以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。なお、演出ボタン67とジョグダイヤル68を総称して演出ユニット67,68ともいう。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。 センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する(図27も参照)。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する(S250)。
この保留記憶があれば(S250:yes)、第2保留記憶をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留記憶がなければ(S250:no)、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S260)。第1保留記憶があれば(S260:yes)、第1保留記憶をデクリメントし(S265)、S270に進む。
S270では第2保留記憶(S265から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である(図27も参照)。つまり当たり確率は1/39.67となる。 否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり当たり確率は1/396.7となる。
S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。大当たり図柄を図28に示す。本図に示すように、大当たり図柄は10種類あり、図柄1(本図の一番上の図柄)〜図柄6が確変図柄、図柄7〜図柄10(本図の一番下の図柄)が通常図柄となっている。また、図柄4〜図柄6が2ラウンド大当りとなる図柄で、その他の図柄は15ラウンド大当りとなる。なお、各大当たり図柄が表示される確率は、第1特別図柄については図29(a)に示すように、大当たり図柄決定用乱数に対して均等に発生するように設定されている。一方、第2特別図柄については図29(b)に示すように、図柄1〜3は図柄7〜10の2倍の確率で発生するように設定されている。また、図柄4〜6については発生しないように設定されている。これにより第1特別図柄による抽選では、7/10の確率で15ラウンド大当たりとなり、第2特別図柄による抽選では、100%の確率で15ラウンド大当たりとなる。つまり、第2特別図柄による大当たりの方が多くの賞球を期待することができ、遊技者にとって有利な大当たりとなっている。なお、確率変動状態に移行する確率は、第1特別図柄、第2特別図柄とも6/10となっている。
図柄1〜3に割り当てられた15ラウンド確変大当りとは、図30に示すように、最大28秒の大入賞口14の開放を15回行なうもので、その終了後には、確率変動機能の作動、図柄変動の時間短縮機能(単に時間短縮機能または時短機能ともいう)の作動、及び普通電動役物の開放延長機能(単に開放延長機能ともいう)の作動を、いずれも次回の大当りまで継続する。図柄7〜10に割り当てられた15ラウンド通常大当りとは、最大28秒の大入賞口14の開放を15回行なうもので、その終了後には、時間短縮機能の作動、及び開放延長機能の作動を、特別図柄が100回変動するまで継続する。なお、確率変動機能は作動しない。図柄4〜6に割り当てられた2ラウンド確変大当りとは、図30では突確大当りと記されたもので、最大2秒の大入賞口14の開放を2回行なうもので、その終了後には、確率変動機能が次回の大当りまで作動する。図柄変動の時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能については共に、図柄4〜6が表示されることとなった特別図柄が変動を開始した際の遊技状態によって作動・非作動が変化する。すなわち、該変動時の状態が時短が作動した状態であれば、時間短縮機能及び開放延長機能はいずれも次回の大当りまで作動する。一方、該変動時の状態が時短が作動していない状態であれば、時間短縮機能及び開放延長機能はいずれも作動しない。なお、時短機能及び開放延長機能は、これらの作動時に時短回数というカウンタに上限値を設定し、これを特別図柄が変動するごとにカウントダウンし、ゼロになったときに作動を停止させる。15ラウンド通常大当りの際には、時短回数として100がセットされる。時短機能及び開放延長機能を次回の大当りまで作動させる際には、時短回数として1万をセットすることにより、実質的に実現している。なお、前述した「次回の大当りまで確変」は、確変回数として1万をセットすることにより実現している。確変回数は時短回数と同様、特別図柄が変動するごとにカウントダウンされていき、ゼロになったときに確率変動機能の作動が停止される。
なお、小当りとは、図30に示すように最大2秒の大入賞口14の開放を2回行なうもので、その終了後には、確率変動機能、時間短縮機能、及び開放延長機能のいずれも作動しない。ただし、これは「小当りの発生・終了を契機としてこれらの機能が作動することはない」という意味であり、小当りを発生することとなった特別図柄の変動開始時の状態は維持される。すなわち、確率変動状態で該変動が開始された場合、小当り後の遊技状態は確率変動状態であり、時短状態で該変動が開始された場合には時短状態であり、開放延長状態で該変動が開始された場合には開放延長状態である。これは、小当りと突確大当りとを、大入賞口14の開放パターンや、その後の状態で時短機能や開放延長機能が作動したか否かから識別するのが困難であることを意味している。なお、確率変動機能が作動していない状態で、小当り・突確大当りが発生し、これらがそれぞれ終了した後の遊技状態は、異なる(小当りは確率変動機能が作動せず、突確大当りは確率変動機能が作動する)が、この作動・非作動に伴う演出を、両者で全く同じにすることにより、遊技者が確率変動機能が作動しているか否かを判別することを困難にすることができる。具体的には、例えば、特別図柄が図柄1〜3で当たる場合は、図31に示した「111」〜「999」の演出図柄を演出図柄表示装置6に確定表示し、特別図柄が図柄7〜10で当たる場合は、図31に示した「222」「444」「666」「888」の演出図柄を演出図柄表示装置6に確定表示するが、特別図柄が図柄4〜6で当たる場合、及び小当りとなる場合は、共に図31に示した潜伏図柄「246」を確定表示する。これにより、遊技者は、確率変動機能が作動したのか否かが分かりにくくなる。なお、特別図柄が図柄1〜3で、「222」「444」「666」「888」の演出図柄が演出図柄表示装置6に確定表示された場合は、確率変動機能が作動することが、大当り遊技中の昇格演出により遊技者に報知される。
図8に戻る。こうして大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。なお、2ラウンド大当たりの場合のオープニング時間およびエンディング時間は、特別図柄の保留記憶数に応じ異なった時間が設定される。
S285において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S305)。ここで大当り決定用乱数が、301〜361のときに小当りとする(図27も参照)。つまり小当たり確率は約1/65である。肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S310)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S315)。小当り図柄の決定は、第1始動口11または第2始動口12に入球したときに取得される小当り図柄決定用乱数によって行なわれる。この乱数は0〜9の値をとる。小当りも外れのときは(S305:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S320)。こうしてS315またはS320により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S325)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
S300又はS325に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、小当り、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S330)、特別遊技処理を行なう。なお、S330の処理により演出図柄表示装置15では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図7のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS340に移行し、図柄変動時間(S295、S315,又はS320の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S340:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S345)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
図7のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図10のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S350:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
S430では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、続くS435では、確定表示させた特別図柄が小当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定する。小当りになる組み合わせであれば(S435:yes)、特別電動役物開始処理(S440)を行い、S445にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。S435で、小当りになる組み合わせでないと判定された場合は(S435:no)、そのまま特別遊技処理を実行する。
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、S300で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S615でyesと判定されて確変が設定される。
S630では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S645)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S630でnoと判定されて時短に移行しない。ただし時短中に確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S630でyesと判定され、時短状態が維持される。以上が特別遊技処理である。
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図14に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S700:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S710)。小当り遊技間のインターバルではなく(S710:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S715:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、大入賞口14を開放させ(S725)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S700:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。
図14のS705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S750:no)はS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.8秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S765)を行なって、小当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S755:no)は小当り遊技処理を終了する。
図14のS710で小当りインターバル中であると判定された場合は、図15のS770に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S770:yes)にはS775にて大入賞口14が規定回数(ここでは2回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S775:yes)は、小当り終了演出処理(S780)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S775:no)は、大入賞口開放処理(S785)により大入賞口14を0.8秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に0.8秒、2回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。
図14のS715で小当り終了演出中であると判定された場合は、図15のS790に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S790:yes)は、S795にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S800)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S790:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
図16(a)にサブ統合制御装置83により実行される演出決定処理の概要を示す。当処理は、サブ統合制御装置83が主制御装置80から特図変動開始コマンドを受信する(S810:yes)と起動される。特図変動開始コマンドとは、当否判定処理のS330(図8参照)にて主制御装置80が送信するコマンドである。特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると、演出パターン決定処理(S815)で演出パターンを決定し、決定された演出を、演出開始処理(S820)にて開始して終了(リターン)する。ここで演出パターンとしては、演出ユニット67,68が有効となるリーチアクション(後述)と、演出ユニット67,68が有効にならないリーチアクションと、リーチアクションを行なわないハズレ演出とがある。
図16(b)にサブ統合制御装置83により実行される演出図柄停止処理の概要を示す。当処理は、サブ統合制御装置83が主制御装置80から図柄停止コマンドを受信する(S830:yes)と起動される。図柄停止コマンドとは、当否判定処理のS345(図9参照)にて主制御装置80が送信するコマンドである。図柄停止コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると、演出図柄確定表示処理を実行(S835)して終了(リターン)する。
S815の処理によって決定される演出パターンのうち、演出ユニット67,68が有効となるものを図17に示す。まず戦闘機リーチは、第1操作手段として演出ボタン67(図17ではプッシュボタンと表記)、第2操作手段としてジョグダイヤル68を用いるもので、演出図柄表示装置6には図23に示すような演出画像が表示される。戦闘機リーチでは、まず演出画像として手前方向へ飛んでいる敵機と、それを追いかける自機が画面の奥に表示される(図23(a))。この画面には「○○を操作して見事敵を撃墜させたら大当り!」と表示され、操作手段を操作することは指示されるが、演出ボタン67、ジョグダイヤル68のどちらを操作するかは報知されない(この表示を行なう処理が本発明の操作指示手段に相当)。これらの内、有効な方の操作手段を適宜操作して、ミサイルを発射し(図23(b))、敵機を撃墜すると(図23(c))、大当りになる(図23(e))演出となっている。一方、抽選結果がハズレの場合は、敵機にミサイルをかわされ(図23(d))、演出図柄がハズレ配列にて確定表示される(図23(f))。なお、図23(f)の画像はS835の処理により出力される(後述する図24(f)の画像および図25(f)の画像も同様)。また、図23(a)の画像の左上に表示されている「残り10秒」は、選択された操作手段が有効な時間(以下、有効時間)であり、これが「残り0秒」となる前に、選択された操作手段を操作すると図23(b)のようにミサイルが発射される。なお、有効時間はサブ統合制御装置83にて設定され、減算される。有効時間内であっても、選択されていない操作手段を操作した場合や、選択された操作手段が操作されなかった場合には、ミサイルは発射されない。つまり有効時間内に有効となる操作手段は1種類のみである(他のリーチアクションや、後述する大当り演出においても同様)。また、操作手段を用いるのは、前記有効時間の間ならば、何度でも可能にされている。例えば演出ボタン67を用いる場合、演出ボタン67を遊技者が押す都度、ミサイルが発射され、抽選結果が当りの場合はその内の1発が敵に当たって大当りとなり、抽選結果がハズレの場合は、全てのミサイルをかわされて、演出図柄がハズレ配列にて確定表示される。
戦闘機リーチで行なわれる変動パターンは、図17に示すように変動パターン1〜4の4種類あり、これらのうち、変動パターン1,2がハズレの場合に設定され、変動パターン3,4が当りの場合に設定される。変動パターン1〜3の場合は、第1操作手段(ここでは演出ボタン67)が有効となり、変動パターン4の場合は、第2操作手段(ここではジョグダイヤル68)が有効となる。これらの変動パターン1〜4が発生する確率は図17に示しているように、50%:35%:5%:10%となっている(いずれも戦闘機リーチが行なわれる場合の振分確率)。つまり、演出ボタン67を用いてミサイルを発射する戦闘機リーチが発生した場合の当選確率は、5÷(50+35+5)=約5.6%となる。一方、ジョグダイヤル68を用いてミサイルを発射する戦闘機リーチが発生した場合の当選確率は、ハズレる場合が無いので100%となる。つまり、戦闘機リーチにおいては、演出ボタン67を用いる場合よりも、ジョグダイヤル68を用いた演出の場合の方が、大当りになる期待度(信頼度ともいう)が高いことになる。
なお、戦闘機リーチにおいて第1操作手段(演出ボタン67)が選ばれる確率は、50+35+5=90%であり、当リーチにおいて最も高くなっている(第2操作手段(ジョグダイヤル68)が選ばれる確率は10%)。また、変動パターンの決定はS295(当たる場合)の処理またはS320(ハズレる場合)の処理にて決定されるので、これら各処理が実行された時点で、いずれの操作手段が用いられるかが決定されることになる(他のリーチアクションも同様)。
演出ユニット67,68が有効となる第2の演出が決闘リーチで、第1操作手段として演出ボタン67、第2操作手段としてジョグダイヤル68を用いる。決闘リーチでは、まず演出画像として演出図柄表示装置6には図24(a)に示すように、ボクシングをしている2人の男が表示される。この画面には「○○を操作して見事敵を倒したら大当り!」と表示され、操作手段を操作することは指示されるが、演出ボタン67、ジョグダイヤル68のどちらを操作するかは報知されない(この表示を行なう処理が本発明の操作指示手段に相当)。これらの内、有効な方の操作手段を適宜操作して、パンチを放つ(図24(b))。抽選結果が当りの場合、敵(向かって左側の男)の顔面にパンチが当たり(図24(c))、大当りになる(図24(e))。一方、抽選結果がハズレの場合は、逆に敵からパンチをくらい(図24(d))、演出図柄がハズレ配列にて確定表示される(図24(f))。決闘リーチにおいては、有効時間が画面の右下に表示され、これが「残り0秒」となる前に、選択された操作手段を操作すると図24(b)のようにパンチを放つ。選択されていない操作手段を操作した場合や、有効時間内に選択された操作手段が操作されなかった場合には、パンチを出さない。
決闘リーチで行なわれる変動パターンは、図17に示すように変動パターン5〜12の8種類あり、これらのうち、変動パターン5〜8,および11がハズレの場合に設定され、変動パターン9,10,12が当りの場合に設定される。変動パターン5〜10の場合は、第1操作手段(演出ボタン67)が有効となり、変動パターン11,12の場合は、第2操作手段(ジョグダイヤル68)が有効となる。これらの変動パターン5〜12が発生する確率は図17に示しているように、25%:20%:10%:10%:6%:8%:1%:20%となっている(いずれも決闘リーチが行なわれる場合の振分確率)。つまり、演出ボタン67を用いてパンチを放つ決闘リーチが発生した場合の当選確率は、(6+8)÷(25+20+10+10+6+8)=約18%となる。一方、ジョグダイヤル68を用いてパンチを放つ決闘リーチが発生した場合の当選確率は、20÷(1+20)=約95%となる。つまり、決闘リーチにおいても、演出ボタン67を用いる場合よりも、ジョグダイヤル68を用いた演出の場合の方が、大当りになる期待度が高いことになる。
なお、決闘リーチにおいて第1操作手段(演出ボタン67)が選ばれる確率は、25+20+10+10+6+8=79%であり、当リーチにおいて最も高くなっている(第2操作手段(ジョグダイヤル68)が選ばれる確率は21%)。また、操作手段を用いるのは、前記有効時間の間ならば、何度でも可能にされている。例えば演出ボタン67を用いる場合、演出ボタン67を遊技者が押す都度、画面内のキャラクターがパンチを繰り出し、抽選結果が当りの場合はその内の1発が敵に当たって大当りとなり、抽選結果がハズレの場合は、全てのパンチがハズレ、最後に敵からパンチをくらい、演出図柄がハズレ配列にて確定表示される。
演出ユニット67,68が有効となる第3の演出がカーリーチで、第1操作手段として、ジョグダイヤル68、第2操作手段として、演出ボタン67を用いる。これは戦闘機リーチ、決闘リーチとは対応関係が逆になっている。カーリーチでは、まず演出画像として演出図柄表示装置6には図25(a)に示すように、道路を疾走する車が表示される。この画面には「○○を操作して岩を回避したら大当り!」と表示され、操作手段を操作することは指示されるが、演出ボタン67、ジョグダイヤル68のどちらを操作するかは報知されない(この表示を行なう処理が本発明の操作指示手段に相当)。これらの内、有効な方の操作手段を適宜操作して、車を左右に移動させる(図25(b))。抽選結果が当りの場合、岩を回避することに成功し(図24(c))、大当りになる(図25(e))。一方、抽選結果がハズレの場合は、岩に接触し(図25(d))、演出図柄のハズレ配列が表示される(図25(f))。
カーリーチで行なわれる変動パターンは、図17に示すように変動パターン13〜15の3種類あり、これらのうち、変動パターン13がハズレの場合に設定され、変動パターン14,15が当りの場合に設定される。変動パターン13、14の場合は、第1操作手段(ジョグダイヤル68)が有効となり、変動パターン15の場合は、第2操作手段(演出ボタン67)が有効となる。これらの変動パターン13〜15が発生する確率は図17に示しているように、35%:25%:40%となっている(いずれもカーリーチが行なわれる場合の振分確率)。つまり、ジョグダイヤル68を用いて車を左右に移動させるカーリーチが発生した場合の当選確率は、25÷(35+25)=約42%となる。一方、演出ボタン67を用いて車を左右に移動させるカーリーチが発生した場合の当選確率は、ハズレる場合が無いので100%となる。つまり、カーリーチにおいては、ジョグダイヤル68を用いた演出よりも、演出ボタン67を用いた演出の方が、大当りになる期待度が高いことになる。
なお、カーリーチにおいて第1操作手段(ジョグダイヤル68)が選ばれる確率は、35+25=60%であり、当リーチにおいて最も高くなっている(第2操作手段(演出ボタン67)が選ばれる確率は40%)。また、操作手段を用いるのは、カーリーチの間中、何度でも可能にされている。例えばジョグダイヤル68を用いる場合、ジョグダイヤル68を遊技者が左に回転させれば車が画面内を左に移動し、遊技者がジョグダイヤル68を右に回転させれば車が画面内を右に移動する。抽選結果が当りの場合は岩の脇を車がすり抜けて大当りとなり、抽選結果がハズレの場合は、岩に車が接触して、演出図柄がハズレ配列にて確定表示される。
図26に、決闘リーチにおいて、演出ボタン67を押した場合の画面内のキャラクターの動きと、ジョグダイヤル68を回転させた場合の前記キャラクターの動きを示す。図26(a)に示すように、演出ボタン67を用いた操作が有効となる変動パターン5〜10において、演出ボタン67を押した場合には画面内のキャラクターはパンチを放ち、図26(b)に示すように、ジョグダイヤル68を用いた操作が有効となる変動パターン11〜12において、ジョグダイヤル68を回転させた場合は、それが左右どちらの方向であっても画面内のキャラクターはパンチを放つ。つまり、各操作手段が有効な変動パターンであれば、その操作手段を操作することにより、画面内のキャラクターは同じ動作をする。他のリーチアクションも同様であり、戦闘機リーチでは、演出ボタン67を押すとミサイルが発射される場合もあれば、ジョグダイヤル68を回転させるとミサイルが発射される場合もある。カーリーチでは、ジョグダイヤル68を回転させると車が前記のように左右に移動する場合もあれば、演出ボタン67を押すと車が左右に移動する場合もある。なお、演出ボタン67を押して車を左へ移動させるには、図25(a)に示すように画面内の岩の左右に表示されている矢印の内、左側の矢印が点滅している間に押す。車を右に移動させる場合はこの逆で、岩の右側の矢印が点滅している間に演出ボタン67を押す。
演出ユニットは図22に示すように、演出ボタン101と、演出ボタンシート102と、演出ボタンリフレクタ103と、ジョグダイヤル104と、演出ボタンレンズ105と、ジョグダイヤルプレート106と、クリックプレート107と、演出ボタンインナーベース108と、演出ボタンバネ109と、演出ボタンアウターベースクッションA113と、ジョグダイヤルクッションB112と、Sオーナメントレンズ中央113と、エンブレム114と、ジョグダイヤル104と、演出ボタン基板115と、演出ボタン台座116とからなる。これらを薄平リベット117、ナベ十字タッピンネジ118により互いに組み付けると、図19のような外観となり、そのA−A断面を図20、B−B断面を図21に示すように、遊技者側に向かって傾斜した形状となる。演出ボタン101を押すと演出ボタンリフレクタ103が奥へ移動し、センサ67a(後述)に検出される。
演出ボタン基板115には、図18(a)に示すように演出ボタン67が押されたことを検出するためのセンサ67aと、ジョグダイヤル68が回転されたことを検出するための2個のセンサ68a、68bが実装されている。演出ボタン67が押されていない状態(通常状態)では、センサ67aはハイレベル(Hi)、演出ボタン67が押されると、センサ67aはロウレベル(Lo)を出力するように構成されている。センサ68a、68bはフォトリフレクタで、図示しない対向面に円形に配置された12枚のリフレクタにて光が反射されるか否かを検出することにより、それぞれHiまたはLoを出力するように構成されている。ジョグダイヤル68が回転されていない状態ではセンサ68a,68bは共にHiまたは共にLoを出力する。出力がどちらになるかは、ジョグダイヤル68の回転角度による。ジョグダイヤル68は前記のようにリフレクタが12枚配置されているため、15度の分解能で回転角度を検出可能にされており、例えばセンサ68a,68bの各出力が共にHi(以下、Hi−Hiと記す)だった場合、ジョグダイヤル68を左右いずれかの方向に15度回転させると、センサ68a,68bの出力がLo−Loとなる。つまりジョグダイヤル68の停止位置では、センサ68a,68bの出力はHi−HiまたはLo−Loとなる。
ここで仮にセンサ68a,68bの出力がHi−Hiであったとし、ここから、ジョグダイヤル68が時計回り(右回り)に回転されると、センサ68a,68bの出力がHi−Hi→Hi−Lo→Lo−Lo→Lo−Hi→・・・と変化していく。ジョグダイヤルが逆方向に回転されると、センサ68a,68bの出力がHi−Hi→Lo−Hi→Lo−Lo→Hi−Lo→・・・と変化していく。つまり、センサ68a,68bの出力が、これらのいずれのパターンで変化したかを検出することにより、ジョグダイヤル68が左右いずれの方向に回転されたかを知ることができ、Hi−HiまたはLo−Loが何回発現したかにより、ジョグダイヤル68が何度回転されたかを検出することが可能に構成されている。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、戦闘機リーチが発生した際に、演出ボタン67が有効であった場合に当たりになる確率が約5.6%であるのに対し、ジョグダイヤル68が有効であった場合に当たりになる確率が100%であるため、戦闘機リーチが発生した際に遊技者は、ジョグダイヤル68が有効であって欲しいと強く願うことになる。ジョグダイヤル68が有効であることを確認するためには、演出ボタン67、ジョグダイヤル68の一方を操作する必要があるので、遊技者はこれらの一方を操作する可能性が高い。従って、演出ボタン67、ジョグダイヤル68を遊技機に設け、それに伴う制御プログラムを作成・装備した意義が大きくなる。そしてこれらを操作することを通じて得られる操作感の違い(押すか回すか)により、期待感を一層盛り上げることが出来る。決闘リーチやカーリーチが発生した場合も、当りへの期待度が多少変化するだけで、戦闘機リーチが発生した場合と同様の効果を有する。
なお、戦闘機リーチ、及び決闘リーチでは演出ボタン67が選択される確率が高く、カーリーチではジョグダイヤル68が選択される確率が高くされている。これは、各演出において、よりふさわしい操作方法が高い頻度で発生するようにしていることによる。例えば、戦闘機リーチでは、敵機を撃墜するためにミサイルを発射するという演出に対して、ジョグダイヤル68を回転させるという操作よりも演出ボタン67を押すという操作方法の方がふさわしい。決闘リーチも同様で、ボクシングのパンチを出すという演出に対しては、ジョグダイヤル68を回転させるという操作よりも演出ボタン67を押すという操作方法の方がふさわしい。一方、カーリーチでは、車を左右に移動させるという演出に対しては、演出ボタン67を押すという操作よりもジョグダイヤル68を回転させる(ステアリングホイールを回す、車が画面内を移動する)という操作方法の方がふさわしい。つまり、各リーチアクションにおいて、ふさわしい操作手段が第1操作手段に設定され、第1操作手段よりもふさわしくない操作手段が第2操作手段に設定されている。
各演出において、これらの「ふさわしい操作方法」が最も高い確率で選択される一方で、第1操作手段よりもふさわしくない操作方法(戦闘機リーチであれば「ジョグダイヤル68を回転させる」という操作方法)が選択された際には、遊技者に「いつもと異なる」「操作しにくい」等の違和感を与えることができる。これにより遊技者は「普段は、この演出が出ても外れることが多いが、今回は大当りになるかもしれない」という期待感を操作を通じて抱くことが出来る。
なお、各リーチアクションに、演出ボタン67やジョグダイヤル68よりも適した操作手段があれば、これをパチンコ機50に設けてもよい。その場合は、パチンコ機50が備える全ての操作手段の中で最も適したものを第1操作手段とし、第1操作手段よりもそのリーチアクションに適していない操作手段を第2操作手段とし、第1操作手段が選択される確率が最も高くなるように設定しておくとよい。また、他のリーチアクションで用いる操作手段との兼ね合いなどにより、そのリーチアクションに最もマッチした操作手段とはいえないが、操作方法としてマッチしている操作手段を第1操作手段としてもよい。そしてその第1操作手段よりもそのリーチアクションにマッチしていない操作手段を第2操作手段とし、第1操作手段が選択される確率が最も高くなるように設定しておくとよい。
ここで本実施例の構成と、本発明の構成要件との対応関係を示す。演出図柄表示装置6が本発明の「画像表示装置」に相当し、サブ統合制御装置83および演出図柄制御装置82がそれぞれ本発明の「サブ制御装置」に相当し、戦闘機リーチ、決闘リーチ、及びカーリーチが本発明の「操作演出」に相当し、演出ボタン67、及びジョグダイヤル68が本発明の「操作手段」に相当し、S295、S320、及びS815の処理が本発明の「第1操作手段選択手段」に相当する。
[実施例2]
第2の実施例について図32〜33を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。図32に、第2実施例のサブ統合制御装置83により実行される演出決定処理の概要を示す。当処理も、サブ統合制御装置83が主制御装置80から特図変動開始コマンドを受信する(S810:yes)と起動される。特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると、演出パターン決定処理を行い(S815)、決定した演出パターンが、操作手段(演出ボタン67またはジョグダイヤル68)を用いるものか否かを判定する(S850)。肯定判断であれば(S850:yes)、リーチ操作手段選択処理(S855)を行ない、演出開始処理を行なって当処理を終了(リターン)する。S850が否定判断された場合、すなわち操作手段を用いないリーチ演出をする旨がS815で決定された場合は、S820に直行する。
リーチ操作手段選択処理(S855)では、変動開始コマンドをサブ統合制御装置83が主制御装置80から受信した際に、サブ統合制御装置83が取得した乱数値が用いられる。各リーチアクションに対してテーブルが設定されており、各テーブルと乱数値に応じて操作手段が図33のような振分確率で選択される。なお、演出図柄停止処理は図16(b)に示したものと同じである。
つまり、本実施例のパチンコ機50では、各演出パターン(変動パターン)においてどの操作手段を用いるかが決められておらず、また変動パターンは、その演出(リーチアクション)に対して設定されているあらゆる変動パターンが対象となる。すなわち実施例1のように、「変動パターン4が選択されたからジョグダイヤル68のみが有効」ということはない。図32のS815の処理によって決定される演出パターンのうち、演出ユニット67,68が有効となるものを図33に示す。本図に示すように第2実施例においても、戦闘機リーチ、決闘リーチ、カーリーチの各リーチ演出において、演出ユニット67,68が有効となり、演出図柄表示装置6において行なわれる演出の概要は図23〜25に示したものと同様である。
例えば、S815にて戦闘機リーチを行なうと決定された場合、S850で操作手段を用いるリーチ演出と判定され(S850:yes)、リーチ時操作手段選択処理にて操作手段が選択される。リーチ時操作手段選択処理の概要は次のようになっている。まず、S285における当否判定の結果が当りであったか否かを判定し、当りであれば、1/3(=5/(5+10))の確率で演出ボタン67を選択し、2/3(=10/(5+10))の確率でジョグダイヤル68を選択する。ハズレであれば、判定することなく演出ボタン67を選択する。
S820で演出が開始されると、戦闘機リーチが実際に始まり、演出ボタン67が有効とされた場合は、5/(85+5)=約5.6%で当たる可能性があり、ジョグダイヤルであれば100%当りとなる。なお、戦闘機リーチにおいて第1操作手段(演出ボタン67)が選ばれる確率は、85+5=90%であり、当リーチにおいて最も高くなっている(第2操作手段(ジョグダイヤル68)が選ばれる確率は10%)。
なお、S285における当否判定が当り・ハズレのいずれの場合もS815で均等に戦闘機リーチが選択されるのであれば、戦闘機リーチにおいて、ハズレで演出ボタン67を用いた演出が発生する確率は1−1/396.7=395.7/396.7=約99.7%となるはずであるが、図33において85%となっているのは、ハズレの場合と当りの場合とで、戦闘機リーチが選択される可能性が均一ではないからである(他のリーチも同様。また図17においても同様)。具体的には、ハズレの場合に戦闘機リーチが選択される確率は、当りの場合に戦闘機リーチが選択される確率より低く設定されている。
S815にて決闘リーチが選択された場合にも、同様に操作手段が選択され、演出ボタン67が有効とされた場合は、14/(65+14)=約18%で当たる可能性があり、ジョグダイヤルであれば20/(1+20)=約95%当りとなる。決闘リーチにおいて第1操作手段(演出ボタン67)が選ばれる確率は、65+14=79%であり、当リーチにおいて最も高くなっている(第2操作手段(ジョグダイヤル68)が選ばれる確率は1+20=21%)。そしてS815にてカーリーチが選択された場合にも、同様に操作手段が選択され、演出ボタン67が有効とされた場合は、100%で当り、ジョグダイヤルであれば25/(35+25)=約42%の確率で当りとなる。カーリーチにおいて第1操作手段(ジョグダイヤル68)が選ばれる確率は、35+25=60%であり、当リーチにおいて最も高くなっている(第2操作手段(演出ボタン67)が選ばれる確率は40%)。
つまり、本実施例では実施例1とは異なり、変動パターンだけでは、いずれの操作手段が有効となるかが分からないため、遊技者は演出ボタン67、ジョグダイヤル68の一方を操作する可能性が一層高い。そして操作の違いによる期待感は実施例1と同様に抱くことが出来る。
なお、本実施例で本発明の「第1操作手段選択手段」に相当する処理は、S295、S320、及びS815のいずれでもなく、S855となる。
[実施例3]
第3の実施例について図34〜38を用いて説明する。なお、本実施例も実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。図34に、第3実施例のサブ統合制御装置83により実行される演出決定処理の概要を示す。当処理は、サブ統合制御装置83が主制御装置80から大当り開始コマンドを受信する(S900:yes)か又は小当り開始コマンドを受信する(S925:yes)と起動される。大当り開始コマンドとは、図10のS395の大当り開始演出処理で送信されるものであり、小当り開始コマンドとは、同図のS445の小当り開始演出処理で送信されるものである。大当り開始コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると(S900:yes)、S905に移行し、演出当り図柄は共通図柄(図31参照)か否かを判定する。演出当り図柄が共通図柄であれば(S905:yes)、大当り演出パターン決定処理(S910)を行い、大当り演出開始処理(S935)を行なって終了(リターン)する。
演出当り図柄が共通図柄でなかった場合(S905:no)は、S915に移行し、演出当り図柄は確変図柄(図31参照)か否かを判定する。確変図柄であれば(S915:yes)S920にて確変当り演出設定処理を行い、大当り演出開始処理(S935)に移行する。演出当り図柄が確変図柄でなければ、すなわち潜伏図柄であれば(S915:no)、S930にて潜伏当り演出設定処理を行い、大当り演出開始処理(S935)に移行する。また、小当り開始コマンドを受信して、当大当り演出決定処理が起動された場合(S925:yes)には、S930にて潜伏当り演出設定処理を行い、大当り演出開始処理(S935)に移行する。つまりS930にて潜伏当り演出が設定された場合には、2ラウンド確変大当りか小当りかを遊技者が判定しにくくされている。
S910の大当り演出パターン決定処理における演出パターンの決定は、乱数値によって行なわれるが、大当りを生起させることとなった特別図柄の疑似演出において、戦闘機リーチ、決闘リーチ、またはカーリーチが行なわれた場合には、それらのリーチアクションに似通った大当り演出が選択される。例えば、特別図柄の疑似演出が戦闘機リーチであった場合は、大当り演出Aが選択される。大当り演出Aは、図36に示すようなもので、戦闘機リーチに非常に似通っており、戦闘機リーチと同様、演出ボタン67、ジョグダイヤル68を用いる。大当り演出Aでは演出図柄表示装置6に、大当りの第14ラウンドにおいて図36(a)のような画像が出力される。なお、この画像においても「14R中に○○を操作して見事敵機を撃墜させたら確変!!」と表示されるだけで、どの操作手段が有効かは報知されない。有効な操作手段が操作されるとミサイルが発射される(図36(b))。第14ラウンドにおいて、有効ではない操作手段を操作した場合や、有効な操作手段が操作されなかった場合には、ミサイルは発射されない。特別図柄として図柄1〜3(図28参照)が表示された場合には、敵機が撃墜され(図36(c))、最終ラウンド(ラウンド15)で確変する旨が報知される(図36(e))。特別図柄として図柄7〜10(図28参照)が表示された場合には、敵機がミサイルをかわし(図36(d))、最終ラウンド(ラウンド15)で確変しない旨が報知される(図36(f))。
特別図柄の疑似演出が決闘リーチであった場合は、大当り演出Bが選択される。大当り演出Bは図37に示すようなもので、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が有効となる。本図に示すように大当り演出Bは決闘リーチに非常に似通っている。大当り演出Bでは、大当りの第14ラウンドにおいて演出図柄表示装置6に、図37(a)のようなボクシングをしている2人の男が表示される。なお、この画像においても「14R中に○○を操作して見事敵を倒したら確変!!」と表示されるだけで、どの操作手段が有効かは報知されない。ここで有効な操作手段を操作すると、敵(向かって左側の男)にパンチを放つ(図37(b))。なお、演出ユニット67,68が操作されなかった場合にも、第14ラウンドで所定時間が経過するとパンチを放つ。特別図柄として図柄1〜3が表示されている場合には、第14ラウンドの終盤で敵の顔面にパンチが当たり(図37(c))、最終ラウンド(ラウンド15)で確変する旨が報知される(図37(e))。特別図柄として図柄7〜10が表示されている場合には、第14ラウンドで敵からパンチをくらい(図37(d))、最終ラウンド(ラウンド15)で確変しない旨が報知される(図37(f))。
特別図柄の疑似演出がカーリーチであった場合は、大当り演出Cが選択される。大当り演出Cは図38に示すようなもので、ジョグダイヤル68、演出ボタン67を用いる。本図に示すように大当り演出Cはカーリーチに非常に似通っている。大当り演出Cでは、大当りの第14ラウンドにおいて演出図柄表示装置6に、図38(a)のように道路を疾走する車が表示される。なお、この画像においても「14R中に○○を操作して岩を回避したら確変!!」と表示されるだけで、どの操作手段が有効かは報知されない。ここで有効な操作手段を操作すると、車が左右に移動する(図38(b))。特別図柄として図柄1〜3が表示されている場合には、第14ラウンドの終盤で車が岩を回避し(図38(c))、最終ラウンド(ラウンド15)で確変する旨が報知される(図38(e))。特別図柄として図柄7〜10が表示されている場合には、第14ラウンドで車が岩に接触し(図38(d))、最終ラウンド(ラウンド15)で確変しない旨が報知される(図38(f))。
そしていずれの大当り演出においても、大当り終了後に高確率遊技状態となる場合には、疑似演出で有効となった操作手段と同じ操作手段が、高い確率で有効となる。このように構成された遊技機によれば、その大当りを生起させることとなった特別図柄の疑似演出で行なわれたリーチアクションに似通った大当り演出が発生し、しかもそのリーチアクションで有効となった操作手段と同じ操作手段が有効となると、遊技者は、高確率状態になるかもしれないという大きな期待感を抱くことが出来る。その上、同じ操作手段が有効となったことを確かめるために、操作手段を操作する可能性が高い遊技機とすることが出来る。
なお、特別図柄の疑似演出として操作手段が有効とならない演出が行なわれ、大当りとなった場合にも、大当り演出決定処理は行なわれ、大当り演出が決定される。その大当り演出の中には、大当り演出A〜Cも含まれる。その場合の操作手段の選択方法を以下に説明する。大当り演出Aで行なわれる演出パターンは、図35に示すように演出パターン1〜4の4種類あり、これらのうち、演出パターン1,2が通常(確変しない)の場合に設定され、変動パターン3,4が確変する場合に設定される。なお、演出パターン1〜4の違いは、敵機または自機の挙動による違いである。演出パターン1〜3の場合は、第1操作手段(ここでは演出ボタン67)が有効となり、演出パターン4の場合は、第2操作手段(ここではジョグダイヤル68)が有効となる。これらの変動パターン1〜4が発生する確率は図35に示しているように、45%:30%:10%:15%となっている(いずれも大当り演出Aが行なわれる場合の振分確率)。つまり、演出ボタン67を用いてミサイルを発射する大当り演出Aが発生した場合に確変する確率は、10÷(45+30+10)=約12%となる。一方、ジョグダイヤル68を用いてミサイルを発射する大当り演出Aが発生した場合に確変する確率は、確変しない場合が無いので100%となる。つまり、大当り演出Aにおいては、演出ボタン67を用いる場合よりも、ジョグダイヤル68を用いた演出の場合の方が、確変する期待度が高いことになる。
大当り演出Bで行なわれる演出パターンは、図35に示すように演出パターン5〜10の6種類あり、これらのうち、演出パターン5,6、および9が通常(確変しない)の場合に設定され、変動パターン7,8、および10が確変する場合に設定される。なお、演出パターン5〜10の違いは、敵または自分(向かって右の男)の挙動による違いである。演出パターン5〜8の場合は、第1操作手段(ここでは演出ボタン67)が有効となり、演出パターン9,10の場合は、第2操作手段(ここではジョグダイヤル68)が有効となる。これらの変動パターン5〜10が発生する確率は図35に示しているように、25%:23%:9%:14%:2%:27%となっている(いずれも大当り演出Bが行なわれる場合の振分確率)。つまり、演出ボタン67を用いてパンチを放つ大当り演出Bが発生した場合に確変する確率は、(9+14)÷(25+23+9+14)=約32%となる。一方、ジョグダイヤル68を用いてパンチを放つ大当り演出Bが発生した場合に確変する確率は、27÷(2+27=約93%となる。つまり、大当り演出Bにおいても、演出ボタン67を用いる場合よりも、ジョグダイヤル68を用いた演出の場合の方が、確変する期待度が高いことになる。
大当り演出Cで行なわれる演出パターンは、図35に示すように演出パターン11〜13の3種類あり、これらのうち、演出パターン11が通常(確変しない)の場合に設定され、変動パターン11、および12が確変する場合に設定される。なお、演出パターン11〜13の違いは、車の挙動の違いにある。演出パターン11,12の場合は、第1操作手段(ここではジョグダイヤル68)が有効となり、演出パターン13の場合は、第2操作手段(ここでは演出ボタン67)が有効となる。これらの演出パターン11〜13が発生する確率は図35に示しているように、30%:25%:45%となっている(いずれも大当り演出Cが行なわれる場合の振分確率)。つまり、ジョグダイヤル68を用いて車を操縦する大当り演出Cが発生した場合に確変する確率は、25÷(30+25)=約45%となる。一方、演出ボタン67を用いて車を操縦する大当り演出Cが発生した場合に確変する確率は、確変しない場合が無いので100%となる。つまり、大当り演出Cにおいては、演出ボタン67を用いる場合よりも、ジョグダイヤル68を用いた演出の場合の方が、確変する期待度が低いことになる。
以上のように構成された遊技機によれば、大当り演出Aが発生した際に、演出ボタン67が有効であった場合に高確率状態になる確率が約12%であるのに対し、ジョグダイヤル68が有効であった場合に高確率状態になる確率が100%であるため、大当り演出Aが発生した際に遊技者は、ジョグダイヤル68が有効であって欲しいと強く願うことになる。ジョグダイヤル68が有効であることを確認するためには、演出ボタン67、ジョグダイヤル68の一方を操作する必要があるので、遊技者はこれらの一方を操作する可能性が高い。従って、演出ボタン67、ジョグダイヤル68を遊技機に設け、それに伴う制御プログラムを作成・装備した意義が大きくなる。そしてこれらを操作することを通じて得られる操作感の違い(押すか回すか)により、期待感を一層盛り上げることが出来る。大当り演出Bや大当り演出Cが発生した場合も、高確率状態への期待度が多少変化するだけで、大当り演出Aが発生した場合と同様の効果を有する。
その大当り演出に対して選択された操作方法のふさわしさと選ばれる確率の高低の関係は、実施例1の疑似演出と同様となっている。すなわち、その大当り演出において、ふさわしい操作手段(第1操作手段)が選ばれる確率が最も高く、第1操作手段よりもその大当り演出にふさわしくない操作手段(第2操作手段)が選ばれる確率は低くされている。例えば、大当り演出Aにおいて、ミサイルを発射するための操作手段として、ふさわしい演出ボタン67が選ばれる確率が最も高く、ふさわしくないジョグダイヤル68が選択される確率が低くされている。このジョグダイヤル68が選択された際には、遊技者に「いつもと異なる」「操作しにくい」等の違和感を与えることができる。これにより「いつもと異なるから、今回は高確率状態になるかもしれない」という期待感を遊技者に抱かせることが出来る。
[他の実施例]
前記実施例では、操作手段として演出ボタン67、ジョグダイヤル68を用いたが、これらに加えて(或いはこれらに替えて)ジョイスティック、十字キー、タッチパネル等を用いたリーチ演出や、大当り演出を行なうように構成し直してもよい。また、前記した以外の演出を設定してももちろん良い。例えば、釣り糸を垂らし、魚を釣り上げたら大当りが発生(大当り演出であれば高確率状態になる)という演出があっても良い。この場合、ふさわしい操作はジョグダイヤル68であり、演出ボタン67が選択された際には、大当り(大当り演出であれば高確率状態)に対する信頼度が高くなるように設定しておくと良い。もちろん、ジョグダイヤル68よりも適した操作手段(前述の釣り演出であれば、例えばリールと同等のハンドル。釣りの演出では、これを回転させると言う操作を行なう)があれば、これを備えた遊技機とし、第1操作手段としてその操作手段が選ばれる確率が最も高くなるように設定すると良い。逆に、その演出に最適な操作手段を敢えて設けず、操作上、演出とのマッチ度が低い操作手段を幾つか設け、これらの中では最も適格と考えられる操作手段を第1操作手段としてもよい。
実施例3では、リーチアクションと大当り演出が、戦闘機リーチと大当り演出Aのように似通っており、有効な操作手段が同じであった場合に、高確率遊技状態に移行しやすい構成としたが、全く異なる演出(例えば決闘リーチと大当り演出C)であっても、有効な操作手段が同じであれば、高確率遊技状態に移行しやすい構成としてもよい。また、両演出が似通っていた場合には高確率遊技状態に移行する確率が高く、更に有効な操作手段が同じであった場合には、高確率遊技状態に移行する確率が一層高くなるという構成にしてもよい。また、逆に、有効な操作手段が異なる場合に、高確率遊技状態に移行しやすい構成としてもよい。
また、前記実施例ではいずれも、各演出(疑似演出または大当り演出)において有効となる操作手段を遊技者に報知していなかった。これにより、遊技者が演出ボタン67またはジョグダイヤル68を操作する可能性が高くなるという効果があった。その反面、例えば実施例1の戦闘機リーチで遊技者が演出ボタン67を押しても、第1操作手段選択手段がジョグダイヤル68を選択していたがために、画面に何の変化も生じなかった場合、遊技者が演出ボタン67が故障しているとか、押し方が弱かったと勘違いし、過剰な力で演出ボタン67を押す可能性がある。実施例3の大当り演出でも同様の事態が発生する恐れがある。こうした事態を防止するために、その演出が発生した際に、有効な操作手段を報知する構成(操作手段報知手段)を設けてもよい。この場合、ふさわしい操作手段が選択されると、ありきたりな演出になりがちで、これにより遊技者が操作をしない可能性がある。しかし、ふさわしくない操作手段が選択されると、この報知を受けた遊技者が驚いて(例えば戦闘機リーチであれば「敵機を撃墜するためにジョグダイヤル68を回せとは何事か?」と驚いて)、何かの間違いではないかとその操作手段を操作することが期待できる。
実施例3において、特別図柄の疑似演出として操作手段が有効とならない演出が行なわれ、大当りとなった場合の大当り演出の操作手段が、演出パターンと無関係に選択されるように構成してもよい。この場合の大当り演出決定処理の概要を図39に示す。当処理では図34に示した大当り演出決定処理と異なり、大当り演出パターン決定処理(S910)にて演出パターンを決定すると、その演出パターンが、操作手段(演出ボタン67またはジョグダイヤル68)を用いるものか否かを判定する(S950)。つまり、演出パターンの中には、操作手段を用いることなく高確率状態に移行する演出を行なうものや、そもそも高確率状態に移行する演出を行なわない(抽選の結果、高確率状態に移行しないこととなった)ものがある。S950が肯定判断であれば、操作手段選択処理(S955)を行ない、大当り演出開始処理(S935)を行なって当処理を終了する。S950が否定判断された場合、すなわち操作手段を用いない演出をする旨がS910で決定された場合は、S935に直行する。なお、操作手段選択処理(S955)では、大当り開始コマンドをサブ統合制御装置83が主制御装置80から受信した際に、サブ統合制御装置83が取得した乱数値が用いられる。各大当り演出に対してはテーブルが設定されており、各テーブルと乱数値に応じて操作手段が図40のような振分確率で選択される。
つまり、このパチンコ機50では、各大当り演出においてどの操作手段を用いるかが決められておらず、また演出パターンは、その大当り演出に対して設定されているあらゆる演出パターンが対象となる。すなわち、「演出パターン4が選択されたからジョグダイヤル68のみが有効」ということはない。図39のS950の処理によって決定される大当り演出を図40に示す。本図に示すように、大当り演出A、大当り演出B、大当り演出Cの各大当り演出において、演出ユニット67,68が有効となり、演出図柄表示装置6において行なわれる演出の概要は図36〜38に示したものと同様である。
例えば、S910にて大当り演出Aを行なうと決定された場合、操作手段選択処理(S950)にて操作手段が選択される。操作手段選択処理の概要は次のようになっている。まず、確定図柄表示処理(図9のS345)で表示された特別図柄が15ラウンド確変図柄(図柄1〜3:図28参照)であったか否かを判定し、肯定判断であれば、2/5(=10/(10+15))の確率で演出ボタン67を選択し、3/5(=15/(10+15))の確率でジョグダイヤル68を選択する。15ラウンド通常図柄(図柄7〜10)であれば、判定することなく演出ボタン67を選択する。なお、特別図柄が2ラウンド確変図柄(図柄4〜6)の場合は、演出図柄として共通図柄が表示されない(S905:no)ので、操作手段選択処理(S950)は実行されない。また、特別図柄が15ラウンド確変図柄(図柄1〜3:図28参照)であった場合であっても、共通図柄ではなく確変図柄が演出図柄として表示された場合にも操作手段選択処理(S950)は実行されない。
S935で演出が開始されると、大当り演出Aが実際に始まり、演出ボタン67が有効とされた場合は、10/(75+10)=約12%で確変になる可能性があり、ジョグダイヤルであれば100%確変になる。
S910にて大当り演出Bが選択された場合にも、同様に操作手段が選択され、演出ボタン67が有効とされた場合は、23/(48+23)=約32%の確率で確変する可能性があり、ジョグダイヤルであれば27/(2+27)=約93%の確率で確変する。そしてS910にて大当り演出Cが選択された場合にも、同様に操作手段が選択され、ジョグダイヤル68が有効とされた場合は、25/(35+25)=約42%の確率で確変し、演出ボタン67が選択された場合は100%の確率で確変する。つまり、大当り演出において、ふさわしい操作手段(第1操作手段)が選ばれる確率が最も高く、第1操作手段よりもその大当り演出にふさわしくない操作手段(第2操作手段)が選ばれる確率は低くされている。例えば、大当り演出Aにおいて、ミサイルを発射するための操作手段として、ふさわしい演出ボタン67が選ばれる確率が最も高く、ふさわしくないジョグダイヤル68が選択される確率が低くされている。
こうすると、ふさわしくない操作手段が選択された際には、遊技者に「いつもと異なる」「操作しにくい」等の違和感を与えることが出来る。これにより「いつもと異なるから、今回は高確率状態になるかもしれない」という期待感を遊技者に抱かせることが出来る。そして、演出パターンだけでは、いずれの操作手段が有効となるかが分からないため、遊技者は演出ボタン67、ジョグダイヤル68の一方を操作する可能性が一層高い。そして操作の違いによる期待感を遊技者は抱くことが出来る。