(第一実施形態)
以下、第一実施形態を図1〜図14に従って説明する。
図1に示すように、所定の規格(例えば、IEEE1394.b規格)で動作するネットワークは、互いに通信可能に接続された複数(図1において5台)の機器を含む。各機器は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、パソコン)1、記憶装置2、レコーダ3、表示装置4、撮像装置5である。記憶装置2は、例えばハードディスク装置である。レコーダ3は、例えばハードディスク装置(HDD)と光ディスク装置(DVD装置)を有し、映像等を記録するレコーダである。表示装置4は、例えばTV、ディスプレイである。撮像装置5は、例えばデジタルビデオカメラである。
このネットワークは、例えば、パソコン1と記憶装置2、パソコン1とレコーダ3との間で、画像データや音声データ等のデータ転送が可能である。また、撮像装置5とレコーダ3との間でデータの転送が可能であり、レコーダ3に記憶された画像データを表示装置4に転送して再生可能である。また、撮像装置5に記録された画像データを、レコーダ3を介して表示装置4に転送して再生可能である。
例えば、パソコン1及び記憶装置2はそれぞれ、図2に示す通信装置10及び通信装置20を有する。同様に、レコーダ3,表示装置4,撮像装置5は、他の機器と通信するための通信装置を有する。なお、図2は、パソコン1の通信装置10と、記憶装置2の装置20の間の通信を概略的に示すものである。通信装置10,20は、例えば半導体装置として提供される。通信装置10,20は、データを送信する送信機能と、データを受信する受信機能とを有している。ここでは、通信装置をノードとして説明する。
第1のノード10は、物理ロジック部11、送信器12、送信終端部13、受信終端部14、受信器15を有している。
第1のノード10の物理ロジック部11は、図1に示すパソコン1から記憶装置2に送信する送信データに基づく送信信号TS1を送信器12に供給する。送信器12は、送信信号TS1に基づく信号TX1を出力する。信号TX1は、送信終端部13と伝送路30を介して第2のノード20に供給される。受信器15は、受信終端部14を介して受信した信号RX1に基づく受信信号RS1を物理ロジック部11に供給する。物理ロジック部11は、受信器15から出力される受信信号RS1を受け取り、その受信信号RS1を符号化した受信データを生成する。図1に示す記憶装置2は、受信データを記憶する。
同様に、第2のノード20は、物理ロジック部21、送信器22、送信終端部23、受信終端部24、受信器25を有している。
第2のノード20の物理ロジック部21は、図1に示す記憶装置2からパソコン1に送信する送信データに基づく送信信号TS2を送信器22に供給する。送信器22は、送信信号TS2に基づく信号TX2を出力する。信号TX2は、送信終端部23と伝送路30を介して第2のノード20に供給される。受信器25は、受信終端部24を介して受信した信号RX2に基づく受信信号RS2を物理ロジック部21に供給する。物理ロジック部21は、受信器25から出力される受信信号RS2を受け取り、その受信信号RS2を符号化した受信データを生成する。図1に示すパソコン1は、受信データを処理する。
両ノード10,20に含まれる物理ロジック部11,21は、両ノード10,20間で通信される信号に基づいて、それぞれのノード10,20に含まれる送信器12,22と受信器15,25を調整する機能を有している。物理ロジック部11,21は調整回路の一例である。
第1のノード10と第2のノード20との間で行われる通信は、互いの送受信を同時に許容する全二重通信である。よって、第1のノード10と第2のノード20は、2つのパスを介して相互通信を行う。第1のパスは、第1のノード10の送信器12から第2のノード20の受信器25へ信号を伝達する。第2のパスは、第2のノード20の送信器22から第1のノード10の受信器15へ信号を伝達する。
例えば、互いに同じ条件を設定した2組の第1のノード10及び第2のノード20を、互いに長さが異なる2つの伝送路30によりそれぞれ接続する。この場合、1つの伝送路30により第2のノード20が受け取る受信信号RX1のレベルは、その伝送路30より長い他の伝送路30により第2のノード20が受け取る受信信号RX1のレベルよりも高い。従って、1つの伝送路30に接続された第2のノード20において、第1のノード10の受信器15が受信可能な範囲で、送信器22から送信する送信信号TX2の振幅を低くすることが可能である。同様に、第2のノード20の受信器25が受信可能な範囲で、第1のノード10の送信器12から送信する送信信号TX1の振幅を低くすることが可能である。送信信号TX1,TX2の振幅を低くすることは、それぞれの送信器12,22において消費する電力を低減する。
また、送信器12,22と受信器15,25は、規格のワースト条件においても安定した通信を可能とする回路を含む。従って、受信環境が良い場合、安定な通信のための回路を停止することが可能である。このような回路の停止は、それぞれの送信器12,22において消費する電力を低減する。
第2のノード20の受信器25が受け取る受信信号の状態(レベル、波形、等)は、第1のノード10の送信器12から送信される送信信号の状態、つまり送信器22の送信条件と伝送路30の状態に対応する。従って、第1のノード10の物理ロジック部11は、第1のパスにより伝達される信号に基づいて、送信器12を調整する。第2のノード20の物理ロジック部21は、第1のパスにより伝達される信号に基づいて、受信器25を調整する。
同様に、第1のノード10の受信器15が受け取る受信信号RX1の状態(レベル、波形、等)は、第2のノード20の送信器22から送信される送信信号TX2の状態、つまり送信器22の送信条件と伝送路30の状態に対応する。従って、第1のノード10の物理ロジック部11は、第2のパスにより伝達される信号に基づいて、受信器15を調整する。第2のノード20の物理ロジック部21は、第2のパスにより伝達される信号に基づいて、送信器22を調整する。
各物理ロジック部11,21は、互いのノード10,20を認識してからデータ通信を行うまでの間において、送信器12,22と受信器15,25を調整する。
図4は、各ノード10,20の認識からデータ通信までのステートの遷移の一例を示す。
第1のステートST1は、トーン検出状態である。各ノード10,20は、例えば電源投入により、第1のステートST1となる。この第1のステートST1において、各ノード10,20は、トーン信号を送出する。各ノード10,20は、トーン信号を検出すると、応答のための信号を送信する。第1のノード10は、第2のノード20が送信する応答のための信号を検出すると、第1のステートST1から第2のステートST2に遷移する。同様に、第1のノード10が送信する応答のための信号を検出した第2のノード20は、第1のステートST1から第2のステートST2に遷移する。
第2のステートST2は、通信速度設定(スピード・ネゴシエーション)を行うステートである。各ノード10,20は、接続が確認されたノードと、互いに通信速度の設定を行う。両ノード10,20は、互いの通信速度に応じた情報(スピードコード)を含む送信信号をそれぞれ送信し、互いの通信速度を一致させる。
第3のステートST3は、信号計測と順序決定を行うステートである。各ノード10,20は、互いに、調整のための信号を送受信する。各ノード10,20は、調整のための信号を測定し、測定結果を互いに相手のノード10,20に送信する。各ノード10,20は、それぞれ通信相手の測定結果を受信する。そして、各ノード10,20は、互いの測定結果に基づいて、送信器及び受信器の調整を行う順序を決定する。
第4のステートST4は、最適化を行うステートである。各ノード10,20は、自ノードの測定結果と通信相手のノードの測定結果に基づいて、送信器及び受信器をそれぞれ調整する。
第5のステートST5は、同期化を行うステートであり、同期信号に基づいて、受信回路が受信信号に対して同期化を行う。同期が確立されると、各ノード10,20は、第2のステートST2において設定した通信速度で、接続が確立された相手のノードと互いに通信する。
次に、両ノード10,20間で送受信される各種の信号を説明する。
図8(a)に示すように、トーン信号TNは、所定時間D1毎に繰り返し送信される。トーン信号TNの送信間隔(時間D1)は、規格により設定された時間であり、例えば、42.67msである。トーン信号TNは、規格に対応する周波数(例えば、48MHz〜64MHz)のパルスが、時間D2(例えば、666.67μs)の間、継続する信号である。
図2に示す伝送路30により互いに接続された第1のノード10及び第2のノード20は、互いに相手のノードから送信されるトーン信号TNを検出し、応答のための信号を送信する。この応答のための信号は、図8(a)に破線で示すように、トーン信号TNの開始から所定時間D3(例えば、2.67ms)経過後に受取通知信号(アクノリッジ信号)ACKである。この受取通知信号ACKは、トーン信号TNと同様のパルス信号である。第1のノード10及び第2のノード20は、互いに受取通知信号ACKを検出すると、通信相手のノードが接続されていると判定し、図4に示すように、第1のステートST1から第2のステートST2にそれぞれ遷移する。
図8(b)は、第2のステートST2において通信速度を設定するために送信される速度コード(スピードコードTSC)を示す。各ノード10,20は、トーン信号TNを送出した後、そのトーン信号TNの送信開始から所定の期間D4(例えば、21.33ms)の間に、スピードコードTSCを送出する。スピードコードTSCは、所定数(例えば6ビット)の信号である。なお、アクノリッジ信号ACKを送出するタイミングが予約されている。各ノード10,20は、アクノリッジ信号ACKの送信開始から時間D3経過後から、同じ時間D3毎に、スピードコードTSCの各ビットを送信する。
スピードコードTSCの各ビットは、トーン信号TNと同様に、期間D2継続して出力されるパルス信号の有無によって示される。例えば、値が「1」のビットは、時間D2の間、継続して出力されるパルス信号である。値が「0」のビットは、時間D2の間、所定レベル(例えば、グランドレベル)の信号である。従って、受信側の回路(例えば、第2のノード20の物理ロジック部24)は、所定のタイミングでパルス信号を検出した場合に対応するビットの値を「1」とし、パルス信号を検出しない場合に値を「0」とする。
各ノード10,20は、自ノードが動作可能な動作モードのうち、最大の通信速度に対応するスピードコードTSCを互いに送信する。例えば、S400,S800,S1600,S3200の動作モードに対応可能なノードは、S3200のモードに応じた「011XX0」のビット列のスピードコードTSCを送出する。なお、「XX」は、「FOP Capable 」と「PIL Capable 」に対応するビットである。
スピードコードTSCを受け取ったノードは、トーン信号TNとアクノリッジ信号ACKを送出した後、自ノードが対応可能な動作モードに対応するスピードコードTSCを送出する。両ノード10,20は、互いの通信速度に応じた情報(スピードコードTSC)を含む送信信号をそれぞれ送信する。そして、両ノード10,20は、互いの最大通信速度を交換し、遅い方の通信速度に対応する動作モードに設定する。
例えば、第1のノード10は、S400,S800,S1600,S3200の動作モードのうちの何れかで動作可能である。第2のノード20は、S400,S800,S1600の動作モードのうちの何れかで動作可能である。第1のノード10は、S3200の動作モードに対応するスピードコードTSCを送信し、第2のノード20は、S1600の動作モードに対応するスピードコードTSCを送信する。
S1600の動作モードに対応するスピードコードTSCを受け取った第1のノード10は、その動作モードに対応可能である、従って第1のノード10は、トーン信号TNの送出後、アクノリッジ信号ACKと、そのS1600の動作モードに対応するスピードコードTSCを送出する。そして、第1のノード10は、動作モードをS1600に設定する。
S3200の動作モードに対応するスピードコードTSCを受け取った第2のノード20は、その動作モードに対応不可能である。従って、第2のノード20は、トーン信号TNの送出後、アクノリッジ信号ACKと、自身の最高速度に対応するS1600の動作モードに対応するスピードコードTSCを送出する。そして、第2のノード20は、動作モードをS1600に設定する。
図8(c)は、パスの状態に応じた信号レベルの変化を測定するために用いられる計測用信号MCを示す。計測用信号MCは、所定数(例えば4ビット)の信号である。なお、信号レベルの計測は、計測用信号MCのうち、最初の3ビットB1〜B3は、計測期間を示す。計測用信号MCの最後のビットB4は、計測結果を比較する比較器間を示す。
各ノード10,20は、スピードコードTSCと同様に、トーン信号TNの送出後、所定のタイミングで、計測用信号MCを送信する。なお、トーン信号TNの送信開始から所定のタイミング(時間D3経過後)で、アクノリッジ信号ACKを送出するタイミングが予約されている。各ノード10,20は、予約されたアクノリッジ信号ACKの送信タイミングから時間D3経過後に、計測用信号MCの最初のビットB1を送信する。そして、各ノード10,20は、各ビットB1〜B4を、同じ時間D3毎に送信する。
図8(d)は、計測用信号MCにより信号レベルの変化を計測した結果を通知するために用いられる通知信号RCを示す。通知信号RCは、例えば計測用信号MCと同様に、所定数(4ビット)の信号である。計測結果は、通知信号RCの最初の3ビットB1〜B3である。通知信号RCの最後のビットB4は、計測結果を取り込む期間を示す信号である。
計測用信号MCは、所定期間、「1」と「0」が交互に繰り返されるパルス信号(1Tパターン)である。計測用信号MCが出力される期間は、例えば、トーン信号TNが出力される期間D2と等しい。計測用信号MCの周波数は、トーン信号TNと弁別可能な値に設定されている。例えば、計測用信号MCの周波数は、ノード10,20間で行われるデータの通信速度に対応することが好ましい。各ノード10,20は、通信速度設定(スピード・ネゴシエーション)において、対応可能な動作モードを互いに送信し、両ノード10,20に共通な最大速度の動作モードを設定する。従って、各ノード10,20は、設定した動作モードに対応する周波数の計測用信号MCを送信する。
例えば、両ノード10,20の動作モードをS3200とする。両ノード10,20は、S3200の動作モードにてデータを通信する。IDB1394規格は、動作モードに対応する最大転送速度を、500Mbps(S400),1Gbps(S800),2Gbps(S1600),3.2Gbps(S3200)(bps:bit per second)と既定する。この場合、各ノード10,20は、計測用信号MCの周波数を、例えば2GHzとする。パルス信号の通信は、1周期でデータ「1」とデータ「0」を送信することと等価である。従って、2GHzのパルス信号は、4Gbpsのデータ通信速度に対応する。
通知信号RCは、計測用信号MCと同様に、トーン信号TNの送出後、所定のタイミングで送信される。なお、トーン信号TNの送信開始から所定のタイミング(時間D3経過後)で、アクノリッジ信号ACKを送出するタイミングが予約されている。各ノード10,20は、アクノリッジ信号ACKの送信開始から時間D3経過後から、同じ時間D3毎に、計測用信号MCの各ビットを送信する。
通知信号RCは、計測用信号MCと同様に、所定期間、継続的に出力されるパルス信号である。通知信号RCが出力される期間は、例えば、トーン信号TNが出力される期間D2と等しい。通知信号RCの周波数は、例えば、計測用信号MCの周波数と等しく設定される。
次に、送信器12と受信器15の概略を図3に従って説明する。なお、図3において、図2に示す送信終端部13及び受信終端部14を省略している。
送信器12は、受信信号RX1に基づく受信信号RS1を出力する。送信器12は、伝送路での損失に起因する信号間干渉を補償するデ・エンファシス(de-emphasis )12aを有している。デ・エンファシス12aは、物理ロジック部11から供給される制御信号CD1に応答してオン・オフする。オンしたデ・エンファシス12aは、送信側の信号を強調する。例えば、デ・エンファシス12aは、矩形状の信号の立ち上がり部分及び立ち下がり部分の少なくとも一方をオーバーシュートした波形に整形する。デ・エンファシス12aは、波形整形回路の一例である。なお、デ・エンファシスは、プリエンファシス、ポストエンファシスと呼ばれることがある。
オン状態のデ・エンファシス12aは、第1のノード10と第2のノード20との間の通信状態を改善する。例えば、デ・エンファシス12aが波形を整形することは、伝送路30のロスで失われるデータ波形の高周波成分を強調する。伝送路30における大きな高周波ロスは、受信端におけるデータ波形を劣化させ、安定したデータの送受信を阻害する。従って、デ・エンファシス12aは、データ波形の劣化を低減し、安定したデータの送受信を可能とする。なお、ロスが小さな伝送路の場合、データ波形の劣化が小さく、デ・エンファシス12aが動作していなくても、安定したデータの送受信が可能である。
そして、デ・エンファシス12aのオン・オフは、送信器12における消費電力を変更する。デ・エンファシス12aがオン状態であるとき、送信器12における消費電力は、デ・エンファシス12aがオフ状態であるときの送信器12の消費電力よりも大きい。従って、デ・エンファシス12aをオフすることは、送信器12の消費電力を低減する。
送信器12は、デ・エンファシス12aの出力信号に基づく送信信号TX1を送信する。さらに、送信器12は、振幅制御信号CA1に応じた振幅の送信信号TX1を送信する。なお、振幅を調整する信号は、送信器12の入力端子から出力端子までの間の信号であればよく、例えばデ・エンファシス12aに供給する信号としてもよい。
受信器15の受信回路41は、2つのノード間の伝送損失を補償するイコライザ(equalizer )41aを有している。イコライザ41aは、物理ロジック部11から供給されるイコライザ制御信号CE1に応答してオン・オフする。オンしたイコライザ41aは、受信器15が受信した信号RX1のうち、所定の帯域の信号を増幅する。イコライザ41aは、増幅回路の一例である。受信器15は、イコライザ41aにより増幅された信号に応じた受信信号RS1を出力する。オフしたイコライザ41aは、上記の増幅を行わない。従って、受信器15は、受信した信号RX1の振幅と等しい振幅の受信信号RS1を出力する。イコライザ41aが処理する帯域と増幅のゲインは、例えば受信信号の周波数に応じて設定されている。
オン状態のイコライザ41aは、第1のノード10と第2のノード20との間の通信状態を改善する。例えば、イコライザ41aが所定帯域の信号を増幅することは、伝送路30のロスで失われたデータ波形の高周波成分を補償する。伝送路30における大きな高周波ロスは、受信端におけるデータ波形を劣化させ、安定したデータの送受信を阻害する。従って、イコライザ41aは、データ波形の劣化を低減し、安定したデータの送受信を可能とする。なお、ロスが小さな伝送路の場合、データ波形の劣化が小さく、イコライザ41aが動作していなくても、安定したデータの送受信が可能である。
そして、イコライザ41aのオン・オフは、受信器15における消費電力を変更する。イコライザ41aがオン状態であるとき、受信器15における消費電力は、イコライザ41aがオフ状態であるときの受信器15の消費電力よりも大きい。従って、イコライザ41aをオフすることは、受信器15の消費電力を低減する。
また、受信回路41は、受信信号RX1と既定値とに応じた検出信号SGDを出力する。規定値は、受信信号RX1のレベルに対するしきい値である。即ち、受信回路41は、受信信号RX1のレベルと所定のしきい値とを比較する。そして、受信回路41は、受信信号RX1のレベルがしきい値以上のときにHレベルの検出信号SGDを出力する。また、受信回路41は、受信信号RX1のレベルがしきい値より小さいときにLレベルの検出信号SGDを出力する。従って、Lレベルの検出信号SGDは、図5に示すように、受信信号RX1の受信なしを示す。
なお、受信回路41は、受信信号RX1のレベルがしきい値より小さくなってから所定時間経過するまでの間、Hレベルの検出信号SGDを出力する。所定時間は、例えば100μS(マイクロ秒)である。従って、受信信号RX1がパルス信号であってLレベルのパルス幅が所定時間より短い場合、受信回路41は、受信信号RX1を受信している間、Hレベルの検出信号SGDを継続して出力する。
例えば、トーン信号TNは、50MHzの周波数のトーン信号TNの周期は0.02μSである。また、計測用信号MCの周波数を2GHzとすると、その計測用信号MCの周期は0.5ns(ナノ秒)である。従って、受信回路41は、トーン信号TNのように、連続的なパルス信号に対応して、図13に示すように、検出信号SGDとして1つのパルスを出力する。即ち、検出信号SGDのレベルは、受信信号RX1において、トーン信号TN等の必要な信号の有無を示す。
物理ロジック部11は、図13に示すように、検出信号SGDに基づいて、トーン信号TN等の有無を判定し、その判定結果に応じて生成したモード信号MDを受信器15に出力する。受信器15は、モード信号MDに応答して動作する。
モード信号MDは、例えば2ビットの信号である。図6は、モード信号MDと、そのモード信号MDに応答する受信器15の動作を示す。なお、以下の説明において、モード信号MDにビットの組み合わせを付加して示す。
図3に示す物理ロジック部11は、モード信号MD[00]を出力する。受信器15は、モード信号MD[00]に応答して通常動作を行う。通常動作は、振幅の計測に係わる動作を含まないものである。
上記したように、物理ロジック部11は、通信速度設定(スピード・ネゴシエーション)を完了すると、図4に示す第2のステートST2から第3のステートST3に遷移する。その第3のステートST3において、トーン信号TNを検出すると、モード信号MD[01]を出力する。受信器15は、このモード信号MD[01]に応答して、振幅計測・比較動作を行う。受信器15は、振幅計測・比較動作において、トーン信号TNの振幅と、計測用信号MCの振幅を測定し、両信号TN,MCの振幅値を比較して判定信号CO1を生成する。そして、受信器15は、生成した判定信号CO1を出力する。
物理ロジック部11は、判定信号CO1を受け取り、所定のタイミングでモード信号MD[10]を出力する。例えば、図13に示すように、トーン信号TNの検出に応答してモード信号MD[10]を出力する。受信器15は、モード信号MD[10]に応答して、計測結果の受信動作を行う。受信器15は、受信信号RS1に含まれる通知信号RCを検出し、その通知信号RCに応じた判定信号CO2を生成する。そして、受信器15は、生成した判定信号CO2を出力する。物理ロジック部11は、判定信号CO2を受け取り、所定のタイミング(例えば、トーン信号TNの検出)でモード信号MD[00]を出力する。
受信器15は、トーン信号検出器(TN/TSC検出器と表記)42、計測用信号検出器43、振幅測定器44、振幅値判定器45を含む。
トーン信号検出器42は、モード信号MD[01]に基づいて、トーン信号TNを検出する。また、トーン信号検出器42は、モード信号MD[10]に基づいて、トーン信号TN及びアクノリッジ信号ACKを検出する。トーン信号検出器42は、受信信号RX1に含まれる所定の周波数のパルス信号を検出する。トーン信号検出器42に設定される周波数の帯域は、トーン信号TNの周波数に対応する。このような周波数帯域は、例えば、ロウパスフィルタやバンドパスフィルタにより設定される。従って、トーン信号検出器42は、受信信号RX1に含まれるトーン信号TN、アクノリッジ信号ACK、スピードコードTSCに応答してHレベルの検出信号RTを出力する。Hレベルの検出信号RTは、図5に示すように、トーン信号(TN)受信中であることを示す。つまり、トーン信号検出器42は、図13に示すように、モード信号MD[01]のとき、トーン信号TNが送出される期間(図8(a)に示す期間D2)、Hレベルの検出信号RTを出力する。また、トーン信号検出器42は、図14に示すように、モード信号MD[10]のとき、トーン信号TNの開始からアクノリッジ信号ACKの終了までの間、Hレベルの検出信号RTを出力する。
計測用信号検出器43は、検出信号RTと検出信号SGDに基づいて、計測用信号MCと通知信号RCに対応する検出信号RMと比較信号ENを生成する。計測用信号検出器43は、Hレベルの検出信号RTに応答してLレベルの検出信号RMとLレベルの比較信号ENを出力する。また、計測用信号検出器43は、Lレベルの検出信号RTに応答して、計測用信号MCに対応する検出信号SGDに基づいて、検出信号RMと比較信号ENを出力する。詳しくは、図13,図14に示すように、計測用信号検出器43は、計測用信号MCに対応する検出信号SGD(4つのパルス信号)のうち、先頭のパルス信号から最後のパルス信号までの間、Hレベルの検出信号RMを出力する。また、計測用信号検出器43は、計測用信号MCに対応する4つのパルス信号のうち、最後のパルス信号と等しい比較信号ENを出力する。例えば、計測用信号検出器43は検出信号SGDのパルス数をカウントするかカウンタを含み、検出信号RTがHレベルからLレベルへと変化した後、カウント値に従って、検出信号RMと比較信号ENを出力する。
振幅測定器44は、モード信号MD[01]に応答して測定動作を行う。この測定動作において、振幅測定器44は、Hレベルの検出信号SGDに応答して受信信号RS1の振幅を測定する。そして、振幅測定器44は、図13に示すように、検出信号RMがLレベルである期間の測定値と等しい振幅値ATを出力する。また、振幅測定器44は、図13に示すように、検出信号RMがHレベルである期間の測定値と等しい振幅値AMを出力する。検出信号RMがLレベルであり、且つ検出信号SGDがHレベルであるとき、受信信号RS1は、計測用信号MC以外の信号のときである。測定期間において、計測用信号MC以外の信号は、トーン信号TNである。従って、振幅測定器44は、トーン信号TNの振幅を測定して振幅値ATを出力する。検出信号RMがHレベルであり、且つ検出信号SGDがHレベルであるとき、受信信号RS1は、計測用信号MCである。従って、振幅測定器44は、計測用信号MCの振幅を測定して振幅値AMを出力する。Hレベルの検出信号RMは、図5に示すように、計測用信号群受信中であることを示す。なお、計測用信号群は、計測用信号MCの3つのビットB1〜B3(図8(c)参照)を示す。
振幅測定器44は、モード信号MD[10]に応答して受信動作を行う。この受信動作において、振幅測定器44は、計測用信号検出器43から出力される検出信号RMと等しいレベルの信号ATを出力する。
振幅値判定器45は、図13に示すように、モード信号MD[01]のとき、Hレベルの比較信号ENに応答して振幅値ATと振幅値AMを比較してレベル変動に応じた判定信号CO1を生成する。つまり、Hレベルの比較信号ENは、図5に示すように、測定結果(AT,AM)を比較中であることを示す。振幅値判定器45は、トーン信号TNの振幅値ATに対する計測用信号MCの振幅値AMの差分値AWを算出する。例えば、振幅値判定器45は、次式のように、差分値AWを対数にて算出する。
AW=20×log10(AM÷AT) ・・・(1)
そして、振幅値判定器45は、差分値AWと判定しきい値Dthと比較し、比較結果に応じた判定信号CO1を生成する。判定しきい値Dthは、例えば「3dB」に設定されている。振幅値判定器45は、差分値(振幅差)AWの正負、差分値AW(絶対値)と判定しきい値Dthの比較結果に応じて、判定信号CO1を生成する。
判定信号CO1は、例えば3ビットの信号である。図7に示すように、振幅値判定器45は、測定結果に応じた判定信号CO1を生成する。[0xx]の判定信号CO1は、測定不能を示す。測定不能は、計測用信号MCの振幅値が無いとき、または測定できないほど低い場合である。なお、[x]は、[0]と[1]の何れでもよいことを示す。[100]の判定信号CO1は、差分値AWがしきい値−Dth以下のとき(AW≦−Dth)を示す。[101]の判定信号CO1は、差分値AWがしきい値−Dthより大きく、「0」未満のとき(−Dth<AW<0)を示す。[110]の判定信号CO1は、差分値AWが「0」以上、しきい値Dth未満のとき(0≦AW<Dth)を示す。[111]の判定信号CO1は、差分値AWがしきい値Dth以下のとき(Dth≦AW)を示す。
また、振幅値判定器45は、図14に示すように、モード信号MD[10]のとき、通信相手から受信した通知信号RCに応じた判定信号CO2を生成する。振幅値判定器45は、振幅測定器44から出力されるHレベルの信号ATに応答して3つの検出信号SGDを取り込み、その検出信号SGDに応じたビット列の判定信号CO2を生成する。この判定信号CO2は、通信相手が送信した測定結果を示す。図2に示すノード20の送信器22は、ノード10の送信器12と同様に構成され、受信器25は受信器15と同様に構成され、物理ロジック部21は物理ロジック部11と同様に構成されている。物理ロジック部11は、受信器15から判定信号CO1を受け取り、図14に示すように、その判定信号CO1に応じた通知信号RCを生成する。そして、物理ロジック部11は、トーン信号TN,アクノリッジ信号ACK,通知信号RCを、送信器12を介して相手のノードに送信する。従って、図3に示す物理ロジック部11が受け取る判定信号CO2は、図2に示すノード20においてトーン信号TNと計測用信号MCの振幅を測定した結果を示す。
即ち、各ノード10,20の物理ロジック部11,21は、それぞれの受信結果を相手のノードに送信する。第1のノード10の物理ロジック部11は、自ノード10における測定結果を示す判定信号CO1と、通信相手のノード20における測定結果を示す判定信号CO2に基づいて、送信器12と受信器15を調整する。同様に、第2のノード20の物理ロジック部21は、自ノード20における測定結果を示す判定信号CO1と、通信相手のノード10における測定結果を示す判定信号CO2に基づいて、送信器22と受信器25を調整する。
次に、両ノード10,20間における振幅計測と計測結果の通知の概略的な処理の流れを、図9に従って説明する。なお、各ノード10,20が実行する処理は互いに同じであるため、ノード10の動作を主に説明し、必要に応じてノード20の動作を説明する。
ステップ51において、第1のノード10は、トーン信号TNを送信する。
次に、ステップ52において、第1のノード10は、トーン信号TNを受信したか否かを判定する。この判定は、図2に示す物理ロジック部11、21が、図8(a)に示すトーン信号TNとアクノリッジ信号ACKを受信したか否かにより判定する。第1のノード10は、トーン信号TNを受信しない場合、ステップ51に移行する。トーン信号TNを受信した第1のノード10は、ステップ53に移行する。つまり、第1のノード10は、トーン信号TNを受信するまで、ステップ51,52の処理を繰り返し実行する。なお、第1のノード10は、ステップ51,52の処理を間欠的に実行するようにしてもよい。また、第1のノード10は、ステップ51,52の処理を所定期間継続して実行した後、動作を停止するようにしてもよい。
次に、ステップ53において、第1のノード10は、受信したトーン信号TNの振幅を計測する。次に、ステップ54において、第1のノード10は、トーン信号TNに続いて計測用信号MCがあるか否かを判定する。計測用信号MCが無い場合、第1のノード10は、振幅計測の処理を終了する。この場合、第1のノード10は、図4に示すステップST5に遷移し、同期化を行う。ステップ54において、第1のノード10は、トーン信号TNに続いて計測用信号MCを検出した場合、ステップ55に移行する。ステップ55において、第1のノード10は、計測用信号MCの振幅を計測する。
次に、ステップ56において、第1のノード10は、トーン信号TNの振幅値ATと、計測用信号MCの振幅値AMに基づいて、差分値(振幅差)AWを算出する。次に、ステップ57において、第1のノード10は、差分値AWに応じた判定信号CO1を生成する。そして、ステップ58において、第1のノード10は、生成した判定信号CO1を含む送信信号TX1を送信する。次に、ステップ59において、第1のノード10は、通信相手である第2のノード20から判定信号CO2を受信したか否かを判定する。第1のノード10は、判定信号CO2を受信するまでステップ59を実行する、つまり待機する。そして、第1のノード10は、判定信号CO2を受信すると、振幅計測と計測結果の通知の処理を終了する。
次に、送信器と受信器の調整を説明する。なお、第1のノード10と第2のノード20は互いに同様に構成されている。従って、第1のノード10における調整について説明し、第2のノード20における調整の説明を省略する。
図3に示すように、送信器12はデ・エンファシス12aを含み、送信信号TX1の振幅を調整する。受信回路41はイコライザ41aを含む。第1のノード10に含まれる送信器12と受信器15における調整項目は、送信器12に含まれるデ・エンファシス12aのオン/オフ、送信信号TX1の振幅調整、受信回路41に含まれるイコライザ41aのオン/オフである。これらの調整項目の優先順序は、図7に示すように、判定信号COx(CO1,CO2)に対応して設定されている。
例えば、判定信号COx(CO1,CO2)が[100]の場合、1.イコライザ(EQ)41a/デ・エンファシス(DE)12aをオン、2.送信器12の出力振幅、の順番である。また、判定信号COx(CO1,CO2)が[101]の場合、1.送信器12の出力振幅、2.イコライザ(EQ)41a/デ・エンファシス(DE)12aのオン/オフ、である。また、判定信号COx(CO1,CO2)が[110]の場合、1.送信器12の出力振幅、2.イコライザ(EQ)41a/デ・エンファシス(DE)12aのオン/オフ、である。また、判定信号COx(CO1,CO2)が[111]の場合、1.イコライザ(EQ)41a/デ・エンファシス(DE)12aのオフ、2.送信器12の出力振幅、である。
送信器12と受信器15の調整順序は、第1のノード10が所定の信号を送信するタイミングと、第2のノード20が所定の信号を送信するタイミングに応じて設定される。所定の信号は、例えば、計測用信号MCを含む一群の送信信号TX1である。
図9は、第1のノード10の送信信号TX1と、第2のノード20の送信信号TX2の送信タイミングを示す。図9において示す信号は、トーン信号TNと、トーン信号TNから次のトーン信号TNまでの間に送信される各種信号(アクノリッジ信号ACK,スピードコードTSC,計測用信号MC、通知信号RC)を含む。これらを1つの「トーン」として説明する。なお、図9において、同じ信号を含む「トーン」については同じ符号を付して説明する。また、アクノリッジ信号ACKを含まない「トーン」を「トーンT」とし、アクノリッジ信号ACKを含む「トーン」を「トーンR」として示す。
第2のノード20は、スピードコードTSCを含むトーンT02を送信し、第1のノード10はスピードコードTSCを含むトーンT01を送信する。通信速度が決定すると、第1のノード10は、決定した通信速度の1Tパターンである計測用信号MCを含むトーンT10を送信する。第2のノード20は、第1のノード10から送信されたトーンT10の振幅を計測する。同様に、第2のノード20は、決定した通信速度の1Tパターンである計測用信号MCを含むトーンT20を送信する。第1のノード10は、第2のノード20から送信されたトーンT20の振幅を計測する。
図9に示すタイミングの場合、第1のノード10は、T10の送信を完了した時、第2のノード20から送信される計測用信号MCを含むトーンT20を受信中である。一方、第2のノード20は、計測用信号MCを含むトーンT20の送信を完了した時、第1のノード10が送信する計測用信号MCを含むトーンT10の受信を完了している。従って、第1のノード10は、トーンT20の計測結果に対応する通知信号RCを含むトーンT101を送信する。
トーンT101を受信した第2のノード20は、トーンT101に含まれる通知信号RC、つまり第1のノード10における計測結果に基づいて、送信器22のパラメータの最適化の優先順を決定する。一方、トーンT101を送信した第1のノード10は、トーンT101に含めた通知信号RC、つまり自ノードの計測結果に基づいて、受信器15のパラメータの最適化の優先順を決定する。
次いで、第2のノード20は、トーンT10の計測結果に対応する通知信号RCを含むトーンT201を送信する。トーンT201を受信した第1のノード10は、トーンT201に含まれる通知信号RC、即ち第2のノード20のおける計測結果に基づいて、送信器12のパラメータの最適化の優先順を決定する。一方、トーンT201を送信した第2のノード20は、トーンT201に含めた通知信号RC、つまり自ノードの計測結果に基づいて、受信器25のパラメータの最適化の優先順を決定する。
第2のノード20が、計測結果を含むトーンT201を送信している時、第1のノード10は既に計測結果を含むトーンT101の送信を完了している。このため、第1のノード10は、自ノードの送信タイミングが相手ノードの送信タイミングより早い(自ノードが先)と判定する。第2のノード20は、自ノードの送信タイミングが相手ノードの送信タイミングより遅い(相手ノードが先)と判定する。
従って、第1のノード10は、先ず送信器12の最適化を行い、次に受信器15の最適化を行う。第2のノード20は、先ず受信器25の最適化を行い、次に送信器22の最適化を行う。言い換えれば、第1のノード10が送信器12の最適化を行うとき、第2のノード20は受信器25の最適化を行う。次いで、第1のノード10が受信器15の最適化を行うとき、第2のノード20は送信器22の最適化を行う。
図12は、最適化処理の概略を示す。
ステップ61において、第1のノード10は、計測用信号MCを含むトーンT10(図9参照)の送信より、通信相手の第2のノード20のトーンT20の送信が先か否かを判定する。通信相手の送信が先の場合、ステップ62において、受信器15の最適化を行う。次に、ステップ63において、第1のノード10は、送信器12の最適化を行う。一方、ステップ61において、自ノードが先に送信したと判定すると、第1のノード10は、ステップ64において、送信器12の最適化を行う。次に、ステップ65において、第1のノード10は、受信器15の最適化を行う。
最適化の処理について説明する。
第1のノード10は、決定した優先順位に従って、送信器12のパラメータを調整する。例えば、判定信号CO1,CO2をそれぞれ[111]とする。第1のノード10は、判定信号CO2に基づいて、送信器12を調整するパラメータの順序を決定する。第2のノード20は、判定信号CO1に基づいて、受信器25を調整するパラメータの順序を決定する。
先ず、第1のノード10は、送信器12のデ・エンファシス12aをオフ状態に制御し、トーンT11を送信する。トーンT11は、例えば、図10(a)に示すように、トーン信号TNと等しい振幅の計測用信号MCを含む。第2のノード20は、トーンT11の振幅を計測し、通知信号RCを含むトーンR21を送信する。次いで、第1のノード10は、トーンR21を受信し、トーンT11を送信する。第2のノード20は、受信器25のイコライザ41aをオフ状態に制御し、受信したトーンT11の振幅を計測する。そして、第2のノード20は、計測結果に応じた通知信号RCを含むトーンR22を送信する。
次いで、第1のノード10は、トーンR22を受信し、送信器12の振幅値を調整する。そして、第1のノード10は、調整した振幅の計測用信号MCを含むトーンT12を送信する。この計測用信号MCの振幅は、判定信号CO2に基づく。図7に示すように、[111]の判定信号CO2は、トーン信号TNの振幅値と、計測用信号MCの振幅値の差が、しきい値Dth(例えば、+3dB)より大きいことを示す。従って、第1のノード10は、送信信号の所定値(例えば、200mV)低く設定する。なお、図9では、トーンT12の全体の振幅が、トーンT11の振幅より小さく示している。しかし、トーンT12は、図10(b)に示すように、トーン信号TNの振幅より小さな振幅の計測用信号MCを含む。
第2のノード20は、受信したトーンT12の振幅を計測し、その計測結果に応じた通知信号RCを含むトーンR23を送信する。
このような送受信により、1つのパスにおける調整を終了すると、各ノード10,20は次のパスの調整を開始する。即ち、第2のノード20は、計測用信号MCを含むトーンT21を送信する。第1のノード10は、受信したトーンT21の振幅を計測し、計測結果に応じた通知信号RCを含むトーンR11を送信する。この後の処理は、図及び説明は省略するが、上記した1つ目のパスにおける処理と同様である。このような送受信により、各ノード10,20は、2つ目のパスにおける調整を行う。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)各ノード10,20は、所定の周期でトーン信号TNを送信し、2つのトーン信号TNの間に、トーン信号TNと異なる周波数の計測用信号MCを送信する。ノード10の受信器15は、トーン信号TNの振幅と計測用信号MCの振幅を計測し、トーン信号TNの振幅値ATと計測用信号MCの振幅値AMを比較して判定信号CO1を生成する。物理ロジック部11は、判定信号CO1に基づいて、受信器15の受信条件を調整するようにした。トーン信号TNの振幅値ATは、トーン信号TNの周波数における伝送路30を含むパスの特性に応じて変化する。同様に、計測用信号MCの振幅値AMは、計測用信号MCの周波数における伝送路30を含むパスの特性に応じて変化する。従って、伝送路30を含むパスの状態に応じて受信器15の受信条件を調整することができる。例えば、計測用信号MCの周波数における特性によって、受信器15の受信回路41が有するイコライザ41aを停止することで、消費電力の低減が可能となる。
(1−2)各ノード10,20は、スピード・ネゴシエーションによって互いに設定した通信速度に対応する周波数の計測用信号MCを送信するようにした。各ノード10,20は、スピード・ネゴシエーションによって設定した通信速度によりデータ等を通信する。従って、設定した通信速度に応じた周波数の計測用信号MCを送信することで、伝送路30を含むパスにおいて、通信速度における特性により変化する信号レベルを測定することができ、データ等の通信に適合するように送信器12と受信器15を調整することができる。
(1−3)受信器15は、ノード20から送信された通知信号RCをデコードして判定信号CO2を生成する。ノード10の物理ロジック部11は、判定信号CO2に基づいて、送信器12の送信条件を調整する。例えば、伝送路30を含むパスの状態に応じて送信器12が送信する送信信号TX1の振幅を調整する。送信信号TX1の振幅を小さくすることで、送信器12における消費電力を停電することが可能となる。また、送信信号TX1の振幅を大きくすることで、ノード10,20間で安定した通信を行うことができるようになる。
(1−4)送信器12は、送信信号TX1の波形を整形するデ・エンファシス12aを含む。また、送信器12は、物理ロジック部11が出力する振幅制御信号CA1に応じた振幅の送信信号TX1を送信する。物理ロジック部11は、判定信号CO1に基づいて、送信器12の振幅調整と、デ・エンファシス12aの動作状態の調整の優先順位を決定する。例えば、物理ロジック部11は、差分値(振幅差)AW(対数値)が所定のしきい値Dth以上の場合、デ・エンファシス12aをオフにする調整を、送信器12の振幅調整より優先して行う。また、差分値AWが0以上、しきい値Dth未満の場合、送信器12の振幅調整を、デ・エンファシス12aのオン・オフよりも優先して行う。このように調整することで、伝送路30を含むパスの状態に応じて送信器12を最適に調整することが可能となる。
(第二実施形態)
以下、第二実施形態を図15〜図21に従って説明する。
なお、この実施形態において、上記第一実施形態と同じ部材については同じ符号を付し、説明の全て又は一部を省略する。
図15に示すように、通信装置80と通信装置90は、伝送路30を介して互いに通信可能に接続されている。通信装置80は、例えば図1に示すパソコン1に備えられ、通信装置90は、例えば図1に示す記憶装置2に備えられる。以下、通信装置をノードとして説明する。
第1のノード80は、物理ロジック部81、送信器12、送信終端部13、受信終端部14、受信器85を有している。
第1のノード80の物理ロジック部81は、図1に示すパソコン1から記憶装置2に送信する送信データに基づく送信信号TS1を送信器12に供給する。送信器12は、送信信号TS1に基づく信号TX1を出力する。信号TX1は、送信終端部13と伝送路30を介して第2のノード20に供給される。受信器85は、受信終端部14を介して受信した信号RX1に基づく受信信号RS1を物理ロジック部81に供給する。物理ロジック部81は、受信器85から出力される受信信号RS1を受け取り、その受信信号RS1を符号化した受信データを生成する。図1に示す記憶装置2は、受信データを記憶する。
第2のノード90は、物理ロジック部91、送信器22、送信終端部23、受信終端部24、受信器95を有している。
第2のノード90の物理ロジック部91は、図1に示す記憶装置2からパソコン1に送信する送信データに基づく送信信号TS2を送信器22に供給する。送信器22は、送信信号TS2に基づく信号TX2を出力する。信号TX2は、送信終端部23と伝送路30を介して第2のノード90に供給される。受信器95は、受信終端部24を介して受信した信号RX2に基づく受信信号RS2を物理ロジック部91に供給する。物理ロジック部91は、受信器95から出力される受信信号RS2を受け取り、その受信信号RS2を符号化した受信データを生成する。図1に示すパソコン1は、受信データを処理する。
各物理ロジック部81,91は、互いのノード80,90を認識してからデータ通信を行うまでの間において、送信器12,22と受信器15,25を調整する。
図17は、各ノード80,90の認識からデータ通信までのステートの遷移の一例を示す。
第1のステートST11は、トーン検出状態である。各ノード80,90は、例えば電源投入により、第1のステートST11となる。この第1のステートST11において、各ノード80,90は、トーン信号を送出する。各ノード80,90は、トーン信号を検出すると、応答のための信号を送信する。第1のノード80は、第2のノード90が送信する応答のための信号を検出すると、第1のステートST11から第2のステートST12に遷移する。同様に、第1のノード80が送信する応答のための信号を検出した第2のノード90は、第1のステートST11から第2のステートST12に遷移する。
第2のステートST12は、通信状態設定を行うステートである。通信状態設定は、通信速度設定(スピード・ネゴシエーション)と、信号測定及び順序決定とを行うステートである。各ノード80,90は、接続が確認されたノードと、互いに通信速度の設定を行う。両ノード80,90は、互いの通信速度に応じた情報(スピードコード)を含む送信信号をそれぞれ送信し、互いの通信速度を一致させる。また、各ノード80,90は、互いに、調整のための信号を送受信する。各ノード80,90は、調整のための信号を測定し、測定結果を互いに相手のノード80,90に送信する。
第3のステートST13は、最適化を行うステートである。各ノード80,90は、自ノードの測定結果と相手ノードの測定結果に基づいて、送信器及び受信器をそれぞれ調整する。
第4のステートST14は、同期化を行うステートであり、同期信号に基づいて、受信回路が受信信号に対して同期化を行う。同期が確立されると、各ノード80,90は、第2のステートST12において設定した通信速度で、接続が確立された相手のノードと互いに通信する。
次に、両ノード80,90間で送受信される各種の信号を説明する。
両ノード80,90は、通信相手の接続を確認するために、図8(a)に示すトーン信号TNを送信する。トーン信号TNを受信した各ノード80,90は、トーン信号TNと、応答のために受取通知信号(アクノリッジ信号ACK)を送信する。各ノード10,20は、互いにアクノリッジ信号ACKを検出すると、通信相手のノードが接続されていると判定し、図17に示す第1のステートST11から第2のステートST12へとそれぞれ遷移する。
図18(a)は、第2のステートST2において、通信状態を設定するために送信される信号を示す。この信号は、トーン信号TN、スピードコードTSC、計測用信号MCaを含む。各ノード80,90は、スピードコードTSCを送出してから次のトーン信号TNまでの期間において所定のタイミングで、計測用信号MCaを送信する。例えば、各ノード80,90は、スピードコードTSCの最後のビットを送信するタイミングから、所定時間D3経過後に、計測用信号MCaの送信を開始する。そして、各ノード80,90は、計測用信号MCaの各ビットB1〜B3を、所定時間D3毎に送信する。計測用信号MCaは、所定数(例えば、3ビット)の信号である。この3ビットの計測用信号MCaは、計測期間を示す。つまり、本実施形態の計測用信号MCaは、第一実施形態の計測用信号MCの第1ビットB1〜第3ビットB3と等しい。
図18(b)は、第2のステートST2において、通信状態を設定するために送信される信号を示す。この信号は、トーン信号TN、アクノリッジ信号ACK、スピードコードTSC、通知信号RCaを含む。各ノード80,90は、スピードコードTSC、計測用信号MCaを含む。各ノード80,90は、スピードコードTSCを送出してから次のトーン信号TNまでの期間において所定のタイミングで、通知信号RCaを送信する。例えば、各ノード80,90は、スピードコードTSCの最後のビットを送信するタイミングから、所定時間D3経過後に、通知信号RCaの送信を開始する。通知信号RCaは、所定数(例えば、3ビット)の信号である。この3ビットの通知信号RCaは、計測用信号MCaにより信号レベルの変化を計測した結果を通知するために用いられる。つまり、本実施形態の通知信号RCaは、第一実施形態の通知信号RCの第1ビット〜第3ビットB3と等しい。
次に、受信器85の概略を図16に従って説明する。なお、図16において、図15に示す送信終端部13及び受信終端部14を省略している。
図16に示すように、受信器85は、受信回路41、トーン信号検出器(TN/TSC検出器と表記)102、計測用信号検出器103、振幅測定器44、振幅値判定器105を含む。
トーン信号検出器102は、トーン信号TNを検出すると、そのトーン信号TNの開始タイミングから所定期間、Hレベルの検出信号RTaを出力する。Hレベルの検出信号RTaを出力する期間、つまり、Hレベルのパルス幅は、トーン信号TN、アクノリッジ信号ACK及びスピードコードTSCが送出される期間を含む。例えば、各ノード80,90は、図8(a)に示す期間D4の間、Hレベルの検出信号RTaを出力する。なお、この期間D4は、トーン信号TNの送信開始から、図18(a)に示す計測用信号MCaが出力されるまでの期間に等しい。つまり、各ノード80,90は、トーン信号TNの送信開始から、計測用信号MCaを出力するまでの間、Hレベルの検出信号RTaを出力する。
計測用信号検出器103は、検出信号RTaと検出信号SGDに基づいて、計測用信号MCと通知信号RCaに対応する検出信号RMを生成する。計測用信号検出器103は、Hレベルの検出信号RTaに応答してLレベルの検出信号RMを出力する。また、計測用信号検出器103は、Lレベルの検出信号RTaに応答して、計測用信号MCに対応する検出信号SGDに基づいて、検出信号RMを出力する。詳しくは、図20,図21に示すように、計測用信号検出器103は、計測用信号MCに対応する検出信号SGDの間、Hレベルの検出信号RMを出力する。例えば、計測用信号検出器43は検出信号SGDのパルス数をカウントするかカウンタを含み、検出信号RTがHレベルからLレベルへと変化した後、カウント値に従って検出信号RMを出力する。
振幅測定器44は、モード信号MD[01]に応答して測定動作を行う。例えば、図20に示すように、振幅測定器44は、検出信号RMがLレベルである期間、Hレベルの検出信号SGDに応答して受信信号RS1の振幅を測定する。そして、振幅測定器44は、測定値と等しい振幅値ATを出力する。また、振幅測定器44は、検出信号RMがHレベルである期間、Hレベルの検出信号SGDに応答して受信信号RS1の振幅を測定し、測定値と等しい振幅値AMを出力する。
振幅測定器44は、モード信号MD[10]に応答して受信動作を行う。この受信動作において、振幅測定器44は、計測用信号検出器43から出力される検出信号RMと等しいレベルの信号ATを出力する。
振幅値判定器105は、図20に示すように、モード信号MD[01]のとき、Hレベルの検出信号SGDに応答して振幅値ATと振幅値AMを比較してレベル変動に応じた判定信号CO1を生成する。振幅値判定器105は、トーン信号TNの振幅値ATに対する計測用信号MCの振幅値AMの差分値AWを、例えば第一実施形態の振幅値判定器45と同様に算出する。そして、振幅値判定器105は、差分値AWと判定しきい値Dthと比較し、比較結果に応じた判定信号CO1を生成する。判定しきい値Dthは、例えば「3dB」に設定されている。振幅値判定器105は、差分値(振幅差)AWの正負、差分値AW(絶対値)と判定しきい値Dthの比較結果に応じて、判定信号CO1を生成する。
また、振幅値判定器105は、図20に示すように、モード信号MD[10]のとき、通信相手から受信した通知信号RCに応じた判定信号CO2を生成する。振幅値判定器105は、振幅測定器44から出力されるHレベルの信号ATに応答して3つの検出信号SGDを取り込み、その検出信号SGDに応じたビット列の判定信号CO2を生成する。
次に、両ノード80,90間における振幅計測と計測結果の通知の概略的な処理の流れを、図19に従って説明する。なお、各ノード80,90が実行する処理は互いに同じであるため、ノード80の動作を主に説明し、必要に応じてノード90の動作を説明する。
ステップ111において、第1のノード80は、トーン信号TN及びスピードコードTSCを受信する。次に、ステップ112において、第1のノード80は、受信したトーン信号TN及びスピードコードTSCの振幅を計測する。ステップ113において、第1のノード80は、受信したスピードコードTSCに基づいて、通信速度を決定する。なお、図19では、ステップ112の次にステップ113を実行するように示したが、これらのステップ112,113における処理は、例えば、図16に示す受信器85(振幅測定器44)と物理ロジック部81とにより並列的に実行される。
次に、ステップ114において、第1のノード80は、スピードコードTSCに続いて計測用信号MCaがあるか否かを判定する。計測用信号MCaが無い場合、第1のノード80は、通信状態設定の処理を終了する。この場合、第1のノード80は、図17に示すステップST4に遷移し、同期化を行う。ステップ114において、第1のノード80は、スピードコードTSCに続いて計測用信号MCを検出した場合、ステップ115に移行する。ステップ115において、第1のノード80は、計測用信号MCaの振幅を計測する。
次に、ステップ116において、第1のノード80は、トーン信号TN及びスピードコードTSCの振幅値ATと、計測用信号MCaの振幅値AMに基づいて、差分値(振幅差)AWを算出する。次に、ステップ117において、第1のノード80は、差分値AWに応じた判定信号CO1を生成する。そして、ステップ118において、第1のノード80は、生成した判定信号CO1を含む送信信号TX1を送信する。次に、ステップ119において、第1のノード80は、通信相手である第2のノード90から判定信号CO2を受信したか否かを判定する。第1のノード80は、判定信号CO2を受信するまでステップ119を実行する、つまり待機する。そして、第1のノード80は、判定信号CO2を受信すると、振幅計測と計測結果の通知の処理を終了する。
本実施形態において、各ノード80,90は、図18(a)に示すように、トーン信号TNに続いて、スピードコードTSCと計測用信号MCaを送信する。各ノード80,90は、トーン信号TNと6ビットのスピードコードTSCの振幅を測定し、振幅値ATを得る。また、各ノード80,90は、3ビットの計測用信号MCaの振幅を測定し、振幅値AMを得る。図18(b)に示すように、トーン信号TNに続いて、アクノリッジ信号ACK,スピードコードTSC,通知信号RCaを送信する。
上記のノード80の作用を説明する。
図20に示すように、ノード80において、受信器85の受信回路41は、受信信号RX1に応答して検出信号SGDを生成する。トーン信号検出器102は、受信信号RX1に基づいて、検出信号RTaを生成する。計測用信号検出器103は、受信回路41から出力される受信信号RS1及び検出信号SGDと、トーン信号検出器102から出力される検出信号RTaに基づいて検出信号RMを生成する。振幅測定器44は、検出信号SGDと検出信号RMに基づいて、受信信号RX1(RS1)に含まれるトーン信号TN及びスピードコードTSCの振幅を測定した振幅値ATを出力する。また、振幅測定器44は、検出信号SGDと検出信号RMに基づいて、受信信号RX1(RS1)に含まれる計測用信号MCaの振幅を測定した振幅値AMを出力する。振幅値判定器105は、検出信号SGDに基づいて、振幅値ATと振幅値AMとを比較して判定信号CO1を生成する。
物理ロジック部81は、判定信号CO1を、受信したスピードコードTSCに基づいて設定する自ノードの通信速度を通信相手のノード90に送信する信号(トーン)に含めて送信する。即ち、物理ロジック部81は、図20において測定したスピードコードTSCに対応する動作モードと、自ノードの動作モードとを比較し、両ノード80,90が互いに通信可能な動作モードを決定する。そして、物理ロジック部81は、図21に示すように、決定した動作モードに対応するスピードコードTSCを含む送信信号TX1を、送信器12から送信させる。続いて、物理ロジック部81は、判定信号CO1に応じた3ビットの通知信号RCaを、送信器12から送信させる。
図21に示すように、物理ロジック部81は、トーン信号TNとアクノリッジ信号ACKを、送信器12から送信させる。続いて、物理ロジック部81は、自ノード80の動作モードに対応するスピードコードTSCを、送信器12から送信させる。続いて、物理ロジック部81は、判定信号CO1に応じた3ビットの通知信号RCaを、送信器12から送信させる。
物理ロジック部81は、判定信号CO1を、通信相手のノード90に送信する。即ち、図21に示すように、物理ロジック部81は、トーン信号TNとアクノリッジ信号ACKを、送信器12から送信させる。続いて、物理ロジック部81は、自ノード80の動作モードに対応するスピードコードTSCを、送信器12から送信させる。続いて、物理ロジック部81は、判定信号CO1(図21では[110])に応じた3ビットの通知信号RCaを、送信器12から送信させる。
なお、物理ロジック部81は、計測用信号MCaを含む送信信号TX1を、送信器12から送信させる。通信相手のノード90は、受信した信号に含まれるトーン信号TN、スピードコードTSC,計測用信号MCaを測定した結果に応じた通知信号RCaを含む信号を送信する。従って、図21に示すように、受信器85は、通知信号RCaを含む受信信号RX1を受信する。この受信信号RX1は、通信相手のノード90の動作モードに対応するスピードコードTSCを含む。従って、物理ロジック部81は、スピードコードTSCに基づいて、通信相手のノード90との間の通信速度を決定する。受信器85は、受信信号RX1に含まれる通知信号RCaをデコードして判定信号CO2(図21では[101])を生成する。
以上記述したように、本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2−1)各ノード80,90は、トーン信号TNに続いて各ノード80,90の通信速度を設定するスピードコードTSCを送信し、そのスピードコードTSCに続いて、計測用信号MCa,通知信号RCaを送信するようにした。ノード80,90を含む通信システムは、例えばノード間を接続する伝送路30の抜脱によって通信が中断すると、バスリセットを行って接続されたノードを認識した後、ノード間の通信速度を決定する。通信システムに含まれる各ノードは、伝送路30を伝達する信号に対するノイズ等によって一時的に通信が中段した場合、バスリセットを抑制し、通信速度を互いに確認して通信を再開することができる。このような通信システムにおいて、2つのトーン信号TNの間に、スピードコードTSCと計測用信号MCa又は通知信号RCaを送信することで、通信速度を設定するステートST2において、計測用信号MCaの振幅計測と、計測結果の通知を行うことができる。従って、通信再開までに要する時間が短い、つまり、短時間で通信を再開することが可能となる。
(2−2)受信器85は、トーン信号TNとスピードコードTSCの振幅を計測し、振幅値ATを生成する。従って、例えばノイズ等の影響を受けることなく、安定してトーン信号TN及びスピードコードTSCの周波数を含む周波数帯域における特性に応じた振幅値ATを測定することができる。
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・信号レベルの変化を検出するための計測用信号MC,MCaとして、「1」と「0」を繰り返す1Tパターンを用いたが、他の信号を用いても良い。例えば、8b10bエンコーディングのK28.5パターンや、疑似ランダムビット列(PRBS:pseudorandom bit stream)を用いてもよい。これらのパターンを用いることで、符号間干渉による波形振幅の影響を考慮した計測が可能となる。また、通信データに含まれる1Tパターンから5Tパターンのうちの1つを用いてもよい。
また、パターンが互いに異なる2つの計測用信号を用いてもよい。例えば、トーン信号TNと、K28.5パターンの第1計測用信号と、1Tパターンの第2計測用信号を用いる。K28.5パターンの第1計測用信号の振幅は、1Tパターンの第2計測用信号と比べ、低い周波数帯域の特性に応じて変化する。例えば、トーン信号TNの振幅より第1計測用信号(K28.5)の振幅が大きく、第1計測用信号の振幅よりも第2計測用信号(1T)の振幅が大きい(TN<K28.5<1T)の場合、例えば、受信器に含まれるイコライザ(EQ)において高周波におけるゲインを低くする。また、トーン信号TNの振幅より第2計測用信号(1T)の振幅が大きく、第2計測用信号の振幅よりも第1計測用信号(K28.5)の振幅が大きい(TN<1T<K28.5)の場合、例えば、受信器に含まれるイコライザ(EQ)において低周波におけるゲインを低くする。また、トーン信号TNの振幅より第2計測用信号(1T)の振幅が小さく、第2計測用信号の振幅よりも第1計測用信号(K28.5)の振幅が小さい(K28.5<1T<TN)の場合、例えば、受信器に含まれるイコライザ(EQ)において低周波におけるゲインを高くする。また、トーン信号TNの振幅より第1計測用信号(K28.5)の振幅が小さく、第1計測用信号の振幅よりも第2計測用信号(1T)の振幅が小さい(1T<K28.5<TN)の場合、例えば、受信器に含まれるイコライザ(EQ)において高周波におけるゲインを高くする。なお、イコライザの調整をデ・エンファシスの調整よりも優先して行うことが望ましい。
・測定結果を通知する通知信号RC,RCaの周波数を適宜変更してもよい。例えば、トーン信号TNと同じ周波数とする。このような周波数を設定することにより、通知信号RC,RCaを確実に受信することができるようになる。なお、トーン信号TNを同じ周波数を用いた場合、例えばタイマを利用してトーン信号TNの受信から所定時間経過後の信号を通知信号RC,RCaとして受け取るようにするとよい。
・計測用信号MC,MCaのビット数を、2ビット以下又は4ビット以上のように、適宜変更してもよい。
・通知信号RC,RCaのビット数を、2ビット以下又は4ビット以上のように、適宜変更してもよい。
・計測用信号MC,MCaを送信するタイミングを適宜変更してもよい。
・通知信号RC,RCaを送信するタイミングを適宜変更してもよい。
・受信器15,85における信号を適宜変更してもよい。例えば、図6に示す受信器15において、振幅測定器44に検出信号RTを供給し、Hレベルの検出信号RTに応答して振幅値ATを出力するようにしてもよい。
・上記各実施形態は、トーン信号TNと計測用信号MC,MCaのように、周波数が互いに異なる2つの信号を用いてパスにおける信号レベルの変化を検出したが、周波数が互いに異なる3つ以上の信号を用いて信号レベルの変化を検出するようにしてもよい。