JP5850320B2 - 表面被覆金属ナノ粒子およびその製造方法 - Google Patents

表面被覆金属ナノ粒子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属ナノ粒子およびその製造方法に関する。
半導体素子の電極接合などにおいては、従来、Sn−Pb系はんだが用いられていたが、近年、環境保全の観点から、鉛フリーはんだといった新規な接合材料が求められている。また、半導体装置の小型化、高密度化に伴い、微細な配線形成が必要となり、これに対応した新規な配線形成材料が求められている。さらに、半導体素子の接合技術や微細配線形成技術においては、半導体素子への負荷を低減するために、低温での接合が可能な材料や低温での配線形成が可能な材料が求められている。
Ag、Cu、Niなどの金属ナノ粒子は、従来から、上記のような微細配線形成用材料として注目されている。超微粒子技術入門の28〜29頁(非特許文献1)には、このような金属ナノ粒子は、粒子径が20nm以下になると、その融点よりはるかに低い温度(焼結温度200℃以下)で焼結させることが可能となることが報告されている。このため、半導体素子の低温接合や微細配線の低温形成などへの応用が期待されている。
金属ナノ粒子の製造方法としては気相法や液相法など様々な方法が提案されているが、簡便な設備で安価に且つ大量に製造できるという観点から、液相中で金属イオンを還元して金属ナノ粒子を形成させる方法が検討されている。しかしながら、金属ナノ粒子は非常に凝集しやすく、そのままの状態では上記のような低温焼結特性を十分に発現させることは困難であった。また、得られる金属ナノ粒子の粒子径にバラツキがあると、焼結温度にバラつきが生じやすく、上記のような低温焼結特性を一定の温度で十分に発現させることが困難であった。
このため、通常、金属ナノ粒子の表面にポリビニルピロリドンやポリビニルアルコールなどの高分子化合物からなる有機被膜を形成させて金属ナノ粒子の凝集を抑制している(例えば、特開2008−75181号公報(特許文献1))。また、国際公開第2004/012884号(特許文献2)には、アミン化合物の存在下、またはアミン化合物と脂肪酸の共存下で金属塩を熱処理することによって分散安定性に優れた金属ナノ粒子を得る方法が開示されている。また、前記特許文献1および特開2004−353038号公報(特許文献3)には、マイクロ波を用いることによって粒度分布が狭い金属ナノ粒子を製造することができることが開示されている。
特開2008−75181号公報 国際公開第2004/012884号 特開2004−353038号公報
一ノ瀬昇、尾崎義治、賀集誠一郎、超微粒子技術入門、オーム社、1988年7月発行、28〜29頁
しかしながら、特許文献1や特許文献3に記載のように、グリコールや一価のアルコール中でマイクロ波加熱により金属塩を還元せしめた場合には、粒子径が比較的均一な金属ナノ粒子が得られるものの、必ずしも十分なものではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、粒子径が小さく且つより均一な金属ナノ粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アルコール溶媒中で金属塩を加熱して還元せしめて金属ナノ粒子を製造する場合において、加熱手段として赤外線を使用することによって、マイクロ波やヒーターを使用した場合に比べて、粒子径がより均一な金属ナノ粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の表面被覆金属ナノ粒子の製造方法は、アルコール系溶媒、該アルコール系溶媒に不溶な金属塩、および炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む分散剤を含有する溶液を赤外線で加熱することによって、前記アルコール系溶媒中、前記分散剤の共存下で前記金属塩を還元せしめて金属ナノ粒子を形成させるとともに、該金属ナノ粒子の表面に、前記分散剤からなる有機被膜を形成させることを特徴とする方法である
前記アルコール系溶媒中に存在する前記脂肪酸と前記脂肪族アミンとのモル比としては、脂肪酸/脂肪族アミン=10/90〜90/10が好ましい。前記金属塩としては、Au、Pt、Pd、Ag、Rh、Cu、Bi、Pb、SnおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属の塩が好ましく、また、金属の炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、本発明の表面被覆金属ナノ粒子は、動的光散乱法により測定される体積基準の粒度分布において、メジアン径(d50)が1〜100nmであり、下記式(1):
標準偏差=(d84−d16)/2 (1)
(式(1)中、d84およびd16はそれぞれ前記粒度分布の84%累積粒径および16%累積粒径を表す。)
で表される粒子径の標準偏差(単位:nm)が前記メジアン径の30%以下である金属ナノ粒子と、該金属ナノ粒子の表面を覆っており、炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む有機被膜と、を備えることを特徴とするものである
前記脂肪酸に対する前記脂肪族アミンのモル比としては脂肪族アミン/脂肪酸=0.001/1〜0.2/1が好ましく、前記金属ナノ粒子としては、Au、Pt、Pd、Ag、Rh、Cu、Bi、Pb、SnおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子を含有するものが好ましい。
なお、本発明の金属ナノ粒子の製造方法によって、粒子径がより均一な金属ナノ粒子が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、アルコール系溶媒などの溶媒に赤外線を照射すると、溶媒分子は赤外線を吸収して共振し、熱を発生する。赤外線は、波長が0.7〜10μmと短く、溶媒の中心部まで均一に入射させることができるため、溶媒全体で上記のような溶媒分子の共振を起こして熱を均一に発生させることができ、溶媒の温度が均一となるように加熱することができると推察される。その結果、金属塩の還元反応が溶媒中で均一に起こり、生成する金属ナノ粒子の粒子径が均一になると推察される。
一方、加熱手段としてマントルヒーターやオイルバスを用いた場合には、先ず、加熱手段と接触している部分の溶媒が加熱され、その後、対流熱伝導により溶媒全体が加熱される。この対流熱伝導では、溶媒の温度を均一に維持することが困難であり、その結果、金属塩の還元反応が溶媒中で不均一に進行し、生成する金属ナノ粒子の粒子径も不均一になると推察される。
また、水などの極性を有する誘電物質にマイクロ波を照射すると、極性分子が共鳴振動を起こして熱を発生する。このため、水などの誘電物質を溶媒としてマイクロ波加熱を行うと、溶媒内部から加熱することができ、溶媒の温度が均一となる。これに対して、グリコールなどのアルコール系溶媒は、マイクロ波加熱に一般的に用いられる周波数2.45GHzのマイクロ波における損失係数が水に比べて高く、損失係数の観点ではマイクロ波加熱に適した溶媒である。しかしながら、周波数2.45GHzのマイクロ波における水の電力半減深度が0.43cmであるのに対して、アルコール系溶媒においては0.19〜0.29cm程度であり、マイクロ波を吸収できるアルコール系溶媒の深さが水に比べて浅い。このため、アルコール系溶媒の容量が数100ml程度であっても、アルコール系溶媒の中心部までマイクロ波が到達せず、アルコール系溶媒全体を均一に加熱することは困難であると推察される。その結果、アルコール系溶媒の温度が均一に維持されず、金属塩の還元反応がアルコール系溶媒中で不均一に進行し、生成する金属ナノ粒子の粒子径も不均一になると推察される。
本発明によれば、粒子径が小さく且つより均一な金属ナノ粒子を得ることが可能となる。
実施例および比較例4で使用した赤外線加熱装置を備える反応装置を示す概略図である。 比較例1で使用したマイクロ波による加熱手段を備える反応装置を示す概略図である。 比較例2、3、5、6で使用した加熱手段としてマントルヒーターを備える反応装置を示す概略図である。 実施例および比較例4で使用した赤外線加熱装置を備える反応装置の反応容器の壁面近傍および中心部の温度履歴を示すグラフである。 比較例2、3、5、6で使用したマントルヒーターを備える反応装置の反応容器の壁面近傍および中心部の温度履歴を示すグラフである。 実施例1および比較例1〜2で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例2および比較例3で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例3で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例1および実施例4〜7で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例8〜9および比較例4で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例10〜11で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例12および比較例5で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例12および実施例13〜16で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例17および比較例6で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例18で得られた微粒子のXRDスペクトルを示すグラフである。 実施例1で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 比較例2で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 比較例3で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例12で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 比較例5で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例17で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 比較例6で得られた微粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 比較例1で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 比較例2で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例2で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 比較例3で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例3で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例4で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例5で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例6で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例7で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例8で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例9で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 比較例4で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例10で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例11で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例12で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 比較例5で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例13で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例14で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例15で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例16で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例17で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 比較例6で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例18で得られた微粒子の粒度分布を示すグラフである。 各種金属の標準電極電位を示すグラフである。 実施例1で得られた微粒子から抽出した有機被膜成分のIRスペクトルを示すグラフである。 実施例1および実施例8で得られた微粒子のXPS(C1sスペクトル)を示すグラフである。 実施例1および実施例8で得られた微粒子のXPS(N1sスペクトル)を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<金属ナノ粒子の製造方法>
先ず、本発明の金属ナノ粒子の製造方法について説明する。本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、アルコール系溶媒、該アルコール系溶媒に不溶な金属塩、および炭素数8以上の炭化水素基を有する分散剤を含有する溶液を赤外線で加熱することによって、前記アルコール系溶媒中、前記分散剤の共存下で金属塩を還元せしめて金属ナノ粒子を形成させる方法である。また、このような金属ナノ粒子の製造方法においては、得られる金属ナノ粒子の凝集を抑制するために、金属ナノ粒子の表面に前記分散剤からなる有機被膜を形成させることが好ましい。
(アルコール系溶媒)
本発明の金属ナノ粒子の製造方法においては、アルコール系溶媒中で金属塩を還元させて金属ナノ粒子を形成させる。このアルコール系溶媒は、還元反応における溶媒であるとともに、還元剤としても作用する。従って、本発明の金属ナノ粒子の製造方法においては、NaBHやNといった還元剤を添加する必要がなく、簡素化された方法で金属ナノ粒子を製造することが可能となる。
また、アルコール系溶媒が還元剤として作用すると、金属塩の還元により生成した金属ナノ粒子の周囲にはアルコール系溶媒が多く存在するため、例えば、分散剤として後述する脂肪酸と脂肪族アミンとを使用し、これらを含む有機被膜を形成させた場合には、金属ナノ粒子表面に存在する脂肪族アミンが少なくなり、前記有機被膜中の脂肪族アミンの含有量が低減されると考えられる。その結果、前記有機被膜を比較的低温で熱分解することが可能となる。一方、アルコール系溶媒を使用せず、分散剤として後述する脂肪酸と脂肪族アミンとを使用し、これらを含む有機被膜を形成させた場合には、脂肪族アミンが還元剤として作用するため、生成した金属ナノ粒子の表面には脂肪族アミンが多く存在し、前記有機被膜中の脂肪族アミンの含有量が増大すると考えられる。その結果、前記有機被膜の熱分解温度が高くなり、容易に除去することが困難となる。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法に用いられるアルコール系溶媒としては、CuやNiなどの卑金属を還元するためには、沸点が200℃程度またはそれ以上の溶媒が望ましいという観点から、ポリオールが好ましく、グリコールがより好ましく、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールが特に好ましい。これらのアルコール系溶媒は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、多くの有機溶媒が赤外線を吸収して共振し、熱を発生することが可能であるため、このようなアルコール系溶媒とこれに混和可能な溶媒(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフランといったエーテル類;酢酸エチル、酢酸ベンジルといったエステル類;アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなど)とを併用することができる。
(金属塩)
本発明の金属ナノ粒子の製造方法に用いられる金属塩は前記アルコール系溶媒に不溶なものである。このような金属塩としては、炭酸塩および水酸化物が挙げられる。これらの金属塩は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法においては、アルコール溶媒中で金属塩を熱分解して金属イオンを生成させるが、金属塩としてアルコール系溶媒に不溶なものを使用すると、溶媒中に存在する金属イオンは少量となる。このような系において金属イオンを還元すると、生成する粒子核は少量であり、金属ナノ粒子は徐々に生成して安定に存在する。特に、金属ナノ粒子の表面に有機被膜を形成させる場合には、金属ナノ粒子が徐々に生成することによって、有機被膜が金属ナノ粒子の表面に容易に形成される。その結果、金属ナノ粒子の凝集を十分に抑制することが可能となる。また、金属塩を徐々に溶解させて金属ナノ粒子を形成するため、多量の溶媒を必要とせず、溶媒量を少なくすることができる。その結果、溶媒の温度をさらに均一に保持することができ、粒子径が均一な大量の金属ナノ粒子を容易に製造することが可能となる。
一方、アルコール系溶媒に可溶な金属塩を使用すると、溶媒中には多くの金属イオンが生成する。このような系において金属イオンを還元すると一度に多くの金属ナノ粒子が生成し、粒子同士が凝集するため、粒子は粗大化して沈殿する。また、金属ナノ粒子の表面に有機被膜を形成させようとしても、金属ナノ粒子が多量に生成すると、有機被膜が十分に形成される前に、粒子同士が凝集する傾向にある。また、Cuのように酸化されやすい金属においては、表面に有機被膜が形成されないと、酸化されやすくなる傾向にある。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法に用いられる金属塩としては、Au、Pt、Pd、Ag、Rh、Cu、Bi、Pb、SnおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属の塩が好ましく、Ag、CuおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属の塩がより好ましく、安価であり、得られる金属ナノ粒子が耐エレクトロマイグレーション性に優れているという観点から、炭酸銅および水酸化銅が特に好ましい。
(分散剤)
本発明の金属ナノ粒子の製造方法に用いられる分散剤は、炭素数8以上の炭化水素基を有するものである。このような分散剤の存在下、前記アルコール系溶媒中で前記金属塩を還元させることによって、金属ナノ粒子が生成する。また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法においては、金属ナノ粒子が生成するとともに、その表面に前記分散剤からなる有機被膜が形成される傾向にあり、金属ナノ粒子の凝集を十分に抑制することが可能となる。
前記分散剤中の炭化水素基の炭素数が8未満になると、金属ナノ粒子の形成時に、分散剤による立体障害が十分に作用せず、金属ナノ粒子が粗大化し、平均粒子径が100nm以下の金属ナノ粒子を得ることが困難となる。また、有機被膜を形成させた場合には、有機被膜の熱的安定性が低下する傾向にある。このような分散剤中の炭化水素基の炭素数の下限としては、得られる金属ナノ粒子の平均粒子径が小さくなるという観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましい。なお、前記炭化水素基の炭素数の上限としては特に制限はないが、有機被膜を形成させた場合に、有機被膜成分がより低温で熱分解されるという観点から、22以下が好ましく、20以下がより好ましく、18以下が特に好ましい。
このような分散剤としては、炭素数8以上のポリビニルピロリドン、炭素数8以上のポリビニルアルコールといった高分子分散剤、炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む分散剤などが挙げられる。このような分散剤のうち、有機被膜を形成させた場合に、比較的低温で有機被膜の熱分解が可能であるという観点から、炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む分散剤が好ましい。
前記脂肪酸としては前記炭素数を有するものであれば特に制限はなく、飽和または不飽和の炭化水素基を有する脂肪酸が挙げられる。また、前記炭化水素基は直鎖状のものであっても、分岐状のものであってもよい。このような脂肪酸としては、例えば、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルカ酸などの飽和脂肪酸;オレイン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
また、前記脂肪族アミンとしては前記炭素数を有するものであれば特に制限はなく、飽和または不飽和の炭化水素基を有する脂肪族アミンが挙げられる。また、前記炭化水素基は直鎖状のものであっても、分岐状のものであってもよい。このような脂肪族アミンとしては、例えば、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミンなどのアルキルアミン;オレイルアミン、エルシラミンなどのアルケニレンアミンが挙げられる。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法においては、分散剤として前記脂肪酸と前記脂肪族アミンとを含むものを使用する場合、これらを共存させる必要がある。脂肪酸のみ、あるいは脂肪族アミンのみの存在下では、金属ナノ粒子が凝集する。特に、有機被膜を形成させた場合には、有機被膜がアニオンまたはカチオンとなるため、有機被膜の安定性が低下し、金属ナノ粒子が凝集する。また、Cuのように酸化されやすい金属においては、表面に安定な有機被膜が形成されないと、酸化される傾向にある。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法において、前記アルコール系溶媒中の金属塩および分散剤のそれぞれの濃度としては、0.001〜10mol/Lが好ましく、0.01〜1mol/Lがより好ましい。金属塩の濃度が下限未満になると、金属ナノ粒子の生成量が少なくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、金属塩の熱分解に要する時間が長くなる傾向にある。また、分散剤の濃度が前記下限未満になると、金属ナノ粒子が凝集しやすく、特に、有機被膜を形成する場合には、金属ナノ粒子の表面に十分な有機被膜が形成されない傾向にある。また、Cuのように酸化されやすい金属においては酸化される傾向にある。他方、前記上限を超えると、余分な分散剤を除去するための洗浄操作が煩雑となり、実用的に好ましくない。
また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法において、前記分散剤として前記脂肪酸と前記脂肪族アミンとを含むものを使用する場合、アルコール系溶媒中に存在するこれらのモル比としては特に制限はないが、脂肪酸/脂肪族アミン=10/90〜90/10が好ましい。脂肪酸/脂肪族アミンが前記下限未満になると、有機被膜を形成させた場合に、有機被膜中の脂肪族アミンの含有量が多くなり、有機被膜の熱分解温度が高くなる傾向にある。他方、前記上限を超えると、金属ナノ粒子の粒子径が増大して平均粒子径が100nmを超過したり、また、有機被膜を形成する場合には、安定に存在する有機被膜が形成されずに、金属ナノ粒子が凝集して粗大な沈殿物が生成する傾向にある。さらに、Cuのように酸化されやすい金属においては酸化される傾向にある。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法においては、前記アルコール系溶媒、前記金属塩および前記分散剤を含有する溶液を赤外線により加熱する。これにより、大量の前記溶液を均一に加熱することができる。また、赤外線加熱装置はマイクロ波加熱装置に比べて安価である、したがって、本発明の金属ナノ粒子の製造方法によれば、粒子径が小さく且つより均一な金属ナノ粒子を大量に低コストで製造することが可能となる。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法で使用する赤外線としては、波長2.5〜4μmの中赤外線、波長4〜1000μmの遠赤外線の両方でも、いずれか一方でもよいが、2.5〜30μmが好ましい。また、赤外線の照射強度としては、前記溶液を所定の温度まで加熱できる強度であれば特に制限はない。
赤外線により加熱した溶液の温度、すなわち、金属塩を還元させる際の反応温度としては特に制限はないが、使用するアルコール系溶媒の沸点付近の温度(より好ましくは沸点)が好ましい。これにより、温度制御装置を使用せずに容易に溶媒の温度を均一に保持することができ、より均一な粒子径を有する金属ナノ粒子を得ることが可能となる。また、還元させる際の反応時間としては特に制限はないが、本発明の金属ナノ粒子の製造方法によれば、1時間以内の反応時間で90%以上の高収率で大量の金属ナノ粒子を製造することができる。
このようにして得られる金属ナノ粒子は、通常、金属ナノ粒子の表面が炭素数8以上の炭化水素基を有する分散剤からなる有機被膜で覆われたものであるため、アルコール系溶媒に不溶であり、容易に沈殿するが、ヘキサン、トルエンといった親油性溶媒に対して高い分散性を示す。従って、金属ナノ粒子を含むアルコール系溶媒と親油性溶媒とを混合して親油性溶媒中に金属ナノ粒子を分散させ、その後、アルコール系溶媒と親油性溶媒を分離することによって、容易に金属ナノ粒子を回収することができる。この方法によれば90%以上の回収率で金属ナノ粒子を得ることが可能となる。
<金属ナノ粒子>
次に、本発明の金属ナノ粒子について説明する。本発明の金属ナノ粒子は、動的光散乱法により測定される体積基準の粒度分布において、メジアン径(d50)が1〜100nmであり、下記式(1):
標準偏差=(d84−d16)/2 (1)
(式(1)中、d84およびd16はそれぞれ前記粒度分布の84%累積粒径および16%累積粒径を表す。)
で表される粒子径の標準偏差(単位:nm)が前記メジアン径の30%以下の均一な粒子径を有するものである。このような金属ナノ粒子は、例えば、上述した本発明の製造方法により製造することができる。
前記メジアン径が前記範囲内にあると、金属ナノ粒子を350℃以下の低温で焼結させることが可能となり、本発明の金属ナノ粒子を微細配線形成用インクや接合材料などに使用することができる。一方、メジアン径が100nmを超えると、350℃以下で焼結させることが困難となる。前記メジアン径としては、5〜80nmが好ましく、10〜40nmがより好ましい。
また、前記メジアン径に対する前記粒子径の標準偏差の割合は、粒度分布のバラツキ具合を表す指標であり、この値が小さいほど、金属ナノ粒子の粒子径の均一性が高いことを意味する。前記粒子径の標準偏差の割合が前記範囲にあると、焼結温度が均一となり、低温焼結特性を一定の温度で容易に発現することができる。また、緻密な焼結組織を形成することが可能であり、高い接合強度を有する接合部、熱伝導性および電気伝導性に優れた配線や接合部を形成することができる。一方、前記粒子径の標準偏差の割合が30%を超えると、焼結温度にバラツキが生じ、一定の温度では低温焼結特性が十分に発現しない。前記粒子径の標準偏差の割合としては、5〜30%が好ましく、10〜25%がより好ましい。
なお、前記メジアン径およびそれに対する前記粒子径の標準偏差の割合は、以下の方法により求められるものである。すなわち、本発明の金属ナノ粒子を、0.1g/Lの濃度で有機溶媒(例えば、クロロホルム)に分散させ、得られた分散液について、動的光散乱法により体積基準の粒度分布を測定する。得られた粒度分布の累積カーブから、累積比率が50%となる粒子径を求め、これをメジアン径(d50)とする。また、累積比率が16%となる粒子径(16%累積粒径(d16))および累積比率が84%となる粒子径(84%累積粒径(d84))を求め、下記式(1):
標準偏差=(d84−d16)/2 (1)
により粒子径の標準偏差を算出し、前記メジアン径に対する前記粒子径の標準偏差の割合(単位:%)を求める。
本発明の金属ナノ粒子としては、Au、Pt、Pd、Ag、Rh、Cu、Bi、Pb、SnおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子を含有するものが好ましく、Ag、CuおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子を含有するものがより好ましく、安価であり、耐エレクトロマイグレーション性に優れているという観点から、Cuナノ粒子が特に好ましい。
(有機被膜)
本発明の金属ナノ粒子は、その表面に、炭素数が8以上の炭化水素基を有する有機被膜を備えていることが好ましい。これにより、金属ナノ粒子の凝集が十分に抑制される傾向にある。このような有機被膜は、通常、金属ナノ粒子を製造する際に用いられる分散剤が金属ナノ粒子を覆うことによって形成されるものである。従って、本発明にかかる有機被膜としては、炭素数8以上のポリビニルピロリドン、炭素数8以上のポリビニルアルコールといった高分子被膜、炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む被膜などが挙げられる。このような有機被膜のうち、比較的低温での熱分解が可能であるという観点から、炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む有機被膜が好ましい。前記脂肪酸および脂肪族アミンとしては、本発明の金属ナノ粒子の製造方法において例示したものが挙げられる。
また、本発明にかかる有機被膜が前記脂肪酸と前記脂肪族アミンとを含むものである場合において、前記脂肪酸に対する前記脂肪族アミンのモル比としては、脂肪族アミン/脂肪酸=0.001/1〜0.2/1が好ましい。脂肪族アミンの割合が前記下限未満になると、金属ナノ粒子の表面に有機被膜が安定に存在せず、金属ナノ粒子が凝集して粗大な沈殿物が生成する傾向にある。また、脂肪族アミンの還元能が十分に発現せず、Cuのように酸化されやすい金属においては、焼結させる際に酸化される傾向にある。他方、脂肪族アミンの割合が前記上限を超えると、不活性ガス雰囲気下、350℃以下の温度で有機被膜を熱分解させることが困難となり、接合部分や配線中に残存して接合特性や電気特性が低下する。また、不活性ガス雰囲気下、350℃以下の温度でより確実に有機被膜が熱分解されるという観点から、脂肪族アミン/脂肪酸(モル比)としては0.001/1〜0.15/1が好ましく、0.001/1〜0.1/1がより好ましい。
さらに、本発明にかかる有機被膜としては、不活性ガス雰囲気中、350℃以下の温度で90質量%以上熱分解されるものが好ましく、94質量%以上熱分解されるものがより好ましい。熱分解される有機被膜の量が前記下限未満になると接合部分や配線中に有機被膜成分が残存し、接合特性や電気特性が低下する傾向にある。なお、前記有機被膜の熱分解率は、昇温速度20K/minで室温から500℃まで加熱した場合に、有機被膜の質量に相当する重量減少量に対する、室温から350℃までに減少した重量の割合で表されるものである。
このように、本発明の金属ナノ粒子が有機被膜を備えるものであっても、この有機被膜は、不活性ガス雰囲気中、350℃以下の温度で熱分解可能なものであるため、基材や金属電極、前記金属ナノ粒子が、Cuなどの酸化されやすい材質により形成されたものであっても、それらを酸化させることなく、接合したり、配線を形成したりすることが可能となる。
また、本発明にかかる有機被膜は親油性の長鎖の炭化水素基を有するものであるため、このような有機被膜を表面に備える本発明の金属ナノ粒子は、親油性溶媒に対して容易に且つ均一に分散させることが可能である。
さらに、前記有機被膜を表面に備える本発明の金属ナノ粒子は、常温で液体である脂肪族ヒドロキシ酸と混合することによって、金属ナノ粒子ペーストを形成することができる。前記脂肪族ヒドロキシ酸としては、炭素数8以上の脂肪族ヒドロキシ酸が好ましく、200℃で熱分解され、熱分解生成物の沸点が300℃以下であるという観点から、リシノール酸がより好ましい。また、このような脂肪族ヒドロキシ酸は、これと混和可能な溶剤と併用してもよい。
また、本発明にかかる有機被膜が炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含むものである場合においては、前記脂肪酸および前記脂肪族アミンの炭素数によって、前記有機被膜を備える金属ナノ粒子の表面の親油性が変化する。前記脂肪族ヒドロキシ酸は、親油性の炭化水素基と親水性のヒドロキシル基およびカルボキシル基の両方を備えるものであるため、前記有機被膜を備える金属ナノ粒子の親油性が変化しても、良好に分散させることができ、脂肪酸および脂肪族アミンの炭素数に関わらず、前記有機被膜を備える金属ナノ粒子が均一に分散した金属ナノ粒子ペーストを得ることが可能となる。
一方、前記有機被膜を備える金属ナノ粒子をテルピネオールなどの親水性溶媒と混合すると、有機被膜の脂肪酸および脂肪族アミンの炭素数が小さい場合には、前記有機被膜を備える金属ナノ粒子が均一に分散した金属ナノ粒子ペーストが得られるが、大きくなると前記有機被膜を備える金属ナノ粒子と親水性溶媒とが分離する傾向にある。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。図1〜3に実施例および比較例で使用した反応装置を示す。図1は赤外線加熱装置(アズワン(株)製「赤外線ホットスターラSLR」)を備える反応装置、図2はマイクロ波加熱装置(マイルストーンゼネラル(株)製「ETHOS MicroSYNTH Lab Terminal800」)を備える反応装置、図3はマントルヒーター(大科電器(株)製「AF−5」)を備える反応装置を示す。また、実施例および比較例で使用した反応容器(フラスコ)の壁面および中心部の温度履歴を以下の方法により測定した。
(測定例1)
セパラブルフラスコ((株)ビードレックス製、容量:500ml、直径:85mmφ)および四つ口のセパラブルカバー(朝日テクニグラス(株)製、直径:85mmφ)からなるフラスコに、エチレングリコール(HO(CHOH、沸点:198℃)300mlを入れ、これを前記赤外線加熱装置上に設置した。窒素ガスを1L/minで流しながら、中赤外線(波長:2.5〜4μm、出力:900W)によりフラスコ内の溶液を198℃で1時間加熱還流させた。このときのフラスコ内(壁面近傍および中心部の2箇所)の温度履歴を熱電対を用いて測定した。その結果を図4に示す。
(測定例2)
赤外線加熱装置の代わりに前記マントルヒーターを用いて出力250Wで加熱還流を行なった以外は測定例1と同様にしてフラスコ内(壁面近傍および中心部の2箇所)の温度履歴を熱電対を用いて測定した。その結果を図5に示す。
図4に示した結果から明らかなように、赤外線により加熱した場合には、フラスコ内の壁面近傍と中心部との間でエチレングリコールの温度履歴に差異は認められず、フラスコ内の溶液の温度は均一であることが確認された。
一方、図5に示した結果から明らかなように、マントルヒーターにより加熱した場合には、フラスコ内の壁面近傍と中心部との間で約5℃の温度差が観測され、フラスコ内の溶液の温度は不均一であることがわかった。
なお、マイクロ波加熱装置を備える反応装置における反応容器内の温度履歴については、マイクロ波加熱装置を備える反応装置が密閉系であるため、熱電対が装着できず、測定が困難であった。しかしながら、上述したように、アルコール溶媒においてはマイクロ波を吸収できる深さが浅いため、比較例で使用したアルコール溶媒量では、フラスコの壁面近傍のみで吸収され、中心部までマイクロ波が到達しないため、フラスコ内の溶液の温度は不均一になると考えられる。
(実施例1)
セパラブルフラスコ((株)ビードレックス製、容量:500ml、直径:85mmφ)にエチレングリコール(HO(CHOH)300mlを入れ、これに炭酸銅(CuCO・Cu(OH)・HO)30mmolを添加したところ、炭酸銅はエチレングリコールにほとんど溶解せずに沈殿した。これに、オレイン酸(C1733COOH)30mmolおよびオレイルアミン(C1835NH)30mmolを添加した後、窒素ガスを1L/minで流しながら、前記赤外線加熱装置を用いて中赤外線(波長:2.5〜4μm、出力:900W)によりでフラスコ内の溶液を198℃で1時間加熱還流させた。その後、この溶液を室温まで冷却したところ、微粒子が生成した。
得られた微粒子を回収してヘキサン200ml中に分散させ、さらにエタノール800mlを添加し、残存するエチレングリコール、オレイン酸およびオレイルアミンを除去することにより前記微粒子を洗浄した。この洗浄操作を2回以上繰り返した。その後、遠心分離(3000rpm、20min)により微粒子を回収し、真空乾燥(50℃、30min)を施した。
(比較例1)
エチレングリコールの量を150mlに、炭酸銅の量を15mmolに、オレイン酸の量を15mmolに、オレイルアミンの量を15mmolに変更し、赤外線加熱装置の代わりに前記マイクロ波加熱装置を用いてマイクロ波(モード:マルチモード、周波数:2.45GHz、出力:300W)により、大気中、3.5barの加圧下で加熱還流を行なった以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。なお、前記マイクロ波加熱装置には、容量150mlのテフロン(登録商標)製の筒型反応容器しか装着できなかったため、上記のようにスケールダウンし、また、窒素ガスを導入できなかったため、大気中、加圧下で、加熱還流を行なった。
(比較例2)
赤外線加熱装置の代わりに前記マントルヒーターを用いて出力250Wで加熱還流を行なった以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例2)
炭酸銅の代わりに水酸化銅(Cu(OH))60mmolを用いた以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(比較例3)
赤外線加熱装置の代わりに前記マントルヒーターを用いて出力250Wで加熱還流を行なった以外は実施例2と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例3)
エチレングリコールの代わりにジエチレングリコール(HO(CHO(CHOH)300mlを用い、加熱温度を240℃に変更した以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例4)
オレイン酸の量を54mmolに、オレイルアミンの量を6mmolに変更した以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例5)
オレイン酸の量を45mmolに、オレイルアミンの量を15mmolに変更した以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例6)
オレイン酸の量を15mmolに、オレイルアミンの量を45mmolに変更した以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例7)
オレイン酸の量を6mmolに、オレイルアミンの量を54mmolに変更した以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例8)
オレイン酸の代わりにデカン酸(C19COOH)30mmolを用い、オレイルアミンの代わりにデシルアミン(C1021NH)30mmolを用いた以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例9)
オレイン酸の代わりにオクタン酸(C15COOH)30mmolを用い、オレイルアミンの代わりにオクチルアミン(C17NH)30mmolを用いた以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(比較例4)
オレイン酸の代わりにヘキサン酸(C11COOH)30mmolを用い、オレイルアミンの代わりにヘキシルアミン(C13NH)30mmolを用いた以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例10)
炭酸銅の代わりに炭酸銀(AgCO)30mmolを、オレイン酸の代わりにエルカ酸(C2141COOH)30mmolをオレイルアミンの代わりにエルシラミン(C2243NH)30mmolを用いた以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。なお、炭酸銀はエチレングリコールにほとんど溶解せずに沈殿した。
(実施例11)
エルカ酸の代わりにオレイン酸30mmolを、エルシラミンの代わりにオレイルアミン30mmolを用いた以外は実施例10と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例12)
エルカ酸の代わりにデカン酸30mmolを、エルシラミンの代わりにデシルアミン30mmolを用いた以外は実施例10と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(比較例5)
赤外線加熱装置の代わりに前記マントルヒーターを用いて出力250Wで加熱還流を行なった以外は実施例12と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例13)
デカン酸の量を54mmolに、デシルアミンの量を6mmolに変更した以外は実施例12と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例14)
デカン酸の量を45mmolに、デシルアミンの量を15mmolに変更した以外は実施例12と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例15)
デカン酸の量を15mmolに、デシルアミンの量を45mmolに変更した以外は実施例12と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例16)
デカン酸の量を6mmolに、デシルアミンの量を54mmolに変更した以外は実施例12と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例17)
炭酸銅30mmolの代わりに炭酸銅(CuCO・Cu(OH)・HO)18mmolと炭酸銀(AgCO)12mmolを用いた以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(比較例6)
赤外線加熱装置の代わりに前記マントルヒーターを用いて出力250Wで加熱還流を行なった以外は実施例17と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。
(実施例18)
炭酸銅の代わりに炭酸ニッケル(NiCO・2Ni(OH)・4HO)5mmolを用い、エルカ酸の量を7.5mmolに、エルシラミンの量を7.5mmolに、加熱時間を3時間に変更した以外は実施例1と同様にして微粒子を生成させ、洗浄および乾燥を行なった。なお、炭酸ニッケルはエチレングリコールにほとんど溶解せずに沈殿した。
<金属成分の同定>
得られた微粒子について、X線回折装置(ブルカー社製「全自動多目的X線回折装置D8 ADVANCE」)を用い、X線源:CuKα線(λ=0.15418nm)、加速電圧:35kV、加速電流:40mAの条件で粉末X線回折(XRD)測定を行なった。得られたXRDスペクトルを図6〜15に示す。これらのXRDスペクトルから金属成分を同定した。その結果を表1〜4に示す。
<電子顕微鏡観察>
得られた微粒子1mgをトルエン2mlに分散させ、この分散液をエラスチックカーボン支持膜(高分子材料膜(15〜20nm厚)+カーボン膜(20〜25nm厚))付きCuマイクログリッド(応研商事(株)製)上に滴下した後、自然乾燥させて観察用試料を作製した。この観察用試料を、透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子(株)製「JEM−2000EX」)を用いて加速電圧200kVで観察した。その結果を図16〜24に示す。
<微粒子の粒度分布測定>
得られた微粒子1mgをクロロホルム10mlに分散させ、得られた分散液について、動的光散乱式粒子径・粒度分布測定装置(日機装(株)製「ナノトラックUPA−EX250」)を用いて動的光散乱(DLS)式粒子径・粒度分布測定法により体積基準の粒度分布を測定した。その結果を図25〜48に示す。得られた粒度分布の累積カーブから、累積比率が50%となる粒子径(メジアン径(d50))を求めた。また、累積比率が16%となる粒子径(16%累積粒径(d16))および累積比率が84%となる粒子径(84%累積粒径(d84))を求め、下記式(1):
標準偏差=(d84−d16)/2 (1)
により粒子径の標準偏差を算出した。さらに、前記メジアン径に対する前記粒子径の標準偏差の割合(単位:%)を求め、粒度分布の均一性を評価した。これらの結果を表1〜4に示す。
表1〜4に示した結果から明らかなように、エチレングリコールまたはジエチレングリコールなどのグリコール中、炭素数8〜22の脂肪酸および炭素数8〜22の脂肪族アミンの共存下で、炭酸銅、水酸化銅、炭酸銀または炭酸ニッケルなどのグリコールに不溶な金属塩を赤外線加熱により還元せしめることによって、各金属塩に対応する金属ナノ粒子が得られることが確認された(実施例1〜18)。特に、表4に示した結果から明らかなように、金属ナノ粒子として銀−銅複合金属ナノ粒子を形成させることも可能であることが確認された(実施例17)。また、Niナノ粒子を形成させることも可能であった(実施例18)ことから、図49に示すようなNiよりも貴な金属(例えば、Sn、Pb、Bi、Cu、Ag、Pd、Pt、Au)のナノ粒子も形成可能であることが確認された。
また、電子顕微鏡観察の結果、金属塩を赤外線加熱により還元せしめた場合(実施例1〜18)には、均一な粒子径を有する金属ナノ粒子が得られることが確認された。一方、金属塩をマイクロ波加熱またはマントルヒーター加熱により還元せしめた場合(比較例1〜3、5〜6)には、得られた金属ナノ粒子の粒子径は不均一であった。例えば、図16に示すように、炭酸銅を赤外線加熱により還元せしめた場合(実施例1)には、粒子径が小さく且つ均一な銅ナノ粒子が得られたのに対して、図17〜18に示すように、炭酸銅をマイクロ波加熱(比較例1)またはマントルヒーター加熱(比較例2)により還元せしめた場合には、得られた銅ナノ粒子の粒子径は不均一であった。また、図19に示すように、水酸化銅を赤外線加熱により還元せしめた場合(実施例2)には、粒子径が小さく且つ均一な銅ナノ粒子が得られたのに対して、図20に示すように、水酸化銅をマントルヒーター加熱により還元せしめた場合(比較例3)には、得られた銅ナノ粒子の粒子径は非常に大きく且つ不均一であった。さらに、図21に示すように、炭酸銀を赤外線加熱により還元せしめた場合(実施例12)には、粒子径が小さく且つ均一な銀ナノ粒子が得られたのに対して、図22に示すように、炭酸銀をマントルヒーター加熱により還元せしめた場合(比較例5)には、得られた銀ナノ粒子の粒子径は不均一であった。また、図23に示すように、炭酸銅と炭酸銀との混合物を赤外線加熱により還元せしめた場合(実施例17)には、粒子径が小さく且つ均一な銅−銀複合ナノ粒子が得られたのに対して、図24に示すように、炭酸銅と炭酸銀との混合物をマントルヒーター加熱により還元せしめた場合(比較例6)には、得られた銅−銀複合ナノ粒子の粒子径は不均一であった。
さらに、表1〜4に示した結果から明らかなように、金属塩を赤外線加熱により還元せしめた場合(実施例1〜18)には、メジアン径が17.8〜98.0nmと小さく且つ前記メジアン径に対する粒子径の標準偏差の割合が19.9〜30.0%と均一な粒子径を有する金属ナノ粒子が得られることが確認された。また、表2〜3に示した結果から明らかなように、脂肪酸および脂肪族アミンの炭素数が多くなるに連れて金属ナノ粒子のメジアン径が小さくなる傾向にあることが確認された。
一方、金属塩をマイクロ波加熱(比較例1)またはマントルヒーター加熱(比較例2〜3、5〜6)により還元せしめた場合には、得られた金属ナノ粒子は、メジアン径が30.1〜45.9nmと小さいものの、前記メジアン径に対する粒子径の標準偏差の割合が30.7〜38.0%と大きく、不均一な粒子径を有するものであった。また、炭素数が6の脂肪酸および炭素数が6の脂肪族アミンを用いた場合(比較例4)には、炭酸銅を赤外線加熱により還元せしめても銅ナノ粒子の平均粒子径を100nm以下にすることが困難であった。
<有機被膜成分の分析>
実施例で得られた微粒子をエタノール3ml中に分散して残留有機物を除去した後、不溶分を回収した。この不溶分をエタノール3ml中に分散した後、1Nの塩酸を数滴滴下して一晩静置することにより、有機被膜成分が遊離されてエタノール中に抽出された。得られた抽出成分を2mgまで減圧濃縮した後、濃縮物を顕微赤外線分光装置(ニコレー社製「MAGNA760」)を用いて赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)を測定した。その結果、いずれの濃縮物にも、所定の脂肪酸と所定の脂肪族アミンの塩酸塩が含まれていることが確認された。なお、抽出した有機被膜成分のIRスペクトルの一例として、図50に、実施例1で得られた微粒子から抽出した有機膜成分のIRスペクトルを示す。
また、実施例で得られた微粒子について、X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ(株)製「Quantera SXM」)を用い、X線源:単色化されたAlKα線、光電子取出角:45°、分析領域:約200μmφ、パスエネルギー:26eV、エネルギーステップ:0.1eV、エネルギー補正:285eV(C1s)の条件でX線光電子スペクトル(XPS)を測定した。その結果、いずれの微粒子においても、N1sスペクトルからアミノ基の存在が、C1sスペクトルからカルボキシル基の存在が検知された。なお、XPSの一例として、図51には、実施例1および実施例8で得られた微粒子のC1sスペクトルを、図52には、実施例1および実施例8で得られた微粒子のN1sスペクトルを示す。
以上の結果から、実施例で得られた微粒子は、金属ナノ粒子の表面に所定の脂肪酸と所定の脂肪族アミンを含有する有機被膜が形成されたものであることが確認された。
そこで、脂肪酸および脂肪族アミンの炭素数が10以下の微粒子については、−C−C−のピーク強度が比較的弱かったため、得られたC1sスペクトルにおいてCOOH基(結合エネルギー:287.96eV)とNH基(結合エネルギー:286.37eV)の波形分離を行い、COOH基に対するNH基の強度比を求め、これを、有機被膜中の脂肪酸に対する脂肪族アミンのモル比とした。
一方、脂肪酸および脂肪族アミンの炭素数が11以上の微粒子については、−C−C−のピーク強度が強く、−C−C−のピークと−NHのピークとを波形分離することが困難であったため、以下の方法により有機被膜中の脂肪酸に対する脂肪族アミンのモル比を求めた。すなわち、得られた微粒子400mgを濃塩酸5mlに投入して24時間撹拌し、有機被膜成分を遊離させた。この塩酸溶液中の脂肪酸をクロロホルム20mlで抽出し、脂肪酸を含むクロロホルム抽出液を得た。また、クロロホルム抽出後の塩酸溶液(金属ナノ粒子と脂肪族アミンを含むもの)に1NのNaOHを滴下してpH11に調整した後、この溶液中の脂肪族アミンをクロロホルム20mlで抽出し、脂肪族アミンを含むクロロホルム抽出液を得た。その後、得られた脂肪酸を含むクロロホルム抽出液と脂肪族アミンを含むクロロホルム抽出液とを混合し、NaSOを20g添加して脱水処理を施し、さらに、蒸発器を用いて2mlに濃縮した。
得られた濃縮液中の脂肪酸をガスクロマトグラフィー(GC)により、脂肪族アミンを高速液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)により定量して、有機被膜中の脂肪酸に対する脂肪族アミンのモル比を求めた。なお、GC分析およびLC/MS分析は以下の条件で行なった。
(GC分析条件)
分析装置:Agilent社製「HP6890」
カラム:HP−INNOWAX(20m×0.18mm×0.18μm)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
キャリアガス:He(1.5ml/min)
注入口温度:260℃
検出器温度:260℃
注入量:1μl。
(LC/MS分析条件)
LC分析装置:Agilent社製「1200seriesLC」
カラム:ZIC−HILIC(2.1mm×150mm×5μm)
移動相:水/アセトニトリル=5/95(0.1%蟻酸を含む)
流量:0.2ml/min
注入量:1μl
MS測定装置:Agilent社製「G6410A」
イオン化方法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法
極性:正。
表5には、実施例1、5、6、11、12、14、15で得られた微粒子の有機被膜中の脂肪酸と脂肪族アミンとのモル比を示す。
表5に示した結果から明らかなように、前記実施例において得られた微粒子は、金属ナノ粒子の表面に脂肪酸1モルに対して0.001〜0.06モルの脂肪族アミンを含有する有機被膜を備える微粒子(すなわち、表面被覆金属ナノ粒子)であることが確認された。また、アルコール溶媒中の脂肪族アミンの割合が低下するにつれて有機被膜中の脂肪族アミンの割合も低下する傾向にあることがわかった。さらに、表5に示すように、金属ナノ粒子の金属成分を変更しても、炭化水素基の炭素数を変更しても、あるいは合成時の脂肪酸/脂肪族アミンのモル比を変更しても、有機被膜中の脂肪族アミンの含有量は脂肪酸1モルに対して0.001〜0.2モルの範囲内にあるので、その他の実施例において得られた微粒子においても有機被膜中の脂肪族アミンの含有量は、脂肪酸1モルに対して0.001〜0.2モルの範囲内にあると考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、粒子径が小さく且つより均一な金属ナノ粒子を得ることが可能となる。
したがって、本発明の金属ナノ粒子は、粒子径が小さく、焼結温度の均一性に優れるため、一定且つ低い温度での焼結が可能であり、半導体素子の電極接合や半導体素子を備える微細配線の形成などにおいて低温での接合や配線形成が可能な材料として有用である。
1:反応容器、2:金属塩、3:赤外線ホットホットスターラー、3a:赤外線、4:キャビティ、4a:マイクロ波、5:スターラー、6:マントルヒーター、6a:熱。

Claims (7)

  1. アルコール系溶媒、該アルコール系溶媒に不溶な金属塩、および炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む分散剤を含有する溶液を赤外線で加熱することによって、前記アルコール系溶媒中、前記分散剤の共存下で前記金属塩を還元せしめて金属ナノ粒子を形成させるとともに、該金属ナノ粒子の表面に、前記分散剤からなる有機被膜を形成させることを特徴とする表面被覆金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記アルコール系溶媒中に存在する前記脂肪酸と前記脂肪族アミンとのモル比が、脂肪酸/脂肪族アミン=10/90〜90/10であることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記金属塩がAu、Pt、Pd、Ag、Rh、Cu、Bi、Pb、SnおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属の塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面被覆金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記金属塩が該金属の炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の表面被覆金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 動的光散乱法により測定される体積基準の粒度分布において、メジアン径(d50)が1〜100nmであり、下記式(1):
    標準偏差=(d84−d16)/2 (1)
    (式(1)中、d84およびd16はそれぞれ前記粒度分布の84%累積粒径および16%累積粒径を表す。)
    で表される粒子径の標準偏差(単位:nm)が前記メジアン径の30%以下である金属ナノ粒子と、
    該金属ナノ粒子の表面を覆っており、炭素数8以上の脂肪酸と炭素数8以上の脂肪族アミンとを含む有機被膜と、
    を備えることを特徴とする表面被覆金属ナノ粒子。
  6. 前記脂肪酸に対する前記脂肪族アミンのモル比が脂肪族アミン/脂肪酸=0.001/1〜0.2/1であることを特徴とする請求項5に記載の表面被覆金属ナノ粒子。
  7. 前記金属ナノ粒子が、Au、Pt、Pd、Ag、Rh、Cu、Bi、Pb、SnおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子を含有するものであることを特徴とする請求項6に記載の表面被覆金属ナノ粒子。
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