JP5850905B2 - 超合金部品及び合金部品の熱処理方法 - Google Patents

超合金部品及び合金部品の熱処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5850905B2
JP5850905B2 JP2013257984A JP2013257984A JP5850905B2 JP 5850905 B2 JP5850905 B2 JP 5850905B2 JP 2013257984 A JP2013257984 A JP 2013257984A JP 2013257984 A JP2013257984 A JP 2013257984A JP 5850905 B2 JP5850905 B2 JP 5850905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
grain structure
temperature
region
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013257984A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014062330A (ja
Inventor
ミッチェル,ロバート・ジョン
フラー,デヴィッド・ウルリッヒ
レムスキー,ジョゼフ・アンドリュー
ハーディー,マーク・クリストファー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rolls Royce PLC
Original Assignee
Rolls Royce PLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rolls Royce PLC filed Critical Rolls Royce PLC
Publication of JP2014062330A publication Critical patent/JP2014062330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5850905B2 publication Critical patent/JP5850905B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/68Temporary coatings or embedding materials applied before or during heat treatment
    • C21D1/70Temporary coatings or embedding materials applied before or during heat treatment while heating or quenching
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/26Methods of annealing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/0068Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for particular articles not mentioned below
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2221/00Treating localised areas of an article

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Description

本発明は、部品の熱処理方法に関し、詳細には、タービンディスク、コンプレッサディ
スク、タービンカバープレート、コンプレッサドラム、又はコンプレッサコーンの熱処理
方法に関する。
ニッケル超合金部品又は製品、例えばガスタービンエンジン用のディスクには、部品又
は製品(例えば、ディスク状賦形体)に熱−機械的形成を加えた後、簡単な熱処理が施さ
れる。通常は、これは、γ’ソルバス温度(gamma prime solvus temperature)超過の温度
(スーパーソルバス温度)又はγ’ソルバス温度(gamma prime solvus temperature)未満
の温度(サブソルバス温度)のいずれかで行われる一回の恒温溶体化熱処理であり、これ
に続き、例えば空気やオイル等の何らかの媒体内で急冷を行う。γ’ソルバス温度は、こ
の性質を持つ合金の変態点である。溶体化熱処理をγ’ソルバス温度未満で行うと、金属
間化合物強化相がトリモーダル分布した微細粒構造が得られる。これは、第一γ’相、第
二γ’相、及び第三γ’相と呼ばれる。γ’ソルバス温度超過での溶体化熱処理により、
粒界の第一γ’相が溶解し、結晶粒を粗くし、粗粒構造を形成し、第二γ’相及び第三γ
’相のバイモーダルγ’分布が得られる。
溶体化熱処理に続き、低温エージングが行われ、急冷により生じた残留応力を解放し、
主強化沈殿(main strengthening precipitates)を改善し、最適の機械的特性を提供する

単一の溶体化熱処理温度により、部品、例えばディスクは、結晶粒構造が均等になる。結
晶粒構造は、サブソルバス溶体化熱処理が行われた場合には微細であり、スーパーソルバ
ス溶体化熱処理が行われた場合には粗く、従って、高温クリープ及び疲労亀裂成長抵抗に
ついての粗粒構造の機械的特性及び性能と、低温サイクル疲労抵抗及び引張強度について
の微細粒構造の機械的特性及び性能のいずれかをとる。
ニッケル超合金部品、例えばディスクに比較的複雑な熱処理を加えることが既知である
。これは、デュアル微小構造熱処理であり、部品即ちディスクに二つの微小構造を形成す
る。デュアル微小構造熱処理は、部品例えばディスクの様々な領域の微小構造を、部品の
その領域についての使用中の最も重要な特性に基づいて、例えば、ディスクのハブ又はボ
アでの微細粒構造及びディスクのリムでの粗粒構造のように最適化する。この方法では、
構成要素には、溶体化熱処理中に温度勾配が加わる。ディスクのリムは、γ’ソルバス温
度超過の温度に露呈され、この際、ディスクのハブ又はボアは、γ’ソルバス温度未満の
温度に維持される。
米国特許第6、610、110号には、ニッケル超合金ディスクの熱処理方法において
、サーマルブロック即ちヒートシンクをディスクのハブに配置する工程と、サーマルブロ
ック及びディスクを、ディスクのリムを除いてシェル内に包囲する工程と、シェル内に断
熱材を提供する工程と、ディスク、サーマルブロック、シェル、及び断熱材のアッセンブ
リをγ’ソルバス温度超過の温度の炉に入れる工程を含む方法が開示されている。ディス
クのリムは、ディスクの被断熱ハブよりも速い速度で加熱される。ディスクのリムはγ’
ソルバス温度超過の温度に達し、ディスクのリムの微小構造を粗くする。サーマルブロッ
クのうちの一つに熱電対が埋め込んであり、熱電対が所定温度に達したとき、アッセンブ
リを取り出す。ディスクは直径が32cmであり、ハブのところでの軸線方向幅が5cm
であり、リムのところでの軸線方向幅が2.5cmである。
この方法の問題は、比較的大型のガスタービンエンジンで使用されるディスクは直径が
非常に大きく、軸線方向幅が、特にディスクのハブのところで非常に大きいということで
ある。これらのディスクのハブの大きさが大きければ大きい程、また、熱質量が大きけれ
ば大きい程、ハブの表面近くの領域が均衡温度に達しても、ハブの中心領域が遥かに低い
、例えば数百°C低い温度にしか達しない。ハブの中心領域は、エージング熱処理レジー
ムにおいて、所要のサブソルバス溶体化熱処理温度よりも低い。ディスクのハブの温度が
γ’ソルバス温度よりもかなり低い温度にしか達しないことによる効果は、温度が低すぎ
る場合、γ’沈殿(gamma prime precipitates)が急速に粗くなるということであり、又は
、温度がエージングを行うには高すぎる場合及び溶体化熱処理を行うには低すぎる場合、
γ’ソルバス沈殿を溶解するということである。これによりディスクのボアに過剰のエー
ジングが加わり、機械的特性が大幅に低下し、かくしてデュアル微小構造熱処理の利点を
無効にしてしまう。
米国特許第6、610、110号
従って、本発明は、上述の問題を低減する、好ましくは、解決する、超合金部品を熱処
理するための新規な方法を提供しようとするものである。
本発明によれば、超合金部品の熱処理方法において、
a)部品を炉に入れ、部品をγ’ソルバス温度未満の温度で溶体化熱処理し、部品に微細
粒構造を形成する工程と、
b)部品を周囲温度まで冷却する工程と、
c)断熱材を部品の少なくとも一つの第1の所定の領域に被せ、部品の少なくとも一つの
第2の所定の領域を断熱材なしの状態に残し、被断熱アッセンブリを形成する工程と、
d)部品及び断熱材を含む被断熱アッセンブリをγ’ソルバス温度未満の温度の炉に入れ
る工程と、
e)被断熱アッセンブリを所定時間に亘ってγ’ソルバス温度未満の温度に維持し、部品
を均等な温度にする工程と、
f)炉の温度をγ’ソルバス温度超過の温度まで所定速度で上昇し、微細粒構造を実質的
に部品の第1領域に維持し、粗粒構造を実質的に部品の第2領域に形成し、転移粒構造を
部品の第1領域と第2領域との間の第3領域に形成する工程と、
g)部品の第2領域が所定時間に亘ってγ’ソルバス温度超過にあり及び/又は部品の第
1領域が所定温度に達したとき、被断熱アッセンブリを炉から取り出す工程と、
h)部品を周囲温度まで冷却する工程とを含む、方法が提供される。
好ましくは、工程(f)において、所定の傾き率は毎時110°C乃至毎時280°C
である。
工程(f)における所定の傾き率は毎時110°Cであってもよく、幅が30mm乃至
80mmの第3領域を形成する。
工程(f)における所定の傾き率は毎時220°Cであってもよく、幅が15mm乃至
40mmの第3領域を形成する。
好ましくは、工程(h)は、部品を毎秒0.1°C乃至毎秒5°Cの速度で冷却する工
程を含む。
好ましくは、ニッケルベース超合金は、コバルトを18.5重量%、クロムを15.0
重量%、モリブデンを5.0重量%、アルミニウムを3.0重量%、チタニウムを3.6
重量%、タンタルを2.0重量%、ハフニウムを0.5重量%、ジルコニウムを0.06
重量%、炭素を0.027重量%、ホウ素を0.015重量%、残りをニッケル及び偶然
に入り込んだ不純物を含む。
好ましくは、部品は、タービンディスク、タービンロータ、コンプレッサディスク、タ
ービンカバープレート、コンプレッサコーン、又はコンプレッサロータを含む。
好ましくは、タービンディスク又はコンプレッサディスクは、直径が60cm乃至70
cmであり、ハブのところでの軸線方向幅が20cm乃至25cmであり、リムのところ
での軸線方向幅が3cm乃至7cmである。
好ましくは、タービンディスク又はコンプレッサディスクは、直径が66cmであり、
ハブのところでの軸線方向幅が23cmであり、リムのところでの軸線方向幅が5cmで
ある。
好ましくは、工程(c)は、タービンディスク又はコンプレッサディスクの半径方向に
延びる面に断熱材を配置する工程を含み、タービンディスク又はコンプレッサディスクの
第2の所定の領域は、タービンディスク又はコンプレッサディスクのリム部分である。
好ましくは、工程(c)は、ディスク状第1断熱体を、タービンディスク又はコンプレ
ッサディスクの半径方向に延びる第1面の所定の領域に配置する工程と、ディスク状第2
断熱体を、タービンディスク又はコンプレッサディスクの半径方向に延びる第2面の所定
の領域に配置する工程とを含み、ディスク状第1断熱体の直径は、タービンディスク又は
コンプレッサディスクの直径よりも小さく、ディスク状第2断熱体の直径は、タービンデ
ィスク又はコンプレッサディスクの直径よりも小さく、タービンディスク又はコンプレッ
サディスクのハブ部分は、断熱材によって覆われ、タービンディスク又はコンプレッサデ
ィスクのリム部分は断熱材によって覆われていない。
好ましくは、ディスク状第1断熱体は、直径がディスク状断熱体よりも大きく、ディス
クのX−X軸線に対して所定角度で配置された第3領域を提供する。
好ましくは、角度は5°乃至80°である。好ましくは、角度は10°乃至60°であ
る。
別の態様では、工程(c)は、環状第1断熱体をコンプレッサロータ又はコンプレッサ
コーンの第1端の所定の領域に配置する工程と、環状第2断熱体をコンプレッサロータ又
はコンプレッサコーンの第2端の所定の領域に配置する工程とを含み、コンプレッサロー
タ又はコンプレッサコーンの第1端部分は断熱材によって覆われ、コンプレッサロータ又
はコンプレッサコーンの第2端部分は断熱材によって覆われ、第1端部分と第2端部分と
の間のコンプレッサロータ又はコンプレッサコーンの一部は断熱材によって覆われていな
い。
好ましくは、断熱材はセラミック材料で形成されている。好ましくは、セラミック材料
は、アルミナ及び/又は酸化鉄を含む。
好ましくは、タービンディスク又はコンプレッサディスクのハブ内の空間に容器が設け
られており、容器には、低融点金属又は低融点合金が入っている。好ましくは、低融点金
属又は低融点合金の融点は、部品のγ’ソルバス温度よりも20°C乃至150°C低い
。好ましくは、低融点金属は銅である。
本発明は、更に、微細粒構造を実質的に部品の第1領域に含み、粗粒構造を実質的に部
品の第2領域に含み、転移粒構造を部品の第1領域と第2領域との間に位置決めされた第
3領域に含む合金部品を提供する。
好ましくは、部品はタービンディスク又はコンプレッサディスクであり、ディスクは、
ハブ部分と、リム部分と、ハブ部分とリム部分とを相互連結するウェブ部分とを含み、微
細粒構造は、ディスクのハブ部分にあり、粗粒構造は、ディスクのリム部分にあり、転移
粒構造は、ディスクのウェブ部分にある。
好ましくは、転移粒構造は、ディスクの軸線に対して所定角度で配置されている。
好ましくは、ディスクは、軸線方向上流端及び軸線方向下流端を有し、転移粒構造の位
置は、ディスクの軸線方向下流端でのディスクの軸線からの半径方向距離が、ディスクの
軸線方向上流端での半径方向距離よりも大きく、転移粒構造のディスクの軸線からの距離
は、ディスクの軸線方向上流端からディスクの軸線方向下流端まで徐々に大きくなる。
好ましくは、角度は5°乃至80°の範囲内にあり、更に好ましくは、角度は10°乃
至60°の範囲内にある。
本発明は、更に、合金ディスクを提供する。このディスクは、ハブ部分と、リム部分と
、ハブ部分とリム部分とを相互連結するウェブ部分とを含み、ディスクは軸線方向上流端
及び軸線方向下流端を有し、ディスクは、微細粒構造を実質的にディスクの第1領域に含
み、粗粒構造を実質的にディスクの第2領域に含み、微細粒構造は、ディスクのハブ部分
にあり、粗粒構造は、ディスクのリム部分にあり、粗粒構造は、ディスクの軸線方向第1
端で、リム部分からウェブ部分内に、ディスクの軸線方向第2端におけるよりも大きく半
径方向内方に延びており、微細粒構造は、ディスクの軸線方向第2端で、ハブ部分からウ
ェブ部分内に、ディスクの軸線方向第1端におけるよりも大きく半径方向外方に延びてい
る。
好ましくは、微細粒構造は、ディスクの軸線方向第1端からディスクの軸線方向第2端
まで、ディスクの軸線から半径方向外方に徐々に大きく延びている。
好ましくは、転移粒構造は、ディスクの第1領域と第2領域との間に位置決めされた第
3領域にあり、転移粒構造は、ディスクのウェブ部分内にある。
好ましくは、転移粒構造の位置は、ディスクの軸線方向第2端でのディスクの軸線から
の半径方向距離が、ディスクの軸線方向第1端での半径方向距離よりも大きく、転移粒構
造は、ディスクの軸線方向第1端からディスクの軸線方向第2端まで、ディスクの軸線か
ら徐々に大きく延びている。
好ましくは、ディスクは、タービンディスク又はコンプレッサディスクである。
好ましくは、ディスクは、超合金ディスク又はチタニウム合金ディスクであり、更に好
ましくは、ニッケル超合金ディスクである。
本発明は、更に、超合金ディスクの熱処理方法において、
a)ディスクを炉に入れ、ディスクをγ’ソルバス温度未満の温度で溶体化熱処理し、デ
ィスクに微細粒構造を形成する工程と、
b)ディスクを周囲温度まで冷却する工程と、
c)断熱材をディスクの少なくとも一つの第1の所定の領域に被せ、ディスクの少なくと
も一つの第2の所定の領域を断熱材なしの状態に残し、被断熱アッセンブリを形成する工
程であって、断熱材をディスクの半径方向に延びる面に配置し、これによって、ディスク
の第2の所定の領域はディスクのリムであり、ディスク状第1断熱体をディスクの半径方
向に延びる第1面の所定の領域に置く工程と、ディスク状第2断熱体をディスクの半径方
向に延びる第2面の所定の領域に置く工程とを含み、ディスク状第1断熱体の直径はディ
スクの直径よりも小さく、ディスク状第2断熱体の直径がディスクの直径よりも小さく、
ディスクのハブ部分が断熱材によって覆われ、ディスクのリム部分が断熱材によって覆わ
れていないように行われ、ディスク状第1断熱体は、直径がディスク状第2断熱体の直径
よりも大きい、工程と、
d)ディスク及び断熱材を含む被断熱アッセンブリを、γ’ソルバス温度未満の温度の炉
に入れる工程と、
e)被断熱アッセンブリを所定時間に亘ってγ’ソルバス温度未満の温度に維持し、ディ
スクを均等な温度にする工程と、
f)炉の温度を所定の傾き率でγ’ソルバス温度超過の温度まで上昇し、微細粒構造を実
質的にディスクの第1領域内に維持し、粗粒構造を実質的にディスクの第2領域内に形成
し、転移粒構造をディスクの第1領域と第2領域との間に位置決めされた第3領域に形成
する工程であって、第3領域はディスクの軸線に対して所定角度で配置されている、工程
と、
g)ディスクの第2領域が所定時間に亘ってγ’ソルバス温度超過にあり及び/又はディ
スクの第1領域が所定温度に達したとき、被断熱アッセンブリを炉から取り出す工程と、
h)ディスクを周囲温度まで冷却する工程とを含む、方法を提供する。
本発明は、更に、超合金ディスクの熱処理方法において、
a)ディスクを炉に入れ、ディスクをγ’ソルバス温度未満の温度で溶体化熱処理し、デ
ィスクに微細粒構造を形成する工程と、
b)ディスクを周囲温度まで冷却する工程と、
c)低融点金属又は低融点合金が入った容器をディスクのハブ内の空間に配置する工程で
あって、断熱材をディスクの少なくとも一つの所定の第1領域に被せ、ディスクの少なく
とも一つの所定の第2領域を断熱材なしの状態に残し、被断熱アッセンブリを形成する工
程と、
d)ディスク、容器、及び断熱材を含む被断熱アッセンブリをγ’ソルバス温度未満の温
度の炉に入れる工程と、
e)被断熱アッセンブリを所定時間に亘ってγ’ソルバス温度未満の温度に維持し、ディ
スクを均等な温度にする工程と、
f)炉の温度を所定の傾き率でγ’ソルバス温度超過の温度まで上昇し、微細粒構造を実
質的にディスクの第1領域内に維持し、粗粒構造を実質的にディスクの第2領域内に形成
し、転移粒構造をディスクの第1領域と第2領域との間に位置決めされた第3領域に形成
する工程と、
g)ディスクの第2領域が所定時間に亘ってγ’ソルバス温度超過にあり及び/又はディ
スクの第1領域が所定温度に達したとき、被断熱アッセンブリを炉から取り出す工程と、
h)ディスクを周囲温度まで冷却する工程とを含む、方法を提供する。
本発明は、更に、チタニウム合金部品の熱処理方法において、
a)部品を炉に入れ、部品をβソルバス温度未満の温度で溶体化熱処理し、部品に微細粒
構造を形成する工程と、
b)部品を周囲温度まで冷却する工程と、
c)断熱材を部品の少なくとも一つの所定の第1領域に被せ、部品の少なくとも一つの所
定の第2領域を断熱材なしの状態に残し、被断熱アッセンブリを形成する工程と、
d)部品及び断熱材を含む被断熱アッセンブリをβソルバス温度未満の温度の炉に入れる
工程と、
e)被断熱アッセンブリを所定時間に亘ってβソルバス温度未満の温度に維持し、部品を
均等な温度にする工程と、
f)炉の温度を所定の傾き率でβソルバス温度超過の温度まで上昇し、微細粒構造を実質
的に部品の第1領域内に維持し、粗粒構造を実質的に部品の第2領域内に形成し、転移粒
構造を部品の第1領域と第2領域との間に位置決めされた第3領域に形成する工程と、
g)部品の第2領域が所定時間に亘ってβソルバス温度超過にあり及び/又は部品の第1
領域が所定温度に達したとき、被断熱アッセンブリを炉から取り出す工程と、
h)部品を周囲温度まで冷却する工程とを含む、方法を提供する。
本発明を、添付図面を参照して、例として更に詳細に説明する。
図1は、本発明に従って熱処理したタービンディスクを持つターボファンガスタービンエンジンの一部を破断した概略図である。 図2は、本発明に従って熱処理したタービンディスクの拡大断面図である。 図3は、本発明による熱処理で使用するための被断熱アッセンブリのタービンディスクの拡大図である。 図4は、本発明による熱処理で使用するための変形例の被断熱アッセンブリのタービンディスクの拡大図である。 図5は、本発明に従って熱処理したコンプレッサコーンの拡大断面図である。 図6は、本発明による熱処理で使用するための被断熱アッセンブリのコンプレッサコーンの拡大図である。 図7は、本発明による熱処理で使用するための変形例の被断熱アッセンブリのタービンディスクの拡大断面図である。
ターボファンガスタービンエンジン10は、軸線方向流れ方向で、インテーク12、フ
ァン区分14、コンプレッサ区分16、燃焼区分18、タービン区分20、及び排気区分
22を含む。タービン区分20は、コンプレッサ区分16内の高圧コンプレッサ(図示せ
ず)をシャフト(図示せず)を介して駆動するように構成された高圧タービン24、26
と、コンプレッサ区分16内の中圧コンプレッサ(図示せず)をシャフト(図示せず)を
介して駆動するように構成された中圧タービン(図示せず)と、ファン区分14内のファ
ン(図示せず)をシャフト(図示せず)を介して駆動するように構成された低圧タービン
(図示せず)とを含む。ターボファンガスタービンエンジン10は、全く従来通りに作動
する。
タービン区分20の一部を図1に示す。タービン区分20は、周方向に間隔が隔てられ
た半径方向外方に延びる複数の高圧タービンブレード26を支持する高圧タービンディス
ク24を含む。高圧タービンブレード26にはモミの木状の根部(firtree roots) が設け
られており、これらの根部は、高圧タービンディスク24のリムの対応する形状のスロッ
トに配置される。燃焼区分18からの高温のガスを高圧タービンブレード26に差し向け
るため、周方向に間隔が隔てられた複数のノズルガイドベーン28が、高圧タービンブレ
ード26の軸線方向上流に配置されている。これらのノズルガイドベーン28は、半径方
向外端が内ケーシング30によって支持されており、この内ケーシング30は外ケーシン
グ32によって取り囲まれている。
図2に更に明瞭に示す高圧タービンディスク24は、高圧タービンディスク24の半径
方向内端に設けられたハブ部分36と、高圧タービンディスク24の半径方向外端に設け
られたリム部分38と、ハブ部分36とリム部分38と間で半径方向に延び且つハブ部分
36とリム部分38とを相互連結するウェブ部分40とを含む。高圧タービンディスク2
4は、ニッケルベース超合金で形成されている。この例では、ニッケルベース超合金は、
コバルトを18.5重量%、クロムを15.0重量%、モリブデンを5.0重量%、アル
ミニウムを3.0重量%、チタニウムを3.6重量%、タンタルを2.0重量%、ハフニ
ウムを0.5重量%、ジルコニウムを0.06重量%、炭素を0.027重量%、ホウ素
を0.015重量%、残りをニッケル及び偶然に入り込んだ不純物を含む。しかしながら
この他の適当なニッケルベース超合金を使用してもよい。高圧タービンディスク24は、
直径が60cm乃至70cmであり、ハブ部分36での軸線方向幅が20cm乃至25c
mであり、リム部分38での軸線方向幅が3cm乃至7cmであり、詳細には、高圧ター
ビンディスク24は、直径が66cmであり、ハブ部分36での軸線方向幅が23cmで
あり、リム部分38での軸線方向幅が5cmである。
図2は、熱処理を施した状態の高圧タービンディスク24を示す。高圧タービンディス
ク24のハブ部分36には、サブソルバス溶体化熱処理、例えばγ’ソルバス温度未満で
溶体化熱処理が施されており、微細粒構造42を有する。高圧タービンディスク24のリ
ム部分38には、スーパーソルバス溶体化熱処理、例えばγ’ソルバス温度超過で溶体化
熱処理が施されており、粗粒構造44を有する。ウェブ部分40は、ハブ部分36と隣接
して微細粒構造42を持ち、リム部分38と隣接して粗粒構造44を持つが、更に、微細
粒構造42と粗粒構造44との間の所定の位置に転移粒構造46を有する。
この例では、転移粒構造46即ち微細粒構造42から粗粒構造44までの転移部は、高
圧タービンディスク24のX−X軸線に対して所定角度で配置されている、即ち、X−X
軸線からの転移粒構造46の位置は、高圧タービンディスク24の軸線方向下流端24B
での半径方向距離が、高圧タービンディスク24の軸線方向上流端24Aでの半径方向距
離よりも大きく、転移粒構造46は、X−X軸線からの距離が、軸線方向上流端24Aか
ら軸線方向下流端24Bまで徐々に大きくなるということに着目されたい。この角度は、
5°乃至80°の範囲内にあり、更に好ましくは、この角度は、10°乃至60°の範囲
内にある。
このように転移粒構造46が角度をなしていることは、高圧タービンディスク24に対
して有利である。これは、使用中、高圧タービンディスク24に、半径方向温度勾配に加
えて軸線方向温度勾配が加わるためである。例えば、高圧タービンディスク24の軸線方
向上流端24A上でX−X軸線から所定の半径方向距離のところにある点は、高圧タービ
ンディスク24の軸線方向下流端24B上でX−X軸線から同じ半径方向距離のところに
ある点よりも高温である。転移粒構造46が角度をなしていることは、高圧タービンディ
スク24の機械的特性及び微小構造における要件に対して良好に適合する。高圧タービン
ディスク24の軸線方向上流端24Aには比較的高い作動温度が加わり、従って、高温ク
リープ及び保圧疲労亀裂成長に対する抵抗が大きい微小構造が形成され、従って粗粒構造
44を有する。高圧タービンディスク24の軸線方向下流端24Bには比較的低い作動温
度が加わり、従って、低サイクル疲労に対する抵抗が大きく、引張強さが良好な微小構造
が形成される。その結果、角度をなした転移粒構造46では、粗粒構造44が、軸線方向
上流端24Aで、リム部分38からウェブ部分40内に半径方向内方に、軸線方向下流端
24Bにおけるよりも大きい距離だけ延びており、逆に、微細粒構造42は、軸線方向下
流端24Bで、ハブ部分36からウェブ部分40内に半径方向外方に、軸線方向上流端2
4Aにおけるよりも大きい距離だけ延びている。
転移粒構造46は、微細粒構造42の粒径と粗粒構造44の粒径との間の粒径を持つ結
晶粒構造(結晶粒組織)を含む。転移粒構造46は、トリモーダルγ’分布を含み、γ’
の三つの集団の各々の相対的な体積分率は、微細粒構造42で見られるのとは異なる。詳
細には、転移粒構造46では、第一γ’の体積分率は、X−X軸線からの半径方向距離の
増大に従って減少し、これと関連して、第二γ’及び第三γ’の両方の体積分率が増大す
る。
ニッケル超合金タービンディスク24の本発明による熱処理方法を図3を参照して例示
する。この熱処理方法は、タービンディスク24を炉に入れ、γ’ソルバス温度未満の温
度でタービンディスク24に溶体化熱処理を行い、微細粒構造42をタービンディスク2
4内に発生する。次いで、当業者に周知の任意の適当な方法を使用してタービンディスク
24を周囲温度まで冷却する。
次に、断熱材52、54を、タービンディスク24の少なくとも一つの第1の所定の領
域即ちハブ部分36及びウェブ部分40に被せるが、タービンディスク24の少なくとも
一つの第2の所定の領域即ちリム部分38を断熱材が被せられていない状態にし、被断熱
アッセンブリ50を形成する。断熱材52、54は、タービンディスク24の軸線方向上
流端24A及び軸線方向上流端24Bの夫々の半径方向に延びる面24C及び24Dに配
置される。タービンディスク24の第2の所定の領域は、タービンディスク24のリム部
分38である。詳細には、ディスク状第1断熱体52は、タービンディスク24の半径方
向に延びる第1面24Dの所定の領域に配置され、ディスク状第2断熱体54は、タービ
ンディスク24の半径方向に延びる第2面24Cの所定の領域に配置される。ディスク状
第1断熱体52の直径は、タービンディスク24の直径よりも小さく、ディスク状第2断
熱体54の直径は、タービンディスク24の直径よりも小さく、タービンディスク24の
ハブ部分36及びウェブ部分40は、断熱材によって覆われ、タービンディスク24のリ
ム部分38は断熱材によって覆われていない。
任意の適当な断熱材を使用してもよいが、好ましくは、断熱材は、セラミック材料、例
えばアルミナ及び/又は酸化鉄を含む。断熱材は、断熱性に優れており且つ耐熱衝撃性に
優れたセラミックを含む。セラミック断熱材は容易に所望の形状に形成され、例えば、セ
ラミックは所要形状に合わせて容易に鋳造できる。セラミック断熱材は再使用可能である
。別の態様では、断熱材は金属フォーム(金属発泡体)又は複合材料で形成されていても
よい。断熱材とタービンディスク24との間に隙間が設けられていてもよく、この隙間は
、追加の断熱性を提供するため、空気、緩いファイバ耐火物又はファイバ耐火物ブランケ
ットを含んでいてもよい。
タービンディスク24の被断熱アッセンブリ50及び断熱材52、54を、γ’ソルバ
ス温度未満の温度の炉に入れる。炉内の温度及び従って被断熱アッセンブリ50の温度を
、所定時間に亘って、γ’ソルバス温度未満の温度に維持し、タービンディスク24を均
等な温度にする。
次いで、炉の温度を所定速度でγ’ソルバス温度超過の所定温度まで上昇し、実質的に
タービンディスク24の第1領域Aに微細粒構造42を維持し、粗粒構造44を実質的に
タービンディスク24の第2領域Bに形成し、タービンディスク24の第1領域Aと第2
領域Bとの間に位置決めされた第3領域Cに転移粒構造46を形成する。
タービンディスク24の第2領域Bが所定時間に亘ってγ’ソルバス温度超過にあり及
び/又はタービンディスク24の第1領域Aが所定温度に達したとき、断熱アッセンブリ
50を炉から取り出す。本発明の別の利点は、断熱材52、54、即ちディスク状断熱体
を、急冷前に手早く取り外すことができ、タービンディスク24又はコンプレッサディス
ク等で所望の特性を得るために急冷を遅滞させることがないということである。
最後に、当業者に周知の任意の適当な方法を使用してタービンディスク24を周囲温度
まで冷却する。
所定の傾き率(ramp rate)が転移粒構造46の位置及び幅を制御する。傾き率が大きけ
れば大きい程、ハブ部分36からリム部分38までのタービンディスク24の半径方向温
度勾配が大きくなり、従って、転移粒構造46の幅が狭くなる。逆に、傾き率が小さけれ
ば小さい程、ハブ部分36からリム部分38までのタービンディスク24の半径方向温度
勾配が小さくなり、従って、転移粒構造46の幅が広くなる。粒度と、第一γ’粒度と、
体積分率は、第3領域Cで大幅に変化し、これらが第2領域Bの粗粒構造44の特性に近
いように、又は、第1領域Aの微細粒構造42の特性に近いように、機械的特性を最適化
するように微細構造/ナノ構造を最適化できる。
所定の傾き率は、毎時110°C(200°F)乃至毎時280°C(500°F)で
ある。所定の傾き率が毎時110°Cである場合には、超合金の化学的性質に応じて、幅
が30mm乃至80mmの第3領域Cが形成される。所定の傾き率が毎時220°C(4
00°F)である場合には、幅が15mm乃至40mmの第3領域Cが形成される。
冷却、急冷、媒体、及び流量を選択することによって、第3領域Cでの転移粒構造46
についての冷却速度を注意深く制御する。圧縮空気による冷却は、タービンディスク24
での位置に従って容易に変化する。冷却速度は、機械的特性に影響を直接的に及ぼす。引
張強度特性を改善するには比較的高い冷却速度を使用するのに対し、疲労亀裂伝播抵抗を
改善するには比較的低い冷却速度を使用する。タービンディスク24の冷却は、毎秒0.
1°C乃至毎秒5°Cの速度で行われる。
第1及び第2のディスク状断熱体52及び54は直径が同じであり、従って、第3領域
Cはエンジンの軸線X−Xとほぼ平行である。
ニッケル超合金タービンディスク24を熱処理するための本発明による別の方法を図4
を参照して例示する。この方法は、図3を参照して説明したのと実質的に同じであるが、
ディスク状第1断熱体52Bの直径が、ディスク状第2断熱体54Bよりも大きく、第3
領域Cは、タービンディスク24の軸線X−Xに対し、図2に示すように、所定の角度を
なして配置される。ディスク状第1断熱体52Bの直径は、タービンディスク24の直径
よりも小さく、ディスク状第2断熱体54Bの直径は、タービンディスク24の直径より
も小さく、そのため、タービンディスク24のハブ部分36及びウェブ部分40は断熱材
によって覆われ、タービンディスク24のリム部分38は断熱材によって覆われない。
本発明は、更に、ガスタービンエンジンの中圧タービンディスク及び低圧タービンディ
スクにも適用できる。
ニッケル超合金コンプレッサコーン60を熱処理するための本発明による別の方法を図
5及び図6を参照して例示する。コンプレッサコーン60を炉に入れ、γ’ソルバス温度
未満で溶体化熱処理を行い、コンプレッサコーン60に微細粒構造72を形成する。次い
で、コンプレッサコーン60を任意の適当な方法で周囲温度まで冷却する。
この方法は、環状第1断熱体68をコンプレッサコーン60の第1端62の所定の領域
に配置する工程と、環状第2断熱体70をコンプレッサコーン60の第2端64の所定の
領域に配置する工程とを含み、これらの工程は、コンプレッサコーン60の第1端部分を
断熱材で覆い、コンプレッサコーン60の第2端部分を断熱材で覆い、第1端部分と第2
端部分との間のコンプレッサコーン60の一部を断熱材によって覆わないことによって行
われる。環状第1断熱体68及び環状第2断熱体70は、第1端62と第2端64の夫々
を受け入れる環状溝を有する。
コンプレッサコーン60及び第1及び第2の断熱体68及び70のアッセンブリ全体を
、γ’ソルバス温度未満の温度の炉に入れる。
炉の温度を所定速度でγ’ソルバス温度超過に上昇し、微細粒構造72を、実質的にコ
ンプレッサコーン60の第1領域Dに維持し、粗粒構造74を、実質的にコンプレッサコ
ーン60の第2領域Eに形成し、転移粒構造76を、コンプレッサコーン60の第1領域
Dと第2領域Eとの間の第3領域Fに形成する。
これにより、低サイクル疲労寿命を最適化し、接合、溶接、例えばイナーシャ溶接(慣
性溶接)を可能にするため、クリープ特性を必要とする比較的高温の領域に粗粒構造74
が形成され、端領域に微細粒構造が形成された高圧コンプレッサコーン60を製造できる
。端領域で微細粒構造を使用することは、微細粒構造材料の溶接が粗粒構造材料の溶接と
比較して容易であり、特に、結果的に形成された微小構造が、接合後の微細粒イナーシャ
溶接部と余り異ならないため、望ましい。
ニッケル超合金タービンディスクを熱処理するための本発明による別の方法を図7に示
す。この熱処理方法は、図3又は図4を参照して説明した熱処理方法と実質的に同じであ
るが、タービンディスク24のハブ部分36内の空間に容器80が設けられているという
点が異なっている。容器80には低融点金属又は低融点合金82が入っている。容器80
は、収容した金属と同じ又は同様の金属又は合金で形成されているか或いは、合金、例え
ばタービンディスク24のニッケルベース超合金で形成されている。低融点金属又は低融
点合金82の融点は、γ’ソルバス温度よりも20°C乃至150°C低い。低融点金属
は、例えば銅であり、その融点は1084°Cである。容器80は、熱流に対して最適の
経路を提供するため、タービンディスク24と熱的に接触した状態に配置される。従って
、熱膨張率を適合することが重要である。低融点金属又は低融点合金が入った容器80は
、再使用可能である。
熱処理中、低融点金属又は低融点合金は溶融し、固体から液体に変化し、低融点金属又
は低融点合金が状態を変化するために低融点金属又は低融点合金に、余分の熱即ち融合エ
ンタルピーを提供しなければならない。
熱処理は、タービンディスク24のハブ部分36をγ’ソルバス温度未満の温度に維持
するように、理想的には、サブソルバス溶体化温度未満の狭い範囲内で行われる。従って
、低融点金属又は低融点合金は、熱処理を受けるタービンディスク24のγ’ソルバス温
度より低い所定温度で固体から液体への相変化により更に多くの熱エネルギを吸収するこ
とによって、タービンディスク24のハブ部分36を冷却するように作用するのが有利で
ある。低融点金属又は低融点合金の存在により、タービンディスク24は更に長い期間に
亘って炉中にとどまることができ、例えば、プロセスウィンドウ(processing window)を
大きくできる。容器80及び低融点金属又は低融点合金は、ハブ部分36とリム部分38
との間のタービンディスク24の温度勾配を増大し、従って、転移粒構造46の幅を減少
する。
断熱材で覆われていない部品(例えば、ディスクのリム)の第2の所定領域に流入する
熱の量を制御するため、熱処理前に、その部品の第2の所定領域に高放射率コーティング
又は他の適当なコーティングを付着してもよい。コーティングは、部品に流入する熱の量
を増大し、又は減少することができる。
本発明をタービンディスク及びコンプレッサコーンを参照して説明したが、コンプレッ
サディスク、コンプレッサロータ、タービンロータ、タービンカバープレート、又はロー
タインターシールにも同様に適用可能である。コンプレッサディスクの場合には、転移粒
構造、即ち微細粒構造から粗粒構造への転移部を、コンプレッサディスクの軸線に対して
所定角度で配置してもよく、又は転移粒構造の位置を、軸線からの半径方向距離が、コン
プレッサディスクの軸線方向上流端で、コンプレッサディスクの軸線方向下流端における
よりも大きくし、転移粒構造は、軸線方向上流端から軸線方向下流端にいくにつれて軸線
からの距離が徐々に大きくなる。この角度は、5°乃至80°であり、更に好ましくは、
10°乃至60°である。これは、コンプレッサディスクの下流端の温度が、コンプレッ
サディスクの上流端よりも高いためである。
本発明による熱処理は、二つ又はそれ以上の合金を含むタービンディスクにも適用でき
る。これらの合金は、タービンディスクの様々な位置に、例えば様々な半径方向位置に最
適の特性を与えるように選択される。これらの二つ又はそれ以上の合金は、一般的には、
リング状に形成された後、好ましくは、互いに接合即ち結合される。二つ又はそれ以上の
合金は、γ’ソルバス温度が異なる。その場合、タービンディスクのリム部分を断熱材で
包囲し、タービンディスクのハブ部分を露呈してもよい。
ニッケルベース超合金の代表的なγ’ソルバス温度は、1120°C乃至1190°C
である。炉を、溶体化熱処理温度、即ちニッケルベース超合金のγ’ソルバス温度未満の
第1の所定温度、例えばγ’ソルバス温度よりも15°C乃至35°C低い温度まで加熱
し、部品、例えばタービンディスク全体に亘って微細粒構造を形成する。被断熱アッセン
ブリを溶体化熱処理温度未満の第2の所定温度まで加熱し、部品全体に亘って温度を均等
にする。被断熱アッセンブリをγ’ソルバス温度超過の第3の所定温度まで加熱する。こ
の温度は、ニッケルベース超合金のカーバイド相及び/又はボライド相の溶解を阻止する
のに十分に低い。転移粒領域は、ほんの限られた時間に亘ってγ’ソルバス温度超過の所
定温度にある。
ニッケル超合金を参照して本発明を説明したが、本発明は、他の合金、例えばコバルト
超合金及びチタニウム合金の熱処理にも適用できる。近αチタニウム合金の場合、γ’ソ
ルバス温度に関して熱処理する代わりに、βソルバス温度に関して熱処理を行う。
熱処理を最適化するため、熱処理プロセスのコンピュータモデル又は計算モデルを提供
できる。コンピュータモデルは、所望の過渡的加熱曲線又は熱勾配を得るため、断熱部材
、熱質量、変態の潜熱を最適化することによって、熱束又は熱処理を最適化するのに使用
してもよい。
10 ターボファンガスタービンエンジン
12 インテーク
14 ファン区分
16 コンプレッサ区分
18 燃焼区分
20 タービン
22 排気区分
24 高圧タービンディスク
26 高圧タービンブレード
28 ノズルガイドベーン
30 内ケーシング
32 外ケーシング
36 ハブ部分
38 リム部分
40 ウェブ部分
42 微細粒構造
44 粗粒構造
46 転移粒構造
50 被断熱アッセンブリ
52 ディスク状第1断熱体
54 ディスク状第2断熱体
60 コンプレッサコーン

Claims (5)

  1. タービンディスク又はコンプレッサディスクである合金製のディスク部品(24)であって
    ブ部分(36)と、リム部分(38)と、前記ハブ部分と前記リム部分とを相互連結するウェブ部分(40)とを含み、
    前記ディスク部品、前記ハブ部分に微細粒構造(42)を、前記リム部分に粗粒構造(44)前記ウェブ部分に転移粒構造(46)を有し
    前記転移粒構造は、前記ディスク部品の軸線(X−X)に対して所定角度で傾いて配置されている、合金製のディスク部品。
  2. 請求項1に記載の合金製のディスク部品において、
    前記ディスク部品は、軸線方向上流端(24A)及び軸線方向下流端(24B)を有し、
    前記転移粒構造の位置は、前記軸線方向下流端での前記軸線からの半径方向距離が、前記軸線方向上流端での半径方向距離よりも大きく、
    前記転移粒構造の前記軸線からの距離は、前記軸線方向上流端から前記軸線方向下流端まで徐々に大きくなる、合金製のディスク部品。
  3. 請求項1に記載の合金製のディスク部品において、
    前記角度は、5°乃至80°の範囲内にある、合金製のディスク部品。
  4. 請求項3に記載の合金製のディスク部品において、
    前記角度は、10°乃至60°の範囲内にある、合金製のディスク部品。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の合金製のディスク部品において、
    前記ディスク部品は、超合金又はチタニウム合金から形成されている、合金製のディスク部品。
JP2013257984A 2007-08-03 2013-12-13 超合金部品及び合金部品の熱処理方法 Active JP5850905B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US93528507P 2007-08-03 2007-08-03
US60/935,285 2007-08-03

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010519502A Division JP5737938B2 (ja) 2007-08-03 2008-07-04 超合金部品及び合金部品の熱処理方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013262261A Division JP5856136B2 (ja) 2007-08-03 2013-12-19 超合金部品及び合金部品の熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014062330A JP2014062330A (ja) 2014-04-10
JP5850905B2 true JP5850905B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=39790833

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010519502A Expired - Fee Related JP5737938B2 (ja) 2007-08-03 2008-07-04 超合金部品及び合金部品の熱処理方法
JP2013257984A Active JP5850905B2 (ja) 2007-08-03 2013-12-13 超合金部品及び合金部品の熱処理方法
JP2013262261A Active JP5856136B2 (ja) 2007-08-03 2013-12-19 超合金部品及び合金部品の熱処理方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010519502A Expired - Fee Related JP5737938B2 (ja) 2007-08-03 2008-07-04 超合金部品及び合金部品の熱処理方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013262261A Active JP5856136B2 (ja) 2007-08-03 2013-12-19 超合金部品及び合金部品の熱処理方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US8083872B2 (ja)
EP (1) EP2176436B1 (ja)
JP (3) JP5737938B2 (ja)
CN (1) CN101772585B (ja)
WO (1) WO2009019418A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5193960B2 (ja) * 2009-06-30 2013-05-08 株式会社日立製作所 タービンロータ
JP5680292B2 (ja) * 2009-10-09 2015-03-04 日立金属Mmcスーパーアロイ株式会社 環状成形体の製造方法
US9216453B2 (en) * 2009-11-20 2015-12-22 Honeywell International Inc. Methods of forming dual microstructure components
UA107606C2 (uk) * 2010-09-23 2015-01-26 Роллс-Ройс Корпорейшн Сплав з бомбардованою іонами поверхнею для захисту від впливу середовища
US8918996B2 (en) * 2011-05-04 2014-12-30 General Electric Company Components and processes of producing components with regions having different grain structures
US8925792B1 (en) 2013-06-14 2015-01-06 General Electric Company Joining process for superalloys
US11072044B2 (en) * 2014-04-14 2021-07-27 Siemens Energy, Inc. Superalloy component braze repair with isostatic solution treatment
EP3042973B1 (en) 2015-01-07 2017-08-16 Rolls-Royce plc A nickel alloy
GB2539957B (en) 2015-07-03 2017-12-27 Rolls Royce Plc A nickel-base superalloy
FR3043410B1 (fr) * 2015-11-06 2017-12-08 Safran Dispositif de generation d'une microstructure a gradient de structure sur une piece axisymetrique
US10563293B2 (en) 2015-12-07 2020-02-18 Ati Properties Llc Methods for processing nickel-base alloys
DE102016202766A1 (de) * 2016-02-23 2017-08-24 Schwartz Gmbh Wärmebehandlungsverfahren und Wärmebehandlungsvorrichtung
US10385433B2 (en) 2016-03-16 2019-08-20 Honeywell International Inc. Methods for processing bonded dual alloy rotors including differential heat treatment processes
CN108103296B (zh) * 2018-02-08 2023-04-18 中南大学 一种用于脉冲电流辅助金属构件固溶热处理的装置
CN110643921A (zh) * 2019-09-30 2020-01-03 西安欧中材料科技有限公司 一种降低镍基高温合金涡轮盘热应力的方法
CN113042669B (zh) * 2019-12-26 2023-05-12 中国航发商用航空发动机有限责任公司 一种用于发动机的转子组件及其制备方法
US11686208B2 (en) 2020-02-06 2023-06-27 Rolls-Royce Corporation Abrasive coating for high-temperature mechanical systems
CN113958409B (zh) * 2020-07-21 2023-02-24 中国航发商用航空发动机有限责任公司 一种航空钛合金部件及其制备方法
JP7217378B1 (ja) 2022-06-15 2023-02-02 三菱重工業株式会社 タービン部品の変形を制御する方法
CN115044744B (zh) * 2022-06-16 2024-05-14 深圳市万泽中南研究院有限公司 一种合金盘件热处理装置以及合金盘件热处理方法
CN115125382B (zh) * 2022-07-29 2024-01-23 国营川西机器厂 热处理装置与粉末高温合金双性能涡轮盘热处理方法
CN115948704B (zh) * 2022-12-29 2024-03-01 北京钢研高纳科技股份有限公司 高温合金机匣锻件的热处理方法及制得的机匣锻件

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4820358A (en) 1987-04-01 1989-04-11 General Electric Company Method of making high strength superalloy components with graded properties
US5312497A (en) 1991-12-31 1994-05-17 United Technologies Corporation Method of making superalloy turbine disks having graded coarse and fine grains
US5527402A (en) * 1992-03-13 1996-06-18 General Electric Company Differentially heat treated process for the manufacture thereof
US5269857A (en) 1992-03-31 1993-12-14 General Electric Company Minimization of quench cracking of superalloys
US5571345A (en) 1994-06-30 1996-11-05 General Electric Company Thermomechanical processing method for achieving coarse grains in a superalloy article
US6610110B1 (en) 2000-02-11 2003-08-26 The Lubrizol Corporation Aviation fuels having improved freeze point
US6660110B1 (en) 2002-04-08 2003-12-09 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Heat treatment devices and method of operation thereof to produce dual microstructure superalloy disks
US7553384B2 (en) 2006-01-25 2009-06-30 General Electric Company Local heat treatment for improved fatigue resistance in turbine components

Also Published As

Publication number Publication date
JP5737938B2 (ja) 2015-06-17
WO2009019418A1 (en) 2009-02-12
JP5856136B2 (ja) 2016-02-09
US20090071580A1 (en) 2009-03-19
EP2176436A1 (en) 2010-04-21
JP2014062330A (ja) 2014-04-10
US8083872B2 (en) 2011-12-27
US20110198001A1 (en) 2011-08-18
JP2014074235A (ja) 2014-04-24
US8323424B2 (en) 2012-12-04
CN101772585B (zh) 2012-11-14
EP2176436B1 (en) 2020-09-16
JP2010535940A (ja) 2010-11-25
CN101772585A (zh) 2010-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5850905B2 (ja) 超合金部品及び合金部品の熱処理方法
US10669617B2 (en) Methods for processing bonded dual alloy rotors including differential heat treatment processes
EP1526252B1 (en) Method for preparing a tri-property rotor assembly of a turbine engine
EP2466071B1 (en) Cast, dual alloy turbine disk and methods of forming the same
EP0352408B1 (en) Heat treatment for dual alloy turbine wheels
JP5305597B2 (ja) タービン部品の疲労耐性を向上させるための局部熱処理
Gayda et al. The effect of dual microstructure heat treatment on an advanced nickel-base disk alloy
JP6165417B2 (ja) 構成要素及び異なる粒子構造を有する領域を有する構成要素を製造する方法
US5312497A (en) Method of making superalloy turbine disks having graded coarse and fine grains
JP2010535940A5 (ja)
JPS63310947A (ja) 漸変特性をもつ高強度超合金部品
JP2007514094A (ja) 蒸気タービンのケーシングに使用する断熱層及び蒸気タービン
JPH01205059A (ja) 疲労特性を改善する熱処理方法及びその改善された超合金
EP2236770B1 (en) Gas turbine engine article having columnar microstructure
US11198931B2 (en) Process for preventing recrystallization of shot peened blade roots during a heat treatment process
EP2492373B1 (en) Component and a method of processing a component
US8512485B2 (en) Alloy
JP2012172679A (ja) 爆圧溶接されたガスタービンシュラウド及び爆圧溶接ガスタービンシュラウドを形成する方法
Chang Critical issues of powder metallurgy turbine disks
Gabb et al. Versatile turbine disk alloy designed and processed for higher temperature applications

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5850905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250