以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、視標呈示装置の構成を示す概略外観図である。視標呈示装置100は、視標を呈示するための装置本体1に対して視標の切換え信号を送信するためのリモコン20を含む構成となっている。視標呈示装置1の筐体2の前面には、視標呈示部3が配置されている。視標呈示部3は、被検者との距離(検査距離)が遠方距離(例えば、5m)である場合に、視力値0.1等の大きなサイズの視力検査用視標3Aを表示可能な大きさの画面を備えている。また、視標呈示部3の画面は、検査距離が近方距離(例えば、3m)である場合に、視力値2.0等の小さなサイズの視力検査用視標3Aを表示可能な解像度を持っている。視標呈示部3に呈示される視標は、視標選択ユニットであるワイヤレスタイプのリモートコントローラ(以下、リモコン)20からの信号に基づいて切換えられる。
装置本体1の筐体2の前面の下方には、リモコン20からの視標の切換え信号である赤外光(信号)を受信し、リモコン20に赤外光(信号)を送信する送受信部(第2送信部・第1受信部と第2受信部を兼ねる受信部)5が配置されている。また、筐体2の前面の下方には、装置本体1の作動状態を示すパイロットランプ6が配置されている。パイロットランプ6は、装置1の電源が入れられると点灯し、装置1の電源が落とされると消灯する。また、パイロットランプ6は、装置1の電源が入れられた状態であっても、被検者眼への刺激とならないように、検査中(視標呈示中)は消灯する。
また、筐体2の下方には、検査距離等の各種パラメータを設定する際の操作部であるファンクションスイッチ7が配置されている。ファンクションスイッチ7を操作することにより、視標呈示部3に装置のパラメータ(画面の輝度、画面のカラーバランス、等)を設定するセットアップ画面(後述する)が表示される。また、ファンクションスイッチ7は、リモコン20からの信号の送受信部5での受信状態と、リモコン20への信号の送信(返信)状態と、を表示する送受信状態表示モード(後述する)を選択する装置本体1側のモードスイッチ(モード設定手段)を兼ねている。このときに送信される信号は返信信号となる。ファンクションスイッチ7により、装置本体1の動作モードが送受信状態表示モードに設定する機能を有する。
図2は、視標呈示部3の構成と装置の制御系とを示す概略ブロック図である。視標呈示部3であるカラーの液晶ディスプレイ30と送受信部5とは、装置1全体の統括・制御を行う制御ユニット(視標呈示制御部)10に接続されている。
また、パイロットランプ6及びファンクションスイッチ7も演算制御ユニット10に接続されている。制御ユニット10は、リモコン20からの信号(送受信部5からの信号)を解読するデコーダ回路、リモコン20への信号を生成するエンコーダ回路、等を備えている。制御ユニット10は、リモコン20からの視標の切換え(選択)のための信号が送受信部5を介して入力されると、ディスプレイ30の各画素31の表示を制御する。視標の切換えが完了すると、制御ユニット10は、リモコン20との双方向通信のために、視標の切換えが完了したことを示す返信信号を生成し、送受信部5を介してリモコン20に返信信号を送信(返信)する。返信信号
なお、リモコン20を統括・制御する制御ユニット28は、送受信部5からの信号が受信されるまで、リモコン20の各種スイッチによる次の操作を無視する。従って、視標呈示装置1とリモコン20とは、双方向通信によって操作が行われる構成となっている(後述する)。
また、制御ユニット10には、メモリ12が接続されている。メモリ12には、ランドルト環視標、ひらがな視標、E視標、等の様々な視力検査用視標の画像データが、視力値0.04から視力値2.0まで所定のステップ毎に記憶されている。制御ユニット10は、リモコン20からの視標切換え信号(視標選択信号)が送受信部5を介して入力されると、表示プログラムに従って視標をディスプレイ30に表示させる。
本実施形態の送受信部5は、赤外光(信号)を受光(受信)する受光素子(受信素子)51と、赤外光(信号)を発光(送信)する発光素子(送信素子)52と、赤外光を透過する窓(送受信窓)を兼ねるフィルタ53と、を備えている。受光素子51及び発光素子52は、制御ユニット10に接続されている。受光素子51には、広い波長域に亘って光信号の受光(受信)が可能なフォトダイオード等が用いられている。一方、発光素子52には、赤外光を出射(送信)可能なLED(発光ダイオード)等が用いられている。フィルタ53は、受光素子51及び発光素子52から一定の距離をおいて筐体2の表面に配置されている。フィルタ53は、受光素子51に入射する光の波長を制限するバンドパスフィルタの役割を持っている。フィルタ53は、リモコン20からの切換え信号を通過させ、他の波長の光の透過を抑制する特性を備えている。例えば、切換え信号の波長に対して±数十nm程度の波長の光は透過し、それ以外の波長は遮断する特性である。また、フィルタ53は、発光素子52から発せられた光信号を透過する。
なお、受光素子51とフィルタ53との距離は、受光素子51の受光範囲(受信範囲)を制限するように定められている。すなわち、送受信部5は、受光素子51への光信号の入射角度が所定角度以内に制限されている。同様に、発光素子52とフィルタ53との距離も、発光素子52の発光範囲(送信範囲)を制限するように定められている。すなわち、送受信部5は、発光素子52からの光信号の出射角度が所定角度以内に制限されている。所定角度としては、例えば、水平方向で±30度以内とされる。
上記装置本体1において、送受信部5とディスプレイ30(視標呈示部3)及び制御ユニット10により、リモコン20からの信号の受信状態を確認する受信状態確認ユニットが構成される。なお、本実施形態では、装置本体1は、さらに、装置本体1から光信号を送信する状態を確認する機能を合わせ持つ。装置本体1は、送受信状態を確認するための送受信状態確認ユニットを備えることとなる。
図3は、リモコン20の構成を示す外観図である。リモコン20の前面には、光信号を送信すると共に受信する送受信部(送信部・第3受信部を兼ねる受信部)21が配置されている。リモコン20の上面には、情報表示部であるモノクロの液晶ディスプレイ22と、スイッチ部23と、が配置されている。スイッチ部23には、ランドルト環視標、ひらがな視標、E視標、等の視力検査用視標の種類を選択するためのスイッチ24、視力検査用視標の視力値を0.04から2.0までの間で切換える(選択する)ための多数のスイッチが配置されたスイッチパネル25、一文字視標(画面に1つの視標が呈示される)を表示するか複数文字視標(画面に複数の視標が呈示される)を表示するかを選択するためのスイッチ26、ランドルト環視標等の一文字視標の方向を右向きに切換えるためのスイッチ27a、一文字視標の方向を左向きに切換るためのスイッチ27b、一文字視標の方向を上向きに切換えるためのスイッチ27c、一文字視標の方向を下向きに切換えるためのスイッチ27d、等の各種スイッチが配置されている。また、リモコン20の上面の下部には、リモコン20に電源が入れられていることを報知するパイロットランプ20aが配置されている。なお、リモコン20への電源の投入の有無は、ディスプレイ22の表示の有無によって報知する構成とされていてもよい。
リモコン20の制御ユニット28は、装置本体1(送受信部5)への信号を生成するエンコーダ回路、装置1(送受信部5)からの信号(送受信部21からの信号)を解読するデコーダ回路、等を備えている。また、制御ユニット28には、メモリ29が接続されている。メモリ29には、リモコン20の各種パラメータ、リモコン20を動作させるためのプログラム、送受信状態表示モード(後述する)用のプログラム、等が記憶されている。
送受信部21は、赤外光(信号)を発光(送信)する発光素子(送信素子)21aと、赤外光(信号)を受光(受信)する受光素子(受信素子)21bと、窓(送受信窓)を兼ねる保護カバー21cと、を備えている。発光素子21aには、赤外光を出射可能なLED(発光ダイオード)等が用いられている。一方、受光素子21bには、広い波長域に亘って光信号の受光が可能なフォトダイオード21等が用いられている。なお、受光素子21bは、受光素子51が受光する光信号と、信号特性が一致している光(光信号)を受光できる素子とする。ここでは、受光素子51が受光する光信号の波長特性が同じ光を受光できる構成とする。また、送受信部21は、発光素子21aからの光信号の出射角度が所定角度以内に制限されている。同様に、送受信部21は、受光素子21bへの光信号の入射角度が所定角度以内に制限されている。
なお、装置本体1とリモコン20とが双方向通信を行い易いように(互いに信号を送受信しやすいように)、発光素子21aと発光素子52とが共通の素子(同部品)とされていることが好ましい。同様に、受光素子21bと受光素子51とが共通の素子とされていることが好ましい。また、保護カバー21cとフィルタ53とは、装置本体1とリモコン20とで用いられる光信号の波長を透過する光学特性(フィルタ特性)を備えていればよい。なお、保護カバー21cと受光素子21bとの組合せによって送受信部21の受光特性が送受信部5の受光特性と略一致する構成とされていてもよい。
リモコン20は、制御ユニット28に統合・制御され、送受信部21(発光素子21a、受光素子21b)とディスプレイ22とスイッチ部23とメモリ29とは、制御ユニット28に接続されている。制御ユニット28は、各種スイッチが押されると、スイッチに対応したコードを生成し、送受信部21(発光素子21a)からコード化された光信号を発光(送信)させる。このとき、制御ユニット28は、各種スイッチによる次の操作を受け付けない(スイッチによる入力を無視する)。制御ユニット28は、装置1(送受信部5)からの返信信号を送受信部21(受光素子21b)を介して受信すると、各種スイッチによる次の操作を受け付ける(許可する)。
上記リモコン20において、送受信部21とディスプレイ22及び制御ユニット28により、リモコン20からの信号と同じ波長特性の信号の受信状態を確認する受信状態確認ユニットが構成される。なお、本実施形態では、リモコン20は、さらに、リモコン20から光信号を送信する状態を確認する機能を合わせ持つ。リモコン20は、送受信状態を確認するための送受信状態確認ユニットを備えることとなる。
本実施形態のリモコン20は、各種スイッチの操作により、リモコン20を送受信状態表示モードに設定する機能を備えている。具体的には、スイッチ27a及び27bが同時に長押しされる(例えば、3秒間押される)と、制御ユニット28は、スイッチ27a及び27bの入力信号に基づき、ティスプレイ22に受信状態表示部と送信状態表示部とを兼ねる送受信状態表示部22aを表示させる。従って、スイッチ27a及び27bは、リモコン20の動作モードを送受信部21の送受信状態を確認する送受信状態表示モードに設定するモードスイッチ(モード選択手段)となる。表示部22aには、受信状態を表示するマークM1と、送信状態を表示するマークM2と、が表示される。マークM1は、中抜きの円形状であり、マークM2は、マークM1内に収まる大きさの円形状である。これにより、表示部22a内に受信状態を表示するマークと送信状態を表示するマークとの2種類のマークを同時に表示でき、リモコン20の受信状態及び送信状態が把握し易い。
次に、視標呈示装置1で表示されるセットアップ画面について説明する。所定のファンクションスイッチ7が押されると(所定の設定信号が入力されると)、制御ユニット10は、図4に示すセットアップ画面40をディスプレイ30(視標呈示部3)に表示させる。セットアップ画面40は、装置本体1の各種パラメータの設定・表示をするための設定部41と、装置1の送受信状態を表示する表示部60と、を備えている。設定部41は、各種設定欄が項目毎に並べられて構成されている。設定部41としては、例えば、視標の種類を設定するための視標設定欄42、検査距離を設定するための検査距離設定欄43、ディスプレイ30の色味(配色)を設定する色味設定欄44、等が設けられている。各項目の選択と数値の変更とは、ファンクションスイッチ7の操作によって行われる。
視標設定欄42では、国、地域、等によって異なって使用される視標(特に視力検査用視標)の種類を選択される。検査距離設定欄42では、検査距離を選択される。本実施形態では、3.0mから〜60mまで0.5mステップ毎に選択可能とする。色味設定欄45では、ディスプレイ30の赤色、緑色及び青色の輝度値がそれぞれ数百階調で調整されてディスプレイ30の色味が調整される。
表示部60では、送受信部5で何らかの信号を受信した場合に、受信状態を示すマークM3が表示される。また、制御ユニット10が送受信部5を介して信号を送信すると、送信状態を示すマークM4が表示される。本実施形態では、確認し易いように、マークM3はマークM1と同一形状としており、マークM4はマークM2と同一形状としている。制御ユニット10が、受光素子51(送受信部5)からの信号を受信(検知)して、表示部60にマークM3を表示させ、発光素子52(送受信部5)への信号に基づいて表示部60にマークM4を表示させる。なお、後述するリモコン20の場合と同様に、制御ユニット10は、経時的に送受信状態を更新して表示部60に表示させることが好ましい。例えば、送受信状態がリアルタイムに操作者(検者)に認識される程度の時間間隔で表示部60の表示が逐次更新される。
セットアップ画面40で設定された各項目の情報は、ファンクションスイッチ7を操作することにより、メモリ12に記憶される。設定後、制御ユニット10は、メモリ12に記憶された設定情報に基づいてディスプレイ30の表示を制御する。
このように、セットアップ画面40において、装置1の各種パラメータの設定・表示と信号の送受信状態の表示とがなされる。
次に、本実施形態の送受信状態表示モードについて説明する。先ず、リモコン20を用いた送受信状態の確認について説明し、次に、視標呈示装置1とリモコン20との送受信状態の確認について説明する。
リモコン20の受信状態とは、送受信部21が信号を受信している状態をいい、受光素子21bが動作している状態(何らかの信号を受信している状態)をいう。一方、リモコン20の送信状態とは、送受信部21(発光素子21a)が信号を送信している状態をいう。同様に、装置本体1の受信状態とは、送受信部5が信号を受信している状態をいい、受光素子51が動作している状態(何らかの信号を受信している状態)をいう。また、装置1の送信状態とは、送受信部5(発光素子52)が信号を送信している状態をいう。
スイッチ27a及び27bが長押されて送受信状態表示モードが設定されると(所定の設定信号が入力されると)、制御ユニット28は、ディスプレイ22に送受信状態表示部22aを表示させる。制御ユニット28は、送受信部21(受光素子21b)の受信状態に基づいてマークM1を表示部22aに表示させる。なお、制御ユニット28は、受信状態を経時的に更新して表示部22aに表示させることが好ましい。例えば、受信状態がリアルタイムに操作者(検者)に認識される程度の時間間隔で表示部22aの表示が逐次更新される。
送受信状態表示モードが設定されると、制御ユニット28は、スイッチ26をテスト信号(発光素子21aを駆動させるための駆動信号)の生成用スイッチ(テストスイッチ)として認識する。スイッチ26が押されると、制御ユニット28は、テスト信号を生成し、送受信部21(発光素子21a)から送信し、表示部22aにマークM2を表示させる。このとき、制御ユニット28は、発光素子21aの駆動回路の電流値(又は電圧値)をモニタし、テスト信号に対応して発光素子21aから光信号が発せられたかを検出(確認)する。制御ユニット28は、この検出結果に基づいて、マークM2の表示を行う。マークM2は、スイッチ26が押された(スイッチ26から手が離れた)後、操作者が確認し易いように一定時間(例えば、3秒)表示される。なお、マークM2は、発光素子21aで発せられた光信号を受光素子21bで受光し、その結果を表示させる構成としてもよい。
表示部22aでは、送受信部21で何らかの信号を受信した場合に、マークM1が表示される。本実施形態では、制御ユニット28が、受光素子52からの信号を受信(検知)して、表示部22aにマークM1を表示させる。これにより、操作者が、リモコン20の受信状態を把握できる。
なお、受信状態の表示は、信号の非受信時にはマークを表示して信号の受信時にはマークを表示しないようにしてもよい(送信状態の表示も同様でもよい)。また、受信状態の表示(マーク)としては、文字、数値、記号、等であってもよい(送信状態の表示も同様でもよい)。また、受信された信号の強度に応じて表示を変えてもよい。また、信号の受信状態の時間変化が判るようにグラフ化して表示してもよい。
同様に、セットアップ画面40の送受信状態表示部60では、制御ユニット10が、送受信部5の受信状態に基づいて(信号を受信した場合に)マークM3を表示させ、送受信部5の送信状態に基づいて(信号を送信した場合に)マークM4を表示させる。これにより、操作者が、受信状態及び送信状態を把握できる。
なお、発光素子52による光信号の送信を、発光素子52から発せされた光を受光素子51にて受光し、その結果を表示部60に表示させる構成としてもよい。
以上のような構成を備える装置の動作を、リモコン20の操作を中心に説明する。操作者は、リモコン20のスイッチ部23を操作し、ディスプレイ30に所期する視標を表示させ、被検者眼の視力検査を行う。例えば、スイッチ24の操作によって視標の種類を選択し、スイッチ25の操作によって視標の視力値を変更しながら視力検査を進める。
ここで、リモコン操作に関するエラー等の問題とその原因の特定とについて説明する。リモコン20による装置1の操作ができない場合、操作者は、以下の手順でエラー等の問題の原因を特定する。また、操作者は、問題によってはこれを解決する。
先ず、リモコン20に問題がなく装置1を1台設置する場合について説明する。操作者は、スイッチ27a及び27bを操作してディスプレイ22に表示部22aを表示させる。そして、リモコン20を持って、装置1の設置位置付近まで移動し、表示部22aを確認する。表示部22aにマークM1が表示されていれば、操作者は、送受信部5が外乱光を受光(受信)していることが判る。この場合、操作者は、送受信部5が外乱光を受光するのを防ぐため、室内照明灯、窓(日光)、等から装置1を遠ざけたり、装置1の向きを変えたりするなどの作業を行う。このような作業により、表示部22aのマークM1が消えれば、リモコン20による装置1の操作が可能となる。すなわち、問題の原因は外乱光と特定できたこととなる。また、上記のような作業によって問題が解決しなければ、装置1(送受信部5等)に問題があることが特定できる。
このような作業は、装置1の設置前にリモコン20を用いて単独で行うことができ、装置1の設置に適した場所を簡単に探すことができる。また、リモコン20は自由に位置、高さ、等を変えられるため、例えば、蛍光灯にリモコン20を近づける等の作業をすることにより、問題の原因が外乱光であることが特定し易くなる。
なお、以上の説明は、リモコン20を用いて、装置本体1が設置された場所での光信号の受信状態を確認する説明としてが、これに限るものではない。装置本体1の設置場所での受信状態が確認できる構成であればよい。
リモコン20を用いずに装置本体1の送受信部5(装置本体1に設けられた受信確認ユニット)を利用する場合を説明する。操作者は、ファンクションスイッチ7を操作してセットアップ画面40をディスプレイ30に表示させる。そして、表示部60を確認する。リモコン20を操作していない状態で表示部60にマークM3が表示されていれば、操作者は、送受信部5が外乱光を受光(受信)しているか、又は装置本体1(送受信部5等)が故障しているかが判る。この場合、操作者は、送受信部5が外乱光を受光するのを防ぐため、室内照明灯、窓(日光)、等から装置本体1を遠ざけたり、装置本体1の向きを変えたり、設置場所を変更するなどの作業を行う。このような作業により、表示部60のマークM3が消えれば、リモコン20による装置本体1の操作が可能となる。すなわち、問題の原因は外乱光と特定できたこととなり、外乱光によるリモコン操作のエラーを解消することができる。また、上記のような作業によって問題が解決しなければ、装置本体1(送受信部5等)に問題があることが特定できる。さらにまた、リモコン20を操作しても表示部60にマークM3が表示されなければ、やはり装置本体1(送受信部5等)に問題があること(その可能性が高いこと)が特定できる。
次に、リモコン20に問題がなく装置本体1を複数台並べて設置する場合で、リモコン20に設けられた受信状態確認ユニットを利用する場合について説明する。この場合、複数のリモコンを同時に操作することによる信号の混信(混線)が起こり得る。例えば、装置本体1を2台並べて設置し、1台目の装置本体1である第1装置本体1に対応したリモコン20を第1リモコン20とし、2台目の装置本体1である第2装置本体1に対応したリモコン20を第2リモコン20とする。リモコン20は装置本体1に対応して設定されており、送信される信号には装置固有のコードが付与されているため、第1装置本体1が第2リモコン20の信号を受信しても制御ユニット10がその信号(指令)を無視する(第2装置本体1が第1リモコン20の信号を受信しても同様)。しかし、第1又は第2装置本体1が第1及び第2リモコン20からの信号を同時に受信すると、制御ユニット10は、受信された信号(指令)に基づく動作を実行できない。このように、複数台の装置1及びリモコン20を同時に使用すると、信号の混信(混線)が起こり得る。
操作者は、前述の場合(装置本体1が1台の場合)と同様の操作を行い、第1リモコン20を持って第1装置本体1の設置位置付近まで移動し、表示部22aを確認する。第1リモコン20の表示部22aにマークM1が表示されていれば、前述の作業(外乱光の除去等)を行う。
次に、第2リモコン20を第2装置本体1に対する操作位置で操作して、第1リモコン20での受信状態を確認する。このとき、第1リモコン20の表示部22aにマークM1が表示されれば、第1装置本体1は第2リモコン20からの信号を受信したこととなる(この場合、第2装置本体1が第1リモコン20からの信号を受信する可能性も高い)。すなわち、2台のリモコン20からの信号の混信(混線)が問題の原因と特定される。この場合、操作者は、第1リモコン20の表示部22aを確認しながら第1リモコン20を移動させ、混信(混線)のない位置を探し、その位置に第1装置本体1を設置する。また、これに伴って、第2装置本体1の設置位置も変更する。これにより、問題が解決される。このように、持ち運び易いリモコン20を用いることにより、混信(混線)のない位置が容易に確認でき、装置1の設置作業が効率的に行える。なお、受信状態の確認作業の順序は、何れの装置1が先でもよい。
リモコン20に問題がなく装置本体1を複数台並べて設置する場合で、装置本体1に設けられた送受信部5(受信状態確認ユニット)を利用する場合について説明する。
操作者は、前述の場合(装置本体1が1台の場合)と同様の操作を行い、表示部60を確認する。第1リモコン20を操作していない状態で第1装置本体1の表示部60にマークM3が表示されていれば、前述の作業(外乱光の除去等)を行う。一方、第1装置本体1の表示部60にマークM3が表示されていなければ、第1リモコン20を第1装置本体1に対する操作位置で操作して受信状態を確認する。そして、受信状態が確認できれば、次に、第2リモコン20を第2装置本体1に対する操作位置で操作して受信状態を確認する。この時、第1装置本体1の表示部60にマークが表示されれば、第1装置本体1は第2リモコン20からの信号を受信したこととなる(この場合、第2装置本体1が第1リモコン20からの信号を受信する可能性も高い)。すなわち、2台のリモコン20からの信号の混信が問題の原因と特定される。この場合、操作者は、第1装置本体1の表示部60を確認しながら、第2リモコン20からの信号が第1装置本体1の受信部5に受信されない位置まで第2リモコン20の操作位置を変更する。また、これに伴って、第2装置本体1の設置位置も変更する。これによって、問題が解決される。なお、受信状態の確認作業の順序は、何れの装置1が先でもよい。
次に、リモコン20に問題がある場合について説明する。操作者は、リモコン20を操作し、表示部22aを確認する。この場合、表示部22aにはマークM2(送信状態を表示するマーク)は表示されない。この場合、発光素子21aが故障している可能性がある。なお、リモコン20のバッテリが消耗している場合は、表示部22a(ディスプレイ22)が表示されない。このようにして、リモコン20の故障が問題の原因と特定される。
また、リモコン20に問題がある場合で、装置本体1の送受信部5(装置本体1に設けられた受信確認ユニット)を利用する場合を説明する。操作者は、リモコン20を操作し、表示部60を確認する。この場合、表示部60にはマークM3は表示されない。操作者は、リモコン20のバッテリを交換した上で再度リモコン20を操作し、表示部60を確認する。表示部60にマークが表示されていれば、バッテリの消耗が問題の原因と特定される。一方、マークM3が表示されていなければ、リモコン20の故障が問題の原因と特定される。
次に、装置本体1とリモコン20との双方向通信を確認する動作を説明する。操作者は、同様の動作でリモコン20のディスプレイ22に表示部22aを表示させる。また、ファンクションスイッチ7を操作して、装置1のディスプレイ30にセットアップ画面40(表示部60)を表示させる。操作者は、リモコン20を持って、装置1の操作時の設置距離まで移動する(装置本体1とリモコン20との距離を設置距離とする)。そして、スイッチ26を操作し、表示部22aを確認し、表示部60を確認する。
表示部22aにマークM2が表示され、表示部60にマークM3が表示されれば、リモコン20から装置1に信号が送信されていることとなる。そして、表示部60にマークM4が表示されているにもかかわらず、表示部22aにマークM1が表示されていなければ、装置1からリモコン20への返信(信号の送信)がない、又は、届いていない、こととなる。この場合、操作者は、リモコン20の操作位置を装置1寄りにして、問題に対処する。
表示部60にマークM3が表示されているにもかかわらず、マークM4が表示されていない場合は、送受信部5の発光素子52(又は駆動回路)が故障していることが判り、問題の特定ができる。
このようにして、装置1とリモコン20との双方向通信における問題を簡単に特定できる。
以上のようにして、リモコン20を用いて送受信状態を簡単に確認でき、リモコン操作に関する問題の原因を簡単に把握(特定)できる。また、装置本体1とリモコン20との双方向通信(送受信状態)を簡単に把握できる。また、問題の原因を把握(特定)することにより、問題によっては簡単に解決できる。具体的には、リモコン20側の問題(故障、バッテリの消耗、等)なのか、装置本体1側の問題(故障、外乱光又は外乱信号の受光又は受信、等)なのか、リモコン20と装置本体1との設置距離等の関係が問題なのか、が簡単に把握(特定)できる。また、外乱光又は外乱信号の受光又は受信が問題である場合、表示部22aを確認しながら外乱光又は外乱信号の原因となるものを除去することにより、問題を簡単に解決できる。
また、送受信状態をディスプレイ22に表示することにより、新たに送受信状態の表示部を設ける必要がなく、コスト等を抑えることができる。また、送受信状態を検知(測定)する専用のセンサ(露光装置等)を用意する必要がない。
また、上記の実施形態では、信号の送受信状態の表示部22aをディスプレイ22に表示したが、これに限るものではない。例えば、リモコン20の作動状態を示すパイロットランプ20aの点灯/消灯状態によって送受信部21の送受信状態を示してもよい。この場合、受信状態を赤色、送信状態を青色、等として識別できるようにすることが好ましい。
また、上記の実施形態では、制御ユニット28が表示部22aの表示を制御したが、これに限るものではない。例えば、送受信部21からの信号又は送受信部21への信号を直接表示部22aに表示させる構成としてもよい。
また、上記の実施形態では、装置1とリモコン20との間の無線通信に赤外線(光信号)を用いたが、これに限るものではない。ワイヤレスで通信できる構成であればよい。例えば、電波(電磁波)を用いてもよい。この場合、リモコン及び装置本体に設けられる送受信部は、リモコンからの切換え信号である電波の波長特性(周波数)を受信可能な構成とする。なお、リモコン及び装置本田に設けられる送信素子は、電波を発する素子(アンテナ等)とする。
また、上記の実施形態では、スイッチ27a及び27bが送受信状態表示モードを選択するリモコン20側のモードスイッチとされているが、これに限るものではない。専用のスイッチが設けられていてもよい。また、テストスイッチも専用のスイッチが設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、視標呈示部3にディスプレイ30を用いたが、これに限るものではない。例えば、視標投影式の視標呈示部を用いてもよい。
また、上記の実施形態では、リモコンと装置本体1が双方向通信する方式としたが、これに限るものではない。リモコンから装置本体1に信号が送信されるのみの単方向通信方式の装置であってもよい。そして、装置本体1の受信素子と同様の受信特性を持つ受信素子が少なくともリモコンに設けられている構成であればよい。
また、以上の説明では、リモコン20及び装置本体1に、送受信状態確認ユニットとして、受信部及び送信部を兼ねる送受信部と、送受信の状態を表示する表示部とを設ける構成としたが、これに限るものではない。視標呈示装置100において、どちらかの装置に送受信状態確認ユニットが設けられる構成であればよい。また、各装置において、送信状態の確認は必ずしも必要としない。少なくとも受信状態の確認ができる構成であればよい。受信状態の確認ができることによって、装置本体に入射する外乱光(信号)の問題の特定と解消が行える。