JP5872340B2 - 強制排水ポンプ - Google Patents

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本発明は、例えば、ビル、住宅等の建造物の水回りにおいて汚物、雑排水、その他の液体を効率よく排出するための強制排水ポンプに関し、特に既設の設備に対する後付けが容易であり、しかも水回り設備の施工自由度を高めることができる強制排水ポンプに関する。
ビル、住宅等の建造物に設置されるトイレ、洗面所、キッチン、洗濯場等の水回りを設計、施工する際には、床下に施工する排水管(横管)に勾配を設けて重力を利用した排水を促進し、集合立管等を経由して地下の汚水槽に搬送する自然流下方式を採用するのが一般である。しかし、勾配を設けた排水管を床下に配管するためには躯体の床下空間高さ、或いは天井懐空間高さ内で施工せねばならない。このため、便器等の各排水器具の設置位置は、集合立管からの距離の制約を受けることとなる。或いは、排水管の勾配分の高さを確保するために、空間高さを大きく確保する必要が生じる不都合がある。
また、ビル等の床面積が大型化し、水回り設備が多様化すると、集合立管と排水機器との離隔距離が長大化した居住区域が増え、自然流下方式だけに依存する場合には、躯体の床下空間高さ、天井懐空間高さを大きくしない限り、それらの排水機器からの勾配確保が困難となる。しかし、最近のビル等の設計においては、上記空間高さを可能な限り減縮させるべき旨の要請が強く、排水管の勾配確保の要請とのマッチングが難しくなっている。
このような不具合に対処するためには、トイレ、洗面所、キッチン、洗濯場等に設置される便器、洗面台、流し台、洗濯機等の排水機器からの排水管に強制排水用のポンプを接続し、汚物、雑排水を水平な配管経路を経て強制排水することが有効である(特許文献1)。
特許文献1には、便器自体に予め圧送排水用のポンプを組み込むことにより現場施工性を高めた便器が開示されている。
しかし、この圧送排水用のポンプは、便器のボウル部の後方直下に設けた空間内にポンプを近接配置して便器と直結することにより、便器、及びポンプをユニット化した特殊構造であり、既設の従来構造の便器にポンプを後付けすることにより発送排水方式に改良するという工事には適用することができない。また、便器のボウル部の後方直下の僅かな空間内に貯留槽とポンプを配置する構成であるため、小型のポンプしか利用することができず、得られる出力に限界がある。
また、このポンプは便器専用の直結型であるため、このポンプを利用して他の排水機器からの汚物、雑排水を集合立管に圧送排出することはできない。
このような不具合を解決するために特許文献2には、ポンプケーシングを内胴部と外胴部との二重胴構造とし、両胴部の間に空気溜まりとしての空間を設け、更に、空間を側部空間と空気室とから構成し、空気室内水位の変化を空気室内の内圧の変化として検出し、外部からの排水の流入・排出によって生じる空気室内圧の変化を利用してポンプをオンオフ制御することができるようにした強制排水ポンプが開示されている。
図16(a)及び(b)は特許文献2に係る強制排水ポンプの要部を断面で示す正面図((b)のA−O−B断面図)、及び横断面図((a)のX−X断面図)である。
この強制排水ポンプは、ビル、住宅等の建造物の水回りに配置される便器、洗面台、流し台、洗濯機等の排水機器からの汚物、雑排水を効率よく下流側に排出するための手段であり、建造物等の床面上に設置された排水機器から延びる流入配管と排水配管との間に配置される床上設置型である。
強制排水ポンプは、下部から出力軸201を突出させた縦軸型のモータ200、及び出力軸201に固定されることにより出力軸と一体回転する羽根車205を備えたモータユニット204と、モータユニット204を支持した状態で流入配管250及び排水配管251と夫々連通接続されるポンプケーシング210と、を備える。
ポンプケーシング210は、羽根車205を内部に収容した状態でモータ200を水密的に支持する中空筒状の内胴部211と、内胴部211の下部との間に空間230を介して離間配置された大径の外胴部220と、外胴部220に設けられて流入配管及び排水配管と夫々接続される流入ノズル221及び排水ノズル222と、空間230を大気と連通させる通気孔225と、を備える。
内胴部211は、羽根車205を包囲するように羽根車の外径方向から下方に相当する部位に形成されたボリュート部212と、ボリュート部212の下部中央に形成されたボリュート吸い込み口213と、を備え、内胴部内部は排水ノズル222と連通している。更に、内胴部211は、モータの出力軸201を回転自在に軸支する図示しない軸受部を備えている。
空間230は、外胴部220の内底面220aとボリュート部212の下部との間に形成されて流入ノズル221と連通した底部空間231と、底部空間231と連通しボリュート部の外径側にこれを包囲するように形成された側部空間235と、を備えている。
側部空間235は、仕切り部材236によって流入側に設けられた一つの貯留室237と、吐出側に設けられた二つの空気室238とに仕切られている。
貯留室237の外壁には流入ノズル(流入開口)221が設けられている。
一方の空気室238の上部には、図示しない空圧検出器と連通する空気圧検出口240が設けられている。空気圧検出口240からは外気と連通しない空気圧検出室241が上向きに延びており、空気圧検出室241内には空圧検出器が配置されている。
モータ200の起動スイッチ(空気圧スイッチ)は、空圧検出器によって空気室238内の空気圧が所定の規定値を越えたことが検出された時に作動(オン)し、規定値を下回った時にオフするように構成されている。排水がポンプケーシング内に流入していない場合には空気室内水位が低下して空気室238内の空気圧が規定値よりも低い状態にあるため、モータの起動スイッチは作動せず、モータがオフの状態にある。一方、排水がポンプケーシング内に流入することによって空気室238内の水位が上昇して内部空気圧が上昇して規定値を超えた際に空圧検出器が作動して起動スイッチをオンさせてモータを起動させる。
ところで、流入配管250からの水の流入によってモータ200が駆動して羽根車205が回転すると、流入配管から導入された水が底部空間231、ボリュート212を経由して排水配管251へ排出されるが、羽根車205の回転による遠心力によってボリュート212内の羽根車中心部付近の圧力が低下(負圧)する。この負圧は運転中にボリュート吸込み口213及び空間231を経由して空気室238内の空気圧も低下させる。即ち、羽根車中心部に発生した負圧により、空気室内の水位が低下すると同時に空気室内の圧力も低下する。空気室内の圧力が所定値よりも低下すると、空圧検出器がオフとなってモータ200を停止させる。モータが停止することによりポンプによる吸引が停止すると空気室内の圧力が復帰(上昇)する。このとき、流入が継続中で水位が所定値以上である場合には、空気室内の圧力が所定値以上に上昇し、モータが再始動して流入配管からの吸引を開始する。このようなオフ、オンの繰り返しを、流入がなくなるまで繰り返し、流入がなくなってからポンプが停止する。本来連続した動作が求められるポンプの運転中に、羽根車中心部の負圧に起因したモータのオフ、オンが比較的短いサイクルで繰り返されることにより、機器の早期損傷、不快な運転音、排水効率の低下などの不具合が発生する。
また、水の流入がなくなりポンプが停止した直後の残水水位が仕切部材236の下端縁以上の場合、空気室内の圧力はポンプの運転中に発生した負圧状態が維持される(空気室内水位は仕切部材236の下端236aを上回る)ことがあるが、この状態では再度流入があっても空圧検出器が作動しないためモータは始動しない。この場合に、モータが始動するのは、一定時間が経過してポンプ内水位(空気室内水位)が仕切部材236の下端縁よりも低くなって大気と連通したときである。このようなモータの作動不良の改善が従来から求められているが、解決されていない。
なお、流入配管側の圧力(押込み圧)が十分ある場合は、空気室内圧力が低下しても負圧状態にはならないが、流入側の水回り器具は通常流し込み状態であり圧力がほとんどなく、流速による圧力上昇(速度水頭)を考慮しても羽根車の吸引力(Req.NPSH)により負圧となる。
特開2005−105581公報 特開2011−169078公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ビル、住宅の水回りに設置される便器、洗面台、流し台、洗濯機等の排水機器からの汚物、雑排水、その他の流体を効率よく下流側に排出するための強制排水ポンプであって、既設の排水機器に対する後付けが容易であり、且つ水回り設備の施工自由度を高めることができる強制排水ポンプを提供することを目的としている。
特に、モータによって回転駆動される羽根車により発生する負圧が、空圧検出器を装備した空気室内の気圧を低下させることに起因して発生するポンプの作動不良を効果的に解消することができる強制排水ポンプを提供するものである。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る強制排水ポンプは、流入配管と排水配管との間に配置される強制排水ポンプであって、出力軸を備えたモータ、及び該出力軸に固定された羽根車を備えたモータユニットと、前記モータユニットを支持した状態で前記流入配管及び排水配管と夫々連通接続されるポンプケーシングと、を備え、前記ポンプケーシングは、前記羽根車を内部に収容した状態で前記モータを支持する中空の内胴部と、該内胴部の下部との間に空間を介して離間配置され前記内胴部よりも大径の外胴部と、該外胴部に設けられて前記流入配管及び排水配管と夫々接続される流入ノズル及び排水ノズルと、前記空間を大気と連通させる通気孔と、を備え、前記内胴部は、前記羽根車に相当する部位に形成されたボリュート部と、該ボリュート部の下部に形成されたボリュート吸い込み口と、該ボリュート部の側壁に形成され前記排水ノズルと連通する吐出開口部と、を備え、前記空間は、前記外胴部の内底面と前記ボリュート部下部との間に形成されて前記流入ノズルと連通した底部空間と、該底部空間と連通し前記ボリュート部の外径側に形成される側部空間と、を備え、前記側部空間には、下端縁が前記底部空間の内底面に達しない位置で終端する仕切部材によって空気室が形成されており、前記空気室には、空圧検出器を備え且つ外気と連通しない空気圧検出室が連通形成されており、前記空気圧検出室よりも下方位置には、前記空気室を大気と連通させる大気連通部が設けられており、前記大気連通部の上端部は、前記仕切部材の下端縁よりも上方に位置していることを特徴とする。
ポンプケーシングを、内胴部と外胴部との二重胴構造とし、両胴部の間に空気溜まりとしての空間を設けた。更に、空間は側部空間と空気室とからなり、空気室内の内圧の変化を利用してモータをオンオフ制御することができる。
また、モータの運転中に羽根車の回転による遠心力によって羽根車中心部に負圧が発生すると、空間内の流体と、空気室内の空気が吸引されるため、空気室内の水位が低下すると共に、空気室内の圧力が低下する。大気連通部の高さ位置は、仕切部材下端縁の各高さ位置よりも上方にあるため、空気室内の水位が大気連通部を下回って空気室と大気とが連通することにより、空気室内の気圧が大気圧に開放される。
請求項2の発明は、前記大気連通部は、前記空気室の側壁に貫通形成された空気室用通気孔であることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記空気室を空気圧検出室としての第1の小室と、大気と連通した第2の小室とに仕切ると共に下端縁が前記仕切部材の下端縁よりも上方に位置する仕切壁を備え、前記第1の小室の前記仕切壁下端縁よりも上方には、前記空気圧検出室が形成され、前記第2の小室は、前記仕切壁下端縁よりも上方において大気と連通する空気室用連通孔を備え、前記第1の小室と前記第2の小室は、前記空気室内の水位が前記仕切壁の下端縁を下回った時に連通するように構成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記排水配管下流側に立ち上がり部があり、該立ち上がり部に逆流防止用のチェッキ弁が設置されている場合において、前記空気室は、ポンプ停止時に前記チェッキ弁下流側配管に背圧がある状態における該空気室内の水位が、同じ時における該上向き配管内のチェッキ弁上流側配管内の水位を下回らない上方位置に配置されていることを特徴とする。
前記排水配管の下流側には上向きに立ち上がった上向き配管部があり、該上向き配管部には排水の上昇を禁止したり、禁止を解除するチェッキ弁が設けられており、前記空気室は、前記チェッキ弁が排水の上昇を禁止している時における該空気室内の水位が、同じ時における該上向き配管内の水位を下回らない上方位置に配置されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記モータを制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記空気圧検出室としての空気室内の空気圧が規定値を越えたことを前記空圧検出器が検出したときに前記モータを駆動させる駆動指令信号を出力し、前記空気圧が前記規定値を下回ったことを前記空圧検出器が検出したときに前記モータの駆動を停止させる駆動停止指令信号を出力し、前記制御手段は、前記モータの駆動中に、前記空圧検出器が前記空気圧が規定値を下回ったことを検出したときに直ちにモータを停止させずに、所定時間運転を継続させた後で停止させるように制御することを特徴とする。
請求項6の発明は、前記制御手段は、前記モータを前記所定時間運転継続させている途中で、前記空圧検出器が前記空気圧が規定値を越えたことを検出した場合には、前記所定時間の残りの運転時間の計時を中止し、新たに所定時間、前記モータを運転させることを特徴とする。
本発明によれば、モータによって回転駆動される羽根車により発生する負圧が、空圧検出器を装備した空気室内の気圧を低下させることに起因して発生するポンプの作動不良を効果的に解消することができる。
本発明の一実施形態に係る強制排水ポンプの構成を示す正面縦断面図(図3のA−A断面図)である。 図3のB−B断面図である。 本発明の強制排水ポンプの横断面図である。 強制排水ポンプに対する配管状態を示す平面図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る強制排水ポンプの特徴的な構成を示す要部縦断面図((b)のA−O−B断面図)であり、(b)は(a)のX−X断面図であり、(c)は制御回路の構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る強制排水ポンプの特徴的な構成を示す要部縦断面図((b)のA−O−B−C−D断面図)であり、(b)は(a)のX−X断面図である。 負圧の影響を説明するための要部縦断面図((b)のA−O−B−C−D断面図)である。 本実施形態に係る強制排水ポンプの制御手順の一例を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る強制排水ポンプの特徴的な構成を示す要部縦断面図((b)のA−O−B断面図)であり、(b)は(a)のX−X断面図である 図9の実施形態に係る強制排水ポンプの外観構成を示した図である。 (a)及び(b)は第2、第3の実施形態に係る強制排水ポンプに共通使用されるポンプケーシングの構成例を示す平面斜視図、及び底面斜視図である。 (a)は本発明の強制排水ポンプを化粧箱内に収容した排水ポンプユニット、及び貯留タンクを化粧箱内に収容した貯留タンクユニットの外観図であり、(b)はその分解図である。 (a)及び(b)は排水ポンプユニットを便器の排水管に接続した状態を示す設置状態説明図である。 家屋の各所に設けられた排水機器に本発明の排水ポンプユニットを配置した例を示す略図である。 排水機器に貯留タンク、排水ポンプユニットを順次接続した状態を示す縦断面図である。 (a)及び(b)は特許文献2に係る強制排水ポンプの要部を断面で示す正面図((b)のA−O−B断面図)、及び横断面図((a)のX−X断面図)である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る強制排水ポンプの構成を示す正面縦断面図(図3のA−A断面図)であり、図2は図3のB−B断面図であり、図3は本発明の強制排水ポンプの横断面図であり、図4は強制排水ポンプに対する配管状態を示す平面図である。
本発明に係る強制排水ポンプ1は、ビル、住宅等の建造物の水回りに配置される便器、洗面台、流し台、洗濯機等の排水機器からの汚物、雑排水、その他の流体を効率よく下流側に排出するための手段であり、後述するように排水機器周辺の狭いスペース内に後付け等により組み付けることが可能である。そして、図示した構成例は、建造物等の床面90上に設置された排水機器から延びる流入配管91と排水配管92との間に配置される床上設置型であるが、床下に埋設、半埋設するタイプ等、設置場所は問わない。なお、本例では、床面90上に防振ゴム93を配置してポンプから発生する振動、騒音を吸収緩和するようにしている。
強制排水ポンプ1は、下部から出力軸2aを突出させた縦軸型のモータ2、及び出力軸2aに軸心部を固定されることにより出力軸と一体回転する羽根車3を備えたモータユニット4と、モータユニット4を支持した状態で流入配管91及び排水配管92と夫々連通接続されるポンプケーシング20と、を備える。
ポンプケーシング20は、羽根車3を内部に収容した状態でモータ2を水密的に支持する中空筒状の内胴部21と、内胴部21の下部との間に空間50を介して離間配置され、内胴部よりも大径の外胴部40と、外胴部40に設けられて流入配管及び排水配管と夫々接続される流入ノズル41及び排水ノズル42と、流入ノズルに設けられて空間50を大気と連通させる通気孔45と、を備える。内胴部21と外胴部40とは、例えば一体成形により一体化される。
本発明のポンプケーシング20は、内胴部21と外胴部40とからなる二重胴部構造であり、内胴部21と外胴部40との間に空間50を形成した構成が特徴的である。後述するように、本実施形態では、略円筒状の内胴部21の中心部C1と、略円筒状の外胴部40の中心部C2とは位置が一致していないが、一致させてもよい。
内胴部21は、羽根車3を包囲するように羽根車の外径方向から下方に相当する部位に形成されたボリュート部25と、ボリュート部25の下部中央に形成されたボリュート吸い込み口26と、ボリュート側壁27に形成され排水ノズル42と連通する吐出開口部27aと、を備えている。更に、内胴部21は、水の外部への漏れを防止する軸封部30と、軸封部30に供給される潤滑油32を貯留するオイル溜り31と、を備えている。
空間50は、外胴部40の内底面40aとボリュート部の下部との間に形成されて流入ノズル41と連通した底部空間51と、底部空間51と連通しボリュート部の外径側にこれを包囲するように形成された側部空間55と、を備えている。
側部空間55は、2つの仕切部材56によって、流入側に設けられた一つの貯留室57と、吐出側に設けられた二つの空気室(空気圧検出室)58とに仕切られている。仕切部材56は、その下端縁56aが底部空間51の内底面に達しない位置で終端している。つまり、貯留室57と空気室58は仕切部材56を間に挟んで周方向に配置されているが、底部空間51を介して連通している。
貯留室57の外壁には少なくとも1箇所流入ノズル(流入開口)41が設けられている。
空気室58の上部には、空圧検出器と連通する空気圧検出口59aが設けられている。空気圧検出口59aの上方には外気と連通しない空気圧検出室59が上向きに延びており、空気圧検出室59内には空圧検出器が配置されている。
つまり、空気室58の上部には、空圧検出器を備え且つ外気と連通しない空気圧検出室59が連通形成されており、空気圧検出室(空気圧検出口)よりも下方位置には、空気室を大気と連通させる大気連通部が設けられている。
空気圧検出口59aが図示しない空圧検出器と連通しているため、ポンプを停止してボリュート部内の排水が減少した場合には空気室58内の空気圧が低下するため、空圧検出器が作動してポンプを停止させる。
仕切部材56は、流入ノズル41からの大きな流入量、強い水勢(動圧)が空気室の内奥部に配置された空圧検出器に与える影響を低減するための遮蔽部材として機能する。つまり、モータの運転中における流入量、水勢が、空圧検出器の検知精度に対して影響を与えないように仕切部材56は構成されている。
なお、ボリュート部内の排水量が所定値を下回った場合には、羽根車の回転に対する抵抗が低下するため、この抵抗の低下を電気的に検知してモータへの電力供給をオフするように構成してもよい。
制御手段による制御によって、モータ2の起動スイッチ(空気圧スイッチ)は空圧検出器によって空気室58内の空気圧が所定の規定値を越えたことが検出された時に作動(オン)し、規定値を下回った時にオフするように構成されている。排水機器からの排水がポンプケーシング内に流入していない場合には空気室58内の空気圧が規定値よりも低い状態にあるため、モータの起動スイッチは作動せず、モータがオフの状態にある。一方、排水機器からの排水がポンプケーシング内に流入することによって空気室58内の空気圧が上昇して規定値を超えた際に空圧検出器が作動して起動スイッチをオンさせてモータを起動させる。
即ち、空気室58は、モータを自動運転させるための起動スイッチの空気圧保有源として機能しており、空気室58の天井(上部)に空気圧検出口59aを設けることにより、図示しない起動スイッチ連結パイプへの汚水浸入を防止する。なお、接液型センサーを用いない理由は、汚物の付着による誤動作を避けるためである。
ポンプの自動運転オンオフ水位は図2中に示した通りであり、オフ水位はスカム発生を防止するため、ボリュート吸い込み口水位となっている(空気吸引状態)。
ボリュート吸い込み口26の高さレベル(ポンプOFF時の水位)h1を、流入ノズル41の開口下端縁41aの高さレベルh2よりも下方に設定したことにより、ポンプ停止時における底部空間51内の水が流入ノズル側に逆流すること(流入配管内の残水)を防止できる。
ボリュート部25の最上部、即ち、羽根車3の外周面の外径方向に位置するボリュート部の壁面に貯留室57と連通する貫通穴25aを設けたことにより、ボリュート部内に溜まる空気を貯留室57を介して通気孔45を経由して大気中へ排出することが可能となる。即ち、排水配管92に設けた逆流防止用の吐出チェッキ弁が「閉」の時(ポンプ停止中)には、ボリュート部内に溜まった空気を貫通穴25aを経由して通気孔45へ抜気させるように構成したため、流入配管91からの排水の流入が円滑に行われる。
次に、図5(a)は本発明の一実施形態に係る強制排水ポンプの特徴的な構成を示す要部縦断面図((b)のA−O−B断面図)であり、(b)は(a)のX−X断面図であり、(c)は制御回路の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る強制排水ポンプ1は、空圧検出器Sを備え且つ外気と連通しない空気圧検出室59の空気圧検出口59aよりも下方位置に、空気室(空気圧検出室)58を外気と連通させる専用の空気室用通気孔(大気連通部)60を設けた構成が特徴的である。空気室用通気孔60は大気と連通した通気管60Aと連通している。
即ち、本例では空気室の側壁61に空気室用通気孔60を形成すると共に、空気室用通気孔60の上端部60a(側壁61の下端部)が仕切部材56の下端縁56aよりも上方位置となるようにしている。これにより、空気室内水位が低下して空気室用通気孔上端縁60aを下回ると同時に、空気室は大気開放されて初期状態(モータ2始動前の状態)に復帰させることができる。
即ち、モータの始動前においてはポンプ内水位が低く、空気室用通気孔上端縁60aを下回った位置にあるため、空気室58は空気室用通気孔60、通気管60Aを介して大気開放される。
なお、空気室用通気孔の上端部60aは、ボリュート部25の下端部、即ちボリュート吸い込み口26よりも上方に位置している。
流入配管91を経由して外部から空間50内に排水が流入して空気室内水位が上昇を開始して、空気室用通気孔の上端部60aを越えて上昇して空気室内圧力が規定値以上になると、空圧検出器Sがこれを検知して制御手段(CPU他)に検知信号を送信することにより、制御手段はモータ2に制御信号を送信して駆動を開始させる。
排水の流入が停止することによって空気室内の水位が空気室用通気孔上端縁60aを下回ることによって空気室58と通気管60Aとが連通状態になり、空気室内圧力が規定値以下になると、空圧検出器Sがこれを検知して制御手段に検知信号を送信することにより、制御手段はモータ2に制御信号を送信して駆動を停止させる。
ところで、本実施形態においては、モータの運転中に羽根車3の回転による遠心力によって羽根車中心部に負圧が発生すると、負圧によってボリュート吸い込み口26と空気室58との間の水と、空気室内の空気が吸引されるため、空気室内の水位が低下すると共に、空気室内の圧力が低下する。空気室用通気孔上端縁60aの高さ位置は、ボリュート吸い込み口26、及び仕切部材下端縁56aの各高さ位置よりも上方にあるため、空気室内の水位が空気室用通気孔上端縁60aを下回って空気室と通気管60Aとが連通することにより、空気室内の気圧が大気圧に開放される。
空気室用通気孔60が存在しない場合には、モータの稼働中に羽根車中心部に発生した負圧により空気室内の圧力が所定値よりも低下し、空圧検出器がオフとなってモータ2を停止させる。このとき、モータの稼働中に羽根車中心部に発生した負圧によって空気室内の空気の一部が吸引排出されることにより、モータが停止した後においても空気室内に負圧が維持され易くなり、空気室内の水位が仕切部材下端縁よりも上回った状態となる。このように空気室内が負圧に維持されている状態では、再度水の流入があったとしても空圧検出器がオンとならず、モータは始動しない。
これに対して本実施形態では、空気室内の水位が仕切部材下端縁を上回っていても、空気室用通気孔60の上端縁60aを下回っていれば、空気室を大気と連通させることができるので、空気室内の負圧を解消させることができ、新たに水の流入があったときに確実に空圧検出器をオンさせてモータを始動させることができる。
次に、図6(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る強制排水ポンプの特徴的な構成を示す要部縦断面図((b)のA−O−B−C−D断面図)であり、(b)は(a)のX−X断面図である。図7は、負圧の影響を説明するための要部縦断面図((b)のA−O−B−C−D断面図)である。なお、図1乃至図5と同一部分には同一符号を付して説明する。また、図8は本実施形態に係る強制排水ポンプの制御手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る強制排水ポンプ1では、仕切部材56によって側部空間55を仕切ることによって形成された空気室58を、仕切壁62によって空気圧検出用の第1の小室(空気圧検出室)63と、大気と連通した第2の小室(通気室)64とに仕切ると共に、仕切壁62の下端縁62aが仕切部材56の下端縁56aよりも上方に位置するように構成している。第1の小室63は底部空間51と連通した下方の開放部(大気連通部)を除き、外気と連通していない。
本例では、仕切部材56を形成する位置を図5の仕切部材とは異ならせている。即ち、本実施形態では、仕切部材56を流入ノズル41寄りの側部空間55に設けることにより、仕切部材56の一側方に一つの空気室58を形成し、更にこの空気室58内に設けた仕切壁62によって空気室58を第1の小室63と第2の小室64とに区分けしている。なお、仕切部材56、及び仕切壁62の各下端縁は、何れも外胴部の内底面40aに達していない位置で終端している。
なお、仕切部材下端縁56aの位置は図示した高さ位置に限定するものではなく、仕切壁の下端縁62aよりも下方であればよい。
更に、第1の小室の仕切壁下端縁62aよりも上方には、空気圧検出口65aが形成され、第2の小室64の仕切壁下端縁62aよりも上方には、大気と連通状態にある空気室用連通孔66が形成されている。空気圧検出口65aの上方には外気と連通しない空気圧検出室65が上向きに延びており、空気圧検出室65内には空圧検出器が配置されている。
第1の小室63と第2の小室64とは、仕切壁下端縁62aの下方に位置する側部空間55(或いは底部空間51)(大気連通部)を介して連通可能な状態にあり、空気室58(63、64)内の水位が仕切壁下端縁62aを下回った時に連通するように構成されている。
図5の実施形態では、空気室用通気孔60は横向きであり開口径が小さい場合に、ここに異物が付着、沈殿して経年的に閉塞してしまう虞がないとは言えない。
これに対して図6の実施形態では、空気室の側壁に異物が詰まり易い空気室用通気孔を設けていないため、このような不具合を未然に防止できる。
即ち、第1の小室63と第2の小室64の下方は何れも側部空間55と連通した開放部(大気連通部)となっており、仕切壁下端縁62aと底部空間51の内底面40aとの間には十分な間隔があるため、異物が付着、沈殿して閉塞させる虞は皆無である。
また、図5の実施形態の場合と同様に、仕切壁下端縁62aの高さ位置を仕切部材下端縁56aよりも上方に配置したので、空気室内の水位が仕切部材下端縁56aを上回っていても、仕切壁下端縁62aを下回っていれば、第1の小室63を大気と連通させることができるので、第1の小室63内の負圧を解消させることができ、新たに水の流入があったときに確実に空圧検出器をオンさせてモータを始動させることができる(図7の状態)。
即ち、モータの始動前においてはポンプ内水位が低く、仕切壁下端縁62aを下回った位置にあるため、第1小室63は大気開放される。
流入配管91を経由して外部から空間50内に排水が流入して空気室内水位が上昇を開始して、仕切壁下端縁62aを越えて上昇して第1の小室内圧力が規定値以上になると、空圧検出器がこれを検知して制御手段に検知信号を送信することにより、制御手段はモータ2に制御信号(駆動指令信号)を送信して駆動を開始させる。
排水の流入が停止することによって第1の小室63内の水位が仕切壁下端縁62aを下回ることによって第1の小室63と第2の小室64とが連通状態になり、第1の小室63内圧力が規定値以下になると、空圧検出器がこれを検知して制御手段に検知信号(オフ信号)を送信することにより、制御手段はモータ2に制御信号(駆動停止指令信号)を送信して駆動を停止させる。
なお、モータの運転中に排水ノズル42から吐出される流量に対して、図7中に二点鎖線で示した様に流入ノズル41からの流量が十分である場合には、流入ノズルの管内水位は低下しないため、通気孔45は機能しない。
次に、制御手段は、空圧検出器がオフ信号を出力した際に直ちにモータを停止させずに、所定時間(t)、例えば10秒程度強制的に運転を継続させた後で停止させるように制御してもよい(図8、ステップS1〜S5)。このように制御することにより、モータの運転中に羽根車中心部に発生する負圧により空気室内の圧力が低下し、流入が継続中であるにもかかわらずポンプが停止することを防止でき、第1の小室63の水位が確実に仕切壁下端縁62aを下回った状態で安定した時に、モータを停止させることができる。
但し、モータの強制運転中に再度水位が上昇し、空圧検出器がオンを発信した場合には、残りの運転時間のカウントを中止して新たに一定時間のカウントを開始する(運転は連続する。S6、8、9)。そして、新たな一定時間運転を継続させた後で、モータを停止させるように制御する。この制御は、第1の小室内の水位が規定値以下(仕切壁下端縁62a以下)となって第1の小室と第2の小室とが連通状態となるまで継続させる。
このように制御するとすれば、モータの強制運転中に空圧検出器が一旦オフを発信したとしても、引き続き大流量の水が連続して流入してくる場合にはモータを連続運転させることにより第1の小室内の水位を規定値以下とし、最終的に空圧検出器をオフ状態にすることができる。このため、第1の小室63が負圧になることを防止して新たに流入があった時に空圧検出器を直ちに作動させることができる。
図8で説明した制御方法は、図5の実施形態は勿論、後述する他の実施形態にも適用することができる。
なお、図6では内径側の第1の小室63を空気圧検出室とし、外径側の第2の小室64を大気連通室としたが、これは逆であっても良い。
次に、ポンプの下流側に垂直配管がある場合には、ポンプの停止後に下流側チェッキ弁までの配管内にある水が逆流し、ポンプ内に残水として滞留する。残水量が多い場合にはポンプ内水位が高くなり、流入、排水が終了しても空圧検出器がオン信号を発信してモータを駆動させる不具合が発生する。
また、残水が少なくても逆流時の水勢により一時的にポンプ内水位が上昇してオン信号を発信することもある。このため、ポンプ内への流入、排出が終了してもモータがオンオフを繰り返す作動不良が発生し易くなる。
図9の実施形態は上記不具合を解決するためのものである。
即ち、図9(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る強制排水ポンプの特徴的な構成を示す要部縦断面図((b)のA−O−B断面図)であり、(b)は(a)のX−X断面図である。なお、図1乃至図5と同一部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態に係る強制排水ポンプ1では、排水配管92の下流側に上向きに立ち上がった上向き配管部92aがあり、上向き配管部92aには排水の上昇を禁止(制限)したり禁止を解除する(上向き配管部内の通水を遮断する)チェッキ弁92bが設けられている。空気室は、ポンプ停止時にチェッキ弁下流側配管に背圧がある状態における空気室(空気圧検出室)58内の水位が、同じく排水の上昇を禁止している時における上向き配管92a内の水位を下回らない上方位置に配置されている。
本実施形態では、仕切部材56によって側部空間55を仕切ることによって形成された空気室58を、チェッキ弁が排水の上昇を禁止している時における空気室(空気圧検出室)58内の水位が、同じく排水の上昇を禁止している時における上向き配管92a内の最上昇水位を下回らない上方位置に配置している。
具体的には、側部空間55の天井面に設けた開口58aに対して、上向きに延びる管体状の空気室58の下端部を連通させた状態で固定し、更に空気室58の側壁に設けた貫通穴(大気連通部)58bに対してL字状の通気管67を連通接続している。通気管67は、横方向へ延びる横管67aと、横管の先端部から上向きに延びる縦管67bとから構成されており、大気と連通している。
本例では仕切部材下端縁56aは側部空間55の天井面と同等の位置にある一方で、大気連通部としての貫通穴58bの上端部が仕切部材下端縁56aよりも上方に位置している。また、貫通穴58bの高さ位置は、チェッキ弁92bが排水の上昇を禁止している時における上向き配管92a内の最大水位を下回らない位置に配置されている。
なお、図9(a)中にWL1、WL2で示した各水位は、チェッキ弁92bが排水の上昇を禁止している時における上向き配管92a内の最大水位に対応した空気室58、及び通気管67内における水位である。また、WL3で示した水位は排水の終了により低下した水位を示している。
空気室58内の上部、即ち貫通穴58bよりも上方には大気と連通しない空気圧検出室58Aがあり、この空気圧検出室内には空圧検出器が配置されている。
なお、本例では空気室58から上方へ直線状に延びる空気圧検出室58A内に空圧検出器を配置し、分岐してL字状に延びる通気管67を大気連通用としたが、これを逆にしてもよい。
本実施形態に係る強制排水ポンプ1の運転プロセスは、次の通りである。
まず、モータの始動前(初期状態)では、残水の水位がWL3の位置にあり、貫通穴58bよりも下方なので、空気室58の上方に延びる空気圧検出室58A内に配置された空圧検出器はオフの状態にある。
なお、大気連通部としての貫通穴58b(分岐部)の高さ位置は、チェック弁の高さ位置等の違いに応じて最適となるように調整した上で設定する必要がある。即ち、モータ停止中における残水のレベルWL3は、チェッキ弁の高さ位置、及び残水量、即ちチェッキ弁とポンプとの間の配管距離(配管径)によって異なってくるため、これらの変動要因を加味した上で大気連通部の高さ位置を決定する。或いは、大気連通部の高さ位置を一定とした上で、チェッキ弁の高さ位置、配管距離を一定とするようにしてもよい。
次に、外部から排水がポンプ内に流入すると空気室58内の水位が上昇し、水位が分岐位置、即ち貫通穴58bの上端部を越えて高くなると、空気圧検出室58A内の圧力が上昇し、規定値以上になると空圧検出器がオン信号を制御手段に送信し、制御手段がモータを始動させる。
トイレ等のように一度に大量の流入がある場合には、その水勢によって水位が急上昇するため、流入と同時にモータが始動する。
排水が完了すると、空気圧検出室内の水位が低下し、該水位が貫通穴58bの上端部よりも低くなると、空気圧検出室58A内が大気開放されて空圧検出器がオフ信号を出力し、モータを停止させる。
以上の構成を備えた強制排水ポンプ1と接続される配管類は、トイレ等の排水機器周辺の床面上の余剰スペースを利用して配置することにより、下流側の排水管に勾配を設ける必要がなくなり、排水管が詰まりを起こす頻度が大幅に低下する。また、露出状態にあるモータ、配管部分のメンテナンスが容易となるメリットもある。また、既設のビル、住居等の水回りに対してこのモータを後付けにより設置することも容易であり、水回りにおける排水効率を高めることができる。
また、強制排水ポンプ1は、ボリュート部25の軸心部C1が、外胴部の中心部C2よりも排水ノズル側(図面左方)に偏位して配置されている点が特徴的である。このように構成することにより、側部空間55を構成する貯留室57の容積を空気室58の容積よりも大きく確保することが可能となり、貯留室の外壁の面積を大きくした結果として、複数の流入ノズル41を貯留室の外壁の異なった箇所に配置することが可能となる。複数の流入ノズルを備えることにより、排水機器の排出管(流入管)と排出配管との位置関係の違いに柔軟に対応した管体同士の接続を行うことが可能となる。また、外胴部の外周に複数の流入ノズルを設けることにより、各種排水機器からの排水を一箇所に集合させることができ、しかも排水機器の設置方向に対応しつつ最短での配管施工が可能となる。
また、空気室58がある流出ノズル側への外胴部の突出量が減縮されるため、全体として外胴部の外径を最小化し、ポンプ全体を小型化することができる。
複数の流入ノズル41を配置しない場合、即ち一本の流入ノズルだけを配置する場合には、ボリュート部25の軸心部C1を、外胴部の中心部C2よりも排水ノズル側(図面左方)に偏位して配置する必要はない。
本発明では、流入ノズル41(流入配管91)と排水ノズル42(排出配管102)の天井面の高さを一致させているので、ポンプ駆動時に何れかのノズルの上部に空気が溜まることがない。従って、何れかのノズルに溜まった空気が羽根車側に移動してエアーロック等を発生させる虞がなくなる。
羽根車3を流入ノズル41(流入配管91)と排水ノズル42(排出配管102)の天井面よりも下方に位置させているので、羽根車の周辺に空気が溜まることがない。
羽根車3の外周部の底面3aの高さ位置を、貫通穴25aの底面と同等の高さとするか、或いは貫通穴の底面よりも低くしたので、異物を含む排水が貫通穴25aに浸入してこれを塞ぐことによる詰まり発生などの不具合を解消できる。
次に、図10は図9の実施形態に係る強制排水ポンプの外観構成を示した図であり、図11(a)及び(b)は図9の実施形態と図6の実施形態に係る強制排水ポンプに共通使用されるポンプケーシングの構成例を示す平面斜視図、及び底面斜視図である。
この強制排水ポンプ1は、モータ2、及びポンプケーシング20が上記2つの実施形態に共通使用可能であり、空気室56の天井面には第1、第2、及び第3の穴71、72、73が形成されている。
第3の穴73は図9の実施形態における管体状の空気室58の下端部開口58aを着脱自在に装着する部位である。この際、使用しない他の穴71、72は閉止プラグ等により閉塞しておく。
第1の穴71と第2の穴72は、図6の実施形態において使用する。即ち、第2の穴72は図6の実施形態における環状の空気検出室65の下端部を着脱自在に接続する部位であり、第1の穴71は空気室用連通孔66に相当する。この際、使用しない第3の穴73は閉塞しておく。図11(b)の底面図において第1の穴71と第2の穴72との間に位置する円弧状の突条75は図6の実施形態の仕切壁62である。
次に、図12(a)は本発明の強制排水ポンプを化粧箱内に収容した排水ポンプユニット、及び貯留タンクを化粧箱内に収容した貯留タンクユニットの外観図であり、図12(b)はその分解図である。図13(a)及び(b)は排水ポンプユニットを便器の排水管に接続した状態を示す設置状態説明図であり、図14は家屋の各所に設けられた排水機器に本発明の排水ポンプユニットを配置した例を示す略図である。更に、図15は排水機器に貯留タンク、排水ポンプユニットを順次接続した状態を示す縦断面図である。
本発明の強制排水ポンプ1は、図12に示した如き化粧箱100内に収容することにより排水ポンプユニット105を構築し、この排水ポンプユニット105を便器等の排水機器120周辺の床上スペースに設置する。また、排水ポンプユニット105の上流側(排水機器と強制排水ポンプとの間)には、貯留タンク110を連設して配置してもよい。
貯留タンク110は、その前面に排水機器120の排水管と連通接続される流入側接続部を有し、側面には排水ポンプユニット105側の流入管と接続するための流出側接続部を有する。
直方体状の化粧箱100と直方体状の貯留タンク110の各対向面を互いに整合する同一形状とすることにより、両者を結合した場合には全体として図1の如き薄型直方体状に構成することができ、便器等の周辺の狭いスペース内に配置することが可能となる。
なお、貯留タンク110は、排水機器120からの時間排水量が強制排水ポンプ1の容量を超える虞がある場合に、排水機器120と強制排水ポンプとの間に配置されて排水機器からの排水を一時的に保留して強制排水ポンプ1への時間排水量を制限するために使用される。従って、排水機器からの時間排水量が強制排水ポンプ1の容量を超える虞がない場合には、貯留タンク110は不要である。
図13の例では、便器120の背後に通常形成されるスペースを利用して排水ポンプユニット105及び貯留タンク110を配置した例を示している。これによれば、排水勾配が取れない場所において、床上・天井露出配管、或いは隠蔽配管が可能であり、設置を短時間で完了できる。また、撤去作業も容易である。異物混入による詰まり発生時には、ポンプ部のみを分離して異物を除去したり、交換することが可能である。小口配管(25mm)を利用する場合であっても、ポンプの吸引力を利用した強力な排水効果によるウォーターブラシ効果、スケール詰まり防止効果を発揮することができる。便器の水洗用の水の使用量を減少できるので、水洗タンクを小型化することができる。更に、汚水ピットも不要となる。
本発明の強制排水ポンプ1は、例えば地下室の排水処理、キッチンや洗面所のリフォーム、店舗やテナントのリフォームに伴う排水管工事、介護用の水回り設備の新設、病院等における汚物流し場、増築、増設時の水回り設備、工事現場やイベント会場での従業員等の仮設トイレ設置に際して多大な効果を発揮する。
この際、強制排水ポンプ1に対して配管を複数接続できるので、レイアウト自由度が高まり、貯留器も繋ぎ易くなる。具体的には、例えば、図13(a)(b)に示した強制排水システムのように便器120の背後に貯留タンク110を配置すると共に、貯留タンク110の両側方のいずれか一方に強制排水ポンプ1を接続したL字型接続、或いは(c)のように便器120、貯留タンク110、強制排水ポンプ1を直線状に接続したI字型接続が可能である。
図13(a)のように貯留タンク110にも複数の流入用ノズルを付けることで配管、施工の自由度が広がる。
以上のように本発明の強制排水システムにおいては、便器等の一つの排水機器の直近に配置した貯留タンク、或いは強制排水ポンプに他の排水機器からの配管を接続したので、一つの強制排水ポンプの出力を利用して複数の排水機器からの排水を共通の排水配管92へ排出することができる。
本発明の強制排水ポンプ、或いは強制排水システムは、例えば、テナントビルにおいて、テナントの入れ替わりに伴うリフォームにおいて急遽水回りを新設する必要が発生した場合等に、排水管工事や勾配工事無しに、また縦管との位置関係を考慮することなく、排水機器を設置することが可能となる。
本発明は汚水のみならず、あらゆる流体の排水に使用できる。
1…強制排水ポンプ、2…モータ、2a…出力軸、3…羽根車、3a…底面、4…モータユニット、20…ポンプケーシング、21…内胴部、25…ボリュート部、25a…貫通穴、27…ボリュート側壁、27a…吐出開口部、30…軸封部、32…潤滑油、40…外胴部、40a…内底面、41…流入ノズル、41a…開口下端縁、42…排水ノズル、42…排水ノズル、45…通気孔、50…空間、51…底部空間、55…側部空間、56…仕切部材、56a…仕切部材下端縁、57…貯留室、58…空気室、58A…空気圧検出室、58a…開口、58b…貫通穴、59…空気圧検出室、59a…空気圧検出口、60…空気室用通気孔、60A…通気管、60a…空気室用通気孔上端縁、61…側壁、62…仕切壁、62a…仕切壁下端縁、63…第1の小室、64…第2の小室、65…空気圧検出室、65a…空気圧検出口、66…空気室用連通孔、67…通気管、67a…横管、67b…縦管、90…床面、91…流入配管、92…排水配管、92a…配管、92b…チェッキ弁、93…防振ゴム、100…化粧箱、102…排出配管、105…排水ポンプユニット、110…貯留タンク、111…流入側接続部、112…流出側接続部、120…排水機器。

Claims (6)

  1. 流入配管と排水配管との間に配置される強制排水ポンプであって、
    出力軸を備えたモータ、及び該出力軸に固定された羽根車を備えたモータユニットと、
    前記モータユニットを支持した状態で前記流入配管及び排水配管と夫々連通接続されるポンプケーシングと、を備え、
    前記ポンプケーシングは、前記羽根車を内部に収容した状態で前記モータを支持する中空の内胴部と、該内胴部の下部との間に空間を介して離間配置され前記内胴部よりも大径の外胴部と、該外胴部に設けられて前記流入配管及び排水配管と夫々接続される流入ノズル及び排水ノズルと、前記空間を大気と連通させる通気孔と、を備え、
    前記内胴部は、前記羽根車に相当する部位に形成されたボリュート部と、該ボリュート部の下部に形成されたボリュート吸い込み口と、該ボリュート部の側壁に形成され前記排水ノズルと連通する吐出開口部と、を備え、
    前記空間は、前記外胴部の内底面と前記ボリュート部下部との間に形成されて前記流入ノズルと連通した底部空間と、該底部空間と連通し前記ボリュート部の外径側に形成される側部空間と、を備え、
    前記側部空間には、下端縁が前記底部空間の内底面に達しない位置で終端する仕切部材によって空気室が形成されており、
    前記空気室には、空圧検出器を備え且つ外気と連通しない空気圧検出室が連通して形成されており、
    前記空気圧検出室よりも下方位置には、前記空気室を大気と連通させる大気連通部が設けられており、
    前記大気連通部の上端部は、前記仕切部材の下端縁よりも上方に位置していることを特徴とする強制排水ポンプ。
  2. 前記大気連通部は、前記空気室の側壁に貫通形成された空気室用通気孔であることを特徴とする請求項1に記載の強制排水ポンプ。
  3. 前記空気室を空気圧検出室としての第1の小室と、大気と連通した第2の小室とに仕切ると共に下端縁が前記仕切部材の下端縁よりも上方に位置する仕切壁を備え、
    前記第1の小室の前記仕切壁下端縁よりも上方には、前記空気圧検出室が形成され、
    前記第2の小室は、前記仕切壁下端縁よりも上方において大気と連通する空気室用連通孔を備え、
    前記第1の小室と前記第2の小室は、前記空気室内の水位が前記仕切壁の下端縁を下回った時に連通するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の強制排水ポンプ。
  4. 前記排水配管の下流側には上向きに立ち上がった上向き配管部があり、該上向き配管部には排水の上昇を禁止したり、禁止を解除するチェッキ弁が設けられており、
    前記空気室は、ポンプ停止時に前記チェッキ弁下流側配管に背圧がある状態における該空気室内の水位が、同じ時における該上向き配管内のチェッキ弁上流側配管内の水位を下回らない上方位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の強制排水ポンプ。
  5. 前記モータを制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記空気圧検出室としての空気室内の空気圧が規定値を越えたことを前記空圧検出器が検出したときに前記モータを駆動させる駆動指令信号を出力し、前記空気圧が前記規定値を下回ったことを前記空圧検出器が検出したときに前記モータの駆動を停止させる駆動停止指令信号を出力し、
    前記制御手段は、前記モータの駆動中に、前記空圧検出器が前記空気圧が規定値を下回ったことを検出したときに直ちにモータを停止させずに、所定時間運転を継続させた後で停止させるように制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の強制排水ポンプ。
  6. 前記制御手段は、前記モータを前記所定時間運転継続させている途中で、前記空圧検出器が前記空気圧が規定値を越えたことを検出した場合には、前記所定時間の残りの運転時間の計時を中止し、新たに所定時間、前記モータを運転させることを特徴とする請求項5に記載の強制排水ポンプ。
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