以下、ネットワークシステム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、公衆網と自営網が連携したネットワークシステムについて説明する。
また、本実施の形態において、公衆網と自営網が連携するためのリソースの管理は、公衆網内の装置で行われる。また、通信料の課金は、公衆網内の装置で行われる。また、本実施の形態において、リソースを管理する装置が2種類の網の通信関連情報を取得し、当該通信関連情報を用いて、2種類の網の通信制御を行う。ここで、通信制御は、ネットワークの形状(直接型、ツリー型など)の変更、チャネルの割り当ての変更、送信電力制御、負荷分散制御、スケジューリング制御などである。
図1は、本実施の形態におけるネットワークシステム1の概念図である。ネットワークシステム1は、公衆網通信システム11、自営網通信システム12、バックボーンネットワーク13を具備する。公衆網通信システム11は、公衆網リソース管理装置111、1以上の公衆網無線基地局112、課金管理装置113、1以上の第一通信端末114を具備する。なお、図1において、課金管理装置113と公衆網リソース管理装置111は、一つの装置である。また、自営網通信システム12は、自営網リソース管理装置121、1以上の自営網無線基地局122、1以上の第二通信端末123を具備する。図1において、第一通信端末114または第二通信端末123のいずれかが、公衆網と自営網の両方を切り替えながら、または併用して利用し得ることを示している。
公衆網通信システム11は、バックボーンネットワーク13に接続された公衆網内のシステムである。自営網通信システム12は、バックボーンネットワーク13に接続された自営網内のシステムである。ここで、公衆網は、例えば、公衆WLAN、3Gシステム、Broadband Wireless Accessなどで構成される。また、公衆網は、例えば、通信事業者が設置したBase Station/Access Pointで構成され、License bandを使用する網である。また、公衆網は、計画的網である。計画的網とは、設置場所が計画的であり、かつ時間的に場所は変動しない網である。なお、Base Station/Access Pointは、殆ど変動しない。また、公衆網とバックボーンネットワークの間の回線は専用線を用いるため、公衆網・バックボーンネットワーク間の遅延量は殆ど無視できる。さらに、通常、公衆網の外部から、公衆網内の情報(無線回線の状況・トラヒック量など)を得ることは不可能である。公衆網内の情報は、通信事業者の占有情報だからである。
また、自営網とは、例えば、自営WLANで構成される。自営網は、FONも含む。自営網は、個人・会社が任意に設置したAccess Pointで構成され、Unlicense bandを使用する網である。自営網は、非計画的網である。非計画的網とは、設置場所が非計画的であり、かつ時間的に場所が動的に変動する網である。また、自営網は、Access Pointの数も変動する網である。自営網とバックボーンネットワークの間の回線が光だけでなくADSLなどの回線も使用するため、公衆網・バックボーンネットワーク間の遅延量と比較して、自営網・バックボーンネットワーク間の遅延量は大きくかつ多様である。自営網の外部から、自営網内の情報(無線回線の状況・トラヒック量など)を得ることは可能である。
本実施の形態におけるネットワークシステム1は、以下のようなサービスが可能なネットワークシステムである。つまり、ネットワークシステム1は、公衆網サービスエリア内に在圏する公衆網端末が、公衆網サービスエリア外に移動した場合に、自営網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム1は、公衆網サービスエリア内に在圏する公衆網端末が、輻輳や干渉により十分な通信サービス提供を受けられない場合に、自営網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム1は、自営網サービスエリア内に在圏する自営網端末が、自営網サービスエリア外に移動した場合に、公衆網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム1は、自営網サービスエリア内に在圏する自営網端末が、輻輳や干渉により十分な通信サービス提供を受けられない場合に、公衆網サービスエリアを活用するシステムである。
図2は、本実施の形態におけるネットワークシステム1を構成する公衆網通信システム11のブロック図である。
公衆網リソース管理装置111は、公衆網通信端末検知部1111、公衆網通信端末識別子送信部1112、公衆網通信端末受信部1113、公衆網指示部1114、公衆網通信関連情報取得部1115、自営網通信関連情報受信部1116、公衆網通信制御部1117を具備する。
課金管理装置113は、公衆網課金元情報取得部1131、自営網課金元情報取得部1132、通信料金算出部1133、通信料金出力部1134を具備する。
図3は、本実施の形態におけるネットワークシステム1を構成する自営網通信システム12のブロック図である。
自営網リソース管理装置121は、自営網通信端末検知部1211、自営網通信端末識別子送信部1212、自営網通信端末受信部1213、自営網指示部1214、自営網通信関連情報取得部1215、自営網通信関連情報変更指示受信部1216、自営網通信制御部1217を具備する。
公衆網リソース管理装置111は、公衆網内の通信に関する情報である公衆網通信関連情報を管理する。公衆網通信関連情報とは、例えば、公衆網内の無線環境情報や、公衆網内の負荷情報や、公衆網内のアプリケーション(通常、通信端末で動作しているアプリケーション)が要求する通信品質等である。無線環境情報とは、信号強度、再送率、送信レート等を監視して得られた情報(信号強度、再送率、送信レートそのものでも良い)である。負荷情報とは、ネットワークの負荷に関する情報であり、キューに保持された保持パケット数を検出することにより取得され得る情報等である。なお、アプリケーションとは、例えば、電話機能を有するアプリケーション、テレビ会議システム、データ通信機能を有するシステム、メールシステムなど、データ通信を伴うソフトウェア等である。
公衆網通信端末検知部1111は、公衆網無線基地局112のエリア内にあった第一通信端末114が、エリア外に移動したことを検知する。第一通信端末114などの移動体通信端末がエリア内からエリア外に移動したことを検知する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。また、エリア外に移動した通信端末の識別子を取得する技術も公知技術であるので、詳細な説明を省略する。公衆網通信端末検知部1111は、通常、MPUやメモリ、および通信手段等から実現され得る。公衆網通信端末検知部1111の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
公衆網通信端末識別子送信部1112は、公衆網通信端末検知部1111が、公衆網無線基地局112のエリア外に移動した第一通信端末114を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、自営網リソース管理装置121に送信する。通信端末識別子は、IPアドレス、電話番号、MACアドレス等、端末を識別できる情報であれば良い。公衆網通信端末識別子送信部1112は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網通信端末受信部1113は、自営網リソース管理装置121から、自営網無線基地局122のエリア内からエリア外に移動した第二通信端末123を識別する通信端末識別子を受信する。公衆網通信端末受信部1113は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網指示部1114は、公衆網通信端末受信部1113が受信した通信端末識別子で識別される第二通信端末123と通信を行う指示を、1以上の公衆網無線基地局112に送信する。なお、通常、指示には、通信端末識別子が含まれる。公衆網指示部1114は、特定の一の公衆網無線基地局112に通信を行う指示を送信しても良い。また、かかる指示により、公衆網無線基地局112は、第二通信端末123と通信を行い得る。公衆網指示部1114は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆網内の通信に関する情報である公衆網通信関連情報を取得する。なお、公衆網通信関連情報は、1以上の公衆網無線基地局112から収集される情報等であり、公衆網通信関連情報取得部1115が、少なくとも一時的に格納している情報である。公衆網通信関連情報を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。公衆網通信関連情報取得部1115は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網通信関連情報受信部1116は、自営網リソース管理装置121から自営網通信関連情報を受信する。自営網通信関連情報受信部1116は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報受信部1116が受信した自営網通信関連情報を用いて、公衆網内の通信を制御する。また、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報受信部1116が受信した自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報の変更の指示である自営網通信関連情報変更指示を、自営網リソース管理装置121に送信する。なお、公衆網内の通信の制御とは、以下のような制御である。第一に、制御とは、公衆網無線基地局112配下の1以上の通信端末との間の通信網の形状の変更である。通信網の形状とは、例えば、直接型、ツリー型などである。第二に、制御とは、公衆網無線基地局112配下の1以上の通信端末との間の通信チャネルの割り当てを変更することである。第三に、制御とは、公衆網無線基地局112の送信電力を変更することである。第四に、制御とは、公衆網無線基地局の負荷分散制御である。負荷分散制御とは、例えば、配下の通信端末を変更する処理である。負荷分散制御とは、例えば、異種の無線メディアへトラフィックを迂回させて、負荷を平準化する、などの処理である。第五に、制御とは、公衆網無線基地局112が当該公衆網無線基地局112配下の1以上の第一通信端末114に送信するパケットの送信スケジュールの制御である。送信スケジュールの制御とは、例えば、リアルタイム性が要求される場合とリアルタイム性が要求されない場合に分けて、リアルタイム性が要求される場合は、受信側でデータが途切れないようにパケットを連続的に送信し、リアルタイム性が要求されない場合は、非連続的にパケットを送信するような、送信スケジュールの制御を行うことである。なお、第一から第五の制御の実施については、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
また、自営網通信関連情報変更指示とは、自営網内におけるネットワークの形状(直接型、ツリー型など)の変更、自営網内におけるチャネルの割り当ての変更、自営網内における送信電力制御、自営網内における負荷分散制御、自営網内におけるスケジューリング制御など(上記の第一から第五の制御)を、自営網リソース管理装置121に行わせるための指示である。公衆網通信制御部1117は、通常、MPUやメモリ、および通信手段等から実現され得る。公衆網通信制御部1117の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
公衆網無線基地局112は、1以上の第一通信端末114と無線通信を行う。また、公衆網無線基地局112は、公衆網指示部1114の指示に従って、1以上の第二通信端末123と通信を行う。公衆網無線基地局112は、通常、MPUやメモリ、および通信手段等から実現され得る。公衆網無線基地局112の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
公衆網課金元情報取得部1131は、公衆網通信関連情報に含まれる課金の元になる情報である公衆網課金元情報を、第一通信端末114ごとに取得する。公衆網課金元情報取得部1131は、通常、第一通信端末114を識別する通信端末識別子と公衆網課金元情報とを、対にして取得する。公衆網課金元情報とは、例えば、パケット数、通信時間などである。公衆網課金元情報取得部1131は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。公衆網課金元情報取得部1131の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
自営網課金元情報取得部1132は、自営網通信関連情報に含まれる課金の元になる情報である自営網課金元情報を、第二通信端末123ごとに取得する。自営網課金元情報取得部1132は、通常、自営網リソース管理装置121から受信された自営網通信関連情報から、自営網課金元情報を取得する。自営網課金元情報とは、例えば、パケット数、通信時間などである。自営網課金元情報取得部1132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。自営網課金元情報取得部1132の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
通信料金算出部1133は、公衆網課金元情報および自営網課金元情報を用いて、端末ごとに、公衆網および自営網ごとに(公衆網と自営網とに分けて)、通信料金を算出する。通信料金の算出方法は問わない。例えば、通信料金算出部1133は、パケット数または通信時間などをパラメータとする増加関数により、通信料金を算出する。通信料金算出部1133は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。通信料金算出部1133の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
通信料金出力部1134は、通信料金算出部1133が算出した通信料金を出力する。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。通信料金出力部1134は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。通信料金出力部1134は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
第一通信端末114は、1以上のいずれかの公衆網無線基地局112を経由して、他の通信端末と無線通信を行う。第一通信端末114は、公衆網内の通信端末であるが、移動により、公衆網無線基地局112のエリア内からエリア外に移動することもあり得る。第一通信端末114は、通信端末識別子で識別される。なお、第一通信端末114は、通常、移動体通信機であるが、固定の通信機でも良い。
自営網リソース管理装置121は、自営網内の通信に関する情報である自営網通信関連情報を管理する。ここで、自営網通信関連情報とは、例えば、自営網内の無線環境情報や、自営網内の負荷情報や、アプリケーションが要求する通信品質等である。
自営網通信端末検知部1211は、自営網無線基地局122のエリア内にあった第二通信端末123が、エリア外に移動したことを検知する。自営網通信端末検知部1211は、通常、MPUやメモリ、および通信手段等から実現され得る。自営網通信端末検知部1211の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
自営網通信端末識別子送信部1212は、自営網通信端末検知部1211が、自営網無線基地局112のエリア外に移動した第二通信端末123を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、公衆網リソース管理装置111に送信する。自営網通信端末識別子送信部1212は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網通信端末受信部1213は、公衆網リソース管理装置111から、公衆網無線基地局112のエリア内からエリア外に移動した第一通信端末114を識別する通信端末識別子を受信する。自営網通信端末受信部1213は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網指示部1214は、公衆網通信端末受信部1113が受信した通信端末識別子で識別される第一通信端末114と通信を行う指示を、1以上の自営網無線基地局122に送信する。自営網指示部1214は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網通信関連情報取得部1215は、自営網内の通信に関する情報である自営網通信関連情報を取得する。自営網通信関連情報を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。自営網通信関連情報取得部1215は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網通信関連情報変更指示受信部1216は、公衆網リソース管理装置111から、自営網通信関連情報変更指示を受信する。自営網通信関連情報変更指示受信部1216は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網通信制御部1217は、自営網通信関連情報変更指示に応じて、自営網内の通信を制御する。ここでの通信制御は、公衆網通信制御部1117が行う制御と同様、上述した第一(通信網の形状の変更)から第五(送信スケジュールの制御)の通信制御である。なお、自営網通信制御部1217の制御対象は、自営網内の通信であることは言うまでもない。自営網通信制御部1217は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。自営網通信制御部1217の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
自営網無線基地局122は、1以上の第二通信端末123と通信を行う。また、自営網無線基地局122は、自営網指示部1214の指示に従って、1以上の第一通信端末114と通信を行う。自営網無線基地局122は、通常、MPUやメモリ、および通信手段等から実現され得る。自営網無線基地局122の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
第二通信端末123は、1以上のいずれかの自営網無線基地局122を経由して、他の通信端末と無線通信を行う。第二通信端末123は、自営網内の通信端末であるが、移動により、自営網無線基地局122のエリア内からエリア外に移動することもあり得る。第二通信端末123は、通信端末識別子で識別される。なお、第二通信端末123は、通常、移動体通信機であるが、固定の通信機でも良い。
次に、ネットワークシステム1の動作について説明する。まず、公衆網リソース管理装置111の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)公衆網通信端末検知部1111は、公衆網のエリア外に移動した第一通信端末114が存在するか否かを判断する。エリア外に移動した第一通信端末114が存在すればステップS402に行き、エリア外に移動した第一通信端末114が存在しなければステップS404に行く。
(ステップS402)公衆網通信端末識別子送信部1112は、公衆網のエリア外に移動した1以上の第一通信端末114を識別する1以上の通信端末識別子を取得する。
(ステップS403)公衆網通信端末識別子送信部1112は、ステップS402で取得した1以上の通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、自営網リソース管理装置121に送信する。ステップS401に戻る。
(ステップS404)公衆網通信端末受信部1113は、自営網リソース管理装置121から、自営網無線基地局122のエリア内からエリア外に移動した1以上の第二通信端末123を識別する1以上の通信端末識別子を受信したか否かを判断する。1以上の通信端末識別子を受信すればステップS405に行き、1以上の通信端末識別子を受信しなければステップS406に行く。
(ステップS405)公衆網指示部1114は、ステップS404で受信された1以上の通信端末識別子で識別される1以上の第二通信端末123と通信を行う指示を、1以上の公衆網無線基地局112に送信する。ステップS401に戻る。
(ステップS406)自営網通信関連情報受信部1116は、自営網リソース管理装置121から自営網通信関連情報を受信したか否かを判断する。自営網通信関連情報を受信すればステップS407に行き、自営網通信関連情報を受信しなければステップS410に行く。
(ステップS407)公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆網内の通信に関する情報である公衆網通信関連情報を取得する。
(ステップS408)公衆網通信制御部1117は、ステップS406で受信された自営網通信関連情報を用いて、ステップS407で取得した公衆網通信関連情報を変更する。そして、公衆網通信制御部1117は、変更した公衆網通信関連情報を、予め決められた公衆網通信関連情報の記憶領域に書き込む(公衆網通信関連情報を更新する)。なお、かかることは、公衆網通信制御部1117は、ステップS406で受信された自営網通信関連情報と、ステップS407で取得した公衆網通信関連情報とを用いて、新しい公衆網通信関連情報を決定し、当該新しい公衆網通信関連情報を、予め決められた公衆網通信関連情報の記憶領域に書き込むことでも良い。
(ステップS409)公衆網通信制御部1117は、更新した公衆網通信関連情報に従って、公衆網内の通信を制御する。公衆網内の通信制御とは、例えば、上述した第一から第五の通信制御である。ステップS401に戻る。
(ステップS410)公衆網通信制御部1117は、ステップS406で受信された自営網通信関連情報およびステップS407で取得した公衆網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報変更指示を構成する。
(ステップS411)公衆網通信制御部1117は、ステップS410で構成した自営網通信関連情報変更指示を、自営網リソース管理装置121に送信する。
(ステップS412)公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆網内の通信に関する情報である公衆網通信関連情報を取得する。
(ステップS413)公衆網通信制御部1117は、ステップS410で取得した公衆網通信関連情報に従って、公衆網内の通信を制御する。ステップS401に戻る。
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、課金管理装置113の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)課金管理装置113は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS502)課金管理装置113は、i番目の通信端末識別子が存在するか否かを判断する。i番目の通信端末識別子が存在すればステップS503に行き、i番目の通信端末識別子が存在しなければ処理を終了する。なお、課金管理装置113は、公衆網リソース管理装置111および自営網リソース管理装置121から、それぞれ、公衆網および自営網を用いて通信を行った通信端末の通信端末識別子を受信する、とする。また、公衆網リソース管理装置111および自営網リソース管理装置121は、それぞれ、配下の1以上の無線基地局(112,122)から、通信を行った通信端末の通信端末識別子を受信して、蓄積している、とする。
(ステップS503)公衆網課金元情報取得部1131は、i番目の通信端末識別子に対応する公衆網通信関連情報に含まれる課金の元になる情報である公衆網課金元情報を、公衆網リソース管理装置111から取得する。
(ステップS504)通信料金算出部1133は、ステップS503で取得された公衆網課金元情報を用いて、i番目の通信端末識別子に対応する公衆網通信料金を算出する。公衆網通信料金とは、公衆網を利用したことにより発生する通信料金である。
(ステップS505)通信料金算出部1133は、ステップS504で算出した公衆網通信料金を、i番目の通信端末識別子に対応付けて蓄積する。なお、ここで、公衆網通信料金を蓄積せずに、ディスプレイに表示等しても良い。
(ステップS506)自営網課金元情報取得部1132は、i番目の通信端末識別子に対応する自営網通信関連情報に含まれる課金の元になる情報である自営網課金元情報を、公衆網リソース管理装置111から取得する。
(ステップS507)通信料金算出部1133は、ステップS506で取得された自営網課金元情報を用いて、i番目の通信端末識別子に対応する自営網通信料金を算出する。自営網通信料金とは、自営網を利用したことにより発生する通信料金である。
(ステップS508)通信料金算出部1133は、ステップS507で算出した自営網通信料金を、i番目の通信端末識別子に対応付けて蓄積する。なお、ここで、自営網通信料金を蓄積せずに、ディスプレイに表示等しても良い。
(ステップS509)課金管理装置113は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
次に、自営網リソース管理装置121の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)自営網通信端末検知部1211は、自営網のエリア外に移動した第二通信端末123が存在するか否かを判断する。エリア外に移動した第二通信端末123が存在すればステップS602に行き、エリア外に移動した第二通信端末123が存在しなければステップS604に行く。
(ステップS602)自営網通信端末識別子送信部1212は、自営網のエリア外に移動した1以上の第二通信端末123を識別する1以上の通信端末識別子を取得する。
(ステップS603)自営網通信端末識別子送信部1212は、ステップS602で取得した通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、公衆網リソース管理装置111に送信する。ステップS601に戻る。
(ステップS604)自営網通信端末受信部1213は、公衆網リソース管理装置111から、公衆網無線基地局112のエリア内からエリア外に移動した第一通信端末114を識別する通信端末識別子を受信したか否かを判断する。1以上の通信端末識別子を受信すればステップS605に行き、1以上の通信端末識別子を受信しなければステップS606に行く。
(ステップS605)自営網指示部1214は、ステップS604で受信された通信端末識別子で識別される第一通信端末114と通信を行う指示を、1以上の自営網無線基地局122に送信する。ステップS601に戻る。
(ステップS606)自営網通信関連情報変更指示受信部1216は、公衆網リソース管理装置111から、自営網通信関連情報変更指示を受信したか否かを判断する。自営網通信関連情報変更指示を受信すればステップS607に行き、自営網通信関連情報変更指示を受信しなければステップS610に行く。
(ステップS607)自営網通信関連情報取得部1215は、自営網内の通信に関する情報である自営網通信関連情報を取得する。
(ステップS608)自営網通信制御部1217は、ステップS606で受信された自営網通信関連情報変更指示に従って、ステップS607で取得した自営網通信関連情報を変更する。そして、自営網通信制御部1217は、変更した自営網通信関連情報を、予め決められた自営網通信関連情報の記憶領域に書き込む(自営網通信関連情報を更新する)。
(ステップS609)自営網通信制御部1217は、更新した自営網通信関連情報に従って、自営網内の通信を制御する。自営網内の通信制御とは、例えば、上述した第一から第五の通信制御である。ステップS601に戻る。
(ステップS610)自営網通信関連情報取得部1215は、自営網内の通信に関する情報である自営網通信関連情報を取得する。
(ステップS611)自営網通信制御部1217は、ステップS610で取得した自営網通信関連情報に従って、自営網内の通信を制御する。ステップS601に戻る。
なお、図6のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
また、図6のフローチャートにおいて、通常、自営網リソース管理装置121は、ステップS607で取得された自営網通信関連情報を、公衆網リソース管理装置111に送信する。かかる送信処理を行うのは、例えば、自営網通信制御部1217や、図示しない自営網通信関連情報送信部である。
以下、本実施の形態におけるネットワークシステム1の具体的な動作について説明する。
(具体例1)
以下、第一の制御である通信網の形状の変更の例について説明する。公衆網リソース管理装置111は、以下のように、通信網の形状の変更を行う。ここでの通信網の形状の変更の例は、公衆網のカバレッジ外にいる孤立した通信端末である孤立端末に対して、中継端末(自営網無線基地局122に接続されている第二通信端末123)を利用したマルチホップ経路を構築することにより、孤立端末の公衆網へのアクセスを可能とし、スループット向上を実現する例である。
なお、第一通信端末114、および第二通信端末123は、公衆網の利用状況により、以下の3つに分類される。
(1)ISTA:孤立端末(Isolated STA)であり、直接接続可能なAP(基地局,アクセスポイント)が存在せず、中継経路を通じてのみ公衆網(例えば、WiFi)サービスが利用可能な端末。
(2)RSTA:中継端末(Relay STA)であり、公衆網(例えば、WiFi)のI/Fを複数持ち、その内いくつかのI/FでInfraモードでAPと接続し、いくつかのI/Fで中継局としてAdHocモードで孤立端末に中継経路を提供する端末。
(3)DSTA:通常端末(Default STA)であり公衆網(例えば、WiFi)のI/Fで複数のAPと直接リンクを結び,かつ,中継を行っていない端末。
まず、孤立端末は、近隣の第二通信端末123と自営網無線基地局122とが送受信するデータを監視することにより、近隣の第二通信端末123を探索する。孤立端末は、例えば、自身の周辺に位置する端末の存在を,周辺端末の公衆網のI/Fが送信するパケットをプロミスキャスモードで受信することにより検出する。なお、この際、孤立端末は、周辺に複数の端末が存在する場合,それらの中から最もよい通信品質を達成できる端末の識別子を取得することが好適である。
次に、孤立端末は、発見した近隣の第二通信端末123の情報(通常、この端末を識別する第二通信端末識別子を有する情報)を、公衆網経由で、公衆網リソース管理装置111に送信する。なお、孤立端末は,中継経路接続要求を送信する際、自身が検出した周辺の端末のリスト(各端末アドレスと,RSSIなどの通信品質情報を含む)を付与して送信することは好適である。
次に、公衆網リソース管理装置111の公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆網通信関連情報の一例である、第二通信端末識別子(例えば、アドレス)を有する第二通信端末123の情報(例えば、上記の端末のリスト)を受信する。そして、公衆網通信関連情報取得部1115は、通信品質情報(例えば、RSSIなど)と、各端末の負荷に関する情報などを取得する。
また、自営網通信関連情報受信部1116は、自営網に繋がっている端末の情報(例えば、端末識別子)を、自営網リソース管理装置121から受信する。この端末の情報は、自営網リソース管理装置121の自営網通信関連情報取得部1215が取得し、自営網通信制御部1217または図示しない自営網通信関連情報送信部が公衆網リソース管理装置111に送信した情報である。
次に、公衆網通信制御部1117は、自営網通信関連情報受信部1116が受信した端末の情報と、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した第二通信端末123の情報とから、孤立端末を検出する。
次に、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が受信した通信品質情報(RSSI等)と、公衆網リソース管理装置111が把握している各端末の負荷に関する情報(例えば、トラフィックレートや伝送レートなど)などをも用いて、よい通信品質を提供できる端末の識別子(通常、アドレス)を、リストから1以上(通常、複数)選択する。具体的には、例えば、公衆網通信制御部1117は、トラフィックレートや現在のトラフィック量を含むある時間(一定時間でも良い)のトラフィック量をパラメータとして、リスト上の端末をスコア化し、スコアが最も良い(よい通信品質を提供できる)端末を選択する。なお、スコアは、トラフィックレートをパラメータとする増加関数であり、トラフィック量をパラメータとする減少関数である。
そして、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した情報を用いて、自営網通信関連情報の変更の指示である自営網通信関連情報変更指示を、自営網リソース管理装置121に送信する。ここでの自営網通信関連情報の変更の指示は、発見された近隣の第二通信端末123に、孤立端末の中継端末となる旨を示す指示である。具体的には、例えば、公衆網通信制御部1117は、それらの端末に対し中継I/Fの開放要求(どのI/Fを開放するかの情報を含む)を送信するように、自営網リソース管理装置121に指示する。
次に、自営網リソース管理装置121の自営網通信関連情報変更指示受信部1216は、発見された1以上の近隣の第二通信端末123に、中継端末となる旨を示す指示を受信する。この指示は、第二通信端末識別子を有する。
次に、自営網通信制御部1217は、第二通信端末識別子で識別される第二通信端末123に、孤立端末の中継装置になるように指示する。
次に、第二通信端末123は、指示を受け付け、接続先を、自営網の自営網無線基地局122から孤立端末に切り替え、自営網無線基地局122と孤立端末のデータを中継する。具体的には、指示を受け付けた第二通信端末123は、自営網リソース管理装置121に、中継I/F開放応答を送信した後,APに接続中のI/Fを切断して中継用にアドホックモードで開放する。そして、自営網リソース管理装置121は、全ての周辺端末から中継I/F開放応答を受信後、孤立端末に対して中継経路接続応答を送信する。なお、自営網リソース管理装置121の指示により中継I/Fを開放した中継装置は、一定時間待っても孤立端末が接続してこない場合、開放したI/Fをインフラモードに戻し、APに再接続する。
以上により、通信網の形状の変更の例であるマルチホップ経路の構築ができた。なお、本実施の形態において、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報のみ、または自営網通信関連情報受信部1116が受信した自営網通信関連情報のみを用いて、公衆網内の通信を制御しても良い。本具体例においては、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報受信部1116が受信した自営網通信関連情報とを用いて、マルチホップ経路が構築された。
また、上記の具体例は、通信網の形状の変更の一例であることは言うまでもない。
(具体例2)
次に、第二の制御である通信チャネルの割り当ての変更の例について説明する。本例では、自営網リソース管理装置121は、トポロジ(自営網無線基地局122間、自営網無線基地局122−第二通信端末123間の隣接関係)の変動を監視し、一定以上の変動を検知した場合に、チャネル割り当ておよび変更動作を実施する。最適チャネル割り当てパターンを求めるための評価関数は、例えば、チャネルを変更する自営網無線基地局122あるいは接続する第二通信端末123の数を最小化するための評価関数である。なお、この評価関数は、例えば、自営網リソース管理装置121が保持している。
自営網リソース管理装置121の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網無線基地局122から近隣APリスト(自営網通信関連情報の一種)を受信する。また、自営網通信関連情報取得部1215は、第二通信端末123から接続可能APリスト(自営網通信関連情報の一種)を受信する。近隣APリストとは、当該自営網無線基地局122の近隣に存在する自営網無線基地局122の情報(基地局の識別子を含む)のリストである。基地局の識別子とは、例えば、基地局のアドレスである。また、接続可能APリスとは、第二通信端末123が接続可能な自営網無線基地局122の情報(基地局の識別子を含む)のリストである。自営網通信関連情報取得部1215は、上記の情報を、例えば、定期的に受信する。
次に、チャネル割当制御処理について説明する。自営網リソース管理装置121の自営網通信制御部1217は、図19に示すフローチャートに従って、チャネル割当制御処理を行う。
(ステップS1901)自営網通信制御部1217は、CAドメイン更新を行う。CAドメインとは、制御対象とするAP(自営網無線基地局122)をグループ化したAP群である。つまり、自営網通信制御部1217は、複数の制御対象APに対して割り当てるべき最適なチャネル割り当てパターンを求める場合に、計算機資源を考慮して、制御対象とするAPをグループ化する。具体的には、自営網通信制御部1217は、チャネル割り当ての指標として用いる基本グラフのAP間のEdge重み(後述する)がしきい値より大きいAP同士をグループ化し、グループ間のEdge重みが別のしきい値より小さい部分で分割する。このグループ化、あるいは分割の条件に該当する場合、自営網通信制御部1217は、CAドメインの更新を行う。なお、タイミング等を考慮して、自営網通信制御部1217は、グループ化、あるいは分割の条件に該当する場合でも、CAドメインの更新を行なわない場合があり得る。また、CAドメインは、チャネル割り当ての実施に先立ってその構成が更新される。
(ステップS1902)自営網通信制御部1217は、グラフ変動監視を行う。グラフ変動監視は、通常、チャネル割り当ての後に行われる。自営網通信制御部1217は、チャネル割り当ての後、CAドメイン内のトポロジの変動を基本グラフの変動として監視する。変動量が決められた条件でしきい値を超えたことを検知することにより、チャネルの再割り当てが必要と判断し(ステップS1903)、チャネル割り当てを実施する(ステップS1904)。自営網通信制御部1217は、グラフ変動監視を行う際に、チャネル割り当て時に生成した基準グラフを、比較のベースとする。ドメインの更新があった場合には、基準グラフを生成しなおす。自営網通信制御部1217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した情報から、その時点での最新の基本グラフを生成する。そして、自営網通信制御部1217は、基準グラフとの比較を行い、以下の変動検知条件(数式1)を、設定した連続変動検知回数満たす場合に、次のチャネル割り当てを起動する(ステップS1904)。
なお、数式1において、ΔWは、Edgeの重み変動量である。また、基準グラフにないEdgeが生成された場合には基準グラフの該当Edge重みを0、基準グラフにあるEdgeが消滅した場合には最新のグラフの該当Edge重みを0として変動量を計算する。また、数式1において、αは、Edgeあたりの重み変動しきい値である。また、βは、グラフ全体の重み変動しきい値である。さらに、f(a)は、局所変動を反映するためのスケーリング関数である。
以下、ステップS1904のチャネル割当の処理について、詳細に説明する。このAPへのチャネル割り当ての方法は、重み付きグラフによる色分け問題を応用した方法である。自営網通信制御部1217は、隣接しお互いに干渉を及ぼしあう距離に複数のAPがある場合に、APを頂点(Vertex)、AP間の干渉関係を枝(Edge)としたグラフを構成する。それぞれのAP(Vertex)にチャネル(色)を割り当てる場合に、限られたチャネル数で及ぼしあう干渉量を最小化するように、自営網通信制御部1217は、APに対して色分けを行う。図20は、Edgeの重みを同一チャネルのAP間のカバレッジが重複するエリアにいるSTA(端末)の数とした場合の、グラフ生成と最適チャネル割り当ての例である。
自営網通信制御部1217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した情報を用いて、それぞれのVertex間のEdge重みを計算することにより、最適解探索のための基本データとなる「基本グラフ」を生成する。基本グラフは、全てのVertexが同じチャネルであると想定した場合の干渉グラフである。なお、「グラフ変動監視」においては、ここで生成した基本グラフを、グラフ変動検知の比較ベースとなる「基準グラフ」として扱う。また、「グラフ変動監視」において情報取得間隔の都度更新する最新のグラフも基本グラフである。
また、自営網通信制御部1217は、Edge重み(W)を、例えば、以下の数式2により、算出する。Edge重みは、AP(Vertex)間の干渉の度合いを表す。
なお、数式2において、Noverlapは、カバレッジの重複エリアのSTA数であり、Nallは、2つのカバレッジの全STA数である。
また、自営網通信制御部1217は、以下のように基本グラフを生成する。つまり、自営網通信制御部1217は、全てのVertexが同一チャネルと想定した場合に、それぞれのVertex間のEdge重みを計算し、「基本グラフ」として保持しておく。
自営網通信制御部1217は、Edgeの両端の少なくとも一方のVertexがCAドメイン内のチャネル変更可能APである場合、もう一方のVertexも(それがCAドメイン外の隣接APや、サービス対象外のAPであっても)基本グラフに含める。
また、以下のいずれかの条件を満たす場合には、自営網通信制御部1217は、基本グラフ生成において2つのVertex間にEdgeを生成しない。第一の条件は、「カバレッジの重複エリアにSTAが存在しない」こと、第二の条件は「Edge重みが0」であること、第三の条件は「両端のVertexがチャネル固定(チャネル変更不可・CAドメイン外・サービス対象外)」である。
図21の(a)の環境において、上記の数式2を用いた場合、自営網通信制御部1217は、図21の(b)に示すように、AP1−AP2、AP2−AP3、AP1−AP4、AP2−AP4が接続された基本グラフを生成する。
そして、次に、自営網通信制御部1217は、以下のように、最適解探索を行う。つまり、自営網通信制御部1217は、チャネル変更可能Vertexに、さまざまなパターンでチャネルを割り当てた場合に、生成した干渉グラフでの評価関数が最適になるようなチャネル割り当てパターン(最適解)を探索する。
ここで、自営網通信制御部1217は、以下のように干渉グラフを生成する。つまり、自営網通信制御部1217は、解探索の過程で生成したチャネルパターンをチャネル変更可能Vertexに適用した場合に、基本グラフから同一チャネルVertex間のEdge成分のみを取り出したものを干渉グラフとする。なお、(1)「CAドメイン外の隣接Vertex」、および(2)「CAドメイン内のサービス対象外の(チャネル変更不能な)Vertex」の2つのVertexはチャネル割り当て不可能であり、チャネルパターン生成時には使用中のチャネルを固定する。また、2つのVertexは、最適解探索の際のチャネル割り当てパターンの対象外であるが、干渉源として作用する(干渉グラフのVertexとして構成する)。
また、自営網通信制御部1217は、以下のような評価関数を保持している。この評価関数は、あるチャネル割り当てパターンに対して、それが最適解であるかどうかを評価するための関数である。また、評価関数は、(1)「干渉グラフ全体でのEdgeの重みの最大値が最小(サービス範囲を最大化)」、(2)「干渉グラフ全体のEdge重みの総和が最小(ネットワーク全体のパフォーマンスを向上)」、(3)「チャネルを変更するAPあるいはSTA数が最小(チャネル切り替えに伴う影響を抑制)」の3つの目標に到達するような関数である。なお、自営網通信制御部1217は、上記(1)から(3)を、最適化の目的に応じて使い分けてもよいし、優先度に応じて順番に適用し、複数の解の絞込みを行ってもよい。
次に、自営網通信制御部1217は、以下のように探索を行う。つまり、自営網通信制御部1217は、評価関数が最適になるようなチャネル割り当てパターンを探索する。探索手法には、対象とする規模(AP台数、割り当て可能チャネル数)・適用可能な計算機資源・評価関数(目的)の精度により、一般的な近似解法やヒューリスティックアルゴリズムを用いる。
次に、以下のようにチャネル変更が行われる。つまり、自営網通信制御部1217は、確定したチャネル割り当てパターンを、配下のAPおよびSTAに適用する。そして、自営網通信制御部1217は、以下の手順で、CAドメイン内のAPとその配下のSTAへのチャネル変更を実施する。
第一に、自営網通信制御部1217は、対象APへチャネル変更メッセージ送信し、変更後のチャネルを通知する。このとき、チャネル変更メッセージの到達遅延や、切り替えの処理遅延時間を考慮し、メッセージ送信順序や遅延を制御することにより、CAドメイン内のチャネル切り替えが一斉に行われるようにしてもよい。
第二に、対象APから接続STAへチャネル変更メッセージ送信し、変更するチャネル番号と通信中断予定時間を通知する。
第三に、対象AP、STAにおいてチャネル変更が行われる。そして、対象APは、STAへのチャネル変更メッセージ送信後、即時チャネルを切り替える。また、対象APは、チャネル切り替え後、通信中断予定時間の間ビーコン送信を停止する。そして、STAは、リンク切断を検知した場合、APからのチャネル変更メッセージ到達後から通信中断予定時間+ビーコン送信間隔の期間内は、指定された切り替え後のチャネルでAPをサーチする。そして、STAは切り替え後のチャネルでAPが見つかった場合は再度アソシエーション、見つからなかった場合は通常のチャネルサーチから開始する。
なお、上記の具体例は、通信チャネルの割り当ての変更の一例であることは言うまでもない。つまり、通信チャネルの割り当ての変更には、上記の特許文献5、非特許文献1から3等の技術を用いても良い。
また、上記の具体例において、自営網通信制御部1217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した自営網通信関連情報のみを用いて、自営網内の通信を制御した。しかし、自営網通信制御部1217は、自営網通信関連情報変更指示受信部1216が受信した自営網通信関連情報変更指示に従って、通信チャネルの割り当ての変更等の自営網内の通信を制御しても良い。なお、自営網通信関連情報変更指示は、公衆網リソース管理装置111が、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、構成された指示である。つまり、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、通信チャネルの割り当ての変更等の自営網内の通信が制御されても良い。
(具体例3)
次に、第三の制御である送信電力の変更の例について説明する。なお、送信電力の変更は、データ通信速度を維持しながら、効率的にエリアをカバーするために行われる。
自営網リソース管理装置121の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網通信関連情報の一種である受信信号強度を1以上の各自営網無線基地局122から受信する。この際、自営網通信関連情報取得部1215は、各自営網無線基地局122から、隣接する自営網無線基地局122を識別する情報と受信信号強度を受信する。また、自営網通信関連情報取得部1215は、各自営網無線基地局122から、接続端末を識別する情報と受信信号強度を受信しても良い。
そして、自営網通信制御部1217は、隣接する自営網無線基地局122の間の送信電力差が小さくなるように、各自営網無線基地局122の送信電力を決定し、各自営網無線基地局122に、当該送信電力の情報を通知する。そして、自営網無線基地局122は、送信電力の情報を受信し、当該送信電力の情報に従って、自身の送信電力を調整する。また、端末装置(第二通信端末123)の移動により、端末装置からの受信信号強度が低下する場合、各自営網無線基地局122は、送信電力を増加する。
なお、上記の具体例は、送信電力の変更の一例であることは言うまでもない。つまり、送信電力の変更には、特許文献5に記載の技術、非特許文献4から6に記載の技術等を用いても良い。
また、上記の具体例において、自営網通信関連情報取得部1215が取得した自営網通信関連情報のみを用いて、送信電力の変更等の自営網内の通信を制御した。しかし、自営網通信制御部1217は、自営網通信関連情報変更指示に応じて、送信電力の変更を行っても良い。なお、自営網通信関連情報変更指示は、公衆網リソース管理装置111が、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、構成された指示である。つまり、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、送信電力の変更等の自営網内の通信が制御されても良い。
(具体例4)
次に、第四の例である負荷分散制御の例について説明する。例えば、公衆網リソース管理装置111は、1以上の公衆網(例えば、公衆LAN、3G、BWA)のそれぞれの伝送速度を計測すると共に、自営網LANの伝送速度の情報を自営網(自営網通信システム12)から受信し、両者の伝送速度の割合を算出し、当該割合を用いて、トラフィックを分配する負荷分散制御を行う。
さらに具体的には、公衆網リソース管理装置111の公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆LAN、3G、BWAなどの公衆網の伝送速度(公衆網通信関連情報の一種)を取得する。なお、公衆網通信関連情報取得部1115は、例えば、1以上の各公衆網無線基地局112から、公衆網の伝送速度を受信する。
また、自営網リソース管理装置121の自営網通信関連情報取得部1215は、1以上の各自営網無線基地局122から、自営網の伝送速度を受信する。そして、自営網リソース管理装置121は、1以上の自営網の伝送速度を公衆網リソース管理装置111に送信する。
そして、公衆網リソース管理装置111の自営網通信関連情報受信部1116は、自営網の伝送速度(自営網通信関連情報の一種)を受信する。そして、公衆網通信制御部1117は、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するようにトラフィックを分配する。なお、好ましくは、公衆網通信制御部1117は、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するように、フロー単位でトラフィックを分配する。なお、フロー単位でトラフィックを分配するため、パケットの到着順の入れ替わりが無くなる(図22参照)。また、フローとは、エンドエンドの端末間で、各アプリケーションにより設定されるTCPコネクション上を流れるパケットの集合である。
なお、上記の具体例は、負荷分散制御の一例であることは言うまでもない。つまり、負荷分散制御には、非特許文献7から9に記載の技術等を用いても良い。
(具体例5)
次に、第五の例であるパケットの送信スケジュールの制御の例について説明する。パケットの送信スケジュールの制御は、アプリケーションが要求する通信品質に基づいた制御である。つまり、公衆網リソース管理装置111の公衆網通信関連情報取得部1115は、パケットのデータタイプ(例えば、音声データ(電話音声のデータ)またはテキストデータ(Webデータ)など)を取得する。そして、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得したデータタイプから、優先度を決定し、当該優先度が高いデータタイプ(例えば、音声データ)のパケットは、連続して送信し、優先度が低いデータタイプ(例えば、テキストデータ)のパケットは、分離して、または優先度が高いデータタイプのパケットの送信の隙間を利用して、送信する。なお、公衆網通信制御部1117は、パケットのデータタイプと優先度とを対応付けた情報を保持している。
なお、上記の具体例は、送信スケジュールの制御の一例であることは言うまでもない。つまり、送信スケジュールの制御には、非特許文献10から12に記載の技術等を用いても良い。
また、上記の具体例において、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報(パケットのデータタイプ)のみを用いて、送信スケジュールを制御した。しかし、公衆網通信制御部1117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報受信部1116が受信した自営網通信関連情報とを用いて、送信スケジュールの制御をしても良いことは言うまでもない。
以上、本実施の形態によれば、公衆網と自営網とが連携できる。さらに具体的には、本実施の形態によれば、公衆網と自営網とを連携して、周波数利用効率の向上、または通信品質の向上をすることができる。
なお、本実施の形態によれば、課金管理装置113は必須ではない。課金管理装置が必須ではないことは、他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態において説明したネットワークシステム1は、公衆網と自営網が連携したネットワークシステム1であり、一方のサービスエリア外に出た場合に、他方のサービスエリアを自動的に利用するシステムであった。しかし、ネットワークシステム1がかかるサービスを行わなくても良い。かかる場合、公衆網リソース管理装置および自営網リソース管理装置のそれぞれが、2種類の網の通信関連情報(信号強度、再送率、送信レート等である無線環境情報、またはキューなどの負荷情報、アプリケーションが要求する通信品質等)を取得し、当該通信関連情報を用いて、連携して通信に関する制御(通信制御)を行えば良い。かかることも、他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態において説明した通信制御の例は、第一の通信網の形状の変更、第二の通信チャネルの割り当ての変更、第三の送信電力の変更、第四の負荷分散制御、第五の送信スケジュールの制御であった。しかし、通信制御は、他の通信に関する制御でも良いことは言うまでもない。かかることも、他の実施の形態においても同様である。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における公衆網リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、公衆網無線基地局のエリア内にあった第一通信端末が、エリア外に移動したことを検知する公衆網通信端末検知部と、前記公衆網通信端末検知部が、前記公衆網無線基地局のエリア外に移動した前記第一通信端末を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、自営網リソース管理装置に送信する公衆網通信端末識別子送信部と、前記自営網リソース管理装置から、自営網無線基地局のエリア内からエリア外に移動した第二通信端末を識別する通信端末識別子を受信する公衆網通信端末受信部と、前記公衆網通信端末受信部が受信した通信端末識別子で識別される第二通信端末と通信を行う指示を、前記1以上の公衆網無線基地局に送信する公衆網指示部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、自営網リソース管理装置から自営網通信関連情報を受信する自営網通信関連情報受信部と、前記公衆網通信関連情報取得部が取得した公衆網通信関連情報と前記自営網通信関連情報受信部が受信した自営網通信関連情報を用いて、公衆網内の通信を制御する、および前記公衆網通信関連情報取得部が取得した公衆網通信関連情報と前記自営網通信関連情報受信部が受信した自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報の変更の指示である自営網通信関連情報変更指示を、前記自営網リソース管理装置に送信する公衆網通信制御部として、さらに機能させることは公的である。
また、本実施の形態における自営網リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、自営網無線基地局のエリア内にあった第二通信端末が、エリア外に移動したことを検知する自営網通信端末検知部と、前記自営網通信端末検知部が、前記自営網無線基地局のエリア外に移動した前記第二通信端末を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、公衆網リソース管理装置に送信する自営網通信端末識別子送信部と、前記公衆網リソース管理装置から、公衆網無線基地局のエリア内からエリア外に移動した第一通信端末を識別する通信端末識別子を受信する自営網通信端末受信部と、前記公衆網通信端末受信部が受信した通信端末識別子で識別される第一通信端末と通信を行う指示を、前記1以上の自営網無線基地局に送信する自営網指示部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、公衆網リソース管理装置から、自営網通信関連情報変更指示を受信する自営網通信関連情報変更指示受信部と、前記自営網通信関連情報変更指示に応じて、自営網内の通信を制御する自営網通信制御部として機能させるためのプログラム、である。
また、本実施の形態における課金管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、公衆網通信関連情報に含まれる課金の元になる情報である公衆網課金元情報を、通信端末ごとに取得する公衆網課金元情報取得部と、自営網通信関連情報に含まれる課金の元になる情報である自営網課金元情報を、通信端末ごとに取得する自営網課金元情報取得部と、前記公衆網課金元情報および前記自営網課金元情報を用いて、通信端末ごとに、公衆網および自営網ごとに通信料金を算出する通信料金算出部と、前記通信料金を出力する通信料金出力部として機能させるためのプログラム、である。
(実施の形態2)
本実施の形態におけるネットワークシステムは、実施の形態1のネットワークシステム1と比較して、リソース管理や課金を行う装置が存在するネットワーク(網)が異なる。本実施の形態において、リソース管理や課金は、バックボーンネットワーク内の装置で行われる。また、本実施の形態において、リソースを管理する装置が2種類の網の通信関連情報を取得し、当該通信関連情報を用いて、2種類の網の通信制御を行う。
図7は、本実施の形態におけるネットワークシステム2の概念図である。ネットワークシステム2は、公衆網通信システム21、自営網通信システム22、バックボーンネットワーク23を具備する。また、公衆網通信システム21は、公衆網リソース管理装置211、1以上の公衆網無線基地局112、1以上の第一通信端末114を具備する。また、自営網通信システム22は、自営網リソース管理装置221、1以上の自営網無線基地局122、1以上の第二通信端末123を具備する。さらに、バックボーンネットワーク23は、協調リソース管理装置231、課金管理装置232を具備する。なお、図7において、協調リソース管理装置231と課金管理装置232は、一つの装置でも良い。公衆網通信システム21は、バックボーンネットワーク23に接続された公衆網内のシステムである。自営網通信システム22は、バックボーンネットワーク23に接続された自営網内のシステムである。
本実施の形態におけるネットワークシステム2は、ネットワークシステム1と同様、以下のようなサービスが可能なネットワークシステムである。つまり、ネットワークシステム2は、公衆網サービスエリア内に在圏する公衆網端末が、公衆網サービスエリア外に移動した場合に、自営網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム2は、公衆網サービスエリア内に在圏する公衆網端末が、輻輳や干渉により十分な通信サービス提供を受けられない場合に、自営網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム2は、自営網サービスエリア内に在圏する自営網端末が、自営網サービスエリア外に移動した場合に、公衆網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム2は、自営網サービスエリア内に在圏する自営網端末が、輻輳や干渉により十分な通信サービス提供を受けられない場合に、公衆網サービスエリアを活用するシステムである。
図8は、本実施の形態におけるネットワークシステム2を構成する公衆網通信システム21のブロック図である。
公衆網通信システム21は、公衆網リソース管理装置211、公衆網無線基地局112、第一通信端末114を具備する。公衆網リソース管理装置211は、公衆網通信端末検知部1111、公衆網通信端末識別子送信部1112、公衆網通信端末受信部1113、公衆網指示部1114、公衆網通信関連情報取得部1115、公衆網通信関連情報変更指示受信部2111、公衆網通信制御部2112を具備する。
図9は、本実施の形態におけるネットワークシステム2を構成する自営網通信システム22のブロック図である。自営網通信システム22は、自営網リソース管理装置221、自営網無線基地局122、第二通信端末123を具備する。自営網リソース管理装置221は、自営網通信端末検知部1211、自営網通信端末識別子送信部1212、自営網通信端末受信部1213、自営網指示部1214、自営網通信関連情報取得部1215、自営網通信関連情報変更指示受信部2216、自営網通信制御部1217を具備する。
図10は、本実施の形態におけるネットワークシステム2を構成するバックボーンネットワーク23のブロック図である。バックボーンネットワーク23は、協調リソース管理装置231、課金管理装置232を具備する。協調リソース管理装置231は、自営網通信関連情報受信部1116、公衆網通信関連情報受信部2311、指示構成部2313、指示送信部2314を具備する。課金管理装置232は、公衆網課金元情報取得部2321、自営網課金元情報取得部2322、通信料金算出部1133、通信料金出力部1134を具備する。
公衆網通信関連情報変更指示受信部2111は、協調リソース管理装置231から、公衆網通信関連情報変更指示を受信する。公衆網通信関連情報変更指示とは、公衆網通信関連情報の変更の指示である。公衆網通信関連情報変更指示受信部2111は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網通信制御部2112は、公衆網通信関連情報を用いて、公衆網内の通信を制御する。また、公衆網通信制御部2112は、公衆網通信関連情報変更指示受信部2111が受信した公衆網通信関連情報変更指示に応じて、公衆網内の通信を制御する。通信制御の例は、上述した第一から第五の制御である。公衆網通信制御部2112は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。公衆網通信制御部2112の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、協調リソース管理装置231から、自営網通信関連情報変更指示を受信する。自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網通信関連情報受信部2311は、公衆網リソース管理装置211から公衆網通信関連情報を受信する。公衆網通信関連情報受信部2311は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
指示構成部2313は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報を用いて、公衆網通信関連情報の変更の指示である公衆網通信関連情報変更指示を構成する。また、指示構成部2313は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報の変更の指示である自営網通信関連情報変更指示を構成する。ここで、公衆網通信関連情報変更指示とは、公衆網無線基地局112が、ネットワークの形状(直接型、ツリー型など)の変更、チャネルの割り当ての変更、送信電力制御、負荷分散制御、スケジューリング制御などを行うための指示である。また、自営網通信関連情報変更指示とは、自営網無線基地局122が、ネットワークの形状(直接型、ツリー型など)の変更、チャネルの割り当ての変更、送信電力制御、負荷分散制御、スケジューリング制御などを行うための指示である。指示構成部2313は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。指示構成部2313の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
指示送信部2314は、指示構成部2313が構成した公衆網通信関連情報変更指示を公衆網リソース管理装置211に送信する。また、指示送信部2314は、指示構成部2313が構成した自営網通信関連情報変更指示を自営網リソース管理装置221に送信する。指示送信部2314は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
次に、ネットワークシステム2の動作について説明する。まず、公衆網リソース管理装置211の動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。図11のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
(ステップS1101)公衆網通信関連情報変更指示受信部2111は、協調リソース管理装置231から、公衆網通信関連情報変更指示を受信したか否かを判断する。公衆網通信関連情報変更指示を受信すればステップS407に行き、公衆網通信関連情報変更指示を受信しなければステップS410に行く。
(ステップS1102)公衆網通信制御部2112は、ステップS1101で受信した公衆網通信関連情報変更指示に従って、ステップS407で取得した公衆網通信関連情報を変更する。
なお、図11のフローチャートにおいて、ステップS1101で受信した公衆網通信関連情報変更指示をそのまま反映させた公衆網通信関連情報を蓄積しても良い。
また、図11のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
また、図11のフローチャートにおいて、通常、公衆網リソース管理装置211は、ステップS407で取得された公衆網通信関連情報を、協調リソース管理装置231に送信する。かかる送信処理を行うのは、例えば、公衆網通信制御部2112や、図示しない自公衆網通信関連情報送信部である。
次に、自営網リソース管理装置221の動作について説明する。自営網リソース管理装置221の動作は、図6のフローチャートを用いて説明した自営網リソース管理装置121の動作と概ね同一である。自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報変更指示受信部2216が、公衆網リソース管理装置ではなく、協調リソース管理装置231から自営網通信関連情報変更指示を受信する点のみが、自営網リソース管理装置121の動作と異なる。また、通常、自営網リソース管理装置221は、取得した自営網通信関連情報を、協調リソース管理装置231に送信する。かかる送信処理を行うのは、例えば、自営網通信制御部1217や、図示しない自営網通信関連情報送信部である。
次に、協調リソース管理装置231の動作について、図12のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1201)公衆網通信関連情報受信部2311は、公衆網リソース管理装置211から公衆網通信関連情報を受信したか否かを判断する。公衆網通信関連情報を受信すればステップS1202に行き、公衆網通信関連情報を受信しなければステップS1203に行く。
(ステップS1202)指示構成部2313は、ステップS1201で受信された公衆網通信関連情報を、少なくとも記憶媒体に一時格納する。ステップS1201に戻る。
(ステップS1203)自営網通信関連情報受信部1116は、自営網リソース管理装置221から自営網通信関連情報を受信したか否かを判断する。自営網通信関連情報を受信すればステップS1204に行き、自営網通信関連情報を受信しなければステップS1205に行く。
(ステップS1204)指示構成部2313は、ステップS1201で受信された自営網通信関連情報を、少なくとも記憶媒体に一時格納する。ステップS1201に戻る。
(ステップS1205)指示構成部2313は、公衆網通信関連情報および自営網通信関連情報が、記憶媒体に存在するか否かを判断する。両情報が存在すればステップS1206に行き、存在しなければステップS1201に戻る。
(ステップS1206)指示構成部2313は、公衆網通信関連情報および自営網通信関連情報を用いて、公衆網通信関連情報変更指示および自営網通信関連情報変更指示を構成する。この公衆網通信関連情報変更指示と自営網通信関連情報変更指示は、公衆網と自営網の通信制御を行うための指示である。かかる通信制御の例は、上述した制御である。
(ステップS1207)指示送信部2314は、ステップS1206で構成された公衆網通信関連情報変更指示を公衆網リソース管理装置211に送信する。また、指示送信部2314は、ステップS1206で構成された自営網通信関連情報変更指示を自営網リソース管理装置221に送信する。ステップS1201に戻る。
なお、図12のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、課金管理装置232の動作は、課金管理装置113の動作と同様である。ただし、公衆網課金元情報取得部2321は協調リソース管理装置231から公衆網課金元情報を取得する点が、課金管理装置113とは異なる。また、自営網課金元情報取得部2322は協調リソース管理装置231から自営網課金元情報を取得する点が、課金管理装置113とは異なる。
以下、本実施の形態におけるネットワークシステム2の具体的な動作について説明する。
(具体例1)
以下、第一の制御である通信網の形状の変更の例について説明する。協調リソース管理装置231は、以下のように、通信網の形状の変更を行う。ここでの通信網の形状の変更の例は、公衆網のカバレッジ外にいる孤立した通信端末である孤立端末に対して、中継端末(自営網無線基地局122に接続されている第二通信端末123)を利用したマルチホップ経路を構築することにより、孤立端末の公衆網へのアクセスを可能とし、スループット向上を実現する例である。
まず、孤立端末は、近隣の第二通信端末123と自営網無線基地局122とが送受信するデータを監視することにより、近隣の第二通信端末123を探索する。孤立端末は、例えば、自身の周辺に位置する端末の存在を,周辺端末の公衆網のI/Fが送信するパケットをプロミスキャスモードで受信することにより検出する。なお、この際、孤立端末は、周辺に複数の端末が存在する場合,それらの中から最もよい通信品質を達成できる端末の識別子を取得することが好適である。
次に、孤立端末は、発見した近隣の第二通信端末123の情報(通常、この端末を識別する第二通信端末識別子を有する情報)を、公衆網経由で、協調リソース管理装置231に送信する。なお、孤立端末は,中継経路接続要求を送信する際、自身が検出した周辺の端末のリスト(各端末アドレスと、RSSIなどの通信品質情報を含む)を付与して送信することは好適である。
次に、公衆網リソース管理装置111の公衆網通信関連情報取得部1115は、通信品質情報と、各端末の負荷に関する情報などを取得する。そして、公衆網リソース管理装置111は、かかる通信品質情報と、各端末の負荷に関する情報などを、協調リソース管理装置231に送信する。
次に、協調リソース管理装置231の公衆網通信関連情報受信部2311は、発見した近隣の第二通信端末123の情報(通常、この端末を識別する第二通信端末識別子を有する情報)を受信する。また、公衆網通信関連情報受信部2311は、通信品質情報と、各端末の負荷に関する情報などを受信する。
次に、協調リソース管理装置231の自営網通信関連情報受信部1116は、自営網に繋がっている端末の情報(例えば、端末識別子)を、自営網リソース管理装置221から受信する。この端末の情報は、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報取得部1215が取得し、自営網通信制御部1217または図示しない自営網通信関連情報送信部が協調リソース管理装置231に送信した情報である。
次に、公衆網通信制御部1117は、自営網通信関連情報受信部1116が受信した端末の情報と、公衆網通信関連情報受信部2311が受信した第二通信端末123の情報とから、孤立端末を検出する。
次に、協調リソース管理装置231の指示構成部2313は、公衆網通信関連情報受信部2311が受信した通信品質情報(RSSI等)と、各端末の負荷に関する情報(例えば、トラフィックレートや伝送レートなど)などをも用いて、よい通信品質を提供できそうな端末の識別子(通常、アドレス)を、リストから1以上(通常、複数)選択する。そして、指示構成部2313は、選択した端末の識別子(通常、アドレス)の情報から、自営網通信関連情報変更指示を構成する。この自営網通信関連情報変更指示は、発見された近隣の第二通信端末123に、中継端末となる旨を示す指示である。
次に、指示送信部2314は、指示構成部2313が構成した自営網通信関連情報変更指示を自営網リソース管理装置221に送信する。
次に、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、発見された1以上の近隣の第二通信端末123に、孤立端末の中継端末となる旨を示す指示を受信する。この指示は、第二通信端末識別子を有する。
次に、自営網通信制御部1217は、第二通信端末識別子で識別される第二通信端末123に、孤立端末の中継装置になるように指示する。
次に、第二通信端末123は、指示を受け付け、接続先を、自営網の自営網無線基地局122から孤立端末に切り替え、自営網無線基地局122と孤立端末のデータを中継する。具体的には、指示を受け付けた第二通信端末123は、自営網リソース管理装置221に、中継I/F開放応答を送信した後,APに接続中のI/Fを切断して中継用にアドホックモードで開放する。そして、自営網リソース管理装置221は、全ての周辺端末から中継I/F開放応答を受信後、孤立端末に対して中継経路接続応答を送信する。なお、自営網リソース管理装置221の指示により中継I/Fを開放した中継装置は、一定時間待っても孤立端末が接続してこない場合、開放したI/Fをインフラモードに戻し、APに再接続する。
以上により、通信網の形状の変更の例であるマルチホップ経路の構築ができた。なお、本実施の形態において、指示構成部2313は、公衆網通信関連情報のみ、または自営網通信関連情報のみを用いて、公衆網通信関連情報変更指示や自営網通信関連情報変更指示を構成しても良い。本具体例において、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、自営網通信関連情報変更指示が送信された。
(具体例2)
次に、第二の制御である通信チャネルの割り当ての変更の例について説明する。本例では、協調リソース管理装置231は、トポロジ(自営網無線基地局122間、自営網無線基地局122−第二通信端末123間の隣接関係)の変動を監視し、一定以上の変動を検知した場合に、チャネル割り当ておよび変更動作を実施する。最適チャネル割り当てパターンを求めるための評価関数は、例えば、チャネルを変更する自営網無線基地局122あるいは接続する第二通信端末123の数を最小化するための評価関数である。なお、この評価関数は、例えば、協調リソース管理装置231が保持している。
自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網無線基地局122から近隣APリスト(自営網通信関連情報の一種)を受信する。また、自営網通信関連情報取得部1215は、第二通信端末123から接続可能APリスト(自営網通信関連情報の一種)を受信する。自営網通信関連情報取得部1215は、上記の情報を、例えば、定期的に受信する。
次に、チャネル割当制御処理について説明する。協調リソース管理装置231は、図19に示すフローチャートに従って、チャネル割当制御処理を行う。
(ステップS1901)指示構成部2313は、CAドメイン更新を行う指示を構成する。そして、指示送信部2314は当該指示を自営網リソース管理装置221に送信する。次に、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、当該指示を受信する。次に、自営網通信制御部1217は、CAドメイン更新を行う。CAドメイン更新の処理は、実施の形態1で説明した処理と同様である。
(ステップS1902)協調リソース管理装置231の指示構成部2313は、グラフ変動監視を行う。グラフ変動監視は、通常、チャネル割り当ての後に行われる。指示構成部2313は、チャネル割り当ての後、CAドメイン内のトポロジの変動を基本グラフの変動として監視する。指示構成部2313は、変動量が決められた条件でしきい値を超えたことを検知することにより、チャネルの再割り当てが必要と判断する(ステップS1903)。
そして、指示構成部2313は、チャネル割り当ての情報を含む指示(自営網通信関連情報変更指示)を構成する。次に、指示送信部2314は、かかる自営網通信関連情報変更指示を、自営網リソース管理装置221に送信する。そして、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、自営網通信関連情報変更指示を受信する。次に、自営網通信制御部1217は、チャネル割り当てを実施する(ステップS1904)。なお、協調リソース管理装置231は、グラフ変動監視を行う際に、チャネル割り当ての指示を構成する時に生成した基準グラフを、比較のベースとする。ドメインの更新があった場合には、基準グラフを生成しなおす。協調リソース管理装置231は、自営網通信関連情報取得部1215が取得し、自営網リソース管理装置221から送信された情報から、その時点での最新の基本グラフを生成する。そして、指示構成部2313は、基準グラフとの比較を行い、上述した変動検知条件(数式1)を、設定した連続変動検知回数満たす場合に、次のチャネル割り当てを起動するステップS1904)。
なお、チャネル割当の処理について、詳細は、実施の形態1で説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。ただし、チャネル割当の処理を行う主体(装置や構成要素)は、実施の形態1とは異なる。
なお、上記の具体例は、通信チャネルの割り当ての変更の一例であることは言うまでもない。つまり、通信チャネルの割り当ての変更には、上記の特許文献5、非特許文献1から3等の技術を用いても良い。
また、上記の具体例において、指示構成部2313は、自営網通信関連情報のみを用いて、自営網内の通信を制御した(自営網通信関連情報変更指示を構成した)。しかし、指示構成部2313は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報変更指示を構成しても良い。
(具体例3)
次に、第三の制御である送信電力の変更の例について説明する。なお、送信電力の変更は、データ通信速度を維持しながら、効率的にエリアをカバーするために行われる。
自営網リソース管理装置121の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網通信関連情報の一種である受信信号強度を1以上の各自営網無線基地局122から受信する。この際、自営網通信関連情報取得部1215は、各自営網無線基地局122から、隣接する自営網無線基地局122を識別する情報と受信信号強度を受信する。また、自営網通信関連情報取得部1215は、各自営網無線基地局122から、接続端末を識別する情報と受信信号強度を受信しても良い。
自営網リソース管理装置221は、隣接する自営網無線基地局122を識別する情報と受信信号強度、接続端末を識別する情報と受信信号強度を、協調リソース管理装置231に送信する。
次に、協調リソース管理装置231の自営網通信関連情報受信部1116は、隣接する自営網無線基地局122を識別する情報と受信信号強度、接続端末を識別する情報と受信信号強度を受信する。
そして、指示構成部2313は、隣接する自営網無線基地局122の間の送信電力差が小さくなるように、各自営網無線基地局122の送信電力を決定し、当該送信電力の情報を含む指示を構成する。この指示は、決定した送信電力になるように送信電力を変更する指示である。
次に、指示送信部2314は、かかる指示を自営網リソース管理装置221に送信する。そして、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、かかる指示を受信する。
そして、自営網リソース管理装置221の自営網通信制御部1217は、各自営網無線基地局122に、当該送信電力の情報を通知する。そして、自営網無線基地局122は、送信電力の情報を受信し、当該送信電力の情報に従って、自身の送信電力を調整する。また、端末装置(第二通信端末123)の移動により、端末装置からの受信信号強度が低下する場合、各自営網無線基地局122は、送信電力を増加する。
なお、上記の具体例は、送信電力の変更の一例であることは言うまでもない。つまり、送信電力の変更には、特許文献5に記載の技術、非特許文献4から6に記載の技術等を用いても良い。
また、上記の具体例において、自営網通信関連情報のみを用いて、自営網通信関連情報変更指示を構成した。しかし、指示構成部2313は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報変更指示を構成しても良い。つまり、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、送信電力の変更等の自営網内の通信が制御されても良い。
(具体例4)
次に、第四の例である負荷分散制御の例について説明する。例えば、バックボーンネットワーク内の協調リソース管理装置231は、公衆LAN、3G、BWAのそれぞれの伝送速度を公衆網(公衆網通信システム21)から受信し、自営網LANの伝送速度の情報を自営網(自営網通信システム12)から受信し、両者の伝送速度の割合を算出し、当該割合を用いて、トラヒックを分配する負荷分散制御を行う。
さらに具体的には、公衆網リソース管理装置211の公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆LAN、3G、BWAなどの公衆網の伝送速度(公衆網通信関連情報の一種)を取得する。なお、公衆網通信関連情報取得部1115は、例えば、1以上の各公衆網無線基地局112から、公衆網の伝送速度を受信する。
そして、公衆網リソース管理装置211は、1以上の公衆網の伝送速度を協調リソース管理装置231に送信する。
また、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報取得部1215は、1以上の各自営網無線基地局122から、自営網の伝送速度を受信する。そして、自営網リソース管理装置121は、1以上の自営網の伝送速度を公衆網リソース管理装置111に送信する。
そして、自営網リソース管理装置221は、1以上の自営網の伝送速度を協調リソース管理装置231に送信する。
次に、協調リソース管理装置231の自営網通信関連情報受信部1116は、1以上の自営網の伝送速度(自営網通信関連情報)を受信する。また、公衆網通信関連情報受信部2311は、1以上の公衆網の伝送速度(公衆網通信関連情報)を受信する。
次に、指示構成部2313は、自営網通信関連情報と公衆網通信関連情報とを用いて、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するようにトラフィックを分配する指示を構成する。また、指示構成部2313は、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するように、フロー単位でトラフィックを分配する指示を構成する。かかる指示は、1以上の公衆網ごと、1以上の自営網ごとに構成される。
次に、指示送信部2314は、指示構成部2313が構成した公衆網通信関連情報変更指示(1以上の公衆網のトラフィックの分配方法を示す指示)を公衆網リソース管理装置211に送信する。また、指示送信部2314は、指示構成部2313が構成した自営網通信関連情報変更指示(1以上の自営網のトラフィックの分配方法を示す指示)を自営網リソース管理装置221に送信する。
次に、公衆網リソース管理装置211の公衆網通信関連情報変更指示受信部2111は、公衆網通信関連情報変更指示を受信する。そして、公衆網通信制御部2112は、かかる指示に従って、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するように、フロー単位でトラフィックを分配する。
また、自営網リソース管理装置221の自営網通信関連情報変更指示受信部2216は、自営網通信関連情報変更指示を受信部22する。そして、自営網通信制御部1217は、かかる指示に従って、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するように、フロー単位でトラフィックを分配する。
なお、上記の具体例は、負荷分散制御の一例であることは言うまでもない。つまり、負荷分散制御には、非特許文献7から9に記載の技術等を用いても良い。
(具体例5)
次に、第五の例であるパケットの送信スケジュールの制御の例について説明する。パケットの送信スケジュールの制御は、アプリケーションが要求する通信品質に基づいた制御である。つまり、協調リソース管理装置231の公衆網通信関連情報受信部2311は、パケットのデータタイプ(例えば、音声データ(電話音声のデータ)またはテキストデータ(Webデータ)など)を取得する。指示構成部2313は、取得されたデータタイプから、優先度を決定し、当該優先度が高いデータタイプ(例えば、音声データ)のパケットは、連続して送信し、優先度が低いデータタイプ(例えば、テキストデータ)のパケットは、分離して、または優先度が高いデータタイプのパケットの送信の隙間を利用して、送信するように指示を構成する。
次に、指示送信部2314は、かかる指示を、公衆網リソース管理装置211に送信する。そして、公衆網リソース管理装置211の公衆網通信関連情報変更指示受信部2111は、指示を受信する。
そして、公衆網通信制御部1117は、指示に従って、優先度が高いデータタイプ(例えば、音声データ)のパケットは、連続して送信し、優先度が低いデータタイプ(例えば、テキストデータ)のパケットは、分離して、または優先度が高いデータタイプのパケットの送信の隙間を利用して、送信する。なお、指示構成部2313は、パケットのデータタイプと優先度とを対応付けた情報を保持している。
なお、上記の具体例は、送信スケジュールの制御の一例であることは言うまでもない。つまり、送信スケジュールの制御には、非特許文献10から12に記載の技術等を用いても良い。
また、上記の具体例において、公衆網通信関連情報(パケットのデータタイプ)のみを用いて、公衆網内の通信を制御する指示を構成した。しかし、指示構成部2313は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、公衆網通信関連情報の変更の指示である公衆網通信関連情報変更指示を構成しても良い。つまり、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、送信スケジュールを制御されても良い。
以上、本実施の形態によれば、公衆網と自営網とが連携できる。さらに具体的には、本実施の形態によれば、公衆網と自営網とを連携して、周波数利用効率の向上、または通信品質の向上をすることができる。
なお、本実施の形態における公衆網リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、公衆網無線基地局のエリア内にあった第一通信端末が、エリア外に移動したことを検知する公衆網通信端末検知部と、前記公衆網通信端末検知部が、前記公衆網無線基地局のエリア外に移動した前記第一通信端末を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、自営網リソース管理装置に送信する公衆網通信端末識別子送信部と、前記自営網リソース管理装置から、自営網無線基地局のエリア内からエリア外に移動した第二通信端末を識別する通信端末識別子を受信する公衆網通信端末受信部と、前記公衆網通信端末受信部が受信した通信端末識別子で識別される第二通信端末と通信を行う指示を、前記1以上の公衆網無線基地局に送信する公衆網指示部と、協調リソース管理装置から、公衆網通信関連情報変更指示を受信する公衆網通信関連情報変更指示受信部と、前記公衆網通信関連情報変更指示に応じて、公衆網内の通信を制御する公衆網通信制御部として機能させるためのプログラム、である。
また、本実施の形態における自営網リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、自営網無線基地局のエリア内にあった第二通信端末が、エリア外に移動したことを検知する自営網通信端末検知部と、前記自営網通信端末検知部が、前記自営網無線基地局のエリア外に移動した前記第二通信端末を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、公衆網リソース管理装置に送信する自営網通信端末識別子送信部と、前記公衆網リソース管理装置から、公衆網無線基地局のエリア内からエリア外に移動した第一通信端末を識別する通信端末識別子を受信する自営網通信端末受信部と、前記公衆網通信端末受信部が受信した通信端末識別子で識別される第一通信端末と通信を行う指示を、前記1以上の自営網無線基地局に送信する自営網指示部と、協調リソース管理装置から、自営網通信関連情報変更指示を受信する自営網通信関連情報変更指示受信部と、前記自営網通信関連情報変更指示に応じて、自営網内の通信を制御する自営網通信制御部として機能させるためのプログラム、である。
また、本実施の形態における協調リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、自営網リソース管理装置から自営網通信関連情報を受信する自営網通信関連情報受信部と、公衆網リソース管理装置から公衆網通信関連情報を受信する公衆網通信関連情報受信部と、前記公衆網通信関連情報と前記自営網通信関連情報を用いて、公衆網通信関連情報の変更の指示である公衆網通信関連情報変更指示を構成する、および前記公衆網通信関連情報と前記自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報の変更の指示である自営網通信関連情報変更指示を構成する指示構成部と、前記指示構成部が構成した公衆網通信関連情報変更指示を前記公衆網リソース管理装置に送信する、および前記指示構成部が構成した自営網通信関連情報変更指示を前記自営網リソース管理装置に送信する指示送信部として機能させるためのプログラム、である。
(実施の形態3)
本実施の形態におけるネットワークシステムは、実施の形態1、2のネットワークシステム1、2と比較して、リソース管理や課金を行う装置が存在するネットワーク(網)が異なる。本実施の形態において、リソース管理や課金は、自営網内の装置で行われる。また、本実施の形態において、リソースを管理する装置が2種類の網の通信関連情報を取得し、当該通信関連情報を用いて、2種類の網の通信制御を行う。
図13は、本実施の形態におけるネットワークシステム2の概念図である。ネットワークシステム3は、公衆網通信システム31、自営網通信システム32を具備する。公衆網通信システム31は、バックボーンネットワークに接続された公衆網内のシステムである。自営網通信システム32は、バックボーンネットワークに接続された自営網内のシステムである。
公衆網通信システム31は、公衆網リソース管理装置311、公衆網無線基地局112、第一通信端末114を具備する。
自営網通信システム32は、自営網リソース管理装置321、自営網無線基地局122、第二通信端末123、課金管理装置323を具備する。
本実施の形態におけるネットワークシステム3は、ネットワークシステム1、2と同様、以下のようなサービスが可能なネットワークシステムである。つまり、ネットワークシステム3は、公衆網サービスエリア内に在圏する公衆網端末が、公衆網サービスエリア外に移動した場合に、自営網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム3は、公衆網サービスエリア内に在圏する公衆網端末が、輻輳や干渉により十分な通信サービス提供を受けられない場合に、自営網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム3は、自営網サービスエリア内に在圏する自営網端末が、自営網サービスエリア外に移動した場合に、公衆網サービスエリアを活用するシステムである。また、ネットワークシステム3は、自営網サービスエリア内に在圏する自営網端末が、輻輳や干渉により十分な通信サービス提供を受けられない場合に、公衆網サービスエリアを活用するシステムである。
図14は、本実施の形態におけるネットワークシステム3を構成する公衆網通信システム31のブロック図である。公衆網通信システム31は、公衆網リソース管理装置311、公衆網無線基地局112、第一通信端末114を具備する。
公衆網リソース管理装置311は、公衆網通信端末検知部1111、公衆網通信端末識別子送信部1112、公衆網通信端末受信部1113、公衆網指示部1114、公衆網通信関連情報取得部1115、公衆網通信関連情報変更指示受信部3116、公衆網通信制御部3117を具備する。
図15は、本実施の形態におけるネットワークシステム3を構成する自営網通信システム32のブロック図である。自営網通信システム32は、自営網リソース管理装置321、課金管理装置323、自営網無線基地局122、第二通信端末123を具備する。
自営網リソース管理装置321は、自営網通信端末検知部1211、自営網通信端末識別子送信部1212、自営網通信端末受信部1213、自営網指示部1214、自営網通信関連情報取得部1215、公衆網通信関連情報受信部3216、自営網通信制御部3217を具備する。
課金管理装置323は、公衆網課金元情報取得部1131、自営網課金元情報取得部1132、通信料金算出部1133、通信料金出力部1134を具備する。
公衆網通信関連情報変更指示受信部3116は、自営網リソース管理装置321から、公衆網通信関連情報変更指示を受信する。公衆網通信関連情報変更指示受信部3116は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
公衆網通信制御部3117は、公衆網通信関連情報変更指示受信部3116が受信した公衆網通信関連情報変更指示に応じて、公衆網内の通信を制御する。また、公衆網通信制御部3117は、公衆網通信関連情報取得部1115が取得した公衆網通信関連情報を用いて、公衆網内の通信を制御する。公衆網通信制御部3117は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。公衆網通信制御部3117の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
公衆網通信関連情報受信部3216は、公衆網リソース管理装置311から公衆網通信関連情報を受信する。公衆網通信関連情報受信部3216は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した自営網通信関連情報と公衆網通信関連情報受信部3216が受信した公衆網通信関連情報を用いて、自営網内の通信を制御する。また、自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した自営網通信関連情報と公衆網通信関連情報受信部3216が受信した公衆網通信関連情報を用いて、公衆網通信関連情報の変更の指示である公衆網通信関連情報変更指示を構成し、当該公衆網通信関連情報変更指示を公衆網リソース管理装置311に送信する。ここで、公衆網通信関連情報変更指示とは、ネットワークの形状(直接型、ツリー型など)の変更、チャネルの割り当ての変更、送信電力制御、負荷分散制御、スケジューリング制御などを行うための指示である。自営網通信制御部3217は、通常、MPUやメモリ、および通信手段等から実現され得る。自営網通信制御部3217の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
次に、ネットワークシステム3の動作について説明する。まず、公衆網リソース管理装置311の動作について説明する。公衆網リソース管理装置311の動作は、公衆網リソース管理装置211の動作と同様であるので、詳細な説明を省略する。
次に、自営網リソース管理装置321の動作について、図16のフローチャートを用いて説明する。図16のフローチャートにおいて、図6のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
(ステップS1601)公衆網通信関連情報受信部3216は、公衆網リソース管理装置311から、公衆網通信関連情報を受信したか否かを判断する。公衆網通信関連情報を受信すればステップS1602に行き、公衆網通信関連情報を受信しなければステップS1607に行く。
(ステップS1602)自営網通信関連情報取得部1215は、自営網通信関連情報を取得する。
(ステップS1603)自営網通信制御部3217は、ステップS1601で受信した公衆網通信関連情報と、ステップS1602で取得した自営網通信関連情報を用いて、自営網通信関連情報を変更する。なお、自営網通信制御部3217は、通常、この変更した自営網通信関連情報を、自営網通信関連情報が格納されている記憶媒体に蓄積する(更新する)。
(ステップS1604)自営網通信制御部3217は、更新した自営網通信関連情報に従って、自営網を通信制御する。
(ステップS1605)自営網通信制御部3217は、ステップS1601で受信した公衆網通信関連情報と、ステップS1602で取得した自営網通信関連情報を用いて、公衆網通信関連情報変更指示を構成する。
(ステップS1606)自営網通信制御部3217は、ステップS1605で構成した公衆網通信関連情報変更指示を、公衆網リソース管理装置311に送信する。ステップS601に戻る。
(ステップS1607)自営網通信関連情報取得部1215は、自営網通信関連情報を取得する。
(ステップS1608)自営網通信制御部3217は、ステップS1607で取得した自営網通信関連情報に従って、自営網を通信制御する。ステップS601に戻る。
なお、図16のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、課金管理装置323の動作について説明する。課金管理装置323は、課金管理装置113と同様の動作を行うので、その説明を省略する。
以下、本実施の形態におけるネットワークシステム3の具体的な動作について説明する。
(具体例1)
以下、第一の制御である通信網の形状の変更の例について説明する。自営網リソース管理装置321は、以下のように、通信網の形状の変更を行う。ここでの通信網の形状の変更の例は、公衆網のカバレッジ外にいる孤立した通信端末である孤立端末に対して、中継端末(自営網無線基地局122に接続されている第二通信端末123)を利用したマルチホップ経路を構築することにより、孤立端末の公衆網へのアクセスを可能とし、スループット向上を実現する例である。
まず、孤立端末は、近隣の第二通信端末123と自営網無線基地局122とが送受信するデータを監視することにより、近隣の第二通信端末123を探索する。孤立端末は、例えば、自身の周辺に位置する端末の存在を,周辺端末の公衆網のI/Fが送信するパケットをプロミスキャスモードで受信することにより検出する。なお、この際、孤立端末は、周辺に複数の端末が存在する場合,それらの中から最もよい通信品質を達成できる端末の識別子を取得することが好適である。
次に、孤立端末は、発見した近隣の第二通信端末123の情報(通常、この端末を識別する第二通信端末識別子を有する情報)を、公衆網経由で、公衆網リソース管理装置111に送信する。なお、孤立端末は,中継経路接続要求を送信する際、自身が検出した周辺の端末のリスト(各端末アドレスと,RSSIなどの通信品質情報を含む)を付与して送信することは好適である。
次に、公衆網リソース管理装置311の公衆網通信関連情報取得部1115は、公衆網通信関連情報の一例である、第二通信端末識別子(例えば、アドレス)を有する第二通信端末123の情報(例えば、上記の端末のリスト)を受信する。そして、公衆網通信関連情報取得部1115は、通信品質情報と、各端末の負荷に関する情報などを取得する。
次に、公衆網リソース管理装置311は、公衆網通信関連情報取得部1115が受信した通信品質情報と公衆網リソース管理装置311が把握している各端末の負荷に関する情報(公衆網通信関連情報の一例)を自営網リソース管理装置321に送信する。なお、通信品質情報等を送信するのは、公衆網リソース管理装置311の公衆網通信制御部3117でも良いし、図示しない公衆網通信関連情報送信部などでも良い。
次に、自営網リソース管理装置321の公衆網通信関連情報受信部3216は、通信品質情報と各端末の負荷に関する情報を受信する。
また、自営網リソース管理装置321の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網に繋がっている端末の情報(例えば、端末識別子)を取得する。
次に、自営網通信制御部3217は、公衆網通信関連情報受信部3216が受信した第二通信端末123の情報と、自営網通信関連情報取得部1215が取得した端末の情報とから、孤立端末を検出する。
そして、自営網通信制御部3217は、受信された通信品質情報(RSSI等)と各端末の負荷に関する情報(例えば、トラフィックレートや伝送レートなど)をも用いて、よい通信品質を提供できそうな端末の識別子(通常、アドレス)を、リストから1以上(通常、複数)選択する。そして、自営網通信制御部3217は、選択した1以上の端末の識別子で識別される第二通信端末123に、孤立端末の中継端末となる旨を示す指示を送信する。かかる場合、通常、自営網通信制御部3217は、自営網無線基地局122経由で、中継端末となる旨を示す指示を送信する。
具体的には、例えば、自営網通信制御部3217は、それらの端末に対し中継I/Fの開放要求(どのI/Fを開放するかの情報を含む)を送信するように、自営網無線基地局122に指示する。
次に、自営網無線基地局122は、発見された1以上の近隣の第二通信端末123に、中継端末となる旨を示す指示を受信する。この指示は、第二通信端末識別子を有する。
次に、自営網無線基地局122は、第二通信端末識別子で識別される第二通信端末123に、孤立端末の中継装置になるように指示する。
次に、第二通信端末123は、指示を受け付け、接続先を、自営網の自営網無線基地局122から孤立端末に切り替え、自営網無線基地局122と孤立端末のデータを中継する。具体的には、指示を受け付けた第二通信端末123は、自営網リソース管理装置121に、中継I/F開放応答を送信した後,APに接続中のI/Fを切断して中継用にアドホックモードで開放する。そして、自営網リソース管理装置121は、全ての周辺端末から中継I/F開放応答を受信後、孤立端末に対して中継経路接続応答を送信する。なお、自営網リソース管理装置121の指示により中継I/Fを開放した中継装置は、一定時間待っても孤立端末が接続してこない場合、開放したI/Fをインフラモードに戻し、APに再接続する。
以上により、通信網の形状の変更の例であるマルチホップ経路の構築ができた。なお、本実施の形態において、自営網通信制御部3217は、公衆網通信関連情報のみ、または自営網通信関連情報のみを用いて、自営網内の通信を制御しても良い。本具体例において、は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、マルチホップ経路が構築された。
また、上記の具体例は、通信網の形状の変更の一例であることは言うまでもない。
(具体例2)
次に、第二の制御である通信チャネルの割り当ての変更の例について説明する。本例では、自営網リソース管理装置321は、トポロジ(自営網無線基地局122間、自営網無線基地局122−第二通信端末123間の隣接関係)の変動を監視し、一定以上の変動を検知した場合に、チャネル割り当ておよび変更動作を実施する。最適チャネル割り当てパターンを求めるための評価関数は、例えば、チャネルを変更する自営網無線基地局122あるいは接続する第二通信端末123の数を最小化するための評価関数である。なお、この評価関数は、例えば、自営網リソース管理装置321が保持している。
自営網リソース管理装置321の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網無線基地局122から近隣APリスト(自営網通信関連情報の一種)を受信する。また、自営網通信関連情報取得部1215は、第二通信端末123から接続可能APリスト(自営網通信関連情報の一種)を受信する。自営網通信関連情報取得部1215は、上記の情報を、例えば、定期的に受信する。
次に、チャネル割当制御処理について説明する。自営網リソース管理装置321は、図19に示すフローチャートに従って、チャネル割当制御処理を行う。
(ステップS1901)自営網通信制御部3217は、CAドメイン更新を行う。つまり、自営網通信制御部3217は、複数の制御対象APに対して割り当てるべき最適なチャネル割り当てパターンを求める場合に、計算機資源を考慮して、制御対象とするAPをグループ化する。具体的には、自営網通信制御部3217は、チャネル割り当ての指標として用いる基本グラフのAP間のEdge重み(後述する)がしきい値より大きいAP同士をグループ化し、グループ間のEdge重みが別のしきい値より小さい部分で分割する。このグループ化、あるいは分割の条件に該当する場合、自営網通信制御部3217は、CAドメインの更新を行う。なお、タイミング等を考慮して、自営網通信制御部3217は、グループ化、あるいは分割の条件に該当する場合でも、CAドメインの更新を行なわない場合があり得る。また、CAドメインは、チャネル割り当ての実施に先立ってその構成が更新される。
(ステップS1902)自営網通信制御部3217は、グラフ変動監視を行う。グラフ変動監視は、通常、チャネル割り当ての後に行われる。自営網通信制御部3217は、チャネル割り当ての後、CAドメイン内のトポロジの変動を基本グラフの変動として監視する。変動量が決められた条件でしきい値を超えたことを検知することにより、チャネルの再割り当てが必要と判断し(ステップS1903)、チャネル割り当てを実施する(ステップS1904)。自営網通信制御部3217は、グラフ変動監視を行う際に、チャネル割り当て時に生成した基準グラフを、比較のベースとする。ドメインの更新があった場合には、基準グラフを生成しなおす。自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した情報から、その時点での最新の基本グラフを生成する。そして、自営網通信制御部3217は、基準グラフとの比較を行い、変動検知条件(数式1)を、設定した連続変動検知回数満たす場合に、次のチャネル割り当てを起動するステップ(S1904)。
なお、自営網リソース管理装置321は、グラフ変動監視を行う際に、チャネル割り当てを行う時に生成した基準グラフを、比較のベースとする。ドメインの更新があった場合には、基準グラフを生成しなおす。自営網リソース管理装置321は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した情報から、その時点での最新の基本グラフを生成する。そして、自営網通信制御部3217は、基準グラフとの比較を行い、上述した変動検知条件(数式1)を、設定した連続変動検知回数満たす場合に、次のチャネル割り当てを起動するステップS1904)。
なお、チャネル割当の処理について、詳細は、実施の形態1で説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。ただし、チャネル割当の処理を行う主体(装置や構成要素)は、実施の形態1とは異なる。
なお、上記の具体例は、通信チャネルの割り当ての変更の一例であることは言うまでもない。つまり、通信チャネルの割り当ての変更には、上記の特許文献5、非特許文献1から3等の技術を用いても良い。
また、上記の具体例において、自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報のみを用いて、通信チャネルの割り当ての変更を行った。しかし、自営網通信制御部3217は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、通信チャネルの割り当ての変更を行っても良い。
(具体例3)
次に、第三の制御である送信電力の変更の例について説明する。なお、送信電力の変更は、データ通信速度を維持しながら、効率的にエリアをカバーするために行われる。
自営網リソース管理装置321の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網通信関連情報の一種である受信信号強度を1以上の各自営網無線基地局122から受信する。この際、自営網通信関連情報取得部1215は、各自営網無線基地局122から、隣接する自営網無線基地局122を識別する情報と受信信号強度を受信する。また、自営網通信関連情報取得部1215は、各自営網無線基地局122から、接続端末を識別する情報と受信信号強度を受信しても良い。
そして、自営網通信制御部3217は、隣接する自営網無線基地局122の間の送信電力差が小さくなるように、各自営網無線基地局122の送信電力を決定し、各自営網無線基地局122に、当該送信電力の情報を通知する。そして、自営網無線基地局122は、送信電力の情報を受信し、当該送信電力の情報に従って、自身の送信電力を調整する。また、端末装置(第二通信端末123)の移動により、端末装置からの受信信号強度が低下する場合、各自営網無線基地局122は、送信電力を増加する。
なお、上記の具体例は、送信電力の変更の一例であることは言うまでもない。つまり、送信電力の変更には、特許文献5に記載の技術、非特許文献4から6に記載の技術等を用いても良い。
また、上記の具体例において、自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得した自営網通信関連情報のみを用いて、送信電力の変更を行った。しかし、自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報と公衆網通信関連情報とを用いて、送信電力の変更を行っても良い。
(具体例4)
次に、第四の例である負荷分散制御の例について説明する。例えば、公衆網リソース管理装置311の公衆網通信関連情報取得部1115は、1以上の公衆網(例えば、公衆LAN、3G、BWA)のそれぞれの伝送速度を計測する。そして、公衆網リソース管理装置311は、1以上の公衆網の伝送速度の情報を、自営網リソース管理装置321に送信する。
そして、自営網リソース管理装置321の公衆網通信関連情報受信部3216は、1以上の公衆網の伝送速度の情報を受信する。
また、自営網リソース管理装置321の自営網通信関連情報取得部1215は、自営網の伝送速度を取得する。
次に、自営網通信制御部3217は、1以上の公衆網の伝送速度の情報、自営網の伝送速度の情報から、両者の伝送速度の割合を算出し、当該割合を用いて、トラフィックを分配する負荷分散制御を行う。
さらに具体的には、自営網通信関連情報取得部1215は、1以上の公衆網の伝送速度の情報、自営網の伝送速度の情報を用いて、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するようにトラフィックを分配する。なお、好ましくは、自営網通信関連情報取得部1215は、各アクセスネットワークの平均遅延時間を均等化するように、フロー単位でトラフィックを分配する。
なお、上記の具体例は、負荷分散制御の一例であることは言うまでもない。つまり、負荷分散制御には、非特許文献7から9に記載の技術等を用いても良い。
(具体例5)
次に、第五の例であるパケットの送信スケジュールの制御の例について説明する。パケットの送信スケジュールの制御は、アプリケーションが要求する通信品質に基づいた制御である。つまり、自営網リソース管理装置321の自営網通信関連情報取得部1215は、パケットのデータタイプ(例えば、音声データ(電話音声のデータ)またはテキストデータ(Webデータ)など)を取得する。そして、自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報取得部1215が取得したデータタイプから、優先度を決定し、当該優先度が高いデータタイプ(例えば、音声データ)のパケットは、連続して送信し、優先度が低いデータタイプ(例えば、テキストデータ)のパケットは、分離して、または優先度が高いデータタイプのパケットの送信の隙間を利用して、送信する。なお、自営網通信制御部3217は、パケットのデータタイプと優先度とを対応付けた情報を保持している。
なお、上記の具体例は、送信スケジュールの制御の一例であることは言うまでもない。つまり、送信スケジュールの制御には、非特許文献10から12に記載の技術等を用いても良い。
また、上記の具体例において、自営網通信制御部3217は、自営網通信関連情報(パケットのデータタイプ)のみを用いて、送信スケジュールの制御を行った。しかし、自営網通信制御部3217は、公衆網通信関連情報と自営網通信関連情報とを用いて、送信スケジュールの制御を行っても良い。
以上、本実施の形態によれば、公衆網と自営網とが連携できる。さらに具体的には、本実施の形態によれば、公衆網と自営網とを連携して、周波数利用効率の向上、または通信品質の向上をすることができる。
なお、本実施の形態における公衆網リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、公衆網無線基地局のエリア内にあった第一通信端末が、エリア外に移動したことを検知する公衆網通信端末検知部と、前記公衆網通信端末検知部が、前記公衆網無線基地局のエリア外に移動した前記第一通信端末を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、自営網リソース管理装置に送信する公衆網通信端末識別子送信部と、前記自営網リソース管理装置から、自営網無線基地局のエリア内からエリア外に移動した第二通信端末を識別する通信端末識別子を受信する公衆網通信端末受信部と、前記公衆網通信端末受信部が受信した通信端末識別子で識別される第二通信端末と通信を行う指示を、前記1以上の公衆網無線基地局に送信する公衆網指示部と、自営網リソース管理装置から、公衆網通信関連情報変更指示を受信する公衆網通信関連情報変更指示受信部と、前記公衆網通信関連情報変更指示に応じて、公衆網内の通信を制御する公衆網通信制御部として機能させるためのプログラム、である。
また、本実施の形態における自営網リソース管理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、自営網無線基地局のエリア内にあった第二通信端末が、エリア外に移動したことを検知する自営網通信端末検知部と、前記自営網通信端末検知部が、前記自営網無線基地局のエリア外に移動した前記第二通信端末を識別する通信端末識別子を取得し、当該通信端末識別子をバックボーンネットワーク経由で、公衆網リソース管理装置に送信する自営網通信端末識別子送信部と、前記公衆網リソース管理装置から、公衆網無線基地局のエリア内からエリア外に移動した第一通信端末を識別する通信端末識別子を受信する自営網通信端末受信部と、前記公衆網通信端末受信部が受信した通信端末識別子で識別される第一通信端末と通信を行う指示を、前記1以上の自営網無線基地局に送信する自営網指示部と、公衆網リソース管理装置から公衆網通信関連情報を受信する公衆網通信関連情報受信部と、前記自営網通信関連情報取得部が取得した自営網通信関連情報と前記公衆網通信関連情報受信部が受信した公衆網通信関連情報を用いて、自営網内の通信を制御する、および前記自営網通信関連情報取得部が取得した自営網通信関連情報と前記公衆網通信関連情報受信部が受信した公衆網通信関連情報を用いて、公衆網通信関連情報の変更の指示である公衆網通信関連情報変更指示を、前記公衆網リソース管理装置に送信する自営網通信制御部として機能させるためのプログラム、である。
また、図17は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の公衆網リソース管理装置、自営網リソース管理装置、課金管理装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図17は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図18は、コンピュータシステム340の内部構成を示す図である。
図17において、コンピュータシステム340は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412を含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
図18において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、MPU3413と、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3415と、CPU3413に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の公衆網リソース管理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の公衆網リソース管理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。