JP5841833B2 - 加圧式攪拌機 - Google Patents
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Description
このように、原材料や生地を攪拌するに際して、各種の電動攪拌機が既に開発されている。
かかる先行技術として、下記特許文献に記載のものを挙げることができる。
これにより、製造過程の前段階から、又は後の製造過程へと簡単に移行させることができることとなる。
また、2以上の攪拌槽を用意して、異なる種類の被攪拌原材料をそれぞれ投入しておくことにより、順次効率よく攪拌、泡立て等を行うことができ、作業性の向上に寄与するものとなる。
これにより加圧状態において被攪拌原材料を攪拌することができ、従来の単なる常圧状態下の攪拌作業と異なり、加圧気体を被攪拌原材料中に溶け込ませることができ、その後常圧に戻すことにより、当該被攪拌原材料は、従来のものと比較して、より気体をその内部に含み、よりソフトでふわふわ感が増大した状態に仕上がることとなる。
上記した通り、本発明においては、所望圧力に加圧槽内を設定することができるが、減圧して常圧に戻す際にも、その減圧スピードの速さも適宜調整することもできる。
通常、被攪拌原材料により、その攪拌時間の目安はあるが、季節等の各種条件の相違により多少その攪拌時間は異なる為に、その攪拌状態を目により直接確認することが可能となる。
そのために、本発明においては、加圧槽内を昇圧させる前に加圧槽内のエアー抜きを行うために、真空ポンプに接続するための吸引口を設けたものである。
この構成により、本発明に係る攪拌機では、常圧よりも低い減圧状態において原材料を攪拌することも可能となるのである。
そのために、本発明においては、簡単にその加温又は冷却を行うことができるように、加圧槽と攪拌槽との間に空間を設け、この空間部に冷水又は温水を貯留させることができるようにしたものである。
これにより蓋部の固定がより簡単なものとなる。
図1は、本発明に係る加圧式攪拌機の一実施形態を斜め上方側から見た斜視図である。
本発明に係る加圧式攪拌機10は、テーブル型の架台11の略中央部に加圧槽12を固定し、この加圧槽12の上端開口部を開閉する蓋部13がその加圧槽12の上端開口部の一端で枢着されている。
また、蓋部13の開閉動作の補助として、図1中手前側と向こう側の対向する2箇所で架台にその他方端が固定された空気バネ式腕部17により支持されている。
従って、蓋部13の枢着支持部15と反対側に設けられている取手部16を把持して、重量のある蓋部13の開閉を容易に行うことができる。
また、図には表れていない真空ポンプに接続する配管20が接続する吸引口部21が設けられ、吸引口部21の真空ポンプ側には吸引口用バルブ22が設けられ、他方、加圧槽12の内部エアーを排出するための排気口部24には排出弁用サイレンサーを設備し、その手前側には排気口用バルブ25が設けられている。
即ち、排気口用バルブ25を閉鎖し、吸引口用バルブ22を開放し、真空ポンプを作動させ、加圧槽内12内のエアーを吸引することができる。
図中、26が連成計を示しており、加圧槽12内の圧力を測定することができる。この連成計26は、ブルドン管圧力計の一種で、大気圧以上及び大気圧以下で測定可能な圧力−真空計のことである。
この実施形態では、この加圧ガスの導入口は、導入口バルブを介して図1の向こう側に設けられていて、図1には表れていない。
真空引きを行わずに、大気により加圧する場合には、前記導入口にコンプレッサーからの配管を接続して加圧槽12内の圧力を昇圧させることができる。
この観察用窓部30を通して、使用者は、攪拌槽内の被攪拌原材料の状態を適宜観察することができる。
被攪拌原材料は、通常その材料に応じて攪拌時間が予め解っているのであるが、気温や湿度等の各種気象条件により最適な攪拌時間が相違するために、これに対応できるようにしたものである。
これにより、観察用窓部30の加圧槽12内側の窓面に原材料や露等の付着を防止して、常に攪拌槽内を明瞭に目視できるように設定することができるのである。
この実施形態では、固定螺子32として台形ネジを使用した。
この際には、吸引口部21の加圧槽12内側の開口部を観察用窓部30の加圧槽12内側の窓面に向けて、加圧ガスがこの窓面に吹き付け可能に設定するように構成する。
この図においては、両側に配備された空気バネ式腕部17、17を見て取ることができ、これら両腕部17、17により蓋部13は、容易に開閉される。
この図2から明瞭に解る通り、電動モータからの回転駆動力は、その回転駆動軸から攪拌翼18に伝達され、この攪拌翼18は、回転軸を中心に自転すると共に、適宜半径距離で公転も行うように設定している。
この加圧槽12と攪拌槽19との間の空間部12cには冷水又は温水を流入させ、冷却状態又は加温状態にて被攪拌原材料を攪拌槽19内で攪拌することができるように構成した。
このシーリング部材12sは、柔軟で弾性力を有する合成ゴム製の管状部材又は紐状部材から形成されている。
この環状のシーリング部材12sに対応する蓋部13の下面に環状凹所を形成しておくこともできる。
図4は、上記実施形態の加圧槽とその蓋部の部分の平面図である。
上記した通り、加圧槽12は、テーブル型の架台11に複数個所の取付部12tで固定され、その下端中央部には、内部に収容する冷水や温水を排出する排出口19dが設けられている。
この空気バネ式腕部17の上端部を支持するのが蓋部13の下端フランジ部13fに固定された支持部17bである。この空気バネ式腕部17の下端部は、架台11に固定されている。
そして、蓋部13が閉鎖されると、枢着部位と反対側に位置する固定螺子32による螺着により、蓋部13の下端フランジ部13fと、加圧槽12の上端フランジ部12fとの接合面部に設備されたシーリング部材を介して蓋部13が加圧槽12の上端開口部を機密に閉鎖するのである。
この図からも解るとおり、観察用蓋部30は、斜めに配置され、内部の攪拌槽を目視できるように設定されている。
この観察用蓋部30は、図には明瞭に現われていないが、その加圧槽側の窓面にコンプレッサー又は高圧ガスボンベからの配管の導入口の開口部と対面するように形成され、上記窓面に加圧ガスが吹き付けられるように構成している。
これにより、上記窓面に汚れや露が付着しないように設計している。
本発明に係る加圧式攪拌機10は、加圧槽12の上端開口部を機密に閉鎖できる蓋部13と、加圧槽12内に収納及び取出自在に配置できる攪拌槽19を備え、攪拌槽19内に投入された被攪拌原材料を攪拌するための攪拌翼18の回転軸が蓋部13を機密に挿通し、その回転軸の他方端部には電動モータの回転駆動軸が連結している。
また、蓋部13の適宜位置には、コンプレッサー又は各種高圧ガスボンベの配管が接続する導入口が設けられ、これにより加圧槽12の内圧を上昇させて、加圧状態において被攪拌原材料を攪拌し又は泡立てることができるものである。
また、24は排気口部を示し、Cは、コンプレッサーの接続位置を、Bが高圧ガスボンベの接続位置を、更には、Vが真空ポンプへの接続部位を示している。
攪拌翼18は、蓋部13の上面に固定された電動モータMの回転駆動軸と連結しており、その回転駆動の伝達手段としては、非接触歯車G1、G2を利用しており、更に被接触遊星歯車G3を利用することにより、回転駆動軸の自転と共に一定の回転半径を有する公転動作をも行うことができる回転伝達手段を利用している。
これにより、潤滑オイル等の使用を不要と成し、シール部位からのオイルの侵入等を防止することができる。
尚、本発明においては、真空ポンプを接続しているために、加圧或いは減圧状態の両状態での攪拌が可能となる。
1.先ず、被攪拌原材料を攪拌槽に投入する。
2.攪拌槽を加圧槽内に収納して固定し、所望形状の攪拌翼を回転軸に取り付ける。
4.減圧処理を行う場合には、真空ポンプを稼動し、吸引口部の手前の吸引口用バルブを開ける。ここで食品の原材料が入っているために、水の三臨界点以下には低下しない。
6.本機では、必要に応じて、ここで攪拌を行うことができる。
7.減圧状態での攪拌のみでよい場合には、攪拌終了後、排気口を開放して終了となり、後記13.に移行する。
8−a.大気で加圧する場合には、コンプレッサーの電源を投入して導入口を開放する。
8−b.大気以外の特定のガスで加圧する場合には、特定種類のガスが封入された高圧ガスボンベのバルブを開放する。
9−a.連成計を観察して所定圧力に達したら、コンプレッサーの電源を切り、導入口を閉鎖する。
9−b.連成計を観察して所定圧力に達したら、高圧ガスボンベのバルブを閉じ、導入口を閉鎖する。
11.観察用窓部から攪拌槽内を観察し、被攪拌原材料が所定形態を呈したならば、電動モータの電源を切る。
12.所定の速さで加圧槽内部を常圧に戻すために排気口を開放する。
14.取り出した攪拌槽内の原材料をそのまま、或いは、焼く、蒸す、茹でる等の作業を行って所望の菓子、ケーキ等の食品を完成させる。
一部の食品に関しては、前記1.に戻って再度攪拌を行うこともある。
先ず、本機では加圧槽の中に攪拌槽を入れて使用するため、以下の効果を発揮する。
被攪拌原材料を取り出しやすい。
攪拌槽を取り出して洗浄することができるため、清潔である。
加圧槽と攪拌槽の間に温水又は冷水を入れることができ、攪拌時の加温又は冷却を行うことができる。
加圧槽と攪拌槽の間にパイプから成る配管コイルを設備し、パイプ内部に冷水或いは冷媒又は温水を流通させることにより連続的に攪拌槽の温度調整を行うことも可能となる。
即ち、この加圧攪拌作業時間は、短時間で済むため、いろいろな種類の原材料を投入して多種類のものを用意しておけば、攪拌槽の洗浄、下準備、後処理等、順次個別に行うことができ、無駄が無く、その作業性が大きく向上することとなるのである。
本機はコンパクトなものではあるが、汎用性が高く、多数の攪拌槽を用意して、順次使用することにより多くの量を或いは多くの種類を製作することができるものである。
従来の器械ではいくらかき混ぜても泡立たないものでも、本機によると泡立てることができる。
例えば、小麦粉・全卵:砂糖の混合物など。
従来技術のように、二酸化炭素・笑気ガスのようなガスを泡立てるものに溶かしてその後泡立たせるものに比べて、大気をを使用する場合には、安価・安全(笑気ガスの場合には地球温暖化の要因になる。)で、大気なので真空引きする必要もない。例えば、泡の入ったチョコレート菓子(二酸化炭素使用)、生クリーム(笑気ガス使用)。
本機においては、加圧槽内を真空にすることもできるため、次の操作が可能となる。
大気ではなく、任意のガスで泡立てることができる。
従来の機械では、不活性ガスのみの泡を作ることは出来なかった。
泡立てた食品、例えば生クリーム等は、泡が立つことによって空気と触れる面が飛躍的に増えて、油が酸化し易くなるが、本機では真空にした後、不活性ガスを充填することにより不活性ガス(窒素ガス・アルゴンガス・ヘリウムガス等)の泡を作ることができ、それ故、酸化を防止することができる。
窒素は、酸素に比較して分子が大きく、また皮膜に水素原子が含まれると、その親和性が酸素よりも低いので、幕が逃げにくいと言われており、本機ではこの窒素ガスで泡を作ることができる。
真空ポンプで減圧しながら攪拌すると、真空乾燥する時間を短縮させることもできる。
本機では、電動モータの回転駆動軸と攪拌翼の回転軸との伝達手段としてを非接触歯車を使用している関係上、メカニカルジョイントを使用せず、オイルが出る心配がない。
尚、本機の加圧槽では、水圧テストで2MPaの圧力を掛けてテストをし、安全性を確認している。
コンプレッサーにおいても、ダイヤフラム式のものを使用している関係上、オイルフリーである。
攪拌槽内部にLEDランプを装備し、観察用窓部を通して外部から攪拌槽内部の状態を目視できるようにしている。
固定螺子として台形ネジを使用すれば、磨耗に強く、素早く締め付けが可能となる。
本機により泡立てられたものは、従来の機械で作るより泡を多く内在させることから、見掛けの体積を大きくすることができる場合がある。
例えば、半分の材料で従来の器械で作ったものと同じ大きさのものを作ることができ、低カロリーとなるのである。また、材料代も節約することができる。
発泡補助剤を(重曹、イースト、ヤマノイモ等)の添加量を少なくしたり、無くしたりすることができる。
通常の操作では発泡しない食品に発泡補助剤を入れることによって今までと違ったものを作ることができるものである。
加圧槽の形状、サイズ等は、適宜設計変更することができるが、本発明においてはコンパクトな装置を念頭に置いているために、その容量は17リットル程度のものとした。
蓋部を固定する固定螺子は、上記実施形態では枢着支持部の反対側の1箇所に設けたが、この固定螺子を設ける数は、2箇所以上であっても良い。
攪拌槽の形状、サイズ、容量も自由に設計することができる。
攪拌翼の形状も適宜必要に応じて異なるものを用意して使用することができる。
加圧槽内の圧力も適宜必要に応じて設定し、攪拌し泡立てることができる。
この材料に応じて、適宜攪拌翼の形状等を選択すればよい。
この際に、導入口の開口部を観察用窓部の加圧槽内側の窓面に向けて、その窓面にガスを吹き付けることができるようにすることが極めて望ましい。
最後に、加圧槽を支持し、固定するテーブル型の架台も適宜設計変更することができ、この架台無しで、加圧槽を有底筒体形状として、底面部を平面状に形成することにより、架台を特に必要としない形態に形成することも可能である。
11 架台
12 加圧槽
12c 空間部
12k 上端開口部
13 蓋部
14 枢着腕部
15 枢着支持部
16 取手
17 空気バネ式腕部
18 攪拌翼
19 攪拌槽
19d 排出口
21 吸引口
22 吸引口用バルブ
24 排気口部
25 排気口用バルブ
26 連成計
30 観察用窓部
32 固定螺子
33 LEDランプ
M 電動モータ
Claims (4)
- 加圧槽の内部に攪拌槽が収納及び取出し自在に設備され、加圧槽の上端開口部の一端には蓋部が枢着されて上端開口部が開閉され、この蓋部の略中央部には、攪拌槽内で回転する攪拌翼の回転軸が気密状態を維持して挿通され、この回転軸の他方端は蓋部上面に固定された前記攪拌翼を回転するための電動モータの回転駆動軸に接続され、
加圧槽の蓋部の適宜位置には、コンプレッサー又は高圧ガスボンベから送入される加圧気体を導入する導入口が設けられ、
蓋部を気密に閉鎖し、加圧気体を導入口から導入して加圧槽内を所望の圧力に昇圧した状態で、攪拌槽内に投入されている被攪拌原材料を前記攪拌翼により攪拌することができ、攪拌終了後は排気口から内部気体を排出させて常圧に戻すことができ、
更に、前記加圧槽と撹拌槽との間に空間が設けられ、この空間部に冷水又は温水を貯留させることができ、加圧槽の下方にはこれら冷水又は温水の排出口を設け、
前記加圧槽の蓋部の適宜位置に観察用窓部を設け、この観察用窓部の加圧槽内窓面に前記導入口から送入される加圧気体を吹き付けることができるように導入口を配置することにより、前記加圧槽内窓面に被撹拌原材料や露が付着しないようにしたことを特徴とする加圧式撹拌機。 - 加圧槽の蓋部内面の適宜位置にはLED照明手段を設けることにより、撹拌槽内での被撹拌原材料の撹拌状態を加圧槽の外部から目視できることを特徴とする請求項1に記載の加圧式撹拌機。
- 加圧槽の蓋部の適宜位置に真空ポンプを接続する吸引口を設け、加圧槽内を加圧する前に真空引きをすることができようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧式攪拌機。
- 前記蓋部の加圧槽への固定は、枢着部位と反対側の1箇所における固定螺子による螺着により行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の加圧式攪拌機。
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