JP5845649B2 - 積層チューブ - Google Patents
積層チューブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5845649B2 JP5845649B2 JP2011133960A JP2011133960A JP5845649B2 JP 5845649 B2 JP5845649 B2 JP 5845649B2 JP 2011133960 A JP2011133960 A JP 2011133960A JP 2011133960 A JP2011133960 A JP 2011133960A JP 5845649 B2 JP5845649 B2 JP 5845649B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- group
- layer
- compound
- laminated tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L—PIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L11/00—Hoses, i.e. flexible pipes
- F16L11/04—Hoses, i.e. flexible pipes made of rubber or flexible plastics
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B1/00—Layered products having a general shape other than plane
- B32B1/08—Tubular products
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/06—Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
- B32B27/08—Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/32—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/32—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins
- B32B27/322—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins comprising halogenated polyolefins, e.g. PTFE
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/34—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyamides
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/36—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters
- B32B27/365—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters comprising polycarbonates
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/40—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyurethanes
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/03—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
- B29C48/09—Articles with cross-sections having partially or fully enclosed cavities, e.g. pipes or channels
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/16—Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers
- B29C48/18—Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers the components being layers
- B29C48/22—Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers the components being layers with means connecting the layers, e.g. tie layers or undercuts
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B2307/00—Properties of the layers or laminate
- B32B2307/40—Properties of the layers or laminate having particular optical properties
- B32B2307/412—Transparent
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B2597/00—Tubular articles, e.g. hoses, pipes
Description
そのため、フッ素系樹脂と他の熱可塑性樹脂とを複合化した成形品、即ち、フッ素系樹脂の欠点が他の熱可塑性樹脂によって補われるとともに、フッ素系樹脂の優れた特性をそのまま維持し、双方の樹脂の利点を有効に発現した成形品が期待されている。
例えば、薬液搬送用チューブにおいて、薬液に直接接する内層には、エタノールやメタノール等の腐食性溶剤やその他薬液に対する耐薬品性及びこれらに対する薬液透過防止性に優れる樹脂を使用することが求められており、内層材料としては、フッ素系樹脂が最も好ましい材料候補の一つとして考えられる。
例えば、インクジェット記録装置等の画像形成装置において、貯蔵された容器(インクタンク)から記録ヘッド等の吐出手段にインクを供給するために接続されるインク供給用チューブは、固定設置される容器と、繰り返し移動する印刷ヘッドを連係するものであるから、繰り返される折り曲げに対して高い耐久性を有していること、すなわち、優れた柔軟性を有していることが要求される。
特に、冬場のような低温下においても硬直化せず、優れた柔軟性を保持できるものであることが要求される。
また、本発明者らも、末端アミノ基濃度が20μeq/g以上であるポリアミドエラストマーからなる層、及びポリアミド系樹脂に対して反応性を有する官能基が分子鎖中に導入された含フッ素系重合体からなる層を有する、少なくとも2層からなる積層チューブを提案している(特許文献4)。
これらの技術によれば、官能基含有フッ素系重合体を使用することにより、共押出成形法にて積層チューブの成形が可能であり、表面処理工程や接着層の塗着工程を要することなく、これに付随する設備投資を必要とせず、製造コストの低減化が可能である。
特許文献2に開示される積層チューブにおいても、層間接着強度が小さく実使用に値しない、あるいは、初期の層間接着強度が十分である場合でも、薬液と接触・浸漬した状況下にて継続使用した場合等、層間接着強度の耐久性が不十分であり、また、曲げ加工時、層間接着強度不足のため、層間剥離する場合がある。よって、層間接着性、層間接着強度の薬液に対する耐久性に優れ、かつ柔軟性を兼備し、共押出成形法にて、安価かつ安定的に製造可能な積層チューブの開発が望まれるところである。
さらに、一般的にフッ素系樹脂は、ポリアミドエラストマーやポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーと比較して、成形加工温度が高い。
特許文献3の実施例に開示されている含フッ素系重合体は、融点が195℃のエチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロエチレン共重合体であるが、ライン速度を上げ高生産効率にてチューブを生産した時、積層される相手材と十分な層間接着強度を確保しようとした場合、実際の推奨加工温度は260〜285℃である。
このような積層チューブの成形温度下において、材料の溶融粘度が低いと、ドローダウンと称される自重変形が問題となり、偏肉が大きく、不均一な肉厚分布を有し、十分な肉厚の確保が困難となる。また、使用する材料間の溶融粘度の差が大きい場合においても、両材料の熱溶融安定性を確保できず、層界面の不安定性に起因すると考えられる層間接着強度の不足や、積層チューブの肉厚分布の不均一といった品質上の欠陥を招くこととなる。
また、共押出する相手材に合わせて融点が低下させた含フッ素系重合体は、耐熱性、耐薬品性、薬液透過防止性が低下し、含フッ素系重合体の優れた特性を付与できないという問題がある。
よって、上記に開示された、熱可塑性エラストマーと官能基含有フッ素系重合体からなる積層チューブにおいて、熱可塑性エラストマーの溶融粘度に着目した押出成形性改良の技術的開示や示唆もなく、ポリアミドエラストマーであっても、従来困難であった高い成形加工温度での含フッ素系重合体からなる層を有する積層成形体の製造において、押出成形性が良好であり、層間接着強度が高く、均一な肉厚分布を有するポリアミドエラストマーと含フッ素系重合体を含む積層チューブの開発が求められるところである。
ポリアミドエラストマーとポリカーボネートが配合されて、これらを含有するポリアミドエラストマー組成物からなる層と、含フッ素系重合体からなる層を含む、好ましくはこれらの層よりなる、積層チューブにおいて、
押出成形性が良好であり、層間接着性、薬液接触後の層間接着強度の耐久性、柔軟性、透明性、薬液透過防止性に優れた積層チューブを提供することである。
(1)少なくとも層(a)と層(b)とを有する積層チューブであって、
前記層(a)が、ポリアミドエラストマー(樹脂X)100質量部に対して、ポリカーボネート(樹脂R)0.3〜5質量部を含むポリアミドエラストマー組成物(樹脂A)からなり、
前記層(b)が含フッ素系重合体(樹脂B)からなり、
前記樹脂Xは、末端アミノ基濃度が20μeq/g以上であり、
前記樹脂Bは、アミノ基に対して反応性を有する官能基を分子鎖中に導入されている積層チューブ。
(2)少なくとも前記層(a)と前記層(b)とが接触するように共押出成形する工程を有する前記(1)記載の積層チューブの製造方法。
押出成形性が良好であり、層間接着性、薬液接触後の層間接着強度の耐久性、柔軟性、透明性、薬液透過防止性に優れた積層チューブを提供することができる。
少なくとも層(a)と層(b)とを有し、好ましくは層(a)と層(b)とが接触して積層されている積層チューブであって、
前記層(a)が、ポリアミドエラストマー(樹脂X)100質量部に対して、ポリカーボネート(樹脂R)0.3〜5質量部を含むポリアミドエラストマー組成物(樹脂A)からなり、
前記層(b)が含フッ素系重合体(樹脂B)からなり、
前記樹脂Xは、末端アミノ基濃度が20μeq/g以上であり、
前記樹脂Bは、アミノ基に対して反応性を有する官能基を分子鎖中に導入されている。
本発明の積層チューブにおいて、好ましくは、
前記樹脂Xの含有量が、前記樹脂A中、50質量%以上であり、
前記樹脂Xが、化合物O1由来の単位と、化合物P1及び/又は成分P2由来の単位と、化合物Q由来の単位を含む重合体であり、
前記化合物O1が、下記式(1)
(式(1)中、xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表す。)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミンであり、
前記化合物P1が、下記式(2)
(式(2)中、R1は炭化水素鎖を含む連結基を表す。)で表わされるアミノカルボン酸化合物であり、
前記化合物P2が、下記式(3)
(式(3)中、R2は炭化水素鎖を含む連結基を表す。)で表わされるラクタム化合物であり、
前記化合物Qが、下記式(4)
(式(4)中、R3は炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1である。)で表されるジカルボン酸化合物である。
樹脂Xは、末端アミノ基濃度が20μeq/g以上を満たす限りにおいては、公知のポリアミドエラストマーを用いることができる。
樹脂Xの末端アミノ基濃度は20μeq/g以上であり、25μeq/g以上であることが好ましく、30μeq/g以上であることがより好ましい。
末端アミノ基濃度が前記の値未満であると、積層される相手材との層間接着性に劣り、また後記の樹脂Rとの反応性が劣り、本発明の効果が発現しない。さらに、末端アミノ基濃度が80μeq/g以下であることが、ポリアミドエラストマーの重合生産性の点から好ましい。
さらに、ASTM D−790に準拠して測定した曲げ弾性率が、20〜450MPaであることが好ましく、20〜400MPaであることがより好ましく、20〜350MPaであることがさらに好ましく、20〜300MPaであることがさらに好ましい。
特定樹脂Xは、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックの間を好ましくはアミド結合で結合したポリアミド系熱可塑性エラストマーであればよく、別々に生成し末端に反応基を有するポリアミドブロック及びポリエーテルブロックを、末端の反応基で相互に結合させても得ることができるが、下記式(1)
化合物O1と化合物O2とを含む化合物O、後述するアミノカルボン酸化合物(以下、化合物P1ともいう。)及びラクタム化合物(以下、化合物P2ともいう。)から選ばれる化合物P、及び化合物Qを重合して得られるエラストマーである。
x及びzは、通常1〜20であり、1〜18であることが好ましく、1〜16であることがより好ましく、1〜14であることがさらに好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、
yは、通常4〜50であり、5〜45であることが好ましく、6〜40であることがより好ましく、7〜35であることがさらに好ましく、8〜30であることがさらに好ましい。
米国HUNTSMAN社製XTJ−533(式(1)において、xがおよそ12、yがおよそ11、zがおよそ11)、
XTJ−536(式(1)において、xがおよそ8.5、yがおよそ17、zがおよそ7.5)、
XTJ−542(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ9、zがおよそ2)、
XTJ−559(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ14、zがおよそ2)等が挙げられる。
XYX−1(式(1)において、xがおよそ5、yがおよそ14、zがおよそ4)、
そしてXYX−2(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ19、zがおよそ2)等も用いることができる。
化合物O1の割合が、前記の値未満であると、屈曲疲労性等のエラストマーとしての特性が十分に発現されない場合がある。一方、前記の値を超えると、ポリアミド成分が少ないためにポリアミドに特徴的な優れた力学的な強度が発現されない場合がある。
好ましい態様において、化合物O2の割合は、化合物O、化合物P、及び化合物Qの総量に対して、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
化合物の割合O2が、前記の値未満であると、透明性が十分に発現されない場合がある。一方、前記の値を超えると、ポリアミド形成性モノマー由来の結晶性が低下し、十分な力学的強度が発現されない場合がある。
化合物P1は、下記式(2)
化合物Pの割合が、前記の値未満であると、ポリアミド成分の結晶性が低くなり、強度、弾性率等の機械的物性が低下する場合がある。一方、前記の値を超えると、ゴム弾性や柔軟性等のエラストマーとしての機能、性能が発現しにくくなる場合がある。
炭素原子数1〜50の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素原子数1〜50のアルキレン基が好ましく、
炭素原子数1〜25の上記炭化水素基又は炭素原子数1〜25のアルキレン基がより好ましく、
炭素原子数1〜20の上記炭化水素基又は炭素原子数1〜20のアルキレン基がより好ましく、
炭素原子数2〜20の上記炭化水素基又は炭素原子数2〜20のアルキレン基がより好ましく、
炭素原子数2〜12の上記炭化水素基又は炭素原子数2〜12のアルキレン基がより好ましく、
炭素原子数4〜10の上記炭化水素基又は炭素原子数4〜10のアルキレン基がさらに好ましい。
また、mは0又は1である。
化合物Qの具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸等の炭素原子数2〜25の直鎖脂肪族ジカルボン酸、又は、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素原子数14〜50の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
化合物Qは、上記脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸であることが好ましい。
ダイマー酸及び水添ダイマー酸は、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」等を用いることができる。
特定樹脂Xの製造方法として、一例を挙げると、(化合物O1)XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物を含む化合物O、化合物P1及び化合物P2から選ばれる化合物P、及び化合物Qの3成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じてさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、化合物Pと化合物Qの2成分を先に重合させ、ついで、化合物O1を含む化合物Oを重合させる方法も利用できる。
化合物O及び化合物Qの合計仕込み割合は、化合物O、化合物P、及び化合物Qの合計量に対して、5〜90質量%であることが好ましく、5〜85質量%であることがより好ましく、15〜85質量%であることがさらに好ましく、20〜85質量%であることがさらに好ましい。
化合物Oと化合物Qについては、化合物Oのアミノ基(その他のジアミン化合物を含有するときはそのアミノ基も含む。)と化合物Qのカルボキシル基がほぼ等モルになるように仕込むことが好ましい。
一方、化合物Pとして化合物P2を用いる場合には、適量の水を共存させ、通常0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。
重合時間が前記の値未満であると、分子量の上昇が十分でなく、一方、前記の値を超えると熱分解による着色等が起こり、いずれの場合も所望の物性を有するポリマーが得られない場合がある。
相対粘度が前記の値未満であると、機械的特性が劣る場合があり、一方、前記の値を超えると、重合に長時間を要する場合がある。
樹脂Rは、少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物であればよく、公知の方法、ジヒドロキシ化合物とホスゲンを水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる方法(界面重合法、ホスゲン法)、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶融状態あるいは固相状態でエステル交換反応(溶融法、固相法)させる方法で製造されたものを使用することができる。
ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノールAモノメチル炭酸エステル、ビスフェノールAモノエチル炭酸エステル、ビスフェノールAモノプロピル炭酸エステル、ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、炭酸ジアルキル化合物としては、例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ビスフェノールAビスメチルカーボネート等が挙げられる。炭酸アルキルアリール化合物としては、例えば、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ブチルフェニルカーボネート、シクロヘキシルフェニルカーボネート、ビスフェノールAメチルフェニルカーボネート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、ジフェニルカーボネートが好ましい。
なお、樹脂Rとしてポリカーボネート構造単位のみからなる一般的で入手容易なポリカーボネートを用いた場合でも、ポリアミドエラストマーの物性や特性を大きく改質できる。
粘度平均分子量(Mv)は、塩化メチレン100ml中にポリカーボネート0.7gを20℃に溶解した溶液から比粘度(ηSP)を測定し、極限粘度〔η〕を求め、
式[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
により算出される。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0 [t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]としたとき、極限粘度〔η〕と相対粘度(ηSP)は、
式ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し、[η]は極限粘度を表す。)
の関係を満たす。ここで、cは塩化メチレン溶液中のポリマー濃度である。
樹脂Rの含有量が前記の未満であると、ポリアミドエラストマーの増粘効果に劣り、ダイとサイジングフォマーとの間で垂下することなく、偏肉が少なく均一な肉厚分布を有するチューブを得ることができない。一方、前記の値を超えると、組成物製造時に強い発泡が見られ、耐薬品性、耐熱性、機械物性等は著しく低下し、前記ポリアミドエラストマーの持つ特徴的な性質が著しく損なわれる。
樹脂Aは、
第1の態様の積層チューブにおいて、樹脂X100質量部に対して、樹脂Rを0.3〜5質量部を配合してなるポリアミドエラストマー組成物であり、
第2の態様の積層チューブにおいて、樹脂X100質量部に対して、樹脂Rを0.3〜5質量部を含むポリアミドエラストマー組成物である。
通常知られているポリアミドエラストマーは、ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとするポリエーテルエステルアミドエラストマーである。
ポリエーテルエステルアミドエラストマーにおいて、ソフトセグメントとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールや、α,ω−ジヒドロキシ炭化水素が用いられ、ポリエーテルエステルアミドエラストマーは後記の実施例の通り、末端アミノ基濃度がゼロに限り無く近く、本発明の規定外のポリアミドエラストマーである。
樹脂Xは、後述する特定樹脂Xの含有量が、50質量%以上であることが好ましく、60質量%であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%、即ち、樹脂Xの全てが特定樹脂であることがさらに好ましい。該特定樹脂Xは、化合物O1を構成単位とするため、本発明に規定されている末端アミノ基濃度を満たすことが可能となり、後述する樹脂Bとの初期の層間接着性や薬液との接触後の層間接着強度の耐久性に優れることとなり、樹脂Rとの反応性が向上することから、本発明の改良効果を奏するものとなる。
さらに、樹脂Aは、特性を損なわない範囲、本発明に規定する末端アミノ基濃度を満たす限りにおいては他のポリアミド系樹脂又はその他の熱可塑性樹脂を含むことが出来る。
溶融混練法による場合は、前記の樹脂Xと樹脂Rを、必要に応じてその他添加剤を所定の配合割合にて、均一に混合した後に溶融混練すればよい。
混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等を用いて均一に混合した後、溶融混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸又は二軸等の多軸混練押出機等が使用される。
溶融混練温度は、使用するポリアミド樹脂の種類に応じて反応速度及び反応の選択性等を考慮して適宜選択できるが、140〜300℃であることが好ましく、150〜270℃であることがより好ましい。溶融混練は常圧下、減圧下、加圧下の何れの条件下で行ってもよく、その時間は、通常の二軸押出機での混練時間、例えば20秒〜3分程度であるが、これに限定されない。
本発明において使用される、樹脂Bは、反応性を有する官能基を分子構造内に有している含フッ素系重合体を指す。
樹脂Bは、少なくとも1種の含フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体(単独重合体又は共重合体)である。熱溶融加工可能な含フッ素系重合体であれば特に限定されるものではない。
ここで含フッ素単量体としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン(VDF)、フッ化ビニル(VF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、
CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1〜10のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)、
CF2=CF−OCH2−Rf2(ここで、Rf2は、炭素原子数1〜10のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキレン基を表す。)、
CF2=CF(CF2)pOCF=CF2(ここで、pは1又は2を示す。)、
CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2〜10の整数である。)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
CF2=CFOCF2(パーフルオロ(メチルビニルエーテル):PMVE)、
CF2=CFOCF2CF3(パーフルオロ(エチルビニルエーテル):PEVE)、
CF2=CFOCF2CF2CF3(パーフルオロ(プロピルビニルエーテル):PPVE)、
CF2=CFOCF2CF2CF2CF3(パーフルオロ(ブチルビニルエーテル):PBVE)や
CF2=CFO(CF2)8F(パーフルオロ(オクチルビニルエーテル):POVE)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEと称する場合がある。)が挙げられる。これらの中でも、CF2=CFOCF2、CF2=CFOCF2CF2CF3が好ましい。
具体的には、CH2=CF(CF2)2F、CH2=CF(CF2)3F、CH2=CF(CF2)4F、CH2=CF(CF2)5F、CH2=CF(CF2)8F、CH2=CF(CF2)2H、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4H、CH2=CF(CF2)5H、CH2=CF(CF2)8H、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CH(CF2)5F、CH2=CH(CF2)8F、CH2=CH(CF2)2H、CH2=CH(CF2)3H、CH2=CH(CF2)4H、CH2=CH(CF2)5H、CH2=CH(CF2)8H等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、CH2=CH(CF2)nF又はCH2=CF(CF2)nHで表される化合物であって、式中のnは2〜4であることが、樹脂Bの薬液透過防止性と耐クラック性を両立することからより好ましい。
(B1−1)フッ化ビニリデン単独重合体(ポリフッ化ビニリデン(PVDF))、
(B1−2)VDF単位とTFE単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量が30〜99モル%、及びTFE単位の含有量が1〜70モル%である共重合体、
(B1−3)VDF単位とTFE単位、及びトリクロロフルオロエチレン単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量が10〜90モル%、TFE単位の含有量が0〜90モル%、及びトリクロロフルオロエチレン単位の含有量が0〜30モル%である共重合体、
(B1−4)VDF単位とTFE単位、及びHFP単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量が10〜90モル%、TFE単位の含有量が0〜90モル%、及びHFP単位の含有量が0〜30モル%である共重合体等が挙げられる。
(B2−1)TFE単位とE単位、及び上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2〜10の整数である。)で表されるフルオロオレフィンに由来するフルオロオレフィン単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が30〜70モル%、E単位の含有量が20〜55モル%、及び上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2〜10の整数である。)で表されるフルオロオレフィンに由来するフルオロオレフィン単位の含有量が0〜10モル%である共重合体、
(B2−2)TFE単位とE単位とHFP単位、及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が30〜70モル%、E単位の含有量が20〜55モル%、HFP単位の含有量が1〜30モル%、及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位の含有量が0〜10モル%である共重合体、
(B2−3)TFE単位とE単位、及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1〜10のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来するPAVE単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が30〜70モル%、E単位の含有量が20〜55モル%、及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1〜10のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来するPAVE単位の含有量が0〜10モル%である共重合体等が挙げられる。
上記(B3)CTFE共重合体における含フッ素単量体としては、CTFE以外のものであれば特に限定されないが、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1〜10のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVE、上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2〜10の整数である。)で表されるフルオロオレフィン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、重合は、一槽ないし多槽式の攪拌型重合装置、管型重合装置を使用して、回分式又は連続式操作として実施することができる。
連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のクロロハイドロカーボンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、分子量は、重合に用いる単量体の濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温度によって制御される。
樹脂Bの融点は、目的、用途、使用方法により適宜選択されるが、前記樹脂Aと共押出する場合、当該樹脂の成形温度に近いことが好ましい。そのため、前記含フッ素単量体、その他の単量体と後記の官能基含有単量体の割合を適宜調節し、樹脂Bの融点を最適化することが好ましい。特に、樹脂Aとの共押出時の熱溶融安定性を考慮すると、樹脂Bの融点が150〜230℃であることが好ましい。樹脂Bの融点が前記の値を超えると、積層チューブの連続生産性に劣る場合があり、さらに、樹脂Aとの共押出時の熱溶融安定性を確保するため、樹脂Bの成形温度を下げると、該含フッ素系重合体からなる層の脈動を誘引し、樹脂Aとの層間接着性に劣る場合がある。
一方、前記の値未満であると、樹脂Bの耐熱性、耐薬品性、薬液透過防止性に劣る場合がある。
ここで、融点とは、示差走査熱量測定装置を用いて、試料を予想される融点以上の温度に加熱し、次に、この試料を1分間あたり10℃の速度で降温し、30℃まで冷却、そのまま約1分間放置したのち1分間あたり10℃の速度で昇温することにより測定される融解曲線のピ−ク値の温度を融点と定義するものとする。
また、官能基は、樹脂B中に単独、又は2種類以上のものが併用されていてもよい。その官能基の種類、含有量は、樹脂Bに、積層される相手材の種類、形状、用途、要求される層間接着性、接着方法、官能基導入方法等により適宜決定される。
(i)樹脂Bの重合時、官能基を有する共重合可能な単量体を共重合する方法、
(ii)重合開始剤、連鎖移動剤等により、重合時に樹脂Bの分子末端に官能基を導入する方法、
(iii)反応性を有する官能基をグラフト化が可能な官能基を有する化合物(グラフト化合物)を含フッ素系重合体にグラフトさせる方法等が挙げられる。これらの導入方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
積層チューブにおける層間接着性を考慮した場合、上記(i)、(ii)から製造される樹脂Bが好ましい。
(iii)については、特開平7−18035号公報、特開平7−25952号公報、特開平7−25954号公報、特開平7−173230号公報、特開平7−173446号公報、特開平7−173447号公報、特表平10−503236号公報による製造法を参照されたい。
以下、(i)含フッ素系重合体の重合時、官能基を有する共重合可能な単量体を共重合する方法、(ii)重合開始剤等により含フッ素系重合体の分子末端に官能基を導入する方法について説明する。
CX3=CX4−(R12)n−Y
(ここで、Yは、−OH、−CH2OH、−COOM(Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。)、カルボキシル基由来基、−SO3M(Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。)、スルホン酸由来基、エポキシ基、及び−CNからなる群より選択される官能基を表し、
X3及びX4は、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し(但し、X3及びX4が同一に水素原子の場合、n=1であり、R12にフッ素原子を含む。)、
R12は、炭素原子数1〜40のアルキレン基、炭素原子数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素原子数1〜40の含フッ素アルキレン基、又は、エーテル結合を有する炭素原子数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基を表し、nは0又は1である。)で表される不飽和化合物である。
上記一般式におけるYであるカルボキシル基由来基としては、例えば、一般式
−C(=O)Q1
(式中、Q1は、−OR13、−NH2、F、Cl、Br又はIを表し、R13は、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数6〜22のアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
上記一般式におけるYであるスルホン酸由来基としては、例えば、一般式
−SO2Q2
(式中Q2は、−OR14、−NH2、F、Cl、Br又はIを表し、R14は、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数6〜22のアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
前記Yは、−COOH、−CH2OH、−SO3H、−SO3Na、−SO2F及び/又は−CNが好ましい。
官能基含有単量体の含有量が前記の値未満であると、層間接着性が充分得られにくく、使用環境条件により、層間接着性の低下を招く場合がある。一方、前記の値を超えると耐熱性を低下させ、高温での加工時、接着不良や着色や発泡、高温での使用時、分解による剥離や着色・発泡、溶出等が発生する場合がある。また、上記含有量を満たす限りにおいて、官能基が導入された含フッ素系重合体と、官能基が導入されていない含フッ素系重合体の混合物であって構わない。
−OC(=O)O−
の結合を有する基であり、具体的には、
−OC(=O)O−R15
基[R15は水素原子、有機基(例えば、炭素原子数1〜20アルキル基、エーテル結合を有する炭素原子数2〜20アルキル基等)、又はI、II、VII族元素である。]の構造のもので、 −OC(=O)OCH3、−OC(=O)OC3H7、−OC(=O)OC8H17、−OC(=O)OCH2CH2OCH2CH3等が挙げられる。
ハロホルミル基は、具体的には
−COZ
[Zはハロゲン元素である。]の構造のもので、−COF、−COCl等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
重合体の分子末端にハロホルミル基を導入するためには、種々の方法を採用できるが、例えば、前述のカーボネート基を末端に有する含フッ素系重合体のカーボネート基を加熱させ熱分解(脱炭酸)させることにより得ることができる。
重合体の分子末端のカーボネート基含有量は、重合条件を調整することによって制御できる。
重合開始剤の使用量が前記の値を超えると、重合速度の制御が困難となる場合があり、一方、前記の値未満であると、重合速度が遅くなる場合がある。
重合開始剤の添加法は特に限定されず、重合開始時に一括添加してもよいし、重合中に連続添加しても良い。添加方法は、重合開始剤の分解反応性と重合温度により適宜選択される。
官能基数が前記の値未満であると、層間接着性が充分得られにくく、使用環境条件により、層間接着性の低下を招く場合がある。
一方、前記の値を超えると耐熱性を低下させ、高温での加工時、接着不良や着色や発泡、高温での使用時、分解による剥離や着色・発泡、溶出等が発生する場合がある。
また、上記官能基数を満たす限りにおいて、官能基が導入された含フッ素系重合体と、官能基が導入されていない含フッ素系重合体の混合物であって構わない。
さらに、アミノ基に対して反応性を有する官能基が分子鎖中に含有されることにより、積層チューブにおいて、層間接着性が不十分又は不可能であった種々の材料に対し、表面処理等特別な処理や接着性樹脂の被覆等を行なわず、直接、他の基材との優れた層間接着性を付与することができる。
樹脂Aからなる層(a)が最外層に配置されることにより、柔軟性、耐振動性に優れる積層チューブが得られる。
樹脂Bからなる層(b)が含まれないと積層チューブの薬液透過防止性、耐薬品性が低下する。
さらに、樹脂Aからなる層(a)と、樹脂Bからなる層(b)が直接接着される配置が、層間接着性、特に、長期に亘って層間接着強度の耐久性に優れる点からより好ましい。
さらに本発明の積層チューブは、層(a)、層(b)の2層以外に、更なる機能を付与、あるいは経済的に有利な積層チューブを得るために、他の熱可塑性樹脂からなる層を1層又は2層以上を有していてもよい。
前記積層チューブにおいては、層(a)が、層(b)と層(c)の間に配置されることが好ましい。
樹脂Cは、ポリオール及びイソシアネート化合物を反応させて得られたポリウレタン、ポリオール、イソシアネート化合物及び鎖伸長剤を反応させて得られたポリウレタン等を用いることができ、熱可塑性ポリウレタンまたはポリウレタンエラストマーが好ましく、ポリウレタンエラストマーがより好ましい。
ジカルボン酸としては、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−/1,5−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられ、これらは1種又は2種以上用いることができる。これらの中でもアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらの低級アルキルエステルが好ましい。
これらの中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオールが好ましい。
ジイソシアネートとしては、1,3−プロパンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、1,5−ペンタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、1,8−オクタンジイソシアネート、1,9−ノナンジイソシアネート、2,2,4−/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3−/1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,1−ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルエタン、2,2−ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−イソシアネートシクロヘキシル)プロパン、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリシクロデカンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート、m−/p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2−ビス(4−イソシアネートフェニル)プロパン、m−/p−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1,4−/1,5−/2,6−/2,7−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でもヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
鎖伸長剤としては、1,2−エタンジオール、3−オキサ−1,5−ペンタンジオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジオール、1,3−プロパンジオール、4−オキサ−2,6−ヘプタンジオール、1,2−/1,3−/1,4−/2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−/1,4−シクロヘキサンジオール、m−/p−キシリレンジオール、1,3−/1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−/1,5−/2,6−/2,7−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等のジオール類、ヒドラジン、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−/1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−/1,4−シクロヘキサンジメチルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、ノルボルネンジアミン、トリシクロデカンジアミン、ピペラジン及びその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、m−/p−キシレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエンアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジアミン類、アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコール等のアミノアルコール類等が挙げられ、これらは1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、炭素原子数2〜10の脂肪族ジオールが好ましく、1,4−ブタンジオールがより好ましい。
即ち、ポリイソシアネート化合物のNCO基と反応するポリオールの水酸基及び鎖延長剤の水酸基あるいはアミノ基の総モル当量と、イソシアネート化合物のイソシアネート基の総モル当量との比がほぼ1になるようにそれぞれの原料の配合比を決定する。
機械物性等の改良の目的でイソシアネート基とそれと反応させるポリオール等の官能基の比を1からずらす場合もある。NCO基とポリオールの水酸基及び鎖延長剤の水酸基あるいはアミノ基の総モル当量比は、0.8:1.0〜1.2:1.0であることが好ましく、0.90:1.0〜1.1:1.0であることがより好ましい。
樹脂Cには、ジオール類とジイソシアネート類を実質的に当量の割合で用いて得られた完全熱可塑性ポリウレタンの他、ジオール類に対して少過剰のジイソシアネート類を用いて得られた遊離(未反応)のイソシアネートが少量残存している不完全熱可塑性ポリイソシアネート等も含まれる。
触媒の配合量は、樹脂Cの原料成分仕込み量100質量部に対しては、0.05〜1質量部であることが好ましく、0.1〜0.5質量部であることがより好ましい。
この範囲とすることにより、弾性回復性に優れた樹脂Cとなり、積層チューブにおいても良好な柔軟性と機械的特性を兼備したものが得られる。
層の数もしくは材料の数に対応する押出機を用いて、溶融押出し、ダイ内あるいは外において同時に積層する方法(共押出法)、あるいは、
一旦、単層チューブあるいは、上記の方法により製造された積層チューブを予め製造しておき、外側に順次、必要に応じては接着剤を使用し、樹脂を一体化せしめ積層する方法(コーティング法)が挙げられる。
本発明の積層チューブの成形方法としては、共押出成形によることが好ましい。
波形領域は、積層チューブ全長にわたり有するものだけではなく、途中の適宜の領域に部分的に有するものであってもよい。
波形領域は、まず直管状のチューブを成形した後に、引き続いてモールド成形し、所定の波形形状等とすることにより容易に形成することができる。
かかる波形領域を有することにより、衝撃吸収性を有し、取り付け性が容易となる。
さらに、例えば、コネクター等の必要な部品を付加したり、曲げ加工によりL字、U字の形状等にする事が可能である。
保護部材は既知の手法によりスポンジ状の多孔体としてもよい。多孔体とすることにより、軽量で断熱性に優れた保護部を形成できる。また、材料コストも低減できる。
あるいは、ガラス繊維等を添加してその強度を改善してもよい。
保護部材の形状は特に限定されないが、通常は、筒状部材又は積層チューブを受け入れる凹部を有するブロック状部材である。筒状部材の場合は、予め作製した筒状部材に積層チューブを後で挿入したり、あるいは積層チューブの上に筒状部材を被覆押出しして両者を密着して作ることができる。
両者を接着させるには、保護部材内面あるいは前記凹面に必要に応じ接着剤を塗布し、これに積層チューブを挿入又は嵌着し、両者を密着することにより、積層チューブと保護部材の一体化された構造体を形成する。また、金属等で補強する事も可能である。
薬液としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール、フェノール系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、二塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロルベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、ガソリン、灯油、ディーゼルガソリン、含酸素ガソリン、含アミンガソリン、サワーガソリン、ひまし油ベースブレーキ液、グリコールエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル系ブレーキ液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブレーキ液、鉱油系ブレーキ液、パワーステアリングオイル、含硫化水素オイル、ウインドウォッシャー液、エンジン冷却液、尿素溶液、グリセリン溶液、医薬剤、インク、塗料、飲料等が挙げられる。
本発明の積層チューブは、上記薬液を搬送するチューブとして好適であり、具体的には、冷却水、冷媒等用クーラーチューブ、エアコン冷媒用チューブ、床暖房チューブ、消火器及び消火設備用チューブ、医療用冷却機材用チューブ、インク、塗料散布チューブ、フィードチューブ、リターンチューブ、エバポチューブ、フューエルフィラーチューブ、ORVRチューブ、リザーブチューブ、ベントチューブ等の燃料チューブ、オイルチューブ、ブレーキチューブ、ウインドウォッシャー液用チューブ、ラジエーターチューブ、石油掘削チューブ、ガソリンスタンド用地下埋設チューブ、その他薬液チューブが挙げられる。
なお、実施例及び比較例における分析及び物性の測定は次のように行った。
[相対粘度]
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、ポリマー濃度0.5%、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
ASTM D−1238に準じて、230℃、2160g荷重下におけるメルトフローレート(MFR)を測定した。
活栓付三角フラスコに所定量のポリアミド試料を入れ、あらかじめ調整しておいた溶媒フェノール/メタノール(体積比9/1)40mLを加えた後、マグネットスターラーで攪拌溶解し、指示薬にチモールブルーを用いて0.05Nの塩酸で滴定を行い、末端アミノ基濃度を求めた。
[含フッ素系重合体の組成]
溶融NMR分析、フッ素含有量分析により測定した。
含フッ素系重合体中の無水イタコン酸(IAN)に基づく重合単位の含有量は、赤外吸収スペクトル分析により、当該重合単位におけるC=O伸縮振動の吸収ピークはいずれも1870cm−1に現れるので、その吸収ピークの吸光度を測定し、M=aLの関係式を用いて、IANに基づく重合単位の含有量M(モル%)を決定した。ここでLは、1870cm−1における吸光度で、aは係数である。aとしては、IANをモデル化合物として決定したa=0.87を用いた。
含フッ素系重合体中の末端カーボネート基数は、赤外吸収スペクトル分析により、カーボネート基(−OC(=O)O−)のカルボニル基が帰属するピークが1809cm−1の吸収波長に現われ、吸収ピークの吸光度を測定し、次式によって含フッ素系重合体中の主鎖炭素原子数106個に対するカーボネート基の個数を算出した。
=500AW/εdf
A:カーボネート基(−OC(=O)O−)のピークの吸光度
ε:カーボネート基(−OC(=O)O−)のモル吸光度係数[cm−1・mol−1]
モデル化合物よりε=170とした。
W:モノマー組成から計算される組成平均分子量
d:フィルムの密度[g/cm3]
f:フィルムの厚み[mm]
[曲げこわさ]
SAE J844 9.8に記載の方法で評価した。製造したチューブ寸法において、曲げこわさが10N以下の場合、柔軟性に優れていると判断した。
200mmにカットしたチューブをさらに縦方向に半分にカットし、テストピースを作成した。万能材料試験機(オリエンテック社製、テンシロンUTM III―200)を用い、50mm/分の引張速度にて180°剥離試験を実施した。S−Sカーブの極大点から剥離強度を読み取り、層間接着性を評価した。
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部に、水系染料インクの溶媒として用いられるグリセリン/尿素/ジエチレングリコール/純水=20/15/15/50体積比に混合した薬液を封入して両端を密封した。これを60℃のオーブンにセットし、1000時間保持した。その後、封入物を完全に除去した後、チューブを乾燥し、上記の方法にて、接着強度を測定し、層間接着強度の耐久性を評価した。薬液浸漬後の層間接着強度が15N/cm以上の場合、層間接着強度の耐久性に優れると判断した。
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部に上記の混合薬液を入れ、残りの端部も密栓した。その後、全体の質量を測定し、次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、一日毎に質量変化を測定した。一日当たりの質量変化を、チューブ1mあたりの表面積で除して燃料透過係数(g/m2・day)を算出した。
200mmにカットしたチューブを縦方向に切断し、厚み1mmの試験片を作成した。
ASTM D−1003に準じ、直読ヘイズコンピューター(スガ試験機(株)製、HGM−2DP)を使用して、同試験片のヘイズを測定した。ヘイズ値が20%以下の場合、チューブの透明性や、輸送される薬液の視認性に優れると判断した。
樹脂A
ポリアミドエラストマー(樹脂X−1)の製造
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に
(化合物P1)12−アミノドデカン酸(宇部興産(株)製)13.248kg、
(化合物Q)アジピン酸(旭化成(株)製)1.092kg、
(化合物O1)XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542、アミン価:1.94meq/g)5.256kg、
(化合物O2)イソホロンジアミン(エボニック社製:VESTAMIN IPD)0.404kg、次亜リン酸ナトリウム1水和物6g及び
耐熱剤(吉富製薬(株)製トミノックス917)60gを仕込んだ。
容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを186リットル/時間で供給しながら、
容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら3.5時間かけて室温から230℃まで昇温し、さらに容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら230℃で5.5時間重合を行った。
重合終了後、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズしてペレットを得た(以下、得られたポリアミドエラストマーを樹脂X−1という。)。
樹脂X−1の相対粘度が1.98、末端アミノ基濃度は37μeq/g、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは21.3g/10分であった。
樹脂X−1に、ポリカーボネート(樹脂R)(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、ユーピロンS−3000、粘度平均分子量:21,000)をあらかじめ混合し、
二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給し、
シリンダー温度160〜220℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、
これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、
樹脂X−1が100質量部、樹脂Rが0.5質量部よりなるポリアミドエラストマー組成物(以下、このポリアミドエラストマー組成物を樹脂A−1という。)のペレットを得た。
樹脂A−1の相対粘度は2.19、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは7.1g/10分であった。
樹脂X−1の製造の製造において、
(化合物P1)12−アミノドデカン酸14.000kg、
(化合物Q)アジピン酸0.742kgに変え、
(化合物O2)イソホロンジアミンを使用しない以外は、樹脂A−1の製造と同様の方法にて、相対粘度2.01、末端アミノ基濃度38μeq/gのポリアミドエラストマーを得た(以下、得られたポリアミドエラストマーを樹脂X−2という。)。
樹脂A−1の製造において、樹脂X−1を樹脂X−2に変更した以外は、樹脂A−1の製造と同様の方法にて、
樹脂X−2が100質量部、樹脂Rが0.5質量部よりなるポリアミドエラストマー組成物のペレットを得た(以下、このポリアミドエラストマー組成物を樹脂A−2という。)。
樹脂A−2の相対粘度は2.21、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは6.0g/10分であった。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に
(化合物P1)12−アミノドデカン酸(宇部興産(株)製)12.78kg及び
(化合物Q)アジピン酸(旭化成(株)製)0.72kgを仕込んだ。
容器を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/時で供給しながら徐々に加熱した。攪拌は速度20rpmで行った。3時間かけて室温から240℃まで昇温し、230℃で4時間重合を行い、ナイロン12のオリゴマーを合成した。
このオリゴマーにポリテトラメチレングリコール(BASF社製、PolyTHF1800)6.5kg、テトラブチルジルコネート0.020kg及び酸化防止剤(吉富製薬(株)製、トミノックス917)0.050kgを仕込んだ。
容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/時で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度20rpmで行った。
3時間かけて室温から210℃まで昇温し、210℃で3時間加熱し、次に徐々に減圧を行い、1時間かけて50Paとし、2時間重合を行った後、さらに30分かけて昇温、減圧を行い、230℃、約30Paで3時間重合を行い終了した。
次に、攪拌を停止し、重合層内に窒素ガスを供給し圧力を常圧に戻した。重合終了後、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズしてペレットを得た。当該ポリマーの相対粘度が2.01、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは13.5g/10分、末端アミノ基濃度は限りなく0μeq/gに近く測定不能であった(以下、得られたポリアミドエラストマーを樹脂X−3という。)。
樹脂A−1の製造において、樹脂X−1を樹脂X−3に変更した以外は、樹脂A−1の製造と同様の方法にて、
樹脂X−3が100質量部、樹脂Rが0.5質量部よりなるポリアミドエラストマー組成物のペレットを得た。該組成物の相対粘度は2.03、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは12.8g/10分であった(以下、このポリアミドエラストマー組成物を樹脂A−3という。)。
樹脂A−1の製造において、樹脂Rの配合量を変更した以外は、樹脂A−1の製造と同様の方法にて、
樹脂X−1が100質量部、樹脂Rが1.0質量部よりなるポリアミドエラストマー組成物のペレットを得た。該組成物の相対粘度は2.43、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは3.4g/10分であった(以下、このポリアミドエラストマー組成物を樹脂A−4という。)。
樹脂A−1の製造において、樹脂Rの配合量を変更した以外は、樹脂A−1の製造と同様の方法にて、
樹脂X−1が100質量部、樹脂Rが0.1質量部よりなるポリアミドエラストマー組成物のペレットを得た。該組成物の相対粘度は2.05、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは18.9g/10分であった(以下、このポリアミドエラストマー組成物を樹脂A−5という。)。
樹脂A−1の製造において、樹脂Rの配合量を変更した以外は、樹脂A−1の製造と同様の方法にて、
樹脂X−1が100質量部、樹脂Rが10質量部よりなるポリアミドエラストマー組成物のペレットを得た。該組成物の相対粘度は2.70、235℃、2160g荷重にて測定したメルトフローレートは1.2g/10分であった(以下、このポリアミドエラストマー組成物を樹脂A−6という。)。
含フッ素系重合体(樹脂B−1)の製造
内容積が94リットルの攪拌機付きオートクレーブを脱気し、
イオン交換水19.7kg、
パーフルオロペンチルジフルオロメタン77.1kg、
CH2=CH(CF2)2F427g、
テトラフルオロエチレン(TFE)3.36kg、
エチレン(E)127gを圧入し、オートクレーブ内を66℃に昇温した。
このとき圧力は0.65MPaであった。
重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートの72gを仕込み、重合を開始させた。
重合中圧力が一定になるようにTFE/E=60/40のモル比のモノマー混合ガスを連続的に仕込んだ。
また、重合中に仕込むTFEとEの合計モル数に対して6モル%に相当する量のCH2=CH(CF2)2Fを連続的に仕込んだ。重合開始の5.6時間後、モノマー混合ガスが11.5kg仕込まれた時点で、オートクレーブ内温を室温まで冷却するとともに重合層内の圧力を常圧までパージした。得られたスラリ状の含フッ素系重合体を、水100kgを仕込んだ300Lの造粒槽に投入し、攪拌しながら105℃まで昇温し溶媒を留出除去しながら造粒した。得られた造粒物を135℃で3時間乾燥することにより、含フッ素系重合体の造粒物12.1kgが得られた。
当該含フッ素系重合体の組成は、
TFEに基づく重合単位/Eに基づく重合単位/CH2=CH(CF2)2Fに基づく重合単位のモル比で57.2/37.0/5.8であり、含フッ素系重合体の重合開始剤に由来するカーボネート末端基の数は359個であった。また、融点は205℃であった。
この造粒物を、押出機を用いて、250℃、滞留時間2分で溶融し、含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この含フッ素系重合体を樹脂B−1という。)。
内容積が94リットルの攪拌機付き重合槽を脱気し、
1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン48.53kg、
1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン12.13kg、
CH2=CH(CF2)4Fの240gを仕込み、
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)25.4kg、
テトラフルオロエチレン(TFE)7.99kg、
エチレン(E)0.25kgを圧入し、重合槽内を66℃に昇温し、重合開始剤として
t−ブチルパーオキシピバレートの5質量%1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液の484mLを仕込み、重合を開始させた。
重合中圧力が一定になるように組成TFE/E=54/46(モル比)のモノマー混合ガスを連続的に仕込み、TFE/Eのモノマー混合ガスに対して1.0モル%となるようにCH2=CH(CF2)4Fを、0.25モル%となるように無水イタコン酸をそれぞれ連続的に仕込んだ。
重合開始3.6時間後、モノマー混合ガス5.06kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を室温まで降温するとともに常圧までパージした。得られたスラリ状の含フッ素系重合体をガラスフィルターで吸引ろ過し、分離した当該含フッ素系重合体を120℃で15時間乾燥することにより、含フッ素系重合体の造粒物5.64kgが得られた。
当該含フッ素系重合体の組成は、
TFEに基づく重合単位/Eに基づく重合単位/HFPに基づく重合単位/CH2=CH(CF2)4Fに基づく重合単位/無水イタコン酸に基づく重合単位のモル比で48.1/42.7/8.2/0.8/0.2であった。また、融点は175℃であった。
この造粒物を、押出機を用いて、230℃、滞留時間2分で溶融し、含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この含フッ素系重合体を樹脂B−2という。)。
樹脂B−2の製造において、無水イタコン酸を仕込まないこと以外は、樹脂B−2の製造例と同様の方法にて、5.7kgの含フッ素系重合体の造粒物を得た。
TFEに基づく重合単位/Eに基づく重合単位/HFPに基づく重合単位/CH2=CH(CF2)4Fに基づく重合単位に基づく重合単位のモル比で48.2/42.8/8.2/0.8であった。また、融点は176℃であった。
この造粒物を押出機を用いて、230℃、滞留時間2分で溶融し、含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この含フッ素系重合体を樹脂B−3という。)。
樹脂C−1
ポリウレタンエラストマー:BASF・ジャパン(株)製、エラストラン 1190A10
樹脂C−2
ポリウレタンエラストマー:BASF・ジャパン(株)製、エラストラン 690A15
上記に示す樹脂A−1、樹脂B−1を使用して、
Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)2層チューブ成形機にて、
樹脂A−1を押出温度200℃、樹脂B−1を押出温度240℃にて別々に溶融させ、
吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、ダイ温度を260℃にて積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、ライン速度10m/分にて引き取りを行い、樹脂A−1からなる層(a)(外層)、樹脂B−1からなる層(b)(内層)としたときの、層構成が
(a)/(b)=0.80/0.20mm
で内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。
図1にこの積層チューブの横断面を示す。
図1において、1は外層の層(a)、3は内層の層(b)である。
実施例1において、樹脂B−1を樹脂B−2に変え、樹脂B−2を押出温度230℃にて溶融させた以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を樹脂A−2に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を樹脂A−4に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
上記に示す樹脂A−1、樹脂B−2、樹脂B−3を使用して、
Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)3層チューブ成形機にて、樹脂A−1を押出温度200℃、樹脂B−2及び樹脂B−3を押出温度230℃にて溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、ダイ温度を240℃にて積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、ライン速度10m/分にて引き取りを行い、樹脂A−1からなる層(a)(外層)、樹脂B−2からなる層(b)(中間層)、樹脂B−3からなる(b’)層(内層)としたときの、層構成が
(a)/(b)/(b’)=0.75/0.10/0.15mm
で内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。
図2にこの積層チューブの横断面を示す。
図2において、1は外層の層(a)、2は中間層の層(b)、3は内層の(b’)層である。
実施例5において、樹脂B−3を、樹脂C−1に変え、樹脂C−1を押出温度200℃にて溶融させた以外は、実施例5と同様の方法にて、
樹脂C−1からなる層(c)(外層)、樹脂A−1からなる層(a)(中間層)、樹脂B−2からなる層(b)(内層)としたときの、層構成が
(c)/(a)/(b)=0.45/0.35/0.20mm
で内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。
実施例6において、樹脂C−1を樹脂C−2に変更した以外は、実施例6と同様にして、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂B−1を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成のチューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成のチューブを得た。
実施例1において、樹脂B−1を樹脂B−3に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を樹脂X−1に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、積層チューブを得ようとしたが、樹脂X−1の溶融粘度が低く、積層チューブの表面平滑性が悪かった。そこで、樹脂B−1を押出温度220℃、ダイ温度を230℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を樹脂A−3に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、積層チューブを得ようとしたが、樹脂A−3の溶融粘度が低く、積層チューブの表面平滑性が悪かった。そこで、樹脂B−1を押出温度220℃、ダイ温度を230℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を樹脂A−5に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、積層チューブを得ようとしたが、樹脂A−5の溶融粘度が低く、積層チューブの表面平滑性が悪かった。そこで、樹脂B−1を押出温度220℃、ダイ温度を230℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
実施例1において、樹脂A−1を樹脂A−6に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
当該積層チューブは表面に発泡が見られ、外観が悪いチューブしか得られなかった。
実施例6において、樹脂A−1を樹脂A−3に変更した以外は、実施例6と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。
本発明の規定以外の含フッ素系重合体からなる層を有する比較例3の積層チューブは層間接着性に劣っていた。
本発明に規定以外のポリアミドエラストマーからなる層を有する比較例4の積層チューブは、溶融粘度が低く、積層チューブの表面平滑性が悪く、成形温度を下げて製造した積層チューブは層間接着性、特に薬液接触後の層間接着強度の耐久性に劣っていた。
本発明に規定以外のポリアミドエラストマー組成物からなる層を有する比較例5の積層チューブは、溶融粘度が低く、積層チューブの表面平滑性が悪く、成形温度を下げて製造した積層チューブの層間接着性も劣っていた。
樹脂A中の樹脂Rの含有量が本発明の規定範囲未満である比較例6の積層チューブは、溶融粘度が低く、積層チューブの表面平滑性が悪く、成形温度を下げて製造した積層チューブは層間接着性、特に薬液接触後の層間接着強度の耐久性に劣っていた。
樹脂A中の樹脂Rの含有量が本発明の規定範囲を超える比較例7の積層チューブは、積層チューブの表面に発泡が見られ、外観が悪いチューブしか得られなかった。
本発明に規定以外のポリアミドエラストマー組成物からなる層を有する比較例8の積層チューブは層間接着性に劣っていた。
一方、本発明に規定されている実施例1から7の積層チューブは、押出成形性が良好であり、薬液透過防止性、層間接着性、薬液接触後の層間接着強度の耐久性、柔軟性、透明性が良好であることは明らかである。
2、中間層
3、内層
Claims (12)
- 少なくとも層(a)と層(b)とを有する積層チューブであって、
前記層(a)が、ポリアミドエラストマー(樹脂X)100質量部に対して、ポリカーボネート(樹脂R)0.3〜5質量部を含むポリアミドエラストマー組成物(樹脂A)からなり、
前記層(b)が含フッ素系重合体(樹脂B)からなり、
前記樹脂Xは、末端アミノ基濃度が20μeq/g以上であり、
前記樹脂Bは、アミノ基に対して反応性を有する官能基を分子鎖中に導入されている積層チューブ。 - 少なくとも層(a)と層(b)とが接触して積層されている請求項1記載の積層チューブ。
- 前記アミノ基に対して反応性を有する官能基が、カルボキシル基、酸無水物基、カルボン酸基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、スルホン酸基、エポキシ基、シアノ基、カーボネート基、及びカルボン酸ハライド基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2いずれか記載の積層チューブ。
- 前記樹脂Bが、少なくともテトラフルオロエチレン由来の単位とエチレン由来の単位とを有する共重合体である請求項1〜3いずれか記載の積層チューブ。
- 前記樹脂Xの含有量が、前記樹脂A中、50質量%以上であり、
前記樹脂Xが、化合物O1由来の単位と、化合物P1及び/又は成分P2由来の単位と、化合物Q由来の単位を含む重合体であり、
前記化合物O1が、下記式(1)
(式(1)中、xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表す。)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミンであり、
前記化合物P1が、下記式(2)
(式(2)中、R1は炭化水素鎖を含む連結基を表す。)で表わされるアミノカルボン酸化合物であり、
前記化合物P2が、下記式(3)
(式(3)中、R2は炭化水素鎖を含む連結基を表す。)で表わされるラクタム化合物であり、
前記化合物Qが、下記式(4)
(式(4)中、R3は炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1である。)で表されるジカルボン酸化合物である請求項1〜4いずれか記載の積層チューブ。 - 前記層(b)が、前記層(a)に対して内側に配置されている請求項1〜5いずれか記載の積層チューブ。
- 前記層(a)が、最外層に配置されている請求項1〜6いずれか記載の積層チューブ。
- さらに、前記層(a)又は前記層(b)に接触して積層される層(c)を有し、
前記層(c)が、ポリウレタン(樹脂C)からなる請求項1〜7いずれか記載の積層チューブ。 - 前記層(a)が、前記層(b)と前記層(c)の間に配置されている請求項8記載の積層チューブ。
- 薬液搬送用である請求項1〜9いずれか記載の積層チューブ。
- 少なくとも前記層(a)と前記層(b)とが接触する共押出成形により製造される請求項1〜10いずれか記載の積層チューブ。
- 少なくとも前記層(a)と前記層(b)とが接触するように共押出成形する工程を有する請求項1〜10記載の積層チューブの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011133960A JP5845649B2 (ja) | 2010-06-16 | 2011-06-16 | 積層チューブ |
PCT/JP2011/079010 WO2012132130A1 (ja) | 2011-03-31 | 2011-12-15 | 積層チューブ |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010137186 | 2010-06-16 | ||
JP2010137186 | 2010-06-16 | ||
JP2011080641 | 2011-03-31 | ||
JP2011080641 | 2011-03-31 | ||
JP2011133960A JP5845649B2 (ja) | 2010-06-16 | 2011-06-16 | 積層チューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012215278A JP2012215278A (ja) | 2012-11-08 |
JP5845649B2 true JP5845649B2 (ja) | 2016-01-20 |
Family
ID=46929927
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011133960A Expired - Fee Related JP5845649B2 (ja) | 2010-06-16 | 2011-06-16 | 積層チューブ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5845649B2 (ja) |
WO (1) | WO2012132130A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6515538B2 (ja) * | 2015-01-13 | 2019-05-22 | 宇部興産株式会社 | 積層チューブ |
KR101694354B1 (ko) * | 2015-02-27 | 2017-01-10 | 주식회사유한훌로텍 | 복층 튜브 |
KR101956147B1 (ko) * | 2015-12-16 | 2019-03-12 | 류원하 | 파이프 누설시험용 밀폐장치 |
CN111727221B (zh) * | 2018-02-21 | 2022-07-12 | 日本瑞翁株式会社 | 丙烯酸类橡胶组合物、交联橡胶层叠体和燃料管 |
WO2022071527A1 (ja) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | ダイキン工業株式会社 | フッ素樹脂材料、積層体、チューブおよびチューブの製造方法 |
JP2023130119A (ja) * | 2022-03-07 | 2023-09-20 | ニッタ株式会社 | チューブ |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08142151A (ja) * | 1994-11-22 | 1996-06-04 | Hakko:Kk | 積層チューブ |
JP3948473B2 (ja) * | 2002-12-25 | 2007-07-25 | ダイキン工業株式会社 | フルオロポリマー及びその組成物 |
JP2007216387A (ja) * | 2004-03-18 | 2007-08-30 | Ube Ind Ltd | 積層チューブ |
DE102006038108A1 (de) * | 2006-08-14 | 2008-02-21 | Evonik Degussa Gmbh | Verwendung eines Formteils aus einer Polyamidformmasse als Inliner für eine Rohrleitung |
-
2011
- 2011-06-16 JP JP2011133960A patent/JP5845649B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2011-12-15 WO PCT/JP2011/079010 patent/WO2012132130A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012215278A (ja) | 2012-11-08 |
WO2012132130A1 (ja) | 2012-10-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5845649B2 (ja) | 積層チューブ | |
WO2005090065A1 (ja) | 積層チューブ | |
JP5369683B2 (ja) | ポリエーテルポリアミドエラストマー | |
JP6421756B2 (ja) | 積層チューブ | |
CN1252104C (zh) | 具有改良特性的新型含氟聚合物 | |
ES2658833T3 (es) | Cuerpo formado de resina laminada, método para producir un cuerpo formado de resina laminada y artículo de múltiples capas | |
JP4509033B2 (ja) | 積層チューブ | |
TWI722597B (zh) | 具有改善模數性質之多層膜 | |
JP2010222396A (ja) | ポリエーテルアミドエラストマー組成物 | |
WO2001058686A1 (fr) | Resine stratifiee | |
WO2006057333A1 (ja) | 熱可塑性重合体組成物および熱可塑性重合体組成物の製造方法 | |
JP5251883B2 (ja) | ポリエーテルポリアミドエラストマー及びそれを用いた積層体 | |
JP6939810B2 (ja) | 複合部材 | |
JP2010180366A (ja) | フッ素樹脂組成物及び積層体 | |
JP7052045B2 (ja) | 熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物および積層体 | |
JP2005331101A (ja) | 積層ホース | |
JP7041385B1 (ja) | 部分フッ素化樹脂、積層体、チューブおよびチューブの製造方法 | |
EP4223519A1 (en) | Fluororesin, laminate, tube, and tube manufacturing method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150602 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150722 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151027 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151109 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5845649 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |