JP5855006B2 - C型肝炎ウイルス遺伝子 - Google Patents

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Description

本発明は、C型肝炎ウイルス(以下、「HCV」と呼ぶことがある)遺伝子、該遺伝子を持つRNAレプリコン、該RNAレプリコンが感染しHCVを複製する細胞及びHCV粒子に関する。
HCVはC型慢性肝炎の原因因子であり、WHOの統計によれば、世界中で1.7億人の感染者がいると推定されている。HCVは、フラビウイルス科、フラビウイルス属に分類されるウイルスであり、血液や血液成分を介して感染し、肝臓で増殖すると考えられている。HCVの感染者は、感染初期においては比較的軽微な症状を引き起こすのみであるが、高頻度に慢性化し、一定期間の無症候性期を経た後、慢性肝炎を発症する。そして感染が長期化するに従って、肝硬変へと病状が増悪化し、高い頻度で肝がんに至る。肝がんの95%は肝炎ウイルスが関与しており、その80%がHCVの感染によるものと考えられている。
C型慢性肝炎の治療には、広くインターフェロンが用いられている。近年、インターフェロンの剤型の改良や、インターフェロンとリバビリンとの併用療法などの投与方法の改善により、HCVが体内から駆除され、完治する割合も徐々に増加してきている。しかしながら、未だにインターフェロン投与による完治率は5割程度であり、インターフェロン治療に抵抗性を示すHCVが多く存在していると考えられる。そのためインターフェロンに抵抗性のウイルスに対する治療効果を有する薬剤の開発が望まれている。
そのような薬剤の開発においては、薬剤のスクリーニング系が必要である。HCVを試験管内でヒトやサル由来の細胞に感染させ、増殖させることが報告されているが、このような増殖系は感染効率、増殖効率ともに低く、薬剤のスクリーニング系として用いることができなかった。
脇田らは、C型劇症肝炎患者から遺伝子型2aのHCV遺伝子を単離した(特許文献1)。この単離したJFH1株から、全長のRNAを試験管内(in vitro)で合成し、ヒト肝がん由来細胞(Huh7細胞)に導入したところ、細胞内で自律的に複製するレプリコンRNAを得ることができた。更に、レプリコンRNAが導入された細胞の培養上清に感染性粒子が放出されることを確認した(非特許文献1)。従って、JFH1株のレプリコンRNAをヒト肝がん由来細胞(Huh7細胞)に導入し、得られた感染性粒子を再びヒト肝がん由来細胞と培養することにより、再感染増殖系を構築することができる。この再感染増殖系を用いることにより、HCVに対する薬剤のスクリーニングが始められている。
しかしながら、JFH1株は遺伝子型2aのHCVであり、インターフェロンに感受性のHCVである。そのため、インターフェロンに抵抗性を示すHCV遺伝子領域を有しておらず、インターフェロン抵抗性を規定する領域に作用する宿主側の因子を特定することもできない。従って、インターフェロンに抵抗性のHCVに対して効果のある薬剤をスクリーニングできない可能性がある。
また、Lemonらは、遺伝子型1aのH77株のレプリコンRNAをヒト肝がん由来細胞(Huh7細胞)に導入した感染増殖系を報告している(非特許文献2)。しかしながら、このレプリコンRNAを導入した細胞の培養上清から得られたウイルス粒子を、再度ヒト肝がん由来細胞に感染させたが、前記のJFH1株の感染性粒子と比較して感染価が400倍低いことから、H77株のレプリコンRNAは、感染性を失ったウイルス粒子を放出していると考えられている。従って、試験管内で複製することのできるH77株のレプリコンRNAは、感染性粒子を産生する機能を失っており、本来のHCVの増殖機能を保持していないと考えられる。このため、このH77株のレプリコンRNAの感染増殖系を用いたスクリーニング系は、生体内で増殖機能を有するHCVに対して有効な薬剤をスクリーニングすることができない可能性がある。
以上のとおり、脇田及びLemonの報告したレプリコンRNAは、一部の薬剤のスクリーニングを可能としたが、これらのレプリコンRNAは前記のような問題を有しており、HCVの治療に広く用いることができる薬剤をスクリーニングすることができないと考えられる。
また、本発明者らもHCVの治療に広く用いることができる薬剤を得るために、HCVの効率的な増殖系、遺伝子型1b型の遺伝子を有し、インターフェロン抵抗性であり、感染性粒子を産生することのできる試験管内増殖系としてpTPF1/4Bを開発した(特許文献2)。しかしながら本培養系は、ヒト肝がん由来細胞であるHuh7細胞において、細胞内での自律増殖、RNAの自己複製、培養上清中へのウイルス粒子の分泌効率が悪く実用性に問題があった。また、非特許文献3には、NS2領域のC末端側に感染性に関して重要な領域があることが報告されている。
特開2002−171978号公報 WO 2008/136470
「ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)」2005年、第11巻、p791−796 プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ユナイテッド・ステイト・オブ・アメリカ(Proceeding of the National Academy of Science of the United State of America)」2006年、第103巻、p2310−2315 「ジャーナル・オブ・ヴィオロジー(Journal of Virology)」2009年、 第83巻、p12702−12713
上記の通り、本発明者らは、インターフェロン抵抗性を示すC型劇症肝炎患者由来のHCV遺伝子であり、NS4Bタンパク質の領域に2個のアミノ酸変異を有するTPF1/4BレプリコンRNAが、複製効率が高く、培養上清中に感染性粒子を放出することを見出した(特許文献2)。しかしながら、より効率的に薬剤探索を行うためのハイスループットスクリーニング系に応用するため、より複製効率が高く再感染効率の高い改良型HCV遺伝子を取得することが求められている。
従って、本発明の目的は、特許文献2に記載された公知のHCV遺伝子よりも複製効率が高く再感染効率の高いHCV遺伝子を提供することである。また、本発明の目的は、上記本発明の遺伝子を持つRNAレプリコン、該RNAレプリコンが感染しHCVを複製する細胞及びHCV粒子を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、特許文献2に記載されているTPF1/4B株の遺伝子に、NS2領域の170番目のアミノ酸であるMetをThrに変異させることにより、複製効率及び再感染効率が有意に高まることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、C型肝炎ウイルスの遺伝子であって、それがコードする979番目のアミノ酸がトレオニンであり、1804番目のアミノ酸がロイシンであり、1966番目のアミノ酸がリジンであり、前記遺伝子がコードするアミノ酸配列が配列番号2に示されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有し、複製能及び感染能を有するC型肝炎ウイルスを構成するアミノ酸配列であるC型肝炎ウイルス遺伝子を提供する。また、本発明は、上記本発明の遺伝子を持つRNAレプリコンを提供する。さらに、本発明は、上記本発明のRNAレプリコンが感染し、C型肝炎ウイルスを複製する細胞を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の遺伝子を持つC型肝炎ウイルス粒子を提供する。
本発明により、in vitroでの増殖が可能な特許文献2に記載された公知のHCV遺伝子よりも複製効率が高く再感染効率の高いHCV遺伝子が初めて提供された。本発明のHCV遺伝子を用いることにより、生体内で複製しているHCVゲノムをin vitroで解析することが可能となる。このHCVゲノムを利用することにより、患者肝臓内で複製し、肝炎を重症化させる感染細胞モデルが構築できる。このモデルを利用することにより、肝炎の重症化を抑制、阻害する医薬品の開発、スクリーニングを行うことが可能となる。
下記実施例で作製した本発明のHCV遺伝子(pTPF1-M)を持つRNAレプリコンをエレクトロポレーションにより細胞に導入した際のエレクトロポレーション後の時間と培養上清中のコア抗原の濃度との関係を、特許文献2に記載のHCV遺伝子(pTPF1/4B)についての結果と共に示す図である。 下記実施例で作製した本発明のHCV遺伝子(pTPF1-M)を持つRNAレプリコンをエレクトロポレーションにより細胞に導入した際のエレクトロポレーション後の時間と培養上清中に分泌されたHCV RNA濃度との関係を、特許文献2に記載のHCV遺伝子(pTPF1/4B)についての結果と共に示す図である。 下記実施例で作製した本発明のHCV遺伝子(pTPF1-M)を持つRNAレプリコンをエレクトロポレーションにより細胞に導入した際の培養時間と、その培養時間における培養上清中のウイルス感染価との関係を、特許文献2に記載のHCV遺伝子(pTPF1/4B)についての結果と共に示す図である。 下記実施例で作製した本発明のHCV遺伝子(pTPF1-M)を持つpTPF1−M RNAを、エレクトロポレーターで導入した後のALS32細胞及びHuh7細胞におけるコア抗原の測定値の経時変化を示す図である。 下記実施例で作製した本発明のHCV遺伝子(pTPF1-M)を持つpTPF1−M RNAを導入した後のALS32細胞及びHuh7細胞の培養上清中に分泌されたHCV RNA量の経時変化を示す図である。 下記実施例で作製した本発明のHCV遺伝子(pTPF1-M)を持つpTPF1−M RNAを導入した後のALS32細胞及びHuh7細胞の培養上清中に分泌されたHCV RNAから形成されたウイルス粒子をそれぞれALS32細胞及びHuh7細胞に感染させた際の、感染に使用する培養上清を回収した時間とウイルス感染価との関係を示す図である。
上記の通り、本発明のHCV遺伝子は、それがコードする979番目のアミノ酸がトレオニンであり、1804番目のアミノ酸がロイシンであり、1966番目のアミノ酸がリジンであることを特徴としている。これらのうち、1804番目のアミノ酸がロイシンであり、1966番目のアミノ酸がリジンであることは、特許文献2に記載されたTPF1/4B株の遺伝子が持つ特徴であり、これらの2個の変異によって、in vitroにおいてHCVの自己複製が可能となり、従って、in vitroにおけるHCVの培養が可能になる。本発明のHCVは、TPF1/4B株に特徴的なこれらの2個の変異を有し、かつ、TPF1/4B株の遺伝子と比較してNS2領域に1つの変異を有する。すなわち、HCV遺伝子がコードするアミノ酸配列の979番目(NS2領域の170番目)がトレオニンである(TPF1/4B株ではメチオニン)。そのNS2領域のみを取り出した塩基配列をそれがコードするアミノ酸配列と共に配列番号3に示し、そのアミノ酸配列のみを取り出したものを配列番号4に示す。
下記実施例において得られたHCV遺伝子の塩基配列をそれがコードするアミノ酸配列と共に配列番号1に示す。配列番号1中のアミノ酸配列のみを取り出したものを配列番号2に示す。本発明で規定する上記したアミノ酸番号は、配列番号2に示すアミノ酸配列を基準とする番号であり、配列番号2に示すアミノ酸配列は、上記した変異部分以外は通常の1b型HCVのアミノ酸配列と同様の3010アミノ酸から成るので、通常の1b型HCVのアミノ酸配列における番号と同様である。アミノ酸数が3010ではない場合には、配列同一性の算出に用いられる周知のソフトウェア(後述)を用いて、一致するアミノ酸数が最大になるように配列を配列番号2のアミノ酸配列とアラインすることにより、そのアミノ酸配列における、本発明で規定される上記3つのアミノ酸の位置を容易に特定することができる。その場合には、このように特定された部位のアミノ酸が、上記の3つのアミノ酸であることが必要である。なお、配列番号1に示す塩基配列や他の公知の1b型HCV遺伝子において、5’UTRは第1番目〜第341番目の塩基配列、コアは第342番目〜第914番目の塩基配列、E1領域は第915番目〜第1490番目の塩基配列、E2領域は第1491番目〜第2579番目の塩基配列、P7領域は第2580番目〜第2768番目の塩基配列、NS2領域は第2769番目〜第3419番目の塩基配列、NS3領域は第3420番目〜第5312番目の塩基配列、NS4A領域は第5313番目〜第5474番目の塩基配列、NS4B領域は第5475番目〜第6257番目の塩基配列、NS5A領域は第6258番目〜第7598番目の塩基配列、NS5B領域は第7599番目〜第9371番目の塩基配列、3’非翻訳領域は第9372番目〜第9594番目の塩基配列から成る。従って、本発明の遺伝子が有する変異部位のうち、1804番目のアミノ酸は、NS4B領域の93番目のアミノ酸、1966番目のアミノ酸はNS4B領域の255番目のアミノ酸である。
本発明のHCV遺伝子は、RNAから成るもののみならずDNAから成るものをも包含する。RNAの場合、配列番号1及び配列番号3に示す塩基配列中のtはuになる。従って、本明細書及び特許請求の範囲において、塩基配列に言及している配列番号が示す塩基配列は、tがuであるものをも示しているものと解釈する。
なお、HCV遺伝子には種々のバリアントが知られていることからも明らかなように、配列番号1に示す塩基配列に対して少数の変異を持つ塩基配列であっても複製能及び感染能を有するC型肝炎ウイルスを構成することは可能であり、それがコードするアミノ酸配列が上記した3つのアミノ酸を有し、かつ、複製能及び感染能を有するC型肝炎ウイルスを構成するものは本発明の範囲に包含される。すなわち、配列番号2に示すアミノ酸配列と95%以上、好ましくは99%以上の配列同一性を有し、複製能及び感染能を有するC型肝炎ウイルスを構成するアミノ酸配列(ただし、979番目のアミノ酸がトレオニンであり、1804番目のアミノ酸がロイシンであり、1966番目のアミノ酸がリジンである)をコードする遺伝子は、本発明の範囲に包含される。ここで、配列同一性は、一致するアミノ酸残基の数が最大となるように(必要に応じてギャップを挿入する)、2つのアミノ酸配列を並べ、一致したアミノ酸残基の数を完全長の配列のアミノ酸残基(2つの配列間で全アミノ酸残基の数が異なる場合、長い方のアミノ酸残基)の数で除することよって求めた値を意味する。そのような配列同一性の計算は、BLASTやMacVector(Version 10.5.1、MacVector)等の遺伝子解析ソフトウェアのような周知のソフトウェアによって容易に行うことができる。なお、創薬スクリーニングに用いる場合、できるだけ天然に実在するHCVに近い方が好ましいので、本発明に特徴的な上記3つのアミノ酸の変異以外の変異は、天然のHCVが持つ変異であることが好ましい。また、その塩基配列は、配列番号1に示す塩基配列(ただしtはuでもよい)又は該塩基配列と90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上の配列同一性を有するものが好ましい。また、複製能及び感染能を有するかどうかは、Huh7細胞のような肝臓細胞株に感染させ、細胞の培養上清中にHCVが検出できるかどうかにより判定することができ、具体的な手法は下記実施例に記載されている。
配列番号1に示す塩基配列を持つHCV遺伝子は、1b型である。1b型は、インターフェロン耐性であるので、創薬スクリーニングの対象として重要である。従って、本発明のHCV遺伝子は、1b型であることが好ましい。HCVのジェノタイプはよく研究されており、ジェノタイピングの手法は、例えば、岡本ら(Virology 1992年、第188巻、p331-341)やSimmondsら(Journal of General Virology 1993年、第74巻、p2391-2399)の文献に記載されている。当業者であれば、容易にHCVのジェノタイピングを行うことができる。
本発明のHCV遺伝子は、公知のHCV遺伝子、好ましくは公知の1b型HCV遺伝子に、周知の部位特異的変異法等により、それがコードするアミノ酸配列が上記した3つのアミノ酸を有するように変異を導入することにより調製することができる。上記の通り、特許文献2に記載されたTPF1/4B株は、NS4B領域の2つの変異を有しているので、TPF1/4B株を出発遺伝子として用いる場合には、これにNS2領域の変異1個を導入することにより本発明のHCV遺伝子を調製することができる。部位特異的変異法は周知であり、そのためのキットも市販されているので容易に行うことができる。例えば、変異の導入は、特異的プライマーを用いたPCR(PCR Protocols, Academic Press(1990))を行うことで、NS2領域内にアミノ酸置換を導入することが出来る(下記実施例参照)。遺伝子は、例えばpGEM−T easyベクター(Promega社製)中にクローニングし、自動シークエンサーにより、塩基配列を決定することができる。またこのアミノ酸置換を有するHCV遺伝子は、制限酵素AgeI及びFseIで切断し、同様の制限酵素を用いて切断したpTPF1/4Bとつなぎ合わせることで、本発明のNS2領域内に変異を有する全長HCV遺伝子を取得することができる(下記実施例参照)。他のHCV遺伝子を出発遺伝子とする場合には、さらにNS4B領域の2つの変異を導入する必要があるが、同様に部位特異的変異法等により容易に導入可能である。なお、HCV遺伝子は、肝炎患者の血液からHCV粒子を回収して常法によりRNAを抽出することにより得ることができる。
上記した本発明のHCV遺伝子を持つ本発明のレプリコンRNA(RNAレプリコンともいう。)は、任意の遺伝子工学的手法を用いて作製することができる。限定するものではないが、レプリコンRNAは、例えば、以下のような方法で作製することができる。
前記のレプリコンRNAをコードするDNAを、常法によりクローニングベクターに挿入して、DNAクローンを作製する。このDNAをRNAプロモーターの下流に挿入して、レプリコンRNAを産生することのできるDNAクローンを作製する。前記RNAプロモーターは、プラスミドクローン中に含まれるものであることが好ましい。RNAプロモーターとしては、限定するものではないが、T7 RNAプロモーター、SP6 RNAプロモーター、SP3 RNAプロモーターが挙げられ、T7 RNAプロモーターが特に好ましい。
DNAを挿入するベクターとしては、特に限定されないが、例えば、プラスミドベクター、直鎖状2本鎖DNAベクター並びに、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター及びレンチウイルスベクター等のウイルスベクターを挙げることができるが、好ましくはプラスミドベクターである。
本発明のレプリコンRNAは、前記のDNAが挿入されたベクターから作製することが可能である。DNAクローンを鋳型として、RNAポリメラーゼによりRNAを合成する。RNA合成は、5’非翻訳領域から、常法により開始させることができる。鋳型DNAがプラスミドクローンの場合には、そのプラスミドクローンから、RNAプロモーターの下流に連結された前記DNA領域を制限酵素によって切り出し、そのDNA断片を鋳型として用いてRNAを合成することもできる。なお、好ましくは合成されるRNAの3’末端がウイルスゲノムRNAの3’非翻訳領域と一致し、他の配列が付加されたり削除されたりしないことが好ましい。例えば、本発明の全長のレプリコンRNAの1つの好ましい態様の場合は、5’UTRの上流にT7RNAプロモーター、3’UTR末端に制限酵素XbaI部位を有したベクターに挿入し、XbaI消化後、T7RNAポリメラーゼによりHCVゲノムRNAを合成することができる。
本発明のレプリコン複製細胞は、前記のRNAレプリコンを任意の細胞に導入することによって作製することができる。レプリコンRNAを導入する細胞としては、特に限定されないが、ヒト肝由来細胞、マウス肝由来細胞、又はサル肝由来細胞が好ましく、特にはヒト肝がん由来細胞であるHuh7細胞、HepG2細胞、又はHep3B細胞、あるいはIMY−N9細胞、HeLa細胞、CHO細胞、COS細胞、Vero細胞、又は293細胞を挙げることができ、ヒト肝がん由来細胞であるHuh7細胞、HepG2細胞、又はHep3B細胞が特に好ましい。また、これらの細胞、好ましくはヒト肝がん由来細胞を限界希釈法等でモノクローン化した細胞にレプリコンRNAを導入することにより、多量のレプリコンRNAを生産することが可能となるので好ましい。例えば、下記実施例に具体的に説明する通り、ヒト肝がん由来細胞であるHuh7細胞を限界希釈法(培地は10% FBS含有D-MEM培地)でモノクローン化して樹立された細胞であるALS32細胞にRNAレプリコンを導入した場合、親細胞のHuh7細胞に導入した場合よりも遙かに多量のレプリコンRNAが生産された。レプリコンRNAの細胞内への導入は、任意のトランスフェクション法により行うことができる。そのような導入法としては、例えば、エレクトロポレーション、パーティクルガン法、リポフェクション法を挙げることができるが、エレクトロポレーションによる方法が特に好ましい。
細胞内導入のために選択マーカー遺伝子又はリポーター遺伝子を含有するレプリコンRNAを用いる場合には、そのレプリコンRNAが導入され持続的に複製している細胞を、選択マーカー遺伝子又はリポーター遺伝子の発現を利用して、選択することができる。例えば、レプリコンRNAにネオマイシン耐性遺伝子が選択マーカー遺伝子として含まれる場合には、そのレプリコンRNAをトランスフェクションした細胞を培養ディッシュに播種し、G418(ネオマイシン)を0.05ミリグラム/ミリリットル〜3.0ミリグラム/ミリリットルの濃度で添加する。その後、週に2回培養液を交換しながら培養を継続し、播種時から2〜3週間後にコロニーとして可視化することできる。
本発明のレプリコン複製細胞は、レプリコンRNA、C型肝炎ウイルスタンパク質、及びC型肝炎ウイルス粒子を産生する。従って、レプリコン複製細胞を用いて、レプリコンRNA、C型肝炎ウイルスタンパク質、及びC型肝炎ウイルス粒子を産生することが可能である。
レプリコン複製細胞中で複製されたレプリコンRNAは、任意のRNA抽出法によって細胞内から抽出することが可能である。細胞から抽出したRNAは、再び、細胞に導入することによって、レプリコンRNAとして機能させることができる。この場合の細胞としては上記したヒト肝がん由来細胞であるHuh7細胞、HepG2細胞、又はHep3B細胞、あるいはIMY−N9細胞、HeLa細胞、CHO細胞、COS細胞、Vero細胞、又は293細胞、さらに好ましくはヒト肝がん由来細胞であるHuh7細胞、HepG2細胞、又はHep3B細胞、特に好ましくはこれらのヒト肝がん由来細胞を限界希釈法等でモノクローン化した細胞であって、レプリコンRNAの複製能が親細胞よりも向上した細胞(実施例記載のALS32細胞等)を用いることができる。本発明のC型肝炎ウイルスタンパク質は、細胞内あるいは培養上清中に分泌されたものを利用することができる。産生されたC型肝炎ウイルスタンパク質は、公知の方法によって抽出し、精製することが可能である。また、レプリコン複製細胞によって産生されたC型肝炎ウイルス粒子は、細胞内及び培養上清中に分泌されたものを利用することが可能である。本発明のC型肝炎ウイルスタンパク質、及びC型肝炎ウイルス粒子は、レプリコンRNAに改変を加えることによって、RNA、ウイルスタンパク質、又はウイルス粒子を修飾し、病原性を弱めることにより、ワクチンとしても使用することができる。
前記レプリコン複製細胞を用いることによって、C型肝炎ウイルスの感染を制御する物質をスクリーニングすることが可能である。「C型肝炎ウイルスの感染を制御」とは、例えば、HCVのRNAの複製の制御(例えば、促進又は抑制)、RNAからタンパク質への翻訳の制御(例えば、促進又は抑制)を意味する。
具体的には、レプリコン複製細胞と試験物質を接触させ、レプリコンRNAの増加度を分析することによって試験物質のスクリーニングを行うことができる。レプリコンRNAの増加度とは、レプリコンRNAの複製の速度又は量の変化を意味する。具体的には、レプリコン細胞中又は上清中のレプリコンRNAの量を検出又は測定し、対照の被検物質と接触しないレプリコン複製細胞のレプリコンRNAの量と比較することによって、被検物質をスクリーニングすることができる。また、細胞中又は上清中のC型肝炎ウイルスタンパク質の量を検出又は測定し、対照の被検物質と接触しないレプリコン複製細胞のそれと比較することによっても、被検物質をスクリーニングすることが可能である。スクリーニングにおいて検出又は測定することのできるC型肝炎ウイルスタンパク質は、特に限定されないが、好ましくは、コアタンパク質であり、市販のキットを用いてコアタンパク質を測定することも可能である。また、スクリーニング方法を自動化することによって、ハイスループットのスクリーニング方法に適応することも可能である。
更に、本発明のスクリーニング方法は、スクリーニングされた薬剤の効果を評価する方法としても有効である。薬剤の評価をこのスクリーニング方法で行う必要がある場合は、薬剤を製造する方法としても利用することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
参考例 TPF1/4B株の遺伝子の取得
特許文献2の実施例に記載した方法によりTPF1/4B株の遺伝子を取得し、解析した。すなわち、以下の操作を行った。
(A)血清からのRNAの抽出
劇症肝炎患者の急性期に採取した血清250μLより、High Pure Viral Nucleic Acid Kit (Roche diagnostics corporation)を用い、メーカーの推奨する方法に従い、RNAを精製した。
(B)cDNAの合成及びPCRによるcDNAの増幅
精製したRNAにXR58Rプライマーを加え、SuperSucript II reverse transcriptase (Invitrogen社)により、メーカーの推奨する方法に従い、42℃、1時間逆転写反応を行わせ、cDNAを得た。得られた反応液にRNaseH(Invitrogen)を加え、37℃、30分反応させ、RNAを分解した。この反応液を、HC-LongA1プライマーと1b9405Rプライマー及びTakara LA Taq DNA polymerase (宝酒造)を用い、94℃、20秒、68℃、9分間からなる30回のサーマルサイクル反応によるポリメラーゼチェインリアクション(PCR)を行い、cDNAを増幅した。更に、得られた反応液の一部を、HC85FとHC9302Rプライマーを用いてPCRを行い、HCV cDNAを増幅した。
(C)cDNAのクローニング
増幅したDNA断片は、0.7%アガロースゲルを用い電気泳動によって分離し、QIAquick gel purification kit (QIAGEN社)を用い、メーカーの推奨する方法に従って、DNA断片を回収した。回収したDNA断片は、pGEM-T easyベクター(Promega社)と連結反応させ、そのプラスミドによりDH5α株を形質転換した。アンピシリン耐性の形質転換体を選択し、2YT培地を用いて培養した。培養した菌体からWizard Plus SV Miniprep DNA Purification Systemを用いプラスミドを精製した。
(D)塩基配列の決定
HCV cDNAの塩基配列は、HCVの遺伝子型1bの塩基配列に基づいて設計したプライマー(配列番号17〜39)を用い、決定した。CEQ DTCS Quick Start Kit(ベックマン・コールター)を用い、メーカーの推奨する方法に従い、反応を行い、CEQ2000 XL DNA analysis system (Software version 4.0.0、ベックマン・コールター)により解析した。得られたデータをSequencher (Version 4.1.2、Gene Codes Corporation)により解析した。得られたHCVクローンをpTPF1-0193と命名した。
(E)5’非翻訳領域のcDNAの取得と塩基配列の決定
更に、前記の(A)の工程で得られたRNAより、5’RACE法により、5’非翻訳領域の末端のcDNAを取得した。5’RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends, Version2.0 (Invitrogen社)のキットを用い、添付の指示書に従って、実施した。
cDNA合成のためのアンチセンスプライマーは、Chiba-asを使用した。SuperScript II Reverse Transcriptase(Invitrogen)でcDNAを合成し、S.N.A.P columnで精製後、cDNAにTdT-tailing反応を行い、dCTPを付加した。キットに添付の5’RACE Abridged Anchorプライマー及びKY78プライマーでTakara LA Taq DNA polymerase(宝酒造)を用いて、1回目のPCRを行った。このPCR産物の一部を鋳型として、キットに添付のUTPプライマーとKM2プライマーで、Takara LA Taq DNA polymerase(宝酒造)を用いて2回目のPCRを行い、PCR産物を得た。このPCR産物をpGEM-T easyベクターにクローニングし、前記(D)の工程に従い、塩基配列を決定した。得られた配列番号1における第1位から第709位までを含むHCV cDNAクローンをpTPF1-0007と命名した。
(F)3’非翻訳領域のcDNAの取得と塩基配列の決定
前記の(A)の工程で得られたRNAより、3’RACE法により、3’非翻訳領域の末端のcDNAを取得した。まず、患者のRNAにPoly(A) Tailing Kit(Ambion)を用いて、添付の指示書に従い、Poly(A)を付加した。XR58Rプライマーの代わりにdT-Adpプライマーを、1st PCRのプライマーとして3UTR-1Fプライマー及びAdpプライマーを、2nd PCRのプライマーとしてXR58F及びAdpプライマーを用いた以外は、前記工程(B)〜(D)の操作を繰り返した。得られたHCV cDNAクローンを pTPF1-8994と命名した。
得られたHCV株をTPF1株と命名した。TPF1株は、全長9594塩基のHCVであり、その塩基配列を配列番号1(但し、3277番目のCがTであり、5752番目のTがAであり、6237番目のAがGである。)に示した。得られたTPF1株のポリヌクレオチドは、その342番から9374番の間に、3010個の一つながりのアミノ酸をコードする翻訳領域を有するものであった。TPF1株のポリプロテインのアミノ酸配列を配列番号2(但し、アミノ酸番号979のアミノ酸T(トレオニン)がM(メチオニン)であり、アミノ酸番号1804のアミノ酸L(ロイシン)がQ(グルタミン)であり、アミノ酸番号1966のアミノ酸K(リジン)がE(グルタミン酸)である。)に示す。
以下にクローニング及び塩基配列の決定に用いたプライマーを示す。
XR58R(配列番号5):5'-tcatgcggct cacggacctt tcacagctag-3'
HC-LongA1(配列番号6):5'-atcgtcttca cgcagaaagc gtctagccat-3'
1b9405R(配列番号7):5'-gcctattggc ctggagtgtt tagctc-3'
HC85F(配列番号8):5'-atggcgttag tatgagtgtc gtgcagcct-3'
HC9302R(配列番号9):5'-tcgggcacga gacaggctgt gatatatgtc t-3'
Chiba-as(配列番号10):5'-tgcacggtct acgagacct-3'
KY78(配列番号11):5'-ctcgcaagca ccctatcagc cagt-3'
KM2(配列番号12):5'-aggcattgag cgggtttat-3'
dT-Adp(配列番号13):5'-ctagactcga gtcgacatcg tttttttttt tttttttt-3'
3UTR-1F(配列番号14):5'-atcttagccc tagtcacggc-3'
Adp(配列番号15):5'-ctagactcga gtcgacatcg-3'
XR58F(配列番号16):5'-ctagctgtaa aggtccgtga gccgcatga-3'
M13 Primer M3(配列番号17):5'-gtaaaacgac ggccagt-3'
M13 Primer RV(配列番号18):5'-caggaaacag ctatgac-3'
104(配列番号19):5'-aggaagactt ccgagcggtc-3'
HC841S(配列番号20):5'-ggaacttgcc cggttgctct ttctctatct tc-3'
E1(配列番号21):5'-attccatggt ggggaactgg gctaa-3'
HC2069S(配列番号22):5'-taacaatacc ttgacctgcc ccacggactg-3'
HC2430S(配列番号23):5'-aacatcgtgg acgtgcaata cctgtacgg-3'
HC2461AS(配列番号24):5'-gaccctacac cgtacaggta-3'
HC2769S(配列番号25):5'-ttggaccggg agatggctgc atcgtg-3'
HC3632F(配列番号26):5'-cacccaaatg tacaccaatg t-3'
HC3928S(配列番号27):5'-tacccgttga gtctatggaa ac-3'
HC4016AS(配列番号28):5'-cacttggaat gtctgcggta-3'
HC4498S(配列番号29):5'-agggggggag gcatctcatt ttctg-3'
HC4888F(配列番号30):5'-tgctatgacg cgggctgtgc ttggta-3'
HC5381F(配列番号31):5'-ggtcattgtg ggcaggatca t-3'
HC5692S(配列番号32):5'-ctgcctggaa accccgcgat-3'
HC5858F(配列番号33):5'-tggcagcata ggccttggga aggt-3'
HC6315F(配列番号34):5'-aagacctggc tccagtccaa g-3'
5A-1(配列番号35):5'-ttccatgctc accgacccct c-3'
HC7090S(配列番号36):5'-gtggagtcag agaataaggt-3'
HC7743F(配列番号37):5'-cagaagaagg tcacctttga c-3'
HC8192S(配列番号38):5'-gcagcgggtc gagttcctgg tgaat-3'
HC8939F(配列番号39):5'-ctacggggcc tgttactcca ttgaac-3'
(G)サブジェノミックRNAレプリコンの作製
C型肝炎ウイルスTPF1株の全長のポリヌクレオチドを、pBluescriptIISK(+)のT7RNAプロモーター配列の下流に挿入した(以下、pTPF1と称する)。
次に、pTPF1の構造タンパク質をコードする領域と非構造タンパク質をコードする領域であるCoreの一部領域からNS2領域を、ネオマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンリン酸転移酵素、NPT-II)及びEMCV-IRES(脳心筋炎ウイルスの内部リボゾーム結合部位)と入れ替えて、plasmid DNA pRepTPF1を構築した。この構築手順は、既報(Lohmann et al., Science,(1999) 285,p .ll0-113)に従った。
具体的にはまずpTPF1を制限酵素AgeI及びBsrGIで切断し、その切断部位に、pTPF1由来の5'UTRからCore領域におよぶ配列とpcDNA3.1(+)由来のネオマイシン耐性遺伝子とをPCR増幅により増幅し制限酵素AgeIとPmeIで切断した断片、及びEMCV-IRESからNS3領域におよぶ配列をPCR増幅により結合し制限酵素PmeI及びBsrGIで切断した断片を連結挿入し、plasmid DNA pRepTPF1を得た。
このplasmid DNA pRepTPF1に、配列番号1の塩基配列5752番目に相当する核酸がAからT、6237番目に相当する核酸がGからAへ置換される変異をQuick Mutagenesis Kit (Stratagene)を用い、メーカーの推奨する方法に従い、導入した。その結果、配列番号2のアミノ酸番号1804に相当するアミノ酸がQ(グルタミン)からL(ロイシン)、アミノ酸番号1966に相当するアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リジン)へそれぞれ変異した。このアミノ酸置換を導入したplasmid DNAをpRep4Bと命名した。
(F)において作製した完全長HCV DNAを含むplasmid DNA pTPF1を制限酵素SfiIで切断し、その切断部位に、pRep4Bを制限酵素SfiIで切断した断片を連結挿入することで、適応変異が挿入された完全長HCV DNAを含むplasmid DNAであるpTPF1/4Bを作製した。このようにして得られたHCV株をTPF1/4B株とした。
実施例
1.HCV NS2 protease領域内への変異導入
pTPF1/4B遺伝子を鋳型として、AgeIプライマー5'-accggtgagtacaccggaattgccaggacg-3'(配列番号40)およびFseIプライマー5'-atttgggtgattgggcccttcgggccggcc-3'(配列番号41)の存在下で、Takara LA Taq DNA polymerase(宝酒造)を用い、94℃、20秒、68℃、4分間からなる20回のサーマルサイクル反応によるポリメラーゼチェインリアクション(PCR)を行うことにより、TPF1/4BゲノムのNS2 protease領域近傍を増幅した。
増幅した断片は、1.0%アガロースゲル電気泳動によって分離し、QIAquick gel purification kit (QIAGEN)を用い、メーカーの推奨する方法にてDNA断片を回収した。回収したTPF1断片は、メーカーの推奨する方法に従いpGEM-T easyベクター(Promega)と連結反応させ、そのプラスミドによりDH5α株を形質転換させた。アンピシリン耐性で、IPTGとX-galを加えた寒天培地上での平板培養で白色コロニーを形成する形質転換体を選び、アンピシリンを100μg/mlとなるよう加えた2YT培地にて培養した。培養した菌体からWizard Plus SV Miniprep DNA Purification Systemを用いplasmid pTPF1−AgeFseを精製した。
精製したプラスミドに組み込まれているTPF1断片の配列は、ベクターおよびHCV配列に適合する適宜準備したプライマーを用い、 CEQ DTCS Quick Start Kit(ベックマン・コルター)により、メーカーの推奨する方法に従い反応を行い、CEQ2000 XL DNA analysis system (Software version 4.0.0、ベックマン・コールター)により解析した。得られたデータを基に、Sequencher (Version 4.1.2、Gene Codes Corporation)を用い配列データの統合、解析を行いpTPF1−AgeFseの塩基配列を確認した。
次に、前記で作製したpTPF1−AgeFseにNS2 proteaseのアミノ酸番号170(MからT)の変異をQuick Mutagenesis kit(Stratagene)を用いメーカーの推奨する方法に従い、導入した。このアミノ酸置換を導入したプラスミドをpTPF1−AgeFse/Nproとした。
さらに、pTPF1/4Bを制限酵素AgeI及びFseIで切断し、その切断部位に、pTPF1−AgeFse/Npro由来の制限酵素AgeI及びFseIで切断した断片を連結挿入した。このプラスミドをpTPF1−Mとした。
2. HCV RNAの複製に対するアミノ酸変異の効果
1において作製したアミノ酸変異を有するpTPF1−M及び変異を引き起こす配列を有しないpTPF1/4Bを制限酵素XbaIで切断したものを鋳型に、Megascript T7 kit(Ambion)またはAmpliScribe T7−Flash transcription kit(Epicentre)を用いてRNAを合成した。メーカーの推奨する方法にてRNAを精製した。
ヒト肝がん細胞(Huh7、JCRB0403)はDulbecco's modified Eagle medium (D−MEM, IWAKI)に10%ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリンとストレプトマイシンをそれぞれ50U/mL、50μg/mLとなるように加えたものを培養液として、5%二酸化炭素付加、37℃で培養を行った。コンフルエントになる前の細胞をトリプシン、EDTA処理により培養皿から剥離させ、血清添加培地に再懸濁することによりトリプシンを不活化した。PBSで2回洗浄後、1.25%DMSOを添加したCytomix(120mM Potassium chloride、10mM Potassium phosphate、5mM Magnesium chloride、25mM HEPES、0.15mM Calcium chloride、2mMEGTA、pH7.6)に再懸濁し、ギャップ0.4cmのエレクトロポレーションキュベットに移した。
10μgのRNAを細胞に加えた後、5分間氷上で十分冷却した。エレクトロポレーター(Bio−Rad)で、960μF、250Vにてパルスを加えた。トランスフェクションを行った細胞は、直ちに10mLの培地に再懸濁し、12wellプレートに(直径22.1mm)に1mLずつ播き培養を開始した。4時間、24時間、48時間及び72時間に培養上清を回収した。回収した培養上清は、2krpmで10分間遠心し上清を回収した。上清100μLをHCVコア抗原のキット(富士レビオ、ルミパルス)を使用し測定した。
図1に示すように、エレクトロポレーターを用いて細胞内にRNAを導入したpTPF1−M及びpTPF1/4Bにおけるコア抗原の測定値は、エレクトロポレーション後72時間で最大であり、pTPF1−Mのコア抗原の分泌量はpTPF1/4Bの2.8倍を示した。さらに、同培養上清中に分泌されたHCV RNA量は、コア抗原と同様にエレクトロポレーション後72時間で最大であり、pTPF1−MのHCV RNA量はpTPF1/4Bの3倍を示した(図2)。このことは本発明のNS2 protease領域内に変異を導入したpTPF1−M遺伝子が、細胞中においてpTPF1/4B遺伝子に比べ効率良く複製し、コア抗原及びHCV RNAを上清中に分泌していることを示している。pTPF1−M遺伝子の複製効率が、pTPF1/4Bに比べ優れていることを示したものである。
3. HCV粒子の培養細胞に対する感染
2において培養上清中に分泌されたコア抗原およびHCV RNAがウイルス粒子を形成し、in vitroにおいて再感染可能か検討した。具体的には、pTPF1−MおよびpTPF1/4B遺伝子より合成された完全長HCV RNAをHuh7細胞にトランスフェクションし、経時的に培養上清を回収した。回収した培養上清は、15,000rpmで10分間遠心後、フィルター濾過(0.45μm、Millipore)を行い破砕した細胞等を除去した。
フィルター濾過を行った上清は、12wellプレート(直径22.1μm)に培養したnaiveなHuh7細胞と6時間、37℃の条件下で反応させた。反応後、PBSで細胞を3回洗浄し、新しい増殖培地を加え5%二酸化炭素付加、37℃のインキュベーター内において培養を行った。ウイルス感染価は細胞内に蓄積されたコア抗原を免疫染色法により可視化し、コア抗原陽性細胞数をカウントすることで培養上清中に含まれる感染性ウイルス粒子の数をフォーカス形成単位(FFU/mL)として示した。
具体的には、感染後96時間の細胞をメタノールにより固定し、固定後の細胞を2%BSA-PBSを用いて2時間室温でインキュベーションすることでブロッキングを行った。次いで、1次抗体として抗コアモノクローナル抗体(1μg/mL)を添加後1時間室温でインキュベーションした。細胞を十分に洗浄した後、FITC標識2次抗体を添加し1時間室温でインキュベーションした。HCV感染細胞は、倒立型蛍光顕微鏡を用いて細胞内のコア抗原陽性細胞数をカウントした。
図3に示すように、NS2 protease領域内に変異導入したpTPF1−Mにおいて、HCV RNA導入後48時間の培養上清中に最も多く感染性ウイルス粒子が放出(300 FFU/mL)されていることを確認した。一方、アミノ酸変異を有しないpTPF1/4Bでは、HCV RNA導入後48時間の培養上清中に最も多く放出(75 FFU/mL)されていることを確認したが、その値はpTPF1−Mの4分の1と低値であった。よって、pTPF1−M遺伝子を導入した細胞は、pTPF1/4B遺伝子を導入した細胞に比較し、より多くの感染性ウイルス粒子を放出していることが示された。このことは本発明のNS2 protease領域内における変異が、ウイルスRNAの増殖効率及び感染効率を改善することを示している。
4. モノクローン化Huh7細胞におけるウイルス増殖
ヒト肝がん細胞(Huh7、JCRB0403)を限界希釈法によりモノクローン化し、ALS32細胞を新規に樹立した。ALS32細胞におけるpTPF1-Mの増殖性能について、エレクトロポレーション法を用い評価を行った。
ヒト肝がん細胞(Huh7、JCRB0403)はD−MEMに10% FBS、ペニシリンとストレプトマイシンをそれぞれ50U/mL、50μg/mLとなるように加えたものを培養液として、5%二酸化炭素付加、37℃で培養を行った。コンフルエントになる前の細胞をトリプシン、EDTA処理により培養皿から剥離させ、血清添加培地に再懸濁することによりトリプシンを不活化した。細胞数を測定後、96 wellプレートの1 well当たり1個の細胞になるように増殖培地を用いて調整し、同プレートに播種した。播種後約1ヶ月間培養を続けALS32細胞を樹立した。
ALS32細胞及びHuh7細胞/JCRB0403は、D−MEMに10%FBS、ペニシリンとストレプトマイシンをそれぞれ50U/mL、50μg/mLとなるように加えたものを培養液として、5%二酸化炭素付加、37℃で培養を行った。コンフルエントになる前の細胞をトリプシン、EDTA処理により培養皿から剥離させ、血清添加培地に再懸濁することによりトリプシンを不活化した。PBSで2回洗浄後、1.25% DMSOを添加したCytomixに再懸濁し、ギャップ0.4cmのエレクトロポレーションキュベットに移した。
実施例3において合成したpTPF1−M RNA 10μgのRNAをALS32細胞及びHuh7細胞/JCRB0403に加えた後、5分間氷上で十分冷却した。エレクトロポレーター(Bio−Rad)で、960μF、250Vにてパルスを加えた。トランスフェクションを行った細胞は、直ちに10mLの培地に再懸濁し、12wellプレート(直径22.1mm)に1mLずつ播き培養を開始した。24時間、48時間,72時間,96時間及び120時間後に培養上清を回収した。回収した培養上清は、2krpmで10分間遠心し上清を回収した。上清100μLをHCVコア抗原のキット(富士レビオ、ルミパルス)を使用し測定した。
図4に示すように、エレクトロポレーターを用いてpTPF1−M RNAを導入後の両細胞におけるコア抗原の測定値は、エレクトロポレーション後72時間〜96時間で最大であり、ALS32細胞のコア抗原の分泌量はエレクトロポレーション後72時間においてHuh7細胞/JCRB0403の17.5倍を示した。さらに、同両培養上清中に分泌されたHCV RNA量は、エレクトロポレーション後72時間で最大であり、ALS32細胞のHCV RNA量はHuh7細胞/JCRB0403の13.4倍を示した(図5)。このことはモノクローン化されたALS32細胞では、本発明のNS2 protease領域内に変異を導入したpTPF1−M遺伝子が親細胞に比べ効率良く複製可能であることを示している。
5.HCV粒子のモノクローン化培養細胞に対する感染
4において培養上清中に分泌されたコア抗原およびHCV RNAがウイルス粒子を形成し、in vitroにおいて再感染可能か検討した。具体的には、pTPF1−M遺伝子より合成された完全長HCV RNAをALS32細胞及びHuh7細胞/JCRB0403にトランスフェクションし、経時的に培養上清を回収した。回収した培養上清は、15,000rpmで10分間遠心後、フィルター濾過(0.45μm、Millipore)を行い破砕した細胞等を除去した。
フィルター濾過を行ったALS32細胞由来培養上清及びHuh7細胞由来培養上清は、12wellプレート(直径22.1μm)に培養したnaiveなALS32培養細胞及びnaiveなHuh7培養細胞とそれぞれ6時間、37℃の条件下で反応させた。反応後、PBSで細胞を3回洗浄し、新しい増殖培地を加え5%二酸化炭素付加、37℃のインキュベーター内において培養を行った。ウイルス感染価は細胞内に蓄積されたコア抗原を免疫染色法により可視化し、コア抗原陽性細胞数をカウントすることで培養上清中に含まれる感染性ウイルス粒子の数をフォーカス形成単位(FFU/mL)として示した。
具体的には、感染後96時間の細胞をメタノールにより固定し、固定後の細胞を2% BSA-PBSを用いて2時間室温でインキュベーションすることでブロッキングを行った。次いで、1次抗体として抗コアモノクローナル抗体(1μg/mL)を添加後1時間室温でインキュベーションした。細胞を十分に洗浄した後、FITC標識2次抗体を添加し1時間室温でインキュベーションした。HCV感染細胞は、倒立型蛍光顕微鏡を用いて細胞内のコア抗原陽性細胞数をカウントした。
図6に示すように、ALS32細胞に同細胞より得られたウイルス粒子を感染させた場合、HCV RNA導入後96時間の培養上清中に最も多く感染性ウイルス粒子が放出(1,500 FFU/mL)されていることを確認した。一方、Huh7細胞/JCRB0403では、HCV RNA導入後48時間〜72時間の培養上清中に最も多くの感染性ウイルス粒子が放出(250 FFU/mL)されていることを確認したが、その値はALS32細胞の6分の1と低値であった。よって、モノクローン化されたALS32細胞は、親細胞であるHuh7細胞/JCRB0403に比較し、より多くの感染性ウイルス粒子を放出していることが示された。このことはNS2 protease領域内における変異を有するウイルスRNAの増殖効率及び感染効率は、Huh7細胞/JCRB0403のモノクローン化細胞であるALS32細胞を用いることにより改善することを示している。
本発明のRNAレプリコンは、細胞内に導入することによって、自律的に複製し、C型肝炎ウイルス遺伝子、C型肝炎ウイルスタンパク質、及び感染性粒子をpTPF1/4B RNAに比べ効率良く産生することができる。このレプリコンRNAが導入されたレプリコン複製細胞は、C型肝炎ウイルス感染の試験管内モデルとして、生体内におけるHCVの増殖機構を反映しており、このレプリコン複製細胞を、HCVの治療薬のスクリーニング方法に用いることが可能である。更に、前記スクリーニング方法は、HCVの治療薬のスクリーニング以外にも、治療薬の製造の工程において品質管理のために用いることができ、医薬品の製造方法として利用することが可能である。

Claims (8)

  1. C型肝炎ウイルスの遺伝子であって、それがコードする979番目のアミノ酸がトレオニンであり、1804番目のアミノ酸がロイシンであり、1966番目のアミノ酸がリジンであり、前記遺伝子がコードするアミノ酸配列が配列番号2に示されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有し、複製能及び感染能を有するC型肝炎ウイルスを構成するアミノ酸配列であるC型肝炎ウイルス遺伝子。
  2. 前記遺伝子がコードするアミノ酸配列が配列番号2に示されるアミノ酸配列である請求項記載の遺伝子。
  3. その塩基配列が、配列番号1に示される塩基配列(ただしtはuでもよい)又は該配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列である請求項記載の遺伝子。
  4. その塩基配列が、配列番号1に示される塩基配列(ただしtはuでもよい)である請求項記載の遺伝子。
  5. 遺伝子型が1b型である請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子を持つRNAレプリコン。
  7. 請求項記載のRNAレプリコンが感染し、C型肝炎ウイルスを複製する細胞。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子を持つC型肝炎ウイルス粒子。
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