実施の形態1.
先ず、本実施の形態の空気調和機(室内機)の概要を説明する。空気調和機(室内機)は、温度検出対象範囲を走査しながら温度を検出する赤外線センサを備え、赤外線センサにより熱源検知を行って人や発熱機器の存在を検知して、快適な制御を行うようにしている。
通常、室内機は部屋の高所の壁に据付られるが、室内機が据付られる壁における左右の位置は、様々である。壁の左右方向の略中央に据付られる場合もあるし、室内機から見て右側又は左側の壁に接近して据付られる場合もある。以下、この明細書では、部屋の左右方向とは、「室内機(赤外線センサ3)から見た左右方向」、と定義する。
図1乃至図3により、空気調和機100(室内機)の全体構成を説明する。図1、図2共に、空気調和機100の外観斜視図であるが、見る角度が異なる点と、図1は上下フラップ43(上下風向制御板、左右に2個)が閉じているのに対して、図2は上下フラップ43が開き奥の左右フラップ44(左右風向制御板、多数)が見えている点とが異なる。
図1乃至図3は実施の形態1を示す図で、図1、図2は空気調和機100の斜視図、図3は空気調和機100の縦断面図である。
図1乃至図3に示すように、空気調和機100(室内機)は、略箱状の室内機筺体40(本体と定義する)の上面に部屋の空気を吸い込む吸込口41が形成されている。
また、前面の下部に調和空気(冷却もしくは加熱もしくは除湿された空気)を吹き出す吹出口42が形成されている。吹出口42には、吹き出し風の風向を制御する上下フラップ43と、左右フラップ44とが設けられる。上下フラップ43は吹き出し風の上下風向を制御し、左右フラップ44は吹き出し風の左右風向を制御する。
室内機筺体40の前面の下部で、吹出口42の上に、赤外線センサ3が設けられている。赤外線センサ3は、俯角約24.5度の角度で下向きに取り付けられている。
俯角とは、赤外線センサ3の中心軸と水平線とがなす角度である。別の言い方をすると、赤外線センサ3は、水平線に対して約24.5度の角度で下向きに取り付けられている。
図3に示すように、空気調和機100(室内機)は、内部に送風機45(例えば、貫流送風機)を備え、該送風機45を囲むように、略逆V字状の熱交換器46が配置されている。
略逆V字状の熱交換器46は、前面上部熱交換器46aと、前面下部熱交換器46bと、背面熱交換器46cとで構成される。
熱交換器46は、室外機(図示せず)に搭載された圧縮機等と接続されて冷凍サイクルを形成している。冷房運転時は蒸発器として、暖房運転時は凝縮器として動作する。
吸込口41から送風機45により室内空気が吸い込まれ、熱交換器46で冷凍サイクルの冷媒と熱交換を行うことで調和空気(冷却もしくは加熱もしくは除湿された空気)が生成され、調和空気は送風機45を通過して吹出口42から室内空間へ吹き出される。
吹出口42では、上下フラップ43と左右フラップ44とにより、上下方向及び左右方向の風向が制御される。図3では、上下フラップ43が閉じている。
図4は実施の形態1を示す図で、赤外線センサ3と受光素子の各配光視野角を示す図である。図4に示すように、赤外線センサ3は、金属缶1内部に8個の受光素子(図示せず)を縦方向に一列に配列している。金属缶1の上面には、8個の受光素子に赤外線を通すためのレンズ製の窓(図示せず)が設けられている。各受光素子の配光視野角2は、縦方向7度、横方向8度である。尚、各受光素子の配光視野角2が、縦方向7度、横方向8度のものを示したが、縦方向7度、横方向8度に限定されるものではない。各受光素子の配光視野角2に応じて、受光素子の数は変化する。例えば、1個の受光素子の縦配光視野角と受光素子の数との積が一定になるようにすればよい。
図4では、1個の受光素子の縦配光視野角が7度、縦方向に一列に配列している受光素子の数が8個であるから、その積は、56である。従って、例えば、1個の受光素子の縦配光視野角が4度、縦方向に一列に配列している受光素子の数が14個でもよい。
図5は実施の形態1を示す図で、赤外線センサ3を収納する筐体5の斜視図である。図5では、赤外線センサ3付近を裏側(空気調和機100の内部から)から見ている。図5に示すように、赤外線センサ3は、筐体5内に収納されている。そして、筐体5の上方に赤外線センサ3を駆動するステッピングモーター6が設けられる。筐体5と一体の取付部7が空気調和機100の前面下部に固定されることにより、赤外線センサ3が空気調和機100に取り付けられる。赤外線センサ3が空気調和機100に取り付けられた状態では、ステッピングモーター6と筐体5は垂直である。そして、筐体5の内部で赤外線センサ3が、俯角約24.5度の角度で下向きに取り付けられている。
ステッピングモーターは、パルス電力に同期して動作する同期電動機である。従って、パルスモーターとも言われる。簡単な回路構成で、正確な位置決め制御を実現できるので、装置の位置決めを行う場合などによく使われる。
図6は実施の形態1を示す図で、赤外線センサ3付近の斜視図((a)は赤外線センサ3が右端端部へ可動した状態、(b)は赤外線センサ3が中央部へ可動した状態、(c)は赤外線センサ3が左端端部へ可動した状態)である。赤外線センサ3は、ステッピングモーター6により左右方向に所定角度範囲を回転駆動する(このような回転駆動をここでは、「可動する」、と表現する)。図6に示すように、右端端部(a)から略中央部(b)を経由して左端端部(c)まで可動し、左端端部(c)に来ると逆方向に反転して可動する。この動作を繰り返す。赤外線センサ3は、部屋の温度検出対象範囲を左右に走査しながら温度検出対象の温度を検出する。
ここで、赤外線センサ3による部屋の壁や床の熱画像データの取得方法について述べる。尚、赤外線センサ3等の制御は、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータによって行われる。所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータを、「制御部」と定義する。以下の説明では、一々夫々の制御を制御部(所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータ)が行うという記載は省略する。
部屋の壁や床の熱画像データを取得する場合、赤外線センサ3をステッピングモーター6により左右方向に可動し、ステッピングモーター6の可動角度(赤外線センサ3の回転駆動角度)1.6度毎に各位置で赤外線センサ3を所定時間(0.1〜0.2秒)停止させる。
赤外線センサ3を停止した後、所定時間(0.1〜0.2秒より短い時間)待ち、赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。
赤外線センサ3の検出結果を取り込み終了後、再びステッピングモーター6を駆動(可動角度1.6度)した後停止し、同様の動作により赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。
上記の動作を繰り返し行い、左右方向に94箇所の赤外線センサ3の検出結果をもとに検知エリア内の熱画像データを演算する。
ステッピングモーター6の可動角度1.6度毎に94箇所で赤外線センサ3を停止させて熱画像データを取り込むので、赤外線センサ3の左右方向の可動範囲(左右方向に回転駆動する角度範囲)は、約150.4度である。
図7は実施の形態1を示す図で、赤外線センサ3の縦断面における縦配光視野角を示す図である。図7は空気調和機100を部屋の床面から1800mmの高さに据付けた状態で、8個の受光素子が縦に一列に配列された赤外線センサ3の縦断面における縦配光視野角を示している。
図7に示す角度7°は、1個の受光素子の縦配光視野角である。
また、図7の角度37.5°は、赤外線センサ3の縦視野領域に入らない領域の空気調和機100が取り付けられた壁からの角度を示す。赤外線センサ3の俯角が0°であれば、この角度は、90°−4(水平より下の受光素子の数)×7°(1個の受光素子の縦配光視野角)=62°になる。本実施の形態の赤外線センサ3は、俯角が24.5°であるから、62°−24.5°=37.5°になる。
図8は実施の形態1を示す図で、主婦12が幼児13を抱いている部屋の熱画像データを示す図である。図8は8畳相当の部屋で主婦12が幼児13を抱いている一生活シーンを、赤外線センサ3を左右方向に可動させながら得られた検出結果をもとに熱画像データとして演算した結果を示している。
図8は季節が冬で、且つ天候が曇りの日に取得した熱画像データである。従って、窓14の温度は、10〜15℃と低い。主婦12と幼児13の温度が最も高い。特に、主婦12と幼児13の上半身の温度は、26〜30℃である。このように、赤外線センサ3を左右方向に可動させることにより、例えば、部屋の各部の温度情報を取得することができる。
次に、空気調和機の能力帯と、空調運転時に生じる床面と壁面との温度差(温度ムラ)情報と、人体検知位置の履歴とから総合判断して部屋形状を決定する部屋形状検知手段(空間認識検知)について述べる。
赤外線センサ3にて取得する熱画像データにより、空調している空調エリア内の床面広さを求め、熱画像上の空調エリア内における壁面位置を求める。
熱画像上で床面、壁面(壁面とは、空気調和機100から見た正面壁、並びに左右の壁面)の領域が解ることから、個々の壁面平均温度を求めることが可能となり、熱画像上にて検出された人体に対する壁面温度を考慮した精度のよい体感温度を求めることが可能となる。
熱画像データ上で床面広さを求める手段は、下記に示す三つの情報を統合することで、精度のよい床面広さの検知並びに部屋形状を検知可能とする。
(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状;
(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状;
(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状。
図9は実施の形態1を示す図で、空気調和機100の能力帯により規定された冷房運転時の畳目安ならびに広さ(面積)を示す図である。空気調和機100は、空調する部屋の広さを基準に対応する能力帯に分けられている。図9に示すように、例えば、空気調和機100の能力2.2kwの場合は、冷房運転時における空調広さの畳目安[畳]は、6〜9畳となる。6畳から9畳の広さ(面積)は、10〜15m2である。
図10は実施の形態1を示す図で、図9記載の能力毎の広さ(面積)の最大面積を用いることで、能力毎における床面の広さ(面積)を規定した図である。能力2.2kwの場合、図9の広さ(面積)の最大面積は15m2である。15m2の平方根を求めることで縦横比率を1:1とした場合の縦横の距離は各3.9m(3.873m)となる。最大面積15m2を固定し、縦横比率を1:2〜2:1の範囲で可変させた場合の縦横の距離で、縦横の最大距離と最小距離を設定する。
図11は実施の形態1を示す図で、能力2.2kwにおける縦横の部屋形状制限値を示す図である。能力毎の最大面積15m2の平方根より縦横比率1:1の場合の縦横の各距離は3.9mとなる。最大面積15m2を固定し、縦横比率を1:2〜2:1の範囲で可変させた場合の縦横の距離で、縦横の最大距離を設定する。縦横比率1:2の場合は、縦2.7m:横5.5mとなる。同様に縦横比率2:1の場合は、縦5.5m:横2.7mとなる。
図12は実施の形態1を示す図で、空気調和機100の能力帯から求まる縦横距離条件を示す図である。図12の初期値の値は、能力毎における対応面積の中間面積の平方根から求めている。例えば能力2.2kwの適応面積は10〜15m2となり、中間面積は12m2となる。12m2の平方根より初期値3.5mを求めている。以下能力帯毎における初期値の縦横距離の算出は同様な考え方から求めている。同時に最小値(m)、最大値(m)は、図10の算出の通りである。
従って、空気調和機100の能力毎により求まる部屋形状の初期値は、図12の初期値(m)を縦横の距離とする。但し、リモコン(遠隔制御装置)からの据付位置条件により空気調和機100の設置位置の原点を可変することとする。
図13は実施の形態1を示す図で、能力2.2kw時の中央据付時条件を示す図である。図13に示すように、初期値の横距離中間地点を空気調和機100の原点とする。空気調和機100の原点は、縦横3.5mの部屋の中央部(横から1.8m)の位置関係となる。
図14は実施の形態1を示す図で、能力2.2kw時の左コーナー据付時(ユーザーから見て)の場合を示す図である。コーナー据付時の場合は、左右に近いほうの壁までの距離を、空気調和機100の原点(横幅の中心点)から0.6mの距離とする。
従って、(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状は、上記記載の条件にて空気調和機100の能力帯から設定された床面広さに、リモコンの据付位置条件をもって空気調和機100の据付位置を決めることで、赤外線センサ3から取得される熱画像データ上に床面と壁面との境界線を求めることを可能としている。
図15は実施の形態1を示す図で、空気調和機100の能力2.2kw時に、リモコンの据付位置ボタンが中央に設定された際の熱画像データ上の床面と壁面との位置関係を示す図である。赤外線センサ3側から見て左壁面16、正面壁19、右壁面17、そして床面18が熱画像データ上に示されている様子がうかがえる。初期設定時における能力2.2kwの床面形状寸法は図13に示す通りである。以下、左壁面16、正面壁19、右壁面17をまとめて壁面と呼ぶ。
次に、(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状の算出手段について説明する。図16は実施の形態1を示す図で、温度ムラによる部屋形状の算出フローを示す図である。上述の赤外線センサ3を駆動する赤外線センサ駆動部51から、赤外線画像取得部52にて熱画像データとして生成された縦8*横94の熱画像上において、基準壁位置算出部54にて、熱画像データ上における温度ムラ検知を行う範囲を制約することを特徴とする。
以下、図15における、空気調和機の能力2.2KW時でリモコン据付条件が中央時条件にて基準壁位置算出部54の機能説明を行う。
図17は実施の形態1を示す図で、図15の熱画像データ上にて壁面と床面との境界となる上下の画素間を示す図である。即ち、図17は、図15の熱画像データ上に壁面(左壁面16、正面壁19、右壁面17)と床面18との境界となる上下の画素間の境界線60を示している。境界線60より上の画素が壁面温度を検知する配光画素となり、境界線60より下側の画素が床面温度を検知する配光画素となる。
図18は実施の形態1を示す図で、図17にて設定した境界線60の位置に対し、下方向に1画素そして上方向に2画素の合計3画素間において上下画素間の生じている温度を検知する図である。図18において、図17にて設定した境界線60の位置に対し、下方向に1画素そして上方向に2画素の合計3画素間において、上下画素間の生じている温度を検知することを特徴とする。
全熱画像データすべての画素間にて温度差を探すのではなく、壁面(左壁面16、正面壁19、右壁面17)と床面18との境界線60上を中心に温度差を検知して壁面と床面18との境界線60上に生じる温度を検知することを特徴とする。
これにより、全画素検知による余分なソフト演算処理の低減(演算処理時間の短縮と負荷低減)と誤検知処理(ノイズデバンス処理)を併せ持つことを特徴とする。
次に上記記載の画素間領域に対する、温度ムラによる境界を検知する温度ムラ境界検知部53は、
(a)床面温度と壁面温度の熱画像データから得られる絶対値による判断手段、
(b)検知領域内における上下画素間における温度差の奥行き方向における傾き(1次微分)の最大値による判断手段、(c)検知領域内における上下画素間における温度差の奥行き方向における傾きの傾き(2次微分)の最大値による判断手段、
のいずれか一つの手段により境界線60を検知可能とすることを特徴とする。
図19は実施の形態1を示す図で、画素検知領域内において、温度ムラ境界を検知する温度ムラ境界検知部53により閾値を超えた画素、または、傾きの最大値を超えた画素を黒色にてマーキングしている図である。図19では、上記画素検知領域内において、温度ムラ境界を検知する温度ムラ境界検知部53により閾値を超えた画素、または、傾きの最大値を超えた画素を太線のハッチングにてマーキングしている。また、上記の温度ムラ境界を検知する閾値または最大値を超えない個所については、マーキングを実施してはいないことを特徴とする。
図20は実施の形態1を示す図で、温度ムラによる境界線を検知した結果を示す図である。画素間の境界線を線引きする条件は、温度ムラ境界検知部53において、閾値または最大値を超えたマーキングされた画素の下部、そして検知領域のおける上下画素間において閾値または、最大値を超えていない列においては、図17にて基準壁位置算出部54にて初期設定を行った画素間の基準位置にて線引きすることを条件とする。
図21は実施の形態1を示す図で、熱画像データ上において、境界線の下部に引かれた各素子の座標点(X,Y)を床面座標変換部55が床面座標点として変換し、床面18に投影した図である。そして、熱画像データ上において、境界線の下部に引かれた各素子の座標点(X,Y)を、床面座標変換部55が床面座標点として変換し、床面18に投影したものが図21となる。94列分の境界線60の下部に引かれた素子座標が投影される結果となることが理解できる。
図22は実施の形態1を示す図で、能力2.2KW、リモコン中央据付条件時における初期設定条件での正面壁19位置付近の温度差を検知する対象画素の領域66を示す図である。
図23は実施の形態1を示す図で、床面18に各熱画像データの境界線素子座標を投影した図21において、図22に示した正面壁19位置付近を検知する各素子の散布素子座標点の平均を求め正面壁19と床面18との壁面位置を求めた図である。先に、床面18に各熱画像データの境界線素子座標を投影した図21において、図22に示した正面壁19位置付近を検知する各素子の散布素子座標点の平均を求め正面壁19と床面18との壁面位置を求めたものが図23の正面壁境界線122となる。
正面壁境界線線引き手段と同様な考え方で、右壁面17並びに左壁面16に対応する各素子の散布素子座標点の平均で境界線を引くこととする。図23の左壁面境界線120、右壁面境界線121が、各素子の散布素子座標点の平均で引かれた境界線である。そして左右の左壁面境界線120、右壁面境界線121と正面壁境界線122とを結んだ領域が床面領域となる。
また、より温度ムラ検知による精度のよい床壁境界線を線引きする手段として、図22にて正面境界線を求める領域の素子座標Yの平均値と標準偏差σを求めることで、σ値が閾値以下になる素子対象のみで平均値を再計算する手段もある。
同様に左右壁面境界線算出においても、各素子座標Xの平均値と標準偏差σを用いることは可能である。
また、左右壁面境界線を算出する他の一つの手段は、正面壁境界線算出により求まったY座標、つまり空気調和機100据付け側の壁面からの距離に対して、Y座標間距離の中間領域1/3〜2/3に分布された各素子のX座標の平均を用いて左右壁面間の境界線を求めることも可能である。いずれの場合においても問題がない。
上記手段による正面左右壁位置算出部56にて求めることができた空気調和機100の据付位置を原点とした正面壁19までの距離Yと、左壁面16までの距離X_leftと、右壁面17までの距離X_rightとを検知履歴蓄積部57にて各距離総和として積算すると共に距離検出カウンタとして回数を積算していき、検知距離の総和とカウント数との割り算をもって平均化された距離を求めることとする。左右壁についても同様な手段にて求めるものとする。
尚、検知履歴蓄積部57にてカウントする検知回数が閾値回数より多くなっている場合に限り、温度ムラによる部屋形状の判定結果を有効とする。
次に、(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状の算出について説明する。図24は実施の形態1を示す図で、人体検知位置履歴による部屋形状の算出フローを示す図である。人体検出部61は、赤外線センサ3を駆動する赤外線センサ駆動部51の出力から赤外線画像取得部52にて、熱画像データとして生成された縦8*横94の熱画像データを、直前の熱画像データとの差分を取ることで人体の位置を判断することを特徴としている。
人体の有無ならびに人体の位置を検出する人体検出部61は、熱画像データの差分を取る際に、人体の比較的表面温度の高い頭部付近を差分検知可能とする閾値Aと、やや表面温度の低い足元部分の差分検知可能とする閾値Bを個々に持つことを特徴としている。
図25は実施の形態1を示す図で、直前の背景画像と人体の存在する熱画像データとの差分を行い、閾値A並びに閾値Bをもって人体の検知を判断する結果を示す図である。閾値Aを超える素子を有する熱画像データの熱画像差分領域を人体頭部付近と判断し、閾値Aにて求めた領域に隣接する閾値Bを超える素子を有する熱画像データの熱画像差分領域を求める。その際、閾値Bにて求まる熱画像差分領域は、閾値Aにて求められた熱画像差分領域に隣接していることを前提とする。つまり、閾値Bを超えたのみの熱画像差分領域は人体とは判断しない。熱画像データ間の差分閾値の関係は、閾値A>閾値Bとなることを示す。
この手段により求めた人体の領域は、人体の頭部から足元までの領域を検知することを可能とし、人体の足元個所を示す熱画像差分領域最下端部の中央部分の熱画像座標X、Y(図25の網掛けの△印の部分の座標)を持って人体位置座標(X,Y)とする。
熱画像データの差分により求められた人体の足元位置座標(X,Y)を、先の温度ムラ検知時に説明した図21のように、床面座標点として変換する床面座標変換部55を介して、人体位置履歴蓄積部62は人体位置履歴を蓄積していくことを特徴とする。
図26は実施の形態1を示す図で、熱画像データ差分から求めた人体検知位置を床面座標変換部55にて座標変換を行った人位置座標(X,Y)点として、X軸、Y軸毎にカウント積算した様子を示す図である。人体位置履歴蓄積部62において、図26に示すように、横方向X座標並びに奥行きY座標の最小分解は0.3m毎とする領域を確保し、軸毎に0.3m間隔にて確保された領域に人位置検知毎に発生する位置座標(X,Y)を、当てはめカウントしていくものとする。
この人体位置履歴蓄積部62からの人体検知位置履歴情報により、部屋形状である床面18、壁面(左壁面16、右壁面17、正面壁19)を壁位置判断部58にて求める。
図27は実施の形態1を示す図で、人体位置履歴による部屋形状の判定結果を示す図である。横方向X座標並びに奥行きY座標に蓄積された最大の蓄積数値に対して10%以上の領域の範囲をもって床面領域と判断することを特徴とする。
次に、人体検知位置履歴の蓄積データから部屋形状が長方形(正方形)なのか、L字型形状であるのかを推定し、L字型部屋形状の床面18と壁面(左壁面16、右壁面17、正面壁19)付近の温度ムラを検知することで精度のよい部屋形状を算出する例を説明する。
図28は実施の形態1を示す図で、L字型部屋形状のリビングにおける人体検知位置履歴の結果を示す図である。横方向X座標並びに奥行きY座標の最小分解は0.3m毎とする領域を確保され、軸毎に0.3m間隔にて確保された領域に人体検知毎に発生する位置座標(X,Y)を当てはめカウントしていくものである。
当然、人体はL字の部屋形状内を移動することから、左右方向の床面領域(X座標)並びに奥行方向の床面領域(Y座標)に蓄積されるカウント数は、各X,Y座標毎の奥行き領域(面積)に比例する形になる。
人体検知位置履歴の蓄積データから部屋形状が長方形(正方形)なのか、L字型形状であるのか判断する手段を説明する。
図29は実施の形態1を示す図で、横方向X座標における、床面領域(X座標)に蓄積されたカウント数を示す図である。閾値Aは蓄積された最大の蓄積数値に対して10%以上をもって床面X方向の距離(幅)とすることを特徴としている。
図30は実施の形態1を示す図で、図29にて求めた床面領域(X座標)を領域A・B・Cと均等3分割を行い、蓄積された最大の蓄積数値がどこの領域に存在するかを求め、同時に各領域毎の最大値と最小値を求める図である。図30に示すように、図29にて求めた床面領域(X座標)を領域A・B・Cと均等3分割を行い、蓄積された最大の蓄積数値がどこの領域に存在するかを求め、同時に各領域毎の最大値と最小値を求ることを特徴としている。
蓄積された最大の蓄積数値が領域C(または領域A)に存在し、領域C内における最大値と最小値との差がΔα以内であることと、領域Cの最大蓄積数値と領域A内における最大蓄積数との差がΔβ以上のとき、L字型部屋形状であると判断する。
各領域毎の最大値と最小値との差Δαを求めることは、人体検知位置履歴の蓄積データから部屋形状を推定するためのノイズデバンス処理の一つである。図31は実施の形態1を示す図で、領域C内に蓄積データの最大蓄積数が存在する場合、最大蓄積数に対して90%以上のカウント数が領域内にγ本(0.3m毎に分解される領域の中の数)以上あることをもって判断する手段を示す図である。図31に示すように、領域C内に蓄積データの最大蓄積数が存在する場合、最大蓄積数に対して90%以上のカウント数が領域内にγ本(0.3m毎に分解される領域の中の数)以上あることをもって判断する手段もある。
図32は実施の形態1を示す図で、領域A内に蓄積データの最大蓄積数が存在する場合、最大蓄積数に対して90%以上のカウント数が領域内にγ本(0.3m毎に分解される領域の中の数)以上あることをもって判断する手段を示す図である。図32に示すように、領域Cにて上記演算処理を実施後、領域Aにても同様な演算を行うことでL字型部屋形状であることを判断する。
図33は実施の形態1を示す図で、L字型部屋形状であると判断された場合、最大の蓄積数に対し50%以上の個所を求める図である。上記によりL字型部屋形状であると判断された場合は、図33に示すように、最大の蓄積数に対し50%以上の個所を求める。本説明は横方向のX座標をもって説明しているが、奥行き方向のY座標における蓄積データにおいても同様である。
横方向のX座標並びに、奥行き方向のY座標の床面領域における最大の蓄積数に対する50%以上の閾値Bを境とする座標点をL字型部屋形状の床と壁面との境界点であると判断することを特徴とする。
図34は実施の形態1を示す図で、図33にて求めたL字型部屋形状の床面と壁面との境界点と閾値A以上におけるX座標、Y座標の床面領域から求めたL字型部屋形状の床面領域形状を示す図である。
上記で求めたL字型形状の床面形状結果を温度ムラ部屋形状アルゴリズムにおける基準壁位置算出部54にフィードバックし、熱画像データ上における温度ムラ検知を行う範囲を再計算させることを特徴とする。
次に部屋形状を求める三つの情報を統合する方法について説明する。但し、L字型形状の床面形状結果を温度ムラ部屋形状アルゴリズムにおける基準壁位置算出部54にフィードバックし、熱画像データ上における温度ムラ検知を行う範囲を再計算させる処理は、ここでは除く。
図35は実施の形態1を示す図で、三つの情報を統合するフローを示す図である。図35に示すフローにより、以下の三つの情報を統合する。
(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状。
(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状。
(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状。
(2)空気調和機100運転中に生じる床面18と壁面との温度ムラから求まる部屋形状は、温度ムラ境界検知部53により検知履歴蓄積部57にてカウントする検知回数が閾値回数より多くなっている場合に限り、温度ムラ有効性判定部64にて、温度ムラによる部屋形状の判定結果を有効とする。
同様に、(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状、による人体位置履歴蓄積部62から求まる部屋形状も、人体位置履歴蓄積部62が人体位置履歴を蓄積する人体検知位置履歴回数が閾値回数より多くなっている場合に限り、人体位置有効性判定部63にて、人体検知位置履歴による部屋形状の判定結果を有効とする前提条件のもとで、壁位置判断部58にて下記の条件により判断を行う。
イ.(2)と(3)共に無効の場合は、(1)による空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める初期設定値の部屋形状とする。
ロ.(2)が有効で(3)が無効の場合は、(2)による出力結果を部屋形状とする。ただし(2)の部屋形状が(1)の図12にて決まる辺の長さに収まらない場合、または面積に収まらない場合は、その範囲に伸縮させることとする。ただし、面積により伸縮させる場合は、正面壁19までの距離をもって修正させることとする。
具体的な修正方法について説明を行う。図36は実施の形態1を示す図で、能力2.8kw、リモコン据付位置条件中央にて温度ムラ検知による部屋形状の結果を示す図である。図12より、空気調和機100の能力2.8kw時における縦横の辺の長さの最小値は3.1m、最大値は6.2mとなる。そのためリモコン中央据付条件から、右側の壁面までの距離X_right並びに左側の壁面までの距離X_leftの制限距離は、図12の半分となるように決める。そのため、図中に示した右壁最小/左壁最小の距離は1.5m、右壁最大/左壁最大の距離は3.1mとなる。
図37は実施の形態1を示す図で、左壁面16までの距離が左壁最大の距離を超えている状態である場合は、左壁最大の位置まで縮小させた結果を示す図である。図36に示した温度ムラによる部屋形状のように、左壁面16までの距離が左壁最大の距離を超えている状態である場合は、図37に示すように左壁最大の位置まで縮小させることとする。
同様に、図36に示すように右壁までの距離が右壁最小と右壁最大の間に位置する場合は、そのままの位置関係を維持することとする。図37のように左壁最大に縮小した後、部屋形状の面積を求め、図12に示す能力2.8kw時の面積範囲13〜19m2の適正範囲内になっているか確認する。
図38は実施の形態1を示す図で、修正後の図37の部屋形状面積が面積最大値19m2以上に大きな場合は、正面壁19の距離を最大面積19m2になるまで下げて調整した結果を示す図である。仮に修正後の図37の部屋形状面積が面積最大値19m2以上に大きな場合は、図38に示すように、正面壁19の距離を最大面積19m2になるまで下げることで調整することとする。
図39、図40は実施の形態1を示す図で、図39は左壁面までの距離が左壁最小に満たない場合に左壁最小の領域まで拡大することにより調整した結果を示す図、図40は修正後の部屋形状面積を算出することにより適正面積内にあるか否を判断する例を示す図である。図39に示すケースも同様に、左壁面16までの距離が左壁最小に満たない場合は、左壁最小の領域まで拡大することとなる。その後、図40に示すように、修正後の部屋形状面積を算出することにより適正面積内にあるか否を判断することとする。
ハ.(2)が無効で(3)が有効の場合も、(3)による出力結果を部屋形状とする。上記(2)が有効で(3)が無効の場合のロと同様に、(1)で決まる辺の長さ、面積の制限に適合するように修正を行うこととする。
ニ.(2)、(3)ともに有効の場合は、(2)の温度ムラによる部屋形状を基準として、それより(3)の人体検知位置履歴による部屋形状の方が、壁までの距離が狭い面があった場合は、最大0.5mの幅で(2)の温度ムラによる部屋形状の出力を狭める方向に修正する。
逆に、(3)の方が広い場合は修正を行わないこととする。そして、修正後の部屋形状に関しても(1)で決まる辺の長さ、面積の制限に適合するように修正を加える。
図41は実施の形態1を示す図で、各壁面間距離である、正面壁19までの距離Y座標Y_front、右壁面17のX座標X_right、左壁面16のX座標X_leftを求めた結果を示す図である。上記の統合条件より、図41に示すように各壁面間距離である、正面壁19までの距離Y座標Y_front、右壁面17のX座標X_right、左壁面16のX座標X_leftを求めることができる。
次に床壁輻射温度の算出について説明する。図42は実施の形態1を示す図で、統合条件にて求められた正面壁19、左右壁(左壁面16、右壁面17)間のそれぞれの距離から求められた床面境界線上の各座標点を熱画像データに逆投影させた図である。
図42の熱画像データ上にて、床面18の領域、正面壁19、左壁面16、右壁面17の領域が区切られる様子が理解できる。
まず壁面温度の算出に関しては、熱画像データ上にて求められた各壁領域の熱画像データから求まる温度データの平均を壁温度とする。
図43は実施の形態1を示す図で、それぞれの各壁領域を太線で囲った図である。図43に示すように、各壁領域を太線で囲った領域がそれぞれの各壁領域となる。
次に床面18の温度領域について説明する。熱画像データ上の床面領域を、例えば、左右方向に5分割、奥行き方向に3分割の合計15分割の領域に細分する。尚、分割する領域の数は、これに限定されるものではなく、任意でよい。
図44は実施の形態1を示す図で、床面18の手前側領域に対して左右方向5分割の領域(A1、A2、A3、A4、A5)に分けた図である。図44に示すように、床面18の手前側領域に対して左右方向5分割の領域(A1、A2、A3、A4、A5)に分割する。
図45は実施の形態1を示す図で、床面の奥側領域に対して前後3分割の領域(B1、B2、B3)に分けた図である。同様に図45に示すように、床面の奥側領域に対して前後3分割の領域(B1、B2、B3)に分割する。いずれも領域毎に前後左右の床面領域が重なり合っていることを特徴としている。従って、熱画像データ上には、正面壁19、左壁面16、右壁面17の温度並びに15分割された床面温度の温度データが生成されることとなる。分割された各床面領域の温度は、夫々の平均温度とする。この熱画像データ上に領域分けされた各温度情報をもとに、熱画像データが撮像する居住エリア内における各人体の輻射温度を求めることを特徴とする。
以下に示す計算式にて各人体毎の床面並びに壁面からの輻射温度を求める。
ここで、
T_calc:輻射温度
Tf.ave:人体が検知された場所の床面温度
T_left:左壁面温度
T_front:正面壁温度
T_right:右壁面温度
Xf:人体検知位置のX座標
Yf:人体検知位置のY座標
X_left:左側壁面間距離
Y_front:正面壁面間距離
X_right:右側壁面間距離
α、β、γ:補正係数
人体が検知された場所における、床面温度と、各壁面の壁面温度と、各壁面間距離の影響を考慮した輻射温度の算出を行うことが可能となっている。
図46は実施の形態1を示す図で、計算式にて求めた輻射温度の一例を示す図である。図46に上記計算式にて求めた輻射温度の一例を示す。熱画像データ上にて被験者A並びに被験者Bが熱画像データ上にて撮像する居住空間内にて検知された条件にて、輻射温度を試算している。正面壁温度T_front:23℃、T_left:15℃、T_right:23℃、被験者Aの床面温度Tf.ave=20℃、被験者Bの床面温度Tf.ave=23℃、輻射温度演算式上の補正係数はすべて1にて計算した結果、被験者Aの輻射温度T_calc=18℃、被験者Bの輻射温度T_calc=23℃と求めることができる。
従来、床面18のみの温度にて輻射温度を計算していたが、部屋形状を認識することで求められる壁面温度からの輻射温度を考慮することが可能となり、人体が体全体にて体感する輻射温度を求めることが可能となった。
次に、上述の部屋形状を認識することで求められる壁面温度を利用して、カーテンの開閉状態を検知する例について説明する。空調中の部屋において、カーテンを開けた状態より閉めた状態の方が空調効率が良い場合が多いため、カーテンを開いていることを検知した場合は、空気調和機100の利用者にカーテンを閉めるように促すことができるようにするためである。
図47は実施の形態1を示す図で、カーテンの開閉状態を検知する動作のフローチャート図である。図47のフローチャートにより、カーテンの開閉状態を検知するフローについて説明する。
尚、以下に示す制御は、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータによって行われる。ここでも、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータを、「制御部」と定義する。以下の説明では、一々夫々の制御を制御部(所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータ)が行うという記載は省略する。
熱画像取得部101は、赤外線センサ3を温度検出対象範囲を左右に走査して温度検出対象の温度を検出することにより熱画像を獲得する。
既に述べたように、部屋の壁や床の熱画像データを取得する場合、赤外線センサ3をステッピングモーター6により左右方向に可動し、ステッピングモーター6の可動角度(赤外線センサ3の回転駆動角度)1.6度毎に各位置で赤外線センサ3を所定時間(0.1〜0.2秒)停止させる。赤外線センサ3を停止した後、所定時間(0.1〜0.2秒より短い時間)待ち、赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。赤外線センサ3の検出結果を取り込み終了後、再びステッピングモーター6を駆動(可動角度1.6度)した後停止し、同様の動作により赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。上記の動作を繰り返し行い、左右方向に94箇所の赤外線センサ3の検出結果をもとに検知エリア内の熱画像データを演算する。
床壁検知部102は、前述の制御部が、赤外線センサ3を走査して部屋の熱画像データを取得し、熱画像データ上で、以下に示す三つの情報を統合することで、空調している空調エリア内の床面広さを求め、熱画像データ上の空調エリア内における壁領域(壁面位置)を獲得する。
(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状;
(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状;
(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状。
熱画像取得部101で獲得した熱画像から、前述の処理で生成した背景熱画像(図43)に対して、以下で説明する温度条件判定部(室温判定部103、外気温判定部104)の処理を適用することにより、現在の温度条件が窓状態の検知が必要な状態かどうかを判定する。
窓状態の検知が必要な状態とは、例えば暖房運転時であれば、室温に対し外気温度が一定温度(例えば5℃)より低く、窓が冷えており、カーテンを開けた状態では暖房効率が悪い状態を示す。
逆に冷房時であれば、室温に対し外気温度が一定温度(例えば5℃)より高く、窓が温まっており、カーテンを開けた状態では冷房効率が悪い状態を示す。
温度条件判定部の室温判定部103は、室温を検知する手段である。室温は、以下に示す方法で概算することができる。
(1)背景熱画像の画像全体の平均温度;
(2)背景熱画像の床領域の平均温度;
(3)空気調和機100の室内機筺体40(本体)の吸込口41に搭載された室温サーミスタ温度計(図示せず)の値。
外気温判定部104は、外気温度を検知する手段である。外気温度は、以下に示す方法で概算することができる。
(1)空気調和機100の室外機(図示せず)に搭載の外気温サーミスタ温度計(図示せず)の値;
(2)または、以下の方法で代用しても窓状態の検知が必要な状態かどうかの判定には支障がない。
a.(暖房時)背景熱画像の壁領域中で最も低い温度;
b.(冷房時)背景熱画像の壁領域中で最も高い温度。
室温判定部103、外気温判定部104で検知した室温と外気温度の差が一定値(例えば5℃)以上であれば、以下の窓状態検知部へ処理を進める。
図48は実施の形態1を示す図で、暖房運転時の右壁面の窓のカーテンが開いている状態のときの熱画像データを示す図である。窓状態検知部では、背景熱画像中の顕著な温度差(所定の温度差、例えば5℃)がある領域を窓領域31(図48)として検知し、その窓領域31の時間変化を監視することと同時にカーテンを閉める動作を検知可能とする。
例えば、暖房時の室内温度分布を赤外線センサ3で撮影したとき、図48に示すような熱画像が得られる。熱画像の中の右壁面17の低温部分を窓領域31として検知する。図48では、ハッチング有無で温度の高低を表している。ハッチング有の方が、ハッチング無よりも温度が低い。
壁領域内温度差判定部105で、背景熱画像において壁領域内の温度差が一定値(例えば5℃)以上あるかどうかを判定する。壁領域内の温度差は、暖房時、冷房時、部屋の広さ、空調開始後の経過時間等により変化するが、空調時には床温度もしくは室温といった基準温度に対し壁温度は差がある場合が多く、単純に基準温度からの差の閾値処理だけで窓領域31の有無を判定することは難しい。
そこで、壁領域内温度差判定部105では、同じ壁内の温度に顕著な差があれば、窓領域31が存在するという考えに基づき壁領域内の温度差の有無を判定する。
壁領域内温度差判定部105で、壁領域内に顕著な温度差がないとなった場合は窓領域31なしと判定し、以降の処理は行わない。
壁領域内外気温度領域抽出部106で、背景熱画像において壁領域内で外気温度に近い領域を抽出する。つまり冷房時には壁領域内で温度の高い領域を、暖房時には壁領域内で温度が低い領域を抽出する。
背景熱画像において壁領域内で外気温度に近い領域の抽出方法としては、壁領域内の平均温度に対して一定温度(例えば5℃)以上温度の高い(低い)領域を抽出する方法がある。
ただし、壁領域内外気温度領域抽出部106では、微小な領域を誤検出として削除する。例えば、窓の最低サイズを幅80cm×高さ80cmとする。床壁検知部102で検知した床壁の位置と、赤外線センサ3の設置角度とから熱画像上の各位置に窓があった場合の熱画像上の窓のサイズが計算できる。計算で算出した熱画像上の窓のサイズが、窓の最低サイズ以下の広さの領域の場合には、微小な領域として削除する。
窓領域抽出部107で、壁領域内外気温度領域抽出部106で抽出した領域の中で窓領域31である可能性の高い領域を抽出する。
窓領域抽出部107は、壁領域内外気温度領域抽出部106において、一定時間(例えば10分)以上窓領域31として抽出され続けた領域を窓領域31として検知する。
窓領域内温度差判定部108で、窓領域抽出部107で窓領域31として検知した領域内の温度変化を監視し、窓として判定された領域の温度が壁平均温度付近まで変化したかどうかを判定し、変化があれば窓領域31がなくなったと判定する。
カーテン閉め動作判定部109で、窓領域抽出部107で検知した窓領域31の全部が、窓領域内温度差判定部108において窓領域31ではないと判定されればカーテンが閉められたと判定する。
また、窓領域抽出部107で窓領域31が検知されている状態で、壁領域内温度差判定部105において、窓領域31なしと判定された場合もカーテンが閉められたと判定する。
以上のように、熱画像取得部101が赤外線センサ3を温度検出対象範囲を左右に走査して温度検出対象の温度を検出するにより熱画像を獲得し、床壁検知部102が熱画像データ上の空調エリア内における壁領域を獲得し、温度条件判定部により現在の温度条件が窓状態の検知が必要な状態かどうかを判定し、検知が必要な状態であれば、窓状態検知部が背景熱画像中の顕著な温度差がある領域を窓領域31として検知し、その窓領域31の時間変化を監視することと同時にカーテンを閉める動作を検知可能とする。
そのように構成することにより、空調に余計な消費電力が必要な状態である外気温の影響を受けた窓の露出を検出し、空気調和機100の利用者に、カーテン等を閉める動作を促すことを可能とする。
空気調和機100の利用者が、カーテン等を閉めることにより、空気調和機100の消費電力を低減することができる。
次に、例えば、外気温の影響を受けた窓の露出を検出し、空気調和機100の利用者にカーテン等を閉める動作を促す具体的な方法について説明する。
図49は実施の形態1を示す図で、図47に情報提示部を追加したフローチャート図である。情報提示部は、例えば、ユーザーインターフェイス部110である。
情報提示部(ユーザーインターフェイス部110)は、ユーザー自身、気が付きにくい又はわからない省エネの情報をユーザーに伝えることで、ユーザーの省エネ行動を促すことを目的とする。
特に省エネ知識がなくても、リモコン200(図51のガイダンス表示部220に表示された表示内容を参照)に表示されたガイダンス内容を実行することにより、省エネ運転が可能となるものである。
本実施の形態に記述している赤外線センサ3により求まる熱画像から得られる基本情報は、以下の3点である。
(1)居住空間エリア内の人体の位置(部屋の何処に居るのかという検知結果)情報。
(2)時間軸あたりの人体の検知結果から求める人体の活動量(移動量)情報。常に違う場所で人体が検知されているようなときは、活動量(移動量)が大と判定する。逆に同じ場所に滞在する場合(ソファーでリラックしている状態など)は、活動量(移動量)が小と判定する。
(3)空間認識より求めた壁面内のある窓領域31の温度情報。
ユーザーに省エネ行動を促す省エネアドバイスは、この3つの情報を基に実施する。
ユーザー自身、気が付きにくい又はわからない省エネの情報を、情報提示部のユーザーインターフェイス部110で伝えることで、ユーザーの省エネ行動を促すことを目的とし、特に省エネ知識がなくてもリモコン200(図51参照)に表示されたガイダンス内容を実行することにより省エネ運転が可能となることを特徴とする。
以下、ユーザーインターフェイス部110の詳細について記述する。
図50は実施の形態1を示す図で、表示部100aを有する空気調和機100の外観図である。図50に示すように、空気調和機100は、室内機筺体40の前面に表示部100aを備える。表示部100aは、ECOランプ20(ガイダンス表示可能)等を有する。
ユーザーがわからない(気が付かない)省エネ情報を、赤外線センサ3からの情報を基に得ることができた空気調和機100は、室内機筺体40の表示部100aのECOランプ20(ガイダンス表示可能)を点灯させることで、まずユーザーに省エネの情報があることを告知する。
図51は実施の形態1を示す図で、リモコン200を示す平面図である。図51に示すリモコン200(遠隔制御装置)は、ユーザーが手元において空気調和機100の運転を制御するものであるが、ここで示すリモコン200は、通常の運転入/切、温度設定等のボタンの他に、ECOアドバイスボタン210(情報要求ボタン)、ガイダンス表示部220を備える。
ユーザーは、空気調和機100(室内機)の表示部100aで点灯するECOランプ20に気が付くことで、リモコン200の操作部に設けられたECOアドバイスボタン210(情報要求ボタン)を押し、詳細な省エネ情報を得ることができる。
空気調和機100(室内機)とリモコン200との間の省エネ情報の受け渡し技術手段は、双方向の赤外線通信でも無線通信でもどちらでもよい。
空気調和機100(室内機)は、双方向の赤外線通信もしくは無線通信により、空気調和機100(室内機)の制御部と、リモコン200(遠隔制御装置)との間で双方向通信を行う通信部(図示せず)を備える。
詳細な省エネ情報は、リモコン200の上部のガイダンス表示部220に表示することを特徴とする。
図51に示すように、リモコン200(遠隔制御装置)は、最上部に省エネ運転情報(おすすめ運転や省エネアドバイスに関する情報)及び冷房、除湿、暖房、送風などの運転モードを表示可能なドットマトリクスで構成されたガイダンス表示部220を備える。
ガイダンス表示部220は、変化に富んだ画像表示を行うために、各画素を格子状に均等配列したドットマトリクスタイプの液晶パネルを使用している。
ドットマトリクス表示の多数の画素にそれぞれ電極の配線をしようとしても、基板周縁部にすべての端子が取り出せなくなることから、アクティブ素子を各画素に配置して駆動を行うか(アクティブマトリクス駆動)、または直交させたストライプ電極を両方の基板に設けて、その交点の液晶を駆動する(単純マトリクス駆動)ことが行われる。
ガイダンス表示部220の下に時刻、設定温度、設定湿度を表示する設定情報表示部230が設けられている。
設定情報表示部230の下に、空気調和機100(室内機)の運転・停止を行う入/切ボタン240が設けられている。
入/切ボタン240の下に、温度の調節を行う温度調節ボタン250と湿度の調節を行う湿度調節ボタン260とが左右に並べて配置されている。
温度の調節を行う温度調節ボタン250と湿度の調節を行う湿度調節ボタン260の下に、運転モードを変更する運転モード変更ボタン270が設けられる。運転モード変更ボタン270は、左から、冷房運転を行う冷房ボタン、除湿運転を行う除湿切換ボタン、暖房運転を行う暖房ボタンが左右に並べて配置されている。
これらの運転モードを変更するボタンの下に、省エネ運転の情報送信を空気調和機100(室内機)に要求するECOアドバイスボタン210(省エネ運転情報要求ボタン)が設けられている。このECOアドバイスボタン210は、葉っぱをイメージしている。
また、ECOアドバイスボタン210の下に、ミストを発生させるミストボタン290、タイマーボタン280が設けられている。
尚、詳細な省エネ情報は、リモコン200の上部のガイダンス表示部220に表示するようにしたが、リモコン200に音声を発する機能を持たせ、詳細な省エネ情報を音声によりユーザーに告知するようにしてよい。ユーザーがリモコン200のガイダンス表示部220の表示に気が付かない場合でも、詳細な省エネ情報を音声によりユーザーに告知することにより、確実に省エネ情報をユーザーに伝えることができる。
また、空気調和機100(室内機)のECOランプ20と、リモコン200側のECOアドバイスボタン210のイラスト(葉っぱ)は同じものを採用し、且つリモコン200側のECOアドバイスボタン210のカラーを緑色にしているので、空気調和機100(室内機)のECOランプ20も緑色のLED(発光ダイオード)もしくは緑色のフィルターを採用し共有機能化を表現していることも特徴の一つである。但し、図50、図51の例は、空気調和機100(室内機)のECOランプ20と、リモコン200側のECOアドバイスボタン210のイラストが、全く同じではない。
以下、空気調和機100側のECOランプ20の点灯条件について述べる。
赤外線センサ3から求める熱画像を解析・分析することにより得られるユーザーの気が付かない省エネ情報が空気調和機100の運転中に発生した場合(ECOアドバイス発生条件の成立時)に、ECOランプ20を点灯させる。但し、空気調和機100の運転開始直後等の運転が安定してないときは点灯させない。即ち、空気調和機100の運転状態が安定時であることが条件である。
次に、ECOランプ20の消灯条件について記載する。消灯条件は下記に示す3点とする。
(1)リモコン200のECOアドバイスボタン210をユーザーが押すことで空気調和機100の本体から省エネ情報を受信した場合。
(2)空気調和機100がECOランプ20をもってユーザー側に省エネ情報を提示している状態で(ECOランプ20点灯中)、ユーザーがECOランプ20の点灯に気が付かないうちに(リモコン200のECOアドバイスボタン210を押していない状態で)、空気調和機100の本体側が提示した省エネ情報に示された状態をユーザーが解消した場合。本体側が提示した省エネ情報は、例えば、暖房運転時、“壁面に冷たい場所があり、カーテン・ドアを閉めると、省エネになります”というものである。このとき、ユーザーが、自発的にカーテン・ドアを閉めると、空気調和機100はそれを検知してECOランプ20を消灯する。
(3)ECOランプ20が点灯してからある所定の時間が経過した場合(約30分程度とする)。
以上の3点にて、ECOランプ20を消灯させることとする。
以下にリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押したときに表示するガイダンス表示部220の内容について記載する。
ガイダンス表示部220においては、省エネアドバイスの情報のほか、空気調和機100の運転モード又は運転状況についての内容を表示することが可能となっている。
空気調和機100が、ECOランプ20を点灯している状況で、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合は、ガイダンス表示部220には省エネアドバイスの情報を表示することを特徴としている。
さらには、省エネアドバイスにそった最適な運転モードへの設定変更をガイドする内容を表示することを特徴としている。
空気調和機100がECOランプ20が点灯していない時に、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合は、空気調和機100の運転状況の内容を表示することを特徴としている。
図52乃至図57は実施の形態1を示す図で、図52はリモコン200側のガイダンス表示部220に表示される内容を示すフローチャート図、図53はリモコン200側のガイダンス表示部220に、“ただいま運転開始準備中です”といった内容が表示される図、図54はリモコン200側のガイダンス表示部220に、“設定温度に近づけています”といった内容が表示される図、図55はリモコン200側のガイダンス表示部220に、“設定を元に戻しますか?”といった内容が表示される図、図56は暖房運転時において窓からの冷輻射の影響が大きいと空気調和機100が判断した場合のリモコン200のガイダンス表示部220に表示される表示内容を示す図、図57は冷房運転中に知らないうちに外気温度が室内設定温度より下がった場合のリモコン200のガイダンス表示部220に表示される表示内容を示す図である。
以下、図52のフローチャートを参照しながら、詳細の説明を行なう。空気調和機100の運転開始直後の所定時間(α時間)が経過していないとき(つまり空気調和機100の実運転状況としてはコンプレッサー(圧縮機)が起動する前の時間や暖房運転開始前の冷風防止時間などが上げられる)に、リモコン側のECOアドバイスボタン210を押したときは、空気調和機100の運転情報の表示を実施する。例えば、“ただいま運転開始準備中です”といった内容となる(図53も参照)。
その後、空気調和機100が運転を開始し安定するまでの間(変動時)に、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合においても、空気調和機100の運転情報の表示を実施する。例えば“設定温度に近づけています”といった内容となる(図54も参照)。
その後、空気調和機100の運転状況が安定状態に移行後、赤外線センサ3からの情報を持って省エネアドバイス内容が確定された場合は、空気調和機100の表示部100aのECOランプ20を点灯させる。
ECOランプ20点灯時に、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合は、リモコン200のガイダンス表示部220に省エネアドバイスの内容を表示する。
その省エネアドバイスの内容を表示した後に、最適な運転モードへの切り替えを奨励するガイド内容を表示する。ユーザーがそのガイド内容にしたがってリモコン200の操作を実行した場合は、空気調和機100はその運転内容に沿った運転を実行する。
運転モード変更後の所定時間(β時間)経過内に再度、ユーザーがECOアドバイスボタン210を押した場合は、先のガイダンスで奨励した運転モードの解除を実行するか否かのガイド表示を行なう。“設定を元に戻しますか?”といった内容となる(図55も参照)。
ユーザーが先の省エネ運転モードに対し快適性を優先するなどの場合は、アドバイス解除指示にのっとり運転モードを元に戻す動作を実行させることを特徴としている。
以下に省エネアドバイスの詳細な表現方法に関し記載する。赤外線センサ3を用いた窓検知アルゴリズムにおいて、暖房運転時において窓からの冷輻射の影響が大きいと空気調和機100が判断した場合は、以下のような表示内容をリモコン200のガイダンス表示部220に表示を行なう(図56)。
最初に、“壁面に冷たい場所があります”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり“カーテン・ドアを閉めると”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり“省エネになります”といった内容を5秒間表示する。
この省エネアドバイスの内容を表示することにより、ユーザーに省エネ行動を促すことを目的とする。
さらには、冷房運転中に知らないうちに外気温が室内設定温度より下がった場合などは、以下のような表示内容をリモコン200のガイダンス表示部220に表示を行なう(図57)。
最初に、“設定温度と外気温度が近づいています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり“送風運転でも快適です”という内容を5秒間表示し、さらに冷房運転から送風運転に切り替えるためのガイダンス表示を示す、“送風運転移行?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
このガイダンス内容に対し、ユーザーがECOアドバイスボタン210を押せば運転モードとして冷房運転から送風運転に変更されることを意味する。
図58は実施の形態1を示す図で、赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの冷房・除湿運転時の詳細内容を示す図である。図58により、赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの冷房・除湿運転時の詳細内容を説明する。このときの省エネアドバイスの内容は、例えば、以下に示すようなものであり、優先順位の大きい方から記載する。(1)アドバイス概要は、“ソフト省エネ効果を教える”であり、ユーザーにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気温度のみで制御しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“体感で体に感じる温度で運転”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“体感設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
(2)アドバイス概要は、“人の動きを検知し、滞留が一定時間を超えている場合は、人が集まった方が省エネ運転が可能なことを教える”であり、ユーザーにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“お部屋全体を空調しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“風よけで省エネになります”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“風よけ設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
(3)アドバイス概要は、“赤外線センサでの夏の日射、冬の低い輻射でドア/カーテンの開閉を確認し閉めることをすすめる”であり、ユーザーにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“壁面に暖かい場所があります”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“カーテン・ドアを閉めると”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“省エネになります”といった内容を5秒間表示する。
(4)アドバイス概要は、“足元が寒いユーザーに対してのワンポイントアドバイス”であり、ユーザーにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220の表示については省く。
(5)アドバイス概要は、“活動量を検知したときのアドバイス”であり、ユーザーにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気が汚れやすい状態です”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“ミストで浮遊菌を抑制します”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“ミスト設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。尚、“うっかりしていた”には、例えば、気づいていなかった、意識していなかった、忘れていた、などが含まれる。
図59は実施の形態1を示す図で、赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの暖房運転時の詳細内容を示す図である。図59により、赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの暖房運転時の詳細内容を説明する。このときの省エネアドバイスの内容は、例えば、以下に示すようなものであり、優先順位の大きい方から記載する。
(1)アドバイス概要は、“ソフト省エネ効果を教える”であり、ユーザーにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気温度のみで制御しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“体感で体に感じる温度で運転”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“体感設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
(2)アドバイス概要は、“人の動きを検知し、滞留が一定時間を超えている場合は、人が集まった方が省エネ運転が可能なことを教える”であり、ユーザーにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“お部屋全体を空調しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“風よけで省エネになります”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“風よけ設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
(3)アドバイス概要は、“赤外線センサでの夏の日射、冬の低い輻射でドア/カーテンの開閉を確認し閉めることをすすめる”であり、ユーザーにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“壁面に暖かい場所があります”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“カーテン・ドアを閉めると”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“省エネになります”といった内容を5秒間表示する。
(4)アドバイス概要は、“足元が寒いユーザーに対してのワンポイントアドバイス”であり、ユーザーにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“風向が上向きです足元寒くない?”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“風速自動で省エネになります”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“風速自動に設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
(5)アドバイス概要は、“活動量を検知したときのアドバイス”であり、ユーザーにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気が汚れやすい状態です”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“ミストで浮遊菌を抑制します”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“ミスト設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
以上のように、ユーザー自身、気が付きにくい又はわからない省エネの情報を、情報提示部のユーザーインターフェイス部110で伝えることで、ユーザーの省エネ行動を促すことができ、特に省エネ知識がなくてもリモコンに表示されたガイダンス内容を実行することにより省エネ運転が可能となる。
図51に示すリモコン200(遠隔制御装置)が備えるガイダンス表示部220は、変化に富んだ画像表示を行うために、各画素を格子状に均等配列したドットマトリクスタイプの液晶パネルを使用している。しかし、ガイダンス表示部220は、図51に示すように、液晶パネルが小さいため、図56〜図59に示すように、省エネアドバイス内容の表示を、所定の時間間隔(例えば、5秒)で、複数回(例えば、三回)に分けて表示しなければならいという制約がある。
そこで、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いるインターフェイス表示部301(図60参照)を有する変形例のリモコン300(遠隔制御装置)を用い、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いるインターフェイス表示部301に、省エネアドバイス内容を一括して表示させる例について説明する。
図60乃至図68は実施の形態1を示す図で、図60は変形例のリモコン300の外観正面図、図61はリモコン300のインターフェイス表示部301にシーンセレクト画面が表示され、カーソルが「急いで冷やしたい」にある状態を示す図、図62はリモコン300のインターフェイス表示部301にシーンセレクト画面が表示され、カーソルが「空気をキレイにしたい」に移動した状態を示す図、図63はリモコン300のインターフェイス表示部301にシーンセレクト画面が表示され、カーソルが「お客様をもてなしたい」に移動した状態を示す図、図64はリモコン300のインターフェイス表示部301に通常画面が表示された状態を示す図、図65はリモコン300のインターフェイス表示部301にシーンセレクト画面(メニュー画面)が表示され、ユーザーがシーンを選択するまでの状態を示す図((a)はカーソルが「急いで冷やしたい」にある状態、(b)はカーソルが「風にあたりたくない」にある状態、(c)はカーソルが「お客様をもてなしたい」にある状態)、図66はリモコン300のインターフェイス表示部301に、「シーン内容」、「シーン詳細設定」が表示された状態を示す図((d)は「シーン内容」、(e)〜(g)は「シーン詳細設定」)、図67はシーンセレクト「空気をキレイにしたい」のアニメーションを示す図、図68はシーンセレクト「お肌をケアしたい」のアニメーションを示す図である。
先ず、図60乃至図68を参照しながら、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いるインターフェイス表示部301(図60参照)を有する変形例のリモコン300(遠隔制御装置)の説明を行う。
図60に示す変形例のリモコン300の特徴は、通常のものに比べてユーザーが操作するボタンの数を大幅に減らしている点にある。詳細は、後述するが、リモコン300は扉を持たない。ユーザーが操作するボタンは、図60に示すボタンのみである。
図60に示す変形例のリモコン300は、図示しない空気調和機が停止中のため、リモコン本体310(遠隔制御装置本体)の前面上部のインターフェイス表示部301に、時刻のみが表示されている。
インターフェイス表示部301には、例えば、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いている。
従来のリモコンのインターフェイス表示部に用いているセグメント表示の表示制約(※決められた領域にて決められた内容でしか表示することができない機能制限)をなくし、インターフェイス画面内で自由な表現とアニメーションを展開することが可能となっている。
図51に示すリモコン200の設定情報表示部230は、セグメント表示のもので、決められた領域にて決められた内容でしか表示することができない。
インターフェイス表示部301の下方で、リモコン300の略中央部に、運転入/切ボタン302と、運転モード切換ボタン303とが配置されている。
運転モード切換ボタン303は、冷房ボタンと、除湿切換ボタンと、暖房ボタンとで構成される。
運転モード切換ボタン303の下方に、シーンボタン304と、しつど調節ボタン305と、温度調節ボタン306とが、一つの円の中に配置されている。
シーンボタン304は、シーンセレクトボタン304aと、上下ボタン304bと、決定ボタン304cとで構成される。
上下ボタン304bは、大きい円の中の中央部に配置され、円形状をなしている。上下ボタン304bは、一つのもので、ユーザーが上下ボタン304bの「△」部分を押すことにより、インターフェイス表示部301のカーソル(図61参照)が上方向に移動する。
ユーザーが上下ボタン304bの「△」部分を一回押すと、インターフェイス表示部301のカーソルは、一行上に移動する。
ユーザーが上下ボタン304bの「▽」部分を押すことにより、インターフェイス表示部301のカーソル(図61参照)が下方向に移動する。
ユーザーが上下ボタン304bの「▽」部分を一回押すと、インターフェイス表示部301のカーソルは、一行下に移動する。
シーンセレクトボタン304aと、しつど調節ボタン305と、決定ボタン304cと、温度調節ボタン306とが、ドーナッツ状に配置されている。
シーンボタン304の下に、戻るボタン307及びおしらせナビボタン308が、設けられている。戻るボタン307は、後述するが、例えば、設定終了などの機能を有する。
上記のレイアウトは、一例であって、図60の配置に限定されるものではない。リモコン300のレイアウトは、任意でよい。
リモコン300の使用方法について説明する。空気調和機100が停止している状態から、空気調和機100の運転を開始する場合、運転入/切ボタン302、もしくは運転モード切換ボタン303の冷房ボタンと、除湿切換ボタンと、暖房ボタンのいずれかを押すことで、空気調和機100は運転を開始する。
冷房運転を行いたいときは、運転入/切ボタン302、もしくは運転モード切換ボタン303の冷房ボタンを押す。運転入/切ボタン302を押す場合は、前回の運転モードになる。例えば、前回が冷房であれば、今回も冷房になる。前回の運転モードと異なる運転モードにしたい場合は、その運転モードのボタンをもう一度押す。例えば、前回が除湿運転で、今回冷房運転を行いたいときは、運転入/切ボタン302を押すと除湿運転が開始するが、運転モード切換ボタン303の冷房ボタンを押すことで冷房運転が開始される。
空気調和機100が停止している状態から、運転入/切ボタン302、もしくは運転モード切換ボタン303の冷房ボタンと、除湿切換ボタンと、暖房ボタンのいずれかを押すことで、空気調和機100は運転を開始するが、このとき、リモコン300のインターフェイス表示部301には、シーンセレクト画面が表示される(図61参照)。
詳細は後述するが、ユーザーがシーンセレクト選択実施後、所定時間経過すると、リモコン300のインターフェイス表示部301は通常画面(温度、湿度などの設定画面、図64参照)に切換わる。
リモコン300のインターフェイス表示部301が通常画面で、且つシーン未設定時に、シーンセレクト画面を表示させるには、シーンボタン304のシーンセレクトボタン304aを押すと、インターフェイス表示部301はシーンセレクト画面になる。
次に、シーンセレクトの内容の一例について説明する。インターフェイス表示部301に、生活シーンにあった最適なユーザーの気持ち(そのときに設定したい内容)を表示する。シーンセレクトの入力内容は、例えば、以下に示すとおりである。
(1)急いで冷やしたい(急いで暖めたい);
(2)風にあたりたくない(風にあたりたい);
(3)空気をきれいにしたい;
(4)部屋干ししたい;
(5)お肌をケアしたい;
(6)お客様をもてなしたい;
(7)快適に寝たい。
空気調和機100の運転開始時、もしくは空気調和機100の運転中にシーン設定のために、ユーザーがシーンボタン304のシーンセレクトボタン304aを押すと、リモコン300のインターフェイス表示部301は、例えば、図61に示すようなシーンセレクト画面(メニュー画面)になる。カーソルは、一番上の「急いで冷やしたい」にある。
ユーザーが選びたい入力内容にカーソルを移動するには、シーンボタン304の上下ボタン304bにより行う。例えば、「空気をキレイにしたい」を選ぶときは、図61の状態から、上下ボタン304bの「▽」部分を二回押すと、図62に示すように、カーソルは「空気をキレイにしたい」に移動する。
また、「お客様をもてなしたい」を選ぶときは、図61の状態から、上下ボタン304bの「▽」部分を五回押すと、図63に示すように、カーソルは「お客様をもてなしたい」に移動する。
以下、図65、図66を参照しながら、シーンセレクト画面(メニュー画面)における入力内容の選択、選択されたシーンの内容、及びシーン詳細設定の流れを説明する。
先ず、空気調和機100の運転開始時、もしくは空気調和機100の運転中にシーン設定のために、シーンボタン304のシーンセレクトボタン304aを押すと、リモコン300のインターフェイス表示部301は、例えば、図65(a)に示すようなシーンセレクト画面(メニュー画面)になる。カーソルは、一番上の「急いで冷やしたい」にある。
次いで、シーンボタン304の上下ボタン304bの「▽」部分をユーザーが一回押すと図65(b)に示すように、カーソルが「風にあたりたくない」に移動する。
ユーザーの設定したい内容は、「風にあたりたくない」ではなく、「お客様をもてなしたい」とする。そのため、ユーザーは、図65(c)に示すように、さらにシーンボタン304の上下ボタン304bの「▽」部分を四回押してカーソルを「お客様をもてなしたい」に移動させる。
カーソルが「お客様をもてなしたい」にある状態で、シーンボタン304の決定ボタン304cを押す。すると、リモコン300のインターフェイス表示部301には、図66(a)に示すように、シーン内容が表示される。
ここでは、例えば、「お客様をもてなしたい」の内容として、上から順に、「ハイパワー 30分」、「風 上向き」、「白金ナノコロイド」が表示される。
ここで、シーン内容がこのままでよければ、戻るボタン307を押してシーン終了となる。シーン終了後、所定時間経過すると、リモコン300のインターフェイス表示部301は、通常画面(温度、湿度などの設定画面)に変わる(図64参照)。
また、シーン内容の、例えば、「風 上向き」を切に変更したい場合は、ユーザーはシーンボタン304の決定ボタン304cを押す。すると、リモコン300のインターフェイス表示部1は、図66(e)のようなシーン詳細設定画面になる。
シーン詳細設定画面は、例えば、上から、「お客様をもてなしたい 切 入」、「ハイパワー 30分 切 入 時間変更」、「風 上向き 切 入 調整」、「白金ナノコロイド 切 入」が表示される。
図66(e)のシーン詳細設定画面での左端の三角のカーソルは、「ハイパワー 30分 切 入 時間変更」にある。
ここで、ユーザーが、「風 上向き」を切に設定変更したいとする。
そこで、ユーザーは、シーンボタン304の上下ボタン304bの「▽」部分を一回押して三角のカーソルを、「風 上向き 切 入 調整」に移動する。
そして、ユーザーは、決定ボタン4cを二回押して「風 上向き 切 入 調整」に設定を変更する(図66(f))。
さらに、ユーザーは、戻るボタン307を押して設定を終了する。すると、図66(g)に示すように、リモコン300のインターフェイス表示部301には、「お客様をもてなしたい」の内容として、上から順に、「ハイパワー 30分」、「白金ナノコロイド」が表示される。
その後、所定時間が経過すると、リモコン300のインターフェイス表示部301は、通常画面(温度、湿度などの設定画面)に切換わる(図64参照)。
図65(a)〜図65(c)のシーンセレクト画面(メニュー画面)について、補足する。例えば、図65(a)〜図65(c)では、リモコン300のインターフェイス表示部301の大部分は、シーンセレクト画面(メニュー画面)に使用されるが、インターフェイス表示部301の下部には、シーンセレクトの入力内容とともに、選択されている(カーソルがある)シーンに対応したアニメーションが夫々の図に示すように表示される。
図65(a)に示すようなカーソルが一番上の「急いで冷やしたい」にあるときは、同図に示されているように、人が太陽の光を浴びて汗をかいているアニメーションが、インターフェイス表示部301の下部に表示される。
図65(b)に示すようなカーソルが「風にあたりたくない」にあるときは、同図に示されているように、空気調和機からの調和空気が、人を避けて吹き分けられているアニメーションが、インターフェイス表示部301の下部に表示される。
図65(c)に示すようなカーソルが「お客様をもてなしたい」にあるときは、同図に示されているように、人(客)が家に近づいているアニメーションが、インターフェイス表示部301の下部に表示される。
尚、図65(a)〜図65(c)の各アニメーションは、同じものが表示されるのではなく、刻々と変化していく。図65(a)〜図65(c)では、その中の一画面を表示している。
図65(a)〜図65(c)のシーンセレクト画面(メニュー画面)でのアニメーションの表示方法には、二通りある。一つは、図65(a)〜図65(c)に示すように、シーンセレクト画面(メニュー画面)の下にアニメーションを表示する方法である。
他の一つは、最初はシーンセレクト画面のみが表示され、所定時間経過後(例えば、数秒後)にアニメーションが、リモコン300のインターフェイス表示部301の全画面に表示される。これにより、ユーザーはそのシーンの内容をよく理解できる。その後、アニメーション表示中の適当な時期に、ユーザーが決定ボタン304cを押すと、図66(d)のシーン内容に移行する。
次に、刻々と変化していくアニメーションの一例を示す。図67は、シーンセレクトが「空気をキレイにしたい」のときの、アニメーションの一例である。リモコン300のインターフェイス表示部301の最上部に、「白金ナノコロイド放出中」が表示される。アニメーションは、矢印の順に変化していく。図中、小さい円形、ひし形のものが、白金ナノコロイドである。白金ナノコロイドにより、空気中のウイルスが消滅もしくは小さくなっていくことがわかる。
図67に示すシーンセレクトが「空気をキレイにしたい」のときのアニメーションが、シーンセレクト画面で、「空気をキレイにしたい」にカーソルがきたときに、シーンセレクト画面の下、もしくはインターフェイス表示部301の全画面に表示される。
このように、空気をキレイにする方法として、空気中のウイルスを除去する機能をもつデバイスを運転させますといったことを、「白金ナノコロイドを放出中」という言葉による説明と、その機能内容をイメージさせるアニメーションを表示することを特徴としている。
空気中のウイルスを白金ナノコロイドにて除菌していく旨の内容をアニメーションにて表示することで、ユーザーに機能の内容をわかりやすく伝えることができる。それにより、空気調和機の持つ機能をユーザーが十二分に使いこなさせることで、より省エネな運転の励行をユーザーに実施させることができる。
図68は実施の形態1を示す図で、シーンセレクト「お肌をケアしたい」のアニメーションを示す図である。図68は、シーンセレクトが「お肌をケアしたい」のときの、アニメーションの一例である。リモコン300のインターフェイス表示部301の最上部に、「白金ナノコロイド放出中」が表示される。アニメーションは、矢印の順に変化していく。図中、小さい円形のものが、白金ナノコロイドである。白金ナノコロイドにより、人の顔に白金ナノコロイドが作用して、肌がうるおされることがわかる。
図69は実施の形態1を示す図で、シーンセレクトの内容を複数選択したときのシーンセレクト選択画面の拡大図である。このように、二つ(複数)のシーンセレクトを選択することができる。これによって、ユーザーが、一つのシーンセレクトの選択で気持ちを満足することができない場合など、さまざま条件・気持ちに対応することできることを特徴としている。
図69の例は、「急いで冷やしたい」、且つ「空気をキレイにしたい」の二つのシーンセレクトを選択している。二つ以上の複数のシーンセレクトの選択も可能である。
また、シーンセレクトの表示優先順番は、ユーザーの使用選択頻度により次回の選択画面から表示内容の順番を変更することを特徴とし、使用頻度の高いものから、インターフェイス表示部301の最上部から順に表示する。
また、複数選択の頻度、シーンセレクトの組み合わせを学習することでシーンセレクトの入力内容を変更していくことも特徴としている。
図70は実施の形態1を示す図で、リモコン300のインターフェイス表示部301に、「急いで冷やし、空気をキレイにしたい」のように組み合わせたシーンセレクトが表示された状態を示す図である。図70に示すように、例えば、「急いで冷やしたい」と「空気をキレイにしたい」とのシーンセレクト複数選択の頻度が多い場合は、「急いで冷やし、空気をキレイにしたい」のように組み合わせたシーンセレクトを新たに表示する。
このように、ユーザーの使い勝手にあった、生活にあったシーンセレクトを提供することを特徴としている。
また、リモコン300のインターフェイス表示部301にて製品機能を表示して説明することで、製品に付帯している空気調和機の取扱説明書のもつ機能を一部肩代わりすることを特徴としている。
本実施の形態の特徴を明白にするために、一般的な空気調和機のリモコン400について、簡単に述べる。
図76乃至図79は比較のために示す図で、図76は一般的なリモコン200の扉閉時の側面図、図77は一般的なリモコン200の扉開時の側面図、図78は一般的なリモコン200の扉閉時の正面図、図79は一般的なリモコン200の扉開時の正面図である。図76乃至図79を参照しながら、一般的な空気調和機のリモコン400について説明する。
図76乃至図79に示す一般的な空気調和機のリモコン400は、縦長なスティックタイプのものである。
リモコン400は、冷房、除湿、暖房などの運転モード、設定温度、設定湿度、風速、風向など空気調和機の運転状態を表示する表示部402が設けられている。
表示部402の下に、空気調和機の運転・停止を行う入/切ボタン403が設けられている。
入/切ボタン403の下に、温度の調節を行う温度調節ボタン407と湿度の調節を行う湿度調節ボタン404とが左右に並べて配置されている。
リモコン400は、温度の調節を行う温度調節ボタン407と湿度の調節を行う湿度調節ボタン404の下に、リモコン扉415を備える。リモコン扉415は下方に開く(図77参照)。
リモコン扉415の表面に、リモコン扉415が閉じた状態で操作が可能となるボタンが設けられている。図78に示すように、リモコン扉415の表面の上部に、冷房ボタン412、除湿切換ボタン411、暖房ボタン410が左右に並べて配置されている。
リモコン扉415の表面の略中央部に、空気調和機の情報を要求する、おしらせナビボタン413が設けられている。
おしらせナビボタン413の下で、リモコン扉415の表面の下部に、送風ボタン414、入タイマーボタン416、切タイマーボタン417が左右に並べて配置されている。
温度調節ボタン407及び湿度調節ボタン404の下に、リモコン扉415が開いたときに現れる詳細設定ボタン群405が設けられている(図79参照)。詳細設定ボタン群405は、例えば、室内機から吹き出される風速及び風向、タイマーなどの詳細設定を行うときに使用される。
詳細設定ボタン群405の最下部の中央に、リモコン扉415の開閉を検知する扉開閉検知スイッチ406が設けられている。
リモコン扉415の裏側に、リモコン扉415を閉めたときに扉開閉検知スイッチ406を押圧して、オフからオンにする突起(図示せず)が形成されている。
このように、一般的な空気調和機のリモコン400は、リモコン400の表面、リモコン扉415に多くのボタンがある。そのため、日常以外の生活シーンにおける適切なリモコン設定がわからないといった不安や、普段使わない機能はいざというときに使い方がわからず最後はあきらめてしまうといったような、複雑な操作と印象を与えてしまっているといった課題を有している。また、新しい付加価値名称を記載してあるボタンであっても、そのボタンを押したときの効果・機能がわからないといった課題を有している。
変形例のリモコン300は、既に述べたように、操作ボタンの数を一般的なリモコン400に比べて、大幅に減らしている。また、一般的なリモコン400のようなリモコン扉415も持たない。
複数のボタンを操作する代わりに、シーンボタン304だけの操作により、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクト(メニュー)を選択・決定することで様々な空気調和機100の制御が可能となる。
しかも、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクト(メニュー)は、ユーザーの日常生活のシーンを言葉で表現するものであり、且つそのシーンをアニメーションで表示する。従って、ユーザーは、付加価値機能に迷うことなく、あきらめることなく空気調和機100の付加機能をフルに使うことができる。
リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクト(メニュー)の数が多く、インターフェイス表示部301に一度に表示できない場合は、スクロールにより全シーンセレクトの選択・決定を可能とする。
リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクト(メニュー)と、一般的なリモコン400の各種ボタンとの関係について、若干触れる。
例えば、シーンセレクトの「急いで冷やしたい」は、一般的なリモコン400の詳細設定ボタン群405の中の「ハイパワーボタン」(図示で特定していない)に相当する。
また、シーンセレクトの「風にあたりたくない」は、一般的なリモコン400の詳細設定ボタン群205の中の「風あて/風よけボタン」(図示で特定していない)に相当する。
また、シーンセレクトの「空気をキレイにしたい」は、一般的なリモコン400の「ミストボタン」(図示で特定していない)に相当する。
また、シーンセレクトの「お肌をケアしたい」は、一般的なリモコン400の「ミストボタン」(図示で特定していない)に相当する。
また、シーンセレクトの「部屋干ししたい」は、一般的なリモコン400の「ランドリーボタン」(図示で特定していない)に相当する。
また、シーンセレクトの「快適に寝たい」は、一般的なリモコン400の「ねむりボタン」(図示で特定していない)に相当する。
このように、一般的なリモコン400の各種ボタンを、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクトの入力内容に置き換えることができる。以上の説明では、一般的なリモコン400の一部のボタンと、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクトの入力内容との関係を説明した。説明は省くが、一般的なリモコン400の全てのボタンを、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクトに置き換えることができる。
このように、変形例のリモコン300は、一般的なリモコン400の数が多くて理解しにくいボタンを廃止して、インターフェイス表示部301に表示されるシーンセレクトに置き換え、シーンセレクトをユーザーの日常生活のシーンを言葉で表現し、且つそのシーンをアニメーションで表示するので、ボタン入力ではなく、ユーザーの日常生活のシーンを言葉で表現する入力にすることで、付加価値機能に迷うことなく、且つあきらめることなく空気調和機100の付加機能をフルに使うことができ、空気調和機100の省エネを容易に実現することを可能とする。
さらに、生活シーン入力にて選択したユーザーニーズを実現する空気調和機100の付加機能の効果を、言葉による表現とアニメーションにて表現することでベネフィットを容易に伝えることを可能とし、製品に付帯する取扱説明書をわざわざ見る手間と必要性をなくしたことを特徴とする。
図71乃至図75は実施の形態1を示す図で、図71はリモコン300のインターフェイス表示部301に、暖房運転時の「ソフト省エネ効果を教える」の省エネアドバイスを一括表示する図、図72はリモコン300のインターフェイス表示部301に、暖房運転時の「人の動きを検知し、滞留が一定時間を超えている場合は、人が集まった方が省エネ運転が可能な事を教える」の省エネアドバイスを一括表示する図、図73はリモコン300のインターフェイス表示部301に、暖房運転時の「ムーブアイでの夏の日射、冬の低い輻射でドア/カーテンの開閉を確認し閉めることをすすめる」の省エネアドバイスを一括表示する図、図74はリモコン300のインターフェイス表示部301に、暖房運転時の「足元が寒いユーザーに対してのワンポイントアドバイス」の省エネアドバイスを一括表示する図、図75はリモコン300のインターフェイス表示部301に、暖房運転時の「活動量を検知したときのアドバイス」の省エネアドバイスを一括表示する図である。
図58、図59に示した省エネアドバイスの内容を、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いるインターフェイス表示部301(図60参照)を有する変形例のリモコン300(遠隔制御装置)のインターフェイス表示部301に一括表示させる表示例について、図71乃至図75を参照しながら説明する。
図58、図59において、リモコン200のガイダンス表示部220(変化に富んだ画像表示を行うために、各画素を格子状に均等配列したドットマトリクスタイプの液晶パネルを使用している)に表示される詳細な省エネ運転情報(おすすめ運転や省エネアドバイスに関する情報)は、ガイダンス表示部220の面積が小さいために一括して表示することができず、アドバイス内容の表示1、表示2、表示3を順番に所定の時間(例えば、5秒)表示するようにしている。
変形例のリモコン300(遠隔制御装置)のフルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いるインターフェイス表示部301(図60参照)には、アドバイス内容の表示1、表示2、表示3(図58、図59参照)を一括して表示することが可能となる。
図59の赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの暖房運転時の詳細内容を、変形例のリモコン300のインターフェイス表示部301に一括表示する具体例を図71乃至図75に示す。
図71は、図59のアドバイス概要が「ソフト省エネ効果を教える」である場合の、アドバイス内容を一括して、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示している。
即ち、インターフェイス表示部301には、最上部に時刻が表示され、その下に運転モード(ここでは、暖房)、設定温度(20.5℃)、設定湿度(50%)が表示される。そして、それらの下に、「おしらせナビ」として、“空気温度のみで制御しています”、“体感で体に感じる温度で運転”、
“体感温度? はい:“エコ”押す いいえ:放置”が一括表示される。これにより、ユーザーは一度にアドバイス内容の全体を見ることができる。
図72は、図59のアドバイス概要が「人の動きを検知し、滞留が一定時間を超えている場合は、人が集まった方が省エネ運転が可能な事を教える」である場合の、アドバイス内容を一括して、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示している。
即ち、インターフェイス表示部301には、最上部に時刻が表示され、その下に運転モード(ここでは、暖房)、設定温度(20.5℃)、設定湿度(50%)が表示される。そして、それらの下に、「おしらせナビ」として、“お部屋全体を空調しています”、“風よけで省エネになります”、“風よけ設定? はい:“エコ”押す いいえ:放置”が一括表示される。これにより、ユーザーは一度にアドバイス内容の全体を見ることができる。
図73は、図59のアドバイス概要が「赤外線センサでの夏の日射、冬の低い輻射でドア/カーテンの開閉を確認し閉めることをすすめる」である場合の、アドバイス内容を一括して、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示している。
即ち、インターフェイス表示部301には、最上部に時刻が表示され、その下に運転モード(ここでは、暖房)、設定温度(20.5℃)、設定湿度(50%)が表示される。そして、それらの下に、「おしらせナビ」として、“壁面に冷たい場所があります”、“カーテン・ドアを閉めると”、“省エネになります?”が一括表示される。これにより、ユーザーは一度にアドバイス内容の全体を見ることができる。
図74は、図59のアドバイス概要が「足元が寒いユーザーに対してのワンポイントアドバイス」である場合の、アドバイス内容を一括して、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示している。
即ち、インターフェイス表示部301には、最上部に時刻が表示され、その下に運転モード(ここでは、暖房)、設定温度(20.5℃)、設定湿度(50%)が表示される。そして、それらの下に、「おしらせナビ」として、“風向が上向です 足元寒くない?”、“風速自動で省エネになります”、“風向自動に設定? はい:“エコ”押す いいえ:放置”が一括表示される。これにより、ユーザーは一度にアドバイス内容の全体を見ることができる。
図75は、図59のアドバイス概要が「活動量を検知したときのアドバイス」である場合の、アドバイス内容を一括して、リモコン300のインターフェイス表示部301に表示している。
即ち、インターフェイス表示部301には、最上部に時刻が表示され、その下に運転モード(ここでは、暖房)、設定温度(20.5℃)、設定湿度(50%)が表示される。そして、それらの下に、「おしらせナビ」として、“空気が汚れやすい状態です?”、“ミストで浮遊菌を抑制します”、“ミスト設定? はい:“エコ”押す いいえ:放置”が一括表示される。これにより、ユーザーは一度にアドバイス内容の全体を見ることができる。
図80乃至図83は実施の形態1を示す図で、図80は変形例のリモコン500の外観正面図、図81は変形例のリモコン500の外観側面図、図82は変形例のリモコン500の内部構成を示す概念正面図、図83は加速度センサ520の基本構成図である。
図80乃至図82に示す変形例のリモコン500は、図60に示すリモコン300と同様、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いるインターフェイス表示部501を有する。
変形例のリモコン500の最大の特徴は、図80、図82に示すように、リモコン500が加速度センサ520を内蔵している点である。図80、図82の例では、加速度センサ520はインターフェイス表示部501の上に配置されている(リモコン500の正面から見た際の最上部)。
図80に示す変形例のリモコン500は、リモコン300と同様に、通常のものに比べてユーザーが操作するボタンの数を大幅に減らしている。リモコン500は扉を持たない。ユーザーが操作するボタンは、図80に示すボタンのみである。
図80に示す変形例のリモコン500は、図示しない空気調和機が停止中のため、リモコン本体510(遠隔制御装置本体)の前面上部のインターフェイス表示部501に、時刻のみが表示されている。
インターフェイス表示部501には、例えば、フルドット(255*160)LCD(液晶ディスプレイ)を用いている。
従来のリモコンのインターフェイス表示部に用いているセグメント表示の表示制約(※決められた領域にて決められた内容でしか表示することができない機能制限)をなくし、インターフェイス画面内で自由な表現とアニメーションを展開することが可能となっている。
インターフェイス表示部501の下方で、リモコン500の略中央部に、運転入/切ボタン502と、運転モード切換ボタン503とが配置されている。
運転モード切換ボタン503は、冷房ボタンと、除湿切換ボタンと、暖房ボタンとで構成される。
運転モード切換ボタン503の下方に、シーンボタン504と、しつど調節ボタン505と、温度調節ボタン506とが、一つの円の中に配置されている。
シーンボタン504は、シーンセレクトボタン504aと、上下ボタン504bと、決定ボタン504cとで構成される。
上下ボタン504bは、大きい円の中の中央部に配置され、円形状をなしている。上下ボタン504bは、一つのもので、ユーザーが上下ボタン504bの「△」部分を押すことにより、インターフェイス表示部501のカーソルが上方向に移動する。
ユーザーが上下ボタン504bの「△」部分を一回押すと、インターフェイス表示部501のカーソルは、一行上に移動する。
ユーザーが上下ボタン504bの「▽」部分を押すことにより、インターフェイス表示部501のカーソルが下方向に移動する。
ユーザーが上下ボタン504bの「▽」部分を一回押すと、インターフェイス表示部501のカーソルは、一行下に移動する。
シーンセレクトボタン504aと、しつど調節ボタン505と、決定ボタン504cと、温度調節ボタン506とが、ドーナッツ状に配置されている。
シーンボタン504の下に、戻るボタン507及びおしらせナビボタン508が、設けられている。戻るボタン507は、例えば、設定終了などの機能を有する。
上記のレイアウトは、一例であって、図80の配置に限定されるものではない。リモコン500のレイアウトは、任意でよい。
ここで、加速度センサ520について説明する。加速度センサ520は、三次元の各成分ごとに加速度(その他、力、磁気)等の物理量を検出しうる小型のセンサであり、シリコンなどの半導体基板にゲージ抵抗を形成し、外部から加わる力に基づいて基板に生じる機械的な歪みを、ピエゾ抵抗効果を利用して電気信号に変換するものである。基本的な原理は、例えば、国際出願(WO 93/02342)に開示されている。
図83に示す加速度センサ520は、3軸の力・モーメントを検出する3軸力・モーメントセンサである。加速度センサ520は、台座521にSi基板522(起歪体)が固定され、さらにSi基板522(起歪体)に重錘体523が接合されている。
Si基板522に加わる力によってSi基板522上に形成されたピエゾ抵抗体(図示せず)に歪が生じる。ピエゾ抵抗体の電気抵抗は、ピエゾ抵抗効果に基づき歪に比例して変化する。この抵抗変化を利用して力を検出する。
Si基板522にダイヤフラムを形成し、Si基板522を起歪体とすることで3軸加速度センサとして機能する。
Si基板522表面には、3軸の加速度成分を検出するための3組のゲージ抵抗が形成されている。Si基板522裏面には、環状のダイヤフラムが形成され、中央部に重錘体523が、周辺部に台座521が接合されている。
重錘体523にXまたはY軸方向またはZ軸方向の加速度が作用すると、環状のダイヤフラムはそれぞれの方向に変位する。このとき、Si基板522に形成されたゲージ抵抗をブリッジ回路に接続することにより、各軸加速度が独立して検出できる。
図80、図81に示すように、加速度センサ520の3軸の方向は、リモコン500の正面方向において、上下方向をY軸、横方向(左右方向)をX軸とし、リモコン500の側面方向において、左右方向(リモコン500の前後方向)をZ軸とする。
尚、加速度センサ520は、3軸の加速度成分を検出するものを示したが、以下の実現機能において、加速度センサ520は1軸の加速度成分を検出するものでもよい。加速度センサ520は、少なくとも、1軸以上の加速度成分を検出可能なものとする。
図82に示すように、リモコン500の内部構成は、例えば、上から加速度センサ520(もしくは加速度センサ基板)、インターフェイス表示部501、制御基板530、無線モジュール540(例えば、2.4GHz無線モジュール)の順に配置されている。但し、このレイアウトは、一例であって、これに限定されるものではない。
制御基板(図示せず)上に搭載された加速度センサ520(もしくは加速度センサ基板)を、ユーザーが手にとって各種信号ボタンを押すリモコン500(スティック型リモコン)において、リモコン500をユーザーが手にする位置から離れた位置に搭載している。即ち、図82に示すように、加速度センサ520はインターフェイス表示部501の上に配置されている(リモコン500の正面から見た際の最上部)。通常、ユーザーがリモコン500を手にする位置は、例えば、図82の制御基板530付近である。
リモコン500(ステッィク型リモコン)を、ユーザーが手にする握り位置から加速度センサ520(もしくは加速度センサ基板)までの距離Lがあればあるほどリモコン500を持ちあげたとき、又はリモコン500を前後、左右に振った際に精度のよい、加速度センサ520の検出出力を得ることが可能となる。
具体的には、例えば、従来リモコンと空気調和機本体との通信を行うためにリモコン側に搭載していた赤外線通信部の搭載位置、つまりリモコン正面から見た際の最上部に加速度センサ520を搭載させる。
空気調和機本体との通信に必要となっていた赤外線通信部(指向性あり)に代わって、無線モジュール540(無線モジュール通信部)を用い、無線モジュール540をリモコン500の正面から見た際の最下部に搭載することで加速度センサ520の搭載スペースを確保することができる。
従来の赤外線通信を用いたリモコンから空気調和機本体に対し信号を発信する際は、リモコン表面上に搭載されたボタンを押すことをトリガーとし信号を発信している。
図82に示すような構成にて、リモコン500に加速度センサ520を搭載することにより、リモコンボタンを押すことなく、リモコン500を持ちあげる、前後もしくは左右もしくは上下(もしくはその他の動作)にリモコン500を振ることで要求の信号を発信させることを可能とする。且つ、無線モジュール540を併用することで、従来、空気調和機本体の受信部に向かってリモコンの送信部を向ける必要があったが、指向性の影響を受けない空気調和機本体との通信を可能としている。
次に、本構成のリモコン500と空気調和機本体とに関するアプリケーションについて説明する。主婦などリビングに一人で居る時などは、自分だけ空気調和機を運転するのは勿体ないといった気持ちで我慢している状況が見受けられる。現在の空気調和機においては、運転中において電気代又は、環境温度情報を得ることができているが、主婦などは、運転する前に、これから使用開始する際の目安となる電気代、もしくはその時の環境条件を確認したい要望を持っているが応える術を有していない。そこで本構成のリモコン500を用いることで課題を克服する。
空気調和機の運転停止中において、ユーザーがリモコン500を持ちあげた際に、その時の環境条件情報(室内温度、湿度等)並びに電気代等の運転前情報を提供する。
今まで空気調和機の使用を我慢していたユーザーに運転前情報提供することで、省エネ意識の更なる向上と個人個人の感覚に対し定量的な指標を提供することが可能となった。
次に運転前情報について説明する。上述のように空気調和機の運転停止中において、空気調和機本体側の制御部からリモコン500を持ちあげた際に、リモコン500のインターフェイス表示部501に情報を提供する。空気調和機が運転停止中、且つリモコン500が机の上等に置かれている状態においては、リモコン500のインターフェイス表示部501には、時刻以外は何の表示もされていない(図80参照)。
尚、以下に示す制御は、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータによって行われる。ここでも、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータを、「制御部」と定義する。以下の説明では、一々夫々の制御を制御部(所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータ)が行うという記載は省略する。
ユーザーがリモコン500を持ちあげた時に、リモコン500内部に搭載した3軸の加速度センサ520の出力をトリガーとして、無線通信を行い空気調和機本体(制御部)とリモコン500間で双方向通信を行う。その時、空気調和機が運転停止中に検知していた環境条件情報並びに運転前電気代情報の最新データとの通信を完了させ、リモコン500のインターフェイス表示部501に表示させる。
リモコン500の構成として、無線モジュール540(無線モジュール通信部)がない、従来の赤外線通信部(指向性あり)の構成においても、本運転前情報(室内環境条件情報並びに運転前電気代情報)の表示を可能とする。空気調和機の運転中に演算された運転前情報(環境条件情報ならびに運転前電気代)は、リモコン500の赤外線通信部から運転停止信号を空気調和機の本体に送信した後、本体から情報を得る。リモコン500は空気調和機本体からの上記情報を保持することで、運転停止中おいて運転前情報(環境条件情報ならびに運転前電気代)を表示することが可能となる。
図84、図85は実施の形態1を示す図で、図84はリモコン500のインターフェイス表示部501に表示された室内環境情報(情報1)を示す図、図85はリモコン500のインターフェイス表示部501に表示された、おすすめ運転開始時における電気代情報(情報2)を示す図である。
運転前情報(空気調和機が運転停止中に検知していた室内環境条件情報並びに運転前電気代情報)は、2画面構成にてインターフェイス表示部501に表示を行う。まず、一画面は、図84の情報1に記載されたように、室内環境条件を表示させる。室内環境条件としては、
(1)室内の温度;
(2)室内の湿度;
が挙げられる。上記以外に、床温度等の輻射温度を表示してもよい。
図84の情報1による室内環境情報の提供を行った後、図85の情報2に記載された、おすすめ運転開始時における電気代情報を提供する。リモコン500のインターフェイス表示部501における情報1から情報2に移行させる仕様としては、情報1を表示してから数秒後、ユーザーが室内環境条件情報を理解に要する時間を経過後に、情報2の画面に移行する。また、ユーザーが任意に情報2の画面に移行させることも可能とする。ユーザーが任意に情報2の画面に移行させるには、例えば、リモコン500の内部に搭載した加速度センサ520の出力信号をもとに画面遷移を行う。
情報1(図84)の画面情報が表示されている状態で、例えば、リモコン500を左右方向(X軸方向)に振ることにより、情報2(図85)の画面に移行する。
リモコン500の内部に搭載した加速度センサ520のX軸の出力を基準として状態遷移させることを可能とする。同様に、前後(Z軸方向)、上下(Y軸方向)もしくはリモコン500を手に取りながら大きく円を描くような動作を行っても可能とする。基本、リモコン500の内部に搭載した加速度センサ520の出力信号をもとに画面遷移を行うことを特徴としている。
次に情報2について説明する。情報2においては、
(1)一人用(一人用モード)の一時間あたりの電気代;
(2)部屋全体(部屋全体モード)を空調した際の電気代;
(3)急速(ハイパワーモード、急速暖めモード)に運転開始した際の電気代;
が、室内環境情報(温度、しつど)とともにリモコン500のインターフェイス表示部501に表示される。
このように、ユーザーの生活シーンによる時間当たりの電気代を表示することで、ユーザーへキメ細かな情報の提供を可能とする。
リモコン500のインターフェイス表示部501に、おすすめ運転の電気代が表示されている状態から、ユーザーがインターフェイス表示部501に表示された情報2の画面において、表示されたユーザーの生活シーン毎の電気代情報をリモコン500の上下ボタン504bにて選択、決定ボタン504cを押すことで運転開始を可能とすることを特徴としている。
従来ユーザーが空気調和機の運転を開始する場合は、リモコンの表面に搭載されたダイレクトボタンを押すことで開始する。通常、ダイレクトボタンとは、運転入/切ボタン502、運転モード切換ボタン503(冷房ボタン、除湿切換ボタン、暖房ボタン)のことである。
また、リモコン500のインターフェイス表示部501に情報1を表示してから数秒後、ユーザーが室内環境情報を理解に要する時間を経過後に、情報2の画面に移行する。その後、リモコン500のボタン(例えば、上下ボタン504b)を押すことなく、加速度センサ520の出力を用いる入力手段でも、空気調和機の運転を開始することができる。即ち、ユーザーがインターフェイス表示部501に表示された情報2の画面において、表示されたユーザーの生活シーン毎の電気代情報をリモコン500を、以下のいずれかの動作により選択・決定することも可能である。
(1)リモコン500を手に取りながら左右方向(X軸方向)に振る;
(2)リモコン500を手に取りながら前後方向(Z軸方向)に振る;
(3)リモコン500を手に取りながら上下方向(Y軸方向)に振る;
(4)リモコン500を手に取りながら大きく円を描くような動作。
例えば、ユーザーがインターフェイス表示部501に表示された情報2の画面において、リモコン500を「左右方向(X軸方向)に振る」もしくは「前後方向(Z軸方向)に振る」もしくは「上下方向(Y軸方向)に振る」ことで、表示されたユーザーの生活シーン毎の電気代情報を選択する(リモコン500のボタン(例えば、上下ボタン504b)を押すことなく)。そして、例えば、「リモコン500を手に取りながら大きく円を描くような動作」により、決定することができる(リモコン500の決定ボタン504cを押すことなく)。
但し、上記の方法以外にも、ユーザーがインターフェイス表示部501に表示された情報2の画面において、リモコン500を「左右方向(X軸方向)に振る」もしくは「前後方向(Z軸方向)に振る」もしくは「上下方向(Y軸方向)に振る」もしくは「リモコン500を手に取りながら大きく円を描くような動作」のいずれかにより、表示されたユーザーの生活シーン毎の電気代情報を選択する(リモコン500のボタン(例えば、上下ボタン504b)を押すことなく)。そして、表示されたユーザーの生活シーン毎の電気代情報を選択に使用した動作を除く、上記いずれかのリモコン500の動作により、決定することもできる(リモコン500の決定ボタン504cを押すことなく)。
尚、運転モード(冷房、除湿、暖房)を切り替える手段として、リモコン500を前後方向に振る(加速度センサ520のZ軸方向の出力にてカーソル移動をコントロールさせる)、もしくはリモコン500を左右方向に振る(加速度センサ520のX軸方向の出力にてカーソル移動をコントロールさせる)ことで、運転モード(冷房、除湿、暖房)のいずれかを選択する。
そして、選択した運転モード(冷房、除湿、暖房のいずれか)で運転を開始させるために、上下方向に振る(加速度センサ520のY軸方向の出力で運転を開始させる)ことで決定させることも可能である。リモコン500のボタンを押すことのなく容易に運転開始を行なうことが可能である。
図86は実施の形態1を示す図で、表示部100aを有する空気調和機100の外観図(リモコン500を持ちあげた際に、リモコン500と空気調和機本体との情報の双方通信を行っていることを本体側のECOランプ20の色を変えることで表示する)である。
次にリモコン500を持ちあげた際に、リモコン500と空気調和機本体との情報の双方通信を行なっていることを本体側の表示機能とリンクさせることで表現している。図86に示すように、お知らせナビ表示(ECOランプ20)の色を変えることで本機能の実現を表現させる。
運転中にユーザーが気がつきにくい省エネ情報を、空気調和機が伝えるお知らせナビ機能に有している表示ボタン(ECOランプ20)の色を変えて表示することで本機能を表現させている。
通常運転中に発するお知らせナビランプ(ECOランプ20)は緑色にて表示しているが、本機能では赤色又は青色にて表示させる。お知らせランプ(ECOランプ20)の表示色切替は、3色LED(発光ダイオード)を搭載することで実現する。但し、通常運転中と本機能とのお知らせランプ(ECOランプ20)の表示色は、上記以外のものでもよい。通常運転中と本機能とでの表示色が異なればよい。
図87乃至図90は実施の形態1を示す図で、図87はリモコン500と空気調和機本体との情報の双方通信を行っていることを三つのLED550a,LED550b,LED550cを交互に点灯させることで表示させる空気調和機100の外観図、図88は図87のX部拡大図、図89はリモコン500と空気調和機本体との情報の双方通信を行っていることを三つの複数のLED560を交互に点灯させることで表示させる空気調和機100の外観図、図90は図89のY部拡大図である。
運転中にユーザーが気がつきにくい省エネ情報を、空気調和機が伝えるお知らせナビ機能に有している表示ボタン(ECOランプ20)の色を変えて表示することで本機能を表現させる例を示したが、図87乃至図90に示すような複数のLEDを搭載し、LEDを交互に点灯させることで表示させてもよい。
例えば、図87、図88に示すように、空気調和機の前面に設けられた三つのLED550a,LED550b,LED550cを交互に点灯させることで、本機能を表現させてもよい。
また、例えば、図89、図90に示すように、空気調和機の前面の略中央部に設けられた三つのLED560a,LED560b,LED560cで構成される一対のLED560を、二つのLED560a、次に二つのLED560b、さらに次に二つのLED560cを点灯させ、これを繰り返すことで、本機能を表現させてもよい。
本機能においては、LEDを用いることによる表示手段であるが、音声を用いた表示手段も可能である。
次に運転前情報の情報1、情報2の生成仕様について説明する。先ず、情報1は、以下に示す項目を表現している。
(1)室内温度;
(2)室内湿度(もしくは床温度);
(3)快適指数。
室内温度、室内湿度(もしくは床温度)に関しては空気調和機の運低停止中であるが、30分に一度空気調和機の室内機電源をONさせその時の室温、湿度センサ、床温度のデータを蓄積していく。蓄積手段は、移動平均処理にて実施する。テータ検知のサンプリングは、室内温度の一日の温度変化の状況で可変させることを特徴としている。30分毎に蓄積された室内温度又は湿度情報の移動平均値と、サンプリング時に検知可能とした生検出温度との差異が閾値Δ以上の差異が発生した場合は、サンプリング時間を20分又は10分毎に可変し室内温度変化に追従させていくことを特徴とする。
通常、室内空間内の室温ならびに湿度の1日における温度勾配は大きなものではないが、ユーザーが雨の日に窓を開けた際などに生じる大きな勾配に追従させることを特徴としている。また空気温度/湿度と、床温度の温度勾配は大きく異なるので、サンプリングによる移動平均化処理は独立して実施していることを特徴としている。
次に床温度の検知であるが、8素子の赤外線センサ3(図4参照)を停止中に左右方向に動かしてセンシングする(通常運転中と同様な赤外線センサ3の動作)と運転停止中の待機電力制限により実現ができないので、赤外線センサ3から検知したユーザーの生活エリア情報(例えば、図26)を用いて、運転停止中は生活エリアの位置を検知可能とする箇所で停止しセンシングを行うことを特徴としている。
次に快適指数の生成について記述する。上記で検出を行った室内温度、室内湿度、床温度情報をもとに体感温度を算出している。運転停止中に生成された体感温度と、ユーザーが通常冷房暖房運転時に設定している体感温度設定との差異をインジケータにて表現していることを特徴としている。
例えば、ユーザーが冷房運転時に体感冷房運転を体感28度設定にて運転した場合と、運転停止中にユーザーが我慢している状況にて算出された体感温度が31度の場合は、31度と28度のと差分温度である3degを快適状態から深い状態のほうへ現在の位置を表すことを特徴としてる。同様に快適指数といった表現を省エネ指数とし、政府推奨温度(暖房20度、冷房28度)と運転停止中に算出された体感温度との差異を表現してもよい。
次に運転前情報の情報2について記述する。運転前情報の情報2は、以下に示す燃費データの算出を記述する
(1)1人用にて運転された際の燃費データの算出;
(2)赤外線センサ検知結果により求められる生活エリア領域を空調した際の燃費データの算出。
ここで言う燃費は、単位時間当たりに使用される電気代と定義し、基本単位時間当たりに消費される積算消費電力の実測データから算出する。以下、燃費を算出する手段を記載する。
単位時間あたりに消費される積算消費電力は、下記に示すように運転中に消費している総積算電力量(kWh)に対し総累積積算運転時間(h)にて割ることで求める。即ち、
単位時間当たりの消費電力量[kWh/h]=総積算電力量[kWh]/総累積運転時間[h]
上記により、ユーザーの運転使用条件全てを反映した単位時間当たりの消費電力を求めることができる。この値は、過去の使い方を(実績)に基づく実績値であり、この実績データを基準に予測値を計算させる。またこの燃費データは、空気調和機の運転モードである暖房運転、冷房運転、除湿単独運転の3モード毎ここに演算をしている。
上記記述の総累積運転時間の計測と同時に、赤外線センサ3のエリア検知発生頻度を蓄積データとして計測しエリア空調状態の発生比率を算出する。赤外線センサ3は、30秒毎に、ユーザーの検知エリアを検出している。
総累積運転時間に対する赤外線センサ3からのエリア検知比率をもとにユーザーの生活シーンを想定する。例えば、検知エリアが1エリアの状態での発生比率が高い場合は、生活シーンの運転状況から推測すると1人用で運転した使い方であるとし、実測データのそのものが1人用の予測電気代となる。したがって実測データの基準値を、赤外線センサ3の検知エリア発生比率とすることでエリア毎の省エネ補正係数を乗じることで、
(1)1人運転時の予測電気代;
(2)生活エリアが結果的に4エリアである場合;
なども同様な考え方で補正することを特徴とする。
図91は実施の形態1を示す図で、消費電力量を深夜、朝、昼、夜の各時間帯に応じたメモリの場所へ積算する様子を示す図である。リモコン500のインターフェイス表示部501に表示する1時間あたりの電気代は、上記で算出した消費電力量に主要電力会社の電気代単価を乗じることで求める。図91に示すように、主要電力会社の電気代単価を24時間の時間毎に深夜料金、朝料金、昼料金、夜料金と個別に持つこととする。ユーザーの電力会社との契約により厳密にはさまざまな料金設定が存在している状況であるが、基本的な料金単価は、朝料金と夜料金を同一料金とした3つのモードで演算することを特徴とする。
本実施の形態の基本アプリケーションであるリモコン500を手にしたときの電気代表示は、リモコン500の時計時間を持ってこの電気料金単価を選択することを特徴としている。なお、電気代単価設定は、リモコン500の設定条件でユーザー毎に設定可能である。したがって深夜電力契約を行なっていないユーザーは、上記記載の3モードの電気料金を同一単価料金に設定すれば、ユーザーの契約にあった精度のよい電気代のリモコン表示が可能となる。
図92は実施の形態1を示す図で、体感温度率による省エネ変化率テーブルを示す図である。さらには、通常ユーザーが快適な環境を実現するために設定している環境温度条件(体感温度設定)と、運転前の環境温度条件(体感温度状態)との温度差を持って補正テーブルから補正を行なう。以上により求める電気代は下記の通りとなる。
単位時間当たりの消費電力量の予測値[kWh/h]={単位時間当たりの消費電力量[kWh/h]}×{100−(実績値の修正比率[%])}/100
これにより電気代は、
電気代燃費[円/h]=(単位時間当たりの消費電力量の予測値[kWh/h])×電気代単価(時間毎単価)
図93は実施の形態1を示す図で、湿度差による省エネ変化率テーブルを示す図である。運転モードが除湿運転のときは、図93に示す湿度差による省エネ変化率テーブルを用いる。
以下、本発明の実施の形態における空気調和機の特徴を再言する。
本発明の実施の形態における空気調和機は、
部屋の空気を吸い込む吸込口と調和空気を吹き出す吹出口とを有する略箱状の本体と、
当該空気調和機の運転を制御する制御部と、
遠隔制御装置本体と、前記遠隔制御装置本体内に設けられる加速度センサと、フルドットの液晶ディスプレイで構成されるインターフェイス表示部と、を有し、ユーザーが当該空気調和機の運転を制御する遠隔制御装置と、
前記制御部と前記遠隔制御装置との間で双方向通信を行う通信部と、を備え、
前記ユーザーが前記遠隔制御装置を持ち上げることで、運転前情報が前記インターフェイス表示部に表示される。
前記遠隔制御装置はスティック型のものであり、前記加速度センサは、前記ユーザーが手にする位置から離れた箇所に搭載される。
前記遠隔制御装置の前記通信部は、無線モジュールで構成される。
前記運転前情報は、先ず前記制御部が当該空気調和機が運転停止中に検知していた室内環境条件情報と、続いて表示される運転前電気代情報とで構成される。
前記室内環境条件情報から前記運転前電気代情報への移行は、以下のいずれかによる。
(1)前記ユーザーが室内環境条件情報を理解に要する時間を経過後に自動的に移行する。
(2)前記遠隔制御装置の内部に搭載された前記加速度センサの出力信号をもとに移行する。
前記室内環境条件情報は、室内の温度、室内の湿度もしくは床温度等の輻射温度で構成される。
前記運転前電気代情報は、
(1)一人用の一時間あたりの電気代
(2)部屋全体を空調した際の電気代
(3)急速に運転開始した際の電気代
で構成される。