JP5843223B2 - 超微量グリース状物質の劣化評価方法 - Google Patents
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Description
2枚のガラス板の間に挟んだマイクログラムオーダーの超微量の試料に1度目の一定荷重を加える工程Aと、
所定時間経過後の該試料の広がり長さを測定すると共に、面積を算出する工程Bと、
続いて2度目の一定荷重を加える工程Cと、
所定時間経過後の該試料の広がり長さを測定すると共に、面積を算出する工程Dと、を備え、
工程Bと工程Dにおける広がり長さおよび/または広がり面積から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。
2枚のガラス板の間に挟んだマイクログラムオーダーの超微量の試料に1度目の一定荷重を加える工程Aと、
所定時間経過後の該試料の色彩を評価する工程B´と、
続いて2度目の一定荷重を加える工程Cと、
所定時間経過後の該試料の色彩を評価する工程D´と、を備え、
工程B´および/または工程D´の色彩の評価から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。
2枚のガラス板の間に挟んだ油を吸着・吸収するシート状物と該シート状物上に量り取ったマイクログラムオーダーの超微量の試料に一定荷重を加える工程Eと、
所定時間経過後の該シート状物の重量を測定し、該シート状物が吸収した試料の重量を求める工程Fと、を備え、
該シート状物が吸収した試料の重量と量り取った超微量の試料の重量との比率から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。
2枚のガラス板の間に挟んだ油を吸着・吸収するシート状物と該シート状物上に量り取ったマイクログラムオーダーの超微量の試料に一定荷重を加える工程Eと、
所定時間経過後の該シート状物上の試料の広がり面積を求める工程F´と、を備え、
工程F´で求めた広がり面積と非劣化状態の該試料の広がり面積との比率から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。
1.試料の広がり直径又は広がり面積又はそれらの変化率を求めることにより、
2.試料の色彩を評価することにより、
3.試料の離油量を測定することにより、
グリース状物質の劣化度を評価するものである。
本発明による劣化評価方法では、グリース状物質に2度に渡って一定荷重を加え、グリース状物質を多段階でガラス板の間で薄く引き延ばすことにより、マイクログラムオーダーの試料で劣化進行度を評価することが可能になる。
判定することもできる。
<工程A>
1)先ず、清浄な2枚のガラス板(スライドグラスが好適である。)1a、1b、ならびに横滑り抑制用の枠2および白紙3を用意する。白紙3は試料の色彩を判別し易くして、広がったグリースの輪郭を見易くする効果がある。
5)所定の時間が経過したところで荷重5を除去し、十字マークに沿いながら、ガラス板1aとガラス板1bの間に広がった試料のX軸方向の広がりX1およびY軸方向の広がりY1を測定し、面積(S1)を算出する(図4参照)。
6)次いで、ガラス板1bの上部に2度目の一定荷重5´(W2)を加える。
7)所定の時間が経過したところで荷重5´を除去し、1度目と同じ箇所の試料のX軸方向の広がりX2およびY軸方向の広がりY2を測定し、面積(S2)を算出する。
X軸およびY軸の取り方は任意であるが、例えば、ガラス板としてスライドグラスを用いた場合には、長辺方向をX軸、長辺に直交する短辺方向をY軸とすれば良い。
色彩の評価は、上述した、1.広がり長さの測定による劣化の評価方法と同じ手順で行うことができる。従って、別途、色彩評価のみを実施しても良いが、直径又は面積の変化率の測定と同時に実施することもできる。
具体的には、先ず、図3に示すように、清浄な2枚のガラス板(スライドグラスが好適である。)1a、1bを用意する。ガラス板1bの上部に1度目の一定荷重(W1)を載せる。
所定の時間が経過したところで荷重を除去し、試料の色彩を肉眼、或いは色差計を用いてa値、b値、c値等により評価する。
さらに、ガラス板1bの上部に2度目の一定荷重(W2)を載せる。
所定の時間が経過したところで荷重を除去し、試料の色彩を<工程B´>と同様の方法で評価する。
本評価方法では、ガラス板の間にグリース状物質を挟み、荷重を加えることによりグリース中に保持する油量を、油を吸着・吸収するシート状物を用いて測定する。即ち、劣化したグリースでは、増ちょう剤と基油とが分離し、さらに分離した基油が重合固化することにより、グリースの流動性や潤滑性が失われ、グリース中の油分量が減少するので、油分量を測定することにより劣化度を評価することが可能になる。グリースの油分量は、基油や増ちょう剤の種類や量によって異なるため、油を吸着・吸収するシート状物が吸着した絶対的な油分量で評価することは難しい。しかし、各グリースについて劣化品の基油率(即ち、新品グリースの油分量に対する劣化グリースの油分量の割合)を求めることにより、精度の高い評価が可能になる。
1)先ず、清浄なガラス板(スライドグラスが好適である。)6の上に、重量が既知のの油を吸着・吸収するシート状物7を貼り付ける。該油を吸着・吸収するシート状物としては、油を吸着・吸収するシートであれば特に限定されず、油取り紙の他、パルプ製のキッチンペーパーやキッチンタオル、不織布製のシートなどの、家庭用や業務用に市販されている化粧用や調理用、清掃用、実験用等の各種シートを用いることができる。
所定の時間が経過したところで荷重10を除去し、油を吸着・吸収するシート状物7の上に残ったグリース固形分を除去した後、該シート状物7に吸着された油の重量(W4)を測定する。吸着された油の重量は、測定前と測定後の油を吸着・吸収するシート状物の重量の差、又は、油を吸着・吸収するシート状物とガラス板の合計重量の差を用いて求めることができる。次いで、試料の重量(W3)に対する油の重量(W4)の重量比(W4/W3)(即ち、基油率)を求める。この重量比が小さいほど、試料の劣化が進行していることを示す指標になる。
所定の時間が経過したところで荷重10を除去し、油を吸着・吸収するシート状物7に広がった円形の面積(S3)を求め、新品の試料について同様の方法にて測定した円形の面積(S4)との面積比(S3/S4)(即ち、基油率)を求める。この面積比が小さいほど、試料の劣化が進行する指標になる。面積の測定は、上述した、1.広がり長さの測定による劣化の評価方法の場合と同様、油の広がり直径又は面積を、平面視野像から検出した径を直径として測定し面積を算出する。
以下の手順及び方法に従い、グリースの劣化度を、面積変化率及び色彩で評価した。
変電機器に12年間使用されている下記2種のグリースについて、各3箇所の実機から採取したものを試料とした。
・グリースA(基油:エステル系+リチウム石けん+固体潤滑剤)、JISちょう度285
・グリースC(基油:シリコーン系)、JISちょう度280
清浄なスライドグラス(26mm×26mm、重さ約1.9〜2.0g)の略中心に、清浄な針を用いて、試料約0.5mgを載せ、スライドグラスを横滑り抑制用の枠(内寸:26mm×26mm、高さ2mm)内にはめこみ、枠内の白紙の十字の中心位置と試料の中心が重なるようにした。試料の上部に同じ大きさのスライドグラスを載せた。スライドグラスの上部に5gの荷重を加え、60秒経過したところで荷重を除去し、2枚のスライドグラスの間に広がった試料のX軸方向の広がりX1及びY軸方向の広がりY1をデジタルマイクロスコープで拡大して測定し、面積(S1)を求めた。
再びスライドグラスの上部に200gの荷重を載せ、60秒経過したところで荷重を除去し、2枚のスライドグラスの間に広がった試料のX軸方向の広がりX2及びY軸方向の広がりY2を、1度目の荷重試験と同じ方法で測定し、面積(S2)を求めた。
上記で求めた面積(S1)と面積(S2)より、面積変化率(S2/S1)ならびに(S2−S1)/(S02−S01)を求めた。その結果を表1に示す。なお、S1及びS2は経年劣化したグリースの面積、S01及びS02は新品のグリースの面積を表す。
荷重を加えていないときの試料の色彩、ならびに、1度目の荷重試験及び2度目の荷重試験において2枚のスライドグラスの間に広がった試料の色彩を、色見本(図2参照)による数段階の分類と、光透過度測定による劣化度合いの分類により評価した。結果を表1に示す。
また、荷重を加えることなく色彩を評価した場合は、劣化度の差が明確でなかったが、ガラス板の間で薄く引き伸ばすことによって、特に2度目の荷重試験後の試料では見た目の色彩の差が大きいので、グリースの劣化度合いの分類指標として用いることが可能である。
劣化度合いの変化率による評価と色彩評価との間には、試料の劣化度が大きくなるほど良い相関が見られるようになる。
2 枠
3 白紙
4 試料
5 1度目の荷重
5´ 2度目の荷重
6 ガラス板
7 油を吸着・吸収するシート状物
8 試料
9 ガラス板
10 荷重
Claims (4)
- グリース状物質の劣化度を評価する方法であって、
2枚のガラス板の間に挟んだマイクログラムオーダーの超微量の試料に1度目の一定荷重を加える工程Aと、
所定時間経過後の該試料の広がり長さを測定すると共に、面積を算出する工程Bと、
続いて2度目の一定荷重を加える工程Cと、
所定時間経過後の該試料の広がり長さを測定すると共に、面積を算出する工程Dと、を備え、
工程Bと工程Dにおける広がり長さおよび/または広がり面積から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。 - グリース状物質の劣化度を評価する方法であって、
2枚のガラス板の間に挟んだマイクログラムオーダーの超微量の試料に1度目の一定荷重を加える工程Aと、
所定時間経過後の該試料の色彩を評価する工程B´と、
続いて2度目の一定荷重を加える工程Cと、
所定時間経過後の該試料の色彩を評価する工程D´と、を備え、
工程B´および/または工程D´の色彩の評価から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。 - グリース状物質の劣化度を評価する方法であって、
2枚のガラス板の間に挟んだ油を吸着・吸収するシート状物と該シート状物上に量り取ったマイクログラムオーダーの超微量の試料に一定荷重を加える工程Eと、
所定時間経過後の該シート状物の重量を測定し、該シート状物が吸収した試料の重量を求める工程Fと、を備え、
該シート状物が吸収した試料の重量と量り取った超微量の試料の重量との比率から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。 - グリース状物質の劣化度を評価する方法であって、
2枚のガラス板の間に挟んだ油を吸着・吸収するシート状物と該シート状物上に量り取ったマイクログラムオーダーの超微量の試料に一定荷重を加える工程Eと、
所定時間経過後の該シート状物上の試料の広がり面積を求める工程F´と、を備え、
工程F´で求めた広がり面積と非劣化状態の該試料の広がり面積との比率から、試料の劣化度を評価することを特徴とするグリース状物質の劣化評価方法。
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