JP5839237B2 - アルミニウム合金線、アルミニウム合金撚り線、被覆電線、及びワイヤーハーネス - Google Patents

アルミニウム合金線、アルミニウム合金撚り線、被覆電線、及びワイヤーハーネス Download PDF

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Description

本発明は、電線の導体に用いられるアルミニウム合金線及びアルミニウム合金撚り線、この合金線や撚り線を導体とする被覆電線、この被覆電線を具えるワイヤーハーネスに関するものである。特に、極細であって、高強度・高導電率を有しながら伸びにも優れるアルミニウム合金線に関するものである。
従来、自動車などの搬送機器、産業用ロボットなどの制御機器といった電気機器の配線構造には、端子を有する複数の電線を束ねたワイヤーハーネスと呼ばれる形態が利用されている。ワイヤーハーネスの電線用導体の構成材料は、電気伝導性に優れる銅や銅合金といった銅系材料が主流である。
昨今、自動車の高性能化や高機能化が急速に進められてきており、車載される各種の電気機器、制御機器などの増加に伴い、これらの機器に使用される電線も増加傾向にある。一方、近年、環境対応のために自動車などの搬送機器の燃費を向上するべく、軽量化が強く望まれている。
電線の軽量化のために、比重が銅の約1/3であるアルミニウムを導体に用いたアルミニウム電線が検討されている。しかし、純アルミニウムは、銅系材料よりも耐衝撃性や屈曲特性、耐熱性に劣る。そのため、例えば、ドア部のような開閉動作を行う箇所、エンジン周りといった振動が加えられる箇所など、屈曲や振動が加えられる動的な箇所、更に、高温となるエンジン周りなどの高温箇所に純アルミニウム電線を適用すると早期に断線する恐れがある。従って、純アルミニウム電線の適用は、車内のアクセサリー用配線といった、設置後に実質的に動かされない静的な箇所や、室温からせいぜい50℃程度の低温箇所に限られる。
一方、特許文献1は、伸線後に軟化処理を施すことで、高強度・高導電率を有し、かつ耐衝撃性に優れるアルミニウム合金線が得られること、この高強度・高靭性のアルミニウム合金線を車載ワイヤーハーネス用電線の導体に利用することを開示している。このアルミニウム合金線は、耐衝撃性に優れることから、上述の動的な箇所にも適用できる。
特許第4646998号公報
電線の更なる軽量化が望まれている。従って、線径0.5mm以下といった極細線であって、高強度・高導電率を有し、かつ優れた耐衝撃性や屈曲特性を有するために、十分な伸びを有するアルミニウム合金線の開発が望まれる。また、エンジン周りのような高温箇所での使用においても高温特性に優れること、具体的には、高い強度を有すること(高温強度に優れること)、高温に長時間曝されるような使用においても高い強度を維持できること(長期に亘り耐熱性に優れること)が望まれる。
高強度なアルミニウム合金として、6000系合金(Al-Mg-Si系合金)が知られている。6000系合金は、一般に、溶体化処理及び時効処理により、高強度化を図ることができる。そこで、本発明者らは、6000系合金で線径0.5mm以下といった極細線を製造した。しかし、得られた線材は、溶体化処理及び時効処理を施すことで、高強度であるものの、十分な伸びを有していなかった。
また、従来、高温強度や耐熱性にも優れる極細のアルミニウム合金線が得られていない。
そこで、本発明の目的の一つは、極細線であって、高強度・高導電率を有しながら、伸びにも優れるアルミニウム合金線、及びアルミニウム合金撚り線を提供することにある。また、本発明の他の目的は、更に、高温強度や耐熱性にも優れる極細のアルミニウム合金線、及びアルミニウム合金撚り線を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、極細線であって、高強度・高導電率を有しながら、伸びにも優れる導体を具える被覆電線、及びこの被覆電線を具えるワイヤーハーネスを提供することにある。また、本発明の他の目的は、更に、極細で、軽量であって、高温強度や耐熱性にも優れる導体を具える被覆電線、及びこの被覆電線を具えるワイヤーハーネスを提供することにある。
本発明者らがAl-Mg-Si系合金からなる極細線を調べたところ、100μm超、更に300μm程度といった非常に粗大な結晶粒が存在していた。この極細線の線径は0.5mm以下であるため、当該線材の線径に対する上述の粗大粒の割合は10%超となる。このような粗大粒が破断の起点となって伸びが小さくなった、と考えられる。従って、極細線では、破断の起点となるような粗大粒を低減し、好ましくは実質的に粗大粒が存在しない組織から構成されることが好ましい、と言える。
粗大な結晶を低減するために、鋳造時の結晶組織の微細化に効果があるTiやBを添加することが考えられる。しかし、上記のような極細線に対しては、TiやBの添加だけでは、後述する試験例に示すように十分な伸びが得られなかった。そこで、本発明者らは、Al-Mg-Si系合金をベースとして、更に、種々の元素を添加したアルミニウム合金により極細線を製造した結果、特定の元素を特定の範囲で含有することで、最大結晶粒径が小さい組織を有し、伸びに優れるアルミニウム合金線が得られる、との知見を得た。また、特定の元素を特定の範囲で含有することで、高温強度や耐熱性にも優れるアルミニウム合金線が得られる、との知見を得た。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明のアルミニウム合金線(以下、Al合金線と呼ぶ)は、導体に利用されるものであり、線径が0.5mm以下の極細線である。このAl合金線は、質量%で、Mgを0.03%以上1.5%以下、Siを0.02%以上2.0%以下、Cu,Fe,Cr,Mn及びZrから選択される少なくとも一種の元素を合計で0.1%以上1.0%以下含有し、残部がAl及び不純物からなるAl合金から構成される。そして、このAl合金線は、導電率が40%IACS以上、引張強さが150MPa以上、伸びが5%以上を満たし、かつ、最大結晶粒径が50μm以下である。
上記本発明Al合金線は、Al-Mg-Si系合金からなることで高強度であり、かつ、添加元素が特定の範囲であることで導電率も高い。そして、本発明Al合金線は、ZrやMnなどの特定の元素を特定の範囲で含有することで、上述のように最大結晶粒径が小さい組織、いわば微細組織であり、伸びに優れる。このように本発明Al合金線は、特定の微細組織からなる極細線であって、高強度・高導電率を有し、かつ伸びも十分に具えることから、耐衝撃性や屈曲特性が求められる電線の導体素材に好適に利用することができる。また、本発明Al合金線は、後述する試験例に示すように高温でも強度が高かったり、高温に長時間保持された後にも高い強度を維持することができ、高温強度や耐熱性にも優れることから、高温箇所に配置される電線の導体素材にも好適に利用することができる。
本発明Al合金線の一形態として、Zrを0.01質量%以上含有する形態が挙げられる。
本発明者らが調べたところ、Zrは、非常に微量でも伸びの向上効果が大きい、との知見を得た。従って、上記形態は、伸びがより高い。また、Zrは、非常に微量でも高温特性の向上に効果があり、上記形態は、高温強度や耐熱性にも優れる。
本発明Al合金線の一形態として、Mnを0.01質量%以上含有する形態が挙げられる。
本発明者らが調べたところ、Mnは、非常に微量でも伸びの向上効果が大きい、との知見を得た。従って、上記形態は、伸びがより高い。また、Mnは、非常に微量でも高温特性の向上に効果があり、上記形態は、高温強度や耐熱性にも優れる。
本発明Al合金線の一形態として、80℃以上150℃以下の温度範囲から選択される任意の温度に1,000時間保持した後における引張強さが150MPa以上である形態が挙げられる。
上記形態は、長期に亘り高温に曝される使用環境であっても、高い強度を維持でき、耐熱性に優れることから、高温箇所に配置される電線の導体素材に好適に利用できる。
本発明Al合金線の一形態として、80℃以上150℃以下の温度範囲から選択される任意の温度における引張強さが150MPa以上である形態が挙げられる。
上記形態は、高温でも高い強度を有することから、高温になり得る箇所に配置される電線の導体素材に好適に利用できる。
本発明Al合金線の一形態として、質量割合で、Tiを0.08%(800ppm)以下、及びBを0.016%(160ppm)以下の少なくとも一方の元素を含有する形態が挙げられる。
TiやBは、微細化効果がある元素である。従って、ZrやMnなどの元素に加えてTiやBをも含有する上記形態は、微細化効果が高く、伸びがより高い。
上記本発明Al合金線は、単線でも利用できるが、撚り線の素線とすることができる。例えば、本発明のアルミニウム合金撚り線として、上記本発明Al合金線を複数撚り合せたものが挙げられる。
本発明Al合金撚り線は、素線を構成する本発明Al合金線の構造(最大結晶粒径が小さい組織)、特性(引張強さ、導電率、伸び、高温特性)を実質的に維持しており、高強度・高導電率を有し、伸びや高温強度、耐熱性にも優れる。加えて、複数の本発明Al合金線を撚り合わせることで撚り線全体としての耐衝撃性、屈曲特性といった機械的特性を単線の場合よりも向上することができる。
上記本発明Al合金線や本発明Al合金撚り線は、電線の導体に好適に利用することができる。例えば、本発明の被覆電線として、上記本発明Al合金線、上記本発明Al合金線を複数撚り合せたアルミニウム合金撚り線(本発明Al合金撚り線)、又はこの撚り線を圧縮成形した圧縮線材のいずれかを導体とし、その外周に絶縁被覆層を具えるものが挙げられる。
上記形態は、上述のように高強度・高導電率であって伸びにも優れる本発明Al合金線や本発明Al合金撚り線、この撚り線を成形した圧縮線材を導体に具えることで、高強度・高導電率であり、伸びにも優れ、優れた耐衝撃性や屈曲特性を有する。また、上述のように本発明Al合金線などは、高温強度や耐熱性にも優れることから、上記形態は、高温強度や耐熱性にも優れる。
上記本発明被覆電線は、ワイヤーハーネスの電線に好適に利用することができる。例えば、本発明のワイヤーハーネスとして、上記本発明被覆電線と、この電線の端部に装着された端子部とを具えるものが挙げられる。
上記形態は、上述のように高強度・高導電率・高靭性である本発明被覆電線を具えることで、高強度・高導電率であり、伸びにも優れ、優れた耐衝撃性や屈曲特性を有する。また、上記形態は、高温強度や耐熱性にも優れる。
本発明Al合金線、本発明Al合金撚り線、本発明被覆電線、及び本発明ワイヤーハーネスは、高強度・高導電率であり、伸びにも優れる。
(A)は、試料No.1の顕微鏡写真、(B)は、試料No.11の顕微鏡写真、(C)は、試料No.16の顕微鏡写真、(D)は、試料No.102の顕微鏡写真である。
以下、本発明をより詳細に説明する。なお、元素の含有量は、質量%を示す。
[Al合金線]
《組成》
本発明Al合金線を構成するAl合金は、Mg:0.03%〜1.5%、Si:0.02%〜2.0%を必須元素とするAl-Mg-Si系合金であり、結晶の微細化のための元素として、Cu,Fe,Cr,Mn及びZrから選択される少なくとも一種の元素を含有する。MgやSiは、Alに固溶又は析出して存在することで、本発明Al合金線は、強度に優れる。Mg,Siの含有量が高いほどAl合金線の強度が高まるが、導電率や伸びといった靭性が低下する上に、伸線加工時などでも断線が生じ易くなるため、Mg:1.5%以下、Si:2.0%以下とする。
Mgは、強度の向上効果が高い元素であり、特に、Siと同時に特定の範囲で含有することで、時効硬化による強度の向上を効果的に図ることができる。Mg,Siの含有量は、Mg:0.2%以上1.5%以下、Si:0.1%以上1.5%以下が好ましく、Mg:0.3%以上0.9%以下、Si:0.3%以上0.8%以下がより好ましい。
Cu,Fe,Cr,Mn及びZrから選択される1種以上の元素を合計で0.1%以上含有することで、最大結晶粒径が50μm以下の組織となり、伸びに優れる極細線が得られる。上記元素の合計含有量が多いほど、結晶粒が微細になり易く、伸びの向上効果が大きい傾向にあるが、多過ぎると導電率の低下を招く。従って、上記元素の合計含有量は、1.0%以下とする。
Cu,Fe,Cr,Mn及びZrのうち、特にZrやMnは、微細化効果や伸びの向上効果が大きく、0.01%といった微量でも伸びを向上することができる。ZrやMnを含有する場合、後述するように連続鋳造圧延して得られる素材(連続鋳造圧延材)の結晶組織を十分に微細にすることができ、連続鋳造圧延の後、最終線径になるまでの間の製造工程において中間熱処理や溶体化処理、時効処理などにより熱履歴を受けても、結晶粒が成長し難く、結晶粒が微細な状態を維持し易い。その結果、最大結晶粒径が小さい組織からなる極細線を得易い。ZrやMnが多いほど、微細化による伸びの向上効果が大きい上に、強度の向上も図ることができる。また、ZrやMnを含有する場合、後述する試験例に示すように、80℃以上といった高温でも高い強度を有する、更に、80℃以上といった高温に長時間保持した後にも高い強度を維持できる、との知見を得た。つまり、製造時の熱履歴だけではなく、使用時の熱履歴においても、高強度である、との知見を得た。従って、高強度・高導電率・高靭性に加えて、高温強度や耐熱性といった高温特性にも優れることが望まれる用途には、ZrやMnを含有する形態が好ましい。Zrを含有する場合、特に、その含有量を0.02%以上0.40%以下とすると、Zrの含有量の増大による導電率の低下や鋳造時の割れなどといった不具合を抑制することができて、より好ましい。Mnを含有する場合、特に、その含有量を0.05%以上0.40%以下とすると、Mnの含有量の増大による導電率の低下や伸線時の断線、溶解時のスラグの発生などといった不具合を抑制することができて、より好ましい。
Cu,Fe,Crはいずれも、含有量が多いほど微細化による伸びの向上効果が大きい傾向にあり、各元素一つ当たりの含有量は、0.05%以上が好ましい。また、Cu,Fe,Crは、強度の向上にも効果がある。上記各元素の含有量が、Cu:0.05%以上0.40%以下、Fe:0.1%以上0.6%以下、Cr:0.05%以上0.40%以下である場合、これらの元素の含有量の増大による導電率の低下や、伸線時の断線、溶解時のスラグの発生などといった不具合を抑制することができて、より好ましい。また、Feを上記範囲で含有する場合も、高温強度や耐熱性に優れる。
Cu,Fe,Cr,Mn,Zrのうち、いずれか1種の元素のみを含有してもよいが、複数種の元素を含有すると、微細化効果の他、上述のように強度の向上をも図ることができる。特に、Cu,Fe及びCrのいずれか1種(好ましくはFe)と、Mn及びZrの少なくとも1種とを含有すると、高温強度や耐熱性に優れる。
その他、TiやBは、鋳造時のAl合金の結晶組織を微細にする効果があることから、上記Al合金は、Ti及びBの少なくとも一方を含有することが好ましい。上記ZrやMnなどの微細化効果のある元素を含有すると共に、TiやBをも含有することで、鋳造後に得られた素材(好ましくは連続鋳造材、又は連続鋳造圧延材)の結晶粒が微細であり、かつ、鋳造以降の製造工程において結晶粒が微細な状態をより維持し易い(結晶粒の成長をより抑制し易い)。従って、TiやBをも含む組成であると、最終線径において最大結晶粒径が小さい結晶組織を有する極細線とすることができる。B単独の含有でもよいが、Ti単独の含有の方が微細化効果が得られ易く、TiとBとの双方を含有する方が、微細化効果が更に向上する。しかし、TiやBが多過ぎると、導電率の低下を招くことから、Ti:0.08%(800ppm(質量割合。以下、同様))以下、B:0.016%(160ppm)以下が好ましく、微細化効果を十分に得るには、Ti:0.005%(50ppm)以上、B:0.0005%(5ppm)以上が好ましい。
《組織》
上記特定の組成からなるAl合金は、最大結晶粒径が50μm以下であることを最大の特徴とする。最大結晶粒径が小さいほど、合金全体の組織が微細になり易く、破断の起点となるような粗大粒が存在し難くなり、伸びに優れると考えられる。また、上記特定の組成からなるAl合金は、高温に長時間曝された場合にも結晶粒が微細な状態を維持し易く、破断の起点となるような粗大粒が存在し難くなる、つまり、最大結晶粒径が50μm以下である組織を維持することができ、耐熱性に優れる。従って、最大結晶粒径の下限は特に設けないが、線径に対する最大結晶粒径の割合が10%未満を満たすことが好ましい。組成や製造条件にもよるが、最大結晶粒径が40μm以下、更に30μm以下といった形態とすることができる。一方、上記特定の組成からなるAl合金は、最大結晶粒径が50μm以下を満たす範囲で結晶粒がある程度大きいことで、高温での変形において支配的である粒界すべりを抑制して、高温強度に優れる。例えば、最大結晶粒径が25μm〜40μm程度である組織とすると、高温強度や耐熱性に優れる傾向にある。最大結晶粒径の測定方法は後述する。
《室温特性》
上記特定の組成及び組織のAl合金からなる本発明Al合金線は、高強度である上に導電率も高く、引張強さ(室温):150MPa以上、導電率(室温):40%IACS以上を満たす。引張強さ及び導電率は、添加元素の種類、含有量、製造条件(伸線加工度、熱処理(例えば、時効処理)の温度など)により変化させることができる。例えば、添加元素を多くしたり、伸線加工度を高めたり(線径を細くしたり)すると、引張強さが高く、導電率が小さくなる傾向にある。また、時効処理を施す場合、時効温度を低めにすると、引張強さ(室温):240MPa以上、かつ導電率(室温):45%IACS以上を満たす高強度である形態、時効温度を高めにすると、引張強さ(室温):200MPa以上、かつ導電率(室温):50%IACS以上を満たす高導電率である形態を得ることができる。引張強さ及び導電率は、高いほど好ましいが、伸びといった靭性と強度とのバランスを考慮すると、引張強さの上限は400MPa程度であり、添加元素の時効析出による導電率の増加の限界を考慮すると、導電率の上限は60%IACS程度である。
かつ、本発明Al合金線は、上記特定の元素:Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを特定の範囲で含有し、最大結晶粒径が50μm以下という特定の組織のAl合金からなることで、伸びにも優れ、伸び(室温):5%以上を満たす。伸びが高いほど、耐衝撃性や屈曲特性に優れることから、特に上限を設けない。後述するように時効処理を施さず、溶体化処理のみとすると伸びが高く、10%以上とすることができ、時効処理を施すと、伸びが低下する傾向にあるものの、Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを特定の範囲で含有することで5%以上を満たすことができる。
《高温特性》
上記特定の組成及び組織のAl合金からなる本発明Al合金線として、室温での機械的特性に優れるだけでなく、高温での強度にも優れる形態が挙げられる。具体的には、80℃以上150℃以下の温度範囲から選択される任意の温度(例えば、80℃、85℃、100℃、120℃、125℃、150℃など)における引張強さ(以下、高温強度と呼ぶ)が150MPa以上を満たす形態が挙げられる。組成によっては、高温強度が160MPa以上、更に180MPa以上、190MPa以上を有する。代表的には、上記温度範囲において80℃に近いほど高温強度が高く、150℃に近いほど高温強度が低くなる傾向にあるものの、上述のように150MPa以上を満たし、高い高温強度を有する。例えば、80℃における引張強さが220MPa以上を満たす形態、100℃における引張強さが215MPa以上を満たす形態、120℃における引張強さが210MPa以上を満たす形態、150℃における引張強さが195MPa以上を満たす形態が挙げられる。この形態は、使用温度が80℃〜150℃から選択される任意の温度になり得る用途に好適に利用できると期待される。このような優れた高温強度を有する形態は、Mn及びZrの少なくとも一方を0.01%以上含有するAl合金や、Feを0.1%以上含有するAl合金から構成される形態が挙げられる。
上記特定の組成及び組織のAl合金からなる本発明Al合金線として、室温での機械的特性に優れるだけでなく、高温に長時間保持された後にも強度に優れる形態が挙げられる。具体的には、80℃以上150℃以下の温度範囲から選択される任意の温度(例えば、80℃、85℃、100℃、120℃、125℃、150℃など)に1,000時間保持した後の引張強さ(以下、高温保持後の強度と呼ぶ)が150MPa以上を満たす形態が挙げられる。組成によっては、高温保持後の強度が、180MPa以上、更に190MPa以上、特に200MPa以上、更には220MPa以上、240MPa以上を有する。また、組成によっては、高温保持後の強度が、室温での引張強さと同等、或いはそれ以上である形態が挙げられる。代表的には、上記温度範囲において80℃に近いほど高温保持後の強度が高く、150℃に近いほど高温保持後の強度が低くなる傾向にあるものの、上述のように150MPa以上を満たし、高温保持後の強度が高い。例えば、80℃に1,000時間保持した後の引張強さが250MPa以上を満たす形態、100℃に1,000時間保持した後の引張強さが245MPa以上を満たす形態、120℃に1,000時間保持した後の引張強さが240MPa以上を満たす形態、150℃に1,000時間保持した後の引張強さが200MPa以上満たす形態が挙げられる。この形態は、80℃〜150℃から選択される任意の温度に長時間曝され得る用途に好適に利用できると期待される。また、使用時に、強度の向上が望めることもある。このような高温保持後の強度に優れる形態は、Mn及びZrの少なくとも一方を0.01%以上含有するAl合金や、Feを0.1%以上含有するAl合金から構成される形態が挙げられる。
《線径》
本発明Al合金線は、線径0.5mm以下の極細線とする。伸線加工時の加工度(断面減少率)を適宜調整することで、線径を変化させることができる。例えば、車載ワイヤーハーネスの電線用導体に利用する場合、線径は0.1mm以上0.4mm以下が挙げられる。
《断面形状》
本発明Al合金線は、伸線加工時のダイス形状によって種々の横断面形状を有することができる。横断面が円形状である丸線が代表的である。その他、横断面形状は、楕円形状、矩形や六角形といった多角形状などの種々の形状が挙げられる。上記楕円形状や多角形状といった異形状の場合、線径は、横断面における最大長さ(楕円:長径、矩形や六角形:対角線)とする。
[Al合金撚り線]
上記本発明Al合金線は、極細線であるため、複数本を撚り合わせた撚り線(本発明Al合金撚り線)とすることで、耐衝撃性や屈曲特性に更に優れる導体が得られる。撚り合わせ本数は、特に問わない。例えば、7,11,19,37,49,133本が挙げられる。本発明Al合金撚り線を圧縮成形して圧縮線材とすると、撚り合わせた状態よりも線径を小さくすることができ、導体の小径化に寄与することができる。
[被覆電線]
上記本発明Al合金線や本発明Al合金撚り線、上述した圧縮線材は、このままでも電線の導体に利用できる。上述のようにこの導体の外周に絶縁被覆層を具える本発明被覆電線として使用することもできる。上記絶縁被覆層を構成する絶縁材料は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)やノンハロゲン樹脂、難燃性に優れる材料などが挙げられる。絶縁被覆層の厚さは、所望の絶縁強度を考慮して適宜選択することができ、特に限定されない。
[ワイヤーハーネス]
上記被覆電線は、本発明ワイヤーハーネスの構成部材に好適に利用することができる。本発明ワイヤーハーネスは、代表的には、本発明被覆電線を1本以上含む複数の電線を具え、各電線の端部に端子部が取り付けられている。上記各電線は、上記端子部を介して電気機器などの接続対象に接続される。本発明ワイヤーハーネスは、電線ごとに一つの端子部がそれぞれ設けられた形態の他、複数の電線が一つの端子部にまとめて取り付けられた電線群を含む形態でもよい。上記端子部は、雄型、雌型、圧着型、溶接型などの種々の形態が挙げられ、特に限定されない。ワイヤーハーネスに具える複数の電線は、結束具などにより一纏まりに束ねると、ハンドリング性に優れる。
[製造方法]
本発明Al合金線は、代表的には、以下の製造方法により製造することができる。この製造方法は、導体に利用されるアルミニウム合金線の製造方法であって、以下の連続鋳造圧延工程、伸線工程、溶体化工程を具える。
連続鋳造圧延工程:質量%で、Mgを0.03%以上1.5%以下、Siを0.02%以上2.0%以下、Cu,Fe,Cr,Mn及びZrから選択される少なくとも一種の元素を合計で0.1%以上1.0%以下含有し、残部がAlからなるAl合金の溶湯を連続鋳造した後、連続して圧延を行い、連続鋳造圧延材を形成する工程。
伸線工程:上記連続鋳造圧延材に伸線加工を施し、線径が0.5mm以下の伸線材を形成する工程。
溶体化工程:上記伸線材に溶体化処理を施し、固溶線材を形成する工程。
特に、上記溶体化処理は、加熱温度を450℃以上とし、加熱後の冷却工程において、冷却速度を100℃/min以上とする。
上記製造方法として、更に、上記固溶線材に時効処理を施し、時効線材を形成する工程(時効工程)を具える形態とすることができる。この時効処理は、加熱温度を100℃以上300℃以下、保持時間を4時間以上とする。
上記製造方法として、更に、上記連続鋳造圧延材に均質化処理を施し、均質材を形成する工程(均質化工程)を具え、上記伸線加工は、上記均質材に施す形態とすることができる。この均質化処理は、加熱温度を450℃以上、保持時間を1時間以上とし、加熱後の冷却工程において、冷却速度を1℃/min以下(徐冷)とする。
《連続鋳造圧延工程》
極細線であって、かつ最大結晶粒径が小さい結晶組織を有するAl合金線を製造するためには、製造工程の上流工程においても微細な結晶組織を有するものを製造することが好ましい、との知見を得た。そこで、本発明Al合金線の製造に当たり、連続鋳造圧延を利用することを提案する。連続鋳造は、溶湯を急冷凝固できるため、微細な結晶組織を有する鋳造材が得られる。鋳造時の冷却速度は、適宜選択することができるが、固液共存温度域である600℃〜700℃において5℃/sec以上が好ましい。例えば、水冷銅鋳型や強制水冷機構などを有する連続鋳造装置を用いると、上述のような冷却速度による急冷凝固を容易に実現できる。連続鋳造は、ベルトアンドホイール法などの可動鋳型を用いる形態や枠状の固定鋳型を用いる形態が挙げられる。
上記連続鋳造により得られた鋳造材に、鋳造に引き続いて圧延を施す。こうすることで、鋳造材に蓄積される熱を利用して熱間圧延を容易に行えてエネルギー効率がよい上に、微細な結晶組織を有する鋳造材に圧延を直ちに施すことで、得られた圧延材(連続鋳造圧延材)も、微細な結晶組織とすることができる。
TiやBを添加する場合、溶湯を鋳型に注湯する直前に添加すると、Tiなどの局所的な沈降を抑制して、Tiなどが均等に混合された鋳造材を製造することができて好ましい。
《均質化工程》
上述のように伸線後に溶体化処理、更には、適宜時効処理を施すことで、最大結晶粒径が小さい組織からなり、伸びに優れるAl合金線が得られるが、伸線前の素材(連続鋳造圧延材)に均質化処理を施しておくと、伸びに優れるAl合金線が得られ易い、との知見を得た。この理由は、伸線前において、鋳造時に形成された粗大な化合物(代表的にはMgとSiとの化合物)を均一的に微細分散させておくことで、伸線後の溶体化工程において当該元素を十分に、かつ均一的に固溶できるため、と考えられる。また、微細化効果を有する元素:Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを添加していることで、均質化処理時に結晶粒の粗大化を抑制することができる上に、後述する伸線工程での中間熱処理時や、伸線後の溶体化処理時、時効処理時にも結晶の成長を防止して、最大結晶粒径が小さい組織を維持できる。
上記均質化処理は、加熱温度を450℃以上、保持時間を1時間以上とすることで、鋳造時に生成されたMgとSiとの化合物を均一的に微細分散させると共に、組成の均質化を図ることができる。好ましくは、加熱温度:500℃以上600℃以下、保持時間:3時間以上10時間以下が挙げられる。加熱後の冷却は徐冷(冷却速度:1℃/min以下)とすると、上記MgとSiとの化合物をより均一的に微細分散させられる。上記冷却速度は、例えば、均質化処理を行う加熱炉(例えば、箱型炉)内に加熱後もそのまま放置する冷却方法、即ち炉冷により実現できる。加熱炉の大きさに応じて、炉内の雰囲気を適宜加熱したり、冷却ガスなどを導入するなどして、炉内の温度を調整することで、冷却速度を調整できる。
本発明では、ZrやMnなどの微細化効果のある元素を特定の範囲で含有することで、均質化熱処理を施しても微細な状態を維持できる。
《伸線工程》
上記連続鋳造圧延材、又は均質材に(冷間)伸線加工を施す。伸線加工度は、所望の線径に応じて適宜選択することができる。ZrやMnなどの微細化効果のある元素を特定の範囲で含有することで、伸線時に断線し難く、連続して長尺な伸線材を製造することができ、伸線材の製造性に優れる。
伸線加工途中に中間熱処理を適宜行うと、中間熱処理前までの加工により導入された歪を除去して、中間熱処理後の線材の伸線加工性を高められる。中間熱処理の条件は、例えば、加熱温度:250℃〜450℃、加熱時間:0.5時間以上が挙げられる。中間熱処理条件は、後述する溶体化処理条件と同じとしてもよい。本発明では、ZrやMnなどの微細化効果のある元素を特定の範囲で含有することで、中間熱処理を施しても微細な状態を維持できる。
《溶体化工程》
上記最終線径の伸線材、撚り線とする場合には、撚り合せる前の伸線材、又は撚り合せ後の撚り線、圧縮線材とする場合には、撚り合せる前の伸線材、圧縮前の撚り線、又は圧縮後の圧縮線材に溶体化処理を施す。この溶体化処理は、主としてMgやSiの固溶を目的とする。また、時効処理を行う場合には、溶体化処理を行うことで、次工程の時効処理において、強度に寄与する化合物:MgとSiとの化合物を結晶粒内に微細分散させられる。更に、この溶体化処理により、Cu,Fe,Cr,Mn,Zrといった元素も固溶させることで、強度の向上を図ることができる。
溶体化処理は、MgやSiを十分に固溶できるように加熱温度:450℃以上とし、固溶元素の過度な析出を防止するために加熱後、急冷する。具体的には、冷却速度を100℃/min以上とする。冷却速度は速いほど好ましく、200℃/min以上がより好ましい。上記冷却速度は、水や液体窒素といった液体冷媒に浸漬したり、送風を行うなどの強制冷却により実現することができる。加熱温度は、500℃以上620℃以下、更に600℃以下が好ましく、保持時間は、0.005秒以上5時間以下、好ましくは0.01秒以上3時間以下が挙げられる。上述した均質化処理を行う場合、溶体化処理の処理時間を短縮しても、各添加元素を十分に固溶することができる。また、このような保持時間が短い溶体化処理には、後述する連続処理法を好適に利用することができる。
溶体化処理中の雰囲気は、代表的には、大気雰囲気が挙げられる。その他、酸素含有量がより少ない雰囲気、例えば、非酸化性雰囲気とすると、溶体化処理中の熱により処理対象の線材の表面に酸化膜が生成されることを抑制できる。非酸化性雰囲気は、例えば、真空雰囲気(減圧雰囲気)、窒素(N2)やアルゴン(Ar)などの不活性ガス雰囲気、水素含有ガス(例えば、水素(H2)のみ、N2,Ar,ヘリウム(He)といった不活性ガスと水素(H2)との混合ガスなど)や炭酸ガス含有ガス(例えば、一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO2)との混合ガスなど)といった還元ガス雰囲気が挙げられる。
溶体化処理は、連続処理法、後述するバッチ処理法のいずれも利用できる。溶体化処理に連続処理法を利用すると、長尺な線材の全長に亘って均一的な条件で熱処理を行い易く、特性のばらつきを小さくし易い上に、最終線径が0.5mm以下といった極細線に連続的に熱処理を行えてコストを低減でき、生産性に優れて好ましい。連続処理法は、加熱用容器内に加熱対象(上述の伸線材や撚り線など)を連続的に供給して、加熱対象を連続的に加熱する方法である。例えば、加熱対象を抵抗加熱により加熱する直接通電方式(通電加熱)、加熱対象を高周波の電磁誘導により加熱する間接通電方式(高周波誘導加熱)、その他、加熱雰囲気とした加熱用容器(パイプ炉)内に加熱対象を導入して熱伝導により加熱する炉式が挙げられる。加熱対象の温度が450℃以上となるように、線速、通電電流値や雰囲気温度などを調整するとよい。
上記溶体化工程により、上記特定の組成からなり、線径:0.5mm以下、かつ、最大結晶粒径:50μm以下、導電率(室温):40%IACS以上、引張強さ(室温):150MPa以上、伸び(室温):5%以上を満たす本発明Al合金線が得られる。このAl合金線を撚り合わせることで本発明Al合金撚り線が得られ、この撚り線を圧縮することで、上述した圧縮線材が得られる。上述のように溶体化工程前に撚り合わせたり、圧縮したりしてもよい。
《時効工程》
上記溶体化処理後に時効処理を行うことで、Al合金中のMgやSi、その他Zrなどの添加元素を析出させ、Al合金中に析出物を分散させることができる。この析出物の分散強化、即ち、時効硬化により強度の向上を図ることができると共に、固溶元素の低減による導電率の向上を図ることができる。従って、時効工程を経て得られた本発明Al合金線は、より高強度・高導電率である。また、本発明Al合金線は、ZrやMnなどの微細化効果がある元素を含有することで、時効後も結晶粒が微細であり、この微細な結晶粒からなる組織中に微細な析出物が均一的に分散した組織となり易い。このような微細組織を有することでも、強度を更に向上でき、強度及び導電率の双方により優れるAl合金線が得られる。かつ、本発明Al合金線は、時効後も最大結晶粒径が小さい組織であることで、伸びにも優れる。溶体化処理に加えて、更に時効処理を行うと、高温強度や高温保持後の強度にも優れる傾向にある。
時効処理は、加熱温度を100℃以上300℃以下、保持時間を4時間以上にすることで、析出物を十分に、かつ均一的に析出させることができる。上記範囲において加熱温度を低め(180℃以下)にすると、強度・伸びが高い形態(例えば、引張強さ:240MPa以上(組成や温度によっては300MPa以上)、導電率:45%IACS以上、伸び:6%以上を満たす形態)が得られ、加熱温度を高め(180℃超)にすると、導電率が高い形態(例えば、引張強さ:200MPa以上、導電率:50%IACS以上、伸び:5%以上を満たす形態)が得られる傾向にある。所望の特性に応じて、加熱温度を選択するとよい。加熱温度は、140℃以上250℃以下、保持時間は、4時間以上16時間以下がより好ましい。時効処理の保持時間が長いほど、析出物をより多く析出できることから、導電率を向上できることがある。また、時効処理を行っていない場合でも、使用環境がある程度高温である場合(特に、100℃以上)、使用環境の温度によって、事後的に時効が施された状態となって強度を向上できることがある。
時効工程における冷却工程は、上述した均質化処理と同様に、炉冷や大気中での冷却などを利用することができる。
上記時効処理も上述の連続処理法を利用できるが、バッチ処理法を利用すると、熱処理時間を十分に保持でき、析出物を十分に析出させられる。バッチ処理法は、加熱用容器(雰囲気炉、例えば、箱型炉)内に加熱対象を封入した状態で加熱する方法であり、加熱温度が上記温度となるように、雰囲気温度を調整するとよい。時効処理の雰囲気も、大気雰囲気でもよいし、上述した酸素含有量が少ない雰囲気としてもよい。
上記時効工程により、上記特定の組成からなり、線径:0.5mm以下、かつ、最大結晶粒径:50μm以下、導電率(室温):40%IACS以上、引張強さ(室温):150MPa以上、伸び(室温):5%以上を満たす本発明Al合金線が得られる。このAl合金線を上述のように撚り線、圧縮線材にしてもよい。時効工程前に撚り合わせたり、圧縮したりしてもよい。
《被覆工程》
上記溶体化処理や適宜時効処理が施された固溶線材や時効線材(単線、撚り線、及び圧縮線材のいずれか)を用意し、これらの線材の外周に上述した絶縁材料からなる絶縁被覆層を形成する工程を具えることで、本発明被覆電線を製造することができる。
《端子の取り付け工程》
得られた上記被覆電線の端部に端子部を装着し、代表的には、端子部付きの被覆電線を複数束ねることで、本発明ワイヤーハーネスを製造することができる。
[試験例1]
Al合金線を作製してAl合金線の種々の特性を調べた。Al合金線は、溶解→連続鋳造圧延→均質化→伸線(適宜中間熱処理)→溶体化→時効という手順で作製した。
ベースとして純アルミニウム(99.7質量%以上Al)を用意して溶解し、得られた溶湯(溶融アルミニウム)に表1に示す添加元素を表1に示す含有量(質量%)となるように投入して、Al合金溶湯(添加元素、残部:Al)を作製する。成分調整を行ったAl合金溶湯は、適宜、水素ガス除去処理や、異物除去処理を行うことが望ましい。
ベルトアンドホイール式の連続鋳造圧延装置を用いて、用意したAl合金溶湯に鋳造及び熱間圧延を連続的に施して連続鋳造圧延を行い、φ9.5mmのワイヤーロッド(連続鋳造圧延材)を作製した。Ti及びBを含有する試料は、表1に示す含有量(質量%)となるように、鋳造直前のAl合金溶湯にTiBワイヤを供給した。
上記ワイヤーロッドに、均質化処理を施した。均質化処理は、箱型炉を用いて行い、加熱温度:530℃×保持時間:5時間、加熱後の冷却は炉冷とした。この冷却工程における冷却速度は、0.89℃/min(1℃/min以下)である。
均質化処理を施した均質材に冷間伸線加工を施して、最終線径:φ0.3mmの伸線材を作製した。伸線加工途中に、中間熱処理(300℃×3時間)を適宜行った。
得られた最終線径:φ0.3mmの伸線材に、溶体化処理を施して、固溶線材を作製した。溶体化処理は、箱型炉で行い、加熱温度:530℃×保持時間:3時間とし、加熱後の素材を急冷した。急冷は、素材を水槽に浸漬して行い、この冷却工程における冷却速度は、675℃/min(100℃/min以上)である。
得られた固溶線材(Al合金線)について、室温(RT。ここでは25℃)における引張強さ(MPa)、伸び(%)、導電率(%IACS)を調べた。その結果を表2〜表4に示す。
引張強さ(MPa)及び伸び(%、破断伸び)は、JIS Z 2241(金属材料引張試験方法、1998)に準拠して、汎用の引張試験機を用いて測定した。導電率(%IACS)は、ブリッジ法により測定した。
得られた固溶線材に、種々の温度で時効処理を施し、時効線材を作製した。時効処理は、箱型炉を用いて表2〜表4に示す温度で行い、保持時間は、いずれも8時間とした。また、加熱後、大気中で冷却した。
得られた時効線材(Al合金線)について、室温(ここでは25℃)における引張強さ(MPa)、伸び(%)、導電率(%IACS)を上記と同様にして調べた。その結果を表2〜表4に示す。
更に、得られた時効線材(Al合金線)において試料No.1,No.11,No.16,No.102について、横断面をとり、この断面を光学顕微鏡で観察した。図1(A)は、試料No.1(3000倍)、図1(B)は、試料No.11(1000倍)、図1(C)は、試料No.16(3000倍)、図1(D)は、試料No.102(250倍)の顕微鏡写真である。試料No.1,No.11,No.16,No.102の顕微鏡の観察像を用いて、最大結晶粒径を調べた。ここでは、JIS G 0551(鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法、2005)に準拠して、観察像に試験線を引き、各結晶粒において試験線を分断する長さを結晶粒径とした(切断法)。1断面から視野を3個とり、各視野に一つの試験線を引き、3個の視野のうち、最も大きな結晶粒径を最大結晶粒径とする。その他の試料も同様にして最大結晶粒径を調べた。その結果を表2〜表4に示す。なお、最大結晶粒径は、時効温度を160℃又は180℃とした線材について測定した。試料No.15は、溶体化処理後の線材について最大結晶粒径を測定した。
特定の元素:Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを含む試料No.1〜No.23はいずれも、最大結晶粒径が50μm以下であり、図1(A),図1(B),図1(C)に示すように、結晶が非常に微細で、かつばらつきも小さいことが分かる。例えば、図1(A)に示す試料No.1は、各結晶粒:2μm〜20μm、最大結晶粒径が20μmであり、図1(B)に示す試料No.11は、各結晶粒:4μm〜35μm、最大結晶粒径が35μmであり、図1(C)に示す試料No.16は、各結晶粒:2μm〜25μm、最大結晶粒径が25μmと、非常に微細であることが分かる。また、試料No.1,No.11,No.16は、微細な結晶粒中に非常に微細な析出物が均一的に分散していることが分かる。そして、試料No.1〜No.23はいずれも、溶体化処理後、及び時効処理後の双方において伸びが5%以上であり、伸びに優れることが分かる。特に、ZrやMnを含有する試料No.11や試料No.16などは、時効処理後の伸びが9%、11%と非常に伸びに優れることが分かる。
一方、Cu,Fe,Cr,Mn及びZrのいずれも含有しない試料No.102は、最大結晶粒径が300μmであり、図1(D)に示すように、結晶が非常に粗大な上に、ばらつきも大きいことが分かる(各結晶粒:50μm〜300μm)。そして、試料No.102は、表3に示すように時効処理後の伸びが非常に小さく(0.3%)、実質的に伸びを有していないことが分かる。
また、試料No.1〜No.23はいずれも、溶体化処理後、及び時効処理後の双方において、引張強さが高く、150MPa以上であり、かつ導電率も高く、40%IACS以上を満たす。特に、時効処理時の温度が低め(180℃以下)であると、時効硬化による強度の向上が見られ、温度が高め(180℃超)であると、析出物の析出による導電率の向上が見られることが分かる。一方、Cu,Fe,Cr,Mn及びZrのいずれも含有しない試料No.101,No.102は、時効処理後、試料No.1などと同程度の導電率を有するものの、強度及び伸びが低い。
また、この試験から、時効処理時の温度を調整することで、強度や伸びを高めたり、導電率を高めたりすることができることが分かる。なお、試料No.1について、時効処理の温度を350℃にしたところ、軟化されて伸びは11%と大きくなったが、引張強さが121MPaとなり、十分な強度が得られなかった。従って、時効処理時の温度は、100℃以上300℃以下が好ましいと言える。
上述のように特定の元素:Cu,Fe,Cr,Mn及びZrの少なくとも1種を特定の範囲で含むAl-Mg-Si系合金からなることで、最大結晶粒径が50μm以下である微細組織を有し、線径φ0.5mm以下と言う極細線でありながら、高強度・高導電率であり、かつ伸びにも優れるAl合金線が得られることが分かる。このように十分な伸びを有することで、このAl合金線は、耐衝撃性や屈曲特性に優れる上に、高い強度及び電気伝導性が求められる電線用導体、例えば、車載ワイヤーハーネスの電線用導体に好適に利用できると期待される。また、上記極細線からなる撚り線や圧縮線材とすると、これら撚り線や圧縮線材を構成する素線は上記Al合金線の組成・組織・機械的特性を維持することから、これら撚り線や圧縮線材は高強度・高導電率で伸びにも優れる上に、撚り合わせにより、耐衝撃性、屈曲特性に更に優れる電線用導体とすることができる。
[試験例2]
Al合金線を作製して、Al合金線の高温特性を調べた。
この試験では、表5に示す添加元素(含有量:質量%)を含有するAl合金溶湯を用いて、試験例1と同様の手順でAl合金線を作製した。具体的には、溶解→連続鋳造圧延(φ9.5mm)→均質化(530℃×5時間、冷却速度:0.89℃/min)→伸線(φ0.3mm)までの工程を試験例1と同様の条件とした。
得られた最終線径:φ0.3mmの伸線材に対して、通電加熱、高周波誘導加熱、及びパイプ炉を用いた炉式のいずれかの連続処理法によって溶体化処理を施して固溶線材を作製した。溶体化条件を以下に示す。なお、溶体化途中の線材の温度はいずれも、600℃程度であった(450℃以上)。また、溶体化のための加熱後、試験例1と同様に水槽を用いて急冷した(冷却速度:500℃/min(100℃/min以上))。
(溶体化条件)
通電加熱:線速50m/min〜200m/minから選択、電流値33A〜66Aから選択、
水槽までの距離1.6m
高周波加熱:線速200m/min〜1000m/minから選択、電流値100A、
水槽までの距離1.6m
炉式:線速4m/min〜8m/minから選択、パイプ炉内温度580℃〜620℃から選択、
水槽までの距離2m
得られた固溶線材に、試験例1と同様に箱型炉を用いて、表6に示す種々の温度(℃)で時効処理を施し、時効線材(Al合金線)を作製した。保持時間は、いずれも12時間とし、加熱後、大気中で冷却した。
比較線材として、Siを含まない試料No.2-101を用意した。この試料No.2-101は、伸線後、軟化処理(350℃×3時間)を施し、溶体化及び時効のいずれも行わなかった。
得られた時効線材(Al合金線)、及び比較線材について、最大結晶粒径(μm)、室温(ここでは25℃)における引張強さ(MPa)、伸び(%)、導電率(%IACS)を試験例1と同様にして調べた。その結果を表6に示す。なお、後述する表7〜表9に示す最大結晶粒径は、時効線材(Al合金線)、及び比較線材の測定結果である。
試験例1と同様に、特定の元素:Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを含む試料No.2-1〜No.2-9はいずれも、最大結晶粒径が50μm以下である微細組織を有し、引張強さが150MPa以上(ここではいずれも200MPa以上)、かつ伸びが5%以上であり、室温での機械的特性に優れることが分かる。また、試料No.2-1〜No.2-9はいずれも、導電率が40%IACS以上(ここではいずれも48%IACS以上)であり、高い導電率も有することが分かる。
更に、得られた時効線材(Al合金線)、及び比較線材について、80℃〜150℃の温度範囲から選択される温度(℃)における引張強さ(MPa):表7、80℃〜150℃の温度範囲から選択される温度(℃)に1,000時間保持した後における引張強さ(MPa):表8、80℃〜150℃の温度範囲から選択される温度(℃)に3,000時間保持した後における引張強さ(MPa):表9を調べた。その結果を表7〜表9に示す。測定は、上記温度範囲から選択した温度における引張強さを測定可能な汎用の引張試験機(雰囲気炉を有するもの)を用いて測定した。なお、表7に示す高温強度の測定には、例えば、日本伸銅協会技術標準JCBA T313(2002)、JIS G 0567(鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法 1998)などを参照することができる。表8に示す温度(℃)に1,000時間保持した後における引張強さ、及び表9に示す温度(℃)に3,000時間保持した後における引張強さはいずれも、所定の保持時間経過後、室温に冷却してから測定した。
表7に示すように、特定の元素:Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを含み、最大結晶粒径が50μm以下である組織を有し、室温での引張強さ及び伸びに優れ、高い導電率を有するAl合金線は、80℃以上150℃以下から選択される任意の温度における引張強さも150MPa以上であり、高温強度に優れることが分かる。この理由は、上述のように最大結晶粒径が50μm以下であるものの、ある程度粒径が大きい(ここでは最大結晶粒径が30μm〜40μm程度である)組織から構成されることで、粒界すべりを抑制できたため、と考えられる。また、この試験では、80℃において200MPa超の引張強さを有し、測定温度が高いほど、引張強さがある程度低下するものの、150℃といった非常に高温においても150MPa以上の引張強さを有していることが分かる。このことから、上述のような高温強度に優れるAl合金線は、80℃〜150℃の温度範囲から選択される任意の温度(例えば、80℃、85℃、100℃、120℃、125℃、150℃など)における引張強さは勿論、室温から150℃までの任意の温度における引張強さも150MPa以上であると考えられる。
また、表8に示すように、特定の元素:Cu,Fe,Cr,Mn,Zrを含み、最大結晶粒径が50μm以下の微細組織を有し、室温での引張強さ及び伸びに優れ、高い導電率を有するAl合金線は、80℃以上150℃以下から選択される任意の温度に1,000時間保持された後における引張強さも150MPa以上であり、高温保持後の強度に優れることが分かる。この理由は、高温に長時間曝されても、上述の特定の元素を含有することによって結晶粒の成長が抑制されて微細な組織(代表的には、最大結晶粒径が50μm以下である組織)が維持できたため、と考えられる。試料No.2-2に着目すると、80℃〜150℃の温度範囲において温度が高いほど、引張強さがある程度低下するものの、当該温度範囲のいずれの温度においても、150MPa以上(ここでは200MPa超)の引張強さを有していることが分かる。このことから、試料No.2-2のAl合金線は、80℃〜150℃の温度範囲から選択される任意の温度(例えば、80℃、85℃、100℃、120℃、125℃、150℃など)に長時間保持された後における引張強さは勿論、室温から150℃までの任意の温度に1,000時間保持された後における引張強さが150MPa以上であると考えられる。
更に、表9に示すように、試料No.2-2は、3,000時間経過後における引張強さと1,000時間経過後におけるが引張強さとが実質的に等しく、高い強度を維持している。このことから、80℃〜150℃の温度範囲から選択される任意の温度に1,000時間保持した後に150MPa以上の強度を有するAl合金線は、当該温度に更に長時間曝された場合にも、高い強度を維持し続けることができると考えられる。そして、この理由は、上述のように上述の特定の元素を含有することによって結晶粒の成長が抑制されたため、と考えられる。
加えて、表7と表8とを比較すると、150℃における引張強さよりも、150℃に1,000時間保持した後における引張強さの方が高くなっている。この理由は、150℃に1,000時間保持した後における引張強さは、所定時間経過後、室温に冷却してから測定していることが挙げられる。他の理由として、高温に長時間曝されることで、いわば事後的に時効された状態となり、析出物の均一的な分散による強化がなされたため、と考えられる。このことから、80℃〜150℃の温度範囲から選択される任意の温度における引張強さが150MPa以上であるAl合金線は、このような高温になり得ると共に高温状態から室温程度までの低温状態になり得る使用環境では、経時的に高い強度を維持する、或いは強度が更に向上すると期待される。
また、試料No.2-1,No.2-3〜No.2-9はいずれも、150℃に1,000時間保持した後における引張強さが150MPa以上(ここでは200MPa以上)であることから、試料No.2-2と同様に、高温保持後の強度に優れることが分かる。また、試料No.2-1,No.2-3〜No.2-9はいずれも、試料No.2-2と同様に、(1)80℃〜150℃の温度範囲から選択される任意の温度に1,000時間保持された後における引張強さ、及び室温から150℃までの任意の温度に1,000時間保持された後における引張強さが150MPa以上である、(2)上記選択される任意の温度に更に3,000時間保持した後における引張強さも150MPa以上である、(3)使用時に上記選択される任意の温度に曝されることで強度が向上することがある、と期待される。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、Al合金の組成、Al合金線の線径、溶体化処理条件などを特定の範囲で変更してもよい。
本発明アルミニウム合金線及び本発明アルミニウム合金撚り線は、軽量で、高強度・高導電率を有する上に、耐衝撃性や屈曲特性にも優れることが望まれる用途、例えば、自動車や飛行機などの搬送機器、産業用ロボットなどの制御機器といった各種の電気機器の配線構造に利用される電線の導体に好適に利用することができる。また、本発明アルミニウム合金線及び本発明アルミニウム合金撚り線は、高温強度や耐熱性にも優れることが望まれる用途の電線の導体に好適に利用することができる。本発明被覆電線は、車載ワイヤーハーネスなどの各種の電気機器の配線構造に利用される電線に好適に利用することができる。本発明ワイヤーハーネスは、軽量化が望まれている種々の分野の電気機器、特に、燃費の向上のために更なる軽量化が望まれている自動車の配線構造やエンジン周りといった高温となり得る箇所を具える自動車の配線構造に好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 導体に利用されるアルミニウム合金線であって、
    質量%で、
    Mgを0.2%以上1.5%以下、
    Siを0.1%以上2.0%以下、
    Feを0.1%以上1.0%以下、又はCu,Cr,Mn及びZrから選択される少なくとも一種の元素とFeとを合計で0.1%以上1.0%以下含有し、残部がAl及び不純物からなり、
    導電率が40%IACS以上、
    引張強さが150MPa以上、
    伸びが5%以上、
    線径が0.5mm以下、かつ、
    最大結晶粒径が50μm以下であるアルミニウム合金線。
  2. 請求項1に記載のアルミニウム合金線を複数撚り合わせてなるアルミニウム合金撚り線。
  3. 請求項1に記載のアルミニウム合金線、又は請求項1に記載のアルミニウム合金線を複数撚り合せたアルミニウム合金撚り線、又はこの撚り線を圧縮成形した圧縮線材のいずれかを導体とし、その外周に絶縁被覆層を具える被覆電線。
  4. 請求項3に記載の被覆電線と、この電線の端部に装着された端子部とを具えるワイヤーハーネス。
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