があるので、所定回数を少なくして渋滞長変化量が警告領域にある場合は速やかに所定条件を充足すると判定することができる。一方、渋滞長が長くない場合には、渋滞抑止策を速やかに実施する緊急性は高くないので、所定回数を多くして渋滞長変化量が繰り返し警告領域に入った場合には所定条件を充足すると判定することができる。決定部を備えることにより、渋滞長を加味することができ、所定の条件を充足するか否かを的確に判定することができる。
(6)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長データの頻度を、複数の渋滞長区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部を備え、前記渋滞長分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してあり、前記決定部は、前記渋滞長算出部で算出した前記任意の時間帯での渋滞長が前記渋滞長分布情報のいずれの頻度領域区分にあるかに応じて、前記所定回数を決定するようにしてある。
記憶部は、道路網の任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長データの頻度を、複数の渋滞長区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長分布情報を任意の時間帯毎に記憶する。この場合も、所定期間は、渋滞長の統計値を求めることができる程度の期間であればよく、例えば、過去3年間、過去2年間などである。また、所定期間を平日、土曜日及び日祝日毎に分けてもよい。例えば、所定期間を平日(1年のうち約250日)の3年間とし、時間帯を5分とすると、288(=24×60/5)に分割された5分単位の渋滞長量データが3年分の約750個(=3×250)収集される。
渋滞長分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してある。複数の頻度領域は、例えば、累積頻度が上位5%以内の警告領域(警告ゾーン)、累積頻度が上位5%から上位15%以内の注意領域(注意ゾーン)、累積頻度が上位15%より下(15%未満)の通常領域(通常ゾーン)に区分することができる。
決定部は、渋滞長算出部で算出した任意の時間帯での渋滞長が渋滞長分布情報のいずれの頻度領域区分にあるかに応じて、所定回数を決定する。例えば、渋滞長が警告領域にある場合は、所定回数をM1とし、渋滞長が注意領域にある場合は、所定回数をM2とし、渋滞長が通常領域にある場合は、所定回数をM3とすることができる。ここで、M1<M2<M3である。例えば、複数の時間帯を連続する3つの時間帯とする場合、M1=1、M2=2、M3=3とすることができる。かかる構成により、渋滞長の通常の状態に対する現在の渋滞長の異常度合を加味することができ、所定の条件を充足するか否かを的確に判定することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部と、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が前記渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部とを備え、前記表示部は、前記渋滞長変化分布情報を表示するようにしてある。
(14)本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、該渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を複数の渋滞長変化量区分
毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報に対して、算出した渋滞長変化量が所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部として機能させ、前記表示部は、前記渋滞長変化分布情報を表示する。
表示部は、渋滞長変化分布情報を表示する。渋滞長変化分布情報を表示することにより、算出した現状の渋滞長変化量が、渋滞長変化量の頻度分布の上位からどの程度の位置にあるかを表示することができる。また、分布の代表値(例えば、中央値)がどのくらいの値であるか、分布がどれくらいの広がりを持っているのかを確認することができる。また、現状の渋滞長変化量が、過去の渋滞長変化量の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが分かり、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部と、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が前記渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部とを備え、前記表示部は、前記渋滞長変化分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示するようにしてある。
(15)本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、該渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報に対して、算出した渋滞長変化量が所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部として機能させ、前記表示部は、前記渋滞長変化分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示する。
表示部は、渋滞長変化分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示する。累積曲線を表示することにより、現状の渋滞長変化量が、過去の渋滞長変化量の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが一層視覚的に把握することができ、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、前記表示部は、前記渋滞長分布情報を表示するようにしてある。
表示部は、渋滞長分布情報を表示する。渋滞長分布情報を表示することにより、算出した現状の渋滞長が、渋滞長の頻度分布の上位からどの程度の位置にあるかを表示することができる。また、分布の代表値(例えば、中央値)がどのくらいの値であるか、分布がどれくらいの広がりを持っているのかを確認することができる。また、現状の渋滞長が、過去の渋滞長の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが分かり、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
(10)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、前記表示部は、前記渋滞長分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示するようにしてある。
表示部は、渋滞長分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示する。累積曲線を表示することにより、現状の渋滞長が、過去の渋滞長の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが一層視覚的に把握することができ、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
(11)本発明の実施の形態に係る交通情報表示装置は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を、複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を前記任意の時間帯毎に記憶する記憶部と、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記変化量算出部で算出した渋滞長変化量が前記渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部と、前記所定の符号を表示した時間帯と該符号とを関連付けて記憶し、前記渋滞長算出部で算出した渋滞長を時間帯毎に記憶する記憶部とを備え、前記表示部は、前記記憶部に記憶した符号及び渋滞長、並びに前記渋滞長変化分布情報又は渋滞長分布情報の少なくとも1つを時系列的に再表示するようにしてある。
(16)本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を算出する渋滞長算出部と、該渋滞長算出部で算出した任意の時間帯及び該時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、前記任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する変化量算出部と、該渋滞
長算出部で算出した渋滞長を表示し、前記道路網の前記任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化量データの頻度を複数の渋滞長変化量区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報に対して、算出した渋滞長変化量が所定の条件を充足する場合に所定の符号を表示する表示部として機能させ、前記表示部は、前記所定の符号を表示した時間帯と関連付けられた前記符号及び時間帯毎の渋滞長、並びに前記渋滞長変化分布情報又は渋滞長分布情報の少なくとも1つを時系列的に再表示する。
記憶部は、所定の符号を表示した時間帯と当該符号とを関連付けて記憶する。また、記憶部は、渋滞長算出部で算出した渋滞長を時間帯毎に記憶する。表示部は、記憶した符号及び渋滞長、並びに渋滞長変化分布情報又は渋滞長分布情報の少なくとも1つを時系列的に再表示する。これにより、渋滞長の推移、渋滞長変化量が通常の状態と異なる時間帯、及び過去の渋滞状況と比較した渋滞の深刻さなどを必要に応じて何度も確認することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る交通情報表示装置の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせることができる。図1は本実施の形態の交通情報表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の交通情報表示装置100は、装置全体を制御する制御部10、インタフェース部11、渋滞長算出部12、渋滞長変化量算出部13、記憶部14、表示部15、分布情報生成部16、判定部17、決定部18などを備える。
インタフェース部11は、外部の装置(例えば、信号制御装置、交通信号制御機、車両感知器など)から交通管制対象の道路網内の各道路の渋滞長データを取得するインタフェースとしての機能を有する。なお、取得する渋滞長データは、現在の渋滞長データ及び過去の渋滞長データを含む。
記憶部14は、インタフェース部11で取得した複数の渋滞長データを記憶する。より具体的には、記憶部14は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた複数の渋滞長データを記憶する。
特定の道路網とは、交通管制地域の全地域、指定地域、県境リンク、あるいは高速道路の出入口付近のリンクであり、例えば、交通管制地域が東京都であれば、都内全域、23区内、京葉道路などの路線(上り及び下り)、都県境のリンク群、高速道又は首都高速道路の出入口に接続するリンク群とすることができる。任意の時間帯は、例えば、1日24時間を5分毎に区切った5分間(例えば、時刻17:25から17:30までの5分間)とすることができる。また、所定期間は、渋滞長の統計値を求めることができる程度の期間であればよく、例えば、過去3年間、2年間などである。また、所定期間を平日、土曜日及び日祝日毎に分けてもよい。例えば、所定期間を平日(1年のうち約250日)の3年間とし、時間帯を5分とすると、288(=24×60/5)に分割された5分単位の渋滞長データが約750個(=3×250)収集され記憶部14に記憶される。
また、記憶部14は、1又は複数の特定の道路網の任意の時間帯及び当該時間帯と異なる時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた複数の渋滞長変化量データを記憶する。任意の時間帯と異なる時間帯における「異なる」とは、T分前(Tは、例えば、15)という意味である。任意の時間帯が、例えば、時刻17:25から17:30までの5分間とすると、異なる15分前の時間帯は、時刻17:10から17:15までの5分間とすることができる。
すなわち、渋滞長変化量は、時刻17:30での渋滞長と、過去15分前の時刻17:15での渋滞長との変化量であり、渋滞長が減少した場合には渋滞長変化量は負値となり、渋滞長が増加した場合には渋滞長変化量は正値となる。例えば、時刻17:30での渋滞長(総渋滞長)が315kmであり、過去15分前の時刻17:15での渋滞長(総渋滞長)が310kmである場合、渋滞長変化量は5kmである。また、例えば、所定期間を平日(1年のうち約250日)の3年間とし、時間帯を5分とすると、288(=24×60/5)に分割された5分単位の渋滞長変化量データが、渋滞長データと同様に約750個(=3×250)収集され記憶部14に記憶される。
なお、以下の説明では、1又は複数の特定の道路網として、交通管制地域の指定地域(便宜上、地域Sと称する)での渋滞状況の評価に関する表示する方法について説明する。
渋滞長は、朝夕ピーク時、夜間及び昼間で大別され、日々の特性が類似している。また昼間においても12時台は渋滞が減少するなど、時間単位でも特性が見られる。従って、統計値は日単位のように大きな時間単位ではなく、時間単位以下の単位で集計するのが望ましい。また、過去の日数については、より日数を多くすることで、データ数が多くなるが、交通状況は年と共に変化するので、日数をあまり長くすると、現在の傾向を代表した結果とならない。
次に、渋滞長の統計値に基づく渋滞長分布情報の作成(生成)について説明する。
分布情報生成部16は、道路網(地域S)の任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長データの頻度を、複数の渋滞長区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長分布情報を生成する。渋滞長データは、記憶部14に記憶したものを用いてもよく、あるいは外部の装置から取得するようにしてもよい。分布情報生成部16は、生成した渋滞長分布情報を記憶部14に記憶する。
すなわち、記憶部14は、道路網(地域S)の任意の時間帯での渋滞長を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長データの頻度を、複数の渋滞長区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長分布情報を記憶する。
なお、本実施の形態では、分布情報生成部16が渋滞長分布情報を生成する構成であるが、これに限定されるものではなく、外部の別個の装置で渋滞長分布情報を生成しておき、生成された渋滞長分布情報を外部の別個の装置から取得(受信)して記憶するようにしてもよい。この場合、分布情報生成部16は必須の構成ではない。
図2は本実施の形態の交通情報表示装置100が生成する渋滞長分布情報の一例を示す説明図である。図2において、横軸は渋滞長区分を示し、縦軸は渋滞長区分に該当する渋滞長データの個数である頻度を示す。渋滞長区分は、渋滞長を単位距離(例えば、指定路線の総延長距離を20〜50程度の数値で除算して得られる値であり、路線の総延長距離に応じて、1km、5km、10kmなどとすることができる)で複数の区分に分けたものであり、例えば、単位距離を5kmとすれば、0〜5km、5〜10km、10〜15kmの如く分けたものである。
図2に例示した渋滞長分布情報は、過去3年(平日)における時刻17:30(より正確には、17:25:01〜17:30:00の5分間)での各渋滞長区分の渋滞長データの頻度を示す頻度分布(棒グラフ)、及び各渋滞長区分の渋滞長データの累積頻度(累積割合)を示す頻度の累積曲線を含む。なお、頻度分布及び頻度の累積曲線は、図2に例示した形式に限らず、横棒グラフ、円グラフ、あるいは折れ線グラフなど他の形式のチャートを用いてもよい。
5分間毎の統計値には、過去3年の平日であれば、約750日(=250日×3年)の渋滞長データが存在する。また、土曜日、日祝日には、それぞれ150程度の渋滞長データが存在する。
また、任意の時間帯(例えば、5分間)の渋滞長とは、計測最小単位(例えば、50秒の都度1回計測する場合には、6個)の渋滞長データのうちの最大値、平均値、最小値又は上位P番目の値とすることができる。渋滞長の統計値は、例えば、東京であれば都内全体、23区内、路線など交通管制対象地域全体、分割された地域及び代表的な路線別に作成し、毎日、月末1回、年末1回など定期的に更新される。
本実施の形態では、5分単位(任意の時間帯)の統計値を過去3年間の渋滞履歴から作成するものとして、以下に、渋滞長統計値の作成方法を記述する。すなわち、統計値は時刻00:00:01〜00:05:00、00:05:01〜00:10:00、…、23:55:01〜24:00:00のように、1日を288に分割した5分単位の渋滞情報(統計値)として作成される。すなわち、1日分の渋滞長分布情報としては、図2に例示するようなチャートが288個生成され、記憶されることになる。
渋滞長算出部12は、道路網(地域S)の任意の時間帯での渋滞長を算出する。渋滞長は、道路網(地域S)の総渋滞長である。任意の時間帯は、前述のとおり、例えば、1日24時間を5分毎に区切った5分間(例えば、時刻17:25から17:30までの5分間)とすることができる。すなわち、時刻17:30において算出された渋滞長は、時刻17:25から17:30までの5分間に算出された値である。
次に、渋滞長算出部12が算出した渋滞長を過去の統計値である渋滞長分布情報と比較した場合、算出した任意の時間帯の渋滞長が、どの程度深刻であるのか、あるいは深刻であるのか否かを評価する方法について説明する。
図3は渋滞長分布情報に基づく渋滞長の評価方法の一例を示す説明図である。図3は図2に例示した渋滞長分布情報の頻度の累積割合に応じて、渋滞長算出部12が算出した渋滞長の深刻さを3つの領域に区分して例示したものである。3つの領域は、警告領域(警告ゾーン)、注意領域(注意ゾーン)、通常領域(通常ゾーン)である。
すなわち、渋滞長分布情報の累積頻度を複数(本実施の形態では3つ)の頻度領域に区分してある。複数の頻度領域は、例えば、累積頻度(「頻度の累積割合」とも称する)が上位5%以内の警告領域(警告ゾーン)、累積頻度が上位5%から上位15%以内の注意領域(注意ゾーン)、累積頻度が上位15%より下(15%未満)の通常領域(通常ゾーン)に区分することができる。
図3には、道路網の渋滞例を、それぞれ警告ゾーン、注意ゾーン、及び通常ゾーンに分けて模式的に表示している。警告ゾーンでは、渋滞長算出部12が算出した渋滞長が過去の統計値である累積頻度における上位5%以内にあるため、例えば、道路網の大部分に渋滞が発生している状況であり、非常に深刻な状態であることが分かる。また、注意ゾーンでは、渋滞長算出部12が算出した渋滞長が過去の統計値である累積頻度における上位15%以内にあるため、例えば、道路網の比較的多くの箇所で渋滞が発生している状況であり、注意を喚起すべき状態であることが分かる。また、通常ゾーンでは、渋滞長算出部12が算出した渋滞長が過去の統計値である累積頻度における上位15%未満あるため、例えば、渋滞が発生している箇所はそれほど多くなく、特段の施策を行う必要がない状態であることが分かる。
表示部15は、図2に例示するような渋滞長分布情報を表示することができる。また、表示部15は、渋滞長分布情報を表示するとともに、渋滞長算出部12で算出した渋滞長が、渋滞長分布情報のいずれの頻度領域にあるかに応じて渋滞長に関する情報(例えば、符号など)の表示態様を異ならせて表示することができる。本実施の形態では、例えば、渋滞長を示す丸印の符号を累積曲線上に表示するとともに、算出した渋滞長が累積頻度の上位5%以内の警告領域にある場合は、赤色の符号を表示し、算出した渋滞長が累積頻度の上位15%以内の注意領域にある場合は、黄色の符号を表示し、算出した渋滞長が累積頻度の上位15%未満の通常領域にある場合は、緑の符号を表示する。なお、表示態様はこれに限定されるものではない。
次に、渋滞長変化量の統計値に基づく渋滞長変化分布情報の作成(生成)について説明する。
分布情報生成部16は、道路網(地域S)の任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化データの頻度を、複数の渋滞長変化区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を生成する。渋滞長変化データは、記憶部14に記憶したものを用いてもよく、あるいは外部の装置から取得するようにしてもよい。分布情報生成部16は、生成した渋滞長変化分布情報を記憶部14に記憶する。
すなわち、記憶部14は、道路網(地域S)の任意の時間帯での渋滞長変化量を所定期間に亘って収集して得られた渋滞長変化データの頻度を、複数の渋滞長変化区分毎に累積した累積頻度を示す渋滞長変化分布情報を記憶する。
なお、本実施の形態では、分布情報生成部16が渋滞長変化分布情報を生成する構成であるが、これに限定されるものではなく、外部の別個の装置で渋滞長変化分布情報を生成しておき、生成された渋滞長変化分布情報を外部の別個の装置から取得(受信)して記憶するようにしてもよい。この場合、分布情報生成部16は必須の構成ではない。
図4は本実施の形態の交通情報表示装置100が生成する渋滞長変化分布情報の一例を示す説明図である。図4において、横軸は渋滞長変化量区分を示し、縦軸は渋滞長変化量区分に該当する渋滞長変化量データの個数である頻度を示す。渋滞長変化量区分は、渋滞長変化量を単位距離(例えば、過去の渋滞長変化量の最大値と最小値の差分を20〜50程度の数値で除算して得られる値であり、例えば、1km、2km、3kmなどとすることができる)で複数の区分に分けたものであり、例えば、単位距離を1kmとすれば、増加分として0〜1km、1〜2km、2〜3km、…、減少分として−1〜0km、−2〜−1km、−3〜−2km、…の如く分けたものである。
図4に例示した渋滞長変化分布情報は、過去3年(平日)における時刻17:30と、15分前の時刻17:15とでの各渋滞長変化区分の渋滞長変化データの頻度を示す頻度分布(棒グラフ)、及び各渋滞長変化区分の渋滞長変化データの累積頻度(累積割合)を示す頻度の累積曲線を含む。なお、頻度分布及び頻度の累積曲線は、図4に例示した形式に限らず、横棒グラフ、円グラフ、あるいは折れ線グラフなど他の形式のチャートを用いてもよい。
渋滞長変化量とは、現在の渋滞長と、過去、例えば、現在から任意の時間帯(例えば5分間)の整数倍だけ前の時点での渋滞長との差異である。本実施の形態では、15分前としている。すなわち、現在が時刻17:25:01〜17:30:00の5分間である場合、渋滞長変化量は、時刻17:30:00での渋滞長と、15分前の17:15:00での渋滞長との差である。渋滞が減少した場合は負値となり、増加した場合は正値となる。なお、過去15分前に限定されるものではなく、過去5分前、10分前、20分前等であってもよい。
渋滞長変化量の統計値は、渋滞長の統計値と同様に、1日を288に分割した5分単位の渋滞情報(統計値)として作成される。5分間毎の統計値には、過去3年の平日であれば、約750日(=250日×3年)の渋滞長変化量データが存在する。また、土曜日、日祝日には、それぞれ150程度の渋滞長変化量データが存在する。
また、任意の時間帯(例えば、5分間)の渋滞長変化量の統計値は、例えば、東京であれば都内全体、23区内、路線など交通管制対象地域全体、分割された地域及び代表的な路線別に作成し、毎日、月末1回、年末1回など定期的に更新される。
以上のように、図4に例示する渋滞長変化分布情報としての頻度分布及び頻度の累積曲線は、地域Sの時刻17:30での総渋滞長と、15分前の時刻17:15での総渋滞長との差である渋滞長変化量を過去3年間(平日とする)の間収集した、750個(3年分)の渋滞長変化量データの分布状態を表す。
また、任意の時間帯を5分間とした場合、1日を288に分割した5分単位の渋滞情報(統計値)として作成される。すなわち、1日分の渋滞長変化分布情報としては、図4に例示するようなチャートが288個生成され、記憶部14に記憶されることになる。
渋滞長変化量算出部13は、変化量算出部としての機能を有し、渋滞長算出部12で算出した任意の時間帯及び任意の時間帯と異なる他の時間帯での渋滞長に基づいて、任意の時間帯での渋滞長の変化を示す渋滞長変化量を算出する。渋滞長変化量は、道路網(地域S)の総渋滞長の変化量である。
任意の時間帯と異なる時間帯における「異なる」とは、T分前(Tは、例えば、15)という意味である。任意の時間帯が、例えば、時刻17:25から17:30までの5分間とすると、異なる15分前の時間帯は、時刻17:10から17:15までの5分間とすることができる。すなわち、渋滞長変化量は、時刻17:30での渋滞長と、15分前の時刻17:15での渋滞長との変化量であり、渋滞長が減少した場合には渋滞長変化量は負値となり、渋滞長が増加した場合には渋滞長変化量は正値となる。
次に、渋滞長変化量算出部13が算出した渋滞長変化量を過去の統計値である渋滞長変化分布情報と比較した場合、算出した任意の時間帯の渋滞長変化量が、どの程度深刻であるのか、あるいは深刻であるのか否かを評価する方法について説明する。
図5は渋滞長変化分布情報に基づく渋滞長変化量の評価方法の一例を示す説明図である。図5は図4に例示した渋滞長変化分布情報の頻度の累積割合に応じて、渋滞長変化量算出部13が算出した渋滞長変化量の深刻さを2つの領域に区分して例示したものである。2つの領域は、警告領域(警告ゾーン)、通常領域(通常ゾーン)である。
すなわち、渋滞長変化分布情報の累積頻度を複数の頻度領域に区分してある。複数の頻度領域は、例えば、累積頻度が上位10%以内の警告領域(警告ゾーン)、累積頻度が上位10%より下(10%未満)の通常領域(通常ゾーン)に区分することができる。
図5に示すように、警告ゾーンでは、渋滞長変化量算出部13が算出した渋滞長変化量が過去の統計値である累積頻度における上位10%以内にあるため、例えば、渋滞長が急激に又は異常に増加している状況であり、非常に深刻な状態であることが分かる。一方、通常ゾーンでは、渋滞長変化量算出部13が算出した渋滞長変化量が過去の統計値である累積頻度における上位10%未満あるため、例えば、渋滞長の変化(増大)がそれほど急激ではなく、特段の施策を行う必要がない状態であることが分かる。
表示部15は、図4に例示するような渋滞長変化分布情報を表示することができる。また、表示部15は、渋滞長変化分布情報を表示するとともに、渋滞長変化量算出部13で算出した渋滞長変化量が、渋滞長変化分布情報のいずれの頻度領域にあるかに応じて渋滞長変化量に関する情報(例えば、符号など)の表示態様を異ならせて表示することができる。本実施の形態では、例えば、渋滞長変化量を示す丸印の符号を累積曲線上に表示するとともに、算出した渋滞長変化量が累積頻度の上位10%以内の警告領域にある場合は、黒色の符号を表示し、算出した渋滞長変化量が累積頻度の上位10%未満の通常領域にある場合は、白色の符号を表示する。なお、表示態様はこれに限定されるものではない。
次に、渋滞長及び渋滞長変化量の統計値を用いて現在(任意の時間帯)の渋滞を評価し、その結果を交通管理者に視覚的に通知する機能について説明する。
図6は本実施の形態の交通情報表示装置100が表示部15に表示する渋滞の評価結果の一例を示す模式図である。なお、表示部15は、交通情報表示装置100内に設けてもよく、あるいは通信線等を介して交通情報表示装置100とは別個の外部装置に設けてもよい。
図6において、横軸は時間を示す。横軸に示す時間は、1日24時間(午前0:00から午後12:00まで)でもよく、あるいは特定の時間帯(例えば、朝、夕方などの渋滞状況が変化しやすい時間帯など)でもよい。図6の例では、便宜上6:25頃から10:25頃までの時間帯を例示している。図6において、縦軸は道路網(地域S)における渋滞長(総渋滞長)を示す。
図6において、破線で示す曲線は、過去3年間(平日)の5分毎の平均渋滞長(渋滞長統計値の中央値)の推移を示す。すなわち、破線で示す曲線は、過去3年間の同じ時間帯(5分間)の渋滞長を平均したものである。図6の例は平日であるので、過去3年間の平日の渋滞長データを基に求めた平均渋滞長である。なお、比較対象が平日ではなく、土曜日、日曜日である場合には、同日種の平均渋滞長となる。過去3年間(平日)の平均渋滞長を表示することにより、現在の渋滞長が過去の平均値に比べて長いのか、あるいは短いのかを直ちに見極めることが可能となる。
図6において、実線で示す曲線は、当日の渋滞長の推移を示す。すなわち、表示部15は、渋滞長算出部12で算出した渋滞長を表示する。例えば、1日24時間を5分毎に区切った5分間(任意の時間帯)毎に渋滞長を算出する場合、表示部15は、5分毎の渋滞長の推移を表示する。図6の例は、6:00から5分毎に算出された渋滞長がプロットされ、現時点(9:35)までの推移を示す。なお、表示部15で渋滞長を表示する場合、1日24時間全部を表示してもよいが、特定の時間帯(例えば、午前6:00から午後8:00などのように交通量が比較的多い時間帯)だけの渋滞長の推移を表示するようにしてもよい。
実線で示す当日の渋滞長の推移において、丸(○)で示す符号は、現在(任意の時間帯)の渋滞長を示す渋滞長符号である。また、菱形(◇)で示す符号は、現在(任意の時間帯)の所定時間(例えば、15分)前の渋滞長を示す渋滞長符号である。現在の渋滞長符号(○)の近傍には、渋滞長Lcを表示するとともに、過去15分前の渋滞長符号(◇)の近傍には、渋滞長Lpを表示する。
図7は渋滞長符号の表示態様の一例を示す説明図である。渋滞長符号の表示態様を異ならせることにより、交通管理者に対して、渋滞長の状況の違いを視覚的に通知することができる。例えば、図7に示すように、渋滞長符号を赤色で表示した場合には、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位5%以内(図3で例示した警告領域内)にあることを示す。また、渋滞長符号を黄色で表示した場合には、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位15%以内(図3で例示した注意領域内)にあることを示す。また、渋滞長符号を緑色で表示した場合には、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位15%未満(図3で例示した通常領域内)にあることを示す。
また、図7に示すように、渋滞長符号を点滅で表示した場合には、現在の渋滞長変化量が渋滞長変化分布情報の頻度分布の上位10%以内(図5で例示した警告領域内)にあることを示す。また、渋滞長符号を点滅させないで表示した場合には、現在の渋滞長変化量が渋滞長変化分布情報の頻度分布の上位10%未満(図5で例示した通常領域内)にあることを示す。
従って、例えば、渋滞長符号を赤色でかつ点滅させて表示する場合は、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位5%以内(図3で例示した警告領域内)にあり、かつ現在の渋滞長変化量が渋滞長変化分布情報の頻度分布の上位10%以内(図5で例示した警告領域内)にあることを示す。また、渋滞長符号を赤色でかつ点滅させないで表示する場合は、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位5%以内(図3で例示した警告領域内)にあり、かつ現在の渋滞長変化量が渋滞長変化分布情報の頻度分布の上位10%未満(図5で例示した通常領域内)にあることを示す。他の色についても同様である。
上述のように、現在の渋滞長の推移と平均渋滞長(渋滞長統計中央値)の推移とを同一領域(画面)に同時に描画することにより、交通管理者に対して現在の渋滞変化の状況を視覚的に情報提供することができる。また、渋滞長符号の表示態様を渋滞状況に応じて異ならせることにより、渋滞の深刻さの程度、及び深刻であるのか否かを直感的に通知することができる。
また、実線で示す当日の渋滞長の推移において、逆三角形(▽)で示す符号は、所定の符号であり、現在(任意の時間帯)の渋滞長変化量が増加したことを示す渋滞長変化量増加検出符号(以下、「検出符号」とも称する)である。
すなわち、表示部15は、渋滞長変化量算出部13で算出した任意の時間帯でも渋滞長変化量が、当該任意の時間帯での渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合に、当該任意の時間帯において所定の符号としての検出符号を表示する。なお、所定の条件については後述する。
1日24時間を5分毎に区切った5分間毎に渋滞長を算出する場合、渋滞長変化量も1日24時間を5分毎に区切った5分間毎又は5分間の整数倍毎に算出することができる。所定の条件は、例えば、算出した渋滞長変化量と渋滞長変化分布情報とを比較した場合に、算出した渋滞長変化量が通常の状態と異なるのか否かを把握することができる条件であればよい。例えば、早急な渋滞抑止策が必要となる程度に渋滞長変化量が増加したのか否かが判ればよい。検出符号(所定の符号)は、例えば、図6に例示するように逆三角形でもよく、あるいは他の適宜の形状の図形や文字などを用いることができる。時間帯毎に渋滞長の推移を表示しつつ所定の条件を充足した場合には、検出符号(所定の符号)が表示されるので、渋滞状況の連続的な傾向を把握することができる。
図8は渋滞長変化量増加検出符号(検出符号)の表示態様の一例を示す説明図である。表示部15は、渋滞長算出部12で算出した渋滞長に応じて検出符号を異なる表示態様で表示する。異なる表示態様とは、例えば、検出符号の色を変えること、あるいは検出符号の形状又は大きさを変えることである。検出符号の色を変える場合には、早急な渋滞抑止策が必要となるときには検出符号の色を赤色にし、渋滞抑止策を準備すべく注意を促すときには検出符号の色を黄色にし、特段渋滞抑止策を行う必要がないときには検出符号の色を緑色などとすることができる。
より具体的には、渋滞長変化量算出部13で算出した任意の時間帯でも渋滞長変化量が、当該任意の時間帯での渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足する場合(すなわち、検出符号を表示させるための所定の条件が充足する場合)に、表示部15は、渋滞長算出部12で算出した渋滞長が、渋滞長の統計値である渋滞長分布情報の累積頻度のいずれの頻度領域区分にあるかに応じて検出符号を異なる表示態様で表示する。例えば、図8に示すように、検出符号を赤色で表示した場合には、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位5%以内(図3で例示した警告領域内)にあることを示す。また、検出符号を黄色で表示した場合には、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位15%以内(図3で例示した注意領域内)にあることを示す。また、検出符号を緑色で表示した場合には、現在の渋滞長が渋滞長分布情報の頻度分布の上位15%未満(図3で例示した通常領域内)にあることを示す。これにより、交通管理者は、渋滞状況の変化を視覚的に把握することができ、渋滞抑止策を迅速かつタイムリーに行うことができる。
次に、検出符号を画面上に表示(描画)するための所定の条件について説明する。
判定部17は、渋滞長変化量算出部13で算出した渋滞長変化量が複数の時間帯で所定回数以上所定の頻度領域区分にある場合、検出符号を表示(検出)するための所定の条件を充足すると判定することができる。例えば、複数の時間帯を連続する3つの時間帯とし、所定回数を2回とし、所定の頻度領域区分を渋滞長変化量の累積頻度が上位10%以内の警告領域とした場合、15分間(3つの時間帯)の間に算出された3回の渋滞長変化量のうち、2回の渋滞長変化量が警告領域にあるときは、所定の条件を充足すると判定することができる。判定部17を備えることにより、渋滞長変化量の一過性のゆらぎを除外することができ、渋滞長変化量が通常と異なり異常に増加しているのか否かを正確に把握することができる。
決定部18は、渋滞長算出部12で算出した任意の時間帯での渋滞長に基づいて前述の所定回数を決定することができる。例えば、渋滞長が長い場合には、迅速に渋滞抑止策を実施する必要があるので、所定回数を少なくして渋滞長変化量が警告領域にある場合は速やかに所定条件を充足すると判定することができる。一方、渋滞長が長くない場合には、渋滞抑止策を速やかに実施する緊急性は高くないので、所定回数を多くして渋滞長変化量が繰り返し警告領域に入った場合には所定条件を充足すると判定することができる。決定部18を備えることにより、渋滞長を加味することができ、所定の条件を充足するか否かを的確に判定することができる。
より具体的には、決定部18は、渋滞長算出部12で算出した任意の時間帯での渋滞長がいずれの頻度領域区分にあるかに応じて、所定回数を決定する。
図9は検出符号を表示するための所定の条件(検出条件)の一例を示す説明図である。図9に示すように、現在(任意の時間帯)の渋滞長が、頻度分布の上位5%以内である警告領域にある場合は、検出条件(以下、「検出閾値」とも称する)は、渋滞長変化量が複数(N)の時間帯で(M1)回所定の頻度領域(上位10%以内である警告領域)にあることとする。この場合、検出符号の表示態様は、渋滞長が頻度分布の上位5%以内にあるので図8に例示したように赤色(警告)となる。
また、現在(任意の時間帯)の渋滞長が、頻度分布の上位15%以内である注意領域にある場合は、検出条件(検出閾値)は、渋滞長変化量が複数(N)の時間帯で(M2)回所定の頻度領域(上位10%以内である警告領域)にあることとする。この場合、検出符号の表示態様は、渋滞長が頻度分布の上位15%以内にあるので図8に例示したように黄色(注意)となる。
また、現在(任意の時間帯)の渋滞長が、頻度分布の上位15%未満である通常領域にある場合は、検出条件(検出閾値)は、渋滞長変化量が複数(N)の時間帯で(M3)回所定の頻度領域(上位10%以内である警告領域)にあることとする。この場合、検出符号の表示態様は、渋滞長が頻度分布の上位15%未満にあるので図8に例示したように緑色(留意、通常)となる。
図9の検出条件において、M1<M2<M3≦Nである。後述の実施例においては、N=3(複数の時間帯を連続する3つの時間帯とする)、M1=1、M2=2、M3=3として説明するが、M1、M2、M3、Nの値はこれらに限定されるものではない。
図9に例示するような構成とすることにより、渋滞長の通常の状態に対する現在の渋滞長の異常度合を加味することができ、所定の条件を充足するか否かを的確に判定することができる。また、検出符号を表示することにより、渋滞長の推移に通常と異なる動きがあることを速やかに交通管理者に通知することができる。また、緑色の検出符号が表示された場合には、早急に対応する必要はないが、黄色の検出符号が表示された場合には、注意が必要であり、赤色の検出符号が表示された場合には、早急な渋滞抑制策が必要となることが直ちに分かる。
次に、本実施の形態の交通情報表示装置100による渋滞評価の表示例について説明する。
図10、図11、図12及び図13は本実施の形態の交通情報表示装置100による渋滞評価の表示の第1例を示す説明図である。図10は当日の時刻9:25における表示例であり、図11は図10の5分後の時刻9:30における表示例であり、図12は図11の5分後の時刻9:35における表示例であり、図13は当日の時刻19:50における表示例である。各図において、上段の図は、図6に例示した図と同様の渋滞長の推移を示す図であり、下段左側の図は、図2に例示した図と同様の渋滞長の頻度分布を示す図であり、下段右側の図は、図4に例示した図と同様の渋滞長変化量の頻度分布を示す図である。
図10の上段の図に示すように、時刻9:25における渋滞長は、220kmであり、当該渋滞長220kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%以内にあるので、渋滞長符号(○)は黄色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻9:25における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを黄色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻9:25における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%未満であるので、渋滞変化量は白色の符号○で表示されている。
図10の上段の図の時刻8:25から時刻8:55の間に検出符号(▽)が残った状態で表示されている。表示された検出符号をすべて残して表示してもよく、あるいは、図9に例示したように検出符号を赤色及び黄色で表示した場合に表示を残すようにしてもよい。
また、渋滞長符号(○)は、任意の時間帯で以下の条件(1)〜(3)を満たす場合に、当該任意の時間帯において表示を残す。条件(1)は、当該任意の時間帯の渋滞長が渋滞長の頻度分布の上位5%以内にあり、かつ検出符号を表示させる検出条件を充足しない場合には、渋滞長符号(赤色)を表示したまま残す。条件(2)は、当該任意の時間帯の渋滞長が渋滞長の頻度分布の上位15%以内にあり、かつ検出符号を表示させる検出条件を充足しない場合には、渋滞長符号(黄色)を表示したまま残す。条件(3)は、当該任意の時間帯の渋滞長が渋滞長の頻度分布の上位15%未満にあり、かつ検出符号を表示させる検出条件を充足しない場合には、渋滞長符号(緑色)を表示したまま残す。なお、緑色の渋滞長符号は、検出条件の充足如何にかかわらず表示を残さないようにしてもよい。検出符号が表示される場合(検出条件を充足する場合)には、検出符号の表示態様で渋滞長の状況が解るので、渋滞長符号を表示する必要がないからである。渋滞長符号の表示を残すことにより、検出符号が表示される条件が充足しない場合でも渋滞長の状況を把握することができる。
図10の時刻9:25においては、渋滞長は頻度分布の上位15%以内であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で2回だけ頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図10に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち2周期にある(「2周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻9:25、時刻9:20、時刻9:15の直近の3周期において渋滞長変化量は1度も頻度分布の上位10%以内にない(これを「0周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻9:25においては検出条件を充足しない(これを「(0周期/直近3周期)<(2周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示しない。検出符号が表示されないので、時刻9:25において黄色の渋滞長符号(○)が表示されるとともに、表示された渋滞長符号はそのままの表示が残される。
次に、図11の上段の図に示すように、5分後の時刻9:30における渋滞長は、227kmであり、当該渋滞長227kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%以内にあるので、渋滞長符号(○)は黄色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻9:30における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを黄色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻9:30における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%未満であるので、渋滞変化量は白色の符号○で表示されている。
図11の時刻9:30においては、渋滞長は頻度分布の上位15%以内であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で2回だけ頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図11に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち2周期にある(「2周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻9:30、時刻9:25、時刻9:20の直近の3周期において渋滞長変化量は1度も頻度分布の上位10%以内にない(これを「0周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻9:30においては検出条件を充足しない(これを「(0周期/直近3周期)<(2周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示しない。検出符号が表示されないので、時刻9:30において黄色の渋滞長符号(○)が表示されるとともに、表示された渋滞長符号はそのままの表示が残される。
次に、図12の上段の図に示すように、さらに5分後の時刻9:35における渋滞長は、238kmであり、当該渋滞長238kmが、渋滞長の頻度分布の上位5%以内にあるので、渋滞長符号(○)は赤色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻9:35における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを赤色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻9:35における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%以内であるので、渋滞変化量は黒色の符号○で表示されている。
図12の時刻9:35においては、渋滞長は頻度分布の上位5%以内であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で1回だけ頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図12に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち1周期にある(「1周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻9:35、時刻9:30、時刻9:25の直近の3周期のうち、時刻9:35において渋滞長変化量は1度だけ頻度分布の上位10%以内にある(これを「1周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻9:35においては検出条件を充足する(これを「(1周期/直近3周期)=(1周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示する。検出符号が表示されるので、この場合には、渋滞長符号が表示されない。
図13の例は、時刻6:00から時刻19:50までの渋滞長の推移、渋滞長変化量が増加した時刻を時系列に表示したものである。
上述のように、表示部15は、渋滞長分布情報、すなわち渋滞長の頻度分布を表示する。渋滞長分布情報を表示することにより、算出した現状の渋滞長が、渋滞長の頻度分布の上位からどの程度の位置にあるかを表示することができる。また、分布の代表値(例えば、中央値)がどのくらいの値であるか、分布がどれくらいの広がりを持っているのかを確認することができる。また、現状の渋滞長が、過去の渋滞長の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが分かり、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
また、表示部15は、渋滞長分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示する。累積曲線を表示することにより、現状の渋滞長が、過去の渋滞長の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが一層視覚的に把握することができ、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
また、表示部15は、渋滞長変化分布情報、すなわち渋滞長変化量の頻度分布を表示する。渋滞長変化分布情報を表示することにより、算出した現状の渋滞長変化量が、渋滞長変化量の頻度分布の上位からどの程度の位置にあるかを表示することができる。また、分布の代表値(例えば、中央値)がどのくらいの値であるか、分布がどれくらいの広がりを持っているのかを確認することができる。また、現状の渋滞長変化量が、過去の渋滞長変化量の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが分かり、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
さらに、表示部15は、渋滞長変化分布情報の累積頻度を示す累積曲線を表示する。累積曲線を表示することにより、現状の渋滞長変化量が、過去の渋滞長変化量の統計値に対して、上位からどの程度にあるのかが一層視覚的に把握することができ、過去の渋滞状況と比較して渋滞の深刻さを表示することができる。
図14、図15、図16、図17、図18、図19及び図20は本実施の形態の交通情報表示装置100による渋滞評価の表示の第2例を示す説明図である。第2例は、第1例とは、異なる日における渋滞評価を示す。図14は当日の時刻15:50における表示例であり、図15は図14の5分後の時刻15:55における表示例であり、図16は図15の5分後の時刻16:00における表示例であり、図17は図16の5分後の時刻16:05における表示例であり、図18は図17の5分後の時刻16:10における表示例である。また、図19は時刻17:40における表示例であり、図20は時刻19:50における表示例である。
図14の上段の図に示すように、時刻15:50における渋滞長は、173kmであり、当該渋滞長173kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%未満にあるので、渋滞長符号(○)は緑色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻15:50における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを緑色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻15:50における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%以内であるので、渋滞変化量は黒色の符号○で表示されている。
図14の時刻15:50においては、渋滞長は頻度分布の上位15%未満であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で3回頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図14に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち3周期にある(「3周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻15:50、時刻15:45、時刻15:40の直近の3周期において渋滞長変化量は1度だけ(時刻15:50)頻度分布の上位10%以内にある(これを「1周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻15:50においては検出条件を充足しない(これを「(1周期/直近3周期)<(3周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示しない。検出符号が表示されないので、時刻15:50において緑色の渋滞長符号(○)が表示されるとともに、表示された渋滞長符号はそのままの表示が残される。
次に、図15の上段の図に示すように、時刻15:55における渋滞長は、170kmであり、当該渋滞長170kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%未満にあるので、渋滞長符号(○)は緑色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻15:55における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを緑色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻15:55における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%以内であるので、渋滞変化量は黒色の符号○で表示されている。
図15の時刻15:55においては、渋滞長は頻度分布の上位15%未満であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で3回頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図15に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち3周期にある(「3周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻15:55、時刻15:50、時刻15:45の直近の3周期において渋滞長変化量は2度(時刻15:50、時刻15:55)頻度分布の上位10%以内にある(これを「2周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻15:55においては検出条件を充足しない(これを「(2周期/直近3周期)<(3周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示しない。検出符号が表示されないので、時刻15:55において緑色の渋滞長符号(○)が表示されるとともに、表示された渋滞長符号はそのままの表示が残される。
次に、図16の上段の図に示すように、時刻16:00における渋滞長は、176kmであり、当該渋滞長176kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%未満にあるので、渋滞長符号(○)は緑色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻16:00における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを緑色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻16:00における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%以内であるので、渋滞変化量は黒色の符号○で表示されている。
図16の時刻16:00においては、渋滞長は頻度分布の上位15%未満であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で3回頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図16に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち3周期にある(「3周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻16:00、時刻15:55、時刻15:50の直近の3周期において渋滞長変化量は3度(時刻15:50、時刻15:55、時刻16:00)頻度分布の上位10%以内にある(これを「3周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻16:00においては検出条件を充足する(これを「(3周期/直近3周期)=(3周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示する。また、時刻16:00における渋滞長は、頻度分布の上位15%未満であるので、検出符号は、緑色で表示される。また、検出符号が表示されるので、この場合には、渋滞長符号が表示されない。
次に、図17の上段の図に示すように、時刻16:05における渋滞長は、183kmであり、当該渋滞長183kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%以内にあるので、渋滞長符号(○)は黄色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻16:05における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを黄色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻16:05における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%以内であるので、渋滞変化量は黒色の符号○で表示されている。
図17の時刻16:05においては、渋滞長は頻度分布の上位15%以内であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で2回頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図17に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち2周期にある(「2周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻16:05、時刻16:00、時刻15:55の直近の3周期において渋滞長変化量は3度(時刻15:55、時刻16:00、時刻16:05)頻度分布の上位10%以内にある(これを「3周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻16:05においては検出条件を充足する(これを「(3周期/直近3周期)>(2周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示する。また、時刻16:05における渋滞長は、頻度分布の上位15%以内であるので、検出符号は、黄色で表示される。また、検出符号が表示されるので、この場合には、渋滞長符号が表示されない。
次に、図18の上段の図に示すように、時刻16:10における渋滞長は、175kmであり、当該渋滞長175kmが、渋滞長の頻度分布の上位15%未満にあるので、渋滞長符号(○)は緑色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻16:10における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを緑色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻16:10における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%未満であるので、渋滞変化量は白色の符号○で表示されている。
図18の時刻16:10においては、渋滞長は頻度分布の上位15%未満であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で3回頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち3周期にある(「3周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻16:10、時刻16:05、時刻16:00の直近の3周期において渋滞長変化量は2度(時刻16:00、時刻16:05)頻度分布の上位10%以内にある(これを「2周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻16:10においては検出条件を充足しない(これを「(2周期/直近3周期)<(3周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示しない。検出符号が表示されないので、時刻16:10において緑色の渋滞長符号(○)が表示されるとともに、表示された渋滞長符号はそのままの表示が残される。
また、図19の上段の図に示すように、時刻17:40における渋滞長は、315kmであり、当該渋滞長315kmが、渋滞長の頻度分布の上位5%以内にあるので、渋滞長符号(○)は赤色で表示されている。また、下段左側の図には、時刻17:40における渋滞長が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを赤色の符号○で示している。また、下段右側の図には、時刻17:40における渋滞長変化量が、頻度の累積曲線上でどの程度の位置(上位からどの程度の位置)にあるのかを符号○で示している。この場合、渋滞長変化量が頻度分布の上位10%以内であるので、渋滞変化量は黒色の符号○で表示されている。
図19の時刻17:40においては、渋滞長は頻度分布の上位5%以内であるので、検出条件(検出閾値)は、図9の例に基づけば、渋滞長変化量が、3つの時間帯で1回頻度分布の上位10%以内にあることである。これを言い換えれば、図19に示すように、検出閾値は、渋滞長変化量が頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち1周期にある(「1周期/直近3周期」と表する)ことである。そして、時刻17:40、時刻17:35、時刻17:30の直近の3周期において渋滞長変化量は3度(時刻17:30、時刻17:35、時刻17:40)頻度分布の上位10%以内にある(これを「3周期/直近3周期」と表する)。すなわち、時刻17:40においては検出条件を充足する(これを「(3周期/直近3周期)>(1周期/直近3周期)」と表する)ので検出符号を表示する。また、時刻17:40における渋滞長は、頻度分布の上位5%以内であるので、検出符号は、赤色で表示される。また、検出符号が表示されるので、この場合には、渋滞長符号が表示されない。
図20の例は、時刻6:00から時刻19:50までの渋滞長の推移、渋滞長変化量が増加した時刻を時系列に表示したものである。図20に示すように、渋滞長が頻度分布の上位15%以内の場合に、その時刻(箇所)を丸印でプロットし、履歴表示する。これにより、後追いすることなく、1日の渋滞長の推移、特に渋滞長が、過去の統計値である頻度分布に対して、通常ではない時間帯を直感的に把握することができる。
図21は本実施の形態の交通情報表示装置100による渋滞評価の表示の第3例を示す説明図である。第3例は、第1例、第2例とは異なる道路網における渋滞長の推移を示す。図21に示すように、渋滞長が時刻14:55において突発的に増加し、その後一旦渋滞長が短くなったものの、時刻15:00頃から急激に増加している。図21に例示するような渋滞長の推移は、例えば、ある特定の地域で大きな地震が発生した場合、あるいは大きな交通事故が発生した場合などに見られる現象である。
本実施の形態では、図9に例示したように、任意の時間帯において渋滞長が頻度分布の上位5%以内にある場合、検出条件(検出閾値)は、渋滞長変化量が、頻度分布の10%以内にある状態が直近3周期のうち1周期にあればよい。したがって、図21に示すように、時刻14:55において、渋滞長が頻度分布の上位5%以内にあり、かつ渋滞長変化量が、頻度分布の上位10%以内にあるので、時刻14:55の時点で赤色の検出符号を表示することになる。これにより、交通管理者は、例えば、地震や大事故の発生直後(わずか5分後)には、渋滞抑制策を緊急に実施する必要があることを把握することができるのである。
また、記憶部14に、検出符号を表示した時間帯と当該検出符号(例えば、表示態様など)とを関連付けて記憶することができる。また、記憶部14は、渋滞長算出部12で算出した渋滞長を時間帯毎に記憶することができる。表示部15は、記憶した検出符号及び渋滞長、並びに渋滞長変化分布情報又は渋滞長分布情報の少なくとも1つを時系列的に再表示することができる。すなわち、図13又は図20に例示した渋滞長の推移及び検出符号を表示した時間帯などを最初の時刻から再表示させることができる。これにより、渋滞長の推移、渋滞長変化量が通常の状態と異なる時間帯、及び過去の渋滞状況と比較した渋滞の深刻さなどを必要に応じて何度も確認することができる。
次に、本実施の形態の交通情報表示装置100の動作について説明する。図22は本実施の形態の交通情報表示装置100の処理手順を示すフローチャートである。なお、便宜上、処理の主体を制御部10として説明する。制御部10は、渋滞算出周期であるか否かを判定し(S11)、渋滞算出周期でない場合(S11でNO)、ステップS11の処理を続ける。渋滞算出周期は、任意の時間帯と同じであり、例えば、5分である。なお、任意の時間帯として5分以外の時間帯を用いる場合には、渋滞算出周期も同様に変更すればよい。
渋滞算出周期である場合(S11でYES)、制御部10は、全域、指定地域、指定路線の渋滞長を算出し(S12)、全域、指定地域、指定路線の渋滞長変化量を算出する(S13)。なお、算出する渋滞長は、全域、指定地域、指定路線での総渋滞長である。また、算出する渋滞長変化量は、全域、指定地域、指定路線での総渋滞長の変化量である。
制御部10は、算出した渋滞長変化量が渋滞長変化分布情報に対して所定の条件を充足するか否かを判定する(S14)。所定の条件は、例えば、図9に示す検出条件(検出閾値)である。所定の条件を充足する場合(S14でYES)、制御部10は、算出した渋滞長とともに検出符号を所定の表示態様で表示する(S15)。所定の表示態様とは、例えば、渋滞長(より具体的には、渋滞長が頻度分布の上位何%にあるか)に応じて検出符号の色を変えることである。
所定の条件を充足しない場合(S14でNO)、制御部10は、検出符号を表示させることなく、算出した渋滞長を表示する(S16)。制御部10は、処理を終了するか否かを判定し(S17)、処理終了でない場合(S17でNO)、ステップS11以降の処理を続ける。処理終了である場合(S17でYES)、制御部10は処理を終了する。
なお、図22に示す処理は、渋滞算出周期で繰り返し行われるので、現在の渋滞長は、渋滞算出周期で更新される。
本実施の形態の交通情報表示装置100は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図22に示すような、各処理手順を定めたコンピュータプログラムをCD、DVD、USBメモリ等のコンピュータプログラム記録媒体に記録しておき、当該コンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPUで実行することにより、コンピュータ上で交通情報表示装置100を実現することができる。
上述のように、本実施の形態によれば、時間帯毎に渋滞長の推移を表示しつつ所定の条件を充足した場合には、検出符号が表示されるので、渋滞状況の連続的な傾向を把握することができる。
上述の実施の形態の交通情報表示装置100は、交通管制センタ、中央管理センタ等に設置されるものであるが、本実施の形態は、ナビゲーション装置のように車両等に搭載する装置にも適用することができる。
本実施の形態において例示した検出符号を含む符号の表示態様は一例であって、本実施の形態の例に限定されるものではない。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。