JP5844474B2 - 還元ガスによるグラファイトの熱的除染 - Google Patents

還元ガスによるグラファイトの熱的除染 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に、還元ガスを含むパージガスによる熱処理を用いて、三重水素、炭素14、及び塩素36を除去するためのグラファイトの除染方法に関する。
ほぼ炭素原子からなるグラファイトは、英国のMAGNOX及びAGRガス冷却炉や、露国のRBMK設計等の多数の原子炉設計において減速材として用いられている。炉の寿命が終わると、典型的には略200トンの重さのグラファイト減速材は、安全な処分が必要な放射性廃棄物となる。グラファイトは、比較的安定な炭素の形状であり、処理無しでの直接廃棄に適した場合も多い。しかしながら、中性子放射後において、グラファイトは、蓄積されたウィグナーエネルギーを含む。未加工のグラファイト用の処分方法において、このエネルギーの解放のためのポテンシャルに対応する必要がある。代わりに、処分前にグラファイトを加工することで、蓄積されたウィグナーエネルギーの安全な解放を可能にする。
また、グラファイトは、中性子誘起反応からの顕著な量の放射性核種を、グラファイト自体と、グラファイトが含有する少数不純物との両方の中に含む。緩くまとまった葉状の層を含むグラファイトの構造に起因して、放射性同位体が、グラファイトの空間又は細孔内にトラップされ得る。放射性同位体は、以下の二つの種類に便宜的に分類することができる:短寿命同位体と長寿命同位体である。短寿命同位体(コバルト60等)が、炉の停止直後にグラファイトを取り扱うことを難しくするが、これは数十年で崩壊する。長寿命同位体(主に炭素14及び塩素36)は、生物圏に対する廃棄の可能性が懸念されるものである。炭素14は、二つの方法の一方でグラファイト内に生じる。一方法は、窒素ガスの放射化であり、炭素14が、二酸化炭素ガスとしてグラファイトの細孔内に存在する。他の方法は、炭素13の中性子放射化によるものであり、炭素13は、炭素の天然の安定同位体であり、グラファイト中の酸素のわずか1パーセント超を占める。この方法で生成される炭素14は、グラファイトマトリクスの一部である。塩素36は、グラファイトの焼結プロセス中にグラファイトマトリクス中に残される塩素の放射によって同様に形成される。グラファイトの処理は、グラファイト塊(炭素)の大部分を長寿命放射性同位体から分離する機会を提供する。この処理は、炉の寿命の終了後直ぐにグラファイト廃棄物の処分することを促進して、また再利用を可能にし得る。
グラファイト及びその塊の特性に起因して、グラファイト減速炉を廃炉するための現状での最も一般的な方法は、炉の停止後数十年間の期間にわたって炉心をその場で保管することである。この期間中に、短寿命放射性同位体は十分に崩壊して、その後のグラファイト減速材の手作業での解体が可能になる。そうすると、大抵の計画においては、炭素14及び塩素36の崩壊の長期間にわたる分解又は放出を防止するための適切な追加的パッケージングを用いて、グラファイトをその既存の化学形態において処分することが想定されている。
保管は、以下のような悪い結果を有する:1)長期金融債務の存在、2)生産目的のない目立つ保管構造、3)後の撤去を完了するために将来の人々(元々の資産から何の利益も得られない)に課される要求。保管の代替法が、短期管理で置き換えるものである場合、グラファイトを安全で放射線学的に許容可能な方法で処理することが重要である。
放射性グラファイトを処理するための特定の従来技術では、グラファイト内の十分な割合の長寿命放射性核種を除去するために、熱及び酸化ガスでグラファイトを処理する。こうしたプロセスでは、窒素やアルゴンなどの不活性ガスでの加熱又は“ロースト”のみで実質的に全ての水素3(三重水素)を除去することができるが、略60パーセントを超える炭素14を除去することができないことが分かっている。限られた量の酸素含有ガスを不活性ガスに追加して、炭素14を優先的に一酸化炭素又は二酸化炭素ガス(後でグラファイトから除去可能)に変換することができる酸素を提供することによって炭素14除去を改善する代替プロセスも行われている。不活性ガス及び酸素含有ガス(水蒸気、二酸化炭素、亜酸化窒素、酸素)での試験では、炭素14の除去の改善は可能であるが、酸素の存在がバルクグラファイトの気化を劇的に増大させる傾向があることがわかっている。酸素含有ガスを不活性ガスと組み合わせる場合のこの気化効果を減らすためには、加熱プロセスの動作温度を低下又は制限して、過度のバルクグラファイトの気化を防止なければならない。残念ながら、加熱温度を低下又は制限することによって、炭素14の除去量も大幅に低下又は制限される。結果として、酸素含有ガスを不活性ガスと共に導入する場合、酸化ガスの濃度を、より高い温度を使用することができるように低下させなければならない。しかしながら依然として、加熱温度が略1200℃を超える場合、低濃度の酸素含有ガスを用いているにもかかわらず、気化するバルクグラファイトの量は過多である。
これらのプロセスの試験結果では、酸素含有ガスの濃度が、略1200℃を超える温度でのバルクグラファイトの気化を低減するのに十分制限されている場合、炭素14の除去は、略60パーセント未満に大幅に低下して、これは不十分なものであることが示されている。酸素含有ガス濃度を、炭素14が十分に除去されるように上昇させると、過度のバルクグラファイトが気化される。いずれの場合にしろ、90パーセントを超える炭素14を揮発させるのと同時に5重量パーセント未満にバルクグラファイトの気化を低下させるという課題を、こうした従来技術では達成することはできない。
バルクグラファイトを気化せずに放射性核種を揮発させるのに十分な温度範囲にグラファイトを晒すことができるシステム及び方法、90パーセントを超える炭素14を除去するのと同時に5パーセント未満のバルクグラファイトを気化することができるシステム及び方法が必要とされている。
本発明の例示的な実施形態は、バルクグラファイトを実質的に気化させずに、放射性核種を揮発させるのに十分な温度範囲にグラファイトを晒すことができる方法を提供する。本発明の一側面は、(1)800℃から2000℃の間の温度に加熱器を加熱するステップと、(2)加熱器の中に放射性核種で汚染されたグラファイトを導入するステップと、(3)加熱器の中に不活性ガスを導入するステップと、(4)加熱器の中に還元ガスを導入するステップと、(5)揮発した放射性核種を加熱器から除去するステップとを備えた方法を提供する。また、本方法は、以下の追加的ステップも含み得る:
・ 加熱器の中に酸化ガスを追加するステップ、及び/又は、
・ 加熱器の中にグラファイトを導入するステップの前にグラファイトのサイズを減少させるステップ。
また、本方法は以下の点を特徴とし得る:
・ 5パーセント未満のグラファイトが気化されること;
・ プロセスの温度が1200℃から1500℃の間であること;
・ 放射性核種が炭素14を備え、少なくとも70パーセントの炭素14がグラファイトから除去されること;
・ 放射性核種が炭素14を備え、少なくとも90パーセントの炭素14がグラファイトから除去されること;
・ パージガスが、窒素、ヘリウム、及びアルゴンのうちの少なくとも一つを備え、還元ガスが、水素、ヒドラジン、アンモニア、一酸化炭素、及び炭化水素蒸気のうちの少なくとも一つを備えること;
・ パージガスが、自由水素、一酸化炭素(CO)、アンモニウム、又は有機蒸気を生成することができる一又は複数の還元ガスを備えること;
・ 酸化ガスが、水蒸気、二酸化炭素(CO)、亜酸化窒素(NO)、酸素(O)、空気、アルコール(OH基を有する)、他の酸素化蒸気のうちの少なくとも一つを備えること;
・ 加熱器の中に不活性ガスを導入するステップ及び加熱器の中に還元ガスを導入するステップが、加熱器の底部付近の箇所において不活性ガス及び還元ガスを導入するステップを備え、不活性ガス及び還元ガスがグラファイトを通って流れること;及び/又は、
・ 加熱器が垂直移動床の加熱器を備え、加熱器の中に放射性核種で汚染されたグラファイトを導入するステップが、加熱器の頂部付近でグラファイトを導入するステップを含み、前記加熱器の中に不活性ガスを導入するステップ及び前記加熱器の中に還元ガスを導入するステップが、加熱器の底部付近においてガスを導入するステップを含むこと。
本発明の例示的な実施形態に係る放射性グラファイトを処理するためのシステムのブロック図を示す。 本発明の例示的な実施形態に係る放射性グラファイトを処理するためのプロセスの流れ図を示す。 本発明の例示的な実施形態に係る放射性グラファイトを処理するための加熱器の概略図を示す。
本発明の例示的な実施形態は、原子炉の動作又は他の核プロセス中に発生する三重水素、炭素14、及び塩素36で汚染された放射性グラファイトを処理するためのシステム及び方法を提供する。本システム及び方法は、不活性ガス、任意で酸化ガス及び還元ガスで800℃から2000℃の範囲内の温度で動作する加熱器を含む。温度及びガスの組み合わせが、グラファイト内の90パーセントを超える炭素14の除去と同時に5パーセント未満のバルクグラファイトの気化を可能にする。
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る放射性グラファイトを処理するためのシステム100のブロック図を示す。図1を参照すると、マテリアルハンドリング部110が、システム100内で処理されるグラファイトを受け取る。典型的には、グラファイトは、原子炉の炉心の減速材として用いられたものである。他のグラファイトのソースとして、燃料要素スリーブ、固定具(ブレース)、炉の中性子束で照射された他の炉の構成要素が挙げられるが、これらの限定されるものではない。そのグラファイトは、典型的に、水素3(三重水素)、炭素14、塩素36、鉄55、コバルト60、等の放射性核種で汚染されていて、他の典型的な核分裂生成物及び放射化生成物も含み得る。
マテリアルハンドリング部110のサイズは、グラファイトのサイズであり、そのグラファイトを加熱器120内に導入するのに備えてグラファイトを保持する。マテリアルハンドリング部110が受け取るグラファイトは、従来のプロセスで原子炉から除去されたものである。そうしたプロセスは、ウェットプロセス、ドライプロセス、又は両方の組み合わせを含み得る。本発明は、除去プロセスに起因するあらゆるサイズ又は形状のドライ又はウェットなグラファイトに適応することができる。更に、グラファイトは、マテリアルハンドリング部110で受け取られる前に、水又は他の溶液に浸漬され得る。
グラファイトを、粒状又は粉末状に処理し得る。マテリアルハンドリング部110のサイズ減少サブ部112が、加熱器120に導入するために、受け取ったグラファイトのサイズを減少させる。この例示的な実施形態では、受け取ったグラファイトを20mm未満のサイズに減少させる。この小さなサイズが、グラファイトからの放射性核種の揮発を増強する。グラファイトのサイズを減少させるため、例示的なサイズ減少サブ部112は、ジョークラッシャー又は回転クラッシャーを含む。他のサイズ減少機も使用可能である。マテリアルハンドリング部110のホッパーサブ部114が、サイズの減少したグラファイトを受け取り、加熱器120内への導入待機中のグラファイトを保持する。例示的なサイズ減少サブ部112及びホッパーサブ部114の内部雰囲気は、アルゴン、窒素、二酸化炭素、又は他の同様の不活性ガス等の不活性ガスブランケットを含む。一部の放射性核種がサイズ減少プロセス中にグラファイトから放出され得るので、例示的なサイズ減少サブ部112及びホッパーサブ部114の内部雰囲気は、加熱器120の脱ガスシステムに接続される。代替実施形態では、サイズ減少の必要なく、グラファイトが加熱器120内への導入に適した形状及びサイズで受け取られ得る。同様に、連続プロセスが、ホッパーサブ部114を省き得る。
加熱器120は、サイズ処理されたグラファイトを処理するのに用いられるベッセルを含む。加熱器120は、800℃から2000℃の間の温度範囲内で動作する。加熱器120の容量、形状、サイズは応用によって変更可能である。加熱器120は、高温動作に適した物質製であり、例えば、耐熱材で内張りされた鋼ベッセルである。動作圧力は、超真空から僅かな加圧まで変化し得る。流動床、移動床、バッチ又は固定床の加熱器を含むあらゆるタイプの加熱器又は装置を用いることができる。例示的な一加熱器は、垂直移動床の加熱器であり、パージガスがグラファイトパイルを通って上方に流れながら、新たなグラファイトをパイルの頂部に入れて、処理されたグラファイトをパイルの底部から出す(後述の図3を参照)。グラファイトのバッチ処理は、典型的に、流動床法を用いた粉末グラファイトを含む。粉末よりも大きなグラファイトに対しては、連続移動床の加熱器が好ましい。例示的な実施形態では、加熱器120が電気的に加熱されるが、他のタイプの加熱も使用可能である。電気的加熱は、バルクグラファイトを気化させる可能性のある酸化ガスをベッセル内に導入する必要性を減らし、温度制御及びエネルギー効率を向上させるので、好ましい。加熱器120は、マテリアル入口117からグラファイトを受け取る。多様な機械的方法を用いて、マテリアルハンドリング部110からマテリアル入口117を通って加熱器120に物質を移動させることができる。例示的なシステムでは、二重バルブ気密法を用いて、加熱器内部からのガスが、加熱器から出て行くことを防止して、不活性ガス以外のガスがグラファイトを有する加熱器内に導入されることを制限する。
加熱器120は、一又は複数の不活性パージガス、一又は複数の還元ガス、任意で一又は複数の酸化ガスを受け取るガス入口130、140、150を含む。勿論、ガス入口130、140、150は、三つの異なるガス源に接続された単一の入口でもあり得て、第一の源が不活性パージガスを提供し、第二の源が還元ガスを提供し、第三の源が酸化ガスを提供する。典型的には、ガス入口は、加熱器120の底部付近に配置されて、ガスが、ベッセルに入り、加熱器120内に存在しているグラファイトを通って上方に伝わるようにする。グラファイトのボリュームを通ってガスを分布させる流れ分配器又は分布器を通して、ガスを導入することもできるが、これは必須ではない。加熱器は、揮発した放射性核種用の出口122を含み、揮発した放射性核種は、不活性パージガスによって出口122の外に運ばれる。また、加熱器120は、処理されたグラファイト用の出口124も含む。
揮発性の放射性核種は、パージガス流によって加熱器の外に運ばれて、放射性核種を処理するための適切な方法を用いて、処理サブシステム160において安定化される。処理されたグラファイトを、処理サブシステム170において更に処理して、“クリーンな”(非放射性)廃棄物としての最終処分用にまとめられて、又は再利用される。
炭素14は、グラファイトマトリクス中のバルク炭素12よりも反応性が高く、移動性が高い。少量存在している酸素が、炭素14を一酸化炭素に変換するのに必要な酸素を提供する。還元ガスが、グラファイトマトリクス中の炭素12の酸化を抑制する。還元ガスを追加することの例示的な一つの利点は、グラファイト中の炭素14化合物がシアン化物を含む可能性によるものである。加熱器への水素の導入は、水素原子をシアン化物に結合させて揮発性のシアン化水素を生じさせるので、水素を含む還元ガスの存在によって、一部の炭素14を除去することができる。
図2は、本発明の例示的な実施形態に係る放射性グラファイトを処理するためのプロセス200の流れ図を示す。図1及び図2を参照すると、ステップ210において、加熱器内へのグラファイトの機械的な移送によって、マテリアルハンドリング部110のホッパーサブ部114から、グラファイトが加熱器120内に導入される。この例示的な実施形態では、プロセスはバッチ式で行われる。代わりに、グラファイトを連続プロセスで処理することもでき、例えば、グラファイトが加熱器120の頂部に入り、加熱器120の底部から出て行き、反応ガスが加熱器120の底部に入り、加熱器の頂部から出て行く。ホッパーサブ部114は省き得る。
グラファイトを加熱器120内に導入する前に、加熱器120を処理温度にする。この温度は、800℃から2000℃の範囲である。この例示的な実施形態では、還元ガスが用いられているので、好ましい温度範囲は1200℃から1500℃である。グラファイトから炭素14を除去するための以前のグラファイト処理プロセスでは、1200℃を超えて酸素含有ガスを有する加熱器を動作させることの結果として、グラファイトの高い気化が生じるため、略1200℃の温度に制限されていた。還元ガスを処理プロセスに導入することによって、加熱器120が、1200℃を超える温度で動作することができる。こうした高い動作温度は、実質的に全ての三重水素、実質的に全て(90パーセントを超える)の塩素36、及び大半の(70パーセントを超える)炭素14をグラファイトから放出することを可能にする。
ステップ220において、反応ガスを加熱器120内に導入する。ガスが加熱されたグラファイトを通って流れる際に、ガスが加熱されたグラファイトに接触する。反応ガスは、少なくとも不活性パージガス及び還元ガスを含む。パージガスは、窒素、アルゴン、同様の非反応性ガスのうちの一つ又は複数を含む。二酸化炭素等の不活性ガスは、バルク炭素を気化させる可能性がある酸素源を提供するので、使うべきではない。ステップ220においては、還元ガスも導入され、例えば、水素、ヒドラジン、アンモニア、一酸化炭素、炭化水素蒸気等が挙げられ、また、自由水素、一酸化炭素、アンモニウム、又は有機蒸気を生成することができる他の還元ガスが挙げられる。導入される還元ガスの量は、導入される全ガスの100ppmから50パーセントの間であり、好ましくは、2パーセントから20パーセントの範囲内、より好ましくは、2パーセントから10パーセントの間である。この不活性パージガス及び還元ガスの混合物は、加熱器120の底部付近において加熱器120内に導入される。ガスはグラファイトを通って上昇し、揮発した放射性核種を出口124において加熱器120の外に運び出す。酸化ガスを含む場合であっても、還元ガスを含むことが、バルクグラファイトの気化を大幅に減らし、5パーセント未満のバルクグラファイトが気化されるようになる。更に、略1200℃の温度での動作並びに不活性パージガス、酸化ガス及び還元ガスの混合物が、大半から実質的に全ての炭素14の除去をもたらす。代替実施形態では、反応ガスは酸化剤も含む。酸素の存在が、固体炭素14を二酸化炭素又はCOガスに変換して、グラファイトマトリクスからの拡散を促進する。不活性パージガス(好ましくは窒素)を、限られた量の酸素含有ガス、水蒸気、二酸化炭素(CO)、亜酸化窒素(NO)、酸素(O)、空気、アルコール(OH基)、又は他の酸素化蒸気等、並びに、水素等の還元ガスと組み合わせると、全ての従来技術の方法と比較して炭素14放射性核種の除去が増強される一方で、バルクグラファイトの気化が制限される。好ましい酸化ガスは、水蒸気であり、全投入反応ガスの略1から50パーセント(好ましくは2から10パーセント)を占める。二酸化炭素又は亜酸化窒素のいずれかを酸化ガスとして用いる場合、全投入反応ガスの略1から10パーセントを占める。還元ガスを含むことは、酸化剤の存在下におけるバルクグラファイトの気化を大幅に減らし、5パーセント未満のバルクグラファイトが気化されるようになる。還元ガスは、バルクグラファイトとの酸素の反応平衡を、酸素含有ガスの反応速度を実質的に抑制するようにシフトさせて、酸化剤がバルクグラファイトと反応することを防止する。
ステップ230において、パージガスが処理サブシステム160に収集されて、放射性核種が既知の方法を用いて安定化される。ステップ240において、グラファイトを、加熱器120から取り出して、処理サブシステム170において処理する。典型的には、処理されたグラファイトを、埋め立て地に捨てるか、又は、再利用して、中レベル放射性廃棄物ではなくて、低レベル放射性廃棄物として取り扱う。プロセスは250で終了する。必要であれば、プロセスを繰り返してもよい。
図3は、例示的な加熱器300の概略図を示す。グラファイトは、不活性ガスブランケットの下の入口310において、ホッパー等の供給システム(図示せず)を通して導入される。反応バスが入口370において導入されて、グラファイトがベッセル330下っていくにつれて、反応ガスがグラファイトを通って上方に流れ、脱ガス出口320から出て行く。グラファイトは、ベッセル330(セラミック管であり得る)を移動していくにつれて加熱される(加熱グラファイト340として示される)。ベッセル330は、電熱コイル等の熱源350によって取り囲まれる。ベッセル330及び熱源350は外側ベッセル360(耐熱材で内張りされた金属シェル等)内に収容される。処理されたグラファイトを出口ポート380を通してベッセル330から除去する。
当業者は、本発明が、三重水素、炭素14及び塩素36、並びに、原子炉の動作中又は他の核プロセスにおいて発生する他の放射性核種で汚染された放射性グラファイトを処理するための方法を提供することを理解されたい。本方法は、不活性ガス、任意の酸化ガス及び還元ガスで800℃から2000℃の範囲内の温度で動作する加熱器を含む。温度及びガスの組み合わせが、グラファイト内の大抵の又は実質的に全ての炭素14を除去する一方で、バルクグラファイトの気化を実質的に制限することを可能にする。
100 システム
110 マテリアルハンドリング部
112 サイズ減少サブ部
114 ホッパーサブ部
117 マテリアル入口
120 加熱器
122 出口(放射性核種用)
124 出口(グラファイト用)
130 ガス入口(不活性パージガス用)
140 ガス入口(還元ガス用)
150 ガス入口(酸化ガス用)
160 処理サブシステム(放射性核種用)
170 処理サブシステム(グラファイト用)

Claims (13)

  1. 800℃から2000℃の間の温度に加熱器を加熱するステップと、
    前記加熱器の中に放射性核種で汚染されたグラファイトを導入するステップと、
    前記加熱器の中に不活性ガスを導入するステップと、
    前記加熱器の中に還元ガスを導入するステップと、
    揮発した放射性核種を前記加熱器から除去するステップと、を備え、
    前記加熱器に導入される還元ガスの量が、前記加熱器に導入される全ガスの量の2パーセントから20パーセントの間である、方法。
  2. 5パーセント未満の前記グラファイトが気化する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記温度が1200℃から1500℃の間である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記放射性核種が炭素14を備え、少なくとも70パーセントの前記炭素14が前記グラファイトから除去される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記放射性核種が炭素14を備え、少なくとも90パーセントの前記炭素14が前記グラファイトから除去される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記不活性ガスが、窒素、ヘリウム、及びアルゴンのうちの少なくとも一つを備え、前記還元ガスが、水素、ヒドラジン、アンモニア、一酸化炭素、及び炭化水素蒸気のうちの少なくとも一つを備える、請求項1に記載の方法。
  7. 前記還元ガスが、自由水素、一酸化炭素(CO)、アンモニウム、又は有機蒸気を生成することができる一又は複数の還元ガスを備える、請求項1に記載の方法。
  8. 前記加熱器の中に酸化ガスを追加するステップを更に備えた請求項1に記載の方法。
  9. 前記酸化ガスが、水蒸気、二酸化炭素(CO)、亜酸化窒素(NO)、酸素(O)、空気、アルコール(OH基を有する)、他の酸素化蒸気のうちの少なくとも一つを備える、請求項8に記載の方法。
  10. 前記加熱器の中に不活性ガスを導入するステップ及び前記加熱器の中に還元ガスを導入するステップが、前記不活性ガス及び前記還元ガスを前記加熱器の底部において導入するステップを備え、前記不活性ガス及び前記還元ガスが前記グラファイトを通って流れる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記加熱器の中にグラファイトを導入するステップの前に、前記グラファイトのサイズを減少させるステップを更に備えた請求項1に記載の方法。
  12. 前記加熱器が、垂直移動床の加熱器を備え、前記加熱器の中に放射性核種で汚染されたグラファイトを導入するステップが、前記加熱器の頂部で前記グラファイトを導入するステップを備え、前記加熱器の中に不活性ガスを導入するステップ及び前記加熱器の中に還元ガスを導入するステップが、前記加熱器の底部でガスを導入するステップを備える、請求項1に記載の方法。
  13. 前記加熱器に追加される酸化ガスの量が、前記加熱器に導入される全ガスの量の1パーセントから10パーセントの間である、請求項8に記載の方法。
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