JP5861234B2 - 除振材 - Google Patents

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Description

本発明は半導体製造検査装置、電子顕微鏡、空気圧縮機、真空ポンプ、プレス機械、ピアノ等の精密機器、産業機械、音響機器等を除振する除振材に関する。
除振材として防振ゴム、コイルバネ、空気バネなどが使われている。防振ゴムは金具とゴムの2要素からなり、小型、安価で広く使われる除振材であるが、バネ作用が硬く、除振性能が劣る。
空気バネはバネ作用が柔らかく、除振性能が優れているが、構造が大型、複雑であり、高価でもあるので広くは使われていない。
コイルバネはバネ作用が柔らかく、空気バネと同様な優れた除振性能を有するが、減衰能が小さく共振点通過時の機械振幅が大きくなる。また機械操作の外力による機械揺れの収束が遅くなり使いにくくなる。例えば顕微鏡の手動操作や半導体製造検査装置のステージ稼働などによる機械揺れの収束が遅くなり、作業効率が低下するなどの問題が発生する。外力やステージ移動による機械揺れを衝撃応答振幅という。
図6の除振材で支持された系について、その振動伝達率、衝撃応答振幅を図7、8に示す。図7、図8は特徴的な減衰能をもつ除振材の減衰特性を示したグラフである。 a は小さい減衰能を持つ系、b は通常の広く使われる減衰能を持つ系、c は強い減衰能を持つ系である。バネ作用が柔らかく動バネ定数が小さい程、固有振動数が小さくなり、振動伝達率が小さく、除振性能が良くなる。振動伝達率は除振性能の尺度であり、この値が小さい程、振動は遮断される。ロスファクタが振動減衰を示すパラメータであり、この値が大きい程、共振点通過時の共振倍率が小さく、また、衝撃応答の収束が速い。
以下、図6に示した系について除振材の除振作用を説明する。図中のMaは支持する機械、Dは除振材、Floorは床を表している。支持する機械Maの振動周波数または床Floorの振動数をf (Hz)、除振材の動バネ定数をkd、静バネ定数をks(N/M)、除振材のロスファクタをη、支持質量をm(kg)、系の固有振動数fn(Hz)、動倍率α、振動伝達率Tr、共振倍率β、衝撃応答振幅の初期値をz(M)とすると、鉛直方向の衝撃応答振幅z(M)はそれぞれ式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)で表される。ただし括弧内のMはメートルである。なお、初期値zoは衝撃の運動量が機械全体の運動量に保存される事により求められる。
Figure 0005861234
Figure 0005861234
Figure 0005861234
Figure 0005861234
Figure 0005861234
コイルバネと減衰材を組み合わせた特性がa.小さい減衰能のもの、b.通常の広く使われる減衰能のもの、c.強い減衰能のもの、の3種類の代表特性で、a、b、cの場合について、具体的な数値を挙げて振動伝達率のデシベル表示した特性を図7に、衝撃応答振幅幅の相対値を図8に示す。
a.小さい減衰能の例(小さいロスファクタ)
=11.4 (N/mm)
=14.8 (N/mm) (動倍率α=1.3)
ロスファクタ η=0.03
b.通常の広く使われる減衰能の例(通常のロスファクタ)
=11.4 (N/mm)
=18.2 (N/mm) (動倍率α=1.6)
ロスファクタ η=0.16
c.強い減衰能の例(大きいロスファクタ)
=11.4 (N/mm)
=28.5 (N/mm) (動倍率α=2.5)
ロスファクタ η=0.33
図7、8のa、b、cの三種類の減衰能における特性と一般的用途は以下の通りである。
a.小さい減衰能の例(ロスファクタ : η=0.03)
天然ゴム系のゴム粘弾性体を用いる場合であり、分子間の摩擦、粘性抵抗が小さく、動倍率は1.3倍位である。ポンプなどのバランスの良い回転機械に使われる。固有振動数が小さく防振性能は良い。
b.通常の広く使われる高減衰能の例(ロスファクタ: η=0.16)
高減衰の合成ゴムが使われる。コンプレッサー、遠心分離機、振動コンベアーなど加振力の大きい機械で共振倍率βが問題になる場合に使われる。動倍率は1.6倍前後である。
c.強い減衰能の例(ロスファクタ : η=0.33)
ステージのある半導体製造検査設備、手動操作のある顕微鏡など、機械揺れの収束が問題となる場合に、減衰能を特に強化したゴム粘弾性体が使われる。動倍率は2倍以上に及ぶ。
コイルバネに減衰能を付加する方法は従来からいろいろ提案されている。ゴム粘弾性体を圧縮方向で使うと、ゴム粘弾性体が圧縮されてバネ作用が硬くなり、除振性能が損なわれる。また、上下金具の間にゴム円柱を挿入して摩擦で振動減衰を与える方法が多くみられるが、減衰能がバラつく不具合がある。特開2004−147528(特許文献1)は荷重によるバネ定数の増大を避けるため、変形をキャンセルさせる機構が必要であり、構造が複雑となる。また、寸法も大きくなる。特開2004−324654(特許文献2)では減衰材を曲げ変形で使用しているが、同じく構造が複雑で、外形寸法が大きくなる。
特開2004−147528号公報 特開2004−324654号公報
本発明は、動倍率の増大が少なく、減衰能を付加する最小限の要素から成る除振材を得ることを課題とする。本発明の除振材によれば、板状のゴム粘弾性体がコイルバネ両端を嵌め込むと共に、そのビーム部分が主に曲げ変形して、動倍率が抑制され、固有振動数が増大せず、小さい振動伝達率が得られることが期待される。
上記目的を達成するため、本発明の実施態様の一つの除振材は、1組の対向配置したゴム状弾性板の間にコイルバネを圧縮状態で介在させ、前記1組のゴム状弾性板の縁部を互いに複数のビスナットで固定して前記圧縮状態のコイルバネを保持させてなる除振材であって、前記各ゴム状弾性板の前記コイルバネの両端と接する領域を含む外形と相似形の中央領域とその外周領域に沿って、互いに対向して対をなすスリットを形成するとともに、各スリットの中間点に対応する外周領域を、それぞれビスナットで固定して、前記ゴム状弾性板の各スリットの外側の外周領域により、前記中央領域を前記コイルバネの弾発力に抗して保持するビーム部を形成してなることを特徴としている。
本発明の実施態様の他の一つは、長方形または正方形の金属板の片面にコイルバネの端部を嵌合する嵌合部を有する一組の金属板を前記嵌合部を対向させて配置し、それぞれの金属板にコイルバネの両端を嵌め込むと共に、上下に平坦部を有し側面に結合部を残してほぼ全長にわたるスリットの形成された短冊状のゴム粘弾性材を前記金属板の各辺に沿わせて配置し、前記上下の平坦部を、各金属板の対向する面に張付けて、前記コイルバネの弾発力によりスリット部分で拡開させ、前記ゴム粘弾性材の弾発力により前記ゴム粘弾性体に張力を作用させたことを特徴としている。
本発明の除振材は、用途に応じた適度の振動減衰能をもって、防振ゴムでは除振が困難なおおむね15Hz以下の機械の除振ができる。特に支持荷重100kg以下において顕著である。また価格的に、スペース的に適用できない空気ばねに換わるものである。さらに除振材構造がシンプルであり価格的にも、スペース的にも使い易い。
また、除振材の除振性能、衝撃応答は、機械試運転後に調整されることがあるが、本実施形態においてはこの作業が防振ゴム、空気ばねに比べて容易である。
コイルバネの周辺に配置されたゴム粘弾性体により、コイルバネの座屈発生が抑制され、コイルバネ中心径に対して標準よりもより高いバネ高さが適用でき、バネ作用が柔らかい高性能のコイルバネが使用できる。
本発明の実施形態1の構造を示す図である。 本発明の実施形態1の変形である除振材のゴム粘弾性体を示す図である。 実施形態2の構造を示す図である。 実施形態2の変形例の構造を示す図である。 実施例1の鉛直方向の振動伝達率を示すグラフである。 除振材の系を示す図である。 図6の除振材の系で鉛直方向の振動伝達率を示すグラフである。 図7の除振材の系で鉛直方向の衝撃応答を示すグラフである。 本発明の除振材の基本となる構造を示す図である。 図9のゴム粘弾性体の鉛直バネ定数を求める方法を説明する図である。
以下、図面によって本発明の実施形態を説明する。
図9は本発明の除振材の基本となる構造モデルを示す図であり、図10は図1の実施形態のゴム粘弾性体の鉛直バネ定数を求める方法を説明する図である。図9、図10を用いて基本形の鉛直バネ定数を算出する。図9の(a)は2枚のゴム粘弾性体1、2の平面図であり、(b)は2枚のゴム粘弾性体1、2の側面図である。中央にコイルバネ20を嵌め込む円形の凹部を持つ板状のゴム粘弾性体1が2枚(1、2)、凹部を向かい合わせて配置され、ビスナット(3a、3b)で両端が締結されている。変位2aに従い曲げ、せん断変形する部分をビームと呼ぶ。図9では左右2本、上下の2段重ねで4本のビーム(11a、11b、12a、12b)がある。図10は図9のゴム粘弾性体の部分を取り出して示した。
図9、図10に示すように、鉛直荷重2pが作用して変位2aが発生している。従ってビーム1個に作用する荷重はpで、変位はaとなる。ビーム1個について変位と力の関係を求める。
p:除振材に作用する鉛直荷重2pの内、ビーム1個に作用する動荷重(N)
k:ビームの1個の動的鉛直バネ定数(N/mm)
a:ビームの動的たわみ(mm)
as:ビームの動的横方向たわみ(mm)
ac:ビームの動的縦方向たわみ(mm)
ps:ビーム1個に作用する動横方向の力(N)
pc : ビーム1個に作用する動縦方向の力(N)
ks:ビーム1個の横方向の動的バネ定数(N/mm)
kc:ビーム1個の縦方向の動的バネ定数(N/mm)
θ:ビームの角度
η:除振材のロスファクタ
η0:ゴム粘弾性体の材料自体のロスファクタ
k0:コイルバネの静ばね定数 (N/mm)
図10のようにたわみaはビームの横方向たわみasのcosθ成分と縦方向たわみac
sinθ成分の和である。
以下にビーム1個当たりのバネ定数kを求める手順を示す。
a=ascosθ+acsinθ
横方向たわみasは横方向荷重を横方向バネ定数で除した as=ps/ksであり、
横方向たわみは縦方向荷重を縦方向バネ定数で除したac=pc/kcである。
従って
a=(ps/ks)cosθ+ (pc/kc)sinθ
図10によればpsはpのcosθ成分であり、はpのsinθ成分である。
a=(p/ks)cos2θ+ (p/kc)sin2θ=p(cos2θ/ks + sin2θ/kc
よって、ビーム1個のバネ定数kは下式のように求まる。
k=p/a=kskc/(kc cos2θ+ks sin2θ)・・・・・・・(6)
ビームの縦方向バネ定数kcはビーム断面積(ビームの幅をb、厚さをhとすると)bhと動縦弾性係数Eapに比例し、長さLに逆比例する。Eapはゴム粘弾性体自体のヤング率Eに形状係数を加味した見掛けの弾性係数である。但し、図10の場合はビームの断面積に比して長さが大きいためEapはゴム粘弾性体自体の材料としての動的縦弾性係数Eにほぼ等しい。
kc=Ebh/L ・・・・・・・・・・・・・(7)
ビームの横方向バネ定数は
ks=(Gbh/L)(1+L2/3h2)-1 ・・・・・・・(8)
図10において本発明の場合は、おおむねL2/3h2>7 であるので括弧内の1を省略して
ks = 3Gbh3/L3 ・・・・・・・・・・・・・(9)
式(9)はビームの横方向の変形は曲げ変形が主体でksは柔かい曲げ変形で決まることを示している。
但し、E:動縦弾性係数(N/mm2)、 G:動横弾性係数(N/mm2
h:ビームの厚さ(mm)、b:ビームの幅(mm)、 L:ビームの長さ(mm)
ここで、式(7)と(9)より比率ks/kcを求め、かつ、E=3Gがほぼ成立する事から下式を得る。
ks/kc =h2/L2 ・・・・・・・・・・・・・(10)
式(6)に式(10)を代入すると、ビーム1個のバネ常数kは
k = ks/(cos2θ+(h2L2)sin2θ)= ks/(cos2θ(1+(h2/L2)sin2θ/cos2θ))
図10では前述の様にL2/3h2>7であるので、h2/L2<1/21
また θ<35°であるから、
(h2/L2)sin2θ/cos2θ<<1 となる。
従って、
Figure 0005861234
除振材のバネ定数K、動倍率α、ロスファクタηは以下のように求められる。
K:除振材の動バネ定数
η:除振材のロスファクタ
η0:粘弾性体自体のロスファクタ
α:除振材のバネ定数動倍率
k0:前出、コイルバネの静ばね定数(動バネ定数にほぼ等しい)
kst:ビーム1個の静ばね定数
n:片側1段のビームの個数
1/2:ビームの上下2段重ねで1/2となる。
K=k×n×1/2+k0 ・・・・・・・・・・・・・(12)
η=(k×n×1/2)η0(k×n×1/2+k0)・・・・(13)
α=(k×n×1/2+k0)/(kst×n×1/2+k0
ここでkstは式(11)の動的横弾性係数Gを静的横弾性係数Gstに置き換えて求められる。本発明の高減衰材料に於いてGst<<Gより、kst<<kとなる。
本発明ではビームの動バネ定数はコイルバネのバネ定数k0と大差ない。よってkst<<k0となる。
kst×n×1/2 <<k0は実測においても確認されている。よって
α=1+(k×n×1/2)/k0 ・・・・・・・・・・(14)
ゴム粘弾性体として望まれる特性は、コイルバネを嵌め込むことのできる静弾性を有し、静動比が小さく、かつ、減衰能が大きい事である。減衰能が大きくなると静動比も大きくなり、動バネ定数が増大し除振性能が低下する傾向がある。
式(11)に依ればビーム1個のバネ定数kは比率h/Lと幅b、角度θによって決定され、除振材のロスファクタηは式(13)に依って決定されるが、ビームの容積が小さいと粘弾性体内の分子間摩擦、粘性力の絶対値が小さく、減衰能が不足する。
従ってビームの容積2bLhとコイルバネのバネ定数k0の比率(2bLh)×n/k0 (mm4/N) は、ある値以上が必要である。実施例の測定によれば、平均的に(2bLh×n)/k0 >1000が必要である。
高減衰で共振倍率βを15dB以下にする場合は、ロスファクタが大きくなるが、動倍率αも大きくなりがちであるが、この倍率が小さい材料が望ましい。また減衰能を大きくするあまり、粘性が過大となると成型加工が難しくなる。必要な弾性を維持しつつ粘性を上げてロスファクタを大きくするゴム粘弾性体が必要である。
共振倍率βが20dB以上でよい除振材では、天然ゴム系の粘弾性体が使われる。この場合、動倍率αは1.3倍以下が得られる。
(実施形態1)
以上のビームの解析を踏まえて、本発明の実施形態1は図1に示すように、方形の除振材のゴム粘弾性体1、2を上下2枚重ね合わせ、両端の中央部をビスナット3a、3bで結束している。図1(a)がその平面図、(b)が側面図、図1(c)はコイルバネの両端を嵌め込んだ状態の斜視図である。
ゴム粘弾性体1、2の中央部の凹部5、6はコイルバネの両端を嵌め込む凹部である。上部の凹部5と下部の凹部6が合わさった形となり、コイルバネの両端を嵌み込む。ゴム粘弾性体の凹部5、6の外側に4本のコの字状のスリット8a、8b、9a、9bを設け、ビーム11a、11b、12a、12bを形成している。2枚のゴム粘弾性体1、2の合わせ目を開き、所定のコイルバネを予圧縮力をもって、空間7に挿入する。
除振材の外形寸法の小さい割にはコイルバネ挿入前のビームの長さをコの字状に設けることにより実質的なビーム長さを稼ぐことができ、ビームに捩じり曲げ変形を加え動倍率αの小さい除振材の動バネ定数kdを得ることができる。
(実施形態1の変形例)
図2は図1の変形例で、(a)はゴム粘弾性体の平面図、(b)が側面図である。ゴム粘弾性体1、2の形状が円板状となっている。図1ではスリットがコの字状であるのに対して、図2では円弧状となっているが、ビームの長さを稼ぐ意味では変わらない。いずれの場合も小さい外形寸法で、支持荷重をうけたとき、ビームの角度θが小さくなり柔らかいバネ定数が得られる。
図1、図2の除振材においては、座屈発生がない荷重支持の安定性を得るため、また、荷重支持時においてビームの傾斜角が40°を上まわり、式(6)によりcosθが小さくならないように、コイルバネの中心径Dと高さのH比率、H/Dは2以下に設定することが望ましい。
θ=40°の時、kは式(11)に示される様にks の1.7倍となり、硬くなる。またコイルバネ挿入の際に必要な予圧縮力が大きくなり、除振材の組立時のコイルバネ挿入に手間を要する。
(実施形態2)
図3は本発明の実施形態2の例を示す図で、図3の(a)は平面図、図3の(b)コイルバネの両端を嵌め込んだ状態の斜視図である。
ゴム粘弾性体と一体成型された、4本のコイルバネ(20a〜20d)を嵌め込む凹部(5a〜5d、6a〜6d)を設けた十字状の金具が1組(31、32)、互いにコイルバネを挟んで配置され、四隅にはビスナット4本(3a、3b、3c、3d)で締結されている。
四隅のビスナットの内側にはこの場合は鉤状のスリットが上下のゴム粘弾性体にそれぞれ4本、合計8本(8a〜8d、9a〜9d)が、中央部に嵌め込んだ4本のコイルバネ(20a〜20d)を囲むように設けられている。
鉤状のスリットによって形成されたゴム粘弾性体のビームは上部に8本(11a〜11h)、下部に8本(12a〜12h)、合計16本形成されている。
図3の場合、中央部に嵌め込んだコイルバネは4本であるが、1本でも3本でもよい。1本の場合、コイルバネの高さHと中心径Dとの比率H/Dは座屈を避けるため、2以下にする必要があるが、ビームの個数が16本と多いとビームの水平方向の拘束力が大きくなり、座屈発生が抑制される。その結果、コイルバネの高さHと中心径Dとの比率H/Dは3.5まで広げることができる。
図3の上下のゴム粘弾性体1、2を締結するビスナット3を省き、ゴム粘弾性体を図4のように一体成型することもできる。この場合、ビスナットが無い分だけ除振材の寸法を小さくできる。図4は本発明の実施形態3の例を示す図で、図4の(a)は平面図、(b)は側面図である。
(実施形態3)
それぞれのスリット部にコイルバネの両端を嵌め込む凹部(5a〜5b、6a〜6b)を有する金属板一組(31、32)を対向して配置し、4本のコイルバネ(20a〜20d)を嵌め込み、ゴム粘弾性体の厚さ方向に2分するスリット部を設けて上下に2分するゴム粘弾性体のそれぞれの中央部を4本のビスナット(3a、3b、3c、3d)により対応する金属板に固定する。
スリット部はコイルバネにより広げられて2分され、2分されたゴム粘弾性体のそれぞれが上下2本のビームが形成される。図4では4個のゴム粘弾性体(2a〜2d)が金属板(31、32)の4辺に沿った形で配置されているが、2個のゴム粘弾性体を対向する2辺に沿って配置する構造としてもよい。
本実施形態でもこれにより、コイルバネには予圧力、前記スリットにより形成された上下のゴムのビームには予張力が加わるような構造とした除振材となっている。
(実施例1)
構造を図1に示すゴム粘弾性体で、収納されるコイルバネの最大常用荷重10 kgの除振材を作成評価した。
ビームの厚さh = 6 mm、幅b = 8mm、長さL = 33 mmである。外径寸法は50×50mm、ゴム粘弾性体の材料特性は、動横弾性係数G=10.9(N/mm)で、ロスファクタは0.8である。
式(11)、(12)により除振材のバネ定数Kとロスファクタを、式(1)と(4)により固有振動数、共振倍率を求め、表1に示す。
ビーム8個の容積とコイルバネのバネ定数の比率は2,539 (mm4/N)である。
また、支持荷重10kgに於ける除振材の振動伝達率(鉛直方向)の測定グラフを図5に示す。
Figure 0005861234
(実施例2)
実施例1と同様に図1の構造で外径寸法50×50mm、コイルバネの最大常用荷重20kgについて、ビームな厚さをh=7.5mmとし、幅、長さは実施例1と同様として製作評価した。ゴム粘弾性体材料は実施例1と同じである。
表2に特性値を示す。ビーム8個の容積とコイルバネのバネ定数の比率は1,389 mm4/N)である。
Figure 0005861234
(実施例3)
共振倍率の抑制がそれ程必要ではない送風機などの使用を想定して図3に示すような除振材を製作評価した。ゴム粘弾性体の材料は天然ゴム系である。
形状寸法:基本形 100×100×70 h
動的横弾性係数:2.0(N/mm2
ビーム寸法:b=12 mm、h=10 mm、L =27 mm
コイルバネの静的ばね定数:18.68(N/mm) コイルバネ4個にて。
傾斜角:除振材1個の37.5kg負荷にて40°
ビーム16個の容積とコイルバネのバネ定数比率は、2,775 (mm4/N)である。
除振材:最大常用荷重50kgのものに37.5kgを負荷した特性を表3に示す。
Figure 0005861234
ゴム粘弾性体として天然ゴム系を使用した。引張強さなどの機械的強度は大きく、除振材の構成材としての機能に優れている。ロスファクタが小さく共振倍率は高いが、送風機、ポンプなどの回転機械は不平衡力が小さく、共振点通過時の振幅は小さい。
ゴム粘弾性体の水平方向のバネ作用により、コイルバネの座屈が抑制された結果、コイルバネの中心径16mmに対して高さ50mmのコイルバネが使用できた。柔らかいバネ定数が得られている。通常の設計標準であれば40mmが最大値である。製作評価の結果中心径に対して3.5倍までのコイルバネ高さが得られる。
1、2・・・ゴム粘弾性体 3、4・・・ビスナット
5、6・・・凹部 7・・・コイルバネ両端の嵌め込み用空間
8、9・・・スリット 11、12・・・ビーム
20・・・コイルバネ

Claims (4)

1組の対向配置したゴム状弾性板の間にコイルバネを圧縮状態で介在させ、前記1組のゴム状弾性板の縁部を互いに複数のビスナットで固定して前記圧縮状態のコイルバネを保持させてなる除振材であって、
前記各ゴム状弾性板の前記コイルバネの両端と接する領域を含む外形と相似形の中央領域とその外周領域に沿って、互いに対向して対をなすスリットを形成するとともに、各スリットの中間点に対応する外周領域を、それぞれビスナットで固定して、前記ゴム粘弾性板の各スリットの外側の外周領域により、前記中央領域を前記コイルバネの弾発力に抗して保持するビーム部を形成してなることを特徴とする除振材。
前記ゴム状弾性板の外径が正方形または円形である請求項1記載の除振材。
前記ゴム状弾性板が一体成型されている請求項1または請求項2記載の除振材。
片面にコイルバネの端部を嵌合する嵌合部を有し各辺のほぼ中央から突片の張り出した矩形の金属板と、矩形で各辺が前記金属板と重ねたときに前記突片を含む長さを有し,かつ前記金属板の外周に沿って前記各突片の位置に結合部を有するスリットの形成されたゴム状弾性板とが、重ねて一体化された複合板の一組が、前記金属板側を内側にして互いに対向配置されたユニットと、
前記ユニットの対向する複合板の四隅のゴム状弾性板の部分どうしを固定する複数のビスナットと、
前記一組の複合板の間に、端部を前記金属板の嵌合部に嵌合させて圧縮状態で介挿されたコイルバネとを備え、
前記ゴム状弾性板は、コイルバネの弾発力により前記スリット部分が拡開されて前記ゴム状弾性板の弾発力により張力が作用されていることを特徴とする除振材。
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