以下、実施形態を図面を参照して説明する。
[第一の実施形態]
図1は、第一の実施形態における情報処理装置の構成を示す図である。情報処理装置1は、印影6の印影枠7の連続性を評価する装置である。印影6は、印鑑の印影である。印鑑は、所定形状の印鑑枠を有し、たとえば、円印、角印、楕円印がある。印影枠7は、印影6の枠、すなわち印影6のうち印鑑枠に相当する部分である。
たとえば、印影枠7に連続性がない印影6は、「欠け」や「かすれ」などの不連続部分がある印影であり、照合に適さない押印状態である。なお、不連続部分は、印影枠7に連続性のない部分であり、たとえば、印影枠7が線としてつながっていない部分である。また、印影枠7に連続性がある印影6は、「欠け」や「かすれ」がない印影であり、照合に適した押印状態である。連続性がない印影枠7とは、枠に所定以上の数の不連続部分がある印影枠、または枠に所定以上の大きさの不連続部分がある印影枠である。
たとえば、情報処理装置1は、印影枠7の連続性を評価することで照合に適した押印状態の印影6を取得する。情報処理装置1は、登録対象の印影6を登録する登録機能を有することで印鑑登録装置となり、照合対象の印影6を照合する照合機能を有する場合に印鑑照合装置となる。
情報処理装置1は、生成部2と設定部3と一部評価部4と全部評価部5とを備える。生成部2は、印影6から印影枠7の概形となる概形枠8を生成する。生成部2は、印影枠7と重なる位置に概形枠8を生成する。概形枠8は、印影枠7の概形となる枠、すなわち印影枠7をおおよその形で表した枠である。生成部2は、たとえば印影枠7の一部に不連続部分があり連続していない場合であっても、印影枠7の概形として連続した枠を持つ概形枠8を生成する。
設定部3は、生成部2が生成した概形枠8上に、評価領域9を重複なしに複数配置する。評価領域9は、一部評価部4が印影枠7の連続性の評価をおこなう領域であり、矩形である。概形枠8の一部は、いずれかの評価領域9に位置する。
そして、設定部3は、概形枠8が複数の評価領域9のうちいずれかの評価領域9に位置するように評価領域9を設定する。たとえば、設定部3は、概形枠8に評価領域9a、9b、9c、9d、9e、9fを設定する。評価領域9a、9b、9c、9d、9e、9fは重複なく配置されている。また、評価領域9a、9b、9c、9d、9e、9fは、それぞれ概形枠8の一部が位置している。また、概形枠8の一部は評価領域9a、9b、9c、9d、9e、9fのいずれかの領域内に位置する。
これにより、設定部3は、不連続部分を有するおそれのある印影枠7に代えて、不連続部分のない概形枠8を用いて評価領域9を設定できる。
一部評価部4は、設定部3が設定した評価領域9毎に領域内の印影枠7の連続性を評価する。すなわち、一部評価部4は、印影枠7のうち評価領域9内に位置する部分(印影枠7の一部)の連続性を評価する。一部評価部4は、評価領域9内の印影枠7が領域内で連続しているか否かを評価することで、評価領域9単位で連続性を評価する。一部評価部4は、たとえば、評価領域9a、9bに位置する印影枠7の連続性がないと評価し、評価領域9a、9bを不連続領域と評価する。また、一部評価部4は、評価領域9c、9d、9e、9fに位置する印影枠7の連続性があると評価し、評価領域9c、9d、9e、9fを連続領域と評価する。
全部評価部5は、一部評価部4がおこなった評価領域毎の印影枠7の連続性の評価にもとづいて印影枠7の全部の連続性を評価する。全部評価部5は、評価領域9に位置する印影枠7の連続性がないと評価された評価領域9(不連続領域)が所定数以上ある場合に印影枠7の全体としての連続性がないと評価する。また、全部評価部5は、評価領域9に位置する印影枠7の連続性がないと評価された評価領域9(不連続領域)が所定数以上連続している場合に印影枠7の全体としての連続性がないと評価する。
このように情報処理装置1は、印影6から印影枠7の概形となる概形枠8を生成する。そして、情報処理装置1は、概形枠8の一部が矩形の領域内に位置する評価領域9を重複なしに複数配置して、概形枠8が複数の評価領域9のうちいずれかの評価領域9の領域内に位置するように設定する。そして、情報処理装置1は、評価領域毎に領域内に位置する印影枠7の一部の連続性を評価する。そして、情報処理装置1は、評価領域毎の評価にもとづいて印影枠7の全部の連続性を評価する。
これらによれば、情報処理装置1は、印影の押印状態を適切に評価できる。
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明をおこなう。図2は、第二の実施形態における印鑑照合システムの一例を示す図である。
印鑑照合システム10は、印鑑の印影の照合をおこなうシステムである。印鑑照合システム10は、たとえば、金融機関等で本人確認に利用される。印鑑照合システム10は、照合時に取得した印鑑の印影と、あらかじめ登録した印鑑の印影との同一性を判定する。印鑑照合システム10は、印影枠の連続性の観点で印影の押印状態を評価し、照合に適した印影を登録や照合に用いることで、照合精度の向上を図る。
印鑑照合システム10は、ホストコンピュータ14と、端末装置11とを含んで構成される。ホストコンピュータ14は、データセンタ15に備えられ、端末装置11は、営業店12に備えられる。ホストコンピュータ14と複数の端末装置11は、ネットワーク13を介して接続する。
営業店12は、たとえば、金融機関の店舗であり、端末装置11を用いて印鑑登録や印鑑照合をおこなう。端末装置11は、印鑑登録帳票や振替依頼帳票などの押印のある帳票から、スキャナを用いて印影のイメージデータを取得する。また、端末装置11は、取得した印影の印影枠の連続性を評価し、印影が照合に適した押印状態か否かを評価する。端末装置11は、たとえば、印影を利用者の情報として印鑑登録する登録装置であり、印影と、あらかじめ登録している印影との印鑑照合をおこなう照合装置である。
データセンタ15は、金融機関の業務全体を統括するホストコンピュータ14などが設置され、各種データベースにより金融機関の業務を管理する。ホストコンピュータ14は、利用者の登録情報等を有し、端末装置11からの要求に応じて取引処理を実行する。登録情報は、印鑑の印影の他に、たとえば、氏名、住所、口座番号などの付帯情報を含む。取引処理とは、口座振替、印鑑登録、入金、および引出などの取引に関する処理である。
ホストコンピュータ14は、端末装置11が印鑑登録をおこなう場合に、端末装置11から取得した登録情報を保持したり、更新したりする。また、ホストコンピュータ14は、端末装置11が口座振替等で印鑑照合をおこなう場合に、端末装置11にあらかじめ登録している印影のイメージデータを送信する。そして、端末装置11の印鑑照合の結果にもとづいて口座振替等をおこなう。
なお、印鑑照合システム10は、ホストコンピュータ14で印鑑照合をおこなうようにしてもよい。その場合、端末装置11は、印影枠の連続性評価をすることで印影が照合に適している押印状態であるか否かを評価し、印影のイメージデータと評価結果をホストコンピュータ14に送信する。そしてホストコンピュータ14は、評価結果にもとづいて取得した印影のイメージデータとあらかじめ登録してある印影との印鑑照合をおこなう。
次に端末装置11のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第二の実施形態における端末装置のハードウェアの構成を示す図である。
端末装置11は、プロセッサ21によって装置全体が制御されている。プロセッサ21には、バス29を介してRAM(Random Access Memory)22と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ21は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ21は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ21は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM22は、端末装置11の主記憶装置として使用される。RAM22には、プロセッサ21に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM22には、プロセッサ21による処理に必要な各種データが格納される。
バス29に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)23、グラフィック処理装置24、入力インタフェース25、光学ドライブ装置26、機器接続インタフェース27およびネットワークインタフェース28がある。
HDD23は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読出しをおこなう。HDD23は、端末装置11の補助記憶装置として使用される。HDD23には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置24には、モニタ31が接続されている。グラフィック処理装置24は、プロセッサ21からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース25には、キーボード32とマウス33とスキャナ34とが接続されている。入力インタフェース25は、キーボード32やマウス33やスキャナ34から送られてくる信号をプロセッサ21に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
光学ドライブ装置26は、レーザ光などを利用して、光ディスク35に記録されたデータの読取りをおこなう。光ディスク35は、光の反射によって読取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク35には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
機器接続インタフェース27は、端末装置11に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。たとえば機器接続インタフェース27には、メモリ装置36やメモリリーダライタ37を接続できる。メモリ装置36は、機器接続インタフェース27との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ37は、メモリカード38へのデータの書き込み、またはメモリカード38からのデータの読出しをおこなう装置である。メモリカード38は、カード型の記録媒体である。
ネットワークインタフェース28は、ネットワーク13に接続されている。ネットワークインタフェース28は、ネットワーク13を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信をおこなう。
以上のようなハードウェア構成によって、第二の実施形態における処理機能を実現できる。なお、第一の実施形態に示した装置も、図3に示した端末装置11と同様のハードウェアにより実現できる。
端末装置11は、たとえばコンピュータが読取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第二の実施形態における処理機能を実現する。端末装置11に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、端末装置11に実行させるプログラムをHDD23に格納しておくことができる。プロセッサ21は、HDD23内のプログラムの少なくとも一部をRAM22にロードし、プログラムを実行する。また端末装置11に実行させるプログラムを、光ディスク35、メモリ装置36、メモリカード38などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ21からの制御により、HDD23にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ21が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読出して実行することもできる。
次に、印影枠の連続性について図4を用いて説明する。図4は、第二の実施形態における印影の一例を示す図である。印影70は、印鑑の印影である。印影70は、たとえば、円印の印影、角印の印影、楕円印の印影がある。印影枠71は、印影70の枠、すなわち印影70のうち印鑑枠に相当する部分である。
図4(A)に示すように、印影枠71aは、印鑑の適切な押印状態の一例であり、枠に不連続部分がない。このような印影枠71aを有する印影70aは、印字も適切な押印状態である場合が多い。
したがって、端末装置11は、印影70aを照合や登録に用いることで、印鑑照合の照合精度を向上させることができる。
図4(B)に示すように、印影枠71bは、印鑑の不適切な押印状態の一例であり、枠の左上に左上四分の一の大きさの不連続部分がある。端末装置11は、印影70bを照合や登録に用いると照合精度が落ち、合致印を相違印と判断してしまうなどの不都合が生じる場合がある。これは、大きな不連続部分がある印影枠71bを有する印影70bは、印影枠71bの不連続部分に対応する領域の印字が欠落している可能性が高いためである。
このように大きな不連続部分がある印影枠71bを有する印影70bを登録や照合に利用する事は好ましくないため、端末装置11は、印影枠71の連続性を評価することで、印影70の押印状態を評価する。
なお、印影枠71bは、たとえば、印鑑自体が欠けている場合、印鑑の一部に朱肉がついていない場合、および押印時に力のバランスが悪い場合などに生じる。したがって、端末装置11は、印影枠71の連続性の評価で大きな不連続部分が印影枠71にあると評価した場合に、大きな不連続部分が生じる理由について報知するようにしてもよい。
図4(C)に示すように、印影枠71cは、印鑑の不適切な押印状態の一例であり、枠に複数の不連続部分がある。端末装置11は、印影70cを照合や登録に用いると照合精度が落ち、合致印を相違印と判断してしまうなどの不都合が生じる場合がある。これは、複数の不連続部分がある印影枠71cを有する印影70cは、印字に切れ目がある、印字が薄い、または印字の線が細い可能性が高いためである。
このように複数の不連続部分がある印影枠71cを有する印影70cを登録や照合に利用する事は好ましくないため、端末装置11は、印影枠71の連続性を評価することで、印影70の押印状態を評価する。
なお、印影枠71cは、たとえば、朱肉が印鑑全体に適切についてない場合、および押印時の力が弱い場合などに生じる。したがって、端末装置11は、印影枠71の連続性の評価で複数の不連続部分が印影枠71にあると評価した場合に、複数の不連続部分が生じる理由について報知するようにしてもよい。
次に、印影枠評価処理について図5を用いて説明する。図5は、第二の実施形態における印影枠評価処理のフローチャートである。
印影枠評価処理では、端末装置11が、印影枠71の概形枠の生成をおこない、生成した概形枠に評価領域を設定し、評価領域毎に印影枠71の連続性を評価し、評価の結果にもとづいて印影枠71の全体としての連続性を評価する。
[ステップS11]端末装置11は、印影枠71の推定、補完をおこなうことで概形枠を生成する。概形枠は既知の方法によって生成できる。たとえば、端末装置11は、円印である場合には、印影70に対してハフ変換をおこなうことで印影枠71の概形枠を生成できる。
ここで、概形枠について図6を用いて説明する。図6は、第二の実施形態における概形枠の一例を示す図である。
概形枠90は、印影枠71の概形となる枠である。端末装置11は、印影枠71が連続していない場合であっても、印影枠71の推定や補完をすることで連続した枠を概形枠90として生成する。そして、端末装置11は、枠の太さを正規化、細線化などをおこない概形枠90の枠の太さを一定の太さにする。したがって印鑑の形状が同じ場合には、端末装置11は、異なる印影70から同様の概形枠90を生成できる。すなわち端末装置11は、印影70aと、印影70bと、印影70cとから同様の概形枠90を生成できる。端末装置11は、たとえば、印影枠71の概形となる枠として枠の太さを細線化することで、枠の太さが最小の太さの概形枠90を印影70a、70b、70cから生成する。
このように端末装置11は、連続していない印影枠71に代えて、不連続部分のない概形枠90を生成することで、不連続部分のない概形枠90を用いて評価領域を設定できる。端末装置11は、概形枠90に不連続部分がないため、評価領域を設定する際に、概形枠90を用いることで評価領域の配置を容易に決めることができる。
なお、端末装置11は、枠の太さの正規化や、細線化をおこなわなくてもよい。この場合に、概形枠90は、印影枠71の連続部分に対応する部分では印影枠71と同様の太さとなり、印影枠71の不連続部分に対応する部分では端末装置11が印影枠71を補完した太さとなる。なお、端末装置11は、印鑑が角印、楕円印である場合にも円印と同様の方法で概形枠90を生成する。以下、概形枠90の枠の太さが一定であるとして説明する。
[ステップS12]端末装置11は、評価領域設定処理をおこなう。端末装置11は、概形枠90に評価領域が重複しないように評価領域を隣接して配置していき、概形枠90がいずれかの評価領域に位置するように設定する。評価領域設定処理については、後で図8を用いて詳細に説明する。
[ステップS13]端末装置11は、一部評価処理をおこなう。端末装置11は、設定した評価領域毎に領域内に位置する印影枠71の連続性を評価する。一部評価処理については、後で図13を用いて詳細に説明する。
[ステップS14]端末装置11は、全部評価処理をおこなう。端末装置11は、一部評価処理の結果にもとづいて印影枠71全部の(全体としての)連続性を評価する。端末装置11は、一部評価処理で評価した印影枠71の連続性の評価結果を全部併せて評価することで印影枠71の全体としての連続性を評価する。全部評価処理については、後で図14を用いて詳細に説明する。端末装置11は、全部評価処理を終えると印影枠評価処理を終了する。
次に、評価領域について図7を用いて説明する。図7は、第二の実施形態における評価領域の一例を示す図である。
評価領域120は、端末装置11が印影枠71の連続性の評価をおこなう領域である。評価領域120は、短辺と長辺からなる矩形の領域である。評価領域120は、概形枠90の大きさに応じて、端末装置11によって短辺と、長辺の初期値が決定される。なお、端末装置11は、概形枠90の大きさにかかわらずあらかじめ評価領域120の短辺と、長辺の初期値を設定していてもよい。評価領域120は、端末装置11が評価領域120を配置する位置の概形枠90の形状に応じて、端末装置11によって長辺方向に伸長される。
評価領域120の短辺は、概形枠90の大きさに応じて初期値が決定され、複数の評価領域120で同一の長さである。評価領域120の短辺の長さについては、図10、図11、図12を用いて後で詳細に説明する。
評価領域120の長辺は、概形枠90の大きさに応じて初期値が決定され、端末装置11が評価領域120を配置する位置の概形枠90の形状に応じて、端末装置11によって初期値の長さから変えられる。
評価領域120は、包含領域(第一領域)と、付加領域(第二領域)とで構成される。包含領域は、概形枠90が評価領域120を通過する領域である通過領域を含んで設定される領域である。すなわち概形枠90は、評価領域120の包含領域に含まれる(位置する)。包含領域は、矩形の領域であり、評価領域120の短辺方向に沿った向きの辺の長さが評価領域120の短辺と同一の長さである。
付加領域は、包含領域を挟んで付加される領域であり、印影枠71を評価する際に評価領域120外に印影枠71が位置することを抑止するための領域である。付加領域は、評価領域120の長辺方向にあたる包含領域の両端にそれぞれ付加される。付加領域は、あらかじめ決められた大きさの領域(固定長)であり、複数の評価領域120で同一の大きさである。包含領域は、矩形の領域であり、評価領域120の短辺方向に沿った向きの辺の長さが評価領域120の短辺と同一の長さである。包含領域は、評価領域120の長辺方向に沿った向きの辺の長さが可変長である。
たとえば、端末装置11は、包含領域が通過領域を含まないように評価領域120を配置した場合には、包含領域が通過領域を含むまで包含領域を、評価領域120の長辺方向に沿った向きに伸長する。このように、包含領域に概形枠90が含むまで端末装置11が包含領域を伸長することで、評価領域120の長辺の長さが初期値から変わる。評価領域120の伸長については、後で図9を用いて詳細に説明する。
このような評価領域120であれば、端末装置11は、それぞれの評価領域120を短辺方向に隣接させて概形枠90に複数配置することで、概形枠90の全体が複数の評価領域120のいずれかに位置するように設定できる。
また、端末装置11は、付加領域を設定することで、印影枠ににじみ等があっても印影枠71の一部が評価領域120外に位置することを抑止できる。印影枠のにじみとは、印影枠の太さが一定の太さに定まらず、印影枠が概形枠90よりも太くなっている状態である。
なお、図面上下方向を評価領域120の長辺とし、左右方向を短辺としたが、図面左右方向に評価領域120の長辺をとり、上下方向に短辺をとることもできる。
次に評価領域設定処理について図8を用いて説明する。図8は、第二の実施形態における評価領域設定処理のフローチャートである。
端末装置11は、印影枠評価処理のステップS12で評価領域設定処理をおこなう。評価領域設定処理では端末装置11は、印影70から生成した概形枠90が、いずれかの評価領域120内に位置するように複数の評価領域120を隣接させて設定する。
[ステップS21]端末装置11は、概形枠90の中心座標を取得する。
[ステップS22]端末装置11は、取得した中心座標を交点とする水平軸と垂直軸を設定する。
[ステップS23]端末装置11は、概形枠90に設定した水平軸と垂直軸にもとづいて評価領域120を生成する。
たとえば、端末装置11が生成する評価領域120の長辺は、概形枠90に設定した垂直軸と概形枠90との交点を結ぶ線分(以下、垂直軸線分)を複数等分した長さ(以下、等分長)である。また、端末装置11が生成する評価領域120の短辺は、概形枠90に設定した水平軸と概形枠90との交点を結ぶ線分(以下、水平軸線分)を複数等分した長さである。
なお、端末装置11は、水平軸と垂直軸にもとづいて評価領域120を生成することに限らない。たとえば、端末装置11は、あらかじめ評価領域120の短辺と長辺の初期値を設定してもよい。
[ステップS24]端末装置11は、水平軸と概形枠90の交点の一方を始点とし、始点が評価領域120の中心と重なるように最初の評価領域120を概形枠90に配置する。なお、端末装置11が最初の評価領域120を設定する位置は、水平軸と概形枠90との交点に限らない。たとえば端末装置11は、垂直軸と概形枠90との交点を始点として評価領域120を配置してもよい。
[ステップS25]端末装置11は、概形枠90が評価領域120の包含領域に含まれるか否かを判定する。端末装置11は、概形枠90が評価領域120の包含領域に含まれると判定した場合にステップS27へすすみ、概形枠90が評価領域120の包含領域に含まれないと判定した場合にステップS26へすすむ。
[ステップS26]端末装置11は、評価領域120を所定の長さ伸長し、ステップS25へすすむ。端末装置11は、評価領域の長辺方向に沿った向きに包含領域を所定の長さ伸長することで、評価領域を所定の長さ伸長する。たとえば、端末装置11は、評価領域120の長辺方向に沿った向きの付加領域の辺の長さと同一の長さだけ、包含領域を評価領域120の長辺方向に沿った向きに伸長する。
たとえば、概形枠90が包含領域の両端にある付加領域の一方に含まれている場合には、端末装置11は、概形枠90を含んでいる付加領域の方向に包含領域を伸長する。また、概形枠90が包含領域の両端にある付加領域それぞれに含まれている場合には、端末装置11は、包含領域の両端にある付加領域の方向に包含領域を伸長する。
端末装置11は、ステップS25とステップS26を繰り返すことで、概形枠90が包含領域に含まれるまで、評価領域120の長辺方向に沿った向きに包含領域を伸長する。
ここで評価領域120の伸長について図9を用いて説明する。図9は、第二の実施形態における評価領域の伸長の一例を示す図である。
図9(A)に示すように、評価領域130の包含領域と、両端の付加領域に概形枠125が含まれ、評価領域の上下の短辺と概形枠125とが交差する。このような場合に、端末装置11は、概形枠125が包含領域の両端にある付加領域に含まれているため、包含領域の両端にある付加領域の方向に包含領域を伸長することで、付加領域の大きさを変えることなく評価領域135を伸長する。このように包含領域を伸長することで、端末装置11は、図9(C)のように、評価領域140の包含領域に概形枠125を含ませる。
図9(B)に示すように、評価領域135の包含領域と、両端の付加領域に概形枠125が含まれ、評価領域の長辺と概形枠125が2か所で交差する。このような場合に、概形枠125が包含領域の両端にある付加領域に含まれているため、包含領域の両端にある付加領域の方向に包含領域を伸長することで、付加領域の大きさを変えることなく評価領域135を伸長する。このように包含領域を伸長することで、端末装置11は、図9(C)のように、評価領域140の包含領域に概形枠125を含ませる。
図9(C)に示すように、評価領域140の包含領域に概形枠125が含まれ、評価領域の長辺と概形枠125が2か所で交差する。たとえば、端末装置11は、評価領域141の包含領域が概形枠125を含むように評価領域140と評価領域141を隣接させて概形枠125に設定することで、評価領域140、141のように評価領域を設定できる。
評価領域140は、評価領域140の中心に概形枠125に設定した始点を備え、評価領域140の長辺で概形枠125と2か所で交差する。また、評価領域141は、評価領域141の左右の長辺で概形枠125と交差する。したがって評価領域140、141に位置する概形枠125の長さは、少なくとも評価領域140、141の短辺の長さ以上となる。
なお、評価領域は、評価領域の短辺が水平軸線分の等分長であり、端末装置11によって短辺方向に評価領域が隣接するように設定される。したがって、評価領域は、水平軸と概形枠125の他方の交点においても、評価領域120の短辺方向の中心と水平軸と概形枠125の交点が重なる。
したがって、端末装置11は、概形枠125に設定された複数の評価領域において、少なくとも評価領域の短辺の長さ以上の印影枠71を連続性の評価に用いることができる。このように、評価領域120の包含領域が概形枠90を含むように評価領域120を設定することで、端末装置11は、評価に用いる印影枠71の長さをコントロールできる。
また、端末装置11は、評価領域140、141のように概形枠125を含む包含領域の両端に付加領域が設定するため、印影70の印影枠71ににじみ等がある場合でも印影枠71が評価領域外に位置することを抑止できる。
[ステップS27]端末装置11は、概形枠90の全てがいずれかの評価領域120内に位置しているか否かを判定する。端末装置11は、概形枠90の全てがいずれかの評価領域120内に位置していないと判定した場合にステップS28へすすみ、概形枠90の全てがいずれかの評価領域120内に位置していると判定した場合に評価領域設定処理を終了する。なお、端末装置11は、評価領域120の短辺が水平軸線分のn等分長である場合に、概形枠90には評価領域が2n個設定される。
[ステップS28]端末装置11は、評価領域120の長辺と概形枠90が交差する交点を抽出する。
[ステップS29]端末装置11は、次の評価領域120を配置する。端末装置11は、評価領域120の長辺と概形枠90の交点が、次に配置する評価領域120の長辺の中心と重なるように次の評価領域120を配置する。
なお、端末装置11は、評価領域120の長辺と概形枠90の交点が、次に配置する評価領域120の長辺の中心と重なるように次の評価領域120を配置することに限らない。端末装置11は、評価領域120の長辺と概形枠90の交点が、次に配置する評価領域120の長辺の包含領域と重なるように次の評価領域120を配置すればよい。
評価領域設定処理によれば、端末装置11は、印影枠71が漏れなく評価領域120に位置し、なおかつ印影枠71が複数の評価領域120に位置しないように評価領域120を設定できる。したがって、端末装置11は、印影枠71全体を漏れなく、なおかつ重複することなく評価できる。
次に印影70が円印である場合の評価領域120の設定について図10を用いて説明する。図10は、第二の実施形態における円印の概形枠における評価領域の設定の一例を示す図である。図10(A)は、始点を水平軸と概形枠の交点として、評価領域を設定した図である。
図10(A)に示すように、評価領域150は、評価領域150の中心と始点が重なるように設定されている。端末装置11は、評価領域の包含領域が概形枠145を包含するように評価領域150a、150b、…、150c、…、150d、150e、150f、…、150gと順々に設定する。この時、評価領域150eでは、水平軸と概形枠145の他方の交点と、評価領域150eの短辺方向の中心が重なる。これは、評価領域150の短辺が水平軸線分の等分長であり、概形枠145に設定される複数の評価領域150の短辺が同一の長さであるためである。
また、評価領域は、短辺が水平軸線分の等分長であるため、垂直軸を挟んで対向する評価領域(たとえば、評価領域150と評価領域150e)に位置する概形枠145の長さが等しくなる。また、複数の評価領域は、短辺が同一の長さであるため、水平軸を挟んで対向する評価領域(たとえば、評価領域150dと評価領域150f)に位置する概形枠145の長さが等しくなる。
なお、評価領域は、短辺が水平軸線分の等分長でない場合には、始点に設定された評価領域150に位置する概形枠145と、水平軸と概形枠145の他方の交点に設定された評価領域150eに位置する概形枠145の長さが異なる。このような場合に、端末装置11は、適切に評価するのに申し分のない長さの概形枠145が評価領域150eに位置するように評価領域を設定できないことがある。
したがって、水平軸と概形枠の交点を始点とする場合に、端末装置11は、評価領域の短辺を、水平軸線分の等分長にするとよい。
なお、端末装置11は、評価領域150を設定した後に、評価領域150aと評価領域150gの両側から同時に順々と評価領域を設定するようにしてもよい。
図10(B)は、評価領域の短辺が概形枠の水平軸線分の偶数等分長である場合に、始点を垂直軸と概形枠との交点として、評価領域を設定した図である。
図10(B)に示すように、評価領域155は、評価領域155の中心と始点が重なるように設定されている。端末装置11は、評価領域の包含領域が概形枠145を包含するように評価領域155a、…、155b、155cと順々に設定する。この時、水平軸を始点とした場合と同様に、評価領域155cでは、水平軸と概形枠145の交点と、評価領域155cの短辺方向の中心が重なる。これは、評価領域の短辺が水平軸線分の偶数等分長であり、概形枠145に設定される複数の評価領域の短辺が同一の長さであるためである。
また、評価領域は、短辺が水平軸線分の等分長であるため、垂直軸を挟んで対向する評価領域に位置する概形枠145の長さが等しくなる。また、複数の評価領域は、短辺が同一の長さであるため、水平軸を挟んで対向する評価領域に位置する概形枠145の長さが等しくなる。
なお、評価領域の短辺を水平軸線分の奇数等分長とすると、水平軸と概形枠145との交点と、評価領域の長辺が重なる。このような評価領域では、印影枠71の一部が評価領域外に位置する場合がある。したがって、垂直軸と概形枠145との交点を始点とする場合には、評価領域の短辺を、概形枠145の水平軸線分の偶数等分長にするとよい。
次に印影70が楕円印である場合の評価領域120の設定について図11を用いて説明する。図11は、第二の実施形態における楕円印の概形枠における評価領域の設定の一例を示す図である。円印の概形枠90における評価領域120の設定と同様の点については適宜省略する。
端末装置11は、概形枠165の傾きを正規化(補正)することで、概形枠165の長軸(長手方向)に水平軸を引き、概形枠165の短軸に垂直軸を引く。端末装置11は、評価領域を短辺方向に隣接して設定するため、このように端末装置11が概形枠165の傾きを正規化し、長軸に水平軸を引き短軸に垂直軸を引くことで、水平軸が概形枠を最大に切断する。したがって端末装置11は、概形枠の短軸に水平軸を引き長軸に垂直軸を引く場合に比べてより多くの評価領域170を概形枠165に設定できる。
評価領域170は、概形枠165と水平軸の交点を始点とし、評価領域170の中心と始点が重なるように設定されている。端末装置11は、評価領域の包含領域が概形枠165を包含するように評価領域170a、…、170b、…、170cと設定する。この時、評価領域170cでは、水平軸と概形枠165の他方の交点と、評価領域170cの短辺方向の中心が重なる。これは、評価領域170の短辺が水平軸線分の等分長であり、概形枠165に設定される複数の評価領域の短辺が同一の長さであるためである。
なお、端末装置11は、円印と同様に垂直軸を始点として評価領域170を設定できる。この場合に端末装置11は、評価領域170の短辺を円印の場合同様に概形枠165の水平軸線分の偶数等分長にするとよい。
次に印影70が角印である場合の評価領域120の設定について図12を用いて説明する。図12は、第二の実施形態における角印の概形枠における評価領域の設定の一例を示す図である。円印の概形枠90における評価領域120の設定と同様の点については適宜省略する。
端末装置11は、概形枠175の傾きを正規化(補正)することで、概形枠175の対角線上(長手方向)に水平軸を引く。なお、概形枠175が正方形である場合には、概形枠175の傾きを正規化することで対角線上に水平軸と垂直軸を引く。
このように端末装置11が概形枠175の傾きを正規化し、対角線に水平軸を引くことで、水平軸が概形枠175を最大に切断する。このように端末装置11は、概形枠175の水平軸線分が長くなる方向に水平軸を引くことで、より多くの評価領域を設定できる。評価領域180は、概形枠175と水平軸の交点を始点とし、評価領域180の中心と始点が重なるように設定されている。端末装置11は、評価領域の包含領域が概形枠175を包含するように評価領域180a、…、180b、…、180cと設定する。この時、評価領域180cでは、水平軸と概形枠175の交点と、評価領域180cの短辺方向の中心が重なる。これは、評価領域180の短辺が水平軸線分の等分長であり、概形枠175に設定される複数の評価領域の短辺が同一の長さであるためである。
なお、端末装置11は、角印が正方形の印影枠である場合には、概形枠175の対角線上に水平軸と垂直軸を引くことで、それぞれの評価領域に位置する概形枠175の長さが等しくなる。
なお、端末装置11は、角印の印影枠71が正方形である場合には、円印と同様に垂直軸を始点として評価領域120を設定できる。この場合に端末装置11は、評価領域120の短辺を円印の場合と同様に概形枠90の水平軸線分の偶数等分長にするとよい。
次に一部評価処理について図13を用いて説明する。図13は、第二の実施形態における一部評価処理のフローチャートである。
端末装置11は、印影枠評価処理のステップS13で一部評価処理をおこなう。一部評価処理では、端末装置11は、設定した評価領域毎に印影枠71の連続性を評価する。
[ステップS31]端末装置11は、概形枠90に設定した評価領域120にもとづいて印影70に評価領域120を設定する。端末装置11は、たとえば、概形枠90と印影枠71を置換することで評価領域120を印影枠71に設定する。
なお、端末装置11は、印影枠71と重なる位置に概形枠90を生成し、評価領域120を設定した場合には、改めて印影枠71に評価領域120を設定する必要はない。
[ステップS32]端末装置11は、評価をおこなう評価領域120を選択する。端末装置11は、たとえば、始点が位置する評価領域120から順番に評価する評価領域120を選択する。
[ステップS33]端末装置11は、評価領域120内に位置する印影枠71が評価領域120の長辺と2つの交点を持つか否かを判定する。端末装置11は、印影枠71が評価領域120の長辺と2つの交点を持つと判定した場合にステップS34にすすみ、印影枠71が評価領域120の長辺と2つの交点を持たない場合にステップS35にすすむ。
なお、端末装置11は、評価領域120によって判定内容を変えてもよい。たとえば、水平軸と概形枠90の交点が位置する評価領域120では、端末装置11は、印影枠71が評価領域120の長辺のどちらか一方と2つの交点を持つか否かを判定する。そして、それ以外の評価領域120では、端末装置11は、印影枠71が評価領域120の長辺のそれぞれに交点を持つか否かを判定する。
[ステップS34]端末装置11は、2つの交点が評価領域120で連続している(繋がっている)か否かを判定する。端末装置11は、2つの交点が評価領域120で連続している場合にステップS36にすすみ、2つの交点が評価領域120で連続していない場合にステップS35にすすむ。
[ステップS35]端末装置11は、評価領域120を不連続領域と評価する。端末装置11は、評価領域120に位置する印影枠71が連続していないため、評価領域120を不連続領域であると評価する。
[ステップS36]端末装置11は、評価領域120を連続領域と評価する。端末装置11は、評価領域120内で印影枠71が連続しているため、評価領域120を連続領域であると評価する。
[ステップS37]端末装置11は、不連続領域の連続出現数をカウントアップする。連続出現数は、不連続領域と評価された評価領域が連続して出現した数である。
[ステップS38]端末装置11は、不連続領域の総数をカウントアップする。
[ステップS39]端末装置11は、不連続領域の連続出現数をクリアする。
[ステップS40]端末装置11は、不連続領域の連続出現数が最大連続出現数以上であるか否かを判定する。端末装置11は、不連続領域の連続出現数が最大連続出現数以上であると判定した場合にステップS41にすすみ、不連続領域の連続出現数が最大連続出現数以上でないと判定した場合にステップS42にすすむ。
[ステップS41]端末装置11は、現在の不連続領域の連続出現数を最大連続出現数として更新する。端末装置11は、現在の不連続領域の連続出現数が最大連続出現数以上であるため、現在の不連続領域の連続出現数を新たに最大連続出現数として更新する。
[ステップS42]端末装置11は、全ての評価領域120について評価をおこなったか否かを判定する。端末装置11は、全ての評価領域120について評価をおこなっていないと判定した場合にステップS32にすすみ、全ての評価領域120について評価をおこなったと判定した場合に一部評価処理を終了する。
なお、評価領域120に位置する概形枠90の長さが異なるため、端末装置11が評価に用いる印影枠71の長さも異なり、評価結果に与える影響の大きさが異なる。
したがって、より緻密な評価をおこなうために端末装置11は、たとえば、評価領域120に位置する概形枠90の長さに応じて各評価領域120に重みづけをして評価をおこなってもよい。また、円印である場合には、端末装置11は、概形枠90を所定の角度(たとえば、90°)傾けて一部評価処理を複数回おこない、不連続領域の最大連続出現数と、不連続領域の総数の最大値を取得してもよい。このように端末装置11は、重みづけや、複数回の評価をおこなうことで、評価領域120に位置する印影枠71の長さが異なることによる、評価結果に与える影響の違いを軽減することができる。
次に全部評価処理について図14を用いて説明する。図14は、第二の実施形態における全部評価処理のフローチャートである。
端末装置11は、印影枠評価処理のステップS14で全部評価処理をおこなう。全部評価処理では、端末装置11は、一部評価処理の結果にもとづいて、印影枠71の連続性を評価する。
[ステップS51]端末装置11は、不連続領域の最大連続出現数が所定値以上であるか否かを判定する。端末装置11は、不連続領域の最大連続出現数が所定値以上であると判定した場合にステップS54にすすみ、不連続領域の最大連続出現数が所定値以上でないと判定した場合にステップS52にすすむ。
[ステップS52]端末装置11は、不連続領域の総数が所定値以上であるか否かを判定する。端末装置11は、不連続領域の総数が所定値以上であると判定した場合にステップS54にすすみ、不連続領域の総数が所定値以上でないと判定した場合にステップS53にすすむ。
[ステップS53]端末装置11は、印影枠71の全体としての連続性があると評価し、全部評価処理を終了する。
[ステップS54]端末装置11は、印影枠71の全体としての連続性がないと評価し、全部評価処理を終了する。
以上が第二の実施形態の端末装置11である。このような端末装置11によれば、印影70から印影枠71の概形となる概形枠90を生成する。そして、端末装置11は、生成した概形枠90の一部が矩形の領域内に位置する評価領域120を重複なしに複数配置して、概形枠90が複数の評価領域120のうちいずれかの評価領域120の領域内に位置するように設定する。そして、端末装置11は、設定した評価領域120を用いて評価領域毎に領域内に位置する印影枠71の連続性を評価する。そして、端末装置11は、評価領域毎の評価にもとづいて印影枠71の全体としての連続性を評価する。
これによれば、端末装置11は、印影70の押印状態を適切に評価できる。
[第三の実施形態]
次に第二の実施形態の変形例である第三の実施形態について説明する。第二の実施形態と同様の構成とできる点については同様の符号を用いて説明する。
第三の実施形態では第二の実施形態と評価領域の設定の方法が異なる。第二の実施形態では、端末装置11は、水平軸の上方に位置する概形枠90の一部と、水平軸の下方に位置する概形枠90が評価領域120に位置するように、水平軸の上方と水平軸の下方それぞれで評価領域120を設定している(たとえば、図10(A)の評価領域150b、150g)。
第三の実施形態では、端末装置11は、あらかじめ長辺が十分長い評価領域120を生成する。たとえば、端末装置11は、評価領域120の長辺が、評価領域120の長辺方向に沿った向きの付加領域の辺の2倍の長さと、垂直軸線分の長さを足した長さである評価領域120を生成する。そして端末装置11は、評価領域120を概形枠90に設定することで、評価領域120の包含領域に水平軸の上方に位置する概形枠90と水平軸の下方に位置する概形枠90が位置するように設定する。その後、端末装置11は、水平軸を用いて評価領域120を分割することで、全ての評価領域120に概形枠90が1つ位置するように設定する。
ここで評価領域設定処理について、図15を用いて説明する。図15は、第三の実施形態における評価領域設定処理のフローチャートである。
端末装置11は、印影枠評価処理のステップS12で評価領域設定処理をおこなう。評価領域設定処理では端末装置11は、印影70から生成した概形枠90が、いずれかの評価領域120内に位置するように複数の評価領域120を短辺方向に隣接して設定する。
[ステップS61]端末装置11は、概形枠90の中心座標を取得する。
[ステップS62]端末装置11は、取得した中心座標を交点とする水平軸と垂直軸を設定する。
[ステップS63]端末装置11は、概形枠90に設定した水平軸と垂直軸にもとづいて評価領域120を生成する。
たとえば、端末装置11が生成する評価領域120の短辺は、水平軸線分の等分長である。また、端末装置11が生成する評価領域120の長辺は、評価領域120の長辺方向に沿った向きの付加領域の辺の2倍の長さと、垂直軸線分の長さを足した長さである。
このような評価領域120であれば、端末装置11は、包含領域を伸長せずに水平軸の上方に位置する概形枠90と、水平軸の下方に位置する概形枠90がそれぞれ評価領域120の包含領域に含まれるように評価領域120を設定できる。
なお、端末装置11は、水平軸と垂直軸にもとづいて評価領域120を生成することに限らない。たとえば、端末装置11は、あらかじめ評価領域120の短辺と長辺の初期値を設定してもよい。
[ステップS64]端末装置11は、水平軸と概形枠90の交点の一方を始点とし、始点が評価領域120の中心が重なるように最初の評価領域120を配置する。
[ステップS65]端末装置11は、概形枠90の全てがいずれかの評価領域120に位置しているか否かを判定する。端末装置11は、概形枠90の全てがいずれかの評価領域120に位置していないと判定した場合にステップS66へすすみ、概形枠90の全てがいずれかの評価領域120内に位置していると判定した場合にステップS67へすすむ。
[ステップS66]端末装置11は、次の評価領域120を短辺方向に隣接させて設定する。たとえば、端末装置11は、評価領域120の長辺の中心と水平軸が重なるように次の評価領域120を設定する。
なお、評価領域120の長辺が垂直軸線分と比べて十分長いため、包含領域は、水平軸の上方に位置する概形枠90と、水平軸の下方に位置する概形枠90を含む。
[ステップS67]端末装置11は、水平軸を用いて評価領域120を2つに分割する。端末装置11は、1つの評価領域120に概形枠90が1つ位置するように水平軸を用いて評価領域120を2つに分割する。評価領域120の分割については、図16を用いて詳細に説明する。
なお、端末装置11は、評価領域120を分割すると評価領域120の短辺が水平軸線分のn等分長である場合に、概形枠90には評価領域が2n+2個設定される。
次に、評価領域を設定した具体例について説明する。図16は、第三の実施形態における円印の概形枠における評価領域の設定の一例を示す図である。
図16(A)は、概形枠185に長辺が垂直軸線分と比べて十分長い評価領域120を設定した図である。
概形枠185には評価領域120が、評価領域190、191、192、193、194、195、196、197、198と長辺が垂直軸線分と比べて十分長い評価領域120が設定されている。
評価領域190、191、192、193、194、195、196、197、198では、包含領域が水平軸の上方に位置する概形枠185と、水平軸の下方に位置する概形枠185を含む。
図16(B)は評価領域191である。評価領域191の包含領域は、水平軸の上方に位置する概形枠185と、水平軸の下方に位置する概形枠185を含んでいる。
評価領域191は、水平軸を用いて評価領域191aと評価領域191bに分割されている。このように端末装置11が評価領域191を水平軸で分割しているため、評価領域191aと評価領域191bの間では印影の漏れが生じない。したがって、評価領域191aと評価領域191bでは、包含領域の水平軸側の端部には付加領域が付加されていない。このように端末装置11は、水平軸を用いて評価領域を分割することで、新たに評価領域を生成し、評価領域に概形枠が1つ位置するように設定できる。
なお、水平軸で評価領域を分割した場合に、概形枠185が評価領域120の短辺と交差する場合が生じる。具体的には、評価領域190を分割した評価領域190aと評価領域190bでは、短辺の中心と概形枠185が交点をもつ。このような短辺の中心と概形枠が交点を持つ評価領域であっても、端末装置11は、少なくとも評価領域の短辺の半分の長さ以上の印影枠71を連続性の評価に用いることができる。したがって、端末装置11は、評価に用いる印影枠71の長さをコントロールできる。なお、角印(正方形、長方形(詳細例は省略する))、楕円印も同様の方法で評価領域120を設定できる。
以上が第三の実施形態の端末装置11である。これによれば、端末装置11は、評価領域120の包含領域が概形枠90を含むため、包含領域を伸長することなく評価領域120を設定できる。したがって、端末装置11は、より迅速に評価領域120を概形枠90に設定できる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現できる。その場合、情報処理装置1、または端末装置11が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
なお、上述の実施形態は、実施形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。