JP5833967B2 - 電池モジュールの固定構造体 - Google Patents
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Description
この種の二次電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等が用いられており、走行用駆動源に使用するには従来のガソリン車やディーゼル車用のバッテリーよりも高電圧(数百V)であり、容量も大きなものが必要になり、複数の電池セルを直列に積層した電池モジュールが使用されている。
このような電池モジュールを車両に搭載するには、車両の走行に伴う振動や車両の衝突に対して保護できる固定構造が要求される。
また、電池モジュールの充放電時、特に充電時に発熱しやすく、冷却することも必要になる場合がある。
そこで、従来一般的に採用されている構造例として、例えば図8に示したような固定構造がある。
電池モジュール101の側部に取り付けた略L字形状のブラケット114にて車両側に固定する例である。
このような構造では電池モジュールの固定強度を確保するのにブラケット114の強度を上げる必要があり、それに伴って重量が重くなる。
また、冷却用のダクトを別部材として取り付ける必要があることから、部品点数が増えるだけでなく、さらに組付け工数が増える。
また、車両衝突時に電池モジュールを充分に保護できない問題もあった。
本発明は、特許文献1に対してさらに製作が容易で組み付け作業が簡単な構造に改善したものである。
これにより、フランジ部の撓みにより発生する反力に対抗した状態で電池モジュールが固定されるので固定強度が高い。
好ましくは、電池モジュールは側面であって、上部側に相互に対向配置した一対のつば部を有し、ベースフレームは電池モジュールの両側の側面に沿って立設した一対のフランジ部を有し、電池モジュールの両側一対のつば部がそれぞれ、一対のフランジ部のつば係止部を上から押え付けるように電池モジュールをベースフレームに固定するものがよい。
電池モジュールの両側の側面を双方から固定することでさらに安定した固定構造になるからである。
この場合に、つば部は下面が外側に向けて斜め下方に傾斜した傾斜面を有し、フランジ部は外側に向けて膨出した膨出部と、当該膨出部の上部側に前記つば係止部と、下部側に押え部を有し、電池モジュールのつば部でフランジ部のつば係止部を上から押え付けるように当該電池モジュールをベースフレームに固定すると、フランジ部が内側に撓むことで押え部が電池モジュールの側面を押圧支持するものであって良い。
このようにすると電池モジュールの両側面であって、且つ、それぞれ上下2ヶ所の合計4ヶ所で固定することになり、さらに走行振動を押えるように固定できる。
図3に示すように固定構造体10は、ベースフレーム11の長手方向両側に立設した両側一対のフランジ部12,13の間に電池モジュール1(ホルダー2)を収納するように固定する。
ベースフレーム11と両側に立設したフランジ部12,13とは、このベースフレーム11に別体のフランジ部12,13を取り付けてもよい。
なお、アルミニウム合金等の押出形材を用いて製作すると、ベースフレーム11と両側のフランジ部12,13を一体的に成形でき、生産性に優れる。
図1(b)に示すように、ベースフレーム11の両側から立設した一対のフランジ部12,13は、外側に向けて膨出した膨出部12c,13cを有し、本実施例では断面略コ字形状になっている。
なお、断面円弧形状や凹凸形状であってもよい。
フランジ部12,13の上部側に内側に折り曲げた、つば係止部12a,13aを有し、樹脂材料、ゴム材料等の弾性体からなる緩衝部材12bを取り付けてある。
また、緩衝部材12b,13bが取り付けやすいように突条部12d,13dを形成した例になっている。
ホルダー2は、樹脂材料等で成形されていて、長手方向の両側の側面であって上部側(頂面側)につば部2aを形成してある。
このつば部は、片側の側面だけに設けても良いが、両側に設けることで、電池モジュールを両側から安定して固定できる。
つば部2aは、側方に突出している。
なお、本実施例では、ホルダー2の長手方向に沿ってヒレ状に外側に突出した、つば形状になっているが、電池モジュール1をベースフレーム11側に固定する際に、このつば部2aの下面がフランジ部12,13の上部に設けたつば係止部12a,13aを力f1で押圧し、このフランジ部12,13に、内外方向の撓む力が生じるように作用するものであれば、つば部の形状に制限はない。
また、つば部はホルダー2に一体的に形成しても別体を取り付けてもよい。
図3に示すように、ホルダー2をベースフレーム11の両側から立設したフランジ部12,13の間に挿入し、ブラケット14を用いてホルダー2の端部とベースフレーム11とを締結固定すると、ホルダー2側のつば部2aの下面がフランジ部12,13の上部のつば係止部12a,13aを下方に押し付けるように固定される。
この際にフランジ部12,13が内外方向に撓みやすいように、このフランジ部12,13は膨出部12c,13cを形成してある。
これにより、電池モジュール1は、固定構造体10のフランジ部12,13の反発力にて安定的に固定される。
また、この膨出部12c,13cの内側に形成された空洞部12e,13eは、冷却ダクトとして使用可能である。
なお、ブラケット14は、予めホルダー2又はベースフレーム11のどちらか一方に固定してあってもよい。
本実施例では、略L字形状に折り曲げたブラケット14の垂直片をホルダー2の端面に締結部材14bで予め固定してあり、水平片をベースフレーム11に設けたスタットボルト11aに締結部材14aで締結固定した例になっている。
フランジ部12,13に撓み力が発生するものであれば、つば部2aの下面に対応し、つば係止部12a,13aの形状は、図4(a)に示すように内側斜めに折り曲がったもの、図4(b)に示すように外側斜めに折り曲がったもの、図4(c)に示すように略T字形状に形成したもの等、形状に制限はない。
本実施例は、つば部2aの形状として下面が外側に向けて斜め下方に傾斜した傾斜面を有する。
一方、フランジ部12,13側のつば係止部12a,13aは、内側斜め上方に傾斜させた。
また、フランジ部12,13の膨出部12c,13cの下部側に立設片状の押え部12f,13fを形成した例である。
これにより、図6(b)に示すように、電池モジュール1(ホルダー2)を一対のフランジ部12,13の間に上から挿入すると図5(b)に示すように、つば部2aがつば係止部12aを上から押圧する際に、つば部2aの下面が傾斜面になっているので、フランジ部12,13が分力f1により、相互に内側方向に撓み、これにより、フランジ部の下部に設けた押え部12f,13fが内側方向に移動する。
左右の押え部12f,13fの当初の間隔(電池モジュールを収容する前の間隔)は、ホルダー2の幅寸法に近似させてあり、押え部が内側に移動する作用力f2により、ホルダー2を両側面で、押圧固定保持する。
ここで、左右の押え部12f,13fの当初の間隔が、ホルダー2の幅寸法に近似しているとは、ホルダー2の下部が左右の押え部の間に挿入でき、且つ、ホルダー2のつば部が、つば係止部を押圧すると押え部によりホルダー2の下部を側面から押圧できる寸法であることをいう。
本実施例では、押え部12f,13fにも弾性材からなる緩衝部材12g,13gを設けてある。
また、フランジ部12,13の内側にシールされた閉断面の空洞部12e,13eが形成されるので、この空洞部を冷却ダクトとして活用できる。
固定構造体10を車両に搭載する際には、固定方法には制限がない。
本実施例では、ベースフレーム11に固定孔11bを設けた。
ベースフレーム11を中空断面形状にすると剛性が向上する効果もあり、アルミ押出形材で容易に製作できる。
2 ホルダー
2a つば部
10 固定構造体
11 ベースフレーム
12 フランジ部
12a つば係止部
13 フランジ部
Claims (2)
- 電池モジュールを固定するための構造体であって、
前記電池モジュールは側方に突出したつば部を有し、
前記構造体はベースフレームと、当該ベースフレームから立設したフランジ部を有し、
前記フランジ部は上部側に前記つば部に当接するつば係止部を有し、
前記電池モジュールのつば部で前記フランジ部のつば係止部を上から押え付けるように当該電池モジュールをベースフレームに固定するものであり、
前記電池モジュールは側面であって、上部側に相互に対向配置した一対のつば部を有し、
前記ベースフレームは前記電池モジュールの両側の側面に沿って立設した一対のフランジ部を有し、
前記電池モジュールの両側一対のつば部がそれぞれ前記一対のフランジ部のつば係止部を上から押え付けるように電池モジュールをベースフレームに固定するものであることを特徴とする電池モジュールの固定構造体。 - 前記つば部は下面が外側に向けて斜め下方に傾斜した傾斜面を有し、
前記フランジ部は外側に向けて膨出した膨出部と、当該膨出部の上部側に前記つば係止部と、下部側に押え部を有し、
前記電池モジュールのつば部でフランジ部のつば係止部を上から押え付けるように当該電池モジュールをベースフレームに固定すると、フランジ部が内側に撓むことで前記押え部が電池モジュールの側面を押圧支持するものであることを特徴とする請求項1記載の電池モジュールの固定構造体。
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