JP5835338B2 - 撮像レンズユニットの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ホルダー内にレンズを組み込んだ撮像レンズユニットの製造方法に関する。
携帯電話機等に組み込まれる撮像レンズユニットは、結像用の光学レンズの周囲をホルダーによって保持する構造を有している。光学レンズのホルダーへの組み付けは、非常に位置決め精度が厳しく、画像認識技術を取り入れた自動組立システムで行われるのが通常である。しかし、かかるシステムは、非常に高価であるのとともに、ホルダーへのレンズの挿入工程やホルダーへのレンズの接着工程等に工程を分けて製造ラインが構成されるため非常に広い敷地を必要とし、レンズの種類変更ごとに行われる設備の交換が非常に大掛かりになり、多くの工数が必要となる。
ところで、レンズを予め金型内に位置決めしておき、樹脂を金型内に充填し固化させてレンズを保持するための鏡筒を成形することによって、レンズと鏡筒とを一体化する手法がある。
具体的には、成形用の2つの金型の型面側にそれぞれ挟持用のチャック部材を設け、鏡筒成形用の樹脂の充填前に、チャック部材によってレンズの光学面を両側から挟持することで、ベルクランプによる自動位置決めを利用して、レンズを金型に対して位置決めする技術が知られている(特許文献1、2参照)。
また別の製造方法として、光学ガラスレンズと絞りとをこれらの縁部分を利用して予め金型内に位置決めしセットした後、光学ガラスレンズ等の周囲に射出成形にてレンズを支持するためのホールディングリングを形成することで、撮像レンズユニットを一括して組み立てる技術が知られている(特許文献3参照)。
上記特許文献1、2の方法では、チャック部材によるレンズの位置決めの際に、チャック部材がレンズに対して線状に当接するため、鏡筒の成形時に光学面に樹脂がはみ出してバリが形成されやすく、かかるバリが形成されないようにチャック部材をレンズに対して強く押さえ付けると、光学面にキズが付いてしまう。また、レンズの材料が鏡筒成形時の熱で変形する可能性のあるプラスチックの場合、レンズの光学面が位置決めの際の挟持部で変形し、レンズの光学特性が劣化するという問題もある。
上記特許文献3の方法では、光学ガラスレンズの側面等である縁部分を使って位置決めを行うので、光学面と外形部とが予め精密に位置決めされている必要があるが、そのような光学ガラスレンズの製造は必ずしも容易でない。また、成形後に得られる製品のホールディングリングにおいて機能的に必要のない位置決め形状が残ってしまい、かかる位置決め形状を介して光学ガラスレンズ内に不要光が入射する可能性もある。
特開2004−98547号公報 特公昭50−14126号公報 特開2009−300626号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、ホルダーをレンズとともに成形する撮像レンズユニットであって、レンズの正確な位置決めを容易に実現しつつも、光学面にはみ出すバリの形成や光学面の変形を抑えることができる撮像レンズユニットの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る撮像レンズユニットの製造方法は、複数の光学面を有するレンズと、少なくとも1つの光学面を露出させた状態でレンズを保持するホルダー部材とを備える撮像レンズユニットの製造方法であって、ホルダー部材を成形するための金型装置に対して少なくとも1つの光学面を利用してレンズの光軸に垂直な方向に関してレンズの位置決めを行う位置決め部材と、位置決め部材とは別に設けた少なくとも1つの光学面側に成形用の樹脂が流入することを阻止する樹脂阻止部とを有する支持部を備える金型装置の成形空間内に支持部を介してレンズを配置する工程と、金型装置の成形空間内に成形用の樹脂を充填して固化させることにより、レンズを保持したホルダー部材を成形する工程とを備える。

上記撮像レンズユニットの製造方法では、金型装置内のレンズ用の支持部に設けた位置決め部材によって、少なくとも1つの光学面を利用して金型装置に対してレンズの光軸に垂直な方向に関してレンズの位置決めを行うので、容易に金型装置内にレンズを位置決めした状態で支持することができ、成形されるホルダー部材に対してレンズを正確に位置決めした状態で保持させることができる。この際、支持部に位置決め部材とは別に設けた専用の樹脂阻止部によって、少なくとも1つの光学面側に成形用の樹脂が流入することを阻止するので、当該少なくとも1つの光学面への熱的影響や押圧力による変形を抑えつつバリの形成を防止できる。
本発明の具体的な側面では、上記製造方法において、レンズが、光学面以外に光軸に垂直な方向に関する位置決めのための形状を持たず、支持部において、樹脂阻止部が少なくとも1つの光学面に対向する位置決め部材を周囲から囲むように配置される。この場合、光学面を利用する位置決め部材によってのみ、光軸に垂直な方向に関する位置決め(具体的には芯出し)が可能になり、樹脂阻止部によって位置決め部材が周囲から保護される。
本発明の別の側面では、支持部がレンズを吸引することによって固定する吸着部を有する。この場合、レンズに付与される応力を調整しつつレンズを精度よく位置決めすることができる。
本発明のさらに別の側面では、支持部が位置決め部材と樹脂阻止部との間に断熱ための緩衝部を有する。この場合、ホルダー部材の成形による光学面への熱的影響をより低減することができる。
本発明のさらに別の側面では、緩衝部が空気断熱層である。この場合、光学面への熱的影響を簡易に低減することができる。
本発明のさらに別の側面では、支持部が金型装置において支持部の周辺に配置された部材よりも低熱伝導率の材料で形成されている。この場合、金型装置の転写面の温度の均一性を高めつつ、ホルダー部材の成形による光学面への熱的影響を確実に低減することができる。
本発明のさらに別の側面では、支持部が、位置決め部材を設けた第1の部材と、樹脂阻止部を設けた第2の部材とを備え、レンズの光軸に対応する軸方向に関して、相対位置の調整が可能になっている。位置決め部材のレンズに対する接触又は対向状態と、樹脂阻止部のレンズに対する接触状態とを個別に調整することができる。なお、第1の部材と第2の部材とに分けることで、位置決め部材と樹脂阻止部との間に空気断熱層を作りやすくなる。
本発明のさらに別の側面では、第2の部材をレンズ側に付勢する付勢部材を備える。この場合、位置決め部材を光学面に付勢しつつ接触させることによって精密な位置決めを行うことができる。
本発明のさらに別の側面では、位置決め部材のうち少なくともレンズに接する部分が、レンズよりも柔らかい材料で形成されている。この場合、位置決め部材によってレンズの光学面の変形や損傷が発生することを抑制できる。
本発明のさらに別の側面では、金型装置が、第1金型と第2金型とを有し、第1金型が、支持部を備える。
本発明のさらに別の側面では、第2金型は、支持部と協働してレンズを金型装置の成形空間内に固定するとともに、レンズの別の光学面側に樹脂が流入することを阻止する樹脂阻止部を有する係止部を備える。この場合、第1金型側の光学面と、第2金型側の光学面とに成形用の樹脂が流入することを防止して、ホルダー部材に必要な開口を確保することができる。
本発明のさらに別の側面では、第1金型が、金型装置の開閉に際して移動しない固定金型であり、第2金型が、金型装置の開閉に際して移動する可動金型である。この場合、型開閉に際して、固定金型にレンズを安定した状態で支持させることができる。
本発明のさらに別の側面では、第2金型が、レンズの別の光学面を利用して金型装置に対してレンズの光軸に垂直な方向に関してレンズの位置決めを行う位置決め部材と、別の光学面側に成形用の樹脂が流入することを阻止する樹脂阻止部とを有する追加支持部を備える。この場合、第1金型と第2金型との双方にレンズの位置決め機能を持たせることができる。
本発明のさらに別の側面では、レンズが、ホルダー部材の成形後に、積層された第1レンズ部分と第2レンズ部分とを備えるものであり、第1金型の支持部に第1レンズ部分を支持させ、第2金型の追加支持部に第2レンズ部分を支持させるとともに、成形空間内で、第1レンズ部分と第2レンズ部分とを積層する。この場合、別体の第1レンズ部分と第2レンズ部分とをホルダー部材に保持させて一体化することができる。
本発明のさらに別の側面では、位置決め部材が、テーパー面を利用して位置決めの芯出しを行うテーパー部を有する。
本発明のさらに別の側面では、位置決め部材が、凸状のエッジを利用して位置決めの芯出しを行うエッジ部を有する。
本発明のさらに別の側面では、位置決め部材が、光学面形状に近似する曲面を利用して位置決めの芯出しを行う光学面状部を有する。
本発明のさらに別の側面では、樹脂阻止部が、レンズの光学面の外側に密着する端面を有する。この場合、樹脂阻止部による樹脂流入阻止を確実なものとすることができる。
本発明のさらに別の側面では、樹脂阻止部が、レンズのうち光学面の外側に設けられたフランジ部の光軸に垂直な平坦面に密着する。この場合、樹脂阻止部をレンズに当接させることによる光学面への影響を低減しつつ樹脂流入阻止の効果を高めることができる。
本発明のさらに別の側面では、レンズが、プラスチックを含む材料で形成されている。この場合、レンズの光学面の形状を多様に設定することができる。
本発明のさらに別の側面では、レンズとホルダーが、リフロー耐熱材質で形成されている。この場合、撮像レンズユニットをリフロー工程で処理することが容易になる。
本発明のさらに別の側面では、レンズが、少なくとも片側に絞りを有する。この場合、絞りによってレンズの開口を適正化することができる。
図1A、1B、及び1Cは、第1実施形態に係る撮像レンズユニットを説明する平面図、AA矢視側方断面図、及び裏面図である。 図2Aは、撮像レンズユニットを構成するレンズを説明する側方断面図であり、図2Bは、レンズを説明する平面図であり、図2Cは、ホルダーを説明する側方断面図である。 図1に示す撮像レンズユニットの製造手順を説明するフロー図である。 図4Aは、搬送装置による固定金型へのレンズのセットを説明する断面図であり、図4Bは、製造装置におけるキャビティーの形成を説明する断面図であり、図4Cは、ホルダー部材の成形を説明する断面図である。 図5Aは、製造装置における型開きを説明する断面図であり、図5Bは、撮像レンズユニットの取り出しを説明する断面図であり、図5Cは、完成した撮像レンズユニットの断面構造を説明する図である。 図6Aは、キャビティーの形成後の第1成形部の周辺を説明する部分拡大断面図であり、図6Bは、樹脂充填後の第1成形部の周辺を説明する部分拡大断面図である。 第2実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 第3実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 第4実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 第5実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 図11A及び11Bは、第6実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 第7実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 第8実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 図14A〜14Cは、第9実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図である。 図15A及び15Bは、第10実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図及び部分拡大図である。 図16A及び16Bは、第11実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する断面図及び部分拡大図である。 図17A及び17Bは、第12実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等によって得られる撮像レンズユニット等を説明する断面図である。 図18A及び18Bは、第13実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を説明する図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法やこれによって得られる撮像レンズユニットについて説明する。
図1A〜1C等に示すように、撮像レンズユニット100は、ガラス基板とプラスチック製のレンズ部からなる複合型のレンズ10と、レンズ10を支持する矩形枠状のホルダー部材40とを備える。
レンズ10は、例えば多数のレンズを2次元的に配列したレンズウェハー(ウェハー状母材)からダイシングによって切り出されたものであり、図2A及び2Bに示すように、方形で板状の輪郭を有している。レンズ10は、板状のガラス基板11が樹脂製の第1レンズ層12及び第2レンズ層13で挟まれた構造を有する複合型のレンズである。
ガラス基板11は、光透過性を有する平板である。ガラス基板11は、ガラスに限らず、樹脂材料等によって形成した基板に置き換えることができる。また、ガラス基板11は、IR(赤外線)カットフィルター等の機能を付随させたものにすることができる。
第1レンズ層12は、光軸OA周辺の中央部に設けられる円形輪郭のレンズ本体部12aと、このレンズ本体部12aの周辺に延在する方形輪郭の枠部12bとを有する。レンズ本体部12aは、例えば非球面型のレンズ部であり、露出する表面側に第1光学面12dを有している。枠部12bは、平坦層であり、表面側に第1枠面10dを有している。第1枠面10dは、光軸OAに垂直に延びる平坦面となっている。内側の第1光学面12dと外側の第1枠面10dとは、レンズ10における第1表面となっている。第1レンズ層12は、例えばリフロー耐熱性を有する硬化樹脂で形成される。なお、硬化樹脂の材料である硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等が挙げられる。
第2レンズ層13も、光軸OA周辺の中央部に設けられる円形輪郭のレンズ本体部13aと、このレンズ本体部13aの周辺に延在する方形輪郭の枠部13bとを有する。レンズ本体部13aは、例えば非球面型のレンズ部であり、露出する表面側に第2光学面13eを有している。枠部13bは、平坦層であり、表面側に第2枠面10eを有している。第2枠面10eは、光軸OAに垂直に延びる平坦面となっている。内側の第2光学面13eと外側の第2枠面10eとは、レンズ10における第2表面となっている。第2レンズ層13は、第1レンズ層12と同様に、例えばリフロー耐熱性を有する硬化樹脂で形成される。
以上のレンズ10において、上側のレンズ本体部12aと、下側のレンズ本体部13aと、これらに挟まれたガラス基板11の中央側部分とは、レンズとして機能する中央光学部10a(図2A参照)を構成し、上側の枠部12bと、下側の枠部13bと、これらに挟まれたガラス基板11の周辺側部分とは、中央光学部10aの周囲に広がるとともに内側円形で外側方形のフランジ部10b(図2B参照)を構成している。レンズ10は、後述するホルダー部材40を成形するための金型内に配置される際に、金型に対して、レンズ10の光軸OAに垂直な方向に関する位置決めを行う必要があるが、後述するように、金型に設けられた位置決め部をレンズ10の光学面に近接ないし当接させることで位置決めを行うので、第1レンズ層12及び第2レンズ層13には、光学面以外に位置決めのための形状は設けられていない。
なお、第1レンズ層12や第2レンズ層13は、硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂で形成することもできる。ただし、この場合、第1レンズ層12や第2レンズ層13は、後述するホルダー部材40の成形に際して熱的に安定していることが望ましく、ホルダー成形時の熱で軟化しくにい熱特性を有することが望ましい。
レンズ10を支持するホルダー部材40は、少なくとも後述する加熱処理に耐え得る耐熱性を有する樹脂からなり、例えばリフロー耐熱性を有する熱可塑性樹脂(例えばLCP(Liquid Crystal Polymer)、PPA(Polyphthalamide)等)で形成されることが好ましい。ホルダー部材40は、方形板状の輪郭を有する上部41と、方形筒状の輪郭を有する側壁部43とを備え、その内部には、レンズ10が嵌め込まれるように保持され固定されている。ホルダー部材40は、後に詳述するが、樹脂の射出成形によって成形され、一体的な単一部材として形成される。なお、レンズ10及びホルダー部材40がリフロー耐熱性を有する材料で形成されることにより、耐熱性を有する撮像レンズユニット100をリフロー工程で処理することが可能となる。また、ホルダー部材40は、レンズ10への迷光の侵入防止等の目的で、黒色等の不透明な材料(例えば樹脂に黒色着色剤を添加したもの)で形成されている。図2Cには、理解を容易にするため、成形物からレンズ10を取り除いた状態のホルダー部材40を示してある。
ホルダー部材40は、レンズ10のフランジ部10bを周囲から包むように保持している。つまり、ホルダー部材40のうち上部41は、レンズ10の上側の第1枠面10dに対向してレンズ10の光軸OAに沿った上方向への移動を制限している。側壁部43は、レンズ10の4つの側面10fに対向してレンズ10の光軸OAに垂直な横方向に関する移動を制限するとともに、レンズ10の下側の第2枠面10eに対向してレンズ10の光軸OAに沿った下方向への移動を制限している。このように、単一の部材であるホルダー部材40が、レンズ10のフランジ部10bの周囲に密着しているため、ホルダー部材40に対するレンズ10の移動を確実に防止することができる。
上部41のうち、下側の内面41gは、レンズ10の第1枠面10dの周辺側領域に密着している。上部41の中央には、円形の開口OP1が形成されている。この開口OP1を囲む環状の縁部40iは、レンズ10の光学面12dの周囲を遮蔽するように配置されることにより、一種の絞りとして機能している。
側壁部43は、四角筒状の壁体部43aと、壁体部43aの内側に設けられた方形の固定部43bとを備える。前者の側壁部43は、上端で上部41と一体的に連結されている。壁体部43aの上側部分の内面43fは、レンズ10の側面10fに密着している。後者の固定部43bは、壁体部43aの光軸OAに沿った上下の中央部分から内側に延びるように設けられており、内側円形で外側方形の板状体となっている。固定部43bのうち、上側の内面43gは、レンズ10の第2枠面10eの周辺側領域に密着している。
なお、レンズ10の上側の第1表面及び下側の第2表面のうち、最終的に露出する光学面12d,13eと、ホルダー部材40の成形時に金型が接する光学面12d、13e近傍の領域とを除いた表面部分は、ホルダー部材40の射出成形に際して、固化前の溶融された液体状の加熱された樹脂に接することになる。このため、樹脂が固化することによって、例えばレンズ10の第1枠面10dにホルダー部材40の上部41の内面41gが付着し、レンズ10の第2枠面10eに固定部43bの内面43gが付着した状態となっている。特に、レンズ10の表面は樹脂製であり、例えばレンズ10の第1枠面10dとホルダー部材40の上部41の内面41gとは、ホルダー部材40の射出成形の際の熱によってレンズ10の第1枠面10dの表面が軟化し互いに溶着によって強固に接合されることになり、接着剤を用いることなく直接接合された状態となる。同様に、レンズ10の側面10fと、ホルダー部材40の側壁部43の内面43fとが、接着剤を用いることなく直接接合された状態となり、レンズ10の第2枠面10eと、ホルダー部材40の固定部43bの内面43gとが、接着剤を用いることなく直接接合された状態となる。
このような構成を備える撮像レンズユニット100は、ホルダー部材40がレンズ10周囲に隙間なく密着しているため、レンズ側面からの光の入射に起因するゴーストやフレアーの発生を防止することができる。また、レンズ10の側面10f等に不要な隙間がないため、撮像レンズユニット100が小型化され、撮像装置等の最終製品に装着することを想定した場合に要求される外観仕様を満たしやすくなる。離型時の変形に起因する寸法精度の悪化も抑制される。
なお、以上の説明では、レンズ10が複合型のレンズであるとしたが、レンズ10全体を単一の樹脂材料で形成することもできる。
以下、図3等に示す製造手順を参照して、図1に示す撮像レンズユニット100の製造方法について説明する。
まず、図4Aに示すように、固定側の第1金型(固定金型)51と可動側の第2金型(可動金型)61と有する成形金型91を備える金型装置90を適宜動作させて第2金型61を退避位置に移動させることで、両金型51,61を開状態にする(図3のステップS11)。ここでは、両金型が水平方向に開閉するタイプの横型成形機を用いた例について説明する。
なお、第1金型(固定金型)51には、パーティング面51aに略沿うように第1成形部59が設けられている。第1成形部59は、第1金型51の型板52の孔52cに埋め込むように固定された型部分53の先端部54及びその周辺に形成されている。型部分53の先端部54は、レンズ10を支持するための支持部であり、詳細は後述するが、中心側に位置決め部材55を有し、外周側に樹脂阻止部56を有している。型部分53の根元側は、支持体58に支持されており、成形によって得られるホルダー部材40に対するレンズ10の高さ位置の調整等が可能になっている。位置決め部材55は、テーパー面55aを利用して位置決めの芯出しを行うテーパー部55bを有する。
第1金型51において、第1成形部59に設けた位置決め部材55のテーパー部55bのテーパー面55a(図6A参照)の中央に連通するように、排気孔82が形成されている。排気孔82は、型部分53や支持体58の軸芯を貫通しており、金型装置90に付随する不図示の減圧装置に連通している。型部分53の先端部(支持部)54は、排気孔82の先端の開口を設けたことにより、レンズ10の吸着部として機能する。つまり、排気孔82は、減圧装置によって適当なタイミングで外部に排気可能になっており、光学面12dに隣接する空間S1(図6A参照)を減圧することで、型部分53の先端部(吸着部)54上に載置されたレンズ10を吸引して位置決め部材55又は樹脂阻止部56上に所望の吸着力で固定することができる。なお、例えば第2金型61を第1金型51から離間させる型開きのときのように、先端部54に対するレンズ10の固定を解除したい場合には、空間S1の減圧を停止し、或いは空間S1に加圧ガスを供給すればよい。
一方、第2金型(可動金型)61には、第1成形部59に対向して、パーティング面61aから窪むように第2成形部69が設けられている。第2成形部69は、第2金型61の型板62の孔62cに埋め込むように固定された型部分63の先端部64及びその周辺に形成されている。型部分63の先端部64は、レンズ10を係止するための係止部であり、詳細は後述するが、外周側に樹脂阻止部66を有している。型部分63の根元側は、支持体68に支持されており、成形によって得られるホルダー部材40に対するレンズ10の高さ位置の調整やレンズ保持力の調整等が可能になっている。
なお、両金型51,61のパーティング面51a,61a側には溝状の樹脂注入路51c,61cが設けられている。その他、金型51,61を加熱するための加熱機構や金型51,61を背後から押圧するためのプラテン等も設けられているが、理解を容易にするため図示を省略している。
その後、第1金型51に設けた第1成形部59又は型部分53に近接するようにレンズ10を保持した搬送装置70を移動させる(図3のステップS12)。搬送装置70は、レンズ10を着脱可能に保持するアーム71を有しており、不図示の制御駆動装置によって遠隔的に駆動され、レンズ10を第1成形部59に対向する正面位置まで搬送する。アーム71は、レンズ10を機械的に挟むものであってもよいが、例えばレンズ10を負圧で吸引するものであってもよい。
さらに、図示のように、レンズ10が第1成形部59に近接するまで搬送装置70のアーム71を移動させてアーム71をリリース状態に切り替えると、アーム71による把持が解除されたレンズ10は、第1成形部59に吸引されるとともに、第1成形部59上でアライメントされた状態で支持される(設置工程;図3のステップS13)。この後、搬送装置70を両金型51,61間から退避させる。
図6Aに示すように、第1成形部59に吸引されたレンズ10に対しては、型部分53の先端部(支持部)54に設けた位置決め部材55によって芯出しが行われる。具体的には、型部分53の先端部54にレンズ10を吸引すると、レンズ10は、レンズ10の光学面12dが位置決め部材55のテーパー面55aに近接してテーパー面55aに沿って斜めにずれるように移動し、レンズ10の光軸OAと型部分53又は第1成形部59の軸AXとが略一致する。ここで、テーパー面55aは、軸AXの周りに回転対称な形状を有している。また、光学面12dとテーパー面55aとは、これらの接触部又は近接部で傾きが略一致している。また、位置決め部材55によるレンズ10の芯出しが行われた状態で、光学面12dとテーパー面55aとの間には、円周上の少なくとも一箇所で僅かな隙間GAが形成されるようになっている。つまり、テーパー面55aの方が多少のマージン分だけ大きめに形成されており、光学面12dとテーパー面55aとが強く当接して擦傷が生じることを防止している。隙間GAのサイズは、レンズ10の位置合わせ精度にもよるが、0μmよりも大きく、例えば10μm以下とする。なお、レンズ10は、フランジ部10bを介して先端部(支持部)54に設けた環状の樹脂阻止部56に支持されており、フランジ部10bの第1枠面10d(図2A参照)は、光軸OAに垂直な平坦面であり、樹脂阻止部56の端面56aは、軸AXに垂直な平坦面であることから、先端部(支持部)54に載置されたレンズ10は、芯出し後に傾きが防止され、光軸OAが軸AXに平行に保たれる。
以上のように、レンズ10を位置決め部材55側に負圧で吸引して吸着することにより、レンズ10の位置合わせが簡易かつ確実になる。つまり、摩擦抵抗で位置ズレさせにくい形状のレンズ10であっても、負圧で強制的に吸引することで、位置決め部材55に確実に収まり、精密な芯出しが達成される。なお、以上の芯出しは、レンズ10の光学面12dがテーパー面55aとの接触位置においてある程度以上傾斜していることを前提としている。
次に、図4Bに示すように、第2金型61を移動させて型閉じ及び型締めを行うことによって、第1金型51と第2金型61との間にホルダー部材40用の型空間であるキャビティーCAを形成する(型空間形成工程;図3のステップS14)。この際、第1金型51に設けた第1成形部59と、第2金型61に設けた第2成形部69とが位置合わせされて係合される。ここで、第1成形部59には、図1A〜1Cに示すホルダー部材40の上面41sや開口縁部41t等を成形するための転写面52s,53t等が形成されている。また、第2金型61側の第2成形部69には、ホルダー部材40の外周側面43p,41qと内周側面43rとをそれぞれ成形するための転写面62p,62q,63rが形成されている。
ここで、図6Aに示すように、第1金型51に設けた第1成形部59側には、型部分53の先端部(支持部)54において、位置決め部材55を周囲から囲んで保護するように、環状の樹脂阻止部56が形成されている。樹脂阻止部56は、後述する成形工程に際して、レンズ10のフランジ部10bの最内周部分に密着して光学面12dに隣接する空間S1への流動樹脂MPの流れ込みを阻止する(図6B参照)。型締めした際に、位置決め部材55のレンズ10への最近接部と樹脂阻止部56との間には空間SPが形成されるため、ホルダー部材40の成形時に位置決め部材55へ熱が伝わりにくく、また、樹脂阻止部56による押圧力がレンズ10の光学面12dへ伝わりにくくなる。なお、樹脂阻止部56は、型締め後は、レンズ10を第2成形部69側に押さえることになり、レンズ10をキャビティーCA内で安定させてガタツキを防止する役割も有している。
一方、図4B等に戻って、第2金型61に設けた第2成形部69側には、型部分63の先端部(係止部)64において、環状の樹脂阻止部66が形成されている。樹脂阻止部66は、レンズ10のフランジ部10bに密着して光学面13eに隣接する空間S2への流動樹脂MPの流れ込みを阻止する。なお、樹脂阻止部66は、型締めによって成形空間としてのキャビティーCAを形成した際に、レンズ10のフランジ部10bの最内周部分に接してレンズ10を第1金型51側に優しく押すことで、レンズ10をキャビティーCA内で安定させてガタツキを防止している。つまり、第2金型61の先端部64は、第1金型51の先端部54と協働してレンズ10をキャビティーCA内に固定している。
次に、図4Cに示すように、成形空間であるキャビティーCA中にランナーRUおよびサブマリンゲートRPを介してホルダー部材40の材料となるべき流動樹脂MPを充填することにより、レンズ10のフランジ部10bのうち、第1枠面10dと側面10fと第2枠面10eとをそれぞれ樹脂で覆う。そして、温度調節によって固化させることで、ホルダー部材40を成形する(成形工程;図3のステップS15)。これにより、図1A〜1Cに示したような、ホルダー部材40の開口OP1,OP2間にレンズ10を支持した状態で固定した撮像レンズユニット100が完成する。この際、第1及び第2成形部59,69に設けた樹脂阻止部56,66は、空間S1,S2に流動樹脂MPが流れ込むことを防止することで、結果的にホルダー部材40に開口OP1,OP2を形成する役割を有する。
次に、図5Aに示すように、第2金型61を第1金型51から離間させる型開きによって第2金型61を退避状態にし(図3のステップS16)、図5Bに示すように、第2金型61に設けたエジェクターピン81等を利用して第2金型61に残った撮像レンズユニット100を突き出して離型することにより、第2金型61から完成品としての撮像レンズユニット100(図5C参照)を取り出すことができる(図3のステップS17)。この際、撮像レンズユニット100を第2成形部69から押し出す動作に伴って、撮像レンズユニット100のホルダー部材40からサブマリンゲートRP等にて成形された樹脂部分Raが分離される。第2金型61から離型された撮像レンズユニット100は、搬送装置70によって金型装置90外に搬出される。
上記第1実施形態の撮像レンズユニット100によれば、第1金型51内のレンズ10用の先端部(支持部)54に設けた位置決め部材55によって、少なくとも1つの光学面(具体的には第1光学面12d)を利用して第1金型51に対してレンズ10の光軸OAに垂直な方向に関してレンズ10の位置決めを行うので、一対の金型51,61のキャビティーCA内にレンズ10を容易に位置決めした状態で支持することができる。これにより、成形されるホルダー部材40に対してレンズ10を正確に位置決めした状態で保持させることができる。この際、先端部(支持部)54に位置決め部材55とは別に設けた専用の樹脂阻止部56によって、当該少なくとも1つの光学面側に成形用の流動樹脂MPが流入することを阻止するので、当該少なくとも1つの光学面への熱的影響や押圧力による変形を抑えつつバリの形成を防止できる。
なお、以上では説明を省略しているが、第1成形部59と第2成形部69とのアライメントのために、それ自体に設けた相補的な形状を有する嵌合部を利用することができ、或いはこれら成形部59,69とは別に金型51,61上に設けたテーパーピン等によって同様のアライメントを行うことができる。
また、以上の説明では、レンズ10が積層構造を有する複合型のレンズであるとしたが、レンズ10は、複数のレンズ要素が接合された一体型の組レンズであってもよい。ここで、接合されるレンズ要素は、単体レンズ又は複合型のレンズとすることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第2実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第1実施形態の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様であるものとする。
図7に示すように、第2実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59に設けた位置決め部材55と樹脂阻止部56との間に、環状の溝57が形成されている。溝57は、楔状の断面を有し、位置決め部材55を囲む環状の空間を形成している。溝57は、空気断熱層BAであり、流動樹脂MPに隣接する樹脂阻止部56からの熱が位置決め部材55を経て光学面12dに及ぶことを抑制する。つまり、溝57は、成形時の熱が光学面12dに影響することを簡易に低減する緩衝部となっており、光学面12dが熱によって変形しやすくなることを含めた影響を低減できる。
なお、溝57には、型部分53よりも熱伝導率の低い材料を充填することもできる。これによっても、流動樹脂MPからの熱が光学面12dに及ぶことを抑制できる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第3実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第1又は第2実施形態の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様であるものとする。
図8に示すように、第3実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59を形成するための型部分453を軸芯側の軸部453aと、周辺側のシース部(鞘部)453bとに分割している。そして、軸部453aの先端側に位置決め部材55を設け、シース部453bの先端側に樹脂阻止部56を設けている。つまり、第1の部材である軸部453aに位置決め部材55を設け、第2の部材であるシース部453bに樹脂阻止部56を設けている。この場合、溝57だけでなく、軸部(第1の部材)453aとシース部(第2の部材)453bとの隙間57aが障害となって、軸部453aに熱が伝わりにくくなる。これにより、成形時の熱が光学面12dに影響することをより確実に抑制できる。
なお、分割された軸部453aとシース部453bとが同心に組み合わされる形状を有するため、型部分453の加工が容易である。しかも、軸部453aの材料とシース部453bの材料とを異なるものにできる。また、軸部453aとシース部453bとを独立して軸AX方向に移動させることができる。この軸部453aとシース部453bの相対位置の調整により、位置決め部材55や樹脂阻止部56のレンズ10に対する接触状態を個別に調整することができる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第4実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第1実施形態の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様であるものとする。
図9に示すように、第4実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59を形成する型部分553の先端部(支持部)54を、周囲の型板52よりも熱伝導率の低い断熱材で形成している。具体的には、型部分553を熱伝導率が8W/m・K以下の金属その他の低熱伝導材料で形成することができる。例えば、型板52をステンレス等の鋼材で構成し、型部分553をジルコニア等のセラミック材で構成することができる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第5実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第4実施形態の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第4実施形態等と同様であるものとする。
図10に示すように、第5実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59を形成するための型部分653を軸芯側の軸部(第1の部材)653aと、周辺側のシース部(第2の部材)653bとに分割し、これらの軸部653a及びシース部653bを周囲の型板52よりも熱伝導率の低い断熱材で形成している。この場合、分離されたシース部653bが介在するため、軸部653aには、流動樹脂MP等からの熱がさらに伝わりにくくなる。
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第6実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第3実施形態等の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第3実施形態等と同様であるものとする。
図11Aに示すように、第6実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59を形成するための型部分453を軸芯側の軸部453aと、周辺側のシース部453bとに分割するとともに、軸部453aと支持体58との間に、軸部453aをレンズ10に向けて付勢するための弾性体83を介在させている。弾性体83は、付勢部材として機能する。弾性体83は、例えば軸部453aと支持体58とを連結するコイルスプリングとすることができる。これにより、軸部453aに対して対向する第2金型61側から外力を与えると、軸部453aが軸AX方向に沿ってシース部453b内に押し込まれるように変位し、軸部453aに外力を与えないと、軸部453aが軸AX方向に沿ってシース部453b外に押し出されるように変位する。これにより、図11Bに示すように、型部分453の先端部(支持部)54に設けた位置決め部材55等を軸AX方向に変位可能に配置し、型開きの状態で、レンズ10を本来の支持位置よりも先端側に僅かにずれた位置に変位させておくことができる。
第1金型51と第2金型61とを型閉じ及び型締めすると、まず、第1金型51に保持されたレンズ10と、第2金型61に設けた型部分63の先端部64とが当接する。つまり、先端部64の樹脂阻止部66がレンズ10の第2枠面10eに当接して、レンズ10を第1金型51側に押しつつ、型締めが完了する。この際、レンズ10の光学面12dが位置決め部材55のテーパー面55aに接触して光軸OAに垂直な方向に微小変位し、レンズ10のアライメントが達成される。このように、型閉じ及び型締めによって、位置決め部材55による位置合わせが達成される。
本実施形態の場合、弾性体83のバネ係数や弾性の調整によって、レンズ10に付与される力の調整が可能になるので、レンズ10の傷を防止しつつレンズ10の確実なアライメントが可能になる。
なお、弾性体83は、コイルスプリングに限らず、ゴム等の弾性材料で形成することができる。この場合、弾性体83の形状はブロック状に限らず、弾性力を調整可能な様々な形状とすることができる。
また、位置決め部材55に代えて、或いは位置決め部材55とともに樹脂阻止部56を軸AX方向に変位可能にすることもできる。
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第7実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第6実施形態の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第6実施形態等と同様であるものとする。
図12に示すように、第7実施形態の場合、第1金型51の型部分53のうち、位置決め部材55の先端に、樹脂その他の柔らかい材料からなる低弾性率の弾性体シート883を貼り付けている。結果的に、位置決め部材55の表層が弾性体シート883で形成されることになるので、位置合わせに際してレンズ10の光学面12dが傷つくこと防止できる。以上の目的から明らかなように、弾性体シート883の弾性率は、レンズ10の弾性率よりも低くする必要がある。レンズ10の樹脂製レンズ部の弾性率は、一般的に1000〜4000MPa程度の範囲に収まるので、弾性体シート883の弾性率が1000MPa以下であれば、位置決め部材55に装着された各種レンズが傷付くことや変形することを抑制できる。弾性体シート883の材質の具体例としては、弾性率が500MPa程度のフッ素樹脂等が挙げられる。また、型部分53の先端部(支持部)54に固定されるレンズ10の樹脂製レンズ部の弾性率が分かっている場合、その弾性率よりもある程度小さな弾性率の材料で弾性体シート883を作製すればよく、レンズ10の材料に合わせて1000MPaより大きな弾性率を有する材料を用いることもできる。
なお、弾性体シート883は、以上のようにレンズ10に比較して低弾性であること、すなわち柔らかいことが望ましいが、位置決め精度を確保する観点から、厚すぎず粘性を殆ど有さないことが望ましい。
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第8実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第7実施形態、第5実施形態等の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第7実施形態等と同様であるものとする。
図13に示すように、第8実施形態の場合、第1成形部59を形成するための型部分953を、軸芯側の軸部(第1の部材)953aと、周辺側のシース部(第2の部材)653bとに分割している。シース部653bは、金属等の軸部953aよりも高硬度の材料や、第5実施形態の場合と同様に、周囲の型板52よりも熱伝導率の低い金属その他の断熱材で形成される。軸部953aは、柔らかい材料、すなわち低弾性率の材料で形成されている。軸部953aの弾性率は、レンズ10の弾性率よりも低く、位置合わせに際してレンズ10の光学面12dが傷つくことを防止できる。型部分953の軸部953aの具体的な弾性率は、第7実施形態と同様の基準で選択されるが、本実施形態のように型部分953の軸部953a全体が弾性体の場合、弾性変形量つまりレンズ10に対する変位許容量を比較的大きくとることができる。
〔第9実施形態〕
以下、第9実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第9実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第6実施形態、第1実施形態等の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第6実施形態等と同様であるものとする。
本実施形態においては、ホルダー部材の成形後に得られる撮像レンズユニットが、2つのレンズ部分を積層したレンズを備えている。図14Aに示すように、第9実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59に第1レンズ部分10Aを支持させ、第2金型61の第2成形部69に第2レンズ部分10Bを支持させる。ここで、第1レンズ部分10Aと第2レンズ部分10Bとは、単独でもレンズと考えるが、これらを合わせた全体でも、レンズ10と考えるものとする。
ここで、第1レンズ部分10Aは、図2A等に示すレンズ10と同様の構造を有する。第2レンズ部分10Bも、レンズ10と同様の構造を有するが、第1レンズ部分10Aとの間に気密な空間を確保しつつ両レンズ部分10A,10Bを適度に離間させるため、フランジ部10bに環状のスペーサー15が設けられている。
本実施形態の場合、第2成形部69に第2レンズ部分10Bを支持させるので、第2成形部69は、第1成形部59と略同様の構造を有する。すなわち、第2金型61において、第2成形部69を形成するための型部分1063を、軸芯側の軸部63aと、周辺側のシース部63bとに分割している。そして、軸部63aの先端側に位置決め部材65を設け、シース部63bの先端側に樹脂阻止部66を設けている。また、位置決め部材65のテーパー面65aの中央に連通するように、排気孔82が形成されている。これにより、型部分63の先端部(追加支持部)64に近接配置された第2レンズ部分10Bを吸引して位置決め部材65又は樹脂阻止部66に対して所望の吸着力で固定することができる。
なお、位置決め部材65と樹脂阻止部66との間には、溝67が形成され、位置決め部材65に熱が伝わりにくくなっている。
図14B及び14Cは、第1レンズ部分10A及び第2レンズ部分10Bを組み込んだ撮像レンズユニット1100の製造工程を説明する図である。まず、第2金型61を移動させて型閉じ及び型締めを行うことによって、第1金型51と第2金型61との間にホルダー部材40用の型空間であるキャビティーCAを形成する。この際、第1レンズ部分10Aと第2レンズ部分10Bとが光軸OAに垂直な方向に関して位置合わせされ、両レンズ部分10A,10Bの調芯が達成される。また、弾性体83等の作用により、第1レンズ部分10Aが第2レンズ部分10B側に付勢され、両レンズ部分10A,10Bが密着し積層されるので、両レンズ部分10A,10B間に気密空間S3が形成される。その後、両レンズ部分10A,10Bの外側の成形空間であるキャビティーCA中にホルダー部材40の材料となるべき流動樹脂MPを充填し、温度調節によって固化させることで、ホルダー部材40を成形する(図14B参照)。次に、第2金型61を第1金型51から離間させる型開きによって第2金型61を退避状態にし、第2金型61に設けたエジェクターピン81等を利用して第2金型61に残った撮像レンズユニット1100を突き出して離型することにより、第2金型61から完成品としての撮像レンズユニット1100を取り出すことができる(図14C参照)。
本実施形態の場合、2つのレンズ部分10A,10Bを組み込んで一体化した撮像レンズユニット100を得ることができる。
なお、図示の第1レンズ部分10Aや第2レンズ部分10Bの形状や構造は、単なる例示であり、光学面の形状、複合型のレンズとするか単レンズとするか等の詳細は適宜変更することができる。また、スペーサー15の形状等も、レンズ10の用途に応じて適宜変更することができる。
〔第10実施形態〕
以下、第10実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第10実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第3実施形態、第1実施形態等の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第3実施形態等と同様であるものとする。
図15A及び15Bに示すように、第10実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59に設けた位置決め部材1155が凸状のエッジ1155cを利用して位置決めの芯出しを行うエッジ部1155aを有する。
型部分453にレンズ10を吸着させると、レンズ10の光学面12dが位置決め部材1155のエッジ部1155aに近接ないしは当接し、エッジ部1155aに倣うように移動する。ここで、エッジ部1155aは、軸AXを中心とする円周上にあるので、型部分453にレンズ10を吸着させるだけで、レンズ10の光軸OAと型部分453又は第1成形部59の軸AXとが略一致する。なお、エッジ部1155aは、凸のR加工が施されており、レンズ10の光学面12dを傷つけないようになっている。
〔第11実施形態〕
以下、第11実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第11実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第3実施形態、第1実施形態等の撮像レンズユニット100の製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第3実施形態等と同様であるものとする。
図16A及び16Bに示すように、第11実施形態の場合、第1金型51の第1成形部59に設けた位置決め部材1255が光学面形状に近似する曲面1255cを利用して位置決めの芯出しを行う光学面状部1255aを有する。
型部分453にレンズ10を吸着させると、レンズ10の光学面12dが位置決め部材1255の光学面状部1255aに近接ないしは当接し、光学面状部1255aに倣うように移動する。ここで、光学面状部1255aは、軸AXを中心とする回転対称面であって、光学面12dと一致する湾曲状態となっているので、型部分453にレンズ10を吸着させるだけで、レンズ10の光軸OAと型部分453又は第1成形部59の軸AXとが略一致する。つまり、位置決め部材1255は、レンズ10を面で受けている。
〔第12実施形態〕
以下、第12実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第12実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第1〜11実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様であるものとする。
図17Aに示すように、レンズ10は、板状のガラス基板11を樹脂製の第1レンズ層12及び第2レンズ層13で挟んだ構造を有し、ガラス基板11と第1レンズ層12との間には、絞り層18が形成されている。また、ガラス基板11と第2レンズ層13との間にも、絞り層18が形成されている。絞り層18は、レンズ10の有効径外を覆っている。
図17Bに示すように、レンズ10は、図4A〜4C、図5A〜5C等に例示される手法で成形されるホルダー部材40中に位置決めされて保持され、撮像レンズユニット100となる。図示の撮像レンズユニット100において、レンズ10の絞り層18の開口は、縁部40iによる開口OP1や、縁部40jによる開口OP2よりも小径で、レンズ10を通過する迷光を防止する効果が高い。
〔第13実施形態〕
以下、第13実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等を説明する。なお、第13実施形態に係る撮像レンズユニットの製造方法等は、第1〜12実施形態の撮像レンズユニットの製造方法等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様であるものとする。
図18A及び18Bに示すように、第13実施形態の場合、第1金型51と第2金型61とが鉛直方向に開閉するタイプの竪型成形機に組み込まれる。この場合、下側に配置された第2金型61が固定型となっており、上側に配置された第1金型51が昇降移動する可動型となっている。
まず、図18Aに示すように、搬送装置70のアーム71にレンズ10を支持させて、レンズ10が第2成形部69に近接するまで降下させ、アーム71をリリース状態に切り替えると、アーム71による把持が解除されたレンズ10は、僅かに落下して第2成形部69上に載置される(設置工程)。第2成形部69上に載置されたレンズ10に対しては、型部分63の先端部(支持部)64に設けた位置決め部材65によって芯出しが行われる。具体的には、型部分63の先端部64にレンズ10を載置すると、レンズ10は、その自重で下方に移動する力を受ける。これにより、レンズ10の光学面13eが位置決め部材65のテーパー面65aに近接ないしは当接し、テーパー面65aに沿うように横斜め下方向に移動し、レンズ10の光軸OAと型部分63又は第2成形部69の軸AXとが略一致する。
次に、図18Bに示すように、第1金型51を移動させて型閉じ及び型締めを行うことによって、第1金型51と第2金型61との間にホルダー部材40用の型空間であるキャビティーCAを形成する(型空間形成工程)。この際、第2金型61側では、型部分63の先端部(支持部)64において、樹脂阻止部66が、レンズ10のフランジ部10bに密着する。また、第1金型51側では、型部分53の先端部(係止部)54において、樹脂阻止部56が、レンズ10のフランジ部10bに密着する。これにより、溶融樹脂の射出時に、レンズ10の光学面12d,13eに隣接する空間S1,S2への流動樹脂の流れ込みを阻止することができる。
なお、上記のようにレンズ10を第2成形部69上に載置するだけでアライメントする場合、レンズ10の重量が比較的大きく、光学面13eがテーパー面65aとの接触位置においてある程度以上傾斜していることを前提としている。ただし、光学面13eの傾斜等が少なくても、レンズ10を第1金型51側から押すこと、型部分63及び支持体68を貫通しキャビティーCAに達する排気孔を設けてレンズ10を位置決め部材65側に負圧で吸引すること等によって、上記と同様の芯出しが可能になる。
〔具体的な実施例〕
以下、撮像レンズユニットの具体的な作製例について説明する。撮像レンズユニット100を構成するレンズ10の第1及び第2レンズ層12,13は、エポキシ系UV硬化性樹脂製であり、各レンズ層を構成する樹脂の荷重撓み温度(ISO75 A法)は170℃である。第1及び第2レンズ層12,13に対するポストキュアは、200℃で1時間とした。一方、撮像レンズユニット100を構成するホルダー部材40は、LCP(液晶ポリマー)樹脂製であり、ホルダー部材40を構成する樹脂の荷重撓み温度(ISO75 A法)は277℃、融点は320℃である。レンズ外形は2.0mm、ガラス基板の厚みは0.4mmとした。作製例1は図4等に示す第1実施形態に相当する装置で、作製例2は図8に示す第3実施形態に相当する装置で、作製例3は図10に示す第5実施形態に相当する装置で、作製例4は図11A等に示す第6実施形態に相当する装置で、作製例5は図13に示す第8実施形態に相当する装置で、それぞれ、図4A〜4C、図5A〜5C等に例示される手順に準じてホルダー部材40を成形した。また、比較のため、レンズ光学面に対して線状に当接する環状の位置決め部兼樹脂阻止部を有する金型を用いた以外は作製例1と同様の条件でホルダー部材の成形を行った(作製例6)。この際のホルダー部材40の成形条件は、樹脂温度が340℃であり、金型51,61の温度が100℃であった。なお、作製例1における型部分53の材料としてはステンレス製の鋼材を、作製例2における型部分453の軸部453aとシース部453bの材料としてはステンレス製の鋼材を、作製例3における型部分653の軸部653a、シース部653b金型の材料としては、それぞれジルコニアを、作製例4における型部分453の軸部453aとシース部453bの材料としてはステンレス製の鋼材を、作製例5における型部分953の軸部953a金型の材料としてはフッ素樹脂を、シース部653bの材料としてはステンレス製の鋼材を、それぞれ用いた。作製例6における環状の位置決め部兼樹脂阻止部を有する金型の材料としてはステンレス製の鋼材を用いた。
以上のようにして得た撮像レンズユニット100は、レンズの位置決め精度、レンズ外観、及びレンズ形状に関して評価された。ここで、レンズの位置決め精度は、画像三次元形状測定機を用いてレンズの芯ズレ量測定を行った結果である。また、レンズの外観は、実体顕微鏡(50倍)を用いてレンズの外観検査を行い、キズの有無、バリの発生等を含むキズ・変形不良率で評価した。また、レンズ形状は、超高精度三次元形状測定機を用いて非球面のレンズの光学面の形状測定を行った。以下の表1は、結果をまとめた表である。
〔表1〕
Figure 0005835338
表1において、左欄は、製造方法を示しており、各製造法に対して、レンズの位置決め精度、レンズ外観、及びレンズ形状の評価を行っている。なお、最も右欄のレンズ形状については、10個の撮像レンズユニットのうち規格外であるものが6個以上である場合を「×」とし、規格外であるものが1〜5個である場合を「△」とし、規格外であるものが0個である場合を「○」としている。ここで、レンズの位置決め精度は、撮像レンズユニットをそれぞれ100個成形し、それらについて画像三次元形状測定機を用いてレンズの芯ズレ量測定を行い、標準偏差σの3倍(3σ)を算出して評価した。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記第1〜第13実施形態において、レンズ10は、ガラス製や樹脂製の単一のレンズを用いてもよい。
また、上記各実施形態において、レンズ10やレンズ部分10A,10Bの形状や構造は例示であり、適宜変更することができる。例えば、レンズ10は、平面視方形に限らず平面視円形とすることができる。
また、上記実施形態において、ホルダー部材40を構成する樹脂材料としては熱可塑性樹脂を用いたが、これに限らず、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることも可能である。
また、上記実施形態において、金型に複数の成形部を設けて複数のレンズに対して同時にホルダー成形を行うようにしてもよい。この場合、2つの金型のアライメントのための部材を各成形部に配置する必要はなく、成形部の数より少ないテーパーピン及びそれに嵌合する嵌合穴を各金型に設ける等して、複数の成形部に対して共通のアライメント部材を使用するようにすればよい。
また、第12実施形態において、ガラス基板11の両側に絞り層18を設けたが、片側にのみ絞り層18を設けてもよい。
また、上記実施形態において、レンズ10の第1レンズ層12は、殆どレンズ本体12aのみからなり、ガラス基板11や絞り層18の一部が露出していてもよい。また、第2レンズ層13も、殆どレンズ本体部13aのみからなり、ガラス基板11や絞り層18の一部が露出していてもよい。

Claims (22)

  1. 複数の光学面を有するレンズと、少なくとも1つの光学面を露出させた状態でレンズを保持するホルダー部材とを備える撮像レンズユニットの製造方法であって、
    前記ホルダー部材を成形するための金型装置に対して前記少なくとも1つの光学面を利用して前記レンズの光軸に垂直な方向に関して前記レンズの位置決めを行う位置決め部材と、前記位置決め部材とは別に設けた前記少なくとも1つの光学面側に成形用の樹脂が流入することを阻止する樹脂阻止部とを有する支持部を備える前記金型装置の成形空間内に前記支持部を介して前記レンズを配置する工程と、
    前記金型装置の成形空間内に前記成形用の樹脂を充填して固化させることにより、前記レンズを保持した前記ホルダー部材を成形する工程と、
    を備える撮像レンズユニットの製造方法。
  2. 前記レンズは、光学面以外に光軸に垂直な方向に関する位置決めのための形状を持たず、前記支持部において、前記樹脂阻止部は、前記少なくとも1つの光学面に対向する前記位置決め部材を周囲から囲むように配置される、請求項1に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  3. 前記支持部は、前記レンズを吸引することによって固定する吸着部を有する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  4. 前記支持部は、前記位置決め部材と前記樹脂阻止部との間に断熱ための緩衝部を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  5. 前記緩衝部は、空気断熱層である、請求項4に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  6. 前記支持部は、前記金型装置において前記支持部の周辺に配置された部材よりも低熱伝導率の材料で形成されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  7. 前記支持部は、前記位置決め部材を設けた第1の部材と、前記樹脂阻止部を設けた第2の部材とを備え、前記レンズの光軸に対応する軸方向に関して、相対位置の調整が可能になっている、請求項1から6までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  8. 前記第2の部材を前記レンズ側に付勢する付勢部材を備える、請求項7に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  9. 前記位置決め部材のうち少なくとも前記レンズに接する部分は、前記レンズよりも柔らかい材料で形成されている、請求項1から8までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  10. 前記金型装置は、第1金型と第2金型とを有し、前記第1金型は、前記支持部を備える、請求項1から8までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  11. 前記第2金型は、前記支持部と協働して前記レンズを前記金型装置の成形空間内に固定するとともに、前記レンズの別の光学面側に樹脂が流入することを阻止する樹脂阻止部を有する係止部を備える、請求項10に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  12. 前記第1金型は、前記金型装置の開閉に際して移動しない固定金型であり、前記第2金型は、前記金型装置の開閉に際して移動する可動金型である、請求項10及び11のいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  13. 前記第2金型は、前記レンズの別の光学面を利用して前記金型装置に対して前記レンズの光軸に垂直な方向に関して前記レンズの位置決めを行う位置決め部材と、前記別の光学面側に成形用の樹脂が流入することを阻止する樹脂阻止部とを有する追加支持部を備える、請求項10に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  14. 前記レンズは、前記ホルダー部材の成形後に、積層された第1レンズ部分と第2レンズ部分とを備えるものであり、前記第1金型の前記支持部に前記第1レンズ部分を支持させ、前記第2金型の前記追加支持部に前記第2レンズ部分を支持させるとともに、前記成形空間内で、前記第1レンズ部分と前記第2レンズ部分とを積層する、請求項13に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  15. 前記位置決め部材は、テーパー面を利用して位置決めの芯出しを行うテーパー部を有する、請求項1から14までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  16. 前記位置決め部材は、凸状のエッジを利用して位置決めの芯出しを行うエッジ部を有する、請求項1から14までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  17. 前記位置決め部材は、光学面形状に近似する曲面を利用して位置決めの芯出しを行う光学面状部を有する、請求項1から14までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  18. 前記樹脂阻止部は、前記レンズの光学面の外側に密着する端面を有する、請求項1から17までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  19. 前記樹脂阻止部は、前記レンズのうち光学面の外側に設けられたフランジ部の光軸に垂直な平坦面に密着する、請求項18に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  20. 前記レンズは、プラスチックを含む材料で形成されている、請求項1から19までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  21. 前記レンズと前記ホルダーは、リフロー耐熱材質で形成されている、請求項1から20までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
  22. 前記レンズは、少なくとも片側に絞りを有する、請求項1から21までのいずれか一項に記載の撮像レンズユニットの製造方法。
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