しかしながら、情報のアクセス制御により、コミュニティに誤って投稿された情報を意図しない第三者に流出させない技術では、「この情報は社内のグループには許可」「この情報は社外のグループには禁止」といったように、投稿する情報毎にユーザがアクセスレベルを設定する必要があり、ユーザに大きな労力を要求する上、異なるSNSの間では利用できないといった問題があった。
一方、個人情報や投稿することが不適当な語彙を予め登録しておくことにより、コミュニティに誤って投稿された情報を意図しない第三者に流出させない技術では、投稿すべきでない語彙が放送禁止用語や個人情報のように全コミュニティに対して予め決められる場合には有効であるが、コミュニティ毎に公開してよい情報が異なる場合はコミュニティ毎に禁止用語を設定する必要があり、ユーザがコミュニティ毎に設定するには大きな労力が必要となるといった問題点があった。
電子メールの場合においても、予めユーザが電子メール毎に送信開始条件を設定したり、電子メールの送信先となるメールアドレス毎に送信を許可する単語や送信を禁止する単語を設定したりする必要があり、ユーザには大きな労力が必要となる問題点があった。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが属するインターネット上の各コミュニティの言語的特徴量とユーザが投稿する情報の言語的特徴量とに基づいて、ユーザが指定した投稿先コミュニティへの情報の投稿を許可するか否かを判断し、許可しない場合にユーザに通知することによって、意図しないコミュニティへの情報の誤投稿を防止する送信制御装置、送信制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
また、ユーザが過去に送受信した電子メールの集合から得られる各メールアドレスの言語的特徴量とユーザが送信する電子メールの言語的特徴量とに基づいて、ユーザが指定したメールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断し、許可しない場合にユーザに通知することによって、意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止する送信制御装置、送信制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
(1) 本発明は、インターネットに接続された複数のユーザ端末により複数のユーザが自由にコミュニティを作成でき、また、発言が可能なコミュニケーションサイトを提供する1以上のコミュニケーションサーバと接続され、前記コミュニティに送信される投稿情報を制御する送信制御装置であって、前記1以上のコミュニケーションサーバから、当該送信制御装置のユーザが属している複数のコミュニティの投稿情報を取得する投稿情報取得手段(例えば、図1の投稿情報取得部110に相当)と、コミュニティ毎に、取得された投稿情報から単語を抽出する単語抽出手段(例えば、図1の単語抽出部120に相当)と、前記コミュニティ毎の投稿情報の集合における各単語の出現頻度に基づいて、当該コミュニティ毎に当該各単語の重要度を算出する重要度算出手段(例えば、図1の重要度算出部130に相当)と、前記抽出された各単語について算出された重要度を、前記コミュニティ毎に記憶する重要度記憶手段(例えば、図1の重要度記憶部131に相当)と、前記ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該投稿情報に含まれる各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得し、取得した当該各単語の重要度における当該送信先コミュニティにおける当該各単語の重要度および送信先コミュニティ以外のコミュニティにおける当該各単語の重要度に基づいて、当該送信先コミュニティへの当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断する送信制御判断手段(例えば、図1の送信制御判断部140に相当)と、前記送信制御判断手段で前記送信先コミュニティへの送信を許可しないと判断した場合に、前記ユーザにその旨通知する通知手段(例えば、図1の通知部150に相当)と、を備えることを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、投稿情報取得手段は、1以上のコミュニケーションサーバから、送信制御装置のユーザが属している複数のコミュニティの投稿情報を取得する。単語抽出手段は、コミュニティ毎に、取得された投稿情報から単語を抽出する。重要度算出手段は、コミュニティ毎の投稿情報の集合における各単語の出現頻度に基づいて、コミュニティ毎に各単語の重要度を算出する。重要度記憶手段は、抽出された各単語について算出された重要度を、コミュニティ毎に記憶する。送信制御判断手段は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、投稿情報に含まれる各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得し、取得した当該各単語の重要度における送信先コミュニティにおける各単語の重要度および送信先コミュニティ以外のコミュニティにおける各単語の重要度に基づいて、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。通知手段は、送信制御判断手段で送信先コミュニティへの送信を許可しないと判断した場合に、ユーザにその旨通知する。したがって、投稿情報に含まれる単語の各コミュニティにおける重要度から、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしいか否かを判断でき、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
(2) 本発明は、(1)の送信制御装置について、前記重要度記憶手段に前記コミュニティ毎に記憶されている各単語の重要度に基づいて、当該コミュニティ毎に、一のコミュニティにおける重要度が高い単語を、前記複数のコミュニティのうち一のコミュニティ以外のコミュニティの除外単語候補として抽出する除外単語候補抽出手段(例えば、図9の除外単語候補抽出部370に相当)と、抽出された各コミュニティの除外単語候補を記憶する除外単語候補記憶手段(例えば、図9の除外単語候補記憶部371に相当)と、を備え、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが前記送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該送信先コミュニティの除外単語候補を前記除外単語候補記憶手段から取得し、取得した除外単語候補が当該投稿情報に含まれるか否かによって、当該送信先コミュニティへの当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、除外単語候補抽出手段は、重要度記憶手段にコミュニティ毎に記憶されている各単語の重要度に基づいて、コミュニティ毎に、一のコミュニティにおける重要度が高い単語を、複数のコミュニティのうち一のコミュニティ以外のコミュニティの除外単語候補として抽出する。除外単語候補記憶手段は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、送信先コミュニティの除外単語候補を除外単語候補記憶手段から取得し、取得した除外単語候補が投稿情報に含まれるか否かによって、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。したがって、一のコミュニティで重要度が高い単語は他のコミュニティへの投稿情報に含まれるべきでない単語である可能性が高いので、他のコミュニティの除外単語候補とし、投稿情報に送信先コミュニティの除外単語候補が含まれる場合には送信制御装置は投稿情報の送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
(3) 本発明は、(2)の送信制御装置について、前記ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該投稿情報に含まれる除外単語候補を前記ユーザに提示する提示手段(例えば、図9の通知部350に相当)と、提示された除外単語候補のうち、前記ユーザが除外単語として選択した除外単語候補を当該除外単語として記憶する除外単語記憶手段(例えば、図9の除外単語記憶部380に相当)と、を備え、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが前記送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該送信先コミュニティの除外単語を前記除外単語記憶手段から取得し、取得した除外単語が当該投稿情報に含まれるか否かによって、当該送信先コミュニティへの当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、提示手段は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、投稿情報に含まれる除外単語候補をユーザに提示する。除外単語記憶手段は、提示された除外単語候補のうち、ユーザが除外単語として選択した除外単語候補を除外単語として記憶する。送信制御判断手段は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、送信先コミュニティの除外単語を除外単語記憶手段から取得し、取得した除外単語が投稿情報に含まれるか否かによって、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。したがって、各コミュニティへの投稿情報に含まれるべきではない単語をコミュニティ毎に除外単語として記憶しておくことによって、投稿情報に送信先コミュニティの除外単語が含まれる場合に送信制御装置は送信を許可せず、除外単語を含む投稿情報を送信させないようにすることができる。また、除外単語候補をユーザに提示し、提示された除外単語候補の中からユーザに除外単語を選択させることにより、各コミュニティの除外単語を容易にユーザが設定することが可能となる。
(4) 本発明は、(1)から(3)の送信制御装置について、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、前記重要度記憶手段にコミュニティ毎に記憶されている単語および重要度に基づいて、各コミュニティにおいて重要度の高い単語から生成される当該各コミュニティの単語ベクトル空間と、当該投稿情報の単語ベクトルとの類似度によって、当該送信先コミュニティへの当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、送信制御判断手段は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、重要度記憶手段にコミュニティ毎に記憶されている単語および重要度に基づいて、各コミュニティにおいて重要度の高い単語から生成される各コミュニティの単語ベクトル空間と、投稿情報の単語ベクトルとの類似度によって、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。したがって、ユーザが属する各コミュニティの単語ベクトル空間と投稿情報の単語ベクトルとの類似度から投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくない可能性がある場合には、送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
(5) 本発明は、(1)から(4)の送信制御装置について、前記投稿情報取得手段が、前記1以上のコミュニケーションサーバから、全コミュニティの投稿情報を取得し、前記単語抽出手段が、取得した前記全コミュニティの投稿情報から単語を抽出し、前記コミュニティ毎に抽出された単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を各コミュニティの語彙数とし、前記全コミュニティについて抽出された単語のうち、当該語彙辞書に登録されている単語の数を全コミュニティの語彙数とし、当該各コミュニティの語彙数と当該全コミュニティの語彙数とに基づいて、前記各コミュニティの許容度を算出する許容度算出手段(例えば、図12の許容度算出部590に相当)を備え、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該投稿情報に含まれる各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得し、当該投稿情報に含まれる各単語の重要度が当該各コミュニティにおいて高くない場合に、算出された前記各コミュニティの許容度に基づいて、前記送信先コミュニティへの当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、投稿情報取得手段は、1以上のコミュニケーションサーバから、全コミュニティの投稿情報を取得する。単語抽出手段は、取得した全コミュニティの投稿情報から単語を抽出する。許容度算出手段は、コミュニティ毎に抽出された単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を各コミュニティの語彙数とし、抽出された全コミュニティで使用されている単語のうち、語彙辞書に登録されている単語の数を全コミュニティの語彙数とし、各コミュニティの語彙数と全コミュニティの語彙数とに基づいて、各コミュニティの許容度を算出する。送信制御判断手段は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、投稿情報に含まれる各単語の重要度を重要度記憶手段から取得し、投稿情報に含まれる各単語の重要度が各コミュニティにおいて高くない場合に、算出された各コミュニティの許容度に基づいて、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。したがって、送信先コミュニティの語彙数に基づいて算出した許容度から投稿情報が送信先コミュニティにふさわしいか否かを判断でき、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくないと判断した場合に送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
(6) 本発明は、(1)から(5)の送信制御装置について、前記ユーザが投稿情報を送信する際に当該投稿情報に付加され、当該投稿情報の送信者を識別する送信者識別情報を、当該ユーザが複数所有している場合に、前記単語抽出手段が、前記送信者識別情報に基づいて送信者毎に、取得された投稿情報から単語を抽出し、前記重要度算出手段が、抽出された各単語について、前記送信者識別情報に基づいて送信者毎に、送信者の投稿情報における重要度を算出し、前記重要度記憶手段が、前記抽出された各単語について算出された前記送信者毎の重要度を、前記送信者識別情報に対応付けて記憶し、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが投稿情報を送信する際に、当該投稿情報に含まれる各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得し、取得した当該各単語の重要度における当該投稿情報に付加された送信者識別情報に対応付けて記憶されている当該各単語の重要度および当該投稿情報に付加された送信者識別情報以外の送信者識別情報に対応付けて記憶されている当該各単語の重要度に基づいて、当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、単語抽出手段は、送信者識別情報に基づいて送信者毎に、取得された投稿情報から単語を抽出する。重要度算出手段は、抽出された各単語について、送信者識別情報に基づいて送信者毎に、送信者により送信された投稿情報における重要度を算出する。重要度記憶手段は、抽出された各単語について算出された送信者毎の重要度を、送信者識別情報に対応付けて記憶する。送信制御判断手段は、ユーザが投稿情報を送信する際に、投稿情報に含まれる各単語の重要度を重要度記憶手段から取得し、取得した各単語の重要度における投稿情報に付加された送信者識別情報に対応付けて記憶されている各単語の重要度および投稿情報に付加された送信者識別情報以外の送信者識別情報に対応付けて記憶されている各単語の重要度に基づいて、投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。したがって、コミュニティ毎に送信者IDや送信者名を使い分けるためのように、ユーザが複数の送信者識別情報を所有する場合に、投稿情報に含まれる単語の各送信者識別情報における重要度から、投稿情報に付加した送信者識別情報がふさわしいか否かを判断でき、投稿情報に付加した送信者識別情報がふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信者識別情報を再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しない送信者識別情報による投稿情報の誤送信を防止することができる。
(7) 本発明は、(1)から(6)の送信制御装置について、前記単語抽出手段が、取得された各コミュニティに投稿された投稿情報を形態素解析により分割された形態素、および当該投稿情報をN文字毎にN−gramに分割した文字列の少なくともいずれかを単語として抽出することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、単語抽出手段は、取得された各コミュニティに投稿された投稿情報を形態素解析により分割された形態素、および投稿情報をN文字毎にN−gramに分割した文字列の少なくともいずれかを単語として抽出する。したがって、N−gramを用いることにより、形態素解析では単語として分割が困難な語彙も単語として抽出することが可能となる。
(8) 本発明は、(1)から(7)の送信制御装置について、前記投稿情報取得手段は、前記各コミュニティに投稿された投稿情報とともに、当該各コミュニティに属するユーザの属性情報も取得することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、投稿情報取得手段は、各コミュニティに投稿された投稿情報とともに、各コミュニティに属するユーザの属性情報も取得する。したがって、コミュニティの投稿情報だけでなく、コミュニティを特徴付けるコミュニティに属するユーザの属性情報も、投稿情報の送信制御に利用することができる。
(9) 本発明は、電子メール送信端末と通信可能であり、当該電子メール送信端末により送信される電子メールの送信制御を行う送信制御装置であって、前記電子メール送信端末から電子メールを取得する電子メール取得手段(例えば、図5の電子メール取得部210に相当)と、前記電子メールに設定されたメールアドレス毎に、取得された電子メールから単語を抽出する単語抽出手段(例えば、図5の単語抽出部120に相当)と、前記メールアドレス毎の電子メールの集合における各単語の出現頻度に基づいて、当該メールアドレス毎に当該各単語の重要度を算出する重要度算出手段(例えば、図5の重要度算出部130に相当)と、前記抽出された各単語について算出された重要度を、前記メールアドレス毎に記憶する重要度記憶手段(例えば、図5の重要度記憶部131に相当)と、前記電子メール送信端末のユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該電子メールに含まれる各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得し、取得した当該各単語の重要度における前記送信先メールアドレスにおける当該各単語の重要度および送信先メールアドレス以外のメールアドレスにおける当該各単語の重要度に基づいて、前記送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断する送信制御判断手段(例えば、図5の送信制御判断部140に相当)と、前記送信制御判断手段で前記送信先メールアドレスへの送信を許可しないと判断した場合に、前記ユーザにその旨通知する通知手段(例えば、図5の通知部150に相当)と、を備えることを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、電子メール取得手段は、電子メール送信端末から電子メールを取得する。単語抽出手段は、電子メールに設定されたメールアドレス毎に、取得された電子メールから単語を抽出する。重要度算出手段は、メールアドレス毎の電子メールの集合における各単語の出現頻度に基づいて、メールアドレス毎に各単語の重要度を算出する。重要度記憶手段は、抽出された各単語について算出された重要度を、メールアドレス毎に記憶する。送信制御判断手段は、電子メール送信端末のユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、電子メールに含まれる各単語の重要度を重要度記憶手段から取得し、取得した各単語の重要度における送信先メールアドレスにおける各単語の重要度および送信先メールアドレス以外のメールアドレスにおける各単語の重要度に基づいて、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。通知手段は、送信制御判断手段で送信先メールアドレスへの送信を許可しないと判断した場合に、ユーザにその旨通知する。したがって、電子メールに含まれる単語の各メールアドレスにおける重要度から、電子メールに設定された送信先メールアドレスが電子メールにふさわしいか否かを判断でき、送信先メールアドレスがふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
(10) 本発明は、(9)の送信制御装置について、前記重要度記憶手段に前記メールアドレス毎に記憶されている各単語の重要度に基づいて、前記メールアドレス毎に、一のメールアドレスにおける重要度が高い単語を、前記取得された電子メールに設定されている全メールアドレスのうち一のメールアドレス以外のメールアドレスの除外単語候補として抽出する除外単語候補抽出手段(例えば、図10の除外単語候補抽出部370に相当)と、抽出された各メールアドレスの除外単語候補を記憶する除外単語候補記憶手段(例えば、図10の除外単語候補記憶部371に相当)と、を備え、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが前記送信先メールアドレスを指定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該送信先メールアドレスの除外単語候補を前記除外単語候補記憶手段から取得し、取得した除外単語候補が当該電子メールに含まれるか否かによって、前記送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、除外単語候補抽出手段は、重要度記憶手段にメールアドレス毎に記憶されている各単語の重要度に基づいて、メールアドレス毎に、一のメールアドレスにおける重要度が高い単語を、取得された電子メールに設定されている全メールアドレスのうち一のメールアドレス以外のメールアドレスの除外単語候補として抽出する。除外単語候補記憶手段は、抽出された各メールアドレスの除外単語候補を記憶する。送信制御判断手段が、ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、送信先メールアドレスの除外単語候補を除外単語候補記憶手段から取得し、取得した除外単語候補が電子メールに含まれるか否かによって、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。したがって、一のメールアドレスでの重要度が高い単語は他のメールアドレスへの電子メールに含まれるべきでない単語である可能性が高いので、他のメールアドレスの除外単語候補とし、電子メールに送信先メールアドレスの除外単語候補が含まれる場合には送信制御装置は電子メールの送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
(11) 本発明は、(10)の送信制御装置について、前記ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該電子メールに含まれる除外単語候補を前記ユーザに提示する提示手段(例えば、図10の通知部350に相当)と、提示された除外単語候補のうち、前記ユーザが除外単語として選択した除外単語候補を当該除外単語として記憶する除外単語記憶手段(例えば、図10の除外単語記憶部380に相当)と、を備え、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該送信先メールアドレスの除外単語を前記除外単語記憶手段から取得し、取得した除外単語が当該電子メールに含まれるか否かによって、当該送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、提示手段は、ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、電子メールに含まれる除外単語候補をユーザに提示する。除外単語記憶手段は、提示された除外単語候補のうち、ユーザが除外単語として選択した除外単語候補を除外単語として記憶する。送信制御判断手段は、ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、送信先メールアドレスの除外単語を除外単語記憶手段から取得し、取得した除外単語が電子メールに含まれるか否かによって、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。したがって、各メールアドレスへの電子メールに含まれるべきではない単語をメールアドレス毎に除外単語として記憶しておくことによって、電子メールに送信先メールアドレスの除外単語が含まれる場合に送信制御装置は送信を許可せず、除外単語を含む電子メールを送信させないようにすることができる。また、除外単語候補をユーザに提示し、提示された除外単語候補の中からユーザに除外単語を選択させることにより、各メールアドレスの除外単語を容易にユーザが設定することが可能となる。
(12) 本発明は、(9)から(11)の送信制御装置について、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、前記重要度記憶手段にメールアドレス毎に記憶されている単語および重要度に基づいて、各メールアドレスにおいて重要度の高い単語から生成される当該各メールアドレスの単語ベクトル空間と、当該電子メールの単語ベクトルとの類似度によって、当該送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、送信制御判断手段は、ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、重要度記憶手段にメールアドレス毎に記憶されている単語および重要度に基づいて、各メールアドレスにおいて重要度の高い単語から生成される各メールアドレスの単語ベクトル空間と、電子メールの単語ベクトルとの類似度によって、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。したがって、各送信先メールアドレスの電子メールの集合の単語ベクトル空間とユーザ送信した電子メールの単語ベクトルとの類似度から、電子メールに設定された送信先メールアドレスが電子メールにふさわしくない可能性がある場合には、送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
(13) 本発明は、(9)から(12)の送信制御装置について、前記単語抽出手段が、取得された全電子メールから単語を抽出し、前記メールアドレス毎に抽出された単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を各メールアドレスの語彙数とし、前記全電子メールから抽出された単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を全電子メールの語彙数とし、各メールアドレスの語彙数と当該全電子メールの語彙数とに基づいて、前記各メールアドレスの許容度を算出する許容度算出手段(例えば、図13の許容度算出部590に相当)を備え、前記送信制御判断手段が、前記ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該電子メールに含まれる各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得し、当該電子メールに含まれる各単語の重要度が当該各メールアドレスにおいて高くない場合に、算出された前記各メールアドレスの許容度に基づいて、前記送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、単語抽出手段は、取得された全電子メールから単語を抽出する。許容度算出手段は、メールアドレス毎に抽出された単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を各メールアドレスの語彙数とし、全電子メールから抽出された単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を全電子メールの語彙数とし、各メールアドレスの語彙数と全電子メールの語彙数とに基づいて、各メールアドレスの許容度を算出する。送信制御判断手段が、ユーザが送信先メールアドレスを指定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、電子メールに含まれる各単語の重要度を重要度記憶手段から取得し、電子メールに含まれる各単語の重要度が各メールアドレスにおいて高くない場合に、算出された各メールアドレスの許容度に基づいて、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。したがって、電子メールに使用された語彙数に基づいて算出された許容度から電子メールに送信先メールアドレスがふさわしいか否かを判断でき、電子メールに送信先メールアドレスがふさわしくないと判断した場合に送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
(14) 本発明は、(9)から(13)の送信制御装置について、前記単語抽出手段が、取得された電子メールを形態素解析により分割された形態素、および当該電子メールをN文字毎にN−gramに分割した文字列の少なくともいずれかを単語として抽出することを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、単語抽出手段は、取得された電子メールを形態素解析により分割された形態素、および電子メールをN文字毎にN−gramに分割した文字列の少なくともいずれかを単語として抽出する。したがって、N−gramを用いることにより、形態素解析では単語として分割が困難な語彙も単語として抽出することが可能となる。
(15) 本発明は、(9)から(14)の送信制御装置について、電子メールに設定されたメールアドレスが、送信先メールアドレスおよび送信元メールアドレスの少なくとも1つを含むことを特徴とする送信制御装置を提案している。
この発明によれば、電子メールに設定されたメールアドレスは、送信先メールアドレスおよび送信元メールアドレスの少なくとも1つである。
(16) 本発明は、インターネットに接続された複数のユーザ端末により複数のユーザが自由にコミュニティを作成でき、また、発言が可能なコミュニケーションサイトを提供する1以上のコミュニケーションサーバと接続され、前記コミュニティに送信される投稿情報を制御する送信制御装置における送信制御方法であって、前記送信制御装置は、前記1以上のコミュニケーションサーバから、当該投稿制御装置のユーザが属している複数のコミュニティの投稿情報を取得する情報取得手段と、コミュニティ毎に、取得された投稿情報から単語を抽出する単語抽出手段と、前記コミュニティ毎の投稿情報の集合における各単語の出現頻度に基づいて、当該コミュニティ毎に当該各単語の重要度を算出する重要度算出手段と、前記抽出された各単語について算出された重要度を、前記コミュニティ毎に記憶する重要度記憶手段と、前記ユーザが前記コミュニティへ投稿情報を送信する際の制御を行う送信制御手段と、ユーザに通知を行う通知手段と、を備え、前記単語抽出手段が、前記ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該投稿情報から単語を抽出する第1のステップ(例えば、図4のステップS11に相当)と、前記投稿制御手段が、前記第1のステップで抽出された各単語について、前記各コミュニティの重要度を前記重要度記憶手段から取得する第2のステップ(例えば、図4のステップS12に相当)と、前記送信制御手段が、前記第1のステップで抽出された各単語について、前記第2のステップで取得した前記各コミュニティの重要度に基づいて、前記送信先コミュニティへの当該投稿情報の送信を許可するか否かを判断する第3のステップ(例えば、図4のステップS13に相当)と、前記通知手段が、前記第3のステップで前記送信先コミュニティへの送信を許可しないと判断した場合に、前記ユーザにその旨通知する第4のステップ(例えば、図4のステップS14に相当)と、を含む送信制御方法を提案している。
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、単語抽出手段が、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、投稿情報から単語を抽出する。次に、第2のステップにおいて、送信制御手段が、第1のステップで抽出された各単語について、各コミュニティの重要度を重要度記憶手段から取得する。次に、第3のステップにおいて、送信制御手段が、第1のステップで抽出された各単語について、第2のステップで取得した各コミュニティの重要度に基づいて、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。次に、第4のステップにおいて、通知手段が、第3のステップで送信先コミュニティへの送信を許可しないと判断した場合に、ユーザにその旨通知する。したがって、投稿情報に含まれる単語の各コミュニティにおける重要度から、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしいか否かを判断でき、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
(17) 本発明は、電子メール送信端末と通信可能であり、前記電子メール送信端末により送信される電子メールの送信制御を行う送信制御装置における送信制御方法であって、前記送信制御装置が、前記電子メール送信端末から電子メールを取得する電子メール取得手段と、前記電子メールに設定されたメールアドレス毎に、取得された電子メールから単語を抽出する単語抽出手段と、前記メールアドレス毎の電子メールの集合における各単語の出現頻度に基づいて、当該メールアドレス毎に当該各単語の重要度を算出する重要度算出手段と、前記抽出された各単語について算出された重要度を、前記メールアドレス毎に記憶する重要度記憶手段と、前記電子メール送信端末のユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを当該電子メール送信端末から送信する際の制御を行う送信制御判断手段と、ユーザに通知を行う通知手段と、を備え、前記単語抽出手段が、前記ユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該電子メールから単語を抽出する第1のステップと、前記送信制御判断手段が、前記第1のステップで抽出された各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得する第2のステップと、前記送信制御判断手段が、前記第1のステップで抽出された各単語について、前記第2のステップで取得した各単語の重要度のうち、前記送信先メールアドレスにおける当該各単語の重要度と送信先メールアドレス以外のメールアドレスにおける当該各単語の重要度とに基づいて、当該送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断する第3のステップと、前記通知手段が、前記第3のステップで前記送信先メールアドレスへの送信を許可しないと判断した場合に、前記ユーザにその旨通知する第4のステップと、を含む送信制御方法。
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、単語抽出手段が、ユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、電子メールから単語を抽出する。次に、第2のステップにおいて、送信制御判断手段が、第1のステップで抽出された各単語の重要度を重要度記憶手段から取得する。次に、第3のステップにおいて、送信制御判断手段が、第1のステップで抽出された各単語について、第2のステップで取得した各単語の重要度のうち、送信先メールアドレスにおける各単語の重要度と送信先メールアドレス以外のメールアドレスにおける各単語の重要度とに基づいて、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。次に、第4のステップにおいて、通知手段が、第3のステップで送信先メールアドレスへの送信を許可しないと判断した場合に、ユーザにその旨通知する。したがって、電子メールに含まれる単語の各メールアドレスにおける重要度から、電子メールに設定された送信先メールアドレスが電子メールにふさわしいか否かを判断でき、送信先メールアドレスがふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
(18) 本発明は、インターネットに接続された複数のユーザ端末により複数のユーザが自由にコミュニティを作成および発言でき、また、可能なコミュニケーションサイトを提供する1以上のコミュニケーションサーバと接続され、前記コミュニティに送信される投稿情報を制御する送信制御装置における送信制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記送信制御装置は、前記1以上のコミュニケーションサーバから、当該送信制御装置のユーザが属している複数のコミュニティの投稿情報を取得する投稿情報取得手段と、コミュニティ毎に、取得された投稿情報から単語を抽出する単語抽出手段と、前記コミュニティ毎の投稿情報の集合における各単語の出現頻度に基づいて、当該コミュニティ毎に当該各単語の重要度を算出する重要度算出手段と、抽出された各単語について算出された重要度を、前記コミュニティ毎に記憶する重要度記憶手段と、前記ユーザが前記コミュニティに投稿情報を送信する際の制御を行う送信制御手段と、ユーザに通知を行う通知手段と、を備え、前記単語抽出手段が、前記ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、当該投稿情報から単語を抽出する第1のステップ(例えば、図4のステップS11に相当)と、前記投稿制御手段が、前記第1のステップで抽出された各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得する第2のステップ(例えば、図4のステップS12に相当)と、前記投稿制御手段が、前記第1のステップで抽出された各単語について、前記第2のステップで取得した各単語の重要度のうち、前記送信先コミュニティにおける当該各単語の重要度と送信先コミュニティ以外のコミュニティにおける当該各単語の重要度とに基づいて、当該送信先コミュニティへの前記投稿情報の送信を許可するか否かを判断する第3のステップ(例えば、図4のステップS13に相当)と、前記通知手段が、前記第3のステップで前記送信先コミュニティへの送信を許可しないと判断した場合に、前記ユーザにその旨通知する第4のステップ(例えば、図4のステップS14に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、単語抽出手段が、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、投稿情報から単語を抽出する。次に、第2のステップにおいて、送信制御手段が、第1のステップで抽出された各単語について、各コミュニティの重要度を重要度記憶手段から取得する。次に、第3のステップにおいて、送信制御手段が、第1のステップで抽出された各単語について、第2のステップで取得した各コミュニティの重要度に基づいて、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。次に、第4のステップにおいて、通知手段が、第3のステップで送信先コミュニティへの送信を許可しないと判断した場合に、ユーザにその旨通知する。したがって、投稿情報に含まれる単語の各コミュニティにおける重要度から、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしいか否かを判断でき、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
(19) 本発明によれば、電子メール送信端末と通信可能であり、当該電子メール送信端末により送信される電子メールの送信制御を行う送信制御装置における送信制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記送信制御装置が、前記電子メール送信端末から電子メールを取得する電子メール取得手段と、前記電子メールに設定されたメールアドレス毎に、取得された電子メールから単語を抽出する単語抽出手段と、前記メールアドレス毎の電子メールの集合における各単語の出現頻度に基づいて、当該メールアドレス毎に当該各単語の重要度を算出する重要度算出手段と、前記抽出された各単語について算出された重要度を、前記メールアドレス毎に記憶する重要度記憶手段と、前記電子メール送信端末のユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを当該電子メール送信端末から送信する際の制御を行う送信制御判断手段と、ユーザに通知を行う通知手段と、を備え、前記単語抽出手段が、前記ユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを前記電子メール送信端末から送信する際に、当該電子メールから単語を抽出する第1のステップと、前記送信制御判断手段が、前記第1のステップで抽出された各単語の重要度を前記重要度記憶手段から取得する第2のステップと、前記送信制御判断手段が、前記第1のステップで抽出された各単語について、前記第2のステップで取得した各単語の重要度のうち、前記送信先メールアドレスにおける当該各単語の重要度と送信先メールアドレス以外のメールアドレスにおける当該各単語の重要度とに基づいて、当該送信先メールアドレスへの当該電子メールの送信を許可するか否かを判断する第3のステップと、前記通知手段が、前記第3のステップで前記送信先メールアドレスへの送信を許可しないと判断した場合に、前記ユーザにその旨通知する第4のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、単語抽出手段が、ユーザが送信先メールアドレスを設定して電子メールを電子メール送信端末から送信する際に、電子メールから単語を抽出する。次に、第2のステップにおいて、送信制御判断手段が、第1のステップで抽出された各単語の重要度を重要度記憶手段から取得する。次に、第3のステップにおいて、送信制御判断手段が、第1のステップで抽出された各単語について、第2のステップで取得した各単語の重要度のうち、送信先メールアドレスにおける各単語の重要度と送信先メールアドレス以外のメールアドレスにおける各単語の重要度とに基づいて、送信先メールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断する。次に、第4のステップにおいて、通知手段が、第3のステップで送信先メールアドレスへの送信を許可しないと判断した場合に、ユーザにその旨通知する。したがって、電子メールに含まれる単語の各メールアドレスにおける重要度から、電子メールに設定された送信先メールアドレスが電子メールにふさわしいか否かを判断でき、送信先メールアドレスがふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
本発明によれば、ユーザが属するインターネット上の各コミュニティの言語的特徴量とユーザが投稿する情報の言語的特徴量とに基づいて、ユーザが指定した投稿先コミュニティへの情報の投稿を許可するか否かを判断し、許可しない場合にユーザに通知することによって、意図しないコミュニティへの情報の誤投稿を防止することができる。また、ユーザが過去に送受信した電子メールの集合から得られる各メールアドレスの言語的特徴量とユーザが送信する電子メールの言語的特徴量とに基づいて、ユーザが指定したメールアドレスへの電子メールの送信を許可するか否かを判断し、許可しない場合にユーザに通知することによって、意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載を持って、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1の実施形態>
<送信制御装置の機能構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信制御装置100の機能構成を示す図である。図1に示すように、送信制御装置100は、コミュニケーションサーバ10と通信可能に接続される。
コミュニケーションサーバ10は、インターネットに接続された複数のユーザ端末により複数のユーザが自由にコミュニティを作成でき、また、発言が可能なコミュニケーションサイトを提供するサーバであって、Twitter(登録商標)やFaceBook(登録商標)等のサーバである。コミュニケーションサーバ10は、ユーザにより作成されたコミュニティを管理する機能や、コミュニティに送信された投稿情報やコミュニティに属するユーザの属性情報を管理するデータベースを備えている。なお、コミュニケーションサーバ10は、複数のコミュニティを管理することが可能である。また、図1には、コミュニケーションサーバ10は1台しか図示していないが、複数台であってもよい。
送信制御装置100は、ユーザがコミュニティに投稿情報を送信する際に、意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する装置であって、図1に示すように、投稿情報取得部110、単語抽出部120、重要度算出部130、重要度記憶部131、送信制御判断部140、通知部150、および送信部160を備える。
投稿情報取得部110は、コミュニケーションサーバ10からユーザが属するコミュニティの投稿情報を取得する。投稿情報取得部110は、コミュニティに新たな投稿情報が追加される毎に新たな投稿情報を取得してもよいし、予め設定された所定期間毎にその期間に追加された投稿情報を取得してもよい。
本実施形態において取得する投稿情報は投稿内容を示す文字列であって、投稿情報取得部110で取得される際に、投稿情報が投稿されているコミュニティを特定するコミュニティ識別情報が付加される。なお、投稿情報取得部110は、送信制御装置100のユーザの投稿情報だけでなく、ユーザが閲覧可能な他のユーザの投稿情報も取得する。また、投稿情報取得部110は、コミュニティの投稿情報の他に、コミュニティに参加しているユーザの属性情報やコミュニティの属性情報等を取得してもよい。
単語抽出部120は、投稿情報に付加されたコミュニティ識別情報に基づいて、コミュニティ毎に、投稿情報取得部110で取得した投稿情報から単語を抽出する。また、単語抽出部120は、ユーザがコミュニティに投稿情報を送信する際に、送信される投稿情報の単語を抽出する。抽出される単語には、投稿情報を形態素解析で分割した形態素や投稿情報をN文字毎にN−gramで分割した文字列の少なくとも1つを含む。N−gramで分解した文字列も単語に含めるのは、コミュニティ内で用いられる語彙は専門用語やスラングが多くなりがちであるため、通常の形態素解析では単語として分割が困難な語彙が含まれることが多いからである。
重要度算出部130は、単語抽出部120で抽出された各コミュニティの単語の重要度を、コミュニティ毎に、tf−idfを利用した以下の(1)式により算出する。
重要度tf−idf(w)iは、値が大きいほど単語wがコミュニティiにのみに出現する確率が高いことを示す。なお、重要度を決定する際、ユーザ自身の投稿情報やコミュニティ内でユーザが閲覧する頻度が高い投稿情報、例えば、TwitterにおけるタイムラインやFacebookにおけるウォールに表示される投稿情報が、ユーザが閲覧権限を持つその他の投稿情報と比べて高い重要度を持つようにTF(w)i値に重み付けを行なってもよい。
重要度記憶部131は、重要度算出部130で算出された各コミュニティの単語の重要度を記憶する。具体的には、重要度記憶部131は、コミュニティ識別情報と単語に対応付けて重要度を記憶する。なお、しきい値を設定し、しきい値以下の重要度が低い単語を記憶しないようしてもよいし、しきい値以上の重要度が高い単語を記憶するようにしてもよい。
送信制御判断部140は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する際に、投稿情報に含まれる各単語(以下、投稿単語という)について重要度記憶部131から重要度を取得し、送信先コミュニティにおける投稿単語の重要度とユーザが属するコミュニティのうち送信先コミュニティ以外のコミュニティ(以下、送信対象外コミュニティという)における投稿単語の重要度とに基づいて、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可すると判断した場合には、送信部160を介して送信先コミュニティに投稿情報を送信する。一方、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可しないと判断した場合には、後述する通知部150を介して、ユーザにその旨の通知を行う。
ここで、図2を用いて、本実施形態において、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かの判断基準について説明する。なお、ユーザはコミュニティA、Bに属し、コミュニティAに投稿情報を送信する場合を例に説明する。
図2は、ユーザが属するコミュニティAで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間A500(実線で囲まれた部分)と、コミュニティBで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間B600(点線で囲まれた部分)とを示す。コミュニティAで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間A500は、コミュニティAでのみ重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間A510(ドット領域)と、コミュニティAでもコミュニティBでも重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間AB520(斜線領域)とから構成されている。
ユーザがコミュニティAに送信する投稿情報に含まれる単語全てがコミュニティAでのみ重要度が高い単語の部分単語ベクトル空間A510に含まれる場合には、この投稿情報は既にコミュニティAに投稿されている内容の投稿情報であると判断でき、ユーザが送信先に指定したコミュニティAへの投稿情報の送信は許可すべきである。
一方、ユーザがコミュニティAに送信する投稿情報に含まれる単語の一部または全部が、コミュニティAでもコミュニティBでも重要度が高い単語の部分単語ベクトル空間AB520に含まれる場合には、この投稿情報の内容はコミュニティBに送信すべき内容である可能性がある。コミュニティBに送信すべき内容の投稿情報を、ユーザが誤ってコミュニティAに投稿してしまうと情報漏えいが発生してしまう。このような状況を防ぐために、本実施形態では、コミュニティAに送信する投稿情報に含まれる単語の一部または全部が、コミュニティAでもコミュニティBでも重要度が高い単語の部分単語ベクトル空間AB520に含まれる場合には、ユーザが送信先に指定したコミュニティAへの投稿情報の送信を許可しないと判断し、ユーザに指定した送信先が誤っていないか確認を行わせる。
よって、具体的には、送信制御判断部140は、まず、ユーザが送信先コミュニティを指定して送信した投稿情報から単語抽出部120にて投稿単語を抽出し、抽出された投稿単語について、送信先コミュニティでの重要度と送信対象外コミュニティでの重要度とを重要度記憶部131から取得する。次に、送信制御判断部140は、投稿単語の中に、送信先コミュニティでも送信対象外コミュニティでも重要度が高い単語が含まれるか否かを判断する。
そして、送信制御判断部140は、送信先コミュニティでも送信対象外コミュニティでも重要度が高い単語が投稿単語の中に含まれていない場合には、送信部160を介して、ユーザが指定したコミュニティに投稿情報を送信する。一方、送信制御判断部140は、送信先コミュニティでも送信対象外コミュニティでも重要度が高い単語が投稿単語の中に含まれている場合には、後述する通知部150を介して、ユーザに送信先コミュニティが誤っていないか確認を行わせるための通知を行う。
ところで、コミュニティAでは「太郎」で投稿情報を掲載し、コミュニティBでは「ピーター」で投稿情報を掲載するといったように、一のユーザが投稿情報の送信者、具体的には、送信者を特定する送信者名や送信者IDといった送信者識別情報を複数所有して使い分けている場合があり、この場合に、ユーザが投稿情報の送信先コミュニティを誤るのと同様に、投稿情報に付加する送信者識別情報を誤ることがある。そこで、送信制御判断部140にて、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断するのと同様に、ユーザが付加した送信者識別情報による投稿情報の送信を許可するか否かの判断を行ってもよい。
具体的には、単語抽出部120、重要度算出部130、および重要度記憶部131にて、コミュニティ毎に行っていた各処理を投稿情報に含まれる送信者識別情報に基づいて送信者毎に行い、送信制御判断部140で、投稿単語について、重要度記憶部131に記憶されている各送信者識別情報における投稿単語の重要度に基づいて、ユーザが付加した送信者識別情報による投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。なお、送信制御判断部140におけるより具体的な処理は、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する場合と同様である。よって、ユーザが複数の送信者識別情報を使い分けている場合に、ユーザが意図しない送信者識別情報による投稿情報の誤送信を防止することができる。
通知部150は、ディスプレイといった表示装置やスピーカといった出力装置であって、送信制御判断部140で、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可しないと判断された場合に、送信先コミュニティが誤っていないか再確認することを促すメッセージをユーザに通知する。
送信部160は、送信制御判断部140で、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可すると判断した場合には、コミュニケーションサーバ10に投稿情報を送信し、ユーザが指定した投稿先コミュニティに投稿情報が掲載される。また、通知部150から送信先コミュニティが誤っていないか再確認することを促すメッセージを受け取ったユーザが送信先コミュニティに誤りがないことを確認し、再度送信を指示した場合に、送信部160は、コミュニケーションサーバ10に投稿情報を送信する。
<重要度算出処理フロー>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る送信制御装置100における重要度算出処理のフローを示す図である。
まず、ステップS1において、投稿情報取得部110は、コミュニケーションサーバ10からユーザが属するコミュニティの投稿情報を取得する。
次に、ステップS2において、単語抽出部120は、コミュニティ毎に、ステップS1で取得した投稿情報から単語を抽出する。
次に、ステップS3において、重要度算出部130は、ステップS2で抽出された各コミュニティの単語の重要度を、上述した(1)式を用いて算出する。
次に、ステップS4において、重要度記憶部131は、ステップS3において算出された単語の重要度をコミュニティ毎に記憶する。
<送信制御処理フロー>
図4は、本発明の第1の実施形態に係る送信制御装置100における送信制御処理のフローを示す図である。本処理は、ユーザが送信先コミュニティを指定して投稿情報を送信する指示を行うと開始する。
まず、ステップS11において、単語抽出部120は、ユーザが送信する指示をした投稿情報から投稿単語を抽出する。
次に、ステップS12において、送信制御判断部140は、ステップS11で抽出された投稿単語の各コミュニティでの重要度を重要度記憶部131から取得する。
次に、ステップS13において、ステップS12で取得した各コミュニティでの投稿単語の重要度に含まれる、送信先コミュニティにおける投稿単語の重要度と送信対象外コミュニティにおける投稿単語の重要度とに基づいて、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可しないと判断した場合には、ステップS14に処理を進め、一方、送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可すると判断した場合には、ステップS15に処理を進める。
次に、ステップS14において、通知部150は、送信先コミュニティを再確認するメッセージを、ユーザに通知する。
次に、ステップS15において、送信部160は、ユーザが指定した送信先コミュニティを提供するコミュニケーションサーバ10に投稿情報を送信する。これにより、送信先コミュニティに投稿情報が掲載される。
なお、投稿情報を作成し、作成した投稿情報をコミュニティに送信する端末を送信制御装置100に接続し、送信制御システムとして利用することも可能である。また、送信制御装置100は、重要度記憶部131を備えず、ユーザが投稿情報をコミュニティに送信する度にコミュニケーションサーバ10から投稿情報を取得し重要度を算出してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが送信した投稿情報に含まれる単語の各コミュニティにおける重要度から、投稿情報の内容が送信先コミュニティにふさわしいか否かを判断でき、投稿情報の内容が送信先コミュニティにふさわしくない可能性がある、すなわち、投稿情報の内容が送信先コミュニティ以外のコミュニティにふさわしい可能性がある場合には送信制御装置100は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
<第2の実施形態>
図5および図6を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態のコミュニケーションサーバ10を電子メール送信端末に置き換えることによって、第1の実施形態で示した、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する送信制御装置100を、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤って送信することを防止する送信制御装置200へと変形した形態である。
第1の実施形態のコミュニケーションサーバ10が電子メール送信端末20に置き換わることによって、第1の実施形態における投稿情報が電子メールに、第1の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティが電子メールの送信先であるメールアドレスに代わるが、本実施形態における送信制御装置200は第1の実施形態の送信制御装置100と略同一の処理を行う。そのため、以下、第1の実施形態における投稿情報が電子メールに、第1の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティが電子メールの送信先であるメールアドレスに代わっただけであって、同一の処理を行う構成要素については、第1の実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<送信制御装置の機能構成>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る送信制御装置200の機能構成を示す図である。図5に示すように、送信制御装置200は、電子メール送信端末20と通信可能に接続される。
電子メール送信端末20は、電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行うメーラーを備えている。なお、図5には、電子メール送信端末20は1台しか図示していないが、複数台であってもよい。また、電子メール送信端末20は、送信制御装置200の機能を備えてもよい。
送信制御装置200は、電子メール送信端末20から電子メールを送信する際に、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する装置であって、図5に示すように、電子メール取得部210、単語抽出部120、重要度算出部130、重要度記憶部131、送信制御判断部140、通知部150、および送信部160を備える。
電子メール取得部210は、電子メール送信端末20から電子メールを取得する。ここで、電子メールは送信メールおよび受信メールの少なくとも1つである。電子メールの件名欄および本文欄に記述された文字列や、電子メールに添付された添付ファイルに記述された文字列が、第1の実施形態における投稿情報に対応する。電子メール取得部210は、新たなメールを電子メール送信端末20が送信、受信、または送受信する毎に新たな電子メールを取得してもよいし、予め設定された所定期間毎にその期間に送信、受信、または送受信された電子メールを取得してもよい。
<重要度算出処理フロー>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る送信制御装置200における重要度算出処理のフローを示す図である。まず、ステップS101において、電子メール取得部210は、電子メール送信端末20から電子メールを取得する。
次のステップS102からステップS104それぞれは、第1の実施形態における投稿情報を電子メールに、第1の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティを電子メールの送信先であるメールアドレスに置き換えた図3のステップS2からステップS4それぞれと同一の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
<送信制御処理フロー>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る送信制御装置200における送信制御処理のフローを示す図である。図に示すステップS111からステップS115それぞれは、第1の実施形態における投稿情報を電子メールに、第1の実施形態における投稿情報の送信先となるコミュニティを電子メールの送信先となるメールアドレスに置き換えた図4のステップS11からステップS15それぞれと同一の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態のコミュニケーションサーバ10を電子メール送信端末20に置き換えることによって、第1の実施形態で示した、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する送信制御装置100を、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する送信制御装置200とすることができる。それにより、電子メールに含まれる単語の各メールアドレスにおける重要度から、電子メールに設定された送信先メールアドレスが電子メールにふさわしいか否かを判断でき、送信先メールアドレスがふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
<第3の実施形態>
図8および図9を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、コミュニティ毎に送信を許可しない単語を設定することにより、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
まず、図8を用いて、本実施形態において、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否の判断基準について説明する。なお、ユーザはコミュニティA、Bに属し、コミュニティAに投稿情報を送信する場合を例に説明する。
図8は、ユーザが属するコミュニティAで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間A500(実線で囲まれた部分)と、コミュニティBで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間B600(点線で囲まれた部分)とを示す。コミュニティBで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間B600は、コミュニティBでのみ重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間B610(ドット領域)と、コミュニティBでもコミュニティAでも重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間AB520(斜線領域)とから構成されている。
ユーザがコミュニティAに投稿情報を送信する場合、その投稿情報に含まれる単語がコミュニティBでのみ重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間B610に含まれる場合、ユーザは誤って送信先にコミュニティAを指定した可能性があるので、投稿情報の送信を許可しない必要がある。それにより、コミュニティBに送信されるべき投稿情報がコミュニティAに送信されてしまい、情報漏えいが発生してしまうことを防ぐことができるからである。
そこで、本実施形態では、投稿情報に含まれる単語がコミュニティBでのみ重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間B610に含まれるか否かによって、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。投稿情報に含まれる単語がコミュニティBでのみ重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間B610に含まれるか否かは、(1)投稿情報中に送信先のコミュニティAの除外単語が含まれるか、(2)送信先のコミュニティAの除外単語候補が含まれるか、(3)投稿情報の単語ベクトルと送信先のコミュニティA以外(本例ではコミュニティB)の部分空間との類似度が高いか、の3つ条件によって判断し、3つのいずれかの条件を満たす場合に投稿情報に含まれる単語がコミュニティBでのみ重要度が高い単語からなる部分単語ベクトル空間B610に含まれると判断する。
なお、除外単語および除外単語候補とは、コミュニティAに送信する投稿情報に含まれるべきではない単語またはその単語の候補であって、詳細については後述する。
次に、図9を用いて、本発明の第2の実施形態に係る送信制御装置300の機能構成を説明する。図9に示すように、送信制御装置300は、コミュニケーションサーバ10と通信可能に接続される。
送信制御装置300は、ユーザがコミュニティに投稿情報を送信する際に、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する装置であって、図9に示すように、投稿情報取得部110、単語抽出部120、重要度算出部130、重要度記憶部131、除外単語候補抽出部370、除外単語候補記憶部371、除外単語記憶部380、送信制御判断部340、通知部350、および送信部160を備える。
除外単語候補抽出部370は、重要度記憶部131に記憶されているコミュニティ毎の単語の重要度に基づいて、各コミュニティの除外単語候補を抽出する。具体的には、各コミュニティついて、そのコミュニティでの重要度が上位x%に含まれる単語を、他のコミュニティでの除外単語候補とする。なお。xは予め設定されたしきい値である。除外単語候補抽出部370は、投稿情報取得部110がコミュニケーションサーバ10から投稿情報を取得する毎に、除外単語候補を抽出し、後述する除外単語記憶部380を更新する。
除外単語候補記憶部371は、除外単語候補抽出部370で抽出された除外単語を記憶する。除外単語候補記憶部371は、除外単語候補を、コミュニティ情報に対応付けて記憶する。
除外単語記憶部380は、ユーザによって定義された、コミュニティ毎の使用すべきでない単語を記憶する。除外単語候補記憶部371に記憶されている各コミュニティの除外単語候補を通知部350の表示装置を介してユーザに提示し、提示された除外単語候補の中からユーザに除外単語を選択させることにより、各コミュニティの除外単語を容易にユーザが設定することが可能となる。除外単語は、ユーザによって定義された、各コミュニティで使用すべきでない単語であるので、ユーザが送信する投稿情報に送信先コミュニティの除外単語が含まれる場合には、投稿を禁止する。
送信制御判断部340は、ユーザが投稿情報をコミュニティに送信する際に、ユーザが指定した送信先コミュニティの除外単語を除外単語記憶部380から取得し、取得した除外単語が投稿情報に含まれるか否かによって、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。除外単語記憶部380から取得した送信先コミュニティの除外単語が投稿情報に含まれない場合には、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可し、送信部160を介して、送信先コミュニティに投稿情報を送信する。一方、除外単語記憶部380から取得した送信先コミュニティの除外単語が投稿情報に含まれる場合には、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可せず、送信を中止する。
また、送信制御判断部340は、ユーザが投稿情報をコミュニティに送信する際に、ユーザが指定した送信先コミュニティの除外単語候補を除外単語候補記憶部371から取得し、取得した除外単語候補が投稿情報に含まれるか否かによって、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。除外単語候補記憶部371から取得した送信先コミュニティの除外単語候補が投稿情報に含まれない場合には、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可し、送信部160を介して、送信先コミュニティに投稿情報を送信する。一方、除外単語候補記憶部371から取得した送信先コミュニティの除外単語候補が投稿情報に含まれる場合には、通知部350の表示装置を介して、ユーザに投稿情報に含まれる除外単語候補を提示するとともに、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可しない。
更に、送信制御判断部340は、ユーザが投稿情報をコミュニティに送信する際に、各コミュニティの単語ベクトル空間とユーザが送信を指示した投稿情報の単語ベクトルとの類似度を算出し、算出した類似度によって、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。
ここで、コミュニティの単語ベクトル空間とユーザが送信を指示した投稿情報の単語ベクトルとの類似度は、例えば、部分空間法(例えば、非特許文献3参照:松永 務「部分空間類別法を適用した文書のフィルタリング手法の検討」,電子情報通信学会論文誌.D−II,情報・システム,II−情報処理J81−D−2(1),54−63,1998−01−25)によって求めることができる。
一般的な部分空間法を用いると、図8に示されるコミュニティAの単語ベクトル空間A500とユーザが送信した投稿情報の単語ベクトルとの類似度は、ユーザが送信を指示した投稿情報の単語ベクトルと、コミュニティAの投稿情報で使用されている単語のうち重要度の高い単語から生成される部分空間(単語ベクトル空間A500)の基底ベクトルとの内積cosθAで定義される。同様に、コミュニティA以外のコミュニティ(例えば、図8に示したコミュニティB)の単語ベクトル空間B600とユーザが送信を指示した投稿情報の単語ベクトルとの類似度は、ユーザが送信した投稿情報の単語ベクトルと、コミュニティBの投稿情報で使用されている単語のうち重要度の高い単語から生成される部分空間(単語ベクトル空間B600)の基底ベクトルとの内積cosθBで定義される。なお、複数のコミュニティにユーザが属している場合には、各コミュニティとの類似度を算出する必要がある。
送信制御判断部340は、投稿情報の送信先コミュニティをコミュニティAとした場合、投稿情報の単語ベクトルとコミュニティAの部分空間の基底ベクトルとの内積cosθAがしきい値以下であって、送信先以外のコミュニティとしてコミュニティBがある場合には、投稿情報の単語ベクトルとコミュニティBの部分空間の基底ベクトルとの内積cosθBがしきい値以上である場合に、投稿情報は送信先でないコミュニティBと類似していると判断する。そして、ユーザが指定した送信先コミュニティ(コミュニティA)への投稿情報の送信を許可せず、通知部350を介して、ユーザにその旨の通知を行う。それにより、ユーザに送信先コミュニティが誤っていないか再確認させることができる。なお、cosθAの逆数とcosθBの積を用いて1つのしきい値で推定してもよい。
上述したユーザが指定した送信先以外のコミュニティの単語ベクトル空間とユーザが送信を指示した投稿情報の単語ベクトルとの類似度を用いた送信制御には、ベクトル空間を利用した様々な既存の言語処理手法を取り入れることが可能である。例えば、コミュニティ内の投稿情報が少ない場合は単語ベクトル空間ではなく意味ベクトル空間を用いることで、類似する意味の単語も考慮して類似度を算出することが可能である(例えば、非特許文献4参照:池原 悟,村上 仁一,木本 泰博「単語意味属性を使用したベクトル空間法」,自然言語処理 10(2),111−128,2003−04−10)。また、コミュニティ内の投稿情報数が膨大な場合であっても、次元圧縮の手法を用いることで少ない計算コストで類似度を求めることが可能になる(例えば、非特許文献5参照:鷹野 孝典,陳 幸生「文書ベクトル分布に基づく次元削減による文書検索空間の生成方式に関する評価実験」,情報処理学会研究報告.データベース・システム研究会報告2008(88),55−60,2008−09−14)。
なお、送信制御判断部340は、上述した除外単語を用いた送信制御、除外単語候補を用いた送信制御、および類似度を用いた送信制御を適宜組み合わせて、送信制御を行ってもよい。
通知部350は、ディスプレイといった表示装置やスピーカといった出力装置であって、送信制御判断部340で、ユーザが指定した送信先コミュニティに投稿情報を送信すべきでないと判断された場合に、表示装置を用いて送信先コミュニティを確認することを促すメッセージをユーザに通知する。
また、通知部350は、送信制御判断部340で、ユーザが送信した投稿情報に除外単語候補が含まれる場合には、除外単語候補をユーザに提示する。提示された除外単語候補の中からユーザが除外単語を選択することにより、ユーザは各コミュニティの除外単語を容易に設定することが可能となる。提示された除外単語候補の中からユーザが除外単語を選択しなかった場合には、送信先コミュニティへの投稿情報に含まれるべきではない単語を含まないとして、送信制御判断部340に対し、送信を許可する通知を行い、送信部160を介して投稿情報を送信先コミュニティに送信してもよい。
なお、コミュニティ毎の使用すべきでない単語である除外単語やコミュニティ毎の使用すべきでない単語の候補である除外単語候補と反対に、コミュニティ毎に使用を推奨する単語である推奨単語やコミュニティでの重要度が高く、コミュニティ毎に使用を推奨する単語の候補である推奨単語候補を設定しユーザに提供してもよい。それにより、コニュニティ内で話題になっている用語をユーザに把握しやすくすることや、コミュニティ内での用語を統一することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、一のコミュニティで重要度が高い単語を他のコミュニティの除外単語候補として記憶しておくことによって、投稿情報に送信先コミュニティの除外単語候補が含まれる場合には送信制御装置300は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
また、送信する投稿情報に含まれるべきではない単語をコミュニティ毎に除外単語として記憶しておくことによって、投稿情報に送信先コミュニティの除外単語が含まれる場合には送信制御装置300は送信を許可せず、除外単語を含む投稿情報を送信させないようにすることができる。更に、コミュニティの単語ベクトル空間とユーザが送信指示した投稿情報の単語ベクトルとの類似度により、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくない可能性がある場合には送信制御装置300は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
<第4の実施形態>
図10を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、第3の実施形態のコミュニケーションサーバ10を電子メール送信端末40に置き換えることによって、第3の実施形態で示した、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する送信制御装置300を、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する送信制御装置400へと変形した形態である。
第3の実施形態のコミュニケーションサーバ10が電子メール送信端末40に置き換わることによって、第3の実施形態における投稿情報が電子メールに、第1の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティが電子メールの送信先であるメールアドレスに代わるが、本実施形態における送信制御装置400は第3の実施形態の送信制御装置300と略同一の処理を行う。そのため、以下、第3の実施形態における投稿情報が電子メールに、第3の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティが電子メールの送信先であるメールアドレスに代わっただけであって、同一の処理を行う構成要素については、第3の実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<送信制御装置の機能構成>
図10は、本発明の第4の実施形態に係る送信制御装置400の機能構成を示す図である。図10に示すように、送信制御装置400は、電子メール送信端末40と通信可能に接続される。
電子メール送信端末40は、電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行うメーラーを備えている。なお、図5には、電子メール送信端末40は1台しか図示していないが、複数台であってもよい。また、電子メール送信端末40は、送信制御装置400の機能を備えてもよい。
送信制御装置400は、電子メール送信端末40から電子メールを送信する際に、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する装置であって、図10に示すように、電子メール取得部410、単語抽出部120、重要度算出部130、重要度記憶部131、除外単語候補抽出部370、除外単語候補記憶部371、除外単語記憶部380、送信制御判断部340、通知部350、および送信部160を備える。
電子メール取得部410は、電子メール送信端末40から電子メールを取得する。ここで、電子メールは送信メールおよび受信メールの少なくとも1つである。電子メールの件名欄および本文欄に記述された文字列や、電子メールに添付された添付ファイルに記述された文字列が、第3の実施形態における投稿内容に対応する。電子メール取得部410は、新たなメールを電子メール送信端末40が送信、受信、または送受信する毎に新たな電子メールを取得してもよいし、予め設定された所定期間毎にその期間に送信、受信、または送受信された電子メールを取得してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、第3の実施形態のコミュニケーションサーバ10を電子メール送信端末40に置き換えることによって、第3の実施形態で示した、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する送信制御装置300を、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する送信制御装置400とすることができる。
したがって、各メールアドレスにおいて電子メールに含まれるべきではない除外単語、各メールアドレスにおいて電子メールに含まれるべきでない可能性がある除外単語候補を用いて、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。また、除外単語候補をユーザに提示することによって、ユーザは容易に除外単語を設定することができる。更に、単語ベクトルを用いて、電子メールに設定された送信先メールアドレスが電子メールにふさわしいか否かによって送信許可の判断を行うことにより、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
<第5の実施形態>
図11および図12を用いて、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、コミュニティが許容する投稿内容の範囲に基づいて、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
まず、図11を用いて、本実施形態において、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否の判断基準について説明する。なお、ユーザはコミュニティA、Bに属し、コミュニティAに投稿情報を送信する場合を例に説明する。
図11に示すように、単語ベクトル空間は、ユーザが属するコミュニティAで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間A500(実線で囲まれた部分)と、コミュニティBで重要度が高い単語からなる単語ベクトル空間B600(点線で囲まれた部分)と、単語ベクトル空間A500および単語ベクトル空間B600のいずれにも属しない単語ベクトル空間C700とから構成される。
ユーザがコミュニティAに送信する投稿情報に含まれる単語が単語ベクトル空間A500および単語ベクトル空間B600のいずれにも属しない単語ベクトル空間C700に含まれる場合、コミュニティAにはあまり送信されていない内容の投稿情報であると判断できるが、コミュニティAで許容される内容の投稿情報か否かはコミュニティの性質に関係する。コミュニティが扱う話題の範囲は様々であって、幅広い話題を扱うコミュニティであればあまり送信されていない内容の投稿情報であっても許容されるが、限られた話題しか扱わないコミュニティであればあまり送信されていない内容の投稿情報は許容されない傾向がある。
そこで、本実施形態では、ユーザがコミュニティAに送信する投稿情報に含まれる単語が単語ベクトル空間A500および単語ベクトル空間B600のいずれにも属しない単語ベクトル空間C700に含まれる場合に、コミュニティAが許容する話題の範囲に基づいて、コミュニティAへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。
図12は、本発明の第5の実施形態に係る送信制御装置500の機能構成を示す図である。図12に示すように、送信制御装置500は、コミュニケーションサーバ10と通信可能に接続される。
送信制御装置500は、ユーザがコミュニティに投稿情報を送信する際に、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する装置であって、図12に示すように、投稿情報取得部510、単語抽出部520、重要度算出部130、重要度記憶部131、許容度算出部590、許容度記憶部591、送信制御判断部540、通知部150、および送信部160を備える。
投稿情報取得部510は、コミュニケーションサーバ10からユーザが属する各コミュニティから投稿情報を取得する。また、投稿情報取得部510は、送信制御装置500が接続されているコミュニケーションサーバ10が提供する全コミュニティに投稿された投稿情報を取得する。
単語抽出部520は、投稿情報に付加されたコミュニティ識別情報に基づいて、コミュニティ毎に、投稿情報取得部510で取得した投稿情報から単語を抽出する。また、単語抽出部520は、投稿情報取得部510で取得した全コミュニティの投稿情報から単語を抽出する。更に、単語抽出部520は、ユーザがコミュニティに投稿情報を送信する際に、送信する投稿情報の単語を抽出する。
許容度算出部590は、単語抽出部520で抽出された各コミュニティの単語のうち、予め用意された語彙辞書に登録されている単語の数を各コミュニティの語彙数として取得する。また、許容度算出部590は、単語抽出部520で抽出された全コミュニティの単語のうち、語彙辞書に登録されている単語の数を全コミュニティの語彙数として取得する。そして、許容度算出部590は、取得した各コミュニティの語彙数を全コミュニティの語彙数で割った値を許容度として算出する。語彙数が多いほどコミュニティの許容度は大きくなり、コミュニティが許容する話題の範囲が広いことを示す。
許容度記憶部591は、許容度算出部590で算出された各コミュニティの許容度を記憶する。
送信制御判断部540は、まず、ユーザが投稿情報をコミュニティに送信する際に、重要度記憶部131に記憶されている各コミュニティの単語の重要度に基づいて、送信する投稿情報に含まれる全単語が、ユーザが属する各コミュニティのいずれにおいても重要度が高くないか否かを判断する。重要度が高くないか否かは、例えば、予め設定されたしきい値よりも高いか否かで判断する。
そして、送信制御判断部540は、送信する投稿情報に含まれる全単語が、ユーザが属する各コミュニティのいずれにおいても重要度が高くない場合には、送信先コミュニティについて許容度算出部590で取得した許容度が予め設定されたしきい値以上であるか否かによって、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可するか否かを判断する。しきい値以上である場合には、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可し、送信部160を介して、送信先コミュニティに投稿情報を送信する。一方、しきい値以下である場合には、ユーザが指定した送信先コミュニティへの投稿情報の送信を許可せず、通知部150を介して、ユーザにその旨の通知を行う。それにより、ユーザに送信先コミュニティが誤っていないか再確認させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが属するコミュニティのいずれにおいても重要度の高くない単語からなる投稿情報の場合に、送信先コミュニティの許容度から投稿情報が送信先コミュニティにふさわしいか否かを判断でき、投稿情報が送信先コミュニティにふさわしくないと判断した場合には送信制御装置500は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先コミュニティを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないコミュニティへの投稿情報の誤送信を防止することができる。
<第6の実施形態>
図13を用いて、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、第5の実施形態のコミュニケーションサーバ10を電子メール送信端末に置き換えることによって、第5の実施形態で示した、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する送信制御装置500を、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する送信制御装置600へと変形した形態である。
第5の実施形態のコミュニケーションサーバ10が電子メール送信端末60に置き換わることによって、第5の実施形態における投稿情報が電子メールに、第5の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティが電子メールの送信先であるメールアドレスに代わるが、本実施形態における送信制御装置600は第5の実施形態における送信制御装置500と略同一の処理を行う。そのため、以下、第5の実施形態における投稿情報が電子メールに、第5の実施形態における投稿情報の送信先であるコミュニティが電子メールの送信先であるメールアドレスに代わっただけであって、同一の処理を行う構成要素については、第5の実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<送信制御装置の機能構成>
図13は、本発明の第6の実施形態に係る送信制御装置600の機能構成を示す図である。図13に示すように、送信制御装置600は、電子メール送信端末60と通信可能に接続される。
電子メール送信端末60は、電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行うメーラーを備えている。なお、図13には、電子メール送信端末60は1台しか図示していないが、複数台であってもよい。また、電子メール送信端末60は、送信制御装置600の機能を備えてもよい。
送信制御装置600は、電子メール送信端末60から電子メールを送信する際に、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する装置であって、図13に示すように、電子メール取得部610、単語抽出部520、重要度算出部130、重要度記憶部131、許容度算出部590、許容度記憶部591、送信制御判断部540、通知部150、および送信部160を備える。
電子メール取得部610は、電子メール送信端末60から電子メールを取得する。ここで、電子メールは送信メールおよび受信メールの少なくとも1つである。電子メールの件名欄および本文欄に記述された文字列や、電子メールに添付された添付ファイルに記述された文字列が、第5の実施形態における投稿内容に対応する。電子メール取得部610は、新たなメールを電子メール送信端末60が送信、受信、または送受信する毎に新たな電子メールを取得してもよいし、予め設定された所定期間毎にその期間に送信、受信、または送受信された電子メールを取得してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、第5の実施形態のコミュニケーションサーバ10を電子メール送信端末60に置き換えることによって、第5の実施形態で示した、ユーザが意図しないコミュニティに投稿情報を誤送信することを防止する送信制御装置500を、ユーザが意図しないメールアドレスに電子メールを誤送信することを防止する送信制御装置600とすることができる。
したがって、電子メールに使用された語彙数に基づいて算出された許容度から電子メールに送信先メールアドレスがふさわしいか否かを判断でき、電子メールに送信先メールアドレスがふさわしくないと判断した場合に送信制御装置600は送信を許可せず、ユーザに通知することによって、ユーザに送信先メールアドレスを再確認させることができる。その結果、ユーザが意図しないメールアドレスへの電子メールの誤送信を防止することができる。
なお、送信制御装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを機器に読み込ませ、実行することによって本発明の送信制御装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。