JP5866777B2 - 更生タイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、更生タイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、台タイヤと新たに設けられるトレッドゴム層との間に空気が残留することを防止するようにした更生タイヤの製造方法に関する。
使用済みタイヤのトレッドを研削し、新たにトレッドゴム層を貼り付けて再加工を施し更生タイヤとして再使用することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。このような更生タイヤは、例えば以下のような方法により製造される。先ず、更生可能と判断された使用済みタイヤは、トレッドの外表面を削り取るバフ加工が施される。更に、バフ表面に1次走行中に受けた損傷が残っている場合には、損傷個所を部分的に研削し、穴埋めするスカイビングが行われ、台タイヤが形成される。その後、形成された台タイヤに対して未加硫ゴムからなるトレッドゴム層を新たに取り付けて、新品タイヤを製造する際と同様に加硫用金型に入れて加硫成型することで更生タイヤが製造される。
このように更生タイヤにおいて用いられる台タイヤは、1次走行中に受けた損傷等による耐久性低下を防ぐ為にスカイビングが行われるが、研削した箇所をバフ表面に対して均一に穴埋めすることが難しいため台タイヤの表面に凹凸が生じ易く、新たなトレッドゴム層を取り付ける際にこの凹凸部分に空気が残留する可能性があるという問題があった。このように台タイヤと新たに設けられるトレッドゴム層との間に空気が残留すると、台タイヤとトレッドゴム層との接着強度が低下する虞があり、更生タイヤの耐久性の低下を助長させる要因となる。また、上記のように台タイヤとトレッドゴム層との間に空気が残留すると製品の歩留まりを低下させることにもなる。
特開2007−76269号公報
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、台タイヤと新たに設けられるトレッドゴム層との間に空気が残留する可能性を低くするようにした更生タイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の更生タイヤの製造方法は、使用済みタイヤの外周面を研削して得られた台タイヤの外周面に未加硫ゴムからなるゴム部材を巻き付け加硫用金型の中で加硫してトレッドゴム層を成型する更生タイヤの製造方法において、前記台タイヤと前記トレッドゴム層との間に不織布繊維層を設け、加硫後の更生タイヤにおける前記不織布繊維層の厚さを0.05〜0.25mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にすると共に、見掛けの嵩密度を10.0〜30.0g/cm3 の範囲にし、且つ、前記不織布繊維層に使用する不織布の嵩高さを0.5〜6.0mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にし、見かけの嵩密度を0.17〜7.0g/cm3 の範囲にし、ピーク強力を2.0〜10N/5cmの範囲にしたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明の他の更生タイヤの製造方法は、使用済みのタイヤの外周面を研削して得られた台タイヤの外周面に未加硫ゴムからなるストリップ材を複数回巻き付け加硫用金型の中で加硫してトレッドゴム層を成型した更生タイヤの製造方法において、前記ストリップ材を前記台タイヤに巻き付けたときの前記ストリップ材の内面側に不織布繊維層を設け、加硫後の更生タイヤにおける前記不織布繊維層の厚さを0.05〜0.25mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にすると共に、見掛けの嵩密度を10.0〜30.0g/cm3 の範囲にし、且つ、前記不織布繊維層に使用する不織布の嵩高さを0.5〜6.0mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にし、見かけの嵩密度を0.17〜7.0g/cm3 の範囲にし、ピーク強力を2.0〜10N/5cmの範囲にしたことを特徴とする。
本発明では、台タイヤと新たに設けられるトレッドゴム層との間に不織布繊維層を設けているので、台タイヤにトレッドゴム層を取り付ける際に、台タイヤの表面の凹凸部分や段差に滞留した空気が不織布を通じて外に排出されるので空気の残留を防止することが出来る。その結果、更生タイヤにおいて台タイヤとトレッドゴム層との間に空隙が発生することが抑制されるので、台タイヤとトレッドゴム層との接着性を向上し、更生タイヤの耐久性を向上し、延いては、製品の歩留まりを向上することが出来る。
或いは、新たなトレッドゴム層を構成するストリップ材の内面側に不織布繊維層を設けたので、台タイヤにストリップ材を巻き付ける際に、台タイヤの表面の凹凸部分や段差に滞留した空気が不織布を通じて外に排出されるので空気の残留を防止することが出来る。その結果、更生タイヤにおいて台タイヤとトレッドゴム層との間に空隙が発生することが抑制されるので、台タイヤとトレッドゴム層との接着性を向上し、更生タイヤの耐久性を向上し、延いては、製品の歩留まりを向上することが出来る。また、ストリップ材の内面側に不織布繊維層を積層した場合、ストリップ材の層間に滞留する空気も効果的に排出することが出来る。
本発明においては、加硫後の更生タイヤにおける不織布繊維層の厚さが0.05〜0.25mmであり、単位面積当たりの質量が0.10〜0.35g/cm2 であると共に、見掛けの嵩密度が10.0〜30.0g/cm3 である。このように加硫後の更生タイヤ中において不織布繊維層が薄く押し潰されているので、加硫後の台タイヤとトレッドゴム層との間の接着性を良好に維持することが出来る。
本発明においては、不織布繊維層に使用する不織布の嵩高さが0.5〜6.0mmであり、単位面積当たりの質量が0.10〜0.35g/cm2 であると共に、見かけの嵩密度が0.17〜7.0g/cm3 である。このように見掛けの嵩密度の小さい不織布を不織布繊維層に使用することで、台タイヤとトレッドゴム層を構成する未加硫ゴム又はストリップ材との貼り付け作業を容易に行うことが出来、施工性を向上することが出来る。また、加硫時には不織布の繊維の隙間に多量の未加硫ゴムが混入されつつ加硫されるので、加硫成型された更生タイヤにおいて、不織布は加硫ゴムと渾然一体のような状態で更生タイヤに埋設され、台タイヤとトレッドゴム層との接着性を向上することが出来る。更に、このように嵩高いと共に単位面積当たりの質量が小さい不織布を使用することで、台タイヤとトレッドゴム層との間に残留した空気を良好に排出することが出来る。
本発明においては、不織布繊維層に使用する不織布のピーク強力が2.0〜10N/5cmである。これにより、不織布繊維層とトレッドゴム層を構成する未加硫ゴム又はストリップ材とを貼り合わせる際の布切れを防ぐと共に、タイヤ使用時における不織布の面状或いは糸状での剥離を防ぐことが出来る。
本発明においては、不織布繊維層に使用する不織布がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、パルプ、コットンから選ばれる繊維のいずれかにより構成されることが好ましい。このように不織布繊維層を加硫温度のような高温により影響を受けない材質から構成することで、加硫後の更生タイヤにおける台タイヤとトレッドゴム層との接着性を良好に維持することが出来る。
本発明においては、不織布繊維層に使用する不織布をスパンレース、ニードルパンチ、スパンボンド、メルトブローン、エアレイドから選ばれる製法のいずれかにより製造することが出来る。
尚、不織布の見掛けの嵩密度は、単位面積当たりの質量を嵩高さで割った値である。また、不織布のピーク強力とは、テンシロン試験機(商品名)に代表される引っ張り試験機により測定した値である。
本発明の実施形態からなる更生タイヤを示す子午線断面図である。 図1の更生タイヤのトレッド成形工程を示す説明図である。 本発明の他の実施形態からなる更生タイヤを示す子午線断面図である。 図3の更生タイヤのトレッド成形工程を示す説明図である。 図3の更生タイヤにおけるストリップ材を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の製造方法により製造された更生タイヤを示すものであり、使用済みのタイヤの外周面に対してバフ掛け及びスカイビングが施された台タイヤ10と新たに設けられたトレッドゴム層20とからなり、トレッドゴム層20は不織布繊維層30を介して台タイヤ10の外周面に貼り付けられている。
台タイヤ10は、使用済みのタイヤの外周面に対してバフ掛け及びスカイビングが施されて形成されるトレッド部11と、タイヤ幅方向両側に形成されるサイドウォール部12と、サイドウォール部12のタイヤ径方向内側に形成されるビード部13とを備えている。左右一対のビード部13,13間にはカーカス層14が装架されている。このカーカス層14は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部13に配置されたビードコア15の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げられている。また、トレッド部11におけるカーカス層14の外周側にはスチールコードからなる4層のベルト層16が層間でコードが互いに交差するように配置されている。台タイヤ10は、このように一般的なタイヤの外周面を処理したものであれば良いので、図1に示す態様に限定されない。
一方、トレッドゴム層20は、図2に示すように未加硫ゴムからなるゴム部材21を貼り付けた後、加硫金型の中で加硫することで成型される。このゴム部材21としては、例えば、図示のような狭幅のストリップ材を使用し、このストリップ材を台タイヤ10の外周面に複数回巻き付け、その周回部分をトレッドゴム層20の断面形状に合うように適宜重ね合わせることが出来る。また、ゴム部材21として、トレッドゴム層20と同等の寸法を有する帯材を使用し、この帯材を台タイヤ10の外周面に巻き付けても良い。
台タイヤ10に対してトレッドゴム層20を取り付けるとき、台タイヤ10のトレッド部11は、バフ掛け及びスカイビングが施されているが、スカイビング時にバフ表面に対して均一に穴埋め出来なかった箇所には凹凸が形成される。つまり、トレッドゴム層20を形成するにあたって、未加硫ゴムからなるゴム部材21を巻き付けただけではこの凹凸部分に空気が滞留する虞がある。そのため、図1,2に示すように、トレッドゴム層20を不織布繊維層30を介して台タイヤ10の外周面に貼り付けるようにする。これにより、台タイヤ10の表面の凹凸部分に滞留した空気が不織布繊維層30を通じて外に排出されるので空気の残留を防止することが出来る。その結果、更生タイヤにおいて台タイヤ10とトレッドゴム層20との層間に空隙が発生することが抑制されるので、台タイヤ10とトレッドゴム層20との接着性を向上し、更生タイヤの耐久性を向上し、延いては、製品の歩留まりを向上することが出来る。
図3は、本発明の他の実施形態からなる更生タイヤを示すものであり、使用済みタイヤの外周面に対してバフ掛け及びスカイビングが施された台タイヤ10と新たに設けられたトレッドゴム層20とから構成されている。尚、図3においても、台タイヤ10は、図1の実施形態と同様に、一般的なタイヤの外周面を処理したものである。
この台タイヤ10に対してトレッドゴム層20を設けるが、図3の場合は、未加硫ゴムからなるストリップ材22を台タイヤ10に対して複数回巻き付けて加硫用金型の中で加硫することでトレッドゴム層20を成型する。このとき、図4に示すように、台タイヤ10の外周面上に不織布繊維層30は設けず、トレッドゴム層20を構成するストリップ材22の内面側に不織布繊維層30を設ける(図5参照)。その結果、不織布繊維層30は、台タイヤ10とトレッドゴム層20との間に介在すると共に、トレッドゴム層20の内部に分散するように配置されることになる。
このようにストリップ材22の内面側に不織布繊維層30を設けることで、台タイヤ10にストリップ材22を巻き付ける際に、台タイヤ10の表面の凹凸部分に滞留した空気が不織布を通じて外に排出されるので空気の残留を防止することが出来る。その結果、更生タイヤにおいて台タイヤ10とトレッドゴム層20との間に空隙が発生することが抑制されるので、台タイヤ10とトレッドゴム層20との接着性を向上し、更生タイヤの耐久性を向上し、延いては製品の歩留まりを向上することが出来る。
ストリップ材22はどのように巻き付けても良く、トレッドゴム層20の断面形状に合うように適宜重ね合わせることが出来る。ストリップ材22の巻き付け方としては、例えば、隣接する周回部分のタイヤ幅方向端部同士が接触するように巻き付けたり、図4に示すように、隣接する周回部分のタイヤ幅方向端部同士が重複するように巻き付けることが出来る。
尚、図4に示すようにストリップ材22を隣接する周回部分のタイヤ幅方向端部同士が重複するように巻き付けた場合、ストリップ材22同士が重複した箇所に段差が生じるが、この場合であっても、ストリップ材22の内面側に不織布繊維層30を設けているので、この段差に滞留した空気は不織布を通じて外に排出することが出来、空気の残留を防止することが出来る。
ストリップ材22の形状は特に限定されないが、例えば、幅10〜100mm、厚さ1〜10mmのものを使用することが出来る。
本発明においては、加硫後の更生タイヤにおける不織布繊維層30の厚さ0.05〜0.25mm、好ましくは0.1〜0.2mmに設定される。また、加硫後の更生タイヤにおける不織布繊維層30の単位面積当たりの質量0.10〜0.35g/cm2 、好ましくは0.15〜0.33g/cm2 、更に好ましくは0.15〜0.30g/cm2 に設定される。また、加硫後の更生タイヤにおける不織布繊維層30の見掛けの嵩密度10.0〜30.0g/cm3 、好ましくは10.2〜25.0g/cm3 に設定される。このように加硫後の更生タイヤ中において不織布繊維層30が薄く押し潰されるので、加硫後の台タイヤ10とトレッドゴム層20との間の接着性を良好に維持することが出来る。
不織布繊維層30の厚さが0.05mmより小さいと残留空気を良好に排出することが出来ない。不織布繊維層30の厚さが0.25mmより大きいと加硫後の更生タイヤにおける台タイヤ10とトレッドゴム層20との接着性が低下する。不織布繊維層30の単位面積当たりの質量が0.10g/cm2 より小さいと不織布の繊維が粗くなり過ぎるため不織布の繊維間に未加硫ゴムが浸透し過ぎたり、不織布繊維層30が薄く押し潰されて残留空気を良好に排出することが出来ない。不織布繊維層30の単位面積当たりの質量が0.35g/cm2 より大きいと不織布繊維層30が密になり過ぎるため残留空気を良好に排出することが出来ず、加硫後の台タイヤ10とトレッドゴム層20との間の接着性が低下する。不織布繊維層30の見掛けの嵩密度が10.0g/cm3 より小さいと不織布の繊維が粗くなり過ぎるため不織布の繊維間に未加硫ゴムが浸透し過ぎたり、不織布繊維層30が薄く押し潰されて残留空気を良好に排出することが出来ない。不織布繊維層30の見掛けの嵩密度が30.0g/cm3 より大きいと不織布繊維層30が密になり過ぎるため残留空気を良好に排出することが出来ず、加硫後の台タイヤ10とトレッドゴム層20との間の接着性が低下する。
本発明においては、不織布繊維層30に使用する不織布の嵩高さが0.5〜6.0mmであり、単位面積当たりの質量が0.10〜0.35g/cm2 である。また、見かけの嵩密度が0.17〜7.0g/cm3 、好ましくは0.30〜2.7g/cm3 である。このように見掛けの嵩密度の小さい不織布を不織布繊維層30に使用することで、トレッドゴム層20を構成するゴム部材21又はストリップ材22の台タイヤ10に対する貼り付け作業を容易に行うことが出来、施工性を向上することが出来る。また、加硫時には不織布の繊維の隙間に多量の未加硫ゴムが混入されつつ加硫されるので、加硫成型された更生タイヤにおいて、不織布は加硫ゴムと渾然一体のような状態で更生タイヤに埋設され、台タイヤとトレッドゴム層との接着性を向上することが出来る。更に、このように嵩高いと共に単位面積当たりの質量が小さい不織布を使用することで、台タイヤ10とトレッドゴム層20との間に残留した空気を良好に排出することが出来る。
不織布の見掛けの嵩密度が0.17g/cm3 より小さいと不織布の繊維間に未加硫ゴムが浸透し過ぎたり不織布が薄く押し潰されて残留空気を良好に排出することが出来ない。不織布の見掛けの嵩密度が7.0g/cm3 より大きいと不織布が密になり過ぎるため残留空気を良好に排出することが出来ず、またトレッドゴム層20を構成するゴム部材21又はストリップ材22を台タイヤに取り付ける際の貼り付き性が悪化する。不織布の嵩高さが0.5mmより小さいと残留空気を良好に排出することが出来ない。不織布の嵩高さが6.0mmより大きいとトレッドゴム層20を構成するゴム部材21又はストリップ材22を台タイヤ10に取り付ける際の貼り付き性が低下する。不織布の単位面積当たりの質量が0.10g/cm2 より小さいと繊維が粗くなり過ぎるため不織布の繊維間に未加硫ゴムが浸透し過ぎたり不織布が薄く押し潰されて残留した空気を良好に排出することが出来ない。不織布の単位面積当たりの質量が0.35g/cm2 より大きいと不織布が密になり過ぎるため残留した空気を良好に排出することが出来ず、加硫後の台タイヤ10とトレッドゴム層20との間の接着性が低下する。
尚、単位面積当たりの質量は不織布の平面視の面積当たりの質量であるので、トレッドゴム層20を取り付けることで厚さ方向に押し潰されたとしても変化しない。
本発明においては、不織布繊維層30に使用する不織布のピーク強力が2.0〜10N/5cmである。これにより、不織布繊維層30とトレッドゴム層20を構成するゴム部材21又はストリップ材22とを貼り合わせる際の布切れを防ぐと共に、タイヤ使用時における不織布の面状或いは糸状での剥離を防ぐことが出来る。不織布のピーク強力が2.0N/5cmより小さいとストリップ材22と貼り合わせる際に布切れが生じる。不織布のピーク強力が10N/5cmより大きいとタイヤ使用時に不織布が面状あるいは糸状で剥離が生じる。
本発明においては、不織布繊維層30に使用する不織布がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、パルプ、コットンから選ばれる繊維のいずれかにより構成されることが好ましい。これら繊維は加硫温度のような高温により影響を受けないので、このような材質から不織布繊維層30に使用する不織布を構成することで、加硫後の更生タイヤにおける台タイヤ10とトレッドゴム層20との接着性を良好に維持することが出来る。
また、不織布繊維層30に使用する不織布は、高圧水流(ウォーターニードル)を用いて繊維を物理的に交絡させるスパンレース法、かえしのある針を突き刺して繊維を物理的に交絡させるニードルパンチ法、熱可塑性高分子を溶融させ連続した長繊維状に吐出しながら形成するスパンボンド法、スパンボンド法において高温の空気を当てながら繊維をより細く形成するメルトブローン法、比較的短い繊維を薄いシート状に形成する乾式法のうち、空気流を利用してランダムに形成するエアレイド法から選ばれる製法のいずれかにより製造することが出来る。
上記繊維のうちポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンを用いる場合は、スパンレース法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法のいずれかにより不織布を製造することが出来る。また、上記繊維のうち、レーヨン又はコットンを用いる場合は、スパンレース法、ニードルパンチ法、エアレイド法のいずれかにより不織布を製造することが出来る。また、上記繊維のうち、パルプを用いる場合は、エアレイド法により不織布を製造することが出来る。
タイヤサイズが11R22.5である空気入りタイヤの外表面に対してバフ掛け及びスカイビングを施して製造した台タイヤに対して、不織布繊維層を介して未加硫ゴムからなるストリップ材を巻付け、加硫金型内で加硫して得た更生タイヤにおいて、台タイヤとストリップ材との間に挟み込む不織布繊維層を構成する不織布の仕様及び更生タイヤ内における不織布繊維層の仕様を表1,2のように異ならせた従来例及び実施例1〜5、参考例1〜6の12種類の試験タイヤを製作した。尚、従来例は台タイヤとストリップ材との間に不織布繊維層を設けない例である。トレッドゴム層を形成するために使用したストリップ材は幅35mm、厚さ2.5mmのものを用いた。
これら12種類の試験タイヤについて、下記の評価方法により施工性、空隙発生率、接着性、エア障害を評価し、その結果を表1,2に併せて示した。
施工性
試験タイヤの製造時において、台タイヤにストリップ材を巻き付ける際の、台タイヤに対するストリップ材の貼り付き性を「施工性」として評価した。評価結果は従来例の値を100とする指数で示した。指数値が大きい程貼り付き性が優れて施工性が良いことを示す。尚、指数値が95以上であれば許容範囲であり、98以上であることが好ましい。
接着性
それぞれの試験タイヤを分解して、内部に埋設されている不織布繊維層を介して加硫接着している台タイヤとトレッドゴム層との間の接着性を評価した。評価結果は従来例の値を100とする指数で示した。指数値が大きい程接着性が優れていることを示す。尚、指数値が105以上であると効果が大きく好ましい。
エア障害
試験タイヤをシェアログラフィにより検査し、残留空気によるエア障害の有無を評価した。従来例の外観を基準(△)として、エア障害が存在しないものを◎、従来例に比べてエア障害が少ないものを○、従来例に比べてエア障害が多いものを×で示した。
Figure 0005866777
Figure 0005866777
表1,2から判るように、実施例1〜5及び参考例1〜6はいずれも不織布繊維層を有さない従来例1に対して、台タイヤにトレッドを取り付ける際の施工性を良好に維持すると共に、加硫後の台タイヤとトレッドとの間の接着性を改善し、かつ加硫後のエア障害を同等又は良好に抑制した。特に実施例1〜5は、施工性を高度に維持すると共に、接着性を大きく改善し、かつエア障害を良好に抑制し、これら性能を高度に両立した。
10 台タイヤ
20 トレッドゴム層
21 ゴム部材
22 ストリップ材
30 不織布繊維層

Claims (4)

  1. 使用済みタイヤの外周面を研削して得られた台タイヤの外周面に未加硫ゴムからなるゴム部材を巻き付け加硫用金型の中で加硫してトレッドゴム層を成型する更生タイヤの製造方法において、
    前記台タイヤと前記トレッドゴム層との間に不織布繊維層を設け、加硫後の更生タイヤにおける前記不織布繊維層の厚さを0.05〜0.25mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にすると共に、見掛けの嵩密度を10.0〜30.0g/cm3 の範囲にし、且つ、前記不織布繊維層に使用する不織布の嵩高さを0.5〜6.0mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にし、見かけの嵩密度を0.17〜7.0g/cm3 の範囲にし、ピーク強力を2.0〜10N/5cmの範囲にしたことを特徴とする更生タイヤの製造方法
  2. 使用済みのタイヤの外周面を研削して得られた台タイヤの外周面に未加硫ゴムからなるストリップ材を複数回巻き付け加硫用金型の中で加硫してトレッドゴム層を成型する更生タイヤの製造方法において、
    前記ストリップ材を前記台タイヤに巻き付けたときの前記ストリップ材の内面側に不織布繊維層を設け、加硫後の更生タイヤにおける前記不織布繊維層の厚さを0.05〜0.25mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にすると共に、見掛けの嵩密度を10.0〜30.0g/cm3 の範囲にし、且つ、前記不織布繊維層に使用する不織布の嵩高さを0.5〜6.0mmの範囲にし、単位面積当たりの質量を0.10〜0.35g/cm2 の範囲にし、見かけの嵩密度を0.17〜7.0g/cm3 の範囲にし、ピーク強力を2.0〜10N/5cmの範囲にしたことを特徴とする更生タイヤの製造方法
  3. 前記不織布繊維層に使用する不織布がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、パルプ、コットンから選ばれる繊維のいずれかにより構成されることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の更生タイヤの製造方法
  4. 前記不織布繊維層に使用する不織布をスパンレース、ニードルパンチ、スパンボンド、メルトブローン、エアレイドから選ばれる製法のいずれかにより製造したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の更生タイヤの製造方法
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