高齢者は、腰を上げて、トイレットペーパーで臀部を拭き取るのが困難である。障害者は、もし手が不自由であれば、トイレットペーパーを手で掴んで臀部を拭き取ることさえ極めて困難である。そのため、高齢者や障害者などから、臀部拭き取り装置の実用化が強く望まれていた。しかし、従来の臀部拭き取り装置は、種々の観点から、実用化には向いていなかった。
それゆえ、本発明は、実用化が可能な臀部拭き取り装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、トイレットペーパーを取り付けるための拭き取りアームと、拭き取りアームを移動させる拭き取りアーム駆動部とを備える臀部拭き取り装置において、拭き取りアームにおけるトイレットペーパーの紙掴み部に、トイレットペーパーを送り出して切断して載置する給紙部と、給紙部が送り出すトイレットペーパーの残量の有無を検出する紙切れ検出部とを備える。
このように、給紙部によって、切断されたトイレットペーパーが掴まれるようになれば、手の不自由な障害者であっても臀部拭き取り装置を利用できる。紙切れ検出部によって、トイレットペーパーの有無を検出すれば、トイレットペーパーが取り付けられていない状態で、拭き取り動作を行うということを防止でき、衛生面及び安全面が向上する。
また、本発明は、トイレットペーパーを取り付けるための拭き取りアームと、拭き取りアームを移動させる拭き取りアーム駆動部とを備える臀部拭き取り装置において、臀部が温水洗浄されたか否かを検出する温水洗浄検出部を備え、拭き取りアーム駆動部は、温水洗浄検出部によって、温水洗浄がなされたことが検出された場合に、臀部の拭き取り動作を行うことを特徴とする。
このように、温水洗浄が終了して臀部の拭き取り動作を実行すれば、汚れがほとんど取れて、水分が多い状態で臀部が拭き取られることとなるので、少ない拭き取り動作で、臀部の拭き取りを終えることができる。また、汚れが多く付着している状況で拭き取り動作が行われないので、衛生的である。
また、本発明は、トイレットペーパーを取り付けるための拭き取りアームと、拭き取りアームを移動させる拭き取りアーム駆動部とを備える臀部拭き取り装置において、拭き取りアームにおけるトイレットペーパーの紙掴み部に、トイレットペーパーを送り出して切断して載置する給紙部を備え、給紙部は、拭き取りアームにおける紙掴み部を下方に位置させるための切り欠き部を有する紙載せ台を含み、給紙部は、紙載せ台の下方に紙掴み部が位置している状況で、紙載せ台の上に、トイレットペーパーを載置することを特徴とする。
このように、紙載せ台を設ければ、トイレットペーパーを略水平にほぼ平らな状態にして切断して、紙掴み部に載置することが可能となる。よって、トイレットペーパーをできる限りきれいに掴むことができる。よって、衛生的に確実な拭き取りが実現可能となる。
以上が、請求項に記載された発明であるが、その他、本明細書には、以下のような発明が記載されている。
本発明は、トイレットペーパーで臀部を拭く臀部拭き取り装置であって、トイレットペーパーを取り付けるための拭き取りアームと、臀部を拭き取る位置まで拭き取りアームを移動させる拭き取りアーム駆動部と、拭き取りアーム駆動部によって拭き取りアームが移動する際、拭き取りアームの紙掴み部の上方を覆う板状のカバー部とを備えることを特徴とする。
このように、カバー部で、紙掴み部の上方を覆えば、便座などの汚れがトイレットペーパーに付着するのを防止でき、衛生的である。
好ましくは、拭き取りアームにおける紙掴み部は、切断されたトイレットペーパーを挟むための開閉部を有し、給紙部は、紙掴み部の開閉部に、切断されたトイレットペーパーを挿入し、トイレットペーパーを紙掴み部に押さえつける紙押さえ部を含むとよい。
このように、紙押さえ部によって、トイレットペーパーを押さえつければ、トイレットペーパーが上方に跳ね上がらず整形された状態で、拭き取り動作に進むことが可能となる。よって、衛生的に確実な拭き取りが実現可能となる。
好ましくは、紙押さえ部は、紙掴み部の開閉部の形状に沿った形状を有するとよい。
これにより、さらに、きれいにトイレットペーパーが整形されることとなる。
好ましくは、拭き取りアーム駆動部は、拭き取りアームを前後に駆動させるための前後駆動部と、拭き取りアームを便座開口の露出位置に回動させるための回動駆動部と、拭き取りアームを上下に駆動させるための上下駆動部と、拭き取りアームの紙掴み部を傾斜させる傾斜駆動部とを含むとよい。
このような構造は、既存のモータ等によって実現可能であり、実用化が可能な臀部拭き取り装置が提供されることとなる。
好ましくは、拭き取りアーム駆動部は、拭き取りアームの位置を検出するための位置検出部を含むとよい。
位置検出という確実かつ簡易な方法で、拭き取りアームの動作を制御することとができ、実用化が可能な臀部拭き取り装置が提供されることとなる。
好ましくは、拭き取りアームにおける紙掴み部において切断されたトイレットペーパーを挟むための開閉部は、電気信号によって伸縮するアクチュエータによって開閉するとよい。
電気信号による伸縮アクチュエータという確実かつ簡易は方法で、紙掴み部の開閉を制御することができ、実用化が可能な臀部拭き取り装置が提供されることとなる。
好ましくは、拭き取りアームは、トイレットペーパーが掴まれているか否かを検出するための紙掴み検出部を有し、拭き取りアーム駆動部は、紙掴み検出部によって、トイレットペーパーが掴まれていないと検出された場合、拭き取り動作を行わないとよい。
これにより、トイレットペーパーが掴まれていない状態で拭き取り動作に進み、紙掴み部が直接臀部に接触して拭き取りアームが汚れたり、ケガをしたりすること防止できる。
好ましくは、給紙部の上方に、手摺を備えるとよい。
これにより、給紙部を使用者が上から押さえて、故障してしまうということを防止することができる。
好ましくは、拭き取りアームは、電気コネクタによって、着脱可能であるとよい。
電気コネクタという簡易な構成で、拭き取りアームの着脱が可能となり、拭き取りアームの清掃が容易となる。
好ましくは、拭き取りアームの紙掴み部は、凸形状を有するとよい。
これにより、肛門にトイレットペーパーが好ましく接触可能となる。
好ましくは、紙掴み部は、トイレットペーパーを掴むための開閉部の間隙を閉じるためのスライド部材を有するとよい。
これにより、紙掴み部に、水分等が浸入するのを出来る限り防止できる。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の臀部拭き取り装置を具備することを特徴とする、温水洗浄装置、温水洗浄便器、又は便座昇降装置である。
本発明によって、臀部拭き取り装置の実用化が可能となる。
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
図1は、本発明の一実施形態に係る臀部拭き取り装置1の機能的構成を示すブロック図である。図2は、臀部拭き取り装置1の動作を示すフローチャートである。図3は、臀部拭き取り装置1のハード的構成を示す斜視図である。図1及び図3において、同一の参照符号を付した部分は、同様の機能を有する。図4は、臀部拭き取り装置1の平面図である。図5は、臀部拭き取り装置1の正面図である。図6は、臀部拭き取り装置1の底面図である。図7は、臀部拭き取り1の左側面図である。図8は、臀部拭き取り装置1の右側面図である。図3〜図8では、内部構造を視認できるように示しているが実用化に際しては、防水や故障防止のために、カバーなどで臀部拭き取り装置1を覆う。
図1において、臀部拭き取り装置1は、拭き取りアーム駆動部3と、カバー部4と、拭き取りアーム5と、自動給紙部6と、制御部7と、動作スイッチ8と、音声出力部9と、温水洗浄検出部100とを備える。拭き取りアーム駆動部3は、前後駆動部31と、回動駆動部32と、上下駆動部33と、傾斜駆動部34と、位置検出部35とを含む。拭き取りアーム5は、紙掴み部51と、紙掴み検出部52とを含む。自動給紙部6は、紙切れ検出部61と、紙送り部62と、紙切断部63と、紙押さえ部64とを含む。臀部拭き取り装置2は、便座を昇降させるための便座昇降装置2と別体となって、便器11周辺に設置される。なお、本実施形態では、臀部拭き取り装置2は、便座昇降装置2と別体であるとしているが、一体になっていてもよい。なお、本実施形態では、便器11に向かって左側に臀部拭き取り装置1が設置されていることとしたが、右側に設置されていてもよい。右側に設置する場合は、構造を左右対称にすればよい。
図3〜図8に示すように、本実施形態では、取り付け板36によって、臀部拭き取り装置1が便座昇降装置2に取り付けられている。図3の矢印10に示す位置に便座が設置される。便座昇降装置2は、便座の下に設けられた鉄板などの堅固部材2aが図示しない電動ジャッキなどによって昇降することによって、便座を昇降させる機能を有する。なお、昇降のためには、電動ジャッキ以外に、空気圧や油圧などが用いられてもよく、本発明においては、便座昇降装置2の構造は、特に限定されない。便座昇降装置2によって、堅固部材2aが上昇すれば、それに伴って、取り付け板36も上昇するので、結果、臀部拭き取り装置1が上昇することとなる。堅固部材2aが上昇すれば、便座が便器11から上昇することとなり、便座(堅固部材2a)と便器11との間に間隙が生まれる。便座(堅固部材2a)と便器11との間隙を介して、拭き取りアーム5が挿入されて、臀部が拭き取られることとなる。拭き取りアーム5は、臀部拭き取り装置1に設けられた開口部2bを介して、便器と便座11との間隙に挿入される仕組みになっている。なお、以下の説明において、特に断らない限り、便座と便器11との間隙といった場合、堅固部材2aと便器11との間に生じる間隙のことをいうものとする。なお、便座昇降装置の構造は、一例に過ぎず、便座と便器との間隙を生じさせる機能を有すればよい。
取り付け板36には、電動スライダ31aが取り付けられている。スライド台31bは、電動スライダ31aに前後にスライド可能に取り付けられている。電動スライダ31aの構造は、特に限定されない。ベルトの回転によってスライド台31bが前後してもよい。また、ネジ溝が設けられた軸を回転させて、当該ネジ溝と対応するねじ穴をスライド台31bに設けて、当該軸を回転させることによって、スライド台31bが前後してもよい。本実施形態では、当該回転軸によって、スライド台31bを前後させる構造を採用しているが、特に限定されない。図では、当該回転軸が視認できないが、当該回転軸は、電動スライダ31aの中に、長手方向に渡って回転可能に設けられている。当該回転軸は、サーボモータ等からなる前後駆動部31及び伝達機構31cによって、回転可能となっている。前後駆動部31によって、スライド台31bが便器の前後方向に移動可能となる。これにより、拭き取りアーム5を臀部拭き取り装置1内で前後させたり、便座開口からの露出後に、拭き取りアーム5を前後させて臀部の水分等を拭き取らせたりすることができる。
スライド台31bには、回動駆動部32が取り付けられている。回動駆動部32は、サーボモータ等からなる。回動駆動部32のモータ回転軸を回転させることによって、拭き取りアーム5を、便座11に向かって左右方向に回動させることができる。これにより、便座が上がった後、開口部2bを介して、拭き取りアーム5を便座と便器11との間隙に挿入することができ、便座開口から拭き取りアーム5を露出させることができる。また、便座開口からの露出後に、拭き取りアーム5を左右に移動させて臀部の水分等を拭き取らせることができる。
取り付け板36には、位置検出部35が取り付けられている。位置検出部35は、たとえば、赤外線センサや光センサなどであり、スライド台31bの位置を検出することができる。位置検出部35は、第1〜第3のセンサ35a,35b,35cからなり、各センサの検知によって、スライド台31bの現在位置を把握することができる。
回動駆動部32には、上下駆動部33が取り付けられている。上下駆動部33は、サーボモータ等からなる。上下駆動部33のモータ回転軸を回転させることによって、拭き取りアーム5を、上下方向に動かすことができる。これにより、拭き取りアーム5を臀部拭き取り装置1内で上下させたり、便座開口からの露出後に、拭き取りアーム5を上下させたりして臀部を拭き取らせることができる。
上下駆動部33には、傾斜駆動部34が取り付けられている。傾斜駆動部34は、サーボモータ等からなる。傾斜駆動部34のモータ回転軸を回転させることによって、拭き取りアーム5を長手方向を中心に回動させることができ、拭き取りアーム5の紙掴み部51を傾斜させたり、紙掴み部51の上面を引っ繰り返して、裏に向けたりすることができる。これにより、便座開口からの露出後に、紙掴み部51を傾斜させたりして、拭き取り具合を調整したり、拭き取り後に、紙掴み部51を引っ繰り返して紙を落としたりすることができる。
カバー部4は、本実施形態では、一部が切り欠かれた板部材としているが、これに限定されるものではない。カバー部4は、サーボモータ等からなるカバー駆動部41によって、回動可能に取り付け板36に取り付けられている。カバー駆動部41のモータ回転軸を回転させることによって、カバー部4は、開口部2bを介して、便器11と便座との間隙に挿入される。便器11と便座との間隙には、汚れが付着している可能性がある。特に、便座の裏側や堅固部材2aの裏側には汚れが付着している可能性がある。紙掴み部51に取り付けられたトイレットペーパーが、当該汚れに触れるのは衛生面で好ましくない。よって、拭き取りアーム5が便座開口に露出する際、カバー部4を便座と便器11との間隙に挿入しておいて、カバー部4の下を紙掴み部51が通るようにして、すなわち、紙掴み部51の上にカバー部4が位置するようにしながら拭き取りアーム5を移動させて、拭き取りアーム5を露出させる。
自動給紙部6は、便器11の前側に設置される。自動給紙部6の上方6aには、トイレットペーパーを送り出したり、切断したりするための送り出し切断装置が取り外し可能に取り付けられる。図3では、送り出し切断装置の図示を省略している。自動給紙部6には、サーボモータ等からなる紙押さえ部64が設けられている。紙押さえ部64には、回動可能に、紙押さえ具64aが取り付けられている。図3では、紙押さえ具64aが回動した状態で停止しているが、トイレットペーパーが送り出されるときには、紙押さえ具64aは、上方向に立脚するように、紙押さえ部64によって移動される。紙押さえ部64には、紙載せ台64bが設けられている。紙載せ台64bは、略水平であるとよい。紙載せ台64bは、図3において、分かりやすくするために、斜線にてハッチングしてある。紙載せ台64bは、紙掴み部51の全部又は一部が下部に挿入可能なように、拭き取りアーム5及び紙掴み部51の形状に合わせた切り欠き64c(ここでは、オタマジャクシ状の切り欠き)を有する。紙を掴む際、紙掴み部51は、前後駆動部31によって、紙載せ台64bの上方まで移動され、その後、上下駆動部33によって、紙載せ台64bの切り欠き64cを介して、紙載せ台64bの下方に位置させる。紙載せ台64bの下方に紙掴み部51が移動した状態で、送り出し切断装置からトイレットペーパーが送り出される。送り出されたトイレットペーパーは、開口6bを介して、紙載せ台64bの上に、ほぼ平らに載せられて切断される。結果、紙掴み部51の上方に、ほぼ平らな状態となったトイレットペーパーが、セットされることとなる。セット後、紙押さえ部64が回動して紙押さえ具64aが紙掴み部51に紙を掴ませることとなる。トイレットペーパーの送り出し、切断、掴み方の詳細は、後述する。
自動給紙部6の便器11側には、手摺用開口12が設けられている。手摺用開口12に、手摺を立脚するように設けることができる。手摺は、自動給紙部6の上に配置されるように設けられる。これにより、使用者が、自動給紙部6を上から押さえて、故障が生じないように防止する。
図9は、拭き取りアーム5の斜視図である。図10は、拭き取りアーム5の平面図である。図11は、拭き取りアーム5の正面図である。図12は、拭き取りアーム5の底面図である。図13は、拭き取りアーム5の左側面図である。図14は、拭き取りアーム5の右側面図である。図15は、紙掴み部51の断面図である。
拭き取りアーム5は、パイプ部材の一端に紙掴み部51及び他端に取付部34aを含む。取付部34aに、傾斜駆動部34が取り付けられる。取付部34aは、着脱部52aを有する。パイプ部材及び着脱部52aの内部に設けられた電気コネクタの雄雌構造によって、掴み先端部51側と取付部34a側とは、着脱可能となる。紙掴み部51は、可動凸部53と、固定凸部54とを有する。可動凸部53と固定凸部54とを合わせた凸形状は、肛門の窪みに沿った形状となっている。図15に示すように、スライド部材55と可動凸部53とが連結している。スライド部材55は、可動凸部53と固定凸部54との可動域の間隙55aから水分が内部に浸入するのを防止する。可動凸部53の移動と共に、スライド部材55も移動して、当該可動域の間隙55aを閉じるようにしている。
紙掴み部51の内部には、電気信号によって伸び縮みする形状記憶合金などのアクチュエータ(図示略)によって、可動凸部53を開閉させる機構が内蔵されている。なお、可動凸部53を開閉させる機構は、形状記憶合金等のアクチュエータに限らず、モータを利用した開閉機構でもよく、特に限定されない。トイレットペーパーを掴む際に、可動凸部53が固定凸部54側に移動し、トイレットペーパーを捨てる際に、可動凸部53が反対側に移動する。開閉機構を駆動するための電源や制御線は、電気コネクタを介して紙掴み部51に提供される。可動凸部53及び固定凸部54には、トイレットペーパーの掴みを確実にするために、凸部53a及び凹部54aが設けられている。凸部53a及び凹部54aによる凹凸構造によって、トイレットペーパーと可動凸部53及び固定凸部54との摩擦が強くなり、トイレットペーパーを掴む力が強くなる。
紙掴み部51には、トイレットペーパーが掴まれているか否かを検知するための紙掴み検出部52が設けられている。紙掴み検出部52の構造は、特に本発明において限定されないが、たとえば、可動凸部53の開閉を検知するマイクロスイッチ(機械スイッチ)(図示せず)を紙掴み部51の内部に設置しておく。当該マイクロスイッチは、可動凸部53が完全に閉じてしまった場合に、オン状態となる位置に設置しておく。したがって、可動凸部53を閉じる信号がアクチュエータに入力されているにも関わらず、当該マイクロスイッチがオン状態となった場合、紙が正しく掴まれていないと判断することができる。紙掴み検出部52の構造としては、他に、光センサや赤外線センサ、超音波センサなどによって、紙が紙掴み部51の上に載置されているかを検出する構造や、固定凸部54及び可動凸部53の間に挿入されているかを検出する構造などを採用することができる。
図16は、紙押さえ具64aの斜視図である。図17は、紙押さえ具64aの正面図である。紙押さえ具64aは、左手前押さえ部81と、右手前押さえ部82と、挿入部83と、左整形部84と、右整形部85と、左奥整形部87と、右奥成形部88と、連結部89とを含む。連結部89は、紙押さえ部64のモータの回転軸に回動可能に連結される。左手前押さえ部81及び右手前押さえ部82は、好ましくは、弾性の金属棒や樹脂棒であるとよいが、限定されるものではない。紙載せ台64bにトイレットペーパーが載せられた状態で、紙押さえ部64が駆動して、紙押さえ具64aが曲がる。紙押さえ具64aが曲がると、まず、最初に、左手前押さえ部81及び右手前押さえ部82が図3の手前側から、トイレットペーパーを押さえることとなる。これによって、紙押さえ動作時に、トイレットペーパーが図3の奥側にずれていくのを防止する。左手前押さえ部81及び右手前押さえ部82は弾性部材であるので、紙押さえ具64aがそのまま回動して曲がっていった場合、左手前押さえ部81及び右手前押さえ部82も合わせて撓む。そして、挿入部83が固定凸部54と可動凸部53との間に挿入される。挿入部83の先端は、図17に示すようにテーパー状になっているので、挿入がスムースに行われる。挿入部83が挿入された後、左整形部84と右整形部85が、トイレットペーパーの左右を押さえる。さらに、左奥整形部87と右奥成形部88が、トイレットペーパーの奥側の左右を押さえる。左整形部84、右整形部85、左奥整形部87、及び右奥成形部88によって形成される窪み形状は、固定凸部54と可動凸部53による開閉部の形状に沿っているので、トイレットペーパーが紙掴み部51に挿入された際、紙掴み部51の上面で、トイレットペーパーが整形された状態となり、トイレットペーパーが、上方に跳ね上がった状態となることを防止する。このように、紙押さえ具64aは、トイレットペーパーを整形するように、固定凸部54と可動凸部53による開閉部の形状に沿った形状を有する。挿入部83の挿入完了後、可動凸部53が閉じて、トイレットペーパーが掴まれる。可動凸部53を閉じる力をアクチュエータに加えながらの状態で、紙押さえ部64のモータが逆方向に回転して、紙押さえ具64aが逆方向に曲がって、挿入部83が抜き取られる。挿入部83の先端はテーパー状になっているので、抜き取り動作もスムースに行われる。
図18は、自動給紙部6の構造を示す概略断面図である。自動給紙部6は、トイレットペーパー74と回転可能に載置するための複数の回転子75と、紙切れ検出部61と、紙送り部62と、紙切断部63とを備える。なお、図1では、紙押さえ部64も、自動給紙部6の一部であるとしているが、一部でないと捉えてもよい。図19は、紙切断部63の構造を示す概略斜視図である。図20は、紙切断部63の内部概略構造を示す一部断面斜視図である。紙切断部63は、紙挿入開口70と、固定刃73と、可動刃72と、支点71と、レバー65と、カッター駆動モータ68と、駆動カム69と、突起部66,67とを含む。
紙送り部62は、二つのローラによって、トイレットペーパー74を挟み、トイレットペーパーを送り出すことができる。二つのローラの内、少なくともどちらか一方が、トイレットペーパーを送り出す方向に回転するように、モータによって駆動する。なお、トイレットペーパー74を二つのローラに挟むために、細い板状の部材をトイレットペーパーと一緒にローラの間に挿入してもよいし、二つのローラが図18上、左右に開くようにしておき、繰り出し時に閉じるようにできる機構を有していてもよい。
紙送り部62から送り出されたトイレットペーパーは、紙挿入開口70に挿入される。紙挿入開口70に挿入されたトイレットペーパーは、固定刃73と可動刃72との間隙に挿入される。固定刃73と可動刃72との間隙に挿入されたトイレットペーパーは、紙載せ台64aの上(紙掴み部51の上)に載置される。このような位置関係を有するように、全体が設計されている。紙載せ台64aの左右には、板部材64dが立脚しているので、紙載せ台64aに載置したトイレットペーパーは、折れ曲がって、板部材64dの左右どちらかに接触し、接触後、逆側に折れ曲がって、他方の板部材64dに接触して、これを繰り返すことによって、トイレットペーパーが折れ曲がった状態で、順次、紙載せ台64aの上に載置されていく。所定量のトイレットペーパーが繰り出されたら、紙切断部63によるトイレットペーパーの切断が行われる。
可動刃72は、支点71を支点にして、レバー65を下方に動かすと、固定刃73と擦り合うようにして上方に移動するようになっている。これによって、可動刃72と固定刃73との間のトイレットペーパーが切断される。レバー65を下方に動かすために、カッター駆動モータ68の回転軸が回転して、駆動カム69を回転させ、突起部66又は67がレバー65を押し下げられて、トイレットペーパーが切断される。突起部66又は67によって、レバー65が最下部まで押し下げられると、突起部66又は67がレバー65と接触しなくなる位置関係となる。レバー65には図示しないバネが取り付けられており、レバー65と突起部66又は67が接触しなくなると、レバー65が上方に自動的に押し上げられるようになる。トイレットペーパーの切断が完了すると、紙載せ台64aの上(紙掴み部51の上)に切断されたトイレットペーパーが載置され、紙押さえ部64によって、トイレットペーパーが押さえられて、紙掴み部51によって、トイレットペーパーが掴まれる。
紙切れ検出部61は、たとえば、赤外線センサや光センサ、超音波センサなどであり、図18上の回転子75と紙送り部62との間付近にトイレットペーパーが残っているか否かを検出する。切断後もトイレットペーパーが残っているのであれば、紙送り部62と回転子75との間付近に、トイレットペーパーが存在するはずである。紙切れ検出部61は、この残存トイレットペーパーの有無を検知することによって、トイレットペーパーが切れた状態になって否かを検出する。なお、上述の例以外に、トイレットペーパーのウエブロールの厚みや重みを検知するセンサによって、紙切れ検出を行ってもよいし、その他あらゆる方法によって、紙切れ検出を行うことが本発明には含まれる。
上記のような構成に対して、臀部拭き取り装置1の動作全体を、図2を参照しながら説明する。
まず、制御部7は、温水洗浄が終了しているか否かを判断する(ステップS101)。温水洗浄が終了しているか否かの検出は、温水洗浄検出部100によって行われる。温水洗浄検出部100の構成としては種々考えられるが、最も単純な構成として、温水洗浄検出部100は、温水洗浄ボタンが押下されているか否かを検出する。また、温水洗浄検出部100は、マイクによって温水洗浄時の音が検出されたか否かを検出してもよい。その他、温水洗浄検出部100は、温水洗浄装置のノズルが伸びたことを各種センサによって検出してもよい。温水洗浄検出部100による温水洗浄の完了の検出方法は、本発明を限定するものではない。温水洗浄が終了していない場合、制御部7は、音声出力部9に、たとえば、「温水洗浄してください」といった音声を出力させる(ステップS102)。温水洗浄が終了するまで、待機状態となる。なお、ここでは、温水洗浄の完了を動作開始のトリガーとしたが、使用者によって、動作スイッチ8が押下されたタイミングを、動作開始のトリガーとしてもよく、ステップS101及びS102の動作は、本発明において、必須ではない。
温水洗浄が終了している場合、制御部7は、拭き取りアーム5が予め定められた待機位置(ホームポジション)に位置しているか否かを判断する(ステップS103)。制御部7は、位置検出部35からの信号に基づいて、待機位置であるか否かを検出する。たとえば、第1のセンタ35aの位置を待機位置とした場合、制御部7は、第1のセンサ35aによって、スライド台31bが検出されている場合、待機位置に拭き取りアーム5が位置していると判断することができる。その他、第2又は第3のセンサ35b,35cの位置を待機位置としてもよい。ステップS103において、待機位置に拭き取りアーム5が位置していないと判断した場合、制御部7は、待機位置に位置するように、拭き取りアーム駆動部3の必要なモータを駆動させて、拭き取りアーム5を待機位置に戻す。
次に、制御部7は、音声出力部9に、「開始します」などの開始音声を出力させる(ステップS105)。次に、制御部7は、紙掴み部51のアクチュエータに電気信号を送り、可動凸部53を開ける方向に駆動させる(ステップS106)。なお、本実施形態では、可動凸部53は、アクチュエータによって駆動していない状態では、自由に動く状態になっていることとするが、たとえば、可動凸部53にバネなどを付けておき、アクチュエータによって駆動していない状態では、常に開く方向に可動凸部53に力を加えるようにして、トイレットペーパーが取り外しやすくしていてもよい。逆に、アクチュエータによって駆動していない状態では、常に閉じる方向に可動凸部53に力を加えるようにして、トイレットペーパーが取り外れにくくしていてもよい。
次に、制御部7は、音声出力部9に、「便座が上がります」などの便座上昇音声を出力させ(ステップS107)、便座昇降装置2を制御して、便座を上昇させる(ステップS108)。次に、制御部7は、拭き取りアーム駆動部3の各種モータを駆動して、拭き取りアーム5を紙掴み位置まで移動させる(ステップS109)。図3に示した例では、紙掴み部51が、紙載せ台64bの下方に位置する状態が紙掴み位置となる。したがって、具体的には、制御部7は、前後駆動部31を制御して第2のセンサ35bの位置まで、スライド台31bを移動させ、上下駆動部33を制御して紙掴み部51を切り欠き64cの下方に傾ける。
拭き取りアーム5が紙掴み位置に移動した後、制御部7は、紙送り部62を制御して、トイレットペーパーの送り出しを行わせる(ステップS110)。所定量の送り出しが行われた後、制御部7は、紙切断部63を制御して、トイレットペーパーを切断させる(ステップS111)。次に、制御部7は、紙切れ検出部61からの信号に基づいて、トイレットペーパーが残っているか否かを判断する(ステップS112)。トイレットペーパーが残っていない場合、制御部7は、音声出力部9に、「紙がなくなりました」などの紙切れ音声を出力させて、紙の交換を使用者に促す(ステップS113)。紙の交換が完了するまで、待機状態となる。なお、トイレットペーパーが無くなった場合、制御部7は、アナウンス後、拭き取りアーム5を待機位置に戻して、再度の拭き取り指示があるまで、待機していてもよい。
トイレットペーパーが残っている場合、制御部7は、紙押さえ部64を制御して、トイレットペーパーを押さえて、紙掴み部51を制御して、可動凸部53を閉じて、トイレットペーパーを掴ませる(ステップS114)。次に、制御部7は、拭き取りアーム駆動部3の各モータを制御して、拭き取りアーム5を回動位置に移動させる(ステップS115)。具体的には、制御部7は、上下駆動部33を制御して、拭き取りアーム5を切り欠き64cの上方に移動させて、前後駆動部34を制御して、拭き取りアーム5を第1のセンサ35aの位置まで後進させる。なお、回動位置は、特に限定されず、水タンクの大きさ、便座昇降装置2の形状等を考慮して、便座と便器との間隙に拭き取りアーム5を回動して挿入できる位置とすればよい。
ステップS115の後、制御部1は、紙掴み検出部52からの信号に基づいて、紙掴み部51がトイレットペーパーを掴んでいるか否かを判断する(ステップS116)。拭き取りアーム5が回動して、便座開口に露出する前に、ステップS116の判断が行われることによって、拭き取りアーム5の後進時、何らかのトラブルで、トイレットペーパーが外れてしまった可能性を検知して、トイレットペーパーが取り付けられていない拭き取りアーム5が臀部に接触するのを防止することができる。トイレットペーパーを掴んでいない場合、制御部7は、音声出力部9に、「紙を掴んでいません」などの紙トラブル音声を出力させて(ステップS117)、ステップ109の動作に戻り、紙掴み動作を繰り返す。なお、トイレットペーパーが臀部拭き取り装置1内部のどこかに残存している可能性があるので、ステップS117の後、制御部7は、動作を終了してもよい。
回動位置段階でトイレットペーパーが掴まれている場合、制御部7は、カバー駆動部41を制御して、カバー部4を便座方向に回動させて、その後、回動駆動部32を制御して、拭き取りアーム5を回動させて、カバー部4の下をトイレットペーパーが取り付けられた紙が通るようにして、拭き取りアーム5を便座開口に露出させ、カバー駆動部41を制御してカバー部4を元に戻す(ステップS118)。ステップS118の後、制御部7は、紙掴み検出部52からの信号に基づいて、紙掴み部51がトイレットペーパーを掴んでいるか否かを判断する(ステップS119)。これによって、拭き取りアーム5の回動時、何らかのトラブルで、トイレットペーパーが外れてしまった可能性を検知して、トイレットペーパーが取り付けられていない拭き取りアーム5が臀部に接触するのを防止することができる。トイレットペーパーを掴んでいない場合、制御部7は、音声出力部9に、「紙を掴んでいません」などの紙トラブル音声を出力させて(ステップS120)、ステップ109の動作に戻り、紙掴み動作を繰り返す。なお、トイレットペーパーが臀部拭き取り装置1内部のどこかに残存している可能性があるので、ステップS120の後、制御部7は、動作を終了してもよい。
なお、ステップS116やS119以外のタイミングで、トイレットペーパーが掴まれているか否かを検知してもよく、また、トイレットペーパーが掴まれていないことを検知した割り込み処理をしてもよく、トイレットペーパーが掴まれていない場合は、拭き取り動作を中止するようにするとよい。
ステップS119の後、正常にトイレットペーパーが取り付けられた状態で、拭き取りアーム5が便座開口から露出していることとなる。この状態で、制御部7は、音声出力部9を制御して、「拭き取りスイッチを押してください」などの拭き取り開始音声を出力させる(ステップS121)。なお、ステップS121の動作は、ステップS101及びS102の動作に置き換えて、又は、ステップS101及びS102の動作に前後して行われてもよい。動作スイッチ8は、男性向けの動作や、女性向けの動作、前よりの動作(肛門が便座の前よりにあるときの動作)、後ろよりの動作(肛門が便座の後ろよりにあるときの動作)、標準的な動作、拭き取り回数、拭き取りの圧力、拭き取りの動き、拭き取りの範囲など、拭き取りの好みに応じて、動作を選択できるようにするスイッチによって構成されているとよい。もちろん、動作スイッチ8は、一種類の動作だけを行うスイッチによって構成されていてもよい。また、マニュアル動作によって、好みの動きに拭き取りアーム5を制御できるようになっていてもよい。
使用者によって、動作スイッチ8の拭き取りスイッチが押下されると(ステップS122)、制御部7は、指示された動作に応じて紙掴み部5が動作するように、拭き取りアーム駆動部3の各モータを制御する(ステップS123)。このとき、制御部7は、紙掴み部5を前後させたければ前後駆動部31を制御し、上下させたければ上下駆動部33を制御し、左右に動かしたければ回動駆動部32を制御し、ねじりを加えたければ傾斜駆動部34を制御する。このようにして、拭き取り動作の開始から終了までが行われる。
拭き取り動作が終了した後、制御部7は、上下駆動部33を制御して、拭き取りアーム5を下方に向けて臀部との接触を解除して、傾斜駆動部34を制御し、紙掴み部51を回転させてひっくり返し(ステップS124)、紙掴み部51を制御して、紙掴み部51の可動凸部53を開けて(ステップS125)、トイレットペーパーを落とす。この際、制御部7は、紙掴み部51をひっくり返した状態で、上下駆動部33を制御して、拭き取りアーム5に上下方向の加速を加えて、トイレットペーパーを振り落とすような動作をしてもよい。
ステップS125の後、制御部7は、拭き取りアーム駆動部3の各モータを制御して、拭き取りアーム5を臀部拭き取り装置1内部に収納する(ステップS126)。
なお、拭き取りアーム5を清掃するために、動作スイッチ8にメンテナンススイッチを設け、メンテナンススイッチが押下された場合は、制御部7は、トイレットペーパーが取り付けられていない状態で拭き取りアーム5を便座開口に露出させるとよい。
以上、本実施形態は、以下のような点で、実用化可能となった臀部拭き取り装置である。便座昇降装置2に対して、臀部拭き取り装置1を取り付け板36によって別体として後付けできる。拭き取りアーム駆動部3や紙押さえ部64で用いられているモータ等の部材は、全て、一般に入手可能な部材である。拭き取りアーム5は、電気コネクタ等によって取り外し可能であり、メンテナンスが容易である。紙掴み部51を開閉するためのアクチュエータは、電気信号によって伸縮可能な形状記憶合金などを利用でき、このようなアクチュエータも既に実用化されている。自動給紙部6における紙送り構造や紙切断構造も既に実用化されている。たとえば、株式会社ニッセイテクニカ(富山県中新川郡)の「パピィメート」と呼ばれる製品で実用化されている。特許文献としては、特開2004−269144号公報などでも開示されている。図3に示した図が、実際の製品の斜視図となるが、このように、便器11に対して、コンパクトな構造で、自動的な臀部拭き取りが可能となっている。ただし、上記のような実用化の製品例は、あくまでも一例であって、本発明を限定するものではない。
本実施形態では、自動給紙部6を設けることによって、手が不自由である方にも利用可能となる。また、簡単な操作で、自動で臀部が拭き取られることとなるので、認知症などの精神状態の高齢者であっても、利用することができる。
また、本実施形態では、トイレットペーパーが無くなくなったことが検知され、トイレットペーパーが無くなった状態では、拭き取り動作に進まない。よって、トイレットペーパーが取り付けられていない紙掴み部5が臀部に接触するということが防止されるので、衛生面や安全面で、実用的な臀部拭き取り装置1が提供されることとなる。
また、本実施形態では、温水洗浄が終了していない場合、拭き取り動作に進まないようにできる。大便の切れが悪い場合、温水洗浄を行っていないと、トイレットペーパーによる拭き取りを繰り返して行わない限り、なかなか汚れが取れない。よって、温水洗浄が終了した状況でのみ、臀部拭き取り動作に進むことによって、より確実な臀部拭き取りを実現でき、実用的な臀部拭き取り装置1が提供されることとなる。
また、本実施形態では、トイレットペーパーを掴んでいない状態では、拭き取り動作を行わないようにしている。よって、トイレットペーパーが取り付けられていない紙掴み部5が臀部に接触するということが防止されるので、衛生面や安全面で、実用的な臀部拭き取り装置1が提供されることとなる。
また、カバー部4によって、拭き取りアーム5の移動時に、便器11や堅固部材2a、便座等の汚れを拭き取ってしまうことを防止できる。これによって、衛生面がさらに向上することとなる。
本発明の実用化に一定の目処が付いたと考えられる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。