JP5877441B2 - 果実袋 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には果実袋に関し、具体的には、白桃などの収穫遅延防止や果皮、果肉障害を抑制するための果実袋に関する。
従来、白桃等の果実を病害や害虫から保護するために果実袋が使用されている。果実袋としては、例えば、新聞紙、クラフト紙等で作製されたものが用いられてきた。その後、白桃等の糖度や外観を向上させるために改良された果実袋用原紙が提案されている。
例えば、特公平4−3176号公報(特許文献1)には、パルプの中に、オレンジ色の無機または有機顔料および屈折率が1.55〜2.70のフィラーを主成分とし、分光光度計による光の透過率が400〜500nmにおいて0〜5%、700〜800nmにおいて30〜50%にある、可視光線及び紫外線領域における透過率が規定された果実袋用原紙が記載されている。特許文献1に記載の果実袋用原紙を用いた果実袋は実用化され、現在主に使用されている。
また、実開平6−9441号公報(特許文献2)には、不織布の表面に二酸化チタン層が設けられた果実袋が記載されている。この果実袋では、二酸化チタン層の白色によって太陽光線を反射し、遮熱を行い、果実袋表面の温度上昇を抑制し、味の低下を防ぐことが提案されている。また、果実袋において、二酸化チタン層の内側に黒雲母層又はアルミニウム層を形成することによって、95%以上の遮光率を得て、果実の外観を美しく仕上げることが提案されている。
また、特開2003−205968号公報(特許文献3)には、酸化チタンとセラミック粉末を合成樹脂及び紙に接着した袋の製造使用方法が記載されている。
特公平4−3176号公報 実開平6−9441号公報 特開2003−205968号公報
しかしながら、特許文献1に記載の果実袋用原紙を用いた果実袋を使用していても、地球温暖化に伴う気温の上昇により、生育中の果実温度が過度に上昇することがあり、収穫日の遅延や、果肉障害による秀品率の低下などの障害が認められることが多くなっている。
例えば、桃は被袋後約30〜70日程度で収穫が始まる。毎年、5月上旬〜7月初旬に被袋し、6月〜9月に収穫・販売される。しかし、地球温暖化の影響により気温が上昇し桃の収穫時期が遅延することがある。例えば、清水白桃は、育成途中に果実表面温度が上昇し35℃以上に達すると成長ホルモンの合成が抑制され、収穫日が遅延する場合がある。
特許文献2に記載の果実袋や特許文献3に記載の袋では、果実袋表面の温度上昇を抑制するため、太陽光線中の紫外線・可視光線に着目して、酸化チタンが用いられている。しかしながら、太陽光線中において紫外線はごく一部であり、また、可視光線は近赤外線と比較して熱エネルギーに変換されがたい。そのため、果実袋に酸化チタンを用いて紫外線または可視光線を遮ることだけでは、果実の温度上昇を防ぐためには十分ではない。さらに、特許文献2に記載されている遮光性を高めた果実袋を用いても、果実の表皮だけでなく果肉内をも美しく仕上げることはできなかった。
白桃は果実表皮及び果肉内が褐色に色づかないことが特徴であるが、育成途中に特定光線に曝されると果皮が赤く着色し、肉質を低下させる。このような果肉障害としては赤肉症がある。赤肉症は成熟果の果肉にポリフェノールであるアントシアニンが異常に蓄積される現象である。アントシアニンの異常な蓄積だけでなく、赤肉症の発生した果実は、果肉の崩壊による肉質の不良、桃特有の甘い香りであるδ−デカラクトン、γ−ドデカラクトンが少なく、赤肉症が発生していない果実より不味であることが特徴である。またこの障害は、収穫直後には外観から判断できないだけでなく、消費されるまでに着色程度が強まるため、食べる際にはじめて症状が確認されるなど、クレームの原因となり、多発すればブランドイメージを傷つけることにもなりかねない。
そこで、この発明の目的は、果実の収穫時期の遅延を防止し、かつ、果肉障害を抑制することが可能な果実袋を提供することである。
本発明者らは、地球温暖化に伴う、果実の収穫時期の遅延を防止するのみならず、桃の果肉障害である赤肉症を抑制し、さらなる品質向上を目的として、太陽光線中の近赤外線および可視光線に着目して鋭意検討を重ねた。
上述の赤肉症については、岡山大学の研究で、どのような環境で発症しやすいか明らかになってきた。しかしながら、発症を抑制させる方法は、まだ見出されていない。赤肉症が発生しやすい条件として明確な差が認められたのは剪定法の違いである。冬季を中心とした慣行の剪定(強剪定)に比べて、夏季剪定を重点的に行い、冬季の剪定量を抑える弱剪定にすると、赤肉症の発生率が増加する傾向が見られることが明らかになっている。桃の品種の一つである「紅清水」を供試した試験結果では、強剪定樹の赤肉症発生率が0〜10%であるのに対して、弱剪定樹では40〜80%となった。このため樹勢強化を目的として、農家圃場で堆肥の施用量を増やしたり、強剪定を行うなどの対策試験を行ったが、期待されたほどには赤肉症を抑制できなかった。
そこで、剪定の強弱以外に原因を探っていったところ、赤肉症の発生と果実の成熟遅延との関係が明らかになってきており、正常な成熟が何らかの要因により妨げられ、遅延すると発生が増えることが明らかとなってきている。特に成熟直前の異常な高温により果実の成熟が著しく遅延されることが判ってきており、この時期の果実温度を異常な高温にさらさないことが赤肉症の発生を抑える対策となると考えられる。
通常、桃に掛ける果実袋は橙色が一般的であり、濃色であるために可視光線及び近赤外線を吸収する。そこで、近赤外線を反射する特定の酸化チタンを含む顔料を果実袋に配合することにより、太陽光中の熱に変換されやすい近赤外線を反射し、果実温度の上昇を抑え、収穫日の遅延防止が可能になる。さらに、果実表皮や果実内部の着色防止効果が得られる。
以上の知見に基づいて、本発明に従った果実袋は、以下の構成を備える。すなわち、この発明の一つの局面に従った果実袋は、酸化チタンを含み、分光光度計による光の透過率が、300〜780nmにおいて12%以下、300〜2500nmにおいて33%以下である。
この発明に従った果実袋は、300〜780nmの日射透過率が12%以下であり、300〜2500nmの日射透過率が20%以下であることが好ましい。
この発明に従った果実袋において、酸化チタンは、近赤外線反射機能を有する酸化チタンであることが好ましい。
この発明に従った果実袋は、分光光度計による光の反射率が、300〜780nmにおいて34%以上であり、300〜2500nmにおいて46%以上であることが好ましい。
この発明に従った果実袋は、日射反射率が、300〜780nmにおいて36%以上であり、300〜2500nmにおいて44%以上であることが好ましい。
この発明に従った果実袋は、基材と、基材上に形成された、酸化チタンを含有する塗工層とを備え、塗工層は、分光光度計による光の透過率が、1000〜1400nmにおいて60%以下であることが好ましい。
この発明に従った果実袋においては、塗工層は、分光光度計による光の反射率が、1000〜1400nmにおいて40%以上であることが好ましい。
以上のように、この発明によれば、果実の収穫時期の遅延を防止し、かつ、果肉障害を抑制することが可能な果実袋を提供することができる。
実施例1〜3と比較例1の果実袋の分光透過率曲線を示す図である。 実施例1〜3と比較例1の果実袋の分光反射率曲線を示す図である。 果実袋の違いが果実袋内の果実表面の温度に及ぼす影響を示す図である。 果実袋の酸化チタン含有量の違いが果実袋内の果実表面の温度に及ぼす影響を示す図である。 果実袋の基材の違いが果実袋内の果実表面の温度に及ぼす影響を示す図である。 果実として梨を用いた場合の果実表面の温度を示す図である。 実施例1〜3と比較例4〜6の塗工層の分光透過率曲線を示す図である。 実施例1〜3と比較例4〜6の塗工層の透過率を示す図である。 実施例1〜3と比較例4〜6の塗工層の分光反射率曲線を示す図である。 実施例1〜3と比較例4〜6の塗工層の反射率を示す図である。
本発明に従った果実袋は、以下の構成を備える。すなわち、この発明の一つの局面に従った果実袋は、酸化チタンを含み、分光光度計による光の透過率が、300〜780nmにおいて12%以下、300〜2500nmにおいて33%以下である。果実袋の分光光度計による光の透過率は、300〜780nmにおいて10%以下であることが好ましく、300〜2500nmにおいて27%以下であることが好ましい。さらに、780〜2500nmにおいて32%以下であることが好ましい。
この発明に従った果実袋は、300〜780nmの日射透過率が12%以下であり、300〜2500nmの日射透過率が20%以下であることが好ましい。さらに780〜2500nmの日射透過率が33%以下であることが好ましい。
この発明に従った果実袋において、酸化チタンは、近赤外線反射機能を有する酸化チタンであることが好ましい。
この発明に従った果実袋は、分光光度計による光の反射率が、300〜780nmにおいて34%以上であり、300〜2500nmにおいて46%以上であることが好ましい。さらに、780〜2500nmにおいて49%以上であることが好ましい。果実袋の分光光度計による光の反射率は、300〜780nmにおいて38%以上であることがより好ましく、300〜2500nmにおいて51%以上であることがより好ましい。さらに、780〜2500nmにおいて55%以上であることがより好ましい。
この発明に従った果実袋は、日射反射率が、300〜780nmにおいて36%以上であり、300〜2500nmにおいて44%以上であることが好ましい。さらに、780〜2500nmにおいて54%以上であることが好ましい。果実袋の日射反射率は、300〜780nmにおいて44%以上であることがより好ましく、300〜2500nmにおいて51%以上であることが好ましい。さらに780〜2500nmにおいて60%以上であることがより好ましい。
この発明に従った果実袋は、基材と、基材上に形成された、酸化チタンを含有する塗工層とを備え、塗工層は、分光光度計による光の透過率が、1000〜1400nmにおいて60%以下であることが好ましい。
この発明に従った果実袋においては、塗工層は、分光光度計による光の反射率が、1000〜1400nmにおいて40%以上であることが好ましい。
この発明に従った一つの実施形態の果実袋は、基材と、基材上に形成された、酸化チタンを含有する塗工層とを備え、分光光度計による光の透過率が、300〜780nmにおいて12%以下、300〜2500nmにおいて33%以下である。基材としては、例えば、一般的に使用されている橙色の果実袋を用いることができる。酸化チタンを含有する塗工層は、例えば、近赤外線を反射する機能を有する特定の酸化チタンを含有するインキ組成物を基材上に塗布することによって形成される。なお、酸化チタンは、果実袋の外側表面または内側表面に塗装されて塗工層を形成することによって果実袋に含まれてもよいし、果実袋の基材に練り込まれたり、果実袋の基材を作製するときに基材を構成する繊維とともにすき込まれたり、果実袋の基材を酸化チタン溶液に含浸したりすることによって果実袋に含まれてもよい。
果実袋において、塗工層は、酸化チタンを1.0g/m以上含有することが好ましい。また、酸化チタンの含有量の上限については特に制限は無いが、塗工時の作業性や経済的な面を考慮すると、50.0g/m以下とすることが好ましく、30.0g/m以下とすることがより好ましい。
果実袋において、塗工層は、近赤外線反射機能を有する酸化チタンを含有することが好ましい。近赤外線反射機能を有する酸化チタンとは、例えば特許第4546834号公報に記載されている、近赤外線遮蔽能を有する酸化チタンをいう。近赤外線反射機能を有する酸化チタンとしては、例えば、テイカ株式会社製の酸化チタン(型番 JR−1000)がある。酸化チタンが、塗工層に含まれるのではなく、果実袋の基材に練り込まれたり、基材を構成する繊維とともにすき込まれたり、基材を酸化チタン溶液に含浸したりすることによって果実袋に含まれている場合にも、酸化チタンは、近赤外線反射機能を有するものであることが好ましい。
果実袋において、塗工層を形成するためのインキ組成物は、塗工層形成後の果実袋から酸化チタンが脱落するのを防止するために、バインダーを含んでいることが好ましい。バインダーとしては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂など種々の樹脂などを使用することができる。また、インキ組成物には、インキ組成物の調製時や果実袋への塗工時の作業性の観点から、必要に応じて各種溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、水;トルエン、キシレン、スチレンなどの炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン系溶剤など、種々のものが挙げられる。インキ組成物は、さらには、必要に応じて、防腐剤、抗菌剤、防虫剤、成長促進剤、撥水剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
このようにすることにより、果実の収穫時期の遅延を防止し、かつ、果肉障害を抑制することが可能な果実袋を提供することができる。本発明に従った果実袋は、桃、梨、ぶどう、りんご、みかんなどの柑橘類、びわ、キウイ、メロン、マンゴー、柿など、種々の果実に適用可能である。
以上の効果を確認するために、次の実施例1〜実施例3と、比較例1の果実袋を作製し、評価を行った。また、それぞれの果実袋を用いて実地試験を行って性能を比較した。
(実施例1)
<インキ組成物の調製>
ポリウレタン樹脂(不揮発成分30% 三洋化成工業株式会社製IB−422)30.0重量部と、混合溶剤(トルエン:キシレン:イソプロパノール=1:1:1)32.6重量部を前もって溶解させ、さらに、近赤外線反射機能を有する酸化チタン(テイカ株式会社製 JR−1000)45重量部を加え、撹拌して均一になるまで混合した後、ペイントコンディショナーで1時間分散した。この分散液に、前述のポリウレタン樹脂20重量部と混合溶剤9重量部とを予め混合して得られる溶液を撹拌しながら添加して、インキ組成物を調製した。レットダウンは、P(顔料)/B(樹脂)=3.0とした。
<インキ膜の作製>
上述のようにして作製したインキ組成物を、基材として用いた西日本果実袋株式会社製M−4橙袋(縦190mm、横140mm)上の表面全面に、酸化チタンの含有量が1.3g/mになるようにバーコーターを用いて塗布し、塗工層としてインキ膜を形成した。このようにして得られた果実袋を実施例1の果実袋試験片とした。
(実施例2)
酸化チタンの含有量が3.0g/mになるように塗布する以外は実施例1と同様にして果実袋試験片を作製した。
(実施例3)
酸化チタンの含有量が7.5g/mになるように塗布する以外は実施例1と同様にして果実袋試験片を作製した。
(比較例1)
比較例1の果実袋としては、西日本果実袋株式会社製M−4橙袋を用いた。すなわち、実施例1〜実施例3で用いた西日本果実袋株式会社製M−4橙袋上にインキ膜を形成しないものを比較例1の果実袋試験片として用いた。
<インキ膜の評価>
実施例1〜実施例3と比較例1の試験片について、株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計U−4100により、分光透過スペクトルを測定した。測定された分光透過率に基づき、300nm〜2500nmにおける透過率とJIS K 5602に準じて、日射透過率を算出した。また、JIS K 5602に準じて、300nm〜2500nmにおける日射反射率を算出した。
(実地試験)
実施例1〜実施例3の果実袋と、比較例1の果実袋のそれぞれを、50袋ずつ、供試樹として清水白桃合計4樹に被袋した。それぞれの果実袋による収穫日の促進効果、果皮着色割合、赤肉発生割合を調べた。
<収穫日の促進効果>
比較例1の果実袋を被袋した果実50個の平均の収穫日を基準日として、他の果実袋を被袋した果実の収穫日と基準日との差を調べた。実施例1の果実袋を被袋した果実50個の平均の収穫日は基準日と比較して0.4日早かった。実施例2の果実袋を被袋した果実50個の平均の収穫日は基準日と比較して1.0日早かった。実施例3の果実袋を被袋した果実50個の平均の収穫日は基準日と比較して1.7日早かった。
<果皮着色割合>
果皮着色は0:全く着色がない、1:果頂部先端からの約1cm程度の範囲(果実表面の5%以下が着色)、2:果頂部先端から約1〜3cm程度(全体の5〜10%程度)が着色、3:果頂部先端から3cm〜5cm範囲で着色(全体の10〜30%)、4:果頂部先端から5cm以上が着色(ほぼ全面)の基準で判定した。果皮着色程度2以上は、非常に目立ち、商品性が下がる可能性がある。
<赤肉発生割合>
赤肉症は果実側面を縦に切断後、観察して判断した。基準は0:全く着色がない正常果、1:果肉の10%程度がピンクまたは赤変、2:果肉の10〜30%がピンクまたは赤変、3:果肉の30%以上80%程度がピンクまたは赤変、4:果肉全面(80%以上)が濃く赤変とした。赤肉症の発生程度3以上は、非常に目立ち、商品性が下がる可能性がある。
上述の果実袋の透過率、日射透過率の測定結果と実地試験の結果を表1に示す。
Figure 0005877441
図1と表1に示すように、実施例1〜実施例3の果実袋は、いずれも、比較例1の果実袋よりも300〜2500nmの日射透過率が低く、収穫日が比較例1の収穫日よりも早かった。
上述のインキ膜の日射反射率の測定結果と実地試験の結果を表2に示す。
Figure 0005877441
図2と表2に示すように、実施例1〜実施例3の果実袋を用いた場合には、いずれも、比較例1と比較して日射反射率が高く、実施試験では、果皮の着色割合が低く、また、赤肉発生割合が低かった。
以上の結果から、実施例1〜実施例3の果実袋は、収穫日の促進効果があり、かつ、果肉障害を抑制することが可能であることがわかった。比較例1の果実袋は、収穫日の促進効果がなく、果皮の着色割合が比較的高く、赤肉の発生割合も比較的高かった。
次に、果実袋の違いが果実袋内の果実表面の温度に及ぼす影響を調べた。実施例1〜実施例3の果実袋と、比較例1の果実袋と、比較例1の果実袋を2枚重ねたものとを、それぞれ、50袋ずつ、供試樹として清水白桃合計4樹に被袋した。それぞれの果実袋内の果実表面の温度を測定し、50袋の平均値を求めた。以下の説明において、各実施例、比較例の温度として記載されている数値は、その実施例または比較例の果実袋を被袋したすべての果実について測定された温度の平均値である。温度の測定は、2010年7月21日13時〜14時の間に行った。
図3に示すように、外気温が36℃を超えているとき、いずれの果実袋でも、果実袋内の果実表面の温度は外気温よりも低かった。実施例1〜3の果実袋では、塗工層中に含まれる酸化チタンの量が比較的多い、実施例2と実施例3で、特に果実表面の温度が低かった。また、比較例1の果実袋と、比較例1の果実袋を2枚重ねたものとでは、比較例1の果実袋を2枚重ねたものの方がわずかに果実表面の温度が下がったものの、果実表面の温度は35℃を超えていた。図3に示す結果と、表1、表2に示す結果から、果実表面の温度が低いほど収穫日の促進効果が大きいことが確認できた。
(酸化チタン含有量の影響について)
次に、以下の実施例4及び5の果実袋を作製し、実施例3〜5と比較例1の果実袋を用いて実地試験を行って、酸化チタンの含有量とインキ組成物中のバインダーの影響を評価した。
(実施例4)
酸化チタンの含有量が22.5g/mになるように塗布する以外は実施例1と同様にして果実袋試験片を作製した。すなわち、実施例4の果実袋の酸化チタン含有量は、実施例3の果実袋の3倍である。
(実施例5)
インキ組成物の調製において、ポリウレタン樹脂の代わりに、アクリル樹脂(不揮発成分50% DIC株式会社製アクリディック(登録商標)A−1712)を用い、前述のアクリル樹脂20.0重量部と、混合溶剤(トルエン:酢酸ブチル=7:3)25.0重量部を前もって溶解させ、さらに、近赤外線反射機能を有する酸化チタン(テイカ株式会社製 JR−1000)45重量部を加え、撹拌して均一になるまで混合した後、ペイントコンディショナーで1時間分散した。この分散液に、前述のアクリル樹脂10重量部を撹拌しながら添加して、インキ組成物を調製した。レットダウンは、P(顔料)/B(樹脂)=3.0とした。このようにして作製したインキ組成物を、基材として用いた西日本果実袋株式会社製M−4橙袋(縦190mm、横140mm)上の表面全面に、酸化チタンの含有量が7.5g/mになるように塗布し、塗工層としてインキ膜を形成することで果実袋試験片を作製した。すなわち、実施例5の果実袋の酸化チタン含有量は、実施例3の果実袋と同じである。
(実地試験)
実施例3〜実施例5と比較例1の果実袋のそれぞれを、24袋ずつ、供試樹として清水白桃RS合計4樹に被袋した。それぞれの果実袋による果実温度への影響と、収穫日の促進効果を調べた。
<果実温度への影響>
高温時日中の果実温度は、放射温度計(CHINO社製、IR−TAP)を用いて、果実袋底部の開口部から測定した。温度測定は、2011年7月29日(満開107日後)14時〜14時45分の間に行った。また、満開90日後からの温度変化は、果実表面にセンサを取り付け、満開90日〜115日後までデータロガー(TR71U)を用いて10分間隔で連続測定した。
<収穫日の促進効果>
成熟時期は、クロロフィル計により予め機械選果程度の果皮色を把握しておき、その基準に達した果実を毎日収穫して把握した。比較例1の果実袋を被袋した果実24個の平均の収穫日を基準日として、他の果実袋を被袋した果実の収穫日と基準日との差を調べた。
実施例3〜5と比較例1の果実袋の透過率、日射透過率、反射率、日射反射率の測定結果を表3に、実地試験の結果を表4に示す。
Figure 0005877441
Figure 0005877441
表4と図4に示すように、実施例3〜5の果実袋では、いずれも、比較例1の果実袋と比較して、高温時日中の果実温度が1℃前後低かった。
満開後90日後から連続測定した果実温度は、最高温度については、実施例3〜5の果実袋では比較例の果実袋よりも0.6〜1.9℃低かった。また、35℃以上の積算時間は実施例5で最も短く、次いで実施例3、実施例4の順に短く、比較例1の果実袋が最も長かった。
収穫日の促進効果については、実施例3の果実袋を被袋した果実24個の平均の収穫日は基準日と比較して1.4日早かった。実施例4の果実袋を被袋した果実24個の平均の収穫日は基準日と比較して0.9日早かった。実施例5の果実袋を被袋した果実24個の平均の収穫日は基準日と比較して1.0日早かった。
以上のように、実施例3〜5の果実袋は、いずれも、比較例1の果実袋と比べて果実温度を抑制する効果があった。実施例4の果実袋は実施例3の果実袋よりも酸化チタンの含有量が3倍多いが、果実温度の抑制効果は実施例3と同程度であった。
また、収穫時に果梗を観察したところ、インキ組成物にポリウレタン樹脂を用いた実施例3及び4と比較して、アクリル樹脂を用いた実施例5の果実袋では、果梗離脱果の発生率が低かった。実施例5の果実袋では、さらに、実施例3または実施例4の果実袋と比較して、被袋作業時および収穫作業時に果実袋がべたつきにくく、果実袋どうしが接着しにくく、作業性を向上させることもできた。
(基材の影響について)
次に、以下の実施例6〜8の果実袋を作製し、実施例5〜8と比較例1の果実袋を用いて実地試験を行って、基材の影響を評価した。
(実施例6)
基材として、西日本果実袋株式会社製M−4橙袋の全体にエンボス加工を施したものを用いた以外は、実施例5と同様にして果実袋試験片を作製した。
(実施例7)
基材として、実施例5の基材と比較して厚みが90%である西日本果実袋株式会社製M−43橙袋を用いた以外は、実施例5と同様にして果実袋試験片を作製した。
(実施例8)
基材として、大きさが縦200mm、横160mmの西日本果実袋株式会社製M−4橙袋を用いた以外は、実施例5と同様にして果実袋試験片を作製した。
(実地試験)
実施例5〜8と比較例1の果実袋のそれぞれを、24袋ずつ、供試樹として清水白桃RS合計4樹に被袋した。それぞれの果実袋による果実温度への影響と、収穫日の促進効果、赤肉発生の抑制効果を調べた。
<果実温度への影響>
高温時日中の果実温度は、放射温度計(CHINO社製、IR−TAP)を用いて、果実袋底部の開口部から測定した。温度測定は、2012年7月25日(満開105日前後)15時〜15時30分の高温時の間に行った。
<収穫日の促進効果>
成熟時期は、クロロフィル計により予め機械選果程度の果皮色を把握しておき、その基準に達した果実を毎日収穫して把握した。比較例1の果実袋を被袋した果実24個の平均の収穫日を基準日として、他の果実袋を被袋した果実の収穫日と基準日との差を調べた。
<赤肉発生割合>
赤肉症は上述のように判断した。すなわち、果実側面を縦に切断後、観察して判断した。基準は0:全く着色がない正常果、1:果肉の10%程度がピンクまたは赤変、2:果肉の10〜30%がピンクまたは赤変、3:果肉の30%以上80%程度がピンクまたは赤変、4:果肉全面(80%以上)が濃く赤変とした。
実施例5〜8と比較例1の果実袋の透過率、日射透過率、反射率、日射反射率の測定結果を表5に、実地試験の結果を表6に示す。
Figure 0005877441
Figure 0005877441
表6と図5に示すように、実施例5〜8の果実袋では、いずれも、比較例1の果実袋と比較して、高温時日中の果実温度が明らかに低かった。
収穫日の促進効果についても、実施例5〜8の果実袋では、いずれも、比較例1の果実袋と比較して、収穫日を促進する効果があった。特に、実施例7の果実袋では明らかに収穫日が促進された。
赤肉については、実施例5〜8の果実袋では、いずれも、比較例1の果実袋と比較して、発生が抑制される傾向が見られた。特に、実施例6と実施例8の果実袋では、明らかに赤肉の発生が抑制された。
(梨に対する効果について)
梨は、収穫前の高温、特に西日が直接当たるような果実で果肉障害の発生が多いことが知られており、例えば、日本国内での生産量が多い品種「新高」では、収穫前40日以降の果実温度が高くなると、みつ症などの果肉障害が発生しやすいことが知られている。そこで、果実として梨を用いて、本発明の果実袋による果実温度抑制の効果を確認した。
(実施例9)
果実袋の基材として、トリカ社製の果実袋(45−2L)を用いた以外は、実施例5と同様にして果実袋試験片を作製した。
(比較例2)
対照として、インキ膜を形成しない果実袋を比較例2の果実袋試験片とした。
実施例9と比較例2の果実袋を、2012年9月上旬から10月10日にかけて、梨「新高」の果実10個ずつに被袋した。収穫当日の2012年10月10日14時に果実袋の一部を破り、直後に放射温度計(CHINO社製、IR−TAP)を用いて測定した。酸化チタンを含有する塗工層(実施例9)と、インキ膜を形成しない試験片(比較例2)の透過率、日射透過率、反射率、日射反射率の測定結果を表7に示す。
Figure 0005877441
図6に示すように、実施例9の果実袋では、比較例2の果実袋と比較して、1.2℃、果実温度が低かった。
(ぶどうに対する効果について)
従来のぶどう用果実袋は、温度上昇を抑制する機能については重視されていない。このため異常高温に曝されると、収穫前後の異常な果粒の軟化、収穫後の鮮度低下が早まるなどの障害発生が認められる。そこで、果実としてぶどうを用いて、本発明の果実袋による果実温度抑制の効果を確認した。
(実施例10)
果実袋の基材として、慣行の白袋(有限会社藤井製袋所製 ピオーネ用フジバッグ止め金入り有底(210mm×295mm))を用いた以外は、実施例5と同様にして果実袋試験片を作製した。
(比較例3)
対照として、インキ膜を形成しない、上述の白袋を比較例3の果実袋試験片とした。
実施例10と比較例3の果実袋の透過率、日射透過率、反射率、日射反射率の測定結果を表8に示す。
Figure 0005877441
実地試験としては、まず、12年生「ピオーネ」1樹(トンネル栽培)の果実76個に、2012年6月29日に比較例3の果実袋を被袋した。その後、(1)果粒軟化1週前(2012年7月6日)、(2)果粒軟化(2012年7月15日)、(3)果粒軟化2週後(2012年7月29日)、(4)果粒軟化4週後(2012年8月12日)から、それぞれ、果粒軟化9週後(2012年9月14日)までの期間、比較例3の果実袋を実施例10の果実袋に掛け替えた。上記の(1)〜(4)には、それぞれ、14個ずつ果実袋を掛け替えた。
被覆期間中の各袋内の温度と外気の温度を、日置株式会社製データロガー3633を用いて、午前6時から午後6時の間、30分間隔で測定した。結果を表9に示す。
Figure 0005877441
表9に示すように、実施例10の果実袋では、比較例3の果実袋と比べて、日中の最高温度を0.5℃〜0.8℃、低く抑えることができた。
また、本発明の果実袋がハウス内のぶどうの果実温度に及ぼす影響を次のようにして調べた。
実地試験としては、まず、5年生「ピオーネ」2樹(無加温・灌水同時施肥栽培)の果実20果房に、2012年6月19日(果粒軟化10日後)に笠を掛けた。その後、果粒軟化3週後(2012年7月6日)に、10果房の笠を実施例10の果実袋に掛け替えた。
被覆期間中の各袋内の温度と、笠の内部の温度と、外気の温度を、日置株式会社製データロガー3633を用いて、30分間隔で測定した。結果を表10に示す。
Figure 0005877441
表10に示すように、実施例10の果実袋を被袋したぶどうでは、果実袋を使用せず笠のみを掛けたぶどうと比較して、日中の最高温度を0.4℃低くすることができた。
(塗工層に含まれる酸化チタンの影響について)
次に、塗工層に含まれる酸化チタンの種類と量が、塗工層の透過率と反射率に及ぼす影響を調べた。上述の実施例1〜3のインキ膜を、基材として西日本果実袋株式会社製M−4橙袋を用いる代わりに、透明なPETフィルム上に形成し、PETフィルムをベースラインとして塗工層の透過率を測定した。また、上述の実施例1〜3のインキ膜を、隠ぺい率試験紙(JIS K5600−4−1(1999)4.1.2に規定)の黒部上に形成し、塗工層の反射率を測定した。なお、各塗工層に含まれる酸化チタンの量は実施例1〜3と同様にした。このようにして、基材上に形成された塗工層の透過率と反射率を測定した。
また、以下に述べるようにして比較例4〜6の塗工層試験片を作製し、透過率と反射率とを測定した。
(比較例4)
<インキ組成物の調製>
ポリウレタン樹脂(不揮発成分30% 三洋化成工業株式会社製IB−422)30.0重量部と、混合溶剤(トルエン:キシレン:イソプロパノール=1:1:1)32.6重量部を前もって溶解させ、さらに、顔料用酸化チタン(テイカ株式会社製JR−701)45重量部を加え、撹拌して均一になるまで混合した後、ペイントコンディショナーで1時間分散した。この分散液に、前述のポリウレタン樹脂20重量部と混合溶剤を9重量部とを予め混合して得られる溶液を撹拌しながら添加して、インキ組成物を調製した。レットダウンは、P/B=3.0とした。
<インキ膜の作製>
上述のようにして作製したインキ組成物を、上述のPETフィルム及び隠ぺい率試験紙に、酸化チタンの含有量が1.3g/mになるようにバーコーターを用いて塗布し、塗工層としてインキ膜を形成したものを比較例4の塗工層試験片とした。
(比較例5)
比較例5の塗工層試験片は、酸化チタンの含有量が3.0g/mになるように塗布すること以外は比較例4と同様にして作製した。
(比較例6)
比較例6の塗工層試験片は、酸化チタンの含有量が7.5g/mになるように塗布すること以外は比較例4と同様にして作製した。
実施例1〜3の塗工層と、比較例4〜6の塗工層について、上述のPETフィルム上の塗膜の透過スペクトルを測定した。また、上述の隠ぺい率試験紙黒部上の塗膜の反射スペクトルを測定した。測定された透過スペクトルと反射スペクトルから、塗工層の透過率と反射率を求めた。透過率を表11に、反射率を表12に示す。
Figure 0005877441
Figure 0005877441
図7と図8と表11に示すように、塗工層の透過率は、実施例1〜3では全体的に、比較例4〜6よりも低かった。特に、1000nm以上の波長の範囲では、実施例1〜3の塗工層の透過率は60%以下の範囲に収まり、一方、比較例4〜6の塗工層の透過率は60%を超えていた。実施例1〜3のうちでは、塗工層中の酸化チタンの量が多いものほど透過率が低かった。比較例4〜6のうちでも、塗工層中の酸化チタンの量が多いものほど透過率が低かった。また、顔料用の酸化チタンを用いた比較例4〜6よりも、近赤外線反射機能を有する酸化チタンを用いた実施例1〜3の方が、1000〜1400nmにおいて透過率が低かった。
図9と図10と表12に示すように、塗工層の反射率は、実施例1〜3では全体的に、比較例4〜6よりも高かった。特に、1000nm以上の波長の範囲では、実施例1〜3の塗工層の反射率の方が比較例4〜6より高く、実施例1〜3のうちでは、塗工層中の酸化チタンの量が多いものほど反射率が高かった。比較例4〜6のうちでも、塗工層中の酸化チタンの量が多いものほど反射率が高かった。また、顔料用の酸化チタンを用いた比較例4〜6よりも、近赤外線反射機能を有する酸化チタンを用いた実施例1〜3の方が、1000〜1400nmにおいて反射率が高かった。
以上のように、本発明のもう一つの局面に従った果実袋は、基材と、基材上に形成された、酸化チタンを含有する塗工層とを備え、塗工層は、分光光度計による光の透過率が、1000〜1400nmにおいて60%以下である。また、塗工層は、近赤外線反射機能を有する酸化チタンを含有し、分光光度計による光の反射率が、1000〜1400nmにおいて40%以上であることが好ましい。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形を含むものである。
本発明の果実袋を用いることによって、果実の収穫時期の遅延を防止し、かつ、果肉障害を抑制することができる。

Claims (7)

  1. 酸化チタンを含み、
    分光光度計による光の透過率が、300〜780nmにおいて12%以下、300〜2500nmにおいて33%以下である、果実袋。
  2. 300〜780nmの日射透過率が12%以下であり、300〜2500nmの日射透過率が20%以下である、請求項1に記載の果実袋。
  3. 前記酸化チタンは、近赤外線反射機能を有する酸化チタンである、請求項1に記載の果実袋。
  4. 分光光度計による光の反射率が、300〜780nmにおいて34%以上であり、300〜2500nmにおいて46%以上である、請求項1に記載の果実袋。
  5. 日射反射率が、300〜780nmにおいて36%以上であり、300〜2500nmにおいて44%以上である、請求項1に記載の果実袋。
  6. 基材と、
    前記基材上に形成された、酸化チタンを含有する塗工層とを備え、
    前記塗工層は、分光光度計による光の透過率が、1000〜1400nmにおいて60%以下である、請求項1に記載の果実袋。
  7. 前記塗工層は、分光光度計による光の反射率が、1000〜1400nmにおいて40%以上である、請求項6に記載の果実袋。
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