JP5864153B2 - 酸味成分を含有する飲料の酸味の増強方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、スクラロースを添加することにより、クエン酸を含有する飲料などの製品の酸味をマスキングできることが記載されている。
また、特許文献2には、スクラロースを添加することで、辛味成分を含有する製品の辛味を増強できることが記載されている。
特許文献3には、フルーツフレーバーなどのフレーバー、クエン酸などの酸味成分、及びスクラロースを含有する低カロリー飲料に、アスパルテームを含有することで、フレーバーを改善することが記載されている。
しかしながら、これら特許文献のいずれにも、スクラロース及び/又はステビア抽出物、並びにフルーツフレーバーを添加することにより、酸味成分を含有する飲料の酸味を増強できることは記載されていない。
項1.スクラロース及び/又はステビア抽出物、並びにフルーツフレーバーを添加することを特徴とする、酸味成分を含有する飲料の酸味の増強方法。
項2. スクラロース及び/又はステビア抽出物を、酸味成分を含有する飲料中に0.5〜15ppm添加する、項1記載の酸味の増強方法。
項3.フルーツフレーバーを、酸味成分を含有する飲料中に250〜10000ppm添加する、項1又は2記載の酸味の増強方法。
項4.フルーツフレーバーが、グレープフレーバー、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、アップルフレーバー、ピーチフレーバー及びストロベリーフレーバーから選択される1種以上である、項1〜3記載の酸味の増強方法。
項5.酸味成分が、クエン酸及び/又はその塩である、項1〜4記載の酸味の増強方法。
それにより、飲料のpHを変えることなく酸味を付与することができるので、飲料に添加された色素などの色調が変わることがなく、また、酸乳飲料においても濁りを維持できるので、外観上好ましくなる。さらに、酸味成分による舌への刺激を軽減することができる。
本発明に用いるスクラロースは、ショ糖の約600倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスイートSU100等を挙げることができる。
本発明に用いるステビア抽出物は、南米原産のキク科多年生植物であるステビアレバウディアナ・ベルトニの葉や茎等から、水又は有機溶媒で抽出、精製されたものであり、ステビオサイドやレバウディオサイドAなどの甘味有効成分を含有する。
ステビア抽出物は、市販のものを使用できる。さらに、α−グルコシルトランスフェラーゼ等を用いて、ステビア抽出物にグルコースやフルクトース等の糖を転移した酵素処理ステビアも用いることができる。
本発明において、飲料に添加するスクラロースやステビア抽出物の添加量としては、酸味成分の添加量にもよるが、飲料中に0.5〜15ppm、好ましくは、1〜10ppmである。
飲料中にスクラロースやステビア抽出物が0.5ppmより少ないと、酸味の増強効果が十分ではなく、また、15ppmより多いと、飲料に甘味がつきすぎて、酸味の増強効果が十分に確認できず、いずれも好ましくない。
本発明において、飲料に添加するフルーツフレーバーの量としては、飲料中に250〜10000ppm、好ましくは、250〜5000ppmである。
飲料中にフルーツフレーバーが250ppmより少ないと、酸味の増強効果が十分ではなく、また、10000ppmより多いと、苦味などが付与されてしまうので、いずれも好ましくない。
酸味成分は、レモンに含まれるクエン酸や、ブドウに含まれる酒石酸のように、果汁などに含有されているものであっても良い。
通常これらの酸味成分は、飲料中に0.05〜0.5質量%添加されている。
甘味剤としては、アセスルファムカリウム、アスパルテームなどの高甘味度甘味料、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、イノシトールなどの糖アルコール、蔗糖、果糖、ブドウ糖、果糖ぶどう糖液糖、還元麦芽糖水飴などを使用することができる。
なお、以下の記載において、「部」は質量部を示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標をそれぞれ示す。
表1の処方に基づき、ニアウオーターを製造した。
表2のように、スクラロースの添加量を変えて、コントロールと比べて、次の基準で酸味の増強効果を評価した。結果を表2に示した。
○:酸味が増強された △:酸味がやや増強された ×:効果なし
表1の処方中のスクラロースを、表3の他の甘味料や高甘味度甘味料に代えて、ニアウオーターを製造した。各甘味料は、スクラロース2.5ppm添加と同等の甘味になるよう添加した。
実施例1と同一の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表3に示した。
スクラロースとステビア抽出物に酸味の増強効果が見られたが、スクラロースがすっきりとした酸味を付与できるのに対して、ステビア抽出物の方は若干渋味を伴う酸味であり、スクラロースの方がより好ましい。
また、アスパルテームではやや酸味の増強効果が見られたが、アセスルファムカリウム、ソーマチン、砂糖では酸味の増強効果が見られなかった。
表1の処方中のグレープフレーバーの添加量を表4のように変えて、ニアウオーターを製造した。スクラロースの添加量は、コントロールを含め、全て2.5ppmとした。
実施例1と同一の基準で、コントロールと比べて酸味の増強効果を評価し、結果を表4に示した。
表1の処方中のグレープフレーバーを表5の各フレーバー変えて、ニアウオーターを製造した。各フレーバーの添加量は1000ppm、スクラロースの添加量は2.5ppmとした。
実施例1と同一の基準で、コントロールと比べて酸味の増強効果を評価し、結果を表5に示した。
表6の処方に基づき、炭酸飲料を製造した。
その結果、スクラロース及びグレープフレーバーを添加した実施例5は、酸味の増強効果が見られたが、グレープフレーバーだけでスクラロースを添加しない比較例1は、酸味の増強効果は見られなかった。
Claims (1)
- 飲料中に、スクラロース及び/又はステビア抽出物を1〜10ppm、並びにグレープフレーバー、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、ピーチフレーバー又はストロベリーフレーバーを250〜5000ppm添加することを特徴とする、クエン酸及び/又はその塩を0.05〜0.5質量%含有する飲料の酸味の増強方法。
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