本発明の遊技機の実施の形態例(以下、「本例」ともいう)を示すパチスロについて、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機の機能フローについて説明する。
本例のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。なお、本実施の形態において、特別遊技(MB)中は、ストップボタンが押されたときから特別規定時間(90msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記特別規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。また、リール停止制御手段は、上記規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
[外観構造]
図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ1は、リールや回路基板等を収容するキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア1bとを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。
各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数の図柄(例えば21個)が周方向に沿って連続的に描かれている。なお、本実施の形態において、左リール3Lは、特定の表示列の一具体例を示すものである。
フロントドア1bの中央には、液晶表示装置10が設けられている。この液晶表示装置10は、図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。本実施の形態では、図柄表示領域4L,4C,4Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域4L,4C,4Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられている。この図柄表示領域4L,4C,4Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4L,4C,4Rを、それぞれ左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4L,4C,4Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、小V字ライン8a、小山型ライン8b、クロスダウンライン8c、クロスアップライン8dの4つを入賞判定ラインとして設けている。小V字ライン8aは、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段の組合せからなる。小山型ライン8bは、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段の組合せからなる。クロスダウンライン8cは、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段の組合せからなる。そして、クロスアップライン8dは、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段の組合せからなる。
液晶表示装置10の表示画面の側方には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア1bには、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口11は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口11に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン12は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口18から排出されたメダルは、メダル受皿19に貯められる。ランプ(LED等)20は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21L,21Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。図3では、フロントドア1bが開放され、フロントドア1bの裏面側の構造及びキャビネット1aの内部の構造が示されている。
キャビネット1a内部の上方には、主制御回路41(図4参照)を構成する主基板31が設けられている。主制御回路41は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット1aの内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。各リール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ61L,61C,61R(図4参照)が接続されている。
左リール3Lの左側には、副制御回路42(図4参照)を構成する副基板32が設けられている。副制御回路42は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路42の具体的な構成は後述する。
キャビネット1aの内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー)33が設けられている。ホッパー33の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置34が設けられている。
フロントドア1b裏側の中央(表示窓4L,4C,4Rの下方)には、セレクタ35が設けられている。セレクタ35は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口11に受け入れられた適正なメダルをホッパー33へ案内する。セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(図4参照)が設けられている。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。パチスロ1は、主制御回路41、副制御回路42及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
[主制御回路]
図4は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路41の構成を示すブロック図である。
主制御回路41は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ50を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM52及びメインRAM53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される制御プログラム(図28〜図49参照)、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(図6〜図23参照)、副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(図24〜図27参照)が設けられる。
メインCPU51には、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続されている。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU51は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ17Sは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。このストップスイッチ17Sは、停止操作検出手段を構成する。
スタートスイッチ16Sは、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。このスタートスイッチ16Sは、開始操作検出手段を構成する。精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口11に受け入れられたメダルが前述のセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタン12が遊技者により押されたことを検出する。メダルセンサ35S及びベットスイッチ12Sは、投入操作検出手段を構成する。
マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ61L,61C,61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路62は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ61L,61C,61Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに伝達される。各ステッピングモータ61L,61C,61Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ61L,61C,61Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ61L,61C,61Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM53に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに左表示窓4Lの中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内ある各図柄が、左表示窓4Lの中段に停止可能な図柄となる。
表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
[副制御回路]
図5は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路42の構成を示すブロック図である。
副制御回路42は、主制御回路41と電気的に接続されており、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的に、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ20による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
また、副制御回路42には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置10、スピーカ21L,21R及びランプ20が接続されている。
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファを含む)85及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置10により表示する。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21L,21Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ20の点灯及び消灯を行う。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図6〜図22を参照して、メインROM52に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
まず、図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4L,4C,4R内の中段に存在する図柄の位置を「0」と規定する。そして、図柄位置「0」を基準としてリールの回転方向に進む順に、図柄カウンタに対応する「0」〜「20」を各図柄に割り当てている。
つまり、図柄カウンタの値(「0」〜「20」)と、図柄配置テーブルとを参照することによって、そのときに表示窓4L,4C,4Rの中段に表示されている図柄の種類を特定することができる。例えば、左リール3Lに対応する図柄カウンタの値が「1」であるとき、左表示窓4Lの中段には、図柄位置「1」の「チェリー」が表示されている。
[図柄組合せテーブル]
次に、図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役及び払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
本実施の形態では、入賞判定ライン8a〜8dの何れかに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。なお、各入賞判定ライン8a〜8dに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合は、いわゆる「ハズレ」となる。
表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。この表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リールの図柄「ベル」が入賞判定ライン8aに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00010000)」が決定される。
払出枚数は、遊技者に対して払い出すメダルの枚数を表す。この払出枚数として11以上の数値が決定された場合には、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役として「ベル」、「チェリー1」、「チェリー2」のうちの何れかが決定されたときにメダルの払い出しが行われる。なお、「ベル」、「チェリー1」及び「チェリー2」を「小役」と総称する。
一方、表示役として「MB」が決定されたときは、ミドルボーナスゲームの作動が行われる。本実施の形態では、ミドルボーナスゲーム中の遊技を特別遊技とする。また、表示役として「SB」が決定されたときは、シングルボーナスゲームの作動が行われる。
表示役として「リプレイ」が決定されたときは、再遊技の作動が行われる。そして、表示役として「特殊リプレイ」が決定されたときは、リプレイタイム(RT)の作動が行われる。このRTの作動が行われている遊技では、所定の条件を満たすまで再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が当籤する確率が変動される。本実施の形態において、RTの作動が行われている遊技では、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が当籤する確率が高くなる。
[ボーナス作動時テーブル]
次に、図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM53に設けられた遊技状態フラグ格納領域(図25参照)及びボーナス終了枚数カウンタに格納するデータを規定している。
遊技状態フラグは、作動が行われるボーナスゲームの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスゲームの種類として、ミドルボーナスゲーム、チャレンジタイム、シングルボーナスゲームを設けている。ミドルボーナスゲームは、いわゆる第2種特別役物に係る役物連続作動装置と呼ばれるものであり、以下、「MB」という。本実施の形態において、MBは特別遊技の一具体例を示すものである。
チャレンジタイムは、いわゆる第2種特別役物と呼ばれるものであり、以下、「CT」という。CTの作動は、MBの作動が行われている間、連続的に行われる。CTの作動が行われると、内部抽籤の結果にかかわらず小役が内部当籤役として決定される。また、シングルボーナスゲームは、いわゆる普通役物と呼ばれるものであり、以下、「SB」という。
ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスゲームの終了の契機となる規定枚数(払出枚数)或いは規定回数(遊技回数)に達したか否かを管理するためのデータである。本実施の形態において、MBの作動は、規定枚数「200」に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。
つまり、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
次に、図9を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を規定している。
具体的には、遊技状態が一般遊技状態であるとき、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが使用され、抽籤回数として「7」が設定される。一方、遊技状態がSB遊技状態であるときは、SB遊技状態用内部抽籤テーブルが使用され、抽籤回数として「7」が設定される。
[内部抽籤テーブル]
次に、図10〜図12を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと、このデータポインタが決定されるときの抽籤値とを規定している。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態の内部抽籤処理では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じて規定された抽籤値で順次減算する。そして。減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤を行う。つまり、減算の結果が負になった(「桁かり」が生じた)ときの当籤番号に当籤したことになり、その当籤番号に割り当てられたデータポイントが取得される。
したがって、本実施の形態の内部抽籤処理では、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図10は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号7に応じて抽籤値とデータポインタを規定している。例えば、内部当籤役として「SB」が決定されることになるボーナス用データポインタは、「2」である。そして、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照したときにボーナス用データポインタとして「2」が取得される確率は、「6553/65536」になる。つまり、一般遊技状態において、「SB」が内部当籤役として決定される確率は、約1/10になる。
図11は、SB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。SB遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号7に応じて抽籤値とデータポインタを規定している。例えば、SB遊技状態用内部抽籤テーブルを参照したときに小役・リプレイ用データポインタとして「2」が取得される確率は、「128/65536」になる。
図12は、RT遊技状態用リプレイ内部抽籤テーブルを示す。RT遊技状態用リプレイ内部抽籤テーブルは、当籤番号3及び当籤番号4に応じて抽籤値とデータポインタを規定している。例えば、RT遊技状態用リプレイ内部抽籤を参照したときに小役・リプレイ用データポインタとして「2」が取得される確率は、「50000/65536」になる。
[内部当籤役決定テーブル]
次に、図13及び図14を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。つまり、データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される。
内部当籤役は、入賞判定ライン8a〜8dに沿って表示を許可する各リール3L,3C,3Rによる図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図13は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタの「0」〜「5」について、小役及びリプレイ役を規定している。つまり、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。本実施の形態において、「特殊リプレイ」の内部当籤役は、第1再遊技当籤役の一具体例を示し、「リプレイ」の内部当籤役は、第2再遊技当籤役の一具体例を示す。
図14は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナス用データポインタの「0」〜「2」について、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役を規定している。
[リール停止初期設定テーブル]
次に、図15を参照して、リール停止初期設定テーブルについて説明する。リール停止初期設定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタに応じて、各リール3L,3C,3Rの滑り駒数の決定に用いられるデータを規定している。具体的には、順押し時テーブル選択データ、順押し時テーブル変更データ及び変則押し時テーブル選択データが規定されている。
順押し時テーブル選択データと順押し時テーブル変更データは、順押しが行われた場合に参照する停止テーブル(図16及び図18参照)を指定するためのデータである。順押しとは、第1停止操作(1番目に行われる停止操作)が左リール3Lに対して行われた場合であり、「左中右」及び「左右中」の押し順が該当する。
変則押し時テーブル選択データは、変則押しが行われた場合に参照するための停止テーブル(図19参照)を指定するデータである。変則押しとは、第1停止操作が中リール3C又は右リール3Rに対して行われた場合であり、「中左右」、「中右左」、「右中左」及び「右左中」の押し順が該当する。
本実施の形態では、基本的に、ストップスイッチ17Sにより停止操作が検出された後、該当するリールの回転が190msec以内に停止するようになっている。具体的には、停止操作が検出されたときの該当リールに応じた図柄カウンタの値に、滑り駒数「0」〜「4」のうちの何れかを加算し、得られた値に対応する図柄位置を、リールの回転が停止する図柄位置(これを「停止予定位置」という)として決定する。なお、停止操作が検出されたときの該当リールに応じた図柄カウンタの値に対応する図柄位置は、リールの回転の停止が開始される図柄位置であり、これを「停止開始位置」という。
つまり、滑り駒数は、ストップスイッチ17Sにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止するまでのリールの回転量である。言い換えれば、ストップスイッチ17Sにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止するまでの期間において、該当する表示窓の中段を通過する図柄の数である。これは、ストップスイッチ17Sにより停止操作が検出されてから更新された図柄カウンタの値により把握される。
停止テーブルを参照すると、各リール3L,3C,3Rの停止開始位置に応じて滑り駒数が取得される。なお、本実施の形態では、停止テーブルに基づいて滑り駒数が取得されるが、これは仮のものであり、取得した滑り駒数が直ちにリールの停止予定位置を決定するものではない。
本実施の形態では、停止テーブルに基づいて取得された滑り駒数(以下、「停止データ用滑り駒数」という)より適切な滑り駒数が存在する場合は、後述する優先順位テーブル(図20及び図21参照)を参照して滑り駒数を変更するようになっている。本実施の形態において、停止データ用滑り駒数は、停止開始位置から最大滑り駒数である4個先の図柄位置までの各図柄について、優先順位の比較を行う際の検索順序を決定するために参照される(図22参照)。
本実施の形態では、順押しと変則押しに応じて、参照する停止テーブルを使い分けるようにしている。順押しであれば、順押し時第1停止用停止テーブル(図16参照)と、順押し時第2・第3停止用停止テーブル(図18参照)が参照される。一方、変則押しであれば、変則押し時停止テーブル(図19参照)が参照される。
[順押し時第1停止用停止テーブル]
次に、図16を参照して、順押し時第1停止用停止テーブルについて説明する。順押し時第1停止用停止テーブルは、左リール3Lの停止開始位置「0」〜「20」に応じて、停止データ用滑り駒数とライン変更ステータスを規定している。ライン変更ステータスは、後述する順押し時制御変更テーブルを参照するときに用いられる。
[順押し時制御変更テーブル]
次に、図17を参照して、順押し時制御変更テーブルについて説明する。順押し時制御変更テーブルは、変更対象ポジション(左リール3Lの停止予定位置)に応じて、Cラインチェックデータと順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号を規定している。例えば、順押し時第1停止用停止テーブルに基づいて取得されたライン変更ステータスが「0」であり、左リール3Lの停止予定位置が「15」であれば、Cラインチェックデータが「0」になり、順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号が「1」になる。
[順押し時第2・第3停止用停止テーブル及び変則押し時停止テーブル]
次に、図18及び図19を参照して、順押し時第2・第3停止用停止テーブル及び変則押し時停止テーブルについて説明する。順押し時第2・第3停止用停止テーブル及び変則押し時停止テーブルは、図柄位置「0」〜「20」のそれぞれに応じて1バイトの停止データを規定している。
順押し時第2・第3停止用停止テーブル及び変則押し時停止テーブルで規定される停止データは、それ自身が対応付けられている図柄位置がリールの回転を停止する位置として適切か否かの情報を有している。そして、この停止データは、対応する図柄位置がリールの回転を停止する位置として適切か否かの情報を、「Aライン」の列に対応するビット及び「Bライン」の列に対応するビットに割り当てるようになっている。また、停止データは、これら2種類の情報のうち何れを採用すべきかの情報を、「ライン変更」の列に対応するビットを割り当てて規定している。
つまり、順押し時第2・第3停止用停止テーブル及び変則押し時停止テーブルは、リールの回転を停止する位置の決め方を複数通り規定している。したがって、停止開始位置が同じ図柄位置であっても、第1停止時の停止位置などに基づいてリールの回転を停止する位置を異ならせることが可能となる。このような構成は、情報の圧縮化を図ることを目的としている。
停止データ用滑り駒数の決定は、次のようにして行われる。まず、停止操作が検出されたストップボタンの種別に応じて停止データを構成する8つのビット列の何れを参照するかを指定する。例えば、中ストップボタン17Cが押されたとき、ビット4の「中リールAライン」の列が指定される。
そして、指定されたビット列を参照し、停止開始位置から最大の滑り駒数の範囲までの各図柄位置について、対応するデータとして“1”が規定されているか否かの検索を順次行う。この検索の結果、停止開始位置から、対応するデータとして“1”が規定されている図柄位置までの差分を停止データ用滑り駒数として決定する。
なお、参照するビット列を「Aライン」の列から「Bライン」の列へ変更するか否かは、「ライン変更」の列を参照し、停止開始位置に対応するデータに“1”が規定されているか否かによって決定される。そして、ライン変更を行うと決定されたときには、以降において、「Bライン」の列が指定され、上記検索が行われる。
図18は、順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号が“1”のときに参照される順押し時第2・第3停止用停止テーブルを示す。この順押し時第2・第3停止用停止テーブルが参照されると、リプレイに対応する図柄の組合せがクロスダウンライン8c(図2参照)に沿って表示されるような停止データを規定している。
なお、本実施の形態では、順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号が“2”の順押し時第2・第3停止用停止テーブルは、リプレイに対応する図柄の組合せがクロスアップライン8d(図2参照)に沿って表示されるような停止データを規定する。また、順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号が“3”の順押し時第2・第3停止用停止テーブルは、特殊リプレイに対応する図柄の組合せが入賞判定ライン8a〜8dの何れかに沿って表示されるような停止データを規定する。
図19は、変則押し時テーブル選択データが“1”のときに参照される変則押し時停止テーブルを示す。この変則押し時停止テーブルが参照されると、リプレイ又は特殊リプレイに対応する図柄の組合せが入賞判定ライン8a〜8dの何れかに沿って表示されるような停止データを規定する。
[優先順位テーブル]
次に、図20及び図21を参照して、優先順位テーブルについて説明する。優先順位テーブルは、予め定められた優先順位に応じて引込データを規定している。本実施の形態において、優先順位テーブルは、優先順位規定手段を構成する。
優先順位は、入賞に係る図柄の組合せの種別間で優先的に引き込みが行われる順位を規定するものである。引込データは、それぞれ1バイトのデータとして表される。この引込データの構成は、前述の内部当籤役及び表示役の構成と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられている。
本実施の形態では、まず、前述した停止テーブルに基づいて停止データ用滑り駒数が取得されるが、この停止データ用滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在する場合には、この適切な滑り駒数に変更するようにしている。つまり、停止テーブルにより取得された滑り駒数にかかわらず、内部当籤役によって表示を許可する図柄の組合せの優先順位に基づいて、より適切な滑り駒数が決定されるようになる。優先順位テーブルは、停止データ用滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索するために使用される。
図20は、一般遊技状態において参照される一般遊技状態用優先順位テーブルを示す。一般遊技状態用優先順位テーブルは、内部当籤役に応じて、優先順位「1」〜「3」及び引込データを規定している。
一般遊技状態用優先順位テーブルでは、優先順位「1」に対して「リプレイ(特殊リプレイ)」に対応する引込データを規定し、優先順位「2」に対して「小役」に対応する引込データを規定している。また、優先順位「3」に対して「ボーナス」に対応する引込データを規定している。したがって、一般遊技状態用優先順位テーブルが参照されると、「リプレイ(特殊リプレイ)」の図柄の組合せの表示が、その他の図柄の組合せの表示よりも優先的に行われるようになる。
図21は、CT遊技状態において参照されるCT遊技状態用優先順位テーブルを示す。CT遊技状態用優先順位テーブルは、内部当籤役に応じて、優先順位「1」〜「4」及び引込データを規定している。
CT遊技状態用優先順位テーブルでは、優先順位「1」に対して「特殊リプレイ」に対応する引込データを規定し、優先順位「2」に対して「リプレイ」に対応する引込データを規定している。また、優先順位「3」に対して「小役」に対応する引込データを規定し、優先順位「4」に対して「ボーナス」に対応する引込データを規定している。
CT遊技状態用優先順位テーブルが参照されると、「特殊リプレイ」の図柄の組合せの表示が、その他の図柄の組合せの表示よりも優先的に行われるようになる。例えば、CT遊技状態において、内部当籤役として「リプレイ+特殊リプレイ」が当籤した場合は、「特殊リプレイ」の図柄の組合せの表示が優先される。
本実施の形態では、一般遊技状態において「特殊リプレイ」の図柄の組合せが表示されると、リプレイタイム(以下、「RT」という)の作動が行われる。一方、MB遊技状態(CT遊技状態)において、「特殊リプレイ」の図柄の組合せが表示されると、「リプレイ」と同様に再遊技の作動が行われる。
[優先順序テーブル]
次に、図22を参照して、優先順序テーブルについて説明する。優先順序テーブルは、滑り駒数として予め定められた数値の範囲「0」〜「4」の中から優先的に適用する順序(以下、「優先順序」という)を規定する。
優先順序テーブルでは、優先順序が下位から上位までの順に各数値の検索を行い、その結果、優先順序「1」に対応する数値から優先的に適用させるようにしている。優先順序テーブルは、優先順位が等しい滑り駒数が複数存在する場合を想定して設けられたものであり、優先順序がより上位であるものが適用されるようにしている。
そして、優先順序テーブルは、前述の停止データ用滑り駒数に基づいて、その優先順序を規定している。つまり、停止データ用滑り駒数に基づいて、優先的に適用する数値の優先順序が決定される。
<メインRAMに設けられている格納領域の構成>
次に、図23〜図27を参照して、メインRAM53に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
[内部当籤役格納領域]
まず、図23を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、1バイトのデータにより表される前述の内部当籤役を格納する。
内部当籤役格納領域において、対象となるビットに「1」が立っているとき、そのビットに対応する図柄の組合せの表示が許可される。なお、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。内部当籤役格納領域において、複数のビットに「1」が立っているときは、各ビットにそれぞれ対応する図柄の組合せの表示が許可される。
なお、メインRAM53には、前述の表示役が格納される表示役格納領域(図示せず)が設けられている。この表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。表示役格納領域において、対象となるビットに「1」が立っているとき、そのビットに対応する図柄の組合せが入賞判定ライン(図1参照)上に表示されたことを示す。また、全ビットが「0」であるとき、入賞に係る図柄の組合せが入賞判定ライン上に表示されなかったことを示す。
本実施の形態では、格納領域種別として内部当籤役格納領域1を設けた。本実施の形態で規定した全ての内部当籤役は、内部当籤役格納領域1に格納される。内部当籤役格納領域1だけでは全ての内部当籤役が格納できない場合は、例えば、内部当籤役格納領域2を設ける。
[持越役格納領域]
次に、図24を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。前述の内部抽籤の結果、内部当籤役として「MB」が決定されたときは、その内部当籤役が持越役として持越役格納領域に格納される。
持越役格納領域に格納された持越役(MB)は、対応する図柄の組合せ(本実施の形態では「リプレイ−ダイヤ−ダイヤ」に設定)が入賞判定ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、内部抽籤によって決定された内部当籤役に加えて、持越役が内部当籤役格納領域に格納される。
[遊技状態フラグ格納領域]
次に、図25を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトからなる遊技状態フラグを格納する。遊技状態フラグは、各ビットに対して固有のボーナスゲーム又はRTが割り当てられている。
遊技状態フラグ格納領域において対象となるビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスゲームやRTの作動が行われている。なお、本実施の形態では、全ビットが「0」であるとき、一般遊技状態と定義する。
[図柄格納領域]
次に、図26を参照して、図柄格納領域の構成について説明する。図柄格納領域は、入賞判定ライン8a〜8dの何れかに沿って表示される各リール3L,3C,3Rの図柄を特定するデータ(図柄コード)を格納する。
例えば、小V字ライン8aであれば、左表示窓4Lの上段に表示される図柄に係る図柄コード、中表示窓4Cの中段に表示される図柄に係る図柄コード及び右表示窓4Rの上段に表示される図柄に係る図柄コードが格納される。図26に示す図柄格納領域は、各リール3L,3C,3Rの図柄カウンタが「1」の場合(図6参照)の構成例である。図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと、前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せとが一致するか否かを判定することにより、表示役が決定される。
[表示役予想格納領域]
次に、図27を参照して、表示役予想格納領域の構成について説明する。表示役予想格納領域は、リールの種別に応じて、左リール用表示役予想格納領域、中リール用表示役予想格納領域及び右リール用表示役予想格納領域の3つを含んで構成される。
各表示役予想格納領域には、対応するリールの各図柄位置「0」〜「20」に応じて決定された優先引込順位データが格納される。本実施の形態では、表示役予想格納領域を参照することにより、前述の停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かが検索される。
表示役予想格納領域に格納される優先順位引込データの内容は、優先引込順位データを決定する際に参照された優先順位テーブルの種類によって異なる。図27に示す表示役予想格納領域は、一般遊技状態用優先順位テーブルを参照した場合の構成例である。この表示役予想格納領域では、優先引込順位データのビット3が「リプレイ」に対応し、ビット2が「小役」に対応する。また、ビット1は、「ボーナス」に対応し、ビット0が「停止可能」に対応する。
ビット0が対応する「停止可能」は、ハズレ用である。そして、対象となる図柄位置の図柄が表示されると、内部当籤役として決定されていない当籤役に対応した図柄の組合せが表示される場合は、優先引込順位データのビット0に「0」が格納される。
優先引込順位データは、その値が大きいほど優先順位が高いことを表している。例えば、図27に示す表示役予想格納領域において、優先順位が最も高い優先順位引込データは、「00001111」(リプレイ+小役+ボーナス)となる。一方、優先順位が最も低い優先順位引込データは、「00000000」(停止禁止)となる。
優先引込順位データを参照することにより、リールの周面に配された各図柄間における優先順位の相対的な評価が可能となる。つまり、優先引込順位データとして最も大きい値が決定されている図柄が最も優先順位の高い図柄となる。したがって、優先引込順位データは、リールの周面に配された各図柄間の順位を示すものといえる。なお、優先引込順位データの値が等しい図柄が複数存在する場合は、前述の優先順序テーブル(図22参照)が規定する優先順序に従って1つの図柄が決定される。
<主制御回路の動作説明>
次に、図28〜図49を参照して、主制御回路41のメインCPU51により実行されるプログラムの内容について説明する。
[メインCPUの制御によるメインフローチャート]
まず、図28を参照して、メインCPU51の制御によるメインフローチャートについて説明する。
パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU51は、初期化処理を行う(S1)。この初期化処理では、メインRAM53が正常であるか否かのチェックや入出力ポートの初期化等が行われる。
次に、メインCPU51は、メインRAM53における指定格納領域のクリアを行う(S2)。指定格納領域とは、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要な格納領域である。
次に、メインCPU51は、後で図29を参照して説明するボーナス作動監視処理を行う(S3)。この処理では、MB遊技状態中にCTの作動を継続させるための処理を行う。次に、メインCPU51は、後で図30を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S4)。この処理では、メダルセンサ35Sやスタートスイッチ16Sの入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU51は、乱数値を抽出し、メインRAM53に設けられた乱数値格納領域に格納する(S5)。抽出した乱数値を乱数値格納領域に格納すると、メインCPU51は、後で図31を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S6)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
次に、メインCPU51は、後で図30を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(S7)。この処理では、リール停止初期設定テーブル(図15参照)が参照され、各リール3L,3C,3Rの回転を停止する際に用いる各種データが決定される。また、各リールの周面に配された各図柄について内部当籤役を反映させた優先順位が決定される。
次に、メインCPU51は、スタートコマンドを副制御回路42に対して送信する(S8)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。次に、メインCPU51は、全リールの回転開始を要求する(S9)。全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(図50参照)によってステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。このとき、各リール3L,3C,3Rは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後定速が維持されるように制御される。
次に、メインCPU51は、各リール3L,3C,3Rの回転は定速であるか否かを判別する(S10)。各リール3L,3C,3Rの回転は定速ではないと判別したとき、メインCPU51は、各リール3L,3C,3Rの回転が定速に達するまで待機する。
一方、各リール3L,3C,3Rの回転は定速であると判別したとき、メインCPU51は、後で図34を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S11)。この処理では、ストップボタン17L,17C,17Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転が停止される。
次に、メインCPU51は、後で図36を参照して説明する表示役検索処理を行う(S12)。この処理では、図柄組合せテーブル(図7参照)が参照され、入賞判定ライン8a〜8dに沿って表示された図柄の組合せに基づいて表示役及びメダルの払出枚数が決定される。次に、メインCPU51は、後で図46を参照して説明する表示役等決定処理を行う(S13)。この処理では、表示役に基づいてRTの移行が管理される。
次に、メインCPU51は、表示役コマンドを副制御回路に対して送信する(S14)。表示役コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。次に、メインCPU51は、メダル払出処理を行う(S15)。この処理では、S12において決定された払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域を参照し、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S16)。本実施の形態に係る遊技状態フラグ格納領域には、ボーナス作動中フラグとして、SB遊技状態フラグ、CT遊技状態フラグ及びMB遊技状態フラグが格納されている。
ボーナス作動中フラグがオンであると判別したとき、メインCPU51は、後で図47を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S17)。この処理では、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
一方、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したとき、又はS17のボーナス終了チェック処理が終了した場合には、メインCPU51は、後で図48を参照して説明するRTゲーム数カウンタ更新処理を行う(S18)。この処理では、RT遊技状態であった場合の残りのゲーム数の更新が行われる。本実施の形態では、RT遊技数カウンタが「0」になると、RTの作動が終了する。なお、本実施の形態では、RTの作動が行われる遊技を100回に設定している。
RTゲーム数カウンタ更新処理が終了すると、メインCPU51は、後で図49を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S19)。この処理では、MBの作動を開始するか否かや、再遊技を行うか否かがチェックされる。ボーナス作動チェック処理が終了すると、メインCPU51は、処理を再びステップS2に戻す。
[ボーナス作動監視処理]
次に、図29を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、MB遊技状態フラグ(図25参照)はオンであるか否かを判別する(S31)。MB遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、ボーナス作動監視処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
一方、MB遊技状態フラグはオンであると判別したとき、ボーナス作動時テーブル(図8参照)に基づいてCT作動時処理を行う(S32)。この処理では、CT遊技状態フラグがオンされる。その後、メインCPU51は、ボーナス作動監視処理を終了し、処理をメインフローに移す。
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図30を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(S41)。自動投入カウンタは0であると判別したとき、メインCPU51は、メダル通過許可を行う(S42)。この処理では、セレクタのソレノイドの駆動が行われ、セレクタ内のメダルの通過が促される。メダル通過許可を行うと、メインCPU51は、S45の処理に移行する。
自動投入カウンタは0ではないと判別したとき、メインCPU51は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S43)。その後、メインCPU51は、自動投入カウンタをクリアする(S44)。自動投入カウンタは、前回の単位遊技において「リプレイ」が成立したか否かを識別するためのデータである。「リプレイ」が成立したときには、前回の単位遊技において投入された枚数分のメダルが自動投入カウンタに自動で投入される。つまり、S43及びS44の処理は、再遊技を行うための処理である。
次に、メインCPU51は、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S45)。次に、メインCPU51は、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S46)。メダルの通過は検出されなかったと判別したとき、メインCPU51は、S52の処理に移行する。
一方、メダルの通過は検出されたと判別したとき、メインCPU51は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S47)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したとき、メインCPU51は、投入枚数カウンタを1加算する(S48)。
次に、メインCPU51は、有効ラインカウンタに4を格納する(S49)。次に、メインCPU51は、メダル投入コマンドを副制御回路42に対して送信する(S50)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。メダル投入コマンドを送信すると、メインCPU51は、S52の処理に移行する。
S47の処理において投入枚数カウンタは最大値であると判別したとき、メインCPU51は、クレジットカウンタを1加算する(S51)。S51の後、S50の後、又はS46の処理においてメダルの通過が検出されていないと判別したとき、メインCPU51は、ベットスイッチのチェックを行う(S52)。この処理では、ベットボタンに対応する数値が、投入枚数カウンタに加算され、且つ、クレジットカウンタから減算される。
次に、メインCPU51は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S53)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS46に戻す。一方、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したとき、メインCPU51は、スタートスイッチはオンであるか否かを判別する(S54)。
スタートスイッチはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS46に戻す。一方、スタートスイッチはオンであると判別したとき、メインCPU51は、メダル通過禁止を行う(S55)。セレクタのソレノイドの駆動が行われず、投入されたメダルの排出が促される。この処理が終了すると、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
[内部抽籤処理]
次に、図31及び図32を参照して、内部抽籤処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、遊技状態フラグを取得し、内部抽籤テーブル決定テーブル(図9参照)に基づいて、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(S61)。この処理では、遊技状態格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。なお、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、メインCPU51は、後で図33を参照して説明するRT中抽籤値変更処理を行う(S62)。この処理では、遊技状態に応じてリプレイに係る当籤番号の抽籤値が変更される。
次に、メインCPU51は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S63)。次に、メインCPU51は、当籤番号の初期値として1をセットする(S64)。
次に、メインCPU51は、内部抽籤テーブルを参照し、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S65)。続いて、メインCPU51は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S66)。次に、メインCPU51は、桁かりが行われたか否かを判別する(S67)。桁かりが行われていないと判別したとき、メインCPU51は、当籤番号を1加算し、抽籤回数を1減算する(S68)。
次に、メインCPU51は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S69)。抽籤回数は0ではないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS65に戻す。一方、抽籤回数は0であると判別したとき、メインCPU51は、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S70)。
S67の処理において桁かりが行われたと判別したとき、メインCPU51は、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S71)。S71の処理又はS70の処理の後、メインCPU51は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S72)。そして、メインCPU51は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域(図23参照)に格納する(S73)。
次に、メインCPU51は、CT遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S74)。CT遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、内部当籤役格納領域のビット4〜6に「1」をセットする(S75)。これにより、CT遊技状態(MB遊技状態)において、全ての小役が内部当籤役として決定される。したがって、メダルの払い出しに係る全ての図柄の組合せの表示が許可されたことになる。
S75の処理の後、又はS74の処理でCT遊技状態フラグはオンではない判別したとき、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であるか否かを判別する(S76)。持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であると判別したとき、メインCPU51は、MB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S77)。
MB遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S78)。そして、メインCPU51は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S79)。
S79の処理の後、S76の処理で持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」ではないと判別したとき、又はS77の処理でMB遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S80)。
次に、メインCPU51は、MB遊技状態フラグはオンであり、且つ内部当籤役格納領域(図23参照)のビット1は“1”であるか否かを判別する(S81)。つまり、この処理では、内部当籤役として「SB」が決定されたか否かが判別される。MB遊技状態フラグはオンではないか、又は内部当籤役格納領域のビット1は“1”ではないと判別したとき、メインCPU51は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
S81の処理においてMB遊技状態フラグはオンであり、且つ内部当籤役格納領域のビット1は“1”であると判別したとき、メインCPU51は、ボーナス終了時処理を行う(S82)。このとき、遊技状態フラグ格納領域(図25参照)では、MB遊技状態フラグとCT遊技状態フラグがそれぞれオンとなっているが、メインCPU51は、MB遊技状態フラグのみをオフにする。CT遊技状態フラグは、リール停止制御処理(図38参照)において最大滑り駒数の変更を行うために参照された後、ボーナス終了チェック処理(図47参照)においてオフされる。
次に、メインCPU51は、ボーナス終了コマンドを副制御回路42に対して送信する(S83)。これにより、MBの作動が終了したことが副制御回路42に対して通知される。その後、メインCPU51は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフローに移す。
[RT中抽籤値変更処理]
次に、図33を参照して、RT中抽籤値変更処理について説明する。この処理は、「特殊リプレイ」及び「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率を変動させる再遊技確率変動手段を構成する。
はじめに、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図25参照)を参照し、RT遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S91)。RT遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、RT中抽籤値変更処理を終了し、処理を内部抽籤処理(図31参照)に移す。
一方、RT遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、RT遊技状態用リプレイ内部抽籤テーブル(図12参照)を参照し、リプレイに係る当籤番号の抽籤値を変更する(S92)。つまり、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図10参照)により規定されている当籤番号「3」及び「4」の抽籤値が、RT遊技状態用リプレイ内部抽籤テーブルにより規定されている当籤番号「3」及び「4」の抽籤値に変更される。S92の処理を終えると、メインCPU51は、RT中抽籤値変更処理を終了し、処理を内部抽籤処理に移す。
[リール停止初期設定処理]
次に、図34を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、リール停止初期設定テーブル(図15参照)を参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて、順押し時テーブル選択データ、順押し時テーブル変更データ及び変則押し時テーブル選択データを選択し、メインRAM53に格納する(S121)。
次に、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図25参照)を参照し、CT遊技状態フラグはオンであるか否を判別する(S122)。CT遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、S121の処理でメインRAM53に格納した各データをCT中停止テーブル選択データに変更する(S123)。CT中停止テーブル選択データは、CT中停止テーブル(図示せず)を選択するためのデータである。本実施の形態に係るCT中停止テーブルは、左リール3Lの滑り駒数を「0」に規定している。
S123の処理の後、又はS122の処理においてCT遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、各図柄格納領域(図26参照)に回転中の識別子「0FFH(11111111B)」を格納する(S124)。次に、メインCPU51は、メインRAM53に設けられたストップボタン未作動カウンタに3を格納する(S125)。ストップボタン未作動カウンタは、停止操作が検出されていないストップボタンの数を管理するためのカウンタである。
次に、メインCPU51は、後で図35を参照して説明する表示役予想格納処理を行う(S126)。S126の処理を終えると、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
[表示役予想格納処理]
次に、図35を参照して、表示役予想格納処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタを検索回数としてメインRAM53に格納する(S141)。次に、メインCPU51は、検索対象リールを決定する(S142)。メインCPU51は、回転中のリールのうち、最も左寄りのリールから順に検索対象リールとして決定する。
例えば、全て(3つ)のリールの回転が行われているとき、最初に左リール3Lが検索対象リールとして決定される。そして、左リール3Lについて後述のS156までの各処理が行われてS142の処理に戻ると、続いて中リール3Cが検索対象リールとして決定される。そして、最後に右リール3Rが検索対象リールとして決定される。
次に、メインCPU51は、決定された検索対象リールに基づいて、表示役予想格納領域のアドレスを指定する(S143)。例えば、検索対象リールが左リール3Lであった場合、左リール用表示役予想格納領域の先頭アドレス(図柄位置「0」のアドレス)が指定される。
次に、メインCPU51は、図柄位置データとして「0」をセットし、図柄チェック回数として「21」をセットする(S144)。続いて、メインCPU51は、図柄配置テーブル(図6参照)を参照し、図柄位置データに基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域にその図柄コード格納する(S145)。
例えば、検索対象リールが左リール3Lであり、現在の図柄位置データが「0」のとき、左リール3Lの図柄位置「1」に規定されている図柄コード「00000110(チェリー)」が図柄格納領域における左表示窓4Lの上段に格納される。また、左リール3Lの図柄位置「20」に規定されている図柄コード「00000011(リプレイ)」が図柄格納領域における左表示窓4Lの下段に格納される。
次に、メインCPU51は、後で図36を参照して説明する表示役検索処理を行う(S146)。この処理では、検索対象リールの各図柄位置に応じて取得する図柄コードに基づいて、4つの入賞判定ライン8a〜8d上に表示される可能性のある図柄の組合せの検索を行う。つまり、それぞれの図柄位置にて仮にリールの回転が停止したとして、4つの入賞判定ライン8a〜8d上に表示される可能性のある図柄の組合せの検索を行う。
次に、メインCPU51は、後で図37を参照して説明する優先引込データ取得処理を行う(S147)。この処理では、表示役検索処理による検索の結果、特定された図柄の組合せと優先順位テーブルとに基づいて、優先引込順位データを決定する。
次に、メインCPU51は、決定した優先引込順位データを表示役予想格納領域に格納する(S148)。例えば、現在の図柄位置データが「0」のとき、左リール用表示役予想格納領域の図柄位置「0」に優先引込順位データが格納される。次に、メインCPU51は、表示役予想格納領域のアドレス及び図柄位置データをそれぞれ1加算し、図柄チェック回数を1減算する(S149)。
次に、メインCPU51は、図柄チェック回数は0であるか否かを判別する(S150)。図柄チェック回数は0ではないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS145に移す。一方、図柄チェック回数は0であると判別したとき、メインCPU51は、検索回数を1減算する(S151)。
次に、メインCPU51は、検索回数は0であるか否かを判別する(S152)。検索回数は0であると判別したとき、メインCPU51は、表示役予想格納処理を終了し、処理をリール停止初期設定処理(図34参照)に移す。一方、検索回数は0ではないと判別したとき、メインCPU51は、全図柄格納領域に回転中の識別子を格納する(S153)。
次に、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタは3であるか否かを判別する(S154)。ストップボタン未作動カウンタは3であると判別したとき、つまり、各リール3L,3C,3Rが回転中のとき、メインCPU51は、処理をS142に移す。一方、ストップボタン未作動カウンタは3ではないと判別したとき、メインCPU51は、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(S155)。
次に、メインCPU51は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて各図柄格納領域に図柄コードを格納する(S156)。つまり、既に回転が停止されたリールについて、各入賞判定ライン8a〜8d上に表示されている図柄の図柄コードが格納される。そして、既に回転が停止されたリールの上記図柄と回転中のリールの各図柄位置に配されている図柄との組合せに基づいて後述の表示役検索処理が行われる。S156の処理を終えると、メインCPU51は、処理をS142に移す。
[表示役検索処理]
次に、図36を参照して、表示役検索処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、表示役格納領域をクリアし、図柄格納領域(図26参照)の先頭アドレスをセットする(S181)。つまり、小V字ライン8aに対応するアドレスが指定される。次に、メインCPU51は、図柄組合せテーブル(図7参照)の先頭アドレスをセットする(S182)。つまり、MBの図柄の組合せ「リプレイ−ダイヤ−ダイヤ」に対応するアドレスがセットされる。
次に、メインCPU51は、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている3つの図柄コードとを比較する(S183)。すなわち、各入賞判定ライン8a〜8dに応じて、左リール3Lの図柄、中リール3Cの図柄及び右リール3Rの図柄からなる図柄の組合せと、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せとが比較される。
次に、メインCPU51は、3つの図柄コードのうち回転中を示す識別子を除くものが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致するか否かを判別する(S184)。例えば、図柄格納領域の小V字ライン8aに格納されている3つの図柄コードが「リプレイ−回転中−回転中」を示すとき、MBの図柄の組合せ「リプレイ−ダイヤ−ダイヤ」と一致すると判別される。
S185の処理において一致すると判別したとき、メインCPU51は、入賞作動フラグと格納領域加算データを取得する(S185)。入賞作動フラグは、表示役を表すデータであり、図柄組合せテーブルのデータと同様に8つのビット列からなっている。格納領域加算データは、複数の表示役格納領域が存在する場合に、そのうちの1つを特定するために使用されるデータである。
次に、メインCPU51は、表示役格納領域1のアドレスをセットし、格納領域加算データに基づいてアドレスを加算する(S186)。例えば、格納領域加算データが「0」のとき、表示役格納領域1のアドレスがセットされる。次に、メインCPU51は、取得した入賞作動フラグと、指定された表示役格納領域との論理和を当該表示役格納領域に格納する(S187)。
次に、メインCPU51は、検索回数は0であるか否かを判別する(S188)。この処理を行うときに検索回数が0である場合は、全てのリールの回転が停止したときである。つまり、表示役検索処理が、前述の図28に示すメインフローチャートのS12で行われる場合である。検索回数は0であると判別したとき、メインCPU51は、払出枚数を取得し、取得した払出枚数を払出枚数カウンタに加算する(S189)。
S189の処理の後、S184の処理において一致しないと判別したとき、又はS188の処理において検索回数は0ではないと判別したとき、メインCPU51は、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する(S190)。例えば、現在のアドレスがMBの図柄の組合せを指定するアドレスであれば、SBの図柄の組合せを指定するアドレスに更新される。
次に、メインCPU51は、更新されたアドレスに対応するデータがエンドコードであるか否かを判別する(S191)。エンドコードではない、つまり、図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せについて検索を行っていないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS183に移す。
一方、エンドコードであると判別したとき、メインCPU51は、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する(S192)。この処理では、メインRAM53に格納されている有効ラインカウンタの値をレジスタに予め転送しておき、このレジスタに転送した値から1減算した値が0になったか否かを判別する。したがって、S192の処理では、メインRAM53に格納されている有効ラインカウンタ自体の減算は行われない。
S192の処理において有効ラインカウンタに応じた回数を実行したと判別したとき、メインCPU51は、表示役検索処理を終了する。一方、有効ラインカウンタに応じた回数を実行していないと判別したとき、メインCPU51は、図柄格納領域のアドレスを更新する(S193)。例えば、現在のアドレスが小V字ライン8aを指定するアドレスであれば、小山型ライン8bを指定するアドレスに更新される。S193の処理を終了すると、メインCPU51は、処理をS182に移す。
[優先引込順位データ取得処理]
次に、図37を参照して、優先引込順位データ取得処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、検索対象リールの図柄が「ANY」である表示役に対応する表示役格納領域のビットをクリアする(S211)。「ANY」は任意の図柄を示すものであり、どの図柄が表示されても当該表示役が成立する。そのため、本実施の形態では、優先引込順位データを取得する際に検索対象リールの図柄が「ANY」である表示役に対応する表示役格納領域のビットを参照しないようにしている。
次に、メインCPU51は、遊技状態に応じた優先順位テーブル(図20及び図21参照)の先頭アドレスをセットし、対応するチェック回数をセットする(S212)。例えば、一般遊技状態であれば、一般遊技状態用優先順位テーブルの先頭アドレスがセットされ、チェック回数として「3」がセットされる。また、CT遊技状態であれば、CT遊技状態用優先順位テーブルの先頭アドレスがセットされ、チェック回数として「4」がセットされる。なお、本実施の形態では、CT遊技状態以外の遊技状態のときは、一般遊技状態用優先順位テーブルが選択される。
次に、メインCPU51は、優先順位の初期値として「1」をセットし、優先引込順位データの初期値として「0」をセットする(S213)。次に、メインCPU51は、遊技状態に応じた優先順位テーブルを参照し、現在の優先順位に基づいた引込データを取得する(S214)。そして、メインCPU51は、内部当籤役格納領域、表示役格納領域および引込データの論理積をとる(S215)。
次に、メインCPU51は、論理積の結果は0であるか否かを判別する(S216)。論理積の結果は0ではないと判別したとき、メインCPU51は、キャリーフラグをオンにする(S217)。つまり、引込データの内容に対応する内部当籤役が当籤していて、その内部当籤役に対応する図柄の組合せが表示される場合に、キャリーフラグがオンされる。
S217の処理の後、又はS216の処理において論理積の結果は0であると判別したとき、メインCPU51は、キャリーフラグを含めて優先引込順位データのビットパターンを左にローテートする(S218)。ビットパターンが左にシフトされるため、優先順位が上位であるほど、優先引込順位データが大きくなる。
次に、メインCPU51は、チェック回数を1減算し、優先順位を1加算する(S219)。そして、メインCPU51は、チェック回数は0であるか否かを判別する(S220)。チェック回数は0ではないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS214に移す。一方、チェック回数は0であると判別したとき、メインCPU51は、優先引込順位データのビットパターンを左にローテートする(S221)。
次に、メインCPU51は、優先引込順位データを1加算する(S222)。続いて、メインCPU51は、停止禁止チェック処理を行う(S223)。そして、メインCPU51は、優先引込順位データ取得処理を終了し、処理を表示役予想格納処理(図35参照)に移す。
S223の処理では、第3停止時又は「ANY」を有する内部当籤役の入賞が確定するために必要な全てのリール(「ANY」以外の図柄に対応するリール)が停止するとき、内部当籤役として当籤していない役が表示されるか否かを判断する。そして、内部当籤役として当籤していない役が表示される場合には、優先順位引込データとして「00000000」をセットし、入賞が確定するために必要な図柄が表示されないようにする。
例えば、内部当籤役として「チェリー1」が当籤していない場合に、第1停止操作によって、左表示窓4Lの上段にチェリーの図柄が表示されたとする。この場合は、その後の停止操作によって中表示窓4Cの中段にベルの図柄が表示されるか否かを判断し、表示される場合には優先順位引込データとして「00000000」をセットし、中表示窓4Cの中段にベルの図柄が表示されないようにする。
[リール停止制御処理]
次に、図38を参照して、リール停止制御処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S241)。有効なストップボタンが押されていないと判別したとき、メインCPU51は、再び処理をステップS241に移し、有効なストップボタンの押圧操作を待つ。
一方、有効なストップボタンが押されたと判別したとき、メインCPU51は、有効ストップボタン格納領域の対応するビットをリセットし、作動ストップボタンを決定する(S242)。次に、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S243)。
次に、メインCPU51は、後で図39を参照して説明する滑り駒数決定処理を行う(S244)。次に、メインCPU51は、リール停止コマンドを副制御回路42に対して送信する(S245)。リール停止コマンドには、停止されるリールの種別やその滑り駒数等の情報が含まれる。
次に、メインCPU51は、図柄カウンタと滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM53に格納する(S246)。この処理において、メインCPU51は、図柄カウンタの値に滑り駒数を加算し、その結果を停止予定位置として決定する。停止予定位置が決定されると、後述の割込処理(図50参照)によって、ステッピングモータの駆動が制御され、図柄カウンタが停止予定位置に更新されるのを待ってリールの回転が停止される。
次に、メインCPU51は、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(S247)。次に、メインCPU51は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域に格納する(S248)。つまり、回転が停止されたリールにより入賞判定ライン8a〜8d上に表示された図柄が特定される。
次に、メインCPU51は、後で図44を参照して説明する制御変更処理を行う(S249)。次に、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(S250)。ストップボタン未作動カウンタは0であると判別したとき、メインCPU51は、リール停止制御処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
一方、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したとき、メインCPU51は、前述の表示役予想格納処理(図35参照)を行う(S251)。この処理では、残りの回転中のリールにおける各図柄位置について優先引込順データを決定する。S251の処理が終了すると、メインCPU51は、処理をS241に移す。
[滑り駒数決定処理]
次に、図39を参照して、滑り駒数決定処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、作動ストップボタンに対応するラインマスクデータを選択する。メインCPU51は、左ストップボタン17Lが押されたとき、ラインマスクデータとして、停止データの「左リールAライン」に対応するビット7に“1”が立てられた「10000000」を選択する。また、中ストップボタン17Cが押されたとき、ラインマスクデータとして、停止データの「中リールAライン」に対応するビット4に“1”が立てられた「00010000」を選択する。また、右ストップボタン17Rが押されたとき、ラインマスクデータとして、停止データの「右リールAライン」に対応するビット1に“1”が立てられた「00000010」を選択する。
次に、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタは2であるか否かを判別する(S272)。ストップボタン未作動カウンタは2ではないと判別したとき、メインCPU51は、後で図40を参照して説明する第2・第3停止処理を行う(S273)。
一方、ストップボタン未作動カウンタは2であると判別したとき、メインCPU51は、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S274)。作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したとき、メインCPU51は、順押し時テーブル選択データおよび図柄カウンタを取得する(S275)。順押し時テーブル選択データは、リール停止初期設定テーブル(図15参照)を参照して取得される。
次に、メインCPU51は、順押し時テーブル選択データに対応する順押し時第1停止用停止テーブルを参照し、停止開始位置に基づいて、停止データ用滑り駒数及び変更ステータスを取得する(S276)。
S274の処理において作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したとき、メインCPU51は、変則押し時テーブル選択データを取得し、その変則押し時テーブル選択データに対応する変則押し時停止テーブルをセットする(S277)。変則押し時テーブル選択データは、リール停止初期設定テーブルを参照して取得される。
次に、メインCPU51は、後で図41を参照して説明するライン変更ビットチェック処理を行う(S278)。次に、メインCPU51は、後で図42を参照して説明するラインマスクデータ変更処理を行う(S279)。次に、メインCPU51は、セットした変則押し時停止テーブルを参照し、ラインマスクデータおよび停止開始位置に基づいて、停止データ用滑り駒数を取得する。
S280の処理の後、S276の処理の後、又はS273の処理の後、メインCPU51は、後で図43を参照して説明する優先引込制御処理を行う(S281)。この処理では、停止開始位置から最大滑り駒数「4(又は1)」の範囲の各図柄位置に応じた優先引込順位データの比較が行われ、最も適切な滑り駒数が決定される。S281の処理を終えると、メインCPU51は、滑り駒数決定処理を終了し、処理をリール停止制御処理(図38参照)に移す。
[第2・第3停止処理]
次に、図40を参照して、第2・第3停止処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、第2停止操作時であるか否かを判別する(S301)。第2停止操作時であると判別したとき、メインCPU51は、順押し(第1停止は左リール3L)であるか否かを判別する(S302)。順押しであると判別したとき、メインCPU51は、後で図41を参照して説明するライン変更ビットチェック処理を行う(S303)。
S303の処理の後、S301の処理で第2停止操作時ではないと判別したとき、又はS302の処理で順押しではないと判別したとき、メインCPU51は、後で図42を参照して説明するラインマスクデータ変更処理を行う(S304)。次に、メインCPU51は、滑り駒数検索処理を行う(S305)。この処理では、停止テーブル(図18及び図19参照)を参照し、停止開始位置に基づいて停止データ用滑り駒数が決定される。
例えば、ラインマスクデータが「中リールAライン」に対応する「00010000」である場合、メインCPU51は、ビット4の「中リールAライン」の列を参照する。そして、停止開始位置から最大の滑り駒数の範囲にある各図柄位置に対して、対応するデータが“1”であるか否かの検索を順次行う。次に、メインCPU51は、対応するデータが“1”である図柄位置から停止開始位置までの差分を算出し、算出した値を停止データ用滑り駒数として決定する。S305の処理を終えると、メインCPU51は、第2・第3停止処理を終了し、処理を滑り駒数決定処理(図39参照)に移す。
[ライン変更ビットチェック処理]
次に、図41を参照して、ライン変更ビットチェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、ライン変更ビットはオンであるか否かを判別する(S311)。この処理において、メインCPU51は、停止テーブルの「中リールライン変更ビット」又は「右リールライン変更ビット」に対応する列を参照し、停止開始位置に該当するデータが“1”であるか否かを判別する。停止開始位置に該当するデータが“1”ではない、つまり、ライン変更ビットはオンでないと判別したとき、メインCPU51は、ライン変更ビットチェック処理を終了する。
一方、停止開始位置に該当するデータが“1”である、つまり、ライン変更ビットはオンであると判別したとき、メインCPU51は、Bラインステータスをセットする(S312)。Bラインステータスは、ラインマスクデータを変更するために使用されるデータである。S312の処理を終えると、メインCPU51は、ライン変更ビットチェック処理を終了する。
[ラインマスクデータ変更処理]
次に、図42を参照して、ラインマスクデータ変更処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、Cラインステータスがセットされているか否かを判別する(S321)。Cラインステータスのセットは、後で図45を参照して説明する第2停止後制御変更処理において、順押しである場合に行われる。Cラインステータスがセットされていると判別したとき、メインCPU51は、第2停止時の作動ストップボタンは中ストップボタンであるか否かを判別する(S322)。
S322の処理において第2停止時の作動ストップボタンは中ストップボタンであると判別したとき、メインCPU51は、ラインマスクデータを右に2回ローテートする(S323)。順押しであって第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンであれば、第3停止時の作動ストップボタンが右ストップボタンになる。したがって、S323の処理により、ラインマスクデータは、「00000010」から「10000000」に変更される。その結果、順押し時第2・第3停止用停止テーブル(図18参照)の「右リールCラインデータ」に対応するビット7の列が参照されることになる。S323の処理を終えると、メインCPU51は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
S322の処理において第2停止時の作動ストップボタンは中ストップボタンではないと判別したとき、メインCPU51は、ラインマスクデータを左に2回ローテートする(S324)。順押しであって第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンでなければ、第3停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンになる。したがって、S324の処理により、ラインマスクデータは、「00010000」から「01000000」に変更される。その結果、順押し時第2・第3停止用停止テーブルの「中リールCラインデータ」に対応するビット6の列が参照されることになる。S324の処理を終えると、メインCPU51は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
S321の処理においてCラインステータスがセットされていないと判別したとき、メインCPU51は、Bラインステータスがセットされているか否かを判別する(S325)。Bラインステータスがセットされていないと判別したとき、メインCPU51は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
一方、Bラインステータスがセットされていると判別したとき、メインCPU51は、ラインマスクデータを右にローテートする(S326)。例えば、ラインマスクデータが「00000010」であった場合は、「00000001」に変更される。その結果、停止テーブルの「Bラインデータ」に対応する列が参照されることになる。S326の処理を終えると、メインCPU51は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
[優先引込制御処理]
次に、図43を参照して、優先引込制御処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、優先順序カウンタの初期値として「5」をセットし、チェック回数として「5」をセットする(S341)。次に、メインCPU51は、CT遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S342)。
S342の処理において、CT遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S343)。作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したとき、メインCPU51は、優先順序カウンタの初期値とチェック回数とを「2」に変更する(S344)。
S344の処理の後、S342の処理でCT遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、又はS343の処理で作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したとき、メインCPU51は、停止順序テーブル(図22参照)の先頭アドレスをセットし、停止データ用滑り駒数に基づいて優先順序テーブルのアドレスを加算する(S345)。
次に、メインCPU51は、優先順序カウンタの値に対応する滑り駒数を取得する(S346)。次に、メインCPU51は、取得した滑り駒数を停止開始位置に加算し、表示役予想格納領域の該当する図柄位置から優先引込順位データを取得する(S347)。
次に、メインCPU51は、S347の処理で取得した優先引込順位データは先に取得した優先引込順位データ以上であるか否かを判別する(S348)。S347の処理で取得した優先引込順位データは先に取得した優先引込順位データ以上であると判別したとき、メインCPU51は、S346の処理で取得した滑り駒数を退避する(S349)。
S349の処理の後、又はS348の処理で優先引込順位データは先に取得した優先引込順位データ以上であると判別したとき、メインCPU51は、チェック回数を1減算し、優先順序を1減算する(S350)。次に、メインCPU51は、チェック回数は「0」であるか否かを判別する(S351)。
S351の処理においてチェック回数は「0」ではないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS346に移す。一方、チェック回数は「0」であると判別したとき、メインCPU51は、退避されている滑り駒数を復帰させる(S352)。S352の処理を終えると、メインCPU51は、優先引込制御処理を終了し、処理を滑り駒数決定処理(図39参照)に移す。
[制御変更処理]
次に、図44を参照して、制御変更処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、第3停止後であるか否かを判別する(S371)。第3停止後であると判別したとき、メインCPU51は、制御変更処理を終了し、処理をリール停止制御処理(図38参照)に移す。
S371の処理において第3停止後ではないと判別したとき、メインCPU51は、第2停止後であるか否かを判別する(S372)。第2停止後であると判別したとき、メインCPU51は、後で図45を参照して説明する第2停止後制御処理を行う(S373)。S373の処理を終えると、メインCPU51は、制御変更処理を終了し、処理をリール停止制御処理に移す。
S372の処理において第2停止後ではないと判別したとき、メインCPU51は、順押しであるか否かを判別する(S374)。順押しではないと判別したとき、メインCPU51は、制御変更処理を終了し、処理をリール停止制御処理に移す。一方、順押しであると判別したとき、メインCPU51は、順押し時テーブル変更データに応じた順押し時制御変更テーブル(図17参照)を取得し、検索回数として「21」をセットする(S375)。
次に、メインCPU51は、停止予定位置を取得する(S376)。そして、メインCPU51は、取得した停止予定位置に応じて変更対象ポジションを更新する(S377)。次に、メインCPU51は、更新した変更対象ポジションと停止予定位置は一致するか否かを判別する(S378)。更新した変更対象ポジションと停止予定位置は一致しないと判別したとき、メインCPU51は、検索回数は「0」であるか否かを判別する。検索回数は「0」であると判別したとき、メインCPU51は、制御変更処理を終了し、処理をリール停止制御処理に戻す。一方、検索回数は「0」ではないと判別したとき、メインCPU51は、処理をS377に移す。
S378の処理で変更対象ポジションと停止予定位置は一致すると判別したとき、メインCPU51は、変更対象ポジションとライン変更ステータスの値に応じた順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号およびCラインチェックデータを取得する(S380)。次に、メインCPU51は、順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号に基づいて、対応する停止テーブルをセットする(S381)。S381の処理を終えると、メインCPU51は、制御変更処理を終了し、処理をリール停止制御処理(図38参照)に移す。
[第2停止後制御変更処理]
次に、図45を参照して、第2停止後制御変更処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、順押しであるか否かを判別する(S401)。順押しではないと判別したとき、メインCPU51は、第2停止後制御変更処理を終了し、処理を制御変更処理(図44参照)に移す。
S401の処理において順押しであると判別したとき、メインCPU51は、Cラインチェックデータはオンであるか否かを判別する(S402)。このCラインチェックデータは、制御変更処理(図44参照)のS380の処理によって取得される。
S402の処理においてCラインチェックデータはオンであると判別したとき、メインCPU51は、第2停止時の停止開始位置に対応するライン変更ビットはオンであるか否かを判別する(S403)。第2停止時の停止開始位置に対応するライン変更ビットはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、第2停止後制御変更処理を終了し、処理を制御変更処理に移す。
S403の処理において第2停止時の停止開始位置に対応するライン変更ビットはオンであると判別したとき、メインCPU51は、格納された順押し時第2・第3停止用停止テーブル番号に“1”を加算し、対応する停止テーブルをセットする(S404)。次に、メインCPU51は、Cラインステータスをセットする(S405)S405の処理を終えると、メインCPU51は、第2停止後制御変更処理を終了し、処理を制御変更処理に移す。
[表示役等決定処理]
次に、図46を参照して、表示役等決定処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であるか否かを判別する(S421)。持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」ではないと判別したとき、メインCPU51は、表示役等決定処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
S421の処理において持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であると判別したとき、メインCPU51は、MB遊技状態フラグはオフであるか否かを判別する(S422)。MB遊技状態フラグはオフではない、つまり、オンであると判別したとき、メインCPU51は、表示役等決定処理を終了し、処理をメインフローに移す。
S422の処理においてMB遊技状態フラグはオフであると判別したとき、メインCPU51は、RT遊技状態フラグはオフであるか否かを判別する(S423)。RT遊技状態フラグはオフではない、つまり、オンであると判別したとき、メインCPU51は、表示役等決定処理を終了し、処理をメインフローに移す。
S423の処理においてRT遊技状態フラグはオフであると判別したとき、メインCPU51は、表示役は「特殊リプレイ」であるか否かを判別する(S424)。表示役は「特殊リプレイ」ではないと判別したとき、メインCPU51は、表示役等決定処理を終了し、処理をメインフローに移す。
S424の処理において表示役は「特殊リプレイ」であると判別したとき、メインCPU51は、RT遊技状態フラグをオンし、RTゲーム数カウンタに「100」をセットする(S425)。S425の処理を終えると、メインCPU51は、表示役等決定処理を終了し、処理をメインフローに移す。
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図47を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、MB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S441)。MB遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、ボーナス終了枚数カウンタは「0」であるか否かを判別する(S442)。ボーナス終了枚数カウンタは「0」であると判別したとき、メインCPU51は、ボーナス終了時処理を行う(S443)。この処理では、メインCPU51がボーナス終了枚数カウンタをクリアする。ボーナス終了枚数カウンタは「0」である場合は、MB遊技状態中にメダルの払出しが200枚以上になったことを意味する。
次に、メインCPU51は、ボーナス終了コマンドを副制御回路42に対して送信する(S444)。ボーナス終了コマンドには、ボーナスゲームが終了したことを示す情報などが含まれる。
S444の処理の後、S441の処理でMB遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、又はS442の処理でボーナス終了枚数カウンタは「0」ではないと判別したとき、メインCPU51は、SB遊技状態フラグおよびCT遊技状態フラグをオフする(S446)。S446の処理を終えると、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフローに移す。
[RTゲーム数カウンタ更新処理]
次に、図48を参照して、RTゲーム数カウンタ更新処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、RT遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S461)。RT遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタ更新処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。一方、RT遊技状態フラグはオンであると判別したとき、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタを1減算する(S462)。
次に、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタは「0」であるか否かを判別する(S463)。RTゲーム数カウンタは「0」でではないと判別したとき、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタ更新処理を終了し、処理をメインフローに移す。一方、RTゲーム数カウンタは「0」であると判別したとき、メインCPU51は、RT遊技状態フラグをオフする(S464)。S464の処理を終えると、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタ更新処理を終了し、処理をメインフローに移す。
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図49を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、表示役はMB又はSBであるか否かを判別する(S471)。表示役はMB又はSBであると判別したとき、メインCPU51は、ボーナス作動時テーブルを参照し、表示役に応じてボーナス作動時処理を行う(S472)。この処理では、MB遊技状態フラグ又はSB遊技状態フラグがオンされる。また、MB遊技状態フラグがオンされる場合は、ボーナス終了枚数カウンタに「200」がセットされる。
次に、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されているデータをクリアする(S473)。そして、メインCPU51は、ボーナス開始コマンドを副制御回路42に対して送信する(S474)。ボーナス開始コマンドには、ボーナスゲームが開始したことを示す情報などが含まれる。S474の処理を終えると、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図28参照)に移す。
S471の処理において表示役はMB又はSBではないと判別したとき、メインCPU51は、表示役はリプレイ又は特殊リプレイであるか否かを判別する(S475)。表示役はリプレイ又は特殊リプレイではないと判別したとき、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフローに移す。
S475の処理において表示役はリプレイ又は特殊リプレイであると判別したとき、メインCPU51は、投入枚数カウンタを自動投入枚数カウンタに複写する(S476)。S476の処理を終えると、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフローに移す。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図50を参照して、メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。
はじめに、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S481)。次に、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を行う(S482)。この処理では、ストップスイッチ17S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPU51は、リール制御処理を行う(S483)。この処理では、全リールの回転開始が要求されたときに、各リール3L,3C,3Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当するリールの図柄カウンタが滑り駒数分更新される。そして、更新された図柄カウンタが停止予定位置に応じた値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の中段に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータの駆動が制御される。
次に、メインCPU51は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S484)。この処理では、7セグ表示器6の駆動制御を行って払出枚数やクレジット枚数などを表示させる。次に、メインCPUは、レジスタの復帰を行う(S485)。この処理が終了すると、メインCPU51は、割込処理を終了する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図51〜図53を参照して、副制御回路42のサブCPU81により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主基板通信タスク]
まず、図51を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。
はじめに、サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S501)。次に、サブCPU81は、コマンドを受信した場合、受信したコマンドの種別を抽出する(S502)。
次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S503)。前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したとき、サブCPU81は、処理をS501に移す。
一方。前回とは異なるコマンドを受信したと判別したとき、サブCPU81は、受信したコマンドに基づいて、メッセージキューへメッセージを格納する(S504)。メッセージキューとは、プロセス間で情報を交換するための機構である。S504の処理を終えると、サブCPU81は、処理をS501に移す。
[演出登録タスク]
次に、図52を参照して、サブCPU81により行われる演出登録タスクについて説明する。
はじめに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S511)。次に、サブCPU81は、メッセージキューにメッセージは有るか否かを判別する(S512)。メッセージは有ると判別したとき、サブCPU81は、メッセージから遊技情報を複写する(S513)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM83に設けられた格納領域に複写される。
次に、サブCPU81は、後で図53を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S514)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
S514の処理の後、又はS512の処理においてメッセージは無かったと判別したとき、サブCPU81は、アニメーションデータの登録を行う(S515)。次に、サブCPU81は、サウンドデータの登録を行う(S516)。次に、サブCPU81は、ランプデータの登録を行う(S517)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。S517の処理を終えると、サブCPU81は、処理をS511に移す。
[演出内容決定処理]
次に、図53を参照して、演出内容決定処理について説明する。
はじめに、サブCPU81は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S521)。スタートコマンド受信時であると判別したとき、サブCPU81は、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S522)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
次に、サブCPU81は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S523)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。S523の処理を終えると、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図52参照)に移す。
S521の処理においてスタートコマンド受信時ではないと判別したとき、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S524)。リール停止コマンド受信時であると判別したとき、サブCPU81は、登録されている演出番号とストップボタンの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S525)。S525の処理を終えると、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスクに移す。
S524の処理においてリール停止コマンド受信時ではないと判別したとき、サブCPU81は、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S526)。表示コマンド受信時であると判別したとき、サブCPU81は、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S527)。S527の処理を終えると、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスクに移す。
S526の処理において表示コマンド受信時ではないと判別したとき、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S528)。ボーナス開始コマンド受信時であると判別したとき、サブCPU81は、ボーナス開始用の演出データを登録する(S529)。S529の処理を終えると、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスクに移す。
S528の処理においてボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したとき、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスクに移す。一方、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したとき、サブCPU81は、ボーナス終了用の演出データを登録する(S531)。S531の処理を終えると、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスクに移す。
以上、添付図面に基づいて、本発明の一実施の形態に係るパチスロ1の構成と動作の説明を行った。
本実施の形態に係るパチスロ1によれば、「リプレイ−ダイヤ−ダイヤ」の図柄の組合せが入賞判定ライン8a〜8dの何れかに沿って表示される(第1の条件が成立する)と、MBの作動が行われMB遊技状態(特別遊技状態)に移行する。MB遊技状態では、左リール3L(特定の表示列)の滑り駒数(第2の最大遅延時間の範囲)が「0」又は「1」に設定される。一方、中リール3C及び右リール3R(特定の表示列以外の表示列)の滑り駒数(第1の最大遅延時間の範囲)は、「0」〜「4」に設定される。
また、MB遊技状態では、CTの作動が行われ、内部抽籤の結果にかかわらず小役が内部当籤役として決定される。つまり、MB遊技状態では、メダルの払い出しに係る全ての図柄の組合せの表示が許可される。
MB遊技状態は、メダルの払出枚数が200枚に達した場合、又は内部当籤役として「SB」が決定された場合に終了する。なお、内部当籤役として「SB」が決定される前は、MB遊技状態且つCT遊技状態であり、MB遊技状態が終了するとCT遊技状態のみとなる。
本実施の形態では、内部当籤役として「SB」が決定される確率は、前述したように約1/10となる。一方、小役に対応する図柄の組合せの表示によって払い出されるメダルの枚数は10枚であるため、小役メダルの払出枚数が200枚に達するには、少なくとも20回のゲームが必要となる。つまり、MB遊技状態は、メダルの払出枚数が200枚に達して終了するよりも、内部当籤役として「SB」が決定されて終了する確率が高くなる。
したがって、MB遊技状態では、内部当籤役として「SB」が決定されるまでに、小役(「ベル」、「チェリー1」及び「チェリー2」)に対応する図柄の組合せを多く表示させることができると、メダルの払出枚数が多くなる。
ところで、MB遊技状態において、「リプレイ+特殊リプレイ」が内部当籤役として決定すると、内部当籤役として「リプレイ」、「特殊リプレイ」、「ベル」、「チェリー1」及び「チェリー2」が決定する。この場合、CT遊技状態用優先順位テーブルが参照され、「特殊リプレイ」の図柄の組合せ「鏡−ベル−ベル」の表示が最も高い優先順位となる。そして、2番目に高い優先順位は、「リプレイ」の図柄の組合せ「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の表示となり、3番目に高い優先順位は、「小役」に対応する図柄の組合せの表示となる。
例えば、第1停止操作を右ストップボタン17Rに対して行うと、入賞判定ラインに沿って「鏡−ベル−ベル」が表示されるように右リール3Rの停止制御が行われ、右表示窓4Rの上段又は下段にベルの図柄が表示される。次に、第2停止操作を中ストップボタン17Cに対して行うと、入賞判定ラインに沿って「鏡−ベル−ベル」が表示されるように中リール3Cの停止制御が行われ、中表示窓4Cの中段にベルの図柄が表示される。
ここまでの停止操作により、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」は表示不可能になる。そして、表示可能な図柄の組合せは「鏡−ベル−ベル」、「ベル−ベル−ベル」、「チェリー−ベル−ANY」又は「チェリー−ANY−ベル」になる。
最後に、鏡の図柄から上に少なくとも2つ、下に少なくとも3つ離れた図柄が左表示窓4Lの中段に位置するときに、第3停止操作を左ストップボタン17Lに対して行う。MB遊技状態において左リール3Lの滑り駒数は、「0」又は「1」に設定されているため、鏡の図柄を左表示窓4L内に引き込むような停止制御を行うことができない。したがって、左表示窓4Lの上段又は下段に、ベルの図柄又はチェリー図柄が表示されるような停止制御が行われる。その結果、小役の入賞が決定され、メダルの払出しが行われる。
このように、本実施の形態に係るパチスロ1によれば、MB遊技状態において、「リプレイ+特殊リプレイ」が内部当籤役として決定しても、表示役が「リプレイ」又は「特殊リプレイ」になることを停止操作によって回避し、小役を入賞させることができる。つまり、入賞判定ラインに沿って表示させる優先順位が高い再遊技に係る内部当籤役が当籤しても、停止操作によってメダルの払出しに係る表示役を表示させることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ1では、一般遊技状態において「特殊リプレイ」の図柄の組合せ「鏡−ベル−ベル」が表示される(第2の条件が成立する)と、RT遊技状態に移行する。このRT遊技状態では、RT中抽籤値変更処理(図33参照)により、「特殊リプレイ」及び「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率を高くする。そのため、RT遊技状態且つMB遊技状態の場合は、RT遊技状態ではないMB遊技状態の場合よりも、「特殊リプレイ」及び「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が高くなる。
上述したように、特別遊技状態において、「特殊リプレイ」及び「リプレイ」が内部当籤役として決定した場合は、停止操作によって小役を入賞させることができる。したがって、RT遊技状態且つMB遊技状態の場合に獲得できるメダルの枚数の平均を、RT遊技状態ではないMB遊技状態の場合に獲得できるメダルの枚数の平均よりも多くすることができる。その結果、MB遊技状態で獲得できるメダルの枚数を変化させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上述した実施の形態に係るパチスロ1では、第1の最大遅延時間内(滑り駒数が「0」〜「4」)においても、左リール3Lに配した鏡の図柄を引き込めない停止開始位置があるような構成にした。しかしながら、本発明に係る遊技機としては、第1の最大遅延時間内では鏡の図柄を引き込めるようにして、第2の最大遅延時間内(滑り駒数「0」又は「1」)では鏡の図柄を引き込めない停止開始位置があるような構成にしてもよい。このように構成する場合には、鏡の図柄の間隔が3個以上6個以内に設定される。また、このように構成する場合は、内部当籤役として「特殊リプレイ」が単独で当籤するようにしてもよい。
上述した実施の形態に係るパチスロ1では、入賞判定ラインを停止操作毎に引込範囲が限定されない4つのラインとしたが、これに限定されるものではない。本発明に係る入賞判定ラインとしては、任意に設定可能であり、例えば、停止操作毎に引込範囲が限定されていく一般的な5つのラインに設定してもよい。
その場合、同時に複数の入賞判定ライン上にテンパイ(残り1つの図柄で表示役が揃う状態)が可能でない限り、第1の遅延時間(滑り駒数「0」〜「4」)の範囲内に導出可能に配された図柄の間隔は最大で4個になる。また、一方、第2の最大遅延時間(滑り駒数「0」又は「1」)の範囲内に導出可能に配された図柄の間隔は、最大で1個になる。
上述した実施の形態では、特に演出についての説明をしていないが、例えば、MB遊技状態において、「特殊リプレイ」及び「リプレイ」が内部当籤役として決定したことを放置する演出を行ってもよい。このような報知を行うことにより、遊技者に有利な情報を提供することができ、遊技の興趣を高めることができる。
上述した実施の形態では、優先順位テーブルとして、一般遊技状態用優先順位テーブル(図21参照)とCT遊技状態用優先順位テーブル(図22参照)を設ける構成とした。しかしながら、本発明に係る優先順位テーブルとしては、CT遊技状態用優先順位テーブルを設けずに、一般遊技状態用優先順位テーブルを共通の優先順位テーブルとして用いることもできる。
上述した実施の形態では、MB遊技状態フラグがオフであって表示役として「特殊リプレイ」が決定されたときに、リプレイタイム(RT)の作動が行われるようにした。また、RT遊技数カウンタが「0」になると、RTの作動が終了するようにした。しかしながら、本発明に係るパチスロとしては、RTの作動が行われる条件をMB遊技状態フラグがオンであるときにして、RTの作動が終了する条件をMB遊技状態フラグがオフであるときにしてもよい。このようにすると、MB遊技状態において、「特殊リプレイ」及び「リプレイ」が内部当籤役として決定する確率が高くなる。そのため、MB遊技状態中に獲得できるメダルの枚数を遊技者の技量に応じて変動させることができる。
以上、本発明の一実施の形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。