以下、図面を参照しながら、本発明の画像形成装置及び純正品情報管理方法に係る好適な実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す図である。
なお、以下では、画像形成装置で用いられる消耗品が、トナーカートリッジ108(あるいは現像カートリッジ)である場合について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、消耗品の他の例として、インクカートリッジや感光体、転写ベルト、現像剤などの交換部材または補充部材がある。
画像形成装置100は、外部から伝送され、もしくはスキャナ(画像読み取り手段)(図示せず)で読み取った画像データを記録紙に画像形成するもので、装置本体130と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
装置本体130は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有する。
装置本体130の上部には、透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、その上側には原稿載置台92に原稿を自動搬送する自動原稿処理装置120が取り付けられる。自動原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
装置本体130は、筐体内に収容される画像読取手段90を有している。画像読取手段90は、光源及び第1ミラーを保持する光源ユニット93と、第2及び第3ミラーを保持するミラーユニット94と、レンズ及びCCD95とから構成された縮小光学系の画像読取手段である。また、装置本体130には、図示しない操作パネルが設けられ、ユーザによる操作入力が可能となっている。また装置本体130には、外部接続された装置から画像データを入力する手段、あるいは可搬型の記録媒体から画像データを読み取る手段(いずれも図示せず)を備えている。
画像形成装置100において扱われる画像データは、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム(像担持体)3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、これらにより4つの画像ステーションが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1には、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、この他も発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本構成例では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト61で積層される。このように積層された静電像は、中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される二次転写機構部である転写ローラ10によって記録紙に転写される。二次転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)としている。
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、若しくは転写ローラ10によって記録紙に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。
中間転写ベルトクリーニングユニット65には、例えば、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用する記録紙(シート)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体130の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する記録紙を置くことができる。装置本体130の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みの記録紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また、装置本体130には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の記録紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路S1が設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路S1の近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
搬送ローラ12a〜12dは、記録紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路S1に沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。
また、レジストローラ13は、用紙搬送路S1を搬送されている記録紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と記録紙の先端を合わせるタイミングで記録紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、記録紙を挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御手段によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーを記録紙に熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、記録紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
次に、記録紙の搬送経路をより具体的に説明する。上述のように、画像形成装置100には、予め記録紙を収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82から記録紙を給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、記録紙を1枚ずつ用紙搬送路S1に導くようになっている。
各給紙カセット81,82から搬送される記録紙は、用紙搬送路S1の搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録紙の先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、記録紙上に画像情報が書き込まれる。その後、記録紙は定着ユニット7を通過することによって記録紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
上記の搬送経路は、記録紙に対する片面印字要求の場合のものであるが、これに対して両面印字要求の場合は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過した記録紙の後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録紙を搬送ローラ12c,12dが配された搬送路S2に導く。そして、搬送路S2は搬送路S1に合流して、記録紙はレジストローラ13から転写ローラ10に搬送される。
このとき、搬送路S2からS1に合流する段階で記録紙の表裏が反転されているため、転写ローラ10では記録紙の裏面に印刷が行わる。そして裏面に印刷された記録紙は定着ユニット7で定着され、排紙トレイ91に排出される。
つぎに、本発明の実施形態に係る画像形成装置及び保守情報管理装置の要部構成例について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100及び保守情報管理装置200の要部構成例を示すブロック図である。
画像形成装置100は、例えば、複合機として構成され、画像形成装置100の各機能を制御し、内部にCPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータによって実現される制御部101と、操作部102a及び表示部102bからなる操作パネル102と、制御部101の制御に従って記録紙上に画像データの画像形成を行う画像形成部103と、ネットワークNを介して情報処理装置200と接続するための通信部104と、不揮発性メモリやハードディスクなどの記憶部105と、トナーカートリッジ108が備えるICチップからID情報を読み取る読取部106と、各種センサ及びセンサからの信号を処理する周辺回路からなるセンサ回路107と、交換部品の一例であるトナーカートリッジ108と、トナー像を中間転写ベルト上に転写する転写部109と、記録紙上にトナー像を定着して画像形成を行う定着部110と、画像データの入力を受け付ける画像入力部111と、画像形成を行う記録紙の搬送を制御する記録紙搬送部112と、画像処理を行う画像処理部113とを備えて構成される。
操作パネル102は、操作部102a及び表示部102bで構成され、操作部102aは、ユーザによる操作入力を受け付けて制御部101に出力する。また、表示部102bは、操作用の画面や各種情報を表示させる。操作部102aと表示部102bによって、操作画面に対して入力操作が可能なタッチパネルが構成されている。
本発明の主たる目的は、純正品でない消耗品を用いるか否かの選択をユーザから受け付けることを可能とするとともに、純正品でない消耗品を用いることをユーザが選択した場合に、画像形成装置100の保守作業を行う製造販売者の管理負担が増加することを防止することにある。
そのため、制御部101の純正品判定部101aは、画像形成部103に装着されたトナーカートリッジ108が純正品か否かを判定し、操作部102aは、純正品判定部101aによりトナーカートリッジ108が純正品でないと判定された場合に、そのトナーカートリッジ108を使用するか否かの設定情報をユーザから受け付け、通信部104は、操作部102aにより受け付けられた情報を、ネットワークを介して保守情報の管理を行う保守情報管理装置200に送信する。保守情報管理装置200については、後に詳しく説明する。
保守情報管理装置200は、画像形成装置100により送信された情報を記憶する。この保守情報管理装置200は、例えば、画像形成装置100を製造販売した企業のサポートセンターなどに設置されている。
そして、サポートセンターのサポート要員は、その情報を閲覧し、純正品であるトナーカートリッジ108が画像形成装置100で使用される場合は、画像形成装置100のサポートを行い、純正品であるトナーカートリッジ108が画像形成装置100で使用されない場合は、画像形成装置100のサポートを行わない。これにより、純正品であるトナーカートリッジ108が画像形成装置100で使用されないことによって発生する管理負担の増加を防止することができる。
なお、純正品か否かを判定する方法としては、前述の特許文献1,2に記載の技術をはじめ、例えば、特開2002−202697号公報、特開2009−145396号公報など従来公知の技術を用いて実現することができ、その方法について特に限定されるものではない。ここでは、純正品判定部101aによる純正品の判定方法として、画像形成装置100内で判定を行う場合を例示して説明するが、外部のサーバ装置等を利用して判定を行うようにしてもよい。
また、トナーカートリッジ108には、トナーカートリッジ108を個別に特定し得る固有のID情報が記録されている。例えば、トナーカートリッジ108はICチップを搭載し、その中のEEPROM、強誘電体メモリ等の不揮発性メモリにID情報を予め記録しておく。あるいは、このID情報をバーコードなどの簡易な方法により構成してもよい。
ID情報としては、少なくとも純正品を提供する製造メーカであることが分かればよいため、製造メーカの識別番号などであってもよい。また、読取部106の構成は、トナーカートリッジ108に付与されたID情報の形態によって異なる。例えば、ID情報がバーコードの場合には読取部106はバーコードリーダであり、また、ID情報がICチップに記録されている場合には読取部106は電気的あるいは高周波による読み取り手段で構成される。
記憶部105には、純正品であるトナーカートリッジ108のID情報が登録情報105aとして予め格納されており、トナーカートリッジ108の装着が確認されると、純正品判定部101aは、読取部106で読み取られたトナーカートリッジ108のID情報と、記憶部105に格納されている純正品のID情報とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。なお、画像形成装置100の製造メーカは、その製造段階において、純正品のトナーカートリッジ108のすべてのID情報を登録情報105aとして格納しておくとよい。
そして、ID情報が一致した場合には、純正品と判定され、ID情報が一致しない場合には、非純正品と判定される。なお、純正品でないトナーカートリッジ108には、ID情報が付与されていない場合もあるため、読取部106でID情報が読み取り不能であった場合、そのトナーカートリッジ108は純正品でないと判定される。
上記において、トナーカートリッジ108の交換装着は、センサ回路107により検知される。センサ回路107は、前述したように、各種センサ及びセンサからの信号を処理する周辺回路からなる。センサとしては、機械式あるいは光学式の扉センサ、カートリッジセンサで構成される。扉センサは、画像形成装置100の扉の開閉状態を検出するセンサであり、また、カートリッジセンサは、トナーカートリッジ108が画像形成装置100に装着されているか否かを検出するためのセンサである。
周辺回路としては、センサ出力の波形整形を行う波形整形回路、フィルタ回路、2値化回路、電圧レベル調整回路等が含まれ、センサ出力を、例えば、0−5Vの論理レベルを有するデジタル信号に変換する。
制御部101は、センサ回路107でトナーカートリッジ108の交換があったことを検知した場合には、トナーカートリッジ108のICチップにアクセスし、ID情報を読み取るように、読取部106に指示する。そして、純正品判定部101aは、読取部106で読み取られたID情報と、記憶部105に登録情報105aとして記憶されているID情報とを比較することで、交換されたトナーカートリッジ108が純正品か否かの判定を行う。
このようにして、純正品判定部101aは、ID情報の一致・不一致を判定することができる。また、読取部106で読み取り不能な場合、純正品判定部101aは、ID情報が不一致、つまり、トナーカートリッジ108は純正品でないと判定する。
時期判定部101bは、トナーカートリッジ108が純正品である場合にのみ、トナーカートリッジ108の交換の時期を判定する。具体的には、時期判定部101bは、純正品判定部101aによりトナーカートリッジ108が純正品と判定された場合に、トナーカートリッジ108によりこれまでに印刷した画像の画素数をカウントし、その数を記憶部105にトナー消費情報105bとして記憶する。
そして、時期判定部101bは、その画素数が所定の数に到達したか否かを検出することにより、トナーカートリッジ108の交換の時期が到来したか否かを判定する。具体的には、時期判定部101bは、トナー消費情報105bに登録された値が第1の所定値を超えた場合に、トナーカートリッジ108がニアエンド状態に到達し、交換の時期が到来したと判定する。ニアエンド状態とは、トナーがもうすぐ無くなる状態である。
また、時期判定部101bは、トナー消費情報105bに登録された値が第1の所定値よりも大きい第2の所定値に達した場合に、トナーカートリッジ108がエンド状態に到達し、トナーカートリッジ108の交換をすぐに行う必要があると判定する。エンド状態とは、トナーが無くなった状態である。
純正品のトナーカートリッジ108を使用する場合、1画素当たりのトナー消費量はわかっているので、上記第1の所定値及び第2の所定値を適切に設定することにより、トナーカートリッジ108がこれまでに印刷した画像の画素数から、トナーカートリッジ108がニアエンド状態にあるか否か、及び、トナーカートリッジ108がエンド状態にあるか否かを判定することができる。
なお、ここでは、トナーカートリッジ108がこれまでに印刷した画像の画素数を記憶部105に記憶することとしたが、トナーカートリッジ108に設けられたICチップなどにその画素数を記憶させることとしてもよい。
転写部109では、感光体ドラム等の複数の像担持体上に画像データに基づくトナー像を形成し、形成したトナー像を中間転写ベルト上に転写する。そして搬送されてくる記録紙上に中間転写ベルト上のトナー像を転写する。定着部110では、ヒートローラと圧着ローラとによって、トナー像が転写された記録紙を兼加熱・圧着し、記録紙上にトナー像を定着して画像形成を行う。
画像入力部111は、外部接続された情報処理装置等から入力された画像データ、あるいは画像形成装置で備えることができる図示しないスキャナ部(画像読取手段)や、可搬型の記録媒体から画像データを読み取る録媒体読取部から出力された画像データを入力する。
記録紙搬送部112は、画像形成を行う記録紙の搬送を制御する。記録紙は、図示しない給紙トレイ上に載置され、所定の搬送路から画像形成部103に搬送されて、画像形成がなされる。搬送路としては、給紙トレイから給紙された記録紙が画像形成部112の転写部109、定着部110を順次通過して排紙される搬送路と、定着部110を通過した記録紙を表裏反転させて再度転写部109に送り込む両面印刷用搬送路とが備えられる。
両面搬送路を用いることにより、一旦定着部110で加熱・圧着された記録紙を、表裏反転させた状態で転写部109により画像形成を行わせることができる。記録紙搬送部112は、制御部101の制御に従って、上記の搬送路の切り換えや搬送速度の変更を行う。
画像処理部113は、スキャナ(画像読み取り手段)(図示せず)で読み取った画像データや、外部から伝送された印刷データに対して画像変更処理を施す機能を有している。画像変更処理としては、倍率指定変倍設定、用紙指定変倍設定、綴じ代設定、N in 1と呼ばれる集約設定などが挙げられる。
つぎに、保守情報管理装置200について説明する。保守情報管理装置200は、例えば、汎用的なサーバ装置であり、ネットワークNを介して画像形成装置100と接続するための通信部201と、保守情報管理装置200の各機能を制御するためのCPU、RAM、ROM等からなる演算処理部202と、保守情報203aが記憶されたハードディスクなどの記憶部203と、キーボードやマウスなどの入力部204と、液晶ディスプレイ等の表示部205とを備えて構成される。
保守情報203aは、画像形成装置100から受信した画像形成装置100の保守に関する情報である。保守情報203aは、純正品でないトナーカートリッジ108を使用するか否かの設定情報や、トナーカートリッジ108がニアエンド状態、あるいは、エンド状態にある画像形成装置100の情報を含む。
サポートセンターのサポート要員は、その情報を閲覧し、純正品でないトナーカートリッジ108が画像形成装置100で使用されず、トナーカートリッジ108がニアエンド状態またはエンド状態にある場合は、ユーザのオフィスを訪問し、トナーカートリッジ108を交換するサポート作業を行う。しかし、純正品でないトナーカートリッジ108が画像形成装置100で使用される場合は、サポート要員は、画像形成装置100のサポート作業を行わない。
図3は、本発明の実施形態における画像形成装置100の動作の一例を説明するためのフロー図である。まず、センサ回路107は、画像形成装置100にトナーカートリッジ108が交換、装着されたか否かを判定する(ステップS101)。
トナーカートリッジ108が交換、装着されていない場合(ステップS101においてNOの場合)、所定の時間経過後に再度ステップS101の判定処理が実行される。トナーカートリッジ108が交換、装着された場合(ステップS101においてYESの場合)、制御部101は、読取部106に対して、トナーカートリッジ108のID情報の読み取りを指示する(ステップS102)。
そして、純正品判定部101aは、読取部106により読み出したID情報と、記憶部105に登録情報105aとして記憶されているID情報とを比較し、それらのID情報が一致するか否かを判定する(ステップS103)。ここで、登録情報105aには、純正品のトナーカートリッジ108のID情報が登録されているものとする。
それらのID情報が一致する場合(ステップS103においてYESの場合)、純正品判定部101aは、トナーカートリッジ108が純正品であると判定し、保守情報管理装置200に画像形成装置100のサポート開始を要求するサポート開始情報を送信する(ステップS104)。
その後、純正品のトナーカートリッジ108の交換時期を判定する交換時期判定処理が実行される(ステップS105)。この交換時期判定処置については、後に図6を用いて説明する。
ステップS103において、読取部106によりトナーカートリッジ108から読み出したID情報と、記憶部105に登録情報105aとして記憶されているID情報とが一致しない場合(ステップS103)、純正品判定部101aは、トナーカートリッジ108が純正品でないと判定し、設定受付ウィンドウを表示部102bに表示させる(ステップS106)。
図4は、画像形成装置100が備える操作パネル102に表示される操作画面300の一例を示す図である。また、図5は、純正品でないトナーカートリッジ108を使用するか否かの設定を受け付ける設定受付ウィンドウ303の一例を示す図である。
画像形成装置100は、通常の状態では、図4に示すような操作画面300を表示する。この操作画面300には、画像形成装置100がユーザの操作を受け付け可能な状態であることを示すメッセージ301が表示される。
そして、画像形成装置100に純正品でないトナーカートリッジ108が装着されたことが検出されると、図5に示すように、純正品でないトナーカートリッジ108が検出されたことを示すメッセージ302とともに、設定受付ウィンドウ303が表示される。
設定受付ウィンドウ303は、純正品でないトナーカートリッジ108を使用すると画像形成装置100のサポートが受けられなくなることを通知するメッセージを表示し、純正品でないトナーカートリッジ108を使用するか否かの設定をユーザから受け付けるウィンドウである。
図3の説明に戻ると、純正品判定部101aは、設定受付ウィンドウ303において、上記設定がユーザによりなされたか否かを判定する(ステップS107)。設定がなされていない場合(ステップS107においてNOの場合)、所定の時間経過後に再度ステップS107の判定処理が実行される。
設定がなされた場合(ステップS107においてYESの場合)、純正品判定部101aは、その設定が、純正品でないトナーカートリッジ108を使用するというものであったか否かを判定する(ステップS108)。
設定が、純正品でないトナーカートリッジ108を使用するというものであった場合(ステップS108においてYESの場合)、通信部104は、純正品でないトナーカートリッジ108の使用、および、サポートの停止をユーザが選択したことを示すサポート停止情報を保守情報管理装置200に送信する(ステップS109)。そして、ステップS101に移行し、それ以後の処理を繰り返す。これにより、サポートセンターのサポート要員が無駄なサポート作業を行うことを防止でき、管理負担の増加を防止することができる。
ステップS108において、ユーザから受け付けた設定が、純正品でないトナーカートリッジ108を使用しないというものであった場合(ステップS108においてNOの場合)、純正品判定部101aは、交換手順ウィンドウを表示部102bに表示させる(ステップS110)。交換手順表示ウィンドウとは、トナーカートリッジ108を純正品に交換するようユーザに促すメッセージとともに、その交換手順の説明を表示するウィンドウである。そして、ステップS101に移行し、それ以後の処理を繰り返す。
つぎに、図3のステップS105に示した交換時期判定処理の一例について説明する。図6は、交換時期判定処理の一例について説明するためのフロー図である。まず、センサ回路107は、画像形成装置100に装着されているトナーカートリッジ108が新品であるか否かを判定する(ステップS201)。
なお、トナーカートリッジ108が新品であるか否かの判定は、トナーカートリッジ108が新品であることを示す情報をトナーカートリッジ108が備えるICチップなどに記録しておき、センサ回路107がその情報を読み出すことにより検出することとすればよい。この情報は、トナーカートリッジ108が使用された後、センサ回路107により、トナーカートリッジ108が新品でないことを示す情報に更新される。
その後、時期判定部101bは、これまでに印刷した画像の画素数を登録するトナー消費情報105bを初期化し、その画素数を0に設定する(ステップS202)。そして、画像形成部103により印刷がなされた場合、時期判定部101bは、画像形成部103から印刷された画像の画素数の情報を取得する(ステップS203)。さらに、時期判定部101bは、その画素数だけトナー消費情報105bに登録された値を増加させることにより、トナー消費情報105bを更新する(ステップS204)。
続いて、時期判定部101bは、トナーカートリッジ108がニアエンド状態に到達したか否かを判定する(ステップS205)。ニアエンド状態とは、トナーがもうすぐ無くなる状態である。時期判定部101bは、トナー消費情報105bに登録された値が第1の所定値を超えた場合に、トナーカートリッジ108がニアエンド状態に到達したと判定する。ここで、第1の所定値は、予め適切に設定される。
トナーカートリッジ108がニアエンド状態に到達した場合(ステップS205においてYESの場合)、通信部104は、保守情報管理装置200にトナーカートリッジ108がニアエンド状態に達したことを示すニアエンド情報を送信する(ステップS206)。
保守情報管理装置200が設置されているサポートセンターのサポート要員は、そのニアエンド情報を閲覧することにより、トナーカートリッジ108のトナーがもうすぐ無くなる状態であり、ユーザのオフィスを訪問してトナーカートリッジ108を交換する必要があることを把握できるようになる。
ステップS205において、トナーカートリッジ108がニアエンド状態に到達していない場合(ステップS205においてNOの場合)、または、ステップS206の処理の後、時期判定部101bは、トナーカートリッジ108がエンド状態に到達したか否かを判定する(ステップS207)。
エンド状態とは、トナーが無くなった状態である。時期判定部101bは、トナー消費情報105bに登録された値が上記第1の所定値よりも大きい第2の所定値となった場合に、トナーカートリッジ108がエンド状態に到達したと判定する。ここで、第2の所定値は、予め適切に設定される。
トナーカートリッジ108がエンド状態に到達していない場合(ステップS207においてNOの場合)、ステップS203に移行して、それ以後の処理を継続する。トナーカートリッジ108がエンド状態に到達した場合(ステップS207においてYESの場合)、通信部104は、保守情報管理装置200にトナーカートリッジ108がエンド状態に達したことを示すエンド情報を送信する(ステップS208)。
保守情報管理装置200が設置されているサポートセンターのサポート要員は、そのエンド情報を閲覧することにより、トナーカートリッジ108のトナーが無くなったので、ユーザのオフィスを至急訪問し、トナーカートリッジ108を交換する必要があることを把握できるようになる。
その後、表示部102bは、エンド状態メッセージを表示し(ステップS209)、印刷処理を停止する(ステップS210)。エンド状態メッセージとは、トナーが無くなったため、印刷を継続できないことを示すメッセージである。
以上説明してきたように、従来は、トナーの消費量が純正品よりも少ないトナーカートリッジ108が使用された場合、トナーが残存していてもトナーカートリッジ108を交換するサポート作業が発生してしまうという問題があったが、本発明では、純正品でないトナーカートリッジ108が使用された場合、サポート作業の停止が保守情報管理装置200に通知されるため、そのような問題は発生しない。
また、トナーの消費量が純正品よりも多いトナーカートリッジ108が使用された場合、従来は、ニアエンド状態が検出される前にトナーが無くなり、印刷ができなくなってユーザの利便性を損ねる可能性があったが、本発明では、ユーザから純正品でないトナーカートリッジ108を使用するか否かの設定を受け付けることにより、このような事態も回避できる。
また、純正品のトナーカートリッジ108と、純正品でないトナーカートリッジ108の両方が用いられる画像形成装置100では、ニアエンド状態やエンド状態の検出を全く行わないことも考えられるが、純正品のトナーカートリッジ108が用いられている場合にまでそれらの検出を行わないこととすると、画像形成装置100にダメージを与える可能性があり好ましくないだけでなく、利便性も損なわれるため、本発明では、ユーザから純正品でないトナーカートリッジ108を用いるのか、あるいは、純正品のトナーカートリッジ108を用いるのかの選択を受け付け、純正品のトナーカートリッジ108が用いられる場合にのみ、ニアエンド状態やエンド状態の検出を行うことにより、そのような問題を解決している。