JP5836799B2 - ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール Download PDF

Info

Publication number
JP5836799B2
JP5836799B2 JP2011290329A JP2011290329A JP5836799B2 JP 5836799 B2 JP5836799 B2 JP 5836799B2 JP 2011290329 A JP2011290329 A JP 2011290329A JP 2011290329 A JP2011290329 A JP 2011290329A JP 5836799 B2 JP5836799 B2 JP 5836799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
golf ball
resin composition
unsaturated carboxylic
carboxylic acid
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011290329A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013138743A (ja
Inventor
金光 由実
由実 金光
村上 亮
亮 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dunlop Sports Co Ltd
Original Assignee
Dunlop Sports Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dunlop Sports Co Ltd filed Critical Dunlop Sports Co Ltd
Priority to JP2011290329A priority Critical patent/JP5836799B2/ja
Priority to US13/730,226 priority patent/US9119991B2/en
Publication of JP2013138743A publication Critical patent/JP2013138743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5836799B2 publication Critical patent/JP5836799B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/0051Materials other than polybutadienes; Constructional details
    • A63B37/0059Ionomer
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/0051Materials other than polybutadienes; Constructional details
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0072Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
    • A63B37/0073Solid, i.e. formed of a single piece
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F22/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof
    • C08F22/02Acids; Metal salts or ammonium salts thereof, e.g. maleic acid or itaconic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/17Amines; Quaternary ammonium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/17Amines; Quaternary ammonium compounds
    • C08K5/175Amines; Quaternary ammonium compounds containing COOH-groups; Esters or salts thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/17Amines; Quaternary ammonium compounds
    • C08K5/19Quaternary ammonium compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、アイオノマー樹脂を含有するゴルフボール用樹脂組成物の改良技術に関するものである。
ゴルフボールの構造としては、例えば、ゴルフボール本体からなるワンピースゴルフボール、コアとカバーとを有するツーピースゴルフボール、センターと前記センターを被覆する一層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーとを有するスリーピースゴルフボール、センターと前記センターを被覆する少なくとも二以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するカバーとを有するマルチピースゴルフボールが挙げられる。
ゴルフボールの各層を構成する材料として、反発性の高い材料が求められ、アイオノマー樹脂が使用されている。アイオノマー樹脂は、剛性が高く、ゴルフボールの構成部材として使用すると、飛距離の大きいゴルフボールが得られる。アイオノマー樹脂は、中和度を高めることで反発性を向上できることが知られている。しかし、中和度を高めると硬度も同時に上昇するため、柔軟性が低下して打球感が低下する。
この点について、高中和度のアイオノマー樹脂に多量の脂肪酸(金属石鹸)を添加することにより、反発性を高めながら硬度を低下させることが提案されている。しかし、脂肪酸の酸成分が中和に使用される金属イオンを消費してしまうため、高中和による高反発化の効果が十分に得られず、ゴルフボールの打球感と反発性の両立という観点では、柔軟化と高反発化が不十分である。また、金属成分も多量に必要になる。
例えば、特許文献1には、アイオノマー樹脂及び同一分子内に酸とアミン官能基の両方を有する化合物を使用したゴルフボール材料が開示されているが、柔軟化と高反発化の両立という点について未だ改善の余地を残している。
特開2006−28517号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、反発性に優れた柔軟なゴルフボール用樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、さらに、打球感および反発性に優れるゴルフボールを提供することを課題とする。
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(A)(a−1)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体、(a−2)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂より成る群から選択される少なくとも一種の樹脂成分と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物とを含有し、(A)樹脂成分として、(a−1)前記二元共重合体、および/または、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有するゴルフボール用樹脂組成物であって、前記ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンと、(A)樹脂成分と、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる
前記金属イオンと(B)成分中のアニオン性部位との配位エネルギーA(kcal/mol)と、
前記金属イオンと(A)成分のカルボキシルイオンとの配位エネルギーB(kcal/mol)と、
前記金属イオンと(A)成分のオレフィンとの配位エネルギーC(kcal/mol)とが、下記式を満足することを特徴とする。
0.3≦(A−C)/(B−C)≦0.6
本発明のゴルフボール用樹脂組成物が、反発性に優れるにも拘わらず、柔軟である理由は、以下のように考えられる。本発明では、(A)樹脂成分が形成するイオン会合体に対して適度な親和力を有する(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物を添加することにより、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物が、(A)樹脂成分が形成するイオン会合体の近くに存在することができる。その結果、(I)イオン会合体を微分散化してエチレン鎖の結晶化を阻害し、(II)イオン会合体による主鎖の拘束を弱めるものと考えられる。これらの作用により、アイオノマー樹脂の分子鎖の運動性が高くなり、柔軟性を維持したまま反発性が高くなる。
本発明では、アイオノマー樹脂のイオン会合体と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物との親和力を、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる配位エネルギーによって評価する。すなわち、前記ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンと、(A)樹脂成分と、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる前記金属イオンと(B)成分中のアニオン性部位との配位エネルギーA(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のカルボキシルイオンとの配位エネルギーB(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のオレフィンとの配位エネルギーC(kcal/mol)とが、下記式を満足する。
0.3≦(A−C)/(B−C)≦0.6
前記(A−C)/(B−C)の値が、0.6よりも大きくなると、アイオノマー樹脂のイオン会合体と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物との親和力が強くなりすぎ、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物がイオン会合体に取り込まれてしまう。その結果、イオン会合体を微分散化してエチレン鎖の結晶化を阻害することができなくなる。一方、前記(A−C)/(B−C)の値が、0.3よりも小さくなると、アイオノマー樹脂のイオン会合体と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物との親和力が弱くなりすぎ、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物がイオン会合体の近くに存在しなくなる。その結果、イオン会合体を微分散化してエチレン鎖の結晶化を阻害することができなくなる。
(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物は、炭化水素鎖と、さらにカチオン性部位を有する化合物であることが好ましく、両性界面活性剤であることがより好ましい。前記両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤、アミドアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルアミンオキシド、β−アラニン型両性界面活性剤、グリシン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤およびホスホベタイン型両性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
前記ゴルフボール用樹脂組成物は、(A)樹脂成分として、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および/または、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂を含有し、(A)樹脂成分として、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有することが好ましい。
前記ゴルフボール用樹脂組成物は、(A)樹脂成分100質量部に対して、(C)塩基性無機金属化合物を200質量部以下含有することが好ましい。
前記ゴルフボール用樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で5以上、70以下であることが好ましい。
本発明には、前記ゴルフボール用樹脂組成物から形成された構成部材を有するゴルフボールが含まれ、例えば、少なくとも一層以上のコアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記コアの少なくとも一層が、前記ゴルフボール用樹脂組成物から形成されていることを特徴とするゴルフボール、または、ゴルフボール本体が、前記ゴルフボール用樹脂組成物から形成されていることを特徴とするワンピースゴルフボールが挙げられる。
本発明によれば、反発性に優れた柔軟なゴルフボール用樹脂組成物が得られる。本発明のゴルフボール用樹脂組成物を用いたゴルフボールは、打球感および反発性に優れる。
反発係数と固体高分解能炭素核磁気共鳴法(NMR法)によって観測される13C核のスピン−格子緩和時間(T1)との関係を示すグラフ。 反発係数とlog(E’/E”)との関係を示すグラフ。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(A)(a−1)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体、(a−2)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂より成る群から選択される少なくとも一種の樹脂成分と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物とを含有し、(A)樹脂成分として、(a−1)前記二元共重合体、および/または、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有するゴルフボール用樹脂組成物であって、
前記ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンと、(A)樹脂成分と、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる前記金属イオンと(B)成分中のアニオン性部位との配位エネルギーA(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のカルボキシルイオンとの配位エネルギーB(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のオレフィンとの配位エネルギーC(kcal/mol)とが、下記式を満足することを特徴とする。
0.3≦(A−C)/(B−C)≦0.6
まず、本発明で使用する(A)(a−1)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体、(a−2)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂より成る群から選択される少なくとも一種の樹脂成分
について説明する。
前記(a−1)成分は、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体であって、そのカルボキシル基が中和されていない非イオン性のものである。また、前記(a−2)成分としては、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を挙げることができる。
前記(a−3)成分は、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体であって、そのカルボキシル基が中和されていない非イオン性のものである。前記(a−4)成分としては、オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を挙げることができる。
なお、本発明において、「(a−1)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体」を単に「二元共重合体」と称し、「(a−2)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂」を「二元系アイオノマー樹脂」と称し、「(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体」を単に「三元共重合体」と称し、「(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂」を「三元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある。
前記オレフィンとしては、炭素数が2〜8個のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンであることが好ましい。前記炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。
前記(a−1)二元共重合体としては、エチレンと(メタ)アクリル酸との二元共重合体が好ましく、前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。前記(a−3)三元共重合体としては、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体が好ましい。前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂としては、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
前記(a−1)二元共重合体または(a−3)三元共重合体中の炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、4質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
前記(a−1)二元共重合体または(a−3)三元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)は、5g/10min以上が好ましく、より好ましくは10g/10min以上、さらに好ましくは15g/10min以上であり、1700g/10min以下が好ましく、より好ましくは1500g/10min以下、さらに好ましくは1300g/10min以下である。前記(a−1)二元共重合体または(a−3)三元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が5g/10min以上であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好となり、構成部材の成形が容易になる。また、前記(a−1)二元共重合体または(a−3)三元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が1700g/10min以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(a−1)二元共重合体の具体例を商品名で例示すると、例えば、三井デュポンポリケミカル社から商品名「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、「ニュクレルN1050H」、「ニュクレルN2050H」、「ニュクレルN1110H」、「ニュクレルN0200H」)」で市販されているエチレン−メタクリル酸共重合体、ダウケミカル社から商品名「プライマコア(PRIMACOR)(登録商標)5980I」で市販されているエチレン−アクリル酸共重合体などを挙げることができる。
前記(a−3)三元共重合体の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル社から市販されている商品名「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、「ニュクレルAN4318」「ニュクレルAN4319」)」、デュポン社から市販されている商品名「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、「ニュクレルAE」)」、ダウケミカル社から市販されている商品名「プライマコア(PRIMACOR)(登録商標)(例えば、「PRIMACOR AT310」、「PRIMACOR AT320」)」などを挙げることができる。前記(a−1)二元共重合体または(a−3)三元共重合体は、単独または二種以上を組み合わせて使用しても良い。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂中の炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、15質量%以上が好ましく、16質量%以上がより好ましく、17質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率が、15質量%以上であれば、得られる構成部材を所望の硬度にしやすくなるからである。また、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率が、30質量%以下であれば、得られる構成部材の硬度が高くなり過ぎず、耐久性と打球感が良好になるからである。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、15モル%以上が好ましく、20モル%以上が好ましく、90モル%以下が好ましく、85モル%以下がより好ましい。中和度が15モル%以上であれば、得られるゴルフボールの反発性および耐久性が良好になる。一方、中和度が90モル%以下であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好になる(成形性が良い)。なお、前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、下記式で求めることができる。
二元系アイオノマー樹脂の中和度=100×二元系アイオノマー樹脂中の中和されているカルボキシル基のモル数/二元系アイオノマー樹脂中のカルボキシル基の総モル数
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井・デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミランAM7329(Zn)など」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されている「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li))」などが挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn))」などが挙げられる。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂は、例示のものをそれぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよい。前記商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂の曲げ剛性率は、140MPa以上が好ましく、より好ましくは150MPa以上、さらに好ましくは160MPa以上であり、550MPa以下が好ましく、より好ましくは500MPa以下、さらに好ましくは450MPa以下である。前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂の曲げ剛性率が低すぎると、ゴルフボールのスピン量が増加して飛距離が低下する場合があり、曲げ剛性率が高すぎると、ゴルフボールの耐久性が低下する場合がある。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)は、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは0.5g/10min以上、さらに好ましくは1.0g/10min以上であり、30g/10min以下が好ましく、より好ましくは20g/10min以下、さらに好ましくは15g/10min以下である。前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10min以上であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好となり、例えば、薄い層の成形が可能となる。また、前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が30g/10min以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(a−2)二元系アイオノマー樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で50以上が好ましく、より好ましくは55以上、さらに好ましくは60以上であり、75以下が好ましく、より好ましくは73以下、さらに好ましくは70以下である。前記スラブ硬度が、ショアD硬度で50以上であれば、得られる構成部材が高硬度となる。また、前記スラブ硬度が、ショアD硬度で75以下であれば、得られる構成部材が硬くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂中の炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、20モル%以上が好ましく、より好ましくは30モル%以上であり、90モル%以下が好ましく、より好ましくは85モル%以下である。中和度が20モル%以上であれば、ゴルフボール用樹脂組成物を用いて得られるゴルフボールの反発性および耐久性が良好になり、90モル%以下であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好になる(成形性が良い)。なお、アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、下記式で求めることができる。
アイオノマー樹脂の中和度=100×アイオノマー樹脂中の中和されているカルボキシル基のモル数/アイオノマー樹脂中のカルボキシル基の総モル数
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミランAM7327(Zn)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミラン1856(Na)、ハイミランAM7331(Na)など)」が挙げられる。さらにデュポン社から市販されている三元系アイオノマー樹脂としては、「サーリン6320(Mg)、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン9320W(Zn)など)」が挙げられる。またエクソンモービル化学(株)から市販されている三元系アイオノマー樹脂としては、「アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など)」が挙げられる。なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Mgなどは、中和金属イオンの種類を示している。前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂は、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂の曲げ剛性率は、10MPa以上が好ましく、より好ましくは11MPa以上、さらに好ましくは12MPa以上であり、100MPa以下が好ましく、より好ましくは97MPa以下、さらに好ましくは95MPa以下である。前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂の曲げ剛性率が低すぎると、ゴルフボールのスピン量が増加して飛距離が低下する場合があり、曲げ剛性率が高すぎると、ゴルフボールの耐久性が低下する場合がある。
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)は、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは0.3g/10min以上、さらに好ましくは0.5g/10min以上であり、20g/10min以下が好ましく、より好ましくは15g/10min以下、さらに好ましくは10g/10min以下である。前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10min以上であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好となり、薄い層の成形が容易になる。また、前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が20g/10min以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(a−4)三元系アイオノマー樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で20以上が好ましく、より好ましくは25以上、さらに好ましくは30以上であり、70以下が好ましく、より好ましくは65以下、さらに好ましくは60以下である。前記スラブ硬度が、ショアD硬度で20以上であれば、得られる構成部材が柔らなく成り過ぎず、ゴルフボールの反発性が良好になる。また、前記スラブ硬度が、ショアD硬度で70以下であれば、得られる構成部材が硬くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(A)樹脂成分として、(a−3)三元共重合体、または、(a−4)三元系アイオノマー樹脂を含有することが好ましい。得られる構成部材が硬くなり過ぎず、反発性が高くなるからである。
次に、本発明で使用する(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について説明する。前記アニオン性部位としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基などの酸性官能基が中和されることにより生じる陰イオン基を挙げることができる。
(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物としては、陰イオン型界面活性剤が好ましく、陰イオン型硫黄含有界面活性剤が好ましい。陰イオン型硫黄含有界面活性剤としては、分子内に陰イオン若しくは陰イオンを形成する官能基と硫黄原子とを含有し、水にとけて表面張力を低下させる作用を有するものであれば特に限定されない。(B)陰イオン型硫黄含有界面活性剤は、アイオノマー樹脂のイオン会合体の近くに存在して、(I)イオン会合体を微分散化してエチレン鎖の結晶化を阻害し、(II)イオン会合体による主鎖の拘束を弱めるものと考えられる。これらの作用により、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、分子鎖の運動性が高くなり、柔軟性を維持したまま反発性が高くなる。
前記(B)陰イオン型硫黄含有界面活性剤としては、例えば、S=O結合を有する陰イオン型界面活性剤が好ましく、硫酸塩またはスルホン酸塩などの陰イオン型界面活性剤がより好ましい。前記(B)陰イオン型硫黄含有界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩;アルキルベンゼンスルホン酸および/またはその塩、アルキレンジスルホン酸および/またはその塩、モノアルキルスルホコハク酸および/またはその塩;ジアルキルスルホコハク酸および/またはその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸および/またはその塩、アルカンスルホン酸および/またはその塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩などのスルホン酸および/またはその塩などを挙げることができる。
硫酸塩またはスルホン酸塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩、マグネシウム、カルシウムなどの2価の金属塩、アンモニア、トリエタノールアミンなどのアンモニウム塩が挙げられる。なお、前記陰イオン型硫黄含有界面活性剤は、中和された塩であることが好ましいが、スルホン酸のように容易に解離して陰イオンを形成しうる遊離酸であってもよい。
アルキル硫酸エステル塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどを挙げることができる。アルキルベンゼンスルホン酸および/またはその塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
前記陰イオン型硫黄含有界面活性剤として、ジアルキルスルホコハク酸および/またはその塩を使用することが好ましい。ジアルキルスルホコハク酸および/またはその塩のアルキル基の炭素数は、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、30以下が好ましく、28以下がより好ましい。アルキル基の炭素数が、上記範囲内であれば、分子鎖の運動性が高くなり、柔軟性を維持したまま高反発となるからである。また、二つのアルキル基は、同一または異なってもよい。ジアルキルスルホコハク酸および/またはその塩としては、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸マグネシウムなどを挙げることができる。
(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物は、さらに、炭化水素鎖およびカチオン性部位を有することが好ましい。このような化合物としては、水酸基などの置換基を有してもよい任意の炭化水素鎖とカチオン性部位とアニオン性部位とを有する化合物であれば特に限定されないが、なかでも、両性界面活性剤を好適に使用できる。両性界面活性剤は、分子内にカチオン性部位とアニオン性部位とを有するので、アイオノマー樹脂成分の金属イオンを消費することがなく、効果的に反発性を高めることができる。また、プラスとマイナスの電荷を持つために、アイオノマー樹脂のイオン会合体への親和力が適度になり、イオン会合体の近くに存在することができる。
両性界面活性剤とは、分子内にカチオン性部位とアニオン性部位とを有する界面活性剤であり、例えば、アルキルベタイン型、アミドベタイン型、イミダゾリウムベタイン型、アルキルスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型などのベタイン型両性界面活性剤;アミドアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩;アルキルアミンオキシド;β−アラニン型両性界面活性剤、グリシン型両性界面活性剤;スルホベタイン型両性界面活性剤;ホスホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
アルキルベタイン型両性界面活性剤としては、下記式(1)で表わされる化合物などが挙げられる。
Figure 0005836799
(Rは、炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
アミドベタイン型両性界面活性剤としては、下記式(2)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005836799
(Rは、炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。mは、1〜5の整数を表す。)
イミダゾリウムベタイン型両性界面活性剤としては、下記式(3)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005836799
(Rは、炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を表す。p及びqは、同一又は異なって、1〜5の整数を表す。)
アルキルスルホベタイン型両性界面活性剤としては、下記式(4)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005836799
(Rは、炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。nは、1〜5の整数を表す。)
アミドアミノ酸型両性界面活性剤としては、下記式(5)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005836799
(Rは、炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を表す。i及びjは、同一又は異なって、1〜5の整数を表す。)
アルキルアミンオキシドとしては、下記式(6)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005836799
(Rは、炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
式(1)〜式(6)において、R〜Rは直鎖状でも分岐状でもよい。R〜Rの少なくとも1つの炭素数は12〜18が好ましい。m,p,q,n,i及びjは、1〜3が好ましい。
としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデキシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などのアルキル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、イソオクタデセニル基、エイコセニル基などのアルケニル基;これらの混合物であるヤシ油アルキル基、パーム核油アルキル基、牛脂アルキル基などの混合アルキル基などが挙げられる。R〜Rとしては、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、ジメチルラウリルベタイン、ジメチルオレイルベタイン、ジメチルステアリルベタイン、ステアリルジヒドロキシメチルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジヒドロキシメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ミリスチルジヒドロキシメチルベタイン、ベヘニルジヒドロキシメチルベタイン、パルミチルジヒドロキシエチルベタイン、オレイルジヒドロキシメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドアルキルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシアルキルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドアルキルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドジアルキルヒドロキシアルキルスルホベタイン、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩、アルキルジアミノアルキルグリシン、アルキルポリアミノアルキルグリシン、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、N,N−ジメチルオクチルアミンオキサイド、N,N-ジメチルラウリルアミンオキサイド、N,N-ジメチルステアリルアミンオキサイドなどを挙げることができる。
前記両性界面活性剤のなかでも、反発性および柔軟性を両立できる点から、ベタイン型両性界面活性剤が好ましく、式(1)などで表されるアルキルベタイン型両性界面活性剤が好ましい。
(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物の含有量は、(A)樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、200質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物の含有量が上記範囲内であれば、柔軟性を維持したまま反発性を高くすることができる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有してもよい。(C)塩基性無機金属化合物は、(A)樹脂成分の未中和のカルボキシル基を中和する。本発明のゴルフボール用樹脂組成物が、(A)樹脂成分として、(a−1)前記二元共重合体、および/または、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、(C)塩基性無機金属化合物を必須成分として含有する。(C)前記塩基性無機金属化合物としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの金属単体、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅などの金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅などの金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸化物が挙げられる。これらの(C)塩基性無機金属化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(C)塩基性無機金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、酸化亜鉛、または、酸化銅が好適である。
(C)前記塩基性無機金属化合物の含有量は、(A)樹脂成分100質量部に対して、0質量部超が好ましく、1質量部以上がより好ましく、200質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。(C)塩基性無機金属化合物の含有量が少なすぎるとイオン会合体の量が少なく低反発となり、一方、含有量が多すぎると、イオン会合体が微分散化せず低反発となる場合があるからである。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、総中和度が53モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、1000モル%以下が好ましく、700モル%以下がより好ましく、400%以下がさらに好ましい。総中和度が53モル%以上であれば、イオン会合体の量が多く高反発となり、1000モル%以下であれば、(C)塩基性無機金属化合物が均一に分散して、耐久性が向上する。総中和度は、下記式で定義される。
総中和度(モル%)=100×[(A)樹脂成分のカチオン成分のモル数×カチオン成分の価数+(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物のカチオン形成基又はカチオン成分のモル数×前記カチオン形成基又はカチオン成分の価数+(C)塩基性無機金属化合物の金属成分のモル数×金属成分の価数]/[(A)樹脂成分のカルボキシル基のモル数+(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物の陰イオン形成基のモル数×陰イオン形成基の価数]
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、樹脂成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性エラストマーを含有しても良い。他の熱可塑性エラストマーを含有する場合、樹脂成分中の他の熱可塑性エラストマーの含有率は、50質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
前記他の熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えばアルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランXNY85A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(例えば、「ラバロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマー等が挙げられる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、さらに、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料などの顔料成分、重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、ゴルフボールの性能を損なわない範囲で含有してもよい。また、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、流動性改質剤として脂肪酸および/またはその金属塩を併用しても良いが、機械的物性などを低下させる原因となるため、脂肪酸および/またはその金属塩は併用しないことが好ましい。
前記白色顔料(例えば、酸化チタン)の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、得られるゴルフボール構成部材に隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるゴルフボールの耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、例えば、(A)成分と(B)成分と、必要に応じて(C)成分とをドライブレンドすることにより得られる。また、ドライブレンドした混合物を、押出してペレット化してもよい。ドライブレンドには、例えば、ペレット状の原料を配合できる混合機を用いるのが好ましく、より好ましくはタンブラー型混合機を用いる。押出は、一軸押出機、二軸押出機、二軸一軸押出機など公知の押出機を使用することができる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、前記ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンと、(A)樹脂成分と、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる前記金属イオンと(B)成分中のアニオン性部位との配位エネルギーA(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のカルボキシルイオンとの配位エネルギーB(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のオレフィンとの配位エネルギーC(kcal/mol)とが、下記式を満足することを特徴とする。
0.3≦(A−C)/(B−C)≦0.6
ここで、ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンは、(A)樹脂成分、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物、及び、(C)塩基性無機金属化合物のすべてに由来する金属イオンを意味する。前記配位エネルギーA,B、Cは、非経験的分子軌道計算プログラムGaussian03及びGaussian09等上位バージョンを用いて計算することが好ましい。
(A−C)/(B−C)は、前記金属イオンが、(A)成分のカルボキシイオンと配位する強さに対する(B)成分中のアニオン性部位と配位する強さの比率を表す指標である。本発明では、金属イオンの種類によって配位エネルギーA、B、Cの絶対値が変わる場合があるため、配位エネルギーの差の比(A−C)/(B−C)を採用した。前記比(A−C)/(B−C)を採用することにより、金属イオン種の種類によらず、同様の傾向が認められる。本発明では、前記(A−C)/(B−C)の値を0.3以上とすることが好ましく、0.35以上とすることがより好ましく、0.6以下とすることが好ましく、0.55以下とすることが好ましい。(A−C)/(B−C)の値が上記範囲内であれば、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物が、(A)樹脂成分が形成するイオン会合体に対して適度な親和力を有し、(A)樹脂成分が形成するイオン会合体の近くに存在することができる。その結果、(I)イオン会合体を微分散化してエチレン鎖の結晶化を阻害し、(II)イオン会合体による主鎖の拘束を弱めるものと考えられる。これらの作用により、アイオノマー樹脂の分子鎖の運動性が高くなり、柔軟性を維持したまま反発性が高くなる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、固体高分解能炭素核磁気共鳴法(NMR法)によって観測される13C核のスピン−格子緩和時間(T1)が、15秒以下が好ましく、12秒以下がより好ましく、10秒以下がさらに好ましく、8秒以下が特に好ましい。アイオノマー樹脂について、固体高分解能炭素核磁気共鳴法(NMR法)によって観測される13C核のスピン−格子緩和時間(T1)により磁化率の減衰を測定したとき、この緩和時間(T1)は、エチレン鎖のトランスコンホメーションに由来すると考えられている。そして、本発明者らは、トランスコンホメーションをとる可能性がある部位には、エチレン結晶とイオン会合体周りのエチレン鎖拘束層とがあり、磁化率の減衰測定における緩和成分も短時間成分と長時間成分とに分離できると考えた。そして、本発明者らは、エチレン鎖拘束層が反発性と相関があることを見出した。すなわち、緩和時間(T1)が短くなると、エチレン拘束層の運動性が高くなり、反発性が向上する。また、分子運動性を高めることで、柔軟性の増加硬化も期待できる。そのため、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、固体高分解能炭素核磁気共鳴法(NMR法)によって観測される13C核のスピン−格子緩和時間(T1)が、前述の短い時間を有することが好ましい。
また、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、温度12℃、測定ひずみ0.05%の条件で、引張モードで測定したときに、貯蔵弾性率E’(Pa)と損失弾性率E”(Pa)とが、下記式を満足することが好ましい。
下記式を満足することにより、ゴルフボール用樹脂組成物が、高いレベルで軟質を維持しながらも反発性が高くなる。なお、下記式においてlogは常用対数である。
log(E’/E”)≧−6.55
前記貯蔵弾性率E’(Pa)が大きくなるほど、また、損失弾性率E”(Pa)が小さくなるほど反発性は高くなると考えられる。また、貯蔵弾性率E’(Pa)が大きくなると、硬度も高くなる。上記式は、分子が貯蔵弾性率E’の1乗であるのに対し、分母が損失弾性率E”の2乗となっていることから、貯蔵弾性率E’を大きくして硬さを増すより、損失弾性率E”を小さくする方が、反発性に対する向上効果が大きいこと意味している。
前記log(E’/E”)は、−6.23以上が好ましく、−6.02以上がより好ましく、−5.89以上がさらに好ましい。また、前記log(E’/E”)は、特に限定されないが、−5.24以下が好ましく、−5.40以下がより好ましい。前記log(E’/E”)が−5.24になると、反発係数が最大値である1に近づくからである。動的粘弾性の測定条件として、加振周波数:10Hz、温度:12℃の測定条件を採用しているのは、以下の理由に基づく。40m/sでの反発係数測定におけるゴルフボールと衝突棒(金属製円筒物)との接触時間は、500μ秒であり、これを一周期の変形と考えると、数1000Hzの周波数の変形に対応する。一般的なアイオノマー樹脂の周波数・温度換算則から、温度:室温、加振周波数:数1000Hzの測定条件で測定する動的粘弾性は、温度:12℃、加振周波数:10Hzの測定条件で測定する動的粘弾性に相当する。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物のメルトフローレイト(190℃×2.16kg)は、0.01g/10min以上が好ましく、0.05g/10min以上がより好ましく、0.1g/10min以上がさらに好ましく、100g/10min以下が好ましく、80g/10min以下がより好ましく、50g/10min以下がさらに好ましい。ゴルフボール用樹脂組成物のメルトフローレイトが、上記範囲内であれば、ゴルフボール構成部材への成形性が良好である。
前記ゴルフボール用樹脂組成物の反発弾性率は、40%以上が好ましく、43%以上がより好ましく、46%以上がさらに好ましい。反発弾性率が、40%以上のゴルフボール用樹脂組成物を用いることにより、反発性(飛距離)に優れるゴルフボールが得られる。前記反発弾性率は、ゴルフボール用樹脂組成物をシート状に成形して測定した反発弾性率であり、後述する測定方法により測定する。
前記ゴルフボール用樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で5以上が好ましく、7以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、70以下が好ましく、65以下がより好ましく、60以下がさらに好ましく、50以下が最も好ましい。スラブ硬度がショアD硬度で5以上のゴルフボール用樹脂組成物を用いることにより、反発性(飛距離)に優れるゴルフボールが得られる。一方、スラブ硬度がショアD硬度で70以下のゴルフボール用樹脂組成物を用いることにより、耐久性に優れるゴルフボールが得られる。ここで、ゴルフボール用樹脂組成物のスラブ硬度とは、ゴルフボール用樹脂組成物をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。
本発明のゴルフボールは、本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成された構成部材を有するものであれば、特に限定されない。例えば、ワンピースゴルフボール;単層コアと、前記単層コアを被覆するように配設されたカバーとを有するツーピースゴルフボール;センターと前記センターを被覆するように配設された単層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するスリーピースゴルフボール;または、センターと前記センターを被覆するように配設された一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーを有するマルチピースゴルフボール(前記スリーピースゴルフボールを含む)を構成するいずれかの構成部材が本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成されているゴルフボールを挙げることができる。これらの中でも、少なくとも一層以上のコアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記コアの少なくとも一層が、本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成されている態様、または、ワンピースゴルフボールのゴルフボール本体が本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成されている態様が好ましい。特に、単層コアと、前記単層コアを被覆するように配設されたカバーとを有するツーピースゴルフボールであって、前記単層コアが本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成されている態様、または、センターと前記センターを被覆するように配設された一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーを有するマルチピースゴルフボールであって、前記センターが、本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成されている態様が好ましい。
以下、本発明のゴルフボールを、コアと前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するツーピースゴルフボールであって、前記コアが、本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成されている態様に基づいて詳述するが、本発明は斯かる態様に限定されない。
前記コアは、例えば、本発明のゴルフボール用樹脂組成物を射出成形することにより成形される。具体的には、1MPa〜100MPaの圧力で型締めした金型内に、160℃〜260℃に加熱溶融したゴルフボール用樹脂組成物を1秒〜100秒で注入し、30秒〜300秒間冷却して型開きすることにより行うことが好ましい。
前記コアの形状としては、球状であることが好ましい。コアの形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する箇所が生じるからである。
前記コアの直径は、39.00mm以上が好ましく、39.25mm以上がより好ましく、39.50mm以上がさらに好ましく、42.37mm以下が好ましく、42.22mm以下がより好ましく、42.07mm以下がさらに好ましい。前記コアの直径が39.00mm以上であれば、カバー層の厚みが厚くなり過ぎず、その結果、反発性が良好となる。一方、コアの直径が42.37mm以下であれば、カバー層が薄くなり過ぎず、カバーの保護機能が十分に発揮される。
前記コアは、直径39.00mm〜42.37mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、1.00mm以上が好ましく、1.10mm以上がより好ましく、5.00mm以下が好ましく、4.90mm以下がより好ましく、4.80mm以下がさらに好ましい。前記圧縮変形量が、1.00mm以上であれば打球感が良好となり、5.00mm以下であれば、反発性が良好となる。
前記コアの表面硬度は、ショアD硬度で20以上が好ましく、25以上がより好ましく、30以上がさらに好ましく、70以下が好ましく、69以下がより好ましい。コアの表面硬度を、ショアD硬度で20以上とすることにより、コアが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コアの表面硬度をショアD硬度で70以下とすることにより、コアが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
前記コアの中心硬度は、ショアD硬度で5以上であることが好ましく、7以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。コアの中心硬度がショアD硬度で5未満であると、軟らかくなりすぎて反発性が低下する場合がある。また、コアの中心硬度は、ショアD硬度で50以下であることが好ましく、48以下がより好ましく、46以下がさらに好ましい。中心硬度がショアD硬度で50を超えると、硬くなり過ぎて、打球感が低下する傾向があるからである。本発明において、コアの中心硬度とは、コアを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。
前記コアが、充填剤を含有することも好ましい。充填剤は、主として最終製品として得られるゴルフボールの密度を1.0〜1.5g/cmの範囲に調整するための重量調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。充填剤の配合量が0.5質量部未満では、重量調整が難しくなり、30質量部を超えると樹脂成分の重量比率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
本発明のゴルフボールのカバーは、樹脂成分を含有するカバー用組成物から形成されることが好ましい。前記樹脂成分としては、例えば、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂若しくは2液硬化型ウレタン樹脂などのウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などの各種樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマーなどを挙げることができる。前記樹脂成分は、単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
前記アイオノマー樹脂としては、(a−2)成分、または、(a−4)成分として例示したものを使用することが好ましい。
ゴルフボールのカバーを構成するカバー用組成物は、樹脂成分として、ポリウレタン樹脂(ポリウレタンエラストマーを含む)またはアイオノマー樹脂を含有することがより好ましい。カバー用組成物の樹脂成分中のポリウレタン樹脂またはアイオノマー樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
カバー用組成物は、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
白色顔料(例えば、酸化チタン)の含有量は、カバーを構成する樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、カバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるカバーの耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のゴルフボールのカバーを成形する方法としては、例えば、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する圧縮成形法(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)、あるいは、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する射出成形法を挙げることができる。
カバー用組成物を射出成形してカバーを成形する場合、あらかじめ押出して得られたペレット状のカバー用組成物を用いて射出成形しても良いし、あるいは、基材樹脂成分や顔料などのカバー用材料をドライブレンドして直接射出成形してもよい。カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、カバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができる。具体的には、9MPa〜15MPaの圧力で型締めした金型内に、200℃〜250℃に加熱したカバー用組成物を0.5秒〜5秒で注入し、10秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行うことが好ましい。
カバーには、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
カバーの厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.6mm以下がより好ましく、1.2mm以下がさらに好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。カバーの厚みが2.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。前記カバーの厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。カバーの厚みが0.1mm未満では、カバーの成形が困難になるおそれがあり、また、カバーの耐久性や耐摩耗性が低下する場合もある。
カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、25μm以下が好ましく、18μm以下がより好ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が25μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明のゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)は、2.0mm以上であることが好ましく、2.2mm以上がより好ましく、4.0mm以下であることが好ましく、3.5mm以下がより好ましい。前記圧縮変形量が2.0mm以上のゴルフボールは、硬くなり過ぎず、打球感が良い。一方、圧縮変形量を4.0mm以下にすることにより、反発性が高くなる。
以上、本発明のゴルフボール用樹脂組成物をコアに用いる態様について説明したが、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、センター、中間層、あるいは、カバーにも用いることもできる。センターが本発明のゴルフボール用樹脂組成物から形成される場合、中間層を形成する材料としては、例えば、カバー材料として例示した樹脂成分を用いることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)スラブ硬度(ショアD硬度)
表1〜表3に示した配合材料をニーダーで200℃で15分間混練した後、160℃〜210℃でプレス成形して、厚み約2mmのシートを作製した。このシートを、23℃で2週間保存した。スラブ硬度は、このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(2)メルトフローレイト(MFR)(g/10min)
MFRは、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。なお、測定は、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件で行った。
(3)反発弾性(%)
表1〜表3に示した配合材料をニーダーで200℃で15分間混練した後、160℃〜210℃でプレス成形して、厚み約2mmのシートを作製した。当該シートから直径28mmの円形状に打抜いたものを6枚重ねることにより、厚さ約12mm、直径28mmの円柱状試験片を作製した。この試験片についてリュプケ式反発弾性試験(試験温湿度23℃、50RH%)を行った。なお、試験片の作製および試験方法は、JIS K6255に準じて行った。
(4)圧縮変形量(mm)
球形体に初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向に球形体が縮む量)を測定した。圧縮変形量は、球形体No.19の圧縮変形量を1.00として指数化した値で示した。
(5)反発係数
各球形体に198.4gの金属製円筒物を40m/秒の速度で衝突させ、衝突前後の円筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および重量から各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定は、各球形体について12個ずつ行って、その平均値を各球形体の反発係数とした。
(6)打球感
アマチュアゴルファー(上級者)10人により、ドライバーを用いた実打テストを行って、各人の打撃時のフィーリングを下記基準で評価させた。10人の評価のうち、最も多い評価をそのゴルフボールの打球感とした。
評価基準
優:衝撃が少なくてフィーリングが良い。
良:普通。
不良:衝撃が大きくてフィーリングが悪い。
(7)固体高分解能炭素核磁気共鳴法(NMR法)によって観測される13C核のスピン−格子緩和時間(T1)の測定方法
装置:Bruker Avance 400
測定方法:Torcha法によるT1緩和時間測定
測定周波数:100.6256207MHz
測定温度:室温
基準物質:アダマンタン
マジック角回転の回転数:5000Hz
パルス幅:4.80μsec
コンタクトタイム:2000μsec
パルスの間隔:1μsec,100msec、500msec、1sec、2sec、3sec、4sec、6sec、8sec、10sec、12sec、15sec、20sec、40sec、80sec、120sec
磁場強度:9.4T
(8)貯蔵弾性率E’(Pa)および損失弾性率E”(Pa)の測定
ゴルフボール用樹脂組成物の貯蔵弾性率E’(Pa)および損失弾性率E”(Pa)を以下の条件で測定した。
装置:ユービーエム社製動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000
測定サンプル:表1〜表3に示した配合材料をニーダーで200℃で15分間混練した後、160℃〜210℃でプレス成形して、厚み約2mmのシートを作製した。このシートから、幅4mm、クランプ間距離20mmになるように試料片を切り出した。
測定モード:引張
測定温度:12℃
加振周波数:10Hz
測定ひずみ:0.05%
[球形体(コア)の作製]
表1〜表3に示すように、配合材料をドライブレンドし、二軸混練型押出機によりミキシングして、ストランド状に冷水中に押し出した。押出されたストランドをペレタイザーにより切断してペレット状のゴルフボール用樹脂組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。得られたペレット状のゴルフボール用樹脂組成物を220℃にて射出成形し、直径40mmの球形体(コア)を得た。
Figure 0005836799
Figure 0005836799
Figure 0005836799
表1〜表3で使用した原料は以下の通りである。
ニュクレルAN4319:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):55g/10min、曲げ剛性率:21MPa)
オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン:ルーブリゾール社製「Chembetaine OL」の精製品(水分と塩分を除去)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:日油社製「ニッサンアノン BL」の精製品(水分と塩分を除去)
ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:花王社製「アンヒトール86B」の精製品(水分と塩分を除去)
オレイルジメチルアミノプロピオン酸ベタイン:株式会社ナード研究所で合成(市販品無し)
オレアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン:Rhodia社「Mirataine BET-o」脱塩・脱水処理品
オレイルジメチルアミンオキシド:Cognis社「Standamox 01」脱水処理品
ステアリン酸:日油社製「粉末ステアリン酸つばき」
オレイン酸:東京化成工業社製
水酸化マグネシウム:和光純薬工業社製
表1〜表3から明らかなように、(A)(a−1)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体、(a−2)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂より成る群から選択される少なくとも一種の樹脂成分と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物とを含有し、樹脂成分として、(A)(a−1)前記二元共重合体、および/または、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有するゴルフボール用樹脂組成物であって、前記ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンと、(A)樹脂成分と、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる前記金属イオンと(B)成分中のアニオン性部位との配位エネルギーA(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のカルボキシルイオンとの配位エネルギーB(kcal/mol)と、前記金属イオンと(A)成分のオレフィンとの配位エネルギーC(kcal/mol)とが、下記式を満足するゴルフボール用樹脂組成物は、柔軟でありながらも、反発性が高いことが明らかである。
0.3≦(A−C)/(B−C)≦0.6
図1は、反発係数と緩和時間(T1)との関係を示すグラフであり、緩和時間(T1)が短くなるほど、反発係数が高くなることが分かる。特に緩和時間が15秒以下であれば、反発係数が大きいコアが得られる。図2は、反発性とlog(E’/E”)との関係を示すグラフである。log(E’/E”)が大きくなるに従って、反発係数も大きくなることが分かる。特に、log(E’/E”)が−6.55以上であれば、反発係数が大きいコアが得られる。
本発明によれば、反発性と柔軟性に優れたゴルフボール用樹脂組成物が得られ、本発明のゴルフボール用樹脂組成物を用いることで、反発性および打球感に優れたゴルフボールが得られる。

Claims (11)

  1. (A)(a−1)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体、(a−2)オレフィンと、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂より成る群から選択される少なくとも一種の樹脂成分と(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物とを含有し、(A)樹脂成分として、(a−1)前記二元共重合体、および/または、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有するゴルフボール用樹脂組成物であって、
    前記ゴルフボール用樹脂組成物が含有する金属イオンと、(A)樹脂成分と、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物について、非経験的分子軌道計算法として基底関数B3LYP/6−31G(d)を用いて求められる
    前記金属イオンと(B)成分中のアニオン性部位との配位エネルギーA(kcal/mol)と、
    前記金属イオンと(A)成分のカルボキシルイオンとの配位エネルギーB(kcal/mol)と、
    前記金属イオンと(A)成分のオレフィンとの配位エネルギーC(kcal/mol)とが、下記式を満足することを特徴とするゴルフボール用樹脂組成物。
    0.3≦(A−C)/(B−C)≦0.6
  2. (B)分子内にアニオン性部位を有する化合物は、炭化水素鎖と、さらにカチオン性部位を有する化合物である請求項1に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  3. (B)分子内にアニオン性部位を有する化合物は、炭化水素鎖と、さらにカチオン性部位を有する両性界面活性剤である請求項1または2に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  4. 前記両性界面活性剤は、ベタイン型両性界面活性剤、アミドアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルアミンオキシド、β−アラニン型両性界面活性剤、グリシン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤およびホスホベタイン型両性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  5. (A)樹脂成分100質量部に対して、(B)分子内にアニオン性部位を有する化合物を1質量部以上200質量部以下含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  6. 前記ゴルフボール用樹脂組成物は、(A)樹脂成分として、(a−3)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、および/または、(a−4)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂を含有し、(A)樹脂成分として、(a−3)前記三元共重合体のみを含有する場合には、さらに(C)塩基性無機金属化合物を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  7. (A)樹脂成分100質量部に対して、(C)塩基性無機金属化合物を200質量部以下含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  8. スラブ硬度が、ショアD硬度で5以上、70以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物から形成された構成部材を有することを特徴とするゴルフボール。
  10. 少なくとも一層以上のコアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記コアの少なくとも一層が請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物から形成されていることを特徴とするゴルフボール。
  11. ゴルフボール本体が請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物から形成されていることを特徴とするワンピースゴルフボール。
JP2011290329A 2011-12-29 2011-12-29 ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール Expired - Fee Related JP5836799B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011290329A JP5836799B2 (ja) 2011-12-29 2011-12-29 ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
US13/730,226 US9119991B2 (en) 2011-12-29 2012-12-28 Golf ball resin composition and golf ball

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011290329A JP5836799B2 (ja) 2011-12-29 2011-12-29 ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013138743A JP2013138743A (ja) 2013-07-18
JP5836799B2 true JP5836799B2 (ja) 2015-12-24

Family

ID=48695246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011290329A Expired - Fee Related JP5836799B2 (ja) 2011-12-29 2011-12-29 ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9119991B2 (ja)
JP (1) JP5836799B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6358772B2 (ja) * 2011-09-22 2018-07-18 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP6174418B2 (ja) * 2013-08-22 2017-08-02 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP6468942B2 (ja) * 2014-06-30 2019-02-13 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP6465756B2 (ja) * 2015-06-12 2019-02-06 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP6440593B2 (ja) 2015-08-07 2018-12-19 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2736486B2 (ja) * 1992-07-03 1998-04-02 花王株式会社 クレンジング用組成物
JP4613439B2 (ja) * 2001-04-24 2011-01-19 味の素株式会社 洗浄剤組成物
US7767759B2 (en) * 2004-07-16 2010-08-03 Taylor Made Golf Company, Inc. Composition for use in golf balls
US20090203469A1 (en) * 2005-08-31 2009-08-13 Sullivan Michael J Golf balls containing highly-neutralized acid polymers and ionic plasticizers
US7365128B2 (en) * 2005-08-31 2008-04-29 Acushnet Company Highly-neutralized acid polymers and their use in golf balls
JP5211744B2 (ja) * 2008-02-20 2013-06-12 住友電気工業株式会社 アイオノマー樹脂組成物及びこれを用いた同軸線
US20100048327A1 (en) * 2008-08-19 2010-02-25 Bulpett David A Highly-Neutralized Golf Ball Compositions
JP6358772B2 (ja) * 2011-09-22 2018-07-18 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP6087636B2 (ja) * 2012-07-30 2017-03-01 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール

Also Published As

Publication number Publication date
US9119991B2 (en) 2015-09-01
US20130172112A1 (en) 2013-07-04
JP2013138743A (ja) 2013-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6358772B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP6174418B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP6087636B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP5836799B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP5854804B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP6540025B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP5669574B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP5669573B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
US9598522B2 (en) Resin composition for golf ball and golf ball
JP5312292B2 (ja) ゴルフボール
JP6219571B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP6045181B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP5876688B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP5031064B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP5669575B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP6219570B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP2017093492A (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5836799

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees