JP5837583B2 - クロロヒドリン類の製造方法及びその方法によって製造されたクロロヒドリン類を使用するエピクロロヒドリンの製造方法 - Google Patents
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Description
多水酸基脂肪族炭化水素を塩素化剤と反応させる第1反応工程;
前記第1反応工程で排出された反応混合物から、副産物である水を除去する水除去工程;
水が除去された前記反応混合物の少なくとも1つの構成成分を、前記塩素化剤及び追加塩素化剤のうち少なくとも1つと反応させる第2反応工程;
前記複数の反応工程のうち少なくとも1つの反応工程で排出された反応混合物の少なくとも一部を追加塩素化剤と混合させた後、得られた混合物を、前記反応混合物が排出された反応工程に再循環させる工程をさらに含む、クロロヒドリン類の製造方法を提供する。
(式1)
グリセロールの転換率(%)=(反応したグリセロールのモル数/導入されたグリセロールのモル数)×100
(式2)
モノクロロプロパンジオール(MCP)の収率(%)=(生成されたモノクロロプロパンジオールのモル数)/(導入されたグリセロールのモル数)×100
(式3)
ジクロロプロパノール(DCP)の収率(%)=(生成されたジクロロプロパノールのモル数)/(導入されたグリセロールのモル数)×100
(式4)
モノクロロプロパンジオール(MCP)の選択性(%)=(生成されたモノクロロプロパンジオールのモル数)/(反応生成物の総モル数)×100
(式5)
ジクロロプロパノール(DCP)の選択性(%)=(生成されたジクロロプロパノールのモル数)/(反応生成物の総モル数)×100
図1のような構成を有する製造工程を使用し、酢酸触媒の存在下で、グリセロールと塩化水素ガスとを反応させ、クロロヒドリン類及びエピクロロヒドリンを製造した。前記製造工程に使用された各装置のスペック及び運転条件は、下記表1の通りである:
反応が進められる最中に、5分間隔でライン4及びライン15から試料をそれぞれ採取した後、ガスクロマトグラフィーを用いて、前記各試料の構成成分及び各構成成分の含有量を分析した。前記分析データにおいて、定常状態に達した後に得られたデータを用いて、前記数学式1ないし数学式5にしたがって、グリセロールの転換率、モノクロロプロパンジオールの収率、ジクロロプロパノールの収率、モノクロロプロパンジオールの選択性及びジクロロプロパノールの選択性をそれぞれ計算した後、その結果を下記表3に示す。
Claims (30)
- 触媒の存在下で、多水酸基脂肪族炭化水素を塩素化剤と反応させてクロロヒドリン類を製造する方法であって、複数の反応工程および水除去工程を下記に規定される順で含む一連の単位操作の組み合わせを少なくとも1つ含み、
多水酸基脂肪族炭化水素を塩素化剤と反応させる第1反応工程;
前記第1反応工程で排出された流出物から、副産物である水を除去する水除去工程;
水が除去された前記流出物の少なくとも1つの構成成分を、前記塩素化剤及び追加塩素化剤のうち少なくとも1つと反応させる第2反応工程;
前記複数の反応工程のうち少なくとも1つの反応工程で排出された流出物の少なくとも一部を追加塩素化剤と混合させた後、得られた混合物を、前記流出物が排出された反応工程に再循環させる工程をさらに含み、
前記水除去工程に導入される前記流出物が共沸混合物を形成するように、前記水除去工程に導入される前記流出物は、10〜25重量部の前記塩素化剤および前記追加塩素化剤と、75〜90重量部の水とを含み、
前記第1反応工程から排出される前記触媒および前記中間生産物以外の追加触媒は、前記第2反応工程に添加されない、クロロヒドリン類の製造方法。 - 多水酸基脂肪族炭化水素及び触媒を、50〜200℃の温度に維持される第1反応器に導入する工程と、
副産物である水を含む第1反応器流出物を、前記第1反応器から排出させる工程と、
前記第1反応器流出物のうち少なくとも一部を塩素化剤と混合させた後、得られた混合物を前記第1反応器に再循環させる工程と、
前記第1反応器流出物のうち前記第1反応器に再循環されない部分を水除去装置に導入する工程と、
前記水が除去された第1反応器流出物および追加塩素化剤を、80〜200℃の温度に維持される第2反応器に導入する工程と、
を含み、
前記水除去装置に導入される前記第1反応器流出物が共沸混合物を形成するように、前記水除去装置に導入される前記第1反応器流出物は、10〜25重量部の前記塩素化剤と、75〜90重量部の水とを含み、
前記第1反応器から排出される前記触媒および前記中間生産物以外の追加触媒は、前記第2反応器に添加されない、クロロヒドリン類の製造方法。 - 前記第2反応器から排出される第2反応器流出物のうち少なくとも一部を追加塩素化剤と混合する工程と、
得られた混合物を前記第2反応器に再循環させる工程と、
をさらに含む、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記多水酸基脂肪族炭化水素は、それぞれ異なる炭素原子に結合された2以上の水酸基を含むC2−C20化合物である、請求項1または請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記多水酸基脂肪族炭化水素は、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,4−ブタンジオール、及び前記各化合物のエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項4に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記製造方法によって製造されたクロロヒドリン類は、それぞれ異なる炭素原子と結合された少なくとも1つの水酸基と、少なくとも1つの塩素原子とを含む化合物である、請求項1または請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記クロロヒドリン類は、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、1,3−ジクロロプロパン−2−オール及び2,3−ジクロロプロパン−1−オールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項6に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記触媒は、有機酸触媒、カルボン酸系触媒、ニトリル系触媒及び固体触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1反応器では、中間生成物として、前記触媒と前記多水酸基脂肪族炭化水素との反応生成物が生成され、
前記中間生成物は、前記多水酸基脂肪族炭化水素の塩素化反応において触媒として作用する、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記多水酸基脂肪族炭化水素は、グリセロールを含み、
前記触媒は、酢酸を含み、
前記中間生成物は、グリセロールアセテート類を含む、請求項9に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記塩素化剤及び前記追加塩素化剤は、塩化水素ガスまたは塩酸水溶液を含む、請求項1または請求項3に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記水除去装置に導入される前記第1反応器流出物は、前記第1反応器において、多水酸基脂肪族炭化水素の転換率が30〜100%であり、かつ、クロロヒドリン類の収率が30〜95%であるときに排出されたものである、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記水除去装置に導入される前記第1反応器流出物は、
多水酸基脂肪族炭化水素0〜90重量部と、
クロロヒドリン類5〜95重量部と、
前記中間生成物5〜12重量部と、
を含む、請求項9に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記第1反応器流出物のうち少なくとも一部と前記追加塩素化剤との混合は、エジェクター、インラインミキサー、超音波ミキサー、またはそれらのうち2以上を含む混合装置内で行われる、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1反応器における反応器内容物の滞留時間は、20分〜1時間であり、
前記第2反応器における反応器内容物の滞留時間は、1時間〜3時間である、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記水除去装置は、前記第1反応器流出物の構成成分間の沸点差を利用する蒸溜操作によって作動する、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1反応器及び第2反応器は、大気圧以上の圧力に維持され、
前記水除去装置は、大気圧以下の圧力に維持される、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記第1反応器及び第2反応器は、1〜20気圧に維持され、
前記水除去装置は、10〜760mmHgに維持される、請求項17に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記水除去装置は、理論段数が2〜50である減圧蒸溜塔を含む、請求項18に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1反応器流出物は、減圧装置で減圧された後、前記水除去装置に導入される、請求項17に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記減圧装置は、減圧弁を含む、請求項20に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1反応器及び第2反応器は、互いに独立して、連続撹拌タンク式反応器、回分式反応器、半回分式反応器または管型反応器である、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記水除去装置に導入された前記第1反応器流出物は、水豊潤層と水不足層とに分離される、請求項2に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第2反応器流出物のうち、前記第2反応器に再循環されない部分からクロロヒドリン類を精製して、クロロヒドリン類濃縮物を得る工程と、
前記水豊潤層と前記クロロヒドリン類濃縮物とを混合して、第1クロロヒドリン類組成物を得る工程と、
をさらに含む、請求項23に記載のクロロヒドリン類の製造方法。 - 前記第2反応器流出物のうち前記第2反応器に再循環されない部分は、多水酸基脂肪族炭化水素0〜10重量部、クロロヒドリン類80〜98重量部、塩素化剤0〜10重量部及び水1〜20重量部を含む、請求項24に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1クロロヒドリン類組成物は、多水酸基脂肪族炭化水素0〜10重量部、クロロヒドリン類60〜96重量部、塩素化剤0〜20重量部及び水0〜30重量部を含む、請求項24に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記第1クロロヒドリン類組成物を水に希釈して、第2クロロヒドリン類組成物を得る工程をさらに含む、請求項24に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 前記希釈のために添加される前記水の量は、前記第1クロロヒドリン類組成物100重量部に対して100〜500重量部である、請求項27に記載のクロロヒドリン類の製造方法。
- 請求項27または28に記載の製造方法を用いて、第2クロロヒドリン類組成物を製造する工程と、
前記第2クロロヒドリン類組成物をアルカリ剤に20〜100℃で接触させる工程と、
を含み、
前記第2クロロヒドリン類組成物は、多水酸基脂肪族炭化水素0〜5重量部、クロロヒドリン類10〜40重量部、塩素化剤0〜5重量部及び水50〜90重量部を含む、エピクロロヒドリンの製造方法。 - 前記第2クロロヒドリン類組成物は触媒をさらに含み、
前記触媒は、前記アルカリ剤と反応して、アルカリ金属塩を形成する、請求項29に記載のエピクロロヒドリンの製造方法。
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