JP5848302B2 - スプレー制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラにおいて、過熱器から排出された蒸気へ液体をスプレーすることにより蒸気温度の上昇を抑制するスプレー装置を制御するスプレー制御装置に関する。
一般に、汽力発電において、ボイラで生成された過熱蒸気により蒸気タービンを回転させて発電機により発電を行うに当たり、ボイラでは、主蒸気温度を所定の設定温度に保つべく、燃料流量と給水流量とを制御する水燃比制御が行われる。水燃比制御では、基本的には、発電の負荷を考慮しながら、主蒸気温度の測定値と主蒸気温度の設定値との偏差が0になるように燃料流量と給水流量とを制御する。
また、水燃比制御では、主蒸気温度の急な上昇を抑制することが難しい。そこで、多くのボイラでは、過熱器の出口側にスプレー装置を取り付け、スプレー装置により過熱蒸気中に水をスプレー(噴霧)することで、主蒸気温度の急な上昇を抑制している。
さらに、このようなスプレー装置を有するボイラの中には、給水流量の数%程度の一定量の水をスプレー装置から過熱蒸気中へ常時スプレーし続けるコンスタントスプレー方式を採用しているボイラがある(下記の特許文献1を参照)。
特開2002−81607号公報
上述した、スプレー装置により主蒸気温度の急な上昇を抑制する方法、およびコンスタントスプレー方式を採用した従来のボイラは、例えば図3に示すような制御回路100を有している。
すなわち、制御回路100において、スプレー装置により主蒸気温度の急な上昇を抑制するための回路部101は、主蒸気温度の設定値と主蒸気温度の測定値との偏差を算出する減算器102と、当該偏差に基づき、スプレー装置からスプレーされる水(スプレー水)の流量を適切に増加させるための制御信号S51を生成する演算処理器103とを備えている。主蒸気温度の設定値は例えば566度である。主蒸気温度が上昇し、主蒸気温度の測定値が主蒸気温度の設定値に接近したとき、または主蒸気温度の測定値が主蒸気温度の設定値以上となったとき、スプレー水の流量を適切に増加させるための制御信号S51が演算処理器103から出力される。この制御信号S51がスプレ−装置に入力されると、スプレー装置は、制御信号S51に従って過熱蒸気中へスプレーするスプレー水の量を増加させる。
一方、制御回路100において、コンスタントスプレー方式によるスプレー(コンスタントスプレー)を行うための回路部104は、スプレー水流量がスプレー水流量の基準値に常時一致するように、スプレー水流量につきPI制御(比例−積分制御)を行う回路である。回路部104は、スプレー水流量の基準値とスプレー水流量の測定値との偏差を算出する減算器105と、減算器105の出力を積分する積分器106とを備えている。スプレー水流量の基準値は、給水流量の数%程度に定められる。回路部104において、スプレー水流量の基準値とスプレー水流量の測定値との偏差が0となるようにスプレー水の流量を調整するための制御信号S52が積分器106から出力される。スプレー装置は、制御信号S52に従って過熱蒸気中へスプレーするスプレー水の量を調整する。
また、制御回路100において、演算処理器103から出力された制御信号S51と、積分器106から出力された制御信号S52は、加算器107により加算され、スプレー装置に供給される。
ところで、このような従来の制御回路100を有するボイラには、主蒸気温度の急な上昇を抑制するためのスプレー水流量の制御と、コンスタントスプレーを行うためのスプレー水流量の制御とを両立することが難しいという問題がある。
すなわち、図3に示す制御回路100において、コンスタントスプレーを適切に行うためには、積分器106の時定数を小さくして応答性を良くすることが望ましい。積分器106の応答性を良くすれば、スプレー水流量がその基準値に迅速に追従するので、スプレー水流量を給水流量の数%程度の一定量に常時維持するといった目的が達成される。ところが、積分器106の応答性を良くすると、演算処理部103から出力された制御信号S51に従ってスプレー水流量を増加させた場合でも、そのスプレー水流量がスプレー水流量の基準値に直ちに追従してしまう。このため、主蒸気温度の急な上昇が回路部101により検知され、それを抑制するための制御信号S51が出力されたにもかかわらず、主蒸気温度を下げるのに必要な量のスプレー水がスプレー装置からスプレーされず、それゆえ、主蒸気温度の上昇を十分に抑制することができない。
一方、積分器106の時定数を大きくして応答性を悪くすると、スプレー水流量がその基準値から外れてから当該基準値に一致するようになるまでの時間が長くなる。この結果、演算処理部103から出力された制御信号S51に従ってスプレー水流量を増加させた場合には、主蒸気温度を下げるのに必要な量のスプレー水がスプレー装置からスプレーされるようになり、主蒸気温度の上昇を十分に抑制することが可能になる。ところが、積分器106の応答性を悪くすると、スプレー水流量がその基準値から外れた状態が長い時間続くこととなる。コンスタントスプレー方式を採用したボイラにおいては、コンスタントスプレイが行われている状態、すなわち、スプレー水流量が給水流量の数%程度の一定量に常時維持された状態を前提として、水燃比制御のプログラムが設計される。このため、スプレー水流量がその基準値から外れた状態が長い時間続くと、水燃比制御が正常に動作しなくなるおそれがある。例えば、水燃比制御における給水制御系または燃料制御系がハンチングしてしまうおそれがある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、蒸気温度の急な上昇を抑制するために蒸気中へスプレーする液体量の制御と、コンスタントスプレーを行うために蒸気中へスプレーする液体量の制御とを両立させることができるスプレー制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のスプレー制御装置は、ボイラにおいて過熱器から排出された蒸気へ液体をスプレーすることにより蒸気温度の上昇を抑制するスプレー装置を制御するスプレー制御装置であって、
蒸気温度の基準値と蒸気温度の測定値との偏差を算出し、当該偏差を出力する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力に基づいて演算を行い、蒸気温度を下げるべく前記スプレー装置から前記蒸気へスプレーする液体の量を前記演算で決定された量増加させるように前記スプレー装置を制御するための調整信号を生成する第1の信号生成手段と、前記蒸気を生成するためにポンプから前記ボイラへ供給される液体の量のうち一定割合の量を示すコンスタントスプレー信号を生成する第2の信号生成手段と、前記第1の信号生成手段により生成された調整信号と前記第2の信号生成手段により生成されたコンスタントスプレー信号とを互いに加算することにより得られる複合信号と、前記スプレー装置から前記蒸気へスプレーされている液体の量の測定値との偏差を算出し、当該偏差を出力する第2の減算手段と、前記第2の減算手段の出力を積分し、その結果を出力する積分手段と、前記積分手段の出力と前記第1の信号生成手段により生成された調整信号とを互いに加算することにより得られるスプレー制御信号に従って前記スプレー装置から前記蒸気へスプレーする液体の量を調整するスプレー制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、蒸気温度の急な上昇を抑制するために蒸気中へスプレーする液体量の制御と、コンスタントスプレーを行うために蒸気中へスプレーする液体量の制御とを両立させることができる。
本発明の実施形態によるスプレ−制御装置が適用されたボイラの水および蒸気の流通に関する構成を示す回路図である。 本発明の実施形態によるスプレ−制御装置を示す回路図である。 従来のボイラが有するスプレー水流量を制御するための回路を示す回路図である。
図1は、本発明の実施の形態によるスプレー制御装置が適用された貫流ボイラの水および蒸気の流通に関する構成を示している。図1に示す貫流ボイラ1の水および蒸気の流通に関する構成において、給水ポンプから供給された水は、給水調整弁2によりその流量が調整され、節炭器3を通り、続いて火炉壁4に設けられた蒸発水管を通る。この過程で水から作り出された蒸気は、1次過熱器5および2次過熱器(上流側6、下流側7)に順次供給され、これら過熱器により加熱されて過熱蒸気となり、蒸気タービンへ供給される。
また、貫流ボイラ1の水および蒸気の流通に関する構成において、給水調整弁2と節炭器3との間には、給水流量の測定値を出力する流量発信器(FX)8が設けられている。また、1次過熱器5の出口側、および2次過熱器の上流側6と下流側7との間にはスプレー装置9、10がそれぞれ設けられている。また、給水調整弁2と節炭器3との間において流量発信器8の下流側には、給水ポンプから給水調整弁2を介して供給される水の一部をスプレー装置9、10にそれぞれ供給するバイパス管路11、12が接続されている。
各スプレー装置9、10は、スプレー弁21、減温器22、および減温器22内に設けられたスプレーノズル(図示せず)を備えている。スプレー装置9において、減温器22は、1次過熱器5と2次過熱器の上流側6との間を接続する蒸気管内に配置されている。バイパス管路11を介して供給される水は、スプレー弁21を介して減温器22内に配置されたスプレーノズルに供給され、当該スプレーノズルから、減温器22内を流通する過熱蒸気中へスプレー水としてスプレー(噴霧)される。
また、スプレー装置10において、減温器22は、2次過熱器の上流側6と2次過熱器の下流側7との間を接続する蒸気管内に配置されている。バイパス管路12を介して供給される水は、スプレー弁21を介して減温器22内に配置されたスプレーノズルに供給され、当該スプレーノズルから、減温器22内を流通する過熱蒸気中へスプレー水としてスプレーされる。
また、バイパス管路11の途中には、バイパス管路11を流れる水(スプレー水)の流量の測定値を出力する流量発信器(FX)13が設けられている。また、バイパス管路12の途中には、バイパス管路12を流れるスプレー水の流量の測定値を出力する流量発信器(FX)14が設けられている。
また、スプレー装置9の減温器22と2次過熱器の上流側6との間には、この間の蒸気温度t1を測定するための熱電対15が設けられている。また、2次過熱器の上流側6とスプレー装置10の減温器22との間には、この間の蒸気温度t2を測定するための熱電対16が設けられている。また、スプレー装置10の減温器22と2次過熱器の下流側7との間には、この間の蒸気温度t3を測定するための熱電対17が設けられている。さらに、2次過熱器の下流側7の出口側には、2次過熱器の下流側7の蒸気温度t4(主蒸気温度)を測定する熱電対18が設けられている。
さらに、貫流ボイラ1は、スプレ−制御装置31および32を備えている。スプレー制御装置31、32はそれぞれ本発明の実施形態に当たる。
図2は、図1中のスプレ−制御装置31を抜き出して拡大して示している。スプレ−制御装置31は、1次過熱器5と2次過熱器の上流側6との間に設けられたスプレー装置9を制御する装置である。スプレー装置9は、主として、蒸気温度の急な上昇を抑制すべく、1次過熱器5から排出された過熱蒸気へスプレー水をスプレーすることにより蒸気温度を下げる装置である。スプレ−制御装置31は、このようなスプレー装置9の機能を実現させるべく、スプレー装置9を制御する。
図2に示すように、スプレ−制御装置31は、即時調整回路部41と、コンスタントスプレー回路部51と、これらの回路部41、51からそれぞれ出力される制御信号を互いに加算する加算器61とを備えている。
スプレ−制御装置31において、即時調整回路部41は、蒸気温度の急な上昇を抑制するために蒸気温度を即時的に下げるべく、スプレー水流量を一時的に増加させる動作(スプレー水流量の即時調整)を行う回路部である。
即時調整回路部41は、スプレー水流量の即時調整を行うための2つのユニットを有している。即時調整回路部41において、第1のユニットは、主としてスプレー装置9の減温器22と2次過熱器の上流側6との間の蒸気温度t1に基づいてスプレー水流量の即時調整を行う回路であり、関数発生器(FG)42、減算器43、および演算処理器44を備えている。
関数発生器42は、負荷指令S1に基づき、蒸気温度t1の基準値S2を生成するようにプログラムされた回路である。負荷指令S1は、発電の負荷または発電機の出力に応じて貫流ボイラ1を制御する信号である。負荷指令S1は関数発生器42および45にそれぞれ入力される。関数発生器42は、蒸気タービンに供給される過熱蒸気の最終的な温度である主蒸気温度を所定の設定値(例えば566度)に保つために必要な蒸気温度t1の基準値S2を、負荷指令S1に基づいて算出し、これを減算器43へ出力する。また、蒸気温度t1が熱電対15により測定され、当該蒸気温度t1の測定値S3が減算器43に入力される。減算器43は、蒸気温度t1の基準値S2と蒸気温度t1の測定値S3との偏差S4を算出し、当該偏差S4を演算処理器44へ出力する。演算処理器44は、偏差S4に基づいて所定の演算を行い、必要に応じて蒸気温度t1を即時的に下げるべく、スプレー装置9のスプレーノズルからスプレーされるスプレー水流量を上記演算で決定された量増加させるようにスプレー装置9を制御するための制御信号S5を生成する。
ここで、演算処理器44の動作について具体的に説明すると、演算処理器44は、まず、蒸気温度t1を即時的に下げる必要があるか否かを偏差S4に基づいて判断する。具体的には、演算処理器44は、蒸気温度t1が上昇し、実際の蒸気温度t1と蒸気温度t1の基準値S2との差が所定の範囲内になったか否か、または実際の蒸気温度t1が蒸気温度t1の基準値S2を上回ったか否かを偏差S4により判断する。実際の蒸気温度t1と蒸気温度t1の基準値S2との差が所定の範囲内になったとき、または蒸気温度t1が蒸気温度t1の基準値S2を上回ったとき、演算処理器44は、その時点における蒸気温度t1とその基準値S2との大小関係または両者の差の大きさに応じ、蒸気温度t1を即時的に下げるのに必要なスプレー水流量およびスプレー時間を算出する。続いて、演算処理器44は、算出したスプレー水流量のスプレー水を、算出したスプレー時間スプレーさせるようにスプレー装置9を制御する制御信号S5を生成する。例えば、制御信号S5は、算出されたスプレー水流量に対応した電圧を有し、その電圧が、算出されたスプレー時間維持される信号、あるいは、算出されたスプレー水流量に対応した電圧を有し、その電圧が、算出されたスプレー時間内でカーブを描いて変化する信号である。
また、即時調整回路部41において、第2のユニットは、主として2次過熱器の上流側6とスプレー装置10の減温器22との間の蒸気温度t2に基づいてスプレー水流量の即時調整を行う回路であり、関数発生器(FG)45、減算器46、および演算処理器47を備えている。
関数発生器45は、負荷指令S1に基づき、蒸気温度t2の基準値S6を生成するようにプログラムされた回路である。関数発生器45は、主蒸気温度を例えば566度に保つために必要な蒸気温度t2の基準値S6を、負荷指令S1に基づいて算出し、これを減算器46へ出力する。また、蒸気温度t2が熱電対16により測定され、当該蒸気温度t2の測定値S7が、減算器43に入力される。減算器43は、蒸気温度t2の基準値S6と蒸気温度t2の測定値S7との偏差S8を算出し、当該偏差S8を演算処理器47へ出力する。演算処理器47は、偏差S8に基づいて所定の演算を行い、必要に応じて蒸気温度t2を即時的に下げるべく、スプレー装置9のスプレーノズルからスプレーされるスプレー水流量を上記演算で決定された量増加させるようにスプレー装置9を制御するための制御信号S9を生成する。演算処理器47の具体的な動作は、上述した演算処理器44の具体的な動作と同様であり、制御信号S9の具体的な特性は、上述した制御信号S5の特性と同様である。
また、即時調整回路部41において、加算器48は制御信号S5と制御信号S9とを互いに加算し、その結果を即時調整信号S10として出力する。なお、演算処理器44および47は、制御信号S5とS9とが互いに加算されることにより生成される即時調整信号S10によりスプレー水流量が制御されることを考慮して、蒸気温度t1、t2を即時的に下げるのに必要なスプレー水流量およびスプレー時間を算出する。また、減算器43、46はそれぞれ第1の減算手段の具体例であり、演算処理器44、47はそれぞれ第1の信号生成手段の具体例であり、即時調整信号S10は調整信号の具体例である。
一方、スプレ−制御装置31において、コンスタントスプレー回路部51は、過熱蒸気へ一定量のスプレー水を常時スプレーし続ける動作(コンスタントスプレー)を行う回路であり、関数発生器(FG)52、加算器53、減算器54および積分器55を備えている。
関数発生器52は、給水ポンプから供給される給水流量の一定割合の量、例えば給水流量の4%の量(コンスタントスプレー量)を示すコンスタントスプレー信号S12を生成するようにプログラムされた回路である。関数発生器52には、流量発信器8ら出力された、給水流量の測定値S11が入力される。関数発生器52は、この測定値S11の4%の値を算出し、この値を示すコンスタントスプレー信号S12を出力する。加算器53は、関数発生器52から出力されたコンスタントスプレー信号S12と、即時調整回路部41の加算器48から出力された即時調整信号S10とを互いに加算することにより、複合信号S13を生成する。複合信号S13は減算器54に入力される。また、スプレー装置9におけるスプレー水流量の測定値S14が、バイパス管路11の途中に設けられた流量発信器13から減算器54へ入力される。減算器54は、加算器53から出力された複合信号S13とスプレー水流量の測定値S14との偏差S15を算出し、偏差S15を積分器55へ出力する。積分器55は、偏差S15につき積分処理を行い、この結果得られた制御信号S16を出力する。
さらに、スプレ−制御装置31の加算器61は、即時調整回路部41の加算器48から出力された即時調整信号S10と、コンスタントスプレー回路部51の積分器55から出力された制御信号S16とを互いに加算することによりスプレー制御信号S17を生成する。スプレー制御信号S17は、スプレー装置9のスプレー弁21に入力される。これにより、スプレー制御信号S17に従ってスプレー弁21が制御され、スプレー装置9におけるスプレー水流量が調整される。なお、関数発生器52は第2の信号生成手段の具体例であり、加算器53および減算器54は第2の減算手段の具体例であり、積分器55は積分手段の具体例である。また、加算器61はスプレー制御手段の具体例である。
このような構成を有するスプレ−制御装置31は次のように動作する。すなわち、蒸気温度t1とその基準値S2との差が所定の範囲内でなく、蒸気温度t1がその基準値S2を上回っておらず、蒸気温度t2とその基準値S6との差が所定の範囲内でなく、かつ蒸気温度t2がその基準値S6を上回っていないときには、蒸気温度t1も蒸気温度t2も即時的に下げる必要がない。このような場合には、即時調整回路部41において、演算処理器44は制御信号S5の出力を停止する(本実施形態において、信号の出力が停止している間、当該信号の出力端子の電圧は0に維持される)。また、演算処理器47も制御信号S9の出力を停止する。この結果、加算器48から即時調整信号S10は出力されない。
即時調整信号S10が出力されていない状態では、コンスタントスプレー信号S12がそのまま複合信号S13として減算器54に入力されるので、偏差S15は、コンスタントスプレー量とスプレー装置9における実際のスプレー水流量との差となる。また、積分器55から出力される制御信号S16はそのままスプレー制御信号S17としてスプレー装置9のスプレー弁21に供給される。この結果、コンスタントスプレー回路部51は、スプレー装置9におけるスプレー水流量をコンスタントスプレー量に一致させるためのフィードバック制御回路(PI制御回路)として機能する。したがって、積分器55の応答性を良くすれば、安定したコンスタントスプレーが実現される。
一方、蒸気温度t1とその基準値S2との差が所定の範囲内となり、蒸気温度t1がその基準値S2を上回り、蒸気温度t2とその基準値S6との差が所定の範囲内となり、または蒸気温度t2がその基準値S6を上回ったときには、蒸気温度t1または蒸気温度t2を即時的に下げる必要がある。このような場合には、即時調整回路部41において、演算処理器44が、スプレー装置9におけるスプレー水流量を増加させるための制御信号S5を出力し、または演算処理器47が、スプレー装置9におけるスプレー水流量を増加させるための制御信号S9を出力する。この結果、スプレー装置9におけるスプレー水流量を増加させるための即時調整信号S10が加算器48から出力される。
即時調整信号S10が出力されている状態では、コンスタントスプレー信号S12に即時調整信号S10が加算された信号が複合信号S13として減算器54に入力されると共に、制御信号S16に即時調整信号S10が加算された信号がスプレー制御信号S17としてスプレー装置9のスプレー弁21へ供給される。制御信号S16に即時調整信号S10が加算された信号がスプレー制御信号S17としてスプレー弁21に供給されることにより、即時調整信号S10に対応してスプレー水流量が増加し、この結果、流量発信器13から出力されるスプレー水流量の測定値も即時調整信号S10に対応して増加する。しかし、これと同時に、コンスタントスプレー信号S12に即時調整信号S10が加算されることにより複合信号S13も即時調整信号S10に対応して増加する。これにより、減算器54における減算処理により即時調整信号S10に対応する成分が少なくとも部分的に打ち消し合う。この結果、即時調整信号S10に対応したスプレー装置9のスプレー水流量の増加分が偏差S15に現れる程度が小さくなるので、即時調整信号S10に対応するスプレー水流量の増加が、コンスタントスプレー回路部51における減算器54と積分器55によるフィードバック制御により抑制される程度が小さくなる。したがって、安定したコンスタントスプレーを実現すべく積分器55の応答性を良くしても、即時調整信号S10に従ってスプレー装置9のスプレー水流量が確実に増加し、スプレー水流量の即時調整が適切に行われ、蒸気温度t1またはt2の急な上昇の抑制効果が確実に得られる。
以上説明した通り、スプレ−制御装置31によれば、コンスタントスプレー回路部51によるコンスタントスプレーと、即時調整回路部41によるスプレ−水流量の即時調整とを両立させることができる。すなわち、コンスタントスプレー回路部51において、積分器55の時定数を小さく設定して応答性を良くし、これにより、スプレー水流量の即時調整が行われる時間を除き、スプレー水流量をコンスタントスプレー量に迅速に追従させ、追従した状態を維持させることができる。これと同時に、積分器55の応答性を良くしても、蒸気温度t1またはt2を即時的に下げる必要があるときには、即時調整回路部41において生成された即時調整信号S10に従ってスプレー装置9におけるスプレー水流量を確実に増加させることができる。
また、このようにスプレ−制御装置31によれば、即時調整回路部41によるスプレー水流量の即時調整機能を損なうことなく、コンスタントスプレー回路部51における積分器55の応答性を良くすることができる。したがって、積分器55の応答性を良くし、スプレー水流量がコンスタントスプレー量から外れる時間を短くすることができ、これにより、スプレー水流量がコンスタントスプレー量から外れる時間が長いために貫流ボイラ1において正常な水燃比制御を維持できなることを防止することができる。
なお、スプレ−制御装置31によれば、スプレー水流量の即時調整が実行されている時間は、スプレー装置9におけるスプレー水流量がコンスタントスプレー量から外れる。しかし、スプレー装置9におけるスプレー水流量がコンスタントスプレー量から外れる時間は、ほぼ、スプレー水流量の即時調整が実行されている時間のみである。そして、スプレー水流量の即時調整の実行時間は、演算処理器44(47)により制限することができる。例えば即時調整の実行時間が必ず所定の制限時間内となるように演算処理器44(47)を設計することができる。スプレー水流量がコンスタントスプレー量から外れる時間が、貫流ボイラ1の水燃比制御に悪影響を与えることのない短い時間となるように、スプレー水流量の即時調整の実行時間を制限すれば、スプレー水流量の即時調整のためにスプレー水流量が一時的にコンスタントスプレー量から外れても、正常な水燃比制御を維持することができる。
一方、図1に示す貫流ボイラ1において、スプレー制御装置32は、2次過熱器の上流側6と2次過熱器の下流側7との間に設けられたスプレー装置10を制御する装置である。スプレー装置10は、主として、蒸気温度の急な上昇を抑制すべく、2次過熱器の上流側6から排出された過熱蒸気へスプレー水をスプレーすることにより蒸気温度を下げる装置である。スプレー制御装置32は、このようなスプレー装置10の機能を実現させるべく、スプレー装置10を制御する。
スプレー制御装置32は、スプレ−制御装置31と同様の構成を有し、また、スプレ−制御装置31と同様の作用効果を奏する。スプレー制御装置32とスプレ−制御装置31との相違点は次の通りである。すなわち、スプレー制御装置32においては、熱電対17により測定された、スプレー装置10の減温器22と2次過熱器の下流側7との間の蒸気温度t3の測定値が即時調整回路部41の第1のユニットの減算器43に入力される。また、スプレー制御装置32においては、熱電対18により測定された、2次過熱器の下流側7の蒸気温度t4の測定値が即時調整回路部41の第2のユニットの減算器43に入力される。さらに、スプレー制御装置32においては、バイパス管路12の途中に設けられた流量発信器14から出力された、スプレー装置10におけるスプレー水流量の測定値がコンスタントスプレー回路部51の減算器54に入力される。貫流ボイラ1の水燃比制御およびスプレー制御装置31、32のスプレー水流量の即時調整により、主蒸気温度が所定の設定値(例えば566度)に保たれる。
なお、上記実施形態では、貫流ボイラ1が有する2つのスプレー制御装置31、32に本発明をそれぞれ適用する場合を例にあげたが、1つのスプレー制御装置を有する貫流ボイラの当該1つのスプレー制御装置に本発明を適用した場合でも、スプレー水流量の即時調整とコンスタントスプレーとを両立させるといった上述の作用効果を得ることができる。
また、各スプレー制御装置31、32の即時調整回路部41は、2つの回路ユニットを有しているが、1つの回路ユニットを有する即時調整回路部を備えたスプレー制御装置にも本発明を適用することができる。
また、スプレー装置によりスプレー水をスプレーする位置は、1次過熱器5と2次過熱器の上流側6との間、または2次過熱器の上流側6と下流側7との間に限らず、スプレー水を蒸気にスプレーすることにより蒸気温度の調整を適切に行うことができるのであれば、他の位置でもよい。
また、上記実施形態における各スプレー制御装置31、32では、コンスタントスプレーを制御するためにPI制御を採用しているが、これに代え、他の形式のフィードバック制御を採用することもできる。
また、本発明は貫流ボイラ以外のボイラにも適用することができる。また、上記実施形態では、水を蒸発させ、タービンを回転させるための水蒸気を作り出すボイラを例にあげたが、本発明は、水以外の他の液体を利用するボイラにも適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うスプレー制御装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 貫流ボイラ
5 1次過熱器
6 2次過熱器の上流側
7 2次過熱器の下流側
9、10 スプレー装置
11、12 バイパス管路
15、16、17、18 熱電対
31、32 スプレー制御装置
41 即時調整回路部
42、45 関数発生器
43、46 減算器(第1の減算手段)
44、47 演算処理器(第1の信号生成手段)
48 加算器
51 コンスタントスプレー回路部
52 関数発生器(第2の信号生成手段)
53 加算器(第2の減算手段)
54 減算器(第2の減算手段)
55 積分器(積分手段)
61 加算器(スプレー制御手段)

Claims (1)

  1. ボイラにおいて過熱器から排出された蒸気へ液体をスプレーすることにより蒸気温度の上昇を抑制するスプレー装置を制御するスプレー制御装置であって、
    蒸気温度の基準値と蒸気温度の測定値との偏差を算出し、当該偏差を出力する第1の減算手段と、
    前記第1の減算手段の出力に基づいて演算を行い、蒸気温度を下げるべく前記スプレー装置から前記蒸気へスプレーする液体の量を前記演算で決定された量増加させるように前記スプレー装置を制御するための調整信号を生成する第1の信号生成手段と、
    前記蒸気を生成するためにポンプから前記ボイラへ供給される液体の量のうち一定割合の量を示すコンスタントスプレー信号を生成する第2の信号生成手段と、
    前記第1の信号生成手段により生成された調整信号と前記第2の信号生成手段により生成されたコンスタントスプレー信号とを互いに加算することにより得られる複合信号と、前記スプレー装置から前記蒸気へスプレーされている液体の量の測定値との偏差を算出し、当該偏差を出力する第2の減算手段と、
    前記第2の減算手段の出力を積分し、その結果を出力する積分手段と、
    前記積分手段の出力と前記第1の信号生成手段により生成された調整信号とを互いに加算することにより得られるスプレー制御信号に従って前記スプレー装置から前記蒸気へスプレーする液体の量を調整するスプレー制御手段とを備えていることを特徴とするスプレー制御装置。
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