JP5838901B2 - 物体識別装置及び物体識別方法 - Google Patents

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本発明は、レーザレーダを用いて物体を検知しその識別を行う物体識別装置及び物体識別方法に関する。
車両や運搬用ロボット等において周辺に存在する物体の位置や速度を推定することは、衝突回避のための自動制動や前車追従走行等を行う上で重要な技術である。周辺の物体の位置や速度を推定する方法の1つとして、従前より、レーザレーダにより計測された物体表面の位置(複数のレーザ計測点からなる点群データとして得られる)から推定する技術が知られている。
この技術では、基本的な処理として、取得された点群を物体毎に分かれるように複数のクラスタに分割するクラスタリングと、所定時間毎に各クラスタの対応付けを行い、各クラスタの移動量を算出するトラッキングと、クラスタの大きさや移動量から対象物体を識別する処理を行っている。このうち、クラスタリング処理では、正しく物体毎に分けることが技術課題となっている。
従来、この種の物体識別を行うための方法として、各点間の距離の大小に応じて物体を区分する方法、レーザ光を走査した際に得られる反射点の角度方向の連続性などを利用して対象物体を判断する方法、距離に加えて法線ベクトルの変化から対象物体を判断する方法などが提案されている。また、検出物体までの距離とその移動量の同一性により対象物体を判断するようにしたもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開2007−298409号公報
しかしながら、上述したような各点間の距離に基づいて物体を区分する方法や、反射点の角度方向の連続性、法線ベクトルの変化などを利用する方法では、基本的に各点間の距離を使っているので、近い距離範囲にある複数の物体を区分することができない場合があった。
特に、レーザレーダの分解能が低い場合に、レーザレーダから取得された点群のデータを物体毎に区分できず、複数の物体を1つの物体と誤判定するという問題があった。例えば、道路上で2人の歩行者が近い距離にいる場合、分解能の低いレーザレーダを用いて2人の歩行者を計測すると、各人の手や腕の部分が計測データ上ほぼ連続しているように検出される。このため、2人の歩行者を個々に識別することができず、1つの物体であると誤判定されることになる。
また、上記の特許文献1に記載されるような、検出物体までの距離とその移動量の同一性により対象物体を判断する方法では、反射点レベルで速度を正確に求めることは困難であり、以下の問題があった。即ち、特許文献1に開示された技術では、移動ベクトルと距離が同一と判断されたターゲットを同一の物体としてグルーピングしているので、例えば、同一速度で移動している2つの物体が近接している場合、個々の物体を識別することが難しいという問題があった。
本発明は、上述したような従来の問題を解決するためになされたもので、複数の物体が近接し同一速度で移動している場合でも、安定的に個々の物体を識別することができる物体識別装置及び物体識別方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る物体識別装置は、上記目的達成のため、レーザレーダにより検出される複数の検出点を基に物体を識別する装置であって、検出点間の互いの距離が所定距離以内にある検出点の集合を1つのクラスタ候補として認識するとともに、前記所定距離を最大値から最小値まで徐々に変化させたときに認識されるクラスタ候補に含まれる検出点の数の変化が許容変化量以内になるときの前記所定距離の変化量によって規定される安定度を算出し、所定値以上の安定度を有した形状のクラスタ候補を前記所定距離に対応付けて検出するクラスタ候補検出部と、所定時間毎に前回検出したクラスタ候補に含まれる検出点と今回検出した各クラスタ候補に含まれる検出点との距離を算出し、当該距離が最小となる点を一定の割合以上含む2つのクラスタ候補の対応付けを行い、ICP法を用いて当該対応付けされた2つのクラスタ候補を位置合わせした上で当該2つのクラスタ候補に含まれる検出点の位置誤差を算出し、算出した位置誤差が所定値以内となる検出点の数に基づいて当該2つのクラスタ候補の形状の一致度を算出する候補トラッキング部と、を備え、前記候補トラッキング部は、算出された前記形状の一致度が所定閾値以上の場合に当該2つのクラスタ候補を1つの物体として特定することを特徴とする。
この構成により、本発明に係る物体識別装置は、1つのクラスタ候補として認識される検出点の集合を規定する所定距離を変化させたときに、クラスタリングによって得られる当該クラスタ候補の形状の安定度を算出し、所定値以上の安定度を有した形状をクラスタ候補として検出するようにしている。そして、この検出されたクラスタ候補を用いて所要の候補トラッキング処理を行い、所定閾値以上の形状一致度を有したクラスタ候補を1つの物体として特定するようにしている。
即ち、本発明に係る物体識別装置は、同一物体から得られる形状が同一であることを利用し、その形状が安定して得られる適当な閾値(所定距離)をクラスタ候補毎に動的に設定するようにしている。その結果、上述したような従来の技術と比べて、安定的に個々の物体を識別することができる。特に、複数の物体が近接し同一速度で移動している場合でも、個々の物体を区分することが可能となる。
本発明の他の形態に係る物体識別方法は、上記目的達成のため、レーザレーダにより検出される複数の検出点を基に物体を識別する方法であって、検出点間の互いの距離が所定距離以内にある検出点の集合を1つのクラスタ候補として認識するとともに、前記所定距離を最大値から最小値まで徐々に変化させたときに認識されるクラスタ候補に含まれる検出点の数の変化が許容変化量以内になるときの前記所定距離の変化量によって規定される安定度を算出し、所定値以上の安定度を有した形状のクラスタ候補を前記所定距離に対応付けて検出する段階と、所定時間毎に前回検出したクラスタ候補に含まれる検出点と今回検出した各クラスタ候補に含まれる検出点との距離を算出し、当該距離が最小となる点を一定の割合以上含む2つのクラスタ候補の対応付けを行い、ICP法を用いて当該対応付けされた2つのクラスタ候補を位置合わせした上で当該2つのクラスタ候補に含まれる検出点の位置誤差を算出し、算出した位置誤差が所定値以内となる検出点の数に基づいて当該2つのクラスタ候補の形状の一致度を算出する段階と、を備え、算出された前記形状の一致度が所定閾値以上の場合に当該2つのクラスタ候補を1つの物体として特定することを特徴とする。
この構成により、本発明に係る物体識別方法は、上記の一形態に係る物体識別装置と同様の作用効果を奏することができる。
本発明によれば、複数の物体が近接し同一速度で移動している場合でも、安定的に個々の物体を識別することができる物体識別装置及び物体識別方法を提供することができる。これにより、例えば、本発明の物体識別装置を車両に搭載した場合、車両周辺に存在する物体(対向車や、歩行している人など)を識別することで、その物体との衝突を回避することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る物体識別装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の物体識別装置が行う物体識別方法を実現するための機能ブロック図である。 図1に示したレーザレーダから取得された点群データの一例を示す図であり、(a)は時点t1における点群データ、(b)は時点t2(t1から所定時間経過後)における点群データ、をそれぞれ示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ時点t1及びt2における閾値Thdmaxのときのクラスタリング結果を示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ時点t1及びt2における閾値Thd1のときのクラスタリング結果を示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ時点t1及びt2における閾値Thd2のときのクラスタリング結果を示す図である。 クラスタ候補の形状の安定度を説明するための図であり、(a)は閾値(所定距離)の変化によるクラスタ候補の形状の変化、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ当該クラスタ候補の形状の安定度を示す図である。 図3(a)に示す点群データから得られた安定度の高いクラスタ候補を示す図である。 図3(b)に示す点群データから得られた安定度の高いクラスタ候補を示す図である。 時点t1とt2で得られた各クラスタ候補の対応付け(その1)を説明するための図である。 時点t1とt2で得られた各クラスタ候補の対応付け(その2)を説明するための図である。 時点t1とt2で得られた各クラスタ候補の対応付け(その3)を説明するための図である。 対応付けされた各クラスタ候補の形状一致度の算出を説明するための図である。 形状が一致すると判定されたクラスタ候補を示す図である。 階層構造をなすクラスタ候補群の説明図である。 図1に示したコントローラにより実行されるクラスタ候補検出処理の一例を示すフローチャートである。 図16に示したステップS9で行う処理の詳細を示すフローチャートである。 図1に示したコントローラにより実行される候補トラッキング処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 図1に示したコントローラにより実行される候補トラッキング処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の物体識別装置1は、レーザレーダ2と、コントローラ3と、メモリ4と、を備えている。物体識別装置1は、特に図示はしないが、路面上を走行する自車両に搭載されている。
レーザレーダ2は、本実施形態では1つのみ設けられ、例えば、自車両の前部に設置されている。このレーザレーダ2は、コントローラ3からの制御に基づき、自車両の前方に存在する物体(例えば、反対車線を走行している対向車、壁際を歩行している人など)にレーザ光をスキャンさせて照射し、その時に物体表面で反射されるレーザ光を受けることで、物体表面の位置を所定時間毎に計測するようになっている。このレーザレーダ2により計測された物体表面の位置は、複数のレーザ計測点(点群データ)として得られる。
コントローラ3は、CPU(Central Processing Unit)3aを中心とするマイクロプロセッサから構成されている。コントローラ3は、さらに、処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)3bと、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)3cと、図示しない入出力ポート及び通信ポートと、を備えている。このコントローラ3は、ROM3bに記憶された処理プログラムに従って、後述するように自車両の周辺に存在する物体を個々に識別するための処理を制御するようになっている。
このコントローラ3は、図2に示すように、物体識別に係る処理制御を実現するための機能ブロックとして、路面推定部11と、クラスタ候補検出部12と、候補トラッキング部13と、を備えている。
路面推定部11は、レーザレーダ2から取得された点群データ(複数のレーザ計測点)に基づいて、路面位置を推定し、路面部分を除去して物体に関するレーザ計測点のみを抽出するようになっている。この路面推定部11が行う路面推定処理については、その方法自体は当業者には知られている手法であり、本発明には関係しないので、これ以上は詳述しない。
クラスタ候補検出部12は、所定時間毎に、路面推定部11から取得された点群データに基づき、物体に関する複数のレーザ計測点をおおよその物体毎に分割するためのクラスタ候補を検出するようになっている。
特に、このクラスタ候補検出部12は、クラスタリング結果の安定性、即ち、クラスタリングによって得られるクラスタ候補の形状が変化しない度合を計算し、クラスタ候補毎に形状が安定する適当な閾値(本実施形態では、レーザ計測点を中心とする所定距離の半径)を動的に設定するようになっている。
候補トラッキング部13は、クラスタ候補検出部12で所定時間毎に検出された複数のクラスタ候補のうちから、連続した時刻間で形状が類似(ほぼ一致)しているクラスタ候補を見つけ(クラスタ候補の「対応付け」)、最終的に物体として特定されるべき正しいクラスタ候補とそのクラスタ候補の移動量を推定するようになっている。
また、候補トラッキング部13は、その算出された移動量に基づいて当該クラスタ候補の形状の一致度を算出し、その算出された形状の一致度に基づいて、当該クラスタ候補を1つの物体として特定できるようになっている。
メモリ4は、レーザレーダ2により検出された複数のレーザ計測点のうち所定距離の範囲内に含まれるレーザ計測点(点群データ)をクラスタ候補として登録しておくためのものである。ここでいう「所定距離」は、例えばユークリッド距離を用いれば、後述する図4〜図6において破線で示すように、レーザ計測点(図中、P1〜P17、Q1〜Q18で示す点)を中心とする半径(Thdmax、Thd1、Thd2)の円によって囲まれる範囲をいう。なお、以降では、この半径をクラスタリング閾値Thと呼ぶ。また、距離はレーザレーダの計測誤差の異方性を考慮しマハラノビス距離等を用いてもよい。
また、このメモリ4には、後述するようにコントローラ3により2つのクラスタ候補が同じ物体であると判定されたときの当該クラスタ候補の情報、及びその対応付けが記憶されるようになっている。
図3は、レーザレーダ2から取得された点群データの一例を示しており、(a)は任意の時刻(時点t1)において取得された点群データ、(b)は時点t1から所定時間経過後(時点t2)に取得された点群データをそれぞれ示している。図3の例では、路面上の壁21際を人22が歩行し、かつ、反対車線を対向車23が走行している状況に対して、図示しない自車両に搭載されたレーザレーダ2を横方向にスキャンすることによって得られた点群データの例を示している。
図3(b)の状態では、図3(a)の状態から所定時間が経過しており、人22と車両(自車両と共に対向車23)が移動しているので、図3(a)の状態と比べて計測位置がずれている。このため、レーザレーダ2から取得される点群データも変化している。即ち、前回取得された点群データは、図3(a)に示すようにP1〜P17の計測点を含むのに対し、今回取得された点群データは、図3(b)に示すようにQ1〜Q18の計測点を含んでいる。
以下、コントローラ3(クラスタ候補検出部12、候補トラッキング部13)が行うクラスタ候補検出処理及び候補トラッキング処理について説明する。
先ず、コントローラ3(クラスタ候補検出部12)が行うクラスタ候補検出処理について、図3〜図8を参照しながら説明する。
図4(a)は、前回の時点t1(図3(a)の状態)において取得されたレーザ計測点データ(点群データP1〜P17)に対して、クラスタリング閾値Thの予め設定された最大値(最大閾値)Thdmaxでクラスタリングした結果を示したものである。図4(a)を参照すると、閾値Thdmaxでは、対向車(点P10〜P17)のクラスタリングや、壁の一部(点P8,P9)のクラスタリングは適切になされているが(クラスタ候補B11、C11)、壁の他の一部(点P1〜P4)と人(点P5〜P7)は同一のクラスタ候補A11に含まれている。
図5(a)は、図4(a)の状態からクラスタリング閾値Thを下げて、閾値Thd1でクラスタリングした結果を示したものである。図5(a)の状態では、クラスタ候補A11に含まれていた人(点P5〜P7)と壁(点P1〜P4)は別々のクラスタ候補A21、A22に分割されるが、対向車(点P10〜P17)は過剰に分割されてしまう。
図6(a)は、図5(a)の状態からクラスタリング閾値Thを下げて、閾値Thd2でクラスタリングした結果を示したものである。図6(a)の状態では、人(点P5〜P7)以外は過剰に分割されている。
以上より、以下のことが導き出される。先ず、物体までの距離や形状が異なるため、同一の閾値で、かつ全ての状況で個々の物体毎にクラスタ候補が得られるようにクラスタリングすることは困難である。これに対し、クラスタ候補毎に適切なクラスタリング閾値を設定することができれば、個々の物体毎にクラスタリングすることが可能である。
そこで、本実施形態では、この適切なクラスタリング閾値を設定する手段として、クラスタリング結果の安定性を評価し、この安定性が維持されるクラスタリング閾値を得るようにしている。これは、それぞれの物体毎にその形状によりクラスタリングに用いる距離等の指標がある程度の範囲に入ること、異なる物体間は形状の違いによりその範囲が異なっている性質を利用することで、実現され得る。
以下、安定性を推定する方法について、図7を参照しながら説明する。
安定性は、「クラスタリングの指標を変化させたときの形状の変化の少ない区間」として求められる。本実施形態では、レーザ計測点の点間距離をクラスタリングの指標にしている。先ず、既に図4(a)を参照しながら説明したように、最大閾値Thdmaxでクラスタリングを行うと、A11、B11、C11の3つのクラスタ候補が得られる。
ここで、最大閾値Thdmaxにおけるクラスタ候補A11に着目する。最大閾値Thdmaxから最小閾値Thdmin(図7参照)まで徐々にクラスタリング閾値Thを変化させていくと、図7(a)に示すように、閾値Thd1でクラスタ候補A11が複数のクラスタ候補A21、A22に分割される。このとき、初期のクラスタ候補A11の形状変化を見るための指標として、各クラスタリング閾値における最大サイズのクラスタ候補に含まれる検出点(レーザ計測点)の数が好適に用いられる。この指標(以下、構成点数と記す)を参照すると(図7(b))、当初クラスタ候補A11の構成点数が「7」(P1〜P7)であるのに対し、閾値Thd1における最大サイズのクラスタ候補A22の構成点数は「4」と大きく減少している。
さらにクラスタリング閾値Thを変化させると、閾値Thd2でクラスタ候補A21が最大サイズとなり、その構成点数は「3」となる。
クラスタリング結果の安定性を評価するためには、クラスタリング閾値Thの変化に伴う構成点数の変化量を指標とすることが好ましい。以下、この指標を許容変化量Thmatchと呼ぶ。図7(b)に示すように、クラスタ候補A11の構成点数は、閾値Thdmaxから閾値Thd1の範囲で一定であるが、閾値Thd1から閾値Thd2の範囲で許容変化量Thmatchを超えて変化している。言い換えれば、クラスタ候補A11の構成点数が安定している区間(閾値の範囲)が、ThdmaxからThd1までの区間T11であることがわかる。この区間T11は、クラスタリング閾値Thの変動に対してクラスタ候補A11の「形状が安定的に維持される度合い」を表していると考えられることから、このT11をクラスタ候補A11の「安定度」として用いることができる。
クラスタ候補A11から分割されたクラスタ候補A21、A22についても、同様に、図7(c)及び(d)に示すように安定度T22、T21が計算される。これらの安定度T11、T22、T21が閾値ThGLより大きい形状をクラスタ候補として抽出する。例えば、図4(a)の例に対しては、図8(a)〜(c)に示すように安定度の高いクラスタ候補A11、A21、A22、B11、B21、C11が得られる。クラスタ候補は、最大閾値Thdmaxにより得られたクラスタ候補A11、B11、C11を根ノードにもつツリー構造として表現される。
次に、コントローラ3(候補トラッキング部13)が行う候補トラッキング処理について、図3〜図7、図9〜図14を参照しながら説明する。
時点t1から所定時間経過後の時点t2(図3(b)の状態)において取得されたレーザ計測点データ(点群データQ1〜Q18)に対して、上記の図7に示した方法と同様にして最大閾値Thdmaxから最小閾値Thdminまで徐々にクラスタリング閾値ThをThd1、Thd2と変化させていくと、図9(a)〜(c)に示すように安定度の高いクラスタ候補D11、D21、D22、E11、E21、F11が得られる。それぞれの閾値Thdmax、Thd1、Thd2においては、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示した例と同様に、各クラスタ候補の構成点数が変化する。
候補トラッキング処理においては、前回の時点t1(図3(a)の状態)で検出されたクラスタ候補と、今回の時点t2(図3(b)の状態)で検出されたクラスタ候補とを対応付けることで、最終的に1つの物体として特定されるべき正しいクラスタ候補と、そのクラスタ候補の移動量を計算する。
クラスタ候補の対応付けは、クラスタ候補がツリー構造をなしていることを利用して、根ノードのクラスタ候補から子ノードのクラスタ候補に向かって(つまり、ツリー構造の階層の深い方向に)行われる。
例えば、時点t1のときの根ノードのクラスタ候補A11を例にとって説明する。先ず、候補トラッキング部13は、クラスタ候補A11に対応する可能性のある時点t2のときの根ノードにあるクラスタ候補D11、E11、F11(図4(b)参照)を探す。この探索は、次に説明するように、時点t1のクラスタ候補A11と時点t2のクラスタ候補D11、E11、F11との間の距離の近さに基づいて行われる。
図10を参照して、このクラスタ候補間の距離の計算方法を説明する。候補トラッキング部13は、時点t1のクラスタ候補A11の各点P1〜P7と、時点t2のクラスタ候補D11、E11、F11に含まれる各点Q1〜Q18との間の距離を算出することにより、点Q1〜Q18のうち、各点P1〜P7からの距離が最小となる点を検出する。
さらに、候補トラッキング部13は、各点Q1〜Q18のうち、各点P1〜P7からの距離が最小となる点を一定の割合以上含むクラスタ候補を、時点t1のクラスタ候補と対応する可能性のあるクラスタ候補として抽出する。図10に示す例では、根ノードのクラスタ候補A11に含まれる7つの点(P1〜P7)に関して、クラスタ候補D11に対応する点は6点(P1〜P3、P5〜P7)、クラスタ候補E11に対応する点は0、クラスタ候補F11に対応する点は1点(P4)である。例えば、上記の一定の割合を30%としたとき、時点t1のクラスタ候補A11に対応する時点t2のクラスタ候補はD11のみとなる。他の根ノードのクラスタ候補B11、C11についても同様に対応する時点t2のクラスタ候補が抽出される。
次に、候補トラッキング部13は、時点t1、t2間で対応する可能性のある根ノードのクラスタ候補内から、形状が類似する(ほぼ一致する)クラスタ候補を探し、正しい対応付けと移動量を推定する。
根ノードのクラスタ候補A11を例に、図11を参照して説明する。先ず、候補トラッキング部13は、クラスタ候補A11と、クラスタ候補A11と対応する可能性のあるクラスタ候補D11の形状が一致するか否かを確認する。さらに、候補トラッキング部13は、図11(a)に示すように、子ノードのクラスタ候補D21、D22についても、クラスタ候補A11との形状の比較を行う。
ここで、候補トラッキング部13は、以下に説明する形状一致度Sを算出する。形状一致度Sは、図13に示すように、対応する可能性のある2つのクラスタ候補A11、D11に対してICP(Iterative Closest Point)法を用いて、各クラスタ候補における各点(P1〜P7とQ1〜Q8)のおおよその位置を合わせた上で、位置誤差がTh(図13に示される矢印の長さに相当する距離)以内で一致する点の数Np(図示の例では7点)により、以下の式(1)から算出することができる。
S=Np/(N+N).........(1)
なお、N、Nは、それぞれ2つのクラスタ候補A11、D11の構成点数である。
この形状一致度Sが所定閾値Th以上であれば、2つのクラスタ候補は一致しているとみなす。
この形状一致度Sで、形状が一致するクラスタ候補を探索した場合に、根ノードのクラスタ候補A11に一致する候補が、クラスタ候補D11、D21、D22において見つからなかったとする。この場合、根ノードのクラスタ候補A11の1段下の階層にあるクラスタ候補A21、A22について、形状が一致するクラスタ候補を探索する。そうした場合、図11(b)及び(c)に示すように、クラスタ候補A21に対応するクラスタ候補としてD21が得られ、A22に対応するクラスタ候補としてD22が得られる。このように、注目している階層に対して形状が一致するクラスタ候補が全て見つかったときに、そのクラスタ候補のツリー(クラスタ候補群)に対する対応付けを終了する。
一方、形状が一致するクラスタ候補が見つからないノードがある場合には、そのノードについて、さらに階層を深くして探索を行う。その際、既に別の階層で形状が一致すると判定されたクラスタ候補と、そのクラスタ候補と同じツリーに含まれる子ノードのクラスタ候補については、探索を行わないようにする。これにより、無駄な計算を削減することができる。
全ての階層で探索しても形状が一致するクラスタ候補(子ノード)が見つからない場合には、そのクラスタ候補(根ノード)は新規物体(時点t2の物体)、又は消失物体(時点t1の物体)と判定する。
他の根ノードのクラスタ候補B11、C11についても同様に、形状が一致するクラスタ候補(子ノード)を探索する。クラスタ候補B11の場合は、図12(a)に示すように、クラスタ候補B11とE11の根ノードの候補が一致するため、これ以降の階層の探索を行わないようにする。クラスタ候補C11の場合も同様に、図12(b)に示すように、クラスタ候補C11とF11の根ノードの候補が一致するため、これ以降の階層の探索を行わないようにする。これは、無駄な計算の削減に寄与する。
このようにして、最終的に、対応付けができた各クラスタ候補をクラスタリング結果として出力する(図14)。
以上の処理(コントローラ3が行うクラスタ候補検出処理及び候補トラッキング処理)により、2つの物体が近接している場合でも、従来技術の場合と比べて、より適切なクラスタリング結果を生成することができる。その結果、物体の速度や、その物体の種別の推定精度、即ち、その物体が車両であるか、人であるか等を推定し得る度合いを高めることができる。
以下、上記の処理(コントローラ3が行うクラスタ候補検出処理及び候補トラッキング処理)について、図15のツリー構造の説明図、及び、図16〜図19に示すフローチャートを参照して説明する。
図15は、コントローラ3(クラスタ候補検出部12)が行うクラスタ候補検出処理によって検出されるクラスタ候補群の構成を示したものである。図15に示すように、クラスタ候補群はツリー状の階層構造をなしている。ここでは、各クラスタ候補をCi,j,kjと表している。サフィックスの1番目の文字「i」は、最大閾値Thdmaxでクラスタリングされたクラスタ候補の番号を表し、2番目の文字「j」は、クラスタリングの階層の深さ(第1層、第2層、......)を表し、3番目の文字「kj」は、j番目の階層におけるノード番号を表している。各クラスタ候補Ci,j,kjは、最大閾値Thdmaxにより得られた根ノードと、最大閾値Thdmaxよりも小さいクラスタリング閾値Thから得られた子ノードとに分類される。
先ず、クラスタ候補検出処理(図16、図17参照)について説明する。
図16を参照すると、先ず、コントローラ3(クラスタ候補検出部12)は、最大閾値Thdmaxでクラスタリングを行い、クラスタ候補C(1≦i≦Nroot)を得る(ステップS1)。そして、全て(Nroot個)のクラスタ候補Cに対して、後述するステップS2〜S12の処理を繰り返す。
先ず、コントローラ3は、クラスタ候補Cの番号iを1に初期化し(ステップS2)、番号iのクラスタ候補Cを基に作成されるクラスタ群のツリー構造の深さ(クラスタリングの階層の深さ)jを1に初期化する(ステップS3)。次のステップS4では、コントローラ3は、クラスタ候補Cをi番目のクラスタ候補群の根ノードとしてメモリ4に登録する。これにより、最低1つのクラスタ候補が初期クラスタ候補群Ci,j,kj(kj=1)としてメモリ4に記憶される。
次に、コントローラ3は、クラスタリング閾値Thを、最大閾値Thdmaxから所定値j×ΔDだけ減少させた値に更新する(ステップS5)。次のステップS6では、この新しい閾値(Thdmax−j・ΔD)で、注目している深さjのクラスタ候補Ci,j,kjをそれぞれクラスタリングし、クラスタリング結果を得る。
次のステップS7では、コントローラ3は、ステップS6で得られたクラスタリング結果(クラスタ候補)のうち、構成点数が所定閾値Thsize以上のクラスタ候補をCi,j+1,k(j+1)として、対応する分割前のクラスタ候補の子ノードになるようにメモリ4に登録する。これにより、以降の処理で不要な処理時間を削減できる。なお、ステップS6のクラスタリングを行った前後で、クラスタリング結果が変化しない場合も、分割後のクラスタ候補を分割前のクラスタ候補の子ノードとして登録する。
次に、ステップS8では、コントローラ3は、クラスタリング閾値Thが最小閾値Thdminより大きい(YES)か否(NO)かを判定し、判定結果がNOの場合(Th≦Thdmin)には、クラスタ候補の抽出を終えてステップS9の処理を実行する。一方、ステップS8において判定結果がYESの場合(Th>Thdmin)には、コントローラ3は、深さjを1つ増やし(ステップS10)、ステップS5に戻って上記の処理を繰り返す。
ステップS9では、コントローラ3は、得られた全てのクラスタ候補から、安定度の高いクラスタ候補を抽出する。この処理については後述する(図17)。
次のステップS11では、コントローラ3は、クラスタ候補の番号iがステップS1で得られたクラスタ候補Cの総数Nroot未満である(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がNOの場合(i≧Nroot)には、コントローラ3は、本処理を終了し(END)、判定結果がYESの場合(i<Nroot)には、番号iを1つ増やし(ステップS12)、ステップS3に戻って上記の処理を繰り返す。
次に、上記のステップS9で行う「安定度の高いクラスタ候補の抽出」処理について、図17を参照しながら説明する。
図17に示すように、ステップS21では、コントローラ3は、注目する階層の深さmが処理対象のクラスタ候補群のツリー構造の最大深さDmaxより小さい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(m<Dmax)には、コントローラ3は、ステップS22の処理を実行し、判定結果がNOの場合(m≧Dmax)には、本処理を終了する(END)。
ステップS22〜S28の処理では、コントローラ3は、安定度の高いクラスタを抽出する。先ずステップS22では、コントローラ3は、クラスタ番号kmを1に初期化し、次のステップS23では、注目するクラスタ候補Ci,m,kmに対して、構成点数の差(変化量)Skmが許容変化量Thmatch(図7参照)以内となる子ノードの最大の深さni,m,kmを求める。ここで、最大の深さni,m,kmは、注目するクラスタ候補Ci,m,kmからの構成点数の変化量が許容変化量Thmatch以内となるクラスタリング閾値の下限値と関連付けられる値である。
次に、コントローラ3は、安定度Tm,kmを以下の式(2)により算出する(ステップS24)。ここで、安定度Tm,kmは、注目するクラスタリング閾値と上記下限値との差に関連付けられる値である(図7参照)。
m,km=ni,m,km−m.........(2)
次のステップS25では、コントローラ3は、安定度Tm,kmが閾値ThTlen以上である(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(Tm,km≧ThTlen)には、コントローラ3は、ステップS26の処理を実行し、判定結果がNOの場合(Tm,km<ThTlen)には、ステップS27の処理を実行する。ここで、閾値ThTlenは、図7における閾値ThGLに関連付けられる値である。
ステップS26では(Tm,km≧ThTlenの場合)、コントローラ3は、注目するクラスタ候補Ci,m,kmは安定度が高いと判断し、安定度の高いクラスタ候補としてメモリ4に登録する。そして、ステップS28では、コントローラ3は、クラスタ番号kmのクラスタ候補の深さni,m,km+1以降の安定度の高いクラスタ候補を抽出する。この処理は、クラスタ番号kmのクラスタ候補を根ノードと見立てて、本処理(図17)を実行することで実現される。
一方、ステップS27では(Tm,km<ThTlenの場合)、深さがm+1以降の安定度の高いクラスタ候補を抽出する。この処理も同様にして、クラスタ番号kmのクラスタ候補を根ノードと見立てて、本処理(図17)を実行することで実現される。
ステップS29では、コントローラ3は、クラスタ番号kmが深さmのクラスタ数Kmよりも小さい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がNOの場合(km≧Km)には、本処理を終了し(END)、判定結果がYESの場合(km<Km)には、番号kmを1つ増やし(ステップS30)、ステップS23に戻って上記の処理を繰り返す。
次に、候補トラッキング処理(図18及び図19参照)について説明する。
この候補トラッキング処理では、ステップS41〜S61の処理を繰り返すことで、クラスタ候補群の中から正しいクラスタ候補を決定することができる。
現在の時刻を時点t2(図3(b)の状態)とするとき、コントローラ3は、先ずステップS41において、前回の時点t1(図3(a)の状態)の注目するクラスタ候補群番号pを1に初期化する。次のステップS42では、コントローラ3は、番号pのクラスタ候補群(時点t1)に対応する時点t2のクラスタ候補群qを選択する。
そして、コントローラ3は、ステップS43〜S59の処理を繰り返すことで、クラスタ候補群pとクラスタ候補群qの中から、抽出すべきクラスタ候補とその移動量を計算する。具体的には、コントローラ3は、先ずステップS43において、番号pに関するクラスタ候補群のツリー構造の注目する深さdpを1に初期化する。そして、コントローラ3は、ステップS44〜S57の処理(図19参照)を繰り返す。
先ずステップS44において、コントローラ3は、深さdpの注目するクラスタ候補番号np,dpを1に初期化する。次に、コントローラ3は、クラスタ候補群番号qに関するクラスタ候補群のツリー構造の注目する深さdqを1に初期化し(ステップS45)、深さdqの注目するクラスタ候補番号nq,dqを1に初期化する(ステップS46)。
次いで、コントローラ3は、クラスタ候補番号np,dpとnq,dqの位置をICP法によって合わせ(ステップS47)、そのときの形状一致度Sを前述した式(1)により算出する(ステップS48)。
次のステップS49では、コントローラ3は、その形状一致度Sが閾値Thより小さい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(S<Th)には、コントローラ3は、ステップS50の処理を実行し、判定結果がNOの場合(S≧Th)には、ステップS56の処理を実行する。
次いで、コントローラ3は、クラスタ候補番号nq,dqを1増やし(ステップS50)、次のステップS51では、クラスタ候補番号nq,dqがクラスタ候補数Nq,Dqより大きい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(nq,dq>Nq,Dq)には、コントローラ3は、ステップS52の処理を実行し、判定結果がNOの場合(nq,dq≦Nq,Dq)には、ステップS47に戻って上記の処理を繰り返す。
さらに、コントローラ3は、深さdqを1増やし(ステップS52)、次のステップS53では、深さdqが最大深さDqより大きい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(dq>Dq)には、コントローラ3は、ステップS54の処理を実行し、判定結果がNOの場合(dq≦Dq)には、ステップS46に戻って上記の処理を繰り返す。
一方、ステップS56では(形状一致度S≧閾値Thの場合)、コントローラ3は、クラスタ候補番号np,dpとnq,dqの対応する2つのクラスタ候補は同じ物体であると判断し、当該クラスタ候補の情報、及びその対応付けをメモリ4に記憶する。さらに、コントローラ3は、クラスタ候補番号np,dpとnq,dqの子ノード以下のクラスタ候補をメモリ4から削除する(ステップS57)。削除されたクラスタ候補は、この時点t2での対応付けには使用されない。これにより、削除されたクラスタ候補については探索を行わずにすむので、無駄な計算を削減することができる。
次いで、コントローラ3は、クラスタ候補番号np,dpを1増やし(ステップS54)、次のステップS55では、クラスタ候補番号np,dpが全クラスタ候補数Np,dpより大きい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(np,dp>Np,dp)には、コントローラ3は、本処理を終了し(END)、判定結果がNOの場合(np,dp≦Np,dp)には、ステップS45に戻って上記の処理を繰り返す。
ステップS58(図18参照)では、コントローラ3は、注目する深さdpを1増やし、次のステップS59では、注目する深さdpがクラスタ候補群番号pの最大深さDpよりも大きい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(dp>Dp)には、コントローラ3は、ステップS60の処理を実行し、判定結果がNOの場合(dp≦Dp)には、ステップS44(図19参照)に戻って上記の処理を繰り返す。
ステップS60(図18参照)では、コントローラ3は、クラスタ候補群番号pを1増やし、次のステップS61では、クラスタ候補群番号pが全てのクラスタ候補群Npよりも大きい(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合(p>Np)には、コントローラ3は、本処理を終了し(END)、判定結果がNOの場合(p≦Np)には、ステップS42に戻って上記の処理を繰り返す。
以上の候補トラッキング処理により、連続した2時刻間(時点t1とt2の間)のクラスタ候補群の中から、形状が安定し、かつ、同一物体と推定されるクラスタ候補を抽出することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る物体識別装置1及び方法は、1つのクラスタ候補Ci,j,kjとして認識される検出点(P1〜P17、Q1〜Q18)の集合を規定する所定距離(Thdmax、Thd1、Thd2)を変化させていったときに、クラスタリングによって得られる当該クラスタ候補の形状の安定度T11、T22、T21を算出し、所定閾値THTlen以上の安定度を有した形状をクラスタ候補として検出するようにしている(図16、図17)。そして、この検出されたクラスタ候補を用いて所要の候補トラッキング処理を行い(図18、図19)、所定閾値Th以上の形状一致度Sを有したクラスタ候補を1つの物体として特定するようにしている。
即ち、本実施形態に係る物体識別装置1は、同一物体から得られる形状が同一であることを利用し、その形状が安定して得られる適当な閾値(所定距離)をクラスタ候補毎に動的に設定するようにしている。これにより、2つの物体が近接している場合でも、従来技術の場合と比べて、より適切なクラスタリング結果を生成することができる。
その結果、物体の速度や、その物体の種別の推定精度(車両であるか、人であるか等を推定し得る度合い)を高めることができる。例えば、2つの物体が近接して同一速度で移動している場合でも、各物体を個別に安定的に識別することが可能となる。
また、各物体を個別に安定的に識別できることにより、車両周辺に存在する物体(対向車23や、歩行している人22など)との衝突を回避することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、本発明に係る物体識別装置を車両に搭載した場合を例にとって説明したが、この適用形態に限定されないことはもちろんである。例えば、自動車の製造ライン等において運搬用ロボットに本発明の物体識別装置を搭載し、周辺に存在する障害物との衝突を回避するための自動制動等に利用することも可能である。
また、本発明に係る物体識別装置は、必ずしも車両や運搬用ロボット等の移動体に搭載される必要はなく、例えば、道路に付属する構造物(陸橋や照明ポール等)に固定的に設けるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、1つのレーザレーダ2によりレーザ光をスキャン照射することで周辺物体から複数のレーザ計測点を取得するようにしたが、かかる実施形態に限定されないことはもちろんである。例えば、複数のレーザレーダを使用し、各レーザレーダからのレーザ光をそれぞれ周辺物体の異なる部位に照射することで(この場合、スキャン動作は不要)、複数のレーザ計測点を取得するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る物体識別装置及び方法は、複数の物体が近接し同一速度で移動している場合でも、安定的に個々の物体を識別することができるという効果を奏するものであり、レーザレーダを用いて物体を検知しその識別を行う物体識別装置及び方法に有用である。
1 物体識別装置
2 レーザレーダ
3 コントローラ
4 メモリ
11 路面推定部
12 クラスタ候補検出部
13 候補トラッキング部
i,j,kj クラスタ候補
P1〜P17、Q1〜Q18 レーザ計測点(検出点)
S クラスタ候補の形状の一致度
Thdmax、Thd1、Thd2 クラスタリング閾値(所定距離)
Thmatch (クラスタ候補の形状の)許容変化量
11、T22、T21 (クラスタ候補の形状の)安定度

Claims (4)

  1. レーザレーダにより検出される複数の検出点を基に物体を識別する装置であって、
    検出点間の互いの距離が所定距離以内にある検出点の集合を1つのクラスタ候補として認識するとともに、前記所定距離を最大値から最小値まで徐々に変化させたときに認識されるクラスタ候補に含まれる検出点の数の変化が許容変化量以内になるときの前記所定距離の変化量によって規定される安定度を算出し、所定値以上の安定度を有した形状のクラスタ候補を前記所定距離に対応付けて検出するクラスタ候補検出部と、
    所定時間毎に前回検出した各クラスタ候補に含まれる検出点と今回検出した各クラスタ候補に含まれる検出点との距離を算出し、当該距離が最小となる点を一定の割合以上含む2つのクラスタ候補の対応付けを行い、ICP法を用いて当該対応付けされた2つのクラスタ候補を位置合わせした上で当該2つのクラスタ候補に含まれる検出点の位置誤差を算出し、算出した位置誤差が所定値以内となる検出点の数に基づいて、当該2つのクラスタ候補の形状の一致度を算出する候補トラッキング部と、を備え、
    前記候補トラッキング部は、算出された前記形状の一致度が所定閾値以上の場合に当該2つのクラスタ候補を1つの物体として特定することを特徴とする物体識別装置。
  2. 路面上を走行する車両に搭載され、
    前記レーザレーダにより検出された複数の検出点から前記路面の位置を推定し、路面部分を除去して物体に関する検出点のみを抽出する路面推定部をさらに備え、
    前記クラスタ候補検出部は、前記路面推定部により抽出された検出点に基づいてクラスタ候補を検出することを特徴とする請求項1に記載の物体識別装置。
  3. レーザレーダにより検出される複数の検出点を基に物体を識別する方法であって、
    検出点間の互いの距離が所定距離以内にある検出点の集合を1つのクラスタ候補として認識するとともに、前記所定距離を最大値から最小値まで徐々に変化させたときに認識されるクラスタ候補に含まれる検出点の数の変化が許容変化量以内になるときの前記所定距離の変化量によって規定される安定度を算出し、所定値以上の安定度を有した形状のクラスタ候補を前記所定距離に対応付けて検出する段階と、
    所定時間毎に前回検出した各クラスタ候補に含まれる検出点と今回検出した各クラスタ候補に含まれる検出点との距離を算出し、当該距離が最小となる点を一定の割合以上含む2つのクラスタ候補の対応付けを行い、ICP法を用いて当該対応付けされた2つのクラスタ候補を位置合わせした上で当該2つのクラスタ候補に含まれる検出点の位置誤差を算出し、算出した位置誤差が所定値以内となる検出点の数に基づいて、当該2つのクラスタ候補の形状の一致度を算出する段階と、を備え、
    算出された前記形状の一致度が所定閾値以上の場合に当該2つのクラスタ候補を1つの物体として特定することを特徴とする物体識別方法。
  4. 前記物体識別方法を、路面上を走行する車両において実施する場合に、
    前記レーザレーダにより検出された複数の検出点から前記路面の位置を推定し、路面部分を除去して物体に関する検出点のみを抽出する段階をさらに含み、
    前記抽出された検出点に基づいて前記クラスタ候補を検出することを特徴とする請求項3に記載の物体識別方法
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