JP5864045B2 - リン回収材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、リンを吸着する性能に優れ、かつ、リンを吸着して形成した凝集体の沈降性に優れているリン回収材の製造方法に関する。
珪酸カルシウムを主成分とする脱リン剤が従来から知られている。例えば、特開昭61−263636号公報(特許文献1)にはCaO/SiO2モル比が1.5〜5の珪酸カルシウム水和物を主成分とする水処理剤が記載されている。また、特公平02−20315号公報(特許文献2)には空隙率50〜90%の独立気泡を有する珪酸カルシウム水和物からなる脱リン材が記載されている。さらに、特開平10−235344号公報(特許文献3)には珪酸カルシウム水和物を主成分とした直径数ミリ程度の球状または中空状に成形した脱リン材が記載されている。特開2000−135493号公報(特許文献4)には珪灰石を用いた脱リン方法が提案されている。
従来の珪酸カルシウムを主成分とする脱リン材を用いる処理方法は、回収物の脱水性や有機物混入の問題をある程度回避できるものの、リンとの反応速度が遅いため、回収物のリン濃度を上げるためには長い反応時間を必要とする。また、回収物に含まれるリン含有量が少ないため、リン酸肥料として有効に利用できないなどの問題がある。
この問題を解決するリン回収資材として、平均粒子径(メジアン径)150μm以下の微粉末であって細孔容積0.3cm3/g以上の多孔質珪酸カルシウム水和物からなるリン回収資材(特許文献5)、あるいはBET比表面積80m2/g以上、細孔容積0.5cm3/g以上の多孔質の珪酸カルシウム水和物からなるリン回収資材が知られている(特許文献6)。
特開昭61−263636号公報 特公平02−020315号公報 特開平10−235344号公報 特開2000−135493号公報 特開2009−285635号公報 特開2009−285636号公報
特許文献5および特許文献6に記載されているリン回収資材は、リンとの反応性が高く、ヒドロキシアパタイトを生成し、排水中のリン濃度を急激に低減することができ、消石灰など他の石灰質資材よりもリンの回収率が高い利点を有している。
本発明は、上記リン回収資材の利点を有し、リンとの反応性が良く、かつリンを吸着して形成した凝集体の沈降性に優れているリン回収材の製造方法を提供する。
本発明は、以下の構成によって上記課題を解決したリン回収材の製造方法に関する。
〔1〕珪酸ナトリウム水溶液に、Ca/Si配合モル比が1.5〜10になるように、消石灰または生石灰を加え、非加熱下で、非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)との凝集体を生成させ、該凝集体を固液分離して回収し乾燥してリン回収材にする、あるいは該凝集体を含むスラリーの状態でリン回収材にするリン回収材の製造方法。
〔2〕珪酸ナトリウム水溶液に水を加え、消石灰または生石灰に水を加えてスラリーにし、水を加えた珪酸ナトリウム水溶液に上記スラリーを混合して撹拌し、非加熱の室温下で非晶質珪酸カルシウム水和物を生成させ、該非晶質珪酸カルシウム水和物にCa(OH)が取り込まれた凝集体スラリーを形成させる上記[1]に記載するリン回収材の製造方法。
本発明の製造方法に係るリン回収材(以下、本発明のリン回収材と云う)は、珪酸ナトリウム水溶液に石灰を加えて生成した非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)との凝集体からなり、リンを吸着する性能に優れており、かつリンを吸着して形成した凝集体の沈降性が良いので、リンの除去効果が高く、かつ処理時間を短縮することができる。
本発明のリン回収材は、珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を原料に用いるので、生成した非晶質珪酸カルシウム水和物とこれに取り込まれるCa(OH)2以外の不溶解物が少なく、かつ高温で水熱合成を行わせる必要がなく、常温で生成した非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)2との凝集体からなるので、製造が容易であり、かつ経済的にリン回収材を製造することができる。
本発明のリン回収材は、原料として珪酸ナトリウム水溶液を用いるので、石灰を加えて非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)2との凝集体を生成する工程において、非晶質珪酸カルシウム水和物とこれに取り込まれるCa(OH)2以外の不溶解物を殆ど生じないので、この凝集体を回収するときに上記以外の不溶解物を分離する工程が不要である。また、上記凝集体を含むスラリーのまま使用することができる。
本発明の製造例を示す工程図 実施例1の珪酸カルシウム水和物凝集体のXRDチャート 実施例2のリン回収率を示すグラフ 実施例3の沈降性を示すグラフ
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
〔珪酸カルシウム水和物凝集体:リン回収材〕
本発明のリン回収材は、珪酸ナトリウム水溶液に、Ca/Si配合モル比が1.5〜10になるように、消石灰または生石灰を加え、非加熱下で、非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH) との凝集体を生成させ、該凝集体を固液分離して回収し乾燥してリン回収材にする、あるいは該凝集体を含むスラリーの状態でリン回収材にする製造方法によって製造されたものである。
珪酸ナトリウム水溶液に加える石灰は消石灰および生石灰の何れも用いることができる。石灰は、非晶質珪酸カルシウム水和物を生成する石灰量を上回る量を使用し、未反応の消石灰や生石灰から生じた消石灰を非晶質珪酸カルシウム水和物が取り込むことによって、凝集体内部にCa(OH)2が分散した凝集体が形成される。
なお、Ca(OH)2を含まない非晶質珪酸カルシウム水和物を生成させた後に、この非晶質珪酸カルシウム水和物に石灰の粉末を混合しても、内部に石灰粉末が分散した凝集体にはならず、本発明の凝集体を得ることはできない。反応後に回収した非晶質珪酸カルシウム水和物に石灰粉末を混合したものはリン回収材として使用したときに、本発明のリン回収材より沈降性が劣る。
〔製造方法〕
本発明の製造方法は、珪酸ナトリウム水溶液に、Ca/Si配合モル比が1.5〜10になるように、好ましくは1.5〜5.5になるように、消石灰または生石灰を加え、非加熱下で、非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH) との凝集体を生成させ、該凝集体を固液分離して回収し乾燥してリン回収材にする、あるいは該凝集体を含むスラリーの状態でリン回収材にすることを特徴とする。この製造工程例を図1に示す。
本発明のリン回収材は、原料として珪酸ナトリウム水溶液(Na2SiO3:水ガラス)を用いる。原料の珪酸ナトリウム水溶液は市販品を使用することができる。珪酸ナトリウム水溶液は不純物が少ないので、製造工程において生成した非晶質珪酸カルシウム水和物と消石灰以外の不溶解物が殆ど生じない。従って、非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)2との凝集体を回収するときに、上記以外の不溶解物を分離する工程が不要であり、製造工程が簡単になる。また、生成した非晶質珪酸カルシウム水和物とこれに取り込まれるCa(OH)2以外の不溶解物を殆ど生じないので上記凝集体を含むスラリーのまま使用することができる。
珪酸ナトリウム水溶液に石灰(消石灰または生石灰)を加え、非晶質珪酸カルシウム水和物を生成させる。珪酸ナトリウム水溶液は粘性が高いので、水を加えて水溶液にし、また石灰も水を加えてスラリーにし、両者を混合すればよい。均一に反応するように、混合後に攪拌するのが好ましい。加熱する必要はなく、室温下で、珪酸ナトリウム水溶液と石灰が反応して非晶質珪酸カルシウム水和物が生成する。原料として珪酸ナトリウム水溶液を用いているので、この非晶質珪酸カルシウム水和物の生成工程において不純物となる不溶解物が殆ど生じない。
珪酸ナトリウム水溶液に加える石灰の添加量は、非晶質珪酸カルシウム水和物が生成し、かつスラリー中に未溶解のCa(OH)が残り、非晶質珪酸カルシウム水和物と未反応のCa(OH)を含む凝集体になる量である。具体的には、非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)との凝集体において、実施例1の表1、C-H-S凝集体の欄に示すように、Ca/Siモル比が1.5〜10.1になる量(Ca/Si配合モル比1.5〜10)が適当であり、Ca/Siモル比が1.5〜5.5になる量が好ましく、Ca/Siモル比が2.2〜3.5になる量がより好ましい。
上記凝集体のCa/Siモル比が1.0程度であると、凝集体のリン回収性能が不十分である。また、凝集体のCa/Siモル比が10.1より大きいと、凝集体を用いたときの沈降性が低下する。一方、Ca/Siモル比が1.5〜10.1の凝集体はリン回収性能に優れており、沈降性もよい。また、Ca/Siモル比が1.55.5の凝集体は沈降性がさらに優れている。
上記凝集体には、Ca/Siモル比が1.5においてCa(OH)2が約10wt%含まれており、Ca/Siモル比が5.5においてCa(OH)2が約50wt%含まれており、Ca/Siモル比が10においてCa(OH)2が約62wt%含まれている。凝集体にこれらの量のCa(OH)2が含まれるように、石灰の配合量として、珪酸ナトリウム水溶液との反応によって消費される量よりも多く、反応後に上記含有量に相当する未反応分が残る量を用いる。
非晶質珪酸カルシウム水和物と未反応のCa(OH)2を含むスラリーを固液分離して固形分を回収し、回収物を乾燥することによって、BET比表面積30〜80m2/g、細孔容積0.1〜0.3cm3/gの乾燥凝集体を得ることができる。乾燥は約100℃の温度下に24時間程度曝せばよい。この乾燥凝集体をリン回収材として用いることができる。
また、非晶質珪酸カルシウム水和物と未反応のCa(OH)2を含むスラリーには、この凝集体の他には不溶解物が殆ど含まれていないので、これを固液分離せずに、スラリーの状態でリン回収材として用いることができる。
非加熱下で生成した非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)2とを含む凝集体からなる本発明のリン回収材は、Ca/Siモル比が1.5〜10において、リン含有水溶液に添加したときに、例えば0.5wt%以上の添加量でリン回収率が60%以上であり、リン回収性能に優れている。また、リン含有水溶液に添加したときに、凝集物形成から2分後の沈降部分の高さ(沈降部分とその上側の液との界面の高さ)が、同一沈降条件下において同量の消石灰を用いたときの沈降部分の高さに比較してその1/2以下あり、格段に優れた沈降性を有している。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。なお、非晶質珪酸カルシウム水和物をC-S-Hと云い、回収したCa(OH)2を含むC-S-HをC-S-H凝集体と云う。また、Ca/Si配合比とは、原料として添加する消石灰または生石灰のCa量と、珪酸ナトリウム水溶液のSi量のモル比である。
〔実施例1:C-S-H凝集体の生成〕
表1に示すCa/Si配合比になるような珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)と消石灰に対し、所定量の水道水を半分の量に分け、常温にて珪酸ナトリウム水溶液および消石灰にそれぞれ投入して攪拌した。攪拌後、消石灰スラリーに珪酸ナトリウム水溶液を加え、常温で1時間攪拌して、非晶質珪酸カルシウム水和物(C-S-H)を生成させた。C-S-H生成後、C-S-Hと未反応のCa(OH)2との凝集体を吸引濾過して回収した。回収物(C-S-H凝集体)は105℃に加熱して24時間乾燥した。
乾燥したC-S-H凝集体について、Ca(OH)2含有量を示差熱分析(TG-DTA)によって定量した。Ca/Siモル比(実測比)を規格(JIS R5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」)に準拠して測定した。これらの結果を表1に示した。また、試料No2(Ca/Siモル比1.5)、試料No7(Ca/Siモル比5.5)のC-S-H凝集体の乾燥粉末について、XRDチャートを図2に示す。図2のXRDチャートにはC-S-Hのピークと消石灰のピークが現れており、回収物はC-S-Hと消石灰の凝集体であることがわかる。
Figure 0005864045
〔実施例2:リン吸着試験〕
リン酸水素ニナトリウム水溶液(リン濃度100mg/L)を調製した。この試験液50gに、表1のC-S-H凝集体(No.1〜No.8)を外割りで0.1wt%、0.5wt%、1.0wt%添加して1時間攪拌した。この試験液を濾過して沈澱部分を分離し、濾液中のリン濃度を規格(JIS K 0102「工場排水試験法」)のモリブデン青吸光光度法に従って測定した。この結果(リン回収率)を表2および図3に示した。また、比較試料として消石灰を単独に用いた結果を表2に示した。リン回収率は試験液のリン濃度[A]に対するリン濃度[A]と濾液のリン濃度[B]の差の割合[(A−B)/A×100]である。
表2、図3に示すように、Ca/Siモル比が高いほどリン吸着効果が向上する。具体的には、Ca/Siモル比1.5以上のC-S-H凝集体(試料No.〜8)は、0.5wt%の使用量で、リン回収率が80%以上であり、優れたリン吸着効果を示している。なお、Ca/Siモル比1.0のC-S-H凝集体(試料No.1)は使用量0.1wt%程度ではリン吸着効果が不十分である。
Figure 0005864045
〔実施例3:沈降試験〕
リン酸水素二ナトリウムを用い、リン濃度100mg/Lの水溶液(試験液)を調製した。この試験液100mlに表1の試料(No.1〜No.8)を0.2g(外割りで0.2wt%)投入し、1分間攪拌する。その後、メスシリンダー(容量100ml)に懸濁した状態の試験液を移し、所定時間毎に沈降部分の高さを測定した。また、比較試料として消石灰を単独に用いて同様に沈降部分の高さを測定した。これらの結果を表3および図4に示した。
Ca/Siモル比1.1の試料No.1を用いた場合には、液全体が濁った状態になり、界面の判定ができない。一方、Ca/Siモル比1.5以上の試料No.2〜No.8、および消石灰を用いた場合には、フロックが形成され、沈降部分の界面が判別できる。この沈降部分は時間の経過に従って、次第に沈降する。
表3および図4に示すように、本発明のC-S-H凝集体は2分経過後に沈降部分の高さが急激に減少し、短時間に優れた沈降性を示している。具体的には、消石灰を単独に用いた場合には、2分経過後の沈降部分の高さは15cmであるのに対して、Ca/Siモル比1.5〜3.5のC-S-H凝集体は、2分経過後の沈降部分の高さは1.9cm〜3.5cmであり、短時間に急激に沈降している。なお、Ca/Siモル比5.5以上のC-S-H凝集体も短時間に急激に沈降部分の高さが減少するが、Ca/Siモル比1.5〜3.5の場合よりも沈降部分の高さがやや高く、C-S-H凝集体はCa/Siモル比が小さいほど沈降性に優れる傾向があることを示している。
Ca/Siモル比1.5〜5.5のC-S-H凝集体は2分経過後の沈降部分の高さは6.9cm以下であり、一方、消石灰を単独で用いた場合には2分経過後の沈降部分の高さは15cmであり、従って、本発明のC-S-H凝集体は、同量の消石灰を用いた場合の沈降部分の高さに比較してその1/2以下である。
なお、上記C-S-H凝集体について、Ca/Siモル比1.1の試料No.1は凝集作用が不十分であり液全体が濁った状態になり、またリン回収率も低い。リン回収材としてはCa/Siモル比1.5以上のものが好ましく、かつ沈降性の良いものとしてはCa/Siモル比1.5〜5.5のC-S-H凝集体が好ましい。

Figure 0005864045
〔実施例4〕
表4に示すCa/Si配合比になるような珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)と生石灰(CaO)に対し、所定量の水道水を半分の量に分け、常温にて珪酸ナトリウム水溶液および生石灰にそれぞれ投入して攪拌した。攪拌後、消石灰スラリーに珪酸ナトリウム水溶液を加え、常温で1時間攪拌して、非晶質珪酸カルシウム水和物(C-S-H)を生成させた。C-S-H生成後、C-S-Hと未反応のCa(OH)2との凝集体を吸引濾過して回収した。回収物(C-S-H凝集体)は105℃に加熱して24時間乾燥した。
乾燥したC-S-H凝集体について、Ca(OH)2含有量を示差熱分析(TG-DTA)によって定量した。Ca/Siモル比(実測比)を規格(JIS R5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」)に準拠して測定した。これらの結果を表4に示した。
Figure 0005864045
〔実施例5:リン吸着試験〕
リン酸水素ニナトリウム水溶液(リン濃度100mg/L)を調製した。この試験液50gに、表4のC-S-H凝集体(No.9〜No.12)を外割りで0.1wt%、0.5wt%、1.0wt%添加して1時間攪拌した。この試験液を濾過して沈澱部分を分離し、濾液中のリン濃度を規格(JIS K 0102「工場排水試験法」)のモリブデン青吸光光度法に従って測定した。この結果(リン回収率)を表5に示した。リン回収率は試験液のリン濃度[A]に対するリン濃度[A]と濾液のリン濃度[B]の差の割合[(A−B)/A×100]である。
表5に示すように、Ca/Siモル比が高いほどリン吸着効果が向上する。具体的には、Ca/Siモル比1.5以上のC-S-H凝集体(試料No.10〜12)は、0.5wt%の使用量で、リン回収率が100%であり、優れたリン吸収効果を示している。なお、Ca/Siモル比1.2のC-S-H凝集体(試料No.9)は使用量0.1wt%程度ではリン吸収効果が不十分である。
Figure 0005864045
〔実施例6:沈降試験〕
リン酸水素二ナトリウムを用い、リン濃度100mg/Lの水溶液(試験液)を調製した。この試験液100mlに表4の試料(No.9〜No.12)を0.2g(外割りで0.2wt%)を投入し、1分間攪拌する。その後、メスシリンダー(容量100ml)に懸濁した状態の試験液を移し、所定時間毎に沈降部分の高さを測定した。これらの結果を表6に示した。
Ca/Siモル比1.2の試料No.9を用いた場合には、液全体が濁った状態になり、沈降部分の高さを判定できない。一方、Ca/Siモル比3.4以上の試料No.10〜No.12を用いた場合にはフロックが形成され、沈降部分の高さが判別できる。
試料No.10〜No.12では、2分経過後に沈降部分の高さが急激に減少し、短時間に優れた沈降性を示している。なお、Ca/Siモル比10.2のC-S-H凝集体を用いた場合には、2分経過後の沈降部分の高さが、Ca/Siモル比3.4〜5.6の場合よりもやや高く、Ca/Siモル比が小さいほど沈降性に優れる傾向がある。
Figure 0005864045
図2のCSHは非晶質珪酸カルシウム水和物、図3および図4のCa/Si比はCa/Siモル比。

Claims (2)

  1. 珪酸ナトリウム水溶液に、Ca/Si配合モル比が1.5〜10になるように、消石灰または生石灰を加え、非加熱下で、非晶質珪酸カルシウム水和物とCa(OH)との凝集体を生成させ、該凝集体を固液分離して回収し乾燥してリン回収材にする、あるいは該凝集体を含むスラリーの状態でリン回収材にするリン回収材の製造方法。
  2. 珪酸ナトリウム水溶液に水を加え、消石灰または生石灰に水を加えてスラリーにし、水を加えた珪酸ナトリウム水溶液に上記スラリーを混合して撹拌し、非加熱の室温下で非晶質珪酸カルシウム水和物を生成させ、該非晶質珪酸カルシウム水和物にCa(OH)が取り込まれた凝集体スラリーを形成させる請求項1に記載するリン回収材の製造方法。
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