JP5853554B2 - 液体カートリッジ、及び、液体吐出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1によると、液体カートリッジ(カートリッジ1)が液体吐出装置に装着されると、液体カートリッジの弾性を有する栓(シール部材136)に、液体吐出装置の中空部材(中空針)が挿入される。これにより、中空部材を介して、液体カートリッジの液体収容部(インク袋103)と液体吐出ヘッドとが連通する。
即ち、栓の材質によって、弾性や脆性に差があり、脆性が高い栓に対して大きな速度で中空部材を挿入すると、栓が割れることがある。また、弾性が低い栓から大きな速度で中空部材を抜去すると、中空部材によって栓に形成された孔が塞がる前に中空部材が抜去されてしまい、孔から液体が漏れ出すことがある。同様に、厚みが小さい栓から大きな速度で中空部材を抜去すると、孔が塞がる前に中空部材が抜去されてしまい、孔から液体が漏れ出すことがある。また、栓は、製造後の時間の経過に伴い、弾性が低下したり、脆性が高まることがあり、製造後長期間経過した栓に対して大きな速度で中空部材を挿入又は抜去すると、上記と同様、栓の割れや液体漏れが生じ得る。さらに、栓は、中空部材の挿入回数が増加するにつれて、弾性が低下したり、孔の周囲の微小なクラック等によって脆性が高まり、上記と同様、栓の割れや液体漏れが生じ易くなる。
本発明の第3観点によると、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、前記栓に対する前記中空部材の移動方向に関する前記栓の厚みに関連する情報を記憶する記憶手段と、を備えた液体カートリッジであって、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記栓の厚みが小さいほど前記中空部材が前記栓から抜去される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジが提供される。
本発明の第4観点によると、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、前記栓の製造後の経過時間に関連する情報を記憶する記憶手段と、を備えた液体カートリッジであって、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記経過時間が長いほど前記中空部材が前記栓に挿入される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジが提供される。
本発明の第5観点によると、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、前記栓の製造後の経過時間に関連する情報を記憶する記憶手段と、を備えた液体カートリッジであって、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記経過時間が長いほど前記中空部材が前記栓から抜去される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジが提供される。
なお、トレイ35内に配置される4つのカートリッジ40は、上述のようにブラックインクのカートリッジが他の色のカートリッジよりも副走査方向のサイズ及びインク容量が大きいことを除き、いずれも同じ構成である。
供給管43は、図4に示すように、先端が筐体41外に突出している。当該先端には、供給路43aのリザーバ42とは反対側の開口43bを塞ぐように、ゴム等の弾性材料からなる栓50が圧縮状態で設けられている(図5参照)。当該先端及び栓50の外側にはキャップ46が設けられている。キャップ46の中央には開口46aが形成されており、開口46aを介して栓50の正面(バルブ60に対向する裏面とは反対側の面)が露出している。
図6に示すように、供給管43における弁本体62が配置された部分は、上壁及び下壁が平坦であり、主走査方向と直交する断面が副走査方向に細長い、円筒状である。供給管43の副走査方向両側の側壁の内面にはそれぞれ、副走査方向に沿って内側に突出する突起43pが形成されている。各突起43pは、弁本体62が移動可能な範囲に亘って、主走査方向に延在している。弁本体62は、供給管43の突起43p及び上下壁に挟持され、断面視において供給路43aの中央で位置決めされている。弁本体62と供給管43の間には、弁本体62と供給管43の突起43p及び上下壁との当接部分を除く部分に、流路が確保されている。
磁石72は、磁場を発生させるものである。
ホール素子71は、磁気センサであって、入力された磁場を電気信号に変換し、当該電気信号を接点142を介してコントローラ100に出力する。本実施形態において、ホール素子71は、弁本体62の移動に伴って変化する磁場の大きさに比例した電圧値を示す信号を、コントローラ100に出力する。
ホール素子71は、磁石72と弁本体62とによって作られる磁場が入力される位置に配置されている(図5(a)参照)。
図5(a)に示すようにバルブ60が閉の位置にあるとき、ホール素子71及び磁石72は、弁本体62を挟んで対向している(即ち、弁本体62は、ホール素子71と磁石72との間の位置にある)。このとき、磁石72が発生した磁場が、弁本体62を介してホール素子71に効率的に届く。したがって、ホール素子71が検知する磁場は大きく、ホール素子71は高い電圧値を示す信号を出力する。
バルブ60が図5(a)に示す閉の位置から図5(b)に示す供給路43aを開く開の位置に移動するときに、弁本体62が鉛直方向に関してホール素子71及び磁石72と対向しない位置(即ち、ホール素子71と磁石72との間ではない位置)に移動するのに伴い、ホール素子71が検知する磁場が小さくなり、ホール素子71から出力される信号が示す電圧値が低くなる。
コントローラ100は、ホール素子71から受信した信号が示す電圧値に基づいて、バルブ60の位置が開か閉かを判断する。
電源158は、筐体1a内に設けられており、プリンタ1の各部に電力を供給する。電力出力部157は、電源158と電気的に接続し、筐体1aの空間Cを画定する壁面における各カートリッジ40の電力入力部147と対向する位置に設けられている(図7参照)。電力入力部147は、センサユニット70及びメモリ141と電気的に接続し、接点142の近傍において筐体41の外面に露出して設けられている。
メモリ141は、中空針153が栓50に対して挿入される際及び抜去される際について、それぞれ個別の上記情報を記憶する。以下、中空針153が栓50に挿入される際の情報を「挿入用データ」、中空針153が栓50から抜去される際の情報を「抜去用データ」と称す。
このとき、中空針153の先端に設けられた開口153bが供給路43aに配置され、開口153bを介して、中空針153内の流路153aと供給路43aとが連通する。また、このとき栓50に中空針153による孔が形成されるが、栓50における当該孔の周囲が弾性により中空針153の外周面に密着する。これにより、栓50の孔と中空針153との間からのインク漏れが抑制される。
記録制御(S5)において、コントローラ100は、外部装置から受信した記録指令に伴う処理(給紙モータ125、搬送モータ127、及び送りモータ128(図8参照)並びにヘッド2の駆動制御等)を行う。
カートリッジ40をプリンタ1から取り外す際、プリンタ1のユーザは、先ず、ロック解除ボタンを押下する等して、ロックを解除する。ロック解除ボタンの押下に伴う信号を受信すると、コントローラ100は、S2で読み取った情報(抜去用データ)に基づいて、針駆動モータ155の電流を制御し、針駆動モータ155を逆方向に回転させる。これにより、支持体154及び中空針153は共に、抜去方向(図7(b)の黒塗り矢印方向とは逆の方向)に移動開始する。
ユーザがトレイ35を筐体1aから取り出すと、4つのカートリッジ40は同時に、対応する接点152及び電力出力部157から離隔する。これにより、接点142及び接点152間の電気的接続並びに電力入力部147及び電力出力部157間の電気的接続が共に解除され、カートリッジ40及びプリンタ1間の信号の送受信が不能となり、センサユニット70及びメモリ141に電力が供給されなくなる。
テーブルでは、栓50に対する中空針153の速度、栓50の材質、栓の厚み、栓50の製造後の経過時間、中空針153が栓50に挿入された回数等と、針駆動モータ155の電流値とが対応付けられている。また、テーブルでは、挿入用データ及び抜去用データについてそれぞれ個別の、針駆動モータ155の電流値が対応付けられている。
コントローラ100は、S2で読み取った情報に対応する電流値をテーブルから抽出し、当該電流値で駆動するように(本実施形態では電流値が一定に保持されるように)針駆動モータ155を制御する。
本実施形態の液体吐出装置は、上述の実施形態のプリンタ1と略同じであるが、コントローラ100による針駆動モータ155の制御方法が異なる。
このときコントローラ100は、例えば、S2で読み取った情報に対応する電流値をテーブルから抽出し、当該電流値を基準値として、エンコーダからの信号に基づいて基準値から所定の量だけ変化した値となるように、針駆動モータ155の電流値を制御する。
・バルブを検知するセンサは、上述の実施形態のような磁気センサに限定されず、その他様々なタイプのセンサ(例えば、反射型の光センサ、透過型の光センサ、物体に接触するか否かで物体の有無を検知するメカスイッチ型のセンサ等)であってよい。また、センサを省略してもよい。
・バルブの弁本体は、磁性体からなることに限定されず、センサの種類等に応じて、任意の材料からなってよい。例えばセンサが反射型の光センサである場合に、弁本体を磁性体以外の材料から構成し、弁本体の周面を光が反射可能な鏡面としてよい。
・その他、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、カートリッジの各部品(筐体41、リザーバ42、供給管43、栓50、バルブ60、センサユニット70、メモリ141等)の構成(形状、位置等)を適宜変更してよく、また、別の部品を追加したり、一部の部品を省略したりしてよい。
・記憶手段は、栓に対する中空部材の速度に関連する情報として、当該速度そのもの、栓の材質に関連する情報、栓に対する中空部材の移動方向に関する栓の厚みに関連する情報、栓の製造後の経過時間に関連する情報、及び、中空部材が栓に挿入された回数に関連する情報、のうちの1以上、或いは、上記速度や各情報以外の、栓に対する中空部材の速度に関連する任意の情報を記憶してよい。
・上記各要素(栓の材質、厚み、製造後の経過時間、挿入回数等)に関連する情報は、各要素そのものに限定されず、各要素を導出可能な情報であればよい。例えば、カートリッジの製造番号と栓の材質や厚みとが対応付けられている場合、記憶手段が製造番号を記憶してよい。
・中空部材が栓に挿入された回数は、現実に挿入された回数、及び、挿入されたであろうと推定される回数のいずれであってもよい。
・テーブル(栓に対する中空部材の速度に関連する情報と、移動手段の駆動制御の指針となる情報とが対応付けられているテーブル)が、カートリッジの記憶手段に記憶されていてもよい。この場合、液体吐出装置は、カートリッジの記憶手段から、当該テーブルと栓に対する中空部材の速度に関連する情報とを読み取り、移動手段の駆動を制御してよい。
本発明に係る液体吐出装置は、ライン式及びシリアル式のいずれでもよく、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等の任意の液体吐出装置であってよい。
2 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
40 インクカートリッジ(液体カートリッジ)
42 リザーバ(液体収容部)
43b 開口
50 栓
100 コントローラ(読取手段,移動手段,制御手段)
141 メモリ(記憶手段)
153 中空針(中空部材)
155 針駆動モータ(移動手段,モータ)
Claims (9)
- 液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、
前記栓の脆性に関連する情報を記憶する記憶手段と、
を備えた液体カートリッジであって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記栓の脆性が高いほど前記中空部材が前記栓に挿入される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジ。 - 液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、
前記栓の弾性に関連する情報を記憶する記憶手段と、
を備えた液体カートリッジであって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記栓の弾性が低いほど前記中空部材が前記栓から抜去される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジ。 - 液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、
前記栓に対する前記中空部材の移動方向に関する前記栓の厚みに関連する情報を記憶する記憶手段と、
を備えた液体カートリッジであって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記栓の厚みが小さいほど前記中空部材が前記栓から抜去される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジ。 - 液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、
前記栓の製造後の経過時間に関連する情報を記憶する記憶手段と、
を備えた液体カートリッジであって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記経過時間が長いほど前記中空部材が前記栓に挿入される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジ。 - 液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、
前記栓の製造後の経過時間に関連する情報を記憶する記憶手段と、
を備えた液体カートリッジであって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて、前記経過時間が長いほど前記中空部材が前記栓から抜去される際の前記栓に対する前記中空部材の速度が小さくなるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有する液体吐出装置に着脱可能であることを特徴とする、液体カートリッジ。 - 記憶手段を有する液体カートリッジを着脱可能な液体吐出装置であって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、
前記記憶手段に記憶されている情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を備え、
前記液体カートリッジは、
液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、を有し、
前記記憶手段は、前記中空部材が前記栓に挿入される際の、前記栓に対する前記中空部材の速度に関連する情報を記憶することを特徴とする、液体吐出装置。 - 記憶手段を有する液体カートリッジを着脱可能な液体吐出装置であって、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドと連通した中空部材と、
前記記憶手段に記憶されている情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記情報に基づいて前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を備え、
前記液体カートリッジは、
液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部の内部と外部とを連通させる開口と、
前記開口を塞ぐ弾性を有する栓と、を有し、
前記記憶手段は、前記中空部材が前記栓から抜去される際の、前記栓に対する前記中空部材の速度に関連する情報を記憶することを特徴とする、液体吐出装置。 - 前記移動手段は、前記栓に対する前記中空部材の速度が一定に保持されるように、前記中空部材及び前記液体カートリッジの少なくとも一方を移動させることを特徴とする、請求項6又は7に記載の液体吐出装置。
- 前記移動手段は、モータと、前記モータの電流を制御する制御手段と、を有することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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