JP5856575B2 - 無線通信方法、無線通信システム、および無線機 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信方法、無線通信システム、および無線機に関するもので、特に、基地局が複数の端末局に対し同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重伝送を行うものに係わる。
5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11a規格がある。このシステムでは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbpsのスループットを実現している。ただし、ここでのスループットとは、物理レイヤ上でのスループットであり、実際には、MAC(Medium Access Control)レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるため、実際のスループットの上限値は、30Mbps程度である。
さらに、IEEE802.11nでは、複数のアンテナを用いて同一時刻および同一周波数チャネルを用いて空間多重を実現することが可能なMIMO(Multiple input multiple output:多入力多出力)技術や、これまで個別に用いられていた20MHzの周波数チャネルを2つ同時に利用して40MHzの周波数チャネルを利用する技術や、複数のフレームを束ねて送信を行うフレームアグリゲーション、ブロックACK信号による制御信号のオーバーヘッドの削減による効率化などの技術により高速通信の実現を目指し、最大600Mbpsの伝送速度を実現することが可能である。(非特許文献1)。
さらに、現在、規格が策定中であるIEEE802.11acでは、20MHzの周波数チャネル4つを同時に利用して80MHzの周波数チャネルとして利用する通信技術や、同一周波数チャネル、同一時刻に、複数の無線局と通信を行うMU−MIMO(Multi-User MIMO)技術により、IEEE802.11nより高速な無線通信の実現を目指している。
MU−MIMOでは、事前に取得した伝搬チャネル情報を用いて、端末間の干渉を抑圧できる送信ウエイトを算出し、該送信ウエイトを用いて送信することで、高速な通信を実現できる。(非特許文献2)。伝搬チャネル情報の取得方法は、基地局から伝搬チャネル情報推定用の既知信号を所望の端末局に送信するステップと、端末局が受信信号と既知信号の差分から伝搬チャネル情報を推定するステップと、端末局が前記伝搬チャネル情報を基地局に通知するステップと、から構成される
守倉正博、久保田周治、「改訂三版802.11高速無線LAN教科書」、インプレスR&D、2008年3月27日 Q. H. Spencer, A. L. Swindlehurst, and M. Haardt,"Zero-Forcing Methods for Downlink Spatial Multiplexing in Multiuser MIMO Channels," IEEE Trans. Sig. Processing, vol. 52, issue 2, Feb. 2004, pp. 461−471.
しかしながら、背景技術において説明した伝搬チャネル情報取得方法では、端末局が伝搬チャネル情報の通知を行う。従って、通知を行うための通信時間が余分に必要となり、実効的なスループットが低下することが問題となっている。また、伝搬チャネル情報は、基地局や端末局の移動や周囲の環境が変化するに従って変化する。すなわち、このような通信時間が存在すると伝搬チャネル情報を推定した時間と実際にデータ伝送を行う時間が異なるため、端末局間の干渉を抑圧することができる送信ウエイトの形成が困難となり、MU−MIMO伝送が困難となる。
この問題を解決する技術として、下り通信(基地局から端末局への通信)と上り通信(端末局から基地局への通信)で同じ周波数帯域を用いる時間分割通信システムにおいて、上り通信の伝搬チャネル情報を用いて下り通信の送信ウエイトの算出を行い、この送信ウエイトを下り通信で用いて送信を行う技術がある。この技術により伝搬チャネル情報の通知を省くことができ、実効的なスループットの改善か可能となる。
しかしながら、上述の技術は、1台の基地局と1台の端末局との間の1対1の通信への適用したものである。1対1の通信では送信局側で干渉抑圧を行う必要はないが、1台の基地局と複数台の端末局との間で1対多の空間多重通信を行う場合には、各受信局間の干渉を送信局側で低減抑圧する必要がある。さらに、上り通信と下り通信の伝搬チャネル情報は送受信部の特性によって完全に一致することは無いため、この技術は、すべての無線通信システムに適用することは困難である。
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、その目的は、1つの基地局が複数の端末局に対して空間多重伝送を行う際に、伝搬チャネル情報のフィードバックによるオーバーヘッドを減少させ、実効的なスループットを向上させることができる無線通信方法、無線通信システム、および無線機を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の端末局が、基地局に伝搬チャネル推定用の既知信号を送信するステップと、基地局が、受信した既知信号から基地局と端末局との間の伝搬チャネル情報を推定するステップと、基地局が、推定した伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出するステップと、基地局が、算出した送信ウエイトを用いて複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信するステップと、を備えることを特徴とする無線通信方法である。
また、本発明の一態様は、さらに、基地局が伝搬チャネル推定用の既知信号を送信する端末局を指定するための指定信号を端末局に送信するステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、さらに、送信ウエイトを補正する補正値を算出するステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、補正値は、基地局から何れかの端末局への下り伝搬チャネル情報と、何れかの端末局から基地局への上り伝搬チャネル情報とから算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、補正値は、基地局から他の基地局への下り伝搬チャネル情報と、他の基地局から基地局への上り伝搬チャネル情報とから算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、補正値を算出する際に、伝搬チャネル情報の特異値分解から算出される特異ベクトルから構成される行列を用いることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、補正値を算出する際に、温度情報に基づいて補正値の算出を決定することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、補正値を算出する際に、複数の補正値の平均から補正値を算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、伝搬チャネル情報を有線を用いて取得することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、基地局と複数の端末局とが通信する無線通信システムであって、複数の端末局は、伝搬チャネル推定用の既知信号を基地局に送信する送信部を有し、基地局は、端末局から送られてきた伝搬チャネル推定用の既知信号を受信する受信部と、受信した既知信号から伝搬チャネル情報を推定する伝搬チャネル推定部と、伝搬チャネル推定部により推定した伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出部と、算出した送信ウエイトを用いて複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信する送信部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、複数の端末局と通信する無線通信システムの基地局として用いられる無線機であって、複数の基地局から送信される伝搬チャネル推定用の既知信号を受信する受信部と、受信部が受信した既知信号から伝搬チャネル情報を推定する伝搬チャネル推定部と、伝搬チャネル推定部により推定した伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出部と、算出された送信ウエイトを用いて複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、1つの基地局が複数の端末局に対して空間多重伝送を行う際に、端末局から基地局への上り通信で取得する伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出し、この送信ウエイトを伝送で用いることで、実効的なスループットを向上できる。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの概略ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおけるパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムおける基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムおける基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムおける端末局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第3の実施形態における伝搬チャネル情報の推定の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムを示す概略ブロック図である。 本発明の第4の実施形態における基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第4の実施形態における他の基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第4の実施形態における伝搬チャネル情報の推定の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムの概略ブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムにおける他の基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第5の実施形態における伝搬チャネル情報の推定の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムの概略ブロック図である。 本発明の第7の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第8の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局の構成を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
A.第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの概略ブロック図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムは、基地局100と、基地局100と無線パケット通信を行う端末局101−1〜101−N(Nは任意の整数)を具備している。なお、この例では、2台の端末局101−1および端末局101−2が図示されている。
基地局100と、端末局101−1〜101−Nとは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access / Collision Avoidance;搬送波検知多重アクセス/衝突回避)方式により同一周波数チャネルを用いて無線パケット通信を行う。無線パケット通信において、送受信される無線パケットには、送信局、宛先局を示す識別子が含まれる。ここで、送信局は無線パケットを生成し送信した装置であり、宛先局は無線パケットの宛先となる装置である。例えば、基地局100は、無線LAN(Local Area Network)におけるアクセスポイントなどであり、端末局101−1および101−2はコンピュータや携帯型の情報電子機器などである。また、1つの基地局100と、複数の端末局101−1〜101−Nとは、MU−MIMO(Multi-User MIMO)方式により、複数のアンテナにより同一時刻および同一周波数チャネルを用いて空間多重伝送(空間多重送信)を実現することができる。
ここで、基地局100と端末局101−1との間の伝搬チャネル情報をHとし、基地局100と端末局101−2との間の伝搬チャネル情報をHとすると、それぞれ下記の式で表される。
Figure 0005856575
ここで、hは基地局100のアンテナと端末局101−1〜101−Nのアンテナ間の伝搬チャネルである。
図2は、第1の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局100を構成する無線機の概略ブロック図である。図2に示すように、基地局100は、アンテナ102−1〜102−Nと、送信部103−1〜103−Nと、受信部104−1〜104−Nと、変調部105と、ウエイト演算部106と、送信ウエイト算出部107と、伝搬チャネル推定部108と、復調部109と、ネットワークインターフェース110とを備えている。
送信部103−1〜103−Nは、ウエイト演算部106から入力される送信信号の周波数を無線通信システムで規定される周波数に変換を行ったり、送信電力の調整などを行い、アンテナ102−1〜102−Nに出力する。受信部104−1〜104−Nは、アンテナ102−1〜102−Nを介して受信した受信信号の周波数を変換を行ったり、受信電力の調整などを行い、復調部109に出力を行う。変調部105は、ネットワークインターフェース110から入力されるデータ信号を無線パケット信号に変調を行い、ウエイト演算部106に出力を行う。
ウエイト演算部106は、変調部105から入力される無線パケット信号に、送信ウエイト算出部107から入力される送信ウエイトを乗算して送信信号を生成し、送信部103−1〜Nに出力する。送信ウエイト算出部107は、伝搬チャネル推定部108から入力される伝搬チャネル情報をもとに送信ウエイトを算出し、ウエイト演算部106に出力を行う。
ここで、送信ウエイトを算出する方法としては、線形演算ではZF(Zero Forcing)法やMMSE(Minimum Mean Squared Error)法などの方法があり、非線形演算ではTHP(Tomlinson Harashima Precoding)法やVP(Vector Perturbation)法などがある。本発明では、どの方法を用いても構わない。
伝搬チャネル推定部108は、復調部109から入力される受信信号と既知の伝搬チャネル推定用の信号との比較を行うことで、伝搬チャネル情報の推定を行い、送信ウエイト算出部107に出力を行う。復調部109は、受信部104−1〜104−Nから入力される受信信号をデータ信号に復調を行い、ネットワークインターフェース110に出力を行う。
ネットワークインターフェース110は、復調部109から入力されたデータ信号を、外部のネットワークにおいて用いられているパケットに変換して外部のネットワークに送信する。また、ネットワークインターフェース110は、外部のネットワークから受信したパケットをデータ信号に変換して変調部105に出力する。
続いて、第1の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局101−1〜101−Nの構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局101−1〜101−Nを構成する無線機の概略ブロック図である。図3に示すように、第1の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局101−1〜101−Nは、アンテナ152と、送信部153と、受信部154と、変調部155と、復調部159と、ネットワークインターフェース160と、伝搬チャネル情報推定信号生成部161とを備えている。
送信部153は、変調部155から入力される送信信号の周波数を無線通信システムで規定される周波数の変換を行ったり、送信電力の調整などを行い、アンテナ152に出力する。受信部154は、アンテナ152を介して受信した受信信号の周波数の変換を行ったり、受信電力の調整などを行い、復調部159に出力を行う。変調部155は、ネットワークインターフェース160から入力されるデータ信号を無線パケット信号に変調を行い、送信部153に出力を行う。また、変調部155は、伝搬チャネル情報推定信号生成部161からの伝搬チャネル推定用の信号の変調を行う。伝搬チャネル情報推定信号生成部161は、伝搬チャネル推定用の信号を生成し、変調部155に出力する。伝搬チャネル推定用の信号は、既知信号である。
次に、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおける無線通信方法について説明する。ここでは、1つの基地局100が2つの端末局101−1および101−2に、空間多重により同一周波数チャネルおよび同一時刻でデータを送信するときの処理について説明する。
第1の実施形態に係る無線通信システムでは、端末局101−1は、基地局100に、伝搬チャネル推定用の信号を送信する。伝搬チャネル推定用の信号は、図3における伝搬チャネル情報推定信号生成部161により生成され、変調部155で変調され、送信部153からアンテナ152を介して送信される。同様に、端末局101−2は、基地局100に、伝搬チャネル推定用の信号を送信する。
基地局100は、端末局101−1および101−2からの伝搬チャネル推定用の信号を受信すると、この受信した伝搬チャネル推定用の信号から伝搬チャネルを推定し、推定した伝搬チャネルから送信ウエイトを算出する。すなわち、端末局101−1および101−2からの伝搬チャネル推定用の信号は、図2におけるアンテナ102−1および102−2で受信され、復調部109で復調された後、伝搬チャネル推定部108に送られる。伝搬チャネル推定部108は、この端末局101−1および101−2から取得した伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、基地局100と端末局101−1との間の伝搬チャネルおよび基地局100と端末局101−2との間の伝搬チャネルを推定する。送信ウエイト算出部107は、推定された伝搬チャネル情報をもとに、送信ウエイトの算出を行う。そして、基地局100は、この送信ウエイトを用いて、端末局101−1および端末局101−2宛に、空間多重によりデータの送信を行う。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおけるパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートの一例である。ここでの端末の数は、端末局101−1および101−2の2台とする。
図4に示すように、端末局101−1は、基地局100宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信する(ステップS101)。同様に、端末局101−2は、基地局100宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信する(ステップS102)。
次に、基地局100は、ステップS101で端末局101−1により送信された伝搬チャネル推定用の信号(CE)を受信し、また、ステップS102で端末局101−2により送信された伝搬チャネル推定用の信号(CE)を受信する。そして、基地局100は、端末局101−1からの伝搬チャネル推定用の信号(CE)から、基地局100と端末局101−1との間の伝搬チャネル情報を推定し、また、端末局101−2からの伝搬チャネル推定用の信号(CE)から、基地局100と端末局101−2との間の伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局100は、推定された伝搬チャネル情報に応じて、基地局100と端末局101−1との間の伝送での送信ウエイトおよび基地局100と端末局101−2との間の伝送での送信ウエイトの生成を行う。そして、基地局100は、このようにして生成された送信ウエイトを用いて、端末局101−1および端末局101−2宛に、空間多重でデータ(Data1およびData2)の送信を行う(ステップS103、S104)。
次に、端末局101−1は、誤りなくパケット信号を復号した場合は、パケット信号受信後に確認信号(BACK)を基地局100に送信する(ステップS105)。また、基地局100は、端末局101−2が誤りなくパケット信号を復号したか否かを確認するために、BACKの送信を指示する確認指示信号(BACKR)を送信する(ステップS106)。次に、端末局101−2は、BACKRの受信に応じて基地局100にBACKを送信する(ステップS107)。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムでは、端末局101−1〜101−Nから基地局100への上り通信において、伝搬チャネル推定用の信号を端末局101−1〜101−Nから基地局100に送信し、基地局100で伝搬チャネル情報を推定して送信ウエイトを算出するため、伝搬チャネル情報をフィードバック伝送するためのオーバーヘッドがなくなり、実行的なスループットの向上を図ることができる。
B.第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムついて説明する。図5は、第2の実施形態に係る無線通信システムおける基地局200を構成する無線機を示す概略ブロック図である。図5に示すように、基地局200は、アンテナ202−1〜202−Nと、送信部203−1〜203−Nと、受信部204−1〜204−Nと、変調部205と、ウエイト演算部206と、送信ウエイト算出部207と、伝搬チャネル推定部208と、復調部209と、ネットワークインターフェース210と、指定信号生成部212とを備えている。アンテナ202−1〜202−N、送信部203−1〜203−N、受信部204−1〜204−N、変調部205、ウエイト演算部206、送信ウエイト算出部207、伝搬チャネル推定部208、復調部209、ネットワークインターフェース210は、第1実施形態に係る無線通信システムにおける基地局100と同様であり、その説明は省略する。
第2の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局200は、第1の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局100の構成に加えて、指定信号生成部212を有している。指定信号生成部212は、指定信号の生成を行い、変調部に出力する。ここで、指定信号とは、端末局に伝搬チャネル推定用の信号の送信指示するための信号であり、宛先端末局のアドレス情報等が記載される。
続いて、第2の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局201−1〜201−Nの構成について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局201−1〜201−Nを構成する無線機の概略ブロック図である。図6に示すように、第2の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局201−1〜201−Nは、アンテナ252と、送信部253と、受信部254と、変調部255と、復調部259と、ネットワークインターフェース260と、伝搬チャネル情報推定信号生成部261と、指定信号解析部263とを備えている。アンテナ252、送信部253、受信部254、変調部255、復調部259、ネットワークインターフェース260、伝搬チャネル情報推定信号生成部261は、第1の実施形態に係る無線通信システムの端末局101−1〜101−Nと同様であり、その説明は省略する。
第2の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局201−1〜201−Nは、第1の実施形態に係る無線通信システムにおける端末局101−1〜101−Nの構成に加えて、指定信号解析部263を有している。指定信号解析部263は、復調部259から入力される基地局200からの指定信号の解析を行い、自身のアドレスが記載されている場合に、伝搬チャネル情報推定信号生成部261に出力を行う。また、伝搬チャネル情報推定信号生成部261は、指定信号解析部263から入力される信号がある場合に、伝搬チャネル情報の推定を行うための信号を生成し、変調部255に出力する。
本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムでは、図5における基地局200の指定信号生成部212は、伝搬チャネル情報を推定する端末局を指定する指定信号を生成する。この指定信号は、変調部205で変調され、送信部203−1〜203−Nから、アンテナ202−1〜202−Nを介して送信される。そして、基地局200からの指定信号は、端末局201−1〜201−Nのアンテナ252で受信され、復調部259で復調された後、指定信号解析部263に送られる。指定信号解析部263は、この指定信号の解析を行い、自身のアドレスが記載されているかどうかを判定する。そして、受信した指定信号に自身のアドレスが記載されている場合、伝搬チャネル情報推定信号生成部261は、伝搬チャネル推定用の信号を出力する。
以下、第1の実施形態に係る無線通信システムと同様に、この伝搬チャネル推定用の信号は、変調部255で変調され、送信部253からアンテナ252を介して送信される。そして、この伝搬チャネル推定用の信号は、基地局200のアンテナ202−1〜202−Nで受信され、復調部209で復調された後、伝搬チャネル推定部208に送られる。伝搬チャネル推定部208は、この伝搬チャネル推定用の信号から伝搬チャネルを推定し、送信ウエイト算出部207は、推定された伝搬チャネルをもとに、送信ウエイトの算出を行う。
次に、第2の実施形態における無線通信方法について具体的に説明する。図7は、第2の実施形態におけるパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートの一例である。ここでの端末数は、端末局201−1および端末局201−2の2台とする。図7において、基地局200では端末局201−1および201−2宛の送信データ(Data1およびData2)が生起している。
図7において、基地局200は、端末局201−1〜201−N中で、端末局を指定して、指示信号(CEP)を送信する。この例では、基地局200は、端末局201−1および201−2宛てに、指示信号(CEP)を送信している(ステップS201)。
次に、端末局201−1〜201−Nは、基地局200から指示信号を受信した場合には、基地局200宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信する。ここでは、端末局201−1が基地局200から指示信号を受信しており、これに応じて、端末局201−1は、基地局200宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信している(ステップS202)。同様に、端末局201−2も、基地局200から指示信号を受信しており、これに応じて、端末局201−2は、基地局200宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信している(ステップS203)。
次に、基地局200は、ステップS202で端末局201−1により送信された伝搬チャネル推定用の信号(CE)を受信し、また、ステップS203で端末局201−2により送信された伝搬チャネル推定用の信号(CE)を受信する。そして、基地局200は、端末局201−1からの伝搬チャネル推定用の信号(CE)から、基地局200と端末局201−1との間の伝搬チャネル情報を推定し、また、端末局201−2からの伝搬チャネル推定用の信号(CE)から、基地局200と端末局201−2との間の伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局200は、推定された伝搬チャネルに応じて、基地局200と端末局201−1との間の伝送での送信ウエイトおよび基地局200と端末局201−2との間の伝送での送信ウエイトの生成を行う。そして、基地局200は、このようにして生成された送信ウエイトを用いて、端末局201−1および端末局201−2宛に、空間多重によりデータ(Data1およびData2)の送信を行う(ステップS204、S205)。
次に、端末局201−1は、誤りなくパケット信号を復号した場合は、パケット信号受信後に確認信号(BACK)を基地局200に送信する(ステップS206)。次に、基地局200は、端末局201−2が誤りなくパケット信号を復号したか否かを確認するために、BACKの送信を指示する確認指示信号(BACKR)を送信する(ステップS207)。次に、端末局201−2は、BACKRの受信に応じて基地局200にBACKを送信する(ステップS208)。
以上説明したように、第2の実施形態に係る無線通信システムでは、指定信号により伝搬チャネル用の信号を送信する端末局を選択することができる。
C.第3の実施形態
次に、第3の実施形態に係る無線通信システムついて説明する。図8は、第3の実施形態に係る無線通信システムおける基地局300を構成する無線機の概略ブロック図である。図8に示すように、基地局300は、アンテナ302−1〜302−Nと、送信部303−1〜303−Nと、受信部304−1〜304−Nと、変調部305と、ウエイト演算部306と、送信ウエイト算出部307と、伝搬チャネル推定部308と、復調部309と、ネットワークインターフェース310と、伝搬チャネル情報推定信号生成部314と、補正値算出部315とを備えている。アンテナ302−1〜302−N、送信部303−1〜303−N、受信部304−1〜304−N、変調部305、ウエイト演算部306、送信ウエイト算出部307、伝搬チャネル推定部308、復調部309、ネットワークインターフェース310は、第1または第2の実施形態に係る無線通信システムの基地局100または200と同様であり、その説明は省略する。
伝搬チャネル情報推定信号生成部314は、事前に、基地局300と端末局301−1〜301−Nの何れかとの間で、下り伝搬チャネル情報の推定を行うための信号を生成し、変調部305に出力する。
補正値算出部315は、事前に取得する基地局300から端末局301−1〜301−Nの何れかへの下り伝搬チャネル情報と、端末局301−1〜301−Nの何れかから基地局300への上り伝搬チャネル情報を用いて補正値の算出を行い、送信ウエイト算出部307に出力を行う。送信ウエイト算出部307は、伝搬チャネル推定部308から入力される伝搬チャネル情報と補正値算出部315からの補正値とを演算して送信ウエイトを算出し、ウエイト演算部306に出力を行う。
図9は、第3の実施形態に係る無線通信システムおける端末局301−1〜301−Nを構成する無線機の概略ブロック図である。図9に示すように、端末局301−1〜301−Nは、アンテナ352と、送信部353と、受信部354と、変調部355と、復調部359と、ネットワークインターフェース360と、伝搬チャネル情報推定信号生成部361と、伝搬チャネル推定部365とを備えている。アンテナ352、送信部353、受信部354、変調部355、復調部359、ネットワークインターフェース360、伝搬チャネル情報推定信号生成部361は、第1または第2の実施形態の端末局101−1〜101−Nまたは201−1〜201−Nと同様であり、その説明は省略する。伝搬チャネル推定部365は、復調部359から入力される受信信号と既知の伝搬チャネル推定用の信号との比較を行うことで、下り伝搬チャネル情報の推定を行う。
第3の実施形態に係る無線通信システムは、事前に、基地局300と端末局301−1〜301−Nの何れかとの間で取得した下り伝搬チャネル情報と、端末局301−1〜301−Nの何れかから基地局300への上り伝搬チャネル情報から補正値を算出し、この補正値を用いて送信ウエイトを算出することで、上り通信と下り通信の伝搬チャネル情報の送受信機の特性による違いを補正し、精度が高い送信ウエイトを算出することができるようにしたものである。
補正値の算出の具体的な計算方法を説明するために、ここでは、端末局301−1を用いて説明を行う。基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報Hは、下記の式で表される。
Figure 0005856575
ここで、grstaは端末局301−1の受信部の特性を示し、gtapは基地局300の送信部の特性を示し、下記の式で表される。
Figure 0005856575
また、端末局301−1から基地局300への上り伝搬チャネル情報Hは、下記の式で表される。
Figure 0005856575
ここで、gtstaは端末局301−1の送信部の特性を示し、grapは基地局300の受信部の特性を示し、下記の式で表される。また、tは転置を示す。
Figure 0005856575
補正値Kの算出では、下り伝搬チャネル情報Hおよび上り伝搬チャネル情報Hを用いて下記のように算出を行う。
Figure 0005856575
上式より、補正値Kは、基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報と、端末局301−1から基地局300への上り伝搬チャネル情報とから算出できることが分かる。なお、ここでは、基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報と、端末局301−1から基地局300への上り伝搬チャネル情報とを用いて補正値を算出する例について説明したが、基地局300と何れかの端末局との間の上り伝搬チャネル情報と下り伝搬チャネル情報とが取得できれば、補正値Kは算出できる。
基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報を取得するために、第3の実施形態に係る無線通信システムでは、事前に、基地局300は、端末局301−1に、伝搬チャネル推定用の信号を送信する。伝搬チャネル推定用の信号は、図8における伝搬チャネル情報推定信号生成部314により生成され、変調部305で変調され、送信部303−1〜303−Nからアンテナ302−1〜302−Nを介して送信される。
端末局301−1は、基地局300からの伝搬チャネル推定用の信号を受信すると、この受信した伝搬チャネル推定用の信号から下り伝搬チャネル情報を推定する。すなわち、基地局300からの伝搬チャネル推定用の信号は、図9におけるアンテナ352で受信され、復調部359で復調された後、伝搬チャネル推定部365に送られる。伝搬チャネル推定部365は、この基地局300から取得した伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報を推定する。そして、端末局301−1は、基地局300に、伝搬チャネル推定用の信号を送信すると同時に、推定した基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報を送信する。すなわち、図9において、端末局301−1は、伝搬チャネル情報推定信号生成部361により生成された伝搬チャネル推定用の信号を変調部355に送ると共に、伝搬チャネル推定部365で推定した下り伝搬チャネル情報を変調部355に送る。変調部355は、伝搬チャネル推定用の信号および下り伝搬チャネル情報を変調し、送信部353から、アンテナ352を介して送信する。
基地局300は、端末局301−1からの伝搬チャネル推定用の信号を受信すると共に、基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報を受信して取得する。そして、基地局300は、受信した伝搬チャネル推定用の信号から、端末局301−1から基地局300への上り伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局300は、受信した下り伝搬チャネル情報と、推定した上り伝搬チャネル情報を用いて、補正値Kを算出する。
すなわち、端末局301−1からの信号は、図8におけるアンテナ302−1および302−2で受信され、復調部309で復調される。復調部309からは、伝搬チャネル推定用の信号と、基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報とが出力される。基地局300から端末局301−1への下り伝搬チャネル情報は、補正値算出部315に送られる。また、伝搬チャネル推定用の信号は、伝搬チャネル推定部308に送られる。伝搬チャネル推定部308は、この伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、端末局301−1から基地局300への上り伝搬チャネル情報を推定する。この上り伝搬チャネル情報は補正値算出部315に送られる。
補正値算出部315は、復調部309からの下り伝搬チャネル情報と、伝搬チャネル推定部308からの上り伝搬チャネル情報とを用いて、式(7)に示すような演算を行い、補正値Kを算出する。送信ウエイト算出部307は、伝搬チャネル推定部308から入力される伝搬チャネル情報および補正値算出部315を、式(8)に示すように乗算し、この乗算された情報H’をもとに送信ウエイトを算出し、ウエイト演算部306に出力を行う。
Figure 0005856575
次に、第3の実施形態における上り伝搬チャネル情報および下り伝搬チャネル情報の取得方法について具体的に説明する。図10は、第3の実施形態における伝搬チャネル情報の推定の動作を示すタイムチャートの一例である。ここでの端末数は1台とする。
図10において、基地局300は、端末局301−1宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信する(ステップS301)。
次に、端末局301−1は、ステップS301で基地局300より送信された伝搬チャネル推定用の信号(CE)を受信する。そして、端末局301−1は、基地局300からの伝搬チャネル推定用の信号(CE)から、基地局300と端末局301−1との間の下り伝搬チャネル情報を推定する。そして、端末局301−1は、推定した下り伝搬チャネル情報を基地局300に送信を行う(CER)。この際に、端末局301−1は、推定した伝搬チャネル情報に加えて伝搬チャネル推定用の信号(CE)も同時に送信する(ステップS302)。
次に、基地局300は、端末局301−1から送信された信号から下り伝搬チャネル情報(CER)を取得する。同時に、基地局300は、伝搬チャネル推定用の信号(CE)から上り伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局300は、受信した下り伝搬チャネル情報と、推定した上り伝搬チャネル情報を用いて補正値を求める。
なお、パケット信号を伝送する際のタイムチャートは、第1の実施形態および第2の実施形態に係る無線通信システムと同様であるため説明は省略する。
以上説明したように、第3の実施形態に係る無線通信システムは、事前に、基地局300と端末局301−1〜301−Nの何れかとの間で取得した下り伝搬チャネル情報と、端末局301−1〜301−Nの何れかから基地局300への上り伝搬チャネル情報から補正値を算出し、この補正値を用いて送信ウエイトを算出することで、伝搬チャネル情報の補正を行うことで、送受信部の特性の違いを補正して、精度が高い送信ウエイトを算出することができる。
D.第4の実施形態
図11は、本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムを示す概略ブロック図である。図11に示すように、本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムは、基地局400−1および400−2と、基地局400−1と無線パケット通信を行う端末局401−1と401−2とを備えている。
ここで、基地局400−1と端末局401−1との間の伝搬チャネル情報はHとし、基地局400−1と端末局401−2との間の伝搬チャネル情報はHとし、基地局400−1と他の基地局400−2との間の伝搬チャネル情報はHHとし、下記の式で表される。
Figure 0005856575
図12は、第4の実施形態における基地局400−1の構成を示す概略ブロック図である。図12に示すように、基地局400−1は、アンテナ402−1〜402−Nと、送信部403−1〜403−Nと、受信部404−1〜404−Nと、変調部405と、ウエイト演算部406と、送信ウエイト算出部407と、伝搬チャネル推定部408と、復調部409と、ネットワークインターフェース410と、伝搬チャネル情報推定信号生成部414と、補正値算出部415とを備えている。アンテナ402−1〜402−N、送信部403−1〜403−N、受信部404−1〜404−N、変調部405、ウエイト演算部406、送信ウエイト算出部407、伝搬チャネル推定部408、復調部409、ネットワークインターフェース410は、第3の実施形態に係る無線通信システムの基地局300と同様であり、その説明は省略する。
伝搬チャネル情報推定信号生成部414は、事前に、基地局400−2から他の基地局400−2への下り伝搬チャネル情報の推定を行うための信号を生成し、変調部405に出力する。補正値算出部415は、基地局400−1から他の基地局400−2への下り伝搬チャネル情報と、基地局400−2から基地局400−1への上り伝搬チャネル情報を用いて補正値の算出を行い、送信ウエイト算出部407に出力を行う。
図13は、第4の実施形態における他の基地局400−2を構成する無線機の概略ブロック図である。図13に示すように、基地局400−2は、アンテナ432−1〜432−Nと、送信部433−1〜433−Nと、受信部434−1〜434−Nと、変調部435と、ウエイト演算部436と、送信ウエイト算出部437と、伝搬チャネル推定部438と、復調部439と、ネットワークインターフェース440と、伝搬チャネル情報推定信号生成部444と、補正値算出部445とを備えている。この構成は、基地局400−1と同様であり、その説明は省略する。
端末局401−1、401−2については、第1の実施形態から第3の実施形態に係る無線通信システムの端末局と同様であり、その説明は省略する。
前述の第3の実施形態では、事前に、基地局300と端末局301−1〜301−Nの何れかとの間で取得した下り伝搬チャネル情報と、端末局301−1〜301−Nの何れかから基地局300への上り伝搬チャネル情報から補正値を算出している。これに対して、この第4の実施形態では、事前に、基地局400−1と他の基地局400−2との間で、下り伝搬チャネル情報と上り伝搬チャネル情報を取得し、この基地局400−1と他の基地局400−2との間の下り伝搬チャネル情報と上り伝搬チャネル情報から補正値を算出し、この補正値を用いて送信ウエイトを補正している。
具体的な計算方法を説明するために、ここでは、図11に示したように、基地局400−1、400−2、端末局401−1、401−2からなる無線通信システムを用いて説明を行う。基地局400−1から基地局400−2への下り伝搬チャネル情報HHは、下記の式で表される。
Figure 0005856575
ここで、g ap2は基地局400−2の受信部の特性を示し、g ap1は基地局400−1の送信部の特性を示し、下記の式で表される。
Figure 0005856575
また、基地局400−2から基地局400−1への上り伝搬チャネル情報HHは、下記の式で表される。
Figure 0005856575
ここで、g ap1は基地局400−1の受信部の特性を示し、g ap2は基地局400−2の送信部の特性を示し、下記の式で表される。また、tは転置を示す。
Figure 0005856575
補正値Kの算出では、下り伝搬チャネル情報HHおよび上り伝搬チャネル情報HHを用いて下記のように算出を行う。
Figure 0005856575
上式より、補正値Kは、基地局400−1から他の基地局400−2への下り伝搬チャネル情報と、他の基地局400−2から基地局400−1への上り伝搬チャネル情報とから算出できることが分かる。
基地局400−1から基地局400−2への下り伝搬チャネル情報を取得するために、第4の実施形態に係る無線通信システムでは、事前に、基地局400−1は、他の基地局400−2に、伝搬チャネル推定用の信号を送信する。伝搬チャネル推定用の信号は、図12における伝搬チャネル情報推定信号生成部414により生成され、変調部405で変調され、送信部403−1〜403−Nからアンテナ402−1〜402−Nを介して送信される。
他の基地局400−2は、基地局400−1からの伝搬チャネル推定用の信号を受信すると、この受信した伝搬チャネル推定用の信号から、下り伝搬チャネル情報を推定する。すなわち、基地局400−1からの伝搬チャネル推定用の信号は、図13における基地局400−2のアンテナ432−1〜432−Nで受信され、復調部439で復調された後、伝搬チャネル推定部438に送られる。伝搬チャネル推定部438は、この基地局400−1から取得した伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、基地局400−1から基地局400−2への下り伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局400−2は、推定した下り伝搬チャネル情報を変調部435に送ると共に、伝搬チャネル情報推定信号生成部444からの伝搬チャネル推定用の信号を変調部435に送る。そして、送信部433−1〜433−Nは、アンテナ432−1〜432−Nを介して、伝搬チャネル推定用の信号を基地局400−1に送信すると同時に、推定した基地局400−1から基地局400−2への下り伝搬チャネル情報を基地局400−1に送信する。
基地局400−1は、他の基地局400−2からの伝搬チャネル推定用の信号を受信すると共に、基地局400−1から他の基地局400−2への下り伝搬チャネル情報を受信して取得する。そして、基地局400−1は、受信した伝搬チャネル推定用の信号から、他の基地局400−2から基地局400−1への上り伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局400−1は、受信した下り伝搬チャネル情報と、推定した上り伝搬チャネル情報を用いて、補正値Kを算出する。
すなわち、他の基地局400−2からの信号は、図12における基地局400−1のアンテナ402−1〜402−Nを介して、受信部404−1〜404−Nで受信され、復調部409で復調される。基地局400−1の復調部409からは、伝搬チャネル推定用の信号と、基地局400−1から他の基地局400−2への下り伝搬チャネル情報とが出力される。下り伝搬チャネル情報は、補正値算出部415に送られる。また、伝搬チャネル推定用の信号は、伝搬チャネル推定部408に送られる。伝搬チャネル推定部408は、この伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、他の基地局400−2から基地局400−1への上り伝搬チャネルを推定する。この上り伝搬チャネル情報は補正値算出部415に送られる。
補正値算出部415は、復調部409からの下り伝搬チャネル情報と、伝搬チャネル推定部408からの上り伝搬チャネル情報とを用いて、式(18)に示すような演算を行い、補正値Kを算出する。
次に第4の実施形態における上り伝搬チャネル情報および下り伝搬チャネル情報の取得方法について具体的に説明する。図14は、第4の実施形態における伝搬チャネル情報の推定の動作を示すタイムチャートの一例である。
基地局400−1は、基地局400−2宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を送信する(ステップS401)。
次に、基地局400−2は、基地局400−1から伝搬チャネル推定用の信号を受信した場合には、伝搬チャネル推定用の信号から下り伝搬チャネル情報を推定し、推定した下り伝搬チャネル情報(CER)を基地局400−1に送信を行う。この際に、基地局400−2は、推定した下り伝搬チャネル情報に加えて伝搬チャネル推定用の信号(CE)も同時に送信する(ステップS402)。
次に、基地局400−1は、基地局400−2から送信された信号から下り伝搬チャネル情報(CER)を取得する。同時に、基地局400−1は、受信した伝搬チャネル推定用の信号(CE)から上り伝搬チャネル情報を推定する。そして、基地局400−1は、取得した下り伝搬チャネル情報と、推定した上り伝搬チャネル情報とから、補正値を求める。
なお、パケット信号を伝送する際のタイムチャートは、第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるため説明は省略する。
以上説明したように、第4の実施形態に係る無線通信システムでは、事前に、基地局400−1と他の基地局400−2との間で取得した下り伝搬チャネル情報と、上り伝搬チャネル情報から補正値を算出し、この補正値を用いて送信ウエイトを算出することで、送受信部の特性の違いを補正して、精度が高い送信ウエイトを算出することができる。
E.第5の実施形態
図15は、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムの概略ブロック図である。図15に示すように、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムは、基地局500−1および500−2と、基地局500−1と無線パケット通信を行う端末局501−1と501−2とを備えている。基地局500−1と他の基地局500−2との間は、有線ネットワーク520を介して接続される。
図16は、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局500−1を構成する無線機の概略ブロック図である。図16に示すように、基地局500−1は、アンテナ502−1〜502−Nと、送信部503−1〜503−Nと、受信部504−1〜504−Nと、変調部505と、ウエイト演算部506と、送信ウエイト算出部507と、伝搬チャネル推定部508と、復調部509と、ネットワークインターフェース510と、伝搬チャネル情報推定信号生成部514と、補正値算出部515とを備えている。アンテナ502−1〜502−N、送信部503−1〜503−N、受信部504−1〜504−N、変調部505、ウエイト演算部506、送信ウエイト算出部507、伝搬チャネル推定部508、復調部509、ネットワークインターフェース510、伝搬チャネル情報推定信号生成部514、補正値算出部515は、第4の実施形態に係る無線通信システムの基地局400−1と同様であり、その説明を省略する。
図17は、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局500−2を構成する無線機の概略ブロック図である。図17に示すように、基地局500−2は、アンテナ532−1〜532−Nと、送信部533−1〜533−Nと、受信部534−1〜534−Nと、変調部535と、ウエイト演算部536と、送信ウエイト算出部537と、伝搬チャネル推定部538と、復調部539と、ネットワークインターフェース540と、伝搬チャネル情報推定信号生成部544と、補正値算出部545とを備えている。これらの構成は、基地局500−1と同様であり、その説明は省略する。
図17に示すように、第5の実施形態における他の基地局500−2は、伝搬チャネル推定部538で推定した下り伝搬チャネル情報をネットワークインターフェース540を介して有線ネットワーク520により出力できる。また、図16に示すように、第5の実施形態における基地局500−1は、有線ネットワーク520により他の基地局500−2から送られてきた伝搬チャネル情報を、ネットワークインターフェース510を介して入力して、補正値算出部515に送ることができる。他の構成については、第4の実施形態と同様である。
端末局501−1〜501−Nについては、第1の実施形態から第3の実施形態に係る無線通信システムの端末局と同様であり、その説明は省略する。
第4の実施形態と同様に、この第5の実施形態では、事前に、基地局500−1と他の基地局500−2との間で取得した下り伝搬チャネル情報と、上り伝搬チャネル情報から補正値を算出し、この補正値を用いて送信ウエイトを算出することで、精度が高い送信ウエイトを算出するようにしている。この第5の実施形態では、事前に、基地局500−1と他の基地局500−2との間で下り伝搬チャネル情報と上り伝搬チャネル情報を取得する際に、基地局500−1と500−2との間で接続された有線ネットワーク520用いて情報を取得することで、精度が高い伝搬チャネル情報を取得することができる。
つまり、基地局500−1から基地局500−2への下り伝搬チャネル情報を取得するために、第5の実施形態に係る無線通信システムでは、事前に、基地局500−1は、他の基地局500−2に、伝搬チャネル推定用の信号を送信する。伝搬チャネル推定用の信号は、図16における伝搬チャネル情報推定信号生成部514により生成され、変調部505で変調され、送信部503−1〜503−Nからアンテナ502−1〜502−Nを介して送信される。
他の基地局500−2は、基地局500−1からの伝搬チャネル推定用の信号を受信すると、この受信した伝搬チャネル推定用の信号から下り伝搬チャネル情報を推定する。
すなわち、基地局500−1からの伝搬チャネル推定用の信号は、図17におけるアンテナ532−1〜532−2で受信され、復調部539で復調された後、伝搬チャネル推定部538に送られる。伝搬チャネル推定部538は、この基地局500−1から取得した伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、基地局500−1から基地局500−2への下り伝搬チャネル情報を推定する。そして、他の基地局500−2は、伝搬チャネル情報推定信号生成部544により生成された伝搬チャネル推定用の信号を変調部535に送り、基地局500−1に無線で送信すると同時に、伝搬チャネル推定部538で推定した下り伝搬チャネル情報を、ネットワークインターフェース540から、有線ネットワーク520を介して有線で伝送する。
基地局500−1は、他の基地局500−2から無線で送られてきた伝搬チャネル推定用の信号を受信し、復調部509で伝搬チャネル推定用の信号を復調すると共に、有線ネットワーク520を介して有線伝送により、下り伝搬チャネル情報を取得する。そして、基地局500−1は、有線により取得した下り伝搬チャネル情報と、推定した上り伝搬チャネル情報を用いて、補正値Kを算出する。
すなわち、他の基地局500−2からの信号は、図16における基地局500−1のアンテナ502−1〜502−Nを介して受信部504−1〜504−Nで受信され、復調部509で復調される。基地局500−1の復調部509からは、伝搬チャネル推定用の信号が出力される。伝搬チャネル推定用の信号は、伝搬チャネル推定部508に送られる。伝搬チャネル推定部508は、この伝搬チャネル推定用の信号と既知信号とを比較することで、他の基地局500−2から基地局500−1への上り伝搬チャネルを推定する。この上り伝搬チャネル情報は補正値算出部515に送られる。また、ネットワークインターフェース510からは、有線ネットワーク520を介して、基地局500−2から送られてきた下り伝搬チャネル情報が取得される。この下り伝搬チャネル情報は、補正値算出部515に送られる。
補正値算出部515は、有線ネットワーク520からネットワークインターフェース510を介して取得された下り伝搬チャネル情報と、伝搬チャネル推定部508で推定された上り伝搬チャネル情報とを用いて、式(18)に示すような演算を行い、補正値Kを算出する。
次に第5の実施形態における上り伝搬チャネル情報および下り伝搬チャネル情報の取得方法について具体的に説明する。
図18は、第5の実施形態における伝搬チャネル情報の推定の動作を示すタイムチャートの一例である。
基地局500−1は、基地局500−2宛に伝搬チャネル推定用の信号(CE)を無線伝送する(ステップS501)。次に、基地局500−2は、基地局500−1から伝搬チャネル推定用の信号を受信した場合には、伝搬チャネル推定用の信号から下り伝搬チャネル情報を推定する。次に、基地局500−2は、基地局500−1宛に、伝搬チャネル推定用の信号(CE)を無線伝送する(ステップS502)。また、基地局500−2は、推定した下り伝搬チャネル情報(CER)を基地局500−1に有線伝送を行う(ステップS503)。
次に、基地局500−1は、基地局500−2から伝搬チャネル推定用(CE)の信号を受信した場合には、伝搬チャネル推定用の信号(CE)から上り伝搬チャネル情報を推定する。また、基地局500−1は、基地局500−2から有線伝送された信号から下り伝搬チャネル情報(CER)を取得する。そして、基地局500−1は、有線伝送により取得した下り伝搬チャネル情報と、推定した上り伝搬チャネル情報とから、補正値を求める。
なお、パケット信号を伝送する際のタイムチャートは、第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるため説明は省略する。
以上説明したように、第5の実施形態では、事前に、基地局と他の基地局との間で下り伝搬チャネル情報と上り伝搬チャネル情報を取得して補正値を求める際に、基地局間で接続された有線ネットワーク用いることで、精度が高い伝搬チャネル情報を取得することができる。
F.第6の実施形態
図19は、本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムの概略ブロック図である。図19に示すように、第6の実施形態に係る無線通信システムでは、基地局600−1と600−2が一体となった基地局621と、基地局600−1と無線パケット通信をする端末局601−1と601−2と、基地局600−1と601−2の間が接続される有線ネットワーク620とを具備している。他の構成については、第5の実施形態と同様である。この実施形態では、図19に示すように、基地局600−1、600−2が一体となった構成の基地局621とすることで、有線接続における遅延や伝搬誤りを起こりにくくしている。
G.第7の実施形態
図20は、本発明の第7の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局700を構成する無線機の概略ブロック図である。図20に示すように、基地局700は、アンテナ702−1〜702−Nと、送信部703−1〜703−Nと、受信部704−1〜704−Nと、変調部705と、ウエイト演算部706と、送信ウエイト算出部707と、伝搬チャネル推定部708と、復調部709と、ネットワークインターフェース710と、伝搬チャネル情報推定信号生成部714と、補正値算出部715と、補正値更新部725を備えている。アンテナ702−1〜702−N、送信部703−1〜703−N、受信部704−1〜704−N、変調部705、ウエイト演算部706、送信ウエイト算出部707、伝搬チャネル推定部708、復調部709、ネットワークインターフェース710、伝搬チャネル情報推定信号生成部714、補正値算出部715は、第3から第6の実施形態における基地局と同様であり、その説明は省略する。補正値更新部725は、補正値算出部715で求められる補正値を定期的に更新する。
このように、本発明の第7の実施形態では、補正値更新部725が設けられ、補正値が定期的に更新される。これにより、補正値の精度を高めることができる。
H.第8の実施形態
図21は、本発明の第8の実施形態に係る無線通信システムにおける基地局800を構成する無線機の概略ブロック図である。図21に示すように、基地局800は、アンテナ802−1〜802−Nと、送信部803−1〜803−Nと、受信部804−1〜804−Nと、変調部805と、ウエイト演算部806と、送信ウエイト算出部807と、伝搬チャネル推定部808と、復調部809と、ネットワークインターフェース810と、伝搬チャネル情報推定信号生成部814と、補正値算出部815と、補正値更新部825と、温度検出部826とを備えている。
アンテナ802−1〜802−N、送信部803−1〜803−N、受信部804−1〜804−N、変調部805、ウエイト演算部806、送信ウエイト算出部807、伝搬チャネル推定部808、復調部809、ネットワークインターフェース810、伝搬チャネル情報推定信号生成部814、補正値算出部815、補正値更新部825は、第7の実施形態と同様であり、その説明は省略する。温度検出部826は、基地局800内の温度を検出し、この検出信号を補正値更新部825に出力する。
図21に示すように、この第8の実施形態では、基地局800内の温度を検出する温度検出部826を設け、この温度検出部826で測定した温度情報に基づいて、補正値の算出を決定する。例えば、補正値算出部815は、温度検出部826から出力される検出信号により示される温度が一定以上変化すると、新たに補正値を算出して更新する。あるいは、例えば補正値を更新する温度の閾値を予め定めておき、温度が閾値を超えた場合、または温度が閾値を下回った場合に、新たに補正値を算出して更新する。この場合、複数の閾値を予め定めておくこともできる。これにより、状況に応じた補正値の精度を高めることができる。
I.さらに他の実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態について説明する。まず、前述の第4、第5、第6の実施形態では、式(18)に示すような演算を行うことで、補正値Kを算出している。この際、複数の補正値の平均から補正値を算出するようにしてもよい。例えば、補正値Kの算出を、式(18)に示す演算から下式に示す演算に変更することで、補正値の平均化を行うことができ、補正値の精度を高めることができる。
Figure 0005856575
また、平均化を行う際に、別の基地局ではなく、別の端末局との間の伝搬チャネル情報を用いても構わない。
さらに、第3の実施形態から第8の実施形態における補正値を算出する際に、伝搬チャネル行列ではなく、伝搬チャネルの特異値分解から算出される特異ベクトルから構成される行列の情報を用いるようにしても良い。具体的な算出方法を下記に示す。まずは、特異ベクトルから構成される行列の定義を行う。
Figure 0005856575
ここで、UとUは特異ベクトルから構成される左特異行列を示し、VとVは特異ベクトルから構成される右特異行列であり、ΣとΣはHとHの特異値を対角に有する対角化行列を示す。Hは複素共役転置を示す。
次に、特異ベクトルから構成される行列を用いる補正値の算出方法を説明する。
まずは、上り伝搬チャネル情報と下り伝搬チャネル情報の特異値分解から算出される特異行列から補正値を算出する方法を示す。
Figure 0005856575
次に、上り伝搬チャネル情報の特異値分解から算出される特異行列と下り伝搬チャネル情報の特異値分解から算出される特異行列から補正値を算出する方法を示す。
Figure 0005856575
ここで、*は共役を示す。
なお、無線通信システムの全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
100,200,300,400−1,400−2,500−1,500−2,600,700,800:基地局,
101−1〜101−N,201〜200−N,301〜300−N,401〜400−N,501〜500−N,601〜600−N:端末局
102−1〜102−N,202−1〜202−N,302−1〜302−N,402−1〜402−N,432−1〜432−N,502−1〜502−N,532−1〜532−N,702−1〜702−N,802−1〜802−N:アンテナ,
103−1〜103−N,203−1〜203−N,303−1〜303−N,403−1〜403−N,433−1〜433−N,503−1〜503−N,533−1〜533−N,703−1〜703−N,803−1〜803−N:送信部,
104−1〜104−N,204−1〜204−N,304−1〜304−N,404−1〜404−N,434−1〜444−N,504−1〜504−N,534−1〜534−N,704−1〜704−N,804−1〜804−N:受信部,
105,205,305,405,435,505,535,705,805:変調部,
106,206,306,406,436,506,536,706,806:ウエイト演算部,
107,207,307,407,437,507,537,707,807:送信ウエイト算出部,
108,208,308,408,438,508,538,708,808:伝搬チャネル推定部
109,209,309,409,439,509,539,709,809:復調部,
110,210,310,410,440,510,540,710,810:ネットワークインターフェース

Claims (10)

  1. 複数の端末局が、基地局に伝搬チャネル推定用の既知信号を送信するステップと、
    前記基地局が、受信した前記既知信号から前記基地局と前記端末局との間の伝搬チャネル情報を推定するステップと、
    前記基地局が、推定した前記伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出するステップと、
    前記基地局が、前記算出した送信ウエイトを用いて前記複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信するステップと、
    を備え
    さらに、前記送信ウエイトを補正する補正値を算出するステップを含み、
    前記補正値を算出するステップにおいて、前記基地局から何れかの端末局への下り伝搬チャネル情報と、前記何れかの端末局から前記基地局への上り伝搬チャネル情報とを用いて、送受信部の特性の違いを補正する補正値を算出することを特徴とする無線通信方法。
  2. 複数の端末局が、基地局に伝搬チャネル推定用の既知信号を送信するステップと、
    前記基地局が、受信した前記既知信号から前記基地局と前記端末局との間の伝搬チャネル情報を推定するステップと、
    前記基地局が、推定した前記伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出するステップと、
    前記基地局が、前記算出した送信ウエイトを用いて前記複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信するステップと、
    を備え
    さらに、前記送信ウエイトを補正する補正値を算出するステップを含み、
    前記補正値を算出するステップにおいて、前記基地局から他の基地局への下り伝搬チャネル情報と、前記他の基地局から前記基地局への上り伝搬チャネル情報とを用いて、送受信部の特性の違いを補正する補正値を算出することを特徴とする無線通信方法。
  3. 前記補正値を算出する際に、前記伝搬チャネル情報の特異値分解から算出される特異ベクトルから構成される行列を用いることを特徴とする請求項またはに記載の無線通信方法。
  4. 前記補正値を算出する際に、温度情報に基づいて補正値の算出を決定することを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の無線通信方法。
  5. 前記補正値を算出する際に、複数の補正値の平均から補正値を算出することを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の無線通信方法。
  6. 前記伝搬チャネル情報を有線を用いて取得することを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の無線通信方法
  7. 基地局と複数の端末局とが通信する無線通信システムであって、
    前記複数の端末局は、
    伝搬チャネル推定用の既知信号を前記基地局に送信する送信部を有し、
    前記基地局は、
    前記端末局から送られてきた伝搬チャネル推定用の既知信号を受信する受信部と、
    前記受信した既知信号から伝搬チャネル情報を推定する伝搬チャネル推定部と、
    前記伝搬チャネル推定部により推定した前記伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出部と、
    前記算出した送信ウエイトを用いて前記複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信する送信部と、を有し、
    さらに、前記送信ウエイトを補正する補正値を算出する補正値算出部を有し、
    前記補正値算出部は、前記基地局から何れかの端末局への下り伝搬チャネル情報と、前記何れかの端末局から前記基地局への上り伝搬チャネル情報とを用いて、送受信部の特性の違いを補正する補正値を算出することを特徴とする無線通信システム。
  8. 基地局と複数の端末局とが通信する無線通信システムであって、
    前記複数の端末局は、
    伝搬チャネル推定用の既知信号を前記基地局に送信する送信部を有し、
    前記基地局は、
    前記端末局から送られてきた伝搬チャネル推定用の既知信号を受信する受信部と、
    前記受信した既知信号から伝搬チャネル情報を推定する伝搬チャネル推定部と、
    前記伝搬チャネル推定部により推定した前記伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出部と、
    前記算出した送信ウエイトを用いて前記複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信する送信部と、を有し、
    さらに、前記送信ウエイトを補正する補正値を算出する補正値算出部を有し、
    前記補正値算出部は、前記基地局から他の基地局への下り伝搬チャネル情報と、前記他の基地局から前記基地局への上り伝搬チャネル情報とを用いて、送受信部の特性の違いを補正する補正値を算出することを特徴とする無線通信システム。
  9. 複数の端末局と通信する無線通信システムの基地局として用いられる無線機であって、
    前記複数の基地局から送信される伝搬チャネル推定用の既知信号を受信する受信部と、
    前記受信部が受信した前記既知信号から伝搬チャネル情報を推定する伝搬チャネル推定部と、
    前記伝搬チャネル推定部により推定した前記伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出部と、
    前記算出された送信ウエイトを用いて前記複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信する送信部と、
    を備え
    さらに、前記送信ウエイトを補正する補正値を算出する補正値算出部を備え、
    前記補正値算出部は、前記基地局から何れかの端末局への下り伝搬チャネル情報と、前記何れかの端末局から前記基地局への上り伝搬チャネル情報とを用いて、送受信部の特性の違いを補正する補正値を算出することを特徴とする無線機。
  10. 複数の端末局と通信する無線通信システムの基地局として用いられる無線機であって、
    前記複数の基地局から送信される伝搬チャネル推定用の既知信号を受信する受信部と、
    前記受信部が受信した前記既知信号から伝搬チャネル情報を推定する伝搬チャネル推定部と、
    前記伝搬チャネル推定部により推定した前記伝搬チャネル情報から送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出部と、
    前記算出された送信ウエイトを用いて前記複数の端末局に対して同一周波数および同一時刻に空間多重送信する送信部と、
    を備え
    さらに、前記送信ウエイトを補正する補正値を算出する補正値算出部を備え、
    前記補正値算出部は、前記基地局から他の基地局への下り伝搬チャネル情報と、前記他の基地局から前記基地局への上り伝搬チャネル情報とを用いて、送受信部の特性の違いを補正する補正値を算出することを特徴とする無線機。
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