JP5864848B2 - 分光測色装置及びそれを有する画像形成装置 - Google Patents
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以下、本発明の第1実施形態について説明する。まず本実施形態の分光測色装置が搭載されたカラー画像形成装置について説明し、次にこの分光測色装置を用いたカラーキャリブレーションについて説明する。
まず、本実施形態の分光測色装置が搭載されたカラー画像形成装置による画像形成について説明する。図2は、本実施形態のカラー画像形成装置の概略図である。同図において150は後述する構成よりなる分光測色装置である。1(1C、1M、1Y、1BK)は各々が像担持体としての感光ドラムで、図中の反時計回りに回転する。まず帯電器2(2C、2M、2Y、2BK)によって感光ドラム1(1C、1M、1Y、1BK)面上は一様に帯電される。次に画像情報に基づいて各々光変調された各光束(レーザビーム)L(LC、LM、LY、LBK)が走査光学装置300から出射し、各々対応する感光ドラム1(1C、1M、1Y、1BK)面上を照射して静電潜像を形成する。この静電潜像は現像器4(4C、4M、4Y、4BK)によって各々シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのトナー像として可視化される。一方給紙トレイ7上に積載されたシート材Pは、給紙ローラ8によって1枚ずつ順に送り出され、レジストローラ9によって画像の書き出しタイミングに同期をとって転写ベルト10上に送り出される。そして転写ベルト10上を搬送されてくるシート材P上に先程の各トナー像が転写ローラ5(5C、5M、5Y、5BK)によって順次重ねて転写されることによってカラー画像が形成される。最後に定着器12によってシート材Pを加圧、加熱することで、シート材P上に定着したカラー画像が得られ、シート材Pは排紙ローラ13などによって搬送されて装置外に排出される。転写の後に感光ドラム1(1C、1M、1Y、1BK)面上に残っている残留トナーはクリーナー6(6C、6M、6Y、6BK)によって除去されて、次のカラー画像を形成するために再び帯電器2(2C、2M、2Y、2BK)によって一様に帯電される。ここで、感光ドラム1、帯電器2、走査光学装置300、現像器4、転写ローラ5、定着器12をシート材上に画像を形成する画像形成手段とする。
次に分光測色装置を用いたカラーキャリブレーションについて説明する。分光測色装置(カラーセンサユニット)150は、定着器12直後の紙搬送路上に設置されており、紙面に対して、入射角約45°で照明光が照射されるように配置されている。そして、カラーセンサユニット150が単色、又は混色のカラーパッチが画像形成され定着された紙において、カラーパッチ毎の色味を検知する。そしてカラーセンサユニットの出力に基づいて画像形成手段の画像形成条件を制御することでカラーキャリブレーションを行う。ここで、画像定着後の紙面上のカラーパッチを測色しているのは、紙種や定着等による色味の変化を考慮したうえでカラーキャリブレーションを行う為である。カラーセンサで読み込んだ検出結果は不図示のプリンタコントローラに転送され、プリンタコントローラは出力されたカラーパッチの色再現性が適切であるかを判断する。出力されたカラーパッチの色味と、画像データに応じてプリントコントローラの指示した色味の色差が所定範囲内の場合には、カラーキャリブレーションを終了する。色差が所定範囲外の場合には、色差情報をもとにプリンタコントローラは所定の色差以内に収まるまでカラーキャリブレーションを実施する。
図1(a)は蓋を取った状態の分光測色装置150の概略図である。図1(b)は蓋をつけた状態の分光測色装置150の概略図である。図3(a)は、蓋を取った状態の分光測色装置を上面から見た図、図3(b)は、図3(a)のA−A´線における分光測色装置の断面図である。
次に、このように一体化されたカラーセンサユニット150を用いたカラーパッチの測色方法について説明する。図3(b)に示すように、LED102から発光された光束(光軸L3)が照明光学部材130、カバーガラス190bを透過し、紙面に形成された被検知面としてのカラーパッチ110を照明する。カラーパッチ110で反射された光束(光軸L4)は、カバーガラス108、導光光学部材104を透過することにより、スリット部材105まで導かれ、スリット部材105上で略線形状の像として結像する。スリット部材105を通過し所定の形状に規制され、凹面回折格子106の分光反射面106aに入射する光束(光軸L1)は、分光反射面106aで反射し回折して分光される。分光した光束のうち一次回折光として分光された光束(光軸L2)がラインセンサ107上で波長毎にスリット像として結像する。なお、図3(a)ではラインセンサ107の分光方向Xにおける中央に入射する波長550nmの光束の光軸を光軸L2として代表して示している。ラインセンサ107は波長毎の光を受光素子107aで受光し、受光した光に応じた出力を行う。この出力は、センサユニット制御回路基板120によって白色LED102の分光特性や受光素子の分光感度特性に基づいて補正され、カラーパッチ110で反射された光束(光軸L4)の色調が算出される。算出された値は不図示のプリンタコントローラへ送信される。このようにしてカラーパッチ110の測色を行う。
次に、分光測色装置150組立時のスリット部材105の位置調整方法について説明する。図4はスリット部材105位置調整時の分光測色装置150を斜め上方から見た図である。分光測色装置150の組立時には、分光性能が顕著に分かるように、多くの波長が混ざっている白色LEDの光源102では無く、決められた単一波長の光を出力するモノクロメータを基準光源111として使用する。基準光源111からの光は、導光光学系104に入射し、スリット部材105、分光光学系106を経て、ラインセンサ107の受光素子107a上にスリット像として結像する。図4のL軸は、スリット部材105の開口部105a(図7(b))の中心105b(図7(b))を通過し、凹面回折格子106の分光反射面106aの中心に入射する光束の光軸L1と一致する軸を示す。ここで光軸L1をスリット部材105の光軸として定義する。スリット開口部105aの開口の縁によって形成される仮想的な面を開口面とすると、本実施例ではこの開口面の開口部中心105bにおける垂線がL軸に一致するようになっている。スリット部材105の開口分光反射面106aそして、本発明では、受光素子107a上のスリット像を観察しながら、スリット部材105のL軸方向の位置調整と、L軸周りの回転調整を行う。このようなスリット調整を行うことで、部品精度、組付誤差等による受光素子107a上でのスリット像の結像状態の悪化を防ぎ、高い測色精度を実現できる。
上述した理想的な結像状態でスリット像が結像するように、スリット部材105に関してL軸方向の移動と、L軸回りの回転をして調整を行う。
次にスリット調整のための構成について説明する。図7(a)は、分光測色装置150におけるスリット部材105近傍の部分の斜視図。図7(b)は、分光測色装置のスリット近傍部分を図7(a)の矢印B方向からみた断面図である。スリット部材105は、スリット部材105に入射した光束が通過する開口部105aを有する。本実施例では、スリット部材105は開口部105aの長手方向の中央105bを中心とする円筒形状となっており、外周面にL軸と平行な面である摺動面(以下スライド面と称す)105c、接着面105dを有する。ハウジング100には、L軸に平行な面であるガイド面100b、100cと固定面100aが設けられている。ガイド面100b(第1ガイド面)及びガイド面100c(第2ガイド面)をL軸方向から見るとV字形状となるようガイド面100b、100cは配置されている。後に詳述するが、スリット部材105の位置及び姿勢の調整は、スライド面105cをガイド面100b、100cに当接させた状態で行う。即ち、ガイド面100b、100cはスリット部材105の調整面として機能し、スライド面105cはガイド面100b、100cに当接する当接面として機能する。そして、接着面105dと固定面100aの間には接着剤を充填させるための微小な隙間が設けてあり、調整が終了すると、この固定面100aと接着面105dとの間に充填された接着剤が硬化させる。このようにしてスリット部材105をハウジング100に接着固定する。なお、本実施例では、ガイド面100b、100cとの当接をスライド面105cで、固定面100aとの接着を接着面105dで行っているが、これに限るものではなく、要は当接、接着ともにL軸と平行な面で行われていれば良い。このため、スライド面105cと接着面105dが同一の面であっても良い。
なおL軸回りの回転調整についても、L軸方向の位置調整と同様に、3つ以上の波長の光についてスポット幅が最も狭くなった時の姿勢の平均の姿勢をとっても良い。
次に本発明の第2実施形態について説明する。分光測色装置160は、スリット125とハウジング121以外の部品は実施例1と同様の形状、機能であるため、同じ符号を付し、説明は省略する。実施例1では、スリットのL軸方向の位置の調整とL軸回りの回転調整を行った。しかし、位置決め誤差、部品精度に起因する受光素子107a上でのスリット像の回転が許容できる程度に治まる場合は、スリットのL軸回りの回転調整は必要無く、L軸方向の位置調整のみを行えば良い。本実施例では、スリットの調整はL軸方向の位置調整のみを行う場合に、精度よくスリットの位置調整を行うことができる構成について説明する。
101b、101c、121b ガイド面
102 光源
103 照明光学系
104 導光光学系
105、125 スリット部材
105c、125b、125c スライド面(摺動面)
106 分光光学系
107 ラインセンサ
107a 受光素子
150、160 分光測色装置
Claims (8)
- 被検知部から導かれた光束が通過する開口部を備えるスリット部材と、
前記スリット部材の前記開口部を通過した光束が入射し、該入射した光束を分光して集光する凹面回折格子と、
前記凹面回折格子によって分光及び集光された光束を受光する、一方向に配列された複数の光電変換素子を備える受光部材と、
前記スリット部材、前記凹面回折格子及び前記受光部材を支持する筐体と、を有する分光測色装置において、
前記筐体は、前記スリット部材と当接し、前記凹面回折格子に入射する光束の光軸方向と直交する方向における前記スリット部材の位置決めをするガイド部と、前記ガイド部の端部に設けられた、前記ガイド部から傾斜したテーパ部と、を備え、
前記スリット部材と前記ガイド部を当接させた状態で、前記ガイド部は、前記開口部を通過して前記凹面回折格子に入射する光束の光軸回りに関する前記スリット部材の回転を規制しつつ、前記スリット部材が前記ガイド部に沿って移動した場合に前記スリット部材を前記光軸方向に移動させて前記スリット部材の位置を調整可能であり、
前記直交する方向における前記スリット部材が調整された位置で、前記テーパ部と前記スリット部材との間に接着剤が充填されており、前記スリット部材が固定されていることを特徴とする分光測色装置。 - 前記ガイド部は、前記スリット部材の第1被ガイド面と当接する第1ガイド面を備え、前記第1ガイド面は、前記光軸方向と実質的に平行な面であることを特徴とする請求項1に記載の分光測色装置。
- 前記ガイド部は、前記スリット部材と当接していない前記光軸方向と実質的に平行な第2ガイド面を備え、
前記スリット部材は、前記ガイド部と当接していない前記光軸方向と実質的に平行な第2被ガイド面を備え、
前記第2ガイド面と前記第2被ガイド面との間に接着剤が充填されることで、前記直交する方向における前記スリット部材を固定することを特徴とする請求項2に記載の分光測色装置。 - 前記ガイド部は、前記第1ガイド面と前記光軸方向に実質的に平行で互いに交差する第3ガイド面を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の分光測色装置。
- 前記スリット部材は、前記第3ガイド面と当接する第3被ガイド面とを備え、前記第1被ガイド面と前記第3被ガイド面とは互いに交差することを特徴とする請求項4に記載の分光測色装置。
- 前記第3ガイド面は2箇所で前記スリット部材と当接することを特徴とする請求項4又は5に記載の分光測色装置。
- 前記スリット部材の前記開口部は長方形であり、
前記第3ガイド面は、前記スリット部材の前記開口部の長手方向と交差する面であることを特徴とする請求項6に記載の分光測色装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の分光測色装置と、複数色のトナーを用いてカラー画像をシート材上に形成し定着させる画像形成手段と、を有し、
前記分光測色装置が前記被検知部としてのシート状に定着された混色のカラーパッチを検知した際、前記分光測色装置の前記検知に応じた出力に基づいて前記画像形成手段の画像形成条件を制御することを特徴とする画像形成装置。
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