JP5883979B1 - 装着具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィット性に優れるため装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護し、制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適していて、患部を保護しながら関節可動域を改善させ、更には麻痺した筋の代用を目的としても使用できる治療効果に優れる装着具を提供する。【解決手段】シート状のゴム部材と、このゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備える複数枚のシート体から構成される装着具本体10を備え、装着具本体10は、患者の身体の延びる方向に沿う接合部30が少なくとも1本形成され、装着具本体10が、挿入口と、延出口40と、を有し、立体裁断されて内部に空間が形成された立体形状を有し、患者の患部を覆うものである装着具100。【選択図】図1

Description

本発明は、装着具及びその製造方法に関し、詳しくはフィット性に優れるため装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護し、制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適していて、患部を保護しながら関節可動域を改善させ、更には麻痺した筋の代用を目的としても使用できる治療効果に優れる装着具及びその製造方法に関する。
従来、骨折、変形性関節症、靭帯損傷、リウマチなどの疾患に対し疼痛の軽減、関節や骨折部の保護を目的としたスプリント(装着具)が報告されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
更に、橈骨神経麻痺において手関節・手指MP関節(中手指節関節)の伸展、母指の伸展・外転が不能になるが、麻痺した筋の代用として、トーマス型懸垂スプリントやMP関節支持付きカックアップスプリントなどが広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−124191号公報
日本RAのリハビリ研究会誌26(1)2012 第16〜20頁 OTジャーナル VOL.46 NO.9 2012年8月
しかし、非特許文献1、2に記載の装着具は、シート状であり、患部に巻きつけて装着するため、患部に巻きつける際にシート状の装着具が二重、三重に重なる部分が生じるので嵩張る。そのため、装着感や外観に劣り、通気性が不良で、且つ、重いという問題がある。また、装着に時間が掛かるという問題がある。更に、装着中にズレてしまい、患部を十分に保護できない可能性もある。
また、特許文献1に記載のアウトリガーが取り付けられたスプリントでは、外観が不良で活動時の妨げになる場合がある。また、MP関節支持付きカックアップスプリントでは、MP関節や手関節の屈曲が制限されることで活動によって使いにくいことが多い。また、特許文献1の装具は、リハビリ用であり、活動時に使用すると、ゴムが引っ掛かり使用が困難になる場合がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題とするところは、フィット性に優れるため装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護し、また、橈骨神経麻痺などにおいて手関節・手指MP関節の伸展と母指伸展外転位を適切に支持しかつ活動時の妨げになり難い装着具及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す、装着具及びその製造方法が提供される。
[1] シート状のゴム部材と、前記ゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、前記ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備える複数枚のシート体から構成される装着具本体を備え、前記装着具本体は、複数枚の前記シート体のうちの一の前記シート体と他の前記シート体とが互いに接合された部分であって患者の身体の延びる方向に沿って延びる接合部が複数本形成され、前記装着具本体が、患者の身体を挿入するための挿入口と、前記挿入口から挿入した前記患者の身体が延出する延出口と、を有し、立体裁断されて内部に空間が形成された立体形状を有し、患者の患部を覆うものである装着具。
[2] 前記装着具本体が、患者の手の甲側を覆うための手関節用背側シート部材と、患者の掌側を覆うための手関節用掌側シート部材と、から構成され、患者の、手関節撓側部、手関節尺側部、及び母指示指指間部に相当する位置に前記接合部が形成されており、患者の手関節または母指を覆うためのものである前記[1]に記載の装着具。
[3] 前記延出口が、患者の母指が延出する第1延出口とそれ以外の指が延出する第2延出口との2つからなり、前記第2延出口が、遠位手掌皮線の近位1cmから近位指節間関節の皮線の間の部分に位置するように形成されている前記[2]に記載の装着具。
[4] 前記装着具本体には、前記第1延出口の大きさを調整するための第1のサイズ調節部と、前記第2延出口の大きさを調整するための第2のサイズ調節部とが配置されている前記[3]に記載の装着具。
[5] 前記装着具本体が、患者の肘関節の掌側を覆うための肘関節用掌側シート部材と、患者の肘関節の背側を覆うための肘関節用背側シート部材と、患者の肘関節の内側を覆うための肘関節用内側面側シート部材と、患者の肘関節の外側を覆うための肘関節用外側面側シート部材と、から構成され、患者の、肘関節内側掌側部、肘関節内側背側部、肘関節外側掌側部、及び肘外側背側部に相当する位置に前記接合部が形成されており、患者の肘関節を覆うためのものである前記[1]に記載の装着具。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の装着具を製造する装着具の製造方法であって、患者の患部を、粘着層を有さない保護体で保護する患部保護工程と、粘着層を有するテープを前記保護体の上に巻き付けて仮形成体を得る仮形成工程と、前記仮形成体に、患者の身体の延びる方向に沿う展開線を複数本引いて展開線付き仮形成体を得る展開線記入工程と、前記展開線において前記展開線付き仮形成体を切断して複数枚の裁断型を得る裁断型作製工程と、シート状のゴム部材と、前記ゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、前記ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備えるシート材を用意し、前記シート材を、前記裁断型のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して複数枚の材料シートを得る材料シート作製工程と、複数枚の前記材料シートを、前記仮形成体と同じ形状になるように互いに固定することによって、患者の身体を挿入するための挿入口と、前記挿入口から挿入した前記患者の身体が延出する延出口と、を有し、内部に空間が形成された立体形状を有する装着具本体を備える装着具を作製する装着具作製工程と、を有する、患者の患部を覆うための装着具を製造する装着具の製造方法。
本発明の装着具は、特定のシート体から構成される装着具本体を備え、立体裁断されて内部に空間が形成された立体形状を有するものであるため、フィット性に優れ装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護するという効果を奏するものである。更には、制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適していて、患部を保護しながら関節可動域を改善させる目的としても使用できる治療効果に優れているものである。更に、本発明の装着具は、橈骨神経麻痺などにおいて手関節・手指MP関節の伸展と母指伸展外転位を適切に支持しかつ活動時の妨げになり難いものである。
本発明の装着具の製造方法は、各工程を有することにより、フィット性に優れ装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する装着具を製造できるという効果を奏するものである。更には、制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適していて、患部を保護しながら関節可動域を改善させる目的としても使用できる治療効果に優れているものである。更に、本発明の装着具の製造方法は、橈骨神経麻痺などにおいて手関節・手指MP関節の伸展と母指伸展外転位を適切に支持しかつ活動時の妨げになり難い装着具を製造できるという効果を奏するものである。
本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す斜視図である。 本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の裁断型作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の裁断型作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す斜視図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)を模式的に示す斜視図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)の製造方法の裁断型作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(母指用の装着具)の変形例を示す模式図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節及び母指用の装着具)の変形例を示す模式図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す斜視図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す斜視図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す斜視図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す平面図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す平面図である。 本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]装着具:
本発明の装着具は、複数枚のシート体から構成される装着具本体を備えている。シート体は、シート状のゴム部材と、このゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備えているものである。そして、装着具本体は、シート体が互いに接合された部分であって患者の身体の延びる方向に沿って延びる接合部が少なくとも1本形成されている。更に、装着具本体は、患者の身体を挿入するための挿入口と、この挿入口から挿入した患者の身体が延出する延出口と、を有し、立体裁断されて内部に空間が形成された立体形状を有し、患者の患部を覆う部分である。なお、上記のように接合部が形成されている場合、上記のように立体裁断されているということができる。
このような装着具は、上記特定のシート体から構成される装着具本体を備え、立体裁断されて内部に空間が形成された立体形状を有するものであるため、フィット性に優れ装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する。更には制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適している。
この装着具は、装着具本体に固定されたストラップを更に備えていてもよい。このストラップを採用することにより、装着具の着脱が容易になる。つまり、装着具を着脱する際に、ストラップを緩めると、装着具の挿入口が大きくなるため、患者の身体を挿入または引き抜きし易くなる。また、ストラップを巻き付けて用いることにより、装着具の制動性を強化することができる。
図14は、装着具本体10に固定されたストラップ50を更に備える手関節用装着具110を示している。図14は、本発明の装着具の更に他の実施形態(母指用の装着具)の変形例を示す模式図である。
この装着具は、患者の患部によって適宜設定すればよいが、装着具本体に通気用の孔を形成してもよい。孔の大きさ及び数は、適宜設定することができる。例えば、直径1〜10mmの孔を形成することがよい。このようにすることで、通気性が向上し、装着感が更に良好になる。なお、上記孔の数は特に制限はなく適宜選択することができる。
例えば、図14は、装着具本体10に通気用の孔51が形成された手関節用装着具110を示している。
シート体は、患者の患部によって適宜設定することがよいが、ネオプレーンからなるものを用いることができる。ネオプレーンからなるものを用いると、耐久性及び耐水性に優れる。更に、洗濯が可能であり清潔に保つことが可能となる。そして、支持性、制動性などを調整することができる。また、シート体のゴム部材は、その厚さが1〜10mmであるものが好ましい。このような条件とすることにより、フィット性に優れ装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する装着具を得ることができる。
また、シート体の表面側生地部は、伸張性を有する生地であれば特に制限はないが、例えば、伸縮パイル生地、ジャージ生地とすることが好ましい。伸縮パイル生地は、高い制動性と支持性が得られるという利点がある。ジャージ生地は、高い伸張性が得られるという利点がある。表面側生地部を伸縮パイル生地またはジャージ生地とすることにより、可動性や制動性を調整できる。特に、伸縮パイル生地とすることにより、制動性と支持性を強化でき、ジャージ生地とすることにより、適度な可動性を得ることができる。
また、シート体の裏面側生地部は、伸張性を有する生地であれば特に制限はないが、例えば、ジャージ生地とすることが好ましい。裏面側生地部をジャージ生地とすることにより、装着感が良くなる。
[1−1]手関節用装着具:
[1−1−1]第1の実施形態:
本発明の装着具の一実施形態として、図1に示す装着具(手関節用装着具)100を挙げることができる。図1は、本発明の装着具の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
この手関節用装着具100は、装着具本体10が、患者の手の掌側を覆うための手関節用掌側シート部材11と、患者の手の背側を覆うための手関節用背側シート部材12と、から構成され、患者の手関節撓側部に相当する位置に接合部30、患者の手関節尺側部に相当する位置に接合部(不図示)、及び患者の母指示指指間部に相当する位置に接合部(不図示)が形成されている。そして、手関節用装着具100は、患者の身体を挿入するための挿入口(不図示)、及び、挿入口から挿入した患者の身体が延出する2つの延出口(母指が延出する延出口40)が形成されている。装着具本体10は、内部に空間31が形成された立体形状を有している。このような手関節用装着具100は、後述する位置に展開線を引いて立体裁断すると、得られる装着具本体10は、患者の、手関節撓側部、手関節尺側部、及び母指示指指間部に相当する位置に接合部30が形成されることになる。即ち、上記のように接合部30が形成されると、上記のように立体裁断されているということができる。
このような手関節用装着具は、フィット性に優れるため装着感及び外観に優れ、手関節や母指の疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する。更には制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適している。なお、本明細書においては、手関節用の装着具だけでなく、母指用の装着具、手関節及び母指(手関節母指)用の装着具であっても「手関節用装着具」ということとする。
手関節用装着具は、シート体として、ネオプレーン製のものを用いることができ、その厚さは1〜10mmとすることが好ましく、2〜4mmとすることが更に好ましい。
手関節用装着具は、適度な可動性を必要とする際には、表面側生地部及び裏面側生地部の両方がジャージ生地であることが好ましい。また、強い制動性を必要とする際には表面側生地部が伸縮パイル生地で、裏面側生地部がジャージ生地であることが好ましい。そして、更に制動性を強化する際には、制動したい部分にポケットを作製してプラスチック製の板材などを差し込むこととする。また、ポケットがない場合にはストラップを取り付けて巻き付ける。なお、伸縮パイル生地は、面ファスナーストラップのフック(雄部材)が貼りつく性質があるため、敢えて面ファスナーストラップの雌部材を配設する必要がない。
手関節用装着具は、装着具本体の挿入口が1つであり、延出口は1つであっても複数であってもよい。つまり、延出口は、患者の各指が延出するように5つ形成されていてもよいし、母指とそれ以外の指が延出するように2つ形成されていてもよい。
[1−1−2]第2の実施形態:
本発明の装着具の他の実施形態として、図9に示す装着具(手関節用装着具)101を挙げることができる。図9は、本発明の装着具の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。この手関節用装着具101は、三角線維軟骨複合体損傷や尺骨突き上げ症候群に使用することが好ましい。手関節の尺屈方向への制動性を強化するために尺側部にポケット55を作製して、このポケット55にプラスチック製の板材などを差し込むことができる。このように、尺側部に板材を差し込むため、上述した第1の実施形態とは異なり、尺側部の接合部を移動させる必要がある(尺側部に接合部を形成できない)。
この装着具101は、装着具本体10が、患者の手の掌側を覆うためのシート部材17と、手の尺側を覆うためのシート部材18と、手の背側を覆うためのシート部材(不図示)と、から構成され、患者の手関節掌側尺側部に相当する位置に接合部30、患者の手関節撓側部に相当する位置に接合部(不図示)、患者の手関節背側尺側部に相当する位置に接合部(不図示)、及び患者の母指示指指間部に相当する位置に接合部(不図示)が形成されている。そして、装着具101は、患者の身体を挿入するための挿入口、及び、挿入口から挿入した患者の身体が延出する2つの延出口(母指が延出する延出口とそれ以外の指が延出する延出口)が形成されている。装着具本体10は、内部に空間が形成された立体形状を有している。
そして、この装着具101には、手の尺側部分(シート部材12の位置)にプラスチック製の板材を配置することができ、この板材を配置することで、更に手関節尺屈時における痛みを軽減することができる。
この装着具101には、更に、手の撓側、背側、及び尺側の部分に亘ってストラップを配置することができる。このようにストラップを配置することで、板材の固定力を強化して強い制動性を発揮し、更に痛みを軽減することができる。また、前腕の部分を長くすることで、前腕の回内外の動き(回内と回外の動き)を制動できる。
[1−1−3]第3の実施形態:
本発明の装着具の他の実施形態として、図16に示す装着具(手関節用装着具)102を挙げることができる。この装着具102は、装着具本体10が、患者の手の甲側を覆うための手関節用背側シート部材12と、患者の掌側を覆うための手関節用掌側シート部材11と、から構成され、患者の、手関節撓側部、手関節尺側部、及び母指示指指間部に相当する位置に接合部30が形成されている。そして、装着具102は、延出口40が、患者の母指が延出する第1延出口41とそれ以外の指が延出する第2延出口42との2つからなる。第1延出口41は、母指の母指指節間関節(IP関節)の皮線の近位1cmからIP関節の皮線の間の部分に位置するように形成され、第2延出口42が、近位指節間関節(PIP関節)の皮線の近位1cmからPIP関節の皮線の間の部分に位置するように形成されている。このように装着具102は、全指について基節骨部を覆っている。このような構成により橈骨神経麻痺などの患者において手関節・手指MP関節(指の付け根の関節)の伸展、母指の伸展外転位を保持できる。また、シート部材の弾力性により、手関節・手指の屈曲や母指の屈曲内転も容易にでき、屈曲や内転の力を弱めることで手関節・手指MP関節伸展、母指伸展外転が可能となる。
このような装着具102は、手関節・手指MP関節の伸展と母指伸展外転位を適切に支持しかつ活動時の妨げになり難いものである。
本実施形態の装着具102は、患者に合わせて大きさを調節し得るサイズ調節部を有することができる。具体的には、装着具102は、装着具本体において、第1延出口41の大きさを調整するための第1のサイズ調節部71と、第2延出口42の大きさを調整するための第2のサイズ調節部72とを配置することができる(図20〜図22参照)。このように、サイズ調節部を設けることによって、患者の体に合う状態で装着具を装着することができる。
手関節尺側部に相当する位置に接合部は、開閉可能とすることができる。つまり、接合部は、接着剤を用いたりして接合して物理的に閉じられた部分であるが、本実施形態の装着具102においては、手関節尺側部に相当する位置に接合部がストラップなどによって開閉可能となってもよい。このような装着具は、ストラップなどを適切な位置に固定することで患者の体に合う状態でより良好に装着することができる。図20〜図22においては、手関節尺側部に相当する位置に接合部が開閉可能となっている装着具を示している。図20は、装着具102を手関節用掌側シート部材11側から見た状態であり、ストラップ50を固定していない状態を示している。図21は、図20の装着具102を手関節用背側シート部材12側から見た状態を示している。なお、図20、図21においては、第1のサイズ調節部71と第2のサイズ調節部72と固定していない状態を示している。図22は、装着具102において、手関節尺側部に相当する位置に接合部を開いた状態とし、装着具102を平面状に展開し、橈側面(母指側)から見た状態を示している。
第1のサイズ調節部71、第2のサイズ調節部72としては、ストラップなどを採用することができる。ストラップ50は、図20〜図22に示すように、後述する材料シート67の余剰部67aに固定することができる。
[1−2]肘関節用装着具:
本発明の装着具の更に他の実施形態として、図10に示す装着具(肘関節用装着具)200を挙げることができる。図10は、本発明の装着具の更に他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
この肘関節用装着具200は、装着具本体10が、患者の肘関節の掌側を覆うための肘関節用掌側シート部材14と、患者の肘関節の背側を覆うための肘関節用背側シート部材15と、患者の肘関節の内側を覆うための肘関節用内側面側シート部材(不図示)と、患者の肘関節の外側面側を覆うための肘関節用外側面側シート部材16と、から構成され、患者の、肘関節内側掌側部、肘関節内側背側部、肘関節外側掌側部、及び肘関節外側背側部に相当する位置に接合部が形成されている。つまり、後述する位置に展開線を引いて立体裁断すると、得られる装着具本体は、患者の、肘関節内側掌側部、肘関節内側背側部、肘関節外側掌側部、及び肘関節外側背側部に相当する位置に接合部が形成されることになる。
このような肘関節用装着具は、フィット性に優れるため装着感及び外観に優れ、損傷した靭帯や骨折部を適切に保護している。更に、この肘関節用装着具は、肘関節の屈伸方向への運動が妨げられず、内外側への制動性が強化されているため、患部を保護しながら関節可動域を改善させる治療効果に優れているものである。
肘関節用装着具は、シート体として、ネオプレーン製のものを用いることができ、その厚さは1〜10mmとすることが好ましく、2〜4mmとすることが更に好ましい。
肘関節用装着具は、掌側及び背側シート部材には表面側生地部及び裏面側生地部の両方がジャージ生地であることが好ましい。内側及び外側面側シート部材には、表面側生地部が伸縮パイル生地であることがより好ましく、裏面側生地部がジャージ生地であることがより好ましい。また、内側及び外側面側シート部材の関節部にあたる部分は細くすることが好ましい。
このようにすると、肘関節の屈伸方向への運動が妨げられ難く、内外側への制動性が強化される。
肘関節用装着具は、図10に示すように、近位部及び遠位部にそれぞれストラップを取り付けることにより、装着具の着脱が容易になる。ストラップは、背側に回すことが好ましい。このようにすると、肘関節屈曲時の筋収縮による上腕掌側周径の増大に対して妨げにならない。また、内側及び外側面側シート部材に取り付けた継手を押さえこむようにストラップを回す(配置する)と、継手の固定性を強化することができる。
内側及び外側面側シート部材には、ポケットを取り付けることが好ましい。そして、このポケットに継手を差し込み、さらに側方制動性を強化することができる。
更には、継手の関節部(可動する部分)にネオプレーン(表面側生地部が伸縮パイル生地で裏面側生地部がジャージ生地)で作製したカバー(例えば、筒状のカバー)を付けてからポケットに差し込むことができる。このようにすると、継手の上記カバーと面ファスナーのループ(雌部材)で作製したポケットとの境界を覆うように面ファスナーフック(雄部材)を配置した場合(図10参照)、継手の固定力を更に高めることができる。即ち、肘を曲げたときに、継手がポケットから飛び出してくることを防止できる。面ファスナーフック(雄部材)は、図10に示すように複数枚用いることができる。
[2]装着具の製造方法:
本発明の装着具の製造方法は、以下のような各工程を有するものである。
即ち、本発明の装着具の製造方法は、患者の患部を、粘着層を有さない保護体で保護する患部保護工程と、粘着層を有するテープを保護体の上に巻き付けて仮形成体を得る仮形成工程と、仮形成体に、患者の身体の延びる方向に沿う展開線を少なくとも1本引いて展開線付き仮形成体を得る展開線記入工程と、展開線において展開線付き仮形成体を切断して複数枚の裁断型を得る裁断型作製工程と、シート材を用意し、このシート材を、裁断型のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して複数枚の材料シートを得る材料シート作製工程と、複数枚の材料シートを、仮形成体と同じ形状になるように互いに固定(接合)することによって、患者の身体を挿入するための挿入口と、この挿入口から挿入した患者の身体が延出する延出口と、を有し、内部に空間が形成された立体形状を有する装着具本体を備える装着具を作製する装着具作製工程と、を有している。なお、シート材は、シート状のゴム部材と、このゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備えるものである。
このような各工程を有することにより、フィット性に優れ装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する装着具を製造できる。更には、制動性を調整して作製しているため、適度な可動性を有することで活動時の使用に適していて、患部を保護しながら関節可動域を改善させ、更には麻痺した筋の代用を目的としても使用できる治療効果に優れている装着具を製造できる。
[2−1]患部保護工程:
本工程は、患者の患部を保護する保護体を、患部に配置するための工程である。このような工程を採用することにより、裁断型作製工程において、展開線において展開線付き仮形成体を切断する際に展開線付き仮形成体が簡単に患部から離れることになる。
「粘着層を有さない保護体」とは、患者の患部に直接粘着層が接触してしまうことがない生地や合成樹脂フィルムからなるものを意味する。なお、患者の患部に貼り付いてしまうことがない限り粘着層を有していてもよい。このような保護体としては、例えば、テープ状の布、筒状の布、合成樹脂からなるフィルムなどからなるものを挙げることができる。筒状の布としては、例えば、ストッキネットなどを挙げることができる。テープ状の布の場合、患部に巻き付けることにより保護体を形成する。保護体は、装着具の大きさよりも少し大きいものとすることが好ましい。
[2−2]仮形成工程:
本工程では、患者の患部に適切に密着した仮形成体を作製する。このような仮形成体を作製することにより、装着具が患部に適切に密着し、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護し、フィット性に優れるため装着感に優れる装着具を得ることができる。なお、肘関節用装着具を作製する際には、仮形成体は、肘関節屈曲20〜40°の肢位で形成することが好ましい。上記下限値未満であると、作製された装着具に腕を挿入し難くなるおそれがある。なお、橈骨神経麻痺用の装着具を作製する際は、仮形成体は、手関節伸展50°、手指MP関節伸展位、母指MP関節伸展位、及び、母指撓側外転位の肢位で形成することが好ましい。
「粘着層を有するテープ」としては、非伸縮性のテーピングテープを用いることができる。このテーピングテープを用いることにより、よりフィット性に優れる装着具を作製することができる。
なお、仮形成体は、装着具の大きさよりも少し大きいものとすることが好ましい。
[2−3]展開線記入工程:
本工程では、仮形成体に、患者の身体の延びる方向に沿う展開線を少なくとも1本引いて展開線付き仮形成体を得る。この展開線は、患者の身体の延びる方向に沿うものである限り特に制限はないが、患者の患部に応じて適宜設定することが好ましい。
一の実施形態の手関節用装着具を作製する場合、展開線は、手関節部、遠位手掌皮線部、手関節尺側部、母指周囲部、母指示指指間部、及び手関節撓側部に相当する部分に引かれることが好ましい。これらのうち、少なくとも、手関節撓側部、手関節尺側部、及び母指示指指間部に相当する部分に展開線を引くことが好ましい。このようにすることで、フィット性に優れ装着感及び外観が良く、手関節の疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する装着具を得ることができる。なお、手関節部及び遠位手掌皮線部は、身体の伸びる方向に対して横断する線である。
「手関節部」とは、手関節皮線から前腕の近位4分の1までの間の部分(領域)のことである。好ましくは、「手関節部」とは、手関節皮線から前腕の近位3分の1までの間の部分(領域)のことである。
「遠位手掌皮線部」とは、遠位手掌皮線の近位1cmから遠位1cmの間の部分(領域)のことである。
「手関節尺側部」とは、遠位手掌皮線部と「手関節部」とを結ぶ尺側の部分のことである。
「母指周囲部」とは、母指指節間関節の皮線から母指中手指節間関節の近位2cmまでの部分のことである。
「母指示指指間部」とは、遠位手掌皮線部と母指周囲部を結ぶ母指示指間の水掻き部分より1cmから2cm背側の部分のことである。
「手関節撓側部」とは、「手関節部」と「母指周囲部」を結ぶ撓側の部分のことである。
図2、図3は、手関節用装着具を作製する場合における展開線記入工程において、仮形成体60に6本の展開線61を引いた後の状態を示している。図2、図3は、本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。
他の実施形態の手関節用装着具(装着具101)を作製する場合、展開線は、手関節部、遠位手掌皮線部、手関節掌側尺側部、母指周囲部、母指示指指間部、手関節背側尺側部及び手関節撓側部に相当する部分に引かれることが好ましい。これらのうち、少なくとも、掌側尺側部、母指示指指間部、背側尺側部、及び手関節撓側部に相当する部分に展開線を引くことが好ましい。このようにすることで、手関節運動時において特に手関節の尺屈を制動することができ、手関節の疼痛を軽減することができる。
「手関節掌側尺側部」とは、手の掌側正中から1〜2cm尺側に寄った部分(領域)のことである。
「手関節背側尺側部」とは、手の背側正中から1〜2cm尺側に寄った部分(領域)のことである。
なお、本実施形態の手関節用装着具(装着具101)においては、手関節皮線の近位5cmから前腕の近位4分の1までの間の部分に手関節部の展開線を引くことが好ましい。更に好ましくは、手関節皮線の近位5cmから前腕の近位3分の1までの間の部分に手関節部の展開線を引くことである。
また、本実施形態の手関節用装着具(装着具101)においては、母指中手指節間関節の近位1cmから2cmの部分に母指周囲部の展開線を引くことが好ましい。
図6は、他の実施形態の手関節用装着具を作製する場合における展開線記入工程において、仮形成体60に7本の展開線61を引いた後の状態を示している。図6は、本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。
更に他の実施形態の手関節用装着具(装着具102)を作製する場合、上記装着具100を作製する際の遠位手掌皮線部に代えて、PIP関節部に展開線を引き、更に、第2の母指周囲部の展開線は、母指指節間関節(IP関節)の皮線の近位1cmからIP関節の皮線の間の部分に引く。第2の母指示指指間部の展開線は、PIP関節部と母指周囲部を結ぶ部分に引く。第2の手関節尺側部の展開線は、PIP関節部と手関節部を結ぶ部分に引く。手関節部と手関節撓側部は上記装着具100と同様の展開線を引くことができる。このようにすることで全指について基節骨部を装着具が覆うことになるため、橈骨神経麻痺などの患者においても手関節・手指MP関節(指の付け根の関節)を伸展させ、母指を伸展外転させることができる。
PIP関節部は、近位指節間関節(PIP関節)の皮線の近位1cmからPIP関節の皮線の間に位置する部分である。
「第2の母指周囲部」は、母指指節間関節(IP関節)の皮線の近位1cmからIP関節の皮線の間の部分である。
「第2の母指示指指間部」は、PIP関節部と第2の母指周囲部を結ぶ部分である。
「第2の手関節尺側部」は、PIP関節部と手関節部を結ぶ部分である。
サイズ調節部を更に備える場合、後述する材料シート作製工程において、図19に示すように裁断型の形状に加えて、サイズ調節部を配置するための余剰部67a(図19中、斜線で示す領域である)が形成されるように材料シート67を切り出す。そして、装着具作製工程において、互いに接合した材料シート67の余剰部67aにストラップを固定してサイズ調節部とすることができる。
装着具102には、手関節背側面に、ベルクロフック(面ファスナーフック(雄部材))を貼り付けることができる。このようにすると、手関節・手指MP関節の牽引力が増し、手関節・手指MP関節を更に伸展しやすくさせることができる。
肘関節用装着具を作製する場合、展開線は、近位部、遠位部、肘関節外側掌側部、肘関節外側背側部、肘関節内側掌側部、及び肘関節内側背側部に相当する部分に引かれることが好ましい。これらのうち、少なくとも、肘関節外側掌側部、肘関節外側背側部、肘関節内側掌側部、及び肘関節内側背側部に相当する部分に展開線を引くことが好ましい。このようにすることで、装着感に優れ、肘関節の疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護する装着具を得ることができる。なお、近位部及び遠位部は、身体の伸びる方向に対して横断する線である。
「近位部」とは、肘関節より近位8cmから25cmの間の部分のことである。
「遠位部」とは、肘関節より遠位8cmから25cmの間の部分のことである。
「肘関節外側掌側部」とは、近位部と遠位部を結ぶ最も外側より2cmから3cm掌側の部分のことである。
「肘関節外側背側部」とは、近位部と遠位部を結ぶ最も外側より2cmから3cm背側の部分のことである。
「肘関節内側掌側部」とは、近位部と遠位部を結ぶ最も内側より2cmから3cm掌側の部分のことである。
「肘関節内側背側部」とは、近位部と遠位部を結ぶ最も内側より2cmから3cm背側の部分のことである。
図11は、肘関節用装着具200を作製する場合における展開線記入工程において、仮形成体60に6本の展開線61を引いた後の状態を示している。図11は、本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)の製造方法の展開線記入工程を説明する模式図である。なお、図11に示すように、展開線を引くことに加えて、継手を取り付ける位置と継手の関節中心部をマーキングしてもよい。図11では、継手を取り付ける位置と継手の関節中心部を破線でマーキングしている(実際には、マーキングは破線でなく実線とすることができる)。
[2−4]裁断型作製工程:
本工程において得られる裁断型は、例えば、手関節用装着具では2枚または3枚であり、肘関節用装着具では4枚となる。そして、次の工程(材料シート作製工程)では、この裁断型に合わせてシート材を切断する。
手関節用装着具(手関節用装着具100)を作製する際における2枚の裁断型は、患者の手の背側を覆うための手関節用背側シート部材と、患者の掌側を覆うための手関節用掌側シート部材である。図4は、手関節用装着具を作製する場合における2枚の裁断型65を模式的に示している。図4は、本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の裁断型作製工程を説明する模式図である。
手関節用装着具(手関節用装着具101)を作製する際における3枚の裁断型は、患者の手の背側を覆うためのシート部材と、患者の手の掌側を覆うためのシート部材と、患者の手の尺側を覆うためのシート部材である。図7は、手関節用装着具を作製する場合における3枚の裁断型65を模式的に示している。図7は、本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の裁断型作製工程を説明する模式図である。
肘関節用装着具を作製する際における4枚の裁断型は、患者の肘関節の掌側を覆うための肘関節用掌側シート部材と、患者の肘関節の背側を覆うための肘関節用背側シート部材と、患者の肘関節の内側を覆うための肘関節用内側面側シート部材と、患者の肘関節の外側を覆うための肘関節用外側面側シート部材と、である。
図12は、肘関節用装着具200を作製する場合における4枚の裁断型65を模式的に示している。図12は、本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)の製造方法の裁断型作製工程を説明する模式図である。
[2−5]材料シート作製工程:
本工程で用いるシート材は、上述した本発明の装着具で説明したシート体と同様の構成を有するもの用いることができる。
図5は、手関節用装着具100を作製する場合において、上述のシート材を、裁断型作製工程で得られた裁断型65(図4参照)のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して得られた2枚の材料シート67を示している。図5は、本発明の装着具の一の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。
シート材は、裁断型の大きさよりも少し小さいものとすることが好ましい場合がある。つまり、シート材を裁断型の大きさよりも少し小さくすることにより、装着具のフィット性をより向上させることができる。
図8は、手関節用装着具101を作製する場合において、上述のシート材を、裁断型作製工程で得られた裁断型65(図7参照)のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して得られた3枚の材料シート67を示している。図8は、本発明の装着具の他の実施形態(手関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。
図13は、肘関節用装着具200を作製する場合において、上述のシート材を、裁断型作製工程で得られた裁断型65(図12参照)のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して得られた4枚の材料シート67を示している。図13は、本発明の装着具の更に他の実施形態(肘関節用装着具)の製造方法の材料シート作製工程を説明する模式図である。
[2−6]装着具作製工程:
本工程では、材料シート作製工程で得られた複数枚の材料シートを、仮形成工程で得られた仮形成体と同じ形状になるように互いに固定して接合部を形成する。この固定方法(接合部を形成する方法)は、ゴム部材については、接着剤を用いて互いに貼り合せて接合する方法を採用することができ、表面側生地部及び裏面側生地部については、手縫いでかがり縫いする方法、ミシンで千鳥縫いする方法を採用することができる。このようにして、患者の身体を挿入するための挿入口と、この挿入口から挿入した患者の身体が延出する延出口と、を有し、内部に空間が形成された立体形状を有する装着具本体を備える装着具を作製することができる。
手関節用装着具の一の実施形態の場合、患者の、手関節撓側部、手関節尺側部、及び母指示指指間部に相当する位置に接合部が形成されることになる。
手関節用装着具の他の実施形態の場合、患者の、手関節掌側尺側部、手関節背側尺側部、手関節撓側部、及び母指示指指間部に相当する位置に接合部が形成されることになる。
肘関節用装着具の場合、患者の、肘関節内側掌側部、肘関節内側背側部、肘関節外側掌側部、及び肘関節外側背側部に相当する位置に接合部が形成されることになる。
[2−7]その他の工程:
装着具作製工程を行った後、装着具本体における挿入口にストラップを固定することができる(ストラップ固定工程)。図14は、装着具本体における挿入口にストラップを固定した例を示している。図14は、本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節用装着具)の変形例を示す模式図である。図14に示す装着具は、特に、母指手根中手関節(母指CM関節)の変形性関節症の患者に使用することが好ましい。
また、このストラップは、装着具の上から巻き付けるように配置してもよい。このようにすることで装着具の制動性が更に向上する(図15参照)。図15は、本発明の装着具の更に他の実施形態(手関節及び母指用の装着具)の変形例を示す模式図である。図15に示す装着具は、特に、舟状骨骨折の患者に使用することが好ましい。
また、ポケット55(図15参照)を作製してもよい(ポケット作製工程)。このポケットは、熱可塑性のプラスチックや継手を差し込むことができるものである。熱可塑性のプラスチックや継手を差し込むことにより、装着具の制動性を更に向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、図15に示すような装着具を作製した。まず、粘着層を有さない筒状の布(ストッキネット)に手を通す。母指を出すために一部に孔を形成する。この孔から出した母指にはテープ状に切った布(ストッキネット)を巻き付ける。患者の患部である「遠位手掌皮線部から手関節部までの領域」及び「母指周囲部」に隙間なく保護体を形成し、手関節と母指を保護した(患部保護工程)。
次に、非伸縮性のテーピングテープ(粘着層を有するテープ)を保護体の上に巻き付けて仮形成体を得た(仮形成工程)。
次に、得られた仮形成体に、手関節部、遠位手掌皮線部、手関節尺側部、母指周囲部、母指示指指間部、及び手関節撓側部に相当する部分に展開線(合計6本)を引いて展開線付き仮形成体を得た(展開線記入工程)。
次に、展開線において「展開線付き仮形成体」を切断して複数枚の裁断型を得た(裁断型作製工程)。
次に、シート材としてネオプレーンを用意し、このシート材を、裁断型のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して複数枚の材料シートを得た(材料シート作製工程)。シート材は、シート状のゴム部材と、このゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地(伸縮パイル生地)からなる表面側生地部と、ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地(ジャージ生地)からなる裏面側生地部と、を備えるものを用いた。ゴム部材の厚さは、3mmであった。
作製した材料シートについて、背側と母指部を含めた掌側となる部分にポケットを作製した。更に、尺側部となる位置にストラップを固定した。このストラップにより着脱を容易にした。
次に、複数枚の材料シートを、仮形成体と同じ形状になるように互いに固定した(装着具作製工程)。この固定方法は、ゴム部材については接着剤を用い、表面側生地部及び裏面側生地部についてはかがり縫いを採用した。このようにして装着具本体を得た。
その後、装着具本体を患者に装着してもらい、ストラップを装着具本体上に巻き付けた。なお、ポケットに熱可塑性のプラスチックの板材を差し込んでおいた。そして、掌背側のポケットにまでストラップを回すことで熱可塑性のプラスチックの板材の固定力を増強し、制動性を強化した。
このような装着具を、患者に装着して評価を行った。
患者は、舟状骨骨折の手術を行った男性(17歳)であり、サッカー部に所属していた。ハードな練習時を行った際にも本実施例の装着具は、フィット性に優れて装着感に優れていた。また、痛みも軽減されていた。更に、本実施例の装着具は、汗をかいても洗濯が容易であった。術後約7週で問題なく骨癒合した。このように、本実施例の装着具は、フィット性に優れるため装着感及び外観に優れ、装着部分を適切に保護していた。
(実施例2)
本実施例では、図14に示すような装着具を作製した。まず、粘着層を有さない筒状の布(ストッキネット)に手を通す。母指を出すために一部に孔を形成し、この孔から母指を出した。患者の患部である「遠位手掌皮線部から手関節部までの領域」及び「母指周囲部」に隙間なく保護体を形成し、手関節と母指を保護した(患部保護工程)。
次に、非伸縮性のテーピングテープ(粘着層を有するテープ)を保護体の上に巻き付けて仮形成体を得た(仮形成工程)。
次に、得られた仮形成体に、手関節部、遠位手掌皮線部、手関節尺側部、母指周囲部、母指示指指間部、及び手関節撓側部に相当する部分に展開線(合計6本)を引いて展開線付き仮形成体を得た(展開線記入工程)。
次に、展開線において「展開線付き仮形成体」を切断して複数枚の裁断型を得た(裁断型作製工程)。
次に、シート材としてネオプレーンを用意し、このシート材を、裁断型のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して複数枚の材料シートを得た(材料シート作製工程)。シート材は、シート状のゴム部材と、このゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地(ジャージ生地)からなる表面側生地部と、ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地(ジャージ生地)からなる裏面側生地部と、を備えるものを用いた。ゴム部材の厚さは、3mmであった。
次に、複数枚の材料シートを、仮形成体と同じ形状になるように互いに固定した(装着具作製工程)。この固定方法は、ゴム部材については接着剤を用い、表面側生地部及び裏面側生地部についてはかがり縫いを採用した。その後、装着具の挿入口には、着脱し易いようにストラップを取り付けた。
このようにして、患者の身体を挿入するための挿入口と、この挿入口から挿入した患者の身体が延出する延出口と、を有し、内部に空間が形成された立体形状を有する装着具本体を備える装着具を作製した。
作製した装着具を、患者に装着して評価を行った。
患者は、左母指CM関節症(Eaton 分類 stage III)の64歳の女性であった。
痛みの評価としてVAS(視覚的評価スケール)を使用した。装着具を装着しない場合、90mmであり、装着具を装着した場合、47mmであり、装着時に痛みが軽減していた。側方ピンチ力(側方つまみにおけるピンチ力)は、装着具を装着しない場合、1.5kgであり、装着具を装着した場合、3.0kgであった。指腹ピンチ力(指腹つまみにおけるピンチ力)は、装着具を装着しない場合、1.5kgであり、装着具を装着した場合、1.9kgであった。各ピンチ力は、装着具の装着時に増加していた。各ピンチ力は、ピンチメーターを使用して測定した。
評価の結果、本実施例の装着具を使用することで、痛みを軽減しピンチ力も増加していた。そして、本実施例の装着具は、フィット性に優れるため装着感及び外観に優れ、装着部分を適切に保護していた。
(実施例3)
まず、粘着層を有さない筒状の布(ストッキネット)に腕を通し、患者の患部である肘関節近位部から遠位部にかけて隙間なく保護体を形成し、肘を保護した(患部保護工程)。
次に、肘関節について屈曲30°の肢位とし、非伸縮性のテーピングテープ(粘着層を有するテープ)を保護体の上に巻き付けて仮形成体を得た(仮形成工程)。
次に、得られた仮形成体に、近位部、遠位部、肘関節外側掌側部、肘関節外側背側部、肘関節内側掌側部、及び肘関節内側背側部に相当する部分に展開線(合計6本)を引いて展開線付き仮形成体を得た(展開線記入工程)。
次に、展開線において「展開線付き仮形成体」を切断して複数枚の裁断型を得た(裁断型作製工程)。
次に、シート材を用意し、このシート材を、裁断型のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して複数枚の材料シートを得た(材料シート作製工程)。シート材は、肘関節用掌側シート部材と肘関節用背側シート部材としては、シート状のゴム部材を備え、このゴム部材の表面及び裏面に配置される表面側生地部と裏面側生地部としてジャージ生地を備えるものを用いた。肘関節用内側面側シート部材と肘関節用外側面側シート部材としては、シート状のゴム部材と、このゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地(伸縮パイル生地)からなる表面側生地部と、ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地(ジャージ生地)からなる裏面側生地部と、を備えるものを用いた。ゴム部材の厚さは、3mmであった。
肘関節用内側面側シート部材と肘関節用外側面側シート部材には、ポケットを作製した。このポケットは、その表面に面ファスナーのループを有するものを使用した。その後、装着具の挿入口及び延出口にそれぞれストラップを2つ取り付けた。ストラップは腕の背側に回すことができるように取り付けた。
次に、複数枚の材料シートを、仮形成体と同じ形状になるように互いに固定した(装着具作製工程)。この固定方法は、ゴム部材については接着剤を用い、表面側生地部及び裏面側生地部についてはミシンによる千鳥縫いと手縫いによるかがり縫いを採用した。
このようにして、患者の身体を挿入するための挿入口と、この挿入口から挿入した患者の身体が延出する延出口と、を有し、内部に空間が形成された立体形状を有する装着具本体を備える装着具を作製した。
次に、図11に破線で示す位置に配置される継手を用意し、この継手の関節部(可動する部分)にネオプレーン(表面側生地部が伸縮パイル生地で裏面側生地部がジャージ生地)で作製した筒状のカバー21を付けた。その後、この継手をポケット23に差し込んだ。その後、継手の上記筒状のカバー21と、面ファスナーのループ(雌部材)で作製したポケット23との境界を覆うように面ファスナーフック(雄部材)25を配置した。このとき、面ファスナーフック25は、肘関節用外側面側シート部材16(これは、表面側生地部が伸縮パイル生地である)の一部も覆うように配置した(図10参照)。
屈伸時の抵抗を抑えることで肘関節を動かし易くし、側方制動性を強化するように様々な工夫をして作製した装着具を、患者に装着し評価を行った。
患者は、肘関節側副靭帯損傷に対し靭帯再建・修復術を施行した5人の男性とした。なお、5人のうち1人は、肘関節側副靭帯損傷に加えて肘関節脱臼骨折であった。評価の結果、(a)装着感がよく運動時の妨げにならない、(b)穴を開けているので通気が良い、(c)汗をかいても洗濯が可能で清潔を保てる、(d)フィットしているので装着具の上に上衣の着用が可能である、(e)早期の運動・仕事復帰が可能になる、という利点があった。また、治療終了時には全例において肘関節の可動域制限(いわゆる後遺症)や関節の動揺性(関節がぐらつくこと)がなく良好な結果となった。このように、本発明の装着具は、フィット性に優れるため装着感及び外観が良く、疼痛を軽減し、装着部分を適切に保護していた。更には、運動・仕事などの活動時の使用に適していて、患部を保護しながら関節可動域を改善させる治療効果に優れているものであった。
以上の結果から、実施例1〜3の装着具は、フィット性に優れるため装着感及び外観に優れていることが分かる。
(実施例4)
橈骨神経麻痺用の装着具を以下のようにして作製した。まず、ストッキネットに手を通し、母指を出すために一部開窓させた。次に、母指には、包帯状に切ったストッキネットを巻き付けた(患部保護工程)。
その後、手関節伸展50°、手指MP関節伸展位、母指MP関節伸展位、母指撓側外転位(つまり、手首を反らしてII〜V指を真っ直ぐ伸ばし、母指を横に開いた肢位)を保持した状態でストッキネットの上から非伸縮性のテーピングテープを緩みなく巻いた(仮形成工程)。このようにして、仮形成体を作製した。
全体をほぼ均一の厚さにテーピングテープを巻いた後、展開線を6本引いた。具体的には、展開線として、手関節部、PIP関節部、手関節撓側部、母指周囲部、母指示指指間部、及び手関節尺側部に相当する部分に引いた。このようにして、展開線付き仮形成体を得た(展開線記入工程)。
次に、展開線に沿って展開線付き仮形成体を全て切り離し、2枚の裁断型を得た(裁断型作製工程)。その後、これらをネオプレーン製のシート材に書き写し、裁断してシート部材を得た。シート材は、ゴム部材の厚さが3mmで、表面側生地が伸縮パイル生地であり、裏面側生地がジャージ生地のものを使用した。
このとき、延出口のサイズを調整可能にするため、掌側シート部材尺側のPIP関節部から近位4cmまでは裁断型よりも幅を4cm長めにして余剰部を形成し(図19中、符号67a参照)、掌側シート部材撓側の母指周囲部から近位2.5cmまでは裁断型よりも幅を2.5cm長めにして余剰部を形成した(図19中、符号67a参照)。
次に、得られた2枚のシート部材のゴム部分の2か所(母指示指指間部と手関節撓側部)を接着剤で貼り付けた。接着剤で貼り付けた部分は、ミシンで千鳥縫した。なお、両面の生地をそれぞれかがり縫いしてもよい。
手関節尺側部には、着脱しやすくするためにストラップ50(図16〜図18参照)を取り付けた。つまり、手関節尺側部の接合部は開閉自在とした。これにより手掌と前腕部のサイズ調整をすることもできる。更に、掌側シート部材尺側のPIP関節部にストラップ50(第1のサイズ調節部71)を取り付け、掌側シート部材撓側の母指周囲部にストラップ50(第2のサイズ調節部72)を取り付けた。これにより、母指周囲、II〜V指の周囲のサイズを調整可能とした。更に、通気をよくするために材料シート67に複数の孔51を開けた。
このようにして作製した装着具を橈骨神経麻痺の患者に装着し、評価を行った。なお、橈骨神経麻痺では、手関節、手指の伸展などが不能になるため様々な日常生活の動作に困難を生じる。
患者は、右橈骨神経麻痺の39歳の女性であった。接客業をしており、トーマス型懸垂スプリントなどのように金属部分が突出しているような外観に優れない装着具はつけられないとのことであったので、本実施例の装着具を装着して使用感を評価してもらった。
仕事で字を書く機会が多いとのことで、本実施例の装着具をつけて書字を行った。本実施例の装着具は、軟性素材のためテーブル上に手を置いた際も安定しておりペン先を持って書字を行うことが可能であり、書きやすいと好評を得た。更には、箸動作での評価も行った。本実施例の装着具は、MP関節の屈曲を妨げないため箸で把持する際に力が入りやすく、手関節も屈曲が可能なため箸先を口元へ運びやすかった。このような結果から、手関節・手指MP関節の伸展と母指伸展外転位を適切に支持しかつ活動時の妨げになり難いことが分かった。
(比較例1)
実施例4の患者に、MP関節支持付きカックアップスプリントを装着してもらい、使用感を評価してもらった。MP関節支持付きカックアップスプリントでは、書字において、手掌と小指の尺側部にあるプラスチック材のためテーブル上に手を置いた際に不安定な状態になった。また、ペン先から離れたところを持たないとならないため、安定した書字が困難であった。更に、箸動作の評価では、MP関節支持付きカックアップスプリントは、MP関節の屈曲を妨げ、箸で把持する際に力が入り難く、手関節の屈曲が困難なため箸先を口元へ運ぶことが難しかった。
本発明の装着具は、手関節などの患部の疼痛を軽減し装着部分を適切に保護するものとして好適に用いることができる。更に、橈骨神経麻痺におけるスプリントとして好適に用いることができる。また、本発明の装着具の製造方法は、手関節などの患部の疼痛を軽減し装着部分を適切に保護し、橈骨神経麻痺などにおけるスプリントとして使用できる装着具を製造することができる。
10:装着具本体、11:手関節用掌側シート部材、12:手関節用背側シート部材、14:肘関節用掌側シート部材、15:肘関節用背側シート部材、16:肘関節用外側面側シート部材、17,18:シート部材、21:筒状のカバー、23,55:ポケット、25:面ファスナーフック、30:接合部、31:空間、40:延出口、50:ストラップ、51:孔、56:板材、60:仮形成体、61:展開線、65:裁断型、67:材料シート、67a:余剰部、71:第1のサイズ調節部、72:第2のサイズ調節部、100,101,110,120:手関節用装着具、200:肘関節用装着具。

Claims (6)

  1. シート状のゴム部材と、前記ゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、前記ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備える複数枚のシート体から構成される装着具本体を備え、
    前記装着具本体は、複数枚の前記シート体のうちの一の前記シート体と他の前記シート体とが互いに接合された部分であって患者の身体の延びる方向に沿って延びる接合部が複数本形成され、
    前記装着具本体が、患者の身体を挿入するための挿入口と、前記挿入口から挿入した前記患者の身体が延出する延出口と、を有し、立体裁断されて内部に空間が形成された立体形状を有し、患者の患部を覆うものである装着具。
  2. 前記装着具本体が、患者の手の甲側を覆うための手関節用背側シート部材と、患者の掌側を覆うための手関節用掌側シート部材と、から構成され、患者の、手関節撓側部、手関節尺側部、及び母指示指指間部に相当する位置に前記接合部が形成されており、
    患者の手関節または母指を覆うためのものである請求項1に記載の装着具。
  3. 前記延出口が、患者の母指が延出する第1延出口とそれ以外の指が延出する第2延出口との2つからなり、前記第2延出口が、遠位手掌皮線の近位1cmから近位指節間関節の皮線の間の部分に位置するように形成されている請求項2に記載の装着具。
  4. 前記装着具本体には、前記第1延出口の大きさを調整するための第1のサイズ調節部と、前記第2延出口の大きさを調整するための第2のサイズ調節部とが配置されている請求項3に記載の装着具。
  5. 前記装着具本体が、患者の肘関節の掌側を覆うための肘関節用掌側シート部材と、患者の肘関節の背側を覆うための肘関節用背側シート部材と、患者の肘関節の内側を覆うための肘関節用内側面側シート部材と、患者の肘関節の外側を覆うための肘関節用外側面側シート部材と、から構成され、患者の、肘関節内側掌側部、肘関節内側背側部、肘関節外側掌側部、及び肘関節外側背側部に相当する位置に前記接合部が形成されており、
    患者の肘関節を覆うためのものである請求項1に記載の装着具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の装着具を製造する装着具の製造方法であって、
    患者の患部を、粘着層を有さない保護体で保護する患部保護工程と、
    粘着層を有するテープを前記保護体の上に巻き付けて仮形成体を得る仮形成工程と、
    前記仮形成体に、患者の身体の延びる方向に沿う展開線を複数本引いて展開線付き仮形成体を得る展開線記入工程と、
    前記展開線において前記展開線付き仮形成体を切断して複数枚の裁断型を得る裁断型作製工程と、
    シート状のゴム部材と、前記ゴム部材の表面に配置された伸張性を有する生地からなる表面側生地部と、前記ゴム部材の裏面に配置された伸張性を有する生地からなる裏面側生地部と、を備えるシート材を用意し、前記シート材を、前記裁断型のそれぞれの形状と同じ形状に裁断して複数枚の材料シートを得る材料シート作製工程と、
    複数枚の前記材料シートを、前記仮形成体と同じ形状になるように互いに固定することによって、患者の身体を挿入するための挿入口と、前記挿入口から挿入した前記患者の身体が延出する延出口と、を有し、内部に空間が形成された立体形状を有する装着具本体を備える装着具を作製する装着具作製工程と、を有する、患者の患部を覆うための装着具を製造する装着具の製造方法。
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