JP5835039B2 - 音量補正方法および音試験装置 - Google Patents

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本発明は、音量補正方法および音試験装置に関する。
パソコンなどに備わるスピーカの音検査は、ベルトコンベアライン上で行われることがある。人による官能検査では、人によって判定基準が異なることがあり、工場内の騒音の影響で誤判定がなされることがあり、さらに検査コストがかかるという問題がある。そこで、特許文献1は、騒音波形に対して逆相の消去音を発生させることによって騒音を消音する技術を開示している。
特開2003−167584号公報
しかしながら、ベルトコンベアライン上では、検査対象のスピーカが音センサに対して相対的に移動するため、騒音を消音するだけでは精度良く音試験を行うことは困難である。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、精度良く音試験を行うことができる音量補正方法および音試験装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、明細書開示の音量補正方法は、音センサに対して相対的に移動させながら音出力装置に音信号を出力させ、当該音信号の複数箇所に挿入された特定周波数成分を検出する検出ステップと、前記複数の特定周波数成分の音量に基づいて、前記音信号の音量を補正する音量補正ステップと、を含む。
上記課題を解決するために、明細書開示の音試験装置は、音出力装置に対して相対的に移動する音センサを用いて、前記音出力装置によって出力される音信号の複数箇所に挿入された特定周波数成分を検出する音センサと、前記複数の特定周波数成分の音量に基づいて、前記音信号の音量を補正する音量補正部と、を備える。
明細書開示の音量補正方法および音試験装置によれば、精度良く音試験を行うことができる。
音試験に用いられる音試験装置の概略を説明するための図である。 (a)はチャープ信号の波形を表す図であり、(b)はスピーカの周波数特性により低域および高域での音量が低下したスピーカ出力音量、(c)はスピーカの位置に応じた、マイク録音信号の音量変化の一例を表す図である。 (a)は実施例1に係る音試験装置および試験対象の構成を説明するためのブロック図であり、(b)は演算部の各機能を表すブロック図である。 録音開始センサ、マイク、および試験対象の位置関係を説明するための模式図である。 演算部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 (a)は本実施例で用いる試験用の音源信号を表す図であり、(b)は特定周波数での各ピーク振幅値を表す図である。 (a)は各ピーク振幅値から算出された近似曲線の一例を説明するための図であり、(b)は録音信号および音量補正曲線を表す図であり、(c)は補正後の録音信号を表す図である。 (a)は波形抽出部によって抽出されたチャープ信号の例であり、(b)はフーリエ変換部によって得られたスピーカ周波数特性グラフである。 音試験装置による音試験の際に実行されるフローチャートの一例を説明するための図である。
実施例の説明に先立って、音試験について説明する。音試験とは、パソコン、携帯電話、音響機器などに備わる音出力装置を試験対象とし、当該試験対象の音出力特性を検査する試験である。図1は、音試験に用いられる音試験装置の概略を説明するための図である。図1を参照して、音試験においては、コンベアライン1上を移動するスピーカ2から出力された音信号が音センサ(マイク)3によって検出され、検出された音信号の特性が測定される。
スピーカ2とマイク3との相対移動の影響を抑制することを目的として、マイク3をスピーカ2とともに移動させて音試験を行う方法が挙げられる。しかしながら、この方法では、試験対象ごとにマイク3をスピーカ2の中心の真上に正確に設置しなければならない。したがって、1台目の試験対象の音試験が終了した後に2台目の試験対象に対してマイク3を移動させなければならない。すなわち、マイク3を音試験前の元の位置に戻さなければならない。この場合、大掛かりな機構が必要となり、コストがかかる。そこで、マイク3を元の位置に戻す機構を省略するために、ワイヤレスマイクを使用することが考えられる。しかしながら、ワイヤレスマイクを使用する場合には、複数のマイクが必要となり、また、複数のマイクが同等の特性を有している必要性が生じる。したがって、コストが上昇する。
以上のことから、1本のマイク3を、例えば天井などに固定する方法が好ましい。しかしながら、この方法では、スピーカ2がベルトコンベアライン1上を移動するに伴い、マイク3で検出される音量が変化してしまう。すなわち、スピーカ2とマイク3とが近い場合には検出される音量が大きくなり、スピーカ2とマイク3とが遠い場合には検出される音量が小さくなる。したがって、正確な音試験が困難である。
そこで、スピーカ2とマイク3との間の相対移動に伴う音量変化を回避するため、マイク3で検出された音量を補正する方法が考えられる。例えば、予め取得しておいた音量変化特性を用いて、スピーカ2の中心位置を計測することによって、検出された音量を補正する方法が考えられる。しかしながら、スピーカ2の中心位置を直接検出することができず、筐体の接近または通過を検出するセンサを用いて間接的に検出することになる。この場合、試験対象が多機種であれば、試験対象の機種によってスピーカ2の搭載位置が様々に変わる。したがって、センサによる検出からスピーカ中心位置を高精度で検出するためには、混流する機種毎のセンサとスピーカ中心との距離、機種毎の音量変化補正曲線などのデータベースが必要になり、コストがかかる。なお、音量変化補正曲線は、マイク3とスピーカ2との距離またはマイク3の指向性だけでなく、スピーカ2の指向性、スピーカ2を収容する筺体の材質、形状等に応じて変化してしまう。
以上のことから、スピーカ2の中心位置検出に依らず、試験対象の移動に伴う音量変化特性を、マイク3を介して録音された録音信号から毎回実測できる方法が好ましい。そこで、振幅一定の試験用音源信号データをスピーカ2から連続再生し、マイク3を介して録音された信号の音量変化を測定し、この音量変化に基づいて補正する方法が挙げられる。
ところで、マイク3を介して録音された信号は、スピーカ2の移動に起因する音量変化と、スピーカ2の周波数特性に起因する音量変化とが重なった信号になる。周波数特性試験のため、試験用音源としてチャープ信号が用いられる場合がある。チャープ信号とは、可聴域20Hz〜20kHz等の掃引正弦波信号である。
図2(a)は、チャープ信号の波形を表す図である。図2(a)において、横軸は時間を表し、縦軸はスピーカ2を駆動するための駆動信号(例えば電流)を表す。図2(a)を参照して、スピーカ2に入力される電気信号は、いずれの周波数においても一定の振幅を有している。これに対して、図2(b)は、スピーカ2から出力されるチャープ信号の波形を表す図である。図2(b)において、横軸は時間を表し、縦軸はスピーカ2から出力される音量である。図2(b)を参照して、スピーカの周波数特性により低周波数域および高周波数域では、入力される電気信号に対して出力が小さくなってしまうため、周波数に応じて音量が異なってしまう。
以上のことから、マイク3を介して録音される録音信号は、スピーカ2の相対移動による音量変化分に加えて、スピーカ2の周波数特性による音量変動分が重畳して、複雑な音量変化をなす。図2(c)は、スピーカ2の位置に応じた音量変化の一例を表す図である。なお、図2(c)では、振幅数を減らして簡略化されたチャープ信号が複数描かれている。図2(c)を参照して、スピーカ2の位置に応じて、録音信号が複雑な音量変化をしていることがわかる。スピーカ2のF特試験(周波数特性試験)のためには、スピーカが十分には出力しなくなる低周波域〜高周波域までを含めた広い周波数範囲での音試験が必要である。以上のことから、上述の方法では、音出力装置の音試験を正確に行うことが困難である。
そこで、以下の実施例では、精度良く音試験を行うことができる、音量補正方法および音試験装置について説明する。
図3(a)は、実施例1に係る音試験装置100、および試験対象200の構成を説明するためのブロック図である。図3(a)を参照して、音試験装置100は、録音開始センサ10、マイク20、入力アンプ30、A/D変換器40、および演算部50を備える。試験対象200は、音源データ記憶部201、制御部202、D/A変換器203、出力アンプ204、およびスピーカ205を備える。
図3(b)は、演算部50の各機能を表すブロック図である。演算部50は、録音データ記憶部51、音源情報記憶部52、音量補正部53、波形抽出部54、雑音処理部55、フーリエ変換部56、判定部57、および出力部58として機能する。
図4は、録音開始センサ10、マイク20、および試験対象200の位置関係を説明するための模式図である。図4を参照して、試験対象200は、ベルトコンベアライン206の上に載置されている。録音開始センサ10およびマイク20は、ベルトコンベアライン206の上方に配置されている。マイク20は、ベルトコンベアライン206の移動方向において、録音開始センサ10よりも下流側に配置されている。
図5は、演算部50のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図5を参照して、演算部50は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が所定のプログラムを実行することによって、演算部50は、録音データ記憶部51、音源情報記憶部52、音量補正部53、波形抽出部54、雑音処理部55、フーリエ変換部56、判定部57、および出力部58として機能する。
続いて、試験対象200および音試験装置100の各部の動作について説明する。音源データ記憶部201は、ROM(リードオンリメモリ)、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、音試験用の音源信号データを記憶している。制御部202は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)などを備え、音源データ記憶部201に記憶されている音源信号データから音試験用の音源信号を生成する。
D/A変換器203は、デジタル信号を電流などのアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器であり、制御部202が生成した音源信号を電流などのアナログ信号に変換する。出力アンプ204は、増幅器であり、D/A変換器203が生成したアナログ信号を増幅する。スピーカ205は、増幅されたアナログ信号に応じて音を出力する。
録音開始センサ10は、物体の通過を検出するセンサであり、本実施例においては、ベルトコンベアライン206の移動方向において試験対象200の通過が開始されたか否かを検出する。録音開始センサ10は、試験対象200の通過の開始を検出した際に、当該検出に係る信号を演算部50に入力する。マイク20は、音センサであり、スピーカ205が出力する音を電圧などのアナログ信号に変換する。入力アンプ30は、増幅器であり、マイク20が出力したアナログ信号を増幅する。A/D変換器40は、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器であり、入力アンプ30によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
演算部50は、録音開始センサ10から試験対象200の通過検出に係る信号を受信した場合に、録音を開始する。具体的には、録音データ記憶部51が、A/D変換器40が出力するデジタル信号を録音データとして記憶する。音源情報記憶部52は、音試験用の音源信号に関する情報を記憶している。演算部50は、録音データ記憶部51に記憶されている録音データと、音源情報記憶部52に記憶されている音源信号に関する情報とに基づいて、試験対象200の音出力特性を検査する。続いて、演算部50の動作の詳細について説明する。
図6(a)は、本実施例で用いる試験用の音源信号を表す図である。図6(a)において、横軸は時間を表し、縦軸はスピーカ205が出力する音量を表す。本実施例においては、繰り返し再生される試験用音源としてチャープ信号を用いる。上述したように、チャープ信号は、可聴域20Hz〜20kHz等の掃引正弦波信号である。チャープ信号は、スエプト・サイン波信号とも呼ばれ、正弦波信号の周波数を低周波→高周波、または高周波→低周波に連続的に変化(掃引)させた信号であり、周波数特性の測定用信号として一般的に使用されている信号の一つである。
チャープ信号を採用した場合、チャープ信号を1回再生する際に、1回ずつ特定の周波数が出現する。そこで、特定周波数(Fp)を基準周波数として用いる。特定周波数(Fp)は、スピーカ205の周波数特性が比較的安定している中央付近の周波数であることが好ましい。特定周波数(Fp)は、例えば1kHz程度とすることができる。なお、本実施例において用いることができる音源信号は、チャープ信号に限られず、特定周波数が1回以上、既知の音量で既知の場所に現れる音源信号ならばどのような音源信号でも用いることができる。
特定周波数(Fp)、チャープ信号の持続時間Ts_e、およびチャープ信号開始から特定周波数(Fp)が出現するまでの時間Ts_pは、音試験用の音源信号に関する情報として、音源情報記憶部52に記憶されている。持続時間Ts_eおよび時間Ts_pは、予め測定しておくことができる。
音量補正部53は、音源情報記憶部52に記憶されている持続時間Ts_eを用いて必要数のチャープ信号を録音データ記憶部51に記憶させる。例えば、上記必要数をN(Nは所定の自然数)とした場合、(N+1)×持続時間Ts_e以上の時間分の録音をすればよい。次に、音量補正部53は、音源情報記憶部52に記憶されている特定周波数(Fp)を読み込み、各チャープ信号から特定周波数(Fp)のピーク振幅値Apを取得する。音量補正部53は、各チャープ信号に対して特定周波数(Fp)におけるピーク振幅値Ap1,Ap2,…,ApNを取得する。試験対象200は、マイク20に対して相対移動することから、図6(b)を参照して、各ピーク振幅値は異なる値となる。
音量補正部53は、各ピーク振幅値の点列データに最も当てはまる近似曲線f(t)を生成する。近似曲線(回帰曲線)は、最小二乗法などの高次多項式曲線あてはめ(Curve Fitting)等の数値計算法により生成することができる。近似曲線は、最低でも二次式であり、3個(多項式の次数+1)以上の点列データから生成される。図7(a)は、各ピーク振幅値から算出された近似曲線の一例を説明するための図である。
近似曲線f(t)の最大値である最大振幅値Apcは、スピーカ205の中心がマイク20の直下を通過した際の音量に相当すると推定される。また、最大振幅値Apcに対応する時刻Tpcは、スピーカ205の中心がマイク20の直下を通過した時刻に相当すると推定される。このように、スピーカ205の中心で特定周波数(Fp)が出現しなくても、スピーカ205の中心がマイク20の直下を通過した際の音量および時刻を推定することができる。さらに、最大振幅値Apcをスピーカ205の音量に関する良否判定用の対象値として用いることもできる。
音量補正部53は、近似曲線f(t)の逆数に対して最大振幅値Apcを乗算することによって、音量補正曲線[Apc/f(t)]を算出する。次に、図7(b)を参照して、音量補正部53は、時刻を一致させて録音信号に対して音量補正曲線[Apc/f(t)]を乗算することによって、録音信号を補正する。特に、最大振幅値Apcを用いていることから、各録音信号をマイク20の直下にスピーカ205の中心が位置した状態に補正することができる。図7(c)は、補正後の録音信号を表している。図7(c)を参照して、補正された録音信号では、スピーカ205の相対移動の影響が回避されている。
次に、波形抽出部54は、補正後の録音信号から、スピーカ205の良否を判定するために必要な試験対象信号を抽出する。例えば、波形抽出部54は、各チャープ信号から、S/N比が最大のチャープ信号を抽出する。本実施例では、S/N比が最大であるとは、特定周波数(Fp)における振幅計測値が最大であることを意味する。具体的には、波形抽出部54は、補正後の録音信号の特定周波数(Fp)におけるピーク振幅値Ap1,Ap2,…,ApNの最大値ApMを取得する。次に、波形抽出部54は、最大値ApMの出現時刻TpMの計測値から時間Ts_pだけさかのぼった時間TsMを開始点とし、持続時間Ts_e経過後のTeMまでの録音信号を抽出する。図8(a)は、波形抽出部54によって抽出されたチャープ信号の例である。
フーリエ変換部56は、波形抽出部54によって抽出されたチャープ信号に対して周波数分析(短時間フーリエ変換など)を行う。短時間フーリエ変換(StFt:Short−time Fourier Transform)は、窓関数を微小時間Δtずつずらしながら掛け、順次フーリエ変換してゆくことで、周波数スペクトルの時間変化を解析する方法である。短時間フーリエ変換は、音など時間変化する信号に対して一般的に使用されている方法である。同様の目的でウェーブレット変換を用いてもよい。
図8(b)は、フーリエ変換部56によって得られたスピーカ周波数特性グラフである。図8(b)において、横軸は周波数を表し、縦軸は振幅を表す。正弦波の周波数が時間に比例するように、または周波数の対数が時間に比例するようにチャープ信号の掃引を発生させるため、F特グラフの横軸は、時間から周波数に置き換えることができる。各周波数に対する振幅が許容範囲内にあるか否かを判定することによって、スピーカ205の良否判定を行うことができる。
図8(b)を参照して、各周波数に対する振幅の許容範囲として、合格上限ラインおよび合格下限ラインが描かれている。判定部57は、フーリエ変換部56によって得られた結果が全て許容範囲内にあれば、対象とするスピーカが「良」であると判定する。出力部58は、判定部57の判定結果を外部機器に対して出力する。
図9は、音試験装置100による音試験の際に実行されるフローチャートの一例を説明するための図である。以下、図9のフローチャートについて説明する。まず、音量補正部53は、音源情報記憶部52からチャープ信号の持続時間Ts_e、およびチャープ信号の開始点から特定周波数(Fp)までの時間Ts_pを読み込む(ステップS1)。次に、音量補正部53は、録音開始センサ10が試験対象200の通過開始を検出した際に、録音データ記憶部51にマイク20が検出する音を録音させる(ステップS2)。
次に、音量補正部53は、(必要なチャープ数N+1)×持続時間Ts_e以上経過後に、録音データ記憶部51による録音を終了させる(ステップS3)。次に、音量補正部53は、N個のチャープ信号から、特定周波数(Fp)におけるピーク振幅値Ap1,Ap2,…,ApNを取得する(ステップS4)。次に、音量補正部53は、各ピーク振幅値Ap1,Ap2,…,ApNから近似曲線f(t)を生成し、近似曲線f(t)の最大点における時刻Tpcおよび最大値Apcを求める(ステップS5)。
次に、波形抽出部54は、各ピーク振幅値Ap1,Ap2,…,ApNの最大値Apm(最大S/N比)の時刻TpMを探す(ステップS6)。次に、波形抽出部54は、時刻TpMから時間Ts_pを差し引き、チャープ信号の開始点TsMを求める。さらに、波形抽出部54は、開始点TsMに持続時間Ts_eを加算することによって、チャープ信号の終了点TeMを求める(ステップS7)。次に、波形抽出部54は、録音データ記憶部51に記憶されている録音信号から開始点TsMから終了点TeMまでの区間を、最大S/N比のチャープ信号区間として抽出する(ステップS8)。
次に、音量補正部53は、音量補正曲線[Apc/f(t)]を、ステップS8で抽出したチャープ信号に対して乗算することによって、音量補正後のS/N比最大チャープ信号を得る(ステップS9)。次に、フーリエ変換部56は、ステップS9で得られたS/N比最大チャープ信号に対して短時間フーリエ変換を実行することによって周波数分析を行う(ステップS10)。次に、判定部57は、ステップS10の周波数分析に基づいて良否判定を行い、出力部58が判定結果を外部機器に対して出力する(ステップS11)。次の試験対象に対して音試験を行う場合には、ステップS2から再度実行される。音試験を行わない場合には、図9のフローチャートは終了する。
本実施例によれば、スピーカ205の周波数特性と、マイク20とスピーカ205との相対移動に伴う音量変化が重なっていても、マイク20とスピーカ205の相対移動による音量変化分だけを補正することができる。それにより、精度良く音試験を行うことができる。
また、スピーカ205の移動に伴う音量変化特性を毎回個別に自動計測するため、筺体形状、材質、スピーカ205の指向特性などが異なる試験対象が混流する場合でも、機種毎のスピーカ中心位置、マイク20までの距離、移動に伴う音量変化特性などのデータベースを記憶しておく必要がない。また、スピーカ205の中心真上の位置に合わせてマイクを正確に設置する必要がなく、次の試験対象が流れて来た時にマイクを最初の位置に戻す機構も不要である。
また、試験対象のスピーカ205がマイク20の下を通過することによって、順次自動的に各試験対象のスピーカ205の音試験を行うことができる。マイク20が固定されていれば、マイク設置などの位置合わせ誤差は発生しない。また、複数のマイクを用いる必要がないため、複数のマイクの特性を一致させる必要も生じない。すなわち、再現性が非常に高い音試験を行うことができる。また、近似曲線f(t)を用いることによって、スピーカ205の中心位置およびその音量値を推定することができるため、特定周波数(Fp)がスピーカ205の中心で現れるように発声開始点を調整する必要がない。さらに、S/N比が最も高い区間を正確に抽出することができるため、音試験の精度が高くなる。
(他の例)
外来雑音除去のために複数のチャープ信号を抽出してもよい。例えば、波形抽出部54は、S/N比の大きい順に、必要数のチャープ信号を抽出する。雑音処理部55は、抽出された複数のチャープ信号に対して雑音除去処理を行う。雑音除去処理後の複数のチャープ信号を試験対象としてもよい。
上記実施例においては、録音信号に対して音量補正曲線[Apc/f(t)]を乗算することによって、各録音信号をマイク20の直下にスピーカ205の中心が位置した状態を実現しているが、それに限られない。すなわち、最大値Apcを用いなくても、近似曲線f(t)の逆数に比例する補正曲線であれば、音量補正に用いることができる。また、音量補正曲線の乗算対象は、S/N比が最大のチャープ信号のみとしてもよい。この場合、乗算対象数が低減され、処理が簡略化される。
また、上記実施例においては、近似曲線を用いているが、それに限られない。例えば、近似直線を用いることができる。具体的には、最大値Apcに近づくにつれて大きくなる近似直線と最大値Apcから離れるにつれて小さくなる近似直線を用いて、録音信号の音量を補正することができる。
録音信号の全波形サンプリングデータに対して異なる値の音量補正曲線を乗算とすると、計算に時間が掛かる。ところで、特定周波数(Fp)の抽出の際には時間分解能(Δt)の短時間フーリエ変換を実施するため、単位時間をΔt以上に小さくしても意味がない。そこで、Δtの時間幅毎に音量補正値を同じ値として、t/Δt=iと置き換えることによって、近似曲線はf(i)となり、音量補正曲線は[Apc/f(i)]となり、計算量を減らすことができる。
また、録音信号の波形データ全てに、Δtの間同じ音量補正値[Apc/f(i)]を乗算してもよいが、Δtの間は音量補正が全て同じ値である。そこで、短時間フーリエ変換の際に、Δt毎のフーリエ変換結果に対して音量補正値[Apc/f(i)]を乗算してもよい。なお、フーリエ変換は線形変換であるため、変換前後のどちらで音量補正の乗算を行ってもよい。
スピーカ205の相対移動による音量変化がチャープ信号の持続時間Ts_eの区間内で充分に緩やかである場合、各チャープ信号に[Apc/Ap1]、[Apc/Ap2]、…[Apc/ApN]のように同じ音量補正値を乗算してもよい。この場合、計算を簡略化することができる。この場合においても、短時間フーリエ変換の前後どちらで音量補正の乗算を行ってもよい。良否判定では合格判定値との比較があるため、合否判定の前までに音量補正の乗算が行われていればよい。
雑音除去処理に関しては、時間領域波形データへの平均化演算に代えて、短時間フーリエ変換後の周波数領域で行うことも可能である。例えば、S/N比の大きい順に抽出した複数のチャープ信号に対して短時間フーリエ変換を実行し、それらの結果に対して雑音除去処理を実行してもよい。この場合、最終的に良否判定の対象データとするための、雑音除去後の一組の短時間フーリエ変換結果を得ることができる。なお、雑音除去処理として、ベクトル平均、RMS平均等の平均化処理や、最小値、中央値、最大値等の大小比較演算を用いてもよい。この場合においても、音量補正は、短時間フーリエ変換の前後いずれで行ってもよい。ただし、雑音除去のため、抽出された複数のチャープ信号に短時間フーリエ変換を実行する場合は、雑音除去処理の前までに、複数のチャープ信号間で、音量補正の乗算処理が完了している必要がある。
また、上記実施例においては、周期的に出力される音信号を検出対象としているが、それに限られない。特定周波数成分を複数箇所に挿入されている音信号であれば、当該複数の特定周波数成分の音量に基づいて、音信号の音量を補正することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 録音開始センサ
20 マイク
30 入力アンプ
40 A/D変換器
50 演算部
51 録音データ記憶部
52 音源情報記憶部
53 音量補正部
54 波形抽出部
55 雑音処理部
56 フーリエ変換部
57 判定部
58 出力部
100 音試験装置
101 CPU
102 RAM
103 記憶装置
200 試験対象
201 音源データ記憶部
202 制御部
203 D/A変換器
204 出力アンプ
205 スピーカ
206 ベルトコンベアライン

Claims (12)

  1. 音センサに対して相対的に移動させながら音出力装置に音信号を出力させ、当該音信号の複数箇所に挿入された特定周波数成分を検出する検出ステップと、
    前記複数の特定周波数成分の音量に基づいて、前記音信号の音量を補正する音量補正ステップと、を含むことを特徴とする音量補正方法。
  2. 前記音量補正ステップにおいて、前記複数の特定周波数成分の音量の近似曲線の逆数を用いて、前記音信号の音量を補正することを特徴とする請求項1記載の音量補正方法。
  3. 前記音量補正ステップにおいて、前記近似曲線の逆数に前記近似曲線の最大値を乗算した曲線を、前記音信号に対して時刻を一致させて乗算することによって前記音信号の音量を補正することを特徴とする請求項2記載の音量補正方法。
  4. 前記音信号は、周期的に出力される音信号であり、
    前記特定周波数成分は、1周期ごとに1つ以上含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音量補正方法。
  5. 前記音信号は、周期的に出力されるチャープ信号であることを特徴とする請求項4記載の音量補正方法。
  6. 前記音量補正ステップにおいて補正された音信号に対して短時間フーリエ変換を実行して得た周波数特性の良否を判定する判定ステップを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の音量補正方法。
  7. 音出力装置に対して相対的に移動する音センサを用いて、前記音出力装置によって出力される音信号の複数箇所に挿入された特定周波数成分を検出する音センサと、
    前記複数の特定周波数成分の音量に基づいて、前記音信号の音量を補正する音量補正部と、を備えることを特徴とする音試験装置。
  8. 前記音量補正部は、前記複数の特定周波数成分の音量の近似曲線の逆数を用いて、前記音信号の音量を補正することを特徴とする請求項7記載の音試験装置。
  9. 前記音量補正部は、前記近似曲線の逆数に前記近似曲線の最大値を乗算した曲線を、前記音信号に対して時刻を一致させて乗算することによって前記音信号の音量を補正することを特徴とする請求項8記載の音試験装置。
  10. 前記音信号は、周期的に出力される音信号であり、
    前記特定周波数成分は、1周期ごとに1つ以上含まれることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の音試験装置。
  11. 前記音信号は、周期的に出力されるチャープ信号であることを特徴とする請求項10記載の音試験装置。
  12. 前記音量補正部によって補正された音信号に対して短時間フーリエ変換を実行して得た周波数特性の良否を判定する判定部を備えることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の音試験装置。
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