JP5845701B2 - 飲料充填方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料充填方法及び装置に関する。
従来、プリフォームを搬送しながら、過酸化水素等の殺菌剤をプリフォームに吹き付け、次に、プリフォームを加熱して表面に付着した殺菌剤を活性化するとともに、プリフォームを成形温度まで高め、しかる後、このプリフォームをブロー成形機によってボトルに成形し、このボトルに飲料を充填し、キャッピングして無菌包装体とするというインラインシステムとしての無菌充填方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特表2008−546605号公報 特許第3903411号公報
上記従来技術は、ボトル成形後の殺菌処理に代えて、ボトル成形前のプリフォームの段階で殺菌処理しようというものであるから、プリフォームに殺菌剤を付けて殺菌した後、高圧エアによるブロー成形時や充填エリアまでのボトル搬送時に、ボトル内に菌が混入するおそれがある。そのため、殺菌効果が不十分な包装体が製造される可能性がある。
ブロー成形機内の高圧エア回路、延伸ロッド、金型、ボトル搬送エリアの全てをボトル製造前に滅菌し、無菌状態に維持することも不可能なことではないが、その場合は殺菌設備を追加したり、多くの部材を耐薬剤性材料でできたものに交換したりする必要があり、初期投資額が巨額になる。
また、プリフォームがポリエチレンテレフタレート等比較的耐熱性の低い材料で形成されている場合は、殺菌剤の付着したプリフォームをマンドレル又はスピンドルに挿入した状態で加熱しても、プリフォームの口部は40℃〜50℃までしか昇温させることができないため他の部位と比べて殺菌効果が低く、十分な殺菌効果を得難い。
すなわち、プリフォームの口部を高温にすると口部が変形等してキャップを被せた際にボトル内の密封性が損なわれるおそれがあるので、口部の加熱は上記温度範囲に制限せざるを得ない。そのため、殺菌効果が不十分な包装体が製造される可能性がある。
本発明は、上記問題点を解消することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
なお、本発明の理解を容易にするため参照符号をカッコ書きで付するが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、請求項1に係る発明は、プリフォーム(1)を連続走行させながら、プリフォーム(1)を予備殺菌温度まで予熱し、予熱したプリフォーム(1)に過酸化水素ミスト(K)又はガスを吹き付けてプリフォーム(1)を予備殺菌し、さらにプリフォーム(1)を成形温度まで加熱し、成形温度に達したプリフォーム(1)を同じく連続走行するブロー成形型(4)内で容器(2)に成形し、ブロー成形型(4)から容器(2)を取り出して連続走行させながら容器(2)を本殺菌し、本殺菌後の容器(2)に飲料(a)を充填して蓋(3)で密封する飲料充填方法であって、上記プリフォーム(1)の予熱と、予備殺菌と、成形温度までの加熱とを加熱炉(50)内で行う飲料充填方法を採用する。
請求項に記載されるように、請求項1に記載の飲料充填方法において、上記本殺菌を、プリフォーム(1)での加熱による熱が残留した容器(2)に、過酸化水素のミスト(M)又はガス(G)を吹き付けることによって行い、続いて無菌エア(N)によりエアリンスをすることができる。
請求項に記載されるように、請求項1に記載の飲料充填方法において、上記本殺菌を、無菌の温水(H)を用いた温水リンスによって行うことができる。
請求項に係る発明は、プリフォーム(1)が容器(2)に成形され、容器(2)に飲料(a)が充填され、容器(2)が蓋(3)で密封されるまでプリフォーム(1)及び容器(2)を連続走行させる搬送路が設けられ、プリフォーム(1)を成形温度まで加熱する加熱炉(50)と、成形温度まで加熱されたプリフォーム(1)を容器(2)にブロー成形する成形型(4)と、ブロー成形した容器(2)を本殺菌する本殺菌手段(6,46)と、本殺菌された容器(2)に飲料(a)を充填するフィラー(39)と、飲料(a)が充填された容器(2)を密封するキャッパー(40)とが上記搬送路に沿って設けられ、上記加熱炉(50)内におけるプリフォーム(1)の搬送路(19)の略中間位置には、プリフォーム(1)に過酸化水素ミスト(K)又はガスを吹き付ける過酸化水素供給手段(43a)が設けられることにより、上記加熱炉(50)内の搬送路の前半でプリフォーム(1)が予熱されたうえで予備殺菌され、後半でプリフォーム(1)が成形温度まで加熱されるようにした飲料充填装置を採用する。
請求項に記載されるように、請求項に記載の飲料充填装置において、上記本殺菌手段が、プリフォーム(1)での加熱による熱が残留した容器(2)に過酸化水素の凝結ミスト(M)又はガス(G)を吹き付ける殺菌用ノズル(6)と、過酸化水素の凝結ミスト(M)又はガス(G)が吹き付けられた容器(2)に無菌エア(N)を吹き付けてエアリンスするエアリンス用ノズル(45)とを含んでいるものとすることができる。
請求項に記載されるように、請求項に記載の飲料充填装置において、上記本殺菌手段が、プリフォーム(1)での加熱による熱が残留した容器(2)に無菌の温水(H)を吹き付けて温水リンスする温水リンス用ノズル(46)を含んでいるものとすることができる。
本発明によれば、プリフォーム(1)の段階で予備殺菌温度まで予熱したうえで予備殺菌を行うため、極低濃度の過酸化水素の使用によっても、プリフォーム(1)の殺菌効果が向上する。この予備殺菌では、口部(2a)以外の部位における一般細菌、芽胞形成細菌、カビ・酵母等の真菌類等の殺菌性が向上する。また、予熱により予備殺菌での殺菌効果が向上することから、極低濃度の過酸化水素を用いることが可能である。また、プリフォーム(1)に付着する過酸化水素の量が少ないため、容器(2)成形時に発生しやすい白化、歪、成形ムラ等の成形不良を的確に防止することができる。
さらに、プリフォーム(1)に対し上記予備殺菌をした後、続いて容器(2)に成形し、この容器(2)が温かいうちに容器(2)を本殺菌に付するので、本殺菌を軽減することができる。すなわち、本殺菌を過酸化水素、過酢酸、塩素水、オゾン等の殺菌剤で行う場合はその使用量や薬剤温度、濃度を低減することができ、温水で行う場合はその使用量や温度を低減することができ、UVランプで行う場合はその照射線量を低減することができる。また、本殺菌での過酸化水素の使用量を低減することができることから、ことにプリフォーム(1)及び容器(2)を、過酸化水素を吸着しやすいPET製とした場合は、容器(2)への過酸化水素の過度な吸着を防止することができる。
また、本発明において、上記本殺菌を、上記プリフォーム(1)での加熱による熱が残留した容器(2)に、過酸化水素の凝結ミスト(M)又はガス(G)を吹き付けることによって行い、続いて無菌エア(N)によりエアリンスをするものとした場合は、細菌の芽胞をも殺菌することができるので、pH4.6以上の低酸性飲料も充填することができる。また、本発明において、上記本殺菌を、無菌の温水(H)により温水リンスをすることによって行うものとした場合は、予備殺菌を極低濃度の過酸化水素で殺菌するため、容器(2)に過酸化水素が残留するという問題が解消され、ミネラルウォーターや低酸性飲料以外の充填に適したものとなる。
本発明の実施の形態1に係る充填方法のA,B,C工程を各々表す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る充填方法のD,E,F工程を各々表す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る充填方法のG1又はG2,H,I工程を各々表す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る充填装置の一例の概略を示す平面図である。 過酸化水素のミスト又はガスをプリフォーム内に供給する装置を示す垂直断面図である。 過酸化水素のミスト又はガスを生成するためのミスト生成器の一例を示す垂直断面図である。 本発明の実施の形態2に係る充填方法のA,B,C工程を各々表す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る充填方法のD,E,F工程を各々表す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る充填方法のG,H工程を各々表す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る充填装置の一例の概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態2における予熱装置の変形例を示し、(A)はその平面図、(B)は側面図である。
以下に本発明を実施するための形態について説明する。
<実施の形態1>
この実施の形態1におけるインラインシステムによれば、最終製品として図3(I)に示す包装体を製造することができる。
この包装体は、容器であるボトル2と、蓋であるキャップ3とを備える。
ボトル2はこの実施の形態ではPET製であるが、PETに限らずポリプロピレン、ポリエチレン等他の樹脂を用いて作ることも可能である。ボトル2の口部2aには雄ネジが形成される。
キャップ3はポリプロピレン等の樹脂を材料にして射出成形等により形成され、キャップ3の成形と同時に雌ネジも形成される。
ボトル2には、その内部があらかじめ殺菌処理された状態で、殺菌処理済の飲料aが充填される。飲料aの充填後にキャップ3がボトル2の口部2aに被せられ、雌雄ネジの螺合によってボトル2の口部2aが密封され、包装体が完成する。
上記ボトル2は、次に述べるような手順で容器として形成され、飲料の充填、密封を経て包装体とされる。
まず、プリフォーム1が所望の速度で連続的に搬送される。
プリフォーム1は、PETの射出成形等によって試験管状の有底筒状体として形成される。プリフォーム1は、図3(I)に示したボトル2におけると同様な口部2aをその成形当初に付与される。この口部2aにはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジが形成される。
プリフォーム1の搬送が開始されると、図1(A)に示すように、プリフォーム1が予熱される。具体的には、プリフォーム1が図4に示す加熱炉50内に搬入されることにより予熱される。
加熱炉50は一方向に長く伸びる炉室を有する。炉室内には、水平面上で対向配置された一対のプーリ51a,51b間に無端チェーン19が架け渡される。無端チェーン19等は多数のプリフォーム1を垂下状態で搬送する無端コンベアを構成する。炉室の内壁面には、無端チェーン19の往路と復路に沿うように赤外線ヒータ19aが取り付けられる。
プリフォーム1が加熱炉50内に搬入されると、無端チェーン19の往路上を走行しつつ、赤外線ヒータ19aによって加熱される。この往路を走行する間にプリフォーム1は大体40℃〜80℃に予熱される。
ただし、プリフォーム1の口部2aは、キャップ3が被せられたときの密封性が損なわれないように、変形等を生じることのない50℃以下の温度に抑えられる。
なお、プリフォーム1は、図1(A)に示すように、その口部2aにスピンドル(又はマンドレル)43が挿入されることによって正立状態(又は倒立状態)で吊下げられた状態でスピンドル(又はマンドレル)43と共に回転しつつ走行する。これにより、プリフォーム1は赤外線ヒータ19aにより均一に予熱される。
なお、プリフォーム1は、スピンドル43に代えてマンドレルが挿入されることによって、倒立状態でマンドレルと共に回転しつつ走行する場合もある。
次に、図1(B)に示すように、走行中のプリフォーム1内に過酸化水素ミストK又はガスが供給され、プリフォーム1の予備殺菌が行われる。過酸化水素ミストK又はガスの供給は、プリフォーム1の予熱が完了した時点で行われる。例えば、プリフォーム1が無端チェーン19の往路から復路へと転じる時点において行われる。
過酸化水素ミストK又はガスの供給は、具体的には上記スピンドル43の軸芯上に貫通穴43aが形成され、このスピンドル43が過酸化水素ミストK又はガスをプリフォーム1内に吹き込むノズルとして用いられることによって行われる。
ここでプリフォーム1内に吹き込まれる過酸化水素ミストK又はガスは、後述するミスト生成器7と同様な構造のミスト生成器によって生成される。この過酸化水素ミストK又はガスが、上記スピンドル43からプリフォーム1内に流入しその内表面に接触することにより、35重量%換算の過酸化水素の凝結皮膜となって望ましくは0.001μL/cm2〜0.05μL/cm2の範囲で付着する。
この付着量が0.001μL/cm2よりも少ない場合は、予備殺菌としての十分な殺菌効果を得ることができない。また、この付着量が0.05μL/cm2よりも多いと、後に図2(D)に示すようにブロー成形した場合に、ボトル2に白化、斑点、皺、変形の成形不良が発生しやすくなる。
このプリフォーム1に対する35重量%換算の過酸化水素凝結皮膜の付着量は、より望ましくは、0.002μL/cm2〜0.03μL/cm2である。
このように、予備加熱したプリフォーム1に過酸化水素の凝結皮膜を付着させるので、過酸化水素がプリフォーム1の表面上で活性化され、プリフォーム1の表面の殺菌効果が向上する。また、これにより予備殺菌に用いる過酸化水素の量を低減することが可能となり、過酸化水素のプリフォーム1やボトル2での残留も低減する。
なお、図1(B)に示すように、プリフォーム1の下方にノズル24を配置し、このノズル24からプリフォーム1の外面に向かって、上記プリフォーム内面に供給した過酸化水素ミストK又はガスと同様な過酸化水素ミストK又はガスを吹き付けるようにしてもよい。
図1(C)に示すように、上記過酸化水素の凝結皮膜が付着し予備殺菌されたプリフォーム1は、無端チェーン19の復路へと向かい、この復路上を走行する間に赤外線ヒータ19aにより更に加熱され、加熱炉50を出る頃にブロー成形に適した温度まで均一に加熱される。この温度は90℃から130℃程度である。
なお、プリフォーム1の口部2aは、上述した理由により変形等を防止するため50℃以下の温度に抑えられる。
予備殺菌され、かつ、ブロー成形に適した加熱状態とされプリフォーム1は、図2(D)に示すように、ブロー成形に付されて容器であるボトル2に成形される。
ブロー成形用の成形型である金型4は、プリフォーム1の走行速度と同じ速度で連続的に走行しつつ、型締め状態とされ、金型4内でプリフォーム1に対するブロー成形が行われた後に型開き状態とされる。
プリフォーム1は、図1(A)〜(C)に示した加熱工程でその口部2aを除く全体が成形に適した温度域まで均一に加熱されており、その加熱状態のままで、図2(D)に示すように、スピンドル43ごと金型4内に装着される。また、ブローノズル5がスピンドル43の貫通穴43aを通してプリフォーム1内に挿入される。
金型4が走行する間に、例えば一次ブロー用エアや二次ブロー用エアがブローノズル5からプリフォーム1内に順次吹き込まれることによって、金型4のキャビティC内でプリフォーム1が最終成形品のボトル2まで膨張する。
このように金型4内でボトル2が成形されると、金型4が引き続き走行しながら型開きし、図2(E)に示すように、ボトル2の完成品が金型4外へ取り出される。
ボトル2は成形後も連続走行しつつ、図2(F)に示すように本殺菌される。この本殺菌は、殺菌剤である過酸化水素のミストM又はガスGが殺菌用ノズル6により吹き付けられることによって行われる。殺菌用ノズル6はプリフォーム1の口部2aに対峙するように配置される。過酸化水素のミストM又はガスGは殺菌用ノズル6の先端から流下し、ボトルの口部2aからボトル2内に侵入してボトル2の内面を殺菌する。
また、このボトル2の連続走行箇所にはトンネル44が形成され、殺菌用ノズル6から吐出された過酸化水素のミストM又はガスGがボトル2の外面に沿って流れ落ち、さらにトンネル44内に滞留することから、ボトル2の外面も効果的に殺菌される。
過酸化水素のミストM又はガスGは、例えば図6に示すミスト生成器7によって生成可能である。
このミスト生成器7は、殺菌剤である過酸化水素の水溶液を滴状にして供給する二流体スプレーである過酸化水素供給部8と、この過酸化水素供給部8から供給された過酸化水素の噴霧をその沸点以上の非分解温度以下に加熱して気化させる気化部9とを備える。過酸化水素供給部8は、過酸化水素供給路8a及び圧縮空気供給路8bからそれぞれ過酸化水素の水溶液と圧縮空気を導入して過酸化水素の水溶液を気化部9内に噴霧するようになっている。気化部9は内外壁間にヒータ9aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた過酸化水素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸化水素のガスGは吐出ノズル9bから気化部9外に凝結ミストMとなって噴出する。
図2(F)に示したミストMはこの凝結ミストである。このミストMに代えてガスGを用いる場合は、図6に二点鎖線で示すように、吐出ノズル9bの先端に熱風Hの流れる導管42を連結し、吐出ノズル9bから出た凝結ミストMをこの熱風Hによってガス化し、このガスGをフレキシブルホース等で上記殺菌用ノズル6へと流すようにすればよい。
殺菌用ノズル6はボトル2の搬送路上の定位置に設置してもよいし、ボトル2と同期的に移動させてもよい。
図2(F)に示すように、殺菌用ノズル6から吹き出た過酸化水素のミストM又はガスGはボトル2の内外の表面に接触するが、その際ボトル2は上記プリフォーム1の段階で加えられた熱が残留し所定温度に保持されていることから、効率良く殺菌される。この所定温度は、プリフォーム1がPET製の場合、望ましくは40℃〜120℃であり、より望ましくは、50℃〜75℃である。40℃よりも低い場合は殺菌性が著しく低下する。120℃よりも高い場合は成型後にボトルが収縮するという不具合が生じる。
この過酸化水素のミストM又はガスGの吹き付け後もボトル2は連続走行し、図3(G1)に示すように、エアリンスに付される。エアリンスは無菌エアNがノズル45からボトル2内に吹き込まれることによって行われ、この無菌エアNの流れによってボトル2内から異物、過酸化水素等が除去される。その際、ボトル2は正立状態とされる。
なお、図3(G1)のエアリンス工程に代えて図3(G2)のごときエアリンス工程を採用してもよい。図3(G2)の工程を採用し、ボトル2を倒立状態にして下向きになった口部2aから無菌エアNをボトル1内に吹き込むようにすることで、ボトル2内の異物等を口部2aからボトル外に落下させることができる。あるいは、図3(G1)のエアリンス工程に続いて図3(G2)の工程を、無菌エアNを吹き込むことなく行うようにしてもよい。
上述したように、プリフォーム1の段階で予備殺菌した後に過酸化水素でボトル2を本殺菌するので、本殺菌での過酸化水素の使用量は少なくて済む。したがって、エアリンス後に熱水等の水によってボトル2に付着した過酸化水素を洗い流す温水リンス工程は不要となる。しかし、必要に応じて無菌水リンスを行っても問題はない。
この本殺菌で使用する過酸化水素のミストM又はガスGは次の通りである。
1)過酸化水素ミストMを使用する場合:従来の本殺菌のみを行ってボトル2を滅菌するためには、ボトル2に50μL/500mLボトル〜100μL/500mLボトルの量の過酸化水素を付着させる必要があったが、本発明のようにプリフォーム1の予備加熱を伴う予備殺菌を行った場合は、10μL/500mLボトル〜50μL/500mLボトルの量の過酸化水素ミストMを付着させることで商業的無菌充填が可能となった。
2)過酸化水素ガスGを使用する場合:従来の本殺菌のみを行ってボトル2を滅菌するためには、ガス濃度が5mg/L〜10mg/Lの過酸化水素ガスGをボトル2に吹き付ける必要があったが、本発明のようにプリフォーム1の予備加熱を伴う予備殺菌を行った場合は、ガス濃度が1mg/L〜5mg/Lの過酸化水素ガスGを吹き付けることで商業的無菌充填が可能となった。
エアリンス後、図3(H)に示すように、飲料aが充填ノズル10からボトル2内に充填され、図3(I)に示すように、蓋であるキャップ3で密封される。
かくて、包装体とされたボトル2は、集積され市場へと搬出される。
上記充填方法を実施するための充填装置は、例えば図4のごとく構成される。
図4に示すように、この充填装置は、口部2aを有する有底筒状のプリフォーム1(図1(A)参照)を所定の間隔で順次供給するプリフォーム供給機11と、ブロー成形機12と、成形されたボトル2に飲料aを充填、密封する充填機13とを備える。
プリフォーム供給機11から充填機13に至る間には、プリフォーム1を第一の搬送路上で搬送するプリフォーム用搬送手段と、ボトル2の完成品形状のキャビティCを有する金型4(図2(D)参照)を上記第一の搬送路に接続される第二の搬送路上で搬送する金型用搬送手段と、金型4で成形されたボトル2を上記第二の搬送路に接続される第三の搬送路上で搬送するボトル用搬送手段とが設けられる。
プリフォーム用搬送手段の第一の搬送路と、金型用搬送手段の第二の搬送路と、ボトル用搬送手段の第三の搬送路は互いに連通し、これらの搬送路上にはプリフォーム1やボトル2を保持しつつ搬送する図示しないグリッパ等が設けられている。
プリフォーム用搬送手段は、その第一の搬送路上に、プリフォーム1を所定の間隔で順次供給するプリフォームコンベア14を備える。また、プリフォームコンベア14の終端からプリフォーム1を受け取って搬送するホイール15,16,17,18の列と、ホイール18からプリフォーム1を受け取って走行させる無端チェーン19とを具備する。
無端チェーン19は、上述したように加熱炉50内にプリフォーム1の搬送路として配置される。無端チェーン19には、図1(A)に示すスピンドル43が一定ピッチで多数取り付けられる。各スピンドル43は無端チェーンの走行と共に走行しながら自転可能である。ホイール18側から無端チェーン19側に送られたプリフォーム1の口部2a内には、図1(A)に示すようにスピンドル43が挿入され、これによりプリフォームはスピンドル43に正立状態で保持される。
プリフォーム1は、プリフォームコンベア14、ホイール15,16,17,18の列を経てスピンドル43に受け取られると、加熱炉50の内壁面に沿って自転しつつ走行する。加熱炉50の内壁面には、赤外線ヒータ19aが張り巡らされており、スピンドル43によって搬送されるプリフォーム1がこの赤外線ヒータ19aによって加熱される。プリフォーム1は加熱炉50内を走行中スピンドル43の回転と共に自転し、赤外線ヒータ19aによって均一に加熱される。プリフォーム1は加熱炉50内において無端チェーン19の往路上を走行する間に、予備殺菌のために予熱(図1(A))される。
上記無端チェーン19によるプリフォーム1の搬送路の略中間位置である一方のプーリ51aの近傍には、図1(B)のごとくプリフォーム1に過酸化水素のミストK又はガスを吹き付ける過酸化水素供給手段が設けられる。
図5に示すように、この過酸化水素供給手段は、プリフォーム1を支持したスピンドル43の走行路に沿ってスピンドル43の上端を覆うように伸びる溝部材52を具備する。この溝部材52には、図4に示すように、ブロワ77及びフィルタ78が導管を介して接続され、フィルタ78と溝部材52との間の導管に図6に示したミスト生成器7と同様なミスト生成器79が接続される。
ミスト生成器79で生成された過酸化水素のミストK又はガスは、ブロワ77から送られ、フィルタ78で除菌された気流に乗って溝部材52内に入り、そこからスピンドル43の貫通穴43aを通ってプリフォーム1内に流入する。図5に示すように、スピンドル43の下部には複数個のゴム等からなるボール状の弾性体43bが埋設され、これらの弾性体43bの弾性変形によってプリフォーム1がスピンドル43に支持されている。プリフォーム1に流入した過酸化水素ミストK又はガスは、弾性体43bによって形成されるプリフォーム1の口部2aの内周面とスピンドル43の外周面との間の隙間からプリフォーム1外に流出する。
これにより、過酸化水素の凝結皮膜がプリフォーム1の内面に付着し、予備殺菌が行われる。この皮膜となった35重量%換算の過酸化水素の付着量は、上述したように望ましくは0.001μL/cm2〜0.05μL/cm2、より望ましくは0.002μL/cm2〜0.03μL/cm2であり、プリフォーム1の予備加熱による熱によって菌体表面に付着した過酸化水素水の濃度が上昇し、プリフォーム1の表面に付着した菌のうち、口部2aに付着したものを除き、ほとんどの菌が殺菌される。
なお、図5に示すように、上記隙間からプリフォーム1外に流出する過酸化水素ミストK又はガスがプリフォーム1の口部2aの雄ネジに沿って流れるように案内する案内部材43cがスピンドル43に傘状に取り付けられる。この案内部材43cの案内によって過酸化水素ミストK又はガスがプリフォーム1の口部2aの雄ネジに接触し易くなり、その結果プリフォーム1の口部2aの外面も適正に殺菌されることになる。
予備殺菌されたプリフォーム1は、無端チェーン19の復路に入って赤外線ヒータ19aにより更に加熱され、口部2a以外がブロー成形に適した温度である90℃〜130℃まで昇温する。
ブロー成形機12は、上記プリフォーム供給機11の赤外線ヒータ19aで加熱されたプリフォーム1を受け取ってボトル2に加熱成形する金型4及びブローノズル5(図2(D)参照)を複数セット備える。
ブロー成形機12内には、上記金型用搬送手段の第二の搬送路が通っている。この第二の搬送路は、ホイール20,21,22,17,23の列によって構成される。なお、このホイール20,21,22,17,23の列と上記プリフォーム用搬送手段のホイール15,16,17,18の列との間ではホイール17が共用される。
金型4及びブローノズル5は、ホイール21の回りに複数個配置され、ホイール21の回転とともにホイール21の周りを一定速度で旋回する。
ホイール20の図示しないグリッパがプリフォーム供給機11の加熱炉内で加熱されたプリフォーム1をスピンドル43ごと受け取ってホイール21の回りの金型4に受け渡すと、二つ割りの金型4が閉じてプリフォーム1を図2(D)のごとく把持する。金型4内のプリフォーム1はホイール21の回りを金型4及びブローノズル5と共に旋回しながら、ブローノズル5からブロー成形用の高圧エアでブローされることによりボトル2の完成品に成形される。プリフォーム1は、図1(C)に示したように、加熱炉50内で所定の温度まで均一に加熱されていることから、円滑にブロー成形される。
また、上述したように、各プリフォーム1に付着した35重量%換算の過酸化水素凝結皮膜の付着量は、望ましくは0.001μL/cm2〜0.05μL/cm2、より望ましくは0.002μL/cm2〜0.03μL/cm2であるから、上記無端チェーン19の復路をプリフォーム1が走行する間にプリフォーム1の表面から蒸散し、従って、ボトル2に白化、斑点、変形等を生じることなく適正にブロー成形される。
金型4のキャビティC内にプリフォーム1が密着しボトル2が形成されると、この金型4はホイール22に接したところで型開きし、ボトル2及びスピンドル43を解放する。そして、ボトル2がスピンドル43からホイール22の図示しないグリッパによって受け取られる。
一方、ボトル2を解放したスピンドル43は、ホイール20を経て上記コンベア19へと復帰し、引き続き他のプリフォーム1を保持して搬送する。
ブロー成形機12から出てホイール22に至ったボトル2は、ホイール22の外周に配置された検査装置47によって成形不良等について検査される。
検査装置47は、図示しないが、ボトル2の胴部の良否を判別するボトル胴部検査手段と、ボトル2のサポートリング2b(図1(A)参照)の良否を判別するサポートリング検査手段と、ボトル2の首部天面の良否を判別するボトル首部天面検査手段と、ボトル2の底部の良否を判別するボトル底部検査手段と、ボトル2の温度を検出してボトル2の良否を判別する温度検査手段とを具備する。
ボトル胴部検査手段、サポートリング検査手段、ボトル首部天面検査手段及び温度検査手段は、ホイール22の外周に沿うように配置される。
ボトル胴部検査手段、サポートリング検査手段、ボトル首部天面検査手段は、図示しないが、各々ランプとカメラでボトル2の所定箇所を撮像し、画像処理装置によって処理し、形状、傷、異物、変色等について異常があるかないかについて判別する。
温度検査手段は、図示しないが、温度センサによってボトル2の表面の温度を検出し、所定の温度に達していない場合は、不良品として判断する。すなわち所定の温度に達していないボトル2は後の過酸化水素による殺菌を行っても殺菌が不十分となる可能性がある。逆にボトル2の温度が所定の温度に達している場合は、後の過酸化水素による殺菌によって十分に殺菌され得る。
なお、検査装置47は必要に応じて設置される。また、ボトル胴部検査手段、サポートリング検査手段、ボトル首部天面検査手段及び温度検査手段は必要に応じて取捨選択される。
検査されたボトル2は、不合格の場合は図示しない排斥装置によって搬送路から排除され、合格品のみホイール22からホイール17を経てホイール23へと搬送される。
ホイール23の外周には、ボトル2について本殺菌を行うための殺菌用ノズル6(図2(F)参照)が配置される。上記金型4で成形されたボトル2に対して、殺菌用ノズル6から過酸化水素のミストM又はガスGが吹き付けられることによって、ボトル2の殺菌が行われ、その表面に生残した菌類が殺菌される。この段階のボトル2はプリフォーム1での加熱による熱が残留しており、この熱によって過酸化水素のミストM又はガスGによる殺菌効果が高められる。
図1(A)〜(C)に示したように、プリフォーム1の段階でプリフォーム1について予熱と予備殺菌が行われ、予備殺菌によって口部2aに付着したものを除きほとんどの微生物は殺菌される。したがって、この過酸化水素のミストM又はガスGのボトル2に対する吹き付けによって上記プリフォーム1の段階で生残した菌と、ブロー成形工程、搬送工程で混入した僅かな菌等が本殺菌において殺菌処理される。
この過酸化水素のミストM又はガスGによる殺菌では、上述したようにプリフォーム1の段階で予備殺菌されているので、過酸化水素の使用量が少なくて済む。
充填機13は、上記ボトル用搬送手段の第三の搬送路をその内部に有する。この第三の搬送路は、ホイール27,34,35,36,37,38の列を有する。
ホイール27の外周には、エアリンス用のノズル45(図3(G1)参照)が配置される。このノズル45からボトル2内に無菌エアNが吹き込まれ、ボトル2内から異物や残留した過酸化水素が除去される。
また、無菌状態のボトル2に飲料aを充填するためのフィラー39が設けられ、ホイール37の回りには飲料aが充填されたボトル2にキャップ3(図3(I)参照)を取り付けて密封するためのキャッパー40が設けられる。
なお、フィラー39及びキャッパー40は公知の装置と同様で良いため、説明を省略する。
また、この充填装置はチャンバー41で囲まれており、チャンバー41内は無菌ゾーンとグレーゾーンに仕切られている。そして、プリフォーム供給機11及びブロー成形機12はグレーゾーンに、充填機13は無菌ゾーンにそれぞれ配置されている。
グレーゾーンにはHEPAで無菌化されたエアが常時吹き込まれ、これにより、成形時に殺菌されたボトル2が微生物に二次汚染されることなく無菌ゾーンへと搬送される。
次に、図2、図3及び図5を参照して充填装置の動作を説明する。
まず、プリフォームコンベア14、ホイール15,16,17,18の列によってプリフォーム1が加熱炉50へと搬送される。
プリフォーム1が加熱炉50に入ると、無端チェーン19の往路において予備殺菌のため予熱される。
予熱されたプリフォーム1は、無端チェーン19の往路の末端において、図1(B)及び図5に示すように、内部に過酸化水素ミストK又はガスが吹き込まれる。これにより、プリフォーム1の内表面に薄い過酸化水素の凝結皮膜が形成される。プリフォーム1は予備殺菌温度まで予熱されていることから、プリフォーム1に付着した過酸化水素は活性化され、殺菌効果が高まる。
加熱炉50内においてプリフォーム1はさらに加熱され、口部2aを除く全体の温度がブロー成形に適した温度域まで均一に加熱される。
加熱炉50内で予熱され、予備殺菌され、成形温度まで加熱されたプリフォーム1は、ホイール21の外周を通過する際に図2(D)のごとく金型4により抱持され、ブローノズル5からの高圧エアの吹き込みによってキャビティC内でボトル2の完成品まで膨張する。
成形されたボトル2は、金型4の型開き後にホイール22のグリッパによって金型4外に取り出され、検査装置47によって成形不良等の有無について検査された後、ホイール23の外周を通過する際に図2(F)のごとく本殺菌に付され、殺菌用ノズル6から過酸化水素のガスG又はミストMを吹き付けられる。
ボトル2には、加熱炉50で加えられた熱が残留しているので、殺菌用ノズル6から吹き付けられた過酸化水素のガスG又はミストMによって効果的に殺菌処理される。この殺菌により、プリフォーム1の表面に生残していた菌が殺菌される。
この成形され殺菌されたボトル2は、ホイール23から下流側のホイール27へと流れ、ホイール27の回りで、図3(G1)又は(G2)のごとくノズル45から無菌エアNを吹き込まれることによって、エアリンスに付される。
その後、ホイール34,35,36,37,38の列へと受け渡されつつ充填機13内を走行する。
充填機13においてボトル2には、滅菌処理された飲料aが図3(H)のごとくフィラー39の充填ノズル10により充填される。飲料aが充填されたボトル2は、キャッパー40によりキャップ3が施されて密封され(図3(I)参照)、チャンバー41の出口から排出される。
上述したようにフィラー39及びキャッパー40は公知の装置であるため、ボトル2への飲料の充填方法及びボトル2の密封方法の説明は省略する。
<実施の形態2>
実施の形態1ではプリフォーム1の予熱(図1(A)参照)を加熱炉50内で行ったが、この実施の形態2では図7(A)に示すプリフォーム1の予備殺菌温度までの予熱と図7(B)に示す予備殺菌とを、プリフォーム1が加熱炉50内に導入される手前で行っている。
すなわち、図7(A)(B)に示したように、加熱炉50外においてプリフォーム1がノズル80からホットエアPを供給されることによって予備殺菌温度まで予熱され、次いで、ノズル81から過酸化水素ミストK又はガスを吹き付けられることにより予備殺菌が行われる。これにより、プリフォーム1の表面に付着した微生物は口部2aの内表面に付着したものを除いてほとんどの微生物が殺菌される。
予備殺菌されたプリフォーム1は、図7(C)に示すように、加熱炉50に入って成形温度まで加熱され、図8(D)に示すように、金型4内でボトル2にブロー成形され、図8(E)に示すように、このボトル2が金型4から取り出される。
金型4から取り出されたボトル2は、図8(F)に示すように、無菌の温水Hによる温水リンスである本殺菌に付される。図8(F)中、符号46は無菌の温水Hをボトル2内に吹き付ける温水リンス用ノズルを示す。温水Hの温度は、ボトル2が変形等しない程度の範囲に維持される。
ボトル2はプリフォーム1の段階で予備殺菌温度まで予熱され、過酸化水素ミストK又はガスを吹き付けられることにより予備殺菌が行われている。したがって、上記ボトル2の成形後に生残した菌がこの温水リンスによって殺菌処理される。
温水リンス後のボトル2には、図9(G)に示すように飲料aが充填され、図9(H)に示すようにキャップ3が被せられる。
この実施の形態2の充填方法は、低酸性飲料以外の酸性飲料、炭酸飲料、ミネラルウォーターなど芽胞形成細菌を滅菌する必要がない飲料の製造に好適である。
図10に示すように、この実施の形態2の充填方法を実施するための充填装置は、プリフォーム1を予熱する手段としてホットエアPを吐出するノズル80が加熱炉50外に配置されたホイール17の近傍に配置される。図7(A)に示すように、このノズル80から吐出されたホットエアPが、プリフォーム1の口部2aからプリフォーム1内に向かって吹き込まれ、これにより、プリフォーム1の内面が予熱される。
なお、ホットエアPを吐出するノズル80は複数本設けてもよい。すなわち、図11(A)(B)に示すように、ホイール17の円弧に沿って伸びるようにマニフォルド82を設け、このマニフォルド82の下面に多数のノズル80をホイール17の円弧に沿って取り付けるようにしてもよい。ノズル80はマニフォルド82の下面に穿設した単なる小孔としてもよい。マニフォルド82内に供給されたホットエアPは各ノズル80から噴き出し、これらノズル80の列下をプリフォーム1の列が口部2aを上に向けて走行する。これにより、各ノズル80から吐出されたホットエアPが、プリフォーム1の口部2aからプリフォーム1内に向かって吹き込まれ、プリフォーム1の内面が予熱される。
次に、プリフォーム1を予備殺菌する手段として過酸化水素ミストK又はガスを吐出するノズル81が加熱炉50外に配置されたホイール18の近傍に配置される。図7(B)に示すように、このノズル81から吐出された過酸化水素ミストK又はガスの一部が、プリフォーム1の口部2aからプリフォーム1内に流入し、また、他部分がプリフォーム1の外面に接触しながら流下し、これにより、プリフォーム1の内外面が予備殺菌される。
また、充填装置の充填機13内では、実施の形態1におけるホイール27に代えて温水リンス用のホイール49が設けられる。ホイール49の回りには、図8(F)に示した温水Hを吐出するノズル46が図示しないグリッパと共に所定間隔で設けられる。このホイール49のグリッパは上下反転動作が可能であり、図8(E)に示したボトル2を把持して図8(F)に示すように上下逆様にして走行する。このグリッパ及びボトル2の走行に同期してノズル46が走行しつつボトル2の口部2aからボトル2内に侵入し、温水Hをボトル2内に吐出する。温水Hはボトル2内に充満し、ボトル2の内面を殺菌した後、口部2aからボトル2外に流出する。
この温水リンス後、ボトル2はホイール35の回りを走行しつつ、フィラー39の充填ノズル10により飲料aを充填される(図9(G))。飲料aが充填されたボトル2は、図9(H)に示すように、キャッパー40によりキャップ3が施されて密封され、充填装置外に排出される。
その他、この実施の形態2において、実施の形態1の部分と同じ部分には同じ符号を付して示し、重複した説明を省略する。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく種々の形態にて実施可能である。例えば、本発明が適用される容器はPETボトルに限定されず、種々の樹脂製容器に適用することができる。容器の成形はインジェクションブローに限定されず、ダイレクトブロー等各種のブロー成形によって成形可能である。また、プリフォームや容器を搬送する搬送手段は、図4及び図10に示したホイール搬送装置に限定されない。容器が成形された順に所定の搬送速度で搬送可能な種々の搬送装置、例えばベルト搬送装置、バケット搬送装置、エア搬送装置を使用することもできる。さらに、実施の形態では、本殺菌を過酸化水素又は温水を用いて行ったが、過酸化水素に代えて過酢酸をボトルに吹き付けたり、電子線をボトルに照射したりすることによって本殺菌を行うことも可能である。
1…プリフォーム
2…ボトル
3…キャップ
4…金型
6…本殺菌用のノズル
19…無端チェーン
39…フィラー
40…キャッパー
43a…スピンドルの貫通穴
45…エアリンス用のノズル
46…温水リンス用のノズル
50…加熱炉
81…予備殺菌用のノズル
a…飲料
G…過酸化水素のガス
H…無菌温水
M…過酸化水素のミスト
K…過酸化水素のミスト
N…無菌エア

Claims (6)

  1. プリフォームを連続走行させながら、プリフォームを予備殺菌温度まで予熱し、予熱したプリフォームに過酸化水素ミスト又はガスを吹き付けてプリフォームを予備殺菌し、さらにプリフォームを成形温度まで加熱し、成形温度に達したプリフォームを同じく連続走行するブロー成形型内で容器に成形し、ブロー成形型から容器を取り出して連続走行させながら容器を本殺菌し、本殺菌後の容器に飲料を充填して蓋で密封する飲料充填方法であって、上記プリフォームの予熱と、予備殺菌と、成形温度までの加熱とを加熱炉内で行うことを特徴とする飲料充填方法。
  2. 請求項1に記載の飲料充填方法において、上記本殺菌を、プリフォームでの加熱による熱が残留した容器に、過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けることによって行い、続いて無菌エアによりエアリンスをすることを特徴とする飲料充填方法。
  3. 請求項1に記載の飲料充填方法において、上記本殺菌を、無菌の温水を用いた温水リンスによって行うことを特徴とする飲料充填方法。
  4. プリフォームが容器に成形され、容器に飲料が充填され、容器が蓋で密封されるまでプリフォーム及び容器を連続走行させる搬送路が設けられ、プリフォームを成形温度まで加熱する加熱炉と、成形温度まで加熱されたプリフォームを容器にブロー成形する成形型と、ブロー成形した容器を本殺菌する本殺菌手段と、本殺菌された容器に飲料を充填するフィラーと、飲料が充填された容器を密封するキャッパーとが上記搬送路に沿って設けられ、上記加熱炉内におけるプリフォームの搬送路の略中間位置には、プリフォームに過酸化水素ミスト又はガスを吹き付ける過酸化水素供給手段が設けられることにより、上記加熱炉内の搬送路の前半でプリフォームが予熱されたうえで予備殺菌され、後半でプリフォームが成形温度まで加熱されるようにしたことを特徴とする飲料充填装置。
  5. 請求項に記載の飲料充填装置において、上記本殺菌手段が、プリフォームでの加熱による熱が残留した容器に過酸化水素の凝結ミスト又はガスを吹き付ける殺菌用ノズルと、過酸化水素の凝結ミスト又はガスが吹き付けられた容器に無菌エアを吹き付けてエアリンスするエアリンス用ノズルとを含んでいることを特徴とする飲料充填装置。
  6. 請求項に記載の飲料充填装置において、上記本殺菌手段が、プリフォームでの加熱による熱が残留した容器に無菌の温水を吹き付けて温水リンスする温水リンス用ノズルを含んでいることを特徴とする飲料充填装置。
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