本出願は、同一出願人が所有する、2010年9月24日に出願され、代理人整理番号第102987P1号を付与された、米国仮特許出願第61/386,278号、および2010年9月28日に出願され、代理人整理番号第102910P1号を付与された、米国仮特許出願第61/387,433号の利益および優先権を主張し、上記の各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の様々な態様が以下で説明される。本明細書の教示は多種多様な形態で具現化でき、本明細書で開示されている任意の特定の構造、機能、またはその両方は代表的なものにすぎないことは明らかであろう。本明細書の教示に基づいて、本明細書で開示される態様は任意の他の態様とは独立に実装され得ること、およびこれらの態様のうちの2つ以上を様々な方法で組み合わせることができることを、当業者は理解されよう。たとえば、本明細書に記載の態様をいくつ使用しても、装置を実装し、または方法を実施することができる。さらに、本明細書に記載の態様のうちの1つまたは複数に加えて、または、それら以外の、他の構造、機能、または構造および機能を使用して、そのような装置を実装し、またはそのような方法を実施することができる。さらに、態様は、請求項の少なくとも1つの要素を備え得る。
図1は、例示的な通信システム100(たとえば、通信ネットワークの一部)のいくつかのノードを示す。説明のために、本開示の様々な態様は、1つまたは複数のアクセス端末とアクセスポイントとネットワークエンティティとが相互に通信しているという想定で説明される。ただし、本明細書の教示は、他の種類の装置、または他の用語を使用して参照される他の同様の装置に適用可能であり得ることが理解されよう。たとえば、様々な実施態様において、アクセスポイントは、基地局、NodeB、eNodeB、フェムトセル、Home NodeB、Home eNodeBなどと呼ばれ、またはそれらとして実装されてよく、一方、アクセス端末は、ユーザ装置(UE)、移動局などと呼ばれ、またはそれらとして実装されてよい。
システム100のアクセスポイントは、システム100のカバレッジエリア内に設置され得るかまたはシステム100のカバレッジエリア内をローミングし得る1つまたは複数のワイヤレス端末(たとえば、アクセス端末102)に対して、1つまたは複数のサービス(たとえば、ネットワーク接続)へのアクセスを提供する。たとえば、様々な時点で、アクセス端末102は、アクセスポイント104、アクセスポイント106、アクセスポイント108、アクセスポイント110、またはシステム100中の何らかのアクセスポイント(図示せず)に接続し得る。これらのアクセスポイントの各々は、ワイドエリアネットワーク接続を容易にするために、1つまたは複数のネットワークエンティティ(便宜上、ネットワークエンティティ112によって代表される)と通信できる。
これらのネットワークエンティティは、たとえば1つまたは複数の無線エンティティおよび/またはコアネットワークエンティティのような、様々な形式をとり得る。したがって、様々な実施態様において、ネットワークエンティティは、ネットワーク管理(たとえば、オペレーション、アドミニストレーション、マネージメント、およびプロビジョニングエンティティによる)、呼制御、セッション管理、モビリティ管理、ゲートウェイ機能、インターワーキング機能、または何らかの他の適切なネットワーク機能のうちの、少なくとも1つのような機能を表し得る。いくつかの態様では、モビリティ管理は、トラッキングエリア、ロケーションエリア、ルーティングエリア、または何らかの他の適切な技術を使用することによってアクセス端末の現在地を追跡することと、アクセス端末に対するページングを制御することと、アクセス端末にアクセス制御を提供することとに関する。また、これらのネットワークエンティティのうちの2つ以上は同じ場所に配置されてよく、かつ/またはネットワーク全体に分散されてよい。
本明細書で教示されるような電力制御方式は、アクセスポイント104〜108の送信電力を制御するために使われる。ある典型的な実装形態では、アクセスポイント104〜108はフェムトセルである。
図1のエンティティの少なくとも1つは、ネットワークリッスンに基づく電力較正協調114と、トレーニング歩行に基づく電力較正116と、電力最適化118とのための機能を含む。図1の複雑さを緩和するために、この機能は、アクセスポイント104(たとえば、フェムトセルのクラスタの指定されたクラスタヘッド)のみに対して図示される。実際には、この機能の少なくとも一部(たとえば、ネットワークリッスン測定の実行およびアクセス端末102からの測定レポートの受信)が、アクセスポイント104〜108の各々において実行される。機能の残り(たとえば、アクセスポイント104〜108によって収集される情報に基づく送信電力値の計算)は、アクセスポイント104〜108によって分散方式で実装されてよく、または、アクセスポイント104〜108(たとえば、フェムトセルクラスタの指定されたヘッド)もしくはネットワークエンティティの指定された1つのような単一のエンティティによって実装されてよい。たとえば、いくつかの実装形態では、この機能は、ネットワークエンティティ112(たとえば、ネットワークオペレータによって展開されるBSCネットワークエンティティ)において部分的に実装され、アクセスポイント104〜108において部分的に実装される。しかし、他の実装形態では、この機能は、アクセスポイント104〜108の各々の中で完全に分散されて実装される。
例示のために、この機能は、トレーニング歩行を利用するフェムトセルカバレッジ計画手順に関して説明される。この手順は、たとえば、展開されるべきフェムトセルの数および配置を決定することと、トレーニング歩行において使われるべきフェムトセル送信電力の初期値を決定することと、トレーニング歩行に基づいてフェムトセル送信電力を較正することと、送信電力の最適化を実行することとを伴う。送信電力のこの決定は、本明細書ではスーパーバイズド・モバイル・アシステッド・レンジ・チューニング(SMART:Supervised Mobile Assisted Range Tuning)と呼ばれ得る。
フェムトセルが展開されると、ネットワークリッスンに基づく電力較正協調114は、マクロセル信号に基づいて、フェムトセルによって使われるべき初期送信電力を決定する。たとえば、フェムトセルの各々は、ネットワークリッスン電力較正(NLPC)を使って、NLMを介してそのフェムトセルにおいて受信されるアクセスポイントFL信号(たとえば、マクロセル信号および/またはフェムトセル信号)に基づいて、初期送信電力値を決定する。次いで、各フェムトセルは、自身が計算した送信電力値を電力較正協調114へ送信する。電力較正協調114は次いで、トレーニング歩行に基づく較正手順の間にフェムトセルの各々によって使われるべき送信電力を決定し、対応する送信電力情報をフェムトセルの各々に送信する。次いでトレーニング歩行が開始され、それによって、アクセス端末102はトレーニング歩行パス120に沿って移動し、アクセス端末102は測定レポートをフェムトセルに送信する。次いで、これらの測定レポートからの情報が、トレーニング歩行に基づく電力較正116へ送信され、これによって、トレーニング歩行に基づく電力較正116が、これらの測定レポートに基づいて、フェムトセルによって使われるべき送信電力を決定する。次いで、(たとえば、最初のまたは後続のトレーニング歩行の間に)トレーニング歩行に基づく電力較正116によって決定された情報に基づいてフェムトセルを再構成すべきかどうかを判定するために、電力最適化118が使われる。
ここで、展開の構築のためのSMARTに基づくフェムトセルカバレッジ計画を提供するために利用され得る例示的な動作が、図2のフローチャートとともにより詳細に説明される。便宜的に、図2の動作(または、本明細書で議論または教示される任意の他の動作)は、特定のコンポーネント(図1または図8のコンポーネント)によって実行されるものとして説明され得る。ただし、これらの動作は、他の種類のコンポーネントによって実行でき、異なる数のコンポーネントを使用して実行できることが理解されよう。また、本明細書で説明する動作のうちの1つまたは複数は、所与の実装形態では利用されない場合があることを理解されたい。
ブロック202によって表されるように、展開されるべきフェムトセルの数が決定され、そうしたフェムトセルの配置が決定される。たとえば、技術者が、カバーされるべきエリアおよびエリアの形状(たとえば、住宅または企業の建物)に基づくフェムトセルの数および配置、構造物の材料、およびRF散乱環境を選択することができる。一般に、ユーザが建物に入ると、ユーザがフェムトセルによってサービスされるのが望ましい。このようにして、より安定したレベルのサービスを提供することができ(たとえば、建物の奥におけるマクロセルの呼の切断を回避することによって)、一部の場合には、追加のサービス(たとえば、より高い帯域幅のサービス)が提供され得る。したがって、通常の設計目標は、フェムトセル群の全体としてのカバレッジが、建物の内部全体をカバーすることである。
1つまたは複数の指針が、手順のこの段階において利用され得る。1つの指針は、(たとえば、企業の至る所に)フェムトセルが可能な限り均一に配置されるべきであるということである。このことは、各フェムトセルのカバレッジが同様かつ対称的になり得るのを確実にすることの助けとなる。このことはまた、順方向リンク/逆方向リンク(FL/RL)の不均衡および不均等な負荷の問題を回避することの助けともなる。別の指針は、各フェムトセルから建物の外側を直接(たとえば、窓を通じて直接)見られないことを確実にするということである。このことは、建物の外側へのフェムトセルの電力の漏洩を制限することの助けとなる。別の指針は、各フェムトセルが建物の任意の端および/または角から遠すぎないことを確実にするということである。このことは、これらの位置をカバーするためにフェムトセルの電力設定を非常に高くする必要をなくすことの、助けとなる。
展開されるフェムトセルの数は、部分的に、各フェムトセルによって提供される順方向リンクカバレッジに依存する。たとえば、いくつかの実装形態では、各フェムトセルは、15dBmという実用上の最大送信電力の制限を有し得る。いくつかの態様では、カバレッジは、フェムトセルFLまたはフェムトセルビーコンによって指示される。たとえば、ある専用型の展開(フェムトセルがマクロセルとは異なる周波数にある)では、マクロセルサイトにおいて、この場合のフェムトセルFLカバレッジは90〜95dBであり、一方フェムトセルビーコンカバレッジは70〜75dBであり得る。この場合の専用型の展開でのマクロセル端部において、フェムトセルFLカバレッジは110〜115dBであり、一方フェムトセルビーコンカバレッジは95〜100dBであり得る。共通チャネルの展開(フェムトセルがマクロセルと同じ周波数にある)では、この場合マクロセルサイトにおいて、フェムトセルFLカバレッジは80dBであり得る。この場合の共通チャネルの展開でのマクロセル端部において、フェムトセルFLカバレッジは105dBであり得る。企業での大規模な展開(たとえば、壁で区切られたオフィスを有するオフィスビル)では、フェムトセルカバレッジの指針は、たとえば、7000平方フィートのオーダーであり得る。
図3は、4個のフェムトセル302、304、306、および308が、建物Bに展開される展開の例を、簡略化された方式で示す。ここで、フェムトセル302、304、306、および308は、同等のカバレッジエリアを有し、角での適切なカバレッジを提供するように、ある程度均等に間隔を空けられて、外部が直接見えない(たとえば、フェムトセル302、304、306、および308は屋内の部屋に配置されている)ことが理解され得る。
図2のブロック204によって表されるように、フェムトセルが展開されると、SMART手順204が呼び出される。この手順は、適用可能であれば、送信電力初期化動作と、技術者により支援される電力調整動作と、最適化トリガ動作とを伴う。
ブロック206によって表されるように、送信電力初期化動作が実行される。ある典型的な実施形態では、フェムトセルのすべてが、NLPCを用いて自身の最初の起動値を較正する。たとえば、各フェムトセルは、マクロセルおよび/または他のフェムトセルからの信号をモニタして、受信された信号に基づいて自身の電力値(たとえば最大電力値)を計算することができる。次いで、各フェムトセルの送信電力(たとえば最大送信電力)が、異なるフェムトセルに対して計算された値のすべてに基づいて決定され得る。
一般に、この時点では、フェムトセルのすべてに対して、同一または同様の送信電力を使用するのが望ましい。いくつかの態様では、ここでの目標は、すべてのフェムトセルを同様の電力レベルへと初期化することであり、その電力レベルは、意図されるカバレッジ領域全体から測定レポートを収集するのに十分高い。これが行われると、トレーニング歩行による電力調整手順の間、フェムトセルのすべてが同様のカバレッジエリアを有することになる。その結果、したがって各フェムトセルは、ほぼ同じエリアをカバーするように、自身の最終的な電力レベルを設定しようとする。このようにして、フェムトセルのすべてに対する実質的に等しいカバレッジエリアが実現され得る。
上で言及されたように、トレーニング歩行の間にフェムトセルの各々によって使われるべき送信電力は、集中的に(たとえば単一のエンティティによって)求められてもよく、または分散的に求められてもよい。前者の場合には、各フェムトセルは、NLPC手順を使って送信電力値を決定し、その値をエンティティにレポートする。これらの受信された値に基づいて、エンティティは、フェムトセルによって使われるべき送信電力値を計算する。後者の場合には、各フェムトセルは、NLPCによって計算された電力値を、他のフェムトセルの各々にレポートする。したがって、所与のフェムトセルによって受信された値に基づいて、そのフェムトセルは、トレーニング歩行の間にフェムトセルが使う送信電力値を計算する。
いくつかの実施形態では、レポートされた値のすべてのうちの最大値が計算され、フェムトセルのすべてがその同じ最大値へ初期化される。たとえば、集中型の実施形態では、単一のエンティティがこの最大値を計算し、その最大値をフェムトセルへ送信する。分散型の実施形態では、各フェムトセルがこの最大値を自身で計算する。このようにして、フェムトセルのすべて(大きなマクロセル干渉にさらされているものでも)が適切なカバレッジを提供できることが、確実になり得る。
いくつかの実施形態では、所与のフェムトセルに対して最初に計算された送信電力値(たとえば、NLPCに基づく値)をこの段階でどの程度変更できるかについて、制限が設けられる。このようにして、マクロネットワークへの干渉が、ある程度制限され得る。しかし、この場合、異なるフェムトセルのカバレッジエリアは、いくらか変動し得る。
一般に、利用可能な最大の電力(たとえば、ハードウェア制約に基づく)は、較正段階の最大送信電力として選択されない。このようにして、マクロチャネルに対する影響を、ある程度軽減することができる。
図2のブロック208によって表されるように、フェムトセルのすべてが、自身の送信電力を初期化すると、技術者によって支援される電力調整が行われる。ここで、フェムトセルのすべてが、マクロ環境と、周囲の他のフェムトセルの存在とに基づいて、自身の電力を調整する。これを行うために、アクティブな呼(たとえば、音声またはデータ接続)がフェムトセルチャネル上で開始され、トレーニング歩行が実行される。好ましくは、この歩行のパスは、すべてのフェムトセルの所望のカバレッジエリアを網羅する。このトレーニング歩行は、たとえば、携帯電話のユーザまたは技術者(たとえば、IT技術者、ネットワークオペレータの技術者など)によって実行され得る。
送信電力レベルを較正するためにフェムトセルユーザの測定レポートを収集するのは可能であるが、そのような手法にはいくつかの欠点がある。たとえば、フェムトセルユーザが音声の呼を開始し、所望のカバレッジエリアから歩いて出る可能性がある。したがって、カバレッジを適合しようとしているフェムトセルは、自身のカバレッジ領域を拡大させる可能性が高い。その結果、フェムトセルは最終的に、最大の許容される送信電力(たとえば20dBm)で送信することになり、マクロセルネットワークへの干渉を引き起こす。別の例として、フェムトセルユーザの密度または交通量は非対称であり得るので、カバレッジエリアにカバレッジホールを生じる。したがって、本明細書の教示によれば、フェムトセルの送信電力を較正するための、良好に定められたトレーニングパス(たとえば技術者の支援を介した)を利用するのが、一般に好ましい。
図3は、点線310によって表されるトレーニング歩行パスの例を、簡略化して示す。一般に、このパスは、4個のフェムトセル302、304、306、および308のカバレッジエリアの重要な部分を横切る。
トレーニング歩行の間、フェムトセルは、フェムトセルおよびマクロセルの信号品質を測定してレポートするように、アクティブなモバイル機器に要求する。これによって、異なる点におけるパスロスと、観測される干渉とを示すものが、サービングフェムトセルに与えられる。この情報を使って、すべてのフェムトセルが、最適な送信電力レベルを実現しようと、自身の送信電力を調整する。この送信電力を計算するためのアルゴリズムのいくつかの例が、以下で説明される。この段階においては、ビーコンは、技術に応じて、送信されてもされなくてもよい(たとえば、CDMA 1xRTTでは、ビーコンは必要ではないことがあるが、CDMA 1xEV−DOでは、ビーコンは通常送信される)。この手順は、さらなる電力の調整のために繰り返され得る。
ブロック210によって表されるように、送信電力較正動作の後で、フェムトセルの位置と送信電力値とをさらに最適化しようとして、最適化トリガが利用され得る。この最適化は、たとえば、絶対的な送信電力レベル、フェムトセル間での送信電力の差、および、各フェムトセルによってサービスされているカバレッジエリアのうちの、1つまたは複数に基づいてよい。
ブロック212および214によって表されるように、最適化の基準が満たされる(たとえば、最適化トリガが起きない)場合、展開は完了し、フェムトセルは、送信電力較正動作の間に計算された送信電力値を使用する。逆に、ブロック212において最適化の基準が満たされる(たとえば、少なくとも1つの最適化トリガが起きる)場合、フェムトセルの数および/または位置を変更する必要があるということを技術者に知らせるための、指示が提起され得る。この場合、フェムトセルがブロック216によって表されるように再構成されると、SMART手順204が、新たな構成に対して再び実行される。上記の処理は、満足のいく展開が実現されるまで、必要に応じて繰り返される。
本明細書で教示されるようなカバレッジ計画方式の使用を通じて、複数のフェムトセルによる展開(たとえば、企業における展開)に関連するいくつかの問題が、軽減され得る。これらの問題には、たとえば、FL/RLの大きな不均衡、マクロセルRLに対する負の影響、およびマクロセルFLに対する負の影響がある。
大きな建物の異なる位置におけるマクロセル信号強度は、マクロセルと所与の位置との間の距離および建物構造によって(たとえば、窓の隣の位置と、建物の中央部の位置とでは)、大きな量(たとえば20〜30dB)変動し得る。さらに、ネットワークリッスン手法のみに基づく電力較正は、マクロセルサイトの近くに位置する、複数の隣接するフェムトセルの間に、大きな送信電力の差を生じ得る。これは、転じて、FL/RLの大きな不均衡につながり得る。ここで、ユーザは、DLではより強いがより遠くのフェムトセルによってサービスされ得るので、ユーザは、ULでは比較的高電力で送信し、より弱いがより近くのフェムトセルにおいて大きな干渉を引き起こし得る。
いくつかの態様では、そのような不均衡を軽減するために、本明細書で教示されるようなカバレッジ計画が利用され得る。たとえば、より多くのフェムトセルが展開されるべきであるという決定が行われてよく、これによって、そうしたフェムトセルの各々はより小さなカバレッジエリアを有するようになる。この構成は転じて、システム内での送信電力の差を限定することの助けとなる。
マクロセルRLに対するフェムトセルユーザの影響は、マクロセルおよびフェムトセルへのユーザのパスロスの差と、フェムトセルのノイズ値(たとえば、通常はマクロセルよりも高い)と、フェムトセルにおけるrise−over−thermal(RoT)(たとえば、アクティブな近くのマクロセルユーザが原因で非常に高い可能性がある)とに、応じたものである。フェムトセルのカバレッジエリアが大きい場合、フェムトセルカバレッジの端部におけるフェムトセルユーザは、比較的高電力で送信する。このことと、フェムトセルの端部において発生し得るパスロスの差がより小さいこととによって、近くのマクロセルにおけるRL干渉が生じ得る。
そのような干渉を軽減するためにも、やはり、本明細書で教示されるようなカバレッジ計画を利用することができる。カバレッジエリアが小さなフェムトセルをより多く展開することによって、フェムトセルユーザがフェムトセルの端部において非常に高い電力で送信する可能性を低くできる。
通常、ワイヤレスネットワークは、マクロセルからフェムトセルへのハンドインをサポートしない。その結果、(たとえば、建物の角においてカバレッジが提供されるのを確実にするために)フェムトセルのカバレッジエリアが広い場合、建物の外側への(たとえば窓を通じた)大きなフェムトセル電力漏洩が存在し得る。フェムトセルが非公開のアクセスを有する場合には、この漏洩は転じて、建物の近くのアクティブなマクロセルユーザと干渉し得る。さらに、公開のフェムトセルアクセスの場合でも、一部の実装形態では、マクロセルユーザが近くを通ることによる過剰な再選択およびフェムトセルへのハンドオーバーを避けるために、または、アクティブなハンドインがサポートされない場合に呼の切断を避けるために、建物内にフェムトセルカバレッジを封じ込めることがやはり望ましい。
そのような干渉を軽減するためにも、やはり、本明細書で教示されるようなカバレッジ計画を利用することができる。より小さなカバレッジエリアにより多くのフェムトセルを展開することで、そのような漏洩が発生する可能性を小さくすることができる。また、建物内のフェムトセルによるビーコンの送信に関連する干渉を軽減するために、階層化ビーコンまたは機会主義的フェムトセルビーコンを利用することができる。さらに、本明細書で教示されるようなカバレッジ計画は、比較的実行が簡単であり得るとともに、精巧な装置を利用する大掛かりな計画またはRF測定戦略を伴わなくてもよい。むしろ、技術者(または他の適切な人物)からの少量の支援によって得られる情報に基づいて、フェムトセルの送信電力は、分散型の構成と集中型の構成のいずれかを使って、(たとえば自己較正を介して)RF環境へと自動的に適合され得る。
上記のことに留意して、複数のフェムトセルの送信電力を制御するために実行され得る例示的な動作が、図4〜図7のフローチャートを参照して説明される。
図4は、フェムトセルのネットワークの各フェムトセルの送信電力を初期化するための、例示的な動作を示す。具体的な実装形態に応じて、このことは、フェムトセルDL送信電力と、オプションでフェムトセルビーコン送信電力とを設定することを伴う。ブロック402によって表されるように、フェムトセルが展開された後で、初期化が開始する。
ブロック404によって表されるように、各フェムトセルは、アクセスポイント信号(たとえば、マクロセルからの信号および/または他のフェムトセルからの信号)のモニタに基づいて、送信電力値を決定する。たとえば、各フェムトセルは、NLPC動作を実行し、受信されたマクロセル信号に基づいて、そのフェムトセルの最大送信電力を計算することができる。
この送信電力値は、様々な基準の1つまたは複数に基づいて計算され得る。いくつかの実装形態では、最大送信電力値が、所望のカバレッジエリア中のすべての領域からアクティブなレポートを取得するのに適切な電力を提供するように、選択される。いくつかの実装形態では、最大送信電力値が、トレーニング歩行の間のマクロセルユーザへの影響を限定するように選択される。いくつかの実装形態では、最大送信電力値は、複数のフェムトセルに等しい電力を提供して、FL/RLの不均衡を最小にするように選択される。
この送信電力値は、様々な受信信号の情報に基づいて計算され得る。いくつかの実装形態では、チャネル上での受信された全体の電力(たとえばIo)と、チャネル上での受信されたパイロットエネルギー(たとえばEcp)のうちの1つまたは複数が、送信電力を計算するために使われる。これらの量は、フェムトセルのNLMによって測定されることに留意されたい。いくつかの実装形態では、送信電力は、フェムトセルカバレッジの端部における、規定された信号対雑音比(SNR)(たとえば、定義されたパスロスによって規定されるような)を満たすように設定される。この場合、送信電力は、マクロセルに起因する測定されたIo、定義されたパスロス、および目標のSNRに基づいて計算され得る。
いくつかの実装形態では、フェムトセル送信電力は、たとえば、カバレッジ範囲の端部において、フェムトセルのパイロット品質(たとえば、UMTSシステムにおけるCPICH Ec/Ioのような共通のパイロットチャネルの品質)が定義された閾値よりも良好であると規定されるようなカバレッジ状態を満たすように選択される。(たとえばUMTSの)いくつかの場合には、閾値は、マクロセルSIB 11メッセージでブロードキャストされたQqualmin,femtoパラメータに相当する。さらに、マクロセルネットワークへの干渉を限定するために、フェムトセル送信は、フェムトセルカバレッジ範囲の端部において、最大でもある一定の量だけ、マクロセルIoを上昇させることが許される。フェムトセル送信電力は、これらの2つの基準のうちの最小値になるように選定される。これらの手順によって、フェムトセル送信電力を、マクロセルネットワーク中での位置に基づいて適合させることができる。たとえば、送信電力は一般に、測定されるマクロセルの受信信号強度(たとえばRSSI)が弱い位置においては、測定されるマクロセルの受信信号強度が強い位置と比べて、低く設定される。
いくつかの実装形態では、フェムトセル送信電力は、あるカバレッジ状態および隣接チャネル保護状態を満たすように選定される。ここで、1つの隣接チャネル保護状態は、較正されているフェムトセルに関連する同一のワイヤレスネットワークオペレータに相当し、別の隣接チャネル保護状態は、較正されているフェムトセルに関連するオペレータとは異なるワイヤレスネットワークオペレータに相当する。
ブロック406および408によって表されるように、各フェムトセルは、自身の計算された送信電力値を、ブロック408〜412の送信電力制御動作を実行する少なくとも1つの協調エンティティに送信する。具体的な実装形態に応じて、これらの送信電力制御動作は、システム中の様々な種類のエンティティにおいて実行され得る。
いくつかの実装形態では、各フェムトセルは、他のフェムトセルのすべての送信電力値を受信し、(たとえば、すべてのこれらの値の最大値を選択することによって)受信された送信電力値に基づいて自身の送信電力を決定する。この場合、フェムトセルの各々は、ブロック406〜410の動作を実行する協調エンティティを備える。
いくつかの実装形態では、1つのエンティティは、フェムトセルのすべての送信電力値を受信し、受信された送信電力値に基づいて、(たとえば、すべてのこれらの値の最大値を選択することによって)使われるべき送信電力を決定し、決定された送信電力値をフェムトセルに送信する。この場合、この集中型のエンティティは、ブロック406〜410の動作を実行する協調エンティティを備える。このエンティティは、たとえば、フェムトセル、ネットワークエンティティ(たとえばBSC)、または何らかの他の種類のエンティティのうちの1つであってよい。
ブロック410によって表されるように、協調エンティティは、受信された送信電力値に基づいて、フェムトセルの少なくとも1つのための少なくとも1つの送信電力値を決定する。フェムトセルの各々が協調エンティティを備える場合、所与のフェムトセルが、自身の送信電力を決定する。集中型の協調エンティティがある場合には、そのエンティティが、フェムトセルの各々の送信電力を決定する。
上で言及されたように、一部の場合には、フェムトセルのすべてに対して同じ送信電力値が選択される。たとえば、受信された送信電力値のすべてから最大値が選択されてよく、この値がフェムトセルのすべてによって使われる。
やはり上で言及されたように、一部の場合には、所与のフェムトセルに対して選択された送信電力値は、何らかの方式で制限され得る。たとえば、最初は、受信された送信電力値のすべての最大値が選択され得る。しかし、そのフェムトセルによって計算された初期値(たとえば、NLPCに基づく送信電力値)を電力が上回る量が、指定された上限値よりも大きくならないように、電力は制限される。このようにして、トレーニング歩行動作の間にマクロセルネットワーク上で引き起こされる干渉の量に対する、制限が設けられ得る。
ブロック412によって表されるように、協調エンティティは、ブロック410において決定された送信電力値を使うように、少なくとも1つのフェムトセルを構成する。フェムトセルの各々が協調エンティティを備える場合、所与のフェムトセルは、ブロック410において自身が決定した値に基づいて、自身の送信電力を設定する。集中型の協調エンティティがある場合には、そのエンティティが、決定された値をフェムトセルに送信する。ここで、ブロック410において単一の値が計算された場合、この値がすべてのフェムトセルに送信される。逆に、ブロック410において異なる値が異なるフェムトセルに対して計算された場合、適切な値が各フェムトセルに送信される。エンティティがフェムトセルの1つである場合、フェムトセルは、自身で決定した対応する値に基づいて自身の送信電力を設定し、適切な値を他のフェムトセルに送信することに留意されたい。
図5は、フェムトセルのネットワークのための、例示的なトレーニング歩行に基づく送信電力較正動作を示す。ブロック502によって要求されるように、フェムトセルが自身の送信電力を設定した後で、初期化が開始する。
ここで、ハンドオーバーパラメータが、通常動作において使われる値とは異なる値に設定され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、ユーザにサービスしているフェムトセルは、自身のハンドオーバーヒステリシスパラメータ(たとえば「Hyst」)を0dBの値に設定し、この変化した値を示すものを、(たとえばハードハンドオーバーを可能にするメッセージを介して)技術者が使用するアクセス端末に送信する。いくつかの実装形態(たとえばUMTSフェムトセル)では、ユーザにサービスしているフェムトセルは、ハンドオーバーヒステリシスパラメータからセルラー局所オフセット(CIO)を引いたものを0dBの値に設定し、この値の変化を示すものを、(たとえばハンドオーバーを可能にするメッセージを介して)技術者が使用するアクセス端末に送信する。これらのいずれの場合でも、アクセス端末が、フェムトセルの別の1つからより強い信号を受信すると、アクセス端末は、その別のフェムトセルへハンドオーバーされる(たとえば、このハンドオーバー動作がハンドオーバーパラメータを使い、測定レポートに基づいて現在のサービングフェムトセルによって制御される場合、サービングフェムトセルはアクセス端末から受信する)。これは、他のフェムトセルの測定された信号強度が、現在のサービングフェムトセルの測定された信号強度を、何らかの量(たとえば、0ではないハンドオーバーヒステリシスパラメータによって定義されるような)だけ超えるまでハンドオーバーが起こらない、通常の動作モードとは対照的である。このようにしてヒステリシスパラメータを制御することによって、アクセス端末は、測定レポートを最も近いフェムトセルに送信する。したがって、各フェムトセルは、そのフェムトセルによって最終的にカバーされる可能性の高いカバレッジエリアに対する測定レポートのすべてを、より容易に収集することになる。
したがって、いくつかの態様では、フェムトセルにおけるハンドオーバー動作は、トレーニング歩行較正手順の間に、ハンドオーバー決定のための第1のハンドオーバーヒステリシス値を定義することと、トレーニング歩行較正手順が完了した後に(たとえば、通常の、初期化ではない動作において)、ハンドオーバー決定のための第2のハンドオーバーヒステリシス値を定義することとを伴ってよく、第2のハンドオーバーヒステリシス値は、第1のハンドオーバーヒステリシス値とは異なる(たとえば、より大きい)。ここで、トレーニング歩行較正手順の間に、アクセス端末が、各測定レポートを、各測定結果の中の最強の受信信号値に関連するフェムトセルへ送信するように、第1のハンドオーバーヒステリシス値が定義され得る。たとえば、いくつかの場合には、第1のハンドオーバーヒステリシス値(たとえば、「Hyst」または「Hyst−CIO」)は約0である。
トレーニング歩行は、フェムトセルの1つとのアクティブな呼(たとえば音声またはデータ)を技術者が確立すると開始する。このことは、たとえば、技術者が、アクセス端末および/またはフェムトセル上で規定されたアプリケーションを呼び出す(たとえば、ユーザ入力デバイスを動作させることによって)ことを含み得る。したがって、トレーニング歩行動作を実行するための、特定のアクセス端末が識別される。技術者は、(たとえば、不必要に広いカバレッジエリアを生成するのを避けるために)カバレッジエリアから出ることなく、定義されたカバレッジエリアを好ましくは網羅的に包含するパスで、このアクセス端末を持ち運ぶ。
ブロック504によって表されるように、アクセス端末を現在サービスしているフェムトセルは、測定レポートに対する少なくとも1つの要求を、その特定のアクセス端末に送信する。この要求は、フェムトセルまたは何らかの他のエンティティにおいて発生し得る(たとえば、ソフトハンドオーバーがサポートされる場合には、ソフトハンドオーバーシグナリングを制御するエンティティがこの要求を生成し、サービングフェムトセルを介してアクセス端末へその要求を送信する)。いくつかの実装形態では、フェムトセルは、周期的な測定レポートメッセージを送信するようにアクセス端末に要求する、単一のメッセージを送信する。いくつかの実装形態では、フェムトセルは、周期的な測定レポートメッセージを送信するように各々がアクセス端末に要求する、複数のメッセージを送信する。また、要求は、測定が、同じ周波数および/または少なくとも1つの他の周波数(たとえば隣接チャネル)で実行されるべきであると、規定することができる。このようにして、フェムトセル送信電力は、その同じ周波数および/または少なくとも1つの他の周波数に対して較正され得る。さらに、複数のワイヤレス技術(たとえば、1xRTT、1xEV−DO、UMTSなど)をサポートするある実装形態では、1つのワイヤレス技術からの測定レポートからの情報を使って、異なるワイヤレス技術に対する送信電力を制御することができる。
ブロック506によって表されるように、フェムトセルの電力較正を制御するエンティティ(たとえば、フェムトセル、ネットワークエンティティなど)が、アクセス端末からの要求された測定レポートを受信する。アクセス端末は、トレーニングパスに沿って移動していたので、異なる測定レポートは、カバレッジエリア内でのアクセス端末の異なる位置と関連付けられることになる。
各測定レポートによって提供される情報の種類は、システムが利用するワイヤレス技術に依存する。たとえば、1xRTTシステムでは、パイロット強度測定メッセージ(PSMM)および候補周波数探索レポートメッセージ(CFR)が、フェムトセルおよびビーコンの周波数に対する、Ecp/Io情報とIo情報とを提供することができる。この情報(およびフェムトセルの既知の送信電力)から、フェムトセルから所与の測定が行われた位置までのパスロスが、計算され得る。別の例として、1xEV−DOシステムでは、パス更新メッセージ(RUM)は、フェムトセルおよびビーコンの周波数に対する、Ecp/Ioの情報を提供することができる。さらに別の例として、UMTSシステムでは、測定レポートメッセージ(MRM)は、フェムトセルおよびビーコンの周波数に対する、CPICH RSCP情報とIo情報とを提供することができる。
ブロック508によって表されるように、電力較正エンティティはオプションで、受信された測定レポートをフィルタリングする。たとえば、フェムトセルが、トレーニング歩行動作の間に他のアクセス端末から測定レポートを受信する場合、フェムトセルは、(たとえば、レポートの中に含まれる、レポートを提供したアクセス端末の識別子に基づいて)これらの他の測定レポートを取り除くようにフィルタリングすることができる。
別の例として、フェムトセルは、意図されるカバレッジ領域に由来しない、任意の測定レポートを取り除くことができる。このようにして、所与のフェムトセルは、不必要に大きなカバレッジエリアをカバーしようとするのを、防がれ得る。たとえば、アクセス端末のハンドオーバーは、異なるフェムトセルからのより大きな受信信号強度がアクセス端末において観測されたときに直ちに発生し得ないので、現在のサービングフェムトセルが、より大きな受信信号強度を有するものとして何らかの他のフェムトセルを列挙する、測定レポートを受信することができる。しかし、現在のサービングアクセスポイントが、これらの位置のカバーを試みることは必要ではない。それは、そうした位置は他のフェムトセルによってカバーされるからである。
したがって、この場合、フェムトセルは、受信された測定レポートをフィルタリングして、現在のサービングフェムトセルよりも強い受信信号品質と関連付けられるものとして別のフェムトセルを識別する、任意の測定レポートを取り除くことができる。たとえば、サービングフェムトセルは、そのサービングフェムトセルが最高の受信信号強度を提供するものとしてレポートされるような位置に対する測定レポートのみを、保持することができる。
ブロック510によって表されるように、電力較正エンティティは、受信された測定レポート(可能であれば、フィルタリングされた)に基づいて、フェムトセルの送信電力を制御する(たとえば、最大の送信電力値を設定する)。ここで、送信電力は、測定レポートが作られた位置の1つまたは複数において、少なくとも1つの規定された基準を満たすように制御される。そのような基準と、送信電力がそうした基準に基づいて制御される方式との、いくつかの例が以下に続く。例示のために、これらの例においては、フェムトセルが自身の送信電力を計算すると仮定される。
1xRTTの例:
1xRTTの専用チャネルの実装形態では、マクロセル周波数でのビーコン電力は、適切なビーコンのカバレッジが所望のカバレッジエリア内の位置のセットの各位置(たとえば、このフェムトセルの受信した測定レポートが作られた地点の大半またはすべて)において確実に提供されるように、設定され得る。たとえば、各位置に対して、フェムトセルは、その位置までのパスロスと、その位置において観測される最強のマクロセルパイロットの強度(たとえばEcp)と、定義されたヒステリシス閾値とを考慮して、目標のカバレッジ(たとえば、ビーコンの、パイロット電力と全体の電力との比(たとえばEcp/Io)のようなSNR)がその位置において確実に満たされるのに必要な、送信電力を計算する。言い換えると、各位置に対して、その位置におけるビーコンパイロット電力が、その位置におけるマクロセルパイロット電力にヒステリシス値を足したものよりも大きくなるのを確実にすることによって、ビーコンの発見(アイドルハンドイン)を実行するのに必要な電力が計算される。
いくつかの実装形態では、ここで異常値が考慮から外される。たとえば、カバレッジは位置の80%のみに対して提供されると、事前に決定されてよい。次いで、フェムトセルビーコンの送信電力が、関心のある位置のすべてにおいてビーコンのカバレッジを確実にする送信電力として(たとえば、レポート地点の80%においてビーコンの発見を確実にするように)、選択される。このようにして、受信された測定レポートが作成されたすべての位置に対してビーコンのカバレッジを提供することが許されていればフェムトセルが選択し得る、高すぎる送信電力レベルをフェムトセルは選択しなくなる。
上で言及されたように、いくつかの実装形態では、階層化ビーコン手法が利用される。たとえば、一部の時間(たとえば時間の5%)は高電力ビーコンが送信されてよく、残りの時間は低電力ビーコンが送信されてよい。そのような場合、送信電力値は、高電力ビーコンおよび低電力ビーコンに対して決定される。たとえば、高電力ビーコンの送信電力は、位置の80%においてビーコンの発見を確実にする送信電力として選択されてよく、一方、低電力ビーコンの送信電力は、位置の50%においてビーコンの発見を確実にする送信電力として選択されてよい。
1xRTTの専用チャネルの実装形態では、フェムトセル周波数上でのフェムトセルFL電力は、SNRの制約およびマクロセル保護の制約に基づいて設定され得る。つまり、(たとえば、関心のあるすべての点において良好なカバレッジを確実にするために)SNRの制約を満たす第1の送信電力が計算され、(たとえば、関心のあるすべての点において、隣接チャネルのマクロセルユーザに対する影響を限定するために)マクロセル保護の制約を満たす第2の送信電力が計算される。そして、これらの制約の最小値または重み付けられた組合せ(たとえば加重平均)が、フェムトセルFL送信電力に対して選択される。
SNRの制約の計算のために、測定レポートに対応する各位置に対して、フェムトセルは、目標のカバレッジ(たとえば、パイロットエネルギーをノイズと干渉の和で割ったようなSNR(たとえば、Ecp/Nt))が、その位置までのパスロスと、その位置において観測される全体のマクロセル干渉(たとえばIo)とを考慮して、その位置において満たされるのを確実にするのに必要な、送信電力を決定する。言い換えると、各位置に対して、規定のEcp/Nt(たとえば−7dB)を提供するのに必要な電力が決定される。ここで、パスロス情報および全体のマクロセル干渉情報が、測定レポートから取得される。ここでもやはり、通常は異常値が考慮から外される。したがって、フェムトセルFLの第1の送信電力値が、関心のある位置のすべてにおいてFLカバレッジを確実にする送信電力(たとえば、位置の95%をカバーするのに必要な電力)として、選択される。
マクロセル保護の制約の計算のために、フェムトセルは、隣接マクロセル周波数に対する過剰な干渉を防ぐ、最大の許容送信電力を決定する。たとえば、測定レポートに対応する各位置に対して、フェムトセルは、その位置までのパスロスと、隣接チャネル干渉比(ACIR)とを考慮して、その位置におけるフェムトセルFL信号の干渉が、その位置におけるマクロセル信号強度(たとえばIo)よりも、少なくとも安全マージンの分だけ小さくなるのを確実にする、最大送信電力を計算する。言い換えると、各位置に対して、隣接チャネルのマクロセル信号に対する影響を、最大でもある定義された値(たとえば1.78dB)に限定するための、最大許容送信電力が決定される。ここでもやはり、通常は異常値が考慮から外される。したがって、フェムトセルFLの第2の送信電力値が、関心のある位置のすべてにおいて適切な保護を確実にする送信電力(たとえば、位置の50%(たとえば半径10メートルよりも遠く)を保護するのに必要な電力)として、選択される。
上で言及されたように、次いで、フェムトセルFLの最終的な送信電力が、第1の送信電力値と第2の送信電力値の最小値として、またはこれら2つの重み付けられた組合せとして、選択される。
1xRTTの共通チャネルの実装形態では、マクロセル周波数上でのビーコン電力は、専用チャネルの実装形態で使われたものと同じ式に基づいて、設定され得る。しかし、この場合、ビーコン電力の上限は、共通チャネルの実装形態に対して計算された、フェムトセルFL送信電力に基づいて設定され得る。たとえば、フェムトセルビーコンによってフェムトセル周波数に向けられるユーザが、フェムトセルへの再選択を引き起こすのに十分強いフェムトセルFL信号を観測するように、フェムトセルビーコン電力は、フェムトセルFL電力よりも低く保たれ得る。
1xRTTの共通チャネルの実装形態では、フェムトセル信号は、ユーザに対してカバレッジを提供し、マクロセルユーザに、フェムトセルへと再選択させる。いくつかの態様では、フェムトセルFL送信電力は、適切なカバレッジを提供しつつ、漏洩を防止するように慎重に、設定される。フェムトセル周波数上のフェムトセルFL電力は、SNRの制約およびアイドルハンドオーバー(たとえばハンドアウト)の制約に基づき得る。つまり、SNRの制約を満たす第1の送信電力が計算され、アイドルハンドオーバーの制約を満たす第2の送信電力が計算される。そして、これらの制約の最大値(または重み付けられた組合せ)が、フェムトセルFL送信電力に対して選択される。
SNRの制約の計算のために、各々の測定レポートの位置に対して、フェムトセルは、目標のカバレッジ(たとえば、Ecp/NtのようなSNR)が、その位置までのパスロスと、その位置において観測される全体のマクロセル干渉(たとえばIo)とを考慮して、その位置において満たされるのを確実にするのに必要な、送信電力を決定する。したがって、位置の各々に対応する送信電力値の第1のセットが、処理のこの段階において提供される。
ハンドオーバーの制約の計算のために、各々の測定レポートの位置に対して、フェムトセルは、フェムトセルによってサービスされている、その位置にあるアクセス端末が、マクロネットワークへハンドオフされないのを確実にするのに必要な、送信電力を決定する。したがって、各位置に対して、フェムトセルは、その位置までのパスロスを考慮して、その位置におけるフェムトセルパイロット強度が、その位置における最良のマクロセル信号強度(たとえばEcp)よりも、少なくとも定義された閾値(たとえばヒステリシス値)だけ超えるのを確実にするために必要な、送信電力を決定する。処理のこの段階において、位置の各々に対応する送信電力値の第2のセットが提供される。
次に、各位置の最大送信電力が選択される。つまり、各位置に対して、最高の送信電力が、第1のセットおよび第2のセットの中の対応する値に基づいて選択される。次いで、異常値が考慮から除去される。したがって、フェムトセルFLの最終的な送信電力値が、関心のある位置のすべてにおいてFLカバレッジを確実にする送信電力(たとえば、位置の95%をカバーするのに必要な電力)として、選択される。
1xEV−DOの例:
上で説明された動作と同様の動作が、1xEV−DOの実装形態に利用され得る。
共通チャネルの1xEV−DOの実装形態では、フェムトセル周波数上でのフェムトセルFL電力は、SNRの制約およびハンドオーバー(たとえばハンドオフ)の制約に基づいて設定され得る。この場合、Ioの情報は一般に、1xEV−DOの状況では利用可能ではないので、SNRの制約およびマクロセル保護の制約のアルゴリズムは、すべてのマクロセルからのEcp/Ioに基づき、かつ、各位置において観測されるようなビーコン信号のEcp/Ioに基づく。上記のように、通常は異常値が考慮から外され(たとえば、95パーセンタイル)、SNRの制約を満たすように計算された第1の送信電力と、ハンドオーバーの制約を満たすように計算された第2の送信電力との最大値が、最終的なフェムトセルFL送信電力として選択される。また、計算された送信電力値は、(たとえば、図4で説明されるような、たとえば、初期化後に設定された送信電力値に対する)増分の値を備え得る。
共通チャネルの1xEV−DOの実装形態では、隣接マクロセル周波数上でのフェムトセルビーコン電力は、上で論じられた、1xEV−DOのフェムトセルFL送信電力に対して設定され得る。この計算はまた、フェムトセル周波数上での最良のマクロセルのEcp/Ioに基づき、その位置において観測されるような、隣接マクロセル周波数上での最良のマクロセルのEcp/Ioに基づき、さらには定められた減衰マージンに基づく。
専用チャネルの1xEV−DOの実装形態では、フェムトセル周波数上でのフェムトセルFL電力は、SNRの制約およびマクロセル保護の制約に基づいて設定され得る。この場合、隣接チャネルへの干渉がある閾値レベルを上回る(たとえば、その位置がマクロセルサイトに近い)かどうかに応じて、異なるアルゴリズムが利用され得る。また、Ioの情報は、1xEV−DOの状況では利用可能ではないことがあるので、SNRの制約およびマクロセル保護の制約のアルゴリズムは、すべてのマクロセルからのEcp/Ioに基づき、かつ、各位置において観測されるようなビーコン信号のEcp/Ioに基づく。上記のように、通常は異常値が考慮から外され(たとえば、95パーセンタイル)、SNRの制約を満たすように計算された第1の送信電力と、マクロセル保護の制約を満たすように計算された第2の送信電力との最小値が、最終的なフェムトセルFL送信電力として選択される。
専用チャネルの1xEV−DOの実装形態では、隣接マクロセル周波数上でのフェムトセルビーコン電力は、ハンドオーバー(たとえば、アイドルモバイルハンドイン)を支援するように設定され得る。たとえば、各々の測定レポートの位置に対して、フェムトセルは、ビーコン強度が最強のマクロセルの強度よりもヒステリシスマージンの分だけ高くなるのを確実にするように、ビーコン送信電力を設定することができる。この計算は、すべてのマクロセルからのEcp/Ioに基づき、その位置において観測されるようなビーコン信号のEco/Ioに基づき、さらには定められたヒステリシス値に基づく。やはり、この時点で、通常は異常値が考慮から外される(たとえば80パーセンタイル)。
UMTSの例:
UMTSにおいては、測定レポートメッセージ(MRM)は、MRMを要求した測定結果制御メッセージ(MCM)において規定されたプライマリスクランブリングコード(PSC)の、CPICH RSCPとCPICH Ec/Ioとを含む。MRMを使って、フェムトセルは、技術者の歩行によってカバーされる位置へのパスロス(PL)とともに、そうした位置におけるマクロセルのIoを抽出する。したがって、フェムトセル(または他の電力制御エンティティ)は、必要なカバレッジ範囲および隣接チャネルのRF状態の推測を取得し、それに従ってフェムトセル送信電力を精密に調整することができる。
図8は、ブロック802において開始する、各フェムトセルに対して実行され得る例示的な電力較正動作を示す。一般に、これらの動作は、様々な種類の送信電力較正手順に対して利用され得る。たとえば、そのような方式は、トレーニング歩行に基づく較正手順、ネットワークリッスンに基づく電力較正(上で図4において説明されたような)、または他の種類の較正動作に対して利用され得る。
ブロック804によって表されるように、第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられるフェムトセルによる第1の周波数上でのワイヤレス通信のカバレッジ基準を満たす第1の送信電力レベルについての決定が行われる。異なるMRMと関連付けられる各位置に対して、フェムトセルは、目標のカバレッジ(たとえば、CPICH Ecp/IoのようなSNR)が、その位置までのパスロスと、その位置において観測されるマクロセルRSSI(たとえばIo)とを考慮して、その位置において満たされるのを確実にするのに必要な、送信電力を計算する。いくつかの実装形態では、ここで異常値が考慮から外される。たとえば、カバレッジはある割合の位置のみに対して提供されると、事前に決定されてよい。したがって、第1の送信電力レベルは、関心のある位置のすべてにおけるカバレッジを確実にする送信電力として、選択される。
ブロック806によって表されるように、第2のワイヤレスネットワークオペレータ(他のオペレータ)との隣接チャネルワイヤレス通信に対応する、第1の干渉の基準を満たす第2の送信電力レベルに関する、決定が行われる。いくつかの実装形態では、この基準は、隣接チャネル上での信号電力の値(たとえば、CPICH Ec)と、受信された全体の電力の値(たとえば、フェムトセルを除くIo)との比較に基づく。この比較に基づいて、最大送信電力値は、定義された式に従って計算され得る。
ブロック808によって表されるように、第1のワイヤレスネットワークオペレータ(同じオペレータ)との隣接チャネルワイヤレス通信に対応する、第2の干渉の基準を満たす第3の送信電力レベルに関する、決定が行われる。いくつかの実装形態では、この基準は、隣接チャネル上での信号電力の値(たとえば、CPICH RSCP)と、閾値との比較に基づく。この比較に基づいて、最大送信電力値は、定義された式に従って計算され得る。
ブロック810によって表されるように、第1の送信電力レベル、第2の送信電力レベル、および第3の送信電力レベルのうちの最小値が選択される。ブロック812によって表されるように、フェムトセルの送信電力は、選択された最小の送信電力レベルに基づいて制御される。このようにして、選択された送信電力レベルは、可能な限り良好なカバレッジを提供しつつ、隣接チャネルへの干渉の所望の目標を依然として満たす。
上の動作は、フェムトセルのネットワーク中の各フェムトセルにおいて実行される。アクセス端末が、あるフェムトセルのカバレッジから、別のカバレッジへ移動すると、他のフェムトセルが、アクセス端末との通信を開始する。したがって、新たなフェムトセルは、測定レポートに対する要求のアクセス端末への送信を開始し(ブロック504)、受信された測定レポートを処理して、自身の送信電力を制御する(ブロック506〜510)。ブロック504〜510の動作は、技術者が指定されたトレーニングパスに沿って歩くときに、フェムトセルのネットワーク中の各フェムトセルにおいて繰り返される。このようにして、適切なカバレッジと適切なマクロセル保護との間での効果的な妥協をその特定のフェムトセルに対して実現する送信電力レベルを、フェムトセルのすべてが計算する。
技術者がトレーニング歩行を完了すると、アクティブな呼は終了する。このことは、たとえば、技術者が、アクセス端末および/またはフェムトセル上で規定されたアプリケーションを終了する(たとえば、ユーザ入力デバイスを動作させることによって)ことを含み得る。
図6は、最適化手順とともに利用され得る、例示的な動作を示す。この手順は、フェムトセルのうちの指定された1つ、ネットワークエンティティ(たとえばBSC)、または、トレーニング歩行に基づく較正手順の間に生成された送信電力情報を取得できる何らかの他の適切なエンティティによって、実行され得る。
ブロック602によって表されるように、トレーニング歩行に基づく較正手順が完了すると、最適化手順が開始する。処理のこの段階において、送信電力値は、フェムトセルのネットワークの各フェムトセルに対して計算されている。
ブロック604によって表されるように、トレーニング歩行による較正手順の結果として得られた情報が、受信される。たとえば、トレーニング歩行に基づく較正手順が完了すると、(たとえば、単一のエンティティが両方の動作を実行していない実装形態では)この情報は自動的に、最適化手順を実行するエンティティへと送信され得る。いくつかの実装形態では、この情報は、トレーニング歩行に基づく較正手順の間にフェムトセルに対して計算される、送信電力値を備える。いくつかの実装形態では、この情報は、パスロスの値、信号強度の値(たとえばパイロット強度)、または信号品質を示すもののうちの1つまたは複数を備え、これらは、トレーニング歩行による較正手順の間に受信された測定レポートから取得される。
ブロック606によって表されるように、受信された情報に基づいて、再構成トリガ条件が識別される。たとえば、最適化トリガは、電力の差、サービングパスロス、電力の上限、カバレッジホール、または何らかの他の基準に基づいて設定され得る。
いくつかの実装形態では、2つのフェムトセル(たとえば隣接するフェムトセル)の送信電力値の差が、閾値(たとえば10dB)以上であるかどうかに関する判定が、この段階で行われる。この電力差を超える場合には、フェムトセルの再構成(たとえば、さらなるフェムトセルの追加)がトリガされて、この電力の差の結果として発生し得る、FL/RLの不整合を取り除くことができる。
いくつかの実装形態では、閾値のパスロス以上のパスロス値の数が、閾値の数以上であるかどうかに関する判定が、この段階で行われる。具体的な例として、システムは、パスロス値は測定レポートの少なくとも95%に対して85dB未満でなければならないという、要件を有し得る。このようにして、システムは、フェムトセルのカバレッジエリアのサイズを制限することができる。したがって、多くのパスロス値が大きすぎると判定されると、再構成がトリガされ得る。
フェムトセルのいずれかが、閾値の(たとえば最大の)電力レベルに達したかどうかに関する判定も、この段階で行われ得る。具体的な例として、システムは、フェムトセルのいずれも、その最大許容電力において動作することを許されるべきではないという、要件を有し得る。たとえば、この基準は、フェムトセルのカバレッジエリアのサイズを制限するために利用され得る。したがって、送信電力値の1つまたは複数が、閾値の電力レベルに達したと判定されると、再構成がトリガされ得る。
技術者はまた、較正後の歩行を実行して、満足のいくフェムトセルFLおよびフェムトセルビーコンの性能を確実にすることができる。たとえば、カバレッジホールが、フェムトセルのネットワークのカバレッジエリアにおいて存在するかどうかに関する判定が、この段階で行われ得る。一部の場合には、カバレッジホールは、呼の切断がある領域において発生するかどうかを判定することによって、特定され得る。切断が発生する場合、技術者はフェムトセルを移動し、またはさらなるフェムトセルを挿入して、これらのカバレッジホールを取り除くことができる。
いくつかの実装形態では、技術者は、アクセス端末上で音声フィードをリッスンすることによって、トレーニング歩行中にカバレッジホールを特定する。たとえば、技術者は、音声フィード(たとえば連続的な音声トラック)を提供する別のアクセス端末またはサーバとの呼を、発信することができる。次いで技術者は、呼の切断またはノイズ(たとえば、クリックおよびポップ)について音声フィードをモニタし、これらの事象が発生した位置を記録することができる。これらのカバレッジホールを特定すると、技術者は、フェムトセルを再構成して、カバレッジホールを取り除くことができる。
いくつかの実装形態では、カバレッジホールは、トレーニング歩行全体で信号品質(たとえば、パイロット信号強度)をモニタすることによって、特定される。このモニタは、技術者、アクセス端末、フェムトセル、ネットワークエンティティ、または、信号品質情報を受信できる何らかの他の適切なエンティティによって、実行され得る。たとえば、アクセス端末は、測定レポートから取得された信号品質情報を、ユーザインターフェースデバイス(たとえばディスプレイ)に出力することができる。次いで技術者は、信号品質情報が閾値を下回る位置を記録して、カバレッジホールを特定することができる。別の例として、アクセス端末は、収集した信号品質情報と、1つまたは複数の閾値とを自動的に比較して、可能な場合には(たとえば、受信された信号品質が、ある割合の領域において閾値を下回る場合)再構成をトリガすることができる。さらに別の例として、エンティティ(たとえば、フェムトセル、ネットワークエンティティなど)が、測定レポートを介して受信した信号品質情報を、1つまたは複数の閾値と自動的に比較して、可能であれば再構成をトリガすることができる。
ブロック608によって表されるように、フェムトセルを再構成せよという指示が、ブロック606における再構成条件の識別の結果として、生成される。たとえば、最適化動作を実行するエンティティは、ユーザインターフェースデバイス上で指示を出力することができ、またはこのエンティティは、メッセージを何らかの他のエンティティへ送信して、指示がそのエンティティ(たとえば、フェムトセル、アクセス端末、ネットワークエンティティ、管理ツール、ウェブベースのアプリケーションなど)上に出力されるようにすることができる。この指示を受信すると、技術者は、フェムトセルを再配置し、かつ/または別のフェムトセルを追加することができる。
技術者は、送信電力較正手順を繰り返すことができる。たとえば、最初のトレーニング歩行の間に送信電力が計算された後、および/または、フェムトセルの再構成の後に、後続のトレーニング歩行を実行することができる。この後続のトレーニング歩行の間に、上で説明された情報(たとえば、電力値、パスロス値など)が取得され、本明細書で論じられたような送信電力の最適化のために使われ得る。
電力の差が指定された制限値(たとえば10dB)を超えた場合、より低電力のフェムトセルの送信電力が、制限値内で上げられ得る。一部の場合には、この動作は、技術者の介入なしで実行され得る。たとえば、最適化動作を実行するエンティティは、メッセージを適切なフェムトセルへ送信して、自身の送信電力を調整するようにそのフェムトセルに指示することができる(または、エンティティが、電力を調整する必要のあるフェムトセルである場合、エンティティは内部の動作を呼び出す)。
アクセス端末がアクセスポイント(たとえばフェムトセル)の比較的近くにある状況では、アクセス端末は、別のアクセスポイントから、信頼性のある測定レポートの情報を取得できないことがある。この場合、近くのアクセスポイントによるFL送信が、アクセス端末の受信機の能力を超過することがある。
この問題に対処するために、図7で説明されるような、同位置のアクセスポイントを交換する方式を利用して、測定レポート情報を取得することができる。一部の展開では、2つ以上のマクロセルが、少なくとも実質的に同じ位置に展開される。一部の場合には、これらの同位置のマクロセルは、同じマクロセル識別子と1つの異なる周波数とを使うことができる。さらに、これらのマクロセルは、同一のまたは実質的に同一の電力レベル(たとえば数dB以内)で送信することができる。したがって、アクセス端末が、第1の周波数上での第1のアクセスポイントの測定レポートを生成できない場合、アクセス端末は、第1のアクセスポイントの代理として、別の周波数上の第2の同位置のアクセスポイントを測定することができる。
図7の動作は、たとえば、サービスされるアクセス端末から測定レポートを受信するアクセスポイント(たとえばフェムトセル)において、または、そのような測定レポートの送信先のネットワークエンティティ(たとえば、フェムトセル送信電力を制御する)において実行され得る。また、例示を目的に、これらの動作は、同位置のマクロセルおよびフェムトセル送信電力の制御に関連して、説明される。ただし、これらの概念は他の種類のアクセスポイントに対して利用され得ることを、理解されたい。
図7のブロック702によって表されるように、同位置のアクセスポイントの交換方式は、様々な種類の送信電力較正手順に対して利用され得る。たとえば、そのような方式は、ネットワークリッスンに基づく電力較正(上で図4において説明されたような)、トレーニング歩行に基づく較正手順、または他の種類の測定に対して利用され得る。
ブロック704によって表されるように、第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが、第1のマクロセルから第1の周波数で受信されていないという、判定が行われる。たとえば、これらの測定レポートの受信の失敗は、測定レポート(たとえば、NLMまたはアクセス端末を介した)の受信を試みているフェムトセルからの干渉、または、別のフェムトセルからの干渉によるものであり得る。一部の場合には、この判定は、第1のマクロセルの存在についての事前の知識に基づき得る。たとえば、以前の較正手順で、第1の周波数上での第1のマクロセルからの測定レポートの受信に成功していることがある。したがって、後続の較正手順は、このマクロセルから測定レポートを受信すると予測する。
ブロック706によって表されるように、第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが、第1のマクロセルと同位置の第2のマクロセルから第2の周波数で受信されているという、判定が行われる。一部の場合には、この判定は、測定レポートが第1のマクロセルから受信されなかったと判定された後に、他の周波数上での探索を開始した結果として、行われ得る。他の場合には、複数の周波数での測定は、そのような判定とは無関係に実行され得る。
ブロック708によって表されるように、測定レポートが第1のマクロセルから受信されていないという判定の結果として、フェムトセルの送信電力は、代わりに、第2のマクロセルから受信された測定レポートに基づいて制御され得る。たとえば、上で論じられたように、そのような測定レポートは、信号強度情報、パスロス情報などを含んでよく、これらの情報を使って、測定レポートが取得された位置において少なくとも1つの基準を満たすように、送信電力を調整することができる。したがって、本明細書で論じられたように、送信電力は、ハンドオーバーの基準、SNRの基準、マクロセル保護の基準、パイロット信号品質の基準、隣接チャネル保護の基準、または何らかの他の基準のうちの1つまたは複数を満たすように、ここで制御され得る。
異なる実装形態では、様々な修正が、説明された実施形態に対してなされ得る。上記の議論では、ビーコンの送信電力は、第1のマクロセル周波数に対して計算される。任意の他のマクロセル周波数に対するビーコン送信電力は、第1のマクロセル周波数からのオフセットとして計算され得る。ここで、オフセットはたとえば、ネットワークリッスンモジュールまたは何らかの他の手段を使用して求められるような、これらの異なる周波数に対するマクロセルの受信電力の差に基づいて、計算され得る。このようにして、他のマクロセル周波数のための情報を取得するために、追加のトレーニング歩行を行う必要がない。
上の説明においては、アクセス端末がトレーニング歩行中に複数のハードハンドオフを実行すると、仮定される。しかし、一部の1xおよびDOフェムトセルネットワークでは、ソフトハンドオフ(SHO)がフェムトセル間でサポートされる。そのような状況では、モバイル機器によって送信されるすべての測定結果メッセージが、ネットワークエンティティ(たとえばBSC)によって復号される。フェムトセルはまた、BSCとして動作するように構成され得る。このフェムトセルは、呼を固定して、モバイル機器によって送信されるすべての測定レポートを収集する。そのような展開では、電力較正は、上で説明された方法をわずかに変化させたいくつかの方法によって行われ得る。たとえば、アンカーフェムトセルが、(バックホールを通じて)収集されたレポートを、異なるフェムトセルへ分配することができる。各フェムトセルの信号強度が、最強である場合、または、最強のフェムトセルに対してあるマージン(たとえば「X」db)以内である場合、各フェムトセルはすべてのレポートを送信される。測定レポートを受信した後で、フェムトセルは、前に説明された手順を使って、自身の電力を較正する。1x FLにおけるSHOによる利益がある程度あるので、カバレッジ性能の目標は緩和され得る(たとえば、下側の
閾値を使用する)。あるいは、1x FLにおけるSHOの利益は、モバイル機器へのパスロスに反比例する電力で送信しつつ、SHO領域における点をカバーするように、SHO中の各フェムトセルに依頼することによるものであり得る。同様に、フェムトセル間のSHOがDOフェムトセルの間でサポートされる場合、BSC(またはBSCとして動作するフェムトセル)は、すべての測定レポートを受信する。そのような場合、BSCは、上で説明されたような、異なるフェムトセルの相対的なパイロット強度に基づいて、複数のフェムトセルにレポートを分配することができる。また、1つのエンティティがレポートのすべてを収集する場合、そのエンティティは、最適化を利用して、フェムトセルの送信電力を計算することができる。たとえば、システム中の合計電力は、所望の制限値以内に制限され得る。
上で論じられたように、フェムトセルは、マクロセルによって使われているチャネルを共有することができる。この場合、サービスチャネル上のフェムトセル電力は、ユーザをフェムトセルへと誘引するのに十分強く、また良好なSNRを提供しなければならない。ビーコンは、上記のような共有されていないマクロチャネルで送信される。
開示される電力制御技法は、所有者によって住居内で、または、ITスタッフもしくは技術者によって店舗およびさらには大きな企業において、利用され得る。この技法は、非公開または公開のアクセスポリシーを有する、単一フェムトセルによる展開および複数フェムトセルによる展開に適用可能である。
すべてのレポートからの情報が、1つのネットワークエンティティ(たとえばBSC)に対して利用可能である場合、ネットワークエンティティは、本明細書で説明されたアルゴリズムを実行して、カバレッジを良好にしてマクロネットワークへの影響を最小にするための、最適な電力レベルを計算し、次いで、フェムトセルのすべてに対してこれらの電力レベルを伝えることができる。
展開が非公開のアクセスである場合、レポート収集の処理において、大勢のアクティブなフェムトセルユーザが情報源であってよい。これは、公開アクセスの展開の場合、意図されるカバレッジエリアの外側のユーザもフェムトセル上でアクティブになり得るので、問題になり得る。しかし、あらゆる不要なレポートは、本明細書で論じられたように、除去されるようにフィルタリングされ得る。また、フェムトセルは、外部漏洩のインジケータとして、ホワイトリストに属さないユーザの登録/セッション確立の統計情報を使って、それに従って自身の電力を適合させることができる。
1xRTT、1xEV−DO、およびUMTSに対する例が、詳細に説明されてきたが。本明細書の教示は、他のワイヤレス技術にも適用可能であることを理解されたい。したがって、本明細書で教示されるような電力制御方式は、LTEシステム、または、何らかの他の種類のワイヤレスシステムにおいて利用され得る。
例示を目的に、1xRTTの実装形態、1xEV−DOの実装形態、およびUMTSの実装形態の送信電力較正を計算することに関連する、追加の詳細がここで同様に説明される。
例示的な詳細:1xRTT送信電力較正
このセクションは、SMART手順のさらなる本質を与える。フェムトセルは、マクロチャネルに隣接する専用チャネル上で展開されると、仮定される。専用型の展開とは、マクロセルのRF周波数チャネルとは異なる固有の(専用の)RF周波数チャネルを、フェムトセルが有することを示唆する。同じRF周波数チャネルが、マクロセルとフェムトセルの両方によって使われる、共有チャネルの状況に対する修正が後で説明される。
最初に、フェムトセルの数が、カバーされるべき全体のエリアおよびフェムトセルごとの意図されるカバレッジエリアに基づいて、決定される。フェムトセルは均一に配置され、マクロネットワークへの影響を最小にするためにフェムトセルが端部から離れたままになるように、配慮が行われる。これに影響を与える何らかの他の要因は、建物の形状および構造と、フェムトセルの機能に必須であるイーサネット(登録商標)およびGPSポイントの利用可能性である。1xRTTのフェムトセルの送信(Tx)電力較正の詳細なステップが、以下で与えられる。
1)初期化:
以下のステップは、各フェムトセルによって実行され、ネットワークリッスンモジュールを使って初期電力レベルを決定する(説明されるすべての量は、dBmまたはdBの単位であることに留意されたい):
a)NLMを隣接マクロ周波数へと合わせて、受信された全体のエネルギー(Iomacro_NL)を測定する。
b)初期化のために、PLfemto boundary_1xを目標のカバレッジエリアとする。これは、電力調整段階よりも前に完全なカバレッジを確実にするために、高い側に、たとえば100dBに選択される。
c)以下の式に基づいて、必要なフェムトセル電力を計算する。
展開が専用チャネルによるものである場合以下のようになる:
Cは、目標のSNR、隣接チャネル干渉比、および送信電力に必要な何らかの追加のマージンに基づいて選定される、設定可能なパラメータである。
展開が、マクロセルとの共有チャネルである場合、初期送信電力が同様に計算される。しかし、この場合、マクロセル測定は、隣接チャネルの代わりに、共有チャネル上で行われる。
すべてのフェムトセルがNLPCを実行すると、これらのNLPCの値の最大値が取得される:
ここで、各フェムトセルは、以下の式によって与えられる値へと初期化される:
ここで、CAPinitは設定可能な値(たとえば15dB)である。ここでの目標は、すべてのフェムトセルにわたって初期電力を同一にしつつ、初期のNLPC値からの電力の増大に対する制限を保つことである。このNLPCアルゴリズムは、これら両方の相反する要件の良好なトレードオフを実現する。
これは、技術者によって手動で行われてよく、またはフェムトセルが、バックホールを通じて自身の電力を互いに通信してよく、フェムトセルのすべてが最大値を選択する。また、初期化は異なる方式で行われてよいことに留意されたい。たとえば、すべてのフェムトセルは、最大の可能な送信電力レベルに設定され得る。しかし、最大送信電力を使うと大きな干渉を引き起こし得るので、これは推奨されない。
2)電力調整:
これは、フェムトセル展開のプロセスにおいて最も重要な段階であり、すべてのフェムトセルの電力を所望のレベルへ合わせるのを助ける。この段階は、いくつかの単純なステップで示される。
初期化の後、フェムトセルチャネル上で呼が開始されることになり、アクティブなモバイル機器が、カバレッジが望まれる住宅/企業の中のすべての領域へ持ち運ばれる。これは、あらゆる場所からRF測定結果を収集し、最適な電力値を設定するために行われる。
呼の間、フェムトセルは、標準的なシグナリング手順を使い、周期的に測定レポートを提出するようにモバイル機器に要求する。使用される2つの測定レポート(cdma2000 1xRTT規格で定義される)は、以下の通りである。1)パイロット強度測定結果メッセージ(PSMM):PSMMの一部として、モバイル機器は、その動作周波数上で検出できる様々なフェムトセルPN(擬似ランダムノイズシーケンスまたはコード)のEcp/Ioと、全体の受信エネルギーIoとをレポートする。展開が共通チャネルである場合、このチャネル上でのマクロセルも、PSMMにおいてレポートされる。2)候補周波数探索レポートメッセージ(CFSRPM):候補周波数探索(CFS)手順の一部として、フェムトセルは、規定されたマクロ周波数へと合わせて、検出できる様々なマクロPNのEcp/Ioと、CFSRPMにおける全体の受信エネルギーIoとをレポートするように、モバイル機器に要求する。
これらのレポートは、エリアの良好なサンプリングを得るために、定期的に(たとえば2〜3秒ごとに)モバイル機器から取得される。互いに短いスパンで到達するPSMMメッセージおよびCFSRPMメッセージが一緒に組み合わされて、1つの測定レポートを結成する。フェムトセルは、これらのメッセージが互いに短いスパンで到達するように、(たとえば、時間的に非常に近く要求をスケジューリングすることによって、CFS要求メッセージにおいて利用可能なACTION_TIMEフィールドを使用することによって、など)これらのメッセージの要求を時間的に同期することができる。
フェムトセルは、モバイル機器のレポートを使って、レポート地点の各々における良好なカバレッジを提供するのに必要な電力を計算する。モバイル機器は、フェムトセルの強度が変化するに従ってトレーニング歩行の間にフェムトセル間のハードハンドオフを実行していると仮定され、PSMMはサービングフェムトセルへと向かい続ける。ハンドオフヒステリシスは、サービングフェムトセルが常に最強のフェムトセルであることを確実にするように、0dBに設定されるが、このパラメータは調整され得る。(このヒステリシス値は、1xRTT規格で利用可能なT_ADD、ADD_INTERCEPTなどのような、様々なパラメータによって設定され得ることに留意されたい。)最後に、各フェムトセルは、受信強度がすべてのフェムトセルの中で最高であるレポート(地点)のサブセットを形成し、これらのレポートが取得された地点におけるカバレッジを提供しようと試みる。各フェムトセルは、すべてのこれらの地点において必要なビーコン電力とフェムトセル電力とを計算し、次いで、次のようにこれらのチャネルの電力値を選定する。
ビーコン電力:
アイドルモバイルハンドインを支援するために、レポート地点におけるビーコンの電力は、最強のマクロセルよりも、ヒステリシスマージン1x_beacon
hystの分だけ高くなければならない。「i」番目の測定レポートに対して、必要なビーコン送信電力は、以下の式を使って計算される:
は、「i」番目のCFSRPMレポートからの最強のマクロセルパイロットの強度であり、モバイル機器が測定するEcp/IoとIoとを加算することによって計算され、Kは、典型的なハンドオフヒステリシス値と送信電力において必要なマージンとに基づく定数であり、PL
report(i)は、レポート地点までのパスロスであり、以下の式によってPSMMレポートを使って計算される:
ここで、Ecp/Iorfemtoは、フェムトセルFLチャネル上の全体の送信電力に対する、パイロットチャネルの電力の比である。
したがって、すべてのレポートされる点においてビーコンのカバレッジを提供するのに必要な電力レベルのセット{Pbeacon_1x(i)}が形成される。
フェムトセルは、階層化ビーコン設計を使用することができる。この階層化ビーコン設計について、高いビーコン送信電力および低いビーコン送信電力が、何らかの統計的な値(たとえば、メジアン、平均、最大値、またはセットからのあるパーセンタイル値)として選択される。高電力に対して選択された統計的な値は、低電力のビーコンよりも高い。
ビーコンは、フェムトセルチャネルへと再選択するのに1回しか必要ではないので、カバレッジの目標は、マクロセルユーザへの影響を最小にするために低く保たれる。
フェムトセルの展開がマクロセルに対する共通チャネルである場合、ビーコン電力は、フェムトセル電力にも依存する。共通チャネルにおけるフェムトセル電力は、マクロを保護するように慎重に設定される。その結果、フェムトセル電力を記録することが重要になる。それは、ビーコンのカバレッジがフェムトセルのカバレッジよりも広い場合、アイドルハンドインの失敗につながるからである。高電力ビーコンのカバレッジがフェムトセルよりも小さくなるように、高電力ビーコンの電力に対する制限を計算するために、フェムトセル電力が使われる。
この依存性によって、共通チャネルの展開では、フェムトセル電力は、ビーコン電力よりも前に計算される。
フェムトセル電力:
フェムトセル電力較正のアルゴリズムは、展開の性質、すなわち専用型の展開か共通チャネルの展開かに依存する。
隣接チャネル上にマクロセルを伴う専用型の展開:
フェムトセル電力は、フェムトセルユーザに対して良好なカバレッジを提供すると同時に、隣接チャネル上のマクロセルユーザに対して引き起こされる干渉を限定するために、設定される。
a)カバレッジの制約:
良好なカバレッジを提供するために、フェムトセル電力は、レポート地点において目標のSNR(1x_Ecp/Nt
threshold)を実現するように設定される。ここでの干渉は、隣接するマクロチャネルからの漏洩によるものである。「i」番目のレポート地点に対して必要な電力は、以下の式を使って計算される:
は、マクロチャネルに対する全体の干渉である。フェムトセルチャネルからの漏洩を除くために、これは、すべてのレポートされたマクロのエネルギーを加算することによって計算される。PLreport(i)は、上で説明されたようなPSMMから取得され、Cは、隣接チャネルの漏洩比率と、必要なSNRの目標と、送信電力において必要な何らかの追加のマージンとの組合せによって決定される、定数の係数である。他のフェムトセルからの干渉はこの計算では除去され、パラメータCに適切なマージンを含めることによって軽減される。これは、各フェムトセルが他のフェムトセルによって引き起こされる干渉に対抗しようとすれば発生し得る、電力増大の競争を防ぐ上で重要である。
ここで、フェムトセルは、以下のように、大半のレポート地点が良好なカバレッジを得るのを確実にする電力を選択し、異常値のみを除外する:
ここで、{Pfemto_1x(i)}は、すべてのレポート地点に対して計算された電力のセットであり、Covfemtoは設定可能であり、通常は95に選定される。
b)マクロ保護の制約:
フェムトセルが、マクロセルに隣接するチャネルで動作している場合、干渉が、マクロセルユーザに対して継続的に害を与える。これは、展開が非公開のアクセスである場合には、特に重要である。影響を制御下に保つために、フェムトセルは、マクロセルの干渉に対する寄与を、マクロセルのみの干渉の一部(Io
Δと指定される)に限定するために、自身の電力を設定する。これは、次のように行われる:
各々のレポート地点に対して、以下の式によって与えられるような電力制限値を計算する:
ここで、Zは、必要なマクロセル保護のレベルを決定する定数である。フェムトセルは、地点群のある部分(たとえば50%)を保護するための、電力制限値を計算する。均一にエリアをサンプリングすることで、隣接チャネル上のマクロセルユーザが、フェムトセルの周囲の領域の50%の中では保護されることが確実になる。
パラメータProtmacroは、設定可能であり、いくつかの実装形態では、50に選定される。
最終的なフェムトセル電力は、カバレッジとマクロセル保護のうちの最小値となるように選択される。
共通チャネルによる展開:
この状況では、フェムトセル信号を使って、フェムトセルユーザへのカバレッジを提供し、また、共通チャネル上のマクロセルユーザに、フェムトセルへと再選択させる。したがって、フェムトセル信号は、ビーコンのように動作する。電力設定は、各々の地点でのこれらの要件の両方を考慮する。
a)SNRの制約:
目標地点におけるフェムトセルのSNRは、設定された閾値−SINR
femto,maxと等しくなければならない。したがって以下のようになる:
ここで、Cは、SNRの目標SINR
femto,maxと、送信電力において望まれる追加のマージンとの関数として選定される。
b)アイドルハンドオフの制約:
フェムトセルパイロット強度は、最良のマクロセルパイロットの強度よりも、ヒステリシスマージンの分だけ高くなるように目標設定される。これは、企業の境界を、共通チャネルのモバイル機器のアイドルハンドインの境界とアイドルハンドアウトの境界との間に保つために行われる。このことは、企業内の大半のユーザが、マクロチャネルからフェムトセルチャネルへと再選択できることを意味し、第2に、フェムトセルチャネル上のユーザが、企業内にいる間はマクロネットワークに戻らないことを意味する。境界の正確な位置は、ヒステリシス値によって制御される。したがって、以下のようになる:
ここで、Kは、通常のハンドオフヒステリシスと、送信電力値における何らかの追加のマージンとに基づいて選定される。
各地点において電力の最大値を選択することで、電力が、各地点におけるカバレッジの制約とアイドルハンドオフの制約の両方を満たすことが、確実になる。
ここで、フェムトセルは、以下のように、大半のレポート地点が良好なカバレッジを得るのを確実にする電力を選択し、異常値のみを除外する:
ここで、{Pfemto_1x(i)}は、すべてのレポート地点に対して計算された電力のセットであり、Covfemtoは設定可能であり、いくつかの実装形態では95に選定される。
3)電力最適化:
フェムトセル電力は、たとえば、不正確な位置、不十分なカバレッジ、逆方向リンクの性能への悪影響などに対するトリガのような、あるイベントトリガ/アラームを提起することによって、最良の性能のために精密に調整される。そのようなトリガのいくつかの例が、以下で説明される。
電力の差:カバレッジの境界を共有する2つのフェムトセルの電力の差は、10dB以下でなければならない。これは、FL/RL不均衡の問題を最小にするために重要である。
サービングパスロス:各フェムトセルが測定レポートを得た部分のうち、パスロス値が85dBを超える部分は、5%未満でなければならない。これらのパスロス値は、送信電力の調整の前に技術者の歩行から取得されよく、または、新たな歩行を実行して、新たに計算された送信電力値を送信するフェムトセルによるレポートの新しいセットを収集することによって、取得されてもよいことに留意されたい。この最適化トリガは、各フェムトセルのカバレッジエリアが、85dB以内に限定されるのを確実にする。カバレッジがこの点を超えて拡大すると、端部のフェムトセルユーザは、リンクを維持するために非常に高い電力で送信し、近くのマクロセルにおいて望ましくない高いROT(rise−over−thermal)を引き起こし得る。
電力上限の設定:カバレッジ基準がいくつかの地点で満たせなかったことが示される場合、いずれのフェムトセルも、ビーコンまたはフェムトチャネル上で最大電力の制限値に到達してはならない。
これらの条件のいずれかがトリガされる場合、いくつかのフェムトセルの位置が変更されることになり、または別のフェムトセルが、トリガが提起された領域に加えられることになる。この後で、全体の較正手順が繰り返されることになる。
例示的な詳細:1xEV−DO送信電力較正
このセクションは、SMART手順のある実施形態の追加の態様と、それが1xEV−DOの実装(たとえば、ここではEV−DOまたは単にDOと呼ばれ得る)においてどのように展開され得るかとを説明する。この例では、DOフェムトセルは、マクロチャネルと共有されるチャネル上で、またはマクロチャネルとは別に設けられた専用チャネル上で、展開されると仮定される。専用型の展開では、フェムトセルは、マクロチャネルに隣接する専用チャネル上で展開されると、仮定される。フェムトセルビーコンは、専用型のDOの展開では、SMARTにおいてマクロチャネル上で送信される。以下のステップは、1x SMART手順とともに行われる。
1)初期化:
フェムトセル電力:
フェムトセルiは、フェムトセルの動作周波数上で測定される全体のマクロセルのRSSIである、Io
macro,NLM,i(dBm)を測定する。マクロセルが検出されない場合、Io
macro,NLM,iは、熱ノイズのフロアとして設定される。そしてフェムトセルは、PL
edge,femto(たとえば90dB)によって表される領域においてカバレッジを提供するための、P
iを計算する。
ここで、Kは、必要なEcp/Ntと、送信電力値において望まれる追加のマージンとの関数である。
そして、フェムトセルiの一時的な送信電力は以下のように計算される:
ここで、Pmin,femtoおよびPmax,femtoは、それぞれ、フェムトセルについて許可される、dBm単位での最小および最大の送信電力レベルである。
すべてのフェムトセルがそれぞれのNLPC電力を出力すると、技術者は、各フェムトセルによって使われるべき初期電力を、次のように決定する:
すると、フェムトセルiの初期電力は以下のようになる:
ここで、CAPinit,DOは、許可される電力の上昇を制限する定数(たとえば15dB)である。この方法は、技術者が、各々の個々のフェムトセルの初期電力を、CAPinit,DOの上昇の制限値を侵すことなく、可能な限りPfemto,DO,init,maxに近づくように上昇させることを可能にする。
このフェムトセル電力の初期化は、共通チャネルによる展開と専用型の展開の両方に適用されるが、一部のパラメータ、たとえばPLedge,femtoが異なり得る。
ビーコン電力:
初期ビーコン電力を決定するための同様のアルゴリズムも、各フェムトセルにおいて実行される。フェムトセルiは、マクロセルの動作周波数上で測定される全体のマクロセルのRSSIである、Io
beacon,NLM,i(dBm)を測定する。そしてフェムトセルは、PL
edge,beacon(たとえば95dB)によって表される領域においてビーコンのカバレッジを提供するための、「i」を計算する:
ここで、Kは、フェムトセルカバレッジの端部における所望のビーコンパイロット強度(Ecp/Io)と、送信電力値における何らかの追加のマージンとの関数として選定される。ビーコンに関しては、カバレッジとは単に、技術者により支援される電力調整段階においてビーコンが探索可能であるべきであることを意味する。
そして、ビーコンiの一時的な送信電力は以下のように計算される:
ここで、Pmin,beaconおよびPmax,beaconは、それぞれ、ビーコンについて許可される、dBm単位での最小および最大の送信電力レベルである。
フェムトセル電力とは異なり、各フェムトセルのビーコンは、上限を伴う最大化の操作を行わずに、異なる値を有し得る。このことは、マクロセルEcp/Io測定へのビーコンの影響を最小にし、したがって、フェムトセル/マクロセルのEcp/Ioのいずれもが問題をレポートしないというリスクを下げるために、行われる。
このビーコン電力の初期化は、共通チャネルによる展開と専用型の展開の両方に適用されるが、一部のパラメータ、たとえばPLedge,beaconが異なり得る。
2)電力調整:
これは、フェムトセル展開のプロセスにおいて最も重要な段階であり、すべてのフェムトセルの電力を所望のレベルへ合わせるのを助ける。この段階は、いくつかのステップで示される。
初期化の後、フェムトセルチャネル上でデータセッションが開始され、アクティブなモバイル機器が、カバレッジが望まれる住宅/企業の中のすべての領域へ持ち運ばれる。これは、あらゆる場所からRF測定結果を収集し、最適な電力値を設定するために行われる。
呼の間、フェムトセルは、標準的なシグナリング手順を使い、周期的に測定レポートを提出するようにモバイル機器に要求する。要求は、パス更新要求メッセージを使って送信される。使われるレポートメッセージは、パス更新メッセージ(RUM)である。RUMにおいて、アクセス端末は、その動作周波数および要求される周波数で検出できるすべてのPNのEcp/Ioをレポートする。これらのレポートは、エリアの良好なサンプリングを得るために、たとえば数秒ごとにモバイル機器から取得される。
しかし、1xRTTの場合とは異なり、EV−DOアクセス端末のレポートは、様々なセクタのEcp/Ioしか含まず、Ioの測定結果を含まない。これは、EV−DOフェムトセルおよびビーコンの電力較正に対して、直接のパスロスのレポートが利用可能ではないことを意味し、1xRTT SMARTに対する大きな違いである。
以下のEV−DO SMARTアルゴリズムは、DOマクロセルとビーコンとのEcp/Ioのレポートが技術者のトレーニング歩行の間に利用可能である場合に、これらのレポートどのように使って、ある基準を満たすフェムトセルとビーコンとの送信電力を計算できるかを明らかにする。これらのレポートが利用可能ではない場合、1xRTTアクセス端末のレポートを使って、フェムトセルとビーコンとの送信電力を計算することができる。
電力較正の考え方は、モバイル機器のレポートを使って、レポート地点の各々における良好なカバレッジを提供するのに必要な電力を計算するということである。この例では、モバイル機器は、フェムトセルの強度が変化するに従ってトレーニング歩行の間にフェムトセル間のハードハンドオフを実行していると仮定され、RUMはサービングフェムトセルへと向かい続ける。ハードハンドオフがサポートされる場合、ハンドオフヒステリシスは、サービングフェムトセルが常に最強のフェムトセルであることを確実にするように(たとえば0dBへ)設定される(しかし、このパラメータは調整され得る)。このヒステリシス値は、DO規格において利用可能な、PilotAdd、AddIntercept、SoftSlope、PilotCompareなどのような、様々なパラメータによって設定され得る。ハードハンドオフがサポートされずソフトハンドオフがない場合、アクセス端末は、受信する測定レポートに基づいて、サービングフェムトセルによって最強のフェムトセルへとリダイレクトされ得る。たとえば、ターゲットフェムトセルがより強くなったことをレポートが示す場合、サービングフェムトセルは、接続切断命令を送信することができ、この命令に基づいて、アクセス端末は、接続を切断し、アイドル状態になり、ターゲットフェムトセルへと再選択し、データ接続をセットアップし、レポートの送信を継続する。ソフトハンドオフがサポートされる場合、いくつかのフェムトセルは、自身がサービングフェムトセル(すなわち最強のフェムトセル)となっているレポートだけではなく、別のフェムトセルが最強である他のレポートも収集する。この場合、フェムトセルは、これらのレポートを対応する最強のフェムトセルへと直接再配信することができ、または、すべてのレポートを収集しそれらを対応する最強のフェムトセルへと再配信するのを担う制御センター(たとえば集中型のエンティティ)へと、すべてのレポートを送信することができる。上述の方法のいずれかによって、最後には、各フェムトセルは、レポートにおいて受信強度がすべてのフェムトセルの中で最高であるレポート(地点)のサブセットを形成し、これらのレポートが取得された地点におけるカバレッジを提供しようと試みる。各フェムトセルは、すべてのこれらの地点において必要なビーコン電力とフェムトセル電力とを計算し、次いで、次のように電力を選定する。
共通チャネルによる展開
フェムトセル電力:
フェムトセル電力は、共有チャネルのマクロに対する影響を考慮して調整される。電力は、フェムトセルによってサービスされているアクセス端末への、アイドルモードのカバレッジとアクティブモードのカバレッジとを提供するのに、十分大きくなければならない。フェムトセル上にユーザがとどまり続けるために、フェムトセルの信号強度は、最強のマクロセル信号強度よりもはるかに弱くなければならず、弱くない場合には、アクセス端末はマクロへのアイドルハンドオフを実行する。フェムトセル信号強度をマクロセル信号強度よりもどれだけ弱くできるかと、フェムトセルに依然としてとどまり続けることとは、アイドルハンドオフを実行するために使われるヒステリシス値に依存する。典型的な値は、3〜5dBである。このことに留意して、電力調整が次のように実行される。
アイドルハンドアウトの制約:
フェムトセルiは、各々のレポート地点においてアイドルハンドオフのカバレッジの制約を満たすために、そうした地点に対する送信電力の上昇分または減少分である、セット{P
delta,temp1,i}を構築する。「j」番目のレポートについては、これは次のように行われる:
ここで、Kは、典型的なアイドルハンドオフのヒステリシス値と、送信マージンにおける何らかの所望の追加のマージンとの関数として選定され、Ecp/Iobest macro,i(j)は、j番目の測定レポートにおいてレポートされる最良の(Ecp/Ioに関して最強の)マクロセルのEcp/Ioであり、(Ecp/Io)femto,i(j)は、j番目の測定レポートにおいてレポートされるフェムトセルのEcp/Ioである。−5dBのHystfemtoで、フェムトセルからマクロセルへのアイドルハンドオフが起こり、5dBのHystfemtoで、マクロセルからフェムトセルへのアイドルハンドオフが起こる。
フェムトセルiは、Pdelta,temp1,iの値のセットのCDFの、Covfemto,DO(たとえば95%)パーセンタイルの値として、Pfeminc,temp1,iを計算する。これによって、レポート地点のCovfemto,DOパーセントが、アイドルハンドオフの条件を満たすことが確実になる。
フェムトセルiは、較正された送信電力を以下のように計算する:
SNRの制約:
フェムトセルiは、各々のレポート地点においてSNRのカバレッジの制約を満たすために、そうした地点に対する送信電力の上昇分または減少分である、セット{Pdelta,temp2,i}を構築する。「j」番目のレポートに対して必要な上昇分または減少分は、「j」番目のレポートにおいてレポートされるマクロセルパイロット強度とフェムトセルパイロット強度とに基づいて計算される。フェムトセルiは、Pdelta,temp2,iの値のセットのCDFの、Covfemto,DO(たとえば95%)パーセンタイルの値として、Pfeminc,temp2,iを計算する。これによって、レポート地点のCovfemto,DOパーセントが、アイドルハンドオフの条件を満たすことが確実になる。
フェムトセルiは、較正された送信電力を以下のように計算する:
最後に、フェムトセル電力は以下のように設定される:
ここで、Pmin,femtoおよびPmax,femtoは、フェムトセル送信電力の最小または最大の設定された絶対値である。
上記のフェムトセル電力の計算は、異なるセクタ(マクロセル、フェムトセル、および/またはビーコン)のEcp/Ioを含む、EV−DOホームアクセス端末(フェムトセル)測定レポートに基づく。これらのEV−DOレポートが利用可能ではない場合、前述の電力計算は、このように進めることはできない。そのような状況では、利用可能であれば、1xRTTホームアクセス端末測定レポートを再使用して、1xRTTレポートに基づいてEV−DO電力調整を実行することができる。この手法は、1xRTT技術とEV−DO技術の両方が、同じフェムトセル上で利用可能であり、1xRTT電力調整とEV−DO電力調整の両方が実行されることを仮定し、これは非常に可能性の高い状況である。
1xRTTホームアクセス端末レポートの中のすべての信号測定結果のうち、Ecp/IoレポートおよびIoレポートから計算されるパスロス情報のみが、以下の方法では使われる。しかし、1xRTTホームアクセス端末レポートに含まれる他の測定結果または情報も、EV−DO電力調整のために使われてよい。
まず、電力調整アルゴリズムは、1xRTT測定レポートの収集段階で収集されたすべてのパスロスレポートを用いて、{PLfemto,i(j)}の累積分布関数(CDF)を計算する。そして、このアルゴリズムは、{PLfemto,i(j)}のCDFにおける、PLedge,1x=CovPer_PLedgeパーセンタイルの値を計算する。
PL
edge,1xが取得された後、電力調整アルゴリズムは、上で説明されたフェムトセル電力初期化手順の一部を繰り返す。手順のこの部分は、上で述べられた「1)初期化」および「フェムトセル電力」という見出しで開始し、「P
min,femtoおよびP
max,femtoは、許可される最小および最大の送信電力レベルである・・・」で終了する4段落(たとえばおおよそ段落00192〜00195)を含む。この初期化手順の残りの部分は、ここでは実行されるべきではないことに留意されたい。実行されるべきではない動作は、「すべてのフェムトセルがそれぞれのNLPC電力を出力すると・・・」で始まる3段落(たとえばおおよそ段落00196〜00198)を含む。先行の文章において説明される初期化手順の一部を繰り返す際に、手順は、PL
edge,femtoをPL
edge,1xで置き換える。出力される電力レベルP
femto,DO,i(PL
edge,1x)は、フェムトセル電力として設定される。
ビーコン電力:
適切なビーコン電力を較正する必要がある各マクロチャネルに対して、フェムトセルは、NLMモジュールを起動して、このビーコンチャネル上でのマクロセルEcp/Ioを測定する。ビーコンが周波数fi上で送信されると仮定すると、ビーコンの送信電力は、次のように、フェムトセルの送信電力に対して設定される。
ここで、Pfemto,final,iは、較正されたフェムトセル送信電力であり、Kは、周波数fo上でのNLMによって測定されたマクロセル信号強度と周波数fi上でのマクロセルパイロット強度の差と、送信電力における何らかの所望の追加のマージンとの関数として、選定される。アップフェードが原因でユーザがビーコンからのアイドルハンドインを実行するが、ダウンフェードが原因でフェムトセル信号の取得に失敗することの確率を下げるために、追加のマージンは使われる。
専用型の展開
フェムトセル電力:
良好なフェムトセルカバレッジを提供しつつ、マクロセルが動作中であり得る隣接チャネルへの漏洩を避けるために、専用型のフェムトセル電力較正には、フェムトセルカバレッジとマクロセル保護という2つの制約を伴う。より具体的には、以下の手順が、フェムトセル電力較正のために実行される。
Siを、様々なセクタからのEcp/Io測定結果を含む、フェムトセルiにおいて受信された、フェムトセル周波数およびビーコン周波数からのレポートのセットとする。具体的に特定されなければ、すべての規定される変数は、dB単位である。
フェムトセルカバレッジの制約:
良好なカバレッジ(たとえば、SNR>5dBを有するものとして定義される)を提供するのに必要な送信電力を、次のように計算する:
フェムトセルiは、セットP
temp1,iを次のように構築する:
ここで、(Ecp/Io)macro,k,i(j)は、Siのj番目のレポートにおいてレポートされたk番目のマクロセルのEcp/Ioを表す線形部分にあり、(Ecp/Io)beacon,i,i(j)は、Siのj番目のレポートにおいてレポートされたi番目のビーコンのEcp/Ioである。PB,iは、i番目のフェムトセルに対する初期化の後のビーコン電力であり、Kは、所望のSNRの目標と、送信電力値における何らかの所望の追加のマージンとの関数である。この制約によって、このレポートに対応する位置が、あるSNR(たとえば5dB)の信号品質を超える信号を受信しないことが確実になる。これによって、不必要な干渉が防がれる。
フェムトセルiは、この制約に対応する送信電力を次のように計算する:
すなわち、レポートの95%に対する、このカバレッジの制約を満たすための電力である。
マクロ保護の制約:
隣接チャネルのマクロセルを保護しつつ使うことができる送信電力を、以下のように計算する。
フェムトセルiは、セットP
temp2,iを次のように構築する:
ここで、Cは、保護のレベル(たとえばマクロセル強度よりも5dB低い)と何らかの追加のマージンとの関数である。
次いで、フェムトセルiは、この制約に対応する送信電力を次のように計算する:
そして、各フェムトセルの電力は以下のように計算される:
共通チャネルによる展開と同様に、両方の技術が同じフェムトセル内で共存し、1xRTTホームアクセス端末測定レポートが1xRTT電力調整のために収集されている場合には、1xRTTホームアクセス端末測定レポートに基づいてフェムトセル電力を較正することも可能である。また、パスロス情報のみが以下の手順で使われるが、他の測定レポートも計算において用いられてよい。
ビーコン電力:
アイドルモバイルハンドインを支援するために、レポート地点におけるビーコンの強度は、最強のマクロセルよりも、ヒステリシスマージンbeacon
hyst,DOの分だけ高くなければならない。これを実現するために、フェムトセルiは、各々の地点においてアイドルハンドオフのカバレッジの制約を満たすために、そうした地点に対する送信電力の上昇分または減少分である、セット{P
delta,i}を構築する。この電力値は、次のように計算される:
ここで、(Ecp/Io)beacon,i(j)は、i番目のフェムトセルに送信されるj番目のレポートにおいてレポートされるi番目のビーコンのEcp/Ioである。パラメータ(Ecp/Io)bestmacro,i(j)は、i番目のフェムトセルに送信されるj番目のレポートにおいてレポートされる最良のマクロセルのEcp/Ioであり、Kは、典型的なハンドオフヒステリシスと、送信電力における何らかの追加のマージンとの関数として選定される。
フェムトセルiは、Pdelta,iのCDFの、Covbeacon,DO(たとえば80%)パーセンタイルの値として、Pinc,iを計算する。これによって、レポートのCovbeacon,DOパーセントが、アイドルハンドオフの条件を満たすことが確実になる。
フェムトセルiは、ビーコンの較正された送信電力を以下のように計算する:
上で言及されたように、別の手法は、1xRTTホームアクセス端末測定レポートを再使用して、ビーコン送信電力を計算することである。いくつかの態様では、この手法は、1xRTTホームアクセス端末測定レポートに基づく、共通チャネルのフェムトセル電力の計算と同様である。まず、すべてのパスロスレポートの{PLfemto,i(j)}を作成し、{PLfemto,i(j)}のCDFのPLedge,1x,temp=CovBcnパーセンタイルの値を計算し、次いで、許容されるパスロスの目標に下側と上側の境界を適用し、最後に、新たなパスロスの目標PLedge,1x,tempとともに、専用型の展開に対してビーコンNLPCを繰り返す。計算された電力は、最終的なビーコン電力Pbeacon,final,DO,iとして設定される。
フェムトセルのすべてがこの方法に基づいて自身の電力を調整すると、次のステップは、これらの電力レベルを最適化することである。
3)電力最適化:
電力の最適化は、本明細書で説明されるものと同じ動作(たとえば1xRTTに対する)を使って行われ得る。
例示的な詳細:UMTS送信電力調整
このセクションは、SMART手順のある実施形態の追加の態様と、それがUMTSの実装形態においてどのように展開され得るかということとを、説明する。
電力較正モードにおけるパラメータの初期化
電力較正モードのための、利用され得るパラメータのセットの例が以下に続く。測定レポートを、長期間にわたって短い間隔で定期的に受信するために、MRMレポート間隔およびMRMレポート量が、それぞれ、250msと無限大とに設定される。さらに、ソフトハンドオーバー(SHO)は、技術者のトレーニング歩行の間は無効にされ得る。
SHOが無効にされないと、レポートが依然として各フェムトセルにおいて収集され、または、1つのフェムトセル(たとえばクラスタヘッドとして動作する)へ、もしくは別個のエンティティへと送信され得る。説明されるアルゴリズムは、いずれの場合にも適用可能である。
アクティブな呼のハンドオーバーは、(たとえばSHOが無効であれば)ハードハンドオーバーを通じて管理され得る。フェムトセル間のハンドオーバーに対しては、たとえば、ヒステリシス−CIOの値として0dBを使うことが採用され得る。これによって、フェムトセルが最強である可能性の高い領域から、フェムトセルがレポートを収集できるようになる。マクロセルへのハンドオーバーに対しては、たとえば、ヒステリシス−CIOの値として6dBが採用され得る。これによって、マクロセルがフェムトセルよりも強い領域から、フェムトセルがレポートを取得できるようになる。
送信電力制御
各フェムトセルは、所望のカバレッジ範囲と(入力として)、NLMを用いて得られたマクロセルのRSSI測定結果とを使う。フェムトセル送信電力は、カバレッジ要件を満たすように選定される。たとえば、フェムトセルのCPICH Ec/Ioは、カバレッジ範囲におけるQqualmin,femtoよりも良好になるように定義され得る。さらに、マクロセルダウンリンクへの干渉を限定するために、フェムトセル送信は、フェムトセルカバレッジ範囲の端部において、最大でもある一定の量だけ、マクロセルIoを上昇させることのみに制限され得る。したがって、各フェムトセルにおいて、以下の条件が満たされる。
カバレッジの条件:
フェムトセル送信電力は、カバレッジ範囲の端部において、アイドル再選択要件を満たすように選定される。たとえば、フェムトセルのCPICH E
c/Ioは、カバレッジ範囲におけるQ
qualmin,femtoよりも良好でなければならない。
パラメータXは、フェムトセルカバレッジの端部における何らかの負荷PLedge,NLを仮定した場合の、HUE(フェムトセル)が経験する最小の所望のダウンリンクCPICH Ec/Io、全体の送信電力スペクトル密度に対する、チップ当たりのパイロットエネルギーの比(すなわち、CPICH Ec/Ior)、および負荷関数に基づく。
パラメータIomacro,NLMは、周波数内のマクロセル(または本明細書で論じられるような同位置のマクロセル)のCPICH RSCPを測定するために、NLMを使って計算される。マクロセルが検出されない場合は、パラメータIomacro,NLMはN0に設定され得る。
隣接チャネル(他のオペレータ)の保護の条件:
別のワイヤレスネットワークオペレータに属する隣接チャネルに対して引き起こされる干渉を制限するために、3GPP TS 25.104のセクション6.4.6において、出力電力に対する追加の要件が与えられる。一般に、この要件は、CPICHのEcとIoとの比較に基づく。パラメータPfemto,temp2は、これらの要件によって規定されるような隣接チャネル保護の条件を考慮した、全体の送信電力として定義される。
隣接チャネル(同じオペレータ)の保護の条件:
同じオペレータ(たとえばフェムトセルのオペレータ)に属する隣接チャネルのマクロセルに対して引き起こされる干渉を制限するために、出力電力に対する追加の要件が以下で与えられる。
隣接チャネル同一オペレータの条件が有効である場合:
CPICH RSCPadjacentchannel[dBm]は、フェムトセルにおいてNLMによって測定される、隣接チャネル上の主要CPICH(最強のPSC)の符号出力である。
(送信ダイバーシティが主要CPICHに適用される場合、CPICH Ecは、各アンテナから送信された主要CPICHの符号出力の[W]単位での和でなければならない。)。
全体の送信電力の制限値は、以下のように与えられる:
Pfemto,min[dBm]:全体のフェムトセル送信電力の許容される最小値
Pfemto,max[dBm]:全体のフェムトセル送信電力の許容される最大値
Pfemto,temp3=Padjacentchannel,sameopを、隣接チャネル保護の条件を考慮した、全体の送信電力とする。
フェムトセル送信電力は、これらの3つの基準のうちの最小値になるように選択される。
上記の手順は、ユニット(たとえば建物)中の各フェムトセルにおいて実行される。ユニット中にn個のフェムトセルがあるとすると、以下のようになる:
アルゴリズム(または技術者)は、計算された送信電力レベルの最大値を選ぶ:
次いで、フェムトセルの送信電力が、同じ電力P
initへと初期化される。したがって、以下のようになる
これによって、すべてのフェムトセルが、初期のカバレッジを確実にするのに十分高い電力で送信していることと、2つのフェムトセルの間のハンドオーバーの境界が、各フェムトセルからのパスロスが等しくなるところにあることを確実にし、(技術者によって支援される電力調整ステップの後で)最終的な電力の不整合が低くなるのを確実にしようとする。次のステップは、技術者によって支援される電力調整である。
技術者によって支援される電力調整
技術者は、音声の呼を開始し、ユニット中を歩き回る。技術者がとるパスについて、以下の推奨が適用される。技術者の歩行は、カバレッジが必要なすべての領域から測定結果をレポートするために、網羅的かつ均一にユニットにわたるものでなければならない。技術者の歩行パスの全体にわたって、技術者は低速で歩行することが推奨される。より多くの測定レポートを得るために(たとえば、チャネル減衰による推定誤差を軽減するために)、技術者の歩行パス上で複数回の歩行が実行され得る。
フェムトセルは、技術者のモバイル機器からレポートを収集し、フェムトセルがCPICH Ec/Ioを最高位に順位付ける位置で、そのレポートを使用する。送信電力値が等しく、0dBヒステリシス+CIOなので、測定レポートメッセージ(MRM)は、最も近いフェムトセル(たとえばパスロスが最小の)に送信される。受信される各々の測定レポートメッセージに対して、フェムトセルは、PLとマクロセルRSSIとを抽出する。加えて、フェムトセルは、次のように送信電力値を計算する。
各々の受信される測定レポートメッセージ(i)について、カバレッジの条件が満たされる。このカバレッジの条件は、情報が測定レポートから取得されることを除いて、送信電力初期化について上で説明されたカバレッジの条件と同様の方式で、計算される。たとえば、各々の受信された測定レポートメッセージ(i)について、パラメータPfemto,tech,iは、パスロスIomacro,tech,iとXとに基づいて計算され、パラメータIomacro,tech,iは、周波数内のマクロセル(または本明細書で論じられるような同位置のマクロセル)の、アクセス端末によって測定されたCPICH RSCPを使うことによって、計算される。マクロセルが検出されない場合は、パラメータIomacro,tech,iはN0に設定され得る。
フェムトセルにおいて収集されるレポートがm個あるとすると、以下のようになる:
フェムトセルは、計算される送信電力レベルのcovTxperパーセンタイルを選び、フェムトセルのダウンリンク送信電力レベルを、同一の電力へと初期化する。つまり、以下のようになる:
ここで、関数パーセンタイルは、Pfemto,techの値のcovTxperパーセンタイルの値を計算し、Pfemto,temp2およびPfemto,temp3は、同じオペレータおよび他のオペレータに対する隣接チャネル保護要件を考慮して全体の出力電力を計算することによって、得られる。
SMART手順が完了すると、フェムトセルは、P
SMARTと示される全体の送信電力で、ダウンリンク上での送信を開始する。したがって、以下のようになる
技術者は、フェムトセル送信電力の精密な調整のために、SMART手順を複数回実行することができる。
図9は、本明細書で教示される送信電力制御関連の動作を実行するための(たとえば、それぞれ図1のアクセス端末102、アクセスポイント104、およびネットワークエンティティ112に対応する)アクセス端末902、アクセスポイント904、およびネットワークエンティティ906のようなノードに組み込まれ得る(対応するブロックによって表される)、いくつかの例示的なコンポーネントを示す。説明されるコンポーネントは、通信システム中の他のノードに組み込まれてもよい。たとえば、システム中の他のノードは、同様の機能を提供するために、アクセス端末902、アクセスポイント904、またはネットワークエンティティ906のうちの1つまたは複数に関して記載されたコンポーネントと同様のコンポーネントを含み得る。また、所与のノードは、記載されるコンポーネントのうちの1つまたは複数を含み得る。たとえば、アクセスポイントは、アクセスポイントが複数の搬送波で動作し、かつ/または異なる技術によって通信することを可能にする、複数の送受信機コンポーネントを含み得る。
図9に示されるように、アクセス端末902およびアクセスポイント904は各々、他のノードと通信するための(それぞれ送受信機908と送受信機910とによって表される)1つまたは複数のワイヤレス送受信機を含む。各送受信機908は、信号(たとえば、メッセージ、測定レポート、指示、他の種類の情報など)を送信するための送信機912と、信号(たとえば、メッセージ、FL信号、パイロット信号、ハンドオーバーパラメータ、他の種類の情報など)を受信するための受信機914とを含む。同様に、各送受信機910は、信号(たとえば、メッセージ、要求、指示、FL信号、パイロット信号、ハンドオーバーパラメータ、他の種類の情報など)を送信するための送信機916と、信号(たとえば、メッセージ、測定レポート、送信電力値、他の種類の情報など)を受信するための受信機918とを含む。
アクセスポイント904およびネットワークエンティティ906は各々、他のノード(たとえば、他のネットワークエンティティ)と通信するための(それぞれネットワークインターフェース920とネットワークインターフェース922とによって表される)1つまたは複数のネットワークインターフェースを含む。たとえば、ネットワークインターフェース920および922は、有線ベースの、またはワイヤレスの、バックホールもしくはバックボーンを介して、1つまたは複数のネットワークエンティティと通信するように構成され得る。いくつかの態様では、ネットワークインターフェース920および922は、有線ベースの通信またはワイヤレス通信(たとえば、メッセージ、測定レポート、指示、ハンドオーバーパラメータ、送信電力値、他の種類の情報などの送信および受信)をサポートするように構成された(たとえば、送信機コンポーネントおよび受信機コンポーネントを含む)送受信機として実装され得る。したがって、図9の例では、ネットワークインターフェース920は、信号を送信するための送信機924と、信号を受信するための受信機926とを備えるものとして示されている。同様に、ネットワークインターフェース922は、信号を送信するための送信機928と、信号を受信するための受信機930とを備えるものとして示されている。
アクセス端末902、アクセスポイント904、およびネットワークエンティティ906は、本明細書で教示されるような電力制御関連の動作をサポートするのに使われ得る、他のコンポーネントも含む。たとえば、アクセス端末902は、送信電力の制御に関連する機能(たとえば、測定レポート情報の提供、再構成トリガ条件の識別、フェムトセルを再構成せよという指示の生成、測定レポートが受信されていないという判定、測定レポートが受信されているという判定)を実現し、他の処理機能を提供するための、処理システム932を含む。同様に、アクセスポイント904は、送信電力の制御に関連する機能(たとえば、送信電力の制御、第1のハンドオーバーヒステリシス値の定義、第2のハンドオーバーヒステリシス値の定義、少なくとも1つの送信電力値の決定、少なくとも1つのフェムトセルの構成、測定レポート情報の提供、再構成トリガ条件の識別、フェムトセルを再構成せよという指示の生成、測定レポートが受信されていないという判定、測定レポートが受信されているという判定、第2のマクロセルから受信された測定レポートに基づく第1の周波数でのフェムトセルの送信電力の制御、第1の送信電力レベルの決定、第2の送信電力レベルの決定、第3の送信電力レベルの決定、第1の送信電力レベル、第2の送信電力レベル、第3の送信電力レベルからの最小の送信電力レベルの選択、フェムトセルの送信電力の制御)を実現し、他の処理機能を提供するための、処理システム934を含む。ネットワークエンティティ906も、送信電力の制御に関連する機能(たとえば、処理システム934に関して上で説明されたような)を実現し、他の処理機能を提供するための、処理システム936を含む。アクセス端末902、アクセスポイント904、およびネットワークエンティティ906は、それぞれ、情報(たとえば、測定レポート情報、閾値、パラメータなど)を管理するための(たとえば、メモリデバイスを各々含む)メモリコンポーネント938と、940と、942とを含む。加えて、アクセス端末902、アクセスポイント904、およびネットワークエンティティ906は、ユーザに指示(たとえば、音声および/または視覚による指示)を与えるための、かつ/または、ユーザ入力(たとえば、キーパッド、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのような感知デバイスをユーザが作動させることによる)を受信するための、ユーザインターフェースデバイス942、944、および946をそれぞれ含む。
便宜的に、アクセス端末902およびアクセスポイント904は、本明細書で説明される様々な実施例において使用され得るコンポーネントを含むものとして、図9に示される。実際には、図示された各ブロックは、異なる実施態様においては異なる機能を有し得る。たとえば、処理システム932、934、および936は、異なるワイヤレス通信技術を利用する実装形態では、異なる動作をサポートするように構成される。
図9のコンポーネントは、様々な方法で実施され得る。いくつかの実装形態では、図9のコンポーネントは、たとえば、1つまたは複数のプロセッサおよび/または(1つまたは複数のプロセッサを含み得る)1つまたは複数のASICのような、1つまたは複数の回路において実装され得る。ここで、各回路(たとえば、プロセッサ)は、この機能を与えるために回路によって使用される情報または実行コードを記憶するためのデータメモリを使用し、かつ/または組み込み得る。たとえば、ブロック908によって表される機能の一部、ならびにブロック932、938および942によって表される機能の一部またはすべては、アクセス端末の1つまたは複数のプロセッサとアクセス端末のデータメモリとによって(たとえば、適切なコードの実行によって、かつ/またはプロセッサコンポーネントの適切な構成によって)実装され得る。同様に、ブロック910によって表される機能の一部、ならびにブロック920、934、940および944によって表される機能の一部またはすべては、アクセスポイントの1つまたは複数のプロセッサとアクセスポイントのデータメモリとによって(たとえば、適切なコードの実行によって、かつ/またはプロセッサコンポーネントの適切な構成によって)実装され得る。また、ブロック922、936、942、および946によって表される機能の一部またはすべては、ネットワークエンティティの1つまたは複数のプロセッサとネットワークエンティティのデータメモリとによって(たとえば、適切なコードの実行によって、かつ/またはプロセッサコンポーネントの適切な構成によって)実装され得る。
上で論じられたように、いくつかの態様では、本明細書の教示は、大規模なカバレッジ(たとえば、一般にマクロセルネットワークまたはWANと呼ばれる3Gネットワークなどの広域セルラーネットワーク)と、より小規模のカバレッジ(たとえば、一般にLANと呼ばれる住宅ベースまたは建物ベースのネットワーク環境)とを含むネットワークにおいて利用され得る。アクセス端末(AT)がそのようなネットワーク中を移動するとき、アクセス端末は、ある位置では、大規模なカバレッジを提供するアクセスポイントによってサービスされることがあり、他の位置では、より小規模のカバレッジを提供するアクセスポイントによってサービスされることがある。いくつかの態様では、よりカバレッジが小さなノードを使用して、容量の漸次的な増大と、屋内のカバレッジと、(たとえば、より堅牢なユーザ体験のための)様々なサービスとを実現することができる。
本明細書の説明では、比較的広いエリアにカバレッジを提供するノード(たとえば、アクセスポイント)をマクロアクセスポイントと呼ぶことがあり、一方、比較的小さいエリア(たとえば、住居)にカバレッジを提供するノードをフェムトアクセスポイントと呼ぶことがある。本明細書の教示は、他のタイプのカバレッジエリアに関連付けられたノードに適用され得ることを、理解されたい。たとえば、ピコアクセスポイントは、マクロエリアよりも小さく、フェムトエリアよりも大きなエリアにわたってカバレッジ(たとえば、商業ビル内のカバレッジ)を提供することができる。様々な適用例において、マクロアクセスポイント、フェムトアクセスポイント、または他のアクセスポイントタイプのノードを指すために、他の用語を使用することがある。たとえば、マクロアクセスポイントを、アクセスノード、基地局、アクセスポイント、eNodeB、マクロセルなどとして構成し、またはそのように呼ぶことがある。同様に、フェムトアクセスポイントを、Home NodeB、Home eNodeB、アクセスポイント基地局、フェムトセルなどとして構成し、またはそのように呼ぶことがある。いくつかの実装態様では、ノードは1つまたは複数のセルまたはセクタに関連付けられ得る(たとえば、セルまたはセクタと呼ばれることがあり、もしくはセルまたはセクタに分割されることがある)。マクロアクセスポイント、フェムトアクセスポイント、またはピコアクセスポイントに関連付けられたセルまたはセクタは、それぞれ、マクロセル、フェムトセル、またはピコセルと呼ばれ得る。
図10は、本明細書の教示が実施され得る、複数のユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム1000を示す。システム1000は、たとえば、マクロセル1002A〜1002Gのような、複数のセル1002の通信を可能にし、各セルは、対応するアクセスポイント1004(たとえば、アクセスポイント1004A〜1004G)によってサービスされる。図10に示すように、アクセス端末1006(たとえば、アクセス端末1006A〜1006L)は、時間とともにシステム全体にわたって様々な位置に分散し得る。各アクセス端末1006は、たとえば、そのアクセス端末1006がアクティブかどうか、そのアクセス端末1006がソフトハンドオフに設定されているかどうかに応じて、所与の時点において、順方向リンク(FL)および/または逆方向リンク(RL)で1つまたは複数のアクセスポイント1004と通信できる。ワイヤレス通信システム1000は、広い地理的領域全体にサービスを提供できる。たとえば、マクロセル1002A〜1002Gは、近隣の数ブロック、または農村環境では数マイルをカバーし得る。
図11は、1つまたは複数のフェムトアクセスポイントがネットワーク環境内に展開された、例示的な通信システム1100を示す。具体的には、システム1100は、比較的小規模のネットワーク環境(たとえば、1つまたは複数のユーザの住居1130)に設置された複数のフェムトアクセスポイント1110(たとえば、フェムトアクセスポイント1110Aおよび1110B)を含む。各フェムトアクセスポイント1110は、DSLルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続手段(図示せず)を介してワイドエリアネットワーク1140(たとえば、インターネット)とモバイルオペレータのコアネットワーク1150とに結合され得る。以下に説明されるように、各フェムトアクセスポイント1110は、関連付けられたアクセス端末1120(たとえば、アクセス端末1120A)と、オプションで他の(たとえば、ハイブリッドまたはエイリアン)アクセス端末1120(たとえば、アクセス端末1120B)をサービスするように構成され得る。言い換えると、フェムトアクセスポイント1110へのアクセスが制限され、それによって、所与のアクセス端末1120は、指定された(たとえば、ホーム)フェムトアクセスポイント1110のセットによってサービスされ得るが、指定されていないフェムトアクセスポイント1110(たとえば、近隣のフェムトアクセスポイント1110)によってはサービスされ得ない。
図12は、いくつかのトラッキングエリア1202(またはルーティングエリア、またはロケーションエリア)が定義されており、それぞれのエリアがいくつかのマクロカバレッジエリア1204を含む、カバレッジマップ1200の一例を示す。ここで、トラッキングエリア1202A、1202B、および1202Cに関連付けられたカバレッジのエリアは太線によって示され、マクロカバレッジエリア1204はより大きな六角形によって表される。トラッキングエリア1202は、フェムトカバレッジエリア1206も含む。この例では、フェムトカバレッジエリア1206(たとえば、フェムトカバレッジエリア1206Bおよび1206C)の各々は、1つまたは複数のマクロカバレッジエリア1204(たとえば、マクロカバレッジエリア1204Aおよび1204B)内に示されている。ただし、フェムトカバレッジエリア1206の一部またはすべてが、マクロカバレッジエリア1204内になくてもよいことを理解されたい。実際には、所与のトラッキングエリア1202またはマクロカバレッジエリア1204内に、多数のフェムトカバレッジエリア1206(たとえば、フェムトカバレッジエリア1206Aおよび1206D)を定義することができる。同様に、所与のトラッキングエリア1202またはマクロカバレッジエリア1204内に、1つまたは複数のピコカバレッジエリア(図示せず)を定義することができる。
再び図11を参照すると、フェムトアクセスポイント1110の所有者は、たとえばモバイルオペレータのコアネットワーク1150を介して提供される3Gモバイルサービスのような、モバイルサービスに加入できる。加えて、アクセス端末1120は、マクロ環境と、より小規模の(たとえば、住居内)ネットワーク環境の両方で動作可能であり得る。言い換えると、アクセス端末1120の現在地に応じて、アクセス端末1120は、モバイルオペレータのコアネットワーク1150に関連付けられたマクロセルのアクセスポイント1160によって、または、フェムトアクセスポイント1110のセット(たとえば、対応するユーザの住居1130内に存在するフェムトアクセスポイント1110Aおよび1110B)のうちの任意の1つによって、サービスされ得る。たとえば、加入者は、自宅の外にいるときは標準のマクロアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント1160)によってサービスされ、自宅の中にいるときはフェムトアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント1110A)によってサービスされる。ここで、フェムトアクセスポイント1110は、レガシーアクセス端末1120との後方互換性を有し得る。
フェムトアクセスポイント1110は、単一周波数で展開されてもよく、あるいは、複数の周波数で展開されてもよい。具体的な構成に応じて、その単一の周波数、または複数の周波数のうちの1つもしくは複数は、マクロアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント1160)によって使用される1つまたは複数の周波数と重なり得る。
いくつかの態様では、アクセス端末1120は、好ましいフェムトアクセスポイント(たとえば、アクセス端末1120のホームフェムトアクセスポイント)との接続が可能な場合はいつでも、そのフェムトアクセスポイントに接続するように構成され得る。たとえば、アクセス端末1120Aがユーザの住居1130内にある際にはいつでも、アクセス端末1120Aは、ホームフェムトアクセスポイント1110Aまたは1110Bとのみ通信することが望ましい場合がある。
いくつかの態様では、アクセス端末1120がマクロセルラーネットワーク1150内で動作しているが、(たとえば、好適ローミングリスト中で定義されるような)その最も好適なネットワーク上に存在していない場合、アクセス端末1120は、ベターシステムリセレクション(BSR:better system reselection)手順を使用して、最も好適なネットワーク(たとえば、好適なフェムトアクセスポイント1110)を探索し続けることができ、BSR手順は、利用可能なシステムを定期的にスキャニングして、より良好なシステムが現在利用可能であるかどうかを判定し、その後、そのような好適なシステムを捕捉することを含み得る。アクセス端末1120は、特定の帯域およびチャネルの探索を制限することができる。たとえば、ある領域中のすべてのフェムトアクセスポイント(またはすべての制限付きフェムトアクセスポイント)がその上で動作する、1つまたは複数のフェムトチャネルを定義することができる。最も好適なシステムの探索は、定期的に繰り返すことができる。好ましいフェムトアクセスポイント1110を発見すると、アクセス端末1120は、フェムトアクセスポイント1110を選択し、そのフェムトアクセスポイント1110のカバレッジエリア内にあるときに使用するために、フェムトアクセスポイント1110に登録する。
いくつかの態様では、フェムトアクセスポイントへのアクセスが制限され得る。たとえば、所与のフェムトアクセスポイントは、いくつかのサービスをいくつかのアクセス端末のみに提供することができる。いわゆる限定された(すなわち、閉鎖型)アクセスによる展開において、所与のアクセス端末には、マクロセルのモバイルネットワークと、フェムトアクセスポイントの定義されたセット(たとえば、対応するユーザの住居1130内に存在するフェムトアクセスポイント1110)とによってのみ、サービスされ得る。いくつかの実装形態では、アクセスポイントは、少なくとも1つのノード(たとえば、アクセス端末)に対して、シグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを提供しないように制限され得る。
いくつかの態様では、制限付きフェムトアクセスポイント(限定加入者グループHome NodeBとも呼ばれ得る)は、アクセス端末の限定されプロビジョニングされたセットにサービスする、フェムトアクセスポイントである。このセットは、必要に応じて、一時的にまたは永続的に拡大され得る。いくつかの態様では、限定加入者グループ(CSG)は、アクセス端末の共通のアクセス制御リストを共有するアクセスポイント(たとえば、フェムトアクセスポイント)のセットとして定義され得る。
したがって、所与のフェムトアクセスポイントと所与のアクセス端末との間には様々な関係が存在し得る。たとえば、アクセス端末の観点から、公開フェムトアクセスポイントは、無制限のアクセスをもつフェムトアクセスポイントを指すことがある(たとえば、そのフェムトアクセスポイントはすべてのアクセス端末にアクセスを許可する)。制限付きフェムトアクセスポイントは、何らかの形で制限された(たとえば、アクセスおよび/または登録について制限された)フェムトアクセスポイントを指し得る。ホームフェムトアクセスポイントは、アクセス端末がアクセスし、そこで動作することを許可される(たとえば、永続的なアクセスが、1つまたは複数のアクセス端末の定義されたセットに与えられる)フェムトアクセスポイントを指し得る。ハイブリッド(またはゲスト)フェムトアクセスポイントは、異なるアクセス端末が異なるレベルのサービスを提供される(たとえば、一部のアクセス端末は、部分的なアクセスおよび/または一時的アクセスが許可され得るが、他のアクセス端末は完全なアクセスが許可され得る)フェムトアクセスポイントを指し得る。外来フェムトアクセスポイントは、おそらく非常事態(たとえば、911番)を除いて、アクセス端末がアクセスし、またはそこで動作することを許可されないフェムトアクセスポイントを指し得る。
制限付きフェムトアクセスポイントの観点からすると、ホームアクセス端末は、そのアクセス端末の所有者の住居に設置された制限付きフェムトアクセスポイントにアクセスすることが許可されたアクセス端末を指し得る(通常、ホームアクセス端末はそのフェムトアクセスポイントへの永続的なアクセス権を有する)。ゲストアクセス端末は、(たとえば、最終期限、使用時間、バイト、接続回数、または何らかの他の1つまたは複数の基準に基づいて制限された)制限付きフェムトアクセスポイントへの一時的アクセス権を有するアクセス端末を指し得る。外来アクセス端末は、たとえば、おそらく911番などの非常事態を除いて、制限付きフェムトアクセスポイントにアクセスする許可を有さないアクセス端末(たとえば、制限付きフェムトアクセスポイントに登録するための証明書または許可を有さないアクセス端末)を指し得る。
便宜的に、本明細書の開示は、フェムトアクセスポイントに関して様々な機能を説明する。ただし、ピコアクセスポイントは、同じまたは同様の機能をより大きなカバレッジエリアに与えることができることを理解されたい。たとえば、所与のアクセス端末に対して、ピコアクセスポイントを制限すること、ホームピコアクセスポイントを定義することなどが可能である。
本明細書の教示は、複数のワイヤレスアクセス端末のための通信を同時にサポートするワイヤレス多元接続通信システムにおいて採用され得る。ここで、各端末は、順方向リンクおよび逆方向リンク上の送信を介して、1つまたは複数のアクセスポイントと通信することができる。順方向リンク(すなわち、ダウンリンク)は、アクセスポイントから端末への通信リンクを指し、逆方向リンク(すなわち、アップリンク)は、端末からアクセスポイントへの通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、多入力多出力(MIMO)システム、または何らかの他のタイプのシステムを介して確立され得る。
MIMOシステムは、データ伝送に複数の(NT個の)送信アンテナと複数の(NR個の)受信アンテナとを利用する。NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナとによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルとも呼ばれるNS個の独立チャネルに分解され得る(ここでNS ≦ min{NT, NR}である)。NS個の独立チャネルの各々が、1つの次元に対応する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成された追加の次元数が利用された場合、MIMOシステムは改善された性能(たとえば、より高いスループットおよび/またはより高い信頼性)を実現することができる。
MIMOシステムは、時分割複信(TDD)と周波数分割複信(FDD)とをサポートすることができる。TDDシステムでは、順方向リンク送信と逆方向リンク送信とが同じ周波数領域上で行われるので、相互関係の原理により逆方向リンクチャネルからの順方向リンクチャネルの推定が可能である。これにより、アクセスポイントで複数のアンテナが使用可能な場合、アクセスポイントは順方向リンクで送信ビーム形成利得を抽出できるようになる。
図13は、例示的なMIMOシステム1300のワイヤレスデバイス1310(たとえば、アクセスポイント)と、ワイヤレスデバイス1350(たとえば、アクセス端末)とを示す。デバイス1310において、いくつかのデータストリームのトラフィックデータが、データソース1312から送信(TX)データプロセッサ1314に供給される。次いで、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信され得る。
TXデータプロセッサ1314は、データストリーム用に選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームに対するトラフィックデータをフォーマットし、符号化し、インターリーブして、符号化データを与える。各データストリームの符号化データは、OFDM技法を使用してパイロットデータと多重化され得る。パイロットデータは、通常は、知られている方法で処理されチャネル応答を推定するために受信機システムにおいて使用され得る、既知のデータパターンである。次いで、各データストリームの多重化されたパイロットデータおよび符号化データは、そのデータストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、BPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを与える。各データストリームのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ1330によって実行される命令によって決定され得る。データメモリ1332は、プロセッサ1330またはデバイス1310の他のコンポーネントによって使用される、プログラムコードと、データと、他の情報とを記憶し得る。
次いで、すべてのデータストリームの変調シンボルがTX MIMOプロセッサ1320に供給され、TX MIMOプロセッサ1320はさらに(たとえば、OFDMの)変調シンボルを処理し得る。TX MIMOプロセッサ1320は、次いで、NT個の変調シンボルストリームを、NT個のトランシーバ(XCVR)1322A〜1322Tに供給する。いくつかの態様では、TX MIMOプロセッサ1320は、データストリームのシンボルと、シンボルの送信元のアンテナとにビームフォーミング重みを付加する。
各送受信機1322は、それぞれのシンボルストリームを受信し、処理して1つまたは複数のアナログ信号を与え、そのアナログ信号をさらに調整して(たとえば、増幅し、フィルタリングし、アップコンバートして)MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を与える。次いで、送受信機1322A〜1322TからのNT個の変調信号が、それぞれNT個のアンテナ1324A〜1324Tから送信される。
デバイス1350において、送信された変調信号はNR個のアンテナ1352A〜1352Rによって受信され、各アンテナ1352からの受信信号は、それぞれの送受信機(XCVR)1354A〜1354Rに供給される。各送受信機1354は、それぞれの受信信号を調整して(たとえば、フィルタリングし、増幅し、ダウンコンバートして)、調整された信号をデジタル化して、サンプルを与え、さらにそれらのサンプルを処理して、対応する「受信」シンボルストリームを与える。
次いで、受信(RX)データプロセッサ1360は、特定の受信機処理技法に基づいてNR個の送受信機1354からNR個の受信シンボルストリームを受信し、処理して、NT個の「検出」シンボルストリームを与える。次いで、RXデータプロセッサ1360は、各検出シンボルストリームを復調し、デインターリーブし、復号して、データストリームのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ1360による処理は、デバイス1310におけるTX MIMOプロセッサ1320およびTXデータプロセッサ1314によって実行される処理を補完するものである。
プロセッサ1370は、どのプリコーディング行列(以下で論じる)を使用すべきかを定期的に判定する。プロセッサ1370は、行列インデックス部分とランク値部分とを備える逆方向リンクメッセージを作成する。データメモリ1372は、プロセッサ1370またはデバイス1350の他のコンポーネントによって使用される、プログラムコードと、データと、他の情報とを記憶し得る。
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々な種類の情報を備え得る。次いで、逆方向リンクメッセージは、データソース1336からいくつかのデータストリームのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ1338によって処理され、変調器1380によって変調され、送受信機1354A〜1354Rによって調整され、デバイス1310に戻される。
デバイス1310において、デバイス1350からの変調信号は、アンテナ1324によって受信され、送受信機1322によって調整され、復調器(DEMOD)1340によって復調され、RXデータプロセッサ1342によって処理されて、デバイス1350によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。次いで、プロセッサ1330は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用すべきかを判定し、次いで、抽出されたメッセージを処理する。
図13はまた、通信コンポーネントが、本明細書で教示されるような送信電力制御動作を実行する、1つまたは複数のコンポーネントを含み得ることを示す。たとえば、送信電力制御コンポーネント1390は、デバイス1310のプロセッサ1330および/または他のコンポーネントと協働して、本明細書で教示されるような、デバイス1310および/または少なくとも1つの他のデバイスによる送信(たとえば、デバイス1350などの別のデバイスへの送信)のための送信電力を制御することができる。また、送信電力制御コンポーネント1392は、プロセッサ1370および/またはデバイス1350の他のコンポーネントと協働して、本明細書で教示されるような送信電力制御動作(たとえば、デバイス1310および/または他のデバイスによる送信のための)を支援することができる。各デバイス1310および1350について、説明されるコンポーネントのうちの2つ以上の機能が、単一のコンポーネントによって提供されてもよいことを理解されたい。たとえば、単一の処理コンポーネントが、送信電力制御コンポーネント1390およびプロセッサ1330の機能を提供することができる。同様に、単一の処理コンポーネントが、送信電力制御コンポーネント1392およびプロセッサ1370の機能を提供することができる。
本明細書の教示は、様々なタイプの通信システムおよび/またはシステムコンポーネントに組み込むことができる。いくつかの態様では、本明細書の教示は、利用可能なシステムリソースを共有することによって(たとえば、帯域幅、送信電力、符号化、インターリーブなどのうちの1つまたは複数を規定することによって)、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続システムにおいて利用され得る。たとえば、本明細書の教示は、符号分割多元接続(CDMA)システム、多重キャリアCDMA(MCCDMA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、高速パケットアクセス(HSPA、HSPA+)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、または他の多元接続技法の技術のうちの、いずれか1つまたは組合せに適用され得る。本明細書の教示を採用するワイヤレス通信システムは、IS−95、cdma2000、IS−856、W−CDMA、TDSCDMA、および他の規格など、1つまたは複数の規格を実装するように設計され得る。CDMAネットワークは、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)、cdma2000、または何らかの他の技術などの無線技術を実装することができる。UTRAは、W−CDMAおよびLow Chip Rate(LCR)を含む。cdma2000技術は、IS−2000、IS−95、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、Evolved UTRA(E−UTRA)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)の一部である。本明細書の教示は、3GPP Long Term Evolution(LTE)システム、Ultra Mobile Broadband(UMB)システム、および他のタイプのシステムで実装され得る。LTEは、E−UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E−UTRA、GSM、UMTSおよびLTEは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する団体からの文書に記載されており、cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する団体からの文書に記載されている。本開示のいくつかの態様は、3GPPの用語を使用して説明されることがあるが、本明細書の教示は、3GPP(たとえば、Rel99、Rel5、Rel6、Rel7)技術、ならびに3GPP2(たとえば、1xRTT、1xEV−DO Rel0、RevA、RevB)技術および他の技術に適用され得ることを理解されたい。
本明細書の教示は、様々な装置(たとえば、ノード)に組み込む(たとえば、装置内に実装する、または装置によって実行する)ことができる。いくつかの態様では、本明細書の教示に従って実装されるノード(たとえば、ワイヤレスノード)は、アクセスポイントまたはアクセス端末を備え得る。
たとえば、アクセス端末は、ユーザ機器、加入者局、加入者ユニット、移動局、モバイル機器、モバイルノード、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、もしくは何らかの他の用語を備えてよく、それらのいずれかとして実装されてよく、またはそれらのいずれかとして知られ得る。いくつかの実装形態では、アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の好適な処理デバイスを備え得る。したがって、本明細書で教示される1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラー電話もしくはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、携帯型通信デバイス、携帯型コンピューティングデバイス(たとえば、個人情報端末)、娯楽デバイス(たとえば、音楽デバイス、ビデオデバイス、もしくは衛星ラジオ)、全地球測位システムデバイス、または、ワイヤレス媒体を介して通信するように構成された他の好適なデバイスに組み込まれ得る。
アクセスポイントは、NodeB、eNodeB、無線ネットワーク制御装置(RNC)、基地局(BS)、無線基地局(RBS)、基地局制御装置(BSC)、ベーストランシーバ基地局(BTS)、送受信機機能(TF)、無線トランシーバ、無線ルータ、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、マクロセル、マクロノード、ホームeNB(HeNB)、フェムトセル、フェムトノード、ピコノード、または何らかの他の類似の用語を備えてよく、それらのいずれかとして実装されてよく、またはそれらのいずれかとして知られ得る。
いくつかの態様では、ノード(たとえば、アクセスポイント)は、通信システムのためのアクセスノードを備え得る。そのようなアクセスノードは、たとえば、ネットワークへの有線またはワイヤレス通信リンクを介した、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどワイドエリアネットワーク)のための、またはネットワークへの接続性を与えることができる。したがって、アクセスノードは、別のノード(たとえば、アクセス端末)が、ネットワークまたは何らかの他の機能にアクセスできるようにし得る。さらに、上記のノードの一方または双方がポータブルであってもよく、または場合によっては比較的ポータブルでなくてもよいことを理解されたい。
また、ワイヤレスノードは、非ワイヤレス方式で(たとえば、有線接続を介して)情報を送信および/または受信できることを理解されたい。したがって、本明細書で論じられる受信機および送信機は、非ワイヤレス媒体を介して通信するための適切な通信インターフェースコンポーネント(たとえば、電子的または光学的インターフェースコンポーネント)を含み得る。
ワイヤレスノードは、任意の適切なワイヤレス通信技術に基づく、またはそれをサポートする、1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを介して通信することができる。たとえば、いくつかの態様では、ワイヤレスノードはネットワークに加わることができる。いくつかの態様では、ネットワークはローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークを備え得る。ワイヤレスデバイスは、本明細書で論じられる様々なワイヤレス通信技術、プロトコル、または規格(たとえば、CDMA、TDMA、OFDM、OFDMA、WiMAX、Wi−Fiなど)のうちの1つまたは複数を、サポートまたは使用することができる。同様に、ワイヤレスノードは、様々な対応する変調方式または多重化方式のうちの1つまたは複数を、サポートまたは使用することができる。したがって、ワイヤレスノードは、上記または他のワイヤレス通信技術を使用して1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを確立し、それを介して通信するために適切なコンポーネント(たとえば、エアインターフェース)を含み得る。たとえば、ワイヤレスノードは、ワイヤレス媒体を通じて通信を可能にする様々なコンポーネント(たとえば、信号発生器および信号処理器)を含み得る、関連する送信機コンポーネントと受信機コンポーネントとを有する、ワイヤレス送受信機を備え得る。
(たとえば、添付の図の1つまたは複数に関して)本明細書で説明された機能は、いくつかの態様では、添付の特許請求の範囲において同様に指定された「手段」機能に対応し得る。図14、図15、図16、および図17を参照すると、装置1400、1500、1600、および1700は、一連の相互に関連する機能モジュールとして表される。ここで、測定レポートを受信するためのモジュール1402は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する受信機に対応し得る。送信電力を制御するためのモジュール1404は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。ハンドオーバーヒステリシス値を定義するためのモジュール1406は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。送信電力値を受信するためのモジュール1408は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する受信機に対応し得る。少なくとも1つの送信電力値を決定するためのモジュール1410は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。少なくとも1つのフェムトセルを構成するためのモジュール1412は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。測定レポート情報を提供するためのモジュール1414は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。情報を受信するためのモジュール1502は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する受信機に対応し得る。再構成トリガ条件を識別するためのモジュール1504は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。フェムトセルを再構成せよという指示を生成するためのモジュール1506は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。測定レポートが第1のマクロセルから受信されていないと判定するためのモジュール1602は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。測定レポートが第2のマクロセルから受信されていないと判定するためのモジュール1604は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。フェムトセルの送信電力を制御するためのモジュール1606は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。第1の送信電力レベルを決定するためのモジュール1702は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。第2の送信電力レベルを決定するためのモジュール1704は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。第3の送信電力レベルを決定するためのモジュール1706は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。最小の送信電力レベルを選択するためのモジュール1708は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。フェムトセルの送信電力を制御するためのモジュール1710は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で説明する処理システムに対応し得る。
図14、図15、図16、および図17のモジュールの機能は、本明細書の教示に一致する様々な方法で実装され得る。いくつかの態様では、これらのモジュールの機能は、1つまたは複数の電気的コンポーネントとして実装され得る。いくつかの態様では、これらのブロックの機能は、1つまたは複数のプロセッサコンポーネントを含む処理システムとして実装され得る。いくつかの態様では、これらのモジュールの機能は、たとえば、1つまたは複数の集積回路(たとえば、ASIC)の少なくとも一部を使用して実装され得る。本明細書で論じるように、集積回路は、プロセッサ、ソフトウェア、他の関連するコンポーネント、またはそれらの何らかの組合せを含み得る。これらのモジュールの機能は、本明細書で教示される方法とは別の何らかの方法でも実装され得る。いくつかの態様では、図14、図15、図16、および図17中の任意の破線ブロックのうちの1つまたは複数はオプションである。
本明細書における「第1」、「第2」などの名称を使用した要素へのあらゆる言及は、それらの要素の数量または順序を全般に限定するものでないことを理解されたい。むしろ、これらの呼称は、本明細書において2つ以上の要素またはある要素の複数の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1および第2の要素への言及は、そこで2つの要素のみが使用できること、または第1の要素が何らかの方法で第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。また、別段の規定がない限り、要素のセットは1つまたは複数の要素を備え得る。さらに、説明または特許請求の範囲で使用される「A、B、またはCの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」または「A、B、およびCからなるグループの少なくとも1つ」という形式の用語法は、「AまたはBまたはCまたはそれら要素の任意の組合せ」を意味する。
情報および信号は様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光場もしくは光子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
さらに、本明細書で開示された態様に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップのいずれかは、電子ハードウェア(たとえば、ソースコーディングまたは何らかの他の技法を使用して設計できる、デジタル実装形態、アナログ実装形態、またはそれら2つの組合せ)、命令を組み込んだ様々な形態のプログラムまたは設計コード(便宜上、本明細書では「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と呼ぶことがある)、または両方の組合せとして実装できることを当業者は理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を具体的な適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
本明細書で開示した態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、集積回路(IC)、アクセス端末、またはアクセスポイント内で実装され得るか、またはそれらによって実行され得る。ICは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート回路もしくはトランジスタ論理回路、個別ハードウェアコンポーネント、電子的コンポーネント、光学的コンポーネント、機械的コンポーネント、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを備えることができ、ICの内部に、ICの外側に、またはその両方に存在するコードまたは命令を実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
任意の開示されたプロセス中のステップの特定の順序または階層は、例示的な手法の一例であることを理解されたい。設計の選好に基づいて、プロセス中のステップの特定の順序または階層は、本開示の範囲内のまま再構成できることを理解されたい。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示したものであり、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能を、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体でよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用できコンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を、備え得る。さらに、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、有形媒体)を備え得る。さらに、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を備え得る。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。コンピュータ可読媒体は、任意の好適なコンピュータプログラム製品に実装され得ることを理解されたい。
本明細書で使用する「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する。たとえば、「決定」は、計算、算出、処理、導出、調査、探索(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造の中の探索)、確認などを含み得る。また、「決定」は、受信(たとえば、情報を受信すること)、アクセス(たとえば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定」は、解決、選択、選出、確立などを含み得る。
開示された態様の前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用できるようにするために提供されるものである。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義された包括的な原理は本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で示した態様に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが、第1のマクロセルから第1の周波数で受信されていないと判定し、
前記第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが前記第1のマクロセルと同位置の第2のマクロセルから第2の周波数で受信されていると判定し、
測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていないという前記判定の結果として、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を、前記第2のマクロセルから受信された前記測定レポートに基づいて制御する
ように構成される処理システムを備える、通信装置。
[C2]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順を実行しているアクセス端末を介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C1]に記載の装置。
[C3]
前記送信電力は、ハンドオーバーの基準、SNRの基準、マクロセル保護の基準、パイロット信号品質の基準、または隣接チャネル保護の基準を満たすように制御される、
[C2]に記載の装置。
[C4]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順のための送信電力を初期化する手順の間に、ネットワークリッスンモジュールを介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C1]に記載の装置。
[C5]
前記フェムトセルからの干渉によって、測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていない、
[C1]に記載の装置。
[C6]
少なくとも1つの他のフェムトセルからの干渉によって、測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていない、
[C1]に記載の装置。
[C7]
前記装置は、前記フェムトセルを備える、
[C1]に記載の装置。
[C8]
前記装置は、ネットワークエンティティである、
[C1]に記載の装置。
[C9]
第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが第1のマクロセルから第1の周波数で受信されていないと判定することと、
前記第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが前記第1のマクロセルと同位置の第2のマクロセルから第2の周波数で受信されていると判定することと、
測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていないという前記判定の結果として、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を、前記第2のマクロセルから受信された前記測定レポートに基づいて制御することと
を備える、電力制御方法。
[C10]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順を実行しているアクセス端末を介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C9]に記載の方法。
[C11]
前記送信電力は、ハンドオーバーの基準、SNRの基準、マクロセル保護の基準、パイロット信号品質の基準、または隣接チャネル保護の基準を満たすように制御される、
[C10]に記載の方法。
[C12]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順のための送信電力を初期化する手順の間に、ネットワークリッスンモジュールを介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C9]に記載の方法。
[C13]
前記フェムトセルからの干渉によって、測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていない、
[C9]に記載の方法。
[C14]
少なくとも1つの他のフェムトセルからの干渉によって、測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていない、
[C9]に記載の方法。
[C15]
前記方法は、前記フェムトセルによって実行される、
[C9]に記載の方法。
[C16]
前記方法は、ネットワークエンティティによって実行される、
[C9]に記載の方法。
[C17]
第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが第1のマクロセルから第1の周波数で受信されていないと判定するための手段と、
前記第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが前記第1のマクロセルと同位置の第2のマクロセルから第2の周波数で受信されていると判定するための手段と、
前記第2のマクロセルから受信された前記測定レポートに基づいて前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を制御するための手段と
を備え、前記送信電力を前記制御することはさらに、測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていないという前記判定に基づく、
通信装置。
[C18]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順を実行しているアクセス端末を介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C17]に記載の装置。
[C19]
前記送信電力は、ハンドオーバーの基準、SNRの基準、マクロセル保護の基準、パイロット信号品質の基準、または隣接チャネル保護の基準を満たすように制御される、
[C17]に記載の装置。
[C20]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順のための送信電力を初期化する手順の間に、ネットワークリッスンモジュールを介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C17]に記載の装置。
[C21]
コンピュータに、
第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが第1のマクロセルから第1の周波数で受信されていないと判定させ、
前記第1のマクロセル識別子と関連付けられる測定レポートが前記第1のマクロセルと同位置の第2のマクロセルから第2の周波数で受信されていると判定させ、
測定レポートが前記第1のマクロセルから受信されていないという前記判定の結果として、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を、前記第2のマクロセルから受信された前記測定レポートに基づいて制御させる
ためのコードを備えるコンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
[C22]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順を実行しているアクセス端末を介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C21]に記載のコンピュータプログラム製品。
[C23]
前記送信電力は、ハンドオーバーの基準、SNRの基準、マクロセル保護の基準、パイロット信号品質の基準、または隣接チャネル保護の基準を満たすように制御される、
[C21]に記載のコンピュータプログラム製品。
[C24]
前記測定レポートは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順のための送信電力を初期化する手順の間に、ネットワークリッスンモジュールを介して、前記第2のマクロセルから受信される、
[C21]に記載のコンピュータプログラム製品。
[C25]
第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられるフェムトセルによる第1の周波数上でのワイヤレス通信のカバレッジ基準を満たす第1の送信電力レベルを決定し、
第2のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第1の干渉基準を満たす第2の送信電力レベルを決定し、
前記第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第2の干渉基準を満たす第3の送信電力レベルを決定し、
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルから最小の送信電力レベルを選択し、
前記選択された最小の送信電力レベルに基づいて、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を制御する
ように構成される処理システムを備える、通信装置。
[C26]
前記カバレッジ基準は、前記フェムトセルからの定められたパスロスにおける、受信されたパイロット信号の品質レベルに基づく、
[C25]に記載の装置。
[C27]
前記第1の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と、全体の受信された電力値との比較に基づく、
[C25]に記載の装置。
[C28]
前記第2の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と閾値との比較に基づく、
[C25]に記載の装置。
[C29]
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順を実行しているアクセス端末を介して受信される測定レポートに基づいて決定される、
[C25]に記載の装置。
[C30]
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順のための送信電力を初期化する手順の間に、ネットワークリッスンモジュールを介して受信される測定レポートに基づいて決定される、
[C25]に記載の装置。
[C31]
前記方法は、前記フェムトセルによって実行される、
[C25]に記載の装置。
[C32]
前記方法は、ネットワークエンティティによって実行される、
[C25]に記載の装置。
[C33]
第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられるフェムトセルによる第1の周波数上でのワイヤレス通信のカバレッジ基準を満たす第1の送信電力レベルを決定することと、
第2のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第1の干渉基準を満たす第2の送信電力レベルを決定することと、
前記第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第2の干渉基準を満たす第3の送信電力レベルを決定することと、
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルから最小の送信電力レベルを選択することと、
前記選択された最小の送信電力レベルに基づいて、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を制御することと
を備える、電力制御方法。
[C34]
前記カバレッジ基準は、前記フェムトセルからの定められたパスロスにおける、受信されたパイロット信号の品質レベルに基づく、
[C33]に記載の方法。
[C35]
前記第1の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と、全体の受信された電力値との比較に基づく、
[C33]に記載の方法。
[C36]
前記第2の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と閾値との比較に基づく、
[C33]に記載の方法。
[C37]
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順を実行しているアクセス端末を介して受信される測定レポートに基づいて決定される、
[C33]に記載の方法。
[C38]
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルは、フェムトセルのネットワークに対するトレーニング歩行較正手順のための送信電力を初期化する手順の間に、ネットワークリッスンモジュールを介して受信される測定レポートに基づいて決定される、
[C33]に記載の方法。
[C39]
前記方法は、前記フェムトセルによって実行される、
[C33]に記載の方法。
[C40]
前記方法は、ネットワークエンティティによって実行される、
[C33]に記載の方法。
[C41]
第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられるフェムトセルによる第1の周波数上でのワイヤレス通信のカバレッジ基準を満たす第1の送信電力レベルを決定するための手段と、
第2のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第1の干渉基準を満たす第2の送信電力レベルを決定するための手段と、
前記第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第2の干渉基準を満たす第3の送信電力レベルを決定するための手段と、
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルから最小の送信電力レベルを選択するための手段と、
前記選択された最小の送信電力レベルに基づいて、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を制御するための手段と
を備える、通信装置。
[C42]
前記カバレッジ基準は、前記フェムトセルからの定められたパスロスにおける、受信されたパイロット信号の品質レベルに基づく、
[C41]に記載の装置。
[C43]
前記第1の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と、全体の受信された電力値との比較に基づく、
[C41]に記載の装置。
[C44]
前記第2の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と閾値との比較に基づく、
[C41]に記載の装置。
[C45]
コンピュータに、
第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられるフェムトセルによる第1の周波数上でのワイヤレス通信のカバレッジ基準を満たす第1の送信電力レベルを決定させ、
第2のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第1の干渉基準を満たす第2の送信電力レベルを決定させ、
前記第1のワイヤレスネットワークオペレータと関連付けられる隣接チャネルのワイヤレス通信に対応する第2の干渉基準を満たす第3の送信電力レベルを決定させ、
前記第1の送信電力レベル、前記第2の送信電力レベル、および前記第3の送信電力レベルから最小の送信電力レベルを選択させ、
前記選択された最小の送信電力レベルに基づいて、前記第1の周波数上でのフェムトセルの送信電力を制御させる
ためのコードを備えるコンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
[C46]
前記カバレッジ基準は、前記フェムトセルからの定められたパスロスにおける、受信されたパイロット信号の品質レベルに基づく、
[C45]に記載のコンピュータプログラム製品。
[C47]
前記第1の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と、全体の受信された電力値との比較に基づく、
[C45]に記載のコンピュータプログラム製品。
[C48]
前記第2の干渉基準は、受信されたパイロット信号の電力値と閾値との比較に基づく、
[C45]に記載のコンピュータプログラム製品。