以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中(確変状態)か時短中(時短状態)か通常中(通常状態)であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図2参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64(図2参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、29.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最大で、大当たり態様に応じて規定されている最大開放回数(最大ラウンド数)だけ繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
特定入賞口65aには、この特定入賞口65aを通過する球を検出する特定入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)が設けられている。上述のように特定入賞口65aが開放される特別遊技状態(大当たり)中に該スイッチによって特定入賞口65aに入賞した球が検出された場合には、1球の入賞毎に賞球の払い出しがされる。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、大当たり中でない状態(即ち、通常状態)であるにもかかわらず特定入賞口65aへの球の通過が検出された場合には、閉鎖時入賞信号を、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4から図7を参照して、本パチンコ機10を含む遊技機管理システム1について説明する。図4は、パチンコ機10を含む遊技機管理システム1の電気的構成を示すブロック図である。最初に、この図4を用いて、パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、遊技機管理システム1は、上述したパチンコ機10と、外部出力端子板261を介して接続されているホールコンピュータ262とから構成される。ここで、本実施形態のパチンコ機10は、主制御装置110、払出制御装置111、音声ランプ装置113と、表示制御装置114、電源装置115などを主に備えて構成されている。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、外部出力バッファ203aと、特定入賞口通過カウンタ203bと、第1期間管理カウンタ203cと、第2期間管理カウンタ203dと、大当たり中信号出力フラグ203eと、オフ期間フラグ203fと、計時中フラグ203gと、変動開始信号出力フラグ203hと、大当たりフラグ203iとを備えている。
外部出力バッファ203aは、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する所定サイズ(例えば、1バイト)の設定データを一時的に記憶するバッファである。この外部出力バッファ203aは、複数の設定データビットから構成され、各設定データビットに、遊技中における管理すべき状態(例えば、遊技が大当たり中であるか否か、第1図柄表示装置37において変動表示が開始されたか否か、遊技状態が確変中(確変状態)であるか否か、第1入球口64へ球が入賞したか否かなど)に応じて0(オフ)又は1(オン)の値が設定される。
外部出力バッファ203aへの値の設定(即ち、各設定データビットへの値の設定)は、外部出力設定処理(図16参照)の実行間隔である2ms間隔で更新される。このように、2ms毎に更新される設定データは、4msを1サイクルとするメイン処理(図9参照)における外部出力処理が実行される毎に(即ち、4msの間隔で)外部出力端子板261へ出力されて、ホールコンピュータ262へと送信される。
特定入賞口通過カウンタ203bは、大当たり中でない状態(即ち、通常状態)において特定入賞口65aに球が通過したが、その通過に対応する閉鎖時入賞信号が未出力にある数を計数するカウンタである。なお、「閉鎖時入賞信号」とは、特定入賞口65aが閉鎖状態にあるはずの通常状態において該特定入賞口65aへの1回の通過に対して所定期間(本実施形態では、30s間)にわたってホールコンピュータ262へ出力されるオン信号である。
この特定入賞口通過カウンタ203bは、電源投入時に0クリア(リセット)される。そして、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが特定入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)によって検出される毎に1加算され、後述する閉鎖時入賞信号設定処理(図18参照)が実行されて1の閉鎖時入賞信号が出力される毎に、1減算される。
よって、特定入賞口通過カウンタ203bの値が0であれば、大当たり中でない状態における特定入賞口65aへの球の通過回数に相当する数の閉鎖時入賞信号が外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へと送信されていることを示す。一方、特定入賞口通過カウンタ203bが1以上の値を示す場合には、特定入賞口通過カウンタ203bが示す数だけ、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の閉鎖時入賞信号があることを示す。
第1期間管理カウンタ203cは、閉鎖時入賞信号の出力期間と、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の出力終了後の期間であって、ホールコンピュータ262が次に到来する信号(大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号)を区別可能なオフ期間(本実施形態では、50ms)とを計時(計測)するカウンタである。なお、「大当たり中信号」とは、特別遊技状態(大当たり)の間、ホールコンピュータ262へ出力されるオン信号である。
第2期間管理カウンタ203dは、変動開始信号の出力期間と、その変動開始信号の出力期間後の期間であって、ホールコンピュータ262が次に到来する変動開始信号を区別可能なオフ期間とを計時(計測)するカウンタである。なお、「変動開始信号」とは、第1入球口64へ球が入球したことによって第1図柄表示装置37において変動表示が開始される毎に出力される所定期間(本実施形態では、50ms)のオン信号である。
大当たり中信号出力フラグ203eは、大当たり中信号をホールコンピュータ262へ出力すべき状態であるか否かを示すフラグであり、電源投入時にオフに初期化された後、後述する変動終了処理(図12参照)において大当たり開始時のデータが設定されると(即ち、大当たりオープニングが開始される際に大当たり中信号を出力することを示すべくオンされる。そして、後述する大当たり処理(図13参照)において、大当たり終了処理が実行されるとオフされる。
オフ期間フラグ203fは、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の出力終了後の期間であって、ホールコンピュータ262が次に到来する信号(大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号)を区別可能なオフ期間(本実施形態では、50ms)が経過したか否かを示すフラグであり、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の出力が終了後にオフ期間が未だ経過していない場合にオンを示すフラグである。
このオフ期間フラグ203fは、電源投入時にオフに初期化された後、後述する大当たり処理(図13参照)のにおいて大当たりエンディングが終了する際、即ち、大当たり中信号の出力が終了される際にオンされる。また、後述する閉鎖時入賞信号設定処理(図18参照)において、閉鎖時入賞信号の出力が終了した際にもオンされる。そして、オンされたオフ期間フラグ203fは、後述する第1設定処理(図17参照)においてオフ期間の経過が確認されるとオフされる。
計時中フラグ203gは、閉鎖時入賞信号の出力期間又はオフ期間の計時中であるか否かを示すフラグであり、閉鎖時入賞信号の出力期間又はオフ期間の計時中である場合にオンを示すフラグである。この計時中フラグ203gは、電源投入時にオフに初期化された後、後述する第1設定処理(図17参照)又は閉鎖時入賞信号設定処理(図18参照)において、第1期間管理カウンタ203cに閉鎖時入賞信号の出力期間又はオフ期間の初期値が設定されるとオンされる。オンされた計時中フラグ203gは、対応する期間の計時が終了するとオフされる。
変動開始信号出力フラグ203hは、変動開始信号をホールコンピュータ262へ出力するか否かを示すフラグであり、電源投入時にオフに初期化された後、後述する変動開始処理(図11参照)が実行されると変動開始信号を出力することを示すべくオンされる。そして、オンされた変動開始信号出力フラグ203hは、後述する第2設定処理(図19参照)において第2期間管理カウンタ203dに初期値が設定されるとオフされる。
大当たりフラグ203iは、第1入球口64への球の入賞を条件として実行される抽選結果が大当たりであるか否かを示すフラグであり、抽選結果が大当たりであればオンを示すフラグである。この大当たりフラグ203iは、電源投入時にオフに初期化された後、後述する変動開始処理(図11参照)において、抽選結果が大当たりであると判定されるとオンされる。そして、後述する大当たり処理(図13参照)において、大当たり終了処理が実行されるとオフされる。
RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図9参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図8参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン205を介して入出力ポート206が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板261などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を備えている。この図示されないキャラクタ情報メモリには、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、箱の図柄やヘルメットの図柄(図6(b))参照)、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、男の子(図6(b)参照))などがキャラクタ情報として記憶されている。
なお、キャラクタ情報メモリ(図示せず)には、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリ235aに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを備えている。
ビデオRAM234における図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶する領域であり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。一方、ビデオRAM234における図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から、ビデオRAM234の表示用記憶領域に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されている。具体的には、外部出力端子板261は、複数の端子(図示せず)を有しており、主制御装置110(外部出力バッファ203a)又は払出制御装置111とホールコンピュータ262とが、外部出力端子板261の各端子を介して接続できるように構成されている。
主制御装置110における外部出力バッファ203aに記憶される設定データの設定データビットと外部出力端子板261の端子とは、1対1に接続されている。よって、主制御装置110から出力される各信号(例えば、大当たり中信号や変動開始信号)は、1の出力経路によってホールへ伝送(中継)される。
一方、払出制御装置111のRAM213に設けられている外部出力バッファ(図示せず)に記憶される設定データの設定データビットと外部出力端子板261の端子との接続もまた、1対1に接続されており、払出制御装置111から出力される各信号(例えば、所定個数の賞球が払い出される毎に出力される信号など)は、1の出力経路によってホールへ伝送される。なお、払出制御装置111における図示されない外部出力バッファは、外部出力バッファ203aと同様のバッファであり、複数の設定データビットから構成され、各設定データビットに、遊技中における管理すべき状態(例えば、所定個数の賞球が払い出されたか否かなど)に応じて0(オフ)又は1(オン)の値が設定されるものである。
外部出力端子板261における図示されない端子はフォトカプラによって構成されており、フォトカプラの一次側である発光ダイオードがパチンコ機10の主制御装置110及び払出制御装置111に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)がホールコンピュータ262に接続されている。
従って、この外部出力端子板261を介して行われるパチンコ機10とホールコンピュータ262との間における通信は、端子を構成するフォトカプラの一次側に接続されたパチンコ機10から、該フォトカプラの二次側に接続されたホールコンピュータ262への一方向通信とされる。従って、端子がフォトカプラから構成されていることにより、ホールコンピュータ262からパチンコ機10(特に、主制御装置110)への不正な電気信号(パルス信号など)の伝送を防止できる。
ここで、図5を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図9参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜619)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜619の値を取り得るカウンタの場合は619)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜619の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜619の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(時短中又は通常中)用と、その低確率時より大当たりとなる確率の高い高確率時(確変中)用との2種類が設定されている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜15)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜7の値を取り得るカウンタの場合は15)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
よって、保留球格納エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は外れ時のものとなる。
一方で、保留球格納エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ保留球格納エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜619の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「310,608」であり、一方で、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」である。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜15の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2において、乱数の値が「1,2,3,4,9,10,11,12」であった場合の大当たり種別は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たり(第1の確変大当たり)であり、一方で、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,8」であった場合の大当たり種別は、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たり(第2の確変大当たり)であり、また、第1当たり種別カウンタC2の値が「5,6,7,13,14,15」であった場合の大当たり種別は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する時短大当たりである。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、3種類の当たり種別(第1の確変大当たり、第2の確変大当たり、時短大当たり)が決定されるように構成されている。
ここで、上記した「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。一方で、「低確率状態」とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。ここで、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)は、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64(図2参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図9参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図6は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後に高確率状態(確変状態)へ移行する場合には、同一の主図柄が有効ライン上に揃うように構成されている。ここで、第1の確変大当たりであった場合には、奇数番号が付加された主図柄が揃うように構成され、一方で、時短大当たりであった場合には、偶数番号が付加された主図柄が揃うように構成されている。
一方で、第2の確変大当たりであった場合には、上記のような同一の組み合わせではなく、特定の非同一の組み合わせで停止表示されると大当たりが発生するように構成されている。このように、第2の確変大当たりは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される停止図柄が、同一の組み合わせではないので、遊技者は液晶表示画面の表示からは予期し得ない大当たりを経験することになり、遊技の興趣が高まる。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図6(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図7を参照して、遊技機管理システム1における本実施形態のホールコンピュータ262の電気的構成について説明する。図7は、本実施形態のホールコンピュータ262の電気的構成を示すブロック図である。
図7に示すように、ホールコンピュータ262は、ホール内に設置された複数のパチンコ機10を集中管理するための外部装置である。ホールコンピュータ262は、演算装置であるCPU501と、CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、各種音声データが記憶されている音声メモリ504と、パチンコ機10の外部出力端子261に接続される入出力ポート506とを備えている。ホールコンピュータ262の入出力ポート505には、バスライン505を介してCPU501とROM502とRAM503とが接続されていると共に、音声メモリ504が接続されている。
RAM503は、外部出力端子板261を介して各パチンコ機10から受信した設定データを一時的に記憶する遊技機情報受信バッファ503aと、大当たり回数カウンタ503bと、変動回数カウンタ503cと、受信期間カウンタ503dと、第1信号受信フラグ503eと、第2信号受信フラグ503fと、受信履歴メモリ503gと、異常メモリ503hとを備えている。
大当たり回数カウンタ503bは、パチンコ機10において当日に最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり(第1の確変大当たり又は時短大当たり)が生じた回数を計数するカウンタである。なお、以下の説明では、最大ラウンド数が15ラウンドである第1の確変大当たり又は時短大当たりが生じた回数を、単に、「大当たり回数」と称する。この大当たり回数カウンタ503bは、各日リセットされ、パチンコ機10において第1の確変大当たりが生じたことが検出される毎に1ずつ加算される。
詳細は後述するが、本実施形態のホールコンピュータ262は、受信信号処理(図21参照)において、パチンコ機10から受信した設定データにおける大当たり信号に対応する設定データビットがオンである期間に応じて、受信信号が、大当たり回数として計数されるべき大当たり(即ち、第1の確変大当たり又は時短大当たり)を示す大当たり中信号であるか否かを区別するように構成されている。よって、大当たり回数カウンタ503bは、受信信号処理(図21参照)において、受信信号が、大当たり回数として計数されるべき大当たりを示す大当たり中信号であると判定された場合に1加算される。
変動回数カウンタ503cは、パチンコ機10において第1の確変大当たり又は時短大当たりの後に第1図柄表示装置37において実行された(又は、開始された)変動表示の回数を計数するカウンタである。なお、以下の説明では、第1の確変大当たり又は時短大当たりの後に第1図柄表示装置37において実行された変動表示の回数を、単に、「大当たり後の変動回数」と称する。
この変動回数カウンタ503cは、電源投入に伴ってリセットされ、後述する遊技機情報受信処理(図20参照)において、パチンコ機10から新たな変動開始信号を受信した場合、即ち、パチンコ機10から受信した設定データにおける変動開始信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がりが検出された場合に、1ずつ加算される。そして、後述する受信信号処理(図21参照)において、受信信号が、大当たり回数として計数されるべき大当たりを示す大当たり中信号であると判定された場合に0クリア(リセット)される。
受信期間カウンタ503dは、パチンコ機10から受信した設定データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットがオンである期間を計時(計測)するカウンタである。この受信期間カウンタ503dは、電源投入に伴ってリセットされる。また、後述する受信信号処理(図21参照)において、パチンコ機10から受信した設定データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がりが検出される毎に0クリアされる。その後、大当たり中信号に対応する設定データビットのオフが検出されるまで、受信信号処理(図21参照)の実行間隔である2ms毎に1ずつ加算される。
なお、詳細は後述するが、本実施形態のホールコンピュータ262は、この受信期間カウンタ503dによって計時された期間、即ち、大当たり中信号に対応する設定データビットのオン期間に基づいて、受信信号が、大当たり中信号であるか、特定入賞口65aが閉鎖状態にあるはずの通常状態において該特定入賞口65aに球が通過したことを示す閉鎖時入賞信号であるかを区別する。また、大当たり中信号が、第2の確変大当たりによるものであるか、それ以外の大当たり(即ち、第1の確変大当たり又は時短大当たり)であるかについても、この受信期間カウンタ503dによって計時された期間に基づいて区別される。
第1信号受信フラグ503eは、パチンコ機10から受信した設定データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットがオンであるか否か、即ち、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の受信中であるか否かを示すフラグであり、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の受信中である場合にオンを示すフラグである。この第1信号受信フラグ503eは、電源投入時にオフに初期化された後、後述する受信信号処理(図21参照)において大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の受信が検出された場合(即ち、受信した設定データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がりが検出された場合)にオンされる。そして、オンされた第1信号受信フラグ503eは、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号がオフされたことが検出されるとオフされる。
第2信号受信フラグ503fは、パチンコ機10から受信した設定データにおける変動開始信号に対応する設定データビットがオンであるか否か、即ち、変動開始信号の受信中であるか否かを示すフラグであり、変動開始信号の受信中である場合にオンを示すフラグである。この第2信号受信フラグ503fは、電源投入時にオフに初期化された後、後述する遊技機情報受信処理(図20参照)において変動開始信号の受信が検出された場合(即ち、受信した設定データにおける変動開始信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がりが検出された場合)にオンされる。そして、オンされた第2信号受信フラグ503fは、変動開始信号がオフされたことが検出されるとオフされる。
受信履歴メモリ503gは、パチンコ機10から受信した大当たり中信号及び閉鎖時入賞信号の受信履歴を記憶するものであり、後述する遊技機情報受信処理(図20参照)において、大当たり中信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がりが検出された場合に、信号の受信が、図示されない計時手段(例えば、RTC回路など)から取得した受信時刻と共に記憶される。即ち、この受信履歴メモリ503gには、受信した信号が大当たり中信号であるか閉鎖時入賞信号であるかを区別することなく、信号の受信とその受信時刻とが受信履歴として記憶される。
異常メモリ503hは、パチンコ機10から受信した閉鎖時入賞信号の受信履歴を記憶するものであり、後述する異常判定処理(図22参照)において、受信した信号が閉鎖時入賞信号であると判定された場合に、閉鎖時入賞信号の受信と、図示されない計時手段(例えば、RTC回路など)から取得した時刻受信時刻とが受信履歴として記憶される。
なお、上述の通り、ホールコンピュータ262は、ホール内に設置された複数のパチンコ機10を各々管理するものであるので、大当たり回数カウンタ503b、変動回数カウンタ503c、受信期間カウンタ503d、第1信号受信フラグ503e、第2信号受信フラグ503f、受信履歴メモリ503g、及び異常メモリ503hは、各パチンコ機10毎の情報を記憶できるように構成されている。
また、ホールコンピュータ262の入出力ポート505には、ホール内の各パチンコ機10の上方に設置され、対応するパチンコ機10の状態(例えば、当日の大当たり回数、大当たり後の変動回数(変動開始回数)、現在の遊技状態など)を報知するデータ表示器601に接続されている。なお、データ表示器601は、ホールコンピュータ262からの出力情報に基づいて、例えば、当日の大当たり回数や大当たり後の変動回数などを数値としてLEDやLCDなどから構成される中央の表示部に表示すると共に、大当たり中にある場合には表示部の左右両側に設けられた発光部の点灯又は点滅を行う表示器である。さらに、入出力ポート505には、異常報知などの各種情報を視覚的に表示するディスプレイ602と、異常報知などの各種情報を聴覚的に出力するスピーカ603とが接続されている。
次に、図8から図19のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、上述したNMI割込処理とがある。
まず、図8を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図8は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図9のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図9を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図9は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図14参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
また、この外部出力処理(S201)により、後述する外部出力設定処理(図16参照)において遊技中の状態に応じて外部出力バッファ203aに設定されたデータ(設定データ)を、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する。かかる設定データを構成する各設定データビットには、大当たり中である場合に1に設定される(オンされる)設定データビットが含まれており、この設定データビットの出力状態に応じて1の大当たり中信号が形成される。
具体的には、1の大当たり中信号は、大当たりが開始されると対応する設定データビットの出力状態が初期状態である0(オフ)から1(オン)に反転され、その後、大当たりが終了されると出力状態が再度0(オフ)に戻されることによって、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力されることとなる。
また、大当たり中である場合又は大当たり中でない状態(即ち、通常状態)において特定入賞口65aに球が通過した場合に1に設定される(オンされる)設定データビットもあり、この設定データビットの出力状態に応じて1の閉鎖時入賞信号が形成される。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中信号を設定するための設定データビットと、閉鎖時入賞信号を設定するための設定データビットとが共通の設定データビットとして構成されている。よって、大当たり中信号と閉鎖時入賞信号とが共通の出力経路、即ち、外部出力端子板261における同一の端子(例えば、端子番号1の端子)を経て、ホールコンピュータ262へ入力される。従って、外部管理装置(例えば、ホールコンピュータ)を用いる従来の遊技機管理システムを流用して、不正行為の疑いが持たれる閉鎖時入賞信号をホールコンピュータ262に入力させることができるので、閉鎖時入賞信号に対する監視を安価なコストで達成することができる。
同様に、外部出力バッファ203aに記憶される設定データを構成する各設定データビットには、大当たり中信号及び閉鎖時入賞信号を設定する上述の設定データビットとは別に、第1図柄表示装置37において変動表示が開始された場合に1に設定される設定データビットが含まれており、この設定データビットの出力状態に応じて1の変動開始信号が形成される。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図10を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、この大当たり処理(S205)の詳細は図13を参照して後述する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図示せず)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図10を参照して、変動処理(S204)について説明する。図10は、メイン処理(図9参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
かかるデータシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図11を参照して後述する。変動開始処理(S306)の実行後は、変動開始信号出力フラグ203hをオンし(S307)、変動処理(S204)を終了する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S309)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率状態となる場合の停止図柄と、大当たり後に低確率状態となる停止図柄とに区別される。例えば、本実施形態の形態におけるパチンコ機10の場合には、第1の確変大当たりであれば、停止図柄として青色のLEDを点灯させ、第2の確変大当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDを点灯させ、時短大当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には停止図柄として、赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において実行中の変動表示を終了するために、変動終了処理を実行する(S310)。なお、変動終了処理(S310)で実行される詳細な処理については、図12を参照して後述する。
変動終了処理(S310)の実行後、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S311)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図11を参照して、上記した変動開始処理(S306)について説明する。図11は、変動処理(図10参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。本実施形態におけるパチンコ機10の場合には、前述した通り、通常の低確率時には、第1当たり乱数カウンタC1の値0〜619のうち、「310,608」が当たり値であり、高確率時には、「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、大当たりフラグ203iをオンし(S402)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S403)。S403の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか(第1又は第2の確変大当たりであるか)、低確率状態へ移行するか(時短大当たりであるか)が設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S403の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。
次に、S403において第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて設定された大当たりの表示態様が、確変大当たりであるかを確認する(S404)。S404の処理によって確認した結果、確変大当たりであれば(S404:Yes)、時短カウンタ(図示せず)を0に設定し(S405)、RAM203に設けられている高確率フラグ(図示せず)をオンし(S406)、S407の処理へ移行する。
なお、図示されない時短カウンタとは、遊技状態が時短状態に遷移された場合に、その実行期間を計時(計測)するカウンタである。ここで、時短状態の実行期間は、時短状態への遷移後(時短状態への遷移の条件を満たした大当たりの終了後)に、第1入球口64への球の入賞(始動条件の成立、始動入賞)を条件として行われる抽選回数(第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81における特別図柄の変動表示の回数)により規定されており、本実施形態では100回とされている。また、図示されない高確率フラグとは、大当たり終了後の大当たり確率がアップして高確率となった状態(即ち、確変状態)であるか、大当たり後の大当たり確率が低確率状態(即ち、時短状態又は通常状態)であるかを示すフラグである。具体的には、この高確率フラグは、大当たり後の大当たり確率がアップする場合にはオンを示し、大当たり後の大当たり確率が低確率状態であればオフを示す。
一方で、S404の処理により確認した結果、確変大当たりでない、即ち、時短大当たりである場合には(S404:No)、時短カウンタ(図示せず)を100に設定し(S414)、RAM203に設けられている高確率フラグ(図示せず)をオフし(S415)、S407の処理へ移行する。
S407では、大当たり時の変動パターンを決定する(S407)。S407の処理で大当たり時の変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S412)。S412の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、高確率フラグがオンを示す高確率状態(確変状態)であるか、高確率フラグがオフを示す低確率状態(時短状態、通常状態)であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次いで、外れ時の変動パターンを決定する(S413)。S413の処理で外れ時の変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S407の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S407の処理またはS413の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S408)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S407又はS413の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S409)、S403又はS412の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S410)。そして、S408の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S411)、変動処理へ戻る。
次に、図12を参照して、変動終了処理(S310)について説明する。図12は、変動処理(図10参照)の中で実行される変動終了処理(S310)を示すフローチャートである。
図12に示すように、この変動終了処理(S310)では、まず、大当たりフラグ203iがオンであるか確認し(S421)、オンであれば(S421:Yes)、現在実行中の動的表示(変動表示)を終了して、大当たり遊技を開始する(大当たり状態へ遷移する)タイミングであるので、大当たり開始時のデータを設定する(S422)。
ここで、S422の処理では、S403において設定された大当たりの態様に応じた時間を設定する。このS422において設定する時間は、大当たり開始時に出力されるオープニング演出の出力時間(大当たりオープニング時間)、特定入賞口65aの開放時間(大当たり開放時間)と閉鎖時間(大当たり閉鎖時間)、および第3図柄表示装置81における大当たりの終了の際の演出であるエンディングの演出時間(大当たりエンディング時間)である。
具体的には、S422の処理によって、大当たりオープニング時間が大当たり制御タイマ(図示せず)に設定されると共に、大当たり開放時間と大当たり閉鎖時間とエンディング時間とが、それぞれ、RAM203に設けられた専用のバッファに書き込まれる。なお、大当たり制御タイマ(図示せず)は、大当たり中における各期間、大当たりオープニング期間、大当たり中に発生される各ラウンドの期間、各ラウンドの間の期間、大当たりエンディング期間を計時(管理)するタイマである。
専用のバッファに書き込まれた大当たり開放時間、大当たり閉鎖時間、及びエンディング時間は、後述する大当たり処理(図13参照)において、それぞれ、特定入賞口65aの開放、特定入賞口65aの閉鎖、及びエンディングのタイミングが到来した場合に、大当たり制御タイマ(図示せず)に設定される。なお、本実施形態では、大当たりパターンに応じた時間をS422の処理によって大当たりの実行毎に設定するように構成しているが、必ずしも、S422の実行毎に設定を行う必要はない。
また、S422の処理では、S403において設定された大当たりの態様に応じた特定入賞口65aの最大開放回数(最大ラウンド数)を設定する。例えば、本実施形態のパチンコ機10の場合には、大当たりの態様(大当たりの種別)が第1の確変大当たり又は時短大当たりであれば、最大開放回数は15であり、第2の確変大当たりであれば、最大開放回数は2である。
さらに、S422の処理では、大当たりオープニング開始コマンドを出力用リングバッファ(図示せず)に設定する。よって、S422において大当たり開始時のデータが設定された結果として、メイン処理(図9参照)の次の1サイクルにより、遊技が大当たり状態に遷移すると共に、第3図柄表示装置81において大当たりのオープニング演出が開始され、第1図柄表示装置37における7セグメント表示器37bにラウンド数が表示される。また、第1図柄表示装置37における複数のLED37aによって、始動入賞(第1入球口64への入球)を契機とした大当たりの抽選結果(確変大当たりか時短大当たりか)が通知される。
S422によって大当たり開始時のデータを設定した後、大当たり中信号出力フラグ203eをオンし(S423)、この変動終了処理(S307)を終了する。S423の処理の結果、後述する第1設定処理(図17参照)において外部出力バッファ203aにおける大当たり中信号に対応する設定データビットに1が設定されて、ホールコンピュータ262への大当たり中信号の出力が開始される。
また、S421の処理により確認した結果、大当たりフラグ203iがオフであれば(S421:No)、大当たり遊技を開始することなく現在実行中の変動表示を終了するタイミングであるので、この場合には、時短カウンタ(図示せず)の値が0であるかを確認する(S424)。
S424の処理により確認した結果、時短カウンタ(図示せず)の値が0でなければ(S424:No)、時短カウンタの値を1減算し(S425)、時短カウンタの値が0であるかを再度確認する(S426)。ここで時短カウンタの値が0であれば(S426:Yes)、時短状態を終了するタイミングであるので、時短終了時のデータを設定し(S427)、この変動終了処理(S310)を終了する。
S427において時短終了時のデータを設定した結果として、第1図柄表示装置37における複数のLED37aの点灯状態の変化によって、遊技状態が時短状態から通常状態に遷移したことが通知される。また、第3図柄表示装置81において、時短状態が終了したことを示す演出が実行される。
一方で、S424の処理により確認した結果、時短カウンタ(図示せず)の値が0であった場合(S424:Yes)、または、S426の処理により確認した結果、時短カウンタの値が0でなかった場合(S426:No)には、変動終了時(時短状態終了時以外の変動終了時)に対応したデータの設定を行い(S428)、この変動終了処理(S310)を終了する。
次に、図13を参照して、上記した大当たり処理(S205)について説明する。図13は、メイン処理(図9参照)の中で実行される大当たり処理(S205)を示すフローチャートである。
図13に示すように、この大当たり処理(S205)では、まず、変動処理(図10参照)におけるS301の処理と同様に大当たり中であるかを確認し(S321)、大当たり中でなければ(S321:No)、この大当たり処理(S205)を終了する。
一方で、S321の処理により確認した結果、大当たり中であれば(S321:Yes)、現在が大当たりオープニング中であるかを確認し(S322)、現在が大当たりオープニング中であれば、その大当たりオープニングを管理する大当たりオープニング処理を実行して(S330)、この大当たり処理(S205)を終了する。大当たりオープニング処理(S330)は、実行される毎に、大当たり制御タイマ(図示せず)を1ずつ減算し、大当たり制御タイマの値が0になった場合に、RAM203における所定のバッファに記憶されている大当たり開放時間の値を大当たり制御タイマに設定すると共に、開放回数として1回分の開放をカウントし、大開放口ソレノイド(ソレノイド209)をオンし、開放中の演出表示を音声ランプ表示装置113へ指示するコマンドである開放中表示コマンドを出力用リングバッファ(図示せず)に設定する。
一方で、S322の処理により確認した結果、現在が大当たりオープニング中でなければ(S322:No)、特定入賞口65aが閉鎖中、即ち、大開放口ソレノイド(ソレノイド209)がオフされているかを確認し(S323)、特定入賞口65aが閉鎖中であれば(S323:Yes)、大当たり制御タイマ(図示せず)の値を1減算する(S324)。
S324の処理後、大当たり制御タイマ(図示せず)の値が0であるかを確認する(S325)。S325の処理により確認した結果、大当たり制御タイマの値が0でなければ(S325:No)、特定入賞口65aの閉鎖を継続するために、そのまま、この大当たり処理(S205)を終了する。
一方で、S325の処理により確認した結果、大当たり制御タイマ(図示せず)の値が0であれば(S325:Yes)、特定入賞口65aの閉鎖期間を終了するタイミング、又は、大当たりエンディングを終了するタイミングのいずれかであるので、現在が大当たりエンディング中であるかを確認する(S326)。
S326の処理により確認した結果、現在が大当たりエンディング中でなければ(S326:No)、現在行われている特定入賞口65aの閉鎖が最終開放終了後の閉鎖であるか、即ち、特定入賞口65aが最大開放回数(最大ラウンド数)だけ開放された後の閉鎖であるかを確認する(S327)。
S327の処理により確認した結果、現在行われている特定入賞口65aの閉鎖が最終開放終了後の閉鎖であれば(S327:Yes)、RAM203における所定のバッファに記憶されている大当たりエンディング時間の値を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定し(S328)、S403の処理によって設定された大当たり時の態様(確変大当たり又は時短大当たり)に応じたエンディング開始コマンドを出力用リングバッファ(図示せず)に設定し(S329)、この大当たり処理(S205)を終了する。
一方で、S327の処理により確認した結果、現在行われている特定入賞口65aの閉鎖が最終開放終了後の閉鎖でなければ(S327:No)、特定入賞口65aを開放させるための開放回数判定処理を行い(S337)、この大当たり処理(S205)を終了する。開放回数判定処理(S337)では、RAM203における所定のバッファに記憶されている大当たり開放時間の値を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定すると共に、
開放回数として1回分の開放をカウントし、大開放口ソレノイド(ソレノイド209)をオンし、さらに、開放中の演出表示を音声ランプ表示装置113へ指示するコマンドである開放中表示コマンドを出力用リングバッファ(図示せず)に設定する。
また、S326の処理により確認した結果、現在が大当たりエンディング中であれば(S326:Yes)、大当たり遊技を終了するにあたっての各種設定を行う大当たり終了処理を実行し(S332)、大当たりフラグ203iをオフする(S333)。S333の処理後、大当たり中信号出力フラグ203eをオフし(S334)、オフ期間フラグ203fをオンし(S335)、第1期間管理カウンタ203cを0クリアして(S336)、この大当たり処理(S205)を終了する。
S334の処理によって、大当たり中信号出力フラグ203eがオフされた結果、ホールコンピュータ262に出力されていた大当たり中信号はオフされる。また、S335の処理によって、オフ期間フラグ203fがオンされた結果、大当たり中信号の出力終了後の期間であって、ホールコンピュータ262が次に到来する信号を区別可能なオフ期間(本実施形態では、50ms)が設けられる。かかるオフ期間の設定により、ホールコンピュータ262は、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号を連続して受信する場合であっても、時系列的に連続する各信号を区別して受信することできる。
また、S323の処理により確認した結果、特定入賞口65aが閉鎖中でなければ(S323:No)、特定入賞口65aの開放を管理する大当たり開放中処理を実行し(S331)、この大当たり処理(S205)を終了する。大当たり開放中処理(S331)では、実行される毎に、大当たり制御タイマ(図示せず)を1ずつ減算し、大当たり制御タイマの値が0になった場合に、RAM203における所定のバッファに記憶されている大当たり閉鎖時間の値を大当たり制御タイマに設定すると共に、大開放口ソレノイド(ソレノイド209)をオフし、閉鎖中の演出表示を音声ランプ表示装置113へ指示するコマンドである閉鎖中表示コマンドを出力用リングバッファ(図示せず)に設定する。一方で、開放中の特定入賞口65aに規定数(例えば、10個)の球の入賞が確認された場合もまた、大当たり制御タイマの値が0になった場合と同様の処理を行う。
図14は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図15参照)を実行し(S504)、ホールコンピュータ262へ出力すべき大当たり中信号や閉鎖時入賞信号などの設定を行う外部出力設定処理(図16参照)を実行し(S505)し、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図15のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図15は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
次に、図16のフローチャートを参照して、S505の処理で実行される外部出力設定処理(S505)を説明する。図16は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行される外部出力設定処理(S505)を示すフローチャートである。
図16に示すように、この外部出力設定処理(505)では、まず、外部出力バッファ203aを0クリア、即ち、全ての設定データビットを0クリアし、設定データのクリアを行う(S1501)。
S1501の処理によって設定データのクリアを行った後、設定データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットを設定する第1設定処理を行う(S1502)。なお、この第1設定処理(S1502)で実行される詳細な処理については、図17を参照して後述する。
第1設定処理(S1502)の実行後は、設定データにおける変動開始信号に対応する設定データビットを設定する第2設定処理を行う(S1503)。なお、この第2設定処理(S1504)については、図19を参照して後述する。
第2設定処理(S1503)の実行後は、その他の設定データビット(例えば、第1図柄表示装置37において変動表示が開始された場合に1に設定される設定データビットなど)を設定するその他の設定処理を実行して(S1504)、この外部出力設定処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図14参照)へ戻る。
1回の外部出力設定処理(S505)の実行により、外部出力バッファ203には、各設定データビットが設定された1の設定データが記憶される。かかる設定データは、メイン処理(図9参照)における次のサイクルで実行される外部出力処理(S201)により、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
次に、図17のフローチャートを参照して、上述した第1設定処理(S1502)について説明する。図17は、外部出力設定処理(図16参照)の中で実行される第1設定処理(S1502)を示すフローチャートである。
図17に示すように、この第1設定処理(S1502)では、まず、オフ期間フラグ203fがオンであるかを確認し(S1601)、オフ期間フラグ203fがオフであれば(S1601:No)、信号出力後に必ず設定されるオフ期間中ではないので、大当たり中信号出力フラグ203eがオンであるかを確認する(S1602)。
S1602の処理により確認した結果、大当たり中信号出力フラグ203eがオン、即ち、大当たり中信号がホールコンピュータ262へ出力されるべき状態である場合には(S1602:Yes)、外部出力バッファ203aにおける大当たり中信号に対応する設定データビットに1を設定し(S1603)、この第1設定処理(S1502)を終了する。
S1603の処理の結果として外部出力バッファ203aにおける大当たり中信号に対応する設定データビットに1が設定された状態で、次のサイクルのメイン処理(図9参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、オン信号である大当たり中信号が、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
一方で、S1602の処理により確認した結果、大当たり中信号出力フラグ203eがオフである場合には(S1602:No)、閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)を実行する。
ここで、図18のフローチャートを参照して、この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)について説明する。図18は、第1設定処理(図17参照)の中で実行される閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)を示すフローチャートである。
図18に示すように、この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)では、まず、S501において特定入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)のオンが検出されたかを確認する(S1701)。
S1701の処理により確認した結果、特定入賞口スイッチのオンが検出された場合には(S1701:Yes)、大当たり中信号が出力されない状態、即ち、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことを示すので、特定入賞口通過カウンタ203bに1加算し(S1702)、S1703の処理へ移行する。S1702の処理の結果、特定入賞口通過カウンタ203bの値が1以上となり、閉鎖時入賞信号が出力されることになる。
一方で、S1701の処理により確認した結果、特定入賞口スイッチのオンが検出されなかった場合には(S1701:No)、S1702の処理をスキップして、S1703の処理へ移行する。
S1703では、第1期間管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1703)。S1703の処理により確認した結果、第1期間管理カウンタ203cの値が0である場合には(S1703:Yes)、計時中フラグ203gがオンであるかを確認する(S1704)。
S1704の処理により確認した結果、計時中フラグ203gがオフであれば(S1704:No)、閉鎖時入賞信号の出力が可能な状態であるので、この場合には、特定入賞口通過カウンタ203bの値が0であるかを確認する(S1705)。
S1705の処理により確認した結果、特定入賞口通過カウンタ203bの値が1以上である場合には(S1705:No)、出力すべき閉鎖時入賞信号、即ち、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の閉鎖時入賞信号があるので、特定入賞口通過カウンタ203bの値から1減算した後(S1706)、第1期間管理カウンタ203cに初期値として15000を設定する(S1707)。
S1707の処理の結果として、第1期間管理カウンタ203cに初期値として15000が設定されると、その後は、第1期間管理カウンタ203cの値が0となるか、特別遊技状態(大当たり)が発生するまで、閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)が実行される毎に、S1710の処理が実行され、その都度1ずつ減算されていく。ここで、この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)は、2ms間隔で実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中の一処理であるので、第1期間管理カウンタ203cに初期値として15000が設定されたことにより、1の閉鎖時入賞信号に対し30sの出力期間が設定されたことになる。
S1707の処理後、閉鎖時入賞信号の出力期間が計時中であることを示す計時中フラグ203gをオンし(S1708)、外部出力バッファ203aにおける大当たり中信号に対応する設定データビットに1を設定し(S1709)、この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)を終了する。
S1709の処理の結果として外部出力バッファ203aにおける大当たり中信号に対応する設定データビットに1が設定された状態で、次のサイクルのメイン処理(図9参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、オン信号である閉鎖時入賞信号が、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、特定入賞口65aが閉鎖状態にあるはずの通常状態において該特定入賞口65aへ球が通過したことを示す信号を、大当たり中信号と同じ設定データビットを利用してホールコンピュータ262へ出力する。即ち、ホールコンピュータ262は、大当たり中信号と閉鎖時入賞信号との両方を同一の経路から受信することができる。よって、閉鎖時入賞信号に対する監視を安価なコストで達成することができる。
ところで、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中信号を出力するべき大当たりの態様をその大当たり期間により区分すると、特定入賞口65aの最大開放回数(最大ラウンド数)が15ラウンドである大当たり(第1の確変大当たり又は時短大当たり)と、特定入賞口65aの最大開放回数が2ラウンドである大当たり(第2の確変大当たり)とに区分される。
特定入賞口65aの最大開放回数が15ラウンドである大当たり(本実施形態における第1の確変大当たり又は時短大当たり)は、1ラウンドあたり、特定入賞口65aが29.5s経過するか、球が10個入賞するまで開放されるので、1の大当たり全体の期間が確実に30sより長い期間となる。一方、特定入賞口65aの最大開放回数が2ラウンドである大当たり(本実施形態における第2の確変大当たり)は、1ラウンドあたり、特定入賞口65aが0.5s経過するか、球が10個入賞するまで開放されるので、1の大当たり全体の期間は確実に30s未満の期間となる。
これに対し、1の閉鎖時入賞信号の出力期間は、S1707の処理によって、大当たり(特別遊技状態)としては取り得ない30sとなるように設定されるので、ホールコンピュータ262において、同一の経路から受信した信号を、その受信期間に応じて大当たり中信号であるか閉鎖時入賞信号であるかを明確に区別させることができる。よって、ホールコンピュータ262は、不正行為の疑いが持たれる閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、不正行為の発見を容易化し得るのである。
一方で、S1703の処理により確認した結果、第1期間管理カウンタ203cの値が0でなければ(S1703:No)、第1期間管理カウンタ203cによって閉鎖時入賞信号の出力期間が計時中であるので、第1期間管理カウンタ203cの値から1減算した後(S1710)、ホールコンピュータ262への閉鎖時入賞信号の出力を継続すべく、S1709の処理へ移行する。
また、S1704の処理により確認した結果、計時中フラグ203gがオンである場合には(S1704:Yes)、閉鎖時入賞信号の出力期間が終了したことを示すので、計時中フラグ203gオフし(S1711)、オフ期間の計時を開始すべくオフ期間フラグ203fをオンして(S1712)、この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)を終了する。この場合、大当たり中信号(又は閉鎖時入賞信号)に対応する設定データビットの出力状態は0(オフ)のままとされるので、出力されていた閉鎖時入賞信号はオフされる(信号が立ち下がる)。
また、S1705の処理により確認した結果、特定入賞口通過カウンタ203bの値が0であれば(S1705:Yes)、出力すべき閉鎖時入賞信号が存在しないので、そのまま、この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)を終了する。
この閉鎖時入賞信号設定処理(S1611)によれば、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)である状態の数は、特定入賞口通過カウンタ203bによって計数され、このカウンタ203bの値が1以上である場合には、S1703の処理により第1期間管理カウンタ203cが0になったことが確認された後、S1705におけるYesの分岐処理が実行されて、待機されていた次の閉鎖時入賞信号の出力が開始される。
即ち、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出されたが、閉鎖時入賞信号が出力中であるなど、直ちに閉鎖時入賞信号を出力できなかった場合には、次に閉鎖時入賞信号の出力が可能な状態となるまで、その出力が待機される。その結果、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出された回数分の閉鎖時入賞信号を確実にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、かかる閉鎖時入賞信号の出力先(即ち、閉鎖信号を出力したパチンコ機10)に不正行為が疑われる状況にあることを、ホールコンピュータ262に把握させることができるので、不正行為の発見を容易化し得るのである。
再度、図17に戻って説明する。S1601の処理により確認した結果、オフ期間フラグ203fがオンであれば(S1601:Yes)、信号(大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号)の出力後に必ず設定されるオフ期間であるので、この場合には、第1期間管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1604)。S1604の処理により確認した結果、第1期間管理カウンタ203cの値が0である場合には(S1604:Yes)、計時中フラグ203gがオンであるかを確認する(S1605)。
S1605の処理により確認した結果、計時中フラグ203gがオフであれば(S1605:No)、信号(大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号)の出力が終了し、引き続いてオフ期間の計時を開始すべき状態であるので、この場合には、第1期間管理カウンタ203cに初期値として25を設定する(S1606)し、オフ期間の計時中であることを示すべく、計時中フラグ203gをオンして(S1607)、この第1設定処理(S1502)を終了する。
S1606の処理の結果として、第1期間管理カウンタ203cに初期値として25が設定されると、その後は、第1期間管理カウンタ203cの値が0となるまで、第1設定処理(S1502)が実行される毎に、S1608の処理が実行され、その都度1ずつ減算されていく。ここで、この第1設定処理(S1502)は、2ms間隔で実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中の一処理であるので、第1期間管理カウンタ203cに初期値として25が設定されたことにより、オフ期間として50msが設定されたことになる。
なお、このオフ期間として設定される期間(本実施形態では、50ms)は、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する信号(大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号)を区別可能な期間である。よって、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の出力が終了した後に、オフ期間を必ず設定することによって、ホールコンピュータ262に、個々の信号を確実に認識させることができる。
一方で、S1604の処理により確認した結果、第1期間管理カウンタ203cの値が0でなければ(S1604:No)、第1期間管理カウンタ203cによるオフ期間の計時中であるので、第1期間管理カウンタ203cの値から1減算した後(S1608)、この第1設定処理(S1502)を終了する。
また、S1605の処理により確認した結果、計時中フラグ203gがオンである場合には(S1605:Yes)、管理すべきオフ期間が終了したことを示すので、オフ期間フラグ203fをオフし(S1609)、計時中フラグ203gオフして(S1610)、この第1設定処理(S1502)を終了する。
次に、図19のフローチャートを参照して、上述した第2設定処理(S1503)について説明する。図19は、外部出力設定処理(図16参照)の中で実行される第2設定処理(S1503)を示すフローチャートである。
図19に示すように、この第2設定処理(S1503)では、まず、第2期間管理カウンタ203dの値が0であるかを確認し(S1901)、第2期間管理カウンタ203dの値が0である場合には(S1901:Yes)、変動開始信号出力フラグ203hがオンであるかを確認する(S1902)。
S1902の処理により確認した結果、変動開始信号出力フラグ203hがオンであれば(S1902:Yes)、変動開始信号を出力すべき状態であるので、第2期間管理カウンタ203dに初期値として25を設定する(S1903)。
S1903の処理の結果として、第2期間管理カウンタ203dに初期値として25が設定されると、その後は、第2期間管理カウンタ203dの値が0となるまで、第2設定処理(S1503)が実行される毎に、S1906の処理が実行され、その都度1ずつ減算されていく。ここで、この第2設定処理(S1503)は、2ms間隔で実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中の一処理であるので、第2期間管理カウンタ203dに初期値として25が設定されたことにより、1の変動開始信号に対し50msの出力期間が設定されたことになる。なお、この変動開始信号の出力期間として設定される期間(本実施形態では、50ms)は、ホールコンピュータ262が1の信号を識別可能な期間である。
S1903の処理後、変動開始信号出力フラグ203hをオフし(S1904)、外部出力バッファ203aにおける変動開始信号に対応する設定データビットに1を設定し(S1905)、この第2設定処理(S1503)を終了する。
S1905の処理の結果として外部出力バッファ203aにおける変動開始信号に対応する設定データビットに1が設定された状態で、次のサイクルのメイン処理(図9参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、オン信号である変動開始信号が、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
一方で、S1901の処理により確認した結果、第2期間管理カウンタ203dの値が0でなければ(S1901:No)、第2期間管理カウンタ203dによって変動開始信号の出力期間が計時中であるので、第2期間管理カウンタ203dの値から1減算した後(S1906)、ホールコンピュータ262への変動開始信号の出力を継続すべく、S1905の処理へ移行する。
また、S1902の処理により確認した結果、変動開始信号出力フラグ203hがオフであれば(S1902:No)、変動開始信号の出力中でもなく、出力すべき変動開始信号も存在しないので、そのまま、この第2設定処理(S1905)を終了する。
以上、説明したように、本実施形態の遊技機管理システム1におけるパチンコ機10によれば、大当たり中でない状態、即ち、特定入賞口65aが閉鎖状態にあるはずの通常状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出された場合には、閉鎖時入賞信号をホールコンピュータ262へ出力する。
一般的に、特定入賞口65aが閉鎖状態にあるはずの通常状態において特定入賞口65aに球が通過したという事象には、不正行為の関与が疑われる。よって、そのように不正行為が疑われる状況が検出された場合に閉鎖時入賞信号をホールコンピュータ262へ出力することにより、ホールコンピュータ262において、その状況(即ち、不正行為が疑われる状況)を把握させることができるので、不正行為の発見を容易化できるのである。
次に、図20から図22のフローチャートを参照して、遊技機管理システム1におけるホールコンピュータ262において実行される処理について説明する。なお、上述の通り、ホールコンピュータ262は、ホール内に設置された複数のパチンコ機10を各々管理するものであるが、理解を容易にする目的で、1のパチンコ機10に対する管理を行う場合について説明する。
図20は、ホールコンピュータ262で実行される遊技情報受信処理を示すフローチャートである。この遊技情報受信処理は、所定時間毎(本実施形態では2ms毎)に起動されるタイマ割込処理であり、各パチンコ機10から受信した設定データに応じた処理を行う。
図20に示すように、この遊技情報受信処理では、まず、遊技機情報受信バッファ503aに当該パチンコ機10に対する受信データがあるか否かを確認し(S2001)、受信データがなければ(S2001:No)、そのまま、この遊技機情報受信処理を終了する。
一方で、S2001の処理により確認した結果、遊技機情報受信バッファ503aに受信データがあれば(S2001:Yes)、受信データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットの値が1であるかを確認する(S2002)。
S2002の処理により確認した結果、受信データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットの値が1であれば(S2002:Yes)、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号のいずれかが受信されたので、信号の受信に応じた各更新処理を行う受信信号処理を実行し(S2003)、S2004の処理へ移行する。なお、この受信信号処理(S2003)における詳細な処理については、図21を参照して後述する。
一方で、S2002の処理により確認した結果、受信データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットの値が0であれば(S2002:No)、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号のいずれも受信されていないので、この場合には、受信していた信号が大当たり中信号であるか閉鎖時入賞信号であるかを判定する異常判定処理を実行し(S2011)、S2004の処理へ移行する。なお、この異常判定処理(S2011)における詳細な処理については、図22を参照して後述する。
S2004の処理では、受信データにおける変動開始信号に対応する設定データビットの値が1であるかを確認する(S2004)。S2004の処理により確認した結果、受信データにおける変動開始信号に対応する設定データビットの値が1であれば(S2004:Yes)、変動開始信号の受信中であるか否かを示す第2信号受信フラグ503fがオンであるかを確認する(S2005)。
S2005の処理により確認した結果、第2信号受信フラグ503fがオフであれば(S2005:No)、パチンコ機10から受信した設定データにおける変動開始信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がり、即ち、新たに受信された変動開始信号であるので、第2信号受信フラグ503fをオンし(S2006)、変動回数カウンタ503cの値に1加算する(S2007)。
次いで、S2007の処理によって更新された変動回数カウンタ503cの値を、対応するパチンコ機10の上方に設置されているデータ表示器601へ出力し、データ表示器601の表示内容を更新し(S2008)、S2009の処理へ移行する。S2008の処理の結果、当該データ表示器601の表示部に表示されている大当たり後の変動回数の値が1加算された値に更新される。
一方で、S2005の処理により確認した結果、第2信号受信フラグ503fがオンであれば(S2005:Yes)、受信中の変動開始信号であるので、S2006〜S2008の処理をスキップして、S2009の処理へ移行する。
また、S2004の処理により確認した結果、受信データにおける変動開始信号に対応する設定データビットの値が0であれば(S2004:No)、変動開始信号が受信されていないので、この場合には、第2信号受信フラグ503fをオフし(S2012)、S2009の処理へ移行する。
S2009では、受信データにおけるその他の設定データビット(例えば、高確率状態(確変状態)が発生したことを示す信号に対応する設定データビットなど)の値に応じた処理を行う処理(その他受信処理)を実行する(S2009)。その他受信処理(S2009)の実行後は、遊技機情報受信バッファ503aを0クリアして(S2010)、この遊技機情報受信処理を終了する。
次に、図21を参照して、上述した受信信号処理(S2003)について説明する。図21は、遊技機情報受信処理(図20参照)の中で実行される受信信号処理(S2003)を示すフローチャートである。
図21に示すように、この受信信号処理(S2003)では、まず、第1信号受信フラグ503eがオンであるかを確認する(S2101)。S2101の処理により確認した結果、第1信号受信フラグ503eがオフであれば(S2101:No)パチンコ機10から受信した設定データ(受信データ)における大当たり中信号に対応する設定データビットのオフからオンへの立ち上がり、即ち、新たに受信された信号(大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号)であるので、第1信号受信フラグ503eをオンする(S2102)。
S2102の処理後、受信履歴メモリ503gに信号が受信されたこと示すデータ(信号が受信されたことを示す情報とその受信時刻)を記憶し(S2103)、データ表示器601の発光部の点滅を開始し(S2104)、音声メモリ504に記憶されている大当たりアナウンス(例えば、「○○番台、大当たりです。」というアナウンスなど)をスピーカ603から出力し(S2105)、受信期間カウンタ503dを0クリアして(S2106)、この受信信号処理(S2003)を終了し、遊技機情報受信処理(図20参照)へ戻る。
一方で、S2101の処理により確認した結果、第1信号受信フラグ503eがオンであれば(S2101:Yes)、大当たり信号又は閉鎖時入賞信号の受信中であるので、受信期間カウンタ503dの値に1加算し(S2107)、データ表示器601の発光部の点滅を継続する(S2108)。
S2108の処理後、受信期間カウンタ503dの値が15000を超える値であるか、即ち、信号の受信期間が30sを超える期間であるかを確認する(S2109)。S2109の処理により確認した結果、受信期間カウンタ503dの値が15000を超えていれば(S2109:Yes)、受信中の信号が、特定入賞口65aの最大開放回数が15ラウンドである大当たりを示す大当たり中信号であると確定されるので、変動回数カウンタ503cを0クリアし(S2110)、大当たり回数カウンタ503bの更新が行われたか否かを示す処理済みフラグ(図示せず)がオンであるかを確認する(S2111)。
S2111の処理により確認した結果、処理済みフラグ(図示せず)がオフであれば(S2111:No)、受信中の大当たり中信号(特定入賞口65aの最大開放回数が15ラウンドである大当たりを示す大当たり中信号)に対して、大当たり回数カウンタ503bの更新が未だ行われていないので、大当たり回数カウンタ503bの値に1加算し(S2112)、処理済みフラグをオンして(S2113)、S2114の処理へ移行する。
一方で、S2111の処理により確認した結果、処理済みフラグ(図示せず)がオンであれば(S2111:Yes)、受信中の大当たり中信号に対して、大当たり回数カウンタ503bの更新が既に行われているので、S2112,S2113の処理をスキップして、S2114の処理へ移行する。
S2114の処理では、大当たり回数カウンタ503b及び変動回数カウンタ503cの値を、対応するパチンコ機10の上方に設置されているデータ表示器601へ出力し、データ表示器601の表示内容の更新を行う(S2114)。S2114においてデータ表示器601の表示内容の更新を行った後、この受信信号処理(S2003)を終了し、遊技機情報受信処理(図20参照)へ戻る。
一方で、S2109の処理により確認した結果、受信期間カウンタ503dの値が15000以下であれば(S2109:No)、受信中の信号が、特定入賞口65aの最大開放回数が2ラウンドである大当たりを示す大当たり中信号や、閉鎖時入賞信号である可能性があるので、そのまま、この受信信号処理(S2003)を終了し、遊技機情報受信処理(図20参照)へ戻る。この場合には、S2110〜S2114の処理は行われないので、大当たり回数カウンタ503bや変動回数カウンタ503cの値は更新されない。
よって、本実施形態のホールコンピュータ262によれば、受信期間の長さに応じて、受信した信号が、特定入賞口65aの最大開放回数が15ラウンドである大当たりを示す大当たり中信号であるか否かを区別するので、特定入賞口65aの最大開放回数が15ラウンドである大当たりを示す大当たり中信号を確実に抽出することができ、大当たり回数カウンタ503b及び変動回数カウンタ503cの値を適切に更新することができる。
次に、図22を参照して、上述した異常判定処理(S2011)について説明する。図22は、遊技機情報受信処理(図20参照)の中で実行される異常判定処理(S2011)を示すフローチャートである。
図22に示すように、この異常判定処理(S2011)では、まず、第1信号受信フラグ503eがオンであるかを確認し(S2201)、第1信号受信フラグ503eがオフであれば(S2201:No)、直前まで信号が受信されていた状態ではないので、そのまま、異常判定処理(S2011)を終了し、遊技機情報受信処理(図20参照)へ戻る。
一方で、S2201の処理により確認した結果、第1信号受信フラグがオンであれば(S2201:Yes)、受信期間カウンタ503dが15000であるかを確認する(S2202)。
S2202の処理により確認した結果、受信期間カウンタ503dの値が15000であれば(S2202:Yes)、受信した信号が閉鎖時入賞信号であると確定されるので、異常メモリ503hに閉鎖時入賞信号が受信されたことを示す異常データ(閉鎖時入賞信号が受信されたことを示す情報とその受信時刻)を記憶し(S2203)、ディスプレイ602に異常の発生(閉鎖時入賞信号が受信されたこと)を表示し(S2204)、音声メモリ504に記憶されている確認アナウンス(例えば、「○○番台、確認して下さい。」というアナウンスなど)をスピーカ603から出力し(S2205)、S2206の処理へ移行する。
一方で、S2202の処理により確認した結果、受信期間カウンタ503dの値が15000以外の値、即ち、15000より大きい又は15000未満の値であれば(S2202:No)、受信した信号が大当たり中信号であると確定されるので、S2203〜S2205の処理をスキップして、S2206の処理へ移行する。
この異常判定処理によれば、閉鎖時入賞信号が受信された場合、即ち、S2200におけるYesの分岐処理が実行された場合には、S2203の処理によって、閉鎖時入賞信号が受信されたことを示す異常データが異常メモリ503hに記憶される。
よって、不正行為の疑いが持たれる閉鎖時入賞信号を受信した場合には、パチンコ機10に対して不正行為がされた疑いのある状況が、閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報として異常メモリ503hに随時記憶(蓄積)されるので、蓄積された情報(履歴)の解析によって不正行為が生じているか否かを容易に判断することができ、不正行為の発見を容易化できる。
また、異常判定処理によれば、閉鎖時入賞信号が受信された場合には、その旨を示す報知がS2204及びS2205の処理によって行われる。よって、パチンコ機10に対して不正行為がされた疑いのある状況が、閉鎖時入賞信号が受信される毎に報知されるので、報知の頻度によって不正行為が生じているか否かを容易に判断することができ、その点においても不正行為の発見が容易化される。
S2206の処理では、大当たり中信号又は閉鎖時入賞信号の受信が終了しているので、第1信号受信フラグ503eをオフする(S2206)。S2206の処理後、処理済みフラグ(図示せず)をオフし(S2207)、データ表示器601の発光部の点滅を終了して(S2208)、この異常判定処理(S2011)を終了し、遊技機情報受信処理(図20参照)へ戻る。
以上、説明したように、本実施形態の遊技機管理システム1におけるホールコンピュータ262によれば、パチンコ機10から閉鎖時入賞信号を受信した場合には、異常メモリ503hへの異常データの蓄積や、ディスプレイ602やスピーカ603による報知などを行うことによって、受信元(即ち、閉鎖時入賞信号の出力元)のパチンコ機10に対する不正の監視が行われる。このように、不正行為の疑いが持たれる閉鎖時入賞信号を受信したと判定された場合に、受信元のパチンコ機10に対する不正行為の監視を行うことにより、不正行為の発見を容易化できる。
また、本実施形態のホールコンピュータ262によれば、受信データにおける大当たり中信号に対応する設定データビットが1である期間(受信期間)の長さに基づいて、受信した信号に対し、大当たり中信号であるか閉鎖時入賞信号であるかの区別を行う。よって、同一の経路から受信される信号を、大当たり中信号であるか閉鎖時入賞信号であるかを明確に区別することができる。よって、同一の経路から受信された信号から、閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、受信元のパチンコ機10に対して行われる不正行為の発見を容易化できる。
また、上述のように受信期間の長さに応じて閉鎖時入賞信号を識別できるので、大当たり中信号と閉鎖時入賞信号との両方を同一の経路から受信する構成が可能となる。よって、閉鎖時入賞信号に対する監視を安価なコストで達成することができる。
また、本実施形態のホールコンピュータ262によれば、受信期間の長さに応じて、パチンコ機10において発生した大当たりの種別(本実施形態では、特定入賞口65aの最大開放回数が15ラウンドである大当たりであるか、2ラウンドである大当たりであるか)を区別することができる。よって、当日の大当たり回数の加算(大当たり回数カウンタ503bの加算)や、大当たり後の変動回数のクリア(変動回数カウンタ503cのクリア)を、パチンコ機10において発生した大当たりの種別に応じて行うことができる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、パチンコ機10から出力される閉鎖時入賞信号の出力期間を30sとしたが、閉鎖時入賞信号の出力期間は、ホールコンピュータ262が1の信号を識別可能な期間以上であって、大当たり(特別遊技状態)としては取り得ない期間であればよい。例えば、閉鎖時入賞信号の出力期間を、第2の確変大当たりの期間より短い期間(例えば、50ms)としてもよい。
ここで、上記実施形態のホールコンピュータ262のように、信号の受信期間(即ち、パチンコ機10からの出力期間)に亘って報知(上記実施形態では、データ表示器601の発光部の点滅)する構成である場合には、かかる報知を識別可能にするという点において、50msという出力期間は短すぎる。従って、パチンコ機10から出力される閉鎖時入賞信号の出力期間が50msなどの非常に短い期間とされる場合には、かかる短い閉鎖時入賞信号を受信したホールコンピュータ262において信号のオン期間を延長する(例えば、30sに延長する)ように構成してもよい。あるいは、閉鎖時入賞信号の出力期間を50msとした場合に、50msの信号の受信が確認されたとき、予め設定されている期間(例えば、30s)の報知を実行させる構成としてもよい。
なお、パチンコ機10から出力される閉鎖時入賞信号の出力期間が識別可能な報知を行うのに十分な期間(例えば、上記実施形態において例示された30sなど)であっても、ホールコンピュータ262において信号のオン期間を延長する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10から出力される閉鎖時入賞信号を30sの連続するオン信号としたが、所定間隔(例えば、1秒間隔)毎にオンとオフとが切り替わる信号を出力(例えば、オン信号を10回出力)するように構成してもよい。
また、上記実施形態のホールコンピュータ262は、パチンコ機10から受信される信号の受信期間が30sであった場合に、閉鎖時入賞信号であると判定するように構成したが、受信期間が所定の範囲内(例えば、±数ミリ秒や、±1秒程度)にあれば閉鎖時入賞信号であると判定するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ホールコンピュータ262が閉鎖時入賞信号を受信したと判定した場合に、報知(ディスプレイ602やスピーカ603による報知)を行う構成としたが、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出された場合に、パチンコ機10が報知するように構成してもよい。その際、音声出力装置226や、ランプ表示装置227や、第3図柄表示装置(LCD)などの出力又は表示装置を報知のために使用できる。このように、閉鎖時入賞信号が出力される場合、即ち、大当たり中でない状態において特定入賞口65aに球が通過したことが検出された場合に、その旨がパチンコ機10によって報知されることにより、そのパチンコ機10が不正行為の疑われる状況にあると、外部(例えば、ホールの従業員など)が知るところとなるので、不正行為を発見し易くなる。
また、上記実施形態のホールコンピュータ262は、パチンコ機10から受信した信号が閉鎖時入賞信号であると判定(確定)された場合に、異常データ(閉鎖時入賞信号が受信されたことを示す情報とその受信時刻)を異常メモリ503hに記憶する構成としたが、かかる異常データを、受信履歴メモリ503gに記憶されるデータであって判定された閉鎖時入賞信号に対応するデータをコピー又は移動させる構成としてもよい。あるいは、異常メモリ503hを設けることなく、受信履歴メモリ503gに記憶されるデータに対し、対応するデータを閉鎖時入賞信号であるとフラグなどによって特定して記憶するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、大当たり中信号と閉鎖時入賞信号とを同一経路に出力する(即ち、同じ設定データビットに設定されるデータとして出力する)構成としたが、大当たり中信号と閉鎖時入賞信号とを別経路(即ち、別々の設定データビットに設定されるデータとして出力する)ように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。始動条件の成立に伴って抽選を行い、所定の抽選結果が得られた場合に通常状態から該通常状態より遊技者に有利な特別遊技状態へと移行し、遊技媒体の通過に伴って所定の遊技価値を遊技者に付与する特定通過口の入口側(入口近傍)に設けられている開閉部材を閉鎖状態から開放状態へと移行して該遊技媒体の通過を前記通常状態に比べて容易とする遊技機の外部に設けられ、該遊技機から受信した各種信号を用いて該遊技機に対する管理を行う遊技機の管理手段において、前記遊技機から、通常状態にある場合に前記特定通過口への前記遊技媒体の通過が検出されたことを示す閉鎖時入賞信号を受信したかを判定する判定手段と、その判定手段により前記閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合に、該遊技機に対する不正行為を監視する不正監視手段を備えていることを特徴とする遊技機の管理手段1。
遊技機の管理手段1によれば、通常状態にある場合に特定通過口への遊技媒体の通過が検出されたことを示す閉鎖時入賞信号を遊技機から受信したか否かが判定手段によって判定され、そのとき閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合には、不正監視手段によって該遊技機に対する不正行為の監視が行われる。
一般的に、閉鎖時入賞信号が遊技機から出力される状況、即ち、遊技機において開閉部材の開閉状態が特定通過口への遊技媒体の通過を困難又は不能とする閉鎖状態にあるときに該特定通過口への遊技媒体の通過が検出される状況は、不正行為の関与が疑われる状況である。
よって、そのように不正行為が疑われる状況において遊技機から出力された閉鎖時入賞信号を受信したと判定された場合に、受信元の遊技機に対する不正行為の監視を行うことにより、不正行為の発見を容易化できる。
なお、管理手段1における「不正監視手段」としては、閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報の記憶や、ディスプレイなどの表示手段(表示装置)への視覚的表示や、スピーカなどの音声出力手段(音声出力装置)からの聴覚的出力などを例示できる。
また、管理手段1が管理を行う遊技機で行われる「抽選」としては、乱数カウンタ等を使用する内部抽選だけでなく、所謂、第2種などで行われる抽選、即ち、役物による抽選も含まれることを意図している。
なお、上記実施形態において、管理手段1における「判定手段」としては、S2202の処理が該当し、管理手段1における「不正監視手段」としては、S2203,S2204,S2205の処理が該当する。
遊技機の管理手段1において、前記判定手段は、前記遊技機から受信した信号の受信期間に基づいて、前記閉鎖時入賞信号と前記遊技機が前記特別遊技状態中であることを示す特別遊技信号とを区別して判定するものであることを特徴とする遊技機の管理手段2。
遊技機の管理手段2によれば、遊技機から受信した信号の受信期間に基づいて、閉鎖時入賞信号と遊技機が特別遊技状態中であることを示す特別遊技信号とが判定手段によって区別されるので、受信期間に応じて閉鎖時入賞信号と特別遊技信号とを区別することができる。よって、閉鎖時入賞信号と特別遊技信号とを互いに明確に区別させることができ、閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、不正行為の発見を容易化できる。
遊技機の管理手段2において、前記特別遊技状態信号は、前記特別遊技状態の種類に応じて異なる受信期間のものが存在し、前記判定手段は、前記遊技機から受信した信号の受信期間に基づいて、前記閉鎖時入賞信号と、各種類の前記特別遊技状態に対応する前記特別遊技状態信号とを区別して判定することを特徴とする管理手段3。
遊技機の管理装置3によれば、遊技機から受信した信号の受信期間に基づいて、閉鎖時入賞信号を、各種類の特別遊技状態に対応する特別遊技状態信号のいずれとも区別して判定するので、閉鎖時入賞信号と特別遊技信号とを互いに明確に区別させることができる。よって、閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、不正行為の発見を容易化し得る。
遊技機の管理手段1から3のいずれかにおいて、情報を記憶する記憶手段を備え、前記不正監視手段は、前記判定手段により前記閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合に該閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報を前記記憶手段に記憶するものであることを特徴とする遊技機の管理手段4。
遊技機の管理手段4によれば、判定手段によって閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合には、不正監視手段によって、該閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報が前記記憶手段に記憶される。
よって、不正行為の疑いのある状況が、閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報として記憶手段に随時記憶(蓄積)されるので、蓄積された情報の解析によって不正行為が生じているか否かを容易に判断することができ、不正行為の発見が容易化される。
遊技機の管理手段1から4のいずれかにおいて、前記不正監視手段は、前記判定手段により前記閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合に該閉鎖時入賞信号が受信されたことを報知する報知手段を含むことを特徴とする遊技機の管理手段5。
遊技機の管理手段5によれば、判定手段によって閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合には、報知手段(不正監視手段の一部)によって、該閉鎖時入賞信号を受信したことに対する報知が行われる。
よって、不正行為の疑いのある状況が、閉鎖時入賞信号が受信される毎に報知されるので、報知の頻度によって不正行為が生じているか否かを容易に判断することができ、不正行為の発見が容易化される。
なお、上記実施形態において、管理手段5における「報知手段」としては、S2204,S2205の処理が該当する。
遊技機の管理手段1から5のいずれかにおいて、前記閉鎖時入賞信号と前記遊技機が前記特別遊技状態中であることを示す特別遊技信号とが同じ受信経路から受信されることを特徴とする遊技機の管理手段6。
遊技機の管理手段6によれば、閉鎖時入賞信号と遊技機が特別遊技状態中であることを示す特別遊技信号とが同じ受信経路から受信されるので、特別遊技信号に基づく管理を行っていた従来の一般的な管理手段を大きく改変することなく流用することが可能である。従って、不正行為の発見の容易化を安価なコストで達成し得る。
遊技機の管理手段1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機の管理手段7。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機の管理手段1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機の管理手段8。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機の管理手段1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機の管理手段9。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
始動条件が成立した場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選により所定の結果が得られた場合に遊技の状態を通常状態から該通常状態に比べて遊技者に有利な特別遊技状態へ移行する特別遊技状態付与手段と、遊技媒体が通過した場合に所定の遊技価値が遊技者に付与される特定通過口と、その特定通過口の入口側に設けられ該特定通過口への前記遊技媒体の通過を困難又は不能とする閉鎖状態又は該特定通過口への前記遊技媒体の通過を容易とする開放状態のいずれかの状態を取り得る開閉部材と、前記遊技の状態が通常状態にある場合には前記開閉部材の状態を前記閉鎖状態とし、前記特別遊技状態付与手段により前記特別遊技状態が付与された場合に前記開閉部材の状態を前記開放状態とする開閉制御手段とを備えた遊技機において、前記特定通過口への前記遊技媒体の通過を検出する検出手段と、前記遊技の状態が前記通常状態であり、前記検出手段により前記特定通過口への前記遊技媒体の通過が検出された場合には閉鎖時入賞信号を出力する信号出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、始動条件が成立した場合に抽選手段により行われる抽選によって所定の結果が得られた場合には、特別遊技状態付与手段により通常状態から該通常状態に比べて遊技者に有利な特別遊技状態が付与され、その際には、特定通過口の入口側(入口近傍)に設けられた開閉部材の開閉状態が、開閉制御手段による制御によって該特定通過口への遊技媒体の通過を容易とする開放状態とされる。即ち、抽選の結果として特別遊技状態が付与された場合には、遊技媒体の通過に伴って所定の遊技価値が遊技者に付与される特定通過口が開放状態とされ、遊技媒体の通過が容易な状態とされる。その一方で、遊技状態が通常状態にある場合には、開閉制御手段による制御によって開閉部材の開閉状態が、該特定通過口への遊技媒体の通過を困難又は不能とする閉鎖状態とされる。
ここで、遊技の状態が通常状態にある場合、即ち、開閉部材の開閉状態が閉鎖状態である場合に、検出手段により特定通過口への遊技媒体の通過が検出されたときには、信号出力手段により閉鎖時入賞信号が出力される。
一般的に、開閉部材の開閉状態が特定通過口への遊技媒体の通過を困難又は不能とする閉鎖状態にある場合に検出される該特定通過口への遊技媒体の通過は、不正行為が関与している疑いがある。よって、そのように不正行為が疑われる状況が検出された場合に閉鎖時入賞信号を出力することにより、その閉鎖時入賞信号の出力先(例えば、遊技機の外部に設置された管理装置などの外部装置)において、その状況を把握させることができるので、不正行為の発見を容易化し得る。
なお、遊技機1における「抽選」としては、乱数カウンタ等を使用する内部抽選だけでなく、所謂、第2種などで行われる抽選、即ち、役物による抽選も含まれることを意図している。
なお、上記実施形態において、遊技機1における「抽選手段」としては、S401の処理が該当し、遊技機1における「特別遊技状態付与手段」としては、大当たり処理(S205)が該当し、遊技機1における「開閉部材」としては、「特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板」が該当し、遊技機1における「開閉制御手段」としては、S321,S323,S331の処理が該当し、遊技機1における「検出手段」としては、各種スイッチ208の一部である「特定入賞口65aを通過する球を検出する特定入賞口スイッチ」が該当し、遊技機1における信号出力手段としては、閉鎖時入賞信号設定処理(S16611)及び外部出力処理(S201)が該当する。
遊技機1において、前記信号出力手段は、前記特別遊技状態付与手段により前記遊技の状態が前記特別遊技状態へ移行された場合に特別遊技状態中信号を出力するものであり、前記信号出力手段から前記閉鎖時入賞信号を出力する場合における該閉鎖時入賞信号の出力期間を設定する出力期間設定手段を備え、前記出力期間設定手段は、前記閉鎖時入賞信号の出力期間を、前記特別遊技状態中信号の出力期間として取り得る期間に対して区別可能な期間に設定することを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、閉鎖時入賞信号の出力期間は、出力期間設定手段によって、特別遊技状態中信号の出力期間として取り得る期間に対して区別可能な期間に設定されるので、出力期間の比較によって閉鎖時入賞信号と特別遊技状態中信号とを区別することが可能となる。
よって、これらの信号の出力先(例えば、遊技機の外部に設置された管理装置などの外部装置)において、閉鎖時入賞信号と特別遊技状態中信号とを互いに明確に区別させることができるので、閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、不正行為の発見を容易化し得る。
なお、上記実施形態において、遊技機2における「出力期間設定手段」としては、S1707の処理が該当する。
遊技機2において、前記特別遊技状態には、複数種類の特別遊技状態があり、前記出力期間設定手段は、前記閉鎖時入賞信号の出力期間を、前記複数種類の特別遊技状態に対する特別遊技状態中信号の出力期間として取り得る期間のいずれとも区別可能な期間に設定することを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、閉鎖時入賞信号の出力期間は、出力期間設定手段によって、複数種類の特別遊技状態中信号の出力期間として取り得る期間のいずれとも区別可能な期間に設定されるので、出力期間の比較によって閉鎖時入賞信号と特別遊技状態中信号とを区別することが可能となる。
よって、これらの信号の出力先(例えば、遊技機の外部に設置された管理装置などの外部装置)において、閉鎖時入賞信号と特別遊技状態中信号とを互いに明確に区別させることができるので、閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、不正行為の発見を容易化し得る。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記信号出力手段は、前記特別遊技状態付与手段により前記遊技の状態が前記特別遊技状態へ移行された場合に特別遊技状態中信号を出力するものであり、前記信号出力手段は、前記閉鎖時入賞信号と前記特別遊技状態中信号とを同じ出力経路へ出力するものであることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、特別遊技状態付与手段により遊技の状態が特別遊技状態へ移行された場合には、特別遊技状態中信号が、閉鎖時入賞信号をも出力する信号出力手段によって出力される。その際には、閉鎖時入賞信号と特別遊技状態中信号とが同じ出力経路へ出力される。
従来、遊技の状態が特別遊技状態へ移行された場合に特別遊技状態中信号を遊技機から所定の出力先(例えば、遊技機の外部に設置された管理装置などの外部装置)へ出力し、遊技機における状態を管理するシステムが存在している。よって、特別遊技状態中信号と閉鎖時入賞信号とを同じ出力経路へ出力させることにより、従来の管理システムであっても、出力先の装置における制御の内容を変更することによって対応することが可能である。従って、不正行為の発見の容易化を安価なコストで達成し得る。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記信号出力手段による1の閉鎖時入賞信号の出力終了後に、前記閉鎖時入賞信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する該閉鎖時入賞信号を区別可能な期間の無出力期間を生成する無出力期間生成手段を備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、信号出力手段による1の閉鎖時入賞信号の出力終了後には、閉鎖時入賞信号の出力先となる装置が時系列的に隣接する該閉鎖時入賞信号を区別可能な期間の無出力期間が無出力期間生成手段によって生成される。
よって、時系列的に隣接する閉鎖時入賞信号を個々に区別して出力先の装置(例えば、遊技機の外部に設置された管理装置などの外部装置)に検出させることができるので、出力先の装置において、その状況を把握させることができる。その結果、不正行為の発見を容易化し得る。
なお、上記実施形態において、遊技機5における「無出力期間生成手段」としては、S335,S1712,S1601におけるYesの分岐処理,S1604,S1606,S1608の処理が該当する。
遊技機5において、前記信号出力手段によって前記閉鎖時入賞信号が出力中である場合、又は、前記無出力期間生成手段によって前記無出力期間が生成されている場合に、前記遊技の状態が前記通常状態にあるときに前記検出手段によって前記特定通過口への前記遊技媒体の通過が新たに検出された際には、出力中にある前記閉鎖時入賞信号の出力が終了してから前記無出力期間生成手段によって前記無出力期間が生成されるまで、又は、そのときに前記無出力期間生成手段によって生成されている前記無出力期間が終了するまで、前記新たに検出された通過に対する前記信号出力手段による前記閉鎖時入賞信号の出力を待機する待機手段を備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、信号出力手段によって閉鎖時入賞信号が出力中である場合、又は、無出力期間生成手段によって無出力期間が生成されている場合に、通常状態において検出手段によって特定通過口への遊技媒体の通過が新たに検出された際には、新たに検出された通過に対する信号出力手段による閉鎖時入賞信号の出力が、出力中にある閉鎖時入賞信号の出力が終了してから無出力期間生成手段によって無出力期間が生成されるまで、又は、そのときに無出力期間生成手段によって生成されている無出力期間が終了するまで、待機手段によって待機される。
よって、不正の疑われる特定通過口への遊技媒体の通過回数を出力先(例えば、遊技機の外部に設置された管理装置などの外部装置)に確実に検出させることができる。そのため、閉鎖時入賞信号の出力先に不正の疑われる状況を把握させることができ、その結果として、不正行為の発見を容易化し得る。
なお、上記実施形態において、遊技機6における「待機手段」としては、特定入賞口通過カウンタ203bとS1705におけるNoの分岐処理とが該当する。
遊技機1から6において、前記遊技の状態が前記通常状態であり、前記検出手段により前記特定通過口への前記遊技媒体の通過が検出された場合に報知を行う報知手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技の状態が通常状態にある場合に検出手段によって特定通過口への遊技媒体の通過が検出されたときには、報知手段により報知が行われる。よって、不正の疑われる特定通過口への遊技媒体の通過があったことが外部(例えば、ホールの従業員など)の知るところとなるので、不正行為を発見し易くなる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
前記遊技機1から7のいずれかと、前記管理手段1から6のいずれかとを組み合わせたことを特徴とする遊技機管理システム1。遊技機管理システム1によれば、上述した遊技機1から7のいずれかの奏する利点と上述した管理手段1から6のいずれかが奏する利点とを合わせた利点又は相乗的な利点として得ることができる。
遊技機管理システム1において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機管理システム2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機管理システム1において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機管理システム3。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機管理システム1において、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機管理システム4。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来、遊技場に設置されたパチンコ機やスロットなどの遊技機に対し、ホールコンピュータによる集中管理が実施されている(例えば、特許文献1:特開平7−59935号公報及び特許文献2:特開2005−334218号公報)。かかる集中管理の形態としては、例えば、特別遊技状態を示す大当たり中信号や、球が払い出されたことを示す賞球信号など、遊技中に生じた各種状態に対応する信号を、各遊技機からホールコンピュータへ出力し、これらの信号を受信したホールコンピュータ側において、受信した信号に基づいて特別遊技状態の発生1回あたりの出球数や、特別遊技状態中以外の出球数(ベース)などを演算し、その結果をモニタや用紙へ出力することが挙げられる。
このように、ホールコンピュータから出力されるデータ、例えば、特別遊技状態の発生1回あたりの出球数や特別遊技状態中以外の出球数や始動口を通過した遊技球の数などのデータは、適正な利益を得る目的で、不正監視やパチンコ機の釘調整等のためにホール管理者によって利用されている。
一方、遊技機の1つであるパチンコ機の場合、一般的に、始動口に遊技球が入ることによって始動条件が成立し、図柄表示装置の図柄が変動を開始し、変動終了後の停止図柄が予め定められた図柄の組み合わせであれば大当たりとなって、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生して、多量の賞球が払出可能な状態となる(例えば、特許文献3:特開平9−700号公報)。
具体的には、特別遊技状態では、可変入賞装置の大入賞口が所定時間(又は所定個数入賞するまでの時間)開放された後閉鎖され、かかる開閉動作が予め定められた最大回数(例えば16回)だけ繰り返される。開放された状態にある大入賞口に遊技球を入賞させることにより、多量の賞球の払い出させることができる。
ところで、上述したタイプの遊技機に対し、特別遊技状態ではない遊技状態(通常状態)にあるにもかかわらず、大入賞口が不正に開放させることによって賞球を不正に払い出させる不正行為、例えば、可変入賞装置が配設された遊技盤を覆うガラス枠の隙間から針金やセルなどを侵入させて不正に大入賞口を開放させる不正行為の発生が想定される。
しかしながら、ホールコンピュータは、遊技機から出力される信号でしか遊技機の状況を知り得ないので、不正行為によって大当たり(特別遊技状態)が発生する虞があるにもかかわらず、かかる不正行為の発見が困難であるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した事情などを鑑みてなされたものであり、不正に大入賞口を開放させて不正に賞球を払い出させる不正行為の発見を容易化し得る管理手段を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の管理装置(遊技機の管理装置)は、始動条件の成立に伴って抽選を行い、所定の抽選結果が得られた場合に通常状態から該通常状態より遊技者に有利な特別遊技状態へと移行し、遊技媒体の通過に伴って所定の遊技価値を遊技者に付与する特定通過口の入口側に設けられている開閉部材を閉鎖状態から開放状態へと移行して該遊技媒体の通過を前記通常状態に比べて容易とする遊技機の外部に設けられ、該遊技機から受信した各種信号を用いて該遊技機に対する管理を行うものであって、前記遊技機から、通常状態にある場合に前記特定通過口への前記遊技媒体の通過が検出されたことを示す閉鎖時入賞信号を受信したかを判定する判定手段と、その判定手段により前記閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合に、該遊技機に対する不正行為を監視する不正監視手段を備えている。
技術的思想2記載の管理装置は、技術的思想1記載の管理装置において、前記判定手段は、前記遊技機から受信した信号の受信期間に基づいて、前記閉鎖時入賞信号と前記遊技機が前記特別遊技状態中であることを示す特別遊技信号とを区別して判定するものである。
技術的思想3記載の管理装置は、技術的思想1又は2に記載の管理装置において、情報を記憶する記憶手段を備え、前記不正監視手段は、前記判定手段により前記閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合に該閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報を前記記憶手段に記憶するものである。
技術的思想4記載の管理装置は、技術的思想1から3のいずれかに記載の管理装置において、前記不正監視手段は、前記判定手段により前記閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合に該閉鎖時入賞信号が受信されたことを報知する報知手段を含む。
<効果>
技術的思想1記載の管理装置によれば、通常状態にある場合に特定通過口への遊技媒体の通過が検出されたことを示す閉鎖時入賞信号を遊技機から受信したか否かが判定手段によって判定され、そのとき閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合には、不正監視手段によって該遊技機に対する不正行為の監視が行われる。
一般的に、閉鎖時入賞信号が遊技機から出力される状況、即ち、遊技機において開閉部材の開閉状態が特定通過口への遊技媒体の通過を困難又は不能とする閉鎖状態にあるときに該特定通過口への遊技媒体の通過が検出される状況は、不正行為の関与が疑われる状況である。
よって、そのように不正行為が疑われる状況において遊技機から出力された閉鎖時入賞信号を受信したと判定された場合に、受信元の遊技機に対する不正行為の監視を行うことにより、不正行為の発見を容易化できる。という効果がある。
なお、技術的思想1記載の「不正監視手段」としては、閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報の記憶や、ディスプレイなどの表示手段(表示装置)への視覚的表示や、スピーカなどの音声出力手段(音声出力装置)からの聴覚的出力などを例示できる。
また、技術的思想1記載の管理手段が管理を行う遊技機で行われる「抽選」としては、乱数カウンタ等を使用する内部抽選だけでなく、所謂、第2種などで行われる抽選、即ち、役物による抽選も含まれることを意図している。
技術的思想2記載の管理装置によれば、技術的思想1記載の管理装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。遊技機から受信した信号の受信期間に基づいて、閉鎖時入賞信号と遊技機が特別遊技状態中であることを示す特別遊技信号とが判定手段によって区別されるので、受信期間に応じて閉鎖時入賞信号と特別遊技信号とを区別することができる。よって、閉鎖時入賞信号と特別遊技信号とを互いに明確に区別させることができ、閉鎖時入賞信号を確実に抽出させることができ、不正行為の発見を容易化できるという効果がある。
技術的思想3記載の管理装置によれば、技術的思想1又は2に記載の管理装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。判定手段によって閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合には、不正監視手段によって、該閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報が前記記憶手段に記憶される。
よって、不正行為の疑いのある状況が、閉鎖時入賞信号を受信したことを示す情報として記憶手段に随時記憶(蓄積)されるので、蓄積された情報の解析によって不正行為が生じているか否かを容易に判断することができ、不正行為の発見が容易化されるという効果がある。
技術的思想4記載の管理装置によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の管理装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。判定手段によって閉鎖時入賞信号が受信されたと判定された場合には、報知手段(不正監視手段の一部)によって、該閉鎖時入賞信号を受信したことに対する報知が行われる。
よって、不正行為の疑いのある状況が、閉鎖時入賞信号が受信される毎に報知されるので、報知の頻度によって不正行為が生じているか否かを容易に判断することができ、不正行為の発見が容易化されるという効果がある。