しかしながら、上記特許文献1による映像表示装置では、複数のレーザ発生部のうちの一部のレーザ発生部のレーザ出力を停止させる一方、残りのレーザ発生部では継続的にレーザ出力が行われるため、継続的にレーザ出力が行われる残りのレーザ発生部において温度が上昇しやすいという不都合がある。このため、温度の上昇に起因して継続的にレーザ出力が行われるレーザ発生部の発光効率(電流に対する光出力)が低下するという問題点がある。
また、上記特許文献2による光走査装置では、可動ミラーにおいて光ビームを正しく走査させていないと判断される異常な状態ではレーザダイオードへの電流の供給が中止される一方、可動ミラーにおいて光ビームを正しく走査させていると判断される正常な状態では、レーザダイオードへの電流の供給が中止されない。このため、正常な状態が継続している間は、常にレーザダイオードから継続的に光ビームが発生されていると考えられる。この場合、レーザダイオードにおいて温度が上昇しやすいという不都合がある。したがって、温度の上昇に起因してレーザダイオードの発光効率が低下するという問題点がある。
また、上記特許文献3による光走査型プロジェクタでは、水平光チョッパにおいて、隣接した画素間を分離するようにレーザ光を遮断する一方、レーザ光源から継続的にレーザ光が発生されているため、レーザ光源において温度が上昇しやすいという不都合がある。このため、温度の上昇に起因してレーザ光源の発光効率が低下するという問題点がある。
また、上記特許文献4による光走査装置では、画像情報に基づいてレーザ光の発光が停止される場合がある一方、画像情報によっては、半導体レーザから継続的にレーザ光が発生される状態が生じる場合があると考えられる。この場合、半導体レーザにおいて温度が上昇しやすいという不都合がある。このため、温度の上昇に起因して半導体レーザの発光効率が低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、温度の上昇に起因してレーザ光発生部の発光効率が低下するのを抑制することが可能なプロジェクタを提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の一の局面によるプロジェクタは、レーザ光を発生するレーザ光発生部と、レーザ光を任意の投影領域に投影する投影部と、投影領域の走査区間をレーザ光の走査方向に複数分割し、分割された各投影領域で、同一方向に走査される区間にレーザ光発生部からレーザ光を発生させるとともに、レーザ光が発生される区間と反対方向に走査される区間にレーザ光発生部からレーザ光を発生させないように制御する制御部とを備え、制御部は、レーザ光が同一方向に走査される区間において、レーザ光を発生させる制御とレーザ光を発生させない制御とについて、隣接する分割された投影領域で切り替わるように構成されている。
この発明の一の局面によるプロジェクタでは、上記のように、制御部がレーザ光の走査区間のうちの予め設定された一部の走査区間においてレーザ光発生部に対する電流の供給を停止することによりレーザ光発生部にレーザ光を発生させないように制御することによって、たとえば、画像情報や、投影部の異常な状態などに基づいてレーザ光の発生および停止を制御する場合と異なり、一部の走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させないように予め設定されているので、レーザ光発生部に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを確実に抑制することができる。また、一部の走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させないように予め設定することにより、レーザ光を発生させない走査区間においてレーザ光発生部はレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。これらにより、レーザ光発生部における温度の上昇を抑制することができるので、温度の上昇に起因してレーザ光発生部の発光効率が低下するのを抑制することができる。
また、一般的に、レーザ光発生部に供給される電流が所定の発光閾値未満である場合には、レーザ光発生部はレーザ光を発光しないため、レーザ光の輝度を下げる場合にも発光閾値以上の電流を流す必要がある。このような状況下において、本発明のプロジェクタでは、プロジェクタがレーザ光を走査区間の全体を走査させながらレーザ光の輝度を下げることによって消費電力を小さくするように構成されている場合と異なり、レーザ光発生部に対する電流の供給を停止することによりレーザ光発生部に発光閾値以上の電流を流し続ける必要がないので、消費電力をより小さくすることができる。
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、制御部は、レーザ光が発生される区間と反対方向に走査される区間に、レーザ光発生部に供給される電流値が閾値未満になるようにして、レーザ光発生部にレーザ光を発生させないように制御するように構成されている。
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、制御部は、レーザ光が発生される区間と反対方向に走査される区間に、レーザ光発生部に供給される電流値がレーザ発光を発生させない発光閾値未満になるように制御するように構成されている。
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、走査区間は、往路と復路とから構成される往復走査区間を含み、制御部は、往復走査区間の往路の分割された複数の投影領域のうちの第1投影領域の走査区間と復路の分割された複数の投影領域のうちの第1投影領域とは異なる第2投影領域の走査区間との両方において、レーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されている。このように構成すれば、往路と復路とを走査可能な投影部を用いるプロジェクタにおいて、レーザ光発生部の発光効率が低下するのを抑制することができる。また、レーザ光発生部において継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、往路の一部の走査区間と復路の一部の走査区間との両方においてレーザ光発生部は熱を外部に放出することができるので、レーザ光発生部における温度の上昇をより抑制することができる。
上記往路の一部の走査区間と復路の一部の走査区間との両方においてレーザ光を発生させないプロジェクタにおいて、好ましくは、往路の第1投影領域の走査区間の長さおよび復路の第2投影領域の走査区間の長さは、それぞれ、往路の長さの略半分および復路の長さの略半分である。このように構成すれば、往路の長さの略半分である往路の一部の走査区間と復路の長さの略半分である復路の一部の走査区間との両方においてレーザ光発生部は熱を外部に放出することができるので、レーザ光発生部における温度の上昇を効果的に抑制することができる。
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、レーザ光発生部と投影部と制御部とを含むプロジェクタ本体をさらに備え、プロジェクタ本体は、ユーザによって携帯される携帯型のプロジェクタ本体からなる。このように構成すれば、たとえば、バッテリー駆動によって携帯型のプロジェクタを駆動させた場合であっても、プロジェクタ本体の消費電力が低減される分、ユーザがプロジェクタを長時間使用することができる。
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、投影部は、投影領域にレーザ光を所定の時間間隔で繰り返し走査させることによって、映像を投影領域に投影するように構成されており、制御部は、第1の走査の際に、レーザ光の走査区間のうちの分割された複数の投影領域のうちの一部の投影領域の走査区間において、レーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されているとともに、第1の走査と同じ走査区間を第1の走査の次に走査する第2の走査の際に、第1の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間において、レーザ光発生部にレーザ光を発生させ、かつ、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間において、レーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されており、制御部は、第1の走査と第2の走査とを繰り返す制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間を、第1の走査と同じ走査区間を第1の走査の次に走査する第2の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。これにより、レーザ光を発生させなかった走査区間が存在することに起因して、投影領域に投影される映像の解像度が低下するのを抑制することができる。また、第1の走査と同じ走査区間を第1の走査の次に走査する第2の走査の際に、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間において、レーザ光発生部に対する電流の供給を停止することにより、レーザ光発生部にレーザ光を発生させないように構成することによって、レーザ光発生部に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。
上記第1の走査と第2の走査とを繰り返すプロジェクタにおいて、好ましくは、投影部は、レーザ光の同じ走査区間を繰り返し走査させることによって映像を投影領域に投影するように構成されており、制御部は、第1の走査としての第1回目の走査の際に、レーザ光の走査区間のうちの分割された複数の投影領域のうちの一部の投影領域の走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されているとともに、第2の走査としての第2回目の走査の際に、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させ、かつ、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されている。このように構成すれば、レーザ光の同じ走査区間を繰り返し走査させるプログレッシブ方式において、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間を、次の第2回目の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。これにより、レーザ光を発生させなかった走査区間が存在することに起因して、投影領域に投影される映像の解像度が低下するのをより確実に抑制することができる。また、第2回目の走査の際に、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させないように構成することによって、レーザ光発生部に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。
上記第1の走査と第2の走査とを繰り返すプロジェクタにおいて、好ましくは、走査区間は、投影領域のうちの所定の領域に対応する第1走査区間と、投影領域のうちの第1走査区間とは異なる領域に対応する第2走査区間とから構成されるとともに、投影部は、第1走査区間と第2走査区間とを1組とする走査が繰り返し行われることによって、映像を投影領域に投影するように構成されており、制御部は、第1走査区間の走査と第2走査区間の走査とを交互に繰り返し行う場合に、第1の走査としての第1回目の走査の際に、レーザ光の第1走査区間のうちの分割された複数の投影領域のうちの一部の投影領域の走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されており、第1の走査としての第2回目の走査の際に、レーザ光の第2走査区間のうちの分割された複数の投影領域のうちの一部の投影領域の走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されているとともに、第2の走査としての第3回目の走査の際に、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させ、かつ、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されており、第2の走査としての第4回目の走査の際に、第2回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させ、かつ、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させない制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1走査区間と第2走査区間とを1組とする走査が繰り返し行われるインターレース方式において、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった第1走査区間の一部の走査区間を、次に第1走査区間が走査される第3回目の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。また、第2回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった第2走査区間の一部の走査区間を、次に第2走査区間が走査される第4回目の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。これにより、レーザ光を発生させなかった走査区間が存在することに起因して、投影領域に投影される映像の解像度が低下するのをより抑制することができる。また、第3回目および第4回目の走査の際に、それぞれ、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光発生部にレーザ光を発生させないように構成することによって、レーザ光発生部に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、レーザ光を発生させなかった走査区間とは異なる走査区間においてレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、制御部は、レーザ光発生部に対して供給される電流の大きさに応じて、レーザ光発生部にレーザ光の発生を停止させる走査区間の数を変更させるとともに、レーザ光の発生が停止された走査区間の長さを変更する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、レーザ光を発生させることに起因するレーザ光発生部における温度の上昇と、レーザ光を発生させないことに起因する投影領域に投影される映像の解像度の低下との両方を適切に抑制した状態で、映像を投影領域に投影することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図8を参照して、第1実施形態による携帯型プロジェクタ1の構成を説明する。なお、携帯型プロジェクタ1は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。この第1実施形態では、プログレッシブ方式の携帯型プロジェクタ1に本発明を適用した例について説明する。
本発明の第1実施形態による携帯型プロジェクタ1は、図1に示すように、赤色、緑色および青色の3色のレーザ光(RGBレーザ光)をXY平面からなる投影領域2に投影するように構成されている。その際、RGBレーザ光が走査されることによって、投影領域2に映像を投影可能なように構成されている。また、携帯型プロジェクタ1は、VGA端子10(図2参照)を介して、パーソナルコンピュータ3と接続されることにより、パーソナルコンピュータ3から入力される映像を投影領域2に投影するように構成されている。また、携帯型プロジェクタ1は、ユーザ4が携帯した状態で使用することが可能なように構成されている。また、携帯型プロジェクタ1は、図示しない電池(バッテリーなど)によって電力を供給するように構成されている。
また、携帯型プロジェクタ1には、図2に示すように、制御部11と、赤色のレーザ光と青色のレーザ光とそれぞれ発生させることが可能な赤色・青色レーザダイオード(赤色・青色LD)12と、緑色のレーザ光を発生させることが可能な緑色レーザダイオード(緑色LD)13と、レーザ制御部14とが設けられている。この制御部11は、パーソナルコンピュータ3から入力された映像を解析して、ある所定の走査位置における画素情報を走査区間30(図5参照)に渡って認識するように構成されている。また、制御部11は、レーザ制御部14を介して、赤色・青色LD12および緑色LD13に電流を供給するように構成されているとともに、赤色・青色LD12および緑色LD13への電流の供給を停止するか否かを判断するように構成されている。また、レーザ制御部14は、制御部11において認識された走査区間30のうちのある所定の走査位置における画素情報に基づいて、赤色・青色LD12および緑色LD13から発せられる赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を所定の階調を有するRGBレーザ光になるように制御するように構成されている。なお、赤色・青色LD12および緑色LD13は、それぞれ、本発明の「レーザ光発生部」の一例である。
また、赤色・青色LD12および緑色LD13は、それぞれ、図3のグラフに示すような一般的なレーザダイオードの性質を有する。つまり、赤色・青色LD12および緑色LD13では、それぞれ、供給される電流が一定値(発光閾値)未満である場合には、自然放出による発光が行われる。一方、赤色・青色LD12および緑色LD13では、それぞれ、供給される電流が一定値(発光閾値)以上である場合には、誘導放出による発光が行われる。この際、赤色・青色LD12および緑色LD13では電流の大きさに伴って、光出力が大きいレーザ光が発せられるように構成されている。また、赤色・青色LD12および緑色LD13は、それぞれ、光出力が大きくなるのに伴って、輝度の大きいレーザ光が発せられるように構成されている。また、第1実施形態においては、制御部11によって、レーザ光が発せられる際には、赤色・青色LD12および緑色LD13には一定値(発光閾値)以上の電流が供給されるように構成されているとともに、レーザ光が発せられない際には、赤色・青色LD12および緑色LD13には電流の供給が停止されるように構成されている。
また、携帯型プロジェクタ1には、図2に示すように、スキャナーミラー15と、制御部11によってそれぞれ駆動が制御される水平方向ミラー駆動部16および垂直方向ミラー駆動部17とが設けられている。このスキャナーミラー15は、図4に示すように、振れ角αを有する振動可能な小型の振動ミラー素子である。また、スキャナーミラー15は、水平方向ミラー駆動部16(図2参照)によって、投影領域2の水平方向(X方向)にRGBレーザ光を反射するように振動させられるように構成されている。この際、スキャナーミラー15は、振れ角αで、かつ、所定の共振周波数で水平方向に振動させられるように構成されている。また、スキャナーミラー15は、垂直方向ミラー駆動部17(図2参照)によって、投影領域2の垂直方向(図1のY方向)にRGBレーザ光を反射するように構成されている。これにより、スキャナーミラー15は、RGBレーザ光を投影領域2のXY平面(図1参照)の走査区間30(図5参照)で走査可能なように構成されている。また、スキャナーミラー15は、X1方向に走査可能であるとともに、X2方向に走査可能なように構成されている。なお、スキャナーミラー15は、本発明の「投影部」の一例である。
また、携帯型プロジェクタ1には、図2に示すように、RGBレーザ光の有する階調を検出する光強度センサ18が設けられている。この光強度センサ18は、レーザ制御部14と接続されており、検出された階調をレーザ制御部14に出力するように構成されている。また、レーザ制御部14は、光強度センサ18から入力された階調を解析して、走査位置における画素情報と比較して正しい階調か否かを判断するとともに、正しい階調でない場合には、正しい階調になるように赤色・青色LD12および緑色LD13の出力(輝度)を制御するように構成されている。また、携帯型プロジェクタ1には、スキャナーミラー15の振れ角を検出する位置検出センサ19と、スキャナーミラー15が一定の振れ角αで振動するように走査の状況を検出して制御部11に出力する位置検出部20とがさらに設けられている。
また、携帯型プロジェクタ1の光学系では、図4に示すように、赤色・青色LD12が発する赤色のレーザ光および青色のレーザ光と緑色LD13が発する緑色のレーザ光とが、略直角に交差するように赤色・青色LD12および緑色LD13が配置されている。また、赤色のレーザ光および青色のレーザ光と緑色のレーザ光とが直角に交差する位置にハーフミラー21が配置されている。また、赤色・青色LD12から発せられる赤色のレーザ光および青色のレーザ光の一部がハーフミラー21において反射される方向で、かつ、緑色LD13から発せられる緑色のレーザ光の一部がハーフミラー21を透過する方向にレンズ22が配置されている。このレンズ22は、赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光の光軸を揃えて所定の階調を有するRGBレーザ光にする機能を有する。また、赤色・青色LD12から発せられる赤色のレーザ光および青色のレーザ光の一部がハーフミラー21を透過する方向で、かつ、緑色LD13から発せられる緑色のレーザ光の一部がハーフミラー21において反射される方向に光強度センサ18が配置されている。
また、レンズ22において光軸が揃えられたRGBレーザ光は、スキャナーミラー15により反射されることによって投影領域2に向けて走査されるように構成されている。また、スキャナーミラー15においてRGBレーザ光が反射された方向には、ハーフミラー23が配置されている。このハーフミラー23は、RGBレーザ光の一部を走査区間30(図5参照)を確認するための走査区間確認部24と、位置検出センサ19とに向かって反射させるように構成されている。また、位置検出センサ19は、走査区間確認部24の端部に位置するように配置されている。この位置検出センサ19は、スキャナーミラー15が振れ角α未満で振動させられることによってRGBレーザ光が走査区間確認部24内のみで走査されて位置検出センサ19にRGBレーザ光が入力されない場合に、スキャナーミラー15がRGBレーザ光を十分に走査させていないという内容の情報を検出して位置検出部20に出力するように構成されている。また、ハーフミラー23は、RGBレーザ光の一部を投影領域2の方向に透過するように構成されている。
また、RGBレーザ光の一部がハーフミラー23を透過する方向にスリット25が配置されている。このスリット25は、ハーフミラー23を透過したRGBレーザ光のうち、X1方向の端部近傍の走査位置(図5参照)に対応するRGBレーザ光およびX2方向の端部近傍の走査位置(図5参照)に対応するRGBレーザ光を投影領域2に投影させないために設けられている。なお、スキャナーミラー15の振れ角がαである際に、RGBレーザ光は、X1方向の端部の走査位置またはX2方向の端部の走査位置に反射されるように構成されている。ここで、X1方向の端部近傍の走査位置またはX2方向の端部近傍の走査位置にRGBレーザ光を反射する際のスキャナーミラー15の角速度は、両端部近傍以外の走査位置にRGBレーザ光を反射する際のスキャナーミラー15の略一定の角速度と比べて小さい。これにより、スリット25を用いてX1方向の端部近傍の走査位置およびX2方向の端部近傍の走査位置を投影領域2に投影させないように構成することによって、角速度の違いに起因する投影領域2の映像の乱れを抑制することが可能である。
また、スリット25は、走査区間確認部24に投影される映像と投影領域2に投影される映像とが略同一になるように構成されている。これにより、走査区間確認部24および位置検出センサ19によって検出される情報を投影領域2への映像の投影に反映させることが可能である。
また、第1実施形態では、図5に示すように、スキャナーミラー15(図4参照)は、RGBレーザ光を投影領域2のXY平面に対応するように、走査区間30で走査させるように構成されている。この走査区間30は、X1側からX2側に向かう往路31aとX2側からX1側に向かう復路31bとから構成される往復走査区間31がY1方向に沿って繰り返しつなげられることによって構成されている。また、スキャナーミラー15は、所定の共振周波数に基づいて振動させられるとともに、RGBレーザ光の走査区間30を繰り返し走査させることによって、1フレームの映像を投影領域2に投影させるように構成されている。すなわち、携帯型プロジェクタ1では、プログレッシブ方式を用いて、スキャナーミラー15によってRGBレーザ光を投影領域2に対応するように走査区間30を走査させるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、走査区間30において、投影領域2の仮想上の中央線Aの位置でレーザ光投影区間40aとレーザ光停止区間40bとが切り替わるように予め設定された内容で制御部11によって制御されるように構成されている。なお、レーザ光停止区間40bは、本発明の「予め設定された一部の走査区間」の一例である。
具体的には、第1回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30において、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ電流が供給されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間40a(実線で示す)になるように構成されている。一方、制御部11によって、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流の供給が停止されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間40b(破線で示す)になるように構成されている。
また、第1回目の走査の際に、制御部11によって、復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流が供給されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間40a(実線で示す)になるように構成されている。一方、制御部11によって、復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流の供給が停止されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間40b(破線で示す)になるように構成されている。なお、第1回目の走査は、本発明の「第1の走査」の一例である。
また、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30の長さ(復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30の長さ)L1は、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30の長さ(復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30の長さ)L2と同じ長さである。また、長さL1とL2とは、それぞれ、往路31aの長さの略半分であるとともに、復路31bの長さの略半分であるように構成されている。
また、第1実施形態では、図6に示すように、第2回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30において、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ電流の供給が停止されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間40bになるように構成されている。一方、制御部11によって、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流が供給されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間40aになるように構成されている。
また、第2回目の走査の際に、制御部11によって、復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流の供給が停止されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間40bになるように構成されている。一方、制御部11によって、復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流が供給されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間40aになるように構成されている。なお、第2回目の走査は、本発明の「第2の走査」の一例である。
また、制御部11によって、第3回目の走査の際には、図5に示す第1回目の走査と同様の走査が行われるとともに、第4回目の走査の際には、図6に示す第2回目の走査と同様の走査が行われるように構成されている。すなわち、制御部11によって、上述の奇数回目の走査と偶数回目の走査とが繰り返されるように構成されている。
また、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)に対して供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続した場合に、走査区間30において、図5および図6に示す中央線Aでレーザ光投影区間40aとレーザ光停止区間40bとが切り替わるように制御部11(図2参照)によって制御されていた状態から、図7および図8に示すように、中央線Aの位置と仮想上の線Bの位置と仮想上の線Cの位置とで、それぞれ、レーザ光投影区間50aとレーザ光停止区間50bとが切り替わるように予め設定された内容で制御部11によって制御されるように構成されている。この仮想上の線Bは、X1側の端部と中央線Aとの略中間に位置するとともに、仮想上の線Cは、中央線AとX2側の端部との略中間に位置する。すなわち、赤色・青色LD12および緑色LD13に対して供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続した場合に、制御部11によって、電流の供給が停止される走査区間30(レーザ光停止区間50b)の数が2倍に増加されるとともに、レーザ光停止区間50bのそれぞれの長さが略半分にされるように構成されている。なお、レーザ光停止区間50bは、本発明の「予め設定された一部の走査区間」の一例である。
具体的には、図7に示すように、第1回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、往路31aのX1側の端部から線Bまでの走査区間30と中央線Aから線Cまでの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、往路31aのX1側の端部から線Bまでの走査区間30と中央線Aから線Cまでの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間50a(実線で示す)になるように構成されている。一方、制御部11によって、往路31aの線Bから中央線Aまでの走査区間30と線CからX2側の端部までの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、往路31aの線Bから中央線Aまでの走査区間30と線CからX2側の端部までの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間50b(点線で示す)になるように構成されている。
また、第1回目の走査の際に、制御部11によって、復路31bのX2側の端部から線Cまでの走査区間30と中央線Aから線Bまでの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、復路31bのX2側の端部から線Cまでの走査区間30と中央線Aから線Bまでの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間50a(実線で示す)になるように構成されている。一方、制御部11によって、復路31bの線Cから中央線Aまでの走査区間30と線BからX1側の端部までの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、復路31bの線Cから中央線Aまでの走査区間30と線BからX1側の端部までの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間50b(点線で示す)になるように構成されている。
また、往路31aのX1側の端部から線Bまでの走査区間30の長さ(復路31bの線BからX1側の端部までの走査区間30の長さ)L3と、往路31aの線Bから中央線Aまでの走査区間30の長さ(復路31bの中央線Aから線Bまでの走査区間30の長さ)L4と、往路31aの中央線Aから線Cまでの走査区間30の長さ(復路31bの線Cから中央線Aまでの走査区間30の長さ)L5と、往路31aの線CからX2側の端部までの走査区間30の長さ(復路31bのX2側の端部から線Cまでの走査区間30の長さ)L6とは、互いに略同一であるように構成されている。
また、図8に示すように、第2回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、往路31aのX1側の端部から線Bまでの走査区間30と中央線Aから線Cまでの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、往路31aのX1側の端部から線Bまでの走査区間30と中央線Aから線Cまでの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間50bになるように構成されている。一方、制御部11によって、往路31aの線Bから中央線Aまでの走査区間30と線CからX2側の端部までの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、往路31aの線Bから中央線Aまでの走査区間30と線CからX2側の端部までの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間50aになるように構成されている。
また、第2回目の走査の際に、制御部11によって、復路31bのX2側の端部から線Cまでの走査区間30と中央線Aから線Bまでの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、復路31bのX2側の端部から線Cまでの走査区間30と中央線Aから線Bまでの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間50bになるように構成されている。一方、制御部11によって、復路31bの線Cから中央線Aまでの走査区間30と線BからX1側の端部までの走査区間30とにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、復路31bの線Cから中央線Aまでの走査区間30と線BからX1側の端部までの走査区間30とは、それぞれ、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間50aになるように構成されている。
また、制御部11によって、第3回目の走査の際には、図7に示す第1回目の走査と同様の走査が行われるとともに、第4回目の走査の際には、図8に示す第2回目の走査と同様の走査が行われるように構成されている。すなわち、制御部11によって、上述の奇数回目の走査と偶数回目の走査とが繰り返されるように構成されている。
第1実施形態では、上記のように、第1回目の走査の際に、制御部11によって、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30と復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30とのレーザ光停止区間40bにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流の供給が停止されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成することによって、レーザ光停止区間40bにおいて赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれレーザ光を発生させないように予め設定されているので、赤色・青色LD12および緑色LD13においてそれぞれ継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを確実に抑制することができる。また、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30と復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30との両方のレーザ光停止区間40bにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13はそれぞれレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができるので、赤色・青色LD12および緑色LD13における温度の上昇をより抑制することができる。これらにより、温度の上昇に起因して赤色・青色LD12および緑色LD13の発光効率(電流に対する光出力)が低下するのをより抑制することができる。また、レーザ光停止区間40bにおいて赤色・青色LD12および緑色LD13に発光閾値以上の電流をそれぞれ流し続ける必要がないので、消費電力をより小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30の長さ(復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30の長さ)L1と、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30の長さ(復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30の長さ)L2とを、それぞれ、往路31aの長さの略半分であるとともに、復路31bの長さの略半分であるように構成することによって、赤色・青色LD12および緑色LD13においてそれぞれ継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができる。また、往路31aの長さの略半分である往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30または往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30のいずれか一方と、復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30または復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30のいずれか一方との両方のレーザ光停止区間40bにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にレーザ光を発させないことによって、赤色・青色LD12および緑色LD13はそれぞれ熱を外部に放出することができるので、赤色・青色LD12および緑色LD13における温度の上昇を効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、携帯型プロジェクタ1をユーザ4によって携帯されることが可能な小型のプロジェクタであるように構成することによって、携帯型プロジェクタ1の消費電力が低減される分、ユーザ4が携帯型プロジェクタ1を長時間使用することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1回目の走査の際に、制御部11によって、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30と復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30とのレーザ光停止区間40b(図5参照)において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流の供給が停止されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないとともに、第2回目の走査の際に、往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30と復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30とのレーザ光投影区間40a(図6参照)において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流が供給されることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成することによって、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30と復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30とを、次の第2回目の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。これにより、レーザ光を発生させなかった往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間30と復路31bの中央線AからX1側の端部までの走査区間30とのレーザ光停止区間40b(図5参照)が存在することに起因して、投影領域2に投影される映像の解像度が低下するのをより確実に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第2回目の走査の際に、制御部11によって、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間30と復路31bのX2側の端部から中央線Aまでの走査区間30とのレーザ光停止区間40bにおいて、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ電流の供給が停止されることにより、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成することによって、赤色・青色LD12および緑色LD13に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、レーザ光停止区間40bにおいてレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、赤色・青色LD12および緑色LD13に対して供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続した場合に、制御部11によって、レーザ光停止区間50bの数が2倍に増加されるとともに、レーザ光停止区間50bのそれぞれの長さが略半分にされるように構成することによって、赤色・青色LD12および緑色LD13に対してそれぞれ供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続することに起因して赤色・青色LD12および緑色LD13における温度が上昇しやすい場合に、赤色・青色LD12および緑色LD13に対する電流の供給を停止する走査区間30(レーザ光停止区間50b)の数を増加させることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13においてそれぞれ継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのをさらに抑制することができる。これにより、赤色・青色LD12および緑色LD13における温度の上昇をさらに抑制することができる。また、レーザ光停止区間50bの長さをそれぞれ略半分にすることによって、赤色・青色LD12および緑色LD13に対する電流の供給を停止する走査区間30(レーザ光停止区間50b)の数を増加させたとしても、レーザ光が投影される走査区間30(レーザ光投影区間50a)の総延長が減少するのを抑制することができるので、投影領域2に投影される映像の解像度が低下するのを抑制することができる。これらの結果、レーザ光を発生させることに起因する赤色・青色LD12および緑色LD13における温度の上昇と、レーザ光を発生させないことに起因する投影領域2に投影される映像の解像度の低下との両方を適切に抑制した状態で、映像を投影領域2に投影することができる。
(第1実施形態の変形例)
次に、図2、図9および図10を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。この第1実施形態の変形例による携帯型プロジェクタ100では、上記第1実施形態と異なり、往路31aと復路31bとにおいてレーザ光投影区間160aとレーザ光停止区間160bとが切り替わるように制御部11によって制御される場合について説明する。
本発明の第1実施形態の変形例による携帯型プロジェクタ100は、図9に示すように、往路31aと復路31bとにおいてレーザ光投影区間160aとレーザ光停止区間160bとが切り替わるように予め設定された内容で制御部11(図2参照)によって制御されるように構成されている。なお、携帯型プロジェクタ100は、本発明の「プロジェクタ」の一例であり、レーザ光停止区間160bは、本発明の「予め設定された一部の走査区間」の一例である。
具体的には、第1(奇数)回目の走査の際に、制御部11によって、往路31aからなる走査区間30において、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、往路31aからなる走査区間30は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間160aになるように構成されている。一方、制御部11によって、復路31bからなる走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、復路31bからなる走査区間30は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間160bになるように構成されている。
また、図10に示すように、第2(偶数)回目の走査の際に、制御部11によって、往路31aからなる走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、往路31aからなる走査区間30は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間160bになるように構成されている。一方、制御部11によって、復路31bからなる走査区間30において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、復路31bからなる走査区間30は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間160aになるように構成されている。なお、第1実施形態の変形例のその他の構成および効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
次に、図2、図11および図12を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態による携帯型プロジェクタ200では、上記第1実施形態と異なり、インターレース方式を用いて、スキャナーミラー15によってRGBレーザ光を投影領域2に対応するように第1走査区間270および第2走査区間280を走査させる場合について説明する。
本発明の第2実施形態による携帯型プロジェクタ200では、図11に示すように、スキャナーミラー15(図2参照)は、RGBレーザ光を投影領域2のXY平面に対応するように、投影領域2のうちの所定の領域に対応する第1走査区間270と、投影領域2のうちの第1走査区間270とは異なる領域に対応する第2走査区間280とで走査させるように構成されている。また、スキャナーミラー15は、第1走査区間270の走査と第2走査区間280の走査との2回の走査を1組とする走査を繰り返し行うとともに、第1走査区間270の走査と第2走査区間280の走査とを交互に行うことによって、映像を投影領域2に投影するように構成されている。なお、携帯型プロジェクタ200は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
また、第1走査区間270は、X1側からX2側に向かう第1往路271aとX2側からX1側に向かう第1復路271bとから構成される第1往復走査区間271がY1方向に沿って繰り返しつなげられることによって構成されている。また、第2走査区間280は、X1側からX2側に向かう第2往路281aとX2側からX1側に向かう第2復路281bとから構成される第2往復走査区間281がY1方向に沿って繰り返しつなげられることによって構成されている。また、第2往路281aおよび第2復路281bは、それぞれ、第1往路271aと第1復路271bとのY方向の間に位置するように構成されている。また、スキャナーミラー15は、所定の共振周波数に基づいて振動させられるとともに、RGBレーザ光を所定の時間間隔で4回走査させることによって、1フレームの映像を投影領域2に投影させるように構成されている。すなわち、携帯型プロジェクタ200では、インターレース方式を用いて、スキャナーミラー15によってRGBレーザ光を投影領域2に対応するように第1走査区間270と第2走査区間280とを走査させるように構成されている。なお、第1往復走査区間271および第2往復走査区間281は、それぞれ、本発明の「往復走査区間」の一例である。また、第1往路271aおよび第2往路281aは、それぞれ、本発明の「往路」の一例であり、第1復路271bおよび第2復路281bは、それぞれ、本発明の「復路」の一例である。
ここで、第2実施形態では、第1走査区間270および第2走査区間280において、中央線Aでレーザ光投影区間240aとレーザ光停止区間240bとが切り替わるように予め設定された内容で制御部11(図2参照)によって制御されるように構成されている。なお、レーザ光停止区間240bは、本発明の「予め設定された一部の走査区間」の一例である。
具体的には、第1回目の走査の際に、制御部11によって、第1往路271aのX1側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第1往路271aのX1側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。一方、制御部11によって、第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。なお、第1回目の走査は、本発明の「第1の走査」の一例である。
また、第1回目の走査の際に、制御部11によって、第1復路271bのX2側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第1復路271bのX2側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。一方、制御部11によって、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。
また、第2実施形態では、図11に示すように、第2回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、第2往路281aのX1側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280において、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第2往路281aのX1側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。一方、制御部11によって、第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。
また、第2回目の走査の際に、制御部11によって、第2復路281bのX2側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第2復路281bのX2側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。一方、制御部11によって、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。なお、第2回目の走査は、本発明の「第1の走査」の一例である。
また、第2実施形態では、図12に示すように、第3回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、第1往路271aのX1側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270において、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第1往路271aのX1側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。一方、制御部11によって、第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。
また、第3回目の走査の際に、制御部11によって、第1復路271bのX2側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第1復路271bのX2側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。一方、制御部11によって、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。なお、第3回目の走査は、本発明の「第2の走査」の一例である。
また、第2実施形態では、図12に示すように、第4回目の走査の際に、制御部11(図2参照)によって、第2往路281aのX1側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280において、赤色・青色LD12(図2参照)および緑色LD13(図2参照)にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第2往路281aのX1側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。一方、制御部11によって、第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。
また、第4回目の走査の際に、制御部11によって、第2復路281bのX2側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成されている。これにより、第2復路281bのX2側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されないことによって、レーザ光停止区間240bになるように構成されている。一方、制御部11によって、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成されている。これにより、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280は、RGBレーザ光が投影されることによって、レーザ光投影区間240aになるように構成されている。なお、第4回目の走査は、本発明の「第2の走査」の一例である。
また、制御部11によって、第5回目の走査の際には、図11に示す第1回目の走査と同様の走査が行われるとともに、第6回目の走査の際には、第2回目の走査と同様の走査が行われるように構成されている。また、制御部11によって、第7回目の走査の際には、図12に示す第3回目の走査と同様の走査が行われるとともに、第8回目の走査の際には、第4回目の走査と同様の走査が行われるように構成されている。すなわち、制御部11によって、上述の第1回目の走査、第2回目の走査、第3回目の走査および第4回目の走査が1組となって繰り返されるように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、第1回目の走査の際に、制御部11によって、第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270と、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270とのレーザ光停止区間240b(図11参照)において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないとともに、第3回目の走査の際に、第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270と、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270とのレーザ光投影区間240a(図12参照)において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成することによって、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270と、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270とを、次に第1走査区間270が走査される第3回目の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。これにより、レーザ光を発生させなかった第1往路271aの中央線AからX2側の端部までの第1走査区間270と、第1復路271bの中央線AからX1側の端部までの第1走査区間270とのレーザ光停止区間240b(図11参照)が存在することに起因して、投影領域2に投影される映像の解像度が低下するのをより抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第3回目の走査の際に、制御部11によって、第1往路271aのX1側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270と、第1復路271bのX2側の端部から中央線Aまでの第1走査区間270とのレーザ光停止区間240bにおいて赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成することによって、赤色・青色LD12および緑色LD13に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、レーザ光停止区間240bにおいてレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第2回目の走査の際に、制御部11によって、第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280と、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280とのレーザ光停止区間240b(図11参照)において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないとともに、第4回目の走査の際に、第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280と、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280とのレーザ光投影区間240a(図12参照)において、赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させるように構成することによって、第2回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280と、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280とを、次に第2走査区間280が走査される第4回目の走査の際にレーザ光を発生させることにより補うことができる。これにより、レーザ光を発生させなかった第2往路281aの中央線AからX2側の端部までの第2走査区間280と、第2復路281bの中央線AからX1側の端部までの第2走査区間280とのレーザ光停止区間240b(図11参照)が存在することに起因して、投影領域2に投影される映像の解像度が低下するのをより抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第4回目の走査の際に、制御部11によって、第2往路281aのX1側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280と、第2復路281bのX2側の端部から中央線Aまでの第2走査区間280とのレーザ光停止区間240bにおいて赤色・青色LD12および緑色LD13にそれぞれ赤色のレーザ光、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を発生させないように構成することによって、赤色・青色LD12および緑色LD13に継続的にレーザ光を発生させる状態が生じるのを抑制することができるとともに、レーザ光停止区間240bにおいてレーザ光を発している際に発生した熱を外部に放出することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、プロジェクタの一例として、携帯型プロジェクタ1(100、200)を示したが、本発明はこれに限らず、据え置き型のプロジェクタなどの他のプロジェクタにも適用可能である。
また、上記第1実施形態では、往路31aと復路31bとから構成される往復走査区間31が複数接続された走査区間30を走査させた例を示すとともに、上記第2実施形態では、第1往路271aと第1復路271bとから構成される第1往復走査区間271が複数接続された第1走査区間270と、第2往路281aと第2復路281bとから構成される第2往復走査区間281が複数接続された第2走査区間280とを走査させた例を示したが、本発明はこれに限らず、走査区間は、往路または復路のいずれか一方向のみを走査することによって構成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、制御部11が、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間30(図5のレーザ光停止区間40b、図7のレーザ光停止区間50bおよび図9のレーザ光停止区間160b)において、次の第2回目の走査の際にレーザ光を発生させた(図6のレーザ光投影区間40a、図8のレーザ光投影区間50aおよび図10のレーザ光投影区間160a)例を示すとともに、上記第2実施形態では、制御部11が、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった第1走査区間270(図11のレーザ光停止区間240b)において、次に第1走査区間270が走査される第3回目の走査の際にレーザ光を発生させる(図12のレーザ光投影区間240a)とともに、第2回目の走査の際にレーザ光を発生させなかった第2走査区間280(図11のレーザ光停止区間240b)において、次に第2走査区間280が走査される第4回目の走査の際にレーザ光を発生させた(図12のレーザ光投影区間240a)例を示したが、本発明はこれに限らず、前回の走査の際にレーザ光を発生させなかった走査区間が次に走査される際においても、レーザ光を発生させないように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、制御部11が、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させた走査区間30(図5のレーザ光投影区間40a、図7のレーザ光投影区間50aおよび図9のレーザ光投影区間160a)において、次の第2回目の走査の際にレーザ光を発生させない(図6のレーザ光停止区間40b、図8のレーザ光停止区間50bおよび図10のレーザ光停止区間160b)例を示すとともに、上記第2実施形態では、制御部11が、第1回目の走査の際にレーザ光を発生させた第1走査区間270(図11のレーザ光投影区間240a)において、次に第1走査区間270が走査される第3回目の走査の際にレーザ光を発生させない(図12のレーザ光停止区間240b)とともに、第2回目の走査の際にレーザ光を発生させた第2走査区間280(図11のレーザ光投影区間240a)において、次に第2走査区間280が走査される第4回目の走査の際にレーザ光を発生させない(図12のレーザ光停止区間240b)例を示したが、本発明はこれに限らず、前回の走査の際にレーザ光を発生させた走査区間において次に走査される際においても、レーザ光を発生させるように構成してもよい。すなわち、一部の走査区間においてレーザ光が重なるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部11が走査区間30において中央線Aでレーザ光投影区間40a(240a)とレーザ光停止区間40b(240b)とを切り替えた例を示すとともに、上記第1実施形態では、制御部11が走査区間30において線B、中央線Aおよび線Cで、それぞれ、レーザ光投影区間50aとレーザ光停止区間50bとを切り替えた例を示したが、本発明はこれに限らず、制御部は、線B、中央線Aおよび線C以外の走査位置でレーザ光投影区間とレーザ光停止区間とを切り替えるように構成してもよい。たとえば、走査区間において仮想上の2本の線でレーザ光投影区間とレーザ光停止区間とを切り替えるように構成してもよい。また、制御部は、走査区間においてレーザ光投影区間とレーザ光停止区間とが同一の間隔になるように切り替えなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、赤色・青色LD12および緑色LD13に対して供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続した場合に、中央線Aでレーザ光投影区間40aとレーザ光停止区間40bとが切り替わるように制御部11によって制御されていた状態から、線B、中央線Aおよび線Cで、それぞれ、レーザ光投影区間50aとレーザ光停止区間50bとが切り替わるように制御部11によって制御されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、供給される電流の電流値および電流が供給される時間以外の条件に基づいて、レーザ光投影区間とレーザ光停止区間とを切り替えてもよい。また、レーザ光発生部に対して供給される電流が所定の電流値よりも大きければ、電流が供給される時間の長さにかかわらず、レーザ光投影区間とレーザ光停止区間とが切り替わるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、赤色・青色LD12および緑色LD13に対して供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続した場合に、中央線Aでレーザ光投影区間40aとレーザ光停止区間40bとが切り替わるように制御部11によって制御されていた状態から、線B、中央線Aおよび線Cで、それぞれ、レーザ光投影区間50aとレーザ光停止区間50bとが切り替わるように制御部11によって制御されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、レーザ光発生部に対して供給される電流の大きさに応じて、レーザ光停止区間の数を変更させるとともに、レーザ光停止区間の長さを変更するように構成されていれば、供給される電流が所定の電流値より大きい状態が所定の期間継続した場合に、中央線Aで切り替えていた状態から、線B、中央線Aおよび線C以外の走査位置でレーザ光投影区間とレーザ光停止区間とを切り替えるように構成してもよい。この際、2箇所の走査位置または4箇所以上の走査位置でレーザ光投影区間とレーザ光停止区間とを切り替えるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、往路31aのX1側の端部から中央線Aまでの走査区間の長さL1と往路31aの中央線AからX2側の端部までの走査区間の長さL2とが、略同一であり、それぞれ、往路31aの長さの略半分であるとともに、復路31bの長さの略半分である例を示したが、本発明はこれに限らず、長さL1と長さL2とは、略同一でなくてもよいし、それぞれ、往路の長さの略半分または復路の長さの略半分でなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、往路31aのX1側の端部から線Bまでの走査区間の長さL3と、往路31aの線Bから中央線Aまでの走査区間の長さL4と、往路31aの中央線Aから線Cまでの走査区間の長さL5と、往路31aの線CからX2側の端部までの走査区間の長さL6とが、互いに略同一であるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、長さL3、L4、L5およびL6は、互いに略同一でなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、投影部として振れ角αを有する振動可能な小型の振動ミラー素子であるスキャナーミラー15を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、投影部は振動ミラー素子に限られず、レーザ光を走査可能なものであればよい。
また、上記第1および第2実施形態では、レーザ光発生部として赤色・青色LD12および緑色LD13を用いることによって、RGBレーザ光を投影領域2に投影した例を示したが、本発明はこれに限らず、レーザ光発生部を、1つのLDからRGBレーザ光を発生させるように構成してもよい。また、レーザ光発生部を、単色のレーザ光のみを発生させるように構成してもよいし、2色または4色以上のレーザ光を発生させるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、レーザ光発生部として1つのLDから赤色のレーザ光および青色のレーザ光の2色のレーザ光を発生させることが可能な赤色・青色LD12を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、赤色のレーザ光を発生させる赤色LDと、青色のレーザ光を発生させる青色LDとを、別々に設けてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、携帯型プロジェクタ1(100、200)がVGA端子10を介してパーソナルコンピュータ3から入力される映像を投影領域2に投影するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、投影領域に投影される映像は、端子を介して入力されるものに限定されない。たとえば、携帯型プロジェクタは、PCに組み込まれるとともに、PCからの映像を投影領域に投影するように構成してもよい。また、投影領域に投影される映像は、PCから入力されるものに限定されない。たとえば、携帯型プロジェクタは、カードスロットを介して、メモリーカードに記憶された映像を投影領域に投影するように構成してもよい。