JP5884096B1 - 練り製品の焙焼制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような笹蒲鉾は、かつては、原料となるすり身を手の平で叩いて笹の葉に似せた形状に整形して、炭火などを利用して両面を焙焼することにより、製造していた。
これに対して、現代においては、すり身から笹蒲鉾の形状を押し出す成形・串差し・手の平で叩いた様な形状にする整形・焼き・串抜き・冷却などを自動で行なうことが主流となっている。
このため、近年では自動制御による焙焼の管理が望まれている。
ここで、蒲鉾の自動焙焼にあたっては、焙焼部内の温度を取得する温度センサを設けて、この温度センサから取得した焙焼部内の温度に基づいて、加熱部が制御される。
しかしながら、焙焼部内の温度に基づく自動制御では焙焼部内の温度を一定に保つことは可能であっても、このような両側の焼き加減を適度に調整することは困難であった。
この構成によれば、例えば原料となるすり身の水分が時間経過と共に減少し、あるいは周囲温度が何らかの原因により急激に変化した場合に、上蓋を開けて、蒲鉾の搬送路内の温度上昇を抑制すると、この上蓋の開放が上蓋検知部により検知されて、この検知に基づいて、自動制御部が、加熱部の自動制御を停止する。これにより、上蓋が開放されたときに、自動制御部が自動制御に基づいて加熱部に対する出力を急激に増加させることがなく、蒲鉾の搬送路における焙焼中の焼き過ぎが防止され得る。
図1は、本発明による焙焼制御装置を蒲鉾製造装置1として実現した実施形態を上方からみた平面図である。図1において、蒲鉾製造装置1は、成型部2、串起立部3、搬送部4、整形部5、焙焼部6、串抜き部7、串掃除部8及び串整列部9を備えている。
成型部2は、串整列部9によって所定の位置に整列された串を中心に成型を行う。
なお、笹蒲鉾としては、杉などの小板に半円筒形にいわゆる蒲鉾型にもりつけた板蒲鉾、麦わらなどに巻きつけた巻蒲鉾、薄く削った蒲鉾を乾燥した削り蒲鉾なども含まれるため、成型部2による成型は串を中心に成型しない場合も含まれる。
搬送部4は、串の端部を保持して起立した状態の蒲鉾を各部に向けて搬送するものであって、ベルトコンベアなどによって実現されている。
なお、搬送時、蒲鉾は、そのほぼ平らな面の両側が、搬送方向に対して略平行になるように搬送されている。搬送部4によって搬送される蒲鉾は、その途中で整形部5によって、整形される。
ここで、整形ローラーは複数セット設けられている。これにより、蒲鉾は、一度にすり身1を潰して所定の形状に整形されるのではなく、それぞれの整形ローラーの間を順次に通過することによって徐々に所定の形状に整形される。
その後、整形された蒲鉾は、搬送部4によって焙焼部6へと搬送される。
焙焼部6は、搬送部4により搬送されるすり身状の蒲鉾100を側方両側から焙焼する。ここで、焙焼部6は、図1に示すように、焙焼単位ごとに焙焼ブロック6a〜6oの全15ブロックに区分されている。
左側加熱部21a〜35aと右側加熱部21b〜35bは、電気ヒーターから構成されており、電気信号に基づく制御で出力を調整することができる。
さらに、焙焼部6は、上蓋部11を有しており、上蓋部11は焙焼部6から取り外し可能となっている。
温度センサ36は、焙焼部6の左右方向の略中央位置に設けられている。このような位置に設けられる理由としては、例えばどちらかの加熱部に偏った位置に設けられた場合、焙焼部6内の温度を正確に取得できないためである。例えば、温度センサ36が左側焙焼部21aに近い位置に設けられた場合、熱源に近いため温度が高く測定され、この温度に基づいて制御を行うと、実際の焙焼部6内温度が設定値に達する前に出力を弱める制御が行われてしまう。
これらのセンサは、焙焼部6のそれぞれの焙焼ブロック内に設けられている。
なお、これらの焙焼部6に関する制御単位としては、各焙焼ブロック毎に制御を行ってもよいし、複数の焙焼ブロックをグループ化し、各グループ毎に制御を行うようにしても良い。
制御部40は、自動制御部41、及び出力調整部42を備えている。
また制御部40は、温度センサ36、上蓋センサ37、温度設定部60及び出力設定部70と電気的に接続されており、それぞれ各部からの信号が入力される。
温度設定部60は、焙焼部6内における上述したグループ単位ごとの目標温度を設定する。
出力設定部70は、左側焙焼部と右側焙焼部の出力をそれぞれグループ単位ごとに個別に調整することができる。
図4に示される、「設定温度」は、焙焼部6温度をグループ単位毎に5度単位で増減するように設定するために操作用のインタフェースであり、上下の矢印を押すことによって、自動制御部41によって左右の加熱部が自動的に制御され、設定温度を目標に出力の調整が行われる。
次いで、上矢印、下矢印のいずれかを操作し、1回の操作によって出力を1%ずつ増減させることができる。
このような左右出力調整によって、設定された増加分だけ、出力調整部42によって、増加側の加熱部の出力が増加される。
なお、この際の増加分の調整量は、装置の管理者が蒲鉾などの焼き加減を目視で確認し、必要な場合に手作業で調整することを想定している。
焙焼ブロック6i〜6lのグループ2は、設定温度が180度、左側の加熱部が3%出力が増加するように設定されている。
焙焼ブロック6m〜6oがグループ3は、設定温度が185度、右側の加熱部が1%出力が増加するように設定されている。
製品A〜製品Dそれぞれに各焙焼グループにおける設定温度が設定されており、蒲鉾製造装置1の管理者は焙焼する製品を選択することで、製品ごとに設定した設定温度を一括で変更することができる。
図中、PVは、温度センサ30による測定値に10をかけたものであり、例えばPV=2013は、201.3度を示している。
SVは、設定された設定温度である。MVは、測定値と、設定温度とから算出された各加熱部の操作量を示す値である。
操作量は0〜100%までの間で調整されて決定される。この操作量は、後述するPID(Proportional-Integral-Derivative Controller)制御を利用して算出が行われる。
ステップS101〜ステップS108は、加熱部の温度、及び出力の調整の設定に係る処理であり、ステップS201〜ステップS206は、設定値と測定値に基づき出力を制御する処理である。
これらの処理(ステップS201〜S206)は、焙焼部6の各加熱部における焙焼開始に伴って開始され、まず焙焼部6の炉内温度調整が自動になっているか否かが判定される(ステップS201)。
ここで、温度調整が自動の設定になっていない(ステップS201:No)場合には、焙焼部6内の加熱部の出力の制御は自動で行われずに、手動で出力が設定され(ステップS202)、ステップS201に戻る。
これに対して、温度調整が自動の設定になっている(ステップS201:Yes)場合には、続いて焙焼部6の上蓋部11が閉まっているか否かが、上蓋センサ31からの信号によって判断される(ステップS203)。
これに対して、上蓋部が閉まっていると判定された(ステップS203:Yes)場合には、前述したステップS108で決定された設定温度で焙焼が行われている焙焼部6の炉内温度が温度センサ30により測定され(ステップS205)、続いて自動制御部41による自動温度制御が開始され(ステップS206)、ステップS205に戻る。
このようにして、自動制御部41による設定値と測定値に基づいて出力の制御が行われる。
図8は、このPID制御で用いられる演算回路のブロック図である。
図8に示されるように、演算回路80は、所謂不完全微分のPID制御回路として構成されており、偏差EV(=設定値SV−測定値PV)を比例及び積分回路81により演算した結果から、偏差EVを不完全微分回路82により部分的に微分した結果を減算して、さらにアンプ83で増幅して、操作量MVを算出する。
このようにして得られた操作量MVを制御対象84(即ち、各加熱部21a〜35a及び21b〜35b)に出力し、温度センサ30により焙焼炉6の炉内温度が測定され、測定値PVとしてフィードバックされる。
また、逆動作時には、上記値は、それぞれ
串抜き部7により串が抜かれた蒲鉾は、そのまま製品として包装などの工程へと回される。
一方、抜かれた串は、串掃除機8に搬送され、付着したすり身などが清掃された後、搬送路4上を搬送され、串整列部9へと送られ、再度蒲鉾の製造工程において利用される。
次に、このように起立された蒲鉾100は、その串の端部を保持して起立した状態で、搬送部4により図1にて右方に向かって搬送され、途中で整形部5により両側から潰されて笹の葉上に整形される。
さらに、蒲鉾100は、搬送部4によって焙焼部6内に搬送され、焙焼部6内の各加熱部によって加熱され焙焼される。
このとき、制御部40が所謂不完全微分のPID制御を行うことによって、焙焼部6の各焙焼グループ毎の炉内温度の変動に対して、それぞれ比較的迅速に出力を調整することができると共に、炉内温度の急激な変化に対しては、過大に調整して炉内温度が高くまたは低くなりすぎるようなことがなく、迅速且つ安定的に出力を調整することができる。
これにより、焼き目の強い側の焙焼温度が低下し、焼き目が弱められることになり、蒲鉾の100の両面が均等に焙焼されることになる。
これにより、各グループごとに、一側の加熱部21a〜35aまたは21b〜35bのみの出力を調整することにより、加熱部全体に対する出力が減少することによる焙焼部6の炉内温度の低下のおそれがあるが、他側の21b〜35bまたは21a〜35aに対する出力を対応して増加させることにより、焙焼部6の炉内温度が低下してしまうことがないので、蒲鉾の他側の面の焼き目については調整前の状態を保持することができる。
これにより、焼き目の弱い側の焙焼温度が上昇し、焼き目が強められることになり、蒲鉾の100の両面が均等に焙焼されることになる。
これにより、加熱部全体に対する出力が増加することによる焙焼部6の炉内温度の上昇のおそれがあるが、他側の21b〜35bまたは21a〜35aに対する出力を対応して減少させることにより、焙焼部6の炉内温度が上昇してしまうことがないので、蒲鉾の他側の面の焼き目については焼きすぎになることはなく、調整前の焙焼状態を保持することができる。
このとき、上蓋センサ37が上蓋の取り外しを検知することによって、検知信号が制御部40に入力されと、制御部40は、上蓋部11が取り外されている間は、自動制御部41による自動温度制御を停止し、手動の温度制御に切り替わる。
これにより、上蓋部11の取り外しにより焙焼部6の炉内温度が急激に低下しても、これに追従して、制御部40の自動制御部41が、出力を急激に高く調整するようなことがない。従って、上蓋部11の取り外し時の自動温度制御による蒲鉾の焼き過ぎを防止することができる。
例えば、上述した実施形態においては、焙焼部6は、焙焼単位毎に15のブロックに区分されているが、これに限らず、14以下または16以上のブロックに区分されていてもよい。また、焙焼の単位を構成するグループは適宜変更することができる。
2 成型部
3 串起立部
4 搬送部
5 整形部
6 焙焼部
6a〜6o 焙焼ブロック(焙焼単位)
21a〜35a 左側加熱部
21b〜35b 右側加熱部
7 串抜き部
8 串掃除部
9 串整列部
11 上蓋部
36 温度センサ
37 上蓋センサ
40 制御部
41 自動制御部
42 出力調整部
60 温度設定部
70 出力設定部
80 制御回路
81 比例及び積分回路
82 不完全微分回路
83 アンプ
84 制御対象
Claims (2)
- 搬送された蒲鉾を搬送路に対して左右両側面から加熱して焙焼する焙焼部と、
前記焙焼部を所定の目標温度となるように出力の制御を行う制御部と、
を備えた焙焼制御装置であって、
前記焙焼部は、複数の焙焼単位に区分けされ、前記焙焼単位ごとに焙焼の制御が可能であって、
前記焙焼単位ごとに、電気制御で加熱の出力調整が可能な左右の加熱部と、
前記加熱部の上方側を覆う上蓋部と、
前記焙焼単位ごとに設けられ、前記左右の加熱部間の略中央に設けられた温度検出部と、
を備え、
前記制御部は、
焙焼単位ごとに目標温度を設定することのできる温度設定部と、
焙焼単位ごとに、前記温度検出部によって検出された温度が目標温度となるように前記左右の加熱部の出力の調整を行う自動制御部と、
前記左右の加熱部のうち、一方の出力の増減の設定を行うことができる出力設定部と、
前記出力設定部によって設定された出力の増減の設定に従って、設定がされた前記加熱部の出力を変更する出力調整部と、
を備え、
前記出力調整部は、前記出力設定部で出力が増加された前記左右の対の加熱部のうち、増加されない側の加熱部に対して、出力の増加分に対応する分だけ出力を減少するように制御することを特徴とする焙焼制御装置。 - 前記上蓋部が前記焙焼部から取り外されたことを検知する上蓋検知部と、をさらに備え、
前記自動制御部は、前記上蓋部が取り外されたことが検知された場合に、前記加熱部の自動制御を停止することを特徴とする請求項1に記載の焙焼制御装置。
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Non-Patent Citations (5)
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