JP5866238B2 - 車外環境認識装置および車外環境認識方法 - Google Patents

車外環境認識装置および車外環境認識方法 Download PDF

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Description

本発明は、自車両外の環境を認識する車外環境認識装置および車外環境認識方法に関する。
従来、自車両の前方に広角(広画角)カメラを搭載し、かかる広角カメラで撮像した自車両外の環境映像を、車室内のディスプレイに表示して運転者の目視確認を補助する技術が知られている。このような技術では、例えば、制御情報を通じて自車両が一時的に停止したことを検出し、モニタ装置の表示を広角カメラで撮像した環境映像に自動的に切り換える等の制御が為されている。
このような広角カメラを通じた環境映像から、自車両の前方に位置する車両や障害物といった物を検出するために、オプティカルフロー等の画像処理技術が検討されている。ここで、オプティカルフローは、画像上の2次元速度ベクトル場、すなわち画像上の移動物の移動に伴う速度場で表される。このような技術では、例えば、所定周期で撮像された時間方向に連続する2枚の画像間において、同一の部位として認識可能な点を特徴点として設定し、この特徴点の移動をベクトル(以下、フローベクトルという。)として算出する。そして撮像した画像内の全領域において、このフローベクトルを算出することで、例えば、自車両が停止した状態におけるフローベクトルの有無のみによって、画像内の移動物の位置および移動方向等の情報を検出することができる。
オプティカルフローでは上記のように自車両が停止している状態において移動物の接近を好適に検出することができるが、走行中において移動物を検出する技術も検討されている。例えば、走行中において、広角カメラで撮像した環境映像からフローベクトルを生成し、それぞれを複数の群に分類し、自車両の移動により生じるフローベクトルを差し引いて、画像中央に向かう方向のフローベクトル群を移動物として特定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
ただし、オプティカルフローでは、自車両が旋回すると、背景に相当する物(以下、単に背景物という。)にも中央に向かう方向のフローベクトルが生じてしまい、背景物を移動物と誤判定してしまうことがある。そこで、自車両が旋回する際には、旋回の内側に相当する領域における移動物の判定を行わないことで、誤判定を回避する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
特許第3239521号 特許第4193740号
上述したように、特許文献1の技術では、自車両が旋回したときに、背景物を移動物と誤判定してしまう場合がある。また、特許文献2の技術では、そのような領域を予め検出の対象外として排除することで誤判定は回避できるものの、その領域に移動物が存在していた場合には、その移動物を検知できず、衝突のリスクを高めるおそれがあった。
また、特許文献1の技術では、移動物を適切に判断すべく、自車両の移動により背景物に生じてしまうフローベクトルの大きさや向きを導出しているが、それらを導出するためには、自車両の進行方向および速度のみならず、背景物までの距離も必要となる。このような背景物までの距離は、ステレオカメラを用い3点測位法に基づく演算を行ったり、レーザレーダを用いたりすることで導出できるが、そのような装置を設けるのにコストが増大し、また、計算が煩雑になって処理負荷が高まるといった問題がある。
本発明は、このような課題に鑑み、自車両が旋回した場合であっても、移動物の検出精度の向上を図ることが可能な、車外環境認識装置および車外環境認識方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の車外環境認識装置は、広角レンズを通じて車外環境を撮像した画像データを取得する画像データ取得部と、画像データに基づく画像から予め定められた位置および大きさの部分画像を切り出す画像切出部と、部分画像における複数のフローベクトルを導出するフローベクトル導出部と、複数のフローベクトルの配置関係に応じて垂直方向に延長される判定基準線を導出する基準線導出部と、判定基準線に基づいて移動物を示すフローベクトルをグループ化するグループ化部と、を備えることを特徴とする。
基準線導出部は、フローベクトルの水平方向の向きが反転する境界線を判定基準線としてもよい。
基準線導出部は、部分画像を水平方向に複数分割した分割領域毎のフローベクトルの最頻値に基づく曲線が0となる位置に判定基準線を設定してもよい。
基準線導出部は、最頻値に基づく曲線から予め定められた閾値を超える最頻値を除外して判定基準線を導出してもよい。
基準線導出部は、最頻値に基づく曲線から予め定められた閾値を超える最頻値を除外する処理と、除外後の最頻値に基づいて曲線を再構築する処理とを繰り返してもよい。
上記課題を解決するために、本発明の車外環境認識方法は、広角レンズを通じて車外環境を撮像した画像データを取得し、画像データに基づく画像から予め定められた位置および大きさの部分画像を切り出し、部分画像における複数のフローベクトルを導出し、複数のフローベクトルの配置関係に応じて垂直方向に延長される判定基準線を導出し、判定基準線に基づいて移動物を示すフローベクトルをグループ化することを特徴とする。
本発明によれば、自車両が旋回した場合であっても、移動物の検出精度の向上を図ることが可能となる。
環境認識システムの接続関係を示したブロック図である。 撮像装置で生成される画像を説明するための説明図である。 部分画像を説明するための説明図である。 フローベクトルによる移動物の判定処理を説明するための説明図である。 フローベクトルによる移動物の判定処理を説明するための説明図である。 フローベクトルによる移動物の判定処理を説明するための説明図である。 車外環境認識装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 フローベクトル導出部の処理を説明するための説明図である。 フローベクトル導出部の処理を説明するための説明図である。 基準線導出部の処理を示した説明図である。 車外環境認識方法の処理の流れを示したフローチャートである。 画像切出処理を説明するためのフローチャートである。 フローベクトル導出処理を説明するためのフローチャートである。 基準線導出処理を説明するためのフローチャートである。 グループ化処理を説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(環境認識システム100)
図1は、環境認識システム100の接続関係を示したブロック図である。環境認識システム100は、自車両1内に設けられた、撮像装置110と、車外環境認識装置120と、車両制御装置(ECU:Engine Control Unit)130とを含んで構成される。
撮像装置110は、広角(広画角)レンズ、および、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子を含んで構成され、自車両1の前方において、水平より少し下方に向けて設けられる。撮像装置110は、自車両1の前方に相当する環境を撮像し、3つの色相(R(赤)、G(緑)、B(青))からなるカラー画像やモノクロ画像を生成することができる。ここで、広角レンズは、標準レンズに比べ画角(視野角)が比較的広い(例えば、120度以上)、または、焦点距離が比較的短いレンズをいい、例えば、広角レンズとして魚眼レンズを用い、撮像装置110を中心とする半球状に広がる空間を撮像することができる。ここでは、広角レンズとして魚眼レンズを用いる例を挙げて説明するが、円錐状(アキシコン)プリズム等、様々な広角レンズを用いることもできる。また、レンズの画角を120度以上としたのは、十字路またはT字路において、自車両1が停止線に停止した場合に、直交する道路の状況まで適切に把握するためである。
図2は、撮像装置110で生成される画像を説明するための説明図である。図2を参照して理解できるように、撮像装置110で生成された画像(以下、「環境画像」という。)112は、円周魚眼レンズを通じて、画像の中心からの距離と角度が比例するように描かれている(等距離射影方式)。したがって、自車両1の走行方向の画像の分解能を維持しつつ、広範囲の環境画像112を一度に取得することができる。
また、撮像装置110は、環境画像112をデータ化した画像データを、例えば1/60秒毎(60fps)に連続して生成する。以下の実施形態における各機能部は、このような画像データの更新を契機として各処理を遂行する。したがって、各機能部は、フレーム単位で処理を繰り返すこととなる。
車外環境認識装置120は、撮像装置110から、環境画像112を示す画像データを取得し、所謂、パターンマッチングを用いて、オプティカルフローに基づくフローベクトルを導出する。フローベクトルは、画像のエッジ部分(隣り合う画素間で明暗の差分が大きい部分)で特定され易いので、フローベクトルが導出されたブロックは、環境画像112においてもエッジとなっていることが多い。ただし、車外環境認識装置120では、環境画像112中の必要な部分のみ切り出した部分画像を利用してフローベクトルを導出する。
図3は、部分画像122を説明するための説明図である。上述したように、環境画像112では、広画角の画像を一度に取得できるので、自車両1の前方のみならず、左右いずれかの方向(水平方向)から接近する移動物も特定することが可能となる。しかし、環境画像112では、画像の中心からの距離と角度が比例するので、中心からの距離が離れるほど、画像が歪むこととなる。例えば、図2の環境画像112における4つの角に近い領域では、実際には水平に延びている物が、環境画像112では湾曲して表示され、その端部は垂直方向にも延びているように視認できる。ここで、「水平」は、撮像した環境画像112の画面横方向を示し、実空間上の水平方向に相当する。また、「垂直」は、撮像した環境画像112の画面縦方向を示し、実空間上の鉛直方向に相当する。
そこで、車外環境認識装置120は、図2に示した環境画像112のうち、交通環境において特定すべき移動物が存在する、図2中破線で示した領域、すなわち、歪みの少ない環境画像112の中央領域と、その水平方向左右の領域とを合わせた、図3に示す部分画像122を切り出す。そして、その部分画像122に対してオプティカルフローに基づくフローベクトルを導出する。
続いて、車外環境認識装置120は、近似するフローベクトル同士をグループ化して移動物を特定し、移動物の大きさおよびその速度(フローベクトルの大きさ)に基づいて、移動物の種別を判定する。ここで、移動物は、車両、自転車、歩行者といった独立して移動する物である。また、後述する背景物や静止物は、建物、道路、ガードレールといった物を示す。
例えば、車外環境認識装置120は、水平方向に高速に移動している移動物を先行車両と認識する。また、車外環境認識装置120は、特定した移動物と衝突する可能性が高いか否かの判定を行うことができる。ここで、衝突の可能性が高いと判定した場合、車外環境認識装置120は、その旨、ディスプレイ138を通じて運転者に報知するとともに、車両制御装置130に対して、その旨を示す情報を出力する。かかる車外環境認識装置120の処理に関しては、後ほど詳述する。
図1に戻って、車両制御装置130は、車外環境認識装置120で特定された移動物との衝突を回避する。具体的に、車両制御装置130は、操舵の角度を検出する舵角センサ132や自車両1の速度を検出する車速センサ134等を通じて現在の自車両1の走行状態を取得し、アクチュエータ136を制御して先行車両との車間距離を安全な距離に保つ。ここで、アクチュエータ136は、ブレーキ、スロットルバルブ、舵角等を制御するために用いられる車両制御用のアクチュエータである。また、車両制御装置130は、移動物との衝突が想定される場合、アクチュエータ136を制御して自車両1を自動的に制動する。かかる車両制御装置130は、車外環境認識装置120と一体的に形成することもできる。
(フローベクトルによる移動物の判定処理)
図4〜図6は、本実施形態のオプティカルフローのフローベクトルによる移動物の判定処理を説明するための説明図である。ここでは、従来の問題点と比較しつつ本実施形態の特徴を説明する。
仮に、図4(a)に示すように自車両1が旋回を伴うことなく直進しているときに、図3に示した部分画像122に対してフローベクトルを導出すると、フローベクトルは、図4(b)のように複数の矢印で示される。かかる矢印の長さがフローベクトルの大きさ、矢印の向きがフローベクトルの向きを示す。また、フローベクトルは、本来、導出単位であるブロックと同数あるが、ここでは、理解を容易にするためフローベクトルの数を制限して表している。
フローベクトルは、画像中の特徴点の移動によって生成されるので、図4を参照して理解できるように、自車両1の移動に伴い、移動物2のみならず、背景物3にもフローベクトルが生じる。また、本実施形態では、広角レンズが用いられているので、部分画像122の中心と比較して側方にずれるに連れて、背景物3のフローベクトルの大きさが大きくなっているのが分かる。
また、図4(b)に示した部分画像122を、画像中心を通り垂直に延びる破線で示した中央線10を基準に、左側方領域と右側方領域とに分けると、背景物3のフローベクトルが中央線10から遠ざかる方向に生じるのに対し、接近する移動物2のフローベクトルは中央線10に近づく方向に生じているのが分かる。そこで、従来では、中央線10により領域を分割し、左側方領域において右方向に向くフローベクトル、または、右側方領域において左方向に向くフローベクトルを検出して、それらを移動物2としていた。
しかし、図5(a)に示すように、自車両1が旋回を伴いながら進行する場合、フローベクトルは、図5(b)のように表される。ここでは、一点鎖線で示した領域12内のフローベクトルが中央線10に近づく方向に生じているので、それが移動物2であるか背景物3であるかに拘わらず、移動物2として誤判定されてしまう。この場合に、旋回の内側に相当する領域、すなわち、右側方領域において移動物2の判定を行わないとすることも可能であるが、その領域に存在する移動物2を検知できなくなるので、衝突のリスクを高めるおそれがあった。
これは、フローベクトルの左右の向きが反転する位置が、直進時は前方の消失点(無限遠)と一致するが、自車両1の速度および旋回角速度によっては、反転位置が左右に変化することに起因する。そこで、本実施形態においては、判定基準となる判定基準線124を、中央線の位置ではなく、図6に示すように、背景物3に対するフローベクトルが左右反転する位置に適切に設定し、領域12内のフローベクトル全てが移動物2と誤判定されるのを回避する。そして、自車両1が旋回した場合であっても、移動物2を適切に検出し、その検出精度の向上を図ることを目的とする。
以下に、このような処理を実現するための車外環境認識装置120を具体的に説明し、その後で、車外環境認識方法について詳述する。
(車外環境認識装置120)
図7は、車外環境認識装置120の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図7に示すように、車外環境認識装置120は、I/F部150と、データ保持部152と、中央制御部154とを含んで構成される。
I/F部(画像データ取得部)150は、撮像装置110や車両制御装置130との双方向の情報交換を行うためのインターフェースであり、例えば、撮像装置110で生成された画像データを取得する。データ保持部152は、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、以下に示す各機能部の処理に必要な様々な情報を保持する。また、本実施形態においては、フローベクトルの導出処理におけるパターンマッチングのため、画像データを、少なくとも次のフレームまで一時的に保持する。ここで、データ保持部152に記憶された前回のフレームにおける画像データを「前回画像データ」といい、今回のフレームにおける画像データを「今回画像データ」という。
中央制御部154は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成され、システムバス156を通じて、I/F部150やデータ保持部152を制御する。また、本実施形態において、中央制御部154は、画像切出部160、フローベクトル導出部162、基準線導出部164、グループ化部166、移動物判定部168、衝突判定部170、報知部172、画像保持部174としても機能する。
画像切出部160は、I/F部150が取得した今回画像データに基づく図2に示したような環境画像112から、予め定められた位置および大きさの図3に示したような部分画像122を切り出す。
フローベクトル導出部162は、所謂、パターンマッチングを通じて、画像切出部160が切り出した部分画像122におけるフローベクトルを導出する。
図8および図9は、フローベクトル導出部162の処理を説明するための説明図である。フローベクトル導出部162は、データ保持部152に記憶された前回画像データに基づく図8(a)に示した部分画像122から任意に抽出したブロック(ここでは水平5画素×垂直5画素の配列で構成される)210aに対応する(相関値の高い)ブロック210bを、今回画像データに基づく図8(b)に示した部分画像122から検出する(パターンマッチング)。このとき前回画像データに対応するブロック210aから今回画像データに対応するブロック210bまでの、図8(b)中矢印で示す移動軌跡がオプティカルフローにおけるフローベクトルとなる。
かかるパターンマッチングとしては、前回画像データおよび今回画像データ間において、任意の画像位置を示すブロック単位で輝度値を比較することが考えられる。例えば、輝度値の差分をとるSAD(Sum of Absolute Difference)、差分を2乗して用いるSSD(Sum of Squared intensity Difference)や、各画素の輝度値から平均値を引いた分散値の類似度をとるNCC(Normalized Cross Correlation)等の手法がある。車外環境認識装置120は、このようなブロック単位のフローベクトル導出処理を部分画像122(例えば、600画素×200画素)に映し出されている全てのブロックについて行う。
ブロック内の画素数は任意に設定することができるが、ここでは、ブロックを水平5画素×垂直5画素としている。
このようにして、フローベクトル導出部162は、前回画像データに対応する部分画像122の例えば車両に相当する移動物2に対して図9の如くフローベクトルを導出することができる。
基準線導出部164は、複数のフローベクトルの配置関係に応じ、図6を用いて説明したように、フローベクトルの水平方向の向きが反転する境界線(垂直方向の延長される線)を導出し、判定基準線124とする。以下に、判定基準線124の具体的な導出処理について述べる。
上述したように、広角レンズの特性から、図4や図5の部分画像122では、その中心と比較して側方にずれるに連れて、背景に相当する背景物3のフローベクトルの大きさが連続的に大きくなっている。したがって、背景に相当する背景物3のフローベクトルの水平成分の大きさも、部分画像122の中心から側方にずれるに連れて連続的に大きくなる。また、背景に相当する背景物3のフローベクトルの水平成分のみに着目すると、垂直方向に存在する複数のフローベクトル同士の大きさが等しくなる。
そこで、本実施形態では、背景に相当する背景物3のフローベクトルを対象にして、フローベクトルの水平成分を抽出し、その方向が左右に反転される位置を判定基準線124とする。具体的に、基準線導出部164は、部分画像122を水平方向に複数分割した分割領域毎にフローベクトルのヒストグラムを生成し、そのフローベクトルの最頻値(頻度が最も高い値)に基づいて判定基準線124を導出する。これは、背景物3が部分画像122の多くを占有しているので、最頻値をとることで背景物3のフローベクトルを高精度に抽出することができるからである。
ただし、部分画像122の比較的前方に建物等の静止物が位置している場合、自車両1との距離と位置の違いから、背景物3とは異なるフローベクトルが生じる。また、静止物が大きい場合、静止物のフローベクトルが背景物3のフローベクトルより多くなり、静止物のフローベクトルが最頻値となることもある。そこで、基準線導出部164は、かかる静止物のフローベクトルを排除した状態で判定基準線124を導出する。
また、本来の目的は移動物2を求めることではあるが、判定基準線124を求める上では移動物2も背景物3とフローベクトルが異なるので、移動物2のフローベクトルも排除する。ただし、移動物2は、背景物3と比較して部分画像122を占有する面積が小さいため、問題とならないことが多い。
図10は、基準線導出部164の処理を示した説明図である。基準線導出部164は、まず、図10(a)のように、部分画像122を、水平方向に対して複数の分割領域220に分割し、分割領域220毎にフローベクトルの水平成分を積算して、図10(b)の如く、フローベクトルの水平成分に対するヒストグラムを生成する。ここでは、説明の便宜上、部分画像122を20等分したもので説明するが、本来はさらに高い分解能で分割している。また、図10(b)では、フローベクトルの個数を示すヒストグラムが横長の四角(バー)によって表されている。そのうち最頻値に相当するヒストグラムは黒の塗り潰しで示される。
図10(b)では、破線222で示したように移動物2のフローベクトルもヒストグラムとして換算されているが、最頻値とはならないので問題にならない。ただし、自車両1に近い領域に存在する静止物4は部分画像122の多くの部分を占有しているので、そのフローベクトルが一点鎖線224で示すように最頻値として換算される。
そして、基準線導出部164は、積算したフローベクトル分布のピークに相当する最頻値226を導出し、図10(c)のように、最頻値226をプロットして、図10(d)のように最頻値226の近似曲線228を導出する。
このとき、基準線導出部164は、図10(c)に示すように、最頻値226に基づいて、仮近似曲線230を導出し、その仮近似曲線230から予め定められた閾値232を超える最頻値226(図10(c)中、一点鎖線234で示す。)を除外している。そして、基準線導出部164は、除外後の最頻値226(図10(d)において黒で塗りつぶされた最頻値)に基づいて図10(d)の近似曲線228を求めている。
そして、基準線導出部164は、最頻値226に基づく近似曲線228が0となる(0と交差する)位置236に判定基準線124を設定する。
上述したように、背景物3のフローベクトルは大きさが連続的に大きくなるので、近似曲線228は連続した漸増曲線となるはずである。ここでは、仮近似曲線230から予め定められた閾値232を超える最頻値226を除外することで、不連続点を削除し、背景物3の最頻値226のみを残すことができる。
なお、このような不連続点を形成する静止物4は、部分画像122の垂直方向に面積を占有することが多い。本実施形態では、部分画像122を、水平方向に対して複数の分割領域220に分割しているので、このような垂直方向に延びる静止物4を、水平方向の幅を最小限に抑えつつ高精度に抽出できるので、結果、判定基準線124の導出精度が高まることとなる。
また、ここでは、仮近似曲線230から閾値232を超える最頻値226を除外する例を挙げているが、その他にも、エッジ、大きさ、方向について、その有効性を確認してもよい。例えば、エッジは、その最頻値226のフローベクトルがエッジであることを確認するもので、周囲における水平8画素×垂直8画素に対して微分フィルタを施した際、輝度値の和が50以上であることを条件とする。また、大きさや方向は、ノイズを排除するためのものであり、フローベクトルの大きさが予め定められた所定値以上であること、および、方向が予め定められた角度(例えば±45度)以内であることを条件とする。
また、上記仮近似曲線230と比較すると閾値232を超えないが、不連続点を除外した後の近似曲線228と比較すると閾値232を超える最頻値226が生じる場合もある。これは、仮近似曲線230より近似曲線228の方が、より背景物3のフローベクトルを反映し、精度が高まっていることに起因する。近似曲線228の精度が高まると、仮近似曲線230では埋もれていた静止物4も近似曲線228との差が生じ、閾値232を超えることとなる。
そこで、基準線導出部164は、最頻値226に基づく曲線から予め定められた閾値232を超える最頻値226を除外する処理と、除外後の最頻値226に基づいて近似曲線228を再構築する処理とを繰り返し、より背景物3を反映した近似曲線228を導出することもできる。
グループ化部166は、基準線導出部164が導出した判定基準線124により領域を左側方領域と右側方領域に分割し、左側方領域において右方向に向くフローベクトル、または、右側方領域において左方向に向くフローベクトルを抽出する。そして、抽出したフローベクトルのうち、隣接するブロック同士のフローベクトルを順次比較し、フローベクトルの方向およびその大きさが近似する(例えば、方向が±45度以内かつ大きさの差分が16画素以内である)ブロックをグループ化する。そして、グループ化したブロック群を移動物2として特定する。例えば、図9に示したフローベクトルは、右側方領域において左方向に向いており、互いに近似しているので、対象となるブロックをグループ化し、移動物2として特定することができる。
移動物判定部168は、グループ化部166がグループ化したブロック群の接地位置、大きさ、および、そのブロック群の速度に応じて、そのブロック群を構成する移動物2の位置、進行方向および速度を判定する。例えば、図9に示したフローベクトルが近似するブロック群を自車両1と直交する方向に移動する物体であると判定する。
衝突判定部170は、自車両1の進行方向および速度と、特定した移動物2の位置、進行方向および速度とに応じて、自車両1と当該移動物2が衝突する可能性が高いか否か判定する。かかる衝突判定については、既存の様々な技術を適用することが可能なので、ここではその詳細な説明を省略する。
報知部172は、衝突判定部170が衝突の可能性が高いと判定した場合、ブザー(音声出力手段)や警告灯(ディスプレイ138)を通じて、その旨、運転者に報知する。また、I/F部150を通じて、車両制御装置130に、その旨を示す情報を出力する。
画像保持部174は、データ保持部152の前回画像データに今回画像データを上書きする。こうして次のフレームでは、かかる今回画像データを前回画像データとして用いることができる。
(車外環境認識方法)
以下、車外環境認識装置120の具体的な処理を図11〜図15のフローチャートに基づいて説明する。図11は、撮像装置110から広角レンズを通じて撮像された画像データが送信されたときの割込処理に関する全体的な流れを示し、図12〜図15は、その中の個別のサブルーチンを示している。また、ここでは、処理の対象部位として、画像内のブロックまたは画素を挙げている。
当該車外環境認識方法による割込が発生すると、I/F部150は、撮像装置110から送信された今回画像データを取得する(S300)。そして、画像切出部160は、取得した今回画像データに基づく環境画像112(例えば、水平600画素×垂直500画素)から予め定められた位置および大きさの部分画像122(例えば、水平600画素×垂直200画素)を切り出し(S302)、フローベクトル導出部162は、部分画像122における複数のフローベクトルを導出する(S304)。
続いて、基準線導出部164は、複数のフローベクトルの配置関係に応じて判定基準線124を導出し(S306)、グループ化部166は、判定基準線124に基づいて移動物2を示すフローベクトルをグループ化する(S308)。そして、移動物判定部168は、グループ化部166がグループ化したブロック群の大きさ、および、そのブロック群の速度に応じて、そのブロック群を構成する移動物2の位置、進行方向および速度を判定する(S310)。
衝突判定部170は、自車両1の進行方向および速度と、特定した移動物2の位置、進行方向および速度とに応じて、自車両1と移動物2が衝突する可能性が高いか否か判定する(S312)。その結果、移動物2と衝突する可能性が高いと判定すると(S312におけるYES)、報知部172は、衝突の可能性が高い旨、運転者に報知するとともに、車両制御装置130に、その旨を示す情報を出力する(S314)。また、移動物2と衝突する可能性が高いと判定されなかった場合、ステップS316に移行する。
最後に、画像保持部174は、今回画像データを次回のフレームで前回画像データとして用いるため、データ保持部152の前回画像データに今回画像データを上書きする(S316)。以下、上記の画像切出処理S302、フローベクトル導出処理S304、基準線導出処理S306、グループ化処理S308について具体的に説明する。
(画像切出処理S302)
図12を参照すると、画像切出部160は、画素を特定するための垂直変数jを初期化(「0」を代入)する(S400)。続いて、画像切出部160は、垂直変数jに「1」を加算するとともに水平変数iを初期化(「0」を代入)する(S402)。次に、画像切出部160は、水平変数iに「1」を加算する(S404)。
画像切出部160は、環境画像112から垂直方向に予め定められたオフセット量(例えば、100画素)シフトした画素(i,j+100)の輝度値を抽出し、その値を部分画像122の画素(i,j)の輝度値とする(S406)。
続いて、画像切出部160は、水平変数iが部分画像122における水平画素の最大値である600以上であるか否か判定し(S408)、水平変数iが最大値未満であれば(S408におけるNO)、ステップS404からの処理を繰り返す。また、水平変数iが最大値以上であれば(S408にけるYES)、画像切出部160は、垂直変数jが部分画像122における垂直画素の最大値である200以上であるか否か判定する(S410)。そして、垂直変数jが最大値未満であれば(S410におけるNO)、ステップS402からの処理を繰り返す。また、垂直変数jが最大値以上であれば(S410におけるYES)、当該画像切出処理S302を終了する。こうして、図3に示したように、環境画像112の垂直方向にオフセットした位置から部分画像122を切り出すことができる。
(フローベクトル導出処理S304)
図13を参照すると、フローベクトル導出部162は、ブロックを特定するための垂直変数jを初期化(「0」を代入)する(S450)。続いて、フローベクトル導出部162は、垂直変数jに「1」を加算すると共に水平変数iを初期化(「0」を代入)する(S452)。次に、フローベクトル導出部162は、水平変数iに「1」を加算する(S454)。ここでは、ブロックを水平5画素×垂直5画素で構成する。
フローベクトル導出部162は、前回画像データに対応した部分画像122のブロック(i,j)と、今回画像データに対応した部分画像122のブロックとの相関値を導出する(S456)。具体的に、フローベクトル導出部162は、前回画像データに対応した部分画像122のブロック(i,j)を抽出し、かかる前回画像データのブロック(i,j)の位置に相当する、今回画像データに対応した部分画像122の位置から1フレームの間に移動物2が移動可能な最大範囲を設定する。そして、フローベクトル導出部162は、かかる最大範囲内で、前回画像データのブロックを1画素ずつ画面右方向にずらしながら両ブロックの相関値を求め、さらに、そのような処理を1画素ずつ画面下方向にずらしながら繰り返す。ただし、相関値を求めるときに比較する領域は、ブロックと一致していてもよいし、ブロックと一致しない、例えばブロックを包含したり、あるいはブロックの一部を含むような形でもよい。かかる処理は、今回画像データの部分画像122における最大範囲内の全てのブロックで相関値が導出されるまで繰り返される(S458のNO)。最大範囲内の全てのブロックで相関値が導出されると(S458におけるYES)、フローベクトル導出部162は、前回画像データのブロック(i,j)との相関値が最も大きい今回画像データのブロック(i,j)を抽出し、両ブロックの位置関係からフローベクトル(ブロック間の大きさと方向)を導出する(S460)。
続いて、フローベクトル導出部162は、水平変数iが部分画像122の水平ブロックの最大値である120以上であるか否か判定し(S462)、水平変数iが最大値未満であれば(S462におけるNO)、ステップS454からの処理を繰り返す。また、水平変数iが最大値以上であれば(S462におけるYES)、フローベクトル導出部162は、垂直変数jが部分画像122の垂直ブロックの最大値である40以上であるか否か判定する(S464)。そして、垂直変数jが最大値未満であれば(S464におけるNO)、ステップS452からの処理を繰り返す。また、垂直変数jが最大値以上であれば(S464におけるYES)、当該フローベクトル導出処理S304を終了する。こうして、図9に示したように、部分画像122にフローベクトルの情報を追加することができる。
(基準線導出処理S306)
図14を参照すると、基準線導出部164は、部分画像122を、水平方向に対して例えば5画素単位で120個の分割領域220に分割する(S500)。次に、基準線導出部164は、分割した120個の分割領域220から1の分割領域220を、例えば水平方向左側から順次抽出して、その分割領域220内に存在する任意のブロック(i,j)を設定する(S502)。
基準線導出部164は、ブロックのフローベクトルを読み出し、ベクトルの水平成分の所定の大きさで区分したヒストグラムにそのフローベクトルを積算(投票)する(S504)。基準線導出部164は、抽出された1の分割領域220内のブロック全てに関し、当該ヒストグラムへの積算処理を遂行したか判定する(S506)。ここで、ブロック全てが完了していなければ(S506におけるNO)、ヒストグラムへの積算処理を遂行していないブロックに関してステップS502からの処理を繰り返す。
ブロック全てが完了していれば(S506におけるYES)、基準線導出部164は、このようにして生成されたヒストグラムを参照し、ピークに相当するフローベクトルの大きさを最頻値226として導出する(S508)。
そして、基準線導出部164は、複数の分割領域220全てに関して、当該最頻値226の導出処理を遂行したか判定する(S510)。ここで、分割領域220全てが完了していると判定されなければ(S510におけるNO)、新たな分割領域220を設定し(S512)、新たな分割領域220に関してステップS502からの処理を繰り返す。一方、最頻値226の導出処理が全て完了していれば(S510におけるYES)、基準線導出部164は、導出した最頻値226をプロットし、最頻値226に基づいて、仮近似曲線230を導出する(S514)。
続いて、基準線導出部164は、仮近似曲線230から予め定められた閾値232を超える最頻値226を除外し(S516)、除外後の最頻値226に基づいて新たに近似曲線228を導出する(S518)。このとき、最頻値226を、仮近似曲線230からの閾値232のみならず、上述した、エッジ、大きさ、方向に基づいて除外してもよい。
そして、基準線導出部164は、最頻値226に基づく近似曲線228が0となる(0と交差する)位置236に判定基準線124を設定する(S520)。こうして、図10に示したように、移動物2を適切に検出するための判定基準線124を導出することができる。
(グループ化処理S308)
図15を参照すると、グループ化部166は、ブロックを特定するための垂直変数jを初期化(「0」を代入)する(S550)。続いて、グループ化部166は、垂直変数jに「1」を加算すると共に水平変数iを初期化(「0」を代入)する(S552)。次に、グループ化部166は、水平変数iに「1」を加算する(S554)。
次に、グループ化部166は、比較対象となるブロックを特定するため垂直変数nを初期化(「0」を代入)する(S556)。続いて、グループ化部166は、垂直変数nに「1」を加算すると共に水平変数mを初期化(「0」を代入)する(S558)。次に、グループ化部166は、水平変数mに「1」を加算する(S560)。
そして、グループ化部166は、判定基準線124に基づいて、前回画像データのブロック(i,j)とブロック(m,n)とがいずれも移動物2に対応するフローベクトルであるか否か判定する(S562)。具体的に、ブロック(i,j)が判定基準線124より左側方領域に存在すれば、フローベクトルが右方向に向いているか否かを判定し、判定基準線124より右側方領域に存在すれば、フローベクトルが左方向に向いているか否かを判定する。同様に、ブロック(m,n)が判定基準線124より左側方領域に存在すれば、フローベクトルが右方向に向いているか否かを判定し、判定基準線124より右側方領域に存在すれば、フローベクトルが左方向に向いているか否かを判定する。その結果、移動物2に対応するフローベクトルであれば(S562におけるYES)、ステップS564に移行し、いずれかが移動物2に対応していなければ(S562におけるNO)、ステップS568に処理を移行する。
続いて、グループ化部166は、前回画像データのブロック(i,j)とブロック(m,n)とを比較し、フローベクトルの方向およびその大きさが近似するか否か判定する(S564)。その結果、フローベクトルが近似すると判定されると(S564におけるYES)、グループ化部166は、そのブロック同士をグループ化してブロック群(移動物2)とする(S566)。このとき、いずれか一方または両方のブロックが既に他のブロックと共にブロック群として特定されている場合、そのブロックとブロック群となっている他のブロックも同一のブロック群として特定する。ただし、水平変数i=mかつ垂直変数j=nとなった場合、同一のブロックとなるので当該ステップS562〜S566の処理は実行しない。また、フローベクトルが近似していなければ(S564におけるNO)、ステップS568の処理に移行する。
続いて、グループ化部166は、水平変数mが部分画像122の水平ブロックの最大値である120以上であるか否か判定し(S568)、水平変数mが最大値未満であれば(S568におけるNO)、ステップS560からの処理を繰り返す。また、水平変数mが最大値以上であれば(S568にけるYES)、グループ化部166は、垂直変数nが部分画像122の垂直ブロックの最大値である40以上であるか否か判定する(S570)。そして、垂直変数nが最大値未満であれば(S570におけるNO)、ステップS558からの処理を繰り返す。また、垂直変数nが最大値以上であれば(S570におけるYES)、ステップS572の処理に移行する。
続いて、グループ化部166は、水平変数iが部分画像122の水平ブロックの最大値である120以上であるか否か判定し(S572)、水平変数iが最大値未満であれば(S572におけるNO)、ステップS554からの処理を繰り返す。また、水平変数iが最大値以上であれば(S572におけるYES)、グループ化部166は、垂直変数jが部分画像122の垂直ブロックの最大値である40以上であるか否か判定する(S574)。そして、垂直変数jが最大値未満であれば(S574におけるNO)、ステップS552からの処理を繰り返す。また、垂直変数jが最大値以上であれば(S574におけるYES)、当該グループ化処理S308を終了する。こうして、図9に示すように、フローベクトルが近似するブロック同士を移動物2として特定することができる。
以上、説明したような、車外環境認識装置120や車外環境認識方法によれば、適切な判定基準線124が導出され、その判定基準線124に基づいて移動物2を判定するので、自車両1が旋回した場合であっても、背景物3や静止物4を移動物2として誤認識することなく移動物2を適切に検出し、その検出精度の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の車外環境認識装置120では、背景物3とフローベクトルが異なる静止物4を適切に除外しているので、フローベクトルの左右の向きが反転する位置(判定基準線124)を高精度に求めることができる。
さらに、従来、移動物2を適切に判断するため背景物3までの距離も得るべく、ステレオカメラやレーザレーダを用いなければならなかったが、本実施形態の車外環境認識装置120では、そのような高価な装置を用いることなく移動物2を検出できるので、コストの削減や処理負荷の軽減を図ることができる。
また、コンピュータを、車外環境認識装置120として機能させるプログラムや当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態において、画像切出部160、フローベクトル導出部162、基準線導出部164、グループ化部166、移動物判定部168、衝突判定部170、報知部172、画像保持部174は、中央制御部154によってソフトウェアで動作するように構成している。しかし、上記の機能部をハードウェアによって構成することも可能である。
なお、本明細書の車外環境認識方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、自車両外の環境を認識する車外環境認識装置および車外環境認識方法に利用することができる。
1 …自車両
2 …移動物
3 …背景物
4 …静止物
100 …環境認識システム
120 …車外環境認識装置
122 …部分画像
124 …判定基準線
150 …I/F部(画像データ取得部)
152 …データ保持部
160 …画像切出部
162 …フローベクトル導出部
164 …基準線導出部
166 …グループ化部
168 …移動物判定部
170 …衝突判定部
172 …報知部
174 …画像保持部

Claims (6)

  1. 広角レンズを通じて車外環境を撮像した画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記画像データに基づく画像から予め定められた位置および大きさの部分画像を切り出す画像切出部と、
    前記部分画像における複数のフローベクトルを導出するフローベクトル導出部と、
    前記複数のフローベクトルの配置関係に応じて垂直方向に延長される判定基準線を導出する基準線導出部と、
    前記判定基準線に基づいて移動物を示すフローベクトルをグループ化するグループ化部と、
    を備えることを特徴とする車外環境認識装置。
  2. 前記基準線導出部は、フローベクトルの水平方向の向きが反転する境界線を判定基準線とすることを特徴とする請求項1に記載の車外環境認識装置。
  3. 前記基準線導出部は、前記部分画像を水平方向に複数分割した分割領域毎のフローベクトルの最頻値に基づく曲線が0となる位置に判定基準線を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の車外環境認識装置。
  4. 前記基準線導出部は、前記最頻値に基づく曲線から予め定められた閾値を超える最頻値を除外して判定基準線を導出することを特徴とする請求項3に記載の車外環境認識装置。
  5. 前記基準線導出部は、前記最頻値に基づく曲線から予め定められた閾値を超える最頻値を除外する処理と、除外後の最頻値に基づいて曲線を再構築する処理とを繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の車外環境認識装置。
  6. 広角レンズを通じて車外環境を撮像した画像データを取得し、
    前記画像データに基づく画像から予め定められた位置および大きさの部分画像を切り出し、
    前記部分画像における複数のフローベクトルを導出し、
    前記複数のフローベクトルの配置関係に応じて垂直方向に延長される判定基準線を導出し、
    前記判定基準線に基づいて移動物を示すフローベクトルをグループ化することを特徴とする車外環境認識方法。
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