本実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。図1に示すように、商品またはサービスの販売者である企業とネットワーク5を介して接続され、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、食品販売店、ドラッグストア、アパレル販売店、家電販売店、百貨店、生活雑貨店、飲食店などの店舗またはチェーン店舗(以下、店舗という)である店舗1には、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS(Point of Sales)端末2(図1では1台のみ示すが複数台であっても良い)と、ルータ3とが設置されている。POS端末2とルータ3とは、店舗内LAN4(Local Area Network)によって接続されている。ルータ3は、店舗内LAN4とインターネットやVPN(Virtual Private Network)であるネットワーク5とを接続するための機器である。なお、特に図示しないが、店舗1には、POS端末2を統括するストアサーバを設けるようにしても良い。
また、ネットワーク5には、携帯端末8が、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の規格に従って無線通信を行う基地局7を介して接続されている。携帯端末8は、Webブラウザを実装する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータなどの情報処理装置である。なお、携帯端末8に代えて、ノートPCなどのパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を適用しても良い。
さらに、ネットワーク5には、電子レシートセンターに備えられるものであって、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶して管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ9も接続されている。予め電子レシートのサービスを受けるために会員登録されている消費者は、ネットワーク5を通して携帯端末8を用いて電子レシート管理サーバ9から電子レシート情報を得ることができる。電子レシート管理サーバ9は、例えば、店舗を運営する企業以外の第三者機関によって管理される。また、店舗を運営する企業を示す企業毎の電子レシート情報を複数の企業コードで一括に管理する機能を、例えばクラウドコンピューティングの一種であるSaaS(Software as a Service)の形態でサービス(アプリケーション)が提供されるようにしても良い。
なお、電子レシートサービスを受けるための消費者の会員登録は、例えば次のようにして行われる。図2は、消費者の会員登録における画面の遷移例を示す遷移図である。消費者は、携帯端末8からネットワーク5を通して会員管理サーバ(図示せず)に対して空メールを送信する。会員管理サーバは、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。消費者は、携帯端末8から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして入力画面Hを表示させ(図2(a)参照)、会員登録に必要な事項を入力する。消費者による必要事項の入力終了後の携帯端末8には、入力確認画面Iが表示される(図2(b)参照)。そして、消費者による入力確認後には、会員マスタに対する会員登録が実行される。その後、会員管理サーバは、携帯端末8に対して会員コード(電子レシートシステムを利用するための電子レシート識別コード)およびパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。なお、図2(c)は、登録完了後において、携帯端末8に表示される登録完了画面Jである。登録完了画面Jには、「トップ画面表示」ボタンB10が設けられている。消費者がこの「トップ画面表示」ボタンB10を操作することにより、携帯端末8は、図2(d)に示すトップ画面Kを表示する。
かかる構成の電子レシートシステムにおいては、店舗1のPOS端末2で会員コードが入力されて商品販売データ処理が行なわれると、決済の内容を示す商品販売データが会員コードに関連付けられた電子レシート情報に変換される。なお、店舗サーバや本部サーバ(いずれも図示せず)において電子レシート情報に変換するようにしても良い。この電子レシート情報は、ネットワーク5を介して電子レシート管理サーバ9に伝送される。また、電子レシート情報は、電子レシート管理サーバ9から会員の携帯端末8に対して送信される。会員は、携帯端末8の表示部に電子レシート情報を表示させ、その内容を確認することができる。また、電子レシート管理サーバ9は、電子レシート情報をWeb上に公開する。Webブラウザを実装してなる携帯端末8は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を携帯端末8にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末8に電子レシート情報を閲覧するためのアプリケーションソフトウェアをインストールして閲覧するようにしても良い。
携帯端末8は、上述のようにして消費者が取得した会員コードおよびパスワードを記憶部13(図3参照)などに記憶する。このようにして記憶した会員コードの出力方法としては、バーコードによる表示、二次元コードによる表示、近接場型の無線通信であるNFC(Near Field Communication)による情報通信による送信等がある。
以下、この点を含み、本実施形態の電子レシートシステムを構築する各部の構成について説明する。
まず、情報処理装置である携帯端末8の要部構成を、図3のブロック図を用いて説明する。図3に示すように、携帯端末8は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)11、データを一時的に記憶しておくためのメモリ12、CPU11からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部13、ネットワーク5を含む各種公衆網に接続されるネットワークインターフェース14、各種情報を表示可能な表示部17、携帯端末8を操作するための入力部18、時間を計時する時計部19、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどである撮像部20等で構成されている。入力部18は、表示部17に積層されたタッチパネルや、筐体上に設けられたキーである。
記憶部13には、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザや家計簿の作成に用いられる家計簿ソフトウェアの他、商品販売データ処理による決済後に生成される電子レシート情報を電子レシート管理サーバ9から受け取るための電子レシート対応プログラムP11と、受け取った電子レシート情報を閲覧するための電子レシート閲覧プログラムP12と、が予めインストールされている。
加えて、記憶部13には、レシート情報生成プログラムP13が予めインストールされている。レシート情報生成プログラムP13は、概略的には、電子レシートの未導入企業の店舗を利用した結果として受け取った紙レシートを撮像部20で撮像することで紙レシートの画像を入力する処理と、入力された紙レシートの画像に対してOCR(Optical Character Recognition)変換してレシート情報を生成する処理を、携帯端末8のCPU11に実行させる。なお、レシート情報生成プログラムP13は、紙レシートの画像に対してOCR変換してレシート情報を生成するものに限らず、携帯端末8の入力部18を介して入力されたテキストデータをレシート情報として生成するものであっても良い。このようなテキストデータは、OCR変換したデータの修正にも用いられる。これらの処理は、周知のため、詳細な説明は省略する。ここに、レシート情報生成手段としての機能が実現されている。
なお、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11と電子レシート閲覧プログラムP12とレシート情報生成プログラムP13は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11と電子レシート閲覧プログラムP12とレシート情報生成プログラムP13を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11と電子レシート閲覧プログラムP12とレシート情報生成プログラムP13をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、商品販売データ処理装置であるPOS端末2の要部構成を、図4のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、POS端末2は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)21、データを一時的に記憶しておくためのメモリ22、CPU21からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部23、店舗内LAN4に接続されるネットワークインターフェース24、プリンタが接続されるプリンタインターフェース25、オペレータに対して各種情報を表示するためのオペレータ用表示部28、時間を計時する時計部29、客に対して種々の情報を表示するための客用表示部30、POS端末2を操作するための入力部31等で構成されている。
記憶部23には、当該POS端末2のレジコードに加えて、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、当該POS端末2が設置される店舗1を示す店舗コード、などを予め記憶するための領域として識別コード管理領域23aが確保されている。ここで、業種・業態コードは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などとして、店舗の業種・業態を区別するコード(分類コード)である。なお、このような業種・業態は、ユーザの好みによって任意に変更可能である。
また、記憶部23には、商品販売データ処理を含む各種のPOS業務を実行するためのソフトウェアの他、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートあるいは領収書に代えて電子的に処理した電子レシート情報を処理するための電子レシート処理プログラムP15が予めインストールされている。
なお、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ9の要部構成を、図5のブロック図を用いて説明する。電子レシート管理サーバ9は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)51、データを一時的に記憶しておくためのメモリ52、CPU51からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部53、ネットワーク5に接続されるネットワークインターフェース54等で構成されている。
記憶部53には、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶するための領域として電子レシート管理領域53aが確保されている。より詳細には、電子レシート管理領域53aは、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を会員毎に管理する。
ここで、電子レシート管理領域53aに記憶される電子レシート情報のデータ構成について説明する。図6は、電子レシート情報のデータ構成を例示的に示す模式図である。図6に示すように、電子レシート情報は、消費者毎に一意に決められた会員コードに対応付けて、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード(CVSやスーパーなどの業種業態のほか、加盟団体や加盟グループを含む)、企業会員カードの企業会員コードなどを含んでいる。
また、図6に示すように、電子レシート情報は、会員コードに対応付けて、店舗コード(店舗の識別コード)、レジコード(POS端末2の識別コード)、取引ナンバー(レシートナンバー)、商品販売データ、領収書発行済フラグ、付加情報(クーポン、保証書など)などを含んでいる。
図6に示すように、商品販売データは、単品毎に、取引日時(販売日時)、商品コード、商品名、販売数、商品単価(販売価格)、を有しているとともに、合計金額、預かり金額、支払メディア、釣り銭金額などを含んでいる。
なお、図6に示す電子レシート情報は、付加情報(クーポン、保証書など)を含むものとしたが、これに限るものではなく、電子レシート情報と付加情報(クーポン、保証書など)とを別々に管理するものであっても良い。
なお、図6に示すように、電子レシート情報は、会員コードに関連付けて、メールアドレスを含んでいる。メールアドレスは、後述する電子レシート更新通知や電子レシート情報の送信に用いるものである。グループコードは、前述したように、所定の会員コードとともに電子レシートシステムに会員登録している家族や友人の会員コードを関連付けたグループを識別するコードである。
また、記憶部53には、各企業から受け取った電子レシート情報を電子レシート管理領域53aで管理するための電子レシート管理プログラムP3が予めインストールされている。
また、記憶部53には、所望の商品、会員、企業、店舗に対応付けられる各種の修飾データ(付加情報)を記憶する情報管理領域53bが設けられている。ここで、修飾データ(付加情報)とは、企業のキャンペーンに関連付けられたホームページにリンクするURL、企業のCMに関連付けられたホームページにリンクするURL、企業のクーポンにリンクするURLなどのアクセス情報や、企業コードや店舗コードの各コードに対応する店名ロゴ、保証書データ等の電子レシートの修飾データ(付加情報)などの情報である。これら店名ロゴなどの修飾データ(付加情報)は、電子レシート情報と比較してファイル容量が大きい、BMP等のデータ形式で作成する。
また、記憶部53には、電子レシート情報を携帯端末8へ送信するための情報送信プログラムP4や携帯端末8から送信されたデータであって紙レシートを撮影してOCR(Optical Character Recognition)変換したテキストデータであるレシート情報(電子レシートサービスの会員コードを含む)を、POS端末2からの電子レシート情報(第1の電子レシート情報)と略同一な電子レシート情報(第2の電子レシート情報)として生成する電子レシート情報生成プログラムP5が予めインストールされている。
なお、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3、情報送信プログラムP4は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3、情報送信プログラムP4および電子レシート情報生成プログラムP5を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3、情報送信プログラムP4および電子レシート情報生成プログラムP5をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
続いて、本実施の形態のシステムを構築する各部の動作について説明する。
まず、POS端末2のCPU21が電子レシート処理プログラムP15に従って動作することにより実行される電子レシート処理について、図7に示す機能ブロック図および図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図7に示すように、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15は、電子レシート生成手段として機能する電子レシート生成部26、送信手段として機能する送信部27を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU21が記憶部23から電子レシート処理プログラムP15を読み出して実行することにより上記各部がメモリ22上にロードされ、電子レシート生成部26、送信部27がメモリ22上に生成されるようになっている。
電子レシート生成部26は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートあるいは領収書に代えて電子的に処理した電子レシート情報を、消費者の会員コードに対応付けて生成する。
より詳細には、電子レシート生成部26は、消費者を識別する会員コードおよび当該会員コードと関連付けた商品の取引データを含む商品販売データを前記会員コードに関連付けて記憶部に記憶する商品販売データ記憶手段である商品販売データ記憶部26aと、前記商品販売データに対して商品の販売者を識別する企業コードを関連付けて電子レシート情報として生成するデータ生成手段であるデータ生成部26bと、を備えている。
送信部27は、電子レシート生成部26で生成した電子レシート情報を、企業コードに応じた企業単位で管理する電子レシート管理サーバ9に送信する。
図8に示すように、POS端末2のCPU21(電子レシート生成部26)は、商品取引の締め処理を開始する締め操作キー等の入力があると、会員コードの入力、電子レシート発行有無の確認、締め操作に応じた決済処理に対応した電子レシート発行指示があったか否かを判断する(ステップS1)。
会員が、電子レシート発行指示を示すためには、例えば下記に示すような方法が考えられる。
1.店員がPOS端末2の入力部31(例えば、キーボード)に設けられた「電子レシート発行」ボタンを操作する。
2.会員である消費者が携帯端末8の表示部17にトリガーとなるコードを含むバーコードを表示し、店員がPOS端末2の入力部31(例えば、バーコードスキャナ)で読み取る。
3.会員である消費者が客用表示部30に押下可能に表示された「電子レシート発行」ボタンを操作する。
4.会員である消費者が携帯端末8の表示部17にトリガーとなるコードを含むバーコードを表示し、会員である消費者自らがPOS端末2の入力部31(例えば、バーコードスキャナ(商品登録で使用するスキャナとは別のスキャナが好ましい))で読み取る。 5.会員である消費者がポイントサービスを受けるための企業会員カードを提示し、POS端末2の入力部31(例えば、バーコードスキャナ、磁気カードリーダ、またはNFCなど)で企業会員カードの企業会員コードを読み取り、その読み取った企業会員コードに電子レシートの会員コードが関係付けられている場合は、電子レシート発行指示があったと判断する。
POS端末2のCPU21(電子レシート生成部26)は、電子レシート発行指示があったと判断した場合(ステップS1のYes)、商品取引データを企業の本部サーバに送信するとともに、商品取引データなどを記憶部23に設けられた識別コード管理領域23aから抽出し、電子レシートのフォーマットに変換して電子レシートの明細データ(電子レシート情報)を生成する(ステップS2)。電子レシートの明細データは、商品販売データ処理による決済時に登録された商品の情報および決済の情報に基づく商品販売データ(取引日時、商品コード、商品名、販売数、商品単価、取引の合計金額、預かり金額、釣り銭金額、支払いメディア等)、取引ナンバー(レシートナンバー)、POS端末2のレジコード等から構成される。これらのデータは、ファイル容量が比較的小さい、テキスト、XML、JSON等のデータ形式で生成する。
次いで、POS端末2のCPU21(送信部27)は、ネットワークインターフェース24を介して店舗内LAN4およびネットワーク5に接続し、生成された電子レシートの明細データ(電子レシート情報)とともに、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、電子レシートの会員コード(消費者)を電子レシート管理サーバ9に送信し(ステップS3)、処理を終了する。なお、電子レシート発行指示がなかったと判断した場合は、紙レシートを印字して発行し、商品取引データを本部サーバに送信して処理を終了する。
なお、POS端末2のCPU21は、本部サーバへ商品取引データ(トランザクションデータ)を送信する時にオフライン状態に陥った場合、以下の対応を実施して障害を回避する。
1.リトライ送信の自動実施
2.1.で対応不可の場合には、オンライン復旧するまで商品取引データ(トランザクションデータ)を記憶し、オンライン復旧後に本部サーバへ発信する。この場合、POS端末2のCPU21は、オペレータ用表示部28に「商品取引データ(トランザクションデータ)は後ほど送信します。」などの表示を行う。
次に、電子レシート管理サーバ9のCPU51が、電子レシート管理プログラムP3に従って動作することにより実行される電子レシート管理処理および情報送信プログラムP4に従って動作することにより実行される商品情報送信処理の流れを、図9に示す機能ブロック図および図10に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図9に示すように、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3および情報送信プログラムP4は、第1の受信手段として機能する受信部55、電子レシート管理手段として機能する電子レシート一括管理部56、電子レシート送信手段として機能する電子レシート送信部57、商品マスタ生成部58を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU51が記憶部53から電子レシート管理プログラムP3および情報送信プログラムP4を読み出して実行することにより上記各部がメモリ52上にロードされ、受信部55、電子レシート一括管理部56、電子レシート送信部57、商品マスタ生成部58がメモリ52上に生成されるようになっている。
受信部55は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートあるいは領収書に代えて電子的に処理した企業単位の電子レシート情報を受信する。
電子レシート一括管理部56は、受信部55により受信した企業単位の電子レシート情報を記憶部53の電子レシート管理領域53aに記憶して一括管理する。また、電子レシート一括管理部56は、電子レシート情報に含まれる企業コードに基づく修飾情報を記憶部53の情報管理領域53bから読み出して電子レシート情報に付加する付加手段として機能する付加部56aを備えている。
電子レシート送信部57は、所定の消費者の会員コードに対応付けられた携帯端末8に対し、当該会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシート情報を電子レシート管理領域53aから取得して送信する。
商品マスタ生成部58は、記憶部53の電子レシート管理領域53aに記憶した電子レシート情報(第1の電子レシート情報)の電子レシートの明細データから商品コードおよび商品コードに関連付けられた商品名を抽出して商品マスタM(図11参照)を生成する。生成された商品マスタMは、記憶部53に記憶される。
図11は、商品マスタMのデータの一例を示すデータ構成図である。図11に示すように、商品マスタMは、JANコード等の商品コードに対応付けて商品名を記憶する。
図10に示すように、電子レシート管理サーバ9のCPU51(受信部55)は、各企業のPOS端末2から送信された企業コード、業種・業態コード、店舗コード、電子レシートの会員コード、電子レシートの明細データ(電子レシート情報)をネットワークインターフェース54を介して受信したか否かを判断する(ステップS21)。
企業コード、業種・業態コード、店舗コード、電子レシートの会員コード、電子レシートの明細データ(電子レシート情報)を受信した場合(ステップS21のYes)、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート一括管理部56)は、記憶部53の電子レシート管理領域53aに会員コードに関連付けて電子レシート情報等を記憶する(ステップS22)。
また、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート一括管理部56)は、企業コードや店舗コードから、各コードに対応する店名ロゴ、キャンペーンデータ(クーポン)、コマーシャルデータ、保証書データ等の電子レシートの修飾データ(付加情報)を記憶部53の情報管理領域53bから読み出して電子レシートの明細データ(電子レシート情報)に付加する(ステップS23)。修飾データ(付加情報)を付加された明細データ(電子レシート情報)は、消費者が閲覧可能なフォーマットで記憶し、電子レシートの作成を終了する。
上述のように、電子レシートは、店舗のPOS端末2が明細データを作成して電子レシートセンターの電子レシート管理サーバ9に送信し、電子レシート管理サーバ9が、店名ロゴ、キャンペーンデータ、コマーシャルデータ等の修飾データ(付加情報)を付加することで完成する。店舗のPOS端末2が作成する電子レシートの明細データ(電子レシート情報)は、ファイル容量が小さいデータであり、POS端末2から外部の電子レシート管理サーバ9に送信してもネットワークやシステムに与える負荷が小さいデータである。一方、電子レシートセンターの電子レシート管理サーバ9が付加する電子レシートの修飾データ(付加情報)は、画像データ等からなりファイル容量が明細データと比べると大きいデータであり、送信するとネットワークやシステムに与える負荷が大きい。このため電子レシート管理サーバ9で受信したあとに付加するとシステムに与える負荷が小さくなり障害の発生を防ぐことができる。
なお、電子レシートの明細データ(電子レシート情報)は、店舗のPOS端末2ではなくストアサーバ等の店舗側のシステム内で作成して外部の電子レシート管理サーバ9に送信してもよい。
また、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート送信部57)は、電子レシート管理領域53aに電子レシート情報を閲覧可能な状態で記憶し、電子レシートの作成が終了すると、消費者の会員コードに関連付けて記憶されているメールアドレスにメッセージを送信し、消費者の携帯端末8に電子レシートが更新されたことを通知する(ステップS24)。
なお、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート送信部57)は、ステップS24において、電子レシートが更新されたことを通知するのではなく、消費者の会員コードに関連付けて記憶されているメールアドレスに対して、電子レシート情報を送信するようにしても良い。
加えて、電子レシート管理サーバ9のCPU51(商品マスタ生成部58)は、記憶部53の電子レシート管理領域53aに記憶した電子レシート情報の電子レシートの明細データから商品コードおよび商品コードに関連付けられた商品名を取得して商品マスタMを生成する(ステップS25)。
また、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート送信部57)は、携帯端末8から電子レシート情報照会があった場合(ステップS21のNo、ステップS26のYes)、電子レシート管理領域53aに管理されている電子レシート情報を、電子レシート情報照会の内容に従って抽出した後(ステップS27)、照会があった携帯端末8に送信し(ステップS28)、ステップS21に戻る。
また、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート送信部57)は、電子レシート情報の送信を完了すると、電子レシート管理領域53aの電子レシート情報に対して送信完了を意味するフラグを記憶することで、電子レシート情報の送信結果を管理することができる。
次に、電子レシート管理サーバ9のCPU51が、電子レシート情報生成プログラムP5に従って動作することにより実行される電子レシート情報生成処理の流れを、図12に示す機能ブロック図および図13に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図12に示すように、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート情報生成プログラムP5は、第2の受信手段として機能するレシート情報受信部61、電子レシート情報生成手段として機能する電子レシート情報生成部62、修正手段として機能する修正部63を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU51が記憶部53から電子レシート情報生成プログラムP5を読み出して実行することにより上記各部がメモリ52上にロードされ、レシート情報受信部61、電子レシート情報生成部62、修正部63がメモリ52上に生成されるようになっている。
レシート情報受信部61は、消費者の携帯端末8から会員コードに関連付けられて入力されたレシート情報を受信する。
電子レシート情報生成部62は、レシート情報受信部61によって受信したレシート情報を電子レシート情報と略同一なデータフォーマットに変更して電子レシート情報(第2の電子レシート情報)として生成する。
修正部63は、レシート情報受信部61により受信したレシート情報に商品コードが含まれている場合には、当該商品コードに基づいて商品マスタMから商品名を抽出してレシート情報に含まれる商品名を修正する。
図13に示すように、電子レシート管理サーバ9のCPU51(レシート情報受信部61)は、携帯端末8から送信されたレシート情報(送信元の携帯端末8に対応付けられている電子レシートサービスの会員コードを含む)を受信すると(ステップS51)、電子レシート管理サーバ9のCPU51(修正部63)は、当該レシート情報の修正処理を実行する(ステップS52)。
レシート情報の修正処理は、レシート情報に商品コードが含まれている場合には、当該商品コードに基づいて商品マスタMから商品名を抽出してレシート情報に含まれる商品名を修正する。このような処理を行うのは、OCR処理においては文字化けが発生することがあるからである。このように文字化け発生した場合には、従来、携帯端末8の入力部18を介して手直ししていたが、作業効率の悪いものとなっていた。そこで、商品名については予め商品マスタMを作成しておき、自動的に修正できるようにしたものである。
次いで、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート情報生成部62)は、受信したレシート情報をPOS端末2からの電子レシート情報と略同一なデータフォーマットに変更し、電子レシート情報(第2の電子レシート情報)として生成する(ステップS52)。この場合、データとして入力されていない企業コード等は空白とする。
そして、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート一括管理部56)は、記憶部53の電子レシート管理領域53aに会員コードに関連付けて電子レシート情報(第2の電子レシート情報)を記憶する(ステップS54)。
次に、携帯端末8のCPU11が、電子レシート対応プログラムP11に従って動作することにより実行される電子レシート受け取り処理および電子レシート閲覧プログラムP12に従って動作することにより実行される電子レシート閲覧処理の流れを、図14に示す機能ブロック図および図15に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図14に示すように、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11および電子レシート閲覧プログラムP12は、会員対応付け手段として機能する会員対応付け部81、電子レシート受信手段として機能する電子レシート受信部82、電子レシート表示手段として機能する電子レシート表示部83を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU11が記憶部13から電子レシート対応プログラムP11および電子レシート閲覧プログラムP12を読み出して実行することにより上記各部がメモリ12上にロードされ、会員対応付け部81、電子レシート受信部82、電子レシート表示部83がメモリ12上に生成されるようになっている。
会員対応付け部81は、所定の消費者の会員コードを対応付ける。
電子レシート受信部82は、会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシート情報を、当該電子レシート情報を一括管理する電子レシート管理サーバ9から受信する。
電子レシート表示部83は、電子レシート受信部82により受信した電子レシート情報を、企業コード単位で整列させて表示部17に表示する。すなわち、電子レシート表示部83は、電子レシート情報を出力する出力手段としても機能する。
図15に示すように、まず、携帯端末8のCPU11(会員対応付け部81)は、電子レシート管理サーバ9にアクセスして会員コードおよびパスワードの入力によって認証処理を実行する(ステップS31)。これにより、携帯端末8と所定の消費者の会員コードとが対応付けられる。
認証後、携帯端末8のCPU11(電子レシート受信部82)は、入力された当該会員コードに対応して電子レシート管理領域53aに管理されている電子レシート情報を受信する(ステップS32)。なお、電子レシート情報の受信については、電子メールによって受信するものであっても良い。
次に、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、電子レシート情報に含まれる購入日を表示部17に一覧表示する(ステップS33)。このように購入日を表示部17に一覧表示することにより、携帯端末8は、消費者であるユーザに対して情報の選択を促す。
図16は、携帯端末8の表示部17における表示例Xを示す正面図である。図16に示すように、表示例Xは、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが各種企業の店舗で買物をした日について色を変えてカレンダー形式で一覧表示したものである。また、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、色を変えて一覧表示された日の中から入力部18の入力に追従するカーソルで所望の日を選択できるように表示を行う。
なお、図16に示すように、表示例Xには、検索キーとなる言語やキーワードを指定するための検索窓Aが設けられている。携帯端末8のCPU11は、検索窓Aにおいて指定された言語やキーワードを含む電子レシート情報に絞り込むようにしても良い。
また、表示例Xは、図16に示すように、カーソルで所望の日を選択した後に確定するための「レシート照会」ボタンB1を有している。携帯端末8のCPU11は、ユーザが所望の日をタップしただけで選択したと判断するようにしても良いし、ユーザが所望の日をタップした後に「レシート照会」ボタンB1を操作した場合に選択したと判断するようにしても良い。
携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、ユーザが所望の日別の店舗を選択したと判断すると(ステップS36のYes)、その選択された日別の店舗に対応した電子レシート情報を表示部17に表示する(ステップS37)。
図17は、携帯端末8の表示部17における表示例Zを示す正面図である。図17に示すように、表示例Zは、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが買物をした所望の日における所望の店舗の電子レシート情報を表示したものである。表示例Zは、電子レシート情報を解析して紙のレシートと同様のレイアウトであるとともに、その中で入力部18の入力に追従するカーソルで商品a、または、商品に対応付けられる各種の付加情報を表すアイコンb(図17では「応募」というボタン形状のアイコン)に対して、フォーカスを当てることができる。
なお、画面表示イメージは、必ずしもレシートイメージにする必要はない。しかしながら、電子レシート情報は、紙のレシート情報に代わるものであり、商品を購入したことを証明する電子的な商品購入証明情報である。表示例Zにおいては、返品がある場合には店舗に商品購入証明情報として提示する場合に使用するため、以下の情報が表示される。
・店舗名
・購入日時
・購入商品明細
・売上合計額
・お預り金額
・お釣り金額
・レジナンバー
・取引ナンバー
ここでユーザが適当な商品、または、商品に対応付けられるアイコンを選択すると(ステップS38のYes)、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、ネットワークインターフェース14を介してネットワーク5に接続し、選択された商品またはアイコンに関連付けられたアクセス情報を元に基づく各種の情報をネットワーク5上から取得して表示部17に表示する(ステップS39)。
例えば、商品aに対するアクセス情報として商品に関連付けられたホームページが商品情報リンクとして設定されている場合には、所望の商品が選択された場合、当該商品に関連付けられたホームページが表示部17に表示される。
また、「応募」というボタン形状のアイコンbに対してアクセス情報として応募キャンペーンに関連付けられたホームページが設定されている場合には、「応募」ボタンが選択された場合、当該「応募」ボタンに関連付けられた応募キャンペーンページが表示部17に表示される。
また、アイコンの一種であるバナーcに対してアクセス情報としてCMに関連付けられたホームページが設定されている場合には、バナーcが選択された場合、当該バナーcに関連付けられたCMが表示部17に表示される。
携帯端末8のCPU11は、入力部18から電子レシート閲覧処理の終了が宣言されると(ステップS40のYes)、処理を終了する。
携帯端末8のCPU11は、入力部18から電子レシート閲覧処理の終了が宣言されない場合には(ステップS40のNo)、ステップS38に戻り、商品、または、商品に対応付けられるアイコンの選択に待機する。
また、上述した図10のステップS26で説明したように、携帯端末8から電子レシート管理サーバ9にアクセスするのではなく、電子レシート管理サーバ9から携帯端末8が電子レシート情報および付加情報を受信した場合についても図18のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末8のCPU11(電子レシート受信部82)は、電子レシート管理サーバ9から電子レシート情報および付加情報を受信する(ステップS61)。
その後、電子レシート閲覧プログラムP12が起動されると(ステップS62のYes)、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、受信した電子レシート情報および付加情報を、企業コードに関連付けて表示する(ステップS63)。
図19は、携帯端末8の表示部17における表示遷移例を示す正面図である。図19に示す表示例Oは、電子レシート管理サーバ9から受信した順に企業コード単位で電子レシート情報を整列して表示したものである。図19に示す表示例Oにおいては、入力部18(表示部17に積層されたタッチパネル)に対するフリック操作(指の左右のスライド)及びタッチによって、一の電子レシート情報を選択することが可能である。また、クーポン情報が付加された電子レシートには、図19に示す表示例Oに示すように、「クーポンあるよ」というメッセージが付加情報として表示される。
一の電子レシート情報を選択した場合、図19に示す表示例Pに示すように、携帯端末8の表示部17には、選択された電子レシート情報が表示される。表示例Pは、電子レシート情報を解析して紙のレシートと同様のレイアウトであるとともに、その中で入力部18(表示部17に積層されたタッチパネル)に対するスクロールが可能である。また、商品に対応付けられる各種の付加情報を表すアイコンb(図19では「クーポン情報」というボタン形状のアイコン)に対する入力部18(表示部17に積層されたタッチパネル)を介した操作が可能である。
このように、本実施形態の電子レシート管理サーバ、電子レシートシステムおよびプログラムによれば、携帯端末8で紙レシートを撮影してOCR(Optical Character Recognition)変換したテキストデータであるレシート情報や携帯端末8の入力部18を介して入力されたテキストデータであるレシート情報を電子レシート情報と略同一なデータフォーマットに変更して電子レシート情報として生成し、会員コードに関連付けて電子レシート情報とともに記憶部53の電子レシート管理領域53aに記憶して管理する。これにより、電子レシートの未導入企業の店舗を利用した場合でも、全ての企業(店舗)での買物について家計簿ソフトウェアなどを利用することが可能になるので、消費者にとって有益な電子レシートサービスを提供することができる。
なお、電子レシート管理サーバ9において、電子レシート管理手段として機能する電子レシート一括管理部56で管理している電子レシート情報に基づいて家計簿データを作成して、電子レシートシステムを利用する会員である消費者に対して家計簿データを提供する家計簿システムを構成するようにしても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。