JP5860255B2 - 経路探索システム - Google Patents
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Description
特許文献1は、出発地と目的地との間の道路経路から一定距離内の乗降地点を検索し、利用者に提示することで、公共交通機関を利用した経路探索を行う技術を開示する。
図1は、従来技術における乗降場所の探索方法を示す説明図である。目的地H0が指定されたときに、その周辺の乗降場所を探索する場合を考える。目的地H0からは距離D1の位置にあるバス停BSと、距離D2の位置にある駅STとがある。従来技術では、目的地H0から最短の距離にあるバス停BSを乗降地点として選択する。
しかし、図の道路状態を見れば明らかな通り、バス停BSから目的地H0までは、川を越えて回り道をする必要があり、目的地H0に行く際に便利なのは、バス停BSではなく駅STである。このように、目的地からの距離を基準に選択する従来技術の方法では、目的地H0にとって、必ずしも利便性の高い乗降場所が選択されるとは限らなかった。
上述の課題は、目的地についてだけでなく、出発地についても同様である。出発地からの距離を基準に乗降場所を選択すれば、必ずしも利便性の高い乗降場所が選択されるとは限らない。
本発明は、かかる課題に鑑み、出発地および目的地に対して利便性の高い乗降場所を案内可能とすることを目的とする。
また、本発明の他の一実施形態の経路探索システムは、目的地に向かう経路を探索する経路探索システムであって、出発地及び目的地の少なくとも一方として指定される地物に関する地物データであって、属性情報として前記地物に対して複数種類の交通機関が到着するそれぞれの到着地点を示す到着地点情報を保持している地物データを記憶する地図データベース記憶部と、出発地および目的地を入力する入力部と、前記地図データベース記憶部を参照して、(1)前記出発地として指定された地物に対応する複数の到着地点から前記目的地に至る経路、(2)前記出発地から前記目的地として指定された地物に対応する複数の到着地点に至る経路、及び(3)前記出発地として指定された地物に対応する複数の到着地点から前記目的地として指定された地物に対応する複数の到着地点に至る経路の少なくとも一部の経路を探索する経路探索部とを備える経路探索システムである。
交通機関データは、交通機関の時刻表を記憶するものとしてもよいし、路線表のみを記憶するものとしてもよい。
地物データには、到着地点に地物の形状、位置なども併せて記憶する形式をとることができる。到着地点は、地物の形状とは別個のデータとして記憶する形式としてもよい。
本発明においては、出発地および目的地に対して複数の到着地点を対応づけてもよいし、複数種類の交通機関に対する到着地点を対応づけてもよい。
自動車用の到着地点までの経路探索および経路案内をするためには、上述のようにネットワークデータを用いて経路探索可能な構成としておくことが好ましい。ネットワークデータは、全ての道路で完全に整備されているとは限らない。そこで、到着地点は、自動車が通行可能な道路としてネットワークデータが整備された道路上の点であって、目的地に対応する地物からいずれかの道路を通行して到着できる点としておくことが好ましい。こうすることによって、ネットワークデータを用いて、到着地点までの経路探索が可能となるからである。
符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
図2は、経路探索システムの構成を示す説明図である。経路探索システムは、端末100とサーバ200とをネットワークNEで接続して構成される。端末100およびサーバ200は、それぞれCPU、RAM、ROMを備えたコンピュータである。本実施例では、図示する各機能を実現するコンピュータプログラムをインストールすることによって、
ソフトウェア的にシステムを構成するものとした。
実施例では、端末100とサーバ200とからなる構成としたが、図示する機能を単体で備えスタンドアロンで稼働する構成としてもよいし、更に多くのコンピュータからなる分散システムとして構成してもよい。
送受信部201は、端末100とネットワークNEを介した通信を行う。
データベース管理部202は、端末100から要求された地図情報を、地図データベース記憶部210から読み出す。地図データベース記憶部210には、地物データ211、交通機関データ212、およびネットワークデータ213が格納されている。
地物データ211は、道路や建物など地図に描画すべき地物のポリゴンデータである。また、属性データとして、各地物について利便性の高い交通機関の到着地点を対応づけたデータを含んでいる。地物データ211の内容については後述する。
交通機関データ212は、経路探索で利用可能な交通機関について、到着地点に関する情報(緯度・経度)と運行時刻に関する情報を含んでいる。
ネットワークデータ213は、道路網をノード、リンクのつながりで表したデータである。本実施例では、ネットワークデータ213として主ネットワークデータと、準ネットワークデータの2種類が用意されている。主ネットワークデータは、現地調査によって通行規制なども十分に反映した車両の経路探索に支障なく用いることができるデータである。これに対し、準ネットワークデータは、通行規制の整備が十分とは言えないデータであり、車両の経路探索では、使用しない方が好ましいデータである。ネットワークデータ213は、歩行者の経路探索用に整備されたものを自動車用とは別に用意してもよい。
送受信部102は、サーバ200とのネットワークNEを介した通信を行う。
コマンド入力部103は、端末100の操作を通じて、ユーザからの指示を入力する。
GPS入力部104は、GPS(Global Positioning System)を用いてユーザの現在位置を入力する。
地図データベース記憶部105は、サーバ200から提供された各データを格納する。サーバ200が備える地図データベースの全体を格納してもよいし、経路探索や地図表示に必要となる部分のみを、その都度、サーバ200から取得し格納してもよい。
経路探索部107は、地図データベースを参照して、経路探索を行う。経路探索部107をサーバ200側の機能として備えても良い。この態様は、端末100の処理能力が比較的低い場合に有用である。
表示制御部106は、地図データベース記憶部105を用いて端末100のディスプレイに地図および探索結果を表示する。
図3は地物データ211の構成例を示す説明図である。地物データ211は、建物、道路等の地物を描画するためのポリゴンデータであり、名称、形状、代表点、出入り口線、到着地点に関する情報などを属性データとして格納している。図中に、「○○ビル」なる建物を例にとって地物データの内容を示した。名称は、地物の名称またはポリゴンに固有のIDである。形状は、地物のポリゴンの頂点P1、P2…Pnを示す座標の列である。代表点は、地物が存在する位置を表す地点CGの座標である。出入口線は、地物と道路とを関連づけるための情報である。図の例では、玄関から道路に出るための出入口線[WP10,WP11]、裏口からの出入口線[WP20,WP21]が登録されている。WP10等は、それぞれ点の座標値を表す。出入口線は、建物や駐車場など、出入りを伴う地物に設定されるものであり、地物の全てに設定する必要はない。なお表記の簡略化のため、以下、出入口線[WP10,WP11]を出入口線WP10または出入口線WP11というように表すこともある。
到着地点(7)は、電車、徒歩、バスの乗り継ぎの到着地点であることを表している。つまり、[STA,電車]は電車を利用して駅STAで乗降し、[BS3,徒歩]は駅STAからバス停BS3まで徒歩で行くことを示し、[BS1,バス]はバス停BS3からバスでバス停BS1に向かうことを示している。最後の[WP11]はこの経路では、WP11側の出入口線に到着することを意味している。このように、到着地点は、利用する交通機関を複数列挙した設定とすることも可能である。
図の例では、7つの到着地点を設定する例を示したが、更に多くの到着地点を設定してもよいし、1つだけの到着地点を設定しても構わない。
また、例えば到着地点(7)について、[STA,電車],[BS3,徒歩],[到着地点(5)]というように、他の到着地点のデータを参照するようなデータ構造としてもよい。さらには、各地点から次の地点までに要する時間の情報をデータ構造に含めてもよい。例えば到着地点(7)について、[STA,電車],[BS3,徒歩,3分],[BS1,バス,5分],[WP21]といったデータ構造としてもよい。
これに対し、徒歩や自動車は、公共交通機関のように決められた到着地点が存在する訳ではない。徒歩の場合は、出入口線をそのまま到着地点とすることができる。例えば、図の例では、到着地点(3)、(4)では、到着地点として出入口線WP11、WP21を用いている。
自動車の場合は、経路探索、経路案内を実現するため、地物の出入口線の道路上の端点から、いずれかの道路を経てたどりつけるネットワーク上の点とすることが好ましい。図の例では、ネットワークデータとしてリンクL1、L2が設定されているから、建物の出入口線WP11からは、点線の経路を経て到達できるリンクL1上の点CP1を到着地点とすることができる。また、出入口線WP21からは、リンクL2上の点CP2を到着地点とすることができる。このように設定することにより、「○○ビル」が目的地として設定されたときには、道路ネットワーク上の到着地点CP1、CP2を仮想目的地として経路探索を行うことが可能となる。
下側に示したデータベースDB2は、公共交通機関の到着地点を格納する。図の例では、バスに対する到着地点としてバス停BS1、BS2…が格納され、電車に対する到着地点として駅ST…が格納されている。また、1分圏内、5分圏内…には、それぞれの到着地点から所定の時間内で到達可能な地物が設定されている。この例では、地物の名称ではなく、その出入口線を格納することによって、各地物の出入口との対応関係も特定可能とした。
図中の矢印で示すように、バス停BS1からは、名称Aの地物の出入口線WPAに到達可能であり、5分かければ名称Bの地物の出入口線WPB2に到達可能であることが分かる。また、バス停BS2からは、5分で名称Bの地物の出入口線WPB1に到達可能であることが分かる。
図3、図4でそれぞれ示したデータは、一方のみを備えるようにしてもよいし、双方を備えるようにしてもよい。
図5は経路探索処理のフローチャートである。端末100の経路探索部107が主として実行する処理であり、ハードウェア的には端末100のCPUが実行する処理である。
交通機関に対する到着地点に対しては、その交通機関に対応する交通機関データを参照して、いずれの到着地点から交通機関を利用すべきかを判定すればよい。交通機関の乗り継ぎも考慮して、経路を探索する方法は周知であるため詳細な説明は省略する。仮想出発地から交通機関の到着地点までの区間、交通機関を乗り継ぐ場合の徒歩の区間、到着地点から仮想目的地までの区間については、歩行者用のネットワークデータを用いて経路探索すればよい。ネットワークデータが全く存在しない場合は、道路ポリゴンをたどる方法で経路探索してもよい。到着地点から最終的な目的地までの経路についても、同様に歩行者用のネットワークデータを用いる方法、または道路ポリゴンをたどる方法などで経路探索すればよい。また、到着地点から目的地までの経路を予めデータとして記憶させておく方法をとってもよい。それぞれの到着地点は、目的地の出入口線と対応づけられているため、到着地点から目的地までの経路探索においては、到着地点に対応する出入口線を仮想目的地として行うことが好ましい。
CPUは、以上の処理を、全到着地点について実行する(ステップS13)。
本発明は上述の実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、実施例においてハードウェア的に構成されている部分は、ソフトウェア的に構成することもでき、その逆も可能である。
101…主制御部
102…送受信部
103…コマンド入力部
104…GPS入力部
105…地図データベース記憶部
106…表示制御部
107…経路探索部
200…サーバ
201…送受信部
202…データベース管理部
210…地図データベース記憶部
211…地物データ
212…交通機関データ
213…ネットワークデータ
Claims (3)
- 経路探索システムであって、
出発地及び目的地の少なくとも一方として指定される地物に関する地物データを記憶する地図データベース記憶部と、
経路探索条件として前記地物及び移動手段の入力を受付ける入力部と、
前記地図データベース記憶部を参照して、前記移動手段に応じた経路を探索する経路探索部とを備え、
前記地物データは、前記移動手段に対応する前記地物の到着地点を示す到着地点情報を含む到着地点データ及び前記地物と他の地物とが特定の関係を持つことを示す情報を含む関係データを有し、前記到着地点データ及び前記関係データは前記地物を介して関連付けられており、
前記経路探索部は、前記到着地点データに、前記入力部で受付けた前記地物及び前記移動手段に対応した前記到着地点情報が含まれていない場合、前記到着地点データ及び前記関係データを用いて、前記入力部で受付けた前記地物と前記特定の関係を共通にする前記他の地物の前記移動手段に応じた前記到着地点を選択して、前記経路を探索する経路探索システム。 - 請求項1記載の経路探索システムであって、
前記地物データは、更に、前記到着地点に対応付けられた前記地物の出入口地点に関する情報を保持しており、
前記経路探索部は、前記目的地として指定された地物の到着地点から出入口地点までの経路についても探索する経路探索システム。 - 請求項1記載の経路探索システムであって、
前記特定の関係を持つことを示す情報は、到着地点が共通する複数の地物データを包含するエリアデータであり、当該エリアデータ内の複数の地物データの到着地点は同エリアデータを代表する代表地物データの到着地点とする経路探索システム。
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