JP5832756B2 - 棒鋼の液相拡散接合方法 - Google Patents

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本発明は、特にコンクリート構造物等に用いられる鉄筋や異形鉄筋など、棒鋼の液相拡散接合方法に関する。
コンクリート構造物に用いられる鉄筋や異形鉄筋などの棒鋼の接合は、ガス圧接によって行われることが多い。これは、建設や補強工事に要する期間の短縮と高効率化が重視されるためである。ガス圧接は、接合しようとする棒鋼同士の接合面をガスバーナーで加熱し、例えば接合面を融点−100℃〜概略融点まで加熱し、固相状態で棒鋼どうしを突き合わせ、その接合面に大きな圧力を付加し、高い締結力を得る接合法である。
しかし、ガス圧接では、突き合わせ部に隙間が存在した場合、酸化物が接合面に残存し、接合強度が低下することがあった。そのため、鋼材同士に初期圧力を負荷して、突き合わせた後に加熱することにより、酸化物の発生を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、非晶質合金などのインサートメタルを開先面間に挟持し、加熱してインサートメタルを溶融させる液相拡散接合は、酸化物等が接合部から排出されるため、高い接合強度が得られる接合方法である。しかし、液相拡散接合は、ガス圧接とは異なり、接合に要する時間が長いため、多数の棒鋼の接合には適していなかった。そのため、棒鋼を液相拡散接合する場合には、接合時間の短縮が課題となる。これに対して、インサートメタルを被接合材の開先面間に挟持して初期荷重を負荷し、加熱して被接合材に複数回の加圧を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、高周波誘導加熱(高周波加熱とも称する。)を加熱手段に用いて棒鋼を液相拡散接合する場合、適正なアップセットを確保して接合強度を高めることが必要である。そのため、インサートメタルを被接合材の開先面間に挟持して初期荷重を負荷し、加熱して所定のタイミングで加圧する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4)。
特開平11−245053号公報 特開平2−241677号公報 特開平6−210465号公報 特開平7−68390号公報
液相拡散接合技術は、本来、極めて高い精度の継手形成に用いられる精密接合技術である。即ち、液相拡散接合方法は、例えば、Ni基超合金の接合などに利用されており、接合に要する拡散時間を十分に長く取り、金属材料の接合部の信頼性を高めるものである。したがって、棒鋼の接合のような、施工時間の短縮が要求される高効率の接合に液相拡散接合を適用する際の技術的課題や解決方法は、従来明確ではなかった。
本発明は、精密接合技術である液相拡散接合技術によって鉄筋や異形鉄筋等の棒鋼を接合する棒鋼の液相拡散接合方法において、従来のガス圧接技術に比べて継手強度を著しく向上させ、従来の液相拡散接合技術に比べて作業性を改善することを目的とするものである。即ち、本発明は、棒鋼の液相拡散接合方法の迅速化を達成する技術であり、従来よりも極めて短い時間で等温凝固過程を完了し、かつ曲げ強度に優れた接合継手が得られる、棒鋼の液相拡散接合方法の提供を課題とするものである。
本発明者らは、従来の液相拡散接合方法では、比較的長時間を要していた拡散接合過程(等温凝固過程とも称する。)を短時間で終了するために検討を行った。即ち、本発明者らは、液相拡散接合部が高温に加熱された際に、極めて高い圧力を短時間だけ負荷する方法により、圧潰を回避し、かつ棒鋼の接合強度を高めることに成功した。本発明は、非晶質合金箔を挟持した棒鋼同士の突き合わせ部に予め一定の圧力を負荷し、高周波誘導加熱に伴う圧力の変化に応じて、加熱域のアップセットのタイミングや量を制御する棒鋼の液相拡散接合方法である。本発明の要旨は以下の通りである。
(1)棒鋼同士の突き合わせ部に非晶質合金箔を挟持し、前記突き合わせ部を前記非晶質合金箔の融点以上、前記棒鋼の融点未満に加熱および加圧し、前記棒鋼同士を接合する棒鋼の液相拡散接合方法において、非晶質合金箔を挟持した前記棒鋼同士の突き合わせ部に、15〜100MPaの範囲内の一定の初期圧力P1を負荷した後、前記突き合わせ部を開閉式の円筒型誘導加熱コイルによって高周波誘導加熱して昇温し、前記突き合わせ部の圧力が前記初期圧力P1の30〜95%である下限圧P2に達した際に、前記突き合わせ部に、アップセット量Lと液相拡散接合前の棒鋼の直径Dとの比L/Dが0.1〜1.2となり、かつ、下記(式1)及び(式2)を満足するように、前記初期圧力P1の40〜150%であるアップセット圧力P3を負荷することを特徴とする棒鋼の高周波誘導加熱による液相拡散接合方法。
P3>P2 ・・・(式1)
P3<71×(L/D)+24 ・・・(式2)
(2)前記突き合わせ部を表層の昇温速度H1が5〜50℃/sになるように10〜200kWの初期出力W1で高周波発振器を作動させて加熱し、突き合わせ部の表層温度TSが前記棒鋼の変態点Ac3以上、1450℃以下の温度範囲内に到達した際に、前記高周波発振器の出力を前記初期出力W1の90%以下である出力W2に低下させて、前記突き合わせ部の表層温度TSが前記非晶質合金箔の融点以上、前記棒鋼の融点未満に到達した際の、前記突き合わせ部の表層温度TSと、前記突き合わせ部の中心温度TCとの温度差ΔTが等温凝固過程において200℃以下になるように、前記突き合わせ部の表層の昇温速度H2を5℃/s未満として更に昇温し、前記突き合わせ部に前記アップセット圧力P3を負荷することを特徴とする上記(1)に記載の棒鋼の液相拡散接合方法。
(3)前記突き合わせ部を、表層の昇温速度H1が5〜50℃/sになるように10〜200kWの初期出力W1で高周波発振器を作動させて加熱し、突き合わせ部の表層温度TSが前記棒鋼の変態点Ac3以上、1450℃以下の温度範囲内に加熱した際に、前記高周波発振器の出力を前記初期出力W1の50%以下である出力W3に低下させて、前記突き合わせ部の表層温度TSが前記非晶質合金箔の融点以上、前記棒鋼の融点未満に到達した際の、前記突き合わせ部の表層温度TSと、前記突き合わせ部の中心温度TCとの温度差ΔTが等温凝固過程において常に100℃以下になるように、前記突き合わせ部の表層の昇温速度H2を2℃/s未満として更に昇温し、前記突き合わせ部に前記アップセット圧力P3を負荷することを特徴とする上記(1)に記載の棒鋼の液相拡散接合方法。
(4)前記棒鋼の軸線と平行な軸線を有する開閉式円筒状の固定治具によって棒鋼を保持し、前記棒鋼の突き合わせ部に圧力を負荷することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の棒鋼の液相拡散接合方法。
本発明によれば、従来のガス圧接に比べて接合強度が高く、信頼性の高い棒鋼の接合継手が得られ、棒鋼の液相拡散接合を、迅速かつ限定された作業空間においても簡便に施工することが可能となる。したがって、本発明によれば、建築物の施工期間を短縮し、接合作業を半自動化できるため、結果として低コストな接合技術を提供することが可能となるなど、産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明による突き合わせ部の圧力及び温度の変化を示すグラフである。 初期圧力P1と等温凝固完了時間との関係を示すグラフである。 加熱域のアップセット量Lと直径Dとの比L/Dとアップセット圧力P3との関係を示すグラフである。 本発明に使用される液相拡散接合装置の一例を示す構成図である。
本発明は、開先に非晶質合金箔を挟持して被接合材同士を突き合わせ、突き合わせ部を非晶質合金箔の融点以上、被接合材の融点未満に加熱し、圧力を負荷して、等温凝固させる液相拡散接合方法を棒鋼の接合に適用したものである。突き合わせ部の圧力及び温度の変化を図1に示す。
棒鋼の端面を突き合わせる際には、非晶質合金箔を挟持するために、初期圧力P1を負荷し、突き合わせ部を加熱する。初期圧力P1を負荷した後、本発明では、棒鋼に荷重を負荷する掴み部の位置がほぼ固定されるように、例えば、油圧ポンプの出力を停止させる。突き合わせ部の温度が上昇すると、棒鋼が軟化し、塑性変形すると突き合わせ部の圧力が低下する。突き合わせ部の圧力が下限圧P2に達した際に、アップセット圧力P3を突き合わせ部に負荷する。
なお、本発明では、初期圧力P1、下限圧P2、アップセット圧力P3などの圧力は、棒鋼に負荷する荷重を、棒鋼の初期の断面積で除した値とする。即ち、加熱やアップセット(押し付け)によって突き合わせ部は膨出するが、棒鋼の断面積を初期のままの一定値とみなし、圧力を求める。
突き合わせ部が非晶質合金箔の融点以上に加熱されると、非晶質合金箔が溶融し、これに伴い棒鋼の端部も溶融して液相が生成される。拡散接合過程(等温凝固過程)を短時間で終了させるためには、棒鋼の端面(開先)に挟持した非晶質合金箔が溶融した際に、液相を突き合わせ部の外に排出することが必要である。非晶質合金箔を挟持するために負荷された初期圧力P1は、液相が生成した際には、棒鋼の塑性変形によって緩和されているが、液相の排出には寄与する。
したがって、拡散接合過程(等温凝固過程)を短時間化するためには、初期圧力の制御が重要になる。本発明者らは、棒鋼の突き合わせ部に非晶質合金箔を挟持し、初期圧力P1を負荷して突き合わせ部を加熱し、昇温中に鋼材が軟化して接合圧力が下限圧P2まで低下したときにアップセット圧力P3を負荷し、突き合わせ部の組織観察を行った。試験は、突き合わせ部の温度が、非晶質合金箔の融点以上、棒鋼の融点未満に達してから、アップセット圧力P3を負荷し、接合温度に保持した後に冷却を開始するまでの時間(等温凝固時間)を変化させて行った。なお、試験には直径の異なる2種類の棒鋼を用いて実施した。
突き合わせ部の観察は、接合部の軸方向断面、即ち、接合面に垂直な方向の断面において行った。初期圧力P1と、等温凝固が完了するまでの時間との関係を図2に示す。突き合わせ部の組織を観察し、未等温凝固組織が観察された場合は、等温凝固未完了と判断し、記号×で示し、未等温凝固組織が観察されない場合は、等温凝固完了と判断し、記号○で示した。
未等温凝固組織は、液相拡散接合に用いた非晶質合金箔が、その融点以上に加熱され、等温凝固しない段階で冷却された際に観察される組織である。即ち、未等温凝固組織は、デンドライト状の凝固組織及び非晶質合金箔に含まれるB、P、C等の拡散元素によって生成される非金属系の化合物である硼化物、リン化物、または炭化物からなる組織であり、光学顕微鏡によって容易に識別することができる。
図2に示したように、初期圧力P1を15MPa以上にすれば、ほぼ1分以内に等温凝固が完了することがわかった。一方、100MPa超の初期圧力P1を負荷すると、アップセットによって棒鋼の開先が大きく膨出し、継手外表面が誘導加熱コイルと接触するほどの変形を伴うことがある。したがって、本発明では、初期圧力P1の上限を100MPaとした。
次に、本発明者らは、接合強度を高めるために、アップセットの条件について検討を行った。非晶質合金箔を挟持した棒鋼の突き合わせ部に一定の初期圧力P1を負荷して高周波誘導加熱すると、鋼材の軟化によって、突き合わせ部の圧力が、迅速な液相拡散接合の達成に不十分な圧力まで低下することがある。そのため、突き合わせ部の圧力が下限圧P2に達した際に、再度、突き合わせ部にアップセット圧力P3を負荷する。
アップセット圧力P3は、突き合わせ部の等温凝固過程における温度によって変化する。即ち、突き合わせ部の同温度が低い場合は、アップセット圧力P3を大きくする必要があり、一方、突き合わせ部の同温度が高い場合は、低いアップセット圧力P3を負荷する必要がある。このアップセット圧力P3を負荷することにより、棒鋼の長さの減少量、すなわち加熱域のアップセット量Lを確保する。また、アップセット圧力P3の負荷によって、鉄筋や異形鉄筋などの棒鋼の接合面から、加熱昇温時に生成した酸化物等を排出することができる。
ただし、アップセット量Lが大きくなると、接合部の膨出によって棒鋼同士の接合部が加熱コイルに接触することがある。したがって、通常、アップセット量Lと直径Dの関係で示すと、Lは0.1D〜1.2Dの範囲内に制御する必要があることが、本発明者らの研究で明らかとなった。実際の操業では、所定のアップセット量Lに達した際に、このアップセット圧力P3の負荷を停止するように制御してもよい。
本発明者らは、種々の直径の棒鋼を用いて、アップセット量Lを変化させて、接合強度とアップセット圧力P3との関係について検討を行った。棒鋼の液相拡散接合継手の接合強度は、90°曲げ試験の合否によって判定した。アップセット量Lは棒鋼の直径Dにも依存して変化することから、棒鋼の直径Dによって規格化し、アップセット比L/Dとアップセット圧力P3に対して、90°曲げ試験の結果を整理した。
図3は棒鋼の直径Dを22〜51mmで変化させ、アップセット量Lを材質に応じて6〜22mmの範囲で変化させた場合の結果である。図中の記号○は90°曲げた際に折損が発生せず、×は90°曲げる前に接合部で折損したことを意味する。図3に示したように、アップセット圧力P3と、アップセット比L/Dとが、
P3<71×(L/D)+24 ・・・ (式2)
を満足すると、優れた接合強度が得られることがわかった。
図3から、例えば、棒鋼の直径Dを一定とした場合、アップセット量Lが大きくなるようにアップセット圧力P3を決定すれば、評価結果(4点曲げによる90度曲げ試験)は合格となることが明らかである。また、アップセット量Lが所定値に達した際に、油圧ポンプによる荷重の負荷を停止させるように制御することも可能である。
本発明は、以上の検討に基づいて、更に検討を重ねて完成されたものである。以下、本発明について、詳細に説明する。
従来、液相拡散接合では、突き合わせ部が変形するような高い圧力を負荷しなかったため、加工精度の管理が必要であった。これに対して、本発明の棒鋼の液相拡散接合方法では、突き合わせ部が膨出するような高い圧力が負荷される。そのため、棒鋼の端面(開先)は、ガス圧接に適した形状及び面粗さに加工すればよく、現地施工で一般的に用いられる切削面で十分である。そのように加工された棒鋼の端面、即ち開先面間に、非晶質合金箔を挟持する。
非晶質合金箔は、突き合わせられる棒鋼の断面を覆う大きさであることが必要である。したがって、非晶質合金箔の形状は、棒鋼の断面と同様に略円形とし、直径を棒鋼の断面よりも大きくすることが好ましい。また、非晶質合金箔は、Fe、Ni、Co、Mn等の元素の1種又は2種以上を基本成分とする金属又は合金に、非晶質形成元素としてB、Si、P、Cの1種又は2種以上を添加したものが好ましい。更に、必要に応じて、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、W等の元素の1種又は2種以上を添加することが好ましい。また、非晶質合金箔は、例えば、液体急冷法などによって製造することができる。
非晶質合金箔を挟持して棒鋼同士の端面を突き合わせた後、突き合わせ部に、15〜100MPaの範囲内の一定の初期圧力P1(圧縮)を負荷する。初期圧力P1は、突き合わせ部を加熱した際に、液相拡散接合応力としても作用する。特に、溶融した非晶質合金箔によって生成する液相を排出し、液相拡散接合を迅速化するためには、初期圧力P1を高めることが重要である。
本発明では、等温凝固完了時間を1分以内にするため、初期圧力P1を15MPa以上とする(図2参照)。液相拡散接合の更なる迅速化を達成する、即ち、等温凝固完了時間を更に短くするには、初期圧力P1を30MPa以上にすることが好ましい。なお、等温凝固完了時間とは、突き合わせ部に未等温凝固組織が観察されなくなるまでに要する時間であり、施工工程では、棒鋼表面温度が箔の融点以上となった時点から、圧力制御によって開先面の圧力がアップセット圧力P3になるまでの時間である。
一方、初期圧力P1が高すぎると、突き合わせ部を高周波加熱した際に膨出部が加熱コイルと接触し、接合が不可能となることがある。本発明者らは、棒鋼を突き合わせて、突き合わせ部を加熱し、圧力を加えて継手の膨出挙動の検討を行った。その結果、一般的な液相拡散接合の加熱温度の上限である1200℃で加熱コイルとの接触が生じないように、初期圧力P1を100MPa以下にすることが必要であることがわかった。棒鋼の膨出変形を少なくするには、初期圧力P1を80MPa以下にすることが好ましい。更に、膨出変形を極力回避する適用例においては、初期圧力P1は、70MPa以下が好ましい。
初期圧力P1を負荷した後、非晶質合金箔を介在させた棒鋼の突き合わせ部を高周波誘導加熱する。棒鋼の突き合わせ部を継続して加熱すると、まず、棒鋼が熱膨張し、突き合わせ部に負荷された荷重(突き合わせ部の圧力)は僅かに上昇する。更に突き合わせ部の温度が上昇すると、棒鋼が軟化して突き合わせ部の圧力が低下する。突き合わせ部の温度が900℃以上になると、棒鋼の組織が変態するため、突き合わせ部の圧力が急激に低下する。そして、突き合わせ部の中心温度が非晶質合金箔の融点以上に達すると等温凝固が始まる。加熱時には、突き合わせ部が被接合材の融点以上に加熱されないように、適宜、高周波誘導加熱を制御するか、又は停止する。
このように、突き合わせ部に負荷された荷重の変化は、棒鋼の突き合わせ部の温度と対応している。そのため、本発明では、アップセット圧力P3の負荷開始のタイミングを、突き合わせ部の圧力によって決定する。即ち、突き合わせ部の圧力が下限圧P2に達した際に、アップセット圧力P3を負荷する。突き合わせ部に荷重を負荷することから、アップセット圧力P3は、下限圧P2よりも大きくなる。したがって、
P3>P2 ・・・(式1)
である。必要な下限圧P2は、棒鋼の形状、直径、成分、および加熱幅などによって変化するため、突き合わせ部の温度を熱電対によって測定しながら、下限圧P2を実験的に決定することが好ましい。
下限圧P2は、初期圧力P1の30〜95%の範囲内とする。下限圧P2が初期圧力P1の95%超であるときは、突き合わせ部の温度が低い場合であり、中央部の温度が1000℃に満たないことを実験的に確認している。そのため、アップセットが不十分になり、継手の曲げ特性、すなわち強度が劣化する。一方、下限圧P2が初期圧力P1の30%未満のときは、突き合わせ部の温度が高い場合であり、中央部の温度が1350℃を超えることがある。この場合、接合部は一部溶融してしまい、継手の形状を維持できなくなり、目的とする強度を得られない。なお、下限圧P2は、4.5〜95MPaとすることが好ましい。
本発明では、上述のように、下限圧P2によって突き合わせ部の中心部(棒鋼の断面の中心部)の温度が、液相拡散接合に適した1000〜1350℃、好ましくは1100〜1300℃になるように管理する。
アップセット圧力P3は、初期圧力P1の40%未満であると、本発明の目的である迅速な接合が達成されず、例えば最高加熱温度保持時間1分以内での接合は完了せず、接合強度が低下する。したがって、アップセット圧力P3は、初期圧力P1の40%以上とすることが必要である。一方、アップセット圧力P3の上限は、突き合わせ部が過度に膨出しないように、初期圧力P1の150%以下とする。なお、コイルと棒鋼のクリアランスが小さい場合、例えば10mm以下のような場合には100%以下が望ましい。アップセット圧力P3は、実応力で4.5〜150MPaとすることが好ましく、さらに好ましくは5〜100MPaとする。
優れた接合強度を得るために、アップセット圧力P3は、図に示したように棒鋼の直径Dとアップセット量Lとの関係が、
P3<71×(L/D)+24 ・・・ (式2)
を満足することが必要である。
アップセット圧力P3の負荷によって、実質的に等温凝固の時間を決定する溶融金属幅が狭くなり、等温凝固が加速される。また、同時に、突き合わせ部の直径が増大し、実質的に接合部位の面積が増加するため、継手の接合強度が高くなる。更に、等温凝固の完了迅速化によって、被加熱部の結晶粒径の粗大化が抑制され、継手の機械特性が顕著に向上する。
本発明では、高周波加熱が最適な加熱方法である。これは、棒鋼の液相拡散接合を迅速化することを課題とする本発明では、昇温速度を高めることが好ましいためである。高周波加熱は昇温速度を大きくすることができ、接合する棒鋼の直径にもよるが、1000℃の加熱に要する時間は最短で20秒である。
液相拡散接合に要する時間を短縮するためには、初期圧力P1を負荷した突き合わせ部を高周波加熱する際に、昇温速度を5℃/s以上にすることが好ましい。一方、高周波加熱ではあまりに急速に加熱すると、表層の温度が表皮効果によって高くなるため、突き合わせ部の中心部との温度差が大きくなる。そのため、本発明では、初期圧力P1を負荷した突き合わせ部を高周波加熱する際の昇温速度を50℃/s以下にすることが好ましい。
なお、昇温速度は、突き合わせ部の表層温度の時間変化から求める。種々の直径の棒鋼の表面に熱電対を装着し、高周波発振器の出力を変化させ、突き合わせ部の表層温度の時間変化を求めておけば、高周波発振器の出力によって、昇温速度を制御することができる。本発明では、最初に棒鋼の突き合わせ部を高周波加熱する際の昇温速度H1が5〜50℃/sになるように、初期出力W1で高周波発振器を作動させて加熱することが好ましい。22〜51mmの棒鋼では、実験の結果、初期出力W1は10〜200kWであり、棒鋼の直径や加熱コイルの形状に応じて調整する。
液相拡散接合に要する時間を短縮するためには、昇温速度を大きくすることが好ましいが、一方では、突き合わせ部の表層と中心部との温度差が拡大するという問題も生じる。本発明では、上記(式2)を満足することで、接合強度を確保することができるものの、膨出量を制御するためには、突き合わせ部の表層と中心部との温度差を小さくすることが好ましい。そのためには、高周波加熱の初期では昇温速度を大きくし、突き合わせ部の表層と中心部との温度差が大きくなる前に昇温速度を低下させればよい。
本発明者らは、突き合わせ部の表面と中心部に熱電対を取り付け、昇温速度を変化させて、突き合わせ部の表層と中心部との温度差を小さくするため、高周波加熱の制御方法について検討を行った。その結果、突き合わせ部の表層温度Tと中心部の温度Tの差ΔTが200℃にまで達した際に、高周波発振器の出力W2を初期出力W1の10〜90%に低下させることが好ましいという知見を得た。
すなわち、被接合材料の温度がAc変態点以上まで加熱された際に、高周波発振器の出力を低下させないと、突き合わせ部の表層温度Tと中心温度Tとの温度差ΔTを低減する効果が得られない。突き合わせ部の表層と中心部との温度差の拡大を抑制するためには、被接合材料のAc変態点以上の加熱時における高周波加熱の出力W2を初期出力W1の90%以下にすることが好ましく、これにより、突き合わせ部の表層の昇温速度H2が5℃/s未満となって、ΔTは200℃以下となる。
なお、初期出力W1の値が比較的大きい場合は、出力W2を0とした場合(電源の停止)でも、それまでの加熱による継手近傍の熱の移動によって棒鋼中心部の昇温が継続することを実験的に確認した。特に直径の小さい棒鋼では、高周波加熱の出力の制御によってΔTを顕著に低減することができる。すなわち、出力W2を初期出力W1の90%以下(出力の停止を含む)に制御する事で、継手の昇温速度は5℃/s未満となることを実験的に確認して決定した。
このように、高周波加熱の途中に、適正な条件で出力を低下させると、突き合わせ部の表層温度Tが非晶質合金箔の融点以上に到達した際に、突き合わせ部の中心温度Tとの温度差ΔTを200℃以下に抑えることができる。液相拡散接合に要する時間を短縮するには、昇温時の棒鋼のAc変態点以上の加熱時において、棒鋼の開先が極力密着して均一に変形することが好ましい。したがって、アップセット圧力P3を負荷する際に、突き合わせ部の表層と中心部の温度差を小さくすることは、突き合わせ部の均一変形に寄与し、液相拡散接合の迅速化にも有効である。
なお、ΔTの値を100℃以下とすることができれば、突き合わせ部の表層と中心部の変形抵抗の差が実質的になくなり、アップセット圧力P3を負荷する際には、開先が理想的なI形開先に近くなる。その結果、棒鋼の断面全体に亘って、等温凝固完了時間が均一になり、液相拡散接合継手の接合強度が高くなる。この結果、継手の膨出が抑制できて、継手の変形を局限したい場合に有効である。
例えば直径45mm以上の棒鋼の場合には、ΔTを100℃以下にするためには、表層温度TがAc変態点以上に加熱された場合に、昇温速度を2℃以下に低減することが好ましい。この場合は、高周波発振器の出力の上限を出力W2よりも小さくすること、具体的には、初期出力W1の50%以下である出力W3とすることが好ましい。
なお、高周波加熱の昇温速度は、棒鋼の直径、加熱コイルと棒鋼の相対位置によって異なる。そのため、予め、突き合わせ部の表面と中心部に熱電対を取り付け、高周波加熱の条件と昇温速度及びΔTとの関係を求めておくことが好ましい。種々の直径の棒鋼の表面及び中心に熱電対を装着し、高周波発振器の出力を変化させ、突き合わせ部の表層温度T及び中心温度Tの時間変化を求めておけば、高周波発振器の出力によって、表層温度T及び中心温度Tを制御することができる。
棒鋼の軸方向に初期圧力、アップセット圧力を負荷する治具は、棒鋼の軸芯と平行な軸芯を有する開閉式の円筒状掴み具とした。アップセット圧力P3を負荷すると、円筒状掴み具の軸方向の位置は、被接合材の高温塑性変形に伴って軸方向に移動する。アップセット圧力P3の負荷に伴う円筒状掴み具の軸方向の移動量は、材質によらず、棒鋼の軸方向の塑性変形量を代表する。したがって、本発明では、円筒状掴み具の軸方向の位置の変化を、棒鋼の軸方向の圧縮量とし、この値をアップセット量L(mm)とする。なお、アップセット量Lが所定値に達した際に、油圧ポンプの出力を停止するように制御してもよい。
一般に、被接合材である棒鋼の軸芯を正しく合わせて接合することは、継手の強度すなわち曲げ特性にとって重要である。そのため、本発明では、棒鋼の軸線と平行な軸線を有する開閉式円筒状の固定治具によって棒鋼を保持することが好ましい。また、突き合わせ部の加熱には、速く昇温できる高周波誘導加熱装置を用いることが好ましい。なお、作業性の観点から、設置及び取外しが容易な開閉式の円筒型誘導加熱コイルを採用することが好ましい。
棒鋼を接合する施工場所では、大型の柱状コンクリート構造体に複数本の棒鋼を内在させる場合がある。この場合、棒鋼同士の間隔は建築基準法によって定められた間隔を厳守することが必要となる場合がある。この間隔は構造体の強度を維持するための間隔であって、接合の作業性を考慮したものではない。したがって、施工現場によっては、極めて狭小な空間で棒鋼を接合することが要求される。本発明の棒鋼の液相拡散接合方法では、高周波誘導加熱に使用される加熱コイルなどは、小型の装置を採用することができ、また、制御による自動化が可能になり、人間が直接介在する機会を極力少なくすることができる。
表1に示す成分組成を有するS45C鋼を溶製し、連続鋳造によって500mm角の鋼片とした。得られた鋼片を再加熱し、熱間圧延して22〜51mmの直径を有する棒鋼、または異形棒鋼とし、試験のために1mの長さに切断した。棒鋼または異形棒鋼の切断面同士の間に非晶質合金箔を挟持し、突き合わせた。非晶質合金箔は、厚みが30〜50μmであり、断面は略円形で、棒鋼の直径よりも大きな直径を有する。なお、本実施例で用いた非晶質液相拡散接合用合金箔は、Niを13原子%、Bを16原子%、Siを2.5原子%含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成のもので、融点はおよそ1130℃であった。
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図4は、本発明を実施する液相拡散接合装置1の例を示す。突き合わせた棒鋼2同士を固定する固定治具3が、油圧シリンダ4を介して、油圧ポンプが内蔵された制御器5に接続され、棒鋼2同士の突き合わせ部に所定の圧力を負荷する。棒鋼2同士の突き合わせ部は、棒鋼2よりも内径の大きな高周波誘導加熱コイル6により加熱される。加熱コイル6は、半割開閉式の円筒状加熱部位を付帯し、各棒鋼2、2に固定された支持具7に取り付けられ、高周波ケーブル8を介して高周波発振器9に接続されている。また、加熱コイル6には、冷却水ホース11を介して、冷却水循環装置12が接続されている。オペレータは、例えば手元スイッチ13により制御器5を操作し、制御器5からの信号により、高周波発振器9、冷却水循環装置12等が制御されて、液相拡散接合が行われる。
本実施例において、液相拡散接合は、図4に示す液相拡散接合装置1によって行った。なお、加熱コイル3の軸線は棒鋼2の軸線と合致しており、接合部幅(軸線方向の長さ)は20〜50mmである。また、突き合わせ部の温度は、棒鋼2の表層に接合したPR熱電対によって測定した。突き合わせ部の圧力は、固定治具4のロードセルで測定し、棒鋼又は異形棒鋼の断面積で除して求めた。
液相拡散接合は、図1に模式的に示したように、突き合わせ部に初期圧力P1を負荷し、高周波誘導加熱して、下限圧P2に達した際にアップセット圧力P3を負荷して行った。高周波誘導加熱は、初期圧力P1を負荷した後、固定治具4の軸線方向の位置を固定した状態で、高周波発振器5の出力を初期出力W1として昇温速度H1を制御して行った。
また、一部の試験は、昇温速度H1で加熱した後、高周波発振器5の出力をW2又はW3に制御して加熱し、昇温速度H2を制御した。高周波発振器5は、加圧力がP3となった時点で出力を停止した。なお、棒鋼2の表層温度Ts、中心温度Tcは、予め、直径が同一である棒鋼の表層及び周方向の中心の位置に熱電対を取り付け、接合試験と同一の条件で加熱した。測定結果から、温度差ΔT、昇温速度H1、H2、高周波発振器5の出力を切り替えた温度を算出した。液相拡散接合時間tは、棒鋼表面温度Tsが、本実施例に用いた非晶質合金箔の融点である1130℃以上に達した時から、アップセット圧力がP3に到達するまでの時間とした。
得られた液相拡散接合継手を用いて、4点曲げ式の曲げ試験機にて接合部の曲げ強度を、曲げ角度で判定して測定した。曲げ半径は2Dである。90度曲げることができたものを合格とし、90度に達する前に割れが生じたものを不合格とした。なお、突き合わせ部が膨出によって加熱コイルに接触した場合は、接合を中断したため、継手の曲げ試験を行なっていない。
表2〜7に本発明例(No.1〜90)の液相拡散接合条件および試験結果を示し、表8及び9に比較例(No.101〜112)の液相拡散接合条件および試験結果を示す。なお、表8及び9において、本発明の範囲を外れたものには下線を引いた。表2〜7に示した本発明例は、表3、5、7に示すように何れも90度曲げることができ、接合部強度は合格である。また、継手の膨出もコイル内径より小さく、試験そのものが不可能となる例はなかった。なお、表3、5、7において、初期出力W1で高周波加熱し、そのまま所定の温度に達した場合は、「W2又はW3」及び「W2又はW3 昇温速度」を空欄とした。
一方、表8及び9に示した比較例のうち、No.101は、初期圧力P1が15MPaを下回っており、未等温凝固組織が残留し、曲げ試験が不合格となった例である。No.102は初期圧力P1が100MPaを超えたため、突き合わせ部が過大に膨出し、接合を中断した例である。No.103は初期圧力P1を負荷した後、圧力が下限圧P2を下回って低下したため、未等温凝固組織が接合部に残留して曲げ試験が不合格となった例である。No.104は下限圧P2が初期圧P1の95%以上と高くなった例であり、接合時の温度が低く、結果的に等温凝固が不十分となり、未等温凝固組織が接合部に残留して曲げ試験が不合格となった。
No.105はアップセット圧力P3が不十分で、等温凝固が不十分となり、未等温凝固組織が接合部に残留して曲げ試験が不合格となった例である。No.106はアップセット圧力P3が高すぎて、突き合わせ部が過大に膨出し、接合を中断した例である。No.107はアップセット比L/Dが少なく、アップセットが不十分で、未等温凝固組織が接合部に残留し、曲げ試験が不合格となった例である。No.108はL/Dが大きく、突き合わせ部が過大に膨出し、接合を中断した例である。
No.109は、P3>71(L/D)+24となり、棒鋼の継手形状に対してアップセット圧力が不足したため、未等温凝固組織が接合部に残留して曲げ試験が不合格となった例である。No.110は、W2が過大となり、温度が上昇しすぎて棒鋼表面が完全に溶融し、結果として継手を形成できず、試験を中断した不合格例、No.111は初期の昇温のための出力W1が低くなり、十分に早く加熱することが出来ず、接合時間が大幅に長くなったことから試験を中断した不合格例、No.112は初期の昇温のための出力W1が高くなり、急熱しすぎて棒鋼表面が完全に溶融し、結果として継手を形成できず、試験を中断した不合格例である。
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1 液相拡散接合装置
2 棒鋼
3 固定治具
4 油圧シリンダ
5 制御器
6 加熱コイル
7 支持具
8 高周波ケーブル
9 高周波発振器
11 冷却水ホース
12 冷却水循環装置
13 手元スイッチ

Claims (4)

  1. 棒鋼同士の突き合わせ部に非晶質合金箔を挟持し、前記突き合わせ部を前記非晶質合金箔の融点以上、前記棒鋼の融点未満に加熱および加圧し、前記棒鋼同士を接合する棒鋼の液相拡散接合方法において、
    非晶質合金箔を挟持した前記棒鋼同士の突き合わせ部に、15〜100MPaの範囲内の一定の初期圧力P1を負荷した後、前記突き合わせ部を開閉式の円筒型誘導加熱コイルによって高周波誘導加熱して昇温し、前記突き合わせ部の圧力が前記初期圧力P1の30〜95%である下限圧P2に達した際に、前記突き合わせ部に、アップセット量Lと液相拡散接合前の棒鋼の直径Dとの比L/Dが0.1〜1.2となり、かつ、下記(式1)及び(式2)を満足するように、前記初期圧力P1の40〜150%であるアップセット圧力P3を負荷することを特徴とする棒鋼の高周波誘導加熱による液相拡散接合方法。
    P3>P2 ・・・(式1)
    P3<71×(L/D)+24 ・・・(式2)
  2. 前記突き合わせ部を、表層の昇温速度H1が5〜50℃/sになるように10〜200kWの初期出力W1で高周波発振器を作動させて加熱し、突き合わせ部の表層温度TSが前記棒鋼の変態点Ac3以上、1450℃以下の温度範囲内に加熱した際に、前記高周波発振器の出力を前記初期出力W1の90%以下である出力W2に低下させて、
    前記突き合わせ部の表層温度TSが前記非晶質合金箔の融点以上、前記棒鋼の融点未満に到達した際の、前記突き合わせ部の表層温度TSと、前記突き合わせ部の中心温度TCとの温度差ΔTが等温凝固過程において200℃以下になるように、前記突き合わせ部の表層の昇温速度H2を5℃/s未満として更に昇温し、前記突き合わせ部に前記アップセット圧力P3を負荷することを特徴とする請求項1に記載の棒鋼の液相拡散接合方法。
  3. 前記突き合わせ部を、表層の昇温速度H1が5〜50℃/sになるように10〜200kWの初期出力W1で高周波発振器を作動させて加熱し、突き合わせ部の表層温度TSが前記棒鋼の変態点Ac3以上、1450℃以下の温度範囲内に加熱した際に、前記高周波発振器の出力を前記初期出力W1の50%以下である出力W3に低下させて、
    前記突き合わせ部の表層温度TSが前記非晶質合金箔の融点以上、前記棒鋼の融点未満に到達した際の、前記突き合わせ部の表層温度TSと、前記突き合わせ部の中心温度TCとの温度差ΔTが等温凝固過程において常に100℃以下になるように、前記突き合わせ部の表層の昇温速度H2を2℃/s未満として更に昇温し、前記突き合わせ部に前記アップセット圧力P3を負荷することを特徴とする請求項1に記載の棒鋼の液相拡散接合方法。
  4. 前記棒鋼の軸線と平行な軸線を有する開閉式円筒状の固定治具によって棒鋼を保持し、前記棒鋼の突き合わせ部に圧力を負荷することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の棒鋼の液相拡散接合方法。
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