JP5863641B2 - 濃縮肥満細胞安定化用薬学的調合物 - Google Patents

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Description

本発明は、肥満細胞安定化剤を高濃度で含有し、エアゾールおよび局所施用に有用な液体水性薬学的組成物に関する。本発明はさらにこれらの肥満細胞安定化用組成物を噴霧するための方法に関する。この組成物は、鼻や鼻空洞を含む上部呼吸路および気管支や肺を含む低部呼吸路の如き呼吸路やその部分に影響を与える状態の処置あるいは予防のために特に有用である。他の側面では、この組成物は、眼、耳または皮膚に施用するのに有用である。
喘息は世界における病気や死亡の主な原因であり、世界中で約3億人が罹患していると見積られている。2025年には、さらに1億人が罹患するであろうと見積られている。増加する流行は特に子供に影響する。現在、喘息は250死亡のうち1死亡の死亡原因であり、多くの場合不十分な処置によるものである(www.ginasthma.com)。
喘息の正確な原因は完全には判明していないが、それは空気路の炎症と呼吸機能の低下により特徴づけられることが知られている。喘息では、好酸球およびCD4T−リンパ球を含む多くの炎症細胞がこの病気の発病に寄与していると考えられている。さらに、重要な特徴は空気路壁改変、空気路平滑筋の過形成/肥大、基底膜下への増加したコラーゲン沈着、増加した粘液産生、血管形成および細胞外基質での変質が存在することである(非特許文献1)。さらに、小児の重篤なウイルス性感染が後の人生における空気路過反応および気管支喘息の危険因子であることを示唆する報告が存在する(非特許文献2)。
ジナトリウムクロモグリケート(DSCG)は気管支喘息、アレルギー鼻炎および結膜炎の発作の予防用の安全且つ汎用されている薬剤である。それはグローバル イニシャティブ フォア アズマ(GINA)から出版されたガイドラインの如き喘息処置の現在のガイドラインでは、標準推奨グルココルチコステロイド、長期作用β−アゴニスト、テオフィリンとロイコトリエンの改良剤のための別の治療法として推奨されている。
欧州、米国および日本のガイドラインにおいて、喘息の長期に亘る管理のために推奨されている最初の選択された治療法は、コルチコステロイドの吸入である。これらのガイドラインは、さらに現在用いられている吸入コルチコステロイドは安全であることに注目しているが、ガイドラインは小児期に開始されそして成人期を通して続けられた吸入コルチコステロイドの慢性的使用は、後の人生において骨粗鬆症、白内症あるいは緑内症の如きある種の病気の相対的危険性を増大させる蓄積影響を示すかも知れないことを警告している。これらと他の副作用のために、特に若年小児において、軽い喘息の処置のために吸入コルチコステロイドを用いることは、どんなときにも、正しいとは云えない。これに対し、DSCGは35年以上の臨床使用を包含する安全なプロフィールを有している。軽度ないし中度の喘息を持つ小児における、DSCGと吸入コルチコステロイドの、制御された直接的比較の大部分は、同等の効果を示した。これらの研究の幾つかは、DSCGが患者処置計画に加えられたとき、幾人かの患者について、必要な吸入コルチコステロイド投与量の低減を示した(例えば、非特許文献3)。吸入コルチコステロイドの最大投与量にもかかわらず、うまく喘息を制御できない、さらに重篤な病状の患者については、DSCGはコルチコステロイドの投与量を低下させることを保証して、別の症状の解放のための安全且つ柔軟な選択を提供する。
幾つかの研究を総括すると、DSCGの抗喘息効果は、肥満細胞膜の安定化、好酸球活性化の抑制、T−リンパ球と好酸球の蓄積の抑制、末梢単核細胞によるIL−5の形成の抑制、知覚神経C−繊維の刺激の抑制、接着分子の発現の抑制およびIgE形成の抑制に関連があると云える。これらの発見は試験管内および生体内評価の両方に基づいている。喘息および慢性閉塞性肺病(COPD)の如き肺病の処置において、これらの病気に見られる多くの変化を後退させるために、空気路における炎症応答を低減させることは決定的であると考えられる。
DSCGが頻繁に用いられる他の分野は眼の病気の処置である。この化合物は、アレルギー性眼症状、春の結膜炎、アトピー性角結膜炎および巨大乳頭様結膜炎に用いられたとき有効な効果を持つことが示されている。ここでも、作用機序は肥満細胞の安定化に基づいている。
さらに、幾つかの抗ウイルス効果がDSCGに起因する。例えば非特許文献4はDSCGがインフルエンザウイルスでの感染によって誘発される死からマウスを保護したことを、呼吸路感染のネズミモデルで示した。効果的投与量は喘息の処置で用いられる投与量と同じようなものである。さらに、非特許文献2は、最近、DSCGで処置されたマウスが呼吸性シンシチウムウイルス誘発病に対し保護されそしてウイルス炎症を軽減されたことが示された。しかしながら、抗ウイルスの機序は未だ検討されている段階であり、抗ウイルス効果それ自体も議論の余地があるままである。
DSCGが喘息の別の処置として推奨されているだけであるという事実は2つのメタ分析の結果に主として基づいている(非特許文献5、および非特許文献6)。メタ分析は、入手可能な臨床試験の一般に小さい試料サイズを、小児喘息の処置のためのDSCGにより解消するためになされた。両研究とも、DSCGがプラセボと比較して喘息の小児の維持処置として有益な効果を持つという十分な証拠が存在しないことを結論している。しかしながら、これらの分析における結果の説明について幾つかの関心事が持ち上がった(例えば、非特許文献7)。小児喘息における幾つかの治療ガイドライン中の臨床的有効性評価は、限定された試料サイズと次善の策、未知の吸入装置仕様およびガイドラインのベースとして用いられた2つのDSCGメタ分析からの議論の余地ある結論を持つ初期臨床試験の導入が主な寄与であることによって身動きがとれなくなったと結論することができる。
さらに、このメタ分析は使用された投与システム(計量された投与量吸入器、乾燥粉末吸入器および種々の噴霧システム)の可能性のある影響を考慮していない。しかしながら、比較的大きな表面積のために、比較的重篤な炎症的および構造的変化が喘息患者の末梢肺と肺柔組織に起ること(非特許文献8)および同様のしかしさらに重篤な炎症工程が喘息患者の中心空気路に比較して周縁空気路に存在すること(非特許文献9)が知られている。特に小児において、肺におけるこれらの炎症箇所に到達するために、薬剤粒子の高割合が3.3μmよりも小さくなければならない(非特許文献10)。小さい粒子の割合、従って肺沈積の割合は、呼吸路の湿った環境(最大で99%相対湿度)における粒子の吸湿成長により負の影響を受けることが知られている(非特許文献11)。DSCGは非常に吸湿性物質でありそしてDSCG微粒子フラクションは湿度とDSCG投与量が増すほどに減少することおよびこの減少は微小ミスト噴霧器と比較して計量された投与量吸入器(MDI)および乾燥粉末吸入器(DPI)について非常に大きくなることが、50および95%相対湿度で操作された、次世代インパクター(NGI)に示されている(非特許文献12)。この問題への解答は、DSCGが振動膜噴霧器(例えばPARI Pharma GmbHのeFlow噴霧器)の如き高効率噴霧器を用いて噴霧される特許文献1に存在する。そのような噴霧器を用いての噴霧は肺に沈積される薬が予期しない高い量となる結果を生む。
臨床試験(非特許文献13)は、噴霧されたDSCGは、治療学的に吸入ステロイドと同等に効果的であったことを示している。この試験は6ヶ月間に亘り、アトピー性アレルギー性喘息を患う2組の子供群を比較している。一方の子供群はイソクロム(IsoCrom、20mg/2ml)を1日3回、注文品小滴eFlow電子噴霧器で吸入しそしてもう一方の子供群は空気室を備えた、測量された投与量吸入器で1日に2回ステロイドを吸入した。しかしながら、イソクロム2ml3回の噴霧は何人かの子供が最大で10分間1日に3回吸入しなければならず、それは薬接着を損なうことになるので、やっかいであると評価された。かくして、イソクロムと同じ良好な耐性を備え、比較的短い噴霧時間とより頻繁でない投与とを提供する、より高濃度のDSCG溶液の開発が最も望ましいことであった。
現在、吸入用DSCGは、薬剤の短い半減期のために、1日に4回用いられることが多くの場合求められる。この多回投与は、一般に処置の貧弱なコンプライアンスと減少された効果とを導く。DSCGの投与される投与量は調合タイプに大きく依存する。MDIを用いると、2mg投与量が用いられたが、DPIまたは噴霧器を用いると、投与量は40mgまで増やすことができる。DSCGは速やかに肺から取り除かれることも注目されねばならない。吸入された投与量の75%は2時間後に除去され、98%以上が24時間以内で除去される(非特許文献14)。
一般に、1日当りの処置数を減少させることは有利なことである。それによりDSCGのコンプライアンスと効率が増加する。さらに、上記したように、噴霧されたDSCG溶液は肺の低部域を目標とすることに関しより良好な結果を示す。噴霧器はMDIまたはDPIと同様に子供が使用するには容易であるが、それは噴霧時間が長くなる欠点がある。この点に関し、患者コンプライアンスにとって噴霧時間が可能な限り短いことは重要なことである。
DSCG溶液について見い出された1つの重要な問題は、沈殿に対する感度である。特許文献2は、DSCGとN−アセチル−1−システインの如き粘液破壊剤の合溶液を記載している。そこでは、DSCGの沈殿への感度が比較的高いpH(7〜9)と他の溶質の存在とに関連していた。2価および多価金属イオンの量を最小限に抑え且つキレート化剤を添加することによって安定な溶液が調製された。後者はクロモグリケートアニオンの金属塩の沈殿が起らないことを確実とする。キレート化剤の濃度は存在する金属イオンの濃度に依存する。後者の濃度が0.40ppmより低い場合には、キレート化剤は省略できる。キレート化剤を導入した場合でも、金属イオンの濃度は10ppmより低くすべきである。この溶液はさらに塩化ナトリウム、デキストローズもしくはマンニトール、および緩衝剤の如き慣用賦形剤を含有していてもよい。
特許文献3は、金属イオン濃度が20ppmよりも高くなることができる、クロモリン約0.8〜5%の溶液を記載している。クロモリンの沈殿は、この場合、溶液に添加された、好ましくはクエン酸ナトリウム2水和物である、薬学的に許容されるキレート化もしくは分離剤が約5%(w/n)まで存在するという条件に阻害されている。好ましい溶液は、さらに、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム2水和物および酢酸ナトリウム3水和物を含有する。これらの塩は等張化剤として用いられている。さらに、この文献は、グリセリン、マンニトールまたはソルビトールを等張化剤として使用することを教示している。
特許文献4は、薬学的ガラスに起因する金属イオン、またはバイアルのゴムもしくはプラスチック栓によって、あるいはベンザルコニウムクロライドの如き保存剤の存在によって起こされる、点眼液中のDSCG沈殿は、一般に、EDTAを添加することによって防止される、と述べている。しかしながら、EDTAに対するアレルギーがしばしば存在するので、この文献はDSCGをソルビトール(等張化剤として)とクロルブタノール(保存剤として)を用いて調製した別溶液を提供している。
特許文献5では、塩化ナトリウムを等張化剤として用いると高濃度溶液(2%を超えるDSCG)からDSCGが沈殿することを記載している。非イオン性等張化剤の使用を示唆しているが、砂糖やポリオールの如き普通の非イオン性等張化剤の使用は、それらが微生物の成長媒体と思われているので好ましくない。それ故、請求された溶液はグリセロールで等張化されている。DSCG濃度範囲は3.5〜5%(w/v)である。
特許文献6においては、DSCGの沈殿はベンザルコニウムクロライドと金属イオンの存在に関連している。これを防止する公知の方法は、その発明者によれば、キレート化剤、ソルビタン、キャスターオイルおよび非イオン界面活性剤の使用である。ここに記載された発明は沈殿を防止するために2−アミノエタノールまたはトコフェロールを使用することをベースとしている。この活性化剤の濃度は一般に約1.5〜4重量%である。塩化ナトリウムとグリセリンが等張化剤として記載されている。
特許文献1は、比較的少量のキシリトールまたはトレハロースと共に塩化ナトリウムを含有する調合を含む、吸入用DSCG溶液を記載している。この文献はそのような賦形剤の組合せの理論的説明や効果については全く記載していない。
まとめると、DSCG溶液を記載している先行技術は、金属イオンの存在を低減するか回避することによって、キレート化剤を添加することによって、およびキレート化剤を用いないときには、塩化ナトリウムを非イオン性等張化剤で置き換えることによって、沈殿を回避することを示唆している。
吸入用DSCG溶液についてのさらに重要な要求は、呼吸路中で十分な耐性と非刺激性であることである。特許文献7は、DSCGは眼の中の強い熱い感覚によって表現される、眼刺激を起すことを記載している。これは、呼吸路の粘膜表面の刺激も起りうることを示唆している。それ故、新規DSCG溶液の開発中には可能性のある刺激効果について注意を払うべきである。
本発明者は、先行技術文献で提供された溶液は高濃度DSCG溶液の調合に関する問題に十分に答えるものではないことを見つけた。第1に、非イオン性等張化剤を含有するだけの溶液は塩化ナトリウムが用いられ溶液よりも呼吸路により強い刺激を与えることを明らかにした。他方、2価あるいは多価金属イオンがDSCG溶液に負の効果を持つように思われるだけでなく、塩化ナトリウムの如きアルカリ金属塩で等張化された溶液もエアゾール化することが困難であることが判った。キレート化剤の添加は、この問題に対して限定的な回答をもたらすだけである。それ故、本発明の目的は好ましいエアゾール化性能を備えた改善されたDSCG溶液を提供することである。さらなる目的は明細書の記載と特許請求の範囲を基に明らかになるであろう。
米国特許公開第2007/0193577号 欧州特許公開第0212927号 欧州特許公開第0413583号 欧州特許公開第0274590号 欧州特許公開第0587264号 欧州特許公開第0933084号 国際公開97/15284号パンフレット
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本発明は炎症過程が呼吸器疾患あるいは呼吸器疾患の徴候に関連する、呼吸器疾患の予防または処置のための調合物に関する。本発明は、これらの炎症過程を予防もしくは処置するために用いられる薬学的活性剤の高濃度で、安定であり、十分な耐性を持ち且つ明澄な液体水性薬学的組成物に関するものでもある。
さらに詳しくは、本発明は、肥満細胞安定化用活性剤、好ましくはジナトリウムクロモグリケート(DSCG)2.0〜10.0%(w/v)、および少なくとも1種の非イオン性等張性調節用賦形剤と少なくとも1種のイオン性等張調節用賦形剤の組合せである等張性調節用成分を含有する、殺菌液体水性薬学的組成物を提供する。イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比は少なくとも1:1である。云い換えれば、非イオン性等張性調節用賦形剤のモル濃度はイオン性等張性調節用賦形剤のモル濃度と少なくとも同じに高い。それぞれのモル濃度は好ましくは動的粘度が、約10mPa・sよりも低くなるように選ばれる。
この溶液は、活性剤と最良の賦形剤混合物とが分散された液体相の液滴中に含有されている、エアゾールとして上部および下部呼吸路に投与される。他の側面では、この溶液は、眼、耳および皮膚の状態の予防もしくは処置のためにも用いられる。
本発明は、この薬学的組成物を適用する方法に関するものでもある。この方法は、(a)上に定義されたとおりの液体水性薬学的溶液を準備し、(b)この溶液をエアゾール化し得るエアゾール発生器を準備し、そして(c)該エアゾール発生器を操作して該溶液をエアゾール化することからなる。
この実施態様において、本発明は上記調合の効果的な(すなわち大部分のエアゾールが目標とする場所に到達する)且つ速やかな噴霧化のための、エアゾール発生器および方法を提供する。高濃度、効果的且つ速やかな噴霧化は上部および下部呼吸路に治療学的投与量を届けるために必要とされる吸入時間を短くすることを可能とする。これは、コルチコステロイドに比較してその優れた安全性プロフィールの観点から特に魅力的である、小児におけるDSCGのエアゾール配給のために特に有利である。
等張化されていないか、塩化ナトリウムで等張化されているか、あるいは塩化ナトリウムとマンニトールの混合物で等張化されている、異なる濃度のDSCG溶液の動粘度を示している。
本発明の組成物は、エアゾールとしての投与のために、適切な水性溶液である。
組成物という用語は化合物の混合物のことを云う。組成物と同義語は調合物(formulation)または調製剤(preparation)である。より具体的には、本発明の組成物は、液体担体もしくは溶媒が主としてまたは完全に水からなる液体単相系のことである水性溶液である。特別なケースでは、液体担体は、少なくとも部分的に水混和性である液体の1種またはそれ以上を小割合で含有していてもよい。
本発明の組成物は、好ましくは殺菌組成物である。殺菌という用語は通常の薬学的意味の中にあると理解されるべきである。細菌の数を特定濃度よりも低く低減されているので、細菌が貯蔵中に薬学的組成物中に再生されても、組成物を生物に施用したときそれらが感染を起すことない。殺菌は関連する薬局方に定義されている適当な試験によって検査されているべきである。
幾つかの殺菌法が液体組成物のために有益である。例えばオートクレーブ処理および滅菌濾過である。滅菌濾過は、オートクレーブ処理はバッチ法であるのに対し、これは生産ライン中で実施することができるので特に好ましい。しかしながら、液体組成物の全てが滅菌濾過できるわけではない。例えば、高粘度溶液が滅菌フィルターの細孔を通過できないこともしばしば起る。
活性化合物という用語は、動物特に人間の病気、状態または徴候の診断、予防、管理または処置のために有用な、天然の、生物工学由来の、もしくは合成の化合物または化合物の混合物のことを云う。活性化合物の同義語として用いられる他の用語は、例えば活性成分、活性剤、活性薬学的成分、治療学的化合物、薬品基質、薬品等を包含する。活性化合物という用語は、塩、溶媒化合物(solvates)、異性体、接合体(conjugates)、プロドラッグまたは誘導体の如き、活性化合物の可能な種々の形態も包含する。
本発明の薬学的溶液は肥満細胞安定化剤としてジナトリウムクロモグリケート(DSCG)を含有する。普通に用いられる同義語は、ナトリウムクロモグリケートおよびクロモリンナトリウムである。DSCGは喘息の処置において確立された薬品であり、喘息増悪に導く炎症反応と細胞メディエーターを抑止することによってその作用を発揮する。他の公知の治療学的に好適な肥満細胞安定化剤は、例えばネドクロミル(nedocromil)、ロドキサミド(lodoxamide)およびペミロラスト(pemirolast)である。
さらにDSCGは、インフルエンザおよび呼吸性シンシチウムウイルス誘発病の如きウイルス感染の処置においてもプラス効果がある。これらの抗炎症性および抗感染性効果の故に、本発明の調合は、例えば慢性閉塞性肺病(COPD)の如き、炎症性および/または感染性過程が関与する、喘息以外の呼吸路病状の予防または処置のためにも適切である。
その種の上部および下部呼吸路病状の例は、急性および慢性静脈洞炎、別の原因による鼻炎および鼻静脈洞炎、アレルギー性鼻炎、鼻ポリープ、鼻フルンケル、鼻出血、耳の炎症の如き耳病に関連する鼻および鼻洞状態の如き低部呼吸路病に関連した鼻および鼻洞状態、アレルギー、中咽頭感染、咽頭気管支炎、気管支炎、拡散性細気管支炎および閉塞性細気管支炎の如き細気管支炎、気管支拡張、歯槽炎、院外感染性肺炎、院内感染性肺炎、人工呼吸器関連肺炎、ヘルスケア関連肺炎、吸引性肺炎、脂肪肺炎、好酸性肺炎、化学性肺炎、異型肺炎および重篤急性呼吸系病の如き肺炎、バクテリア、ウイルス、カビおよび原生動物の呼吸路感染の如き急性増悪の併発もしくは非併発の肺感染、肺気腫、サルコイドーシス、結核、非結核性マイコバクテリア肺病、のう胞性線維症および特発性肺線維症を含む実質性および/または線維症性病気または疾患、肺動脈高血圧症、間質性肺病、百日咳および肺、幹細胞あるいは骨髄移植後の移植拒絶である。
さらに、このDSCG組成物は、例えばアレルギー性眼状態、春の結膜炎、アトピー性角結膜炎および巨大乳頭様結膜炎の如き炎症性および/または感染性過程が関与する、眼、耳または皮膚状態の処置のために用いることもできる。このような実施態様において、溶液はエアゾールとして適用してもよくあるいは眼、鼻あるいは耳の中にまたは皮膚上に投与するための滴下器またはスプレーポンプを備えたガラスもしくはプラスチップ瓶中に充填されていてもよい。
さらに、請求された調合は、肥満細胞安定化効果に基づいて、肺腫瘍および転移の吸入(保持的)処置のために使用することもできる。何人かの著者は肥満細胞は発育中の腫瘍内の血管形成および腫瘍拡散と転移において重要な役割を演じていることを示唆していた。これは、健全な組織と悪性組織との間の境界に蓄積される肥満細胞によって放出されるメディエーターに関係している。それ故、肥満細胞安定化剤によるこれらのメディエーターの放出の防止は腫瘍退行をもたらす。
本発明の液体組成物中およびそれから作られたエアゾールの分散相中のDSCGの濃度は高いのが好ましい。高い濃度は、目標とする場所に治療学的濃度の容易な到達、目標とする場所へ治療学的濃度を到達させるために吸入される必要のある容積の減少およびそれ故噴霧時間の減少、比較的長い作用期間ならびに従って適用頻度の減少の如き、吸入調合物に幾つかの利点を有する。後者は眼に調合物を適用するとき高濃度の調合物を用いるための主な理由でもある。
好ましくは、活性化合物すなわちDSCGの濃度は、26.5(w/v)の範囲にあり、好ましくは4.0〜6.5%(w/v)の範囲にある。例えば、約4.0、5.0、5.5、6.0、6.5%(w/v)の如くである。特に好ましい濃度は約6.0%(w/v)である。
十分な耐性を示すために、呼吸路または眼に適用するための薬学的組成物は、生理学的等張性またはモル浸透圧濃度を可能な限り有していなければならない。受容し得るモル浸透圧濃度を達成するために、等張性調節性成分が本発明の組成物中に導入される。ここで用いられているとおり、等張性調節性成分は、浸透圧的に活性であり且つ液体薬学的調合物のモル浸透圧濃度または等張性を調節する目的のために普通実際に用いられている薬学的賦形剤の1種またはそれ以上として理解される。これに対し、この用語は、それらが浸透圧的に活性であっても、異なる目的のために主として用いられる賦形剤を包含することは理解されない。例えば、クエン酸は薬学的溶液のモル浸透圧濃度に寄与するが、それは通常、この効果を得る目的で導入されるものではなく、pH改良剤として用いられるものである。
組成物中における等張性調節性成分の量は、約290mOsm/kgに近いモル浸透圧濃度すなわち生理学的液体のモル浸透圧濃度を与えるように選択されるべきである。場合により、モル浸透圧濃度は290mOsm/kgよりも高くてもよい。高張性または高浸透圧性の溶液は、ある種の呼吸状態において付加的利点を有すことが見い出されたからである。高張性溶液の主たる利点は望ましくない粘液産生を伴う病気における増加した粘液クリアランスと関連している。それ故、本発明の液体組成物のモル浸透圧濃度は、好ましくは200mOsm/kg〜1500mOsm/kgの範囲にある。さらに好ましくは200mOsm/kg〜1200mOsm/kgの範囲にあるモル浸透圧濃度であり、さらにもっと好ましくは250mOsm/kg〜350mOsm/kgの範囲にあるモル浸透圧濃度である。
本発明によれば、適切なモル浸透圧濃度は、少なくとも1種の非イオン性等張性調節用賦形剤と少なくとも1種のイオン性等張性調節用賦形剤とを含有する等張性調節用成分を導入することによって達成される。さらに、非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比は少なくとも1:1である。モル比はモル量(すなわちモル数)またはモル濃度に換算して定義される。質量比と混同されるべきではない。一方、非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤の質量比は1:1より低いこともあるが、モル比は少なくとも1:1でなければならない。
本発明者は、最も普通に用いられる等張性調節用賦形剤、塩化ナトリウムの使用はDSCGを組合せると問題があることを見い出した。特に、高DSCG濃度が望ましいとき、塩化ナトリウムは粘度の強い増加を来す。この粘度増加は調合物の滅菌濾過中および噴霧中に問題を起す。さらに、本発明者は、高い粘度は高濃度溶液からDSCGが沈殿する危険性が増大される可能性と関連するファクターであると信じている。
しかしながら、塩化ナトリウムの代わりに糖アルコールの如き別々の等張性調節用賦形剤を用いたときには、本発明者は得られる溶液は、エアロゾール化形態で投与したとき、粘膜表面の刺激と咳誘発を一層生み出したことを見つけた。
驚くべきことに、本発明者はこれらの刺激は、少なくとも1種のイオン性等張性調節用賦形剤例えば塩化ナトリウムと少なくとも1種の非イオン性等張性調節用賦形剤例えばマンニトールとの組合せを用いてDSCG溶液を調合することによって避けることができることを見い出した。また、あるDSCG濃度での粘度増加はそれぞれ塩化ナトリウムあるいは非イオン性等張性調節用賦形剤のいずれかで等張化された高濃度DSCG溶液の粘度同士の間の内挿から予測されるよりも賦形剤の後者の組合せについて遥かに小さいことも驚くべきことである。
この予期されなかった有益な性質は非イオン性等張性調節用賦形剤のモル濃度がイオン性等張性調節用賦形剤のそれと比較して比較的高いときのみに存在するように見える。より具体的には、非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比(以後、“比”と略記することがある)が少なくとも約1:1である。さらなる実施態様では、この比は、約3:1のように、少なくとも約2:1である。非イオン性等張性調節用賦形剤が1種より多くおよび/またはイオン性等張性調節用賦形剤が1種より多く用いられる場合には、この比は、複数の非イオン性等張性調節用賦形剤のモル濃度の合計対複数のイオン性等張性調節用賦形剤のモル濃度の合計を表わしている。
非イオン性等張性調節用賦形剤は、例えば、炭水化物類の群から選ぶことができる。等張化のために使用できる炭水化物の例は、グルコース、ラクトース、スクロースおよびトレハロースの如き糖およびマンニトール、キシリトール、ソルビトールおよびイソマルトールの如き糖アルコールである。特に好ましい等張性調節用剤は糖アルコールであり、さらに特定するとマンニトールおよびキシリトールである。しかしながら、本発明の特別な実施態様では、非イオン性等張性調節用賦形剤はサイロデキストリンではない。
イオン性等張性調節用賦形剤は、例えばナトリウム塩およびカリウム塩の如き、アルカリ金属塩から選択することができる。そのような塩の例は、塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウムおよび塩化カリウムである。イオン性等張性調節剤を単一でまたは混合物で用いることができる。これらの塩は、添加されても、あるいは塩生成法によりその場で(in situ)形成されてもよい。
好ましい実施態様の1つにおいて、イオン性等張性調節用賦形剤の1種または複数種の濃度は、特に塩化ナトリウムが用いられる場合、約0.1モル/lよりも低くまたはさらに0.09モル/lよりも低く保たれる。例えば約0.01〜約0.1モル/lの範囲に、または約0.03〜約0.05モル/lの範囲に保たれる。1つの好ましい実施態様において、1種または複数の非イオン性等張性調節用賦形剤は、少なくとも約0.1モル/l、特に約0.1〜約0.2モル/lの範囲の濃度で導入される。溶液中の実際に選ばれた賦形剤とDSCGの濃度により、しかしながら、他の濃度も同様に可能性がある。
上記したとおり、吸入用液体組成物の動粘度は、あまりにも高い粘度は滅菌濾過中および調合物の噴霧中に問題を起すので、重要である。滅菌濾過に関して、高粘度はフィルターの孔を液体が通過するのを困難とする。噴霧に関しては、粘度はエアゾールの粒径分布と噴霧効率とに対し明らかな影響を持つことが明らかとなった。さらに、高粘度は高濃度溶液からDSCGが沈殿する危険性を増すことと関係している。それ故、粘度は好ましくは約10mPa・s未満であるべきである。好ましくは、粘度は約8mPa・sを超えないように調節すべきである。さらなる実施態様によれば、粘度は約2〜約6mPa・sの範囲で選ばれる。動粘度は室温で測定されたものと理解されるべきである。
本発明によって、そのような粘度は、4〜10%(w/v)の如き、比較的高いDSCG濃度においても、塩化ナトリウムの存在下でさえも、達成される。選ばれたDSCG濃度によって、非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤の正確なモル比は、粘度が所望の範囲、すなわちそれぞれ約10mPa・sより低く、または8mPa・sより高くなく、または約2〜約6mPa・sであるように選択される。他方、等張性調節用賦形剤の全量または全濃度は、上記したとおり、溶液の所望のモル浸透圧濃度を達成するように選ばれる。
高粘度は、眼に適用する調合物に負の影響も有している。また、これらの調合物は、滅菌濾過により最も経済的に得られる、滅菌されていることを必要とする。さらに、粘度が比較的高いときにDSCGの沈殿する危険性が増加することが予測され、それは眼に適用する調合物についても同様である。高濃度であることが眼に滞留する時間が一般に短くなるので好ましいような、眼の炎症状態にDSCGが適用されることがよくあるので、本発明の調合物は、それらがエアゾール化されず、眼に滴下されるものであるが、眼の状態の処置または予防とも関係がある。
等張性調節用賦形剤の次に、薬学的組成物は、抗酸化剤、界面活性剤、放出保持もしくは延長された局所滞留用賦形剤、pHの調節または緩衝用賦形剤、味覚隠蔽剤、甘味剤およびフレーバーの如き、さらなる賦形剤を含有することができる。これらの賦形剤は、最良のpH、粘度、表面張力および味を得るために用いられ、調合物安定性、エアロゾル化および/または吸入による調合物の耐性を与える。
抗酸化剤は、ストレスのある組織や細胞中で活性剤が酸化されることおよび/または酸化損傷されることを予防または阻止する天然あるいは合成物質である。これらは、それ自体が酸化され得る(すなわち一次抗酸化剤)かあるいは還元剤(すなわち還元用抗酸化剤)として作用する一次補助剤(primarily adjuvants)である。例えばトコフェロールアセテート、リコペン(lycopene)、還元グルタチオン、カタラーゼおよび過酸化物ディスムターゼのようなものである。酸化反応を予防するのに用いられる他の補助剤は、酸化過程で直接作用はしないが、酸化反応を触媒することが知られている金属イオンの錯化を経て間接的に作用する、相剰的抗酸化剤である。しばしば用いられる相剰的抗酸化剤はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその誘導体である。さらに有用な抗酸化剤(一次還元性および/または相剰的抗酸化作用機序)はアスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸のエステル類、フマール酸とその塩、リンゴ酸とその塩、クエン酸とその塩、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ナトリウムメタバイサルファイトの如きサルファイトならびにマルトールである。
グルコン酸ナトリウムやピルビン酸ナトリウムの如き、特定の酸のナトリウム塩はイオン性等張性調節用剤と抗酸化剤の両方として用いることができるので、興味ある剤である。グルコン酸のマグネシウム塩、とりわけマグネシウム塩は、ストレスのある組織や細胞に抗酸化効果を有する。後者の効果の大きさは、マグネシウムのグルコン酸塩が例えば硫酸マグネシウムや塩化マグネシウムよりもさらに効力があることが判っている、アニオンのタイプに依存していると思われる。それ故、ナトリウムグルコン酸塩も炎症の処置で特に利点がある、ストレスのある組織や細胞へのある種の抗酸化効果を有することが推察される。同様に、ピルビン酸ナトリウムが生体内抗酸化効果を持つ事が記載されている。
好ましくは、調合物のpH値は、弱酸性ないし中性域にある。すなわち、溶液は好ましくは約4〜約7の間の範囲のpH値を有する。約5〜約7のpHは特に好ましい。
この組成物は、溶液のpH値を調節および/または緩衝するための賦形剤を1種またはそれ以上含むことができる。pH値を調節および、場合により、緩衝するために、生理学的に許容される酸、塩基、塩およびそれらの組合せを用いてもよい。pH値を低下させるためあるいは緩衝系の酸成分として適用するために、しばしば用いられる賦形剤は、強い鉱酸である。特に硫酸および塩酸である。しかしながら、さらに好ましくは、中強度の無機酸および有機酸、ならびに酸性塩、例えばリン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマール酸、メチオニン、酸性リン酸水素ナトリウムまたはカリウム塩、乳酸およびグルコン酸が用いられる。pHを上げるための、あるいは緩衝系における塩基性成分として好適な賦形剤は、特に、水酸化ナトリウム、または他のアルカリおよびアルカリ土類水酸化物および酸化物例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムの如き鉱塩基、水酸化アンモニウム、酢酸アンモニウムの如き塩基性アンモニウム塩、ならびにリジンの如き塩基性アミノ酸、炭酸ナトリウムまたはマグネシウムの如き炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムの如きクエン酸塩である。
この組成物は、2成分からなる緩衝系を含有することもできる。最も好ましい緩衝系の1つは、クエン酸とクエン酸ナトリウムを含有する。それでも、他の緩衝系も同様に用いられる。
さらに、液体組成物の表面張力は、請求された溶液の好適な噴霧化のために重要である。表面張力は約25と80mN/mの間、さらに好ましくは30〜75mN/mの間の範囲にあるべきである。この範囲の低い部分の表面張力を持つ調合物は、呼吸路の粘膜上にその調製物の良好な広がり性を示すことが期待されるが、これらの低い表面張力は一般にエアゾールの品質の低下と噴霧効率の低下を来す。さらに、この表面張力は、その最初の包装から調合物がうまく空になるように調節される必要もある。
界面活性剤は、上記した理由のために表面張力を調節するために、またさらに安定化、味覚隠蔽および/または放出保持のために、含有せしめられる。この点に関し、界面活性剤は、少なくとも1つの比較的親水性分子域と少なくとも1つの比較的親油性分子域とを持つ表面活性物質として定義される。界面活性剤は、洗浄剤、張力剤(tensides)、乳化剤あるいは湿潤剤とも云われる。これらの物質は親水性と親油性の相境界面に集まり、表面張力を低減させる。表面活性物質はイオン性または非イオン性であり得る。好ましくは、実質的に中性pH(例えば4と7の間のpH)の水性媒体中で実際のイオン電荷を持たず、しかしながら、せいぜい部分的電荷を持つ界面活性剤である非イオン性界面活性剤が用いられる。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、良好な生理学的適合性を有し且つ経口もしくは経鼻吸入に対し安全であると考えられている非イオン性界面活性剤である。好ましい非イオン性界面活性剤は、例えば、チロキサポール(tyloxapol)、ポリソルベート80の如きポリソルベート、ビタミンE TPGSおよびマクロゴール−15−ヒドロキシステアレートの如きマクロゴールヒドロキシステアレートである。非イオン性界面活性剤成分は、ポリソルベート80とビタミンE TPGSの組合せの如く、2種またはそれ以上の界面活性剤の混合物を含有することもできる。
経口または経鼻吸入のための溶液中の界面活性剤の総含有量は、粘膜刺激を避けるために約5%(w/v)を最大として制限されるべきである。特に好ましい濃度は約0.01〜約2.0%(w/v)の間であり、そして約0.02〜約1%(w/v)の間である。
吸入用調合物に有用なさらなる賦形剤は味覚隠蔽剤である。吸入用調合物の悪味は極めて不愉快でいらいらする。悪味感覚は、経口吸入で口腔および咽頭域中にエアロゾル滴が直接沈着すること、経鼻吸入で鼻から口へ薬品が移動すること、および呼吸系における粘膜毛様体間隙に関して呼吸路から口へ薬品が移動すること、から生じる。ここで用いられているように、味覚隠蔽剤は改善がもたらされる機序の如何にかかわらず、水性系の味を改善し得る薬学的に許容される化合物または化合物の混合物である。例えば、味覚隠蔽剤は、貧弱な味を被覆して、すなわち知覚されるその強度を低下させるか、あるいは他の典型的にもっと心地よいフレーバーを組成物に加えることによって味を修正し、それによって全器官感覚受容性の印象を改善する。他の味覚隠蔽機序は組成物の薬品と他の化合物との間の錯化、包埋、埋入またはその他の相互作用である。
味覚隠蔽剤は、例えばサッカリン、アスパルテーム、サイクラメート、サクラローズ(sucralose)、アセサルフェーム(acesulfame)、ネオタメ(neotame)、タウマチン(thaumatin)およびネオヘスペリジン(neohesperidine)、それらの塩または溶媒化合物例えばサッカリンのナトリウム塩やアセサルフェームのカリウム塩、の如き薬学的に許容される甘味料よりなる群から選ぶことができる。さらに、スクロース、トレハロース、フラクトースおよびラクトースの如き糖、あるいはキシリトール、マンニトールおよびイソマルトの如き糖アルコールを用いることもできる。さらに有用な味覚隠蔽剤は、薬学的に許容される界面活性剤、アルカリもしくはアルカリ土類金属塩、クエン酸や乳酸の如き有機酸およびアルギニンの如きアミノ酸を包含する。同様に、エッセンシャルオイルの成分(メントール、チモールおよびシネオールの如き)の如き芳香フレーバーも請求された調合物の味と耐性を改善するために用いられる。
サッカリンナトリウムあるいはアスパルテームの如き甘味剤の好ましい濃度は、約0.01〜約3%(w/v)、特に約0.025〜約1%(w/v)の範囲にあり、そこでイオン性甘味剤の濃度は調合物中に包まれるイオン性物質の濃度に依存する。この点に関し、高い濃度の溶液中のイオン性物質のモル濃度は、調合物の粘度があまり高くなりすぎないようにするために、非イオン性等張性調節剤のモル濃度よりも低く保持されるべきであるということが本発明者により見い出された。他の味覚隠蔽剤の好ましい濃度は、上記したとおり、それらの味覚強度と、調合物のモル浸透圧濃度へのそれらの寄与度に依存する。
等張性調節用成分が、塩化ナトリウムの如き塩と糖もしくは糖アルコールの組合せであるとき、中庸且つ十分に受け入れられる味が、本発明のこの特別な実施態様のさらなる利点を提供して、達成される。この場合、さらなる味覚隠蔽剤または味覚改善賦形剤の導入は不必要と思われる。
本発明のさらなる側面によれば、ここに記載された薬学的溶液は薬剤として用いられる。それらの特別な有用性は、就中、活性化合物の高濃度のために、それらが比較的大きい投与量で便利に投与できるという事実に基づいている。例えば、噴霧されたエアロゾール形態で投与されるとき、高濃度は短い噴霧時間を可能とする。
特に、本発明の組成物は、喘息および慢性閉塞性肺病(COPD)の如き、喘息や炎症および/または感染が関与する呼吸病態の処置のための薬剤として有用である。活性成分の高濃度のために、組成物は、活性化合物としてDSCGを用いるエアゾール治療におけるように、投与間隔を減少させるために有用である。この場合、投与間隔は、1日当り1回または2回の投与計画に減らすことができる。
上記したとおり、本発明により提供される組成物は、好ましい実施態様では、エアロゾールとして投与される。エアロゾールは、連続ガス相と、その中に分散された液体および/または固体粒子の不連続なまたは分散された相を有する系として、ここでは定義される。分散された液体相と連続ガス相を有するエアゾールは、しばしば“液体エアゾール”または恐らくさらに適切には“エアゾール化された液体”と云われる。
本発明において、分散された相は、好ましくは約1.5〜約6μmのマスメティアン空気力学径を持つ、液滴から実質的になる。分散された相の液滴は、液体環境中で肥満細胞安定化用活性剤を含有する。この液体環境は、主として上記した如きさらなる賦形剤を含有するかあるいは含有していない、水性相である。好ましくは、この液相は溶液である。ここで上記した如き、液体組成物に関する特徴や好適態様は、それからも作られたエアロゾールの分散された相にも適用され、その逆もまたしかりであると理解されるべきである。
エアゾールの連続ガス相は薬学的に許容されるガスまたはガスの混合物から選ばれる。例えば、ガスは、単にエアゾール発生器としての噴霧器を用いる吸入治療に最も普通に用いられる、空気または圧縮空気であってよい。また、酸素、二酸化炭素または窒素と酸素の混合物で富化された空気の如き、他のガスまたはガス混合物も用いられる。本発明のために最も好ましいのは、連続ガス相として空気を用いることである。
本発明の組成物から調製されるエアゾールの分散された相は、好ましくは約1〜約6μm、さらに好ましくは約2〜約4.5μmまたは約1.5〜約4μmのマスメディアン空気力学径(MMAD)を示す。MMADは、液体エアゾールのためのカスケード インパクション法(cascade impaction methods)を用いて測定されそしてエアゾール化された薬物質量の50%が含有される直径よりも小さい直径を記載している。換言すれば、薬物質量の50%がMMADよりも小さい直径を持つ液滴中に含有される。
エアゾールの分散された相を記載している他のパラメーターは、エアゾール化された液体粒子または液滴の粒径分布である。幾何標準偏差(GSD)は、生成されたエアゾール粒子もしくは液滴の粒子もしくは液滴のサイズ分布の広さ用のしばしば用いられる尺度である。
上記範囲内の正確なMMADの選択はエアゾールの沈着のための目標となる場所や組織を考慮すべきである。例えば、最適な液滴直径は、経口もしくは経鼻吸入が望まれているかどうか、および中咽頭の、気管支の、肺の、鼻のおよび/または副鼻腔洞の配給が焦点とされているかどうか、により異なる。さらに患者の年齢やその呼吸パターンは肺の薬物配給のための最良の粒径を決定する重要な因子に属する。
もし、エアゾールが、例えばスプレーポンプにより、中咽頭もしくは鼻腔の病気や病状を予防または処置することを意図するのであれば、MMADは約9μmよりも大きくすべきである。上部空気路の処置のためには、特に鼻空洞粘膜、中鼻道自然口ルート(osteomeatal complex)および副鼻腔洞の処置のためには、2〜4μmの範囲にあるMMADが特に好適である。しかしながら、鼻や副鼻の容積と形ならびにエアゾールが副鼻に到達する開口の直径は個々人の間で実質的に異なることが知られている。それ故、個人の副鼻解剖学あるいはエアゾールで処置されるべき人の副鼻解剖学から導かれる生理学的パラメーターが少なくとも一部知られている場合には、最良の鼻腔もしくは鼻腔洞配給のための特別なMMADを選択することが可能となる。幾つかの実施態様において、本発明により調製されたエアゾールは、約2.5〜約4.5μmのMMADを有し、他のエアゾールは約3〜約4μmまたは約2.0〜約3.5μmのMMADを有している。さらなる実施態様では、MMADは約2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μmまたは4.0μmである。
他方、もしエアゾールが肺配給を意図する場合には、5.0μmよりも小さいMMADを有するのが好ましい。好ましくは、MMADは約2.0〜約4.5μmの範囲にありそしてGSDは約1.2〜約2.2、好ましくは約1.2〜約1.8、さらに好ましくは約1.4〜約1.6の範囲にある。このような粒径および粒径分布パラメーターは、エアゾール化された薬物の量に対し、気管支および細気管支を含めて、肺における高い局所薬物濃度を達成するために特に有益である。この点に関し、深部肺沈積は中心空気路における沈積よりも小さなMMADを必要とすることおよび赤児や若小子供の場合には、約1.5〜約3μmの範囲の比較的小さな液滴径が一層好ましいことが考慮されねばならない。
成人と子供の呼吸路が異なる大きさであるために、本発明は、それぞれ、5μmより小さなおよび3.3μmより小さな液滴が高割合であるエアゾールを提供する。子供においてより小さな液滴の必要性は、現に出廻っている噴霧器およびpMDI/スペーサーによる肺沈着は成人において普通投与量の約8%〜約45%の範囲であるのに対し、同じ噴霧器により作られたエアゾールの若小子供における肺沈着は普通投与量の約0.67〜約5.4%の範囲に示されている、という事実によって裏付けられている。それ故、約1.5〜約3μmのMMADにより特徴づけられる大きさ範囲の比較的小さな液滴の投与は、3才より小さな子供には一層好ましい。なぜなら、他方では投与のための普通の投与量を低下させることを要求することとなる、肺へのより大きい沈着が得られるからである。
DSCGの優れた安全性プロフィールは成長遅延の如き副反応を一緒に有する吸入コルチコステロイドに代るものとして、子供の喘息制御治療薬として非常に興味深いものとする。しかしながら、小児喘息にDSCGの使用は、目標とする場所に現在の噴霧器では到達できないこと、すなわち子供の細い低部空気路と恐らく関連して、急激に減退している。子供の低部空気路に到達するための最初の問題はエアゾールのあまりに大きな液滴サイズである。第2に、小さな子供は顔マスクを用いて処置される必要がしばしばである。小さな子供は、主に鼻から息をするので、そして鼻は良好な液滴/粒子フィルターであるので、肺沈着はエアゾールを経口吸入で行ったときよりもかなり小さくなる。さらに、子供の呼吸息パターンは一息容積と呼吸速さについて成人のそれと異なっている。これは多くの市販噴霧器コンプレッサー仕様の誘導流で維持するにはあまりにも小さすぎて、多くのエアゾールの損失を招く。これらのファクターは全て作用域に活性物質が到達する投与量の減少を招き、そのために活性化合物の薬理学的効果の減少を来すことになる。しかしながら、エアゾール粒径パラメーターと配給パラメーターを最適化することによって、薬の配給量と効果は改善され、それにより薬の効率が増大する。好ましくは、エアゾールは、子供に施用するとき3.3μmよりも小さい液滴中に、普通投与量の少なくとも約30%を含有する。
エアゾールは慣用のエアゾール生成器を用いて作られる。ここで用いられているとおり、エアゾール生成器は、エアゾールを発生させそして放出し得る装置または装置の組合せである。本発明によれば、装置は液体物質を分散液相にエアゾール化することができる。典型的には、そのような装置は噴霧器として言及される。装置のタイプとモデルに応じて、本発明のエアゾール発生器はコンプレッサーを必要とするかあるいは持っている。換言すれば、エアゾール発生器という用語は、エアゾールを製造し且つ放出し;そしてそのエアゾールを動物や人間の患者に投与するのに必要とされる完璧な装置またはアセンブリーのために用いられる。好ましくは、噴霧器は、ジェット、超音波、ピエゾ電気、ジェット衝突、電気流体力学、キャピラリーカ、有孔膜または有孔振動膜の噴霧器から選ばれる。子供では噴霧器は顔マスクと一緒に用いられることが多い。よちよち歩きや赤子の子供の一息容積は、顔マスクの滞留容積が吸入中の酸素不足を回避するためにできるだけ小さいこと、を要求する。それ故、3才よりも小さい子供への薬物配給は、十分な酸素供給、非刺激性薬物調合物の小さな液滴と無駄のない薬物投与を確保する、小さな滞留容積の、柔軟な、非刺激性の顔マスクの如き多くの手段によって最適化されねばならない。
上部呼吸路にエアゾールを施用するための好ましいエアゾール発生器は、eFlowについて知られている、有孔振動膜原理を経てエアゾールを発生させ、振動しているエアゾールを放出することもできる噴霧器である。このタイプの噴霧器は、鼻の中にエアゾール流を向けるための鼻ピースを備えている。DSCGをより低い濃度とするために、パリ シナス(PARI SINUS(登録商標))コンプレッサーとジェット噴霧器の組合せを用いることができる。そのような改良された電子もしくはジェット噴霧器によって作られたエアゾールは、エアゾールが連続仕様で作られるときよりも遥かに良好に鼻腔または副鼻腔に到達することができる。振動する圧力波は鼻腔の一層激しい喚気を達成し、付随して施用されるエアゾールはこれらの腔洞内に、一層良好に分散される。そのような電子噴霧装置の例は、WO2009/027095に開示されている。
もし、意図する使用が、気管支または深部肺の如き低部空気路の冒された(もしくは冒された可能性のある)場所に対する活性剤の配給であるならば、ピエゾ電気の、電気流体力学の、または有孔膜型の噴霧器がエアゾールを生成するために選ばれることが特に好ましい。適当な噴霧器は、ミスティック(Mystic(登録商標))、アイ−ネブ(I−Neb(登録商標))、ミクロエア(MicroAir(登録商標))、マルチソニック(Multisonic(登録商標))、レスピメート(Respimate(登録商標))、イーフロー(eFlow(登録商標))、エアロネブ(AeroNeb(登録商標))、エアロネブプロ(AeroNeb Pro(登録商標))、およびエアロドーズ(AeroDose(登録商標))の装置群を包含する。低部呼吸路に薬物を届けるために特に好ましい噴霧器はeFlow電子振動膜噴霧器である。
他の特に好ましい噴霧器概念は、DE102005038619に記載されている研究eFlow閉鎖系である。このシステムは、薬物溶液を含有するアンプルが噴霧器受器の封止キャップ中に挿入される、適切な振動膜噴霧器である。DE102007056462.9に記載されているように、このアンプルは、噴霧器キャップが噴霧器中に導入された開放系によって閉じられるとき開くだけである。これは、薬物溶液を噴霧器受器中に直ちに流れることを可能とし、それによって減少されたエアゾール損失と共に一層再現性のある且つ正確な投与に導く。
本発明者は、新規なDSCG調合物は、eFlowおよび研究eFlow閉鎖系の如き、振動膜型噴霧器を経て再現性良く噴霧化されること、これに対し、これは約50%の相対湿度と15l/minの一定流でジェット噴霧器ではできなかったこと、を見い出した。この効果は、噴霧器受器から水が蒸発して液体中のDSCGの濃度が増加すること、場合により溶液の粘度が高くなること、と最も関連していると思われた。このような効果は、本発明の調合物を蒸発から保護するeFlow型噴霧器を用いるときには観測されない。さらに好ましい態様によれば、噴霧器は少なくとも40%の仕込み調合物および相当する投与量がエアゾールとしてマウスピースからまたは顔マスクから配給されるように設計される。さらに好ましくは、噴霧器に充填された液体組成物中の少なくとも50%投与量がエアゾールとしてその装置から実際に放出される。それは電子振動有孔膜噴霧器によって最も良く達成される。他の実施態様によれば、放出されたエアゾールの少なくとも約50%は5μm未満の直径の液滴を含有する。
肺または鼻腔への配給のために適していようといるまいと、好ましくは、噴霧器が好ましい取出し速度で単位投与量をエアゾール化し得るように選ばれるかあるいは適しているべきである。ここでは、単位投与量は、1回の投与中に投与されるように設計された活性化合物の有効量を含有する液体組成物の容積として定義される。好ましくは、噴霧器は少なくとも約0.1ml/minの速度で、あるいは組成物の相対密度が通常約1であると仮定すると、少なくとも約100mg/minの速度で、そのような単位投与量を配給することができる。さらに好ましくは、噴霧器は、それぞれ、少なくとも約0.15ml/minまたは150mg/minの取出し速度を出すことができる。さらなる実施態様において、噴霧器の取出し速度は、約2〜約4μmの範囲のMMADのエアゾールを配給する、少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1ml/minである。
さらに、噴霧器の取出し速度は液体組成物の短い噴霧時間を達成するために選ばれるべきである。明らかに、噴霧時間はエアゾール化されるべき組成物の容積と取出し速度によって変化する。好ましくは、噴霧器は活性化合物の有効投与量を含有する液体組成物の容積を、約20分を超えないで、エアゾール化するように選ばれあるいは適合せしめられるべきである。さらに好ましくは、単位投与量の噴霧時間は約10分を超えない。さらに好ましい実施態様では、噴霧器は約6分を越えない、さらに好ましくは約3分を超えない単位投与量当りの噴霧時間を可能とするように選ばれあるいは適合せしめられる。約0.5〜約3分の範囲にある噴霧時間が現在最も好ましい。
調合物の容積は短い噴霧時間を可能とするために小さいことが好ましい。投与量の容積、あるいは投与量単位容積、あるいは単位投与量容積とも云われる容積は、1回の単一投与のために用いられることが意図される容積として理解されるべきである。具体的には、容積は約0.3〜約3.5ml、好ましくは約0.4〜約3.5mlの範囲にあることができる。滞留容積が望ましいかあるいは役立つ場合には、滞留容積は1ml未満、より好ましくは0.5ml未満、最も好ましくは0.2ml未満であるべきである。有効な噴霧化容積は、それ故、好ましくは約0.1〜約2.5mlまたは約0.25〜約2.5mlの範囲にあり、さらに好ましくは約0.2〜約1.5mlまたは約0.5〜約1.5mlの範囲にある。
特別な実施態様において、本発明で提供される溶液は、ジナトリウムクロモグリケートを含有する水性薬学的溶液からエアゾールの発生のための有孔膜型噴霧器によって投与される。その際、下記特徴も同様に存在する。
(a)ジナトリウムクロモグリケート少なくとも40mgの名目投与量が3分未満でエアゾール化される;
(b)噴霧器のマウスピースから実際に配給される投与量はジナトリムクロモグリケートの名目投与量の50%を超える;
(c)直径3.3μm未満の微粒子として配給されるジナトリウムクロモグリケートの投与量の一部は名目投与量の30%を超える;そして
(d)1回の単位投与量を含有する溶液の容積は1.5mlを超えない。
一実施態様において、次の特徴が同様に存在する:
(e)15ml/min、23℃±5℃の温度および30%と99%の相対温度で操作されたネクストジェネレーションインパクター(Next Generation Impactor)で測定された、空気力学液滴サイズ分布パターンは20%以上でははずれない。
さらなる側面では、本発明は、上記に定義した水性液体組成物を調製する方法を提供する。この方法は(a)組成物の成分類を準備し;(b)工程(a)で準備された成分類を一緒にして水性液体組成物を形成し;(c)工程(b)で得られた組成物を滅菌濾過し;そして(d)工程(c)で得られた滅菌濾過組成物を無菌条件下で滅菌容器に充填する、ことからなる。工程(a)〜(d)はこの順に実施される。
場合により、この方法はさらなる工程を包含することができ、そして工程(a)〜(d)は複数の副工程を有することができる。例えば、滅菌形態で成分を提供するために、先ず、1つまたはそれ以上の成分を滅菌することは有用である。このようにして、滅菌濾過工程(c)が設計するのに問題が少なくなるような効果とともにして生物負担を比較的低く維持する。
引き続いて、得られる水性溶液の滅菌濾過が実施される。適当なフィルターの選択および滅菌濾過方法の実施を行う方法は当該分野で練達した人にはそれ自体公知である。典型的には孔径0.22μmを持つフィルターによる1回または2回の濾過が、場合により孔径0.45μmのプレフィルターとともに、推奨される。
滅菌溶液の最終容器への引き続く充填は、無菌条件下で行われる。予め滅菌されたガラス小瓶が容器として選ばれる。さらに好ましくは、特に製品が約0.2〜約5mlの範囲の投与量容積で単一投与量単位として包装される場合には、吸込み充填シール法設計(blow−fill−seal process design)を用いてインラインで製造される滅菌プラスチック小瓶が用いられる。
主要な包装手段はガラス容器(例えば小瓶)またはプラスチック小瓶である。しかしながら、本発明者は、本発明の調合物がゴム栓材料と接触するとDSCGの沈殿を招くので、ゴム栓を用いないように注意すべきことを見い出した。それ故、栓は好ましくは例えばテフロンの如き不活性材料で被覆される。他方、溶液は、有利には当該分野の技術的資格のある人に良く知られている吸込み充填シール法により形成され、充填され、シールされる、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)小瓶の如きシールされたプラスチック容器中に充填される。このようにして製造された容器は、特に約0.2mlから始まる容積の液体製品にとって適切である。また、アルミニウムまたはアルミニウムで被覆されたポリマーもしくは他の適当なポリマー材料で作られたブリスターが液体薬物調合物の滅菌充填を行う、単位投与量施用のための包装材料として用いられる。
吸込み充填シール小瓶は、ねじりや曲げにより除去可能な栓を備えた瓶形状設計で形成される。このようにして形成された開栓は薬局方によって要求されている配給均一性に合致して、液滴投与と完全な中身放出を可能とする。開栓は、さらに、それがルアー結合またはルアーロック結合に合致するように設計することもできる。このようにして、開栓はオス型ルアー結合の外径に大きく相当する丸型と直径とを有する。このようにして、ルアー結合を備えた慣用のシリンジが、例えば容器の内容物を取出し、それを噴霧器へ移すために、容器にしっかりと結合することを可能とする。また、開栓は、もし開栓がメス型ルアー片と結合可能な凸起の中にある場合には、オス型ルアー結合片の内径の如く、より小さな直径を有することもできる。
さらに好ましくは、吸込み充填シール小瓶は、同様に適合された噴霧器の結合片と、実質的にしっかりと、結合されるように設計されることができ、それによってそれがDE102005038619に記載されている吸入器の受器中に直接調合物を充填することを可能とする。そのように適合された噴霧器の例はeFlow閉止系振動膜噴霧器である。小瓶は噴霧器受器の覆いふた中に置かれそして噴霧器上で覆いふたと一致させることによって突き通される。この系は、薬物が噴霧器の治療カップ中に充填されたときこぼれることがなく且つすすめられた投与量が治療標識で求められたとおり配給されることを確実にする。
上記した如き種類のプラスチック容器はインプリントを容易に与えられるために有利である。それによって、第1に、容器壁を通して調合物中に接着剤ペーパーインキまたは印刷インキの成分の移動を避けるために望ましい紙ラベルを廃止することができる。さらに、重要な情報が、そのような印刷によって、眼に障害のある患者にも取得可能となる。インプリントは、ロット番号、廃棄日、製品名称、使用処方あるいは1回またはそれ以上の容積もしくは投与量の印の如き種々の情報を含むことができる。特に、小児もしくは年配患者にとって年令や体重によって変わる変動投与が望ましい場合、複数の容積印は、別の用具を用いずに、所望の投与量の取出しを守備よく行うことを助け、それにより投与間違の危険を軽減する。
1回もしくはそれ以上の主要な包装手段は厚紙製箱の如き1つの2次包装手段中に包装される。
下記実施例は本発明を説明するためのものであるが、これれは本発明の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
実施例1
次の実施例はDSCG溶液の粘度に対するイオン(塩化ナトリウムの形態で)の存在の影響を示している。この例は比較例である。
NaClを増加する濃度で含有する4%DSCG溶液が調製された。濃度は表1に示されている。全ての場合、DSCGは塩化ナトリウムと一緒に秤量されそして注射用水に溶解された。サンプルの動粘度はサンプル調製後すぐに室温で回転粘度計で測定された。表1に示されているとおり、動粘度はNaCl濃度の増加とともに大きく増大している。
Figure 0005863641
実施例2
この実施例では、増加するDSCG濃度と等張性調節用賦形剤の種類の得られる溶液の動粘度への影響が示されている。表2は、DSCGと各種の賦形剤を種々の濃度で含有する調合物の組成が、それらの動粘度とともに、表示している。全ての溶液は活性剤と賦形剤を秤量しそしてこれらの化合物を注射用水に溶解することによって調製された。これらの溶液は滅菌濾過されそしてテフロン被覆栓で閉じられたガラス小瓶中に充填された。増加した動粘度が増加する薬物濃度と増加するイオン性賦形剤濃度と関連性があることは明白である。
図1は、DSCG溶液の動粘度は、DSCG濃度が増加すると大きく増加することをさらに説明している。イオン性等張性調節剤(塩化ナトリウム)の添加は動粘度を一層強く増加させる。非イオン性対イオン性の等張性調節剤のモル比が2.88であるように、イオン性等張性調節剤の一部を非イオン性等張性調節剤で置き換えると、高濃度DSCG溶液を許容し得る動粘度で調製することが可能となる。これは8%(w/v)未満のDSCG濃度について特に明瞭である。6%(w/v)DSCG溶液用等張化剤としてNaClをマンニトールとNaClの混合物で置き換えたとき、粘度はそれぞれ26.45から5.53mPa・sに減少する。
Figure 0005863641
実施例3
この実施例では、DSCG溶液の粘度に対する他のナトリウム塩の影響が示されている。6.0%(w/v)DSCGを2.95%(w/v)(すなわち0.135mol/l)ナトリウムグルコネートとともに注射用水中に含有する第1溶液が調製された。5%(w/v)DSCGを2.65%(w/v)マンニトール(0.145mol/l)と1.0%(w/v)(すなわち0.046mol/l)ナトリウムグルコネートを注射用水中に含有する第2溶液が調製された。非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比は3.17である。驚くべきことに、ナトリウムグルコネートのみを含有する溶液の粘度はイオン性と非イオン性の等張化剤の混合物を含有する溶液の粘度よりもかなり高く、それぞれ53.41mPa・sおよび2.50mPa・sである。
実施例4
もう一つの実験では、別のアルカリ金属塩が用いられる。実施例3と同様にして、塩化カリウムで等張化されるかまたはマンニトールと塩化カリウムの混合物で等張化された6.0%(w/v)DSCG溶液が調製された。第1溶液は6.0%(w/v)DSCGと1.15%(w/v)(すなわち0.154mol/l)塩化カリウムを含有し、一方第2溶液は6.0%(w/v)DSCG、2.25%(w/v)マンニトール(0.124mol/l)および0.319%(w/v)(すなわち0.043mol/l)塩化カリウムを含有していた。イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比は2.89である。前の予期しない発見と同様に、第1溶液の粘度は、塩と非イオン性賦形剤の賦形剤混合物を用いている第2溶液の粘度と比較してかなり高かった(22.65mPa・s対3.81mPa・s)。
実施例5
3.75%(w/v)マンニトールを含有する6%(w/v)DSCG溶液(実施例2の調合物2)の吸入後の耐性が、2.25%(w/v)マンニトールおよび0.25%(w/v)塩化ナトリウムを含む6%(w/v)DSCG溶液(実施例2の調合物11:モル比2.89)と比較された。これらの溶液のモル浸透圧濃度はそれぞれ300mOsm/kgおよび288mOsm/kgであった。すなわち、このモル浸透圧濃度は生理学的液体のモル浸透圧濃度(290mOsm/kg)と近似していた。両者の吸入セションのために、1mlの溶液がPARI eFlow振動膜噴霧器の受器に充填され、志願者によって吸入された。塩化ナトリウムのない溶液は、マンニトールと塩化ナトリウムからなる賦形剤混合物が用いられた溶液よりも吸入すると、より刺激的であることが見い出された。これは、溶液が似たようなモル浸透圧濃度を有していたので、予期できなかった。
実施例6
もう一つの実施例において、複数のDSCG溶液(DSCG濃度:6%w/v)の等張化のための異なる非イオン性等張性調節用賦形剤が、それらの動粘度への影響について比較された。比較のため、塩化ナトリウムで等張化された溶液も調製された。これらの溶液は、これらの化合物を秤量し且つそれらの注射用水中に溶解することによって調製された。その後、これらの溶液は滅菌濾過されそしてポリスチレン小瓶に充填された。これらの溶液は5℃、25℃および40℃で貯蔵された。いずれの組成物も見た目の不安定性を示さなかった。全ての調合物は3ヶ月の貯蔵期間中化学的に安定である。
Figure 0005863641
これらの溶液の組成とそれらのモル浸透圧濃度および動粘度が表3に示されている。驚くべきことに、塩化ナトリウムで等張化されたDSCG溶液は、糖アルコールまたは糖と塩化ナトリウムの混合物で等張化された溶液と比較して約5倍高い粘度を示した。
実施例7
5%(w/v)DSCG、2.21%(w/v)(すなわち0.145mol/l)キシリトールおよび1%(w/v)(すなわち0.091mol/l)ピルビン酸ナトリウムを含有する調合物が調製された(モル比:1.6)。この溶液は滅菌濾過されそして5℃、25℃および40℃での貯蔵用滅菌ポリスチレン小瓶中に充填された。調製後直ちに測定された動粘度は2.20mPa・sであった。この溶液はeFlow噴霧器で吸入したとき志願者により良好に許容され且つ如何なる刺激も味感作も生じなかった。
実施例8
さらなる実験において、錯化剤の効果が評価された。調合物の組成は表4に示されている。DSCG溶液の動粘度が調製後直ちに測定された。結果は表4に示されている。
Figure 0005863641
実施例9
非イオン性等張性調節用賦形剤としてポリプロピレングリコールの使用が示されている。4%(w/v)DSCG、1.46%(w/v)プロピレングリコール、0.225%(w/v)塩化ナトリウムおよび0.25%(w/v)クエン酸ナトリウムを含む溶液(モル比:4.08)が調製された。この溶液のモル浸透圧濃度は375mOsm/kgであり、動粘度は1.28mPa・sであった。
実施例10
PARI LC(登録商標)SPRINT ジュニアジェット噴霧器、カスタマイズされたeFlow 30Sおよびカスタマイズされた研究eFlow閉止系(CS)で噴霧化された6%(w/v)DSCG調合物のエアゾール特性が検討された。調合物は2.25%(w/v)マンニトールおよび0.25%(w/v)NaCl(モル比:2.89)を含有していた。噴霧化容積はジェット噴霧器では2ml(DSCG120mg含有)および両方の振動膜噴霧器では0.75ml(DSCG 45mg含有)であった。空気力学粒径分布は15L/minの流速で操作された次世代インパクター(Next Generation Impactor)(NGI)を用いて評価された。NGIは、液滴の蒸発を避けるために18℃±0.5℃に冷却された。吸気用空気は23℃±2℃および50%±5%相対湿度または23℃±2℃および95%±5%相対湿度に調整された。このテストは各噴霧器について3回実施された。インパクターの異なる段階でのDSCGの量は確認されたHPLC法によって定量化された。微粒子投与量(FPD)≦5μm、FPD≦3.3μm、質量メディアン空気力学的直径(MMAD)および幾何液滴サイズ分布(GSD)がコプレイ(Copley)C.I.T.D.A.S.バージョン2.00ソフトウエアを用いて計算された。FPDはmgで得られた。結果は表5に示されている。
Figure 0005863641
驚くべきことに、6%DSCG溶液は、この実験条件でPARI LC Sprint ジュニア噴霧器により50%相対湿度で噴霧化できなかった。この効果は噴霧器の治療カップ中の液体の蒸発が噴霧中に予期せぬ粘度上昇を起したことと恐らく最も関係がある。前の実例において既に示したとおり、DSCG調合物は粘度増加について高い感受性を示す。温度が下がれば調合物の粘度が上昇することは一般に知られている。ジェット噴霧器の受器中で起るような、液体の蒸発は、温度低下を起しそして化合物類の濃度を増加させるので、両ファクターが粘度の劇的上昇に寄与することが予測される。eFlow噴霧器の治療カップ中では液体の蒸発は起らないので、高濃度DSCG溶液の噴霧化はジェット噴霧器におけるように邪魔されたり、悪い影響を受けたりしない。2つの異なる環境条件における結果は、eFlow CS噴霧器の3.3μmより小さい微粒子投与量は、eFlow 30S噴霧器を用いた場合よりも相対湿度による影響が小さいように見える。
実施例11
実施例10に記載したのと同様にして、NGIが、1%(w/v)DSCG溶液(NaClで等張化)と6%(w/v)DSCG溶液(0.25%(w/v)NaClと2.25%(w/v)マンニトールで等張化)を、PARI LC(登録商標)SPRINT ジュニアジェット噴霧器およびeFlow 30S振動膜噴霧器で噴霧化するときの違いを評価するために用いられた。23℃±2℃および50%±5%相対湿度に調整された吸気用空気での噴霧化についての結果は、表6に示されている。一方、23℃±2℃および95%±5℃相対湿度に調整された吸気用空気での噴霧化についての結果は表7に示されている。
Figure 0005863641
Figure 0005863641
表6と表7のデータは、本発明の調合物の噴霧化は、カスタマイズされた電子eFlow 30S噴霧器が用いられるとき、3.3μmよりも小さい微粒子をより高い投与量で配給することを示している。使用要求(label claim)は本発明の調合物について、2.25倍高いだけであったという事実にもかかわらず、3.3μmよりも小さい微粒子の投与量は、本発明の調合物をeFlow 30Sで噴霧化したとき50%相対温度で2.6倍高くそして95%相対湿度で2.5倍高かった。結果として、MMADも減少した。これらの結果は、肺における炎症過程について決定的であり且つ喘息を誘発するキアーゼ陽性肥満細胞が肺胞付着の如き肺末梢に位置しているので(バルザーら、重篤喘息における肥満細胞、Am.J.Resp.and Crit Care Med. 2005;171:431〜439)、治療効果にとって最も重要である。本発明の調合物をカスタマイズされたeFlow 30S噴霧器で噴霧化したときのこれらの予期せぬ、試験管内データは、PARI LC(登録商標)Sprint ジュニア ジェット噴霧器で1%DSCG溶液について示された現在確立されている配給概念を超える、新しい且つより良い治療処置の選択を申し出るものである。
本発明の調合物を電子噴霧器と結び付けるときのより効率的且つより高い投与量配給は、現在認められている処置計画と比較して投与頻度の減少を可能とする。すなわち、ジェット噴霧器によるDSCG1%の1日3〜4回の投与は、本発明のDSCG調合物を電子噴霧器と一緒に用いるとき1日に1回または2回に減らすことを可能とする。遥かに高い配給効率のために、3分より短い時間で吸入され、同時に数倍の肺投与量を提供する、より小さな容積(0.5〜1ml)が適当である。これらの側面は、吸入時間と投与頻度と大きく関係することが知られている吸入治療の薬物付着を改善する。これらの側面は、子供と思春期人における吸入薬物治療に関して特に重要である。
実施例12
実施例6に記載した調合物2(すなわち、6%(w/v)DSCG、0.25%(w/v)NaClおよび2.25%(w/v)マンニトール)の噴霧効率も呼吸刺激試験を適用して評価された。呼吸刺激試験はCOMPAS(登録商標)呼吸刺激器(PARI GmbH、シュタルンベルク、ドイツ国)を用いて行われた。それらの溶液が、3才児の代表的な呼吸パターン(1回呼吸量:125ml/1分間の呼吸数:24/吸気対呼気の比:40:60)および10才児の代表的な呼吸パターン(1回呼吸量:225ml/1分間の呼吸数:16/吸気対呼気の比:40:60)を適用して、PARI eFlow 30S振動膜噴霧器およびRARI研究eFlow閉止系(CS)振動膜噴霧器を用いて噴霧化された。試験は、各噴霧器の3台の装置を用いて2回行われた。これらの装置は、6%の本発明のDSCG溶液0.75mlを充填されそして呼吸刺激器に結ばれた。放出投与量マウスピースに相当する吸気フィルターで集められた試料中のDSCGの量は、確認されたHPLC法によって定量化された。この仕事は、配給投与量(DD)、噴霧時間、薬物配給速度(DDR)を測定することおよび液滴サイズに関する空気力学データを参照して呼吸に適した投与量(RD)および呼吸に適した薬物配給速度(RDDR)を計算すること、を可能とする。それ故、データは、本発明の6%DSCG溶液の噴霧効率が、3才児および10才児の代表的呼吸パターンがまねられるとき、どの程度まで影響されるかを結論することを可能とする。これらの呼吸刺激試験の結果は表8に示されている。
Figure 0005863641
2つの噴霧器を比較すると試験されたパラメーターに関して顕著な差のない結果を示している。しかしながら、研究eFlow CSはeFlow 30Sよりも呼吸パターンによる影響が小さいようである。
実施例13
異なるDSCG濃度と、非イオン性等張性調節剤対イオン性等張性調節剤の異なる濃度比とを持つさらなる調合物が調製された。これらの溶液は表9と表10に記載された化合物を秤量しそしてそれらを注射用水に溶解することによって調製された。それぞれの調合物について表9と表10に示されている動粘度は、全ての場合において、質量比が1より大きいにもかかわらず、非イオン性等張調節剤対イオン性等張性調節剤のモル比が1より小さい調合物についてかなり高くなっている。これは、質量比よりもモル比が許容し得る粘度の高濃度DSCG溶液を得ることに関連性があることを示している。
Figure 0005863641
Figure 0005863641

Claims (17)

  1. 2〜6.5%(w/v)のジナトリウムクロモグリケートと等張性調節用成分を含有し、等張性調節用成分が少なくとも1種の非イオン性等張性調節用賦形剤と少なくとも1種のイオン性等張性調節用賦形剤との組合せでありそして非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比が少なくとも1:1である、液体水性薬学的溶液。
  2. 非イオン性等張性調節用賦形剤対イオン性等張性調節用賦形剤のモル比が溶液の動粘度が10mPa・sよりも小さくなるように選ばれる請求項1による薬学的溶液。
  3. 非イオン性等張性調節用賦形剤の濃度が少なくとも0.1モル/lである請求項1または2による薬学的溶液。
  4. イオン性等張性調節用賦形剤の濃度が0.1モル/lを超えない、請求項1〜3のいずれかによる薬学的溶液。
  5. 等張性調節用成分の濃度がモル浸透圧濃度が250〜350mOsm/kgとなるように選ばれる、請求項1〜4のいずれかによる薬学的組成物。
  6. ジナトリウムクロモグリケートの濃度が4%〜6.5%(w/v)である、請求項1〜5のいずれかによる薬学的溶液。
  7. 非イオン性等張性調節用賦形剤が炭水化物または糖アルコールである請求項1〜6のいずれかによる薬学的溶液。
  8. 炭水化物または糖アルコールがグルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトールおよびこれらの混合物から選ばれる、請求項7による薬学的溶液。
  9. イオン性等張性調節用賦形剤がアルカリ金属塩である請求項1〜8のいずれかによる薬学的溶液。
  10. アルカリ金属塩が塩化ナトリウム、ナトリウムグルコネート、ナトリウムピルベート、塩化カリウムおよびこれらの混合物から選ばれる、請求項9による薬学的溶液。
  11. 抗酸化剤をさらに含有する請求項1〜10のいずれかによる薬学的溶液。
  12. 抗酸化剤がナトリウムグルコネート、ナトリウムピルベート、ナトリウムEDTAおよびこれらの混合物から選ばれる、請求項11による薬学的溶液。
  13. 薬剤として使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の薬学的溶液。
  14. 喘息または、炎症および/または感染に関する他の呼吸病を処置するための薬剤として使用するための、請求項1〜12のいずれかによる薬学的溶液。
  15. 1日に1回または2回投与するための薬剤として使用するための請求項1〜12のいずれかによる薬学的溶液。
  16. 吸入可能なエアゾールの形態で投与するための薬剤として使用するための、請求項1〜12のいずれかによる薬学的溶液。
  17. エアゾールが有孔膜型噴霧器によって生成される、請求項16による薬学的溶液。

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